説明

農芸化学組成物

農芸化学組成物
本発明は農芸化学組成物、特に水溶性農芸化学活性成分及びアジュバント;好ましくは少なくとも1つの第3アミン基又は第3窒素を有する環状アミン又は環状アミドを含有する水性農芸化学組成物に関する。本発明のアミン又はアミドは好ましくは、キヌクリジン又はその塩、N−(アミノプロピルモルフィリン又はその塩、1−(2−ヒドロキセチル−2−イミダゾリジノン)及びアミノエチルピペラジン又はその塩から選択されたアミン又はアミドである。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
本発明は農芸化学組成物、特に農芸化学活性成分及びアジュバントを含む水性組成物に関する。
【0002】
農芸化学活性成分は一般に、界面活性剤であるアジュバントと組合わせて利用されることが多い。最も一般的には、活性成分の生物性能(bioperformance)を増強させる目的で添加され、数多くのこのような生物性能増強用アジュバントが当業者にとって既知のものである。我々は現在、一部のアミン又はアミドが、ほとんど又は全く界面活性剤特性をもたないにもかかわらず有効な生物性能増強を提供することを発見している。
【0003】
本発明に従うと、農芸化学活性成分及びアジュバント、好ましくは少なくとも1つの第3アミン基又は第3窒素を有する環状アミン又は環状アミドを含む農芸化学組成物が提供されている。本発明のアミン又はアミドは好ましくは、キヌクリジン又はその塩、N−(アミノプロピルモルフィリン又はその塩、1−(2−ヒドロキセチル−2−イミダゾリジノン)及びアミノエチルピペラジン又はその塩から選択されたアミン又はアミドである。
【0004】
本発明のアミン又はアミドは塩基性化合物であり、その塩基性形態で使用される場合、塩基感応性農芸化学物質(例えばパラコート)及び、又は塩基感応性製剤化剤(例えばアルコールエトキシラート界面活性剤)と非相溶性を示すと同時にヒトへの曝露にとっては潜在的危険性があるかもしれない。従って、通常の使用の場合特に塩基感応性農芸化学物質及び/又は製剤化剤と共に使用される場合には、本発明のアミンは全体又は部分的に中和されることが好ましい。本発明のアミン又はアミドは、例えば塩酸といったハロゲン化酸などの鉱酸、又は酢酸といったような有機酸の添加によって適切に中和され得る。しかしながら本発明のアミン又はアミドを、以下でより詳細に記述する通りアニオン界面活性剤を含めた任意の適切なあらゆるアニオン酸種の添加によって中和することもできる。
【0005】
本書中で使用される「本発明のアミン又はアミドの塩」という用語は、アニオン種により全体的又は部分的に中和されるか否かに関わらず本発明のアミン又はアミドを内含し、必ずしも組成物中のアニオン種及びアミン又はアミドカチオンの物理的会合を暗に意味しているわけではない。該発明の組成物内に取込む前に本発明のアミン又はアミドを中和する又は部分的に中和することが一般に適切となる。
【0006】
本書で使用される「農芸化学活性成分」という用語は、制限的意味なく、殺虫剤、殺真菌剤、植物成長調整剤及び種子処理剤を内含する。農芸化学組成物は水性組成物であることが好ましく、農芸化学活性成分は水溶性農芸化学活性物質であることが好ましい。水性農芸化学組成物は一般に噴霧により標的に散布され得、組成物は、散布の前に水と希釈するように設計された濃縮物であってもよいし又は直ちに散布できるものであってもよい。特定的には、本発明のアミン又はアミド或いはアミン又はアミドの塩又は短鎖アルキル第4アンモニウム塩は、タンクミックスとして散布に先立ち噴霧組成物中に取込まれてもよいし又は使用前に希釈させるよう意図された農芸化学濃縮物の1成分を形成していてもよい。本発明のアミン又はアミドの塩の特別な利点は、水中に直ちに溶解し一般に水溶性農芸化学物質と相溶性をもつことにある。かくして、本発明のアミン又はアミドの塩又は短鎖アルキル第4アンモニウム塩は、水溶性活性成分を含む濃縮物に「組込む」のに特に適している。
【0007】
適切な農芸化学活性成分は当業者にとって既知であり「殺虫剤マニュアル(Pesticide Manual)」といったような標準的参考図書に列挙されている。適切な水溶性活性成分の例としては、パラコート、ダイコート、グリフォサート、ホメサフェン、チアメトキサム、メソトリオン、トリフロキシスルフロン又はそれらの混合物に言及することができる。「水溶性」農芸化学物質という用語は、少なくとも1g/l、そして好ましくは少なくとも4g/l、例えば少なくとも100g/lの水中溶解度をもつ農芸化学物質を意味する。当然のことながら、数多くの農芸化学物質は、例えば300g/l以上又は最高500又は600g/l以上といったはるかに高い溶解度を有する。パラコート及びダイコート及びその混合物は特に適切な水溶性農芸化学活性成分である。
【0008】
以下の記述は、好ましい水溶性農芸化学活性物質に焦点をあてているが、該発明ではその他の農芸化学活性物質も使用可能であることを理解すべきである。
【0009】
好ましくは、該発明に従った水性組成物は、ビピリジリウムイオンとして表現されるパラコート又はダイコート又はその混合物(個別又は本書で言及されているビピリジリウム塩との組合せの形)を1リットルあたり少なくとも40グラム含有している。組成物は、例えば1リットルあたり100グラム超といったように、1リットルあたり50グラム超のビピリジリウムイオンを含有し得る。1リットルあたり200グラム以上を含有する組成物を調製することもできるが、約250又は300g/lを超えるパラコート濃度は不安定となる傾向をもつ。一般に、組成物は1リットルあたり400グラム超のビピリジリウムイオンを含有しない。
【0010】
かくして、本発明のさらなる態様に従うと、パラコート又はダイコート又はその混合物、ならびに、キヌクリジンの塩、N−(アミノプロピル)モルフィリンの塩、1−(2−ヒドロキセチル−2−イミダゾリジノン)又はアミノエチルピペラジンの塩から選択されたアジュバントを含む水溶性農芸化学組成物が開示されている。
【0011】
本発明のさらにもう1つの態様に従うと、パラコート又はダイコート及びキヌクリジンの塩、N−(アミノプロピル)モルフィリンの塩、1−(2−ヒドロキセチル−2−イミダゾリジノン)又はアミノエチルピペラジンの塩を含む水性農芸化学組成物において、パラコート又はダイコートの濃度が100g/l超である組成物が開示されている。
【0012】
標準的には、該発明のパラコート又はダイコート組成物のpHは、3.0〜8.0そして好ましくは4.0〜8.0となる。一般に、アミンのpHは、酸でほぼパラコート又はダイコート組成物のものに調整され、充分塩基性であるアミンの窒素原子はプロトン化された状態となる。我々は、アミンが一般に皮膚科学的危険性を示す傾向にあるのに対し、本発明に使用されている部分的に中和されたアミンで問題が大幅に低減されるということを発見した。
【0013】
本発明の範囲は、いずれかの特定のビピリジル組成物に制限されるわけではないが、該発明は、WO02/076212A1に記述されているもののようなビピリジリウム殺虫剤の水性製剤と共に用いるのに特に適している。WO02/076212においては、パラコート塩、ダイコート塩又はその混合物を含む殺虫剤組成物の製造においてpH誘因型ゲル化剤としてアルギン酸塩を使用することが記述されている。該組成物はさらに、ヒト胃液組成物の酸性pHでpH誘因型ゲル効果が起こるような形で、催吐剤及び/又は下剤を含む。一般にこのような組成物中では、殺虫剤の生物性能を改善するべくかかる組成物中に単数又は複数の界面活性剤又はアジュバントを包含することが望ましい。WO02/076212中には考えられる数多くのアジュバントが列挙されている。その上、組成物は好ましくは硫酸マグネシウムといったような下剤も含有する。我々は現在、物理的相溶性の問題がWO02/076212内に列挙されている数多くのアジュバントに関して発生し得るということを発見した。このような相溶性の問題は、比較的高濃度のビピリジリウムイオン(例えば100g/l超そして特に濃度が約200g/l以上に達する場合)で深刻になる。その上、WO02/076212号中で推奨されている下剤電解質硫酸マグネシウムが比較的高濃度で存在する場合、潜在的な相溶性の問題はさらに増大する。かくして、WO02/076212は、該発明の組成物が下剤、好ましくは硫酸マグネシウムを含む場合、硫酸マグネシウムの濃度を好ましくは組成物1リットルあたり10〜400グラム、より好ましくは10〜100グラムとすることを勧告している。例えば1リットルあたり最高400グラムといったさらに高い濃度の硫酸マグネシウムを使用することもでき、下剤効果の増大を提供し続けることができるが、このような高レベルの硫酸マグネシウムは、製剤の安定性に不利な効果を有し得る。上述のように、実際には、製剤安定性は同様に例えば100g/l前後といった400g/l未満の濃度でも損なわれる可能性があるということを我々は発見した。
【0014】
ビピリジル組成物中で使用されるアジュバントとの関係における物理的非相溶性という用語は、バルク均質性又は製剤のレオロジーの有意な変化が伴う又は伴わない可能性のある組成物の単数又は複数の成分のいずれかの撤底的な分離を表わしている。該組成物がバルク内で実質的に均質であることを条件として、該組成物が厳密に物理的な意味で完全に均質であることは必須ではない。かくして、分離した相がバルク内で完全に分散した状態にとどまっていることを条件として、第2の相のわずかな分離は受容可能であり得る。しかしながら、分離した相がバルク内で完全に分散しておらず例えば組成物の表面まで上昇している場合、該組成物はバルク均質性を示さない可能性があり、バルクの1部分から取られた試料はそのバルクの異なる部分から取られた試料と異なる組成を有するかもしれない。これは明らかに数多くの理由で望ましいことではない。物理的相溶性という用語は、以上で定義づけしたとおりの物理的非相溶性の逆を表わす。
【0015】
我々は、約120g/l硫酸マグネシウム七水化物及びアルギン酸塩の存在下での約80g/lのダイコート及び約120g/lのパラコートを含むWO02/076212号の組成物が、同書中で列挙されているアジュバントを数多く取込もうとした場合に物理的非相溶性を示し得るということを発見した。かくして、獣脂アミンエトキシラートが約10g/lを上回るレベルで取込まれた場合に物理的分離が観察された。約10g/lを超えるレベルでドデシルベンゼンスルホナートのナトリウム塩を取込もうとした場合に2つの相が形成された。10g/l未満の濃度でもナトリウムジオクチルスルホスクシナートを取込もうと試みた場合にも、2つの相が形成された。50g/lのレベルでアルキルエトキシカルボキシラートを取込むことを試みた場合に幾分かの物理的分離が観察されており、該アジュバントはこれより低いレベルでさえも受容できないものとなると考えられている。一部分のアルコールエトキシラートでは、10g/l未満の濃度でさえ非常に低い相溶性が見られた。単数又は複数の成分の濃度を低減させること又は全て低い濃度でアジュバントを入念に配合することによってこのような相溶性の問題を克服するか又は緩和できるかもしれないが、比較的高い負荷でWO02/076212に記述されている組成物中で相溶性を有しそれでもなお、潜在的非相溶性を示す従来のアジュバントと同等の又はそれより大きく低下していない優れた生物性能の増強を示すアジュバントに対するニーズが存在する。我々は、本発明のアミン又はアミドアジュバント特にアミノエチルピペリジン(AEP)がこのニーズを満たすことを発見した。かくして、例えば、AEPは、少なくとも40g/lといった大量の実際のアミンの投入量でWO02/076212号の組成物と相容性を有する。
【0016】
本発明のさらにもう1つの態様に従うと、パラコート又はダイコート及びキヌクリジンの塩、N−(アミノプロピルモルフィリンの塩、1−(2−ヒドロキセチル−2−イミダゾリジノン)又はアミノエチルピペラジンの塩を含む水性農芸化学組成物において、パラコート又はダイコートの濃度が100g/l超であり、しかもさらに10〜400グラム/リットル例えば10〜100グラム/リットルの硫酸マグネシウムといった電解質下剤を含有する水性農芸化学組成物が提供されている。
【0017】
本発明のさらにもう1つの態様に従うと、パラコート又はダイコート及びキヌクリジンの塩、N−(アミノプロピルモルフィリンの塩、1−(2−ヒドロキセチル−2−イミダゾリジノン)又はアミノエチルピペラジンの塩を含む水性農芸化学組成物において、パラコート又はダイコートの濃度が100g/l超であり、しかも、10〜400グラム/リットル、例えば10〜100グラム/リットルの硫酸マグネシウムといった電解質下剤と共に、pH誘因型ゲル効果をヒトの胃液の酸性pHで起こすようにするpH誘因型ゲル化剤をさらに含んで成る組成物が提供されている。
【0018】
本発明のアミン又はアミドは単独のアジュバントとして用いられた場合、有効な生物性能の増強を提供することができる。しかしながら、本発明のアミン又はアミドを第2のアジュバントと組合わせた形で使用することに利点が存在し得る。該第2のアジュバントは、好ましくは、界面活性剤である。使用可能な界面活性剤には特定の制限は全く無く、当業者には数多くの例が思い浮かぶことであろう。我々は、アニオン、カチオン、非イオン、両性又は双性イオン界面活性剤が有効であることを発見した。
【0019】
当然のことながら、第2のアジュバントも同様にWO02/076212号の中で記述されているものといったような組成物との受容可能な相溶性を示すことが望ましいが、第2のアジュバントは本発明のアミン又はアミドアジュバントのものよりも低い濃度で存在することも充分可能であり、かくしてこの側面はさほど重大なものではないかもしれない。適切な第2のアジュバントの例としては、アルキルポリグリコシド、ベタイン、アルキルエトキシホスファート及びその塩、アルコールエーテルカルボン酸及びその塩、アルコールエーテルスルファート及びその塩に言及することができる。より高い濃度で物理的非相溶性を示し得るもののアミンアジュバントと比べ比較的低いレベルで取込まれている場合にはなお受容可能でありうる第2のアジュバントの例としては、アルコールエトキシラート、アミンエトキシラート、アミンオキシド及び第4アンモニウム塩といったようなカチオン界面活性剤を挙げることができる。
【0020】
適切なアルキルポリグリコシド(APG)の例としては、例えば1.5〜2.0の重合度をもつC8−10アルキルポリグリコシドを挙げることができる(市販の例としてはAQNIQUE8107-Uが含まれる)。アミンエトキシラートの例としては、例えばC12−18アルキルアミンエトキシラート(5〜50モル)を挙げることができる。市販の例としては、SYNPROLAM35×15、ETHOMEEN C25又はT25が含まれる。第4アンモニウム塩及びエトキシル化第4アンモニウム塩の例には、C8−18アルキルトリアルキルアンモニウムハロゲン化物が含まれる(市販の例にはARQUAD16-50が含まれる)。アミンオキシドの例としては、C12−18飽和又は不飽和アルキル−ジメチルアミンオキシドが含まれる(市販の例にはAROMOX MCD-Wが含まれる)。ベタインの例としては、例えばアルキルジメチルベタイン及びアルキルアミドプロピルベタインがあり、ここでアルキル鎖の長さはC12−18であり得る(市販の例にはTEGOBETAINE F50が含まれる)。アルキルエトキシホスファートの例としては、例えばC4−18アルキルエトキシ(2−10モル)モノ、ジ又はセスキホスファートエステル(酸、無機又は有機酸として)が含まれる。市販の例としては、CRODAFOS T5A、N10A及びGERONOL CF/ARが含まれる。アルコールエーテルカルボキシラートの例としては、例えば、C8−18アルコールエトキシラート(2−15モル)カルボキシラート(酸、無機又は有機塩として)のものがある。市販の例にはEMPICOL CBF、CBJ及びCED-5が含まれる。アルコールエーテルスルファートの例としては、例えばC8−18アルコールエトキシラート(2−10モル)スルファート(酸、無機又は有機塩として)が含まれる。市販の例にはEMPICOL、EAC70、EGC70及びESC70が含まれる。
【0021】
上述のように本発明のアミン又はアミドは、アニオン界面活性剤又は酸性形態をもつ界面活性剤と1つの塩を形成し得る。望ましい場合、このような塩は、例えば水溶液中のアニオン界面活性剤と本発明のアミンの反応により予め形成可能であるが、かかる予備反応が特に必要であるわけではない。
【0022】
本発明のアミン又はアミド対第2のアジュバント又は補アジュバント(co-adjuvant)の重量比は、例えば50:1〜1:50、特に10:1〜1:10重量比といった広い限界内で変動可能である。
【0023】
本発明のアミン又はアミド対農芸化学活性成分の重量比は、好ましくは1:20〜10:1、例えば1:10〜1:2である。本発明のアミン又はアミドが単数又は複数の付加的アジュバント例えば付加的界面活性剤と組合せた形で使用される場合、全アジュバント(本発明のアミンと付加的なアジュバントを加えたもの)の重量は、好ましくは1:10〜10:1、例えば1:5〜10:1である。組成物は、当該技術分野において従来通りのさらなる添加物を含有していてよい。
【0024】
該発明は、以下の実施例において例示されているが、ここで全ての部分量及び百分率は、相反する記載のないかぎり、重量で表わされている。
【0025】
実施例1
本発明のアミン又はアミドの存在下でのパラコートの生物性能の増強を評価した。アミン又はアミドをテストし結果を表1に提示している。全て合計噴霧体積に基づき0.5重量%(アミン塩の重量に基づく)のキヌリジンN−(アミノプロピル)モルフィリン(親アミンの重量に基づく)又は1−(2−ヒドロキシセチル−2−イミダゾリジノン)(アミドの重量に基づく)を含有する二塩化パラコートの水性製剤を8つの代表的雑草種に10、20及び40g/ha(パラコートイオンに基づく)の割合で移動軌道式噴霧装置を用いて散布した。噴霧体積は、200l/haと等価であった。アミノエチルピペラジンについては該製剤は0.625重量%のアミン(親アミンに基づく)を含有していた。
【0026】
各テストを3回反復し、処置後7日目の生物学的データ(活性%、なおここで0%は除草効果無しを、100%は完全な枯死を表わす)を、組合せたレート全体にわたる平均的応答に基づく全ての種の平均として表1に表わしている。結果を、塩化パラコートのみを含有する等価の製剤と比較する。
【0027】
【表1】

【0028】
実施例2及び3
200g/lパラコート及び72g/lの合計アジュバントをアルギン酸塩ゲル化剤と共に含有するWO02/076212号の組成物を、以下の方法を用いて生物活性について評価した。
【0029】
標的植物が一範囲の穴のあいた広葉及びイネ科雑草である8カ所において実地試験を実施した。200g/lのパラコート組成物を、75,150&300g/haのパラコートイオン散布率で、そしてイネ科雑草が分けつをしておりかつ広葉雑草が枝分れしている雑草成長段階では200g/haの散布体積で、葉面散布として散布した(註。0%の雑草制御は、除草効果無しをそして100%の雑草制御は完全な枯死を表わす)。
【0030】
比較1では、WO02/076212の中で例示されているものの中から使用アジュバントを選択した。例2では、比較1で使用した合計アジュバントの72g/lのうち28g/lをAEP<マ>で置換した。例3では、比較1で使用した合計アジュバントのうち37g/lをAEPで置換した。雑草制御%で表現された結果は、散布から7日後に査定したものであり、テスト対象の全ての種の平均であり適用した全ての割合の平均である。全ての複製の平均及び全ての実施試験の平均は以下の通りであった。
【0031】
【表2】

【0032】
従来のアジュバント系の39%及び51%をそれぞれAEPで置換することによって、生物学的性能に対する有害な効果は全くないことがわかるだろう。約120g/lの硫酸マグネシウム七水化物の存在下にある対応する製剤は、従来の界面活性剤をAEPで置換した場合(顕微鏡検査により証明されるように)物理的相容性の有意な改善を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農芸化学活性成分及びアミン又はアミドアシュバントとして少なくとも1つの第3アミン基又は第3窒素を有する、環状アミン又は環状アミドを含む農芸化学組成物。
【請求項2】
前記農芸化学活性成分が、パラコート、ダイコート、グリフォサート、ホメセイフェン、チアメトキサム、メソトリオン、トリフロキシスルフロン又はそれらの混合物から成る群から選択されている、請求項1に記載の農芸化学組成物。
【請求項3】
前記農芸化学活性成分がパラコート又はダイコート又はそれらの混合物である、請求項2に記載の農芸化学組成物。
【請求項4】
パラコート又はダイコート又はその混合物の濃度が100g/l超である、請求項3に記載の農芸化学組成物。
【請求項5】
前記アミン又はアミドアジュバントがキヌクリジン又はその塩、N−(アミノプロピルモルフィリン又はその塩、1−(2−ヒドロキセチル−2−イミダゾリジノン)及びアミノエチルピペラジン又はその塩から成る群から選択される、請求項1に記載の農芸化学組成物。
【請求項6】
アミン又はアミドアジュバント対農芸化学活性成分の重量比が好ましくは1:20〜10:1である、請求項1に記載の農芸化学組成物。
【請求項7】
アミン又はアミドアジュバント対農芸化学活性成分の重量比が好ましくは1:10〜1:2である、請求項1に記載の農芸化学組成物。
【請求項8】
1リットルあたり400グラムの電解質下剤をさらに含む請求項4に記載の農芸化学組成物。
【請求項9】
前記電解質下剤が硫酸マグネシウムである、請求項8に記載の農芸化学組成物。
【請求項10】
pHを誘因とするゲル効果をヒトの胃液の酸性pHで起こすpH誘因型ゲル化剤であるアルギン酸塩をさらに含んで成る、請求項8に記載の農芸化学組成物。
【請求項11】
電解質下剤として1リットルあたり10〜100グラムの硫酸マグネシウムを含む請求項9に記載の農芸化学組成物。
【請求項12】
第2のアジュバントをさらに含んで成る、請求項1に記載の農芸化学組成物。
【請求項13】
前記第2のアジュバントが界面活性剤である、請求項12に記載の農芸化学組成物。
【請求項14】
前記界面活性剤が、アルキルポリグリコシド、ベタイン、リン酸アルキルエトキシ及びその塩、アルコールエーテルカルボン酸及びその塩、硫酸アルコールエーテル及びその塩から成る群から選択されている、請求項13に記載の農芸化学組成物。
【請求項15】
前記第2のアジュバントが前記アミン又はアミドアジュバントよりも低い濃度で存在する、請求項12に記載の農芸化学組成物。
【請求項16】
前記第2のアジュバントがアルコールエトキシラート、アミンエトキシラート、アミンオキシド、及び第4アンモニウム塩といったカチオン界面活性剤から成る群から選択されている、請求項15に記載の農芸化学組成物。
【請求項17】
アミン又はアミドアジュバント対第2のアジュバントの重量比が約50:1〜1:50の範囲内である、請求項16に記載の農芸化学組成物。
【請求項18】
アミン又はアミドアジュバント対第2のアジュバントの重量比が約10:1〜1:10の範囲内である請求項17に記載の農芸化学組成物。
【請求項19】
アミン又はアミドアジュバント対第2のアジュバントの重量比が約1:1〜1:25までの範囲内である請求項16に記載の農芸化学組成物。
【請求項20】
アミン又はアミドアジュバント対第2のアジュバントの重量比が約1:4〜1:15の範囲内である、請求項19に記載の農芸化学組成物。
【請求項21】
アミン又はアミドアジュバントと第2のアジュバント対農芸化学活性成分の重量比が約1:10〜10:1である、請求項12に記載の農芸化学組成物。
【請求項22】
アミン又はアミドアジュバントと第2のアジュバント対農芸化学活性成分の重量比が約1:5〜10:1である、請求項21に記載の農芸化学組成物。

【公表番号】特表2007−513932(P2007−513932A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543604(P2006−543604)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【国際出願番号】PCT/GB2004/005002
【国際公開番号】WO2005/055722
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(501008820)シンジェンタ リミテッド (33)
【Fターム(参考)】