説明

近位端および末端の取り付け具を備えたカバーの付いたステント、送出カテーテルおよび上記ステントを製造する方法

金属または擬似金属のカバーの付いたステントが提供される。このステントでは、ステント要素とカバー要素がそれぞれ生体適合性の金属材料または擬似金属材料で製造される。また、カバーとステントは、ステントおよびカバーの近位端および末端それぞれにおける少なくとも1つの接合部によって接合される。ステントとカバーを接合する方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概略移植可能な医療器具に関し、より詳細には、侵襲の少ない送出技術を用いて移植することができる移植可能な医療器具に関するものである。具体的には、本発明は、低侵襲の送出技術を用いて解剖学上の通路内に移植される、カバーの付いたステント、ステント−移植片およびステント−移植片型器具に関する。さらに具体的には、本発明は、生体適合性の金属、あるいは例えば複合材のような生物学的な反応および実質的に生体適合性金属と同じ材料特性を示す生体適合性材料(以下では「擬似金属」として、または「擬似金属的な」性質で参照される)、によって全体が製造された、カバーの付いたステント、ステント−移植片およびステント−移植片型器具を含むものである。最も具体的には、本発明は金属ステントおよび金属ステントカバーに関し、金属ステントカバーが、その近位端および末端それぞれにおける金属ステントとの間の少なくとも1つの接合によって取り付けられるものである。
【背景技術】
【0002】
ステントは、一般に、配置部位への送出のために直径方向に圧縮される構造と、ステントが外側に向かって解剖学上の通路の内壁を押圧し、構造上の支持体をなして管の開通性を回復し維持する構造、の両方をとることが可能な格子構造のものである。管腔内のステントは、例えば、血管形成術後に用いられることが多く、それによって、血管の構造上の支持体をなして経皮的なバルーン血管形成術の後の再狭窄の発生を減らすことができる。例えば、管内ステントは、病気または外傷の部位から離れた導入位置から、身体の脈管構造内の病気または外傷の部位に、導入カテーテルを用いて導入することができ、また、病気または外傷の部位で導入カテーテルから外されてその病気または外傷の部位で血管の開通性を維持することができる。
【0003】
【特許文献1】米国特許公開公報第20040186554号
【特許文献2】米国特許公開公報第20040098094号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
多くの用途において、ステント単独では有していない特に望ましい特性を与えることが可能なカバーを備えたステントを提供することは望ましいことである。例えば、何もないステントは、かなりの再狭窄率を伴うものであり、また、一般には、圧縮された状態から直径の拡大された段階までのステント拡大に適応するために必要とされるステントの壁の大きい窓によって、血小板のようなばらばらの粒子状物質が血管の壁から血流内に入ることを可能にしてしまう。相対的に大きい窓によって、管壁上にある、砕けやすい血小板あるいは塞栓性物質などの粒子状物質が窓を通って大循環に入り込むことが可能になる。このような望ましくない結果は、しかしながら、内側または外側のいずれかの面、あるいは両方の面のカバーを備え、それによって、カバーの付いたステントまたはこの用途の目的において同義のステント−移植片を形成するステントによって低減することができる。
【0005】
本発明によれば、ステント要素とカバー部品との間に近位端および末端の取り付け部を有したカバーの付いたステントが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
また、ステントにカバーを取り付ける方法が提供され、この方法では、ステントが、その同心で係合する押し込みアッセンブリを有した拘束鞘に入れられる。ステントは、その近位端が拘束鞘の端から露出したままとなる程度に拘束鞘内に深く入れられる。カバーは、拘束鞘の外周の周りに同心で係合し、また、カバーの近位端がステントの近位端と同心に整列する状態となるようにそろえられる。近位端での取り付けはステントの近位端とカバーの近位端との間でなされる。そして、拘束鞘が拘束管の末端と同軸に位置し、押し込みアセンブリが作動して、ステントおよび近位端で取り付けられカバーを拘束管の末端に押し込みステントの末端およびカバーの末端が露出する位置とする。末端での取り付けはステントの末端とカバーの末端との間でなされ、その近位端および末端で取り付けられたステントとカバーは不動態化され、拘束管の末端と実質的に同軸で整列した位置となる。また、押し込みアセンブリは作動してステントおよび近位端で取り付けられたカバーを送出カテーテル孔の末端に押し込む。そして、押し込みアセンブリはカテーテルの近位端から送出カテーテルに入れられ、誘導線およびその傷つけないようにされた先端が送出カテーテルの末端から逆行性で入れられる。
【0007】
上述の要約は、以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説明と同じく、添付の図面に関連して読むときさらに良好に理解される。本発明を説明する目的で、目下のところ好ましい実施形態が図面に示される。しかしながら、本発明が示される厳密な配置や方法に制限されないことは理解されるべきである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
添付の図を参照すると、図1A−1Dは、装着/溶着取り付け具40を用いて近位端で取り付けられたカバーの付いたステントを用意することを表している。図1Aは、装着/溶着固定具40の装着鞘30の内部にステント10を装着するところを表している。装着/溶着固定具40は、概略、円筒状の装着鞘30と、一端に結合した当接部材34有する押し込みロッド32とで構成される。当接部材34は、装着鞘30の管状空隙の内部と同心で係合し、その中で往復移動をすることができる。当接部材34と押し込みロッド32は二重の機能を果たす。第1には、当接部材34は、装着鞘30の管腔の中にステント10を挿入する間、止め具として機能しその管腔の中のステント10の位置を適切に定める。また、第2には、押し込みロッド32および当接部材34は、近位端で取り付けられたステントとカバーを、装着鞘30の管状空隙から取り出す機能を果たす。
【0009】
図1Bは、装着鞘30の外側の面上にカバー20を装着することを表している。図1Bに示されるように、当接部材34は、装着鞘30の管状空隙の中で距離d2の位置にあり、それによって、装着鞘30の管状空隙の残っている開口の長さがd1となる。長さd1は、また装着鞘30の近位端領域31からのステント10の張り出しないし露出の程度に対応しており、これは、ステント10にカバー20を取り付けのために必要とされるものである。カバー20は、装着鞘30の外側面上に同心で配置され、また、カバー20の近位端はステント10の近位端と整列し、それによって、ステント10の露出した近位端11とカバー20の近位端21はそれらの間が近接して隣接した状態で、装着鞘30がステント10とカバー20の中間に位置することになる。そのため、図1Cの円で囲まれた部分に示されるように、カバー20が装着鞘30に装着された後、ステント10の近位端領域11とカバー20の近位端領域21は装着鞘30の近位端領域30の干渉を受けることなく接合することができる。図1Dは、図1Cの円で囲まれた領域の分解図を表しており、上記のステント10の近位端領域11とカバー20の近位端領域21との間の接合を中身のある四角形で示している。このように、図1Dは、ステント10およびカバー20の近位端領域間の接合点15を備えたカバー20内に含まれるステント10を具えた、近位端で取り付けられたカバーの付いたステントアセンブリを表している。
【0010】
図2A−2Bは、近位端で接合したステント10およびカバー20の拘束管50への挿入、およびその後のステント10とカバー20の間の末端接合部16の形成を表している。図2Aは、図1に示すように用意された近位端で接合のカバーの付いたステントアセンブリで、このアセンブリが押し込みロッド32と当接部材34の装着鞘30内での軸線方向の動きによって装着鞘30から取り出されることを表している。拘束管50を装着鞘30と同軸に整列させることにより、近位端に接合されたカバーの付いたステントアセンブリが装着鞘30から排出されるとき、そのステントアセンブリは拘束管50内に押し込まれる。近位端に接合されたカバーの付いたステントアセンブリが拘束管50内に位置し、それによって、ステントアセンブリが延在し、拘束管50の末端から距離d3だけ露出する。露出したアセンブリの末端によってステント10とカバー20の間の末端接合部16の形成が可能となる。
【0011】
図3A−3Cは、カテーテル鞘60、近位端および末端が接合したカバーの付いたステント25、押し込み部材80、誘導線軸70および傷つけない先端90を備えたアセンブリを用意することを表している。図3Aにおいて、近位端および末端で接合されたカバーの付いたステントアセンブリは、部分的にカテーテル鞘60の中に含まれる。図3Aの、近位端と末端で接合したカバーの付いたステントアセンブリ25は、図1および図2に示されるように得ることができる。図3Bでは、近位端と末端で接合したカバーのある図3Aのステントアセンブリはカテーテル鞘60内に完全に押し込められており、そして、図3Cでは、図3Bのアセンブリ25にはその管腔を通って誘導線軸70が同軸で挿入され、また、誘導線軸70は押し込み部材80の終端(近位端)およびカテーテル鞘60を越えて延在している。傷つけない先端90は、誘導線軸70の挿入の前に誘導線軸70の末端に取り付けられる。傷つけない先端90は引き込まれることによってカテーテル鞘60の末端と当接し、それによって、カバーの付いたステントアセンブリ25をカテーテル鞘60の中に納めることができる。
【0012】
本発明を実施するための最良の形態によれば、カバー20は、装着鞘30上に置かれるとき、好ましくはそのマルテンサイト状態にあり室温で引張り状態にない。一方、ステント10は、好ましくはオーステナイトであり、冷却媒体、たとえば、液体窒素浴、ドライアイスおよびアルコール系溶剤浴、冷却ガス流などの存在下で装着鞘30に装着される。その直径が圧縮された状態のステントは引張り状態にあり、従って、他の操作工程で操作するために、ステントは拘束管50内ないしカテーテル管内にある必要がある。一方、ステントの突き出ている近位端あるいは末端は、ステントが装着鞘30および拘束管50に装着された後、室温に晒されるのに従ってわずかに拡がる。しかしながら、この極めてわずかな拡がりによって、ステント10とカバー20との間の良好な接合が確実になり、また、抵抗スポット溶接のような、ステント10とカバー20の間の接合が容易になる。
【0013】
図4A−4Bは、器具の拡大を拘束するように作用するカテーテル鞘100の中への本発明のカバーの付いたステントアセンブリ25が装着されることを示している。図4Bは、図1A−1Dに示したように用意された近位端および末端で接合したカバーの付いたステントアセンブリが拘束管50にほぼ挿入された状態を示している。
【0014】
図5A−5Bは、カバーの付いたステントアセンブリ25の後に、押し込み部材110をカテーテル鞘100内に存在させることは実行不可能であるという理由で、押し込み部材110をカテーテル鞘100の中に予め係合させた後に送出カテーテルアセンブリ120を完成する工程を示している。そして、カバーの付いたステントアセンブリ25は、図5Aに示すように、例えば、図1Aに示した押し込み部材34、32などを用いてカテーテル鞘100に完全に挿入することができ、それによって、ステントアセンブリは押し込み部材110と当接しないしは直接隣接する。カバーの付いたステントアセンブリ25が完全にカテーテル鞘100に挿入され、押し込み部材と当接しもしくは直接隣接する位置になると、誘導線軸122が、カバーの付いたステントアセンブリ25の中央の管状空隙を通って同軸に挿入され、押し込み部材110の終端およびカテーテル鞘100を越えて延在する。誘導線軸122の挿入の前に、誘導線軸122の末端に傷つけない先端130が取り付けられる。傷つけない先端130は引き込まれるようにしてカテーテル鞘100の末端と当接し、それによってカバーの付いたステントアセンブリ25をカテーテル鞘100の内部に納めることができる。
【0015】
本発明の総ての形態によれば、接合点15あるいは接合点16は、例えば、レーザー溶接、プラズマ溶接、抵抗溶接、電子ビーム溶接などの熱的方法によって形成されることが望ましく、ここでは、ステント10およびカバー20両方が金属または擬似金属、好ましくは記憶性あるいは超弾性の材料、最も望ましくはニッケル−チタン合金によって作られたものである。しかしながら、ステント10とカバー20は、ニッケル−チタン合金とステンレス鋼のように似ていない材料である場合は、溶接はニッケル−チタン合金をステンレス鋼のような他の材料に接合するのに好ましいものではない。それは溶接部で壊れやすい金属間化合物が形成されるからである。従って、ニッケル−チタン合金を他の生体適合性材料に接合する場合は、はんだ付け、エポキシあるいは接着剤を用いて接合点15を形成することが望ましい。あるいはそれに代わって、似ていない材料をニッケル−チタンに溶接することが求められるときは、タンタルのような層間材料によって溶接の間の壊れやすい金属間化合物の形成を最小限にすることが知られている。
【0016】
最後に、本発明の最良の形態およびその好ましい実施形態によれば、図6Aおよび6Bに示すように、ステント10の構成は、近位端および末端に接合点150を持ち、それらの接合点がカバー20とステント10との接合のための相対的により大きく、ほぼ平らな面の領域を備えるものが好ましい。接合点150は、ステント10の内側または外側の面のX−Y軸において概ね四辺形の形を有することができ、好ましくは、ステント10のその他の部分と同じZ軸方向の壁厚を有し、また、概ね管状のステント10の曲率に相当するわずかな曲率を有している。図7は、カバー20に溶接された、ステント10の接合点150を示す顕微鏡写真である。
【0017】
上記に代わって、同時係属の同一出願人による、「中央支柱の相互接続部材を有した管腔内ステント」という名称の出願の特許文献1、あるいは同時係属の同一出願人による、「移植可能な移植片およびその作成方法」という名称の出願の特許文献2により十分に記載されるように、接合点150は、管状ステント10を形成する、近位の終端および/または末端の円筒状部材からの突起とすることができ(例えば、特許文献1の図1、要素11、または特許文献2の図27、要素307および304a−e)、それぞれの公開公報は特に参照によって本明細書に含まれる。
【0018】
本発明の好ましい実施形態によれば、ステントおよびカバーの両方に形状記憶材料を用いる場合、ステントとカバーは異なる遷移温度を持つことが好ましく、それによって、ステントは人体などの体温より低い遷移温度を有して体温に晒されたときに直径方向に拡大することができ、一方、カバーは体温より高い遷移温度を有することが好ましく、それによって、カバーは人体に移植されたときにステントが拡大することに起因した双晶を含まないマルテンサイト組成変形を受ける。従って、ステントがAf(形状回復温度)≦29℃±3℃を有し、カバーが60℃から100℃の間のAfを有することが好ましい。このように、カバーは、製造される間に遭遇する可能性が高いあらゆる条件の下でマルテンサイトのままでいる。一方、体温より低いAfを有するステントは、送出カテーテル内で拘束されて生体内の移植の間に容易に拡がり、ステントの半径方向の拡大に伴ってマルテンサイトのカバーを容易に拡大することができる。
【0019】
次の例は本発明の他の実施形態を例示するためであり、本発明の範囲を制限することを意図したものではない。
【0020】
例1:一定の外径を有するカテーテル鞘を用いた近位端および末端で接合したステントアセンブリの用意
壁の厚みが127μmで0.965mm の内径(以下、“ID”)および1.168mmの外径(以下、“OD”)を有した自己拡大の形状記憶ニッケル−チタンステントが、1.194 mmのIDおよび1.295mmのODの装着/溶接の取り付け具である装着鞘に装着され、1.257mmのODで壁厚みが4.5μmのカバーが装着鞘の上に装着される。カバーの近位端領域は、その後、丸められたステントの近位端領域に溶接される。
【0021】
結果としての近位端で接合されたカバーの付いたステントアセンブリは、1.193 mmのIDおよび1.295mmのODを有した拘束管の末端の中にスライドして入れられる。装着/溶接の取り付け具である装着鞘はその後引っ込まされて、カバーの末端領域がステントの末端領域に溶接され、この溶接部は硝酸溶液内で不動態化される。
【0022】
結果としての近位端および末端が接合されたカバーの付いたステントアセンブリが、その後、一定の外径を有したカテーテル鞘の中にスライドして完全に入れられる。本発明の1つの制限的でない実施形態では、このアセンブリはスライドを容易にするために冷やされる。その後、0.031インチのIDおよび0.051インチのODの押し込み軸が、一定外径のカテーテル鞘の近位端から挿入され、また、近位の先端を有した0.018インチのIDおよび0.027インチODの誘導線軸が一定外径のカテーテル鞘の末端から挿入される。上記に代わって、誘導線軸の挿入が押し込み軸の挿入より先に行われてもよい。
【0023】
例2:テーパの付いたカテーテル鞘を用いた、近位端および末端で接合したステントアセンブリの用意
127μmの壁厚みを有した自己拡大の形状記憶ステントは、0.97mmの内径(以下、“ID”)および1.17mmの外径(以下、“OD”)に丸められる。丸められたステントは、その後、1.19mmのIDと1.295mmのODを有した、装着/溶接具である装着鞘に装着され、また、1.257mmのODおよび4.5ミクロンの壁厚のカバーは装着鞘上に装着される。カバーの近位端領域は、その後丸められたステントの近位端領域に溶接される。
【0024】
結果としての近位端で接合されたカバーの付いたステントアセンブリは、1.193mmのIDおよび1.295mmのODを有した拘束管の中にスライドして入れられる。その後、装着/溶接取り付け具である装着鞘は引っ込められ、カバーの末端領域がステントの末端領域に溶接され、そして、溶接部が硝酸溶液内で不動態化される。
【0025】
結果としての近位端および遠位端で接合したカバーの付いたステントアセンブリが、遠位の1.397mmのIDおよび1.600mmのODから細くなって近位の1.092mmのIDおよび1.295 mmのODを有した先細のカテーテル鞘の末端にスライドして入れられ、このテーパの付いたカテーテル鞘は、遠位の0.737mmのIDおよび1.295mmのODから細くなって近位の0.737mmのIDおよび0.991mmのODの、予め装着されたカテーテル押し込み軸を含んでいる。本発明の1つの制限しない実施形態では、このアセンブリはスライドを容易にするために冷却される。その後、0.457mmのIDおよび0.686mmのODを有し傷つけない先端を含んだ誘導線鞘が先細径のカテーテル鞘の末端から挿入される。
【0026】
本発明はその好ましい実施形態を参照で説明されたが、当業者であれば、本発明がこれらの好ましい実施形態によって制限されること意図したものでなく、また、その代わりに、添付の請求項によって規定される本発明の精神と範囲に一致する総ての実施形態を含むことを意図したものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】近位端で取り付けられたカバーの付いたステントアセンブリを用意するための本発明の装置および方法による挿入アセンブリを表す連続的な側面の断面図である。
【図1B】近位端で取り付けられたカバーの付いたステントアセンブリを用意するための本発明の装置および方法による挿入アセンブリを表す連続的な側面の断面図である。
【図1C】近位端で取り付けられたカバーの付いたステントアセンブリを用意するための本発明の装置および方法による挿入アセンブリを表す連続的な側面の断面図である。
【図1D】近位端で取り付けられたカバーの付いたステントアセンブリを用意するための本発明の装置および方法による挿入アセンブリを表す連続的な側面の断面図である。
【図2A】近位端および末端で取り付けられたカバーの付いたステントアセンブリを用意するための本発明の装置および方法による移動アセンブリの連続的な側面の断面図である。
【図2B】近位端および末端で取り付けられたカバーの付いたステントアセンブリを用意するための本発明の装置および方法による移動アセンブリの連続的な側面の断面図である。
【図3A】近位端および末端で取り付けられた本発明のカバーの付いたステントアセンブリを送出カテーテルに入れるところを表す連続的な側面の断面図である。
【図3B】近位端および末端で取り付けられた本発明のカバーの付いたステントアセンブリを送出カテーテルに入れるところを表す連続的な側面の断面図である。
【図3C】近位端および末端で取り付けられた本発明のカバーの付いたステントアセンブリを送出カテーテルに入れるところを表す連続的な側面の断面図である。
【図4A】近位端および末端で取り付けられた本発明のカバーの付いたステントアセンブリを、本発明の好ましい他の実施形態によるテーパの付いたカテーテル鞘に入れるところを表す連続的な側面の断面図である。
【図4B】近位端および末端で取り付けられた本発明のカバーの付いたステントアセンブリを、本発明の好ましい他の実施形態によるテーパの付いたカテーテル鞘に入れるところを表す連続的な側面の断面図である。
【図5A】本発明の好ましい他の実施形態によるカテーテルアセンブリを表す連続的な側面の断面図である。
【図5B】本発明の好ましい他の実施形態によるカテーテルアセンブリを表す連続的な側面の断面図である。
【図6A】近位端および末端に接合点を持つステントの構成を示す図である。
【図6B】近位端および末端に接合点を持つステントの構成を示す図である。
【図7】カバーに溶接された、ステントの接合点を示す顕微鏡写真である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植可能なカバーの付いたステントであって、
a)そこから突出する少なくとも1つの拡大した近位部材を有した近位端領域と、そこから突出する少なくとも1つの拡大した遠位部材を有した遠位端領域と、を有したステントと、
b)近位端領域と末端領域を有したカバー部材と、
を具え、
前記カバーの近位端領域は第1接合部において少なくとも1つの拡大した近位部材に接合され、前記カバーの遠位端領域は第2接合部において少なくとも1つの拡大した遠位部材に接合されることを特徴とするステント。
【請求項2】
前記ステントとカバーは、縮小の度合いにおいて互換性があることを特徴とする請求項1に記載の移植可能な医療器具。
【請求項3】
前記のステントおよび前記カバーのそれぞれは、チタン、バナジウム、アルミニウム、ニッケル、タンタル、ジルコニウム、クロム、銀、金、シリコン、マグネシウム、ニオブ、スカンジウム、プラチナ、コバルト、パラジウム、マンガン、モリブデンおよびその合金、ジルコニウム−チタン−タンタル合金、ニッケル−チタン合金、コバルト−クロム合金およびステンレス鋼から構成される群から選択された少なくとも1つの材料で構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移植可能な医療器具。
【請求項4】
ステントは、ステントの近位端および末端のそれぞれから突き出ている少なくとも1つの接合部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の移植可能な医療器具。
【請求項5】
ステントは体温より低いAfを有することを特徴とする請求項1に記載の移植可能な医療器具。
【請求項6】
カバーは、60℃と100℃の間のAfを有することを特徴とする請求項4に記載の移植可能な医療器具。
【請求項7】
前記第1接合部および前記第2接合部は、さらに溶接部を備えることを特徴とする請求項4に記載の移植可能な医療器具。
【請求項8】
前記溶接部が不動態化されることを特徴とする請求項7に記載の移植可能な医療器具。
【請求項9】
一定外径のカテーテル鞘と誘導線鞘とをさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載の移植可能な医療器具。
【請求項10】
テーパの付いたカテーテル鞘と誘導線鞘とをさらに具えたことを特徴とする請求項1に記載の移植可能な医療器具。
【請求項11】
請求項1に記載の移植可能な医療器具を用意するための方法であって、
a)前記ステントを装着管の管腔に装着して前記ステントの第1の端部領域を前記装着管の第1の終端を越えて突出させ、
b)前記カバーを前記装着管の終端上に装着し、また、前記カバーを前記装着管上にスライドして係合させることにより、前記カバーの第1の端部領域が、前記装着管の前記第1終端を越えて突出する、前記ステントの前記第1端部領域と同じ位置となるようにし、
c)前記カバーの前記第1端部領域を第1接合部で前記ステントの第1端部領域に接合して、前記第1接合部を有したカバーの付いたステントアセンブリを形成し、
d)前記第1接合部を有したカバーの付いたステントアセンブリを拘束管内に装着することにより、前記カバーの第2の端部領域と前記ステントの第2の端部領域を前記拘束管の終端を越えて突出するようにし、
e)前記カバーの前記第2端部領域を第2の接合部で前記ステントの第2端部領域に接合して、移植可能な医療器具を形成する、
工程を有したことを特徴とする方法。
【請求項12】
前記工程c)およびe)は、前記第1接合部および第2接合部を抵抗溶接によって形成する工程をさらに有したことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
カバーの付いたステントアセンブリを不動態化する工程をさらに有したことを特徴とする請求項12に記載の方法。
【請求項14】
カバーの付いたステントアセンブリを拘束管からカテーテル鞘に移動させる工程をさらに有したことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
f)前記移植可能な医療器具を前記カテーテル鞘に装着する前に、前記カテーテル鞘の中に押し込み部材を配置し、
g)前記移植可能な医療器具を前記カテーテル鞘の中にスライドして入れることにより、前記移植可能な医療器具を前記押し込み部材に少なくとも隣接して近接した状態となるようにし、
h)前記押し込み部材の中央の穴および前記移植可能な医療器具の中央の管状空隙を通って誘導線鞘を配置する、
工程をさらに有したことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記カバーの付いたステントアセンブリは先細のカテーテル鞘をさらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
i)移植可能な医療器具をカテーテル鞘に装着する前に、先細のカテーテル鞘の中に押し込み部材を配置し、
j)前記移植可能な医療器具を前記先細のカテーテル鞘の中にスライドしていれることにより、前記移植可能な医療器具を前記押し込み部材と少なくとも隣接して近接した状態となるようにし、
k)前記押し込み部材の中央の穴および前記移植可能な医療器具の中央の管状空隙を通って誘導線鞘を配置する、
工程をさらに有したことを特徴とする請求項15に記載の方法。
【請求項18】
ステントをステントカバーに接合する方法であって、
a)前記ステントを装着管の管腔に装着することにより、前記ステントの第1の端部領域が前記装着管の第1の終端を越えて突出するようにし、
b)前記カバーを前記装着管の終端上に装着し、当該カバーを前記装着管上にスライドして係合させることにより、前記カバーの第1の端部領域が、前記装着管の前記第1終端を越えて突出する、前記ステントの前記第1端部領域と同じ位置となるようにし、
c)前記カバーの前記第1端部領域を前記ステントの前記第1端部領域に第1の接合部で接合して、前記第1接合部を有したカバーの付いたステントアセンブリを形成し、
d)前記第1接合部を有したカバーの付いたステントアセンブリを拘束管に装着することにより、前記カバーの第2の端部領域と前記ステントの第2の端部領域が前記拘束管の終端を越えて突出するようにし、
e)前記カバーの前記第2端部領域を前記ステントの前記第2端部領域に第2の接合部で接合して移植可能な医療器具を形成する、
工程を有したことを特徴とする方法。
【請求項19】
前記工程c)およびe)は、前記第1接合部および第2接合部を抵抗溶接によって形成す工程をさらに有したことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記第1接合部および第2接合部を不動態化する工程をさらに有したことを特徴とする請求項19に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−509569(P2009−509569A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529253(P2008−529253)
【出願日】平成18年8月30日(2006.8.30)
【国際出願番号】PCT/US2006/033942
【国際公開番号】WO2007/027829
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(504006054)アドヴァンスド バイオ プロスセティック サーフェシーズ リミテッド (11)
【Fターム(参考)】