説明

農作業機

【課題】一方側係合体と他方側係合体との係合に不具合が生じにくく、両係合体にて動力伝達を適切に行うことができる農作業機を提供する。
【解決手段】農作業機1は、中央作業部2と左右の延長作業部3とを具備する。中央作業部2は回転可能な動力伝達用の一方側係合体31を備え、延長作業部3は一方側係合体31と係合する回転可能な動力伝達用の他方側係合体32を備える。一方側係合体31は周方向に並ぶ複数の係合部43を有し、他方側係合体32は周方向に隣り合う係合部43間に嵌入可能な複数の嵌入部64を有する。嵌入部64が隣り合う係合部43間に嵌入した状態時には、その嵌入部64は係合部43の動力伝達平面46および傾斜面47と接触し、周方向に隣り合う係合部43間には空間部71が残る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一方側係合体と他方側係合体との係合に不具合が生じにくい農作業機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば下記の特許文献1に記載された農作業機が知られている。
【0003】
この従来の農作業機は、走行車であるトラクタの後部に連結される本体部と、本体部に回動可能に設けられ回動により折畳非作業状態および展開作業状態に選択的に切り換えられる左右の折畳作業部とを具備している。本体部は回転可能な動力伝達用の係合体である中央側クラッチ爪を備え、折畳作業部は折畳作業部の展開作業状態時に中央側クラッチ爪と係合する回転可能な動力伝達用の係合体である側部クラッチ爪を備えている。
【0004】
また、側部クラッチ爪は周方向に並ぶ8つの係合部を有し、中央側クラッチ爪は周方向に隣り合う係合部間に嵌入される4つの嵌入部を有している。さらに、係合部の回転方向前後面には側面視で係合部の回転中心軸線に対して平行な方向に沿って位置する平面が形成され、嵌入部の回転方向前後面には側面視で嵌入部の回転中心軸線に対して平行な方向に沿って位置する平面が形成されている。そして、嵌入部が周方向に隣り合う係合部間に嵌入された状態時には、係合部の両平面と嵌入部の両平面とが互いに面接触するようになっている。
【特許文献1】特開2007−117030号公報(図5)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の農作業機では、例えば側部クラッチ爪の周方向に隣り合う係合部間に土が付着した場合等に、その付着土により嵌入部の隣り合う係合部間への嵌入が不十分となり、中央側クラッチ爪と側部クラッチ爪との係合に不具合が生じるおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、一方側係合体と他方側係合体との係合に不具合が生じにくく、両係合体にて動力伝達を適切に行うことができる農作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の農作業機は、走行車に連結される本体部と、この本体部に回動可能に設けられ、回動により折畳非作業状態および展開作業状態に選択的に切り換えられる折畳作業部とを具備し、前記本体部および前記折畳作業部のいずれか一方は、回転可能な動力伝達用の一方側係合体を備え、前記本体部および前記折畳作業部のいずれか他方は、前記折畳作業部の展開作業状態時に前記一方側係合体と係合する回転可能な動力伝達用の他方側係合体を備え、前記一方側係合体は、周方向に並ぶ複数の係合部を有し、前記他方側係合体は、周方向に隣り合う前記係合部間に嵌入される複数の嵌入部を有し、前記嵌入部が周方向に隣り合う前記係合部間に嵌入された状態時には、前記嵌入部が周方向に隣り合う前記係合部の互いに離間対向する面と接触して位置決めされ、周方向に隣り合う前記係合部間には空間部が残るものである。
【0008】
請求項2記載の農作業機は、走行車に連結される本体部と、この本体部に回動可能に設けられ、回動により折畳非作業状態および展開作業状態に選択的に切り換えられる折畳作業部とを具備し、前記本体部および前記折畳作業部のいずれか一方は、回転可能な動力伝達用の一方側係合体を備え、前記本体部および前記折畳作業部のいずれか他方は、前記折畳作業部の展開作業状態時に前記一方側係合体と係合する回転可能な動力伝達用の他方側係合体を備え、前記一方側係合体は、周方向に並ぶ複数の係合部を有し、前記他方側係合体は、周方向に隣り合う前記係合部間に嵌入される複数の嵌入部を有し、前記係合部の回転方向一方側には、側面視で前記係合部の回転中心軸線に対して平行な方向に沿って位置する平面が形成され、前記係合部の回転方向他方側には、側面視で前記係合部の回転中心軸線に対して傾斜する方向に沿って位置し、前記平面との離間距離が前記嵌入部の嵌入方向に向って徐々に減少する傾斜面が形成され、前記嵌入部が周方向に隣り合う前記係合部間に嵌入された状態時には、前記嵌入部が前記係合部の平面および傾斜面と接触して位置決めされ、周方向に隣り合う前記係合部間には空間部が残るものである。
【0009】
請求項3記載の農作業機は、請求項2記載の農作業機において、嵌入部の回転方向一方側には、側面視で前記嵌入部の回転中心軸線に対して傾斜する方向に沿って位置する傾斜面が形成され、前記嵌入部の回転方向他方側には、側面視で前記嵌入部の回転中心軸線に対して平行な方向に沿って位置する平面が形成され、前記嵌入部が周方向に隣り合う係合部間に嵌入された状態時には、前記嵌入部の平面および傾斜面が前記係合部の平面および傾斜面と面接触して位置決めされ、周方向に隣り合う前記係合部間には空間部が残るものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、一方側係合体と他方側係合体との係合に不具合が生じにくく、両係合体にて動力伝達を適切に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の農作業機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図1において、1は農作業機で、この農作業機1は、例えば走行車であるトラクタ(図示せず)の後部に連結されトラクタの走行により圃場を前方に移動しながら代掻き作業等をする3分割折畳式の代掻装置である。
【0013】
農作業機1は、図1に示されるように、トラクタの後部の3点リンク(作業機昇降支持装置)に連結され、トラクタからの動力によって耕耘整地作業をする左右方向長手状の本体部である中央作業部2を備えている。また、農作業機1は、中央作業部2の左右方向両端部に折畳用軸(回動支点)4を中心として上下方向に回動可能に設けられ、その回動により折畳非作業状態および展開作業状態に選択的に切り換えられ、展開作業状態には中央作業部2からの動力によって耕耘整地作業をする左右方向長手状の左右の折畳作業部である延長作業部3とを備えている。
【0014】
両延長作業部3は左右対称の構成とされ、各延長作業部3は折畳用軸4を中心とする一方向への所定角度、例えば略180度回動により中央作業部2の外側方に位置する展開作業状態になり、折畳用軸4を中心とする他方向への所定角度、例えば略180度回動により中央作業部2の上方に位置する折畳非作業状態になる。
【0015】
中央作業部2は、トラクタの後部の3点リンクに連結される左右方向長手状の機体6と、機体6に回転可能に設けられトラクタからの動力によって所定方向に回転して耕耘作業をする耕耘体7と、機体の後端部に上下回動可能に設けられ耕耘体7の後方で整地作業をする整地体8とを有している。
【0016】
機体6は、左右方向中央部にギアボックス10を有し、このギアボックス10には入力軸11が回転可能に設けられている。入力軸11はトラクタのPTO軸にユニバーサルジョイントおよび伝動シャフト等を介して接続される。また、機体6は、左右方向両端部に互いに離間対向する左右の側板部である伝動ケース(図示せず)およびブラケット12を有している。そして、伝動ケースの下部とブラケット12の下部との間に耕耘体7が回転可能に設けられている。
【0017】
耕耘体7は、伝動ケースの下部とブラケット12の下部とにて回転可能に支持され伝動ケース内の伝動手段側から動力を受けて駆動回転する左右方向の耕耘軸である駆動回転軸13を有し、この駆動回転軸13には複数の耕耘爪14が取り付けられている。また、整地体8は、第1整地板(均平板)16およびこの第1整地板16に上下回動可能に連結された第2整地板(レーキ)17等にて構成されている。
【0018】
また、延長作業部3は、中央作業部2の機体6の左右方向両端部に折畳用軸4を中心として上下方向に回動可能に取り付けられた延長機体21と、延長機体21に回転可能に設けられ中央作業部2の耕耘体7からの動力によって所定方向に回転して耕耘作業をする延長耕耘体22と、延長機体21の後端部に上下回動可能に設けられ延長耕耘体22の後方で整地作業をする延長整地体23とを有している。
【0019】
延長耕耘体22は、互いに離間対向する両ブラケット25にて回転可能に支持され耕耘体7の駆動回転軸13側から動力を受けて従動回転する左右方向の耕耘軸である従動回転軸26を有し、この従動回転軸26には複数の耕耘爪27が取り付けられている。また、延長整地体23は、第1整地板(均平板)28およびこの第1整地板28に上下回動可能に連結された第2整地板(レーキ)29等にて構成されている。
【0020】
ここで、中央作業部2の耕耘体7の駆動回転軸13の左右方向両端部である軸方向両端部には、この駆動回転軸13とともに左右方向の回転中心軸線X1を中心として回転可能な動力伝達用の一方側係合体(駆動側クラッチ爪)31が設けられている。
【0021】
また、延長作業部3の延長耕耘体22の従動回転軸26の内端部には、この従動回転軸26とともに左右方向の回転中心軸線X2を中心として回転可能な動力伝達用の他方側係合体(従動側クラッチ爪)32が設けられている。そして、他方側係合体32は、延長作業部3の展開作業状態時に中央作業部2の一方側係合体31と係脱可能に係合し、互いに係合した両係合体31,32によって駆動回転軸13から従動回転軸26へと回転動力が伝達される。
【0022】
一方側係合体31は、図2ないし図4に示すように、中央に軸挿通孔部41が形成された略円形環状で板状の基体部42と、この基体部42の外周面に放射状に一体に突設され回転中心軸線X1を中心とする円周方向に等間隔をおいて並ぶ複数、例えば6つの係合爪部である係合部43とを有している。
【0023】
基体部42の外周面のうち係合部43が設けられていない部分には、基体部42の径方向に対して直交する平面状の面45が形成されている。
【0024】
係合部43の回転方向一方側である回転方向前面側には、側面視で係合部43の回転中心軸線X1に対して平行な方向に沿って位置する平面である動力伝達平面(駆動面)46が形成されている。係合部43の回転方向他方側である回転方向後面側の一方側(図3中、左側)には、側面視で係合部43の回転中心軸線X1に対して傾斜する方向に沿って位置し、動力伝達平面46と離間対向してこの動力伝達平面46との離間距離が他方側係合体32の嵌入部64の嵌入方向に向って徐々に減少する傾斜面47が形成されている。係合部43の回転方向後面側の他方側(図3中、右側)には、動力伝達平面46と平行な対向平面48が形成されている。
【0025】
また、係合部43は、反嵌入方向に向って先細状の山状部51を有し、この山状部51は、頂部52と、2つの傾斜面状のガイド面53,54と、2つの傾斜面55,56とにて構成されている。
【0026】
他方側係合体32は、図5ないし図7に示すように、中央に軸挿通孔部61が形成され外周側に複数の取付孔部62が形成された略円形環状で板状の基体部63と、この基体部63の係合部43と対向する側の面に一体に突設され係合部43と対応するように回転中心軸線X2を中心とする円周方向に等間隔をおいて並ぶ複数、例えば6つの凸状の嵌入部64とを有している。そして、嵌入部64は、延長作業部3の展開作業状態時に一方側係合体31の周方向に隣り合う係合部43間に嵌入される(図8参照)。
【0027】
嵌入部64の回転方向一方側である回転方向前面側には、側面視で嵌入部64の回転中心軸線X2に対して傾斜する方向に沿って位置する傾斜面67が形成されている。嵌入部64の回転方向他方側である回転方向後面側には、側面視で嵌入部64の回転中心軸線X2に対して平行な方向に沿って位置する平面である動力被伝達平面(被駆動面)66が形成されている。
【0028】
また、嵌入部64には、係合部43のガイド面53,54と面接触しこのガイド面53,54にて案内される案内される傾斜面状の被ガイド面68,69が形成されている。さらに、嵌入部64には、回転中心軸線X2側を向き、係合部43の面45と対向する湾曲面状の面70が形成されている。なおこの面70は、図5等に示されるように嵌入方向前側ほど回転中心軸線X2からの離間距離が増大するように回転中心軸線X2に対して傾斜している。
【0029】
そして、図8に示されるように、延長作業部3の展開作業状態時、つまり延長作業部3の他方側係合体32の嵌入部64が中央作業部2の一方側係合体31の周方向に隣り合う係合部43間に嵌入された状態時には、嵌入部64の動力被伝達平面66および傾斜面67が係合部43の動力伝達平面46および傾斜面47とそれぞれ面接触して位置決めされ、周方向に隣り合う係合部43間にはその嵌入部64の嵌入方向前面である被ガイド面53,54に臨んだ空間部71が残る。すなわち例えば嵌入部64が互いに隣り合う係合部43間に嵌入された状態時には、一方の係合部43の動力伝達平面66と他方の係合部43の対向平面48との間に空間部71が存在する。
【0030】
次に、上記農作業機1の作用等を説明する。
【0031】
例えば最大の作業幅で作業をする場合、左右の延長作業部3を展開作業状態に設定する。
【0032】
すなわち中央作業部2に対して左右の延長作業部3を折畳用軸4を中心として展開方向へ所定角度回動させると、左右の延長作業部3は、中央作業部2の左右両側方に位置してこの中央作業部2と左右方向に沿って一直線に並んだ展開作業状態になる。
【0033】
このとき、延長作業部3の展開方向への回動により耕耘体7の一方側係合体31と延長耕耘体22の他方側係合体32とが互いに係合し、耕耘体7の駆動回転軸13と延長耕耘体22の従動回転軸26とが両係合体31,32を介して接続される。
【0034】
すなわち、延長作業部3の他方側係合体32の嵌入部64は、延長作業部3の展開方向への回動に伴って一方側係合体31側に向う方向である嵌入方向に移動してその一方側係合体31の周方向に隣り合う係合部43間に入り込み、嵌入部64の動力被伝達平面66および傾斜面67と係合部43の動力伝達平面46および傾斜面47とが面接触して位置決めされる。そして、この位置決めされた嵌入状態では、一方側係合体31の回転中心軸線X1と他方側係合体32の回転中心軸線X2とが一直線上に位置して両回転軸13,26の軸芯が一致し、また、周方向に隣り合う係合部43間には、嵌入部64より嵌入方向前方側に空間部71が残る。
【0035】
なお、この際、嵌入部64の被ガイド面68,69が係合部43のガイド面53,54にて案内されることにより、嵌入部64は隣り合う係合部43間にスムーズに入り込む。
【0036】
そして、この状態で、トラクタの走行により農作業機1が圃場上を移動し、中央作業部2の耕耘体7の駆動回転軸13が駆動回転すると、動力伝達平面46から動力被伝達平面66に動力が伝達されることにより延長作業部3の延長耕耘体22の従動回転軸26が従動回転し、こうして耕耘体7および延長耕耘体22にて耕耘作業が行なわれ、またその後方で整地体8および延長整地体23にて整地作業が行なわれる。
【0037】
なお、中央作業部2のみで作業をする場合は、左右の延長作業部3を折畳非作業状態に設定する。すなわち中央作業部2に対して左右の延長作業部3を折畳用軸4を中心として折畳方向へ所定角度回動させると、左右の延長作業部3は、中央作業部2の上方に位置する非作業状態になる。このとき、延長作業部3の回動により一方側係合体31と他方側係合体32との係合が解除される。この状態でトラクタの走行により農作業機1を移動させると、耕耘体7にて耕耘作業が行なわれ、整地体8にて整地作業が行なわれる。
【0038】
なお、中央作業部2と左右いずれか一方の延長作業部3とで作業をする場合には、左右の延長作業部3のいずれか一方を展開作業状態に設定しかつ左右の延長作業部3のいずれか他方を折畳非作業状態に設定する。
【0039】
そして、このような農作業機1によれば、延長作業部3の他方側係合体32の嵌入部64が中央作業部2の一方側係合体31の周方向に隣り合う係合部43間に嵌入された状態時において、その嵌入部64の動力被伝達平面66および傾斜面67が係合部43の動力伝達平面46および傾斜面47と面接触して位置決めされ、周方向に隣り合う係合部43間には空間部71が残るため、例えば係合部43に土が付着していたとしてもその土を空間部71に逃がすことができ、よって一方側係合体31と他方側係合体32との係合に不具合が生じにくく、両係合体31,32にて動力伝達を適切に行うことができる。
【0040】
また、一方側係合体31の係合部43の動力伝達平面46と他方側係合体32の嵌入部64の動力被伝達平面66とが互いに面接触する構成であるから、
動力伝達平面46および動力被伝達平面66を介して適切かつ効率良く動力伝達を行うことができる。
【0041】
さらに、他方側係合体32の嵌入部64が一方側係合体31の周方向に隣り合う係合部43間に嵌入されることにより、回転中心軸線X1と回転中心軸線X2とが一直線上に位置して両回転軸13,26の軸芯が一致するため、例えば組立て時等において軸芯合わせの工具が不要となり、組立て時間の短縮化を図ることができる。
【0042】
なお、他方側係合体32は、図9ないし図11に示す形状でもよい。
【0043】
この他方側係合体32は、中央に軸挿通孔部81が形成された略円形環状で板状の基体部82と、この基体部82の内周縁部に設けられた円筒状部83と、この円筒状部83の外周面に放射状に突設され係合部43と対応するように回転中心軸線X2を中心とする円周方向に等間隔をおいて並ぶ複数、例えば6つの嵌入部84とを有している。各嵌入部84は、回転中心軸線X2に対して直交する方向に沿って位置し円筒状部83の径方向に軸方向を有する丸軸85にて構成されている。
【0044】
そして、図11に示されるように、延長作業部3の展開作業状態時、つまり延長作業部3の他方側係合体32の嵌入部84が中央作業部2の一方側係合体31の周方向に隣り合う係合部43間に嵌入された状態時には、その嵌入部84は係合部43の動力伝達平面46および傾斜面47とそれぞれ接触して位置決めされ、周方向に隣り合う係合部43間にはその嵌入部84の嵌入方向前面に臨んだ空間部90が残る。
【0045】
したがって、図9ないし図11に示す他方側係合体32を備えた構成でも、上記実施の形態と同様、一方側係合体31と他方側係合体32との係合に不具合が生じにくく、両係合体31,32にて動力伝達を適切に行うことができる。
【0046】
なお、いずれの実施の形態においても、中央作業部2が一方側係合体31を備えかつ延長作業部3が他方側係合体32を備える構成について説明したが、例えば中央作業部2が他方側係合体32を備えかつ延長作業部3が一方側係合体31を備える構成でもよい。
【0047】
また、センタドライブ方式には限定されず、例えば延長作業部3が駆動回転軸13を備えかつ中央作業部2が従動回転軸26を備えるサイドドライブ方式のものでもよい。
【0048】
さらに、例えば係合部の回転方向前後面に側面視で回転中心軸線X1に対して傾斜する方向に沿って位置する傾斜面を形成し、嵌入部が周方向に隣り合う係合部の互いに離間対向する両傾斜面と接触して位置決めされて空間部が残る構成等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施の形態に係る農作業機の折畳状態の側面図である。
【図2】同上農作業機の一方側係合体の正面図である。
【図3】同上一方側係合体の側面図である。
【図4】同上一方側係合体の斜視図である。
【図5】同上農作業機の他方側係合体の正面図である。
【図6】同上他方側係合体の側面図である。
【図7】同上他方側係合体の斜視図である。
【図8】同上両係合体が係合した状態の側面図である。
【図9】本発明の他の実施の形態に係る農作業機の他方側係合体の正面図である。
【図10】同上他方側係合体の側面図である。
【図11】同上両係合体が係合した状態の側面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 農作業機
2 本体部である中央作業部
3 折畳作業部である延長作業部
31 一方側係合体
32 他方側係合体
43 係合部
46 係合部の平面である動力伝達平面
47 係合部の傾斜面
64 嵌入部
66 嵌入部の平面である動力被伝達平面
67 嵌入部の傾斜面
71 空間部
84 嵌入部
90 空間部
X1 係合部の回転中心軸線
X2 嵌入部の回転中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行車に連結される本体部と、
この本体部に回動可能に設けられ、回動により折畳非作業状態および展開作業状態に選択的に切り換えられる折畳作業部とを具備し、
前記本体部および前記折畳作業部のいずれか一方は、回転可能な動力伝達用の一方側係合体を備え、
前記本体部および前記折畳作業部のいずれか他方は、前記折畳作業部の展開作業状態時に前記一方側係合体と係合する回転可能な動力伝達用の他方側係合体を備え、
前記一方側係合体は、周方向に並ぶ複数の係合部を有し、
前記他方側係合体は、周方向に隣り合う前記係合部間に嵌入される複数の嵌入部を有し、
前記嵌入部が周方向に隣り合う前記係合部間に嵌入された状態時には、前記嵌入部が周方向に隣り合う前記係合部の互いに離間対向する面と接触して位置決めされ、周方向に隣り合う前記係合部間には空間部が残る
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】
走行車に連結される本体部と、
この本体部に回動可能に設けられ、回動により折畳非作業状態および展開作業状態に選択的に切り換えられる折畳作業部とを具備し、
前記本体部および前記折畳作業部のいずれか一方は、回転可能な動力伝達用の一方側係合体を備え、
前記本体部および前記折畳作業部のいずれか他方は、前記折畳作業部の展開作業状態時に前記一方側係合体と係合する回転可能な動力伝達用の他方側係合体を備え、
前記一方側係合体は、周方向に並ぶ複数の係合部を有し、
前記他方側係合体は、周方向に隣り合う前記係合部間に嵌入される複数の嵌入部を有し、
前記係合部の回転方向一方側には、側面視で前記係合部の回転中心軸線に対して平行な方向に沿って位置する平面が形成され、
前記係合部の回転方向他方側には、側面視で前記係合部の回転中心軸線に対して傾斜する方向に沿って位置し、前記平面との離間距離が前記嵌入部の嵌入方向に向って徐々に減少する傾斜面が形成され、
前記嵌入部が周方向に隣り合う前記係合部間に嵌入された状態時には、前記嵌入部が前記係合部の平面および傾斜面と接触して位置決めされ、周方向に隣り合う前記係合部間には空間部が残る
ことを特徴とする農作業機。
【請求項3】
嵌入部の回転方向一方側には、側面視で前記嵌入部の回転中心軸線に対して傾斜する方向に沿って位置する傾斜面が形成され、
前記嵌入部の回転方向他方側には、側面視で前記嵌入部の回転中心軸線に対して平行な方向に沿って位置する平面が形成され、
前記嵌入部が周方向に隣り合う係合部間に嵌入された状態時には、前記嵌入部の平面および傾斜面が前記係合部の平面および傾斜面と面接触して位置決めされ、周方向に隣り合う前記係合部間には空間部が残る
ことを特徴とする請求項2記載の農作業機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−189289(P2009−189289A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−32700(P2008−32700)
【出願日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(000188009)松山株式会社 (285)
【Fターム(参考)】