説明

送信装置、受信装置

【課題】 画像データと解析結果を受信する受信装置において、画像データに対応する解析結果を特定することが困難になる恐れがあった。
【解決手段】 画像データをクライアント110へ送信する送信装置100の解析部104は、画像データを解析し(S340)、送信装置100の画像管理部161は画像データに対応するダイジェストデータを生成し(S320)、送信装置100の通信部170は、解析結果とダイジェストデータとを対応付けた認識情報と画像データとをクライアント110へ送信する(S331、S336)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを送信装置から受信装置へ送信する場合の送信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
画像データと共に画像データの解析結果をネットワークを介して送信する方法として、以下に示す方法が知られている。
【0003】
1つ目の方法は、画像データのヘッダ部と、解析結果を示す解析情報データに、フレーム番号などの共通のデータを付加する方法である。
【0004】
2つ目の方法は、画像データのヘッダに解析結果を付加する方法である。
特許文献1には、画像認識の結果と映像フレームのタイムレコードを関連付けたメタデータを画像データと共に記録することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−082088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、画像データと解析結果を受信する受信装置において、画像データに対応する解析結果を特定することが困難になる恐れがあった。
【0007】
例えば、送信装置が、画像データのヘッダを削除して画像データを送信する通信プロトコルを用いた場合、受信装置は、画像データに対応する解析結果を特定できなくなってしまう恐れがあった。
【0008】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、画像データと解析結果を受信する受信装置において、画像データに対応する解析結果をより簡単に特定できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の送信装置は、例えば、以下の構成を有する。すなわち、画像データを解析する解析手段と、前記画像データに対応するダイジェストデータを生成する生成手段と、前記解析手段の解析結果と前記ダイジェストデータとを対応づけた認識情報と画像データとを送信する送信手段とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像データと解析結果を受信する受信装置において、画像データに対応する解析結果をより簡単に特定できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】システム構成図
【図2】第1の実施形態のデータ構成を示す図
【図3】第1の実施形態の送信装置の処理を説明するためのフローチャート
【図4】第2の実施形態のデータ構成を示す図
【図5】第2の実施形態の送信装置の処理を説明するためのフローチャート
【図6】クライアントが解析結果を特定するための処理を説明するための図
【図7】クライアントの処理を説明するためのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0013】
<第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本形態の映像監視システムの構成図である。
図1に示すように、送信装置100とクライアント110は、ネットワーク180を介して接続されている。ネットワーク180は、例えばインターネットであるが、この例に限らない。
【0014】
送信装置100は、画像データをクライアント110へ送信する送信装置である。送信装置100は、例えばネットワークカメラやカメラサーバなどにより実現可能である。また、クライアント110は、送信装置100から画像データを受信する受信装置である。クライアント110は、例えばパーソナルコンピュータやデジタルテレビなどにより実現可能である。
【0015】
送信装置100は、撮像部120、符号化部130、解析部140、一時記憶部150、制御部160、通信部170を有する。ただし、これらの少なくとも一部が、送信装置100とは別の装置であっても良い。
【0016】
撮像部120は、撮像を行い、得られた撮像データを符号化部130へ渡す。
符号化部130は、撮像部120からの撮像データを符号化処理し、送信用画像データと解析用画像データを生成する。なお、本形態の符号化部130は、撮像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)で符号化して送信用画像データを生成するが、それ以外の符号化方式で符号化しても良い。また、本形態の符号化部130は、撮像データに対して異なる符号化をして送信用画像データと解析用画像データを生成する。具体的には、符号化部130は、撮像データをJPEGで符号化処理して送信用画像データを生成し、撮像データをJPEGの符号化処理の中間データとして解析用画像データを生成する。また、本形態の解析用画像データを生成するためのJPEGの符号化パラメータは、送信用画像データを生成するためのJPEGの符号化パラメータとは異なるパラメータである。ただし、この例に限らない。
【0017】
符号化部130は、送信用画像データを識別情報(例えばフレーム番号)と共に制御部160の画像管理部161へ渡し、解析用画像データを識別情報と共に解析部140へ渡す。なお、同一の撮像データから生成された送信用画像データと解析用画像データには同じ識別情報(フレーム番号)が付与される。また、画像データの識別情報はフレーム番号に限らない。
【0018】
制御部160の画像管理部161は、符号化部130からの送信用画像データからダイジェストデータを生成する。本形態の画像管理部161は、MD5やSHA1などのハッシュ関数を用いてダイジェストデータを生成する。ただし、この生成方法に限らない。本形態では、同じ画像データからは同じダイジェストデータが生成される。
【0019】
画像管理部161は、送信用画像データと識別情報とダイジェストデータを一時記憶部150へ渡す。一時記憶部150は、送信用画像データ、当該送信用画像データの識別情報、当該送信用データから生成されたダイジェストデータをそれぞれ対応付けて記憶する。
【0020】
解析部140は、符号化部130からの解析用画像データを解析する。そして、解析部140は、解析用画像データの解析結果と識別情報を一時記憶部150へ渡す。一時記憶部150は、解析用画像データの解析結果と、当該解析用画像データの識別情報を対応付けて記憶する。例えば、解析部140の解析により、解析用画像データから人物が認識されると、一時記憶部150には、人物が認識された解析用画像データの識別情報(フレーム番号)と、人物の位置を示す解析結果とを対応付けて記憶する。
【0021】
制御部160の認識データ管理部162は、一時記憶部150に記憶されている解析結果に、当該解析結果に対応づけられている識別情報と同じ識別情報が対応付けられているダイジェストデータを付加して認識情報を生成する。つまり、認識情報は、解析結果とダイジェストデータを含んで構成される。
【0022】
図2は、本形態で扱うデータの構成を示した図である。本形態の符号化部130は、例えば、3枚の撮像データをJPEGで符号化することにより、画像データ210、211、212を生成する。画像データ210、211、212は、JPEGヘッダと画像データ(送信用画像データ)で構成される。JPEGヘッダには、例えば、画像データのフレーム番号、符号化を行った日時などの情報が含まれる。本形態では、JEPGヘッダはクライアント110へ送信されない。
【0023】
また、送信装置100の認識データ管理部162は、認識情報220を生成する。すなわち、認識データ管理部162は、送信用画像データから画像管理部161により生成されたダイジェストデータと、解析用画像データに対する解析部140による解析結果とを対応づけた認識情報220を生成する。
【0024】
本形態のクライアント110は、図2に示す送信用画像データと認識情報220を受信する。すなわち、クライアント110は、送信装置100による画像データの送信先である。そして、クライアント110は、受信した送信用画像データから独自に生成したダイジェストデータと、受信した認識情報220に含まれるダイジェストデータを比較して、送信用画像データに対応する解析結果を特定する。本形態のクライアント110の処理について、図6を用いて説明する。
【0025】
クライアント110は、画像データ600と認識情報610を受信する。画像データ600は、複数フレームの画像データ602(送信用画像データ)と、画像のサイズと符号化の開始時刻などを示すヘッダ情報601を含む。また、認識情報は、解析ヘッダと解析結果を含んで構成され、解析ヘッダにダイジェストデータが含まれる。また、解析ヘッダには、各フレームのフレーム番号やデータ生成時刻(生成日時情報)などが含まれる。
【0026】
クライアント110において、例えば画像データ602(2番目のフレーム)の解析結果を特定する場合、クライアント110のダイジェストデータ作成部111は、送信装置100から受信した画像データ602からダイジェストデータを生成する。そして、クライアント110のダイジェストデータ比較部112は、ダイジェストデータ作成部111により生成されたダイジェストデータに対応付けられている解析結果を認識情報から取得する。このようにすることで、クライアント110は、フレーム番号などのヘッダ情報を含まない画像データの解析結果を取得できる。
【0027】
次に、本形態の送信装置100の処理の詳細を、図3を用いて説明する。本形態の送信装置100は、クライアント110へ画像データを送信する送信装置である。また、送信装置100は、図3に示す処理を実行するためのプログラムをCPUが読み出して実行することにより、以下の処理を実現する。ただし、図3の処理の少なくとも一部を専用のハードウェアで行うようにしても良い。
【0028】
撮像部120は、撮像して得られた撮像データを入力する(S300)。撮像データは、フレーム番号と共に符号化部130へ入力される。
【0029】
符号化部130は、撮像データを符号化して送信用画像データと解析用画像データを生成する(S310)。なお、本形態の符号化部130は、撮像データをJPEGで符号化することにより送信用画像データを生成する。ただし、符号化方式はJPEGに限らない。送信用画像データはフレーム番号と共に画像管理部161へ、解析用画像データはフレーム番号と共に解析部140へ渡される。
【0030】
画像管理部161は、S320において、符号化部130からの画像データ(送信用画像データ)に対応するダイジェストデータを生成する(生成手順)。画像管理部161は、ダイジェストデータを生成した後、送信用画像データと、識別情報(フレーム番号)と、ダイジェストデータとを対応付けて一時記憶部150へ記憶させる。
【0031】
通信部170は、クライアント110からの要求に応じて、送信用画像データをクライアント110へ送信する。送信用画像データは、撮像データから生成されたJPEGデータ(符号化画像データ)からJPEGヘッダが削除された画像データである。すなわち、通信部170は、JPEGデータからJPEGヘッダを削除して(S330)、クライアント110へ送信する(S331)。なお、本形態では、クライアント110へ送信された画像データは一時記憶部150から削除される。
【0032】
解析部140は、S340において解析用画像データを解析する(解析手順)。そして、解析部140は、解析結果を示すデータを生成する(S341)。解析部140は、解析用画像データの識別情報(フレーム番号)と解析結果を一時記憶部150へ渡す。解析部140は、解析用画像データから、例えば、画像データ内の人物の位置や動きの有無などを解析により検知する。また、解析部140は、例えば、置き去り、持ち去り、うろつきなどのイベントの発生を解析により検知する。一時記憶部150は、解析用画像データの解析結果と、解析用画像データの識別情報とを対応付けて記憶する。
【0033】
そして、認識データ管理部162は、一時記憶部150に記憶されている解析結果に、当該解析結果に対応付けられている識別情報と同じ識別情報が対応付けられているダイジェストデータを付加して認識情報を生成する(S350)。そして、通信部170は、S350で生成された認識情報をクライアント110へ送信する(S360)。
【0034】
すなわち、送信装置100の通信部170は、S331、S360において、解析部140の解析結果とダイジェストデータとを対応付けた認識情報と画像データとを送信する(送信手順)。
【0035】
次に、本形態のクライアント110の処理について、図7を用いて説明する。本形態のクライアント110は、送信装置100から画像データを受信する受信装置である。また、クライアント110は、図7に示す処理を実行するためのプログラムをCPUが読み出して実行することにより、以下の処理を実現する。ただし、図7の処理の少なくとも一部を専用のハードウェアで行うようにしても良い。
【0036】
クライアント110の通信部(不図示)は、S701において、ネットワーク180を介して送信装置100から送信用画像データと認識情報を受信する(受信手順)。認識情報は、画像データの解析結果と、画像データに対応するダイジェストデータとが対応付けられたデータである。送信用画像データは、図6に示したように、各フレームのJPEGヘッダが削除されたJPEGデータである。クライアント110の通信部で受信した画像データと認識情報は、一時記憶部113に記憶される。なお、クライアント110には、不図示の表示部が接続されており、受信した画像データに応じた画像を表示させることが可能である。また、クライアント110は、送信装置100の解析部140による解析結果(例えば、人物の位置)を表示部に表示させることができる。
【0037】
クライアント110のダイジェストデータ作成部111は、S702において、送信装置100から受信した送信用画像データからダイジェストデータを生成する(生成手順)。そして、ダイジェストデータ比較部112は、ダイジェストデータ作成部111により生成されたダイジェストデータと、クライアント110から受信済みのダイジェストデータを比較する(S703)。
【0038】
また、S704で、ダイジェストデータ比較部112は、クライアント110から受信済みのダイジェストデータのうち、S702で生成されたダイジェストデータに一致するダイジェストデータが対応付けられた解析結果を特定する(特定手順)。すなわち、ダイジェストデータ比較部112は、受信した画像データの解析結果を、S703で生成されたダイジェストデータと、送信装置100から受信したダイジェストデータとの比較に基づいて特定する。
【0039】
そして、ダイジェストデータ比較部112は、特定された解析結果と、ダイジェストデータ作成部111がダイジェストデータの生成に用いた送信用画像データとを対応付ける。このようにすることで、クライアント110は、受信した画像データ(送信用画像データ)に応じた画像を表示する表示画面上に、解析結果を表示させることができる。
【0040】
また、ダイジェストデータ比較部112は、S704の処理が完了すると、画像データの受信を終了するか否かを判定する(S705)。受信を終了しないと判定された場合はS701へ戻り、受信を終了すると判定された場合は、図7の処理を終了する。
【0041】
以上説明したように、本形態の送信装置100は、撮像データに応じた画像データを送信すると共に、当該撮像データに対応するダイジェストデータと、撮像データに応じた画像データの解析結果を対応付けた認識情報をクライアント110へ送信する。そして、クライアント110は、受信した画像データからダイジェストデータを生成し、生成したダイジェストデータに一致するダイジェストデータに対応付けられている解析結果を、当該受信した画像データの解析結果として特定する。このようにすることで、送信装置100が、画像データの識別情報を含むヘッダ情報を削除して画像データを送信する場合であっても、各画像データの解析結果をクライアント110において特定できるようになる。
【0042】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について、第1の実施形態との差異を中心に説明する。
【0043】
本形態では、撮像データから生成された複数サイズの画像データのうち、クライアント110からの要求に応じたサイズの画像データを送信するようにした場合における実施形態について説明する。
【0044】
図4は、本実施形態で扱うデータの構成を示した図である。本形態の符号化部130は、1フレーム分の撮像データから、サイズが異なる3種類の画像データ(JPEGデータ)を生成する。なお、3種類のJPEGデータには、同じフレーム番号と符号化日時が付加される。本形態の送信装置100は、撮像データから、640x480画素の画像データと、640x480画素の画像データを縮小した320x240画素の画像データ(第1の縮小画像データ)と、160x120画素の画像データ(第2の縮小画像データ)を取得する。
【0045】
また、図4の画像データ410、411、412に対応する解析用画像データの解析結果は、認識情報420に格納される。また、本形態の画像管理部161は、サイズが異なる画像データ410、411、412ごとに、ダイジェストデータを生成する。
【0046】
そして、認識データ管理部162は、解析用画像データの解析結果と、各ダイジェストデータとを対応付けた認識情報420を生成する。より具体的には、認識データ管理部162は、撮像データから生成された解析用画像データの解析結果に、複数サイズの送信用画像データに対応する複数のダイジェストデータを付加して認識情報420を生成する。
【0047】
クライアント110は、送信装置100が送信可能な複数のサイズの画像データの中から、受信する画像データのサイズを指定する。例えば、クライアント110のユーザが、320x240画素の画像データを要求すると、クライアント110の不図示の通信部から、送信装置100に対して、320x240画素を指定する画像データの要求が送信される。
【0048】
送信装置100の通信部170は、クライアント110から要求された画像データをクライアント110へ送信する。なお、本形態で送信される画像データは、撮像データから生成されたJPEGデータからJPEGヘッダが削除された画像データ(送信用画像データ)である。また、送信装置100の通信部170は、図4に示したような認識情報をクライアント110に対して送信する。クライアント110のダイジェストデータ作成部111は、受信した320x240画素の画像データからダイジェストデータを生成する。また、ダイジェストデータ比較部112は、ダイジェストデータ作成部111で生成されたダイジェストデータに一致するダイジェストデータを認識情報から検索する。そして、ダイジェストデータ比較部112は、ダイジェストデータ作成部111により生成されたダイジェストデータに一致するダイジェストデータが対応付けられた解析結果を、画像データの解析結果として特定する。本形態の認識情報は、撮像データの解析結果に、サイズが異なる複数の撮像データのダイジェストデータが対応付けられている。従って、クライアント110は、どのサイズの画像データを受信したとしても、当該画像データに対応する解析結果を特定することができる。
【0049】
次に、本形態の送信装置100の処理の詳細を、図5を用いて説明する。本形態の送信装置100は、クライアント110へ画像データを送信する送信装置である。また、送信装置100は、図5に示す処理を実行するためのプログラムをCPUが読み出して実行することにより、以下の処理を実現する。ただし、図5の処理の少なくとも一部を専用のハードウェアで行うようにしても良い。
【0050】
撮像部120は、撮像して得られた撮像データを入力する(S500)。撮像データは、フレーム番号と共に符号化部130へ入力される。
符号化部130は、撮像データを符号化して解析用画像データを生成する(S520)。生成された解析用画像データは、解析部140へ渡される(S521)。また、符号化部130は、撮像データを符号化して送信用画像データを生成する(S522、S523)。本形態の符号化部130は、S522、S523の処理により、サイズが異なる複数の送信用画像データを生成する。生成された送信用画像データはフレーム番号と共に画像管理部161へ渡される。
【0051】
画像管理部161は、符号化部130からの送信用画像データからダイジェストデータを生成する(S530)。なお、本形態では、サイズの異なる複数の送信用画像データから複数のダイジェストデータが生成される。すなわち、画像管理部161は、撮像データから生成された第1のサイズの送信用画像データから第1のダイジェストデータを生成し、第2のサイズの送信用画像データから第2のダイジェストデータを生成する。また、画像管理部161は、ダイジェストデータを生成した後、送信用画像データと、識別情報と、ダイジェストデータとを対応付けて、一時記憶部150へ記憶させる。
【0052】
通信部170は、クライアント110からの要求に応じて、送信用画像データをクライアント110へ送信する。なお、本形態の要求には、画面サイズに関する指定情報が含まれる。通信部170は、撮像データから生成されたJPEGデータからJEPGヘッダを削除した送信用画像データをクライアント110へ送信する(S540、S541)。
【0053】
一方、解析部140は、符号化部130からの解析用画像データを解析する(S550)。本形態の解析部140は、640x480画素の撮像データから生成された解析用画像データに対して解析を行う。そして、解析部140は、解析結果を示すデータを生成する(S551)。解析部140は、解析用画像データの識別情報と解析結果を一時記憶部150へ渡す。一時記憶部150は、解析用画像データの識別情報と、解析用画像データの解析結果とを対応付けて記憶する。
【0054】
そして、認識データ管理部162は、一時記憶部150に記憶されている解析結果に、当該解析結果に対応付けられている識別情報と同じ識別情報が対応付けられているダイジェストデータを付加して認識情報を生成する(S560)。認識データ管理部162は、S560、S561の処理により、サイズが異なる複数の画像データのダイジェストデータを、解析結果に付加して認識情報を生成する。そして、通信部170は、S560、S561により生成された認識情報をクライアント110へ送信する(S570)。
【0055】
次に、本形態のクライアント110の処理について、図7を用いて説明する。クライアント110は、図7に示す処理を実行するためのプログラムをCPUが読み出して実行することにより以下の処理を実現する。ただし、図7の処理の少なくとも一部を専用のハードウェアにより行うようにしても良い。
【0056】
クライアント110の通信部(不図示)は、ネットワーク180を介して送信装置100から送信用画像データと認識情報を受信する(S701)。本形態では、送信装置100が送信可能な640x480画素の画像データ、320x240画素の画像データ、160x120画素の画像データのうち、320x240画素の画像データが受信されるものとする。送信用画像データは、図6に示したように、撮像データから生成されたJPEGデータからJPEGヘッダが削除されたデータである。クライアント110の通信部で受信した画像データと識別情報は、一時記憶部113に記憶される。なお、クライアント110には、不図示の表示部が接続されており、受信した画像データに応じた画像を表示させることが可能である。また、クライアント110は、送信装置100の解析部140による解析結果を表示部に表示させることができる。
【0057】
クライアント110のダイジェストデータ作成部111は、送信装置100から受信した送信用画像データからダイジェストデータを生成する(S702)。本形態のダイジェストデータ作成部111は、320x240画素の画像データからダイジェストデータを生成する。そして、ダイジェストデータ比較部112は、ダイジェストデータ作成部111により生成されたダイジェストデータと、クライアントから受信済みのダイジェストデータを比較する(S703)。
【0058】
なお、本形態の認識情報は、1フレームの撮像データに対応する解析結果に、640x480画素の画像データ、320x240画素の画像データ、160x120画素の画像データのそれぞれから生成された複数のダイジェストデータが対応付けられている。ダイジェストデータ比較部112は、クライアント110から受信済みのダイジェストデータのうち、ダイジェストデータ作成部111により生成されたダイジェストデータに一致するダイジェストデータが対応付けられている解析結果を特定する(S704)。
【0059】
そして、ダイジェストデータ比較部112は、特定された解析結果と、ダイジェストデータ作成部111がダイジェストデータの生成に用いた送信用画像データとを対応付ける。このようにすることで、クライアント110は、受信した画像データに応じた画像を表示する表示画面上に、画像データの解析結果を表示することができる。
【0060】
また、ダイジェストデータ比較部112は、S704の処理の後、画像データの受信を終了するか否かを判定し(S705)、終了すると判定した場合は、図7の処理を終了する。一方、S705で画像データの受信を終了しないと判定された場合は、S701に戻る。
【0061】
以上説明したように、本形態の送信装置100は、撮像データからサイズが異なる複数の画像データを生成し、当該複数の画像データのそれぞれでダイジェストデータを生成する。そして、撮像データの解析結果に複数のダイジェストデータを対応付けた認識情報を、画像データと共にクライアント110へ送信する。このようにすることで、クライアント110は、画像データのサイズを指定して画像データを受信した場合において、受信した画像データに対応する解析結果を特定することができる。
【0062】
なお、上記の実施形態では、撮像データから3種類の画像データを生成する例について説明したが、3種類に限らない。
また、上記の実施形態では、撮像データに対して異なる符号化を行って送信用画像データと解析用画像データを生成する例について説明したが、例えば、撮像データを解析すると共に、撮像データを送信するようにすることも可能である。
【0063】
また、上記の実施形態では、画像データからダイジェストデータを生成する例について説明したが、この例に限らず、画像データの一部の領域からダイジェストデータを生成するようにしてもよい。例えば、送信装置100の画像管理部161は、クライアント110との間で予め定めた所定領域でダイジェストデータを生成しても良い。この場合、クライアント110のダイジェストデータ作成部111は、受信した画像データのうち、上記の所定領域の画像データからダイジェストデータを生成する。
【0064】
また、例えば、画像データの解析によって検知された特徴領域からダイジェストデータを生成するようにしても良い。例えば、送信装置100の解析部140は、解析によって特徴領域を決定すると、特徴領域の領域情報を画像管理部161へ通知する。そして、画像管理部161は、解析部140からの領域情報に応じた特徴領域からダイジェストデータを生成する。また、送信装置100の通信部170は、領域情報を、クライアント110へ通知する。この場合、クライアント110は、受信した画像データのうち、送信装置100から通知された領域情報に応じた特徴領域の画像データからダイジェストデータを生成する。
このように、一部の領域の画像データからダイジェストデータを生成することで、ダイジェストデータの生成負荷を低減できる。
【0065】
また、上記の実施形態では、各画像データの識別情報としてフレーム番号を用いる例を説明したが、これに限らず、例えば撮像時刻などの情報を用いることも可能である。
また、送信装置100からの認識情報に、同じダイジェストデータが含まれている場合、クライアント110は、解析ヘッダに含まれる生成日時情報に基づいて、画像データに対応する解析結果を特定する。すなわち、クライアント100は、例えば、受信した複数の画像データのうち、第1の画像データから生成した第1のダイジェストデータが、認識情報に複数、含まれている場合、第1の画像データの前の第2の画像データから生成した第2のダイジェストデータに基づいて、第1の画像データに対応する解析結果を特定する。つまり、クライアント110は、第2のダイジェストデータに基づいて、第2の画像データに対応する解析結果を特定する。その後、クライアント110は、特定された解析結果の生成日時情報を取得する。そして、クライアント110は、認識情報に含まれる複数の解析結果のうち、取得された生成日時情報の次の生成日時情報に対応する解析結果を、第1の画像データの解析結果として特定する。ただし、この方法に限らず、例えば、複数の解析結果をクライアント110の表示画面上に表示させ、正しい解析結果をユーザに選択させるようにしても良い。
【0066】
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データを解析する解析手段と、
前記画像データに対応するダイジェストデータを生成する生成手段と、
前記解析手段の解析結果と前記ダイジェストデータとを対応づけた認識情報と画像データとを送信する送信手段とを有することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記画像データを符号化した符号化画像データから前記ダイジェストデータを生成し、
前記送信手段は、前記認識情報と前記符号化画像データを送信することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記生成手段は、所定領域の画像データからダイジェストデータを生成することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
前記解析手段は、画像データの解析により特徴領域を決定し、
前記生成手段は、前記特徴領域の画像データからダイジェストデータを生成することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項5】
前記画像データの縮小画像データを取得する縮小画像取得手段を有し、
前記生成手段は、前記画像データから第1のダイジェストデータを生成すると共に、前記縮小画像データから第2のダイジェストデータを生成し、
前記送信手段は、前記画像データ及び前記縮小画像データのうち、送信先から指定された画像データを送信すると共に、前記画像データの解析結果と前記第1及び第2のダイジェストデータとを対応づけた認識情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。
【請求項6】
画像データの解析結果と前記画像データに対応するダイジェストデータとを対応づけた認識情報と画像データとを送信装置から受信する受信手段と、
前記受信した画像データからダイジェストデータを生成する生成手段と、
前記受信した画像データの解析結果を、前記生成手段により生成されたダイジェストデータと、前記送信装置から受信したダイジェストデータとの比較に基づいて特定する特定手段とを有することを特徴とする受信装置。
【請求項7】
前記受信手段は、所定領域の画像データから生成されたダイジェストデータを受信し、
前記生成手段は、前記所定領域の画像データからダイジェストデータを生成することを特徴とする請求項6に記載の受信装置。
【請求項8】
前記受信手段は、画像データの解析により決定された特徴領域から生成されたダイジェストデータを受信し、
前記生成手段は、前記特徴領域の画像データからダイジェストデータを生成することを特徴とする請求項6に記載の受信装置。
【請求項9】
送信装置の制御方法であって、
画像データを解析する解析工程と、
前記画像データに対応するダイジェストデータを生成する生成工程と、
前記解析工程の解析結果と前記ダイジェストデータとを対応づけた認識情報と画像データとを送信する送信工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項10】
コンピュータに、
画像データを解析する解析手順と、
前記画像データに対応するダイジェストデータを生成する生成手順と、
前記解析手順の解析結果と前記ダイジェストデータとを対応づけた認識情報と画像データとを送信する送信手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項11】
受信装置の制御方法であって、
画像データの解析結果と前記画像データに対応するダイジェストデータとを対応づけた認識情報と画像データとを送信装置から受信する受信工程と、
前記受信した画像データからダイジェストデータを生成する生成工程と、
前記受信した画像データの解析結果を、前記生成工程により生成されたダイジェストデータと、前記送信装置から受信したダイジェストデータとの比較に基づいて特定する特定工程とを有することを特徴とする制御方法。
【請求項12】
コンピュータに、
画像データの解析結果と前記画像データに対応するダイジェストデータとを対応づけた認識情報と画像データとを送信装置から受信する受信手順と、
前記受信した画像データからダイジェストデータを生成する生成手順と、
前記受信した画像データの解析結果を、前記生成手順により生成されたダイジェストデータと、前記送信装置から受信したダイジェストデータとの比較に基づいて特定する特定手順とを実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
画像データの送信装置と受信装置がネットワークを介して接続された監視システムであって、
前記送信装置は、
画像データを解析する解析手段による解析結果と、前記画像データに対応するダイジェストデータを生成する生成手段により生成されたダイジェストデータとが対応付けられた認識情報と画像データとを送信する送信手段を有し、
前記受信装置は、
前記送信装置から前記認識情報と画像データを受信する受信手段と、
前記受信した画像データからダイジェストデータを生成する生成手段と、
前記受信した画像データの解析結果を、前記生成手段により生成されたダイジェストデータと、前記送信装置からのダイジェストデータとの比較に基づいて特定する特定手段とを有することを特徴とする監視システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−175443(P2012−175443A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36059(P2011−36059)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】