説明

輝尽性プレート読み取り装置

【課題】輝尽性プレートび読み取り時の効率を改善する。
【解決手段】輝尽性プレート読み取り装置は、画像データを保持し、かつ、互いに反対側にある2つの表面を有する少なくとも一つの輝尽性プレート12と、前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第1の表面に、第1波長範囲で放射された光を均一に照射し、この照射により、前記少なくとも一つの輝尽性プレート12に、輝尽発光による第2波長範囲の光の放射と、前記第1波長範囲の光の散乱の両方を行わせる照光手段20と、前記第1波長で散乱された光を通さない一方で、前記第2波長範囲で放射された光を透過でき、前記少なくとも一つの輝尽性プレート12の互いに反対側にある2つの表面のうちの第2の表面に面するフィルタ22と、透過し得た光を検出して、その光から画像データを取得するピクセルの二次元配列で構成される検出器24と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明に適合する装置および方法は、輝尽性プレート読み取り装置、および輝尽性プレートの読み取り方法に関する。
【背景技術】
【0002】
輝尽性蓄積型蛍光体(PSP:Photostimulable Storage Phospor)とも呼ばれる輝尽性プレートは、X線に当てられた物体/人体に関する画像データを検出するものである。PSPを用いてX線画像を取得する方法は、下記においてCR(Computed Radiography(コンピュータX線撮影法))と称される。
【0003】
輝尽性プレートすなわちPSPは、蛍光体層の支持部として機能する基板を含み、蛍光体層の上部には、保護層が塗布される。
【0004】
特に、CRシステムは、目標物にX線を照射するX線制御源、および目標物の背後に配設される輝尽性プレートすなわちPSPを含み、前記プレートすなわちPSPは、目標物を通る経路で減衰されたX線を取得し、そのX線を、PSPの蛍光体層に蓄積される潜像に変換する。
【0005】
このようなCRシステムは、CRリーダを更に含み、このCRリーダの目的は、輝尽性プレートすなわちPSPによって保持される画像データを抽出することである。
【0006】
この後、CRシステムは、デジタル電子機器回路を利用して、抽出された画像データを処理し、コンピュータX線写真の形式で画像を生成する。
【0007】
既知の方式において、CRリーダは、PSPの表面上のスポットに集束されるレーザビームを放出するレーザ源を含む。
【0008】
レーザビームは、表面のスポットを照光(照明)して、周知の輝尽発光原理に従って蛍光体層を刺激する。
【0009】
ビームを構成するレーザ光は、たとえば、赤色である。
【0010】
この原理に従って、入射赤色レーザ光の一部は、誘発青色光に変換され、その後、光電子倍増管(PMT:Photomultiplier Tube)によって受け取られて検出される。放射された青色光の強度は、特に、潜像データに比例する。PMTは、青色光の強度をデジタル信号に変換し、このデジタル信号が、更にX線画像に変換される。この画像は、歯科医によって活用されることが意図されており、たとえば、より容易に活用されるような形で表示できる。
【0011】
誘発青色光の収集を改善するために、反射キャビティなどの光学素子が、表面部分とPMTの間で、その表面部分に近接した関係で設けられる。
【0012】
また、入射赤色レーザ光のうち、青色光に変換されない残りの部分は、レーザビームが照射された蛍光体層部分を超えて各種の方向に散乱することに注目されたい。
【0013】
この散乱は、CRリーダの効率にとって有害である。
【0014】
散乱された赤色光は、PMTの方にも進むため、PMTとPSPの間に干渉フィルタを利用することが必要になる。PMTは、信号データ(青色光)と寄生データ(赤色光)とを区別できないため、たとえば、10exp−6(10−6)より高い除去率を有する干渉フィルタを利用して赤色光を除去する。
【0015】
また、読み取りが完了した後、PSPに対してCRリーダを僅かな距離だけ移動し、PSPの表面の他の部分を照光して、他の画像データの読み取りを上記で簡単に説明したように実行する。
【0016】
これらの動作は、PSP全体が読み取られるまで繰り返される。
【0017】
この読み取り方法の欠点は、PSP全体の読み取りに数秒かかることである。この期間は、PSPのサイズおよび走査ステップの数によって異なる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
したがって、本発明の目的は、PSPの読み取り時の効率を改善することである。
【0019】
他の目的は、PSPの読み取りにかかる時間を短縮することである。
【0020】
更に他の目的は、PSPの読み取りを容易にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
第1の態様によれば、輝尽性プレート読み取り装置は、画像データを保持し、かつ互いに反対側にある(すなわち背中合わせの)2つの表面を有する、少なくとも一つの輝尽性プレートと、前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第1の表面に、第1波長範囲で放射された光を均一に照射し、この照射により、前記少なくとも一つの輝尽性プレートに、輝尽発光による第2波長範囲の光の放射、および前記第1波長範囲の光の散乱の両方を行わせる照射手段と、前記第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、前記第2波長範囲で放射された光を透過でき、かつ、前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第2の表面に面するフィルタリング手段と、透過した光を検出して、そこから画像を取得するピクセルの二次元配列で構成される検出手段と、を含む。
【0022】
本発明に係る前記輝尽性プレート読み取り装置は、PSPを読み取るときの効率を向上させて、この読み取りにかかる時間を短縮し、前記読み取りを容易にすることができる。
【0023】
具体的には、前記少なくとも一つの輝尽性プレートは、前記フィルタリング手段に密着している。
【0024】
たとえば、前記少なくとも一つの輝尽性プレートは、前記フィルタリング手段に接着される。
【0025】
前記少なくとも一つの輝尽性プレートは、互いに反対側にある2つの表面を有し前記第1波長範囲で放射される光に対して透明な基板と、互いに反対側にある2つの表面を有する蛍光体層であって、その第1の表面が、前記透明な基板の互いに反対側にある2つの表面の一方に配置され、前記蛍光体層の第2の表面が、前記フィルタリング手段に面して位置する蛍光体層とを含む。
【0026】
具体的には、前記透明な基板は、前記照射手段に面していてもよい。
【0027】
前記フィルタリング手段は、前記第1波長範囲で放射された光よりも実質的に1000000倍多く、前記第2波長範囲で放射された光を透過できるように構成されていてもよい。
【0028】
前記少なくとも一つの輝尽性プレートは、前記照射手段と前記フィルタリング手段の間に配設されてよい。
【0029】
一つの特徴によれば、前記フィルタリング手段は、光ファイバのブロックを含み、各光ファイバは、約1.8の屈折率を持つコアと、前記コアに取り囲まれ、約1.5の屈折率を持つクラッドとを有する。
【0030】
また、光ファイバは、シャンハイ・ファン・ガン社(Shanghai Fan Guang Ltd.Co.)によって、ZB2のリファレンス番号で市販されているガラス材料で形成されるが、前記光ファイバは、コアの屈折率が約1.8になるように、ZB2ガラス材料よりも少なくとも35%多く金属酸化物を含む。
【0031】
フィルタリング手段は、互いに反対側にある2つの表面を有する光ファイバのブロックと、前記光ファイバのブロックの互いに反対側にある2つの表面のうち、前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第2の表面に面する側に配設される薄い多層フィルタと、を含み、前記薄い多層フィルタは、第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、第2波長範囲で放射された光を透過でき、前記光ファイバのブロックは、第2波長範囲で放射されて透過された光を案内する。
【0032】
具体的には、薄い多層フィルタは、それぞれ異なる屈折率を有する複数の重畳層を含む。
【0033】
重畳層は、たとえば、ガラス層であってよい。
【0034】
薄い多層フィルタは、10から500μmの間に形成される厚さであってよい。
【0035】
光ファイバのブロックは、第1波長範囲で放射された光に対して透明であってよい。
【0036】
有利な構成として、光ファイバのブロックは、更に、第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、第2波長範囲で放射された光を透過することができる。
【0037】
光ファイバのブロックは、薄い多層フィルタによって透過された光の入射を制限する開口数を有することができる。
【0038】
光ファイバのブロックは厚くてもよい。
【0039】
たとえば、光ファイバのブロックは、1mmから数センチの間に形成される厚さを持つことができる。
【0040】
フィルタリング手段は、互いに反対側にある2つの表面を有する光ファイバのブロックと、2つの薄い多層フィルタとを含み、前記2つの薄い多層フィルタは、それぞれ前記光ファイバのブロックの互いに反対側にある2つの表面の一方に配設されて、第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、放射された光を許容する。
【0041】
薄い多層フィルタは、それぞれ屈折率が異なる複数の重畳層を含む。
【0042】
重畳層は、たとえば、ガラス層であってよい。
【0043】
薄い多層フィルタは、10から500μmの間に形成される厚さであってよい。
【0044】
光ファイバのブロックは透明であってよい。
【0045】
有利な構成として、光ファイバのブロックは、更に、第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、第2波長範囲で放射された光を透過するものであってもよい。
【0046】
光ファイバのブロックは、薄い多層フィルタによって透過された光の入射を制限する開口数を持つことができる。
【0047】
光ファイバのブロックは厚くてよい。
【0048】
具体的には、光ファイバのブロックは、1mmから数センチの間に形成される厚さを持つことができる。
【0049】
たとえば、第1波長範囲で放射される光は赤色であり、第2波長範囲で放射される光は青色である。
【0050】
他の態様によれば、輝尽性プレート読み取り装置は、画像を保持し、かつ、互いに反対側にある2つの表面を有する少なくとも一つの輝尽性プレートと、前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第1の表面に、第1波長範囲で放射された光を均一に照射し、前記照射によって、前記少なくとも一つの輝尽性プレートに、輝尽発光による第2波長範囲の光の放射、および前記第1波長範囲の光の散乱の両方を行わせる照光手段と、前記第1波長範囲で放射された光よりも実質的に1000000倍多く、前記第2波長範囲で放射された光を透過でき、前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第2の表面に面するフィルタリング手段と、透過し得た光を検出して、そこから画像データを検出するピクセルの二次元配列で構成される検出手段と、を含む。
【0051】
更に他の態様によれば、輝尽性プレート読み取り装置は、画像データを保持する少なくとも一つの輝尽性プレートと、前記少なくとも一つの輝尽性プレートに、第1波長範囲で放射された光を均一に照射し、前記照射によって、前記少なくとも一つの輝尽性プレートに、輝尽発光による第2波長範囲の光の放射、および前記第1波長範囲の光の散乱の両方を行わせる照光手段と、前記第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、前記第2波長範囲で放射された光を透過できるフィルタリング手段であって、前記照光手段と当該フィルタリング手段との間に、前記少なくとも一つの輝尽性プレートが配置されるフィルタリング手段と、透過し得た光を検出して、そこから画像データを取得するピクセルの二次元配列で構成される検出手段と、を含む。
【0052】
本発明の態様は、付属の図面を参照しながら、例示的で非限定的な本発明の実施形態を詳細に説明することによってより明瞭になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明に係る輝尽性プレート読み取り装置を示す模式図である。
【図2】図1の装置で利用できる輝尽性プレートを示す拡大図である。
【図3】図1の装置で利用できるフィルタリング手段を示す拡大図である。
【図4】図1の装置で利用できるフィルタリング手段を示す拡大図である。
【図5】図1の装置で利用できるフィルタリング手段の変形例を示す図である。
【図6】図1の装置で利用できるフィルタリング手段の他の変形例を示す図である。
【図7】図1の装置で利用できるフィルタリング手段および検出手段のアセンブリを示す模式図である。
【図8】本発明に係る輝尽性プレート読み取り装置の他の実施形態を示す模式図である。
【図9】図8の装置の変形例を示す図である。
【図10】本発明に係る輝尽性プレート読み取り装置の他の代替実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
図1に示すように、10として表される輝尽性プレート読み取り装置は、一つ以上の輝尽性プレートに含まれる画像データを読み取るために用いられる。輝尽性プレートの一つのみを参照番号12で図示した。
【0055】
図面には示されていないが、それぞれ異なる画像データを保持する複数の輝尽性プレートは、装置10において同時または順次に読み込まれてよいことに留意されたい。
【0056】
本発明の好ましい用途の一つは、歯科放射線分野に関する。
【0057】
この分野において、図1のプレート12のような輝尽性プレートは、従来、患者の口の中に置かれるという視点から、ポーチとも呼ばれる使い捨て外囲器(図示せず)内に配置されている。
【0058】
このプレート12は、たとえば、可撓性である。
【0059】
使い捨て外囲器は、口腔内の輝尽性プレートの画像データを汚濁から保護することを目的としている。また、この外囲器は、外部光に対する不透過性を提供することで、外囲器内に光が進入して、輝尽性プレートと相互作用することを防ぐ障壁としても機能する。
【0060】
従来、患者の口の中に配置されたときに、外囲器は、患者の歯に向かって放射線を照射するX線源によって生成されたX線放射に曝される。
【0061】
放射線が照射された後、使い捨て外囲器は、患者の口から引き出され、輝尽性プレートは、プレートの読み取りが始まることを防ぐために、適切な露光量のもとで外囲器から取り出される。
【0062】
次に、図1のプレート12などの輝尽性プレートは、コンピュータX線撮影(CR)リーダとも呼ばれる読み取り装置10に配置される。
【0063】
図2に詳細に示すように、輝尽性プレート12は、蛍光体層すなわち蛍光スクリーン16の支持部として機能する基板14を含み、基板14は、互いに反対側にある(すなわち背中合わせの関係にある)2つの表面14aおよび14bを備える。
【0064】
蛍光体層16は、互いに反対側にある2つの表面16aおよび16bを有し、その第1の表面16a(底面)が基板14の上面14bの上に載る。
【0065】
蛍光体層16は、X線照射中に取得された画像データを包含している分散(散乱)層である。
【0066】
たとえば、この機能的成分は、弗化臭化ヨウ化バリウム(Barium Fluoro Bromide Iodide)(BaFBrI)で形成される。
【0067】
ただし、これに代えて、他の物質、または他の物質の組み合わせもしくは化合物を考えることもできる。
【0068】
基板14は、たとえば、ビニルで形成されるが、代わりに他の合成物を利用することもできる。
【0069】
オプションの構成として、蛍光スクリーン16の第2の表面16b(上面)に、たとえば、この分野で既知のコーティング処理によって、保護層として機能する保護膜18を付着させてもよい。
【0070】
この保護膜は、スクリーン16の表面16bと接する第1の表面18a(底面)、およびその反対側にある開放側の第2の表面18b(上面)を有する。
【0071】
X線照射中、この表面18bは、X線源に面している。
【0072】
また、基板14は、照光手段によって放射される光に対して透過性を有することを注記しておく。
【0073】
図1に示すように、輝尽性プレート12は、第1波長範囲で光を放射する照光手段20によって背面照光される。この放射光は、基板14の開放側の表面14aを均一に照光する。
【0074】
照光手段20は、たとえば、エレクトロルミネセントダイオード(LED)またはレーザダイオードなどの個別光源の集合である。
【0075】
光源と表面14aの間の光路に、均一要素(uniformity components)または適切なデバイスを挿入して、光線束を可能な限り均一にすることができる。
【0076】
このような要素または適切なデバイスは、光ディフューザ、一つ以上の反射装置、またはこれらの要素の組み合わせであってよい。
【0077】
また、一部の状況では、光源自体が十分に均一な光線束を生成することができ、その結果、追加の光学部品または光学デバイスが不要になる場合もあることに留意されたい。
【0078】
このように照光されると、プレート12の蛍光スクリーン16は、輝尽発光の既知のプロセスによって、第2波長範囲で光を放射すると共に、第1波長範囲で光を散乱させるように仕向けられる。
【0079】
読み取り装置10は、バックライト20に面した表面の反対側で、輝尽性プレート12の表面18bに面するフィルタリング手段22を更に含む。
【0080】
フィルタリング手段22は、その片側、プレート12に密着する側22aが、たとえば、プレート12の表面18bに接着されるよう配置されてよい。
【0081】
一般的に述べると、フィルタリング手段22は、第2波長範囲で放射された光を透過する一方で、第1波長範囲で放射された光(刺激用の背面光)がフィルタリング手段を通ることを阻止できる。
【0082】
読み取り装置10は、フィルタリング手段22の反対側22bに、たとえば接着によって取り付けられる検出手段24も含む。
【0083】
検出手段は、ピクセルの二次元配列で構成される。具体的には、検出手段は、CCDセンサや、CMOSセンサなどの画像センサを少なくとも一つ含む。
【0084】
好ましくは、検出手段24は、ピクセルの二次元配列を有し、各ピクセルの寸法が、たとえば、20μmであるCMOSセンサを含む。
【0085】
第2波長範囲で放射された光に対するセンサ感度を高くするために、特に、センサの基板厚さを適宜調整することによって、CMOSセンサの量子効率を所望の波長に最適化することができる。
【0086】
たとえば、CMOSセンサのシリコン基板の厚さは、青色スペクトルにおいて量子効率が最大になるように最適化されなければならない。
【0087】
検出手段24は、輝尽性プレート12によって保持され、適切な照明(刺激光)のもとで装置10によって読み取られる画像データを取り込むことを意図したものである。
【0088】
このような画像データは、フィルタリング手段22によって第2波長範囲で送り出される光に含まれるため、フィルタリング手段22は、望ましくない光の波長が送出されて検出手段に達することを防ぐ。
【0089】
また、検出手段は、読み取った画像データを表すアナログ電子信号を提供する。
【0090】
電子装置26は、たとえば変換増幅手段を介して前記電子信号を受け取って処理するために、検出手段24に接続されている。そして、読み取った画像データを表示および展開するために処理した信号をコンピュータの表示装置28に送る。
【0091】
図3を参照してより具体的に説明すると、フィルタリング手段22は、互いに反対側にある2つの大きい表面30aおよび30bを有する複数の光ファイバ30を含む。
【0092】
この複数の光ファイバの主な機能は、プレート12から生じる光を案内して、光が複数の光ファイバに進入する場所である表面30aから光ファイバを厚み方向に通りぬけて反対側の表面30bまで達するようにすることである。
【0093】
複数の光ファイバ30は、たとえば、光ファイバの配列で構成される光ファイバプレートである。
【0094】
図3に示す第1実施形態において、ブロック30は、一つのフィルタリングユニット32で被覆することができる。
【0095】
この単一のフィルタリングユニットは、刺激光(第1波長範囲で放射される光)を反射または吸収する一方で、輝尽性プレート12によって変換され、かつ、画像データを保持する光(第2波長範囲で放射される光)を送り出す選択被膜として機能する。
【0096】
1つの好ましい実施形態においては、輝尽性プレート12は、図1の構成とは異なり、フィルタリング手段22および検出器24より上に配置される。
【0097】
フィルタリングユニット32は、ブロック30の、入射光側の表面30aに配置される。
【0098】
具体的には、フィルタリングユニット32は、たとえば、既知のコーティング処理によって、表面30a上に塗布される。
【0099】
フィルタリングユニット32は、屈折率の異なる複数の重畳層を合わせて組み立てたものを含んだ薄い多層フィルタである。これらの層は、たとえば、ガラス層である。
【0100】
各層は、第1波長の光線を透過し、かつ、第2波長の光線を偏向させることができる。
【0101】
この多層フィルタは、干渉フィルタとして機能する。
【0102】
このような重畳層を組み立てたものは、公知のプロセスによって得ることができる。
【0103】
この構造は、ぼやけ(ブラー)作用を避けるために薄くなければならない。
【0104】
実際には、多層フィルタの厚さは、10〜500μmの間で形成され、たとえば、100μmに等しい。
【0105】
フィルタリングユニット32は薄いため、それだけでは十分な強固さがなく、機械的に支持される必要がある。
【0106】
光ファイバ30のブロックは、その厚さにより、必要な機械的剛性を提供する。
【0107】
このブロックの厚さは、1mmから数センチメートルの間で形成され、たとえば、4mmである。
【0108】
光ファイバ30のブロックは、第1波長範囲で放射される光に対して透明であり、かつ、第2波長範囲において透明でなければならない。このブロックは、主に、フィルタリングユニットの機械的支持部として機能する。
【0109】
必須ではないが、複数の光ファイバのブロックは、テーパが付けられてもよく、これにより、輝尽性プレートの寸法と比べて寸法の小さい画像センサのアクティブな表面(例えば検知側の面)まで、収束方式で光を案内して送ることができる。
【0110】
フィルタリングユニットのフィルタリング効率、すなわち、減弱比は、望ましくない全ての光をほぼ排除し得る効率である。
【0111】
反対側の表面30bは、検出器24に固定されて、フィルタ22によって送り出された光を検出器24が受け取れるように構成される。
【0112】
このように、フィルタ22は、第2波長範囲で放射された光を、第1波長範囲で放射された光(望ましくない光)より実質的に1000000倍多く透過できるように構成される。
【0113】
図4に示す第2実施形態において、所定の光の波長範囲をフィルタ除去するために、2つのフィルタリングユニット44および46が、光ファイバ42のブロックの互いに反対側にある2つの表面40aおよび40bにそれぞれ対応付けられてもよい。
【0114】
このブロックは、図3のブロック30と同一であってよい。
【0115】
特に、各フィルタリングユニットは、第1波長範囲で放射された光を通さない一方で、第2波長範囲で放射された光を透過することができる。
【0116】
2つのフィルタリングユニットを設ける場合、その各ユニットは、望ましくない光を所定の比率でフィルタ除去するように設計される。
【0117】
このようにして両方のフィルタユニットで結果的に得られる効率は、望ましくない光をほぼ全て除去できるものである。
【0118】
また、図4の実施形態は、フィルタリング効率が、図3の実施形態のフィルタリング効率よりも拡張されるように応用できることに注目されたい。
【0119】
フィルタリングユニット44,46は、たとえば、ブロック42の互いに反対側にある2つの表面42a,42bに、公知のプロセスで塗布される。
【0120】
各フィルタリングユニットは、たとえば、図3のフィルタリングユニット32のような複数の重畳層を含む、薄い多層フィルタである。
【0121】
図3を参照して上記に示したものと同じ特徴、機能、および利点はこの例にも適用され、これらについては説明を省略する。
【0122】
1つの好ましい実施形態において、輝尽性プレート12は、フィルタリング手段40および検出器24より上に配置される。
【0123】
図5に示す変形例において、光ファイバ43のブロックに傾斜をつけて、輝尽性プレートの寸法よりも寸法の小さい画像センサのアクティブ表面まで、収束方式で光を案内して送ることができる。2つのフィルタリングユニット45および47は、ブロック43の入口面および出口面にそれぞれ対応付けられており、その各面に合わせてサイズが設定されている。
【0124】
フィルタリングユニットおよびブロックの特徴、機能、および利点は、図4との関連で説明したものと同一であり、ここでは説明を省略する。
【0125】
図3のフィルタ22の変形例として、必須の構成ではないが、ブロック30は、固有の光学フィルタ特性を有する材料、または複数の材料の組み合わせで形成してもよい。このことは、光ファイバの入口に入る所定の光の波長が反射/吸収されて、光ファイバの出口には到達しないことを意味する。
【0126】
これにより、フィルタの減弱比を拡張(増強)できるため、第1波長範囲で散乱される光量の除去率が向上する。
【0127】
また、図4のフィルタ40の減弱比も、同様に拡張することができる。
【0128】
また、本変形例によれば、フィルタの光ファイバブロック30または40の厚さを増して、フィルタ効率を更に拡張することができる。
【0129】
図6に、図1の装置に利用できる、フィルタリング手段22の他の変形例を示す。
【0130】
本変形例によれば、フィルタリング手段41は、固有の光学フィルタ特性を有するブロックまたはプレート49内に複数の光ファイバを含む。
【0131】
具体的には、光ファイバは、不透明基板の中に埋め込まれる。
【0132】
この光ファイバは、可能な限り多くの入射光を受け取ると共に、第1波長範囲(たとえば、赤色)を適切に排除するように、できるだけ大きい開口数を有すると理想的である。
【0133】
光ファイバの開口数NAは、次式によって算出される。
【数1】

上式において、nfは、光ファイバのコアの屈折率で、ncは、光ファイバのクラッドの屈折率である。
【0134】
たとえば、光ファイバは、シャンハイ・ファン・ガン社(Shanghai Fan Guang Ltd.Co.)によって市販され、1.5のコア屈折率を有するガラス材料であるZB2から形成される。
【0135】
光ファイバの開口数を大きくするために、ZB2ガラス材料内の金属酸化物の割合が増加されている。
【0136】
たとえば、その結果得られるガラス材料は、ZB2ガラス材料よりも35%多くの金属酸化物を含み、その結果、コアの屈折率は1.8になっている。これにより、0.994の開口数が得られる。金属酸化物の割合は、必要に応じて35%を超えてもよいことを注記しておく。
【0137】
必須の構成ではないが、フィルタリング手段41は、たとえば、上下の互いに反対側にある表面49aおよび49bのうちの一方に塗布される一つのフィルタリングユニット(図面には記載せず)を含むことができる。
【0138】
これに代えて、2つのフィルタリングユニット(図面には記載せず)は、2つの互いに反対側にある表面49aおよび49bに塗布されてもよい。
【0139】
一つまたは複数のフィルタリングユニットは、前述した図3〜4に示したフィルタリングユニットと同じ特徴および特性を有する。
【0140】
光ファイバブロック49に一つまたは2つのフィルタリングユニットを設けることで、フィルタリングブロック49の減弱比を拡張でき、その結果、第1波長範囲で散乱される光の量の排除率を増やすことができる。
【0141】
図面に示していない変形例において、光ファイバブロック49は、図5の構成に関連して提供されるものと同じ特徴および利点を得ることを目的として、傾斜が付けられてもよい。
【0142】
また、このような傾斜した光ファイバブロック49に、必要に応じて一つまたは2つのフィルタリングユニットも設けることもできる。
【0143】
好ましい用途において、照光手段20によって、第1波長範囲で放射された光は、たとえば、590〜630μmの間に位置する赤色の光である。
【0144】
刺激用の赤色光が照射されると、蛍光スクリーン16は、390〜450μmの間に位置する第2波長範囲で、青色の光を放射するように仕向けられる。
【0145】
したがって、表面18bを介して輝尽性プレート12から抽出される光は、画像データを含む、変換された青色光と、前記プレート内で散乱された刺激用の赤色光の組み合わせである。
【0146】
本発明に係る読み取り装置10に利用されるフィルタリング手段は、青色光を通過させて、赤色光を排除することに特に適している。
【0147】
フィルタ22(図3)のフィルタリングユニット32、およびフィルタ40(図3)のフィルタリングユニット44,46は、それぞれ複数のフィルタリング層で構成され、各層は、青色光を透過して赤色光を排除する。
【0148】
次に、検出器24は、フィルタ22またはフィルタ40によって透過された青色光を取り込んで電子信号に変換する。この信号は、前述したように処理される。
【0149】
図7に、輝尽性プレートおよび照光手段に関連して利用されることに適する、フィルタリング手段22の代替実施形態を示す。
【0150】
この新しい構成によれば、フィルタリング手段90は、フィルタ94の機械的支持部として機能する光案内手段92を含み、フィルタ94は、光案内手段92の片側にのみ取り付けられる。
【0151】
たとえば、このような光案内手段は、光ファイバのブロックを含んでもよく、この光ファイバのブロックは、図3のブロック30または図4のブロック40と同一であってよい。
【0152】
フィルタ94は、フィルタリング手段90の、輝尽性プレートの出力部から到来する光を受け取る側に配設される。
【0153】
フィルタ94は、フィルタリング手段90の光減衰の全部を担当するが、代替の実施形態において、光案内手段92が、ある程度光減衰を提供してもよい。
【0154】
具体的には、フィルタ94は、2つの連続した層の組がバッファ層によって分離される、複数組の重畳層を含む。
【0155】
このバッファ層は、2つの近接したフィルタリング層(干渉フィルタ)が、その間で相互作用することを防ぎ、一方のフィルタリング層によって透過された光を通過させる。
【0156】
図7において、フィルタ94は、バッファ層94cによって物理的に隔離される2つの被膜層94aおよび94bを含む。
【0157】
ただし、記載しない変形例において、バッファ層によって分離される、複数組の被膜層を用いることも考えられる。
【0158】
各被膜層94aおよび94bは、図3のフィルタリングユニット32および図4のフィルタリングユニット44,46と同じタイプの薄い多層フィルタである。
【0159】
被膜フィルタ94は、上面層94dを含み、この上面層94dは、特に、上部に配置される輝尽性プレート(図面には記載せず)にフィルタリング手段90を密着させるとき、およびその逆の動作中に損傷しないように、被膜フィルタ94を保護する。
【0160】
上面層94dは、たとえば、酸化アルミニウムで形成される固体物質で構成される。
【0161】
バッファ層94cは、2つの被膜層94aと94bの間の障壁として機能して、これらの被膜層94aおよび94bが互いに影響を与え合わないようにするものであることに留意されたい。
【0162】
バッファ層の厚さは、この機能を実行するのに適した厚さである。
【0163】
図7の構成は、検出手段96を更に含み、この検出手段96は、当該検出手段96とフィルタリング手段90の間のあらゆる潜在的光学作用を回避するために、フィルタリング手段90に堅固に取り付けることができる。
【0164】
たとえば、検出手段96は、フィルタ94を付着させる上面92bの反対側である、光案内手段92の底面92aに直接接着することができる。
【0165】
フィルタリング手段90への検出手段96の接着は、既知の方式で、光学接着剤(optical glue;光学素子用の接着剤)を用いて実現でき、この光学接着剤は、検出手段96とフィルタ94の間に何らかの望ましくない光学作用が生じることも防止する。
【0166】
フィルタリング手段90と検出手段96の組み立ては、接着プロセスによって容易に行うことができる。
【0167】
検出手段96は、図1の検出手段24と同じであってよい。
【0168】
図8に、輝尽性プレート読み取り装置の代替実施形態を示す。本実施形態において、図1の装置50、輝尽性プレート12、フィルタリング手段40、検出手段24、電子機器回路26、および処理装置/ディスプレイ28は、変更されていない。
【0169】
照光手段は、たとえば、光ディフューザに対応付けることが可能なエレクトロルミネッセントダイオード(LED)、レーザダイオード、複数のLED、または複数のレーザダイオードから選択できる光源52である。
【0170】
このような光源52は、図8に、ダイオードの形で図示されている。光源は、輝尽性プレート12の裏側からの位置において、輝尽性プレート12を均一に照光するのに十分な距離に配置される。
【0171】
輝尽性プレート12とフィルタリング手段40の間の矢印は、輝尽性プレート12が、その読み取りのためにフィルタリング手段に密接して配置されることを意味するものであることを注記しておく。
【0172】
上記の構成は、輝尽性プレート12の裏側、すなわち、図1および図2の基板14の表面14aを均一に照光する代替の方式を提供する。
【0173】
図9に、変形例に係る読み取り装置54を示す。この変形例において、複数のLED56は、輝尽性プレート12の裏側に対向して互いに並列に配置され、輝尽性プレート12に均一な照射を提供する。
【0174】
図面に記載されていない他の変形例によれば、光源が、輝尽性プレート12の裏側に間接的に配向されるように構成して、読み取り装置の全体寸法を抑制することもできる。
【0175】
たとえば、光源は、光コリメータ、レンズ、ミラー、またはホログラフィックタイプのものなど、集積される複数の光学部品(culminating optics)を含む光学素子を照光する。
【0176】
この光学素子を通る光は、反射手段によって反射されて、輝尽性プレート12の裏側に向かう。
【0177】
具体的には、反射手段は、狭帯域ダイクロイック(diachronic)ミラーを含む。
【0178】
図面に記載されていない更に他の変形例によれば、光源によって放射された光の経路上に、一つ以上のミラーを配置して、光の光路を長くすることができる。
【0179】
これにより、読み取り装置のサイズは、少なくとも輝尽性プレートの照光に割り当てられた部分において削減される。
【0180】
また、光源の前に光学レンズを配置して、輝尽性プレートの寸法、および光源と前記プレートの背面の間の光路の長さに応じて光線束の寸法を調整することができる。
【0181】
図10に、輝尽性プレート読み取り装置60の代替実施形態を示す。この代替実施形態には、複数の光源56など、図9に示した一部の要素はそのまま使用される。
【0182】
読み取り装置60は、図2の輝尽性プレート12と同一の構造を有するが、寸法が拡大された輝尽性プレート62も含む。
【0183】
この読み取り装置は、図面には密着した状態では記載されていないが、輝尽性プレート62に密着して配置されるフィルタリング手段64を含む。フィルタリング手段は、光ファイバ66の傾斜形ブロックを含み、このブロックは、輝尽性プレート62に接する側でブロックに到達する光を案内して、図1の検出手段24よりも寸法の小さい検出手段68に光を集束させるためのものである。
【0184】
たとえば、検出手段68は、寸法を除いて、図1の検出手段24と同一であってよい。
【0185】
フィルタリング手段64は、ブロック68の両端に、図4のフィルタリングユニット44および46と同一の機能を有する2つのフィルタリングユニット70および72を含む。
【0186】
また、傾斜形の光ファイバ66のブロック自体にフィルタ特性を持たせて、望ましくない光(第1波長範囲の光)の反射率の割合を拡大することもできる。
【0187】
検出手段は、CCD画像センサやCMOS画像センサを含んでもよいことを注記しておく。
【0188】
図1と同様に、検出手段68は、当該手段68によって提供される信号出力を処理する電子手段26に接続される。
【0189】
電子手段には処理/表示装置28が接続されるが、図面には記載されていない。
【0190】
輝尽性プレートから読み出され、フィルタ処理され、検出され、かつデジタル形式に変換される画像データには、更に他のソフトウェアデータ処理を適用できることに留意されたい。
【0191】
たとえば、ソフトウェアデータ処理を行って、照光手段が十分に均一な照射を提供しない場合に、照光手段の均一性を補正することができる。
【0192】
このような処理は、X線放射源と輝尽性プレートの間に患者を介在させずに、X線が完全に照射された輝尽性プレートを事前読み取りすることに基づいたものであってよい。この事前読み取りにより基準信号が得られ、後にこの基準信号は、画像データを収容する輝尽性プレートの複数の後続の読み取り値を補正することに利用される。したがって、輝尽性プレートの読み取りによって得られた画像信号は、基準信号によって補正される。
【0193】
複数の画像信号の平均に基づいて、輝尽性プレートの読み取りによって得られる画像信号の品質を改善する他の方法も考案することができる。
【0194】
たとえば、この平均は、予めX線が完全に照射(患者不在で照射)された複数の輝尽性プレート、たとえば、10枚のプレートの読み取りによって得られる信号から算出することができる。これにより、10個の画像信号が生成される。
【0195】
複数のプレートで次々と取得される各画像信号をそれぞれ平均化することによって、基準画像信号、すなわち「平坦フィールド(視野)」が合成される。したがって、この平坦フィールドにより、プレートに生じ得る、もしくは存在し得る障害、誤差などを排除すること、またはこれらの影響を少なくとも抑制することができる。
【0196】
このような平均化により、刺激性放射や、光ファイバシステムや、センサの各種領域の感度の不均一性を補うことができる。
【0197】
同様に、たとえば、光源の位置や光源の照光レベルなど、光学手段に関連する欠陥、フィルタリング手段、光ファイバなどに関連する欠陥を補うこともできる。
<補遺>
本発明は、以下の態様も含み得る
態様1:前記少なくとも一つの輝尽性プレートは、前記フィルタリング手段に密着している、請求項1に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様2:前記少なくとも一つの輝尽性プレートは、前記フィルタリング手段に接着される、請求項1に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様3:前記少なくとも一つの輝尽性プレートは、
互いに反対側にある2つの表面を有し、前記第1波長範囲で放射された光に対して透明な基板と、
互いに反対側にある2つの表面を有する蛍光体層であって、その第1の表面が、前記透明な基板の互いに反対側にある2つの表面のうちの一方に配置され、前記蛍光体層の互いに反対側にある2つの表面のうちの第2の表面が、前記フィルタリング手段に面する蛍光体層と、を含む、請求項1に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様4:前記透明な基板は、前記照光手段に面している、態様3に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様5:前記フィルタリング手段は、前記第1波長範囲で放射された光よりも実質的に1000000倍多く、前記第2波長範囲で放射された光を透過できるように構成される、請求項1に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様6:前記少なくとも一つの輝尽性プレートは、前記照光手段と前記フィルタリング手段の間に配設される、請求項1に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様7:前記フィルタリング手段は光ファイバのブロックを含み、各光ファイバは、約1.8の屈折率を有するコアと、前記コアに囲まれて、約1.5の屈折率を有するクラッドとを有する、請求項1に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様8:前記光ファイバは、シャンハイ・ファン・ガング社(Shanghai Fan Guang Ltd.Co.)によって、ZB2の照会番号で市販されるガラス材料で形成され、前記ガラス材料は、約1.8のコア屈折率を有するように、ZB2ガラス材料よりも少なくとも35%多く金属酸化物を含む、態様7に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様9:前記薄い多層フィルタは、それぞれ屈折率が異なる複数の重畳層を含む、請求項2に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様10:前記重畳層はガラス層である、態様9に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様11:前記薄い多層フィルタは、10から500μmの間に形成される厚さを有する、請求項2に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様12:前記光ファイバのブロックは透明である、請求項2に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様13:前記光ファイバのブロックは、前記第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、前記第2波長範囲で放射された光を透過できる、請求項2に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様14:前記光ファイバのブロックは、前記薄い多層フィルタによって透過される光の入射を制限する開口数を有する、請求項2に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様15:前記光ファイバのブロックは、1mmから数センチメートルの間に形成される厚さを有する、請求項2に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様16:前記フィルタリング手段は、互いに反対側にある2つの表面を有する光ファイバのブロックと、それぞれ前記光ファイバのブロックの互いに反対側にある2つの表面の一方に配置される2つの薄い多層フィルタと、を含み、前記薄い多層フィルタは、第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、前記第2波長範囲で放射された光を透過することができ、前記光ファイバのブロックは、光を案内する、請求項1に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様17:前記薄い多層フィルタは、それぞれ屈折率が異なる、複数の重畳層を含む、態様16に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様18:前記重畳層はガラス層である、態様17に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様19:前記薄い多層フィルタは、10から500μmの間に形成される厚さを有する、態様16に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様20:前記光ファイバのブロックは透明である、態様16に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様21:前記光ファイバのブロックは、更に、前記第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、前記第2波長範囲で放射された光を透過できる、態様16に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様22:前記光ファイバのブロックは、前記薄い多層フィルタによって透過される光の入射を制限する開口数を有する、態様16に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様23:前記光ファイバのブロックは、1mmから数センチメートルの間に形成される厚さを有する、態様16に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様24:第1波長範囲で放射される光は赤色であり、第2波長範囲で放射される光は青色である、請求項1に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
態様25:画像データを保持する少なくとも一つの輝尽性プレートと、
前記少なくとも一つの輝尽性プレートに、第1波長範囲で放射された光を均一に照射し、この照射により、前記少なくとも一つの輝尽性プレートに、輝尽性発光による第2波長範囲の光の放射と、前記第1波長範囲の光の散乱の両方を行わせる照光手段と、
前記第1波長範囲で放射された光を通さない一方で、前記第2波長範囲で放射された光を透過できるフィルタリング手段であって、前記照光手段と当該フィルタリング手段の間に前記輝尽性プレートが配設されるフィルタリング手段と、
透過し得た光を検出して、その光から画像データを取得するピクセルの二次元配列で構成される検出手段と、を含む輝尽性プレート読み取り装置。
【符号の説明】
【0198】
10,50,54,60 輝尽性プレート読み取り装置、12,62 輝尽性プレート、14 基板、16 蛍光体層または蛍光スクリーン、18 保護膜、20 照光手段、22,40,41,64,90 フィルタリング手段、24,68,96 検出手段、26 電子装置、28 表示装置、30,42,43,66 光ファイバ、32,44,45,46,47,70,72 フィルタリングユニット、49 プレートまたはブロック、52,56 光源、56 LED、92 光案内手段、92a 底面、92b 上面、94 フィルタ、94a,94b 被膜層、94c バッファ層、94d 上面層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを保持し、かつ、互いに反対側にある2つの表面を有する、少なくとも一つの輝尽性プレートと、
前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第1の表面に、第1波長範囲で放射された光を均一に照射し、この照射により、前記少なくとも一つの輝尽性プレートに、輝尽発光による第2波長範囲の光の放射、および前記第1波長範囲の光の散乱の両方を行わせる照光手段と、
前記第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、前記第2波長範囲で放射された光を透過でき、かつ、前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第2の表面に面するフィルタリング手段と、
透過し得た光を検出して、そこから画像データを取得するピクセルの二次元配列で構成される検出手段と、を含む輝尽性プレート読み取り装置。
【請求項2】
前記フィルタリング手段は、互いに反対側にある2つの表面を有する光ファイバのブロックと、前記光ファイバのブロックの互いに反対側にある2つの表面のうち、前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第2の表面に面する側に配置される薄い多層フィルタと、を含み、前記薄い多層フィルタは、前記第1波長範囲で散乱された光を通さない一方で、前記第2波長範囲で放射された光を透過でき、前記光ファイバのブロックは、前記第2波長範囲で放射されて透過し得た光を案内する、請求項1に記載の輝尽性プレート読み取り装置。
【請求項3】
画像データを保持し、かつ、互いに反対側にある2つの表面を有する少なくとも一つの輝尽性プレートと、
前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第1の表面に、第1波長範囲で放射された光を均一に照射し、この照射により、前記少なくとも一つの輝尽性プレートに、輝尽性発光による第2波長範囲の光の放射と、前記第1波長範囲の光の散乱の両方を行わせる照光手段と、
前記第1波長範囲で放射された光よりも実質的に1000000倍多く、前記第2波長範囲で放射された光を透過でき、前記少なくとも一つの輝尽性プレートの互いに反対側にある2つの表面のうちの第2の表面に面するフィルタリング手段と、
透過し得た光を検出して、そこから画像データを取得するピクセルの二次元配列で構成される検出手段と、を含む輝尽性プレート読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−76088(P2011−76088A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214721(P2010−214721)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(507224587)ケアストリーム ヘルス インク (76)
【Fターム(参考)】