輸送コンテナ用の圧力容器
【課題】空間利用及び圧縮強度の観点から、ほぼ円筒形のジャケットシェルを有するジャケットを備える圧力容器を改善すること。
【解決手段】平行に配置され、長さ方向にビード領域(8、10)を形成するほぼ円筒形のジャケットシェル(2、4)からなるジャケットを備える圧力容器(1)及び輸送コンテナ、特に、前記圧力容器を備えるタンクコンテナユニット(100)は、前記ジャケットの端部が、湾曲した底部材(16、18)により閉じられ、前記ジャケットシェルの間に平坦な壁(6、6a、6b)である引張部材が配置され、該引張部材の上縁部(12)又は下縁部(14)が前記ビード領域へ伸び又は該ビード領域を貫いている。前記長さ方向に伸びかつ前記ジャケットシェルと前記引張部材とを連結するシェル部材(42)が、前記ビード領域に桁構造が形成されるように、前記ジャケットシェルと前記引張部材の面取りされた縁部(12、12a、14、14a)とに固定されている。
【解決手段】平行に配置され、長さ方向にビード領域(8、10)を形成するほぼ円筒形のジャケットシェル(2、4)からなるジャケットを備える圧力容器(1)及び輸送コンテナ、特に、前記圧力容器を備えるタンクコンテナユニット(100)は、前記ジャケットの端部が、湾曲した底部材(16、18)により閉じられ、前記ジャケットシェルの間に平坦な壁(6、6a、6b)である引張部材が配置され、該引張部材の上縁部(12)又は下縁部(14)が前記ビード領域へ伸び又は該ビード領域を貫いている。前記長さ方向に伸びかつ前記ジャケットシェルと前記引張部材とを連結するシェル部材(42)が、前記ビード領域に桁構造が形成されるように、前記ジャケットシェルと前記引張部材の面取りされた縁部(12、12a、14、14a)とに固定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行に配置され、長さ方向にビード領域を形成するほぼ円筒形のジャケットシェルからなり、端部が、湾曲した底部材により閉じられたジャケットを備える圧力容器に関する。八角形に類似する断面形状を有するジャケットシェルを備える圧力容器が知られている(引用文献1ないし4参照)。前記圧力容器は、タンクセミトレーラーのような路上走行車のための輸送コンテナ又は高さ寸法が小さい構造空間を効果的に使用し、材料の重量を減らしつつ高い圧縮強度を確保する容器を要するタンクコンテナに適している。
【背景技術】
【0002】
最大圧縮強度は円形断面により与えられ、水平な長い側部を有する構造空間の矩形断面を使用することは不適当である。高さ寸法が小さい構造空間の断面は、平行ないくつかの完全な円筒形の圧力容器で満たされている(図10)。このような構造により空間の大きな損失が生じる。箱形、楕円形(図11)又は長円形(図12)の断面は必要な圧縮強度を与えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第3606247号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3125963号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第2951554号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1326号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、本発明に係る圧力容器が開発された。前記圧力容器は、空間利用に関して完全な円筒形の圧力容器に対して利点があり、圧力工学に関して箱形又は長円形の断面に対して優れている。前記断面は、石油製品に使用されているが、空間を有効に利用することができない。特に長い圧力容器について、圧力工学の観点からビードを結合するためにほぼ円筒形のシェルの間に引張部材を設けることが役立ち、要求されている。この場合、上方又は下方のビード領域の内部へ突入し又は該ビード領域を貫く平坦な壁状の引張部材を製造することが容易である。前記シェルは、互いに隣接し、前記壁に接し、該壁に結合又は溶接されている。
【0005】
空間利用及び(又は)圧縮強度の観点から、ほぼ円筒形のジャケットシェルを有するジャケットを備える圧力容器を改善することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明に係る圧力容器により解決される。前記圧力容器は、ジャケットシェルと引張部材とを連結するシェル部材を備える。前記シェル部材は、トップ部における屋根部材及びベース部における床部材としてビード領域を閉じ、前記屋根部材及び前記床部材又は前記ビード領域とともに股領域に梁構造を形成する。前記梁構造は内部及び外部の圧縮荷重と転覆荷重とに対する補強をする。
【0007】
捕捉容器のような、特別な構造的特徴を有しない危険物貯蔵用の容器について、ダブルジャケットを要する。
【0008】
前記シェル部材の形状安定性はキャンバー(ここでは、長さ方向の軸線に関して円柱状又は角柱状のキャンバーを意味する。)又は縁部分により高められている。
【0009】
反りを有する床面と前記ジャケット(前記ジャケットシェル)との異なる開放された輪郭により形成された領域が、タンクの前記長さ方向の軸線に対して垂直かつ平坦なスパンドレルにより閉じられている。
【0010】
前記スパンドレルが前記引張部材の端部に結合されている場合、安定性が増す。
【0011】
圧力工学及び生産工学の観点から前記スパンドレルは、外側輪郭領域が底部材の内側の輪郭に沿って伸びているとき、すなわち、前記スパンドレルが前記底部材の中に挿入可能であり、前記ビード領域から前記圧力容器の内部へ突入する内側輪郭領域を有し、前記ジャケットシェルの端部の輪郭が前記スパンドレルの接面に沿って伸びているときに利点を有する。前記ジャケットシェルからなる前記ジャケットは、前記底部材の開放された端部に接する前記ジャケットの端面により常に明確に形成され、対応するスパンドレルは、追加の調整作業又は切込み作業を要することなく、縁部と同一平面上にある。前記外側輪郭領域及び前記内側輪郭領域は、前記ジャケットシェルのトップ部及びベース部において鋭角をなして交差しており、圧力工学に関して前記トップ部及び前記ベース部を補強し、前記圧力容器の内部圧力により前記トップ部及び前記ベース部に生じるピーク応力を吸収する。
【0012】
他の実施例では、前記補強の効果が高められており、前記ピーク応力は、前記スパンドレルの端部に設けられたリブ状の延長部分により吸収される。前記延長部分は、前記底部材及び前記ジャケットシェルの共通の輪郭に沿って、前記ピーク応力が生じる前記トップ部又は前記ベース部を超えて伸びている。
【0013】
前記ジャケットシェルは、異なる曲率をもつ周縁部を有する。上方のビード領域及び下方のビード領域のそれぞれは、前記ジャケットシェルの前記トップ部と前記ベース部とを連結しかつ前記圧力容器の側部腰領域を形成する周縁部の曲率より小さい曲率を有する、すなわち前記周縁部の曲率半径より大きい曲率半径を有する。このため、前記長さ方向に伸びる前記ジャケットシェルの継ぎ目に形成されたビードの厚さを薄くすることができ、圧縮強度を実質的に低減させることなく前記圧力容器の有効な容積を増すことができる。また、前記底部材の開放された断面と前記ジャケットの断面との差が小さいため、より小さなビード領域を取り巻く開口部を有する前記底部材の取付けが容易である。
【0014】
前記上方のビード領域の曲率及び前記下方のビード領域の曲率は、異なるものとすることができる。すなわち、下方のビードの厚さは上方のビードの厚さと異なる。より大きい曲率(より小さい曲率半径)はより厚いビードをもたらし、より小さい曲率(より大きい曲率半径)はより薄いビードをもたらす。前記下方のビード領域における薄いビードは、例えば、残りを生じさせずに個々のジャケットシェルの隣接するベース部を空にすることに役立つ。他方、厚いビードは、該ビードの領域における圧力容器のより高い形状安定性をもたらし、前記圧力容器は、セミトレーラーの長さ方向の桁又はフックリフト装置のローディングスキッドのようなタンクベースに沿って伸びる梁に支持される。
【0015】
前記圧力容器は、周縁部ごとに異なる厚さを有するものとすることができる。
【0016】
本発明に係る輸送コンテナは前記圧力容器を備える。
【0017】
以下の図面に本発明の実施例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る圧力容器の斜視図。
【図2】図1の線A−Aにおける圧力容器の断面図。
【図3】図1の線B−Bにおける圧力容器の断面図。
【図4】底部材が省略された、図1に示した圧力容器の斜視図。
【図5】スパンドレルを有しない、図4に示した圧力容器の斜視図。
【図6】傾斜したスパンドレルを備える中間壁の斜視図。
【図7】2つの形状を有するスパンドレルを示す図。
【図8A】円筒形のタンク部材の他の断面形状を示す概略図。
【図8B】円筒形のタンク部材の他の断面形状を示す概略図。
【図9】本発明に係る圧力容器を備えるタンクコンテナユニットを示す図。
【図10】2つの円筒形の断面形状を有する従来の圧力容器を示す図。
【図11】楕円形(左半分)及び箱形(右半分)の断面形状を有する従来の圧力容器を示す図。
【図12】長円形の断面形状を有する従来の圧力容器を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1ないし5に示すように、圧力容器1は、それぞれが、平坦な壁6である引張部材に長さ方向に溶接された2つのほぼ円筒形のジャケットシェル2、4を備える(図2及び5)。壁6はジャケットシェル2、4と同じ長さを有する。
【0020】
各ジャケットシェル2、4は、異なる曲率をもつ周縁部2a、2b、2c、4a、4b、4cを有する。周縁部2a、4aは壁6との接合位置からジャケットシェル2、4のトップライン7へ延びている。周縁部2b、4bはトップライン7からジャケットシェル2、4のベースライン9へ延び、周縁部2c、4cはベースライン9から壁6へ延びている。周縁部2b、4bは胴領域において600mmないし1300mmの曲率半径を有し、上方の周縁部2a、4a及び下方の周縁部2c、4cのそれぞれは600mmないし1300mmの曲率半径を有する。
【0021】
このような曲率半径の範囲は、2600mmの最大幅を有するタンクコンテナ又はタンク車に用いられる。他の寸法については、タンクコンテナ又はタンク車(鉄道、トラック)の実際の外径寸法に適した、異なる曲率半径の範囲及び関係を用いることができる。
【0022】
周縁部2a、4aは上方のビード領域8を形成し、周縁部2c、4cは下方のビード領域10を形成している。壁6の上縁部12及び下縁部14はそれぞれ上方のビード領域8の内部及び下方のビード領域10の内部へ突入している。下縁部14はジャケットシェル2、4のベースライン9により形成された面と同じ位置にあり、上縁部12はジャケットシェル2、4のトップライン7により形成された面を超えている。上縁部12及び下縁部14のそれぞれは固定用の面取り部分12a、14aを有する。壁6は、カラー52により補強された開口部50を有する。
【0023】
ジャケットシェル2、4の各端部は、湾曲した底部材16、18により閉じられており(図1及び3)、底部材16、18は、該底部材に取り付けられた端部リング20により容器フレーム22中に挿入することができる(図1及び9)。
【0024】
ビード領域8、10と長円形の底部材との断面の差を補い、閉じるため、ビード領域8、10と長円形の底部材との間に、平坦な金属板であるスパンドレル24、26が前記長さ方向に対して垂直に配置されている。下方のスパンドレル26は外側輪郭領域28を有し(図4)、該外側輪郭領域は、湾曲した底部材16、18の直線状の内側の輪郭に沿ってジャケットシェル2、4の2つのベースライン9の間で伸びている。内側輪郭領域30は、ビード領域10を形成する周縁部2c、4cの輪郭の内方にある。外側輪郭領域28及び内側輪郭領域30は、ベース部(ベースライン9)にある端部32において鋭角をなして交差している。
【0025】
上方のスパンドレル24では、外側輪郭領域34は、湾曲した底部材16、18の直線状の内側の輪郭に沿って内側輪郭領域36の近傍を経て端部38へ伸び、下方のスパンドレル26と同様に、トップ部(トップライン7)で終わっている。下方のスパンドレル26は完全に前記底部材の輪郭の内方にあるのに対して、上方のスパンドレル24の外側輪郭領域34は、前記底部材の輪郭から突出し、面取り部分12aとほぼ同じ高さにおいて前記底部材の輪郭の外方にある。
【0026】
図6に、圧力容器1を横切り、前記長さ方向に対して傾斜するスパンドレル24a、26aを備える実施例(タンクシェル2、4は図示せず)を示す。この構造は、前記引張部材として機能する壁6を短くし、材料及び重量を軽減することを可能にする。タンクから突出する上方のスパンドレル24aの外側輪郭領域は、面取りをされ、面取り部分12aと壁6の端部12とに結合(溶接)されている。
【0027】
ジャケットシェル2、4に開口部40が設けられており、該開口部に、マンホール、注水口、空気抜き穴及び安全バルブポートのような典型的なコンテナポートが挿入される(図4)。
【0028】
前記圧力容器のトップ部に追加のシェル部材42が設けられており、該シェル部材の側部44はジャケットシェル2、4の前記トップ部に溶接され、シェル部材42の端部46は上方のスパンドレル24に溶接されている。シェル部材42の中央部における縁部分47は、面取り部分12aに接し、該面取り部分に栓溶接48により固定されている。このようにして周縁部2a、4aと面取り部分12aを有する壁6の上縁部12とシェル部材42とは補強用の前記長さ方向の桁ユニットを構成している。前記桁ユニットは、その端部が上方のスパンドレル24により閉じられ、これにより補強されている。
【0029】
ジャケットシェル2、4は、図1、2及び4に示した例では、ダブルジャケット5により取り巻かれている。ダブルジャケット5は、圧力容器1のトップ部(ほぼ最高充填レベル)で終わっており、ベース部2b、4cを完全に覆い、2つのベースライン9の間にある下方のビード領域10を完全に覆っている。ダブルジャケット5は、ジャケットシェル2、4が損傷を受けた場合に製品が漏れることを防止する。ダブルジャケット5が追加の外側の底部材(図示せず)により補強され、該底部材が底部材16、18の領域にダブルジャケットを形成していてもよい。圧力容器1のベース部においてダブルジャケット5は補強のために壁6の下縁部14の面取り部分14aに栓溶接により固定されていてもよい。ジャケットシェル2、4の外側における前記ベース部に挿入された中間層(例えば、二重金属板)により前記ベース部に同様の固定がなされ、下方のビード領域10に補強用の桁部材が設けられていてもよい。
【0030】
図5では、ダブルジャケット5は省略されている。図示しないが、平坦な、湾曲した又は傾斜したシェル部材が下方のビード領域10に配置され、上方のシェル部材42に類似する桁構造を構成することができる。
【0031】
スパンドレル24、26の端部32、38は、ジャケットシェル2、4の前記トップ部又は前記ベース部にあり、底部材16、18の直線状の周縁部が曲線状の周縁部へ移行する移行部分を構成する。これは圧力工学の観点から特に重要である。内圧の下で、前記移行部分に生じるピーク応力を低減させるために、図7に示す例では、リブ状の延長部分132a、132bが底部材16、18及びジャケットシェル2、4の共通の輪郭に沿ってトップライン7を超えて伸びている。
【0032】
構造a(左側)では、スパンドレル24は全体に大きく、延長部分132aは左方のトップライン7から突出している。構造b(右側)では、1つのカバーストラップ132bのみがトップライン7を超えて伸びている。
【0033】
図8に示す例では、ジャケットシェル2、4を取り巻く筒状のジャケット領域及び壁6は1つ(構造A)又は2つ(構造B)の部品から作られている。前記部品の平坦な領域6、6a、6bは、湾曲したジャケットシェル2、4に接する縁部102、104を有し、ジャケットシェル2、4の端部は縁部102、104に溶接されている。2部品の構造Bは、それぞれが1つの平坦な領域6a、6bを有する2つのシェル部材2、4を備える。この構造では、前記ジャケットシェルの端部は縁部102、104に溶接され、平坦な領域6a、6bは互いに前記圧力容器の前記長さ方向に溶接されている。
【0034】
前記ジャケットシェルが独自の曲率半径を有するのみならず、前記周縁部が、異なる厚さを有してもよい(図示せず)。この構造により、大きい曲率半径についての一般に高い圧縮応力を均一にすることができる。このような応力最適化構造は軽量化及び圧縮荷重の増大を可能にする。
【0035】
ダブルジャケット5を有する圧力容器では、外側のジャケット5は、圧縮荷重を吸収する構造部材として用いることができる。これは、内側の容器と外側の容器との間の力伝達可能な結合を前提とする。前記結合は、例えば、内側の壁と外側の壁との間に設けられ、前記内側の壁と前記外側の壁との間の点状又は線状の力伝達を可能にする支持桁(図示せず)により実現される。特に脆弱な位置に、前記内側の壁に生じるピーク荷重を前記外側の壁へ効果的に伝達させる前記結合のための追加のノードシート(図示せず)を設けることができる。
【0036】
図9に、タンクコンテナユニット100の中の圧力容器1を示す。圧力容器1は端部リング20によりタンクコンテナユニット100に結合されている。タンクコンテナユニット100は、フックリフトに適し、ロードスキッド101と、機械室102と、折畳み式のレールユニット103とを含み、自給自足の供給ユニットとして使用することができる。
【0037】
本発明の他の変形及び構造は当業者に対して特許請求の範囲から明らかになる。
【符号の説明】
【0038】
1 圧力容器
2、4 ジャケットシェル
2a、2b、2c、4a、4b、4c 周縁部
6 壁
7 トップ部(トップライン)
8、10 ビード領域
9 ベース部(ベースライン)
12 上縁部
14 下縁部
16、18 底部材
24、26、24a、26a スパンドレル
28、34 外側輪郭領域
30、36 内側輪郭領域
32、38 端部
42 シェル部材
47 縁部分
132a、132b 延長部分
100 タンクコンテナユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、平行に配置され、長さ方向にビード領域を形成するほぼ円筒形のジャケットシェルからなり、端部が、湾曲した底部材により閉じられたジャケットを備える圧力容器に関する。八角形に類似する断面形状を有するジャケットシェルを備える圧力容器が知られている(引用文献1ないし4参照)。前記圧力容器は、タンクセミトレーラーのような路上走行車のための輸送コンテナ又は高さ寸法が小さい構造空間を効果的に使用し、材料の重量を減らしつつ高い圧縮強度を確保する容器を要するタンクコンテナに適している。
【背景技術】
【0002】
最大圧縮強度は円形断面により与えられ、水平な長い側部を有する構造空間の矩形断面を使用することは不適当である。高さ寸法が小さい構造空間の断面は、平行ないくつかの完全な円筒形の圧力容器で満たされている(図10)。このような構造により空間の大きな損失が生じる。箱形、楕円形(図11)又は長円形(図12)の断面は必要な圧縮強度を与えない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】独国特許出願公開第3606247号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3125963号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第2951554号明細書
【特許文献4】欧州特許出願公開第1326号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このため、本発明に係る圧力容器が開発された。前記圧力容器は、空間利用に関して完全な円筒形の圧力容器に対して利点があり、圧力工学に関して箱形又は長円形の断面に対して優れている。前記断面は、石油製品に使用されているが、空間を有効に利用することができない。特に長い圧力容器について、圧力工学の観点からビードを結合するためにほぼ円筒形のシェルの間に引張部材を設けることが役立ち、要求されている。この場合、上方又は下方のビード領域の内部へ突入し又は該ビード領域を貫く平坦な壁状の引張部材を製造することが容易である。前記シェルは、互いに隣接し、前記壁に接し、該壁に結合又は溶接されている。
【0005】
空間利用及び(又は)圧縮強度の観点から、ほぼ円筒形のジャケットシェルを有するジャケットを備える圧力容器を改善することが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、本発明に係る圧力容器により解決される。前記圧力容器は、ジャケットシェルと引張部材とを連結するシェル部材を備える。前記シェル部材は、トップ部における屋根部材及びベース部における床部材としてビード領域を閉じ、前記屋根部材及び前記床部材又は前記ビード領域とともに股領域に梁構造を形成する。前記梁構造は内部及び外部の圧縮荷重と転覆荷重とに対する補強をする。
【0007】
捕捉容器のような、特別な構造的特徴を有しない危険物貯蔵用の容器について、ダブルジャケットを要する。
【0008】
前記シェル部材の形状安定性はキャンバー(ここでは、長さ方向の軸線に関して円柱状又は角柱状のキャンバーを意味する。)又は縁部分により高められている。
【0009】
反りを有する床面と前記ジャケット(前記ジャケットシェル)との異なる開放された輪郭により形成された領域が、タンクの前記長さ方向の軸線に対して垂直かつ平坦なスパンドレルにより閉じられている。
【0010】
前記スパンドレルが前記引張部材の端部に結合されている場合、安定性が増す。
【0011】
圧力工学及び生産工学の観点から前記スパンドレルは、外側輪郭領域が底部材の内側の輪郭に沿って伸びているとき、すなわち、前記スパンドレルが前記底部材の中に挿入可能であり、前記ビード領域から前記圧力容器の内部へ突入する内側輪郭領域を有し、前記ジャケットシェルの端部の輪郭が前記スパンドレルの接面に沿って伸びているときに利点を有する。前記ジャケットシェルからなる前記ジャケットは、前記底部材の開放された端部に接する前記ジャケットの端面により常に明確に形成され、対応するスパンドレルは、追加の調整作業又は切込み作業を要することなく、縁部と同一平面上にある。前記外側輪郭領域及び前記内側輪郭領域は、前記ジャケットシェルのトップ部及びベース部において鋭角をなして交差しており、圧力工学に関して前記トップ部及び前記ベース部を補強し、前記圧力容器の内部圧力により前記トップ部及び前記ベース部に生じるピーク応力を吸収する。
【0012】
他の実施例では、前記補強の効果が高められており、前記ピーク応力は、前記スパンドレルの端部に設けられたリブ状の延長部分により吸収される。前記延長部分は、前記底部材及び前記ジャケットシェルの共通の輪郭に沿って、前記ピーク応力が生じる前記トップ部又は前記ベース部を超えて伸びている。
【0013】
前記ジャケットシェルは、異なる曲率をもつ周縁部を有する。上方のビード領域及び下方のビード領域のそれぞれは、前記ジャケットシェルの前記トップ部と前記ベース部とを連結しかつ前記圧力容器の側部腰領域を形成する周縁部の曲率より小さい曲率を有する、すなわち前記周縁部の曲率半径より大きい曲率半径を有する。このため、前記長さ方向に伸びる前記ジャケットシェルの継ぎ目に形成されたビードの厚さを薄くすることができ、圧縮強度を実質的に低減させることなく前記圧力容器の有効な容積を増すことができる。また、前記底部材の開放された断面と前記ジャケットの断面との差が小さいため、より小さなビード領域を取り巻く開口部を有する前記底部材の取付けが容易である。
【0014】
前記上方のビード領域の曲率及び前記下方のビード領域の曲率は、異なるものとすることができる。すなわち、下方のビードの厚さは上方のビードの厚さと異なる。より大きい曲率(より小さい曲率半径)はより厚いビードをもたらし、より小さい曲率(より大きい曲率半径)はより薄いビードをもたらす。前記下方のビード領域における薄いビードは、例えば、残りを生じさせずに個々のジャケットシェルの隣接するベース部を空にすることに役立つ。他方、厚いビードは、該ビードの領域における圧力容器のより高い形状安定性をもたらし、前記圧力容器は、セミトレーラーの長さ方向の桁又はフックリフト装置のローディングスキッドのようなタンクベースに沿って伸びる梁に支持される。
【0015】
前記圧力容器は、周縁部ごとに異なる厚さを有するものとすることができる。
【0016】
本発明に係る輸送コンテナは前記圧力容器を備える。
【0017】
以下の図面に本発明の実施例を示す。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る圧力容器の斜視図。
【図2】図1の線A−Aにおける圧力容器の断面図。
【図3】図1の線B−Bにおける圧力容器の断面図。
【図4】底部材が省略された、図1に示した圧力容器の斜視図。
【図5】スパンドレルを有しない、図4に示した圧力容器の斜視図。
【図6】傾斜したスパンドレルを備える中間壁の斜視図。
【図7】2つの形状を有するスパンドレルを示す図。
【図8A】円筒形のタンク部材の他の断面形状を示す概略図。
【図8B】円筒形のタンク部材の他の断面形状を示す概略図。
【図9】本発明に係る圧力容器を備えるタンクコンテナユニットを示す図。
【図10】2つの円筒形の断面形状を有する従来の圧力容器を示す図。
【図11】楕円形(左半分)及び箱形(右半分)の断面形状を有する従来の圧力容器を示す図。
【図12】長円形の断面形状を有する従来の圧力容器を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1ないし5に示すように、圧力容器1は、それぞれが、平坦な壁6である引張部材に長さ方向に溶接された2つのほぼ円筒形のジャケットシェル2、4を備える(図2及び5)。壁6はジャケットシェル2、4と同じ長さを有する。
【0020】
各ジャケットシェル2、4は、異なる曲率をもつ周縁部2a、2b、2c、4a、4b、4cを有する。周縁部2a、4aは壁6との接合位置からジャケットシェル2、4のトップライン7へ延びている。周縁部2b、4bはトップライン7からジャケットシェル2、4のベースライン9へ延び、周縁部2c、4cはベースライン9から壁6へ延びている。周縁部2b、4bは胴領域において600mmないし1300mmの曲率半径を有し、上方の周縁部2a、4a及び下方の周縁部2c、4cのそれぞれは600mmないし1300mmの曲率半径を有する。
【0021】
このような曲率半径の範囲は、2600mmの最大幅を有するタンクコンテナ又はタンク車に用いられる。他の寸法については、タンクコンテナ又はタンク車(鉄道、トラック)の実際の外径寸法に適した、異なる曲率半径の範囲及び関係を用いることができる。
【0022】
周縁部2a、4aは上方のビード領域8を形成し、周縁部2c、4cは下方のビード領域10を形成している。壁6の上縁部12及び下縁部14はそれぞれ上方のビード領域8の内部及び下方のビード領域10の内部へ突入している。下縁部14はジャケットシェル2、4のベースライン9により形成された面と同じ位置にあり、上縁部12はジャケットシェル2、4のトップライン7により形成された面を超えている。上縁部12及び下縁部14のそれぞれは固定用の面取り部分12a、14aを有する。壁6は、カラー52により補強された開口部50を有する。
【0023】
ジャケットシェル2、4の各端部は、湾曲した底部材16、18により閉じられており(図1及び3)、底部材16、18は、該底部材に取り付けられた端部リング20により容器フレーム22中に挿入することができる(図1及び9)。
【0024】
ビード領域8、10と長円形の底部材との断面の差を補い、閉じるため、ビード領域8、10と長円形の底部材との間に、平坦な金属板であるスパンドレル24、26が前記長さ方向に対して垂直に配置されている。下方のスパンドレル26は外側輪郭領域28を有し(図4)、該外側輪郭領域は、湾曲した底部材16、18の直線状の内側の輪郭に沿ってジャケットシェル2、4の2つのベースライン9の間で伸びている。内側輪郭領域30は、ビード領域10を形成する周縁部2c、4cの輪郭の内方にある。外側輪郭領域28及び内側輪郭領域30は、ベース部(ベースライン9)にある端部32において鋭角をなして交差している。
【0025】
上方のスパンドレル24では、外側輪郭領域34は、湾曲した底部材16、18の直線状の内側の輪郭に沿って内側輪郭領域36の近傍を経て端部38へ伸び、下方のスパンドレル26と同様に、トップ部(トップライン7)で終わっている。下方のスパンドレル26は完全に前記底部材の輪郭の内方にあるのに対して、上方のスパンドレル24の外側輪郭領域34は、前記底部材の輪郭から突出し、面取り部分12aとほぼ同じ高さにおいて前記底部材の輪郭の外方にある。
【0026】
図6に、圧力容器1を横切り、前記長さ方向に対して傾斜するスパンドレル24a、26aを備える実施例(タンクシェル2、4は図示せず)を示す。この構造は、前記引張部材として機能する壁6を短くし、材料及び重量を軽減することを可能にする。タンクから突出する上方のスパンドレル24aの外側輪郭領域は、面取りをされ、面取り部分12aと壁6の端部12とに結合(溶接)されている。
【0027】
ジャケットシェル2、4に開口部40が設けられており、該開口部に、マンホール、注水口、空気抜き穴及び安全バルブポートのような典型的なコンテナポートが挿入される(図4)。
【0028】
前記圧力容器のトップ部に追加のシェル部材42が設けられており、該シェル部材の側部44はジャケットシェル2、4の前記トップ部に溶接され、シェル部材42の端部46は上方のスパンドレル24に溶接されている。シェル部材42の中央部における縁部分47は、面取り部分12aに接し、該面取り部分に栓溶接48により固定されている。このようにして周縁部2a、4aと面取り部分12aを有する壁6の上縁部12とシェル部材42とは補強用の前記長さ方向の桁ユニットを構成している。前記桁ユニットは、その端部が上方のスパンドレル24により閉じられ、これにより補強されている。
【0029】
ジャケットシェル2、4は、図1、2及び4に示した例では、ダブルジャケット5により取り巻かれている。ダブルジャケット5は、圧力容器1のトップ部(ほぼ最高充填レベル)で終わっており、ベース部2b、4cを完全に覆い、2つのベースライン9の間にある下方のビード領域10を完全に覆っている。ダブルジャケット5は、ジャケットシェル2、4が損傷を受けた場合に製品が漏れることを防止する。ダブルジャケット5が追加の外側の底部材(図示せず)により補強され、該底部材が底部材16、18の領域にダブルジャケットを形成していてもよい。圧力容器1のベース部においてダブルジャケット5は補強のために壁6の下縁部14の面取り部分14aに栓溶接により固定されていてもよい。ジャケットシェル2、4の外側における前記ベース部に挿入された中間層(例えば、二重金属板)により前記ベース部に同様の固定がなされ、下方のビード領域10に補強用の桁部材が設けられていてもよい。
【0030】
図5では、ダブルジャケット5は省略されている。図示しないが、平坦な、湾曲した又は傾斜したシェル部材が下方のビード領域10に配置され、上方のシェル部材42に類似する桁構造を構成することができる。
【0031】
スパンドレル24、26の端部32、38は、ジャケットシェル2、4の前記トップ部又は前記ベース部にあり、底部材16、18の直線状の周縁部が曲線状の周縁部へ移行する移行部分を構成する。これは圧力工学の観点から特に重要である。内圧の下で、前記移行部分に生じるピーク応力を低減させるために、図7に示す例では、リブ状の延長部分132a、132bが底部材16、18及びジャケットシェル2、4の共通の輪郭に沿ってトップライン7を超えて伸びている。
【0032】
構造a(左側)では、スパンドレル24は全体に大きく、延長部分132aは左方のトップライン7から突出している。構造b(右側)では、1つのカバーストラップ132bのみがトップライン7を超えて伸びている。
【0033】
図8に示す例では、ジャケットシェル2、4を取り巻く筒状のジャケット領域及び壁6は1つ(構造A)又は2つ(構造B)の部品から作られている。前記部品の平坦な領域6、6a、6bは、湾曲したジャケットシェル2、4に接する縁部102、104を有し、ジャケットシェル2、4の端部は縁部102、104に溶接されている。2部品の構造Bは、それぞれが1つの平坦な領域6a、6bを有する2つのシェル部材2、4を備える。この構造では、前記ジャケットシェルの端部は縁部102、104に溶接され、平坦な領域6a、6bは互いに前記圧力容器の前記長さ方向に溶接されている。
【0034】
前記ジャケットシェルが独自の曲率半径を有するのみならず、前記周縁部が、異なる厚さを有してもよい(図示せず)。この構造により、大きい曲率半径についての一般に高い圧縮応力を均一にすることができる。このような応力最適化構造は軽量化及び圧縮荷重の増大を可能にする。
【0035】
ダブルジャケット5を有する圧力容器では、外側のジャケット5は、圧縮荷重を吸収する構造部材として用いることができる。これは、内側の容器と外側の容器との間の力伝達可能な結合を前提とする。前記結合は、例えば、内側の壁と外側の壁との間に設けられ、前記内側の壁と前記外側の壁との間の点状又は線状の力伝達を可能にする支持桁(図示せず)により実現される。特に脆弱な位置に、前記内側の壁に生じるピーク荷重を前記外側の壁へ効果的に伝達させる前記結合のための追加のノードシート(図示せず)を設けることができる。
【0036】
図9に、タンクコンテナユニット100の中の圧力容器1を示す。圧力容器1は端部リング20によりタンクコンテナユニット100に結合されている。タンクコンテナユニット100は、フックリフトに適し、ロードスキッド101と、機械室102と、折畳み式のレールユニット103とを含み、自給自足の供給ユニットとして使用することができる。
【0037】
本発明の他の変形及び構造は当業者に対して特許請求の範囲から明らかになる。
【符号の説明】
【0038】
1 圧力容器
2、4 ジャケットシェル
2a、2b、2c、4a、4b、4c 周縁部
6 壁
7 トップ部(トップライン)
8、10 ビード領域
9 ベース部(ベースライン)
12 上縁部
14 下縁部
16、18 底部材
24、26、24a、26a スパンドレル
28、34 外側輪郭領域
30、36 内側輪郭領域
32、38 端部
42 シェル部材
47 縁部分
132a、132b 延長部分
100 タンクコンテナユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配置され、長さ方向にビード領域(8、10)を形成するほぼ円筒形のジャケットシェル(2、4)からなり、端部が、湾曲した底部材(16、18)により閉じられたジャケットを備える圧力容器であって、
前記ジャケットシェルの間に平坦な壁(6、6a、6b)である引張部材が配置され、該引張部材の上縁部(12)又は下縁部(14)は前記ビード領域の内部へ伸び又は該ビード領域を貫き、前記長さ方向に伸びかつ前記ジャケットシェルと前記引張部材とを連結するシェル部材(42)が、前記ビード領域に桁構造が形成されるように、前記ジャケットシェルと前記引張部材の面取りされた縁部(12、12a、14、14a)とに固定されている、圧力容器。
【請求項2】
前記シェル部材は、前記ジャケットの少なくとも一部を取り巻き、該ジャケットに固定された外側のジャケットの一部である、請求項1に記載の圧力容器。
【請求項3】
前記シェル部材は、前記長さ方向に伸びるキャンバー又は縁部分(47)を有する、請求項1又は2に記載の圧力容器。
【請求項4】
前記底部材の開放された輪郭は前記ビード領域において前記ジャケットシェルの形状と異なる形状を有し、前記ビード領域は前記長さ方向の軸線に対して垂直かつ平坦なスパンドレル(24、26)により閉じられている、請求項2又は3に記載の圧力容器。
【請求項5】
前記スパンドレルは前記引張部材の端部と前記シェル部材とに固定されている、請求項4に記載の圧力容器。
【請求項6】
前記スパンドレルは、前記ビード領域における前記底部材の内側の輪郭に沿って伸びる外側輪郭領域(28、34)と、前記ビード領域における前記ジャケットシェルの輪郭の内方にある内側輪郭領域(30、36)とを有し、前記外側輪郭領域及び前記内側輪郭領域は、トップ部(7)及びベース部(9)にある端部(32、38)において鋭角をなして交差している、請求項4又は5に記載の圧力容器。
【請求項7】
前記スパンドレルの前記端部はリブ状の延長部分(132a、132b)を有し、該延長部分は前記底部材及び前記ジャケットシェルの共通の輪郭に沿って前記トップ部及び前記ベース部を超えて伸びている、請求項4ないし6のいずれか1項に記載の圧力容器。
【請求項8】
前記ジャケットシェルの少なくとも1つは、上方のビード領域及び下方のビード領域のそれぞれにおける1つの周縁部(2a、2c、4a、4c)と、前記トップ部と前記ベース部との間の1つの周縁部(2b、4b)とを含む、異なる曲率を有する周縁部(2a、2b、2c、4a、4b、4c)を有し、前記トップ部と前記ベース部との間の周縁部の曲率が前記ビード領域における周縁部の曲率より大きい又は前記上方のビード領域における周縁部の曲率が前記下方のビード領域における周縁部の曲率と異なる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧力容器。
【請求項9】
前記周縁部は異なる厚さを有する、請求項8に記載の圧力容器。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力容器を備えるタンクコンテナユニット。
【請求項1】
平行に配置され、長さ方向にビード領域(8、10)を形成するほぼ円筒形のジャケットシェル(2、4)からなり、端部が、湾曲した底部材(16、18)により閉じられたジャケットを備える圧力容器であって、
前記ジャケットシェルの間に平坦な壁(6、6a、6b)である引張部材が配置され、該引張部材の上縁部(12)又は下縁部(14)は前記ビード領域の内部へ伸び又は該ビード領域を貫き、前記長さ方向に伸びかつ前記ジャケットシェルと前記引張部材とを連結するシェル部材(42)が、前記ビード領域に桁構造が形成されるように、前記ジャケットシェルと前記引張部材の面取りされた縁部(12、12a、14、14a)とに固定されている、圧力容器。
【請求項2】
前記シェル部材は、前記ジャケットの少なくとも一部を取り巻き、該ジャケットに固定された外側のジャケットの一部である、請求項1に記載の圧力容器。
【請求項3】
前記シェル部材は、前記長さ方向に伸びるキャンバー又は縁部分(47)を有する、請求項1又は2に記載の圧力容器。
【請求項4】
前記底部材の開放された輪郭は前記ビード領域において前記ジャケットシェルの形状と異なる形状を有し、前記ビード領域は前記長さ方向の軸線に対して垂直かつ平坦なスパンドレル(24、26)により閉じられている、請求項2又は3に記載の圧力容器。
【請求項5】
前記スパンドレルは前記引張部材の端部と前記シェル部材とに固定されている、請求項4に記載の圧力容器。
【請求項6】
前記スパンドレルは、前記ビード領域における前記底部材の内側の輪郭に沿って伸びる外側輪郭領域(28、34)と、前記ビード領域における前記ジャケットシェルの輪郭の内方にある内側輪郭領域(30、36)とを有し、前記外側輪郭領域及び前記内側輪郭領域は、トップ部(7)及びベース部(9)にある端部(32、38)において鋭角をなして交差している、請求項4又は5に記載の圧力容器。
【請求項7】
前記スパンドレルの前記端部はリブ状の延長部分(132a、132b)を有し、該延長部分は前記底部材及び前記ジャケットシェルの共通の輪郭に沿って前記トップ部及び前記ベース部を超えて伸びている、請求項4ないし6のいずれか1項に記載の圧力容器。
【請求項8】
前記ジャケットシェルの少なくとも1つは、上方のビード領域及び下方のビード領域のそれぞれにおける1つの周縁部(2a、2c、4a、4c)と、前記トップ部と前記ベース部との間の1つの周縁部(2b、4b)とを含む、異なる曲率を有する周縁部(2a、2b、2c、4a、4b、4c)を有し、前記トップ部と前記ベース部との間の周縁部の曲率が前記ビード領域における周縁部の曲率より大きい又は前記上方のビード領域における周縁部の曲率が前記下方のビード領域における周縁部の曲率と異なる、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧力容器。
【請求項9】
前記周縁部は異なる厚さを有する、請求項8に記載の圧力容器。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれか1項に記載の圧力容器を備えるタンクコンテナユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2012−513343(P2012−513343A)
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541232(P2011−541232)
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009203
【国際公開番号】WO2010/072400
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(510017398)ダブリューイーダブリュー ヴェスターヴァルダー アイゼンヴェルク ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月21日(2009.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2009/009203
【国際公開番号】WO2010/072400
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(510017398)ダブリューイーダブリュー ヴェスターヴァルダー アイゼンヴェルク ゲーエムベーハー (2)
【Fターム(参考)】
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