説明

輸液熱交換器及び輸液熱交換装置

【課題】 流路部を使い捨てにできるとともに、熱交換水を使用しない簡易な構造であって、しかも熱交換効率の良い輸液熱交換器及びこの輸液熱交換器を用いた輸液熱交換装置を提供する。
【解決手段】 体内に供給される輸液の温度が所定温度となるように流路部12内の前記輸液の温度調整を行う輸液熱交換器11であって、前記輸液が流れる流路部12と、流路部12に着脱自在に装着されて、前記輸液の熱を交換する熱交換ユニット21とからなり、流路部12は、高熱伝導材料で構成され、外形がプレート状とされており、熱交換ユニット21は、プレート状とされた流路部12に接触するように配置されたペルチェモジュール22を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者の体内に輸液を注入する際において、輸液の温度調整を行う輸液熱交換器及び該輸液熱交換器を用いた輸液熱交換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
患者に薬液等の輸液を注入する際には、注入される輸液の温度を患者の体温と同じ温度として患者の体温低下を防止したり、低温管理して輸液の効能維持を図ったりするために、輸液の温度調整を行う輸液熱交換器が使用されている。
一般工業用に広く使用されている熱交換器は、液体が流れる流路部と熱交換を行う部分とが一体構造とされており、流路部を使い捨てにできるものではなかった。医療用として使用する場合には、衛生面を考慮して輸液が流れる流路部を使い捨てできる構造のものでなければならないため、一般工業用の熱交換器を使用することはできなかった。
【0003】
従来、医療用として提供されている輸液熱交換器を図4に示す。輸液熱交換器1は、輸液が流れる流路部2に熱交換水Wの水路3を接触させて熱交換し、熱交換水Wの温度制御を水槽4部分で行うことで、輸液の温度調整を行うものである。
この構成の輸液熱交換器1では、熱交換を行う水路3と輸液の流路部2とが別部材となるため、流路部2を使い捨てとすることができるものである。しかしながら、熱交換水Wを循環させる機構等を別途設ける必要があり、構造や操作が非常に複雑になるといった問題があった。
【0004】
上記の問題を解決するために特許文献1では、熱交換水を使用しない簡易な構造の輸液熱交換器が提供されている。
特許文献1に開示されている輸液熱交換器は、軟質チューブを曲げて波面状平板型の流路部を成形し、この流路部を加温板で挟み込み、加温板に電熱ヒータあるいは電子冷却素子を設けるとともに、加温板と流路部との間にシリコンラバー等の充填材を備えた構成とされている。
【0005】
この構成の輸液熱交換器では、軟質チューブで成形された流路部を加温板にて直接加熱及び冷却する構造とされているので、熱交換水を使用することなく、流路部内を流れる輸液の温度調整を行うことができるものである。また、加温板と流路部が別部材とされているので、流路部を使い捨てとすることができるものである。
【特許文献1】特開2004−148027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記の構成の輸液熱交換器では、流路部が軟質チューブで構成されるとともに、流路部と加温板の間にシリコンラバー等の充填材が備えられている。医療用軟質チューブは、軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂で構成されており、これらの合成樹脂の熱伝導率は、軟質塩化ビニルが約0.15W/(m・K)、ポリエチレンが約0.33W/(m・K)、ポリプロピレンが約0.13W/(m・K)と低いものである。また、加温板と軟質チューブとの間に備えられたシリコンラバーの熱伝導率は約0.2W/(m・K)と低いものである。
【0007】
したがって、上記の構成の輸液熱交換器では、輸液と加温板の間に熱伝導率の低い材料で構成されたシリコンラバー及び軟質チューブが配置されるために、熱交換効率が非常に悪くなってしまうといった問題があった。
また、加温板に電子冷却素子としてペルチェモジュールが設けられている場合には、熱交換効率の悪いために、輸液を所定の温度に調整するのに必要な電力が大きくなり、大容量の電源を配備しなければならないといった問題があった。
また、流路部が軟質チューブで構成されているので、流路部内の圧力変化によって流路部の断面が変形して、輸液が流れなくなるおそれがあった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、流路部を使い捨てにできるとともに、熱交換水を使用しない簡易な構造であって、しかも熱交換効率の良い輸液熱交換器及びこの輸液熱交換器を用いた輸液熱交換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に記載の輸液熱交換器は、体内に供給される輸液の温度が所定温度となるように流路部内の前記輸液の温度調整を行う輸液熱交換器であって、前記輸液が流れる前記流路部と、該流路部に着脱自在に装着されて前記輸液の熱を交換する熱交換ユニットとからなり、前記流路部は、高熱伝導材料で構成され、外形がプレート状とされており、前記熱交換ユニットは、前記プレート状とされた前記流路部に接触するように配置されたペルチェモジュールを備えていることを特徴としている。
【0010】
上記の構成の輸液熱交換器では、輸液が流れる流路部が、上述した合成樹脂に比べて熱伝導率が高い高熱伝導材料で構成されており、熱交換器の熱交換効率が向上される。また、流路部に熱交換ユニットが着脱可能とされ、熱交換ユニットが流路部に接触するように配置されたペルチェモジュールを備えているので、ペルチェモジュールに電流を流すことで流路部内の輸液の温度が調整される。
【0011】
請求項2に記載の輸液熱交換器は、前記熱交換ユニットは、前記流路部を挟み込むように配置された一対の前記ペルチェモジュールによって構成されていることを特徴としている。
この構成の輸液熱交換器では、流路部を挟み込むように一対のペルチェモジュールが配置されているので、2つのペルチェモジュールによって熱交換が行われる。
【0012】
請求項3に記載の輸液熱交換器は、前記流路部は、前記高熱伝導材料で構成されたパイプが並列状に並べられた構造とされ、前記ペルチェモジュールの内側に、前記流路部をなす複数の前記パイプの表面形状と相補的な形状をなし、高熱伝導体で構成された熱伝導部が配置されていることを特徴とする。
この構成の輸液熱交換器では、高熱伝導材料で構成されたパイプが並列状に並べられたことによって流路部がプレート状に形成され、この流路部と接触するペルチェモジュールの内側に、シリコンラバーよりも熱伝導度の高い高熱伝導体で構成された熱伝導部が配置されているので、流路部とペルチェモジュールとが熱伝導部を介して熱的に接続される。
ここで、高熱伝導体としては、例えば、熱伝導率が約1W/(m・K)の熱伝導体ゲル状のシート等や熱伝導率が約200W/(m・K)のアルミ合金等が挙げられる。また、熱伝導部を、複数の前記パイプの表面形状と相補的な形状とするための一手段として低硬度の熱伝導性ゲル材を使用してもよい。
【0013】
請求項4に記載の輸液熱交換器は、前記流路部は、前記ペルチェモジュールとの接触部位が平面状とされた箱型に形成され、前記流路部の内部に前記輸液の流れを乱流状態とする乱流発生体が配置されていることを特徴としている。
この構成の輸液熱交換器では、流路部のペルチェモジュールとの接触部位が平面状とされているので、ペルチェモジュールと流路部が確実に接触することになる。また、流路部の内部に乱流発生体が配置されているので、輸液の流れが乱流状態とされ、輸液と流路部の内壁面との接触が促進される。
【0014】
請求項5に記載の輸液熱交換器は、前記流路部を構成する前記高熱伝導材は、ステンレスであることを特徴としている。
この構成の輸液熱交換器では、流路部が熱伝導率約15W/(m・K)であるステンレスで構成されており、上述した合成樹脂に比べて熱伝導率が非常に高く、熱交換器の熱交換効率が大幅に向上する。
【0015】
請求項6に記載の輸液熱交換器は、前記熱交換ユニットの前記ペルチェモジュールの外側に冷却部が備えられていることを特徴としている。
この構成の輸液熱交換器では、ペルチェモジュールの外側に備えられた冷却部によってペルチェモジュールが冷却され、流路部から吸熱した熱が効率的に放熱される。
【0016】
請求項7に記載の輸液熱交換器は、前記冷却部には、空冷ファンが備えられていることを特徴としている。
この構成の輸液熱交換器では、冷却部に備えられたファンよって、ペルチェモジュールを確実に冷却され、流路部から吸熱した熱が効率的にかつ確実に放熱される。
【0017】
また、請求項8に記載の輸液熱交換装置は、請求項1から請求項7に記載の輸液熱交換器の前記ペルチェモジュールに、前記ペルチェモジュールに流れる電流を制御するコントロールユニットが接続されたことを特徴としている。
この構成の輸液熱交換装置では、コントロールユニットによってペルチェモジュールに流れる電流を制御して、ペルチェ効果による吸熱量及び放熱量を調整できる。
【0018】
請求項9に記載の輸液熱交換装置は、前記コントロールユニットには、前記流路部の温度を測定する測定部が備えられ、前記流路部の前記温度を指標として、前記ペルチェモジュールに流れる前記電流を制御することを特徴としている。
この構成の輸液熱交換装置では、流路部の温度を測定しながら、ペルチェモジュールに流れる電流を制御して、ペルチェ効果による吸熱量及び放熱量を調整できる。
【発明の効果】
【0019】
請求項1に係る発明によれば、熱交換器の熱交換効率が向上されるので、輸液を所定の温度に調整するために必要な電力が小さくなり、容量の小さい電源によって必要な熱交換を行うことができる。
また、流路部に熱交換ユニットが着脱可能に装着されているので、流路部を容易に使い捨てとして使用できる。
【0020】
請求項2に係る発明によれば、流路部を挟み込むように配置された2つのペルチェモジュールによって熱交換されるので、熱交換効率を大幅に向上できる。
【0021】
請求項3に係る発明によれば、流路部とペルチェモジュールとが熱伝導部を介して熱的に接続されているので、流路部内の輸液からペルチェモジュールへの熱移動が促進され、さらに熱交換効率を向上することができる。
また、流路部がパイプを並べた構成とされているので、構造が簡単であり、使い捨てとされる流路部の製作コストを低減できる。
【0022】
請求項4に係る発明によれば、ペルチェモジュールと流路部とが確実に接触されるとともに、流路部内の輸液の流れが乱流状態とされているので、熱交換効率を一層向上させることができる。
【0023】
請求項5に係る発明によれば、熱交換器の熱交換効率が大幅に向上されるので、容量の小さい電源によって熱交換を行うことができ、この輸液熱交換器を用いた輸液熱交換装置を小型化することができる。
また、流路部がステンレスで構成されているので、流路部の形状を安定的に形成できるとともに、流路内の圧力変化による流路部の変形を抑えることができ、輸液を確実に流すことができる。
【0024】
請求項6に係る発明によれば、冷却部によってペルチェモジュールが冷却されているので、ペルチェモジュールからの放熱量を大きくすることができる。ここで、エネルギー保存の法則から、ペルチェモジュールの吸熱量と消費電力との和が放熱量となるので、放熱量を大きくすることで、同じ消費電力のもとでのペルチェモジュールの吸熱量を大きくすることができる。したがって、熱交換効率をさらに一層向上させることができ、熱交換に要する電力をさらに小さく抑えることができる。
【0025】
請求項7に係る発明によれば、ファンによってペルチェモジュールが確実に冷却され、ペルチェモジュールからの放熱量が大きくされているので、熱交換効率を確実に向上させることができる。
【0026】
請求項8に係る発明によれば、コントロールユニットによってペルチェモジュールに流れる電流を制御して、ペルチェ効果による吸熱量及び放熱量が調整されるので、輸液の温度調整を行うことができる。
【0027】
請求項9に係る発明によれば、流路部の温度を測定しながらペルチェモジュールに流れる電流を制御しているので、輸液の温度調整を精度良く行うことができる。
【0028】
このように、本発明によれば、流路部を使い捨てにできるとともに、熱交換水を使用しない簡易な構造であって、しかも熱交換効率の良い輸液熱交換器及びこの輸液熱交換器を用いた輸液熱交換装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。図1に本発明の第1の実施形態である輸液熱交換器を、図2に、図1の輸液熱交換器を用いた輸液熱交換装置を示す。
輸液熱交換装置10は、図2に示すように、輸液熱交換器11と、コントロールユニット31とで構成されている。
【0030】
輸液熱交換器11は、輸液が流れる流路部12と、この流路部12を挟み込んで保持する熱交換ユニット21とを有する。
流路部12は、ステンレスで構成され、外形がプレート状とされている。本実施形態においては、流路部12の側面が平面状とされた箱形に形成され、上部に輸液供給口13が、下部に輸液排出口14が形成されている。そして、この箱型の流路部12の内部には、輸液の流れを乱流状態とする乱流発生体15が配置されている。本実施形態では、図1に示すように、輸液供給口13から輸液排出口14までの流路の断面積を小さくするように乱流発生体15が配置されている。
【0031】
熱交換ユニット21は、一対のペルチェモジュール22を有し、それぞれのペルチェモジュール21の外側には、空冷ファンが備えられた冷却部23が設けられている。本実施形態では、ペルチェモジュール22の内面側、つまり、流路部12と接触する部分は平面状に形成されている。
【0032】
上記の流路部12を挟み込むように熱交換ユニット21が装着され、流路部12の側面とペルチェモジュール22の内側面とが密着するように配置される。
流路部12の輸液供給口13と輸液排出口14とに配管32が接続され、ペルチェモジュール22にコントロールユニット31が配線されている。このようにして輸液熱交換装置10が構成されている。
【0033】
上記構成の輸液熱交換装置10では、配管32及び輸液供給口13を通じて流路部12内に輸液が供給され、流路部12内の輸液は乱流発生体15によって乱流状態となる。ここで、ペルチェモジュール22に電流を流すとペルチェ効果によって、ペルチェモジュール22の表面が加熱あるいは冷却され、このペルチェモジュール22は挟まれた流路部12内の輸液の温度が調整される。
【0034】
上記構成の輸液熱交換装置10では、流路部12が、合成樹脂に比べて非常に高い熱伝導度(約15W/(m・K))を有するステンレスで構成されているので、熱交換効率が大幅に向上され、合成樹脂で構成されたものと比較して、輸液の温度を調整するためにペルチェモジュール22に供給する電力を小さくすることができ、大容量の電源が不要となる。
また、流路部12に熱交換ユニット21が着脱可能に装着されており、流路部12部分を使い捨てとすることができて衛生的であるので、医療用の熱交換装置として使用することができる。
【0035】
また、流路部12が、強度を有するステンレスで構成されており、側面が平面状に形成されているので、流路部12の形状が安定し、流路部12内の圧力変化等による流路部12の変形が抑えられ、輸液を確実に流すことができるとともに、ペルチェモジュール22との接触が安定して熱交換効率を向上することができる。
また、流路部12内に乱流発生体15が備えられているので、輸液が乱流状態となり、流路部12の側面内壁と輸液との接触が促進され、輸液の熱交換効率をさらに向上することができる。
【0036】
また、ペルチェモジュール22の外側にファンが備えられた冷却部23が設けられているので、ペルチェモジュール22の冷却することができ、ペルチェモジュール22からの放熱量を大きくすることができる。ペルチェモジュール22からの放熱量を大きくすると、同じ消費電力におけるペルチェモジュール22の吸熱量が大きくなり、熱交換効率をさらに一層向上させることができる。
【0037】
次に、本発明の第2の実施形態である輸液熱交換器ついて説明する。なお、第1の実施形態と同一の部位には同じ符号を付して説明を省略する。図3に、第2の実施形態である輸液熱交換器を示す。
この輸液熱交換器41では、流路部12は、断面円形をなすステンレスパイプが複数並列状に並べられた構造とされており、流路部12のパイプの軸方向に垂直な断面における側面12Aが波形形状を呈している。
【0038】
この流路部12を挟み込むように配置された熱交換ユニット21のペルチェモジュール22の内面側には、銅ブロックで形成された熱伝導部42が配置されている。熱伝導部42の内側面42Aは、流路部12の側面12Aがなす波形形状に嵌合可能な波形形状とされている。
【0039】
上記構成の輸液熱交換器41では、流路部12がステンレスパイプを並列に並べた構成とされているので、構造が簡単であり、使い捨てとなる流路部12の製作コストを低減することができ、この輸液熱交換器41のランニングコストを低減できる。
また、流路部12の側面12Aがなす波形形状に嵌合可能な熱伝導部42が設けられているので、シリコンラバー等を充填する必要がなく、流路部12とペルチェモジュール22とが熱伝導部42を介して熱的に接続され、熱交換効率を向上することができる。
【0040】
さらに、流路部12がステンレスパイプで構成されているので、流路部12の側面12Aがなす波形形状と、この波形形状の凹凸と相補的な形状に形成された熱伝導部42の内側面42Aとの嵌合が確実に行われ、熱交換効率を向上できる。
また、波形形状同士の接触となるので、接触面積が増大し、熱交換効率をさらに一層向上することができる。
【0041】
なお、本実施形態では、熱伝導部42を銅ブロックで構成したもので説明したが、これに限定されることはなく、他の高熱伝導体であるアルミ合金等で構成したものであってもよく、また、熱伝導部42を熱伝導性ゲル材で構成されたシート材としてもよい。
また、冷却部として空冷用のファンを備えたもので説明したが、これに限定されることはなく、フィン等の他の冷却手段であってもよい。
【0042】
また、第2の実施形態では、流路部12を、断面円形をなすステンレスパイプが並列に並べられた構成としたが、これに限定されることはなく、断面四角形や断面楕円形をなすステンレスパイプであってもよい。また、直線状に並列したものだけでなく、例えば曲線状に並列したものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の第1の実施形態である輸液熱交換器の斜視図である。
【図2】図1の輸液熱交換器を用いた輸液熱交換装置の模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態である輸液熱交換器の説明図である。
【図4】従来の輸液熱交換器の模式図である。
【符号の説明】
【0044】
10 輸液熱交換装置
11、41 輸液熱交換器
12 流路部
15 乱流発生体(乱流発生部)
21 熱交換ユニット
22 ペルチェモジュール
23 冷却部
31 コントロールユニット
42 熱伝導部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
体内に供給される輸液の温度が所定温度となるように流路部内の前記輸液の温度調整を行う輸液熱交換器であって、
前記輸液が流れる前記流路部と、該流路部に着脱自在に装着されて、前記輸液の熱を交換する熱交換ユニットとからなり、
前記流路部は、高熱伝導材料で構成され、外形がプレート状とされており、
前記熱交換ユニットは、前記プレート状とされた前記流路部に接触するように配置されたペルチェモジュールを備えていることを特徴とする輸液熱交換器。
【請求項2】
前記熱交換ユニットは、前記流路部を挟み込むように配置された一対の前記ペルチェモジュールによって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の輸液熱交換器。
【請求項3】
前記流路部は、前記高熱伝導材料で構成されたパイプが並列状に並べられた構造とされ、前記ペルチェモジュールの内側に、前記流路部をなす複数の前記パイプの表面形状と相補的な形状をなし、高熱伝導体で構成された熱伝導部が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の輸液熱交換器。
【請求項4】
前記流路部は、前記ペルチェモジュールとの接触部位が平面状とされた箱型に形成され、前記流路部の内部に前記輸液の流れを乱流状態とする乱流発生部を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の輸液熱交換器。
【請求項5】
前記流路部を構成する前記高熱伝導材は、ステンレスであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の輸液熱交換器。
【請求項6】
前記熱交換ユニットの前記ペルチェモジュールの外側に冷却部が備えられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の輸液熱交換器。
【請求項7】
前記冷却部には、空冷ファンが備えられていることを特徴とする請求項6に記載の輸液熱交換器。
【請求項8】
請求項1から請求項7に記載の輸液熱交換器の前記ペルチェモジュールに、前記ペルチェモジュールに流れる電流を制御するコントロールユニットが接続されたことを特徴とする輸液熱交換装置。
【請求項9】
前記コントロールユニットには、前記流路部の温度を測定する測定部が備えられ、前記流路部の前記温度を指標として、前記ペルチェモジュールに流れる前記電流を制御することを特徴とする請求項8に記載の輸液熱交換装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate