説明

転写因子E3(TFE3)に対する天然アンチセンス転写物の阻害によるTFE3およびインスリン受容体基質2(IRS2)関連疾患の処置

本発明は、とりわけ転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)の天然アンチセンスポリヌクレオチドを標的にすることによって、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの発現および/または機能を変調するアンチセンスオリゴヌクレオチドに関する。本発明は、これらのアンチセンスオリゴヌクレオチドの同定、ならびにTFE3および/またはIRS2の発現に関連する疾患および障害を処置する上でのこれらの使用にも関する。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織におけるインスリン受容体基質2(IRS2)および/または転写因子E3(TFE3)転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの機能および/または発現を変調する方法であって、
配列番号3のヌクレオチド1から497内の連続した5から30ヌクレオチドを含むポリヌクレオチドのリバース相補体に対して少なくとも50%の配列同一性を有する、長さ5から30ヌクレオチドの少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドと前記細胞または組織を接触させ、それによってin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの機能および/または発現を変調する段階を含む、方法。
【請求項2】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの機能および/または発現を変調する方法であって、
転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの天然アンチセンスのリバース相補体に対して少なくとも50%の配列同一性を有する、長さ5から30ヌクレオチドの少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドと前記細胞または組織を接触させ、それによってin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの機能および/または発現を変調する段階を含む、方法。
【請求項3】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの機能および/または発現を変調する方法であって、
転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドに対して少なくとも50%の配列同一性を有する、長さ5から30ヌクレオチドの少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドと前記細胞または組織を接触させ、それによってin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの機能および/または発現を変調する段階を含む、方法。
【請求項4】
in vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの機能および/または発現を変調する方法であって、
転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの天然アンチセンスオリゴヌクレオチドの領域を標的とする少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドと前記細胞または組織を接触させ、それによってin vivoまたはin vitroで患者の細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)の機能および/または発現を変調する段階を含む、方法。
【請求項5】
転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)の機能および/または発現がin vivoまたはin vitroで対照に比べて増大している、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの天然アンチセンス配列を標的とする、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドのコードおよび/または非コード核酸配列を含む核酸配列を標的とする、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドのオーバーラップおよび/または非オーバーラップ配列を標的とする、請求項4に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの修飾された糖部分、少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間連結、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド、およびこれらの組合せから選択される1つまたは複数の修飾を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項10】
1つまたは複数の修飾が、2'-O-メトキシエチル修飾された糖部分、2'-メトキシ修飾された糖部分、2'-O-アルキル修飾された糖部分、2環式糖部分、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾された糖部分を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つまたは複数の修飾が、ホスホロチオエート、2'-O-メトキシエチル(MOE)、2'-フルオロ、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カーバメート、カーボネート、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステル、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオシド間連結を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
1つまたは複数の修飾が、ペプチド核酸(PNA)、固定核酸(LNA)、アラビノ核酸(FANA)、類似体、誘導体、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つのオリゴヌクレオチドが、配列番号4から9に記載する少なくとも1つのオリゴヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
in vivoまたはin vitroで哺乳動物の細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)遺伝子の機能および/または発現を変調する方法であって、
転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドのアンチセンスポリヌクレオチドに特異的であり、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンスの核酸分子の少なくとも約5つの連続した核酸の相補配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有する、長さ5から30ヌクレオチドの少なくとも1つの低分子干渉RNA(siRNA)オリゴヌクレオチドと前記細胞または組織を接触させる段階;ならびに
in vivoまたはin vitroで哺乳動物細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)の機能および/または発現を変調する段階を含む、方法。
【請求項15】
前記オリゴヌクレオチドが、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンスの核酸分子に対して相補的である少なくとも約5つの連続した核酸の配列に対して少なくとも80%の配列同一性を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
in vivoまたはin vitroで哺乳動物細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)の機能および/または発現を変調する方法であって、
前記少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドは配列番号1、2、5に記載する少なくとも1つの核酸配列に対して少なくとも50%の配列同一性を有し、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドのセンスおよび/または天然アンチセンス鎖の非コードおよび/またはコード配列に特異的である、長さ約5から30ヌクレオチドの少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドと前記細胞または組織を接触させる段階;ならびに
in vivoまたはin vitroで哺乳動物細胞または組織における転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)の機能および/または発現を変調する段階を含む、方法。
【請求項17】
少なくとも1つの修飾された糖部分、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド間連結、少なくとも1つの修飾されたヌクレオチド、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾を含み、in vivoまたはin vivoで、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)遺伝子にハイブリダイズし、その機能および/または発現をin vivoまたはin vivoで正常の対照に比べて変調するアンチセンス化合物である、合成の、修飾されたオリゴヌクレオチド。
【請求項18】
少なくとも1つの修飾が、ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カーバメート、カーボネート、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステル、およびこれらの組合せからなる群から選択されるヌクレオチド間連結を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項19】
少なくとも1つのホスホロチオエートヌクレオチド間連結を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項20】
ホスホロチオエートヌクレオチド間連結のバックボーンを含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項21】
ペプチド核酸、固定核酸(LNA)、類似体、誘導体、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾されたヌクレオチドを含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項22】
ホスホロチオエート、アルキルホスホネート、ホスホロジチオエート、アルキルホスホノチオエート、ホスホラミデート、カーバメート、カーボネート、リン酸トリエステル、アセトアミデート、カルボキシメチルエステル、およびこれらの組合せから選択される修飾されたヌクレオチドを含む複数の修飾を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項23】
ペプチド核酸、固定核酸(LNA)、類似体、誘導体、およびこれらの組合せから選択される修飾されたヌクレオチドを含む複数の修飾を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項24】
2'-O-メトキシエチル修飾された糖部分、2'-メトキシ修飾された糖部分、2'-O-アルキル修飾された糖部分、2環式糖部分、およびこれらの組合せから選択される少なくとも1つの修飾された糖部分を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項25】
2'-O-メトキシエチル修飾された糖部分、2'-メトキシ修飾された糖部分、2'-O-アルキル修飾された糖部分、2環式糖部分、およびこれらの組合せから選択される修飾された糖部分を含む複数の修飾を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項26】
少なくとも長さ約5から30ヌクレオチドであり、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンス鎖にハイブリダイズし、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンスのコードおよび/または非コード核酸配列の少なくとも約5つの連続した核酸の相補配列に対して少なくとも約20%の配列同一性を有する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項27】
転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドのアンチセンスおよび/またはセンスのコードおよび/または非コード核酸配列の少なくとも約5つの連続した核酸の相補配列に対して少なくとも約80%の配列同一性を有する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項28】
in vivoまたはin vivoで、転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの少なくとも1つにハイブリダイズし、その発現および/または機能を正常の対照に比べて変調する、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項29】
配列番号4から9に記載する配列を含む、請求項17に記載のオリゴヌクレオチド。
【請求項30】
アンチセンス配列、相補配列、対立遺伝子、ホモログ、イソ型、バリアント、誘導体、突然変異体、フラグメント、またはこれらの組合せを含む転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの1つまたは複数に特異的な1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含む組成物。
【請求項31】
オリゴヌクレオチドが、配列番号4から9に記載するいずれか1つのヌクレオチド配列に比べて少なくとも約40%の配列同一性を有する、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
オリゴヌクレオチドが、配列番号4から9に記載するヌクレオチド配列を含む、請求項30に記載の組成物。
【請求項33】
配列番号4から9に記載するオリゴヌクレオチドが1つまたは複数の修飾または置換を含む、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
1つまたは複数の修飾が、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、ペプチド核酸、固定核酸(LNA)分子、およびこれらの組合せから選択される、請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
少なくとも1つの転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドおよび/または少なくとも1つのコードされたそれらの生成物に関連する疾患を防止または処置する方法であって、
前記少なくとも1つの転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの天然アンチセンス配列に結合し、前記少なくとも1つの転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドの発現を変調する、少なくとも1つのアンチセンスオリゴヌクレオチドの治療有効量を患者に投与し、それによって、少なくとも1つの転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドおよび/または少なくとも1つのコードされたそれらの生成物に関連する疾患を防止または処置する段階を含む、方法。
【請求項36】
少なくとも1つの転写因子E3(TFE3)および/またはインスリン受容体基質2(IRS2)ポリヌクレオチドに関連する疾患が、1型および2型糖尿病、インスリン抵抗性非糖尿病状態(例えば、肥満、耐糖能障害(IGT)、およびメタボリックシンドローム)、多嚢胞性卵巣症候群、アテローム性動脈硬化、癌;アポトーシス、加齢、および老化に関連する疾患;ならびに神経変性疾患または障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など)から選択される、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
in vivoで投与するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを同定および選択する方法であって、
疾患状態に関連する標的ポリヌクレオチドを選択する段階と、
選択された標的ポリヌクレオチドに対して、または選択された標的ポリヌクレオチドに対してアンチセンスであるポリペプチドに対して、相補的である少なくとも5つの連続したヌクレオチドを含む少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを同定する段階と、
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下における、アンチセンスオリゴヌクレオチドと、標的ポリヌクレオチド、または選択された標的ポリヌクレオチドに対してアンチセンスであるポリヌクレオチドとのハイブリッドの熱的融解点を測定する段階と、
得られた情報に基づいて、in vivoで投与するための少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを選択する段階とを含む、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2012−527248(P2012−527248A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−512072(P2012−512072)
【出願日】平成22年5月21日(2010.5.21)
【国際出願番号】PCT/US2010/035842
【国際公開番号】WO2010/135695
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(511085219)クルナ・インコーポレーテッド (22)
【Fターム(参考)】