説明

近距離通信のための受信装置とそれによる通信モード検出方法

【課題】受信装置に印加されるデータの通信フレームパターンが複数の近距離通信プロトコルのうちのいずれのプロトコルに属するかを迅速に検出することができる通信モード検出方法を提供する。
【解決手段】本発明の通信モード検出方法によれば、近距離通信イニシエータから伝送されるデータの通信フレームパターンを予め設定されたサンプリングクロックに同期して受信する段階が用意される。通信モードの検出は、通信フレームパターンのうちのスタートパターンを分析することによって達成される。通信モードが迅速に検出されると共に、通信モードセッティングのため別途の動作を実行することなくてもデータが自動受信されるので、受信装置の動作パフォーマンスが改善される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は近距離通信に係り、さらに詳細には、近距離通信のための受信装置とそれによる通信モード検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にデータを送る伝送装置と伝送されたデータを受信する受信装置とが互いに数十センチメートル乃至数メートル以内の近距離に位置する場合にNFC(Near Field Commuication)が実行される。例えば、非接触式の電子決済または情報認識のために携帯電話などのようなマルチメディア機器は決められたNFCプロトコルでリーダ機器と通信することができる。
【0003】
NFCシステムにおいて、伝送データは各々決められたコーディング方式でソースコーディング(source coding)された後に伝送チャンネルを通じて伝送される。例えば、ISO 18092のイニシエータはマンチェスターコーディングされた信号をNFCターゲットに伝送する。
【0004】
このNFCイニシエータ(Initiator)は伝送初期にTYPEA 106kbps、TYPEB 106kbps、TYPEF 212kbps(FELICA 212kbps)、及びTYPEF 424kbps(FELICA 424kbps)の通信フレームパターンでデータを伝送することができる。したがって、NFCターゲットがデータを受信するためには通信フレームパターンがNFCプロトコルのうちのいずれのプロトコルであるかを先ず検出しなければならない。しかし、データは様々なプロトコルのうち一つの通信モードがターゲットで予め設定された後に伝送されるわけではないので、NFCターゲット(Target)には前記のような多様なプロトコルの通信モードを全部検出して受信することができる装置が必要である。
【0005】
データの通信フレームパターンがどのプロトコルに属しているかを判断するための、NFC通信モードを検出する典型的な方法は、NFCターゲット内にTYPEA 106、TYPEB 106、FEILICA 212、FELICA 424の各々のプロトコルを受信することができる受信装置を全部具備しておき、CPUなどのような制御処理部によってTYPEA 106、TYPEB 106、FELICA 212、FELICA 424を周期的に一つずつセッティングするものである。したがって、あるモードがセッティングされた場合にデータが正常に受信されると判断されれば、通信モードは該セッティングされたモードとして決められる。しかし、このような典型的なモード検出方法は通信モードの検出時間が比較的長くかかり、ソフトウェア的に複雑な手続きを要するので、受信装置のパフォーマンス低下をもたらす。
したがって、近距離通信で迅速に通信モードを検出し、且つデータを受信することができる近距離通信のための受信テクニックが要望されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009−0051498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の課題は、データの受信の時、迅速に通信モードを検出することができる通信モード検出方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、印加されるデータの通信モードを迅速に検出し、且つ通信モードセッティングのための別途の動作を実行することなく、データを自動で受信することができる方法及び受信装置を提供することにある。
【0008】
本発明のまた他の課題は、多様な通信モードのうちの一つを通信フレームパターンの一部を利用して区別することができる通信モード検出方法及び受信装置を提供することにある。
本発明のまた他の課題は、近距離通信ターゲットの受信性能を改善することができる通信モード検出方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態の一態様による通信モード検出方法は、近距離通信イニシエータから伝送されるデータの通信フレームパターンを予め設定されたサンプリングクロックに同期して受信する段階と、前記通信フレームパターンのうちのスタートパターンを分析して前記通信フレームパターンが複数の近距離通信プロトコルのうちのいずれのプロトコルに属しているかを示す通信モードを検出する段階とを有する。
【0010】
本発明の実施形態において、前記スタートパターンはTYPEA 106の場合にSパターンを含むことができる。また、前記スタートパターンはTYPEB 106の場合にSOFパターンであり得る。TYPEF 212及び424の場合に各々SYNCパターンであり得る。
本発明の実施形態において、前記スタートパターンの分析の時、前記TYPEA 106の場合には前記TYPEF 212との区別のために前記Sパターン後のデータ1ビットを前記スタートパターンにさらに含むことができる。
【0011】
本発明の実施形態において、前記設定されたサンプリングクロックはTYPEF 424のデータを8倍オーバーサンプリングする周波数を有するクロックであり得る。
本発明の実施形態において、前記通信モードの検出の後に対応するプロトコルによるデコーディング及びデグレーディングを実行する段階をさらに具備することができる。
【0012】
本発明の実施形態の他の態様による近距離通信のための受信装置は、印加されるデータの通信フレームパターンのうちスタートパターンを予め設定されたサンプリングクロックによって分析し、前記通信フレームパターンが複数の近距離通信プロトコルのうちのいずれのプロトコルに属しているかを示す通信モードを検出して前記データを受信する検出及び受信部と、前記通信モードの検出に応答して対応するプロトコルによるデコーディング及びデグレーディングを実行した後、デグレーディングされたデータをメモリに格納するデグレーディング及びメモリ部とを具備する。
【0013】
本発明の実施形態において、前記データが近距離通信イニシエータから伝送される場合に、前記受信装置はTYPEA 106、TYPEB 106、TYPEF 212、及びTYPEF 424のデータを選択的に受信することができる近距離通信ターゲットであり得る。
【0014】
本発明の実施形態において、前記デコーディング及びメモリ部から印加されるリクエストデータに応答して前記メモリに格納されたデグレーディングデータをリードし、検出された通信モードを確認する処理制御部をさらに具備することができる。
本発明の実施形態において、前記スタートパターンの分析の時、前記TYPEF 424に基準し、前記TYPEF 212とTYPEA 106のデータは2倍オーバーサンプリングされ、TYPEB 106のデータは8倍オーバーサンプリングされ得る。
【0015】
本発明の実施形態のまた他の態様による近距離通信システムは、データを伝送する近距離通信イニシエータと、データの通信フレームパターンのうちスタートパターンを予め設定されたサンプリングクロックによって分析し、前記通信フレームパターンが複数の近距離通信プロトコルのうちのいずれのプロトコルに属しているかを示す通信モードを検出し、前記データを受信する検出及び受信部と、前記通信モードの検出に応答して対応するプロトコルによるデコーディング及びデグレーディングを実行した後、デグレーディングされたデータをメモリに格納するデコーディング及びメモリ部を含む近距離通信ターゲットとを具備する。
【0016】
本発明の実施形態において、前記近距離通信イニシエータはカードリーダ機器であり得る。また、前記近距離通信ターゲットはスマートカードを内蔵した携帯用マルチメディア端末機であり得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明の実施形態によれば、受信装置に印加されるデータの通信フレームパターンが複数の近距離通信プロトコルのうちのいずれのプロトコルに属するかを迅速に検出すると共に、通信モードセッティングのため別途の動作を実行しなくてもデータを自動で受信する。したがって、受信装置の動作パフォーマンスが改善される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施形態に適用される近距離通信システムの概略的ブロック図。
【図2】図1の近距離通信システムで用いられるデータの通信フレーム構造を示す図。
【図3】図2の通信フレームのうちスタートパターンを各々比較的に示すタイミング図。
【図4】図1の近距離通信システムのうち本発明の実施形態に係る近距離通信ターゲットの詳細ブロック図。
【図5】図4の検出及び受信部の通信モード検出動作を示すフローチャート。
【図6】図1の近距離通信システムをリーダ機器と携帯用マルチメディア端末機に適用した例示的ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以上の本発明の目的、他の目的、特徴及び利点は添付の図面を参照し、以下の望ましい実施形態を通じて容易に理解することができる。しかし、本発明はここで説明する実施形態に限定されず、他の形態への具体化も可能である。さらに、ここで紹介する実施形態は開示された内容が徹底且つ完全になれるように、そして当業者に本発明の思想を十分に伝達するように提供されるものである。
【0020】
本明細書において、ある素子またはラインが対象素子ブロックに接続されると記載された場合、それは直接的に接続されるか、または他の素子を通じて対象素子ブロックに間接的に接続され得ることを意味する。
また、明細書の全体にかけて同一参照番号は同一構成要素を示す。図面において、素子及びラインのサイズは技術的内容の効果的な説明のために示すだけであり、他の素子、または回路ブロックをさらに具備することができる。
ここに説明及び例示される実施形態はそれの相補的な実施形態も含む。
先ず、図1は、本発明の実施形態に適用される近距離通信システムの概略的ブロック図である。
【0021】
図1を参照すれば、近距離通信システムはNFCイニシエータ10とNFCターゲット20とを含んでいる。NFCターゲット20は本発明の実施形態に係る受信装置として機能し、検出及び受信部25を具備している。NFCイニシエータ10がTYPEA 106、TYPEB 106、TYPEF 212、またはTYPEF 424のデータを伝送する場合に、NFCターゲット20は検出及び受信部25を通じて伝送されたデータの通信フレームパターンが複数の近距離通信プロトコルのうちのいずれのプロトコルに属するかを迅速に検出し、通信モードセッティングのための別途の動作を実行することなくデータを自動で受信する。したがって、NFCターゲット20の動作パフォーマンスが改善される。
【0022】
以下では通信モードの検出に関する例を詳細に説明する。
図2には図1の近距離通信システムで用いられるデータの通信フレーム構造を示している。図2の通信フレーム210はTYPEA 106を示し、通信フレーム220はTYPEB 106を示す。また、通信フレーム230はTYPEF 212またはTYPEF 414を示す。
【0023】
通信フレーム210はスタートパターン(S)211、データパターン212、214、216、パリティパターン213、215、及びエンドパターン(E)217からなる。
通信フレーム220はスタートパターンとしてのファイルスタート(SOF)221、データパターン223、225、227、スタート区間222、226、ストップ区間224、228、及びエンドパターンとしてのファイルエンド(EOF)229からなる。
通信フレーム230はプリアンブルパターン231、スタートパターンとしての同期パターン(SYNC)232、長さパターン233、データパターンとしてのペイロード234、及びCRCパターン235からなる。
【0024】
図2に示すように、TYPEAの場合、スタートビット(Start bit)が存在し、TYPEBの場合、SOFパターン(Pattern)が存在し、TYPEFの場合、SYNCパターンが存在するので、これを比較することによって、どのプロトコルであるかを区別することができる。
図3は、図2の通信フレームのうちスタートパターンを各々比較的に示すタイミング図である。
【0025】
図3を参照すれば、タイム区間T10でロー及びハイレベルを有するスタートパターン211AはTYPEA 106であり、データがOである場合のSパターン波形を示す。
タイム区間T12でロー及びハイレベルを有するスタートパターン211BはTYPEA 106であり、データが1である場合のSパターン波形を示す。
【0026】
タイム区間T20でローレベルを有するスタートパターン221はTYPEB 106である場合のSOFパターン波形を示す。
タイム区間T22でハイ及びローレベルを有するスタートパターン232AはTYPEF 212のSYNCパターン波形を示す。
タイム区間T24でハイ及びローレベルを有するスタートパターン232BはTYPEF 424のSYNCパターン波形を示す。
【0027】
本発明の実施形態では、図3に示す通信フレームパターンのうちのスタートパターンを分析して迅速に通信モードを検出する。ここで、スタートパターンの分析は図4の検出及び受信部25によって実行される。
図4は、図1の近距離通信システムのうち本発明の実施形態に係る近距離通信ターゲットの詳細ブロック図である。
【0028】
図4を参照すれば、受信装置としてのNFCターゲットは、検出及び受信部25と、クロック発生器21と、デコーディング及びメモリ部22と、処理制御部23とを含んでいる。
検出及び受信部25は印加されるデータの通信フレームパターンのうちスタートパターンを予め設定されたサンプリングクロックによって分析して、通信フレームパターンが複数の近距離通信プロトコルのうちのいずれのプロトコルに属しているかを示す通信モードを検出し、データを受信する。
【0029】
クロック発生器21はサンプリングクロックを発生してラインL3を通じて出力する。ここで、予め設定されたサンプリングクロックの周波数はTYPEF 424のデータを8倍オーバーサンプリングする周波数である。
デコーディング及びメモリ部22は通信モードの検出に応答して対応するプロトコルによるデコーディング及びデグレーディング(degrading)を実行した後、デグレーディングされたデータをFIFOメモリに格納する。
【0030】
処理制御部23はデコーディング及びメモリ部22から印加されるリクエストデータに応答してFIFOメモリに格納されたデグレーディングデータをリードし、検出された通信モードを確認する。
【0031】
図4のように構成された近距離通信ターゲットは、データが近距離通信イニシエータから伝送される場合に、受信装置はTYPEA 106、TYPEB 106、TYPEF 212、及びTYPEF 424のデータを選択的に受信することができる。
【0032】
スタートパターンを予め設定されたサンプリングクロックによって分析する場合に、TYPEA 106のスタートパターンにはSパターンが基本的に含まれる。また、TYPEF 212との区別のためにSパターン後のデータ1ビットをスタートパターンにさらに含むことができる。結局、スタートパターンを比較すれば、TYPEF 424とTYPEB 106とはタイミング的に互いに差があるが、TYPEA 106とTYPEF 212とはタイミング的に互いに差がない。したがって、通信モードの区別が難しくて、本発明の実施形態ではTYPEA 106の場合にはスタートパターンだけではなく、スタートパターンS後のデータ1ビットを検出するスタートパターンに追加する。
【0033】
TYPEB 106の場合に、スタートパターンはSOFパターンになり、TYPEF 212の場合、またはTYPEF424の場合に、スタートパターンはSYNCパターンになる。
スタートパターンの分析の時、TYPEF 424を基準とし、TYPEF 212とTYPEA 106のデータは2倍オーバーサンプリングされ、TYPEB 106のデータは8倍オーバーサンプリングされる。TYPEF 424のサンプリングはサンプリングクロックの周波数が6.78MHzの場合に8倍オーバーサンプリングされる。
【0034】
図5は、図4の検出及び受信部の通信モード検出動作を示すフローチャートである。
段階500で初期化実行が行われた後、段階501で通信フレームパターンのうちのスタートパターンを分析するためにエッジが検出されたか否かをチェックする。すなわち、ハイからローへ遷移されるか、またはローからハイへ遷移されるエッジがあれば、スタートパターンのデータレベルはハイ(“1”)またはロー(”0”)として判定される。
【0035】
段階510、段階511、及び段階512は受信データのNFCプロトコルがTYPEA 106であるか否かを検出するために用意される。サンプリングクロックを用いてエッジを検出した結果として、段階510で2ビットの“0”がサーチされれば、段階511で何ビットの“1”がサーチされたかがチェックされる。2個(2ビット)の“0”がサーチされた以後に6〜8個の“1”がサーチされた場合であれば、図3の211A波形が検出された場合であるので、段階512でTYPEA 106モードが判定され、開始データS_DATAは“0”として判定される。
【0036】
一方、2個の“0”がサーチされた以後に10〜12個の“1”がサーチされた場合であれば、図3の211B波形が検出された場合であるので、段階512でTYPEA 106モードが判定され、開始データS_DATAは“1”として判定される。開始データS_DATAの論理レベルと、TYPEA 106モードのコーディング情報、及びオーバーサンプリングに対するデグレーディング情報はSDATA、MIL(ミラーコーディング)、及びBN/2(Bit Number/2)として各々出力されてバスラインL2を通じて図4のデコーディング及びメモリ部22に印加される。これによって、デコーディング及びメモリ部22はラインL1から印加されるデータをバスラインL2を通じて受け、MIL情報によってミラーデコーディングを行う。
【0037】
デコーディングされたデータはBN/2情報によってデグレーディングされる。この場合にデコーディングされたデータのビット数が半分に減る。デグレーディングデータは受信用FIFOメモリに格納される。以後、データのエンドパターン(End pattern)が検出されれば、デコーディング及びメモリ部22は受信インターラプトRX_INTをラインL4を通じて処理制御部23に印加する。
【0038】
FIFOメモリに格納されたデータRX_DARAはラインL5を通じて処理制御部23に印加され、この時、検出されたモード信号MODEもラインL6を通じて処理制御部23に印加される。処理制御部23はノイズ(Noise)によってデータ誤検出の確率を減らすために、受信インターラプトRX_INT、データRX_DARA、及びモード信号MODEを受信し、REQA、REQB、ATR REQであるか否かを判断することによって、モード検出の正確性を確認し、データ処理を実行する。
【0039】
再び図5を参照すれば、段階520と段階521とは受信データのNFCプロトコルがTYPEB 106であるか否かを検出するために用意される。段階520で80〜88個の0がサーチされた場合であれば、図3の221波形が検出された場合であるので、段階521でTYPEBモードが判定される。TYPEBモードのコーディング情報とオーバーサンプリングに対するデグレーディング情報はNRZ(NRZコーディング)、及びBN/8として各々出力されてバスラインL2を通じて図4のデコーディング及びメモリ部22に印加される。デコーディング及びメモリ部22はバスラインL2を通じて受信されるデータをNRZ情報によってNRZデコーディングを行う。デコーディングされたデータはBN/8情報によって1/8にデグレーディングされる。
【0040】
段階530と段階531とは受信データのNFCプロトコルがTYPEF 212であるか否かを検出するために用意される。段階530で2ビットずつ9A5965A6 Hexがサーチされた場合であれば、図3の232A波形が検出された場合であるので、段階531でTYPEF 212(FELICA 212)モードが判定される。結局、TYPEF 212のSYNCパターン(B24D Hex)をサーチする場合に、SYNCパターンはマンチェスターコーディング(Manchester coding)された後受信されるので、9A5965A6 Hexを検出しなければならない。
【0041】
また、ここでTYPEF 212の場合にはTYPEF424に比べて2倍ずつオーバーサンプリング(Over sampling)されるので、2ビットずつの9A5965A6 Hexをサーチするようになる。TYPEF 212モードのコーディング情報とオーバーサンプリングに対するデグレーディング情報とはMCS(マンチェスターコーディング)、及びBN/2として各々出力されてバスラインL2を通じて図4のデコーディング及びメモリ部22に印加される。
【0042】
段階540と段階541とは受信データのNFCプロトコルがTYPEF 424であるか否かを検出するために用意される。段階540で1ビットずつの9A5965A6 Hexがサーチされた場合であれば、図3の232B波形が検出された場合であるので、段階541でTYPEF 424(FELICA 424)モードが判定される。TYPEF 424モードのコーディング情報とオーバーサンプリングに対するデグレーディング情報とはMCS(マンチェスターコーディング)、及びBNとして各々出力されてバスラインL2を通じて図4のデコーディング及びメモリ部22に印加される。この場合にBNは1であるので、データのデグレーディングはなくなる。
【0043】
このように、スタートパターンを検出することによって、通信モードを迅速に検出すると共に、通信モードセッティングのための別途の動作が実行されなくてもデータが自動で受信される。
【0044】
図6は、図1の近距離通信システムをリーダ器と携帯用マルチメディア端末機とに適用した例示的ブロック図である。
図6を参照すれば、リーダ器10aは図1のNFCイニシエータ10と同一の機能を実行する。スマートカードを内蔵する携帯用マルチメディア端末機20aは図1のNFCターゲット20と同様に検出及び受信部25を具備する。携帯用マルチメディア端末機20aは液晶ディスプレイなどのような画面表示部26を具備することができる。
【0045】
リーダ器10aがTYPEA 106、TYPEB 106、TYPEF 212、またはTYPEF 424のデータを伝送する場合に、携帯用マルチメディア端末機20aは図5のような検出制御流れを実行する検出及び受信部25を通じて迅速に通信モードを検出し、通信モードセッティングのための動作を別に実行することなくデータを自動で受信する。したがって、携帯用マルチメディア端末機20aの近距離通信の受信動作パフォーマンスが改善される。
【0046】
上述のように、本発明の実施形態によれば、受信装置に印加されるデータの通信フレームパターンが複数の近距離通信プロトコルのうちのいずれのプロトコルに属するかを迅速に検出すると共に通信モードセッティングのための動作を別に実行することなくデータが自動で受信される。したがって、受信装置の動作パフォーマンスが改善される。
【0047】
本発明の実施形態では近距離通信ターゲットとしての受信装置を中心として説明したが、これに限定されず、他の通信端末機の場合にも本発明の実施形態を拡張して適用することができることは勿論である。
上述の説明では本発明の実施形態を中心として図面を参照して説明したが、本発明の技術的思想の範囲内で本発明を多様に変形または変更することができることは本発明が属する分野の当業者には明白である。例えば、事案が異なる場合に、本発明の技術的思想を逸脱せず、受信装置内の詳細回路構成またはこれと接続される回路ブロックの配置手順及び詳細構成を多様に変形または変更することができることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
10 NFCイニシエータ
20 NFCターゲット
25 検出及び受信部
22 デコーディング及びメモリ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
近距離通信イニシエータから伝送されるデータの通信フレームパターンを予め設定されたサンプリングクロックに同期して受信する段階と、
前記通信フレームパターンのうちスタートパターンを分析して前記通信フレームパターンが複数の近距離通信プロトコルのうちいずれのプロトコルに属しているかを示す通信モードを検出する段階とを有することを特徴とする通信モード検出方法。
【請求項2】
前記スタートパターンはTYPEA106の場合にSパターンを含むことを特徴とする請求項1に記載の通信モード検出方法。
【請求項3】
前記スタートパターンはTYPEB106の場合にSOFパターンであることを特徴とする請求項1に記載の通信モード検出方法。
【請求項4】
前記スタートパターンはTYPEF212の場合にSYNCパターンであることを特徴とする請求項1に記載の通信モード検出方法。
【請求項5】
前記スタートパターンはTYPEF424の場合にSYNCパターンであることを特徴とする請求項1に記載の通信モード検出方法。
【請求項6】
前記スタートパターンの分析の時、前記TYPEA106の場合に前記Sパターン後のデータ1ビットが前記スタートパターンにさらに含まれることを特徴とする請求項2に記載の通信モード検出方法。
【請求項7】
前記設定されたサンプリングクロックはTYPEF424のデータを8倍オーバーサンプリングする周波数を有するクロックであることを特徴とする請求項6に記載の通信モード検出方法。
【請求項8】
前記通信モードの検出の後に対応するプロトコルによるデコーディング及びデグレーディングを実行する段階をさらに有することを特徴とする請求項6に記載の通信モード検出方法。
【請求項9】
近距離通信のための受信装置において、
印加されるデータの通信フレームパターンのうちスタートパターンを予め設定されたサンプリングクロックによって分析し、前記通信フレームパターンが複数の近距離通信プロトコルのうちのいずれのプロトコルに属しているかを示す通信モードを検出し、前記データを受信する検出及び受信部と、
前記通信モードの検出に応答して対応するプロトコルによるデコーディング及びデグレーディングを実行した後、デグレーディングされたデータをメモリに格納するデコーディング及びメモリ部とを具備することを特徴とする近距離通信のための受信装置。
【請求項10】
前記データが近距離通信イニシエータから伝送される場合に、前記受信装置はTYPEA106、TYPEB106、TYPEF212、及びTYPEF424のデータを選択的に受信することができる近距離通信ターゲットであることを特徴とする請求項9に記載の近距離通信のための受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−175627(P2011−175627A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279469(P2010−279469)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】416,Maetan−dong,Yeongtong−gu,Suwon−si,Gyeonggi−do,Republic of Korea
【Fターム(参考)】