近接操作支援装置
【課題】近接検知部に指示体を近づけて操作を行うユーザーに操作の実感をストレスなく与えることができる近接操作支援装置を提供すること。
【解決手段】表示部と、当該表示部の表示面への指示体の近接を検知する近接検知部と、を有するインタフェースを用いた近接操作支援装置は、近接検知部からの検知信号に基づいて、指示体の近接位置を判定する近接位置判定部と、表示部にコンテンツが表示されているとき、表示部に指示体が近接されると、表示部に表示するセル群の形態を決定するセル群処理部と、コンテンツを表示部に表示するよう処理し、かつ、セル群処理部が決定したセル群をコンテンツに重ねて表示するよう処理する表示処理部とを備える。セル群は、互いに隙間を設けて面状に配置された複数のセルから構成される。また、表示部上の指示体が近接している箇所の近傍に表示される近接箇所表示セルは、セル群に含まれる他のセルと表示形態が異なる。
【解決手段】表示部と、当該表示部の表示面への指示体の近接を検知する近接検知部と、を有するインタフェースを用いた近接操作支援装置は、近接検知部からの検知信号に基づいて、指示体の近接位置を判定する近接位置判定部と、表示部にコンテンツが表示されているとき、表示部に指示体が近接されると、表示部に表示するセル群の形態を決定するセル群処理部と、コンテンツを表示部に表示するよう処理し、かつ、セル群処理部が決定したセル群をコンテンツに重ねて表示するよう処理する表示処理部とを備える。セル群は、互いに隙間を設けて面状に配置された複数のセルから構成される。また、表示部上の指示体が近接している箇所の近傍に表示される近接箇所表示セルは、セル群に含まれる他のセルと表示形態が異なる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサー付きパネルに指示体を近づけて操作可能な近接操作支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、ユーザーがリモコンを使うことなく、手のジェスチャーを用いてテレビを操作するユーザーインタフェース技術について開示されている。当該技術では、光の移動速度を利用したTOF(Time of Flight)方式の距離画像センサーによって空間的な体の形状が取得され、手の位置を検出(ハンドトラッキング)することで、手の動きを認識している。さらに、手の動きをジェスチャー操作として認識し、数種類のジェスチャーのパターンでテレビの基本操作(電源ON/OFF,選局,音量調整)を行う。当該技術では、ユーザーが容易に機器の状態を理解したり、操作状況をリアルタイムに把握できるGUIがデザインされている。例えば、横に手を振るとメニューが表示される。また、音量調整用GUIとして、手回し操作に対応した円弧状のインジケータとリングを組み合わせたグラフィックスが利用されている。
【0003】
また、特許文献1には、タッチパネルへの指の接近により、指が接近された領域に対応した位置にメニューを表示するカーナビゲーション装置が開示されている。また、特許文献2には、静電容量型のタッチパネルを備え、操作者の指がタッチパネルに接近するとメニューボタンが表示部に表示される画像表示装置が開示されている。また、特許文献3には、ユーザーが指やペンでセンサー内蔵液晶パネル上をタッチした位置にペン画像を表示し、ユーザーによる入力を助けるグリッド画像を同時に表示する入力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−358162号公報
【特許文献2】国際公開第10/089980号パンフレット
【特許文献3】特開2010−113481号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】松原孝志著 他4名,「快適操作を提供するユーザーインタフェース技術(User Interface Technology for Comfortable Operation)」,VOL.91 No.09 726-727,日立評論,2009年9月,p.48−53
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記説明した先行技術によれば、ユーザーの指がタッチパネルに近接されるとメニューボタン等の所定の画像が表示される。また、ユーザーは、タッチパネルに近接したままの状態で指を動かす等といった所定の操作を行うことによって所望の機能を実行できる。但し、タッチパネルに近接したままの状態で指をスライドさせても、ユーザーは当該操作の感触を得ることができない。このため、当該操作に応じて視聴覚的な応答や示唆等を示すことが望ましい。
【0007】
また、上記説明した先行技術では、ユーザーがタッチパネルに指を近づけても、タッチパネル上のどの点が機器によってポインティング位置として認識されているかは画面に表示されない。また、ポインティング位置を示すポインターを画面に表示しても、指を近づけた状態は不安定であることや、機器側のセンサー等に起因する誤差等の影響によって、ユーザーが所望する位置とポインターの位置を一致させることは困難であった。このため、仮にポインターを画面に表示してもユーザーにストレスを与えてしまう。
【0008】
本発明の目的は、近接検知部に指示体を近づけて操作を行うユーザーに操作の実感をストレスなく与えることができる近接操作支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、表示部と、当該表示部の表示面への指示体の近接を検知する近接検知部と、を有するインタフェースを用いた近接操作支援装置であって、前記近接検知部からの検知信号に基づいて、指示体の近接位置を判定する近接位置判定部と、前記表示部にコンテンツが表示されているとき、前記表示部に前記指示体が近接されると、前記表示部に表示するセル群の形態を決定するセル群処理部と、前記コンテンツを前記表示部に表示するよう処理し、かつ、前記セル群処理部が決定したセル群を前記コンテンツに重ねて表示するよう処理する表示処理部と、を備え、前記セル群は、互いに隙間を設けて面状に配置された複数のセルから構成され、前記表示部上の前記指示体が近接している箇所の近傍に表示される近接箇所表示セルは、前記セル群に含まれる他のセルと表示形態が異なることを特徴とする近接操作支援装置を提供する。
【0010】
上記近接操作支援装置は、前記表示部に表示されているコンテンツの種別を判別するコンテンツ種別判定部を備え、前記セル群処理部は、前記コンテンツ種別判定部が判定したコンテンツ種別に応じた全体形状の前記近接箇所表示セルを含むセル群の形態を決定する。
【0011】
上記近接操作支援装置では、前記表示部は矩形状であって、前記近接箇所表示セルは、前記表示部の一辺の方向に配列された複数のセルから構成されている。
【0012】
上記近接操作支援装置では、前記近接箇所表示セルは、十字を描く領域の複数のセルから構成されている。
【0013】
上記近接操作支援装置では、前記セル群を構成する前記複数のセルは行列状に配列されている。
【0014】
上記近接操作支援装置では、前記セルは円形である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る近接操作支援装置によれば、近接検知部に指示体を近づけて操作を行うユーザーに操作の実感をストレスなく与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態の近接操作支援装置の構成を示すブロック図
【図2】ディスプレイ111に表示された地図の一例を示す図
【図3】ディスプレイ111に地図が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の一例を示す図
【図4】ディスプレイ111に地図が表示されているときタッチパネル113に近接した指を動かしたときのセル群の一例を示す図
【図5】ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の一例を示す図
【図6】ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に近接した指を動かしたときのセル群の一例を示す図
【図7】ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の他の例を示す図
【図8】ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に近接した指を動かしたときのセル群の他の例を示す図
【図9】ディスプレイ111に地図が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の他の例を示す図
【図10】セル群の他の表示形態を示す図
【図11】セル群の他の表示形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、一実施形態の近接操作支援装置の構成を示すブロック図である。図1に示す近接操作支援装置100は、映像を表示する例えば4〜10インチの矩形状のディスプレイ111と、ディスプレイ111の表示面に貼り合わされた光透過性を有する静電容量方式のタッチパネル113とを備えた電子機器に設けられる。タッチパネル113は、指や導体等の指示体の接触に応じて当該接触位置での接触を示す信号を出力する他、指示体の近接を検知して、その位置での近接を示す信号を出力する。なお、タッチパネル113は赤外線方式であっても良い。但し、このときは、指示体の接触を検知する圧電センサーがディスプレイ111の表示面に設けられる。
【0019】
図1に示すように、近接操作支援装置100は、近接位置判定部101と、コンテンツ種別判定部103と、セル群処理部105と、表示処理部107と、音声出力処理部109とを備える。
【0020】
近接位置判定部101は、タッチパネル113から送られた指示体の近接を示す信号に基づいて、当該指示体が近接したタッチパネル上の位置を判定する。近接位置判定部101は、判定した位置を2次元直交座標系での座標で示した近接位置座標情報を出力する。コンテンツ種別判定部103は、ディスプレイ111に表示されるデータのプロパティに基づいて、当該データのコンテンツ種別(地図、写真、メール等)を判定する。
【0021】
セル群処理部105は、地図や写真、メール等のデータがディスプレイ111に表示されているとき、タッチパネル113に指示体が近接されると、コンテンツ種別判定部103が判定したコンテンツ種別に応じて、ディスプレイ111に表示するセル群の形態を決定する。なお、セル群は、互いに隙間を設けて行列状に配置された複数のセルから構成され、ディスプレイ111に表示中のコンテンツに重ねて表示される。セル群の詳細については後述する。
【0022】
表示処理部107は、表示データに基づくコンテンツをディスプレイ111に表示するよう処理し、かつ、セル群処理部105が決定したセル群を当該コンテンツに重ねて表示するよう処理する。音声出力処理部109は、タッチパネル113から送られた指示体の近接を示す信号に応じて、タッチパネル113への指示体の近接を近接操作支援装置100が認識したことを示す音声をスピーカ115が出力するよう処理する。
【0023】
以下、コンテンツに重ねて表示されるセル群の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
(第1の実施例)
図2は、ディスプレイ111に表示された地図の一例を示す図である。図2に示す地図がディスプレイ111に表示されているとき、タッチパネル113に指示体(以下「指」を例に説明する。)が近接されると、図3に示すセル群が地図に重ねてディスプレイ111に表示される。なお、図3に示された人差し指は、タッチパネル113への指の近接を示すマークであって、ディスプレイ111には表示されない。
【0025】
図3に示すように、セル群は、行列状に配列された複数の円形のセル151から構成される。また、セル群は、ディスプレイ111の表示面全体にわたって表示される。さらに、タッチパネル113上の指が近接している箇所の近傍に表示される複数のセルは、他のセルと比較して輝度又は透過率が異なる。以下、他のセルと輝度又は透過率が異なる複数のセルを「近接箇所表示セル」という。
【0026】
ディスプレイ111の表示が図3のとき、ユーザーが指をタッチパネル113に近づけた状態のままいずれかの方向に動かすとディスプレイ111に表示される地図の領域が変わる。なお、図3に示した近接箇所表示セルの全体形状は、ユーザーが指をタッチパネル113上のどの方向に動かしてもディスプレイ111のコンテンツの表示が変化する場合の形態である。したがって、図3の表示のときにユーザーが指を左上に動かせば、図4に示すように、太平洋寄りの領域の地図がディスプレイ111に表示される。また、指の動きと共にディスプレイ111上の近接箇所表示セルの位置も変わる。
【0027】
(第2の実施例)
図5は、ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の一例を示す図である。図5に示すように、第2の実施例の近接箇所表示セルは、ディスプレイ111の高さ全体に亘り表示される。すなわち、図5に示した近接箇所表示セルの全体形状は、ユーザーが指をタッチパネル113上で左右方向(図5に示したX軸に沿った方向)に動かしたときのみディスプレイ111に表示されるコンテンツが変化する場合の形態である。したがって、図5の表示のときにユーザーが指を左に動かせば、図6に示すように、別の写真がディスプレイ111に表示される。また、指の動きと共にディスプレイ111上の近接箇所表示セルの位置も変わる。
【0028】
(第3の実施例)
図7は、ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の一例を示す図である。図7に示すように、第3の実施例の近接箇所表示セルは、ディスプレイ111の幅全体に亘り表示される。すなわち、図7に示した近接箇所表示セルの全体形状は、ユーザーが指をタッチパネル113上で上下方向(図7に示したY軸に沿った方向)に動かしたときのみディスプレイ111に表示されるコンテンツが変化する場合の形態である。したがって、図7の表示のときにユーザーが指を上に動かせば、図8に示すように、別の写真がディスプレイ111に表示される。また、指の動きと共にディスプレイ111上の近接箇所表示セルの位置も変わる。
【0029】
(第4の実施例)
図9は、ディスプレイ111に地図が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の一例を示す図である。図9に示すように、第4の実施例の近接箇所表示セルは、複数のセルによって十字を描く。すなわち、図9に示した近接箇所表示セルの全体形状は、ユーザーが指をタッチパネル113上で左右方向(図9に示したX軸に沿った方向)又は上下方向(図9に示したY軸に沿った方向)に動かしたときのみディスプレイ111に表示されるコンテンツが変化する場合の形態である。したがって、図9の表示のときにユーザーが指を左右又は上下に動かせば、異なる領域の地図がディスプレイ111に表示される。また、指の動きと共にディスプレイ111上の近接箇所表示セルの位置も変わる。
【0030】
上記説明した第1〜第4の実施例のセル群を構成する各セルは円形であるが、その形状は円形に限られず、図10に示すようにひし形や、三角、星型等でも良い。また、第1〜第4の実施例のセル群を構成するセルは行列状に配列されているが、図11に示すように、隣り合うセルが直交軸上で角度をつけたハニカム状の配列であっても良い。
【0031】
上記説明したセル群の表示は、指がタッチパネル113に触れるとディスプレイ111から消える。すなわち、セル群処理部105は、近接位置判定部101がタッチパネル113から指示体の接触を示す信号を受け取ると、セル群をディスプレイ111に表示しないと決定する。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、指をタッチパネル113に近づけるとディスプレイ111にセル群が表示されるため、ユーザーは、近接操作支援装置100がタッチパネル113への指の近接を認識したことを視覚で知ることができる。また、ユーザーは、タッチパネル113に指を近づけた際にスピーカ115から出力される音声によって、近接操作支援装置100がタッチパネル113への指の近接を認識したことを聴覚で知ることができる。
【0033】
さらに、ディスプレイ111に表示されるセル群の形態によって、ユーザーは、タッチパネル113の指を近づけた位置をおおまかに把握することができる。また、近接箇所表示セルの全体形状は、ユーザーが指をタッチパネル113に近づけた状態のまま動かしてコンテンツが変化可能な方向を示す。したがって、ユーザーは、近接箇所表示セルの全体形状から、指を動かしてコンテンツが変化可能な方向を知ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る近接操作支援装置は、センサー付きパネルに指示体を近づけて操作可能な電子機器のコントローラ等として有用である。
【符号の説明】
【0035】
100 近接操作支援装置
101 近接位置判定部
103 コンテンツ種別判定部
105 セル群処理部
107 表示処理部
109 音声出力処理部
111 ディスプレイ
113 タッチパネル
115 スピーカ
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサー付きパネルに指示体を近づけて操作可能な近接操作支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非特許文献1には、ユーザーがリモコンを使うことなく、手のジェスチャーを用いてテレビを操作するユーザーインタフェース技術について開示されている。当該技術では、光の移動速度を利用したTOF(Time of Flight)方式の距離画像センサーによって空間的な体の形状が取得され、手の位置を検出(ハンドトラッキング)することで、手の動きを認識している。さらに、手の動きをジェスチャー操作として認識し、数種類のジェスチャーのパターンでテレビの基本操作(電源ON/OFF,選局,音量調整)を行う。当該技術では、ユーザーが容易に機器の状態を理解したり、操作状況をリアルタイムに把握できるGUIがデザインされている。例えば、横に手を振るとメニューが表示される。また、音量調整用GUIとして、手回し操作に対応した円弧状のインジケータとリングを組み合わせたグラフィックスが利用されている。
【0003】
また、特許文献1には、タッチパネルへの指の接近により、指が接近された領域に対応した位置にメニューを表示するカーナビゲーション装置が開示されている。また、特許文献2には、静電容量型のタッチパネルを備え、操作者の指がタッチパネルに接近するとメニューボタンが表示部に表示される画像表示装置が開示されている。また、特許文献3には、ユーザーが指やペンでセンサー内蔵液晶パネル上をタッチした位置にペン画像を表示し、ユーザーによる入力を助けるグリッド画像を同時に表示する入力装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−358162号公報
【特許文献2】国際公開第10/089980号パンフレット
【特許文献3】特開2010−113481号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】松原孝志著 他4名,「快適操作を提供するユーザーインタフェース技術(User Interface Technology for Comfortable Operation)」,VOL.91 No.09 726-727,日立評論,2009年9月,p.48−53
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記説明した先行技術によれば、ユーザーの指がタッチパネルに近接されるとメニューボタン等の所定の画像が表示される。また、ユーザーは、タッチパネルに近接したままの状態で指を動かす等といった所定の操作を行うことによって所望の機能を実行できる。但し、タッチパネルに近接したままの状態で指をスライドさせても、ユーザーは当該操作の感触を得ることができない。このため、当該操作に応じて視聴覚的な応答や示唆等を示すことが望ましい。
【0007】
また、上記説明した先行技術では、ユーザーがタッチパネルに指を近づけても、タッチパネル上のどの点が機器によってポインティング位置として認識されているかは画面に表示されない。また、ポインティング位置を示すポインターを画面に表示しても、指を近づけた状態は不安定であることや、機器側のセンサー等に起因する誤差等の影響によって、ユーザーが所望する位置とポインターの位置を一致させることは困難であった。このため、仮にポインターを画面に表示してもユーザーにストレスを与えてしまう。
【0008】
本発明の目的は、近接検知部に指示体を近づけて操作を行うユーザーに操作の実感をストレスなく与えることができる近接操作支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、表示部と、当該表示部の表示面への指示体の近接を検知する近接検知部と、を有するインタフェースを用いた近接操作支援装置であって、前記近接検知部からの検知信号に基づいて、指示体の近接位置を判定する近接位置判定部と、前記表示部にコンテンツが表示されているとき、前記表示部に前記指示体が近接されると、前記表示部に表示するセル群の形態を決定するセル群処理部と、前記コンテンツを前記表示部に表示するよう処理し、かつ、前記セル群処理部が決定したセル群を前記コンテンツに重ねて表示するよう処理する表示処理部と、を備え、前記セル群は、互いに隙間を設けて面状に配置された複数のセルから構成され、前記表示部上の前記指示体が近接している箇所の近傍に表示される近接箇所表示セルは、前記セル群に含まれる他のセルと表示形態が異なることを特徴とする近接操作支援装置を提供する。
【0010】
上記近接操作支援装置は、前記表示部に表示されているコンテンツの種別を判別するコンテンツ種別判定部を備え、前記セル群処理部は、前記コンテンツ種別判定部が判定したコンテンツ種別に応じた全体形状の前記近接箇所表示セルを含むセル群の形態を決定する。
【0011】
上記近接操作支援装置では、前記表示部は矩形状であって、前記近接箇所表示セルは、前記表示部の一辺の方向に配列された複数のセルから構成されている。
【0012】
上記近接操作支援装置では、前記近接箇所表示セルは、十字を描く領域の複数のセルから構成されている。
【0013】
上記近接操作支援装置では、前記セル群を構成する前記複数のセルは行列状に配列されている。
【0014】
上記近接操作支援装置では、前記セルは円形である。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る近接操作支援装置によれば、近接検知部に指示体を近づけて操作を行うユーザーに操作の実感をストレスなく与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】一実施形態の近接操作支援装置の構成を示すブロック図
【図2】ディスプレイ111に表示された地図の一例を示す図
【図3】ディスプレイ111に地図が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の一例を示す図
【図4】ディスプレイ111に地図が表示されているときタッチパネル113に近接した指を動かしたときのセル群の一例を示す図
【図5】ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の一例を示す図
【図6】ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に近接した指を動かしたときのセル群の一例を示す図
【図7】ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の他の例を示す図
【図8】ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に近接した指を動かしたときのセル群の他の例を示す図
【図9】ディスプレイ111に地図が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の他の例を示す図
【図10】セル群の他の表示形態を示す図
【図11】セル群の他の表示形態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、一実施形態の近接操作支援装置の構成を示すブロック図である。図1に示す近接操作支援装置100は、映像を表示する例えば4〜10インチの矩形状のディスプレイ111と、ディスプレイ111の表示面に貼り合わされた光透過性を有する静電容量方式のタッチパネル113とを備えた電子機器に設けられる。タッチパネル113は、指や導体等の指示体の接触に応じて当該接触位置での接触を示す信号を出力する他、指示体の近接を検知して、その位置での近接を示す信号を出力する。なお、タッチパネル113は赤外線方式であっても良い。但し、このときは、指示体の接触を検知する圧電センサーがディスプレイ111の表示面に設けられる。
【0019】
図1に示すように、近接操作支援装置100は、近接位置判定部101と、コンテンツ種別判定部103と、セル群処理部105と、表示処理部107と、音声出力処理部109とを備える。
【0020】
近接位置判定部101は、タッチパネル113から送られた指示体の近接を示す信号に基づいて、当該指示体が近接したタッチパネル上の位置を判定する。近接位置判定部101は、判定した位置を2次元直交座標系での座標で示した近接位置座標情報を出力する。コンテンツ種別判定部103は、ディスプレイ111に表示されるデータのプロパティに基づいて、当該データのコンテンツ種別(地図、写真、メール等)を判定する。
【0021】
セル群処理部105は、地図や写真、メール等のデータがディスプレイ111に表示されているとき、タッチパネル113に指示体が近接されると、コンテンツ種別判定部103が判定したコンテンツ種別に応じて、ディスプレイ111に表示するセル群の形態を決定する。なお、セル群は、互いに隙間を設けて行列状に配置された複数のセルから構成され、ディスプレイ111に表示中のコンテンツに重ねて表示される。セル群の詳細については後述する。
【0022】
表示処理部107は、表示データに基づくコンテンツをディスプレイ111に表示するよう処理し、かつ、セル群処理部105が決定したセル群を当該コンテンツに重ねて表示するよう処理する。音声出力処理部109は、タッチパネル113から送られた指示体の近接を示す信号に応じて、タッチパネル113への指示体の近接を近接操作支援装置100が認識したことを示す音声をスピーカ115が出力するよう処理する。
【0023】
以下、コンテンツに重ねて表示されるセル群の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
(第1の実施例)
図2は、ディスプレイ111に表示された地図の一例を示す図である。図2に示す地図がディスプレイ111に表示されているとき、タッチパネル113に指示体(以下「指」を例に説明する。)が近接されると、図3に示すセル群が地図に重ねてディスプレイ111に表示される。なお、図3に示された人差し指は、タッチパネル113への指の近接を示すマークであって、ディスプレイ111には表示されない。
【0025】
図3に示すように、セル群は、行列状に配列された複数の円形のセル151から構成される。また、セル群は、ディスプレイ111の表示面全体にわたって表示される。さらに、タッチパネル113上の指が近接している箇所の近傍に表示される複数のセルは、他のセルと比較して輝度又は透過率が異なる。以下、他のセルと輝度又は透過率が異なる複数のセルを「近接箇所表示セル」という。
【0026】
ディスプレイ111の表示が図3のとき、ユーザーが指をタッチパネル113に近づけた状態のままいずれかの方向に動かすとディスプレイ111に表示される地図の領域が変わる。なお、図3に示した近接箇所表示セルの全体形状は、ユーザーが指をタッチパネル113上のどの方向に動かしてもディスプレイ111のコンテンツの表示が変化する場合の形態である。したがって、図3の表示のときにユーザーが指を左上に動かせば、図4に示すように、太平洋寄りの領域の地図がディスプレイ111に表示される。また、指の動きと共にディスプレイ111上の近接箇所表示セルの位置も変わる。
【0027】
(第2の実施例)
図5は、ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の一例を示す図である。図5に示すように、第2の実施例の近接箇所表示セルは、ディスプレイ111の高さ全体に亘り表示される。すなわち、図5に示した近接箇所表示セルの全体形状は、ユーザーが指をタッチパネル113上で左右方向(図5に示したX軸に沿った方向)に動かしたときのみディスプレイ111に表示されるコンテンツが変化する場合の形態である。したがって、図5の表示のときにユーザーが指を左に動かせば、図6に示すように、別の写真がディスプレイ111に表示される。また、指の動きと共にディスプレイ111上の近接箇所表示セルの位置も変わる。
【0028】
(第3の実施例)
図7は、ディスプレイ111に写真が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の一例を示す図である。図7に示すように、第3の実施例の近接箇所表示セルは、ディスプレイ111の幅全体に亘り表示される。すなわち、図7に示した近接箇所表示セルの全体形状は、ユーザーが指をタッチパネル113上で上下方向(図7に示したY軸に沿った方向)に動かしたときのみディスプレイ111に表示されるコンテンツが変化する場合の形態である。したがって、図7の表示のときにユーザーが指を上に動かせば、図8に示すように、別の写真がディスプレイ111に表示される。また、指の動きと共にディスプレイ111上の近接箇所表示セルの位置も変わる。
【0029】
(第4の実施例)
図9は、ディスプレイ111に地図が表示されているときタッチパネル113に指が近接されたときのセル群の一例を示す図である。図9に示すように、第4の実施例の近接箇所表示セルは、複数のセルによって十字を描く。すなわち、図9に示した近接箇所表示セルの全体形状は、ユーザーが指をタッチパネル113上で左右方向(図9に示したX軸に沿った方向)又は上下方向(図9に示したY軸に沿った方向)に動かしたときのみディスプレイ111に表示されるコンテンツが変化する場合の形態である。したがって、図9の表示のときにユーザーが指を左右又は上下に動かせば、異なる領域の地図がディスプレイ111に表示される。また、指の動きと共にディスプレイ111上の近接箇所表示セルの位置も変わる。
【0030】
上記説明した第1〜第4の実施例のセル群を構成する各セルは円形であるが、その形状は円形に限られず、図10に示すようにひし形や、三角、星型等でも良い。また、第1〜第4の実施例のセル群を構成するセルは行列状に配列されているが、図11に示すように、隣り合うセルが直交軸上で角度をつけたハニカム状の配列であっても良い。
【0031】
上記説明したセル群の表示は、指がタッチパネル113に触れるとディスプレイ111から消える。すなわち、セル群処理部105は、近接位置判定部101がタッチパネル113から指示体の接触を示す信号を受け取ると、セル群をディスプレイ111に表示しないと決定する。
【0032】
以上説明したように、本実施形態によれば、指をタッチパネル113に近づけるとディスプレイ111にセル群が表示されるため、ユーザーは、近接操作支援装置100がタッチパネル113への指の近接を認識したことを視覚で知ることができる。また、ユーザーは、タッチパネル113に指を近づけた際にスピーカ115から出力される音声によって、近接操作支援装置100がタッチパネル113への指の近接を認識したことを聴覚で知ることができる。
【0033】
さらに、ディスプレイ111に表示されるセル群の形態によって、ユーザーは、タッチパネル113の指を近づけた位置をおおまかに把握することができる。また、近接箇所表示セルの全体形状は、ユーザーが指をタッチパネル113に近づけた状態のまま動かしてコンテンツが変化可能な方向を示す。したがって、ユーザーは、近接箇所表示セルの全体形状から、指を動かしてコンテンツが変化可能な方向を知ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明に係る近接操作支援装置は、センサー付きパネルに指示体を近づけて操作可能な電子機器のコントローラ等として有用である。
【符号の説明】
【0035】
100 近接操作支援装置
101 近接位置判定部
103 コンテンツ種別判定部
105 セル群処理部
107 表示処理部
109 音声出力処理部
111 ディスプレイ
113 タッチパネル
115 スピーカ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、当該表示部の表示面への指示体の近接を検知する近接検知部と、を有するインタフェースを用いた近接操作支援装置であって、
前記近接検知部からの検知信号に基づいて、指示体の近接位置を判定する近接位置判定部と、
前記表示部にコンテンツが表示されているとき、前記表示部に前記指示体が近接されると、前記表示部に表示するセル群の形態を決定するセル群処理部と、
前記コンテンツを前記表示部に表示するよう処理し、かつ、前記セル群処理部が決定したセル群を前記コンテンツに重ねて表示するよう処理する表示処理部と、を備え、
前記セル群は、互いに隙間を設けて面状に配置された複数のセルから構成され、
前記表示部上の前記指示体が近接している箇所の近傍に表示される近接箇所表示セルは、前記セル群に含まれる他のセルと表示形態が異なることを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の近接操作支援装置であって、
前記表示部に表示されているコンテンツの種別を判別するコンテンツ種別判定部を備え、
前記セル群処理部は、前記コンテンツ種別判定部が判定したコンテンツ種別に応じた全体形状の前記近接箇所表示セルを含むセル群の形態を決定することを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の近接操作支援装置であって、
前記表示部は矩形状であって、
前記近接箇所表示セルは、前記表示部の一辺の方向に配列された複数のセルから構成されていることを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項4】
請求項2に記載の近接操作支援装置であって、
前記近接箇所表示セルは、十字を描く領域の複数のセルから構成されていることを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の近接操作支援装置であって、
前記セル群を構成する前記複数のセルは行列状に配列されていることを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の近接操作支援装置であって、
前記セルは円形であることを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項1】
表示部と、当該表示部の表示面への指示体の近接を検知する近接検知部と、を有するインタフェースを用いた近接操作支援装置であって、
前記近接検知部からの検知信号に基づいて、指示体の近接位置を判定する近接位置判定部と、
前記表示部にコンテンツが表示されているとき、前記表示部に前記指示体が近接されると、前記表示部に表示するセル群の形態を決定するセル群処理部と、
前記コンテンツを前記表示部に表示するよう処理し、かつ、前記セル群処理部が決定したセル群を前記コンテンツに重ねて表示するよう処理する表示処理部と、を備え、
前記セル群は、互いに隙間を設けて面状に配置された複数のセルから構成され、
前記表示部上の前記指示体が近接している箇所の近傍に表示される近接箇所表示セルは、前記セル群に含まれる他のセルと表示形態が異なることを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の近接操作支援装置であって、
前記表示部に表示されているコンテンツの種別を判別するコンテンツ種別判定部を備え、
前記セル群処理部は、前記コンテンツ種別判定部が判定したコンテンツ種別に応じた全体形状の前記近接箇所表示セルを含むセル群の形態を決定することを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の近接操作支援装置であって、
前記表示部は矩形状であって、
前記近接箇所表示セルは、前記表示部の一辺の方向に配列された複数のセルから構成されていることを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項4】
請求項2に記載の近接操作支援装置であって、
前記近接箇所表示セルは、十字を描く領域の複数のセルから構成されていることを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の近接操作支援装置であって、
前記セル群を構成する前記複数のセルは行列状に配列されていることを特徴とする近接操作支援装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載の近接操作支援装置であって、
前記セルは円形であることを特徴とする近接操作支援装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−190261(P2012−190261A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53199(P2011−53199)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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