説明

追尾装置

【課題】大きな角速度を必要とせず、全天に渡り目標の自動追尾を可能とする。
【解決手段】追尾装置は、球状胴体と、第1から第3ジンバルと、可動体と、球体駆動部と、駆動保持部と、目標位置認識部と、第1から第4角度センサと、回転バネ駆動部と、制御部と、を備えている。駆動保持部は、第3ジンバルと可動体とを接続し、球体駆動部を球状胴体に押圧した状態に保持する。目標位置認識部は、可動体に支持され、目標の位置データを出力する。第1から第3角度センサはそれぞれ、第1から第3ジンバルの第1から第3回転角度を検出する。第4角度センサは、第3ジンバルに対する可動体の第4回転角度を検出する。回転バネ駆動部は、第3ジンバルを回転中心に戻す。制御部は、位置データ、及び第1回転角度から第4回転角度までを使用して、目標を追尾するように球体駆動部を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、全方向に渡り移動する目標(ターゲット)に対してカメラ等の目標認識センサを追尾させるための追尾装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、空港やプラントなど大型施設、及び発電所や水道施設などのライフラインに関わる施設での保安設備、並びにITSなどの交通情報支援システムなどにおいて、ITVカメラ等を用いて対象物を追跡し、継続した監視や詳細な情報を入手するシステムが多く商品化されている。これらのシステムは、地上設置型だけでなく、プラットホームとして車両、船舶または航空機などを想定し、小型かつ耐振性を考慮した構造で、振動及び動揺に対する外乱抑圧を行っている。更に、複数の対象物を順次、追尾できるように、旋回速度を高速化し、対象物への指向を短時間に行えることが重要になってきている。
【0003】
このような移動体画像追尾システムでは、全方向に渡り移動する目標に対して追尾するために、従来技術としてはジンバル構造を用いていることが多い。ジンバル構造では少なくとも2軸以上を備える必要がある。2軸ジンバルでは、対象物が天頂、もしくは天頂付近を通過する場合にはAZ軸は瞬時に正面から背面へ向かうため180度近く回転する必要があり、モータトルクには制限があるためこの動作の実現は難しく、連続した追跡ができなくなるというジンバルロックと呼ばれる現象の課題がある。このため2軸ジンバル構造では、ジンバルロックが生じる天頂付近には指向することができず、全方向に渡り目標を連続して追尾することの実現が難しい。
【0004】
また、従来の画像追尾システムでは、3軸ジンバル構造を用いることで、動作の自由度を増やし、角速度が過大とならないように、動きをAz軸とxEL軸との動作に分配することで、実現可能なジンバル可動範囲を超えることなく、ジンバルロックを避け、全方向にわたり連続的に追尾させようとしている。
【0005】
他に、ジンバル構造を取らない従来技術としては、球体状のケーシングを摩擦転動機構が全方向に回転自由に駆動する機構が提案されている。
【0006】
また、球体状の可動体に対して摩擦を利用して回転させる機構としては、中空体で表面部が弾性体で構成された球状回転体を転動させることで移動する搬送装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−106910号公報
【特許文献2】特開2005−114035号公報
【特許文献3】特開2009−234524号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このような従来技術では、小型化や目標を追尾するための制御則が複雑になるという課題がある。例えば、3軸ジンバル構造の場合には、モータ等の駆動手段も増えるため、小型化や低コスト化が難しい。また、カメラ等を搭載するためxEL軸の負荷慣性が大きく、Az軸とxEL軸との軸干渉の影響も生じる可能性があり、3軸ジンバル構造特有の課題が生じてしまう。さらに、冗長軸によりAz軸の角速度を緩和することは可能であるが、他の軸と比べて必要となる角速度は大きいため、必要となる駆動トルクも大きくなってしまう課題がある。
【0009】
また、従来のジンバル構造を用いていない方式では、ジンバルロックのような課題はないが、移動体画像追尾システムとしては自動化が難しいという課題がある。例えば、目標が画像に入るまで人為的に遠隔操作にて球体を駆動する必要があり、カメラの指向方向の情報も取得する要素を有していないため、画像から得られた情報を用いて自動的に追尾することが難しい。また、球状ケーシング内のカメラ等とは無線で通信しているため、可動時間も限定的となる課題がある。
【0010】
また、従来の球体を駆動させる機構では移動装置等には利用が可能であるが、移動体画像追尾システムとしては応用が難しいという課題がある。例えば、テーブルを水平にしながら移動するように球体を駆動するため、任意の方向にカメラを指向させることが難しいという課題がある。
【0011】
発明が解決しようとする課題は、上記に鑑みてなされたものであって、大きな角速度を必要とせず、全天に渡り目標の自動追尾を可能とする、移動体の追尾装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
実施形態によれば、追尾装置は、球状胴体と、第1から第3ジンバルと、可動体と、球体駆動部と、駆動保持部と、目標位置認識部と、第1から第4角度センサと、回転バネ駆動部と、制御部と、を備えている。第1ジンバルは、前記球状胴体の底部に支持され、垂直方向に向けられる第1ジンバル軸を中心に回転する。第2ジンバルは、前記第1ジンバルに支持され、前記第1ジンバル軸に直交する第2ジンバル軸を中心に回転する。第3ジンバルは、前記第2ジンバルに支持され、前記第1ジンバル軸と前記第2ジンバル軸との直交点において該第2ジンバル軸と直交する第3ジンバル軸を中心に回転する。可動体は、前記第3ジンバルに支持され、前記第3ジンバル軸に直交する第4ジンバル軸を中心に回転する。球体駆動部は、前記可動体に接続し、前記球状胴体に接触した状態で3箇所以上に設けられ、前記可動体を所望の方向に移動させる。駆動保持部は、前記第3ジンバルと前記可動体とを接続し、前記球体駆動部を前記球状胴体に押圧した状態に保持する。目標位置認識部は、前記可動体に支持され、目標の位置データを出力する。第1角度センサは、前記底部に対する前記第1ジンバルの第1回転角度を検出する。第2角度センサは、前記第1ジンバルに対する前記第2ジンバルの第2回転角度を検出する。第3角度センサは、前記第2ジンバルに対する前記第3ジンバルの第3回転角度を検出する。第4角度センサは、前記第3ジンバルに対する前記可動体の第4回転角度を検出する。回転バネ駆動部は、前記第3ジンバルを回転中心に戻す。制御部は、前記位置データ、及び前記第1回転角度から前記第4回転角度までを使用して、前記目標を追尾するように前記球体駆動部を制御する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態の追尾装置のブロック図。
【図2】(a)は図1の追尾装置の斜視透視図であり、(b)は正面透視図であり、(c)は側面透視図であり、(d)は上面図である。
【図3】(a)は目標位置認識部が水平方向を向いる場合での図1の追尾装置が含む第1から第3ジンバルと可動体それぞれの回転軸を示す図であり、(b)は目標位置認識部が天頂方向を向いる場合での図1の追尾装置が含む第1から第3ジンバルと可動体それぞれの回転軸を示す図である。
【図4】球状胴体150に対する可動体141の位置を示す概略図。
【図5】(a)は正面透視図でありホイールの位置を示し、(b)は上面図であり各ホイールでの駆動方向ベクトルを示し、(c)は上面図であり可動体をx方向に転動させたい場合を示し、(d)は上面図であり可動体をy方向に転動させたい場合を示す。
【図6】可動体が、上方を指向している状態から、奥行き方向である左斜め方向に移動する場合の斜視透視図を示し、(a)は初期状態を示し、(b)は可動体が左斜め方向に移動している状態を示し、(c)は左斜め方向への移動の進行と共に第1及び第2ジンバルが回転する状態を示し、(d)は第3ジンバルを回転中心に戻し第1及び第2ジンバルそれぞれが回転する状態を示す。
【図7】実施形態のカメラ視野と移動体との追尾誤差を示す図。
【図8】目標の移動に追尾するための制御系を説明するブロック線図。
【図9】目標物へ光を照射するトラッキングシステムの概略図。
【図10】(a)は第2の実施形態の追尾装置を示す斜視透視図であり、(b)は第2の実施形態の追尾装置を示す正面透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る追尾装置について詳細に説明する。なお、以下の実施形態では、同一の番号を付した部分については同様の動作を行うものとして、重ねての説明を省略する。
実施形態の追尾装置は、移動体画像追尾システムを、移動する目標物へ光を照射するトラッキングシステムに適用したものである。
【0015】
(第1の実施形態)
本実施形態の追尾装置について図1、図2を参照して説明する。図1は追尾装置のブロック図であり、図2は透視図であり、(a)はZ軸正方向を天頂方向としたベクトル(X,Y,Z)=(1,−1,1)の方向から見た斜視図であり、(b)はY軸負方向から見た正面図であり、(c)はX軸負方向から見た側面図であり、(d)はZ軸正方向から見た上面図である。ただし、図2(a)にX軸、Y軸、Z軸の方向は定義してあり、図2のそれぞれの図面にX軸、Y軸、Z軸の方向を示してある。
本実施形態の追尾装置は、第1、第2及び第3ジンバル111,121,131、可動体141、ベース101、第1、第2、第3及び第4角度センサ112,122,132,142、球状胴体150、ホイール151,152,153、駆動保持部155、目標位置認識部161、追尾誤差検出部162、制御部163、第1、第2及び第3ホイール駆動部171,172,173を含んでいる。なお、ホイールと対応するホイール駆動部とを合わせて球体駆動部と呼ぶ。
【0016】
本実施形態では、球状胴体150の内部に、第1、第2及び第3ジンバル111,121,131、可動体141、ベース101、第1、第2、第3及び第4角度センサ112,122,132,142、ホイール151,152,153、駆動保持部155、目標位置認識部161、追尾誤差検出部162、制御部163、第1、第2及び第3ホイール駆動部171,172,173が設置されている。球状胴体150は、目標位置認識部161で目標を認識することができる材質でできている。球状胴体150は例えば、目標位置認識部161が取得する予定になっている光に関して透明な材質からなる。
【0017】
第1ジンバル111は、球状胴体150の底部のベース101に支持され、垂直方向に向けられ回転自由である第1回転軸110としての第1ジンバル軸を中心に回転する。第2ジンバル121は、第1ジンバル111に支持され、この第1回転軸110と直交する水平方向に設けられ、回転自由である第2回転軸120としての第2ジンバル軸を中心に回転する。第3ジンバル131は、第2ジンバル121に支持され、第1ジンバル軸と第2ジンバル軸との直交点において、この第2回転軸120と直交する水平方向に設けられ、回転自由である第3回転軸130としての第3ジンバル軸を中心に回転する。図1の第3回転軸130は、図1の紙面に直交する。
また、第3回転軸130に関しては、回転バネ駆動が備えてある。回転バネ駆動部は、その復元力によって第3ジンバル131を回転中心に戻す。例えば、図1で第3ジンバル131が第3回転軸130に関して右回りまたは左回りに少し動いた場合に、この回転バネ駆動部が、第3ジンバル131を回転中心に戻そうとして、第2ジンバル121及び第1ジンバル111を回転させることになる。回転バネ駆動部は、第3ジンバルの軸に接続されていてもよいし、第3ジンバル131または駆動保持部155に付属していてもよい。
【0018】
ベース101は、第1ジンバル111に接続していて、第1ジンバル111、第2ジンバル121、第3ジンバル131、駆動保持部155、可動体141、及び目標位置認識部161を支えて、平面上に追尾装置を設置するための土台となる。
【0019】
可動体141は、駆動保持部155を介して第3ジンバル131に接続する。可動体141は、第3回転軸130と直交する方向に設けられ、回転自由に支持される第4回転軸としての可動軸140を中心に回転する。可動体141には可動体141を動かすための球体駆動部が少なくとも3箇所以上に設置されている。球体駆動部は、第3ジンバルと可動体を拘束している。球体駆動部は、球状胴体150に対して可動体141を移動させることが可能なホイール(例えばオムニホイール151,152,153)と、ホイールを回転駆動するホイール駆動部171,172,173とで構成されている。なお、図1、図2(a)から図2(d)では例えば等間隔120度で3つのオムニホイール151,152,153を配置した場合を図示している。オムニホイールは、ホイールである球体胴体を回転駆動するだけでなく、この駆動の方向とは異なる方向への移動が可能なホイール(回転体)の総称である。オムニホイールの回転軸にはホイール駆動部の回転軸が備わっており、ホイール駆動部によってオムニホイールのホイール本体部が回転される。球体駆動部が、可動体141を球状胴体150に対して所望の方向に転動させることができる。ホイールが球状胴体に押圧されるように、球体駆動部は回転バネを備えていてもよい。
【0020】
さらに、可動体141には目標の位置データを出力する目標位置認識部161が設置されている。目標位置認識部161は目標認識センサとも呼び、例えばカメラセンサであり、目標を認識して画像データを得る。
【0021】
また、駆動保持部155は、第3ジンバル131と可動体141とを接続し、第3ジンバル131と可動体141とのそれぞれを相対的に回転自由にするだけでなく、球体駆動部のうちのホイールを球状胴体150に押圧した状態に保持する。この結果、可動体141はスムースに球状胴体150に沿って動くことが可能になる。駆動保持部155には例えば、圧縮バネが取り付けられており、バネの復元力により第3ジンバル131に対して可動体141を図1の例では上に押し上げることで、オムニホイールを球状胴体150の内側に押圧した状態に保持する。従って、オムニホイールが駆動保持部155のバネにより最適な力で球状胴体150に押し付けられることで、球体駆動部は、球状胴体150とオムニホイール151,152,153との間の摩擦力を利用して、第1、第2及び第3ホイール駆動部171,172,173からの駆動力を伝達することができる。また、駆動保持部155はベアリングやエンコーダであり、これらを介して第3ジンバル131と可動体141とを連結する。
【0022】
第1から第4回転軸110,120,130,140には、それぞれの回転軸に対応して第1から第4角度センサ112,122,132,142が備わっている。第1角度センサ112は、ジンバル固定部であるベース101に対する第1ジンバル111の回転角度を検出する。第2角度センサ122は、第1ジンバル111に対する第2ジンバル121の回転角度を検出する。第3角度センサ132は、第2ジンバル121に対する第3ジンバル131の回転角度を検出する。第4角度センサ142は、第3ジンバルに対する可動体141の回転角度を検出する。第4角度センサ142は例えばエンコーダである。
【0023】
追尾誤差検出部162は、目標位置認識部161から取得した画像データに画像処理を施して追尾誤差検出値を検出する。追尾誤差検出部162は、一般的には2値化により白黒画像にし、目標の特徴点を抽出することでカメラ視野内の位置が識別され、視野中心からの2方向のずれ量(ΔX,ΔY)を追尾誤差検出値とする。これらの画像処理を含めた処理時間が追尾誤差検出値を得るサンプリング時間となる。追尾誤差検出値については後に図7を参照して説明する。
【0024】
制御部163は、第1、第2、第3及び第4角度センサ112,122,132,142から4つの角度を入力して、目標位置認識部161の向きを認識し、追尾誤差検出部162から取得した追尾誤差検出値をゼロにするように、第1、第2及び第3ホイール駆動部171,172,173に指示を出し、ホイール151,152,153を駆動する。換言すれば、制御部163は、4つの角度を使用して目標位置認識部161と同一の座標系での仮想的な位置データを計算し、仮想的な位置データと目標位置認識部161が出力した位置データとを一致させるように球体駆動部を制御する。
【0025】
次に、球状胴体150に対する、第1、第2及び第3ジンバル111,121,131と可動体141それぞれの第1から第4回転軸110,120,130,140の概要について図3を参照して説明する。図3(a)は目標位置認識部161が水平方向を向いている場合を示し、図3(b)は目標位置認識部161が天頂方向を向いている場合を示している。なお、図2は可動体141が上方を指向している、すなわち目標位置認識部161が天頂方向を向いている場合である。
【0026】
球状胴体150の座標系Σ0を基準として、球状胴体150と第1ジンバル111との第1回転軸110、第1ジンバル111と第2ジンバル121との第2回転軸120、第2ジンバル121と第3ジンバル131との第3回転軸130、第3ジンバル131と可動体141との第4回転軸140が備わっている。これら各回転軸には、角度センサが備わっている。第1角度センサ112は、第1ジンバル111の球状胴体150に対する回転角度θ1を検出する。第2角度センサ122は、第2ジンバル121の第1ジンバル111に対する回転角度θ2を検出する。第3角度センサ132は、第3ジンバル131の第2ジンバル121に対する回転角度θ3を検出する。第4角度センサ142は、可動体141の第3ジンバル131に対する回転角度θ4を検出する。また、第3回転軸130には回転バネ駆動部が備わっており、第3ジンバル131が外力により回転自由であるが、回転中心に戻す復元力を備えている。
【0027】
次に、球状胴体150に対する可動体141の位置について図4を参照して説明する。
各回転軸は、同一交点を有しているため、可動体141上に備わった目標位置認識部161であるカメラの座標系Σcとは回転変換の関係のみを有している。従って、可動体141は球状胴体150を基準とした球面座標系上に位置する。
【0028】
次に、球状胴体150とオムニホイールと駆動方向ベクトルとの関係について図5を参照して説明する。
図5の(a)は正面図であり、図2の(b)に対応している、図5の(b)は上面図であり、図2の(d)に対応している。なお、図5(b)では、可動体141が上方を指向し、かつ球状胴体150の座標系Σ0とカメラの座標系Σcとが同じである姿勢の状態を図示している。例えば、球状胴体150の半径R、天頂方向であるz0軸に対する取り付け角度φ、等間隔120度で3つのオムニホイール(i=1〜3)を取り付ける場合について説明する。球状胴体150と各ホイールとの接点座標P(i=1〜3)は、次式で表される。
【数1】

【0029】
また、各点における駆動方向ベクトルs(i=1〜3)は、次式で表される。
【数2】

【0030】
これらの関係を用いると、可動体141のカメラ座標系での各軸周りの次に示される角速度ω(j=x,y,z)と、ホイールの周速度vsi(i=1〜3)との関係が次式の[式3]で表される。
【数3】

【0031】
【数4】

【0032】
この式から、可動体141上のカメラ座標系における可動体141の角速度を得るためのモータ回転速度を決めることができる。
【0033】
例えば、可動体141をx方向に転動させたいときは、可動体141にω周りの角速度を与える。このとき、[式3]より、vsi(i=1〜3)は以下のようになる。
【数5】

【0034】
図5(c)のように、s2とs3が反対のモータ回転速度を与えるように各ホイールを回転させる。
【0035】
また、y方向に転動させたいときは、可動体141にω周りの角速度を与える。このとき、[式3]より、vsi(i=1〜3)は以下のようになる。
【数6】

【0036】
図4(d)のように、s1に対して、s2とs3には半分大きさで反対のモータ回転速度を与えるように各ホイールを回転させる。
【0037】
次に、可動体141が球体駆動部により球状胴体150上を駆動する動作が行われたときのジンバルの姿勢の変化について図6を参照して説明する。
可動体141が上方を指向している状態から、図6の奥行き方向である左斜め方向((X,Y,Z)=(−1,1,0)の方向)に可動体141が移動する場合を図示している。図2(b)と同様に正面方向をY軸負方向としている。図6(a)は最初の状態を示しており、可動体141が上方を指向している場合には、第3ジンバル131も上方を指向している。次に図6(b)のように、球体駆動部の動作によって可動体141が左斜め方向に移動を開始すると、可動体141の動きに従い連結されている第1から第3ジンバルも受動的に駆動される。このとき、可動体141に最も近い第3ジンバル131が最初に回転する。図6(c)のように、可動体141が左斜め方向に移動が進行すると、他の第1及び第2ジンバルもそれぞれの軸に関して回転する。このとき、第3回転軸130に関しては回転バネが駆動して、第3回転軸130を回転中心に戻す復元力が働く。従って、この力が第1及び第2ジンバル111,121をそれぞれ回転させる力に分配される。図6(d)のようにさらに、移動が進行すると、第3回転軸130に関して第3ジンバル131を回転中心に戻し、第1及び第2ジンバル111,121のみに回転角度が生じる状態になる(従動動作による回転)。このように本実施形態の追尾装置は、第3回転軸130に関して回転バネが駆動することにより受動的な冗長性を有しており、天頂付近をジンバルが指向している場合に対しても、可動体141の移動に対して従動的に第1から第3ジンバルを回転させることができる。
【0038】
次に、カメラ画像の視野と目標との関係について図7を参照して説明する。
可動体141上に備わった目標位置認識部161であるカメラの座標系Σcで目標をカメラ視野内で捕捉している場合には、カメラ中心からのずれ量として追尾誤差検出値(ΔX,ΔY)が得られる。追尾誤差検出値は、一般的には画像情報から得られた特徴点に対して重心を計算することによって求められる。
【0039】
次に、本実施形態の追尾制御系について図8を参照して説明する。図8は、目標の移動に追尾するための制御系を説明するブロック線図である。
球体駆動部により可動体141が球状胴体150上に駆動されると、可動体141上の目標位置認識部161が転動し、目標位置認識部161が目標を含んだ画像データを取得し、追尾誤差検出部162が目標の位置データである追尾誤差検出値(ΔX,ΔY)を得る。また、可動体141の転動に対して従動的に第1から第3ジンバル111,121,131も駆動される。ジンバル111,121,131及び可動体141には第1から第4角度センサ112,122,132,142が備わっており、可動体141の姿勢による角度データ(θ1,θ2,θ3,θ4)が得られる。
【0040】
制御部163では、この追尾誤差検出値と、角度データとに基づき、球体駆動部を駆動させるための角速度指令を生成する。
【0041】
目標位置認識部161で目標を追尾するように可動体141を制御するためには、カメラの座標系と駆動方向ベクトルの座標系とが同一であり、追尾誤差を小さくするような角速度を発生させる追尾制御則のみで追尾することが可能となる。追尾誤差検出値(ΔX,ΔY)を入力、追比例ゲインである追尾ゲインKcを定数とすると、可動体141の角速度指令ωjr(j=x,y,z)は次式で表される。
【数7】

【0042】
また、目標位置認識部161で目標を捉えていない状態で、任意の方向に可動体141を指向させる必要がある。指定し易い球面座標系での角度(θr1,θr2)から、目標の位置ベクトルを(eT_x,eT_y,eT_z)とすると、関係式が次式で表される。
【数8】

【0043】
本実施形態の追尾装置はジンバルに対応して角度センサを備えているため、可動体141の指向方向を検出することが可能である。第1から第3ジンバル111,121,131、ならびに可動体141の角度データを(θ1,θ2,θ3,θ4)とする。また、球状胴体150の座標系Σ0から見た目標の位置ベクトルは、座標系Σ0の原点からカメラ座標系Σcの原点への視軸ベクトルと、仮想的にジンバル上に備わったカメラ座標系Σcから見た目標位置の仮想追尾誤差ベクトル(dltX,dltY)との和となる。ここで、各回転軸の次に示すそれぞれの座標変換行列が[式6]で表される。
【数9】

【0044】
【数10】

【0045】
球状胴体150の座標系Σ0から、カメラ座標系Σcへの変換行列は、次式で表される。
【数11】

【0046】
以上の関係から、目標の位置ベクトルと機構姿勢との内積と、目標の位置ベクトルとの関係が、次式で表される。ここで、dot_eT_eXは目標の位置ベクトルeTとジンバル上カメラの水平方向の単位ベクトルeXとの内積を示し、dot_eT_eYは目標の位置ベクトルeTとジンバル上カメラの垂直方向の単位ベクトルeYとの内積を示し、dot_eT_eEは目標の位置ベクトルeTとジンバル上カメラの視軸ベクトルの単位ベクトルeEとの内積を示すとする。また、|eT|=|eE|=1である。
【数12】

【0047】
従って、仮想的なジンバル上に備わったカメラから見た目標位置の仮想追尾誤差(dltX,dltY)が、次式で表される。
【数13】

【0048】
この追尾誤差(dltX,dltY)を[式4]の(ΔX,ΔY)に入力して、[式4]の角速度生成則を適用することにより、目標の位置へ指向することが可能となる。
【0049】
次に、本実施形態での目標物へ光を照射するトラッキングシステムについて図9を参照して説明する。
図9は、第1から第3ジンバル111,121,131内、可動部141内に構成された導光系902を説明する図である。この図9は図2(b)と同じ正面図であり、球状胴体150、第1から第3ジンバル111,121,131、ならびに可動体141の断面概略図を示している。第1から第3ジンバル111,121,131にはクーデ光学系を形成するミラー901や導光路、光源903が配置されており、可動体141には導光路が配置されている。導光路は光源903からの光を通過することができるようになっている路である。図9の例では、ミラー901は、第1ジンバル111に3つ、第3ジンバル131に1つ配置されていて、導光路は図9の太い点線で示されている。導光路は、例えば空洞、または所望の光を透過する材質でできた路である。
【0050】
可動体141の転動により従動的にジンバルが回転する際に、ミラー901もジンバル姿勢に合わせて回転する。ベース110側より光を照射することで、クーデ光学系により可動体141のどのような姿勢でも、目標に光を照射することができる。本実施形態の光学系では可動体141の中心から照射されているが、可動体141内に導光路を形成して、照射軸をずらすことも可能である。また、光学系を反対に利用すると、可動体141から入射された映像を、ベースに取り付けた目標位置認識部(例えばカメラ)で捉えることで、可動体141上に目標位置認識部を取り付けない構成も可能である。
【0051】
以上の第1の実施形態によれば、球体駆動部によって目標を追尾するため、ジンバルロックの課題を回避することが可能となり、一つの駆動軸に大きな角速度を必要としないため小型化や軽量化ができる。また、カメラ等が搭載された可動体を球体駆動で転動させることで従動的に駆動されるジンバル機構により、指向方向を検知することが可能であり、全方向に渡り移動する目標に対してカメラ等の目標認識センサを自動的に追尾させることができる。
【0052】
さらに、可動体上にカメラ等の目標認識センサを備えているため、画像から得られる目標の位置と可動体の駆動方向ベクトルとが同一の座標系となり、画像追尾の制御則を簡素化することができる。
【0053】
またさらに、従動的に駆動されるジンバル機構と4つの角度センサにより指向方向と可動体の姿勢を検知することが可能であり、任意の方向の目標位置ベクトルに対する可動体上のカメラで見た仮想的な追尾誤差を計算することにより、任意の方向に指向させることができる。
【0054】
さらにまた、ジンバル機構とこれに連結した可動体内にクーデ光学系を配することで、自動的に追尾した目標に対して光を照射することができる。
【0055】
(第2の実施形態)
本実施形態の追尾装置について図10(a)及び(b)を参照して説明する。図10(a)及び(b)は、本実施形態の追尾装置の概要を説明する図である。図10(a)はZ軸正方向を天頂方向としたベクトル(X,Y,Z)=(1,−1,1)の方向から見た斜視図、図10(b)はY軸負方向から見た正面図である。第2の実施形態の追尾装置は、可動体141がホイールを介して球状胴体の外側表面に接触している状態で可動体141が自在に球状胴体上を移動することが、第1の実施形態の追尾装置とは異なる。
【0056】
本実施形態の追尾装置は、球状胴体1001、カバー1002、駆動保持部1003、第1、第2及び第3ジンバル111,121,131、可動体141、ベース101、第1、第2、第3及び第4角度センサ112,122,132,142、ホイール151,152,153、目標位置認識部161、追尾誤差検出部162、制御部163、第1、第2及び第3ホイール駆動部171,172,173を含んでいる。図10(a)または(b)に全ての装置部分は記載されていないが、図1と同様の装置部分を含む。以下、第1の実施形態の追尾装置とは異なる部分について説明する。
【0057】
可動体141は、球状胴体1001の外側に配置され、ホイール151,152,153を介して球状胴体1001の外面に接する。可動体141は球状胴体1001の外面上を自在に移動する。可動体141には第1の実施形態と同様に球体駆動部と目標位置認識部161が取り付けられている。第1、第2及び第3ジンバル111,121,131は、球状胴体1001の内側に配置されていて第1の実施形態での動作と同様である。可動体141は駆動保持部1003を介して第3ジンバルと接続している。第3回転軸130に関しては、回転バネ駆動が備えてあることも第1の実施形態と同様である。回転バネ駆動部は、その復元力によって第3ジンバル131を回転中心に戻す。駆動保持部1003は、第3のジンバル131に取り付けられて球体駆動部を球状胴体150に押圧した状態に保持する。駆動保持部1003は可動体141と第3ジンバル131とを接続し、第3ジンバル131と可動体141とのそれぞれを相対的に回転自由にする。
【0058】
可動体141は、駆動保持部155を介して第3ジンバル131に接続する。可動体141は、第3回転軸130と直交する垂直方向に設けられ、回転自由に支持される第4回転軸としての可動軸140を中心に回転する。可動体141は例えば永久磁石部を有し、駆動保持部1003は例えばコイルを含むように設定する。この場合にコイルに電流を流すことにより電磁石として作用して可動体141を第3ジンバル131に接続することができ、さらに可動軸140を中心として駆動保持部155は回転自由に可動体141を支持することが可能になる。また、電磁石の吸引力により第3ジンバル131に対して可動体141を球状胴体1001に引きつけることで、オムニホイールを球状胴体1001に押圧した状態に保持する。
【0059】
従って、球体駆動部は、オムニホイールが駆動保持部155の電磁石により最適な力で球状胴体1001に押し付けられることで、球状胴体1001とオムニホイールとの間の摩擦力を利用して、ホイール駆動部からの駆動力を伝達することができる。
【0060】
本実施形態では可動体141が球状胴体1001の外部に存在するので、可動体141が可動軸140を中心として回転した場合の回転角度は、第1の実施形態の場合とは異なる手法で測定されてもよい。例えば、第4角度センサ142は、例えば光エンコーダであり、光によって球状胴体1001を透過させることにより、可動体141の第3のジンバルに対する回転角度を光学的に検出してもよい。
【0061】
また、カバー1002は、可動体141、目標位置認識部161、球体駆動部、球状胴体1001、及びベース101を含むような大きさと形を持ち、目標位置認識部161で目標を認識することができる材質でできている。カバー1002は例えば、目標位置認識部161が取得する予定になっている光に関して透明な材質からなる。
【0062】
以上の第2の実施形態によれば、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。ジンバルが球状胴体内部にあり可動体及び球体駆動部が球状胴体外部にあるので、ジンバルと、可動体及び球体駆動部とを別々にメンテナンスしやすい。ジンバルと可動体及び球体駆動部とは球状胴体内部と外部とで分離されているので、球体駆動部にある動力部(例えばモータ)等の配線がジンバルに絡まることがない。逆に、第1の実施形態は、球状胴体内部にジンバル、可動体及び球体駆動部が入っているので、配線等が球状胴体外部に出ることはない。
【0063】
また、この発明によれば特定の回転軸に大きな角速度を発生させることなく、目標の画像追尾が可能となるため、画像監視装置等の移動体を追尾する機器に適用することができる。また、全天に渡って指向させつつ、導光が可能となるので、レーザーピーニング装置や3次元加工機、そして映像表示装置等の照射系を指向させる機器に適用することができる。また、任意の可動体141で受けた光や電波等をベース等の固定部へ搬送することが可能となるので、集光型太陽発電やアンテナの受信系を指向させる機器に適用することができる。
【0064】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、3軸ジンバル構造に限定されたものではなく、2軸ジンバル構造に弾性体で可動体141を連結するような冗長性を持たせた構成が可能あることは容易に類推することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0065】
101・・・ベース、110,120,130,140・・・回転軸、111,121,131・・・ジンバル、141・・・可動体、112,122,132,142・・・角度センサ、150,1001・・・球状胴体、151,152,153・・・ホイール、155,1003・・・駆動保持部、161・・・目標位置認識部、162・・・追尾誤差検出部、163・・・制御部、171,172,173・・・ホイール駆動部、901・・・ミラー、902・・・導光系、1002・・・カバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
球状胴体と、
前記球状胴体の底部に支持され、垂直方向に向けられる第1ジンバル軸を中心に回転する第1ジンバルと、
前記第1ジンバルに支持され、前記第1ジンバル軸に直交する第2ジンバル軸を中心に回転する第2ジンバルと、
前記第2ジンバルに支持され、前記第1ジンバル軸と前記第2ジンバル軸との直交点において該第2ジンバル軸と直交する第3ジンバル軸を中心に回転する第3ジンバルと、
前記第3ジンバルに支持され、前記第3ジンバル軸に直交する第4ジンバル軸を中心に回転する可動体と、
前記可動体に接続し、前記球状胴体に接触した状態で3箇所以上に設けられ、前記可動体を所望の方向に移動させる球体駆動部と、
前記第3ジンバルと前記可動体とを接続し、前記球体駆動部を前記球状胴体に押圧した状態に保持する駆動保持部と、
前記可動体に支持され、目標の位置データを出力する目標位置認識部と、
前記底部に対する前記第1ジンバルの第1回転角度を検出する第1角度センサと、
前記第1ジンバルに対する前記第2ジンバルの第2回転角度を検出する第2角度センサと、
前記第2ジンバルに対する前記第3ジンバルの第3回転角度を検出する第3角度センサと、
前記第3ジンバルに対する前記可動体の第4回転角度を検出する第4角度センサと、
前記第3ジンバルを回転中心に戻す回転バネ駆動部と、
前記位置データ、及び前記第1回転角度から前記第4回転角度までを使用して、前記目標を追尾するように前記球体駆動部を制御する制御部と、を具備することを特徴とする追尾装置。
【請求項2】
前記球体駆動部は、回転駆動の方向と異なる方向への移動が可能であるホイールと、該ホイールを回転駆動して前記球状胴体上に前記可動体を移動させるホイール駆動部を備えることを特徴とする請求項1に記載の追尾装置。
【請求項3】
光源をさらに具備し、
前記第1ジンバルから前記第3ジンバルまでの内部及び前記可動体の内部に導光系を設置し、前記光源からの光を該導光系に導き、目標に光を照射するように該導光系を設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の追尾装置。
【請求項4】
前記球体駆動部は前記球状胴体の内部にホイールを介して接触し前記第3ジンバルと前記可動体とを拘束し、前記駆動保持部は前記第3のジンバルと前記可動体との間にバネを備え、該バネによって前記球体駆動部を前記球状胴体に押圧することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の追尾装置。
【請求項5】
前記可動体は永久磁石を備え、
前記球体駆動部は前記球状胴体の外部にホイールを介して接触し前記第3ジンバルと前記可動体とを拘束し、前記駆動保持部はコイルを備え、電磁気力によって前記球体駆動部を前記球状胴体に押圧することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の追尾装置。
【請求項6】
前記球状胴体に対して所望の方向に前記可動体を移動させる駆動方向ベクトルの座標系と、前記位置データの座標系とが同一の座標系になるように、前記球体駆動部と前記目標位置認識部とを設定することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の追尾装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1回転角度から前記第4回転角度までを使用して前記目標位置認識部と同一の座標系での仮想的な位置データを計算し、該仮想的な位置データと前記目標位置認識部が出力した位置データとを一致させるように前記球体駆動部を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の追尾装置。
【請求項8】
前記球体駆動部は、前記球状胴体に接触して回転する回転体と、前記球状胴体に該回転体を押圧する回転バネとを備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の追尾装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−19810(P2013−19810A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−154235(P2011−154235)
【出願日】平成23年7月12日(2011.7.12)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】