説明

送信装置、受信装置、通信システム、通信方法および集積回路

【課題】SU−MIMOまたはMU−MIMOのいずれにおいても、効率的なシグナリングで従来のポート数よりも多くのポート数への拡張を可能にすることで高い伝送効率を実現する。
【解決手段】空間多重伝送方式でデータを送信する送信装置であって、参照信号生成部906において、データ信号と共に送信する参照信号を生成すると共に、制御情報生成部911において、前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を生成し、送信アンテナ909から前記生成した参照信号および制御信号を送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、参照信号を用いて通信を行なう技術に関し、特に、効率的にMIMO伝送を行なうことのできる送信装置、受信装置、通信システム、通信方法および集積回路に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(Third Generation Partnership Project)によるWCDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)やWiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)のような移動無線通信システムでは、基地局(基地局装置、送信局、送信装置、eNodeB)あるいは基地局に準じる送信局がカバーするエリアをセル(Cell)状に複数配置するセルラー(Cellular)構成とすることにより、通信エリアを拡大することができる。また、基地局と端末装置との間の伝送路状況に応じて、変調方式および符号化率(MCS; Modulation and Coding Scheme)や空間多重数(レイヤー、ランク)やプリコーディング重み(プリコーディング行列)などを適応的に制御することで、より効率的なデータ伝送を実現することができる。非特許文献1ではこれらの制御を行なう方法が示されている。
【0003】
図18は、LTEのデュアルレイヤービームフォーミング方式を用いた送信モードにおける下りリンクのSU(Single User)−MIMO(Multiple Input Multiple Output、空間多重伝送)(第1の伝送方式)送信の例を示す図である。基地局1は端末装置2に対して空間多重された2つのポート(論理ポート)であるポート#7とポート#8を用いて、端末装置2宛の2つの送信データであるコードワード3とコードワード4を送信する。ここで、ポート#7とポート#8の参照信号は互いに直交する拡散符号が乗算されており、端末装置2がポート#7とポート#8の参照信号を容易に分離できるようになっている。
【0004】
図19は、LTEのデュアルレイヤービームフォーミング方式を用いた送信モードにおける下りリンクのMU(Multiple User)−MIMO(第2の伝送方式)送信の例を示す図である。基地局101は端末装置102および端末装置103に対して、非特許文献2に示されているように空間多重された2つのポートであるポート#7とポート#8を用いて、端末装置102宛の送信データであるコードワード104と端末装置103宛のコードワード105を同じ時刻かつ同じ周波数を用いて送信する。ここで、ポート#7とポート#8の参照信号は互いに直交する拡散符号が乗算されているとともに、下り制御情報を用いて端末装置がいずれのポートに自分宛の送信データが含まれるかを知ることができるようになっており、端末装置102および端末装置103がポート#7とポート#8の参照信号を容易に分離できるとともに、自分宛のポートに対応する参照信号を用いて復調し送信データを取り出せるようになっている。
【0005】
図20は、LTEのデュアルレイヤービームフォーミング方式を用いた送信モードにおける下りリンクのMU−MIMO送信の他の例を示す図である。基地局201は端末装置202および端末装置203に対して空間多重された2つのポートのうちのひとつであるポート#7を用いて、端末装置202宛の送信データであるコードワード204と端末装置203宛のコードワード205を同じ時刻かつ同じ周波数を用いて送信する。
【0006】
ここで、コードワード204とコードワード205とを同じポート#7で送信するが、それぞれの送信データを送信する信号の指向性パターンは異なって設定することができる。具体的には、コードワード204は第1の指向性パターン206で送信し、コードワード205は第2の指向性パターン207で送信する。端末装置202用の参照信号と端末装置203用の参照信号には互いに準直交するスクランブリング符号が乗算されているとともに、下り制御情報を介して、それぞれのスクランブリング符号を示す情報が端末装置202と端末装置203に通知される。これにより、指向性パターンの違いとスクランブリング符号の違いを用いて、端末装置202および端末装置203が自身用のポート#7の参照信号を分離できるようになっている。
【0007】
図21は、LTEにおける下りリンクの制御情報の一部を示す表である。ここで、コードワード(CW; Codeword)は送信データの塊である。LTEにおける下りリンクの制御情報の一部には、CWであるCW1およびCW2に関する情報(CWのパラメータを示す情報)16ビットに加えて非特許文献3に示されているようにスクランブリング符号の種類を示すSCID(Scrambling Code Identification)の1ビットが制御情報に含まれている。それぞれのCWに対して、MCS(Modulation and Coding Scheme)を示すMCSI(MCS Indicator)が5ビット、初送か否かを示すNDI(New Data Indicator)が1ビット、パンクチャリングパターンを示すRV(Redundancy Version)が2ビットで示される。
【0008】
LTEでは、図19に示す2つのポートに対して図21に示す1ビットのSCIDによる2つのスクランブリング符号を図20のようにそれぞれのポートに乗算することにより、最大4つの端末装置宛のCWをMU−MIMOにより送信することができる。一方、LTEの拡張であるLTE−Aは、非特許文献4に記載されているように、LTEへの後方互換性を保持しながら、MIMOの最大多重数を8へと拡大することが検討されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3rd Generation Partnership Project(3GPP); Technical Specification Group(TSG) Radio Access Network(RAN); Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E-UTRA);Physical layer procedures (Release 8)、2008年12月、3GPP TS 36.213 V8.8.0 (2009-9)
【非特許文献2】3GPP TSG-RAN WG1 #58bis、R1-094413、“Way forward on the details of DCI format 2B for enhanced DL transmission”、2009年10月
【非特許文献3】3GPP TSG-RAN WG1 #58bis、R1-094408、“Way forward on DMRS sequence generation for dual layer SM”、2009年10月
【非特許文献4】3GPP TR 36.814 V1.5.2、“Further Advancements for E-UTRA Physical Layer Aspects”、2009年12月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来システムにおけるシグナリングでは、従来システムで想定していたポート数以上のポートに対応することができず、ポートを拡張することが困難であり、伝送効率の向上を妨げる要因となっていた。特に、SU−MIMOとMU−MIMOとを動的に切り替える場合の制御を効率的に行なうことが必要とされている。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、SU−MIMOまたはMU−MIMOのいずれにおいても、効率的なシグナリングで従来のポート数よりも多くのポート数への拡張を可能にすることで高い伝送効率を実現する送信装置、受信装置、通信システム、通信方法および集積回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(1)上記の目的を達成するために、本発明は、以下のような手段を講じた。すなわち、本発明の送信装置は、複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式でデータを送信する送信装置であって、データ信号と共に送信する参照信号を生成すると共に、少なくとも1つの前記ポートを示すポート情報と前記データ信号の電力情報とを含む制御信号を生成し、前記ポート情報で示すポートにより前記生成した参照信号および制御信号を送信することを特徴とする。
【0013】
このように、送信装置は、データ信号と共に送信する参照信号を生成すると共に、少なくとも1つのポートを示すポート情報とデータ信号の電力情報とを含む制御信号を生成するので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0014】
(2)また、本発明の送信装置において、前記制御信号は、前記ポート情報及び前記電力情報の組み合わせであるデータ信号識別情報を含むことを特徴とする。
【0015】
このように、制御信号は、ポート情報及び電力情報の組み合わせであるデータ信号識別情報を含むので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0016】
(3)また、本発明の送信装置において、前記電力情報は、前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報であることを特徴とする。
【0017】
このように、電力情報は、データ信号の電力を示す情報であるので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0018】
(4)また、本発明の送信装置において、前記電力情報は、前記データ信号の基準振幅を示す情報であることを特徴とする。
【0019】
このように、電力情報は、データ信号の基準振幅を示す情報であるので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0020】
(5)また、本発明の送信装置において、前記データ信号識別情報は、前記データ信号の空間多重数を示す情報をさらに含むことを特徴とする。
【0021】
このように、データ信号識別情報は、データ信号の空間多重数を示す情報をさらに含むので、送信装置は、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0022】
(6)また、本発明の送信装置において、前記データ信号の空間多重数が1または2である場合、前記データ信号識別情報、並びにデータ信号の塊であるコードワード毎のパラメータを示す情報を用いてポートを示すことを特徴とする。
【0023】
このように、データ信号の空間多重数が1または2である場合、データ信号識別情報、並びにデータ信号の塊であるコードワード毎のパラメータを示す情報を用いてポートを示すので、SU−MIMO伝送時であってもMU−MINO伝送時であっても制御情報の情報量を同一にすることができるため、伝送方式に関わらず制御情報(PDCCH)の検出(ブラインドデコーディング)方法を同一にすることができる。これにより、受信制御を効率的に行なうことが可能となる。
【0024】
(7)また、本発明の受信装置は、複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式で送信されたデータを受信する受信装置であって、前記データ信号と共に送信された参照信号を受信すると共に、少なくとも1つの前記ポートを示すポート情報と前記データ信号の電力情報とを含む制御信号を受信し、前記制御信号を用いて、前記参照信号と前記データ信号とを識別することを特徴とする。
【0025】
このように、受信装置は、データ信号と共に送信された参照信号を受信すると共に、少なくとも1つの前記ポートを示すポート情報と前記データ信号の電力情報とを含む制御信号を受信し、前記制御信号を用いて、前記参照信号と前記データ信号とを識別するので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0026】
(8)また、本発明の受信装置において、前記制御信号は、前記ポート情報及び前記電力情報の組み合わせであるデータ信号識別情報を含むことを特徴とする。
【0027】
このように、制御信号は、ポート情報及び電力情報の組み合わせであるデータ信号識別情報を含むので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0028】
(9)また、本発明の受信装置において、前記電力情報は、前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報であることを特徴とする。
【0029】
このように、電力情報は、データ信号の電力を示す情報であるので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0030】
(10)また、本発明の受信装置において、前記電力情報は、前記データ信号の基準振幅を示す情報であることを特徴とする。
【0031】
このように、電力情報は、データ信号の基準振幅を示す情報であるので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0032】
(11)また、本発明の通信システムは、複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式で送信装置から受信装置へデータを送信する通信システムであって、前記送信装置は、データ信号と共に送信する参照信号を生成すると共に、前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を生成し、前記生成した参照信号および制御信号を前記受信装置へ送信する一方、前記受信装置は、前記データ信号と共に送信された参照信号を受信すると共に、前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を受信し、前記ポート及び電力オフセット情報を用いて、前記参照信号と前記電力オフセット情報とを識別することを特徴とする。
【0033】
このように、送信装置は、参照信号を示す情報及び参照信号とデータ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を生成するので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0034】
(12)また、本発明の通信方法は、複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式でデータを送信する送信装置の通信方法であって、データ信号と共に送信する参照信号を生成するステップと、前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を生成するステップと、前記生成した参照信号および制御信号を送信するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0035】
このように、送信装置は、参照信号を示す情報及び参照信号とデータ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を生成するので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0036】
(13)また、本発明の通信方法は、複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式で送信されたデータを受信する受信装置の通信方法であって、前記データ信号と共に送信された参照信号を受信するステップと、前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を受信するステップと、前記ポート及び電力オフセット情報を用いて、前記参照信号と前記電力オフセット情報とを識別するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする。
【0037】
このように、受信装置が、参照信号を示す情報及び参照信号とデータ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を受信するので、送信装置は、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0038】
(14)また、本発明の集積回路は、送信装置に実装され、前記送信装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式でデータを送信する機能と、データ信号と共に送信する参照信号を生成する機能と、前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を生成する機能と、前記生成した参照信号および制御信号を送信する機能と、の一連の機能を、前記送信装置に発揮させることを特徴とする。
【0039】
このように、送信装置は、参照信号を示す情報及び参照信号とデータ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を生成するので、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0040】
(15)また、本発明の集積回路は、受信装置に実装され、前記受信装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式で送信されたデータを受信する機能と、前記データ信号と共に送信された参照信号を受信する機能と、前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を受信する機能と、前記ポート及び電力オフセット情報を用いて、前記参照信号と前記電力オフセット情報とを識別する機能と、の一連の機能を、前記受信装置に発揮させることを特徴とする。
【0041】
このように、受信装置が、参照信号を示す情報及び参照信号とデータ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を受信するので、送信装置は、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【発明の効果】
【0042】
この発明によれば、効率的なシグナリングで従来のポート数よりも多くのポート数への拡張を可能にすることで高い伝送効率を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係る基地局301(送信装置)の構成の一例を示す概略図である。
【図2】本発明に係る端末装置302(受信装置)の構成の一例を示す概略図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す概略構成図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る基地局301が1つの端末装置302e宛のCWをSU−MIMO多重して送信する場合を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る基地局301が1つの端末装置302f宛のCWをSU−MIMO多重して送信する場合を示す図である。
【図6】本発明の下りリンクの無線フレーム構成を示す概略構成図である。
【図7】本発明の第1の実施形態における、図6の中の時間軸上にサブフレームとして並んだ2つのRBの詳細を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態における、図6の中の時間軸上にサブフレームとして並んだ2つのRBの詳細を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態における、図6の中の時間軸上にサブフレームとして並んだ2つのRBの詳細を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態において、ポート#7からポート#14の8ポートを用いるときのリソースエレメント(リソース)とそれぞれの電力を示した図である。
【図11】本発明の制御情報の一例を示す図である。
【図12】本発明の制御情報におけるポートおよび電力オフセット情報で通知できる状態の一例を示す図である。
【図13A】本発明の第1の実施形態において、ポート#7およびポート#11の割り当てに対応する参照信号とPDSCHの電力を表した図である。
【図13B】本発明の第1の実施形態において、ポート#7、ポート#9およびポート#11の割り当に対応する参照信号とPDSCHの電力を表した図である。
【図13C】本発明の第1の実施形態において、ポート#7、ポート#9およびポート#11の割り当てに対応する参照信号とPDSCHの電力を表した別の図である。
【図14】本発明の第1の実施形態において、ポートおよび電力オフセット情報により指定されたポートがポート#7およびポート#8である場合における、CW毎のパラメータとそれに対応するポートの一例を示す表である。
【図15】本発明の第2の実施形態における、図6の中の時間軸上にサブフレームとして並んだ2つのRBの詳細を示す図である。
【図16A】本発明の第2の実施形態における、復調用参照信号とPDSCHが含まれるOFDMシンボルが割り当てられた場合の参照信号とPDSCHの電力を表した例を示す図である。
【図16B】本発明の第2の実施形態における、PDSCHのみが含まれるOFDMシンボルが割り当てられた場合のPDSCHの電力を表した例を示す図である。
【図16C】本発明の第2の実施形態における、ポート#0およびポート#1の基地局301固有の参照信号とPDSCHが含まれるOFDMシンボルが割り当てられた場合の参照信号とPDSCHの電力を表した例を示す図である。
【図17】本発明の第3の実施形態における、ポートの割り当てとそれに対応する参照信号とPDSCHの電力を表した例を示す図である。
【図18】LTEのデュアルレイヤービームフォーミング方式を用いた送信モードにおける下りリンクのSU(Single User)−MIMO(Multiple Input Multiple Output、空間多重伝送)(第1の伝送方式)送信の例を示す図である。
【図19】LTEのデュアルレイヤービームフォーミング方式を用いた送信モードにおける下りリンクのMU(Multiple User)−MIMO(第2の伝送方式)送信の例を示す図である。
【図20】LTEのデュアルレイヤービームフォーミング方式を用いた送信モードにおける下りリンクのMU−MIMO送信の他の例を示す図である。
【図21】LTEにおける下りリンクの制御情報の一部を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。まず、基地局301と端末装置302の構成について説明する。図1は、本発明に係る基地局301(送信装置)の構成の一例を示す概略図である。上位層910から送られてくるCW毎の情報データ(ビット系列)のそれぞれは、符号部901で誤り訂正符号化およびレートマッチング処理され、スクランブル部902においてスクランブリング符号が乗算(重畳)され、変調部903でPSK変調やQAM変調などの変調処理が施される。レイヤーマッピング部904では、ポート情報を参照して変調部903から出力された変調シンボル系列をレイヤ毎に分配する。参照信号生成部906では、ポート情報を参照して、ポート毎の参照信号系列を生成する。プレコーディング部905は、レイヤ毎の変調シンボル系列に対してプリコーディング処理を行なうとともに、参照信号生成部906で生成されたポート毎の参照信号系列に対してプリコーディング処理を行なうことにより参照信号を生成する。より具体的には、変調シンボル系列や参照信号に対してプリコーディング行列を乗算する。
【0045】
制御情報生成部911は、ポート情報、電力オフセット情報を用いて、図11で説明する制御情報(下りリンク制御情報、PDCCH)を生成する。リソースエレメントマッピング部907は、プレコーディング部905においてプリコーディングされた変調シンボル系列と参照信号と制御情報生成部911で生成された制御情報を所定のリソースエレメントにマッピングする。ここで、参照信号をマッピングする場合は、ポート毎の参照信号が互いに直交するように図7乃至図9などに示す多重方法を適用することができる。リソースエレメントマッピング部907から出力されたリソースブロック群は、OFDM信号生成部908においてOFDM信号に変換し、下りリンク送信信号として送信アンテナ909から送信する。
【0046】
図2は、本発明に係る端末装置302(受信装置)の構成の一例を示す概略図である。受信アンテナ1001において受信した下りリンク受信信号は、OFDM信号復調部1002においてOFDM復調処理が施され、リソースブロック群が出力される。リソースエレメントデマッピング部1003では、まず制御情報がデマッピングされ、制御情報取得部1011において制御信号からポート情報および電力オフセット情報が取得され、端末装置302内で設定される。ここで、当該移動端末に対する制御情報を識別する方法として、様々な方法を用いることができるが、その一例として、ブラインドデコーディングを用いる方法を説明する。この方法では、例えば、その移動端末に対する制御情報に対して、その移動端末を識別する情報をCRC(Cyclic Redundancy Check)として、基地局301側で付加しておき、可能性のある全ての制御情報を復調することで、当該移動端末に対する制御情報を識別することができる。
【0047】
次に、リソースエレメントデマッピング部1003では、ポート情報を参照して所定の位置のリソースエレメントから参照信号を取得して参照信号測定部1010に出力するとともに、参照信号がマッピングされていたリソースエレメント以外のリソースエレメントにおける受信信号をフィルタ部1004に出力する。ここで、参照信号を取得する際は、リソースエレメントマッピング部907における処理に対応した処理を行なう。より具体的には、リソースエレメントマッピング部907においてポート毎の参照信号が互いに直交するようにTDM、FDM、CDMなどが適用されていた場合、これらを考慮したデマッピングあるいは逆拡散を行なう。
【0048】
参照信号測定部1010は、リソースエレメントデマッピング部1003から出力されたポート毎の参照信号に対して、参照信号生成部906で生成したポート毎の参照信号系列に対応する系列(参照信号系列の複素共役の系列など)を乗算することにより、ポート毎のチャネル(伝搬路、伝送路)を測定する。ここで、参照信号は送信装置内でプリコーディングされているため、送信アンテナと受信アンテナとの間のチャネルに加えてプリコーディング処理も含めた等価チャネルを測定することになる。さらに、電力オフセット情報に基づいて、参照信号とPDSCHとの電力オフセット処理を行ない、ポート毎のチャネルを測定する。
【0049】
フィルタ部1004は、参照信号測定部1010から出力された推定後のチャネル情報を用いて、リソースエレメントデマッピング部1003から出力された受信信号に対してフィルタリング処理を行なう。レイヤーデマッピング部1005では、レイヤーマッピング部904に対応する結合処理が施され、レイヤ毎の信号をCW毎の信号に変換する。変換されたCW毎の信号は、復調部1006で変調部903における変調処理に対応した復調処理が施され、デスクランブル部1007において、スクランブル部902で用いたスクランブリング符号の複素共役により乗算、若しくはスクランブリング符号で除算した後、復号部1008でレートデマッチング処理および誤り訂正復号処理が施されて、CW毎の情報データを取得し、上位層1009に送られる。ここで、フィルタ部1004が行なうフィルタリング処理では、受信アンテナ1001毎の受信信号に対して、ZF(Zero Forcing)やMMSE(Minimum Mean Square Error)やMLD(Maximum Likelihood Detection)などの方法を用いて、図1におけるレイヤ(ポート)毎の送信信号を検出する。
【0050】
(第1の実施形態)
図3は、本発明の第1の実施形態に係る通信システムの構成を示す概略構成図である。図3の通信システムはセル#1を構成する基地局(送信装置、基地局装置、eNodeB、eNB、セル、上りリンク受信装置、下りリンク送信装置)301と端末装置(受信装置、UE、上りリンク送信装置、下りリンク受信装置)302a〜302d(以下、端末装置302a〜302dを総称して端末装置302と表す)とを含んで構成される。基地局301は、端末装置302のそれぞれの端末装置302宛の送信データであるCW(Codeword、コードワード)をMU−MIMOの空間多重で送信する。
【0051】
本実施形態では、基地局301は、ポート#7からポート#14の8つのポートを用いて、最大4つの端末装置302宛のCWをMU−MIMO多重する場合について説明する。このとき、ポート#7およびポート#8、ポート#9およびポート#10、ポート#11およびポート#12、ポート#13およびポート#14の4つのペアのうちのいずれかを各端末装置302に割り当てる。そのため、1つの端末装置302は最大2ポートを用いた、すなわち最大の空間多重数(ランク、rank)を2としたMU−MIMO通信をすることができる。図3の例では、基地局301が、それぞれの端末装置302に対して、それぞれ2ポートを用いて、2つのCWを送信する場合について示している。さらに、基地局301は、それぞれの端末装置302に対して、その端末装置302宛のCWの送信に用いるポートを特定するための情報と、データ信号復調用参照信号とデータ信号との電力オフセット情報とを含む制御情報を送信する。
【0052】
図4は、本発明の第1の実施形態に係る基地局301が1つの端末装置302e(以下、端末装置302a〜302eを総称して端末装置302と表す)宛のCWをSU−MIMO多重して送信する場合を示す図である。端末装置302e宛のCW401および402は、それぞれ、ポート#7およびポート#8と、ポート#9を用いて送信される。基地局301は、端末装置302eに対して、その端末装置302e宛のCWの送信に用いるポートを特定するための情報(ランク情報)を含む制御情報を送信する。
【0053】
図5は、本発明の第1の実施形態に係る基地局301が1つの端末装置302f(以下、端末装置302a〜302fを総称して端末装置302と表す)宛のCWをSU−MIMO多重して送信する場合を示す図である。端末装置302f宛のCW501と502は、それぞれ、ポート#7からポート#10と、ポート#11からポート#14を用いて送信される。基地局301は、端末装置302fに対して、その端末装置302f宛のCWの送信に用いるポートを特定するための情報(ランク情報)を含む制御情報を送信する。
【0054】
図6は、本発明の下りリンクの無線フレーム構成を示す概略構成図である。図6における横軸および縦軸はそれぞれ時間および周波数を示している。時間軸において、無線フレームは10msであり、1つの無線フレームは10個のサブフレームを含み、それぞれのサブフレームは2つのスロットを含み、それぞれのスロットは7つのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルを含む。周波数軸上では15kHz間隔で複数のサブキャリアが配置されている。時間軸方向に1スロット、周波数軸方向に12サブキャリアをまとめた単位はRB(Resource Block)であり、このRBは送信データの割り当ての単位である。
【0055】
SU−MIMOの場合、1以上のRBに1以上のCWが1以上のポートを用いて空間多重されるように割り当てられる。また、MU−MIMOの場合、1以上のRBに複数の端末装置302宛のCWが1以上のポートを用いて空間多重されるように割り当てられる。このとき、それぞれの端末装置302に割り当てるRBは、それぞれ独立に設定してもよい。各サブフレームは、下りリンクの制御情報をマッピングする領域である物理下りリンク制御チャネルPDCCH(Physical Downlink Control CHannel)と、下りリンクの送信データをマッピングする物理下りリンク共用チャネルPDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)と、PDSCHを復調するための参照信号であるRS(Reference Signal、復調用参照信号、DM-RS、UE固有参照信号、UE-RS、Precoded RS、パイロット信号)とを含む。以降、PDSCHを復調するための参照信号であるRSを、単に参照信号またはRSと呼ぶ。
【0056】
RSは端末装置302固有の参照信号であって、その端末装置302宛の送信データが割り当てられたPDSCHと同様のプリコーディング処理が施されており、その端末装置302宛の送信データに割り当てられたRBに挿入される。RSはPDSCHのMIMO分離や復調に用いる。また、各ポートに対して別々にRSが設定され、ポート間で互いに直交または準直交するように挿入される。RB間で使用するポート数が異なる場合は、挿入されるRS数も異なる。ポート間でのRSの多重方法としては、異なるOFDMシンボルにマッピングするTDM(Time Division Multiplexing)や異なるサブキャリアにマッピングするFDM(Frequency Division Multiplexing)や異なる拡散符号を重畳するCDM(Code Division Multiplexing)を用いることができる。あるいは、これらの多重方法を複合的に用いることもできる。以下では、ポート間でのRSの多重方法として、FDMとCDMを併用する場合について説明する。
【0057】
図7は、本発明の第1の実施形態における、図6の中の時間軸上にサブフレームとして並んだ2つのRBの詳細を示す図である。前述の通り、1つのRBは時間軸上では7つのOFDMシンボルと周波数軸上では12本のサブキャリアから構成されており、1つのOFDMシンボルおよび1本のサブキャリアから構成される領域であるRE(Resource Element、リソースエレメント)を84個有している。図7は、1つのポート(例えば、ポート#7)あるいは2つのポート(例えば、ポート#7とポート#8)の場合のRS配置を示しており、図7の斜線による網掛け部分の12個のREがRSをマッピングするREである。1つのポートの場合、ポート#7用の系列(拡散符号)が斜線部分の12個のREにマッピングされる。2つのポートの場合、ポート#7用とポート#8用のそれぞれ異なる系列が斜線部分の12個のREにマッピングされる。このとき、ポート#7用とポート#8用のそれぞれ異なる系列は、RS配置の内、隣接する2つのREにマッピングされる。このようにマッピングされた参照信号601は2チップの拡散符号(例えば、OCC(Orthogonal Cover Code)など)によりCDM多重され、端末装置302側で逆拡散により分離される。
【0058】
図8は、本発明の第1の実施形態における、図6の中の時間軸上にサブフレームとして並んだ2つのRBの詳細を示す図である。図8では、3つのポート(例えば、ポート#7とポート#8とポート#9)あるいは4つのポート(例えば、ポート#7とポート#8とポート#9とポート#10)の場合のRS配置を示しており、網掛け部分の24個(斜線による網掛け部分12個と格子状の網掛け部分12個)のREがRSをマッピングされるREである。3つのポートの場合、図7で示したポート#7とポート#8に加えて、ポート#9用の系列が格子状の網掛け部分の12個のREにマッピングされる。すなわち、ポート#7(ポート#8)とポート#9はFDMにより多重される。4つのポートの場合、ポート#9用とポート#10用のそれぞれ異なる系列が格子状の網掛け部分の12個のREにマッピングされる。このとき、ポート#9用とポート#10用のそれぞれ異なる系列(拡散符号)は、RS配置の内、隣接する2つのREにマッピングされる。このようにマッピングされた参照信号701は2チップ拡散のCDM多重が行なわれ、端末装置302側で逆拡散により分離される。
【0059】
図9は、本発明の第1の実施形態における、図6の中の時間軸上にサブフレームとして並んだ2つのRBの詳細を示す図である。図9では、8つのポート(例えば、ポート#7からポート#14)の場合のRS配置を示しており、網掛け部分の24個(斜線による網掛け部分12個と格子状の網掛け部分12個)のREがRSをマッピングされるREである。ポート#7用とポート#8用とポート#11用とポート#12用のそれぞれ異なる系列が斜線による網掛け部分の12個のREにマッピングされる。
【0060】
このとき、ポート#7用とポート#8用とポート#11用とポート#12用のそれぞれ異なる系列は、RS配置の内、同一周波数上の4つのREにマッピングされる。このようにマッピングされた参照信号801は4チップ拡散のCDM多重が行なわれ、端末装置302側で逆拡散により分離される。同様に、ポート#9用とポート#10用とポート#13用とポート#14用のそれぞれ異なる系列が格子状の網掛け部分の12個のREにマッピングされる。このとき、ポート#9用とポート#10用とポート#13用とポート#14用のそれぞれ異なる系列は、RS配置の内、同一周波数上の4つのREにマッピングされる。このようにマッピングされた参照信号802は4チップ拡散のCDM多重が行なわれ、端末装置302側で逆拡散により分離される。
【0061】
ここで、図7から図9における各ポートの系列は、直交符号系列と準直交符号系列を重畳するなどして得ることができる。なお、それぞれのポートに対する割り当て系列とREのマッピングは、以上で説明した組み合わせに限定するものではなく、様々な組み合わせを用いることができる。なお、ここでは、ポート#7とポート#8に加えてポート#9とポート#10等を使用する場合について説明したが、それぞれのポートを使用するか否かはそれぞれ独立に設定することができる。また、ポート#9とポート#10のいずれかまたは両方しか使用しない場合は、ポート#7とポート#8をマッピングしないようにすることもできる。
【0062】
ここで、同じRBまたは時間軸上にサブフレームとして並んだ2つのRBにマッピングするポートの集合をポートグループとする。例えば、図7で説明した例では、ポート#7とポート#8を第1のポートグループとする。図8で説明した例では、ポート#7とポート#8を第1のポートグループとし、ポート#9とポート#10を第2のポートグループとする。図9で説明した例では、ポート#7とポート#8とポート#11とポート#12を第1のポートグループとし、ポート#9とポート#10とポート#13とポート#14を第2のポートグループとする。なお、同じRBまたは時間軸上にサブフレームとして並んだ2つのRBにマッピングするポートでも、直交符号にさらにスクランブル符号などの準直交符号を重畳する場合、重畳する準直交符号毎にポートグループとしてもよい。
【0063】
図10は、本発明の第1の実施形態において、ポート#7からポート#14の8ポートを用いるときのリソースエレメント(リソース)とそれぞれの電力を示した図である。横軸方向は、周波数方向または時間方向のリソースを示しており、縦軸方向はその電力を示している。また、第1のポートグループの参照信号、第2のポートグループの参照信号、PDSCHのそれぞれがマッピングされたリソースを示している。なお、ここでは、同じリソースに多重された参照信号またはPDSCHは、そのリソースでの多重数に応じて、それぞれの電力が等分される場合を説明する。図9で説明したように、第1のポートグループの参照信号、第2のポートグループの参照信号はそれぞれCDMにより、ポート#7からポート#14の8ポートのPDSCHは空間多重されているため、同じリソースにマッピングされる。そのとき、リソース毎の電力の合計が同じであるとすると、図10に示すように、それぞれの参照信号の電力と対応するポートのPDSCHの電力との比が2となることがわかる。さらに、その参照信号の電力と対応するポートのPDSCHの電力との比は、空間多重の状態によって変動することになる。
【0064】
本実施形態では、その参照信号の電力と対応するポートのPDSCHの電力との比(参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値)と、割り当てたポート数(ランク数)と割り当てたポートの情報を含む制御情報を効率的に通知する。以下では、具体的なシグナリングに関して説明する。
【0065】
図11は、本発明の制御情報の一例を示す図である。SU−MIMOおよびMU−MIMOをサポートする基地局301は各端末装置302に対して、図11に示す情報を含む制御信号を通知する。具体的には、各端末装置302に対して、その端末装置302に割り当てられたランク数とポート情報と参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値の情報を示す5ビットのポートおよび電力オフセット情報(データ信号識別情報)、16ビットのCW1およびCW2に関する情報(送信データに関するパラメータを示す情報)が制御情報に含まれている。ここで、ポートおよび電力オフセット情報は、基地局301が各端末装置302に対して割り当てたポート情報、参照信号とPDSCHとの電力オフセット情報(電力情報、基準振幅情報)を含む。特に、電力オフセット情報は、端末装置302が復調処理で用いるデータ信号の基準振幅を識別するためにも用いる。また、それぞれのCWに対して、MCS(Modulation and Coding Scheme)を示すMCSI(MCS Indicator)が5ビット、初送か否かを示すNDI(New Data Indicator)が1ビット、誤り訂正符号のパンクチャリングパターンを示すRV(Redundancy Version)が2ビットで示される。ここで、所定のMCSIとRVの組み合わせは、そのCWが非送信である(送信しない)ことを示す。具体的な例としては、MCSIが最低伝送レートのMCSであり、RVが再送時のパンクチャを示す場合は、非送信であることを示すことができる。以下では、以上のような制御情報を含む信号を制御信号と呼ぶ。
【0066】
図12は、本発明の制御情報におけるポートおよび電力オフセット情報で通知できる状態の一例を示す図である。本実施形態では、既に説明したように、MU−MIMO伝送においては、ポート#7およびポート#8、ポート#9およびポート#10、ポート#11およびポート#12、ポート#13およびポート#14の4つのペアのうちのいずれかを各端末装置302に割り当てる。そのため、図12の例では、ランクが1または2のときには、MU−MIMOまたはSU−MIMO伝送となり、割り当てるポートの組合せを示す状態数が4となる。
【0067】
また、参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値を0dB、-10log10(2)dB、-10log10(4)dBの3種類を設定した場合に、それぞれに割り当てるポートの組合せを示す状態が存在することになる。さらに、ランク数が3から8のときは、SU−MIMO伝送となるため、それらのランク数に対して、割り当てるポートと参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値を予め1対1に対応付ける。そのため、それぞれのランク数に対する状態数はそれぞれ1となる。以上により、同図における例では、存在する状態数は18となる。それらの状態のいずれかを通知するために必要となるビット数は5ビットとなる。ここで、log10(x)は、10を底としたxの対数である。
【0068】
なお、本実施形態におけるポートおよび電力オフセット情報で通知できる状態は、図12で示す状態に限定するものではない。例えば、参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値の種類をさらに増やすこともできるし、減らすこともできる。また、参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値に対応するポートの組合せを限定することにより、さらに状態数を減らすこともできる。具体的には、参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値が0dBに対応するポートの組合せを、ポート#7およびポート#8、ポート#9およびポート#10のいずれかとすることにより、トータルの状態数を16とし、4ビットで通知できるようになる。
【0069】
また、ランクが1または2である時に、さらに割り当てたポートの参照信号の拡散符号が2チップであるか4チップであるかを通知してもよい。その場合は、PDCCHに含まれる制御情報としてもよいし、ポートおよび電力オフセット情報の一部の状態としてもよいし、異なるレイヤにおける制御情報(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング)として通知してもよい。また、ランクが1または2である時には、端末装置302は予め拡散符号が4チップであると規定しておくこともできる。図13A〜13Cは、ポートの割り当てとそれに対応する参照信号とPDSCHの電力を表した例を示している。
【0070】
図13Aは、本発明の第1の実施形態において、ポート#7およびポート#11の割り当てに対応する参照信号とPDSCHの電力を表した図である。そのとき、ポート#7およびポート#11における参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値はそれぞれ0dBとした場合を示している。なお、図13Aでは第2のポートグループのリソースには信号をマッピングしていない場合を示しているが、ポート#7およびポート#11のPDSCHをマッピングしてもよい。
【0071】
図13Bは、本発明の第1の実施形態において、ポート#7、ポート#9およびポート#11の割り当てに対応する参照信号とPDSCHの電力を表した図である。そのとき、ポート#7、ポート#9およびポート#11における参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値は、-10log10(2)dBとした場合を示している。
【0072】
図13Cは、本発明の第1の実施形態において、ポート#7、ポート#9およびポート#11の割り当てに対応する参照信号とPDSCHの電力を表した別の図である。そのとき、ポート#7およびポート#11における参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値は-10log10(2)dBとした場合であり、ポート#9における参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値は-10log10(4)dBとした場合である。以上のように、ランク数が1または2のSU−MIMOまたはMU−MIMO伝送において、ポート割り当ての通知と共に、参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値を通知することにより、柔軟で効率的な信号伝送が可能となる。これにより、基地局301において効率的なスケジューリングを実現することができるため、周波数利用効率を向上することができる。
【0073】
次に、ポートおよび電力オフセット情報によるランク指定が1または2である場合、つまり、ポートが、ポート#7およびポート#8、ポート#9およびポート#10、ポート#11およびポート#12、ポート#13およびポート#14の4つのペアのうちのいずれかである場合に、ランク数と割り当てられたポートを指定する方法を説明する。
【0074】
図14は、本発明の第1の実施形態において、ポートおよび電力オフセット情報により指定されたポートがポート#7およびポート#8である場合における、CW毎のパラメータとそれに対応するポートの一例を示す表である。図11で示したように、ポートおよび電力オフセット情報に加えて、CW毎のパラメータを示す情報も通知し、その情報に基づいてポートを指定する。
【0075】
まず、任意の端末装置302に対して1つのCWを送信する場合、つまりランクが1の場合は、片方のCWのMCSIとRVの組み合わせをdisable(非送信を示す組み合わせ)に、もう片方のCWのMCSIとRVの組み合わせをenable(disableではない任意の値の組み合わせ)に設定し、disableに設定したCWにおけるNDIの1ビットにより、ポート#7またはポート#8のうちのいずれかを指定する。このとき、disableに設定したCWにおけるNDIが、「0」の場合はポート#7を示し、「1」の場合はポート#8を示すものとする。また、任意の端末装置302に対して2つのCWを送信する場合、つまりランクが2の場合は、両方のCWのMCSIとRVの組み合わせをenableに設定することにより、ポート#7およびポート#8の組み合わせを指定する。
【0076】
逆に端末装置302は、まずCW1およびCW2のMCSIとRVの組み合わせを確認し、両方ともenableであれば、2つのポート情報を取得する。一方、片方のCWのMCSIとRVの組み合わせがdisableであれば、disable側のCWにおけるNDIを確認し、ポートおよび電力オフセット情報により1つのポート情報を取得する。なお、図14では1つの端末装置302に対して1つのCWを送信する際にCW1を用いる場合についてのみ記載しているが、CW2を用いる場合はCW1のMCSIとRVの組み合わせとNDI、およびCW2のMCSIとRVの組み合わせとNDIをそれぞれ入れ替えればよい。また、図14では、ポートおよび電力オフセット情報によりポート#7およびポート#8である場合を説明したが、ポート#9およびポート#10、ポート#11およびポート#12、ポート#13およびポート#14のいずれの場合でも同様である。
【0077】
このように、ランクが1または2である場合において、ポートおよび電力オフセット情報およびCW毎の情報に割り当てた状態を用いてポートを指定できる。また、ランクが3以上の場合には、ランク数により用いるポートを予め規定することが好ましいが、ランクが1または2である場合のように、CW毎の情報に割り当てた状態に基づいて、割り当てたポートを指示することもできる。
【0078】
以上のように、本実施形態で説明した方法を用いることにより、移動端末がSU−MIMO伝送時でもMU−MIMO伝送時でも制御情報の情報量を同じにすることができるため、伝送方式に関わらず制御情報(PDCCH)の検出(ブラインドデコーディング)方法を同じにすることができる。これにより、SU−MIMOとMU−MIMOを動的に切り替える場合でも、制御情報の検出方法は同じであるため、受信制御を効率的に行なうことができる。また、適応的な切り替えを容易に実現可能となるため、周波数の利用効率を向上することができる。また、参照信号に対するPDSCHの電力オフセット情報により、移動端末における受信品質を向上することができる。例えば、復調処理での基準振幅等の取得を容易に実現できる。また、通知されたポートおよび電力オフセット情報に加えて、CW毎の情報に割り当てられた状態に基づいて、割り当てられたポートを識別することができる。
【0079】
なお、以上の説明における参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値は1つのリソースエレメントにおける電力に対するものである。そのため、参照信号がCDM多重されている場合、逆拡散した値に拡散率でさらに補正することが好ましい。なお、その拡散率をさらに加味した電力オフセット値を電力オフセット情報として通知してもよい。なお、以上の説明では、ポートを識別する方法について説明したが、参照信号は送信データと共にポート毎にマッピングされるため、参照信号を識別することもできる。なお、以上の説明では、ランクが1または2である場合について、ポートおよび電力オフセット情報と、さらにCW毎の情報に割り当てた状態を用いてポートを指定する場合を説明したが、これに限定するものではなく、ポートおよび電力オフセット情報において、それぞれ異なる状態とすることもできる。
【0080】
なお、ここでは直交するポートのみを用いてMU−MIMOを行なう場合について説明したが、準直交系列を用いてMU−MIMOを行なう場合についても同様の構成で送受信処理を行なうことができる。このときポート情報に準直交系列情報を含め、参照信号生成部906は、予め準直交系列を参照信号系列に乗算し、リソースエレメントデマッピング部1003は、リソースエレメントからRSを分離した後に、準直交系列の複素共役を乗算する処理を行なえばよい。また、準直交系列を用いてMU−MIMOを行なう場合、端末装置302は、直交する2個のポートのそれぞれを介して2種類の準直交符号を乗算した参照信号を多重して送信する従来の通信システムに対して互換性を持つことができる。このとき、乗算した準直交符号によりポートグループとすることができる。なお、以上の説明では、最大のポート数が8ポートの場合を説明したが、それに限定するものではない。例えば、最大のポート数が2ポートや4ポートの場合にも適用することができる。また、1つのポートグループのみを用いる場合にも適用することができる。
【0081】
なお、以上の説明では、ポートおよび電力オフセット情報を通知することで、移動端末ではポート情報と電力オフセット情報を識別する場合を説明したが、これに限定するものではない。本実施形態では、電力オフセット情報により識別できる参照信号とデータ信号との電力オフセット値に基づいて、データ信号の基準振幅を識別し、復調処理を行うことができる。そのため、電力オフセット情報以外にも、データ信号の基準振幅を示す情報などのデータ信号の電力情報を通知することもできる。また、ポートおよび電力オフセット情報は、ポート情報と電力オフセット情報とを組み合わせた制御情報である場合を説明したが、これに限定するものではない。ポート情報と電力オフセット情報は、それぞれ独立した制御情報としてもよく、また別の制御情報と組み合わせた情報としてもよい。
【0082】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。以下では、第1の実施形態との違いを主に説明する。本実施形態では、電力増幅(パワーブースト)した参照信号を含むOFDMシンボルのPDSCHの電力と、参照信号を含まないOFDMシンボルのPDSCHの電力が異なる場合を説明する。以下では、その一例として、リソースエレメントの一部に基地局301固有の参照信号(CRS(Cell-specific RS)、CSIRS(Channel State Information RS)、チャネル品質測定用参照信号)をマッピングする場合を説明する。なお、この基地局301固有の参照信号は、PDCCHなどプレコーディングを行なっていない信号の復調、フィードバック情報の生成などを目的とする参照信号を含む。
【0083】
図15は、本発明の第2の実施形態における、図6の中の時間軸上にサブフレームとして並んだ2つのRBの詳細を示す図である。図15では、ポート#0からポート#3までの4つのポートにおける基地局301固有の参照信号をマッピングした場合を示している。同図において、横線で網掛けしたリソースエレメントが基地局301固有の参照信号を示しており、また、図中の数字はポートの番号を示している。図16A〜16Cは、本発明の第2の実施形態における、ポート#7、ポート#8およびポート#9が割り当てられた場合の参照信号とPDSCHの電力を表した例を示している。
【0084】
図16Aは、本発明の第2の実施形態における、復調用参照信号とPDSCHが含まれるOFDMシンボルが割り当てられた場合の参照信号とPDSCHの電力を表した例を示す図である。図16Aでは、図15における6番目、7番目、13番目または14番目のOFDMシンボルを示している。
【0085】
図16Bは、本発明の第2の実施形態における、PDSCHのみが含まれるOFDMシンボルが割り当てられた場合のPDSCHの電力を表した例を示す図である。図16Bでは、図15における3番目、4番目、10番目または11番目のOFDMシンボルを示している。
【0086】
図16Cは、本発明の第2の実施形態における、ポート#0およびポート#1の基地局301固有の参照信号とPDSCHが含まれるOFDMシンボルが割り当てられた場合の参照信号とPDSCHの電力を表した例を示す図である。図16Cでは、図15における1番目、5番目、8番目または12番目のOFDMシンボルを示している。なお、ポート#2およびポート#3の基地局301固有の参照信号が含まれるOFDMシンボルも同様である。図16Cが示しているように、基地局301固有の参照信号が電力増幅する場合、そのOFDMシンボルにおけるPDSCHの電力は減少することになる。これは、OFDMシンボル毎のトータルの電力を一定にするためである。
【0087】
このとき、基地局301固有の参照信号と図16Cで示されるPDSCHとの電力比(ρA)、および基地局301固有の参照信号と図16Aまたは図16Bで示されるPDSCHとの電力比(ρB)が、基地局301固有の制御情報として、通知される。具体的には、異なるレイヤ(例えば、RRCシグナリング)における制御信号を用いて、準静的(セミスタティック)に通知する。このρAとρBを用いることにより、図16Cで示されるPDSCHと、図16Aまたは図16Bで示されるPDSCHとの電力比を知ることができる。
【0088】
これにより、端末装置302では、第1の実施形態で説明したポートおよび電力オフセット情報を用いて、復調用参照信号に対する図16Aで示されるPDSCHの電力オフセット値を通知する場合、復調用参照信号に対する図16Cで示されるPDSCHの電力オフセット値を演算により求めることができる。具体的には、通知された電力オフセット値に対して、ρA/ρBを乗算し、補正した電力オフセット値が、復調用参照信号に対する図16Cで示されるPDSCHの電力オフセット値となる。以上の方法を用いることにより、基地局301固有の参照信号などがマッピングされたリソースエレメントが電力増幅することに伴い、その信号を含むOFDMシンボル内の他の信号の電力が減少する場合でも、その信号の電力オフセット値は、第1の実施形態で説明した電力オフセット値を通知するだけで、特別な制御情報を追加することなく、演算により求めることができる。また、その電力オフセット値を動的(ダイナミック)に制御できるため、効率のよい信号伝送ができる。
【0089】
なお、以上の説明では、ρAとρBをRRCシグナリングにより準静的に制御する場合を説明したが、基地局301と端末装置302間で予め設定しておくこともできる。また、ρA、ρBまたはその組合せを第1の実施形態で説明した電力オフセット値として通知することもできる。その場合は、復調用参照信号に対するPDSCHの電力オフセット値を予め設定してもよいし、さらに通知することもできる。なお、復調用参照信号に対する図16Cで示されるPDSCHの電力オフセット値を通知し、復調用参照信号に対する図16Aおよび図16Cで示されるPDSCHの電力オフセット値を演算により求めてもよい。
【0090】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。以下では、第1の実施形態との違いを主に説明する。本実施形態では、通知する電力オフセット値として、当該端末装置302に対して割り当てたPDSCHの電力と、MU−MIMO伝送する全ての端末装置302に対して割り当てたPDSCHの電力との比に基づく場合を説明する。
【0091】
図17は、本発明の第3の実施形態における、ポートの割り当てとそれに対応する参照信号とPDSCHの電力を表した例を示す図である。このとき、当該端末装置302は、ポート#7およびポート#8が割り当てられたものとし、ポート#9は他の端末装置302に割り当てられたものとする。さらに、本実施形態では、参照信号の電力とPDSCHの電力との比は常に固定されている場合を説明する。そのとき、図17により、MU−MIMO伝送する全ての端末装置302に対して割り当てたPDSCHの電力と、ポート#7およびポート#8が割り当てられた端末装置302におけるPDSCHの電力との比は、2であることが分かる。その場合の電力オフセット値は、全PDSCHに対する電力オフセット値として、-10log10(2)dBを通知する。また、その電力オフセット値は、第1の実施形態と同様に、ポートおよび電力オフセット情報として、当該端末装置302に対して通知する。
【0092】
以上のように、当該端末装置302に対して割り当てたPDSCHの電力と、MU−MIMO伝送する全ての端末装置302に対して割り当てたPDSCHの電力との比に基づく電力オフセット値を通知することにより、MU−MIMO伝送の多重状況によらず、端末装置302においてEPRE(Energy Per Resource Element、リソースエレメント毎の電力)を測定することができる。さらに、端末装置302では、測定したEPREに基づいて、SINR(Signal per Interference and Noise power Ratio)やCQI(Channel Quality Indicator)などを測定することができる。
【0093】
なお、上記各実施形態では、送信データ、PDSCH、PDCCHおよび参照信号のマッピング単位としてリソースエレメントやリソースブロックを用い、時間方向の送信単位としてサブフレームや無線フレームを用いて説明したが、これに限るものではない。任意の周波数と時間で構成される領域および時間単位をこれらに代えて用いても、同様の効果を得ることができる。なお、上記各実施形態では、プレコーディング処理されたRSを用いて復調する場合について説明し、プレコーディング処理されたRSに対応するポートとして、MIMOのレイヤと等価であるポートを用いて説明したが、これに限るものではない。この他にも、互いに異なる参照信号に対応するポートに対して、本発明を適用することにより、同様の効果を得ることができる。例えば、Precoded RSではなくUnprecoded RSを用い、ポートとしては、プリコーディング処理後の出力端と等価であるポートあるいは物理アンテナ(あるいは物理アンテナの組み合わせ)と等価であるポートを用いることができる。
【0094】
本発明に関わる端末装置302および基地局301で動作するプログラムは、本発明に関わる上記実施形態の機能を実現するように、CPU等を制御するプログラム(コンピュータを機能させるプログラム)である。そして、これら装置で取り扱われる情報は、その処理時に一時的にRAMに蓄積され、その後、各種ROMやHDDに格納され、必要に応じてCPUによって読み出し、修正・書き込みが行なわれる。プログラムを格納する記録媒体としては、半導体媒体(例えば、ROM、不揮発性メモリカード等)、光記録媒体(例えば、DVD、MO、MD、CD、BD等)、磁気記録媒体(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスク等)等のいずれであってもよい。また、ロードしたプログラムを実行することにより、上述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムの指示に基づき、オペレーティングシステムあるいは他のアプリケーションプログラム等と共同して処理することにより、本発明の機能が実現される場合もある。
【0095】
また市場に流通させる場合には、可搬型の記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、インターネット等のネットワークを介して接続されたサーバコンピュータに転送したりすることができる。この場合、サーバコンピュータの記憶装置も本発明に含まれる。また、上述した実施形態における端末装置302および基地局301の一部、または全部を典型的には集積回路であるLSIとして実現してもよい。端末装置302および基地局301の各機能ブロックは個別にチップ化してもよいし、一部、または全部を集積してチップ化してもよい。また、集積回路化の手法はLSIに限らず専用回路、または汎用プロセッサで実現しても良い。また、半導体技術の進歩によりLSIに代替する集積回路化の技術が出現した場合、当該技術による集積回路を用いることも可能である。
【0096】
以上、この発明の実施形態に関して図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0097】
1、101、201、301 基地局
2、102、103、202、203、302a−302f、302 端末装置
901 符号部
902 スクランブル部
903 変調部
904 レイヤーマッピング部
905 プレコーディング部
906 参照信号生成部
907 リソースエレメントマッピング部
908 OFDM信号生成部
909 送信アンテナ
910 上位層
911 制御情報生成部
1001 受信アンテナ
1002 OFDM信号復調部
1003 リソースエレメントデマッピング部
1004 フィルタ部
1005 レイヤーデマッピング部
1006 復調部
1007 デスクランブル部
1008 復号部
1009 上位層
1010 参照信号測定部
1011 制御情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式でデータを送信する送信装置であって、
データ信号と共に送信する参照信号を生成すると共に、
少なくとも1つの前記ポートを示すポート情報と前記データ信号の電力情報とを含む制御信号を生成し、
前記ポート情報で示すポートにより前記生成した参照信号および制御信号を送信することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記制御信号は、前記ポート情報及び前記電力情報の組み合わせであるデータ信号識別情報を含むことを特徴とする請求項1記載の送信装置。
【請求項3】
前記電力情報は、前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報であることを特徴とする請求項1記載の送信装置。
【請求項4】
前記電力情報は、前記データ信号の基準振幅を示す情報であることを特徴とする請求項1記載の送信装置。
【請求項5】
前記データ信号識別情報は、前記データ信号の空間多重数を示す情報をさらに含むことを特徴とする請求項2記載の送信装置。
【請求項6】
前記データ信号の空間多重数が1または2である場合、前記データ信号識別情報、並びにデータ信号の塊であるコードワード毎のパラメータを示す情報を用いてポートを示すことを特徴とする請求項2記載の送信装置。
【請求項7】
複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式で送信されたデータを受信する受信装置であって、
前記データ信号と共に送信された参照信号を受信すると共に、
少なくとも1つの前記ポートを示すポート情報と前記データ信号の電力情報とを含む制御信号を受信し、
前記制御信号を用いて、前記参照信号と前記データ信号とを識別することを特徴とする受信装置。
【請求項8】
前記制御信号は、前記ポート情報及び前記電力情報の組み合わせであるデータ信号識別情報を含むことを特徴とする請求項7記載の受信装置。
【請求項9】
前記電力情報は、前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報であることを特徴とする請求項7記載の受信装置。
【請求項10】
前記電力情報は、前記データ信号の基準振幅を示す情報であることを特徴とする請求項7記載の受信装置。
【請求項11】
複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式で送信装置から受信装置へデータを送信する通信システムであって、
前記送信装置は、
データ信号と共に送信する参照信号を生成すると共に、
前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を生成し、
前記生成した参照信号および制御信号を前記受信装置へ送信する一方、
前記受信装置は、
前記データ信号と共に送信された参照信号を受信すると共に、
前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を受信し、
前記ポート及び電力オフセット情報を用いて、前記参照信号と前記電力オフセット情報とを識別することを特徴とする通信システム。
【請求項12】
複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式でデータを送信する送信装置の通信方法であって、
データ信号と共に送信する参照信号を生成するステップと、
前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を生成するステップと、
前記生成した参照信号および制御信号を送信するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする通信方法。
【請求項13】
複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式で送信されたデータを受信する受信装置の通信方法であって、
前記データ信号と共に送信された参照信号を受信するステップと、
前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を受信するステップと、
前記ポート及び電力オフセット情報を用いて、前記参照信号と前記電力オフセット情報とを識別するステップと、を少なくとも含むことを特徴とする通信方法。
【請求項14】
送信装置に実装され、前記送信装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、
複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式でデータを送信する機能と、
データ信号と共に送信する参照信号を生成する機能と、
前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を生成する機能と、
前記生成した参照信号および制御信号を送信する機能と、の一連の機能を、前記送信装置に発揮させることを特徴とする集積回路。
【請求項15】
受信装置に実装され、前記受信装置に複数の機能を発揮させる集積回路であって、
複数のポートを空間多重する空間多重伝送方式で送信されたデータを受信する機能と、
前記データ信号と共に送信された参照信号を受信する機能と、
前記参照信号を示す情報及び前記参照信号と前記データ信号の電力オフセット情報との組み合わせを示すポート及び電力オフセット情報を含む制御信号を受信する機能と、
前記ポート及び電力オフセット情報を用いて、前記参照信号と前記電力オフセット情報とを識別する機能と、の一連の機能を、前記受信装置に発揮させることを特徴とする集積回路。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−217075(P2011−217075A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−82469(P2010−82469)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】