説明

軽質溶岩板材の製造方法

【課題】廃棄物のリソース再利用の目的を達成する軽質溶岩板の製造方法を提供する。
【解決手段】細断溶岩とセメントからなり、異なる比例である加水分解比や発泡剤添加量、色材添加量及び異なる細断溶岩粒径等により、軽質溶岩板材の密度や孔隙率及び吸水率を調整制御し、またその独立気泡式と開孔式の多孔性質構造特性により、優れた軽量や吸音及び断熱性等の利点が得られ、それぞれ騒音吸收体や防震材料及び断熱材料等の軽質構造の材料として利用できる。該細断溶岩は廃棄物で、高温プラズマ岩化処理により構成され、これにより天然石材粉材の代りに該細断溶岩を利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽質溶岩板材の製造方法に関し、特に、所定の比例による細断溶岩とセメント添加量に、異なる比例である加水分解比や発泡剤添加量、色材添加量、及び異なる細断溶岩の粒径等を合わせて、軽質溶岩板材の密度や孔隙率及び吸水率を調整するものに関する。
【背景技術】
【0002】
科技の発展とともに、人類が生活に対して快適や便利及び安全等重要視し、また、防振や吸音、断熱及び軽量等の要請の元で、多孔軽質材料が大幅に使用されている。
【0003】
例えば、中華民国専利第M477855号「軽量的の防火断熱板材」に、木質繊維と接着剤、起泡剤及び軽質断熱材が混合されることによりなる板材が記載される。木質繊維は、防火処理手順を介して、軽量や防火の効果が得られるが、添加される物質が比較的に多く、また、木質繊維は防火処理を受けても、耐火程度が無機物質より悪く、また、製造過程が複雑でコストが高く不便である。
【0004】
また、中華民国専利第M591064号「軽質板材の製造方法」に、高温高圧下で、ブリッジ型発泡材料と熱固定性結合剤をプレスして、板材を作製するものが記載される。該板材は、延性が一般の熱可塑性材より強いが、耐高温性が依然として無機物質より低いため、他の物質を添加して強化することが必要であるため、コストが高くなる。
【0005】
また、例えば、中華民国専利第M312423号「複合式軽質板材結構」に、木質材を表層とし、中層材としてセメントを混合した発泡材から構成される混合層を底層材として、プラスチック発泡物を利用し、三層の異なる材料により互いに補強することにより、軽量や吸音及び防火の機能が実現されるが、これらの三層の材料が粘着剤によって結合されるため、作製手順がおおくなり、コストも高くなる。
【0006】
以上のように、上記の各種類の方法により製造された軽質成品は、軽量や耐燃及び吸音等の利点が得られるが、作製コストが比較的に高い欠点があり、低コストを顧慮することに不利であり、また製造過程が複雑であるため、間接的にリソースを無駄にする問題がある。そのため、一般の従来のものは実用的とはいえない。
【特許文献1】中華民国専利第M477855号「軽量的の防火断熱板材」
【特許文献2】中華民国専利第M591064号「軽質板材の製造方法」
【特許文献3】中華民国専利第M312423号「複合式軽質板材結構」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の主な目的は、所定の比例による細断溶岩とセメント添加量に、異なる比例である加水分解比や発泡剤添加量、色材添加量及び異なる細断溶岩粒径等を合わせて、該軽質溶岩板材の密度や孔隙率及び吸水率を調整することにより、優れた軽量や吸音及び断熱性等の利点が得られる軽質溶岩板材の製造方法を提供する。加水分解比は、添加された水量や固形分の比例で、その固体である細断溶岩とセメント或いは白色セメントの重量合計である。
【0008】
本発明の他の目的は、廃棄物から作製された細断溶岩粒を原料とし、廃棄物のリソース再利用ができ、高付加価値がある軽質溶岩板材を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、以上の目的を達成するため、まずプラズマ溶岩を選択し、また、該プラズマ溶岩を、粉砕、研磨、及び選別を介して均一の粒径である溶岩粉末にし、該溶岩粉末を貯蔵・乾燥し、続いて、該溶岩粉末を取り出して再生する粉末原料とし、また、加水分解比に従って、また色材やセメント或いは白色セメントを添加して釣合い計量処理を行い、そして、同時に発泡剤や水を混合し、型枠に注入して板材の予成型を行い、また、予成型後、室温環境に置くことにより軽質溶岩板材の最後成型が行われ、そして、該型枠から該板材を取り出して裁断・仕上げし、多孔性質を有する軽質溶岩板材を作製する軽質発泡溶岩板材の製造方法である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1〜図4は、それぞれ、本発明の作製流れの概念図や本発明の細断溶岩の第1の粒径の結果概念図、本発明の細断溶岩の第2の粒径の結果概念図及び本発明の細断溶岩の第3の粒径の結果概念図である。図のように、本発明は、軽質溶岩板材の製造方法であり、少なくとも、(A)細断溶岩であるプラズマ溶岩11を選択するステップと、(B)該プラズマ溶岩に対して、粉砕研磨選別処理12を行い、粉砕、研磨、及び選別を介して、均一の粒径である溶岩粉末になり、また、該溶岩粉末に対して、粉末貯蔵処理13を行ってから、貯蔵・乾燥するステップと、(C)次に、該溶岩粉末を取り出して、再生粉末原料14とし、また、該溶岩粉末を、加水分解比に従って、溶岩粉末スラリーにし、該スラリーに、色材15やセメント或いは白色セメント16を添加して釣合い計量処理17を行うステップと、(D)釣合い計量後、釣合い発泡剤18と釣合い用水19を、混合攪拌処理20し、混合攪拌後、型枠に注入して、注入処理21し、板材の予成型処理22を行うステップと、(E)予成型後、室温環境に置くことにより、最後成型の室温放置処理23を行い、また、室温放置処理後、該板材と該型枠を分離し、板材を取り出して裁断・仕上げ処理24を行うことにより、多孔性質を有する軽質溶岩板材25(図5のように)が得られるステップとが含有される。
【0011】
本発明を利用すれば、該プラズマ溶岩が多孔性質を有する軽質溶岩板材に作製でき、例えば、細断溶岩を例として、該細断溶岩を粉砕、研磨及び選別して、粒径が200メッシュ(mesh)ないし80メッシュである細断溶岩粉末を50%の添加量を基本とし、水に添加し、例えば0.25ないし0.50等の異なる加水分解比と1.0%ないし4.0%等の異なる発泡剤添加量で軽質溶岩板材を作製する。また、所定の比例である細断溶岩とセメント添加量で、異なる比例である加水分解比や発泡剤添加量、色材添加量及び異なる細断溶岩粒径等により、該軽質溶岩板材の体密度や真密度、孔隙率、開孔隙率、独立気泡隙率及び吸水率等について測定する。
【0012】
その測定結果から、多孔性質の軽質発泡溶岩板材は、その密度が該加水分解比や細断溶岩及び発泡剤添加量の増加とともに低減し、また、その孔隙率や吸水率が、該水セメント比や細断溶岩及び発泡剤添加量の増加とともに増加する。本発明によれば、密度が0.9〜1.2グラム/立方センチメートル(g/cm)、孔隙率が50〜60重量百分率(wt%)、着色された板材である軽質溶岩板材を作製でき、また釣合い試験結果を合わせて、さらに60×60×1cmのサイズの軽質発泡溶岩板材を作製できる。
【0013】
以上のように、本発明に係わる軽質溶岩板材は優れた軽量や吸音及び断熱性等の利点が実現され、その独立気泡式や開孔式の多孔性質により、それぞれ騒音吸收体や、防振材料及び断熱材料等の軽量構造材料として利用できる。
【0014】
以上のように、本発明は軽質溶岩板材の製造方法であり、有効に従来の諸欠点を改善でき、所定の比例である細断溶岩やセメント添加量で、そして異なる比例の加水分解比や発泡剤添加量、色材添加量及び異なる細断溶岩粒径等を合わせて、軽質溶岩板材の密度や孔隙率及び吸水率を調整制御でき、優れた軽量や吸音及び断熱性等の利点を達成できるため、本発明はより進歩的かつより実用的で、法に従って特許請求を出願する。
【0015】
以上は、ただ、本発明のより良い実施例であり、本発明はそれによって制限されることが無く、本発明に係わる特許請求の範囲や明細書の内容に基づいて行った等価の変更や修正は、全てが本発明の特許請求の範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係わる作製流れの概念図
【図2】本発明に係わる細断溶岩の第1の粒径の結果概念図
【図3】本発明に係わる細断溶岩の第2の粒径の結果概念図
【図4】本発明に係わる細断溶岩の第3の粒径の結果概念図
【図5】多孔性の軽質溶岩板材の完成図
【符号の説明】
【0017】
(本発明部分)
11 プラズマ溶岩
12 粉砕研磨選別処理
13 粉末貯蔵処理
14 再生粉末原料
15 色材
16 セメント或いは白色セメント
17 釣合い計量処理
18 釣合い発泡剤
19 釣合い用水
20 混合撹拌処理
21 注入処理
22 予成型処理
23 室温放置処理
24 裁断・仕上げ処理
25 軽質溶岩板材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、(A)プラズマ溶岩を選択するステップと、(B)該プラズマ溶岩を、粉砕、研磨、及び選別を介して、均一の粒径である溶岩粉末にし、該溶岩粉末を貯蔵・乾燥するステップと、(C)該溶岩粉末を取り出して、加水分解比に従って、該溶岩粉末を、溶岩粉末スラリーにし、また、該スラリーに、色材やセメント或いは白色セメントを添加して、釣合い計量処理を行うステップと、(D)釣合い計量後、発泡剤と水を、混合して攪拌し、また、型枠に注入して予成型を行うステップと、(E)予成型後、室温環境に置くことにより、最後成型を行い、また、最後成型後、該板材と該型枠を分離し、板材を取り出して裁断・仕上げ処理を行うことにより、軽質溶岩板材が得られるステップとが含有されることを特徴とする、軽質溶岩板材の製造方法。
【請求項2】
該プラズマ溶岩は、細断溶岩であることを特徴とする、請求項1に記載の軽質溶岩板材の製造方法。
【請求項3】
該溶岩粉末の粒径は、200メッシュ(mesh)であることを特徴とする、請求項1に記載の軽質溶岩板材の製造方法。
【請求項4】
該溶岩粉末の粒径は、100〜200メッシュであることを特徴とする、請求項1に記載の軽質溶岩板材の製造方法。
【請求項5】
該溶岩粉末の粒径は、80〜100メッシュであることを特徴とする、請求項1に記載の軽質溶岩板材の製造方法。
【請求項6】
該加水分解比は、それぞれ0.35〜0.5であることを特徴とする、請求項1に記載の軽質溶岩板材の製造方法。
【請求項7】
該発泡剤の添加量は、それぞれ1%〜4%であることを特徴とする、請求項1に記載の軽質溶岩板材の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2009−84097(P2009−84097A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−253870(P2007−253870)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(595165656)行政院原子能委員会核能研究所 (51)
【Fターム(参考)】