説明

転圧機械

【課題】本発明は、車両本体側から、搭乗しているオペレータに対して、被作業面域外が接近する状況を伝えられるようにした転圧機械を提供する。
【解決手段】本発明の転圧機械は、オペレータの操作により所定の被作業面域内を転圧走行し、被作業面域T1の被作業面に転圧を施す車両本体1の前部又は後部に、前方下向き又は後方下向きとなるようにそれぞれ設けた、検出媒体を車両本体前部又は後部と近い車両本体前方又は後方の被作業面へ放射する発信機26と、被作業面から反射する検出媒体を検出する受信機27とからなる被作業面検出センサ25と、被作業面検出センサにおける検出量の変化に応じて被作業面域外を判定する域外判定手段30と、車両本体に設けられ、域外判定手段の判定を受けて、被作業面域外が車両本体に接近することをオペレータに報知する報知手段32〜34とを有した。これにより、オペレータは、報知を受け、車両本体を停止させると、他の人に依存せず、車両本体の被作業面域外への進入が防げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搭乗したオペレータに操作される車両本体にて被作業面域内を転圧走行し、当該被作業面域の被作業面に転圧を施す転圧機械に関する。
【背景技術】
【0002】
盛土工事では、転圧機械で、盛土した高台の被作業面に転圧作業を施すことが行われる。こうした転圧機械の多くは、特許文献1にも開示されているタイヤローラ車両などのようにオペレータが搭乗可能な運転席を備え、転圧ローラを車輪として構成された車両本体が用いられている。つまり、オペレータの操作により車両本体を、被作業面域上で走行させることで、転圧ローラにより、被作業面域内の被作業面となる土砂、アスファルトなどに外力を加え、表面を締め固める(転圧走行)。
【0003】
こうした転圧作業は、車両本体を被作業面域内で前進させたり、後進させたりする転圧走行の繰り返しで行われる。そのため、搭乗しているオペレータは、前進、後進を含め、転圧走行中、安全確認を行う。特に車両本体の後進時、搭乗しているオペレータは、前方に向く運転姿勢から、後方、さらには周囲に気を配るために、前方に有る運転機器を操作しつつ後方を向いて、車両後方(進行方向)や、その周囲を注視したり、運転操作の変更のために途中で前方に運転姿勢を戻したりする。
【0004】
ところが、車両後方は、オペレータが後方を注視し続けられないため、確認は確実とはいえず、気付かずに車両本体が被作業面域外に、かなり接近することがある。気付かない状態が続くと、車両本体は被作業面域外へ進入し、危険な状態に至るおそれがある。特に盛土した高台を転圧する場合、被作業面域から外側は、被作業面から急激に下方へ段差していることがほとんどで、被作業面域外は崖のようにかなりの高低差を生じていることが多く、被作業面域外は危険な地点である。
【0005】
そのため、通常、盛土工事では、安全性の確保から、人手作業で、車両本体が被作業面域外へ接近するのを、車両本体に搭乗しているオペレータへ伝えていた。多くは、被作業面域と同域外の境界に作業者を配置して、車両本体が被作業面域外に接近するのを作業者からの合図でオペレータへ伝えたり、被作業面域の境界に複数のパイロンやテープを張り、段差の有る地点を強調してオペレータから認識しやすくしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−344288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、前者の被作業面域と域外の境界に作業者を配置する手法は、かなりの人員を要する。また後者の被作業面域の境界に複数のパイロンやテープを配置する手法は、準備や後片付けを含めかなりの手間や時間を費やしたりする。このため、容易には車両後方の安全を確保する体制が確保できない。
そこで、本発明の目的は、車両本体側から、搭乗しているオペレータに対して、被作業面域外が接近する状況を伝えられるようにした転圧機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、搭乗したオペレータの操作にしたがい、所定の被作業面域内を転圧走行し、当該被作業面域の被作業面に転圧を施す車両本体の前部又は後部に、前方下向き又は後方下向きとなるようにそれぞれ設けた、検出媒体を車両本体前部又は後部と近い車両本体前方又は後方の被作業面へ放射する発信機と、発信機から放射され被作業面から反射する検出媒体を検出する受信機とからなる被作業面検出センサと、被作業面検出センサにおける検出量の変化に応じて被作業面域外を判定する域外判定手段と、車両本体に設けられ、域外判定手段の判定を受けて、被作業面域外が車両本体に接近することをオペレータに報知する報知手段とを有する構成を採用した。
【0009】
これにより、たとえ車両本体が前進又は後進での転圧走行の際、オペレータが気付かずに、被作業面域外に接近したとしても、車両搭載の報知手段による報知が始まり、同状況をオペレータに伝える。オペレータは、同報知に促されて車両本体を停止させる操作を行い、車両本体を停止させればよい。これにより、他の人に依存せずに、被作業面域外への進入が防げる。
【0010】
請求項2の発明は、さらに上記目的に加え、車両本体の停止が、無理なく被作業面域外に進入する手前で行われるよう、発信機による検出媒体の放射地点は、車両本体に搭乗したオペレータが、同車両本体で遮らずに、当該車両本体の前部又は後部から最短距離で目視可能な地点に定めるものとした。
つまり、検出媒体は、転圧走行において、車両本体の停止位置を見定めるときに用いられる視線に沿って放射されるので、報知手段で報知を受けてから、通常のようにオペレータが車両本体の停止操作を行いさえすれば、無理なく、被作業面域外への進入が防げる。
【0011】
請求項3の発明は、さらに上記目的に加え、オペレータが、被作業面域上を転圧走行しているときと、被作業面域外が接近しているときとを明確に認識するよう、報知手段は、被作業面域を転圧走行しているときと、被作業面域外が車両本体に接近しているときとを、それぞれ異なる報知形態で報知する報知機器を有して構成した。
請求項4の発明は、さらに上記目的に加え、簡単な構造で被作業面域外の接近が検出されるよう、被作業面検出センサの発信機は、赤外線を放射するものとした。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、被作業面域上を車両本体が転圧走行しているとき、オペレータが気付かず、被作業面域外に接近したとしても、車両搭載の報知手段で報知が始まり、同状況がオペレータに伝えられる。これにより、車両本体側から、確実に、搭乗しているオペレータに、被作業面域外が接近する状況を伝えることができる。
それ故、同報知に促されて、オペレータは、車両本体の停止操作を行い、車両本体を停止させればよく、他の人に依存せずに、転圧機械の被作業面域外への進入を防ぐことができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、被作業面域外に進入する手前で、車両本体を無理なく停止させることが可能となり、通常のようにオペレータが車両本体の停止操作を行いさえすれば、無理なく、被作業面域外への進入が防げる。
請求項3の発明によれば、オペレータは、報知機器での報知により、被作業面域上を転圧走行しているときと、被作業面域外が接近しているときとを明確に認識することができる。しかも、被作業面域の転圧走行中を示す報知から、故障の有無も合わせて知ることができる。
請求項4の発明によれば、簡単な構造で、被作業面域外の接近を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る転圧機械の全体を、被作業面域外の接近を報知する各種機器と共に示す斜視図。
【図2】同転圧機械の後進時における報知制御を示すフローチャート。
【図3】同転圧機械の後進時の被作業面域を走行している状況を示す断面図。
【図4】同転圧機械の後進時の被作業面域外が接近する状況を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図1ないし図4に示す一実施形態にもとづいて説明する。
図1は転圧機械、例えばタイヤローラ車両を後部から見た斜視図、図3,4は同タイヤローラ車両を側部から見た図をそれぞれ示している。
【0016】
タイヤローラ車両を説明すると、図1,3,4中1は、車両前後方向に延びた車体(本願の車両本体に相当)である。この車体1は、前部に前側転圧ローラ2を有し、後部に後側転圧ローラ3を有し、中間部に運転デッキ4を有している。車体1の内部には、走行などに供されるエンジン(図示しない)が格納されている。各転圧ローラ2,3は、タイヤローラ車両の車輪を兼ねる。
【0017】
運転デッキ4には、オペレータS(図3に頭部だけ図示)が着座する運転席6、着座したオペレータSを上方から覆い隠すキャノピ7が設けられている。運転席6の前方には、各種メータ類が配置された計器盤10が設けられている。また運転席6の前方には、前側転圧ローラ2を操舵するステアリングホイール11、車両速度を加減操作するアクセルペダル12(図1に図示)、各ローラ2,3に制動力を付与するブレーキペダル13(図1に図示)、前・後進を切換える切換装置14の切換レバー14a(図1に図示)などが設けられている。18は、車体1に設けられた、運転デッキ4へ乗り下りするための昇降ステップを示し、図1中「F」は車両前方を示し、「R」は車両後方を示している。
【0018】
つまり、タイヤローラ車両2は、搭乗したオペレータSで行われる前後進切換操作、ステアリング操作、アクセル操作、ブレーキ操作により、転圧走行が行えるようになっている。これで、前後進切換操作、ステアリング操作、アクセル操作、ブレーキ操作を駆使することにより、図3に示されるような被作業面域、例えば盛土した高台の被作業面域T1における転圧作業が行える。
【0019】
このタイヤローラ車両には、図1,3,4に示されるように後進(転圧走行)するタイヤローラ車両が、定められた被作業面域T1から外側、すなわち被作業面域T2へ進入するのを防ぐ安全装置20が設けられている。
同安全装置20は、例えば車両後部から下向きに放射される検出媒体を用いて、タイヤローラ車両の後進中、被作業面域T1から外側の被作業面域外T2に変わる地点を判定し、同判定から被作業面域T2がタイヤローラ車両に接近したことを、搭乗しているオペレータSに伝え、タイヤローラ車両のブレーキ操作(停止)を促すものである。
【0020】
同安全装置20は、タイヤローラ車両2が被作業面域T1上を転圧走行(後進)するときに作動して、被作業面の検出を行う被作業面検出センサ、例えば赤外線(検出媒体)を被作業面へ放射することによって被作業面を検出する赤外線センサ25と、被作業面から反射する赤外線の検出量の変化に応じて被作業面域外T2を判定する域外判定手段、例えば制御部30と、同判定を受けて被作業面域T2が車体1(車両本体)に接近するのをオペレータSに報知する報知手段、例えば各種報知機器32,33とを組み合わせて構成される。
【0021】
具体的には、赤外線センサ25は、赤外線を放射する発信機、例えばLED素子26と、反射赤外線を受ける受信機、例えば受光素子27とを隣接配置(集約)した1つのユニット部品で構成されている。同赤外線センサ25は、車体1の後部の複数個所(本実施形態では2箇所)に、いずれもLED素子26と受光素子27とが後方下向きとなるように取り付けられ、LED素子26から赤外線を、車体後部(車両本体後部に相当)と近い車体後方の被作業面(地面)へ放射し、受光素子27で、LEDF素子26から放射され被作業面(地面)から反射する赤外線を検出する構造としてある。
【0022】
制御部30は、例えばマイクロコンピュータなどを組み合わせて構成され、車体1内に格納してある。同制御部30は、切換装置14、赤外線センサ25、各種報知機器32,33、ブレーキ操作を検出するブレーキセンサ36(図1に図示)などと接続してある。同制御部30は、例えば切換装置14から入力される後進段信号にしたがい赤外線センサ25を、後進中、作動させる機能を有する。さらに制御部30は、例えばしきい値として、通常の転圧走行で行われる被作業面域T1からの第1の反射赤外線量と、それとは異なる被作業面域外T2からの第2の反射赤外線量、例えば危険な状況を招くとされる被作業面の変化、具体的には被作業面域外T2が被作業面域T1から崖のように急激に段差するときの状況(図3,4)をもとにした第2の反射赤外線量とが設定され、赤外線センサ25で検出される反射赤外線の検出量の変化に応じて被作業面域外T2が判定できるようにしている。つまり、被作業面域外T2を判定する機能を有している。制御部30は、こうした機能の他に、同判定を受けて各種報知機器32,33を作動させる機能、さらには報知機器32,33の作動後にブレーキ操作が行われると、各種報知機器32,33の作動を解除する機能を有している。
【0023】
ここで、各種報知機器32,33は、例えば車体1の後部両側に設けた赤色回転灯32、計器盤10の一部に設けた警報器33など、搭乗したオペレータSが気付きやすい光や音を発生させる機器で構成されている。同赤色回転灯32、警報器33が、上記被作業面域外T2の判定を受けて作動し、タイヤローラ車両(車両本体)が被作業面域T2に接近することを、赤色回転灯32の赤色光、警報器33から発する警告音で、オペレータSに報知し、ブレーキ操作を促すようにしている。
【0024】
また安全装置20の作動が認識されるよう、例えば図1に示されるように計器盤10の一部には、被作業面域T1上をタイヤローラ車両(車両本体)が転圧走行している状態と、被作業面域外T2がタイヤローラ車両(車両本体)に接近している状態とを判別するための報知機器、例えば作動ランプ34が設けられている。同作動ランプ34は、制御部30からの指令により、例えば後進時から被作業面域T2を判定するまでは点灯、被作業面域T2を判定すると点滅するように設定されていて、被作業面域T1上をタイヤローラ車両(車両本体)が転圧走行しているときと、被作業面域外T2がタイヤローラ車両(車両本体)に接近しているときとを、それぞれ異なる報知形態で報知するようにしている。
【0025】
特に、報知機器32〜34の報知を受けてから、無理なく被作業面域外T2に進入する手前でタイヤローラ車両の停止が行えるよう、LED素子26による赤外線の放射地点は、図3に示されるようにタイヤローラ車両に搭乗したオペレータSが、車体1で遮らずに、車両後部から最短距離で目視可能な地点、具体的には運転席6に着座したオペレータSが後方を向いたときのアイポイントEから、車体1の外面に遮らずに、最短距離で一直線上に地面へ向う視線Jに沿う地点に定められている。つまり、視線Jの先は、転圧走行において、タイヤローラ車両(車両本体)の停止位置を見定めるときに用いられる地点である。このため、同地点において被作業面域外T2を判定すると、オペレータSは、通常時と同様、通常ブレーキ操作を行うだけで、急ブレーキなど無理な操作を強いずに、被作業面域外T2の手前で、タイヤローラ車両(車両本体)の停止が行われる。
【0026】
このように構成されたタイヤローラ車両は、後進で行われる転圧走行において、他の人に依存せずに、安全が確保される。図2は、この安全が確保される安全装置20の制御フローチャートが示されている。
図2のフローチャートを参照して、タイヤローラ車両の挙動について説明すると、今、搭乗したオペレータSによって、切換レバー14aを後進段に入れ、アクセルペダル12を所定に踏み込みながら、ステアリング11を所定に保ち、タイヤローラ車両を後進させ、盛土工事で得られた高台の被作業面域T1を締め固めているとする。
【0027】
赤外線センサ25は、後進段に入れたときから作動を始めている(ステップS1,S2)。作動ランプ34は点灯し(ステップS3)、被作業面域外T2への進入を防ぐ安全機能が働いていることを知らせている。
すると、赤外線センサ25のLED素子26からは、赤外線が後方下向きへ放射される。図1、図3および図4中αは、赤外線が、被作業面域T1の被作業面(地面)へ放射している領域を示している。同放射された赤外線は、被作業面から反射する。赤外線センサ25の受光素子27は、同反射した赤外線を検出する。
【0028】
このとき、タイヤローラ車両(車両本体)が被作業面域T1上を転圧走行している場合、受光素子27が検出している反射赤外線の検出量は、予め設定された被作業面域外T2を識別するしきい値となる所定値を越える量であるから、安全機能は作動しない。
タイヤローラ車両の転圧走行は進み、オペレータSが気付かないまま、図4中の二点鎖線で示されるように被作業面域T1の境界部分T3(きわを含む)に接近したとする。
【0029】
ここで、境界部分T3は、段差がある。そのため、赤外線の放射地点に同段差が至ると、受光素子27で検知される赤外線の検出量は急激に減少する。境界部分T3では、同赤外線の検出量は、被作業面域外T2を識別するしきい値以下の値を示す。そのため、制御部30は、タイヤローラ車両(車両本体)に被作業面域外T2が接近したと判定し(ステップS4)、回転赤色灯32(警告灯)をオン、警報機33(警告機器)をオン、作動ランプ34(警告灯)を点滅させ(ステップS5)、搭乗しているオペレータSに、タイヤローラ車両に被作業面域外T2が接近することを報知する。
【0030】
オペレータSは、運転席6の周囲の警告光、運転席6の周囲の警告音を受けて注意が促され、直ちにタイヤローラ車両(車両本体)の転圧走行を停止させるべくブレーキ操作を行う。このブレーキ操作により、図4に示されるようにタイヤローラ車両は、被作業面域T1の端近くで止まる。ブレーキ操作でタイヤローラ車両が停止すると、各種報知機器32〜34の作動が解除され、初期の状態に戻る(ステップS7)。
【0031】
したがって、車体1側からオペレータSに対し被作業面域外T2が接近することを報知することによって、境界に多くの人員を配置したり、境界に多くのポールを設置したりテープを張ったりするなど他の人に依存せずに、タイヤローラ車両が、被作業面域外T2へ進入するのを未然に防ぐことができる。これにより、安全に転圧作業を行うことができる。しかも、赤外線を放射する赤外線センサ25を用いると、簡単な構造で被作業面域外T2の接近を検出することができる。
【0032】
特にLED素子26による赤外線(検出媒体)の放射地点は、オペレータSが、車体1で遮られずに、タイヤローラ車両の後部から最短距離で目視可能な地点に定めてあり、通常の転圧走行におけるオペレータSの視線Jの位置と同等なので、通常のようにオペレータSが停止操作を行いさえすれば、無理なく、タイヤローラ車両(車両本体)の被作業面域外T2への進入が防げる。
そのうえ、作動ランプ34による報知は、被作業面域T1を検出しているときと、被作業面域外T2が接近しているときを、それぞれ異なる報知形態で行っているから、被作業面域T1上を転圧走行しているときと、被作業面域外T2が接近しているときとを明確に認識することができる。しかも、被作業面域T1の検出中を示す報知から、故障の有無も合わせて知ることができる。
【0033】
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々可変して実施しても構わない。例えば一実施形態では、赤外線センサを用いた例を挙げたが、これに限らず、他の非接触式センサを用いても構わない。一実施形態では、タイヤローラ車両に本発明を適用したが、これに限らず、他の転圧機械に本発明を適用してもよい。また一実施形態では、報知手段として警告灯や警報器や作動ランプを用いた例を挙げたが、これに限らず、他の機器を用いてもよい。例えば障害物の検出を行う障害物検出装置を装備した転圧機械では、同装置を形成している警告灯を流用してもよく、報知構造には何ら限定されるものではない。また被作業面検出センサは車両後部に後方下向きに設けるだけではなく、車両前部に前方下向きに設けてもかまわない。むろん、報知手段を設ける地点は、車体であればよく、設置場所についても限定されるものではない。
【符号の説明】
【0034】
1 車体(車両本体)
25 赤外線センサ(被作業面検出センサ)
26 LED素子(発信機)
27 受光素子(受信機)
30 制御部(域外判定手段)
32〜34 回転赤色灯、警報器、作動ランプ(報知手段)
T1 被作業面域
T2 被作業面域外

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オペレータが搭乗され、当該オペレータの操作にしたがい、所定の被作業面域内を転圧走行し、当該被作業面域の被作業面に転圧を施す車両本体と、
前記車両本体の前部又は後部に、前方下向き又は後方下向きとなるようにそれぞれ設けられた、検出媒体を車両本体前部又は後部と近い車両本体前方又は後方の被作業面へ放射する発信機と、前記発信機から放射され前記被作業面から反射する検出媒体を検出する受信機とからなる被作業面検出センサと、
前記被作業面検出センサにおける検出量の変化に応じて前記被作業面域外を判定する域外判定手段と、
前記車両本体に設けられ、前記域外判定手段の判定を受けて、前記被作業面域外が前記車両本体に接近することをオペレータに報知する報知手段と
を具備したことを特徴とする転圧機械。
【請求項2】
前記発信機による検出媒体の放射地点は、前記車両本体に搭乗したオペレータが、同車両本体で遮らずに、当該車両本体の前部又は後部から最短距離で目視可能な地点であることを特徴とする請求項1に記載の転圧機械。
【請求項3】
前記報知手段は、報知機器を有し、当該報知機器は、前記被作業面域を転圧走行しているときと、前記被作業面域外が前記車両本体に接近しているときとを、それぞれ異なる報知形態で報知するものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の転圧機械。
【請求項4】
前記被作業面検出センサの発信機は、赤外線を放射するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の転圧機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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