説明

軽量採光扉及びその製造方法

【課題】 軽量でしかも反りも発生しにくい採光扉で、扉本体の厚みや透光部材の種類や採光部デザインが複数あっても、1種類の開口部形状の扉本体を在庫しておけばよく、工場での仕掛かり在庫や部品在庫を多く抱える必要がなく、製造コスト的にも有利で、作業性、強度に優れ、透光部材と開口部との間の隙間の発生を有効に防止することが可能で、品質、精度及び外観にも優れた安価な軽量採光扉及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】 ペーパーハニカム芯材の両面に表面化粧板を貼着した所定の巾、高さ、厚みからなる扉本体と、表面に鐔を備えた2個で一対をなす透光部材を用意し、扉本体の所定位置に扉本体を貫通する開口部を設け、該開口部に透光部材を扉の両面から嵌入させ、透光部材は基部に設けた係合突起と接着剤によって開口部内に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建築物に使用される開き戸、引き戸等に用いられる扉で、該扉の所定箇所に採光部が設けられた採光扉及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住宅等建築物に使用される採光タイプの開き戸、引き戸においては、採光部の構造として、図7に示すように、採光扉11は所定箇所に開口部Kを設け、該開口部周縁に芯材Sを取り付け、縦方向と横方向の額縁Gを採光扉11の開口部周縁の芯材Sに、採光扉11の表面裏面の両方から取り付け、前記額縁Gで、採光扉11の表面裏面の両面から透光性部材Qを挟持するようにして取り付けた構造を有する採光扉11が用いられてきた。
【0003】
この構造の採光扉11においては、額縁Gを開口部周縁の芯材Sに取り付ける際の作業が繁雑で作業性に劣り、また、額縁Gが採光扉11の表面から突出するので、開き戸としては使用することができるが、引き戸となると、開閉操作中において、額縁Gどうしが接触し易く使用しづらいものであった。
【0004】
そこで、透光部材が表面材と面一とされた採光窓が容易に形成されることを目的としてなされた採光窓付き内装パネルは、平面形状が表面材に形成された開口部の平面形状に等しくされた本体と、該本体の周囲に形成された鍔部とを有する透光性部材が、表面化粧板の裏面に固定され、透光性部材の本体は表面材の開口部に嵌め込まれて表面材と表面が面一となる。このようにして透光性部材が面一とされた表面材2枚が対置固定された構成の採光窓付き内装パネルの記載がある。(例えば特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2005−232879号公報。(第1−5頁、第1−4図)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記従来技術のなかで、額縁タイプにおいては、上述したように、額縁Gを開口部の周縁に設けられた芯材Sに取り付ける際の取り付け作業が極めて繁雑で、従って、作業性に劣るという問題点があった。
【0007】
また、前記額縁が採光扉の表面から突出することになるので、開き戸として用いる際は、使用上支障はなく、特に問題はないが、引き戸として用いる際は、引き戸開閉操作中において、二枚の引き戸の前記額縁どうしが接触し易く使用しづらいものであった。また、片引き戸においても、前記引き戸の額縁Gの突出部分と壁面とが開閉操作中に接触し易く使用しづらいものであった。
【0008】
また、前記額縁Gで挟持するようにして取り付けられた透光性部材Qは、額縁G周縁の挟持箇所において、額縁Gの裏面下地材が透視され、木質下地の場合、木材の節、腐れ、変色等の下地材の欠点が外から見て見えてしまうので、外観上見苦しいといった問題点もあった。また、木質以外の下地の場合でも、木材とは異なる種類の欠点が見えて外観上見苦しくなるといった問題点があった。
【0009】
また、上記特開2005−232879号公報に記載の採光窓付き内装パネルにおいては、表面材に形成された開口部に透光部材の本体を嵌め込む構成であるので、透光部材の形状に合わせた形状の開口部形成が必要であり、透光部材の種類の数だけ開口形成加工済み扉本体を必要とし、工場での仕掛かり在庫を多く抱える必要があった。そのことによって製造コスト的にも不利となっていた。
【0010】
また、扉本体の厚みの種類だけ、異なる厚みの透光部材の種類が必要となり、工場での部品在庫が多くなり製造コスト的にも不利となっていた。
【0011】
また、表面材の開口部の形状及び大きさと透光部材の本体の形状及び大きさが極めて精度よく仕上げられていることが必要とされる。前記透光部材の本体が若干でも寸法が大きいと開口部に嵌め込むことが不可能となり、逆に、若干でも小さいと、嵌め込んだあと、その箇所に隙間が生じることになり大変見苦しいものとなる。さらに前記隙間は、幅方向の大きさが問題になるばかりでなく、隙間の深さが透光部材の本体の厚み分に相当する大きな寸法の深さとなり、寸法的にも目立つ隙間となる。
【0012】
この隙間を解消するには透光部材本体の形状及び寸法精度のみならず、表面材の開口部の形状及び寸法精度を極めて精度よく仕上げることができるかにかかっており、加工技術的に極めて困難なものである。この表面材の開口部の形状及び寸法精度があまり高くなくても、いかにして透光部材と表面材との隙間を防止するかが大きな問題であった。
【0013】
また、扉は反りが発生すると、特に引戸として使用する際、引戸と壁面、又は、引戸と引戸がぶつかって、開閉操作に支障をきたすことになる。いかにして反りの少ない扉とするかという点も大きな問題点であった。
【0014】
また、扉本体の重量は比較的重く、特に引戸として使用する際は開閉操作しづらいものとなっていた。
【0015】
また、採光部の意匠バリエーションを拡大しようとすれば、採光意匠デザインの数だけ透光部材が必要で、また、その透光部材に見合った開口部が加工された扉本体が複数種類必要であり、工場での仕掛かり在庫や部品在庫が増加し製造コスト的にも不利となっていた。
【0016】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、額縁が不要であるため、構造が簡単であり、通常の加工精度で十分に加工でき、従来の採光扉に必ず必要とされたパッキン等の部材を必要とせず、組立作業性に優れ、採光扉表面からの額縁等の突出部がなく、透光性部材の突出も極めて少ないので、引き戸にも使用可能で、強度耐久性にも優れ、扉の採光部が極めて簡単に形成可能で製造作業性に優れコスト的にも安価な採光扉及びその製造方法を提供することにある。
【0017】
さらに、開口部にしっかりと固定可能で、面部周縁の鐔の働きで扉本体開口部の形状や寸法精度が若干低くても、透光部材と開口部との間の隙間を有効に隠蔽することが可能で、外観的にも優れた採光扉を可能とし、また、開口部内部の化粧されていない芯部が適度に隠蔽可能となる採光扉及びその製造方法を提供することにある。
【0018】
また、扉本体の厚みの種類が複数あっても、異なる厚みの透光部材を必要とせず、工場での部品在庫が少なくて済むので製造コスト的にも有利な採光扉及びその製造方法を提供することにある。
【0019】
また、透光部材の形状デザインが複数あっても、異なる形状の開口部を形成する必要がなく、異なる形状の開口部加工済み扉本体を必要とせず、1種類の形状の開口部加工済み扉本体を在庫しておけばよく、1種類の形状の開口部加工済み扉本体に複数の形状の透光部材を嵌入して取り付けできる採光扉が可能となり、それゆえ、工場での仕掛かり在庫を多く抱える必要がなく、製造コスト的にも有利な採光扉及びその製造方法を提供することにある。
【0020】
詳述すると、前記開口部形状を1種類の正方形とし、正方形の開口部に正方形の基部を有する透光部材のみならず、円形基部からなる透光部材であっても、しっかりと確実に扉本体に嵌入して取り付けが可能であり、さらに、方型透光部材を応用した菱形採光デザインのものも可能となる。しかも、透光部材取り付け箇所に隙間が生じても、隙間を有効に隠蔽することができる採光扉及びその製造方法を提供することにある。
【0021】
しかも、軽量であり、反りも発生しにくく、引戸として長期間使用しても開閉操作に支障が生じない採光扉及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の本発明の軽量採光扉は、軽量芯材の両面に表面化粧板が貼着された所定寸法を有する扉本体の所定位置に扉本体を貫通する所定形状と寸法を有する開口部が、所定の個数設けられ、該開口部に透光部材を設けてなる採光扉であって、前記透光部材は厚み方向に2個に分割され、略同形同寸の2個で一対をなす透光部材であり、該透光部材は周縁に鐔を備え正面視正方形の薄板からなる面部と該面部の裏面側に設けられた正方形の基部とからなる方型透光部材、又は、周縁に鐔を備え正面視円形の薄板からなる面部と該面部の裏面側に設けられた円形の基部とからなる円型透光部材のいずれかであり、前記開口部が方型透光部材の正方形基部に見合う形状と寸法を有する正方形開口部、又は、円型透光部材の円形基部に見合う形状と寸法を有する円形開口部であり、前記正方形開口部に正方形基部が嵌入されるか、又は、前記円形開口部に円形基部が嵌入されて採光部が形成され、前記透光部材の基部は係合突起を備え、扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有しており、前記係合突起は複数本の突条又は複数個の凸部からなり透光部材の基部側面の厚み方向に形成されていることを特徴とする。
【0023】
このような本発明の請求項1に記載の軽量採光扉によれば、透光性部材の突出も極めて少ないので、引き戸にも使用可能で、強度耐久性にも優れ、扉の採光部が極めて簡単に形成可能で製造作業性に優れた安価な採光扉が可能となる。また、開口部内部の化粧されていない芯部が適度に隠蔽可能となる。
【0024】
また、開口部にしっかりと固定可能で、面部周縁の鐔の働きで扉本体開口部の形状や寸法精度が若干低くても、透光部材と開口部との間の隙間を有効に隠蔽することが可能となるので外観的にも優れた採光扉ができる。
【0025】
また、扉本体の厚みの種類が複数あっても、異なる厚みの透光部材を必要とせず、工場での部品在庫が少なくて済むので製造コスト的にも有利な採光扉が可能となる。
【0026】
すなわち、透光部材が2個で一対をなす略同形同寸の透光部材で、その基部が扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有する構成ゆえ、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが当接する位置で扉厚み最小に対応し、逆に、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが所定距離だけ離間した位置で扉厚み最大に対応する構成である。
【0027】
従って、厚みの異なる扉本体に扉の両面から取り付け可能である。そして、工場での部品在庫が少なくて済む。それゆえ、製造コスト的にも有利な採光扉が可能となる。
【0028】
また、基部側面に設けられている前記係合突起によって透光部材を開口部内周面の芯材に圧接固定する構成ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0029】
請求項2に記載の本発明の軽量採光扉は、軽量芯材の両面に表面化粧板が貼着された所定寸法を有する扉本体の所定位置に扉本体を貫通する所定寸法の正方形形状の開口部が、所定の個数設けられ、該正方形開口部に正方形又は円形の透光部材を設けてなる採光扉であって、前記透光部材は厚み方向に2個に分割され、略同形同寸の2個で一対をなす透光部材であり、該透光部材は周縁に鐔を備え正面視正方形の薄板からなる面部と該面部の裏面側に設けられた正方形の基部とからなる方型透光部材、又は、周縁に鐔を備え正面視円形の薄板からなる面部と該面部の裏面側に設けられた円形の基部とからなる円型透光部材のいずれかであり、前記方型透光部材の正方形基部を形成する正方形と、前記円型透光部材の円形基部を形成する円形との関係において、前記円形が前記正方形に略内接する関係にあり、前記開口部が方型透光部材の正方形基部に見合う形状と寸法を有する正方形開口部であり、前記正方形開口部に前記方型透光部材の正方形基部を嵌入して採光部を形成するか、又は、前記正方形開口部に前記円型透光部材の円形基部を略内接状態で嵌入して採光部が形成され、前記透光部材の基部は係合突起を備え、扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有しており、前記係合突起は基部側面の正面視上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に形成された複数本の突条又は複数個の凸部からなり、透光部材の基部側面の厚み方向に形成されていることを特徴とする。
【0030】
このような本発明の請求項2に記載の軽量採光扉によれば、透光性部材の突出も極めて少ないので、引き戸にも使用可能で、強度耐久性にも優れ、扉の採光部が極めて簡単に形成可能で製造作業性に優れた安価な採光扉が可能となる。また、開口部内部の化粧されていない芯部が適度に隠蔽可能となる。
【0031】
また、開口部にしっかりと固定可能で、面部周縁の鐔の働きで扉本体開口部の形状や寸法精度が若干低くても、透光部材と開口部との間の隙間を有効に隠蔽することが可能となるので外観的にも優れた採光扉ができる。
【0032】
また、扉本体の厚みの種類が複数あっても、異なる厚みの透光部材を必要とせず、工場での部品在庫が少なくて済むので製造コスト的にも有利な採光扉が可能となる。
【0033】
すなわち、透光部材が2個で一対をなす略同形同寸の透光部材で、その基部が扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有する構成ゆえ、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが当接する位置で扉厚み最小に対応し、逆に、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが所定距離だけ離間した位置で扉厚み最大に対応する構成である。
【0034】
従って、厚みの異なる扉本体に扉の両面から取り付け可能である。そして、工場での部品在庫が少なくて済む。それゆえ、製造コスト的にも有利な採光扉が可能となる。
【0035】
また、基部側面に設けられている前記係合突起によって透光部材を開口部内周面の芯材に圧接固定する構成ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0036】
また、前記係合突起は基部側面の正面視上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に形成された複数本の突条又は複数個の凸部からなり、透光部材の基部側面の厚み方向に形成されているので、扉本体に正方形形状の開口部を形成し、該正方形開口部に方型透光部材又は円型透光部材を嵌入させて採光扉を作製することになるが、特に、正方形開口部に円型透光部材の円型基部を嵌入させる場合、前記係合突起が形成されている箇所が、上述の如く、基部側面の正面視上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に形成されているので、円形基部を嵌入させる際に、上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に形成されている係合突起を扉本体正面視垂直に上下2箇所と水平に左右2箇所に、ほぼ正確に位置するように微調整し、正方形開口部周縁の四辺と係合突起が確実に噛み合うように留意することによって、正方形開口部であっても、円形基部をしっかりと確実に嵌入させて取り付けることができる。
【0037】
また、扉本体に形成する開口部の形状を正方形形状1種類とし、この正方形の開口部に円型透光部材又は方型透光部材を嵌入させる構成ゆえ、透光部材の形状デザインが複数あっても、異なる形状の開口部形成を必要とせず、異なる形状の開口部加工済み扉本体を必要とせず、1種類の形状の開口部加工済み扉本体を在庫しておけばよく、工場での仕掛かり在庫を多く抱える必要がなく、製造コスト的にも有利な採光扉が製造可能となる。すなわち、前記開口部形状を1種類の正方形とし、正方形の開口部に正方形の基部を有する透光部材のみならず、円形基部からなる透光部材であっても、しっかりと確実に透光部材を扉本体に嵌入して取り付け可能で、しかも、隙間が生じても面部の鐔の働きで有効に隠蔽することが可能となる。
【0038】
また、扉本体の開口部形状が正方形の1種類のみとし、透光部材を方型透光部材及び円型透光部材の2種類のみとし、採光デザインとしては、正方形デザイン、円形デザイン、菱形デザイン(正方形を正面視約45度回転させて得られる菱形)の3種類とすることが可能で、意匠バリエーションを拡大することが可能となる。
【0039】
請求項3に記載の本発明の軽量採光扉は、請求項1又は請求項2に記載の軽量採光扉において、前記軽量芯材がペーパーハニカムコアからなる軽量芯材であり、前記表面化粧板が、板紙からなる薄板を基材とし、その表面に樹脂化粧シート又は化粧紙を貼着した薄手の化粧板であることを特徴とする。
【0040】
このような本発明の請求項3に記載の軽量採光扉によれば、扉本体を構成する芯材がペーパーハニカムコアからなる軽量芯材であり、扉本体を構成する表面化粧板が板紙からなる薄板を基材とし、その表面に樹脂化粧シート又は化粧紙を貼着した薄手の化粧板であるので、長期間使用しても反りの発生がほとんどなく、引戸として長期間使用しても開閉操作に支障が生じない採光扉が可能となる。
【0041】
詳述すると、扉本体を構成する芯材がペーパーハニカムコアからなる芯材ゆえ、扉本体に開口部を設ける際、加工し易く製造作業性に優れる。しかも、加工精度や作業精度が若干低く、開口部の形状や寸法に多少誤差が生じても、ペーパーハニカムゆえ、手で軽く押し込めば透光部材の基部を簡単に開口部内に押し込むことができる。さらに、芯材がペーパーハニカムコアゆえ、出来上がった採光扉は、軽量で強度が高く、しかも、反りにくく品質の安定したものとなる。また、反りが発生しにくいので、引戸として使用しても開閉操作に支障が生じない採光扉が可能となる。
【0042】
請求項4に記載の本発明の軽量採光扉の製造方法は、請求項1に記載の軽量採光扉を製造するに際して下記手順で製造することを特徴とする。
1.略同形同寸であり2個で一対をなし、扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有し、基部側面に係合突起を備えた請求項1に記載の方型透光部材又は円型透光部材を用意し、
2.所定の巾、高さ、厚みからなる扉本体を用意し、
3.所定の大きさで透光部材の形状に見合う形状を有する正方形又は円形の開口部を扉本体の厚み方向を貫通するようにして、扉本体の所定位置に所定の個数設け、
4.このとき、前記正方形開口部には正方形基部を嵌入するように方型透光部材を準備し、又は、前記円形開口部には円形基部を嵌入するように円型透光部材を準備し、
5.前記2個で一対をなす透光部材のそれぞれの基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に接着剤を設け、
6.扉本体の一方の表面の開口部から、前記2個で一対をなす透光部材の片方の透光部材の基部を嵌入し、
7.前記透光部材の面部周縁に設けられた鐔の裏側を扉本体の表面化粧板に当接させ開口部を隠蔽し、
8.基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に接着固定するとともに、前記係合突起によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に圧接固定し、
9.扉本体の他方の表面の開口部から他方の透光部材の基部を嵌入し、
10.前記透光部材の面部周縁に設けられた鐔の裏側を扉本体の表面化粧板に当接させ開口部を隠蔽し、
11.基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に接着固定するとともに、前記係合突起によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に圧接固定する。
【0043】
このような本発明の請求項4に記載の採光扉の製造方法によれば、透光性部材の突出も極めて少ないので、引き戸にも使用可能で、強度耐久性にも優れ、扉の採光部が極めて簡単に形成可能で製造作業性に優れた安価な採光扉が製造可能となる。また、開口部内部の化粧されていない芯部が適度に隠蔽可能となる。
【0044】
また、開口部にしっかりと固定可能で、面部周縁の鐔の働きで扉本体開口部の形状や寸法精度が若干低くても、透光部材と開口部との間の隙間を有効に隠蔽することが可能となるので外観的にも優れた採光扉が製造できる。
【0045】
また、扉本体の厚みの種類が複数あっても、異なる厚みの透光部材を必要とせず、工場での部品在庫が少なくて済むので製造コスト的にも有利な採光扉の製造が可能となる。
【0046】
すなわち、透光部材が2個で一対をなす略同形同寸の透光部材で、その基部が扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有する構成ゆえ、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが当接する位置で扉厚み最小に対応し、逆に、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが所定距離だけ離間した位置で扉厚み最大に対応する構成である。
【0047】
従って、厚みの異なる扉本体に扉の両面から取り付け可能である。そして、工場での部品在庫が少なくて済む。それゆえ、製造コスト的にも有利な採光扉の製造が可能となる。
【0048】
また、透光部材の面部裏面側にある基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって、透光部材を開口部内周面の芯材に接着固定する製造方法ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0049】
また、基部側面に設けられている前記係合突起によって透光部材を開口部内周面の芯材に圧接固定する製造方法ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0050】
請求項5に記載の本発明の軽量採光扉の製造方法は、請求項2に記載の軽量採光扉を製造するに際して下記手順で製造することを特徴とする。
1.略同形同寸であり2個で一対をなし、扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有し、基部側面に係合突起を備えた請求項2に記載の方型透光部材又は円型透光部材を用意し、
2.所定の巾、高さ、厚みからなる扉本体を用意し、
3.前記方型透光部材の正方形基部に見合う形状と大きさで、前記円型透光部材の円形基部が略内接する形状と大きさを有する正方形の開口部を扉本体の厚み方向を貫通するようにして、扉本体の所定位置に所定の個数設け、
4.前記2個で一対をなす透光部材のそれぞれの基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に接着剤を設け、
5.扉本体の一方の表面の開口部から、前記2個で一対をなす透光部材の片方の透光部材の基部を嵌入し、
6.このとき、基部側面の厚み方向に設けられた複数本の突条又は複数個の凸部からなる係合突起の位置を正面視上下左右の対向位置になるように透光部材の嵌入位置を微調整し、
7.基部側面の係合突起と開口部内周面が噛み合っていることを確認し、
8.前記透光部材の面部周縁に設けられた鐔の裏側を扉本体の表面化粧板に当接させ開口部を隠蔽し、
9.基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に接着固定するとともに、前記係合突起によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に圧接固定し、
10.扉本体の他方の表面の開口部から他方の透光部材の基部を嵌入し、
11.このとき、基部側面の厚み方向に設けられた複数本の突条又は複数個の凸部からなる係合突起の位置を正面視上下左右の対向位置になるように透光部材の嵌入位置を微調整し、
12.基部側面の係合突起と開口部内周面が噛み合っていることを確認し、
13.前記透光部材の面部周縁に設けられた鐔の裏側を扉本体の表面化粧板に当接させ開口部を隠蔽し、
14.基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に接着固定するとともに、前記係合突起によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に圧接固定する。
【0051】
このような本発明の請求項5に記載の採光扉の製造方法によれば、透光性部材の突出も極めて少ないので、引き戸にも使用可能で、強度耐久性にも優れ、扉の採光部が極めて簡単に形成可能で製造作業性に優れた安価な採光扉が製造可能となる。また、開口部内部の化粧されていない芯部が適度に隠蔽可能となる。
【0052】
また、開口部にしっかりと固定可能で、面部周縁の鐔の働きで扉本体開口部の形状や寸法精度が若干低くても、透光部材と開口部との間の隙間を有効に隠蔽することが可能となるので外観的にも優れた採光扉の製造が可能となる。
【0053】
また、扉本体の厚みの種類が複数あっても、異なる厚みの透光部材を必要とせず、工場での部品在庫が少なくて済むので製造コスト的にも有利な採光扉の製造が可能となる。
【0054】
すなわち、透光部材が2個で一対をなす略同形同寸の透光部材で、その基部が扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有する構成ゆえ、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが当接する位置で扉厚み最小に対応し、逆に、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが所定距離だけ離間した位置で扉厚み最大に対応する構成である。
【0055】
従って、厚みの異なる扉本体に扉の両面から取り付け可能である。そして、工場での部品在庫が少なくて済む。それゆえ、製造コスト的にも有利な採光扉の製造が可能となる。
【0056】
また、透光部材の面部裏面側にある基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって、透光部材を開口部内周面の芯材に接着固定する製造方法ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0057】
また、基部側面に設けられている前記係合突起によって透光部材を開口部内周面の芯材に圧接固定する製造方法ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0058】
また、扉本体に形成する開口部の形状を正方形形状1種類とし、この正方形の開口部に円型透光部材又は方型透光部材を嵌入させる製造方法ゆえ、透光部材の形状デザインが複数あっても、異なる形状の開口部形成を必要とせず、異なる形状の開口部加工済み扉本体を必要とせず、1種類の形状の開口部加工済み扉本体を在庫しておけばよく、工場での仕掛かり在庫を多く抱える必要がなく、製造コスト的にも有利な採光扉の製造が可能となる。すなわち、前記開口部形状を1種類の正方形とし、正方形の開口部に正方形の基部を有する透光部材のみならず、円形基部からなる透光部材であっても、しっかりと確実に透光部材を扉本体に嵌入して取り付け可能で、しかも、隙間が生じても面部の鐔の働きで有効に隠蔽することが可能となる。
【0059】
また、扉本体の開口部形状が正方形の1種類のみとし、透光部材を方型透光部材及び円型透光部材の2種類のみとし、採光デザインとしては、正方形デザイン、円形デザイン、菱形デザインの3種類とすることが可能で、意匠バリエーションを拡大することが可能となる。
【発明の効果】
【0060】
請求項1に記載の発明によれば、透光性部材の突出も極めて少ないので、引き戸にも使用可能で、強度耐久性にも優れ、扉の採光部が極めて簡単に形成可能で製造作業性に優れた安価な採光扉が可能となる。また、開口部内部の化粧されていない芯部が適度に隠蔽可能となる。
【0061】
また、開口部にしっかりと固定可能で、面部周縁の鐔の働きで扉本体開口部の形状や寸法精度が若干低くても、透光部材と開口部との間の隙間を有効に隠蔽することが可能となるので外観的にも優れた採光扉ができる。
【0062】
また、扉本体の厚みの種類が複数あっても、異なる厚みの透光部材を必要とせず、工場での部品在庫が少なくて済むので製造コスト的にも有利な採光扉が可能となる。
【0063】
すなわち、透光部材が2個で一対をなす略同形同寸の透光部材で、その基部が扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有する構成ゆえ、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが当接する位置で扉厚み最小に対応し、逆に、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが所定距離だけ離間した位置で扉厚み最大に対応する構成である。
【0064】
従って、厚みの異なる扉本体に扉の両面から取り付け可能である。そして、工場での部品在庫が少なくて済む。それゆえ、製造コスト的にも有利な採光扉が可能となる。
【0065】
また、基部側面に設けられている前記係合突起によって透光部材を開口部内周面の芯材に圧接固定する構成ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0066】
請求項2に記載の発明によれば、透光性部材の突出も極めて少ないので、引き戸にも使用可能で、強度耐久性にも優れ、扉の採光部が極めて簡単に形成可能で製造作業性に優れた安価な採光扉が可能となる。また、開口部内部の化粧されていない芯部が適度に隠蔽可能となる。
【0067】
また、開口部にしっかりと固定可能で、面部周縁の鐔の働きで扉本体開口部の形状や寸法精度が若干低くても、透光部材と開口部との間の隙間を有効に隠蔽することが可能となるので外観的にも優れた採光扉ができる。
【0068】
また、扉本体の厚みの種類が複数あっても、異なる厚みの透光部材を必要とせず、工場での部品在庫が少なくて済むので製造コスト的にも有利な採光扉が可能となる。
【0069】
すなわち、透光部材が2個で一対をなす略同形同寸の透光部材で、その基部が扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有する構成ゆえ、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが当接する位置で扉厚み最小に対応し、逆に、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが所定距離だけ離間した位置で扉厚み最大に対応する構成である。
【0070】
従って、厚みの異なる扉本体に扉の両面から取り付け可能である。そして、工場での部品在庫が少なくて済む。それゆえ、製造コスト的にも有利な採光扉が可能となる。
【0071】
また、基部側面に設けられている前記係合突起によって透光部材を開口部内周面の芯材に圧接固定する構成ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0072】
また、前記係合突起は基部側面の正面視上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に形成された複数本の突条又は複数個の凸部からなり、透光部材の基部側面の厚み方向に形成されているので、扉本体に正方形形状の開口部を形成し、該正方形開口部に方型透光部材又は円型透光部材を嵌入させて採光扉を作製することになるが、特に、正方形開口部に円型透光部材の円型基部を嵌入させる場合、前記係合突起が形成されている箇所が、上述の如く、基部側面の正面視上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に形成されているので、円形基部を嵌入させる際に、上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に形成されている係合突起を扉本体正面視垂直に上下2箇所と水平に左右2箇所に、ほぼ正確に位置するように微調整し、正方形開口部周縁の四辺と係合突起が確実に噛み合うように留意することによって、正方形開口部であっても、円形基部をしっかりと確実に嵌入させて取り付けることができる。
【0073】
また、扉本体に形成する開口部の形状を正方形形状1種類とし、この正方形の開口部に円型透光部材又は方型透光部材を嵌入させる構成ゆえ、透光部材の形状デザインが複数あっても、異なる形状の開口部形成を必要とせず、異なる形状の開口部加工済み扉本体を必要とせず、1種類の形状の開口部加工済み扉本体を在庫しておけばよく、工場での仕掛かり在庫を多く抱える必要がなく、製造コスト的にも有利な採光扉が製造可能となる。すなわち、前記開口部形状を1種類の正方形とし、正方形の開口部に正方形の基部を有する透光部材のみならず、円形基部からなる透光部材であっても、しっかりと確実に透光部材を扉本体に嵌入して取り付け可能で、しかも、隙間が生じても面部の鐔の働きで有効に隠蔽することが可能となる。
【0074】
また、扉本体の開口部形状が正方形の1種類のみとし、透光部材を方型透光部材及び円型透光部材の2種類のみとし、採光デザインとしては、正方形デザイン、円形デザイン、菱形デザイン(正方形を正面視約45度回転させて得られる菱形)の3種類とすることが可能で、意匠バリエーションを拡大することが可能となる。
【0075】
請求項3に記載の発明によれば、扉本体を構成する芯材がペーパーハニカムコアからなる軽量芯材であり、扉本体を構成する表面化粧板が板紙からなる薄板を基材とし、その表面に樹脂化粧シート又は化粧紙を貼着した薄手の化粧板であるので、長期間使用しても反りの発生がほとんどなく、引戸として長期間使用しても開閉操作に支障が生じない採光扉が可能となる。
【0076】
詳述すると、扉本体を構成する芯材がペーパーハニカムコアからなる芯材ゆえ、扉本体に開口部を設ける際、加工し易く製造作業性に優れる。しかも、加工精度や作業精度が若干低く、開口部の形状や寸法に多少誤差が生じても、ペーパーハニカムゆえ、手で軽く押し込めば透光部材の基部を簡単に開口部内に押し込むことができる。さらに、芯材がペーパーハニカムコアゆえ、出来上がった採光扉は、軽量で強度が高く、しかも、反りにくく品質の安定したものとなる。また、反りが発生しにくいので、引戸として使用しても開閉操作に支障が生じない採光扉が可能となる。
【0077】
請求項4に記載の発明によれば、透光性部材の突出も極めて少ないので、引き戸にも使用可能で、強度耐久性にも優れ、扉の採光部が極めて簡単に形成可能で製造作業性に優れた安価な採光扉が製造可能となる。また、開口部内部の化粧されていない芯部が適度に隠蔽可能となる。
【0078】
また、開口部にしっかりと固定可能で、面部周縁の鐔の働きで扉本体開口部の形状や寸法精度が若干低くても、透光部材と開口部との間の隙間を有効に隠蔽することが可能となるので外観的にも優れた採光扉が製造できる。
【0079】
また、扉本体の厚みの種類が複数あっても、異なる厚みの透光部材を必要とせず、工場での部品在庫が少なくて済むので製造コスト的にも有利な採光扉の製造が可能となる。
【0080】
すなわち、透光部材が2個で一対をなす略同形同寸の透光部材で、その基部が扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有する構成ゆえ、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが当接する位置で扉厚み最小に対応し、逆に、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが所定距離だけ離間した位置で扉厚み最大に対応する構成である。
【0081】
従って、厚みの異なる扉本体に扉の両面から取り付け可能である。そして、工場での部品在庫が少なくて済む。それゆえ、製造コスト的にも有利な採光扉の製造が可能となる。
【0082】
また、透光部材の面部裏面側にある基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって、透光部材を開口部内周面の芯材に接着固定する製造方法ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0083】
また、基部側面に設けられている前記係合突起によって透光部材を開口部内周面の芯材に圧接固定する製造方法ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0084】
請求項5に記載の発明によれば、透光性部材の突出も極めて少ないので、引き戸にも使用可能で、強度耐久性にも優れ、扉の採光部が極めて簡単に形成可能で製造作業性に優れた安価な採光扉が製造可能となる。また、開口部内部の化粧されていない芯部が適度に隠蔽可能となる。
【0085】
また、開口部にしっかりと固定可能で、面部周縁の鐔の働きで扉本体開口部の形状や寸法精度が若干低くても、透光部材と開口部との間の隙間を有効に隠蔽することが可能となるので外観的にも優れた採光扉の製造が可能となる。
【0086】
また、扉本体の厚みの種類が複数あっても、異なる厚みの透光部材を必要とせず、工場での部品在庫が少なくて済むので製造コスト的にも有利な採光扉の製造が可能となる。
【0087】
すなわち、透光部材が2個で一対をなす略同形同寸の透光部材で、その基部が扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有する構成ゆえ、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが当接する位置で扉厚み最小に対応し、逆に、それぞれの透光部材の基部の先端部どうしが所定距離だけ離間した位置で扉厚み最大に対応する構成である。
【0088】
従って、厚みの異なる扉本体に扉の両面から取り付け可能である。そして、工場での部品在庫が少なくて済む。それゆえ、製造コスト的にも有利な採光扉の製造が可能となる。
【0089】
また、透光部材の面部裏面側にある基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって、透光部材を開口部内周面の芯材に接着固定する製造方法ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0090】
また、基部側面に設けられている前記係合突起によって透光部材を開口部内周面の芯材に圧接固定する製造方法ゆえ、透光部材を開口部にしっかりと固定できる。
【0091】
また、扉本体に形成する開口部の形状を正方形形状1種類とし、この正方形の開口部に円型透光部材又は方型透光部材を嵌入させる製造方法ゆえ、透光部材の形状デザインが複数あっても、異なる形状の開口部形成を必要とせず、異なる形状の開口部加工済み扉本体を必要とせず、1種類の形状の開口部加工済み扉本体を在庫しておけばよく、工場での仕掛かり在庫を多く抱える必要がなく、製造コスト的にも有利な採光扉の製造が可能となる。すなわち、前記開口部形状を1種類の正方形とし、正方形の開口部に正方形の基部を有する透光部材のみならず、円形基部からなる透光部材であっても、しっかりと確実に透光部材を扉本体に嵌入して取り付け可能で、しかも、隙間が生じても面部の鐔の働きで有効に隠蔽することが可能となる。
【0092】
また、扉本体の開口部形状が正方形の1種類のみとし、透光部材を方型透光部材及び円型透光部材の2種類のみとし、採光デザインとしては、正方形デザイン、円形デザイン、菱形デザインの3種類とすることが可能で、意匠バリエーションを拡大することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0093】
本発明の詳細を図面に従って説明する。図1は本発明の軽量採光扉の一部切欠斜視図である。図2は本発明の方型透光部材を示し、(イ)は正面図、(ロ)は側面図、(ハ)は斜視図である。図3は本発明の円型透光部材を示し、(イ)は正面図、(ロ)は側面図、(ハ)は斜視図である。図4は本発明の軽量採光扉の製造方法の説明図で、方型透光部材の例を示す。図5は本発明の軽量採光扉の製造方法の説明図で、円型透光部材の例を示す。図6は本発明の軽量採光扉の意匠パターンの代表例で、透光部材の形状、個数及び配置のバリエーションを示す正面図である。図中1は本発明の軽量採光扉、2は扉本体、3は軽量芯材、Hはペーパーハニカムコア、4は表面化粧板、5は方型透光部材、5aは面部、5bは基部、5cは鐔、5dは基部の側面、6は円型透光部材、6aは面部、6bは基部、6cは鐔、6dは基部の側面、Mは鐔の端縁に設けられた面取部、Tは係合突起、Kは開口部を示す。
【0094】
図1に扉本体2に正方形の開口部Kを設け、正方形の開口部K内に円型透光部材6を嵌入させて構成した本発明の軽量採光扉1の正面斜視図を示す。本発明の軽量採光扉1は軽量芯材3の両面に表面化粧板4が貼着され、所定の巾、高さ、厚みからなる扉本体2が形成されており、該扉本体2の所定位置に、扉本体2を貫通する所定形状の開口部Kが所定個数設けられている。本例では、正方形開口部Kに円型透光部材6を嵌入させた例を示す。正方形開口部Kを扉本体2の正面視縦中央位置に、5個を1列配置したデザインを例示している。前記開口部Kの形状は、本例では、正方形形状の例を示すが、正方形形状以外に円形形状の開口部(図示せず)であってもよいものとする。この開口部K内に本発明の方型透光部材5又は円型透光部材6が扉本体2の両面から嵌入され、本発明の軽量採光扉1が構成されている。
【0095】
本発明の軽量採光扉1は、第一の実施形態として、正方形の開口部Kに方型透光部材5を嵌入(図4)し、円形の開口部K(図示せず)に円型透光部材6を嵌入して本発明の軽量採光扉1が構成される。
【0096】
また、第二の実施形態として、図4、図5で詳述するが、開口部Kを正方形の1種類のみとし、正方形開口部Kに方型透光部材5を嵌入する場合(図4)、又は、正方形開口部Kに円型透光部材6を嵌入する場合(図5)がある。このように、開口部Kを正方形1種類のみとし、正方形開口部Kに方型透光部材5又は円型透光部材6を嵌入して本発明の軽量採光扉1を構成してもよい。この場合、開口部Kが正方形の1種類だけであるので、製造作業性に優れ、安価な採光扉が可能となる。
【0097】
また、図示しないが、逆に、開口部Kを円形1種類のみとし、円形開口部Kに方型透光部材5又は円型透光部材6を嵌入して本発明の軽量採光扉1を構成してもよい。この場合においても、開口部Kが円形の1種類だけであるので、製造作業性に優れ、安価な採光扉が可能となる。
【0098】
本発明の軽量採光扉1を構成する扉本体2は、軽量芯材3の両面に表面化粧板4を貼着して得られる。前記軽量芯材3として、例えば、硬質ウレタンフォーム等の硬質合成樹脂発泡体、ペーパーハニカムコア、インシュレーションボードなどを好適なものとして例示できる。これらのなかで、重さ、耐曲げ強度、耐反り適性、製造作業性などを考慮すると、ペーパーハニカムコアが最適である。ペーパーハニカムコアからなる芯材は、軽くて曲げ強度が大きく、反りにくく安定しており、しかも、材質が紙であるゆえ、木製の室内ドアや扉、引戸などに用いられる木質材料と接着適性に優れており、製造現場でも接着加工、機械加工などがし易く製造作業性に優れている。
【0099】
図2、図3に本発明の透光部材を示す。上述したように、前記正方形又は円形の開口部Kに嵌入される本発明の透光部材としては2種類あり、図2に示すような、正面視正方形の方型透光部材5と、図3に示すような、正面視円形の円型透光部材6の2種類である。いずれの透光部材であっても、本発明の透光部材は2個で一対をなす透光部材である。
【0100】
基本的には、第一の実施形態として、正方形開口部K内に方型透光部材5が扉本体2の両面から嵌入され、円形開口部K内に円型透光部材6が扉本体2の両面から嵌入されて本発明の軽量採光扉1が構成されている。
【0101】
しかし、第二の実施形態として、前述したように、開口部Kを正方形1種類のみとし、正方形開口部K内に方型透光部材5又は円型透光部材6を嵌入させて構成してもよい。
【0102】
また、図示しないが、その逆であってももちろんよいものいとする。すなわち、開口部Kを円形1種類のみとし、円形開口部Kに方型透光部材5又は円型透光部材6を嵌入して本発明の軽量採光扉1を構成してもよい。
【0103】
このとき、円形開口部K内に方型透光部材5を嵌入させる場合、方型透光部材5の基部5bに設ける係合突起Tは、正方形形状を有する基部5bの四隅の角部に設けるとよい。
【0104】
また、円形開口部K内に円型透光部材6を嵌入させる場合、円型透光部材6の基部6bに設ける係合突起Tは、基部正面視上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に設けるとよい。基部正面視、上下又は左右の対向位置の2箇所でもよいが、基部正面視上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に設けることが透光部材の取り付け精度品質強度等の安定性にとって望ましい。
【0105】
また、前記正方形開口部K内に方型透光部材5を嵌入させる場合、及び、前記円形開口部K内に円型透光部材6を嵌入させる場合、係合突起Tを形成させる位置はそれほどの精度を要求しない。前記した、基部正面視上下左右の対向位置は、多少違っていても特に問題とはならない。係合突起Tを形成させる位置について精度が要求されるのは、正方形開口部K内に円型透光部材6を嵌入させる場合である。
【0106】
本発明の透光部材は、前記したように、方型透光部材5と円型透光部材6の2種類があり、いずれにしても、略同形同寸の2個で一対をなす透光部材の片方を扉本体2の片方の表面から開口部K内に嵌入し、もう片方の透光部材を扉本体2の他方の表面から開口部K内に嵌入し本発明の軽量採光扉1が完成する。
【0107】
本発明の方型透光部材5は、厚み方向に2個に分割され、略同形同寸の2個で一対をなす透光部材である。そして、1個の厚みは扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有している。
【0108】
また、方型透光部材5は、正面視正方形の薄板からなる面部5aと該面部5aの裏面側に設けられた正方形の基部5bとで構成されている。そして、前記面部5aの周縁には鐔5cが設けられている。そして鐔5cの端縁には面取部Mが形成されている。また、前記基部5bには係合突起Tが形成されている。前記係合突起Tは複数本の突条又は複数個の凸部からなり、方型透光部材5の基部5bの側面5dの厚み方向に形成されている。
【0109】
また、前記したように、第二実施形態として、扉本体2への開口部Kを正方形の1種類のみとし、正方形開口部Kに方型透光部材5又は円型透光部材6を嵌入して本発明の軽量採光扉1を構成する場合、前記係合突起Tは基部正面視上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に形成するとよい。この少なくとも4箇所に複数本の突条又は複数個の凸部からなる係合突起Tが透光部材の基部側面の厚み方向に形成されている。
【0110】
図2に示す方型透光部材5の場合は、第二実施形態として、開口部Kが正方形の場合、正方形基部5bの一辺に3本で合計12本の突条からなる係合突起Tの例を示す。しかし、これに限定されることはなく、少なくとも一辺の略中央(必ずしも略中央でなくてもよい)に1本で合計4本の係合突起Tを基部5bの正面視、上下左右の対向位置に設けるとよい。一辺当たり、2本とし合計で8本の突条を略等しい間隔で設けてもよいし、また、一辺当たり4本以上であっても、もちろんよいものとする。
【0111】
このことは、第一実施形態、すなわち、正方形開口部K内に方型透光部材5を嵌入させる場合にも適用できる。また、円形開口部K内に円型透光部材6を嵌入させる第一実施形態の場合においても適用できる。すなわち、開口部Kの形状と基部の形状が正方形どうし、又は、円形どうしである実一実施形態においては、係合突起Tの形成位置精度はそれほど高くなくてもよい。最小限、基部正面視、上下又は左右の2箇所、望ましくは、基部正面視、上下左右の4箇所に係合突起Tが形成してあればよい。また、それ以上の係合突起Tがあってもよい。
【0112】
図3に円型透光部材6について示す。第二実施形態として、開口部Kが正方形の場合に望ましい例を示す。円形基部6bの円周に沿って、合計8本の突条からなる係合突起Tの例を示す。しかし、これに限定されることはなく、少なくとも基部正面視、上下左右の対向位置に各1本づつ、合計4本設けるとよい。また、基部正面視、上下又は左右の対向位置に2箇所でもよいが、基部正面視、上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に設けることが透光部材の取り付け精度、製品品質、製品の採光部における強度等の安定性にとって望ましい。また、形成される係合突起Tが最も少ない場合は、上下又は左右の対向位置の2箇所以上であればよい。望ましくは、上下、左右の対向位置の4箇所に係合突起を設けるとよい。係合突起Tが多くても特に問題はなく、本数に特に制限はない。
【0113】
本発明の円型透光部材6は、厚み方向に2個に分割され、略同形同寸の2個で一対をなす透光部材である。そして、1個の厚みは扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有している。円型透光部材6は、正面視円形の薄板からなる面部6aと該面部6aの裏面側に設けられた円形の基部6bとで構成されている。そして、前記面部6aの周縁には鐔6cが設けられている。そして鐔6cの端縁には面取部Mが形成されている。また、前記基部6bには係合突起Tが形成されている。前記係合突起Tは複数本の突条又は複数個の凸部からなり、円型透光部材6の基部6bの側面6dの厚み方向に形成されている。
【0114】
扉本体2に設けられた正方形又は円形の開口部K内に方型透光部材5又は円型透光部材6を嵌入し固定する固定力は、方型又は円型の透光部材の基部5b、6bに形成されている複数本の突条又は複数個の凸部からなる係合突起Tが、開口部Kの内周面の芯材3に食い込んで圧接係合する圧接力、及び、基部の側面に形成されている係合突起、及び又は、開口部Kの内周面に塗布された接着剤の接着力によって発揮される。
【0115】
接着剤を塗布する箇所は、透光部材の基部側面5d、6d及び係合突起Tの少なくとも何れか片方に塗布するとよい。しかし、それらの両方に塗布すると接着力を十分に発揮するために好適である。すなわち透光部材の、それぞれの面部裏面側にある基部の側面5d、6d及び係合突起Tの少なくともいずれか一方に接着剤を塗布しておく。
【0116】
透光部材を開口部K内に嵌入させた時、開口部内周面の芯材3と透光部材の基部の側面5d、6dとが接着固定されるか、又は、芯材3と係合突起Tとが接着固定されるか、又は、芯材3と透光部材の基部の側面5d、6d及び係合突起Tとが接着固定される。また、芯材3にも接着剤を塗布しておくと、接着力にとって、よりいっそう好適である。
【0117】
図4に、本発明の軽量採光扉1の製造方法の説明図を示す。方型透光部材5の例を示す。本例では扉本体2に形成された開口部Kの形状は正方形であり、透光部材の形状は方型透光部材5であり、正方形形状の開口部K内に嵌入される基部5bの正面視形状についても正方形であり、前記基部5bの正方形形状の寸法は、開口部Kの正方形形状に見合う寸法とされている。
【0118】
また、方型透光部材5を45度回転させて菱形とし、菱形意匠の採光部を有する採光扉とすることも可能である。開口部Kが正方形開口部の場合で説明する。面部5a周縁の鐔5cの大きさは、下記に詳述するが、方型透光部材5を45度回転させて菱形として用いた場合、開口部Kの四隅と鐔5cとの間で隙間等が生じても隙間を隠蔽可能なように鐔5cを大きくしておく必要がある。
【0119】
この場合、軽量芯材3を前記ペーパーハニカムコアHとすると極めて製造し易くなる。前記基部5bの正方形形状の寸法は、開口部Kの正方形形状に見合う寸法とされているので、45°回転させた場合、正方形の基部の四隅が芯材3に食い込むことになるが、芯材3を前記ペーパーハニカムコアHとすると、透光部材を手で開口部K内に簡単に押し込むことができる。
【0120】
この時、鐔5cの一辺の寸法は、基部5bの一辺の寸法(開口部Kの一辺の寸法に略等しい寸法)の、少なくとも約1.5倍以上必要である。このような大きさ寸法に設定しておくと、1種類の方型透光部材5を用いて、採光部デザインとして、正面視、正方形と菱形の2種類可能となる。
【0121】
図5に示す例では、扉本体2に形成された開口部Kの形状は正方形であり、透光部材の形状は円型透光部材6であり、正方形形状の開口部K内に嵌入される基部6bの正面視形状についても円形である。
【0122】
前記基部6bの円形形状の寸法は、開口部Kの正方形形状に見合う寸法とされている。すなわち、正面視円形の基部6bの直径が正方形形状の開口部Kの一辺の寸法に見合う寸法とされている。すなわち、開口部Kの正方形に、円型透光部材6の基部6bの円形が略内接する状態とされている。
【0123】
ここで、正面視円形の鐔6cの大きさが小さいと、正方形の開口部Kの四隅において、正面視円形の鐔6cの端縁との間に透光部材のない隙間が生じ、それを隠蔽することができない。
【0124】
そこで、前記隙間を有効に隠蔽するためには、円形の鐔6cの直径を、正方形形状の開口部Kの一辺の寸法よりも大きくしておく必要がある。その際の鐔6cの直径の寸法は、正方形の開口部Kの一辺の寸法の少なくとも約1.5倍以上であることが必要である。
【0125】
また、一方、扉本体2に形成された開口部Kの形状は正方形であり、透光部材の形状は方型透光部材5であり、正方形形状の開口部K内に嵌入される基部5bの正面視形状についても正方形の場合がある。
【0126】
この場合は、前記基部5bの正方形形状の寸法は、開口部Kの正方形形状に見合う寸法とされている。すなわち、正面視正方形の基部5bの一辺の寸法が開口部Kの正方形形状の一辺の寸法に見合う寸法とされている。すなわち、開口部Kの正方形に、方型光部材5の基部5bの正方形が適度な嵌合状態となるようにされている。
【0127】
さらに詳述すると、前記方型透光部材5の正方形基部5bを形成する正方形と、前記円型透光部材6の円形基部6bを形成する円形との関係において、前記円形が前記正方形内に略内接する関係にあり、前記開口部Kが方型透光部材5の正方形基部5bに見合う形状と寸法を有する正方形開口部Kであり、前記正方形開口部Kに前記方型透光部材5の正方形基部5bを嵌入して採光部を形成するか、又は、前記正方形開口部Kに前記円型透光部材6の円形基部6bを略内接状態で嵌入して採光部が形成されている。
【0128】
また、前記軽量芯材3は、ペーパーハニカムコアHで構成された軽量芯材3である。そして、前記表面化粧板4が、板紙からなる薄板を基材とし、その表面に樹脂化粧シート又は化粧紙などを貼着して得られた薄手の化粧板である。そして、前記板紙の厚みは、約0.1〜2.0mm程度が品質、性能、製造し易さ、コストなどを考慮すると好適である。
【0129】
また、詳細には、図示しないが、菱形デザインの場合について述べる。上記図4の説明のところで簡単に触れたが、詳述すると、扉本体2に形成された開口部Kの形状が正方形であり、透光部材として方型透光部材5を用い、菱形形状を形成する方法として次のとおりの方法がよい。すなわち、前記方型透光部材5を略45度回転させて菱形形状を形成するとよい。
【0130】
すなわち、方型透光部材5の面部5aを正面から見て、該面部5aの平面内において、左右いずれかに略45度回転させると、正面視菱形形状になる。このように、方型透光部材5を面部5aを含む平面内において略45度回転させ得られた菱形形状の透光部材も、また、本発明の採光扉1に利用可能である。
【0131】
前記したように、第二実施形態として、扉本体2への開口部Kを正方形の1種類のみとする方法、すなわち、扉本体2に加工された開口部Kの形状は全ての透光部材に共通で正方形1種類とする。そして、この正方形の開口部K内に菱形透光部材を嵌入させる。この場合の基部もまた、正方形形状である。そこで、円型透光部材6の場合と同様に、面部周縁の鐔を大きくしておかないと、開口部Kの四隅において、透光部材のない隙間が生じ、その隙間を有効に隠蔽することができないことになる。
【0132】
すなわち、前記基部5bの正方形形状の寸法は、開口部Kの正方形形状に見合う寸法とされている。すなわち、正面視正方形の基部5bの一辺が正方形形状の開口部Kの一辺の寸法に略等しい寸法とされている。ここで、菱形意匠とする場合は、正面視正方形の鐔5cの大きさが小さいと、正方形の開口部Kの四隅において、正面視正方形の鐔5cの端縁との間に透光部材のない隙間が生じ、その隙間を有効に隠蔽することができないことになる。
【0133】
前記隙間の発生を有効に防止するには、正方形の鐔5cの一辺の寸法を、正方形形状の開口部Kの一辺の寸法の、少なくとも約1.5倍以上とするとよい。
【0134】
すなわち、さらに詳述すると、前記菱形デザインの場合、方型透光部材5の基部5bも正方形であり、この場合、基部5bの寸法は、開口部Kの寸法に見合う寸法とされており、方型透光部材5を略約45度回転させて正面視菱形とした場合、基部5bもまた45度回転して菱形となる。この菱形の基部5bを正方形の開口部K内に嵌入しようとした場合、菱形形状の基部の縦寸法と横寸法が元の開口部Kの寸法の約1.5倍になる。開口部Kよりも一辺が約1.5倍大きくなると、計算上、嵌入不可能である。しかし、本発明の採光扉1は、芯材がペーパーハニカムHからなり、その両面に貼着されている表面化粧板4が、厚み0.1〜2.0mm程度の板紙を基材とし、その表面に樹脂化粧シート、又は化粧紙を貼着した極薄表面化粧板である。
【0135】
従って、菱形形状の基部の縦寸法と横寸法が元の開口部K寸法の約1.5倍になっても、透光部材嵌入の際、カッターナイフ等を用いて手で簡単に表面化粧板4を切断調整することが可能であり、菱形透光部材を正方形開口部K内に極めて簡単に嵌入させることができる。
【0136】
上記に正方形開口部K内に方型透光部材5又は円型透光部材6を嵌入する場合を中心に詳述したが、図示しないが、円形開口部K内に方型透光部材5又は円型透光部材6を嵌入する場合においても基本は同じである。以下、正方形開口部Kの場合を中心にさらに、詳しく述べる。
【0137】
次に、第二実施形態について、さらに、詳しく述べる。本発明の軽量採光扉1においては、先ず、扉本体2の正面視、正方形形状の開口部寸法が設計上決められる。開口部Kの寸法は扉本体2の大きさによっても異なるが、例えば、扉本体2の通常の大きさは、巾寸法が約600〜1200mm程度、高さ寸法が約1800〜2200mm程度、厚み寸法が約20〜60mm程度であり、このうちで、例えば巾800mm×高さ2100mm×厚み35mmの扉を例にとって説明する。
【0138】
この場合、前記開口部Kの寸法は、一例として、一辺が90mmの正方形が扉全体の大きさから見て外観意匠上好適な寸法の一つとして例示できる。しかし、これらの上記寸法に限定されるものではない。
【0139】
また、本発明の軽量採光扉1の透光部材の取り付け個数とその配置は図6で詳述するがさまざまなデザイン意匠が可能となる。すなわち、採光部分の形状デザインは、正方形、円形の他に上記した菱形形状が可能である。すなわち、方型透光部材5を正面視左右いずれかの方向に略45度回転させる(正方形の面部5aを含む平面内で略45度回転させる)と、正面視、菱形形状となる。
【0140】
図2に従って、本発明の透光部材の構成をさらに詳しく方型透光部材5を例にとって詳述する。本発明の方型透光部材5は、周縁に鐔5cを備えた正面視正方形形状の面部5aと、該面部5aの裏面側に設けられた正面視正方形形状の基部5b、基部側面5d、係合突起Tとで構成されている。そして、前記鐔5cの端縁に面取部Mが設けられている。該面取部Mが設けられていることで、方型透光部材5を開口部K内に嵌入させて面部5aを扉本体2の表面化粧板4に密着させた際に、鐔5cの端縁に設けられている前記面取部Mの働きで鐔5cの端縁と表面化粧板4との密着性が良くなり外観が向上する。また、鐔5cと表面化粧板4との取り合い部において段差が生じることがなく、外観上すっきりと納めることができる。すなわち、段差でなくゆるやかな傾斜面となる。
【0141】
図3に示す円型透光部材6の場合も基本は同様である。さらに詳しく述べると、本発明の円型透光部材6は、周縁に鐔6cを備えた正面視円形形状の面部6aと、該面部6aの裏面側に設けられた正面視円形形状の基部6b、基部側面6d、係合突起Tとで構成されている。そして、前記鐔6cの端縁に面取部Mが設けられている。該面取部Mが設けられていることで、円型透光部材6を開口部K内に嵌入させて面部6aを扉本体2の表面化粧板4に密着させた際に、鐔6cの端縁に設けられている前記面取部Mの働きで鐔6cの端縁と表面化粧板4との密着性が良くなり外観が向上する。また、鐔6cと表面化粧板4との取り合い部において段差が生じることがなく、外観上すっきりと納めることができる。すなわち、段差でなくゆるやかな傾斜面となる。
【0142】
また、前記本発明の方型透光部材5は、無色又は着色された半透明の硝子又は合成樹脂成型体で構成されている。該合成樹脂成型体はアクリル樹脂成型体、ポリカーボネート樹脂成型体などを好適なものとして例示できる。これらの他に半透明の板ガラスを貼り合わせた合わせガラス体、強化ガラス体、網入りガラス体、型板ガラス体等を例示できる。また、その他の半透明の合成樹脂成型体等も好適なものとして用いられる。勿論これらに限定されるものではない。
【0143】
本例では、前記表面化粧板4は、さらに詳述すると、板紙からなる薄板を基材とし、その表面に木目柄の印刷を施した樹脂化粧シート又は化粧紙などを貼着して得られた薄手の化粧板が好適である。樹脂化粧シートとしては、厚み約0.15mm〜0.3mm程度の塩ビ樹脂シート、オレフィン樹脂シートなどを好適なものとして例示できる。また、化粧紙としては、坪量が約20g/m〜30g/m程度の薄葉紙などを好適なものとして例示できる。そして、前記板紙の厚みは、約0.1〜2.0mm程度が品質、性能、製造し易さ、コストなどを考慮すると好適である。
【0144】
また、板紙基材の化粧板以外には、以下のものが例示できる。すなわち、厚みが約2.5mm〜3.0mm程度の比較的薄い合板等の木質基材の表面に、厚みが約0.2〜1.0mm程度のナラ、ケヤキ、サクラ、カバ、チーク、ウオルナット、マホガニー、パイン、檜、紫檀、黒檀等の天然銘木の突板、単板等を貼着し、その表面にウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等からなる、透明又は着色透明の合成樹脂塗料等の表面塗装を施して仕上げられた化粧貼り合板等を好適なものの1つとして例示できる。
【0145】
また、前記比較的薄い合板等の木質基材の表面に、天然銘木の突板、単板等の代わりに、天然銘木の木目柄を印刷して仕上げられた化粧シートなどを貼着した表面化粧板等も好適なものとして例示できる。前記化粧シートのシートとしては、厚み約0.15mm〜0.3mm程度の塩ビ樹脂シート、オレフィン樹脂シートなどを好適なものとして例示できる。また、この他に坪量が約20g/m〜30g/m程度の薄葉紙などの表面に天然銘木の木目柄を印刷して仕上げられた化粧紙なども好適なものとして例示できる。また、前記合板の代わりに厚みが約1〜3mm程度と、比較的薄い中比重繊維板などを用いた化粧貼りボード類も表面化粧板4の好適なものとして例示できる。
【0146】
しかし、表面化粧板4は、これらの樹種からなる天然銘木の突板又は単板、化粧シートなどを貼着して作製されたものに限定されるものではない。また、前記表面塗装についても、これらの合成樹脂塗料に限定されるものではない。
【0147】
本発明の軽量採光扉1についてさらに詳述する。軽量採光扉1の扉本体2の内部芯材構造は、好適なものとして次に述べる構造のものを例示できる。すなわち、ペーパーハニカムコアHからなる軽量芯材3の周縁に厚みが薄い縁貼り材(図示せず)を貼着した芯材構造と、フラッシュ構造芯(図示せず)の内部空間にペーパーハニカムコアHを内蔵させた芯材構造の2種類を例示できる。
【0148】
すなわち、図示しないが、縦方向2本と横方向2本の木質系芯材、材質としては、合板又は中比重繊維板などからなる、外周部芯材(図示せず)が、矩形形状に仕組まれ、例えば、扉本体2の中央に横方向に横芯材(図示せず)が配置され、いわゆるフラッシュ構造の芯組材が形成され、前記外周部芯材と横芯材で形成された空間内にペーパーハニカムコアHが内蔵されているものである。
【0149】
本発明の軽量採光扉1に用いる前記軽量芯材3は、上記の、合板、中比重繊維板などを芯材として作製されたフラッシュ構造芯の内部に形成される中空部に前記ペーパーハニカムコアHを内蔵させた構造であっても、勿論よいが、図1で例示するように、フラッシュ構造芯としないで、ペーパーハニカムコアHからなる軽量芯材3を用い、これを定寸カットし、その周囲に比較的厚みが薄い縁貼り材(図示せず)を貼着して得られた軽量芯材3が好適である。軽量芯材3の周囲の縁を比較的厚みが薄い合成樹脂成型体、単板等からなる縁貼り材(図示せず)で、化粧して仕上げられた芯材が軽量化といった観点から好適である。
【0150】
扉本体2を構成する軽量芯材3がペーパーハニカムコアHからなる軽量芯材3であると、扉本体2に開口部Kを設ける際、加工し易く製造作業性に優れる。しかも、加工精度や作業精度が若干低く、開口部Kの形状や寸法に多少誤差が生じても、ペーパーハニカムHゆえ、透光部材を手で軽く押し込めば、透光部材の基部を簡単に開口部K内に押し込むことができる。
【0151】
さらに、軽量芯材3がペーパーハニカムコアHで構成されているので、出来上がった採光扉1は、軽量でしかも強度的にも丈夫で、さらに、反りにくく品質の安定したものとなる。また、反りが発生しにくいので、引戸として使用しても開閉操作に支障が生じない軽量採光扉1が可能となる。
【0152】
さらに詳述すると、軽量芯材3としてのペーパーハニカムコアHは図1で示すように、ハニカム形状が扉本体2の表裏面側にくるようにして扉本体2の内部に配置する。折りたたまれたペーパーハニカムコアHを延伸させて扉本体2の内部に配置しその表裏面に表面化粧板4を設け、接着剤にて固着させる。
【0153】
前記ペーパーハニカムコアHの延伸方向は、扉本体2の長手方向、短手方向のいずれであってもよい。製造時の作業性を考慮して決定すればよい。しかし、扉本体2の長手方向に曲げ応力が加えられた場合を考慮すると、ペーパーハニカムコアHとして各セルを構成する箔が連続しているL方向(セルピッチ方向)の剪断強度が、それと直交するW方向(延伸方向)よりも大きいので、扉本体2の長手方向と前記ペーパーハニカムコアHのL方向を平行させた方が好適である。そして、扉本体2自体の軽量化、及び、扉本体2の表面からの面圧に対する強度耐久性、さらには、扉本体2自体の反りにくさを考えるとペーパーハニカムコアHが最適である。さらに、材料の入手し易さ、製造し易さ、コスト等を考えると、ペーパーハニカムコアHが最適である。
【0154】
ペーパーハニカムコアHの材質として、クラフト紙を用いたもの、Kライナー紙を用いたもの、セミ中芯紙を用いたもの等を好適なものとして例示できる。特に、扉本体2の強度耐久性を考慮すると、クラフト紙を用いたものが最適である。
【0155】
また、ハニカムのセルの形状として、本例に示す、六角形状の他、OX(煉瓦積みの形状)、フレックス(波型)、バイセクト(六角形と直線の交差)、フェザー(逆U字形と直線との組み合わせ)等が例示できる。これらのなかで、特に限定されるものではないが、入手し易さ、コスト等を考慮して最もポピュラーな形状である六角形状が好適であるが、これに限定されるものではない。
【0156】
次に透光部材の固定方法について述べる。透光部材を開口部K内に嵌入したあと、透光部材を扉本体2に固定する方法については以下のとおりである。
【0157】
前記開口部K内に、本発明の2個で一対をなす透光部材が扉本体2の両面から嵌入されている。方型透光部材5、又は、円型透光部材6、又は、菱形透光部材である。このようにして、透光部材を開口部K内に取り付け固定する場合、鐔5c、6cの裏面側に、接着剤を塗布するのでなく、透光部材の基部の側面及び係合突起Tの少なくといずれか一方に接着剤を塗布する。この接着剤の接着力によって透光部材を扉本体2の開口部K内の内周面に接着固定するとよい。鐔5c、6cの裏面側に、接着剤を塗布すると、製品完成後接着剤が目視によって目立ち外観を損ねる。
【0158】
用いる接着剤としては、硝子体や合成樹脂成型体と板紙、木質材料とが接着可能なものであればよい。例えば、ウレタン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、酢酸ビニル樹脂系接着剤、ゴム系接着剤、又は、これらのホットメルト系接着剤等を好適なものとして例示できる。透光部材を開口部K内に嵌入させた時、開口部Kの内周面の芯材3と透光部材の基部の側面5d、6dや係合突起Tとが接着固定される。
【0159】
製造方法は以下のとおりである。表面化粧板4が貼着された所定の巾、高さ、厚みからなる扉本体2の所定位置に、扉本体2を貫通する開口部Kを加工し、開口部K内に透光部材を嵌入させる。芯材3としては、例えば、ペーパーハニカムコアHからなる芯材3の両面に厚み0.1〜2.0mm程度の板紙を基材とし、その上に樹脂化粧シート、化粧紙等を貼着した極薄の表面化粧板4が好適である。
【0160】
本発明の軽量採光扉1を製造する手順について以下、詳しく述べる。本発明の軽量採光扉1を製造する場合は、正方形の開口部Kに方型透光部材5を嵌入し、円形の開口部K(図示せず)に円型透光部材6を嵌入して作製される場合(第一実施形態)と、他の場合として、開口部Kを正方形の1種類のみとし、正方形開口部に方型透光部材5又は円型透光部材6を嵌入して作製される場合(第二実施形態)の2通りがある。
【0161】
先ず、正方形の開口部Kに方型透光部材5を嵌入し、円形の開口部K(図示せず)に円型透光部材6を嵌入して作製される場合(第一実施形態)は、以下の手順で製造される。
1.略同形同寸であり2個で一対をなし、扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有し、基部の側面5d、6dに係合突起Tを備えた請求項1に記載の方型透光部材5又は円型透光部材6を必要個数用意する。
2.所定の巾、高さ、厚みからなる扉本体2を用意する。この時、扉本体2を構成する芯材3としては、ペーパーハニカムコアHが好適である。フラッシュ構造芯組材を併用してもよいが、よりいっそう軽量化するためには、フラッシュ構造芯は用いずに、前記ペーパーハニカムコアHを定寸カットし、その四周縁に縁貼り材を貼着するとよい。
3.所定の大きさで透光部材の形状に見合う形状を有する正方形又は円形の開口部を扉本体2の厚み方向を貫通するようにして、扉本体2の所定位置に所定の個数設ける。採光部が正方形、又は、菱形のデザインの場合は、正方形形状の開口部Kを形成し、透光部材としては方型透光部材5を用いる。また、円形デザインの場合は、円形の開口部Kを形成し、透光部材としては円型透光部材6を用いる。開口加工はNCルーター、ハンドルーター等の木工用加工機で十分可能である。
4.このとき、前記正方形開口部Kには方型透光部材5の正方形基部5bを嵌入するように方型透光部材5を準備し、又は、前記円形開口部Kには円型透光部材6の円形基部6bを嵌入するように円型透光部材6を準備する。
5.前記2個で一対をなす透光部材のそれぞれの基部の側面及び係合突起Tの少なくともいずれか一方に接着剤を塗布する。両方に接着剤を塗布するほうが透光部材を固定する接着力が向上するので好適である。また、扉本体2の開口部Kの内周面にも接着剤を塗布すると、さらに透光部材を固定する接着力が向上するので好適である。しかし、透光部材の面部5a、6aの裏面側には接着剤を塗布しないほうがよい。接着剤を塗布すると接着固定力は確実に向上するが弊害も生じる。すなわち、透光部材は無色又は着色された半透明の硝子又は合成樹脂成型体からなるので、面部裏面の接着剤が透けて外部から目視され、外観を著しく低下させる恐れがある。
6.扉本体2の一方の表面の開口部Kから、前記2個で一対をなす透光部材の片方の透光部材の基部を嵌入する。
7.前記透光部材の面部周縁に設けられた鐔5c、6cの裏側を扉本体2の表面化粧板4に当接させ開口部Kを隠蔽する。
8.基部の側面及び係合突起Tの少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材3に接着固定するとともに、前記係合突起Tによって透光部材の基部を開口部Kの内周面の芯材3に圧接固定する。
9.扉本体2の他方の表面の開口部Kから他方の透光部材の基部を嵌入する。
10.前記透光部材の面部5a、6aの周縁に設けられた鐔5c、6cの裏側を扉本体2の表面化粧板4に当接させ開口部Kを隠蔽する。このとき、開口部Kと鐔5c、6cの間に隙間が生じないように注意する。
11.基部の側面及び係合突起Tの少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部Kの内周面の芯材3に接着固定するとともに、前記係合突起Tによって透光部材の基部を開口部内周面の芯材3に圧接固定する。以上の手順で製造される。
【0162】
次に、他の場合として、開口部Kを正方形の1種類のみとし、正方形開口部Kに方型透光部材5又は円型透光部材6を嵌入して作製する場合(第二実施形態)は、以下の手順で製造される。
1.略同形同寸であり2個で一対をなし、扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有し、基部の側面5d、6dに係合突起Tを備えた請求項2に記載の方型透光部材5又は円型透光部材6を必要個数用意する。
2.所定の巾、高さ、厚みからなる扉本体2を用意する。この時、扉本体2を構成する芯材3としては、ペーパーハニカムコアHが好適である。フラッシュ構造芯組材を併用してもよいが、よりいっそう軽量化するためには、フラッシュ構造芯は用いずに、前記ペーパーハニカムコアHを定寸カットし、その四周縁に縁貼り材を貼着するとよい。
3.前記方型透光部材5の正方形基部5bに見合う形状と大きさで、前記円型透光部材6の円形基部6bが略内接する形状と大きさを有する正方形の開口部Kを扉本体2の厚み方向を貫通するようにして、扉本体2の所定位置に所定の個数設ける。採光部のデザインが正方形、菱形、円形のいずれの場合であっても、開口部Kの形状は正方形の1種類のみとする。開口加工はNCルーター、ハンドルーター等の木工用加工機で十分可能である。
4.前記2個で一対をなす透光部材のそれぞれの基部の側面5b、6b、及び、係合突起Tの少なくともいずれか一方に接着剤を塗布する。両方に接着剤を塗布するほうが透光部材を固定する接着力が向上するので好適である。また、扉本体2の開口部Kの内周面にも接着剤を塗布すると、さらに透光部材を固定する接着力が向上するので好適である。しかし、透光部材の面部5a、6aの裏面側には接着剤を塗布しないほうがよい。接着剤を塗布すると接着固定力は確実に向上するが弊害も生じる。すなわち、透光部材は無色又は着色された半透明の硝子又は合成樹脂成型体からなるので、面部裏面の接着剤が透けて外部から目視され、外観を著しく低下させる恐れがある。
5.扉本体2の一方の表面の開口部Kから、前記2個で一対をなす透光部材の片方の透光部材の基部5b、6bを嵌入する。
6.このとき、基部の側面の厚み方向に設けられている複数本の突条又は複数個の凸部からなる係合突起Tの位置を正面視、上下左右の対向位置になるように、透光部材の嵌入位置を微調整することが大切である。係合突起Tの位置が、正面視上下左右の対向位置から若干でもズレて誤差が生じると弊害が生じる。すなわち、係合突起Tの位置が正面視、上下左右の対向位置からズレが生じると、せっかくの係合突起Tが開口部Kの内周面にうまく噛み合わず、係合圧接力が低下する。開口部Kが正方形ゆえ、方型透光部材5の正方形基部5bを嵌入させる場合は、上記特別な注意をしなくても問題は生じない。しかし、正方形開口部K内に正方形基部5bでなく、円形基部6bを嵌入させる場合は、上記特別な注意をすることが大切である。すなわち、基部の側面の厚み方向に設けられている複数本の突条又は複数個の凸部からなる係合突起Tの位置を正面視、上下左右の対向位置になるように、透光部材の嵌入位置を微調整することが大切である。
7.基部の側面5d、6dの係合突起Tと開口部Kの内周面が噛み合っていることを確認する。
8.前記透光部材の面部5a、6aの周縁に設けられた鐔5c、6cの裏側を扉本体2の表面化粧板4に当接させ開口部Kを隠蔽する。
9.基部の側面及び係合突起Tの少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材3に接着固定するとともに、前記係合突起Tによって透光部材の基部を開口部Kの内周面の芯材3に圧接固定する。
10.扉本体2の他方の表面の開口部Kから他方の透光部材の基部を嵌入する。
11.このとき、基部の側面の厚み方向に設けられた複数本の突条又は複数個の凸部からなる係合突起Tの位置を正面視上下左右の対向位置になるように透光部材の嵌入位置を微調整する。もう一方の透光部材嵌入の際に係合突起Tの位置に注意したが同様の意味で注意が必要である。
12.基部の側面5d、6dの係合突起Tと開口部Kの内周面が噛み合っていることを十分に確認する。
13.前記透光部材の面部5a、6a周縁に設けられた鐔5c、6cの裏側を扉本体2の表面化粧板4に当接させ開口部Kを隠蔽する。このとき、開口部Kと鐔5c、6cの間に隙間が生じないように注意する。
14.基部の側面及び係合突起Tの少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部Kの内周面の芯材3に接着固定するとともに、前記係合突起Tによって透光部材の基部を開口部Kの内周面の芯材3に圧接固定する。以上の手順で製造される。
【0163】
図6に本発明の軽量採光扉1の透光部材の形状、個数及び配置のバリエーションを示す。本発明の軽量採光扉1の採光部分の配列は第1として、扉本体2の正面視、巾の略中央位置における縦一列配置、縦二列配置、縦三列配置等が考えられる。また、第2として、扉本体2の正面視上半分において、巾の略中央位置における縦一列配置、縦二列配置、縦三列配置等が考えられる。また、第3として、扉本体2の正面視下半分において、巾の略中央位置における縦一列配置、縦二列配置、縦三列配置等が考えられる。また、第4として、縦配列の代わりに横配列も考えられる。扉の正面視、扉上部における横一列配置、横二列配置、横三列配置等が考えられる。また、第5として、扉下部における横一列配置、横二列配置、横三列配置等が考えられる。
【0164】
また、縦配列個数(扉の高さ全長に対する縦配列の個数)も、一列当たり透光部材を5個配列する場合を基本とするが、4個以下、又は、6個以上であっても、勿論よいものとする。また、横配列個数(扉の巾全長に対する横配列の個数)も、図示しないが、一列当たり透光部材を3個配列する場合を基本とするが、2個以下、又は、4個以上であっても、勿論よいものとする。また、図示しないが、斜行配列、曲線状配列も可能である。図6においては上記三列配置、斜行配置、曲線状配置等については図示していない。
【0165】
さらに採光部のデザイン意匠について詳述すると、図6は本発明の軽量採光扉1の採光部の形状、配置、個数等を種々変えることによって扉意匠がさまざま可能になることを例示する。図6は本発明の採光扉1の、扉デザインのバリエーションを示している。
【0166】
透光部材は正方形タイプの方型透光部材5と、円形タイプの円型透光部材6の2種類がある。透光部材の取り付け形状は、正方形形状、円形形状の他に、正方形の透光部材を正面視45度斜めにさせて菱形形状としたものの3種類がある。
【0167】
また、透光部材の配置は、上記したように、縦方向1列配置の他に縦2列配置、図示しないが、縦3列配置も可能である。1列当たりの個数は5個を基本とするが4個以下、又は、6個以上であってもよいし、また、極端な場合、1つの扉本体に1個のみであっても、勿論よいものとする。また、正方形、円形、菱形などを混在させても、勿論よいものとする。さらに、上記したように、縦列配置のみならず、横列配置や斜行列配置、曲線列配置等であっても、勿論よいものとする。また、それらを混在させてもよいものとする。
【0168】
また、透光部材どうしの間隔を一定とせず、だんだんと広げたり逆に狭めたりするデザインであっても勿論よいものとする。また、前記透光部材どうしの間隔をランダムとするデザインであってもよいものとする。また、前記透光部材に別意匠の物品を付加させたデザイン等であっても勿論よいものとする。また、それらのデザインの組合せであっても勿論よいものとする。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の軽量採光扉の一部切欠斜視図。
【図2】本発明の方型透光部材を示し、(イ)正面図、(ロ)側面図、(ハ)斜視図。
【図3】本発明の円型透光部材を示し、(イ)正面図、(ロ)側面図、(ハ)斜視図。
【図4】本発明の軽量採光扉の製造方法の説明図で方型透光部材の例を示す。
【図5】本発明の軽量採光扉の製造方法の説明図で円型透光部材の例を示す。
【図6】本発明の軽量採光扉の意匠パターンの代表例を示す正面図。
【図7】従来の採光扉の断面図。
【符号の説明】
【0170】
1 本発明の軽量採光扉
2 本発明の扉本体
3 軽量芯材
H ペーパーハニカムコア
4 表面化粧板
5 方型透光部材
5a 面部
5b 基部
5c 鐔
5d 基部の側面
6 円型透光部材
6a 面部
6b 基部
6c 鐔
6d 基部の側面
M 面取部
T 係合突起
K 開口部
11 従来の採光扉
G 額縁
K 開口部
Q 透光性部材
S 芯材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量芯材の両面に表面化粧板が貼着された所定寸法を有する扉本体の所定位置に扉本体を貫通する所定形状と寸法を有する開口部が、所定の個数設けられ、該開口部に透光部材を設けてなる採光扉であって、前記透光部材は厚み方向に2個に分割され、略同形同寸の2個で一対をなす透光部材であり、該透光部材は周縁に鐔を備え正面視正方形の薄板からなる面部と該面部の裏面側に設けられた正方形の基部とからなる方型透光部材、又は、周縁に鐔を備え正面視円形の薄板からなる面部と該面部の裏面側に設けられた円形の基部とからなる円型透光部材のいずれかであり、前記開口部が方型透光部材の正方形基部に見合う形状と寸法を有する正方形開口部、又は、円型透光部材の円形基部に見合う形状と寸法を有する円形開口部であり、前記正方形開口部に正方形基部が嵌入されるか、又は、前記円形開口部に円形基部が嵌入されて採光部が形成され、前記透光部材の基部は係合突起を備え、扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有しており、前記係合突起は複数本の突条又は複数個の凸部からなり透光部材の基部側面の厚み方向に形成されていることを特徴とする軽量採光扉。
【請求項2】
軽量芯材の両面に表面化粧板が貼着された所定寸法を有する扉本体の所定位置に扉本体を貫通する所定寸法の正方形形状の開口部が、所定の個数設けられ、該正方形開口部に正方形又は円形の透光部材を設けてなる採光扉であって、前記透光部材は厚み方向に2個に分割され、略同形同寸の2個で一対をなす透光部材であり、該透光部材は周縁に鐔を備え正面視正方形の薄板からなる面部と該面部の裏面側に設けられた正方形の基部とからなる方型透光部材、又は、周縁に鐔を備え正面視円形の薄板からなる面部と該面部の裏面側に設けられた円形の基部とからなる円型透光部材のいずれかであり、前記方型透光部材の正方形基部を形成する正方形と、前記円型透光部材の円形基部を形成する円形との関係において、前記円形が前記正方形に略内接する関係にあり、前記開口部が方型透光部材の正方形基部に見合う形状と寸法を有する正方形開口部であり、前記正方形開口部に前記方型透光部材の正方形基部を嵌入して採光部を形成するか、又は、前記正方形開口部に前記円型透光部材の円形基部を略内接状態で嵌入して採光部が形成され、前記透光部材の基部は係合突起を備え、扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有しており、前記係合突起は基部側面の正面視上下左右の対向位置の少なくとも4箇所に形成された複数本の突条又は複数個の凸部からなり、透光部材の基部側面の厚み方向に形成されていることを特徴とする軽量採光扉。
【請求項3】
前記軽量芯材がペーパーハニカムコアからなる軽量芯材であり、前記表面化粧板が、板紙からなる薄板を基材とし、その表面に樹脂化粧シート又は化粧紙を貼着した薄手の化粧板であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の軽量採光扉。
【請求項4】
請求項1に記載の軽量採光扉を製造するに際して下記手順で製造することを特徴とする軽量採光扉の製造方法。
1.略同形同寸であり2個で一対をなし、扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有し、基部側面に係合突起を備えた請求項1に記載の方型透光部材又は円型透光部材を用意し、
2.所定の巾、高さ、厚みからなる扉本体を用意し、
3.所定の大きさで透光部材の形状に見合う形状を有する正方形又は円形の開口部を扉本体の厚み方向を貫通するようにして、扉本体の所定位置に所定の個数設け、
4.このとき、前記正方形開口部には正方形基部を嵌入するように方型透光部材を準備し、又は、前記円形開口部には円形基部を嵌入するように円型透光部材を準備し、
5.前記2個で一対をなす透光部材のそれぞれの基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に接着剤を設け、
6.扉本体の一方の表面の開口部から、前記2個で一対をなす透光部材の片方の透光部材の基部を嵌入し、
7.前記透光部材の面部周縁に設けられた鐔の裏側を扉本体の表面化粧板に当接させ開口部を隠蔽し、
8.基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に接着固定するとともに、前記係合突起によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に圧接固定し、
9.扉本体の他方の表面の開口部から他方の透光部材の基部を嵌入し、
10.前記透光部材の面部周縁に設けられた鐔の裏側を扉本体の表面化粧板に当接させ開口部を隠蔽し、
11.基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に接着固定するとともに、前記係合突起によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に圧接固定する。
【請求項5】
請求項2に記載の軽量採光扉を製造するに際して下記手順で製造することを特徴とする軽量採光扉の製造方法。
1.略同形同寸であり2個で一対をなし、扉厚みの1/2よりも小さな厚みを有し、基部側面に係合突起を備えた請求項2に記載の方型透光部材又は円型透光部材を用意し、
2.所定の巾、高さ、厚みからなる扉本体を用意し、
3.前記方型透光部材の正方形基部に見合う形状と大きさで、前記円型透光部材の円形基部が略内接する形状と大きさを有する正方形の開口部を扉本体の厚み方向を貫通するようにして、扉本体の所定位置に所定の個数設け、
4.前記2個で一対をなす透光部材のそれぞれの基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に接着剤を設け、
5.扉本体の一方の表面の開口部から、前記2個で一対をなす透光部材の片方の透光部材の基部を嵌入し、
6.このとき、基部側面の厚み方向に設けられた複数本の突条又は複数個の凸部からなる係合突起の位置を正面視上下左右の対向位置になるように透光部材の嵌入位置を微調整し、
7.基部側面の係合突起と開口部内周面が噛み合っていることを確認し、
8.前記透光部材の面部周縁に設けられた鐔の裏側を扉本体の表面化粧板に当接させ開口部を隠蔽し、
9.基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に接着固定するとともに、前記係合突起によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に圧接固定し、
10.扉本体の他方の表面の開口部から他方の透光部材の基部を嵌入し、
11.このとき、基部側面の厚み方向に設けられた複数本の突条又は複数個の凸部からなる係合突起の位置を正面視上下左右の対向位置になるように透光部材の嵌入位置を微調整し、
12.基部側面の係合突起と開口部内周面が噛み合っていることを確認し、
13.前記透光部材の面部周縁に設けられた鐔の裏側を扉本体の表面化粧板に当接させ開口部を隠蔽し、
14.基部の側面及び係合突起の少なくともいずれか一方に設けられた接着剤によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に接着固定するとともに、前記係合突起によって透光部材の基部を開口部内周面の芯材に圧接固定する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−101030(P2010−101030A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−271551(P2008−271551)
【出願日】平成20年10月22日(2008.10.22)
【出願人】(398051497)株式会社パル (65)
【Fターム(参考)】