軽量盛土構造物の構築方法
【課題】重機や、作業構台等の仮設工事を必要とすることなく、安価で且つ作業性、安全性に優れるとともに、柔軟性及び追随性に優れ変位、変形量が少なく、長期に亘って安全性及び信頼性を維持することのできる軽量盛土構造物の構築方法を提供する。
【解決手段】壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、基礎部(基礎コンクリート)1に第1の支柱材S1を立設し、該第1の支柱材S1の前面に第1の壁面パネルP1を取り付けるとともに、背面に第1の発泡樹脂ブロックB1を配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックB1の上に乗って第2の支柱材S2を前記第1の支柱材S1に連結し、前面に第2の壁面パネルP2を前記第1の壁面パネルP1に緩衝材2を介して連結するとともに、背面に第2の発泡樹脂ブロックB2を前記第1の発泡樹脂ブロックB1の上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする構築方法である。
【解決手段】壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、基礎部(基礎コンクリート)1に第1の支柱材S1を立設し、該第1の支柱材S1の前面に第1の壁面パネルP1を取り付けるとともに、背面に第1の発泡樹脂ブロックB1を配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックB1の上に乗って第2の支柱材S2を前記第1の支柱材S1に連結し、前面に第2の壁面パネルP2を前記第1の壁面パネルP1に緩衝材2を介して連結するとともに、背面に第2の発泡樹脂ブロックB2を前記第1の発泡樹脂ブロックB1の上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする構築方法である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量盛土構造物の構築方法に関し、更に詳しくは、重機や、作業構台等の仮設工事を必要とすることなく、安価で且つ作業性、安全性に優れるとともに、柔軟性及び追随性に優れ変位、変形量が少なく、長期に亘って安全性及び信頼性を維持することのできる軽量盛土構造物の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の擁壁構造にあっては、H型鋼支柱を所定間隔を置いて立設し、向かい合うH型鋼のコの字状の部分にコンクリートパネルを落とし込むか、又はH型鋼の外面にコンクリートパネルを金具で取り付けて壁体を構築し、その内側には発泡ポリスチレンからなる直方体ブロックを積み上げ、天端にはコンクリート床版を設置し、必要に応じ、アスファルト層を設けて道路等とされている。
【0003】
しかしながら、上記方法では、通常、クレーン等の重機を必要とし、特に、山岳地や急傾斜地等においては、足場が劣悪であるため、このような重機の搬入、使用には多くの困難や危険を伴うばかりでなく、作業構台や作業用桟橋等の仮設工事が必要となり、本来の盛土工事よりも仮設工事の方が高価となってしまうという問題をはらんでいる。
【0004】
また、長尺な支柱を多数立設するため、支柱の間隔や垂直性等に誤差が発生し、支柱に落とし込む、又は金具で取り付けるコンクリートパネルの寸法を現場加工により調整する必要があるなど工事が煩雑となり、作業効率の低下の一因となっている。更に、背の高い支柱や壁体により視界が悪く、圧迫感の中で作業をせざるを得ないなど、足場の悪さに加えて、作業環境の悪化を助長している。
【0005】
一方、コンクリートパネルは支柱間に落とし込むか、又は金具で取り付けられているため、柔軟性及び追随性に欠け、例えば、地震等により外部より負荷が加わった場合に発生する変位、変形には追随できず、その結果、コンクリートパネルの支柱との接触面又は取り付け面や、コンクリートパネル同士の接触面にクラックが入ったり、破損し、外観を損なうばかりでなく、軽量盛土構造物の安全性や信頼性を損なうことになる。
【0006】
ところで、発泡スチレンブロックを積み上げた構造物の圧縮変形に因る沈下に対しては、H型鋼支柱のフランジ部分を、構造物の天端や中間部に打設されるコンクリート床版に一部埋設した挟持部材によりスライド可能にした取付構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この技術により発泡スチレンブロックを積み上げた構造物の圧縮変形による沈下は解消されるものの、H型鋼支柱とコンクリートパネルとからなる壁体に負荷が加わった場合の変形、変位に起因するコンクリートパネルのクラックや破損の問題は依然として未解決である。
【特許文献1】特開平11−209999号参照(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はかかる実情に鑑み、上記従来技術の問題を解消し、重機や、作業構台等の仮設工事を必要とすることなく、安価で且つ作業性、安全性に優れる方法であり、且つ、柔軟性及び追随性に優れ変位、変形量が少なく、長期に亘って安全性及び信頼性を維持することのできる軽量盛土構造物の構築方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、第1の構築方法は、支柱材を使用して壁体を構築するのではなく、複数個の壁面パネルを連結することにより壁体を構築するとともに、上下の壁面パネルの間に緩衝材を介装し、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックを下方から上方へ順次積み上げる方式を採用することにより、また、第2の構築方法は、前記第1の構築方法において、更に支柱材を用い、支柱材、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックとも、下方から上方へ順次積み上げる方式を採用することにより、上記従来技術の問題が一挙に解消されることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明の請求項1は、壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
前記壁体を複数個の壁面パネルを連結するとともに、上下の壁面パネルの間に緩衝材を介装しながら積み上げることにより構築することを特徴とする軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0010】
本発明の請求項2は、壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の壁面パネルを取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0011】
本発明の請求項3は、壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の支柱材を立設し、該第1の支柱材に第1の壁面パネルを取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の支柱材を前記第1の支柱材に連結し、第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0012】
本発明の請求項4は、壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の壁面パネルを立設し、該第1の壁面パネルに第1の支柱材を取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結し、第2の支柱材を前記第1の支柱材に連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0013】
本発明の請求項5は、連結を連結具を用いて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0014】
本発明の請求項6は、連結具が連結ピンからなることを特徴とする請求項5記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0015】
本発明の請求項7は、緩衝材がゴムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0016】
本発明の請求項8は、緩衝材が補強材入りゴムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0017】
本発明の請求項9は、緩衝材が発泡合成樹脂からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0018】
本発明の請求項10は、緩衝材がエラストマーからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0019】
本発明の請求項11は、緩衝材がコンクリートパネルと同系色であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0020】
本発明の請求項12は、発泡樹脂製ブロック及び壁面パネルの各重量が40kg以下であ
ることを特徴とする請求項1又は2記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0021】
本発明の請求項13は、発泡樹脂製ブロック、壁面パネル及び支柱材の各重量が40kg
以下であることを特徴とする請求項3又は4記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明における第1の構築方法は、支柱材を使用して壁体を構築するのではなく、複数個の壁面パネルを連結することにより壁体を構築するとともに、上下の壁面パネルの間に緩衝材を介装し、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックを下方から上方へ順次積み上げる方式を採用したことを特徴とし、また第2の構築方法は、前記第1の構築方法において、更に支柱材を用い、支柱材、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックとも、下方から上方へ順次積み上げる方式を採用することを特徴とするものである。
【0023】
従って、第1の構築方法の場合は、H型鋼等の支柱材を使用しないので、クレーン等の重機や、作業構台等の仮設工事は不要であり、また、足場の悪い谷や傾斜地側ではなく、反対側の足場の良い平坦地(発泡樹脂製ブロック積載側)から作業ができるので、作業構台等の仮設工事は不要である。
また、第2の構築方法の場合は、支柱材を使用するが、支柱材を下方から上方へと継ぎ足してゆく方式であり、従来のように長尺の支柱材ではないので、重機や仮設工事は不要であり、上記と同じく、足場の良い平坦地から作業をすることができる。
【0024】
従って、重機や仮設工事が不要で、人力で構築できるため、大巾なコストダウンが図られるとともに、足場の良い平坦地で作業できるので極めて安全であり、また、背の高い支柱材を使用しないので視界性が良好であるため、作業効率は大巾に向上する。
また、使用する材料は比較的小さいため、全て工場で前もって製造することが可能である。従って、現場での加工は一切不要で、軽量盛土構造物の構築に専念できるため、作業効率は大巾に高められる。
【0025】
また、支柱材を使用する場合でも、支柱材を継ぎ足す方式であるため、直立性等の誤差が生じ難く、仮に誤差が生じたとしても継ぎ足す際に容易に矯正することができる。
【0026】
更に、上記の壁面パネル間には緩衝材が介装されているので、優れた柔軟性及び追随性を有し、例えば地震などで外力が加わった場合においても、変位、変形や応力が分散又は吸収され、壁面パネルにクラックが入ったり、破損することが防止され、長期に亘って良好な外観を維持できるとともに、軽量盛土構造物の安全性及び信頼性が飛躍的に高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明に用いられる発泡樹脂製ブロックは、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレンや発泡ポリプロピレン等の発泡ポリオレフィン等からなり、矩形状のものが積載性、充填性等の面で好ましい。作業員が2人で持ち運びできるサイズ、重量のものが好適で、通常、長さ約1〜2.5m、巾約1〜2m、高さ約0.5〜1m程度のものが好ましい。作業員が2人で持ち運びできる重量は約40kg以下であることが好ましいが、上記したサイズの発泡樹脂製ブロックはこの条件を満足する。更に軽量化を図るため、透孔を穿設した発泡樹脂製ブロックも使用可能である。
【0028】
本発明に用いられる壁面パネルは、プレキャストコンクリート(PC板)、ガラス繊維コンクリート(GRC)、軽量化を図った気泡コンクリートやポーラスコンクリート等が好適で、作業員が2人で持ち運びできるサイズ、重量のものが好適である。壁面パネルの材質や厚さにもよるが、通常、長さ、巾とも約0.8〜1.5m程度、特に1〜1.2m程度のもので、重量は約40kg以下のものが好ましい。基礎部(基礎コンクリート)の上に配置、固定される最下層に配置される第1の壁面パネルは、下部に逆T字状又はL字状の突縁部を備えたものが自立性があり、また基礎部にボルト等により固定し易いので好ましい。
【0029】
本発明の壁面パネルは上下左右の方向に連結されるが、好ましい連結手段としては、連結ピン(棒)、連結ボルト、連結プレート等が挙げられる。連結プレートはビス止めされる。連結手段として、連結ピン(棒)や連結ボルトを用いる場合には、壁面パネルに連結ピン(棒)を挿通するための孔を穿設しておくことが好ましく、また、連結ボルトを用いる場合は、連結ボルトを挿通するための透孔を穿設しておくのが好ましい。左右の方向の連結にも連結ボルトを用いる場合は、壁面パネルの両側に取り付け縁部を突設し、該取り付け縁部に連結ボルトを挿通するための透孔を穿設しておくのが好ましい。
【0030】
本発明に用いられる緩衝材は、弾性変形による柔軟性と追随性により壁面パネルの特定部分に荷重が集中するのを防止し、応力を分散、吸収して壁面パネルのクラックや破損を防止するとともに、柔軟性、追随性により擁壁の直立性(斜壁の場合は斜め方向の直線性)を保持するものである。
【0031】
このような緩衝材としては、天然ゴム、合成ゴム、エラストマー、発泡合成樹脂等が挙げられる。合成ゴム、エラストマーとしては、ブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン(SBR)、クロロプレン(CR)、ブタジエン−アクリロニトリル(NBR)等のジエン系ゴム、イソブチレン−イソプレン(IIR)、エチレン−プロピレン(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリン系、有機ケイ素化合物系、含フッ素化合物系、ウレタン系、ビニル系等の非ジエン系ゴム、スチレン系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。発泡合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン等が挙げられる。
【0032】
これらは、壁面パネルの荷重等を勘案して適度な硬度を有するものが選ばれるが、例えば、ゴムの場合は、通常、硬度55〜65程度のものが好ましい。勿論、古タイヤ等をリサイクルしたものも使用可能である。また、紙、各種合成繊維、ガラス繊維、これらからなる布、ネット等を表面又は内部に配することにより補強したゴム等も使用可能である。
【0033】
緩衝材は、壁面パネルと色が異なる場合は、目地として興趣のある外観を呈するが、逆に、これを余り好まない場合は、壁面パネルと同系色として目立たなくすることも可能である。
【0034】
本発明で支柱材を用いる構築方法において用いられる支柱材は、H型鋼も使用可能であるが、例えば、H型鋼を用い、対向するコの字状部に壁面パネルを落とし込むことにより壁体を構築した場合には、H型鋼の壁面(通常、5〜10cm程度の巾)が露出し、景観上好ましくない場合があるので、T字型鋼からなる支柱材が好ましい。T字型鋼の支柱材を用いると、T字型鋼の頭部を背面(発泡樹脂ブロック積載側)に向け、脚部を前面に向け、壁面パネル間でボルト等により挟着すると、脚部の厚み(通常、2〜5mm程度の巾)が恰も目地の如く視認されるに過ぎないので、景観を妨げるようなことは殆どない。脚部を隣接する壁面パネル間にボルト等で挟着する場合は、脚部にボルト孔を予め穿設しておくのが好ましい。また、基礎部(基礎コンクリート)に取り付ける最下層の支柱材には、ボルト等で基礎部に取り付けるためのベースプレートを備えていることが好ましい。支柱材もサイズ、重量とも作業員2人で持ち運びできるものが好適で、長さは約0.8〜1.5m程度、特に1〜1.2m程度で、重量は約40kg以下のものが好ましい。
【0035】
尚、支柱材を用いない第1の構築方法は、比較的高さの小さい軽量盛土構造物に適しており、支柱材を用いる第2の構築方法は、高さの小さい軽量盛土構造物は勿論、高さの大きい軽量盛土構造物に好適である。
【実施例】
【0036】
以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されないことは云うまでもない。
【0037】
実施例1
本実施例では、支柱材を用いない軽量盛土構造物(拡幅道路構造物)の構築方法を図1〜図4に基づいて説明する。
【0038】
図1に示すように、先ず基礎部として基礎コンクリート1を打設し、該基礎コンクリート1の上に第1の壁面パネルP1を設置、固定し、その背面には第1の発泡樹脂製ブロックB1を配置する。
【0039】
次に、図1の第1の発泡樹脂製ブロックB1の上に乗り、図2に示すように、第2の壁面パネルP2を緩衝材2を介して連結ピン3により前記第1の壁面パネルP1の上に連結し、背面には第2の発泡樹脂製ブロックB2を前記第1の発泡樹脂製ブロックB1の上に積み上げる。尚、図2において、発泡樹脂製ブロックB2は、発泡樹脂製ブロックb1、b2とから形成され、該ブロックb1とb2と間には、一端が壁面パネルP2に連結され、他端は上向き及び下向きの掛合爪により該ブロックb1、b2に掛合した位置制御材4が介設されているが、両ブロックb1とb2を合体した1個のブロックB2を用いることも可能である。この場合、必要に応じ、位置制御材4をブロックB1とB2との間に介設してもよい。
【0040】
次に、図2の第2の発泡樹脂製ブロックB2の上に乗り、図3に示すように、第3の壁面パネルP3を緩衝材2を介して連結ピン3により前記第2の壁面パネルP2の上に連結し、背面には第3の発泡樹脂製ブロックB3が前記第2の発泡樹脂製ブロックB2の上に積み上げられる。尚、第3の発泡樹脂製ブロックB3も第2の発泡ブロックB2と同じく、2個のブロックb3、b4からなり、両者間に位置制御材4が介設されているが、必要に応じ、両ブロックb3とb4を合体した1個のブロックB3としてもよい。
【0041】
以下、図4に示すように、上記と同様の操作を繰り返しながら、所定の高さにまで壁面パネルPnを緩衝材2を介して連結ピン3により連結し、その背面には発泡樹脂製ブロックBnを積み上げる。
【0042】
次いで、本実施例では、天端にコンクリート床版5、その上に、嵩コンクリート6を配設し、嵩コンクリート6の内側にアスファルト等の舗装材7を施し、拡幅道路の軽量盛土構造物が完成される。尚、コンクリート床版5は、天端のみならず、軽量盛土構造物の中間にも適宜設けることもできる。
尚、基礎部(基礎コンクリート1)への第1の壁面パネルの固定、壁面パネルの連結、緩衝材の介装については、次の実施例2で詳細に示した(図6、8、11)。即ち、図6、8においては、支柱材Sを省略すれば、そのまま実施例1に適用される。
【0043】
実施例2
本実施例では、支柱材を用いた軽量盛土構造物(拡幅道路構造物)の構築方法を図5〜図11に基づいて説明する。
【0044】
図5、図6に示すように、先ず基礎部として基礎コンクリート1を打設し、該基礎コンクリート1の上に第1の支柱材S1を設置、固定し、該支柱材S1の両側に2個の第1の壁面パネルP1を設置、固定し、その背面には第1の発泡樹脂製ブロックB1を配置する。即ち、図6に詳記したように、第1の支持材S1は頭部8と脚部9とからなるT字状からなり、下部にベースプレート10を備え、該ベースプレート10をボルト11により基礎コンクリート1に固定され、該支持材S1の脚部9の両側には取付け縁部12を有する壁面パネル2個、P1、P1が配され、ボルト11により、支持材S1の脚部9を両側から挟むようにして、壁面パネルP1、P1が連結一体化されている。3は、壁面パネルPを上下に連結するための連結ピンである。
【0045】
次に、図5の第1の発泡樹脂製ブロックB1の上に乗り、図7、図8に示すように、第2の支持材S2を前記第1の支持材S1の上に積み上げ、第2の壁面パネル2個、P2、P2を緩衝材2を介して連結ピン3により前記第1の壁面パネルP1、P1の上に連結し、支持部S2の脚部9を挟むようにして、壁面パネルP2、P2の取り付け縁部12をボルト11により連結一体化し、背面には第2の発泡樹脂製ブロックB2を前記第1の発泡樹脂製ブロックB1の上に積み上げる。尚、図7において、発泡樹脂製ブロックB2は、発泡樹脂製ブロックb1、b2とから形成され、該ブロックb1とb2と間には、一端が壁面パネルP2に連結され、他端は上向き及び下向きの掛合爪により該ブロックb1、b2に掛合した位置制御材4が介設されているが、両ブロックb1とb2を合体した1個のブロックB2を用いることも可能である。この場合、必要に応じ、位置制御材4をブロックB1とB2との間に介設してもよい。
【0046】
次に、図7の第2の発泡樹脂製ブロックB2の上に乗り、図9に示すように、第3の支持材S3を前記第2の支持材S2の上に積み上げ、上記と同様の方法(図8)で、第3の壁面パネル2個P3、P3を緩衝材2を介して連結ピン3により前記第2の壁面パネルP2、P2の上に連結し、支持部S3の脚部を挟むようにして、壁面パネルP3、P3の取り付け縁部12をボルト11により連結一体化し、背面には第3の発泡樹脂製ブロックB3が前記第2の発泡樹脂製ブロックB2の上に積み上げられる。尚、第3の発泡樹脂製ブロックB3も第2の発泡ブロックB2と同じく、2個のブロックb3、b4からなり、両者間に位置制御材4が介設されているが、必要に応じ、両ブロックb3とb4を合体した1個のブロックB3としてもよい。
【0047】
以下、図10に示すように、上記と同様の操作を繰り返しながら、所定の高さにまで、支持部Snを積み上げ、壁面パネルPnを緩衝材2を介して連結ピン3により連結し、その背面には発泡樹脂製ブロックBnを積み上げる。
【0048】
次いで、実施例1と同様に、天端にコンクリート床版5、その上に、嵩コンクリート6を配設し、嵩コンクリート6の内側にアスファルト等の舗装材7を施し、拡幅道路の軽量盛土構造物が完成される。尚、コンクリート床版5は、天端のみならず、軽量盛土構造物の中間にも適宜設けることもできる。
【0049】
尚、コンクリート床板5は軽量盛土構造物の中間にも適宜配設することができる。この場合、コンクリート床板5を支持材Sの頭部9に摺動可能に取り付けることにより、発泡樹脂製ブロック層の沈下に対して対応することも可能である。
【0050】
上記支柱材を用いる場合の例として、基礎部に第1の支柱材を立設し、該支柱材に第1の壁面パネルを取り付ける方法を示したが、これに代えて、基礎部に第1の壁面パネルを立設し、該壁面パネルに第1の支柱材を取り付けることもできる。この場合、支柱材と壁面パネルの間に隙間ができる場合は、必要に応じ、コーキング材等を充填することもできる。
【0051】
上記実施例1、実施例2において、上下の壁面パネル間への緩衝材の介装は特に制限されないが、例えば、図11の(a)、(b)、(c)の態様を挙げることができる。図11において、Pは壁面パネル、2は緩衝材である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
叙上のとおり、本発明における第1の構築方法は、支柱材を使用して壁体を構築するのではなく、複数個の壁面パネルを連結することにより壁体を構築するとともに、上下の壁面パネルの間に緩衝材を介装し、また、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックを下方から上方へ順次積み上げる方式を採用したことを特徴とし、また第2の構築方法は、前記第1の構築方法において、更に支柱材を用い、支柱材、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックとも、下方から上方へ順次積み上げる方式を採用することを特徴とするものである。
【0053】
従って、第1の構築方法の場合は、H型鋼等の支柱材を使用しないので、クレーン等の重機や、作業構台等の仮設工事は不要であり、また、足場の悪い谷や傾斜地側ではなく、反対側の足場の良い平坦地(発泡樹脂製ブロック積載側)から作業ができるので、作業構台等の仮設工事は不要である。
また、第2の構築方法の場合は、支柱材を使用するが、支柱材を下方から上方へと継ぎ足してゆく方式であり、従来のように長尺の支柱材ではないので、重機や仮設工事は不要であり、上記と同じく、足場の良い平坦地から作業をすることができる。
【0054】
重機や仮設工事が不要で、人力で構築できるため、大巾なコストダウンが図られるとともに、足場の良い平坦地で作業できるので極めて安全であり、また、背の高い支柱材を使用しないので視界性が良好であるため、作業効率は大巾に向上する。
また、使用する材料は比較的小さいため、全て工場で前もって製造することが可能である。従って、現場では材料の加工等は一切不要で、軽量盛土構造物の構築に専念できるため、作業効率は大巾に高められる。
【0055】
また、支柱材を使用する場合でも、支柱材を継ぎ足す方式であるため、直立性等の誤差が生じ難く、仮に誤差が生じたとしても継ぎ足す際に容易に矯正することができる。
【0056】
更に、上記の壁面パネル間には緩衝材が介装されているので、優れた柔軟性及び追随性を有し、例えば、地震などにより外力が加わった場合においても、変位、変形や応力が分散又は吸収され、壁面パネルにクラックが入ったり、破損することが防止され、長期に亘って良好な外観を維持できるとともに、軽量盛土構造物の安全性、信頼性が飛躍的に高められる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施例1の軽量盛土構造物の構築方法において、第1の工程を説明するための概略図である。
【図2】実施例1の軽量盛土構造物の構築方法において、第2の工程を説明するための概略図である。
【図3】実施例1の軽量盛土構造物の構築方法において、第3の工程を説明するための概略図である。
【図4】実施例1の軽量盛土構造物の構築方法において、最後の工程を説明するための概略図である。
【図5】実施例2の軽量盛土構造物の構築方法において、第1の工程を説明するための概略図である。
【図6】図5における要部拡大図である。
【図7】実施例2の軽量盛土構造物の構築方法において、第2の工程を説明するための概略図である。
【図8】図7における要部拡大図である。
【図9】実施例2の軽量盛土構造物の構築方法において、第3の工程を説明するための概略図である。
【図10】実施例2の軽量盛土構造物の構築方法において、最後の工程を説明するための概略図である。
【図11】上下壁面パネル間への緩衝材の介装方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0058】
1 基礎コンクリート
2 緩衝材
3 連結ピン
4 位置制御材
5 コンクリート床版
6 嵩コンクリート
7 舗装材
8 頭部
9 脚部
10 ベースプレート
11 ボルト
12 取り付け縁部
P、P1、P2、P3、Pn 壁面パネル
B、B1、B2、B3、Bn 発泡樹脂製ブロック
S、S1、S2、S3、Sn 支柱材
【技術分野】
【0001】
本発明は、軽量盛土構造物の構築方法に関し、更に詳しくは、重機や、作業構台等の仮設工事を必要とすることなく、安価で且つ作業性、安全性に優れるとともに、柔軟性及び追随性に優れ変位、変形量が少なく、長期に亘って安全性及び信頼性を維持することのできる軽量盛土構造物の構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の擁壁構造にあっては、H型鋼支柱を所定間隔を置いて立設し、向かい合うH型鋼のコの字状の部分にコンクリートパネルを落とし込むか、又はH型鋼の外面にコンクリートパネルを金具で取り付けて壁体を構築し、その内側には発泡ポリスチレンからなる直方体ブロックを積み上げ、天端にはコンクリート床版を設置し、必要に応じ、アスファルト層を設けて道路等とされている。
【0003】
しかしながら、上記方法では、通常、クレーン等の重機を必要とし、特に、山岳地や急傾斜地等においては、足場が劣悪であるため、このような重機の搬入、使用には多くの困難や危険を伴うばかりでなく、作業構台や作業用桟橋等の仮設工事が必要となり、本来の盛土工事よりも仮設工事の方が高価となってしまうという問題をはらんでいる。
【0004】
また、長尺な支柱を多数立設するため、支柱の間隔や垂直性等に誤差が発生し、支柱に落とし込む、又は金具で取り付けるコンクリートパネルの寸法を現場加工により調整する必要があるなど工事が煩雑となり、作業効率の低下の一因となっている。更に、背の高い支柱や壁体により視界が悪く、圧迫感の中で作業をせざるを得ないなど、足場の悪さに加えて、作業環境の悪化を助長している。
【0005】
一方、コンクリートパネルは支柱間に落とし込むか、又は金具で取り付けられているため、柔軟性及び追随性に欠け、例えば、地震等により外部より負荷が加わった場合に発生する変位、変形には追随できず、その結果、コンクリートパネルの支柱との接触面又は取り付け面や、コンクリートパネル同士の接触面にクラックが入ったり、破損し、外観を損なうばかりでなく、軽量盛土構造物の安全性や信頼性を損なうことになる。
【0006】
ところで、発泡スチレンブロックを積み上げた構造物の圧縮変形に因る沈下に対しては、H型鋼支柱のフランジ部分を、構造物の天端や中間部に打設されるコンクリート床版に一部埋設した挟持部材によりスライド可能にした取付構造が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、この技術により発泡スチレンブロックを積み上げた構造物の圧縮変形による沈下は解消されるものの、H型鋼支柱とコンクリートパネルとからなる壁体に負荷が加わった場合の変形、変位に起因するコンクリートパネルのクラックや破損の問題は依然として未解決である。
【特許文献1】特開平11−209999号参照(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はかかる実情に鑑み、上記従来技術の問題を解消し、重機や、作業構台等の仮設工事を必要とすることなく、安価で且つ作業性、安全性に優れる方法であり、且つ、柔軟性及び追随性に優れ変位、変形量が少なく、長期に亘って安全性及び信頼性を維持することのできる軽量盛土構造物の構築方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、第1の構築方法は、支柱材を使用して壁体を構築するのではなく、複数個の壁面パネルを連結することにより壁体を構築するとともに、上下の壁面パネルの間に緩衝材を介装し、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックを下方から上方へ順次積み上げる方式を採用することにより、また、第2の構築方法は、前記第1の構築方法において、更に支柱材を用い、支柱材、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックとも、下方から上方へ順次積み上げる方式を採用することにより、上記従来技術の問題が一挙に解消されることを見い出し、本発明を完成した。
【0009】
即ち、本発明の請求項1は、壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
前記壁体を複数個の壁面パネルを連結するとともに、上下の壁面パネルの間に緩衝材を介装しながら積み上げることにより構築することを特徴とする軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0010】
本発明の請求項2は、壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の壁面パネルを取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0011】
本発明の請求項3は、壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の支柱材を立設し、該第1の支柱材に第1の壁面パネルを取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の支柱材を前記第1の支柱材に連結し、第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0012】
本発明の請求項4は、壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の壁面パネルを立設し、該第1の壁面パネルに第1の支柱材を取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結し、第2の支柱材を前記第1の支柱材に連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0013】
本発明の請求項5は、連結を連結具を用いて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0014】
本発明の請求項6は、連結具が連結ピンからなることを特徴とする請求項5記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0015】
本発明の請求項7は、緩衝材がゴムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0016】
本発明の請求項8は、緩衝材が補強材入りゴムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0017】
本発明の請求項9は、緩衝材が発泡合成樹脂からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0018】
本発明の請求項10は、緩衝材がエラストマーからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0019】
本発明の請求項11は、緩衝材がコンクリートパネルと同系色であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0020】
本発明の請求項12は、発泡樹脂製ブロック及び壁面パネルの各重量が40kg以下であ
ることを特徴とする請求項1又は2記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【0021】
本発明の請求項13は、発泡樹脂製ブロック、壁面パネル及び支柱材の各重量が40kg
以下であることを特徴とする請求項3又は4記載の軽量盛土構造物の構築方法を内容とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明における第1の構築方法は、支柱材を使用して壁体を構築するのではなく、複数個の壁面パネルを連結することにより壁体を構築するとともに、上下の壁面パネルの間に緩衝材を介装し、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックを下方から上方へ順次積み上げる方式を採用したことを特徴とし、また第2の構築方法は、前記第1の構築方法において、更に支柱材を用い、支柱材、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックとも、下方から上方へ順次積み上げる方式を採用することを特徴とするものである。
【0023】
従って、第1の構築方法の場合は、H型鋼等の支柱材を使用しないので、クレーン等の重機や、作業構台等の仮設工事は不要であり、また、足場の悪い谷や傾斜地側ではなく、反対側の足場の良い平坦地(発泡樹脂製ブロック積載側)から作業ができるので、作業構台等の仮設工事は不要である。
また、第2の構築方法の場合は、支柱材を使用するが、支柱材を下方から上方へと継ぎ足してゆく方式であり、従来のように長尺の支柱材ではないので、重機や仮設工事は不要であり、上記と同じく、足場の良い平坦地から作業をすることができる。
【0024】
従って、重機や仮設工事が不要で、人力で構築できるため、大巾なコストダウンが図られるとともに、足場の良い平坦地で作業できるので極めて安全であり、また、背の高い支柱材を使用しないので視界性が良好であるため、作業効率は大巾に向上する。
また、使用する材料は比較的小さいため、全て工場で前もって製造することが可能である。従って、現場での加工は一切不要で、軽量盛土構造物の構築に専念できるため、作業効率は大巾に高められる。
【0025】
また、支柱材を使用する場合でも、支柱材を継ぎ足す方式であるため、直立性等の誤差が生じ難く、仮に誤差が生じたとしても継ぎ足す際に容易に矯正することができる。
【0026】
更に、上記の壁面パネル間には緩衝材が介装されているので、優れた柔軟性及び追随性を有し、例えば地震などで外力が加わった場合においても、変位、変形や応力が分散又は吸収され、壁面パネルにクラックが入ったり、破損することが防止され、長期に亘って良好な外観を維持できるとともに、軽量盛土構造物の安全性及び信頼性が飛躍的に高められる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明に用いられる発泡樹脂製ブロックは、発泡ポリスチレン、発泡ポリエチレンや発泡ポリプロピレン等の発泡ポリオレフィン等からなり、矩形状のものが積載性、充填性等の面で好ましい。作業員が2人で持ち運びできるサイズ、重量のものが好適で、通常、長さ約1〜2.5m、巾約1〜2m、高さ約0.5〜1m程度のものが好ましい。作業員が2人で持ち運びできる重量は約40kg以下であることが好ましいが、上記したサイズの発泡樹脂製ブロックはこの条件を満足する。更に軽量化を図るため、透孔を穿設した発泡樹脂製ブロックも使用可能である。
【0028】
本発明に用いられる壁面パネルは、プレキャストコンクリート(PC板)、ガラス繊維コンクリート(GRC)、軽量化を図った気泡コンクリートやポーラスコンクリート等が好適で、作業員が2人で持ち運びできるサイズ、重量のものが好適である。壁面パネルの材質や厚さにもよるが、通常、長さ、巾とも約0.8〜1.5m程度、特に1〜1.2m程度のもので、重量は約40kg以下のものが好ましい。基礎部(基礎コンクリート)の上に配置、固定される最下層に配置される第1の壁面パネルは、下部に逆T字状又はL字状の突縁部を備えたものが自立性があり、また基礎部にボルト等により固定し易いので好ましい。
【0029】
本発明の壁面パネルは上下左右の方向に連結されるが、好ましい連結手段としては、連結ピン(棒)、連結ボルト、連結プレート等が挙げられる。連結プレートはビス止めされる。連結手段として、連結ピン(棒)や連結ボルトを用いる場合には、壁面パネルに連結ピン(棒)を挿通するための孔を穿設しておくことが好ましく、また、連結ボルトを用いる場合は、連結ボルトを挿通するための透孔を穿設しておくのが好ましい。左右の方向の連結にも連結ボルトを用いる場合は、壁面パネルの両側に取り付け縁部を突設し、該取り付け縁部に連結ボルトを挿通するための透孔を穿設しておくのが好ましい。
【0030】
本発明に用いられる緩衝材は、弾性変形による柔軟性と追随性により壁面パネルの特定部分に荷重が集中するのを防止し、応力を分散、吸収して壁面パネルのクラックや破損を防止するとともに、柔軟性、追随性により擁壁の直立性(斜壁の場合は斜め方向の直線性)を保持するものである。
【0031】
このような緩衝材としては、天然ゴム、合成ゴム、エラストマー、発泡合成樹脂等が挙げられる。合成ゴム、エラストマーとしては、ブタジエン(BR)、スチレン−ブタジエン(SBR)、クロロプレン(CR)、ブタジエン−アクリロニトリル(NBR)等のジエン系ゴム、イソブチレン−イソプレン(IIR)、エチレン−プロピレン(EPM、EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、エピクロルヒドリン系、有機ケイ素化合物系、含フッ素化合物系、ウレタン系、ビニル系等の非ジエン系ゴム、スチレン系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系等の熱可塑性エラストマー等が挙げられる。発泡合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリウレタン等が挙げられる。
【0032】
これらは、壁面パネルの荷重等を勘案して適度な硬度を有するものが選ばれるが、例えば、ゴムの場合は、通常、硬度55〜65程度のものが好ましい。勿論、古タイヤ等をリサイクルしたものも使用可能である。また、紙、各種合成繊維、ガラス繊維、これらからなる布、ネット等を表面又は内部に配することにより補強したゴム等も使用可能である。
【0033】
緩衝材は、壁面パネルと色が異なる場合は、目地として興趣のある外観を呈するが、逆に、これを余り好まない場合は、壁面パネルと同系色として目立たなくすることも可能である。
【0034】
本発明で支柱材を用いる構築方法において用いられる支柱材は、H型鋼も使用可能であるが、例えば、H型鋼を用い、対向するコの字状部に壁面パネルを落とし込むことにより壁体を構築した場合には、H型鋼の壁面(通常、5〜10cm程度の巾)が露出し、景観上好ましくない場合があるので、T字型鋼からなる支柱材が好ましい。T字型鋼の支柱材を用いると、T字型鋼の頭部を背面(発泡樹脂ブロック積載側)に向け、脚部を前面に向け、壁面パネル間でボルト等により挟着すると、脚部の厚み(通常、2〜5mm程度の巾)が恰も目地の如く視認されるに過ぎないので、景観を妨げるようなことは殆どない。脚部を隣接する壁面パネル間にボルト等で挟着する場合は、脚部にボルト孔を予め穿設しておくのが好ましい。また、基礎部(基礎コンクリート)に取り付ける最下層の支柱材には、ボルト等で基礎部に取り付けるためのベースプレートを備えていることが好ましい。支柱材もサイズ、重量とも作業員2人で持ち運びできるものが好適で、長さは約0.8〜1.5m程度、特に1〜1.2m程度で、重量は約40kg以下のものが好ましい。
【0035】
尚、支柱材を用いない第1の構築方法は、比較的高さの小さい軽量盛土構造物に適しており、支柱材を用いる第2の構築方法は、高さの小さい軽量盛土構造物は勿論、高さの大きい軽量盛土構造物に好適である。
【実施例】
【0036】
以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されないことは云うまでもない。
【0037】
実施例1
本実施例では、支柱材を用いない軽量盛土構造物(拡幅道路構造物)の構築方法を図1〜図4に基づいて説明する。
【0038】
図1に示すように、先ず基礎部として基礎コンクリート1を打設し、該基礎コンクリート1の上に第1の壁面パネルP1を設置、固定し、その背面には第1の発泡樹脂製ブロックB1を配置する。
【0039】
次に、図1の第1の発泡樹脂製ブロックB1の上に乗り、図2に示すように、第2の壁面パネルP2を緩衝材2を介して連結ピン3により前記第1の壁面パネルP1の上に連結し、背面には第2の発泡樹脂製ブロックB2を前記第1の発泡樹脂製ブロックB1の上に積み上げる。尚、図2において、発泡樹脂製ブロックB2は、発泡樹脂製ブロックb1、b2とから形成され、該ブロックb1とb2と間には、一端が壁面パネルP2に連結され、他端は上向き及び下向きの掛合爪により該ブロックb1、b2に掛合した位置制御材4が介設されているが、両ブロックb1とb2を合体した1個のブロックB2を用いることも可能である。この場合、必要に応じ、位置制御材4をブロックB1とB2との間に介設してもよい。
【0040】
次に、図2の第2の発泡樹脂製ブロックB2の上に乗り、図3に示すように、第3の壁面パネルP3を緩衝材2を介して連結ピン3により前記第2の壁面パネルP2の上に連結し、背面には第3の発泡樹脂製ブロックB3が前記第2の発泡樹脂製ブロックB2の上に積み上げられる。尚、第3の発泡樹脂製ブロックB3も第2の発泡ブロックB2と同じく、2個のブロックb3、b4からなり、両者間に位置制御材4が介設されているが、必要に応じ、両ブロックb3とb4を合体した1個のブロックB3としてもよい。
【0041】
以下、図4に示すように、上記と同様の操作を繰り返しながら、所定の高さにまで壁面パネルPnを緩衝材2を介して連結ピン3により連結し、その背面には発泡樹脂製ブロックBnを積み上げる。
【0042】
次いで、本実施例では、天端にコンクリート床版5、その上に、嵩コンクリート6を配設し、嵩コンクリート6の内側にアスファルト等の舗装材7を施し、拡幅道路の軽量盛土構造物が完成される。尚、コンクリート床版5は、天端のみならず、軽量盛土構造物の中間にも適宜設けることもできる。
尚、基礎部(基礎コンクリート1)への第1の壁面パネルの固定、壁面パネルの連結、緩衝材の介装については、次の実施例2で詳細に示した(図6、8、11)。即ち、図6、8においては、支柱材Sを省略すれば、そのまま実施例1に適用される。
【0043】
実施例2
本実施例では、支柱材を用いた軽量盛土構造物(拡幅道路構造物)の構築方法を図5〜図11に基づいて説明する。
【0044】
図5、図6に示すように、先ず基礎部として基礎コンクリート1を打設し、該基礎コンクリート1の上に第1の支柱材S1を設置、固定し、該支柱材S1の両側に2個の第1の壁面パネルP1を設置、固定し、その背面には第1の発泡樹脂製ブロックB1を配置する。即ち、図6に詳記したように、第1の支持材S1は頭部8と脚部9とからなるT字状からなり、下部にベースプレート10を備え、該ベースプレート10をボルト11により基礎コンクリート1に固定され、該支持材S1の脚部9の両側には取付け縁部12を有する壁面パネル2個、P1、P1が配され、ボルト11により、支持材S1の脚部9を両側から挟むようにして、壁面パネルP1、P1が連結一体化されている。3は、壁面パネルPを上下に連結するための連結ピンである。
【0045】
次に、図5の第1の発泡樹脂製ブロックB1の上に乗り、図7、図8に示すように、第2の支持材S2を前記第1の支持材S1の上に積み上げ、第2の壁面パネル2個、P2、P2を緩衝材2を介して連結ピン3により前記第1の壁面パネルP1、P1の上に連結し、支持部S2の脚部9を挟むようにして、壁面パネルP2、P2の取り付け縁部12をボルト11により連結一体化し、背面には第2の発泡樹脂製ブロックB2を前記第1の発泡樹脂製ブロックB1の上に積み上げる。尚、図7において、発泡樹脂製ブロックB2は、発泡樹脂製ブロックb1、b2とから形成され、該ブロックb1とb2と間には、一端が壁面パネルP2に連結され、他端は上向き及び下向きの掛合爪により該ブロックb1、b2に掛合した位置制御材4が介設されているが、両ブロックb1とb2を合体した1個のブロックB2を用いることも可能である。この場合、必要に応じ、位置制御材4をブロックB1とB2との間に介設してもよい。
【0046】
次に、図7の第2の発泡樹脂製ブロックB2の上に乗り、図9に示すように、第3の支持材S3を前記第2の支持材S2の上に積み上げ、上記と同様の方法(図8)で、第3の壁面パネル2個P3、P3を緩衝材2を介して連結ピン3により前記第2の壁面パネルP2、P2の上に連結し、支持部S3の脚部を挟むようにして、壁面パネルP3、P3の取り付け縁部12をボルト11により連結一体化し、背面には第3の発泡樹脂製ブロックB3が前記第2の発泡樹脂製ブロックB2の上に積み上げられる。尚、第3の発泡樹脂製ブロックB3も第2の発泡ブロックB2と同じく、2個のブロックb3、b4からなり、両者間に位置制御材4が介設されているが、必要に応じ、両ブロックb3とb4を合体した1個のブロックB3としてもよい。
【0047】
以下、図10に示すように、上記と同様の操作を繰り返しながら、所定の高さにまで、支持部Snを積み上げ、壁面パネルPnを緩衝材2を介して連結ピン3により連結し、その背面には発泡樹脂製ブロックBnを積み上げる。
【0048】
次いで、実施例1と同様に、天端にコンクリート床版5、その上に、嵩コンクリート6を配設し、嵩コンクリート6の内側にアスファルト等の舗装材7を施し、拡幅道路の軽量盛土構造物が完成される。尚、コンクリート床版5は、天端のみならず、軽量盛土構造物の中間にも適宜設けることもできる。
【0049】
尚、コンクリート床板5は軽量盛土構造物の中間にも適宜配設することができる。この場合、コンクリート床板5を支持材Sの頭部9に摺動可能に取り付けることにより、発泡樹脂製ブロック層の沈下に対して対応することも可能である。
【0050】
上記支柱材を用いる場合の例として、基礎部に第1の支柱材を立設し、該支柱材に第1の壁面パネルを取り付ける方法を示したが、これに代えて、基礎部に第1の壁面パネルを立設し、該壁面パネルに第1の支柱材を取り付けることもできる。この場合、支柱材と壁面パネルの間に隙間ができる場合は、必要に応じ、コーキング材等を充填することもできる。
【0051】
上記実施例1、実施例2において、上下の壁面パネル間への緩衝材の介装は特に制限されないが、例えば、図11の(a)、(b)、(c)の態様を挙げることができる。図11において、Pは壁面パネル、2は緩衝材である。
【産業上の利用可能性】
【0052】
叙上のとおり、本発明における第1の構築方法は、支柱材を使用して壁体を構築するのではなく、複数個の壁面パネルを連結することにより壁体を構築するとともに、上下の壁面パネルの間に緩衝材を介装し、また、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックを下方から上方へ順次積み上げる方式を採用したことを特徴とし、また第2の構築方法は、前記第1の構築方法において、更に支柱材を用い、支柱材、壁面パネル、発泡樹脂製ブロックとも、下方から上方へ順次積み上げる方式を採用することを特徴とするものである。
【0053】
従って、第1の構築方法の場合は、H型鋼等の支柱材を使用しないので、クレーン等の重機や、作業構台等の仮設工事は不要であり、また、足場の悪い谷や傾斜地側ではなく、反対側の足場の良い平坦地(発泡樹脂製ブロック積載側)から作業ができるので、作業構台等の仮設工事は不要である。
また、第2の構築方法の場合は、支柱材を使用するが、支柱材を下方から上方へと継ぎ足してゆく方式であり、従来のように長尺の支柱材ではないので、重機や仮設工事は不要であり、上記と同じく、足場の良い平坦地から作業をすることができる。
【0054】
重機や仮設工事が不要で、人力で構築できるため、大巾なコストダウンが図られるとともに、足場の良い平坦地で作業できるので極めて安全であり、また、背の高い支柱材を使用しないので視界性が良好であるため、作業効率は大巾に向上する。
また、使用する材料は比較的小さいため、全て工場で前もって製造することが可能である。従って、現場では材料の加工等は一切不要で、軽量盛土構造物の構築に専念できるため、作業効率は大巾に高められる。
【0055】
また、支柱材を使用する場合でも、支柱材を継ぎ足す方式であるため、直立性等の誤差が生じ難く、仮に誤差が生じたとしても継ぎ足す際に容易に矯正することができる。
【0056】
更に、上記の壁面パネル間には緩衝材が介装されているので、優れた柔軟性及び追随性を有し、例えば、地震などにより外力が加わった場合においても、変位、変形や応力が分散又は吸収され、壁面パネルにクラックが入ったり、破損することが防止され、長期に亘って良好な外観を維持できるとともに、軽量盛土構造物の安全性、信頼性が飛躍的に高められる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】実施例1の軽量盛土構造物の構築方法において、第1の工程を説明するための概略図である。
【図2】実施例1の軽量盛土構造物の構築方法において、第2の工程を説明するための概略図である。
【図3】実施例1の軽量盛土構造物の構築方法において、第3の工程を説明するための概略図である。
【図4】実施例1の軽量盛土構造物の構築方法において、最後の工程を説明するための概略図である。
【図5】実施例2の軽量盛土構造物の構築方法において、第1の工程を説明するための概略図である。
【図6】図5における要部拡大図である。
【図7】実施例2の軽量盛土構造物の構築方法において、第2の工程を説明するための概略図である。
【図8】図7における要部拡大図である。
【図9】実施例2の軽量盛土構造物の構築方法において、第3の工程を説明するための概略図である。
【図10】実施例2の軽量盛土構造物の構築方法において、最後の工程を説明するための概略図である。
【図11】上下壁面パネル間への緩衝材の介装方法を示す概略図である。
【符号の説明】
【0058】
1 基礎コンクリート
2 緩衝材
3 連結ピン
4 位置制御材
5 コンクリート床版
6 嵩コンクリート
7 舗装材
8 頭部
9 脚部
10 ベースプレート
11 ボルト
12 取り付け縁部
P、P1、P2、P3、Pn 壁面パネル
B、B1、B2、B3、Bn 発泡樹脂製ブロック
S、S1、S2、S3、Sn 支柱材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
前記壁体を複数個の壁面パネルを連結するとともに、上下の壁面パネルの間に緩衝材を介装しながら積み上げることにより構築することを特徴とする軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項2】
壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の壁面パネルを取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項3】
壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の支柱材を立設し、該第1の支柱材に第1の壁面パネルを取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の支柱材を前記第1の支柱材に連結し、第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項4】
壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の壁面パネルを立設し、該第1の壁面パネルに第1の支柱材を取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結し、第2の支柱材を前記第1の支柱材に連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項5】
連結を連結具を用いて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項6】
連結具が連結ピンからなることを特徴とする請求項5記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項7】
緩衝材がゴムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項8】
緩衝材が補強材入りゴムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項9】
緩衝材が発泡合成樹脂からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項10】
緩衝材がエラストマーからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項11】
緩衝材がコンクリートパネルと同系色であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項12】
発泡樹脂製ブロック及び壁面パネルの各重量が40kg以下であることを特徴とする請求
項1又は2記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項13】
発泡樹脂製ブロック、壁面パネル及び支柱材の各重量が40kg以下であることを特徴と
する請求項3又は4記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項1】
壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
前記壁体を複数個の壁面パネルを連結するとともに、上下の壁面パネルの間に緩衝材を介装しながら積み上げることにより構築することを特徴とする軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項2】
壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の壁面パネルを取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項3】
壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の支柱材を立設し、該第1の支柱材に第1の壁面パネルを取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の支柱材を前記第1の支柱材に連結し、第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項4】
壁体の内側に発泡樹脂製ブロックを積み上げて軽量盛土構造物を構築するに際し、
基礎部に第1の壁面パネルを立設し、該第1の壁面パネルに第1の支柱材を取り付けるとともに、第1の発泡樹脂ブロックを配置し、次いで、第1の発泡樹脂ブロックの上に乗って第2の壁面パネルを前記第1の壁面パネルに緩衝材を介して連結し、第2の支柱材を前記第1の支柱材に連結するとともに、第2の発泡樹脂ブロックを前記第1の発泡樹脂ブロックの上に積み上げ、以下、前記操作を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項5】
連結を連結具を用いて行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項6】
連結具が連結ピンからなることを特徴とする請求項5記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項7】
緩衝材がゴムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項8】
緩衝材が補強材入りゴムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項9】
緩衝材が発泡合成樹脂からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項10】
緩衝材がエラストマーからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項11】
緩衝材がコンクリートパネルと同系色であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項12】
発泡樹脂製ブロック及び壁面パネルの各重量が40kg以下であることを特徴とする請求
項1又は2記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【請求項13】
発泡樹脂製ブロック、壁面パネル及び支柱材の各重量が40kg以下であることを特徴と
する請求項3又は4記載の軽量盛土構造物の構築方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−170000(P2007−170000A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367762(P2005−367762)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(599134263)有限会社ランズスペース (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(599134263)有限会社ランズスペース (8)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]