説明

送信装置、無線通信システム、プログラム、および、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

作業者は、リモコン(80)を用いて指示し、検査対象の映像伝送ユニット(20)のマイコン(67)からアンテナへの信号出力をオン状態とする。検査ライン上にある映像伝送ユニット(20)と表示ユニット(30)のペアに対し、作業者がリモコン(80)から検査対象のアンテナを選択する。つまり、機能させるアンテナを選択する。この時、作業者は、映像伝送ユニット(20)と表示ユニット(30)において、少なくとも1つ以上のアンテナを選択する。そして、選択したアンテナの組み合わせから、各アンテナの通信性能がわかるように選択するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線LAN等の無線通信により、画像データを伝送して表示させる無線通信システムに関し、特に複数のアンテナの通信性能を検査することが可能な無線通信システムに関する。また、該無線通信システムを構成する送信装置、プログラム、および、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶テレビジョン装置やCRTテレビジョン装置などの持ち運び可能な可搬型の無線通信装置が提案され、IEEE802.11もしくはIEEE802.11Bに準拠するSS(Spread Spectrum:スペクトラム拡散)無線方式を使用して、映像信号を送受信するものが提案されている。更に、この無線通信装置にあっては、上記無線方式だけでなく、データ転送速度が高速化される次世代携帯電話装置、PHS(Personal Handy−Phone System)、あるいは、Blue Toothにも用いることができるものも提案されている。
【0003】
このような無線方式においては受信アンテナが必要となるが、一般的に、SS無線方式やBlue Tooth無線方式等で用いられている周波数帯域2.4GHz帯用のアンテナ素子12のアンテナ長は、無線波長の1/4に相当する約3cmとなる。
【0004】
このアンテナは、互いに垂直な位置関係にある一対のメインアンテナエレメントを用いている(特許文献1(特開平2−278903号公報(公開日:平成2年11月15日))参照)。一対のアンテナエレメントは、互いのアンテナエレメントの配置関係が垂直方向に配置されることにより、各方向への利得を確保することが可能となり、ワイヤレス通信における発信体から放射される電波の偏波面、方向の変化に対応した受信性能を引き出すことが可能となる。
【0005】
画像データを受信してそれをSS無線方式で送信する送信装置と、その画像データを受信して表示する表示装置では、出荷前の検査段階において、各部品が筐体に収納された状態で送信装置から一定映像を送信し、表示装置に表示される映像の表示状態をチェックして良否を判別していた。
【0006】
しかし、この検査工程では、送信装置と受信装置が生産ライン上で複数個隣接して配列されて検査が行われるが、検査用チャンネル数に限界があるため、混信を起こす可能性があり、受信装置がペアを組むべきものではない送信装置からの無線を受信してしまう場合もあり得る。そのため、検査するときにのみ電源をオンする方法が考えられるが、生産ライン上で送受信試験を行う度に製品の主電源ボタン等の入/切作業を行うと、かえってその作業に手間がかかるという問題がある。
【発明の開示】
【0007】
本発明は、斯かる実情に鑑み、検査工程において、隣接した同じ製品同士の混信を防止することができる、送信装置、無線通信システム、プログラム、および、プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0008】
本発明に係る送信装置は、上記の課題を解決するために、データを逐次受け付けると共に、該受け付けたデータを逐次送信する送信装置であって、無線通信によりデータの送信を行う送信手段と、第1の指示を受け付けた場合に、前記受け付けたデータの送信手段による送信を禁止し、かつ、第2の指示を受け付けた場合に、前記禁止されていたデータの送信を許可する制御手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
上記の構成によれば、送信手段により、逐次受け付けたデータを、無線通信により、受信側の装置へ逐次送信することができる。また、制御手段が第1の信号を受け付けた場合には、前記制御手段により、前記受け付けたデータの送信手段による送信を禁止することができる。さらに、制御手段が第2の信号を受け付けた場合には、前記制御手段により、前記禁止されていたデータの送信を許可することができる。
【0010】
それゆえ、例えば製品出荷前の検査工程時等のように、少なくとも、自装置と同じ構成を有する他の送信装置が、互いに近くに配されている状況下においては、以下のことが可能となる。
【0011】
まず、他の送信装置に受信側の装置へのデータ送信を行わせる場合には、前記制御手段により自装置のデータ送信を禁止することにより、受信側の装置において、他の送信装置と自装置との間でのデータ混信を防止できる。
【0012】
また、自装置に受信側の装置へのデータ送信を行わせる場合には、他の送信装置が該装置の制御手段によりデータ送信を禁止することにより、受信側の装置において、自装置と他の送信装置との間でのデータ混信を防止できる。この際、自装置において既に上記禁止の状態にある場合には、自装置の制御手段により上記禁止されていたデータの送信を許可することにより、自装置のデータ送信が可能となる。
【0013】
したがって、他の送信装置との間において、受信側の装置でのデータ混信を防止可能な送信装置を提供することができるという効果を奏する。
【0014】
なお、受信側の装置は、送信装置毎に備えられていてよいし、あるいは、複数の送信装置に対して、1つ備えられていてもよい。
【0015】
また、本発明に係る無線通信システムは、上記の課題を解決するために、上記の送信装置と、前記送信装置から送られてくるデータを受信する受信装置とを備えることを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、無線通信システムは、上述した送信装置と、該送信装置から送られてくるデータを受信する受信装置とを備えている。
【0017】
それゆえ、例えば製品出荷前の検査工程時等のように、自システムと同じ構成を有する他のシステムが、互いに近くに配されている状況下においても、他のシステムとの間において、受信装置でのデータ混信を防止可能な無線通信システムを提供することができるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明に係る無線通信システムは、上記の課題を解決するために、一対のアンテナを有する送信装置と受信装置を備える無線通信システムにおいて、該無線通信システムに関する各種設定の変更操作が可能となる操作手段を有し、前記操作手段からの指示としての操作信号を受信するための操作信号受信手段を有し、前記操作手段は、前記送信装置あるいは受信装置の有するアンテナのうち少なくともいずれか一方の通信状態を通信可能状態あるいは不可能状態のいずれかに切換えるための切換操作信号を発生することで該通信状態を切換える切換操作が可能であり、前記送信装置あるいは受信装置は、前記操作信号受信手段で受信した切換操作信号を受けた時に、一対のアンテナのうち少なくともいずれか一方のアンテナを通信可能あるいは不可能状態になるように制御するための制御手段を備えたことを特徴としている。
【0019】
上記の構成によれば、検査工程時に検査対象となる送信装置及び受信装置のアンテナ通信のみが可能となり、検査対象以外の送信装置及び受信装置のアンテナ通信が不可能な状態になる。したがって、検査工程時に送信部(送信装置の図示しない送信部)の電源入/切操作を行うことなく、例えば検査用リモコンの所定キーの操作で制御できる。これにより、他の操作と並行して操作を行うことができ、かつ、同時に検査対象以外の無線の混信を防止して送受信検査を行うことができる。したがって、作業効率が向上する
また、本発明に係るプログラムは、上記の課題を解決するために、上記送信装置の制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムであることを特徴としている。
【0020】
したがって、上記プログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記送信装置をユーザに提供することが可能となるという効果を奏する。
【0021】
また、本発明に係る記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴としている。
【0022】
したがって、上記記録媒体に記録されているプログラムをコンピュータシステムにロードすることによって、上記送信装置をユーザに提供することが可能となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る無線通信システムの一実施形態を表した構成図である。
【図2(a)】逆L型アンテナの構造を示す斜視図である。
【図2(b)】逆F型アンテナの構造を示す斜視図である。
【図3】映像伝送ユニットの一例を示す分解図である。
【図4】表示ユニットの一例を示す組み込み図である。
【図5】本発明に係る無線通信システムを示すブロック図である。
【図6】検査工程における表示ユニットの表示画面を示す説明図である。
【図7】検査工程における映像伝送ユニットのアンテナの機能を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【0025】
まず、図1に示すように、本発明の無線通信システムは、映像データを受信してそれをSS無線方式にて伝送する映像伝送ユニット(送信装置)20と、画像データを受信して表示する持ち運び可能な表示ユニット(受信装置)30と、リモートコントロール装置(操作手段・遠隔制御装置)(図示せず)の組み合わせによって構成される。
【0026】
映像伝送ユニット20は、例えば、CATVの信号やテレビ電波を受信して比較的大容量の映像信号を表示ユニット30に送るには数GHzオーダー以上の周波数帯域の搬送波を用いた発信手段であることが好ましい。そのため、例えば直接拡散(DS)方式や周波数ホッピング(FH)方式といったいわゆるSS(Spread Spectrum:スペクトラム拡散)無線方式等の通信方式であることが好ましい。
【0027】
表示ユニット30は主に、液晶パネルからなる表示画面部31、表示画面部31の左右両側に配置された半円形状のスピーカ格納部32、スタンド33、映像処理回路(図示せず)、表示ユニット全体を持ち運びを可能にするための取っ手34等から構成される。表示画面部31には液晶パネルを用いているが、特にこれに限定されるわけでなく、表示素子を構成する部材であればよい。特に携行性に適した薄型の表示素子であると尚良く、有機/無機EL表示素子やFED表示素子、プラズマ表示素子等が挙げられる。
【0028】
これらSS無線方式の送受信装置(映像伝送ユニット20と表示ユニット30)は、発信手段等を含めた回路と複数のアンテナ等を備えている。
【0029】
次に、各ユニット20,30に用いるアンテナについて説明する。
【0030】
図2は、このアンテナの構造を示す斜視図であり、(a)は逆L型アンテナ、(b)は逆F型アンテナである。逆L型アンテナ50は、矩形上のアンテナ基板51と、側面逆L字状の金属板からなるアンテナ素子部52とから構成されている。一方、逆F型アンテナ55は、矩形上のアンテナ基板56と、側面逆F字状の金属板からなるアンテナ素子部57とから構成されている。アンテナはどちらのタイプを用いても構わないが、本実施形態においては、逆F型アンテナを用いるものとする。
【0031】
図3に示すように、映像伝送ユニット20は、上面カバー21a、前面パネル21b、底面カバー21cの筐体内にチューナ部23やビデオ端子24等を搭載したセンター基板22等の部品を収納しており、上面カバー21a、前面パネル21bは取り外し可能である。映像伝送ユニット20の筐体内部には、さらに図3に示すように、アンテナ26、及びアンテナ27が互いに直交関係を保持するように配置されており、各アンテナ26,27は、ケーブル28,29を介して無線通信送信部25に接続される。これにより、表示ユニット30におけるアンテナ配置と同様に(詳しくは後述する)、互いのアンテナの配置関係が垂直方向に配置されることにより、各方向への利得を確保することが可能となる。こうして、ワイヤレス通信における発信体から放射される電波の偏波面、方向の変化に対応した受信性能を引き出すことが可能となる。
【0032】
図4に示すように、アンテナ41〜43が、ビスを介して表示ユニット30の前面キャビネット47に固定されつつ、無線通信受信部46へケーブルを介して接続される。アンテナ41,42は、互いに取り付け方向が90度異なるように、スピーカ格納部32であってスピーカ44,45の上方に配置されている。アンテナ43は、アンテナ41,42と互いに取り付け方向が90度異なるように、表示画面部31が収容されている部分に配置される。これにより、互いのアンテナ41〜43の配置関係が垂直方向に配置されることにより、各方向への利得を確保することが可能となり、ワイヤレス通信における発信体から放射される電波の偏波面、方向の変化に対応した受信性能を引き出すことが可能となる。
【0033】
なお、各ユニット20,30が有するアンテナは、お互いに垂直方向に配置されているが、これに限るわけではなく、異方性配置の関係にあればよい。また、アンテナ数も2つ以上であればよく、特に数に限定があるわけではない。
【0034】
また、図5には本発明に係る無線通信システムにおける機能ブロック図を示す。
【0035】
映像伝送ユニット20は、一般的な構成として、放送信号を受信する受信手段61、受信した放送信号の映像信号を信号処理する映像処理手段62、受信した放送信号の音声信号を信号処理する音声処理手段63、映像処理手段62および音声処理手段63で処理された信号を圧縮するエンコーダ64、エンコーダ64で圧縮された信号を表示ユニット30へ送信する無線送受信手段65等から構成されている。なお、無線送受信手段65が、請求の範囲に記載の送信手段に該当する。また、この無線送受信手段65は、無線通信送信部25、各アンテナ26,27、およびケーブル28,29により構成される。
【0036】
表示ユニット30は、一般的な構成として、映像伝送ユニット20の無線送受信手段65から送信される映像信号を受信する無線送受信手段79、無線送受信手段79で受信した映像信号を伸長するデコーダ70、デコーダ70で伸長された映像信号を信号処理する映像処理手段71、映像処理手段71で信号処理された映像を表示する表示手段72、デコーダ70で伸長された音声信号を信号処理する音声処理手段73、音声処理手段73で信号処理された音声を出力するスピーカ74、表示ユニット30の制御を行うマイコン75およびROM76、表示ユニット30の操作を行うリモートコントロール装置(以降、リモコンと略す)80からの信号を受信する受光手段78等から構成されている。なお、表示画面部31は、表示手段72の一部(画面部分)に相当する。
【0037】
映像伝送ユニット20は、受信手段61で受信した放送信号を映像処理手段62に送り映像搬送波等の除去を行うなどの信号処理を行い、再度無線通信信号を送るために映像圧縮処理等の作業を行うエンコーダ64を介して無線送受信手段65から設定された搬送周波数に重畳されて表示ユニット30に送るといった一連の作業を主に行っている。また、これらの処理を適切に行うために映像伝送ユニット20にはマイコン67および各種設定値を記憶保持するためのROM(記憶手段)68を有している。また、このROM68に記録された設定値をマイコン67を介して変更可能にするための手段として、リモコン80からの所定信号を受光するための受光手段69を設けてもよいが、リモコン80からの制御信号は、表示ユニット30側にも設けられた受光手段78とマイコン75を介して、無線送受信手段79から無線送受信手段79で無線通信してマイコン67に通信する通信経路を用いても良い。なお、マイコン67が、請求の範囲に記載の制御手段に該当する。また、受光手段69が、請求の範囲に記載の操作信号受信手段に該当する。
【0038】
ここで、映像伝送ユニット20における、受光手段69、マイコン67、および無線送受信手段65について、さらに詳しく説明する。
【0039】
受光手段69は、リモコン80からの各種信号を受信し、受信した信号をマイコン67に送る。
【0040】
マイコン67は、受光手段69から送られてきた信号を受け付ける。ここで受け付けた信号が、表示ユニット30へのデータ送信を禁止することを指示する信号(第1の指示)である場合、マイコン67は、無線送受信手段65に対して、表示ユニット30へのデータ送信を禁止する旨の指示(以下、送信側禁止指示と称する)を送る。
【0041】
無線送受信手段65は、マイコン67より上記送信側禁止指示を受ける。そして、上記送信側禁止指示を受けると、無線送受信手段65は、表示ユニット30へのデータ送信を禁止(既にデータ送信している場合には停止)する。
【0042】
一方、上記のようにデータ送信を禁止している状況において、マイコン67が、受光手段69から、上記禁止されていたデータの送信を許可することを示す信号(第2の指示)を受け付けた場合、マイコン67は、無線送受信手段65に対して、上記禁止されていたデータの送信を許可する旨の指示(以下、送信側許可指示と称する)を送る。
【0043】
無線送受信手段65は、マイコン67より上記送信側許可指示を受ける。そして、上記送信側許可指示を受け付けると、無線送受信手段65は、表示ユニット30へのデータ送信を開始(一旦データ送信がなされていた場合には再開)する。
【0044】
表示ユニット30は、無線送受信手段65から送信された放送信号を無線送受信手段79で受信し通信波等の除去を行うなどの処理を行い、映像信号処理等の作業を行うデコーダ70を介して映像処理手段71から表示手段72に表示するといった一連の作業を主に行っている。また、これらの処理を適切に行うために表示ユニット30にはマイコン75および各種設定値を記憶保持するためのROM(記憶手段)76を有している。また、このROM76に記録された設定値をマイコン75を介して変更可能にするための手段として、リモコン80からの所定信号を受光するための受光手段78を設けて各種制御を行うようにすることが可能となる。なお、マイコン75が、請求の範囲に記載の制御手段に該当する。また、受光手段78が、請求の範囲に記載の操作信号受信手段に該当する。
【0045】
ここで、表示ユニット30における、受光手段78、マイコン75、および、無線送受信手段79について、さらに詳しく説明する。
【0046】
受光手段78は、リモコン80からの各種信号を受信し、受信した信号をマイコン75に送る。
【0047】
マイコン75は、受光手段78から送られてきた信号を受け付ける。ここで受け付けた信号が、データの受信を禁止することを指示する信号である場合、マイコン75は、無線送受信手段79に対して、映像伝送ユニット20から送られてくるデータの受信を禁止する旨の指示(以下、受信側禁止指示と称する)を送る。
【0048】
無線送受信手段79は、マイコン75より上記受信側禁止指示を受ける。そして、上記受信側禁止指示を受けると、無線送受信手段79は、映像伝送ユニット20から送られてくるデータの受信を禁止(既にデータ受信している場合には停止)する。
【0049】
一方、上記のようにデータ受信を禁止している状況において、マイコン75が、受光手段78から、上記禁止されていたデータの受信を許可することを示す信号を受け付けた場合、マイコン75は、無線送受信手段79に対して、上記禁止されていたデータの送信を許可する旨の指示(以下、受信側許可指示と称する)を送る。
【0050】
無線送受信手段79は、マイコン75より上記受信側許可指示を受ける。そして、上記受信側許可指示を受け付けると、無線送受信手段79は、映像伝送ユニット20から送られてくるデータの受信を開始(一旦データ送信がなされていた場合には再開)する。
【0051】
さて、このような映像伝送ユニット20と表示ユニット30とについて、出荷前の検査工程で検査を行うわけであるが、以下にアンテナの通信性能に関する検査について説明する。
【0052】
検査工程にある全ての映像伝送ユニット20と表示ユニット30は電源オン状態になっており、また全ての表示ユニット30のアンテナは動作可能状態になっている。一方、映像伝送ユニット20のアンテナは機能停止状態にある。すなわち、表示ユニット30のマイコン75は、アンテナ41,42,43を有する無線送受信手段79からの信号を受信できるようになっている。一方、映像伝送ユニット20のマイコン67は、アンテナ26,27を有する無線送受信手段65への信号出力を停止している。これは、マイコン67,75の内部に無線送受信手段65,79の信号の入出力に関する制御機能があり、リモコン80を操作する作業者の指示によってオン/オフ動作する。つまり、マイコン67,75には、無線送受信手段65,79の信号の入出力に関する制御機能が備えられており、上述した信号の受信や信号出力の停止は、リモコン80を操作する作業者の指示に従い、上記制御機能により行われる。
【0053】
図7に示すように、作業者は、以下のような過程を経て、アンテナ通信状態のON期間切換を実現する。つまり、まず予めリモコンあるいは本体(映像伝送ユニット20)に配置された操作部のキーを用いて作業者のみが調整を行うことができる検査モードに入ると、図6のような各種調整項目が表示される(例えば『CH』〜『SS−TX』等。詳細は後述。)。そしてこのうち、『SS−TX』という項目表示はアンテナによる通信状態を表示するための項目であり、具体的には送信側である映像伝送ユニット20のアンテナからの信号伝送の是非(つまり、信号が送られてきたか否か)を『ON』あるいは『OFF』と切換えて表すことができる。これらの表示は、例えばリモコン等から発せられるアンテナの通信状態を切換えるための切換操作信号によって、アンテナの通信状態が切換えられる作業と並行して、切換えられる。
【0054】
尚、これらの各種項目を表示するために記憶させる情報(例えばここでは『SS−TX』や『ON』、『OFF』という文字情報等)は例えば、表示ユニット30のROM76等に記憶させておき、リモコンからの指示に端を発したマイコン75等の制御によって表示手段72等に表示されるべく、ROM76から呼び出されて表示される。以上の操作によって、図7のON期間を開始及び終了が可能となる。
【0055】
尚、本実施形態においては通信状態認識させるための通信状態認識手段としてROM76に記憶された各種文字あるいは記号と表示手段72とから構成されているが、その手段として表示手段の画面上に表示させることにとどまらず、例えば映像伝送ユニット20又は表示ユニット30のいずれかに設けられたLEDによって所定の表示(点滅あるいは発光色切換)等によって実現することも十分可能である。
【0056】
また、図6のように検査工程中は、アンテナ通信状態を表示する項目『SS−TX』をその状態とともに常に画面表示させておくことによって、受信した映像はアンテナの通信状態が可能な状態で正常に受信されているものかを容易に確認することが可能にもなる。
【0057】
そして、図7に示すように、検査が終了すると、作業者はリモコン80を用いて映像伝送ユニット20のマイコンから無線送受信手段65への信号出力をオフにする。
【0058】
以上のように、映像伝送ユニット20は、データを逐次受け付けると共に、該受け付けたデータを逐次送信する送信装置であって、無線通信によりデータの送信を行う無線送受信手段(送信手段)65と、上述した第1の指示を受け付けた場合に、前記受け付けたデータの無線送受信手段65による送信を禁止し、かつ、上述した第2の指示を受け付けた場合に、前記禁止されていたデータの送信を許可するマイコン(制御手段)67とを備える構成である。
【0059】
この構成によれば、無線送受信手段65により、逐次受け付けたデータを、無線通信により、表示ユニット30へ逐次送信することができる。また、マイコン67により、マイコン67が上記第1の信号を受け付けた場合には、上記受け付けたデータの無線送受信手段65による送信を禁止することができる。また、マイコン67により、マイコン67が上記第2の信号を受け付けた場合には、上記禁止されていたデータの送信を許可することができる。
【0060】
それゆえ、例えば製品出荷前の検査工程時等のように、少なくとも、自装置と同じ構成を有する他の映像伝送ユニット(他の送信装置)が、互いに近くに配されている状況下においては、以下のことが可能となる。
【0061】
まず、他の映像伝送ユニットに、該他の映像伝送ユニットとペアとなる表示ユニット(以下、他の表示ユニット)へのデータ送信を行わせる場合には、マイコン67により自ユニット20のデータ送信を禁止することにより、上記他の表示ユニットにおいて、他の映像伝送ユニットと自ユニット20との間でのデータ混信を防止できる。
【0062】
また、自ユニット20に表示ユニット30へのデータ送信を行わせる場合には、他の映像伝送ユニットが該ユニットのマイコンによりデータ送信を禁止することにより、表示ユニット30において、自ユニット20と他の映像伝送ユニットとの間でのデータ混信を防止できる。この際、自ユニット20において既に上記禁止の状態にある場合には、自ユニット20のマイコン67により上記禁止されていたデータの送信を許可することにより、自ユニット20のデータ送信が可能となる。
【0063】
したがって、他の映像伝送ユニットとの間において、表示ユニット30または他の表示ユニット(受信側の装置)でのデータ混信を防止可能となる。
【0064】
ここで、受信側の装置は、上記のように送信装置毎に備えられていてよいし、あるいは、複数の送信装置に対して、1つ備えられていてもよい。
【0065】
なお、検査前においては、映像伝送ユニット20のみアンテナを機能停止状態(アンテナへの信号出力停止状態)としたが、検査対象以外の表示ユニット30のアンテナのみを機能停止としてもよいし、検査対象外の映像伝送ユニット20及び表示ユニット30の両方のアンテナを機能停止状態としてもよい。検査するときにのみ通信可能にするための手段として、リモコン80や本体(映像伝送ユニット20および/または表示ユニット30)の操作部(図示せず)を用いてアンテナを機能させる状態(つまり、無線通信を行うことができる状態)に切換る方法を本発明では提案している。
【0066】
ここで、映像伝送ユニット20のみならず、該ユニット20とペアをなす表示ユニット30に関しても、上述した禁止を行う場合には、他の映像伝送ユニットとペアをなす他の表示ユニットが、映像伝送ユニット20のデータを受信することがなくなる。
【0067】
したがって、検査工程時等における、ペアをなす映像伝送ユニットと表示ユニットとが、複数組、並んで配されるような状況下において、全ての映像伝送ユニットと全ての表示ユニットとの電源が投入された状態であっても、一組の映像伝送ユニットと表示ユニットとの間のみの通信を実現できる。
【0068】
さらに、一つの表示ユニットしか映像が表示されないため、検査作業中に、作業員が現在検査している一表示ユニットを混同するといったおそれもなくなる。
【0069】
また、映像伝送ユニット20が、CATVの信号をテレビ電波を表示ユニット30に送る場合には、映像データにあわせて音声データも送られる。このような場合には、表示装置の音声出力のレベルを下げることなく、作業員が現在検査している一表示ユニット以外の表示ユニットから音声の出力をなくすることができる。それゆえ、現在検査中の一つの表示ユニットの音声出力の状態のみを視聴できる。したがって、効率の良い音声出力の確認を行うことも可能となる。
【0070】
また、マイコン75は、アンテナの選択信号を映像処理手段71に送り、映像処理手段71は、その情報を記号化して表示手段72に表示する。図6にその表示画面の説明を示す。アンテナの選択情報は文字データとして表示され、各文字記号は以下のように設定されている。
【0071】
項目(1):『ANT−TX』は映像伝送ユニット20のアンテナが選択可能
選択肢『L』⇒アンテナ26を指定、『R』⇒アンテナ27を指定、『D』⇒26,27のいずれか一方を自動的に選択する。
【0072】
項目(2):『ANT−RX』は表示ユニット30のアンテナが選択可能
選択肢『L』⇒アンテナ41を指定、『R』⇒アンテナ42を指定、『C』⇒アンテナ43を指定、『D』⇒41,42、43のいずれか一方を自動的に選択する。
【0073】
項目(3):『SS−TX』は映像伝送ユニット20のアンテナ26,27のマイコン67からの信号出力のオン/オフ切換
選択肢『ON』⇒映像伝送ユニット20のアンテナ26,27の機能中、『OFF』⇒映像伝送ユニット20のアンテナ26,27の機能停止中。
【0074】
図6では、『SS−TX』は『ON』であるので、検査対象の映像伝送ユニット20のアンテナ26,27は機能中であることがわかる。『ANT−TX』は『L』、『ANT−RX』は『L』なので、アンテナ26とアンテナ41を選択して機能させたことを意味する。
【0075】
『D』の場合は、マイコン67,75が予め設定された順でアンテナを選択する。これらデータはROM68,76に格納されており、このデータにしたがってアンテナを選択する。送信装置及び受信装置のマイコンが、機能させるアンテナを自動的に選択するので、検査作業者がアンテナを選択する手間が省ける。
【0076】
図7に示すように、検査対象の映像伝送ユニット20のアンテナのみを通信可能状態とし、これとペアをなす表示ユニット30の画面には『SS−TX』は『ON』と表示されている。こうして、アンテナの通信状態が不可能な状態(つまり、アンテナを用いた通信が不可能な状態)にある検査対象以外の映像伝送ユニット20との混信を防止することができ、検査対象の表示ユニット30が検査対象以外の映像伝送ユニット20の電波を混信してしまうことがない。そのため、検査工程時に送信部(つまり、無線通信送信部25)の電源入/切操作を行うことなく送受信検査を行うことができ、作業効率が向上する。
【0077】
また、送信部のRF出力の機能切換を行うための設定項目SS−TXは、検査工程にのみ用意しているので、ユーザ(作業者を除く一般利用者)による上記切換操作が容易に行われない。つまり、作業者のみが知っているキー操作等を行わないとSS−TXの設定が行えないため、原則として、作業者しかSS−TXを設定することができない。このため、ユーザによる誤操作を引き起こす心配が無い。
【0078】
なお、アンテナの表示記号は文字だけではなく、アイコンでもよいし、アンテナごとに色を変えて表示してもよい。
【0079】
こうして、機能させるアンテナを示す記号を前記表示手段に表示するので、検査工程において、作業者が送受信検査をしている時に、受信している映像信号が適当なアンテナを介して受信しているかを認識することが可能となる。さらに、受信中の映像信号に重ねて前記アンテナ記号を表示させると、ワイヤレス通信システムの受信状態を確認しながら現在機能させているアンテナも同時に特定確認することができる。
【0080】
また、表示ユニット30の無線送受信手段79によるデータ受信が禁止されている場合には「SS−RX:ON」という表示を、禁止されていない場合には「SS−RX:OFF」という表示を、表示ユニット30の表示画面上に行うことが好ましい。このような表示を行うことにより、表示ユニット30における受信の禁止、および該禁止が解除されたといった、表示ユニット30側の設定状況を確認することができる。
【0081】
ところで、表示ユニット30は、アンテナ43を備える構成であるが、このアンテナ43を備えない構成としてもよい。
【0082】
さらに、上記においては、映像伝送ユニット20のアンテナ26・27は、異方性配置の関係にあればよいとして説明したが、必ずしも、これに限定されるものではない。つまり、上記アンテナ26・27は、必ずしも、互いに異方性配置の関係になくてもよい。
【0083】
また、表示ユニット30においても同様であり、アンテナ41・42・43は、必ずしも、互いに異方性配置の関係になくてもよい。
【0084】
また、マイコン67は、上述したように、上記第1の指示および第2の指示をリモコン80から受け付ける構成であることが好ましい。この構成によれば、上記第1の指示および第2の指示を、離れた位置から送信することができる。したがって、第1の指示および第2の指示についての入力操作の利便性が向上する。
【0085】
また、上記においては、上述した検査モードに入るために、作業者がリモコン等の操作を行う構成であった。つまり、マイコン67が、所定の指示を受け付けた場合にのみ、マイコン67は、上記の第1の指示を受け付ける構成であるといえる。
【0086】
この構成によれば、上記所定の指示を受け付けない限り、データ送信が禁止されない。それゆえ、所定の指示をマイコン67に送信する仕方を知っている作業員のみが、上記データ送信を禁止することができる。したがって、一般の利用者に対して、上記の仕方を通知しないことにより、一般利用者が、上記データ送信を禁止するモードに自装置を設定してしまうといった事態を防止することができる。
【0087】
また、映像伝送ユニット20の無線送受信手段65は、マイコン67による上記データ送信が禁止されていることを示す信号を、表示ユニット30に送信することができる。したがって、表示ユニット30において上記信号を表示させることにより、利用者は、上記データ送信が禁止されていることを視認(確認)することができる。
【0088】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0089】
なお、上述した制御手段は、マイコン67におけるCPU等の演算手段が、ROM(Read Only Memory)(例えば、ROM68)やRAM(マイコン内のRAMおよび/またはマイコン外のRAM)などの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、キーボードなどの入力手段、ディスプレイなどの出力手段、あるいは、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。したがって、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の映像伝送ユニットの各種機能および各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能および各種処理を実現することができる。また、表示ユニットに関しても、同様である。
【0090】
上記記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
【0091】
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0092】
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
【0093】
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
【0094】
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
【0095】
以上のように、本発明に係る送信装置は、データを逐次受け付けると共に、該受け付けたデータを逐次送信する送信装置であって、無線通信によりデータの送信を行う送信手段と、第1の指示を受け付けた場合に、前記受け付けたデータの送信手段による送信を禁止し、かつ、第2の指示を受け付けた場合に、前記禁止されていたデータの送信を許可する制御手段とを備える構成である。
【0096】
また、本発明に係る送信装置は、上記の送信装置において、前記制御手段は、前記第1の指示および第2の指示を遠隔制御装置から受け付ける構成である。
【0097】
上記の構成によれば、制御手段は、第1の指示および第2の指示を遠隔制御装置から受け付ける。それゆえ、第1の指示および第2の指示を、離れた位置から送信することができる。したがって、第1の指示および第2の指示についての入力操作の利便性が向上するという効果を奏する。
【0098】
また、本発明に係る送信装置は、上記の送信装置において、前記制御手段は、所定の指示を受け付けた場合にのみ、前記第1の指示を受け付ける構成である。
【0099】
上記の構成によれば、制御手段は、所定の指示を受け付けた場合にのみ、第1の指示を受け付ける。つまり、所定の指示を受け付けない限り、データ送信が禁止されない。それゆえ、所定の指示を制御手段に送信する仕方をしっている利用者(例えば、検査担当者)のみが、上記データ送信を禁止することができる。したがって、一般の利用者に対して、上記の仕方を通知しないことにより、一般利用者が、上記データ送信を禁止するモードに自装置を設定してしまうといった事態を防止することができるという効果を奏する。
【0100】
また、本発明に係る送信装置は、上記の送信装置において、前記送信手段は、さらに、前記受け付けたデータの送信が禁止されていることを示す信号を送信する構成である。
【0101】
上記の構成によれば、送信手段により、前記受け付けたデータの送信が禁止されていることを示す信号を、受信側の装置に送信することができる。したがって、例えば、受信側の装置において上記信号を表示させることにより、利用者は、上記データ送信が禁止されていることを視認(確認)することができるという効果を奏する。
【0102】
また、本発明に係る無線通信システムは、上記の課題を解決するために、上記の送信装置と、前記送信装置から送られてくるデータを受信する受信装置とを備える構成である。
【0103】
また、本発明に係る無線通信システムは、上記の無線通信システムにおいて、前記送信装置の送信手段は、さらに、前記受け付けたデータの送信が禁止されていることを示す信号を送信し、前記受信装置は、前記信号に基づいた表示を行う表示手段を備える構成である。
【0104】
上記の構成によれば、送信装置の送信手段により、前記受け付けたデータの送信が禁止されていることを示す信号を、受信装置に送信することができる。また、受信装置の表示手段により、上記信号に基づいた表示を行うことができる。
【0105】
したがって、利用者は、受信装置において、上記データ送信が禁止されていることを視認(確認)することができるという効果を奏する。
【0106】
また、本発明に係る無線通信システムは、上記の課題を解決するために、一対のアンテナを有する送信装置と受信装置を備える無線通信システムにおいて、該無線通信システムに関する各種設定の変更操作が可能となる操作手段を有し、前記操作手段からの指示としての操作信号を受信するための操作信号受信手段を有し、前記操作手段は、前記送信装置あるいは受信装置の有するアンテナのうち少なくともいずれか一方の通信状態を通信可能状態あるいは不可能状態のいずれかに切換えるための切換操作信号を発生することで該通信状態を切換える切換操作が可能であり、前記送信装置あるいは受信装置は、前記操作信号受信手段で受信した切換操作信号を受けた時に、一対のアンテナのうち少なくともいずれか一方のアンテナを通信可能あるいは不可能状態になるように制御するための制御手段を備えた構成である。
【0107】
また、本発明に係る無線通信システムは、上記の無線通信システムにおいて、前記アンテナの通信状態が通信可能状態かあるいは通信不可能状態のいずれかであることを認識できるようにするための通信状態認識手段を設けた構成である。
【0108】
また、本発明に係る無線通信システムは、上記の無線通信システムにおいて、前記受信装置は、前記送信装置から受信した映像信号あるいは前記操作手段から受信した操作信号を表示するための表示手段と、前記通信状態を該表示手段に表示するために通信状態情報を記憶した記憶手段とを備え、前記操作信号受信手段で受信した所定の操作信号を受けた時には、前記通信状態認識手段としてアンテナの通信状態に相当する通信状態情報を記憶手段から呼び出して前記表示手段に表示するように制御する構成である。
【0109】
また、本発明に係る無線通信システムは、上記の無線通信システムにおいて、前記記憶手段には、前記通信状態情報と前記アンテナに関する項目あるいは記号を表示手段に表示するための情報とが記憶され、前記操作信号受信手段で受信した所定の操作信号を受けた時には、受信中の前記映像信号に重ねて前記アンテナに関する項目あるいは記号を前記通信状態情報と並行表示する構成である。
【0110】
また、本発明に係る無線通信システムは、上記の無線通信システムにおいて、前記操作手段は、検査工程のみに操作可能とした構成である。
【0111】
上記の構成によれば、切換操作手段は検査工程のみに用いる。つまり、送信部のRF出力の機能切換を行うための設定項目SS−TXは、検査工程にのみ用意しているので、ユーザによる上記切換操作が容易に行われない。したがって、ユーザによる誤操作を引き起こす心配が無い。
【0112】
また、アンテナを示す項目あるいは記号と該アンテナの信号入出力がオン/オフかを示す文字、記号等を前記表示手段に表示するので、検査工程において、調整者が送受信検査をしている時に、受信部で表示された映像データが混信による伝送によるものではないものかを画面上で容易に確認することが可能となる。
【0113】
また、受信中の映像信号に重ねて前記アンテナ記号を表示するので、ワイヤレス通信システムの受信状態を確認しながら現在機能させているアンテナも同時に特定確認することができる。
【0114】
また、本発明に係るプログラムは、上記の課題を解決するために、上記送信装置の制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0115】
また、本発明に係る記録媒体は、上記の課題を解決するために、上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【産業上の利用可能性】
【0116】
送信側の装置としては、携帯型電話機、PDA、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、パーソナルコンコンピュータ等の装置に適応可能である。また、受信側の装置としては、携帯型電話機、PDA、DVDプレーヤ、DVDレコーダ、パーソナルコンコンピュータ等の表示手段を備える装置に適応可能である。また、表示手段を備えるものであれば、電子時レンジや冷蔵庫といった所謂家電製品にも適応可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを逐次受け付けると共に、該受け付けたデータを逐次送信する送信装置であって、
無線通信によりデータの送信を行う送信手段と、
第1の指示を受け付けた場合に、前記受け付けたデータの送信手段による送信を禁止し、かつ、第2の指示を受け付けた場合に、前記禁止されていたデータの送信を許可する制御手段とを備えることを特徴とする送信装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の指示および第2の指示を遠隔制御装置から受け付けることを特徴とする請求項1記載の送信装置。
【請求項3】
前記制御手段は、所定の指示を受け付けた場合にのみ、前記第1の指示を受け付けることを特徴とする請求項1または2記載の送信装置。
【請求項4】
前記送信手段は、さらに、前記受け付けたデータの送信が禁止されていることを示す信号を送信することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の送信装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1項に記載の送信装置と、
前記送信装置から送られてくるデータを受信する受信装置とを備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項6】
前記送信装置の送信手段は、さらに、前記受け付けたデータの送信が禁止されていることを示す信号を送信し、
前記受信装置は、前記信号に基づいた表示を行う表示手段を備えることを特徴とする請求項5記載の無線通信システム。
【請求項7】
一対のアンテナを有する送信装置と受信装置を備える無線通信システムにおいて、
該無線通信システムに関する各種設定の変更操作が可能となる操作手段を有し、
前記操作手段からの指示としての操作信号を受信するための操作信号受信手段を有し、
前記操作手段は、前記送信装置あるいは受信装置の有するアンテナのうち少なくともいずれか一方の通信状態を通信可能状態あるいは不可能状態のいずれかに切換えるための切換操作信号を発生することで該通信状態を切換える切換操作が可能であり、
前記送信装置あるいは受信装置は、前記操作信号受信手段で受信した切換操作信号を受けた時に、一対のアンテナのうち少なくともいずれか一方のアンテナを通信可能あるいは不可能状態になるように制御するための制御手段を備えたことを特徴とする無線通信システム。
【請求項8】
前記アンテナの通信状態が通信可能状態かあるいは通信不可能状態のいずれかであることを認識できるようにするための通信状態認識手段を設けたことを特徴とする請求項7に記載の無線通信システム。
【請求項9】
前記受信装置は、前記送信装置から受信した映像信号あるいは前記操作手段から受信した操作信号を表示するための表示手段と、前記通信状態を該表示手段に表示するために通信状態情報を記憶した記憶手段とを備え、
前記操作信号受信手段で受信した所定の操作信号を受けた時には、前記通信状態認識手段としてアンテナの通信状態に相当する通信状態情報を記憶手段から呼び出して前記表示手段に表示するように制御することを特徴とする請求項7または8に記載の無線通信システム。
【請求項10】
前記記憶手段には、前記通信状態情報と前記アンテナに関する項目あるいは記号を表示手段に表示するための情報とが記憶され、
前記操作信号受信手段で受信した所定の操作信号を受けた時には、
受信中の前記映像信号に重ねて前記アンテナに関する項目あるいは記号を前記通信状態情報と並行表示することを特徴とする請求項9に記載の無線通信システム。
【請求項11】
前記操作手段は、検査工程のみに操作可能としたことを特徴とする請求項7から10の何れか1項に記載の無線通信システム。
【請求項12】
請求項1から4の何れか1項に記載の送信装置の制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項13】
請求項12記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【国際公開番号】WO2005/078940
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【発行日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517971(P2005−517971)
【国際出願番号】PCT/JP2005/002031
【国際出願日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】