送信装置、送信方法、受信装置、受信方法、プログラム、および通信システム
【課題】新たに発生した妨害波に対して速やかに対処できるシステムを実現する。
【解決手段】本開示の放送装置は、受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信部と、受信された前記受信障害情報に基づいて、送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定部と、設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調部と、前記変調信号を前記送信信号として送出する送出部とを含む。本開示は、例えば、DVB-C2に準拠した放送信号を、CATV網を介して送信する放送システムや、物理層がDVB-C2規格に対応したCATVインタネットシステム(DOCSIS)に適用できる。
【解決手段】本開示の放送装置は、受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信部と、受信された前記受信障害情報に基づいて、送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定部と、設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調部と、前記変調信号を前記送信信号として送出する送出部とを含む。本開示は、例えば、DVB-C2に準拠した放送信号を、CATV網を介して送信する放送システムや、物理層がDVB-C2規格に対応したCATVインタネットシステム(DOCSIS)に適用できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、送信方法、受信装置、受信方法、プログラム、および通信システムに関し、特に、例えば、電波障害が生じている周波数帯にNotchを設けるようにした送信装置、送信方法、受信装置、受信方法、プログラム、および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
主に欧州にて採用されているケーブルテレビ用放送規格として1994年に制定されたDVB-Cが知られており、これに代わる次世代のケーブルテレビ用放送規格としてDVB-C2が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
DVB-C2では、CATVの送信信号が、他の用途(例えば、警察用の無線通信、軍事用の無線通信など)に用いられている送信信号と相互に干渉しないように、CATVの周波数帯域内であっても送信信号を送信しないようにした帯域(以下、Notchと称する)を設けることが可能とされている。
【0004】
そこで、既存の放送システムにおいては、CATVの送信信号と干渉し得る、他の用途の送信信号の周波数帯域を事前に調査し、それに対応してNotchを設けるようにしている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】DVB-C2規格書[Digital Video Broadcasting (DVB);Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital transmission system for cable systems (DVB-C2)]DVB Document A138
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、既存の放送システムによれば、CATVの送信信号と干渉し得る既知の送信信号については対応可能である。しかしながら、今後新たに、CATVの送信信号と干渉する送信(以下、妨害波と称する)が出現した場合、それに対して速やかに対処することができない。
【0007】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、新たに発生した妨害波に対して速やかに対処できるシステムを実現できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の側面である送信装置は、受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信部と、受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定部と、設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調部と、前記変調信号を前記送信信号として送出する送出部とを含む。
【0009】
前記受信障害情報は、少なくとも妨害波の周波数を含み、前記設定手段は、受信された前記受信障害情報に含まれる前記妨害波の周波数を、前記送信信号に設けるNotchの周波数に設定することができる。
【0010】
本開示の第1の側面である送信装置は、送信対象となる前記受信装置を指定して、前記受信障害情報の通知を要求するコマンドを発生するコマンド発生部をさらに含むことができ、前記受信部は、前記コマンドに応じて前記受信装置から通知された前記受信障害情報を受信することができる。
【0011】
本開示の第1の側面である送信方法は、送信装置の送信方法において、前記送信装置による、受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信ステップと、受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定ステップと、設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調ステップと、前記変調信号を前記送信信号として送出する送出ステップとを含む。
【0012】
本開示の第1の側面であるプログラムは、送信装置の制御用のプログラムであって、受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信ステップと、受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定ステップと、設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調ステップと、前記変調信号を前記送信信号として送出する送出ステップとを含む処理を送信装置のコンピュータに実行させる。
【0013】
本開示の第1の側面においては、受信装置から通知された受信障害情報が受信され、受信された受信障害情報に基づいて、送信信号に設けるNotchの周波数が設定され、設定された周波数に従ってNotchが設けられつつ送信信号が送出される。
【0014】
本開示の第2の側面である受信装置は、送信信号を受信する受信部と、前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出部と、前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持手段と、保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知部とを含む。
【0015】
前記通知手段は、前記送信装置からのコマンドに応じ、保持されている前記受信障害情報を前記送信装置に通知することができる。
【0016】
前記保持手段は、検出された妨害波に対処するNotchが前記送信信号上に設けられている場合、検出された妨害波の検出結果を前記受信障害情報から除外することができる。
【0017】
本開示の第2の側面である受信方法は、受信装置の受信方法において、前記受信装置による、送信信号を受信する受信ステップと、前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出ステップと、前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持ステップと、保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知ステップとを含む。
【0018】
本開示の第2の側面であるプログラムは、受信装置の制御用のプログラムであって、送信信号を受信する受信ステップと、前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出ステップと、前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持ステップと、保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知ステップとを含む処理を受信装置のコンピュータに実行させる。
【0019】
本開示の第2の側面においては、送信信号上に発生している妨害波が検出され、妨害波の検出結果を示す受信障害情報が保持され、保持されている前記受信障害情報が送信信号を送信する送信装置に通知される。
【0020】
本開示の第3の側面である通信システムは、送信信号を送信する送信装置と、送信された前記送信信号を受信する受信装置とから成る通信システムにおいて、前記送信装置が、前記受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信部と、受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定部と、設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調部と、前記変調信号を前記送信信号として送出する送出部とを含み、前記受信装置が、送信された前記送信信号を受信する受信部と、前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出部と、前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持手段と、保持されている前記受信障害情報を前記送信装置に通知する通知部とを含む。
【0021】
本開示の第3の側面においては、送信装置により、受信装置から通知された受信障害情報が受信され、受信された受信障害情報に基づいて、送信信号に設けるNotchの周波数が設定され、設定された周波数に従ってNotchが設けられつつ送信信号が送出される。また、受信装置により、送信信号上に発生している妨害波が検出され、妨害波の検出結果を示す受信障害情報が保持され、保持されている前記受信障害情報が送信装置に通知される。
【発明の効果】
【0022】
本開示の第1の側面によれば、受信装置から通知される妨害波に対応して送信信号にNotchを設けることができる。
【0023】
本開示の第2の側面によれば、妨害波を検知して送信側に通知することができる。
【0024】
本開示の第3の側面によれば、新たに発生した受信障害に対して速やかに対処できるシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】妨害波の発生を説明する図である。
【図2】発生した妨害波に応じてNotchを設けた状態を説明する図である。
【図3】実施の形態である送信装置の第1の構成例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態である受信装置の第1の構成例を示すブロック図である。
【図5】受信装置の処理を説明するフローチャートである。
【図6】送信側の処理を説明するフローチャートである。
【図7】実施の形態である送信装置の第2の構成例を示すブロック図である。
【図8】実施の形態である受信装置の第2の構成例を示すブロック図である。
【図9】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。本開示の実施の形態である放送システムは、CATVの放送局などに設けられる送信装置(図3の送信装置10、図7の送信装置50)と、各カスタマ宅に設けられる受信装置(図4の受信装置30、図8の受信装置60)から成る。まず、放送システムの動作概要について説明する。
【0027】
図1は、当該放送システムが妨害波に対処する前の、送信された送信信号と受信された送信信号の状態を示し、図2は、妨害波に対処した後の、送信された送信信号と受信された送信信号の状態を示している。
【0028】
CATV網を介して、図1Aに示されるように、何ら障害のない送信信号が送信され、これが図1Bに示されるように、妨害波を含む状態で受信されるようになったと仮定する。この妨害波の存在は、受信側から送信側に通知される。
【0029】
そして、この妨害波の発生がある程度の広域に亘るものであると判明した場合、図2Aに示されるように、妨害波の周波数帯域に合わせてNotchを設けた送信信号が送信される。なお、Notchが設けられた送信信号を受信側が受信すると、図2Bに示されるように、送信信号には依然として妨害波が生じている。ただし、情報を伝送しないNotchが設けられたことにより、妨害波による干渉を受ける情報も存在しなくなっているので、受信側では実質的な受信障害を受けることなく送信信号を受信することができる。
【0030】
<1.実施の形態>
[送信装置の第1の構成例(DOCSIS系のみを有する構成例)]
図3は、実施の形態である送信装置の第1の構成例を示している。この送信装置10は、CATVの放送局などに設置され、オペレータからの操作に従い、DVB-C2に準拠した放送信号やDOCSISデータを、CATV網20を介して送信するものである。
【0031】
送信装置10は、ベースバンド信号入力部11、変調部12、送出部13、コマンド発生部14、受信部15、障害波解析部16、およびNotch設定部17を有する。
【0032】
ベースバンド信号入力部11は、コンテンツ(IP(Internet Protocol)信号など)がエンコードされている符号化信号に相当するベースバンド信号を変調部12に入力する。変調部12は、Notch設定部17からNotchの位置(周波数)が指定された場合、指定された位置にNotchを設けつつ、ベースバンド信号入力部11から入力されるベースバンド信号や、コマンド発生部14から入力される受信障害情報通知コマンドを、DVB-C2で規定されている所定の変調方式(4K OFDM,4096QAMなど)で変調し、その結果得られた変調信号を送出部13に出力する。
【0033】
送出部13は、変調部12から入力される変調信号を送信信号としてCATV網20に送出する。
【0034】
コマンド発生部14は、オペレータからの操作に従い、受信対象とする受信装置30のIPアドレスを指定した受信障害情報通知コマンドを発生して変調部12に出力する。なお、IPアドレスを用いることにより、同時に複数の受信装置30を受信対象に指定することができる。
【0035】
受信部15は、送信された受信障害情報通知コマンドに応じて複数の受信装置30からCATV網20を介して通知される、DOCSIS(Data Over Cable Service Interface Specifications)データとしての受信障害情報を受信し、障害波解析部16に出力する。なお、受信障害情報の通信は、DOCSISに限定されるものではない。
【0036】
障害波解析部16は、複数の受信装置30から通知される受信障害情報に基づき、妨害波による受信障害が発生している規模を解析してオペレータに提示する。また、障害波解析部16は、オペレータからの操作に従い、Notch設定部17に対して、障害波の周波数を通知する。
【0037】
Notch設定部17は、変調部12に対して、Notchの位置(障害波解析部16から通知された障害波の周波数と同じ周波数)を指定する。
【0038】
[受信装置の第1の構成例(DOCSIS系のみを有する構成例)]
図4は、実施の形態である受信装置の第1の構成例を示している。この受信装置30は、CATVを利用する各ユーザ宅などに設置され、CATV網20を介してDVB-C2に準拠した放送信号を受信、復調してテレビジョン番組などのコンテンツの再生や、インタネットに接続するものである。なお、各受信装置30に対しては、CATV網20におけるIPアドレスが付与されており、CATVの放送側では、ユーザ情報として、その住所(すなわち、受信装置30の設置場所)等とともにIPアドレスも管理されている。
【0039】
受信装置30は、受信部31、再生部32、受信障害検出部33、受信障害情報保持部34、および通知部35を有する。
【0040】
受信部31は、CATV網20を介して送信される送信信号から、予め設定された周波数成分を抽出して再生部32に出力する。再生部32は、受信部31から入力された、周波数成分を復調してデコードし、その結果得られるIP信号を後段に出力する。
【0041】
受信障害検出部33は、CATV網20を介して送信される送信信号に受信障害が生じているか否かを検出し、すなわち、送信信号上の妨害波を検出し、検出結果として妨害波の位置(周波数)および強度を受信障害情報保持部34に出力する。なお、妨害波の検出方法については任意であるが、例えばCW(Continuous Wave)妨害は特開2007-202082に記載の発明を適用できる。なお、受信障害検出部33は、受信部31に内蔵するようにしてもよい。
【0042】
受信障害情報保持部34は、受信障害検出部33から入力される、妨害波の検出結果を受信障害情報として保持する。ただし、検出した妨害波に対処するNotchが、既にCATVの送信信号上に設けられている場合、当該妨害波の検出結果を受信障害情報から除外する。通知部35は、コマンド検出部36から受信障害情報通知コマンドが入力されることに応じ、受信障害情報保持部34に保持されている受信障害情報を読み出し、DOCSISデータとしてCATV網20を介して送信装置10に通知する。コマンド検出部36は、再生部32から出力されるIP信号から、当該受信装置30のIPアドレスを指定して送信された受信障害情報通知コマンドを検出して通知部35に出力する。
【0043】
[動作説明]
次に、本開示の実施の形態である放送システムの動作について説明する。
【0044】
図5は、受信装置30の処理を説明するフローチャートである。この受信装置30の処理は、ユーザによる選局に対応する周波数成分を送信信号から抽出して復調、デコードする通常の受信処理と並行して実行される。
【0045】
ステップS11において、受信障害検出部33は、CATV網20を介して送信されている送信信号に受信障害が生じているか否かを判定し、受信障害が生じていると判定するまで待機する。受信障害が生じていると判定された場合、処理はステップS12に進められる。
【0046】
ステップS12において、受信障害検出部33は、受信障害を生じさせている妨害波の位置(周波数)および強度を受信障害情報保持部34に出力する。受信障害情報保持部34は、受信障害検出部33から入力された妨害波の検出結果を、受信障害情報として保持する。
【0047】
ステップS13において、コマンド検出部36は、CATV網20を介して送信される送信信号に基づくIP信号から、当該受信装置30のIPアドレスを指定して送信された受信障害情報通知コマンドが存在するか否かを判定する。なお、受信障害情報通知コマンドが存在しないと判定された場合、処理はステップS11に戻って、それ以降が繰り返されることになる。
【0048】
ステップS13において、当該受信装置30のIPアドレスを指定して送信された受信障害情報通知コマンドが存在すると判定された場合、処理はステップS14に進められる。
【0049】
ステップS14において、コマンド検出部36は、当該受信装置30のIPアドレスを指定して送信された受信障害情報通知コマンドを通知部35に出力する。通知部35は、受信障害情報通知コマンドの入力に応じ、受信障害情報保持部34に保持されている受信障害情報を読み出し、DOCSISデータとして、CATV網20を介して送信装置10に通知する。この後、処理はステップS11に戻って、それ以降が繰り返されることになる。以上で、受信装置30の処理を終了する。
【0050】
上述した受信装置30の処理では、送信側から受信障害情報通知コマンドに応じて受動的に保持している受信障害情報を送信側に送信するようにしたが、受信装置30が、受信障害の検知に応じ、能動的に受信障害情報を送信側に送信するようにしてもよい。
【0051】
また、受信装置30のユーザが、テレビジョン番組の受信障害を自身で認識したときにCATVのカスタマセンタなどに受信障害の発生を連絡する場合もある。
【0052】
次に、図6は、送信装置10の動作を含む送信側の処理を説明するフローチャートである。
【0053】
ステップS21において、送信側(CATVのカスタマセンタなど)では、受信装置30のユーザからの受信障害発生の連絡があるまで待機する。受信障害発生の連絡があった場合、処理をステップS22に進める。
【0054】
ステップS22において、コマンド発生部14は、受信障害発生の連絡があったユーザ宅を含む所定の地域に設置されている受信装置30を受信対象として、受信障害情報通知コマンドを発生する。生成された受信障害情報通知コマンドは、変調部12および送出部13を経てCATV網20に送出される。
【0055】
ステップS23において、受信部15は、受信障害情報通知コマンドに応じて複数の受信装置30から通知される受信障害情報を、DOCSISデータとして、CATV網20を介して受信し、障害波解析部16に出力する。ステップS24は、障害波解析部16は、受信装置から通知される受信障害情報に基づき、妨害波による受信障害が発生している規模を解析して、オペレータに提示する。この提示に基づき、オペレータは、受信障害が受信障害発生の連絡があったユーザ宅を含む所定の地域に発生しているのか否かを判定する。地域に発生しているとオペレータが判定した場合、処理はステップS25に進められる。
【0056】
ステップS25において、障害波解析部16は、オペレータからの操作に従い、Notch設定部17に対して、障害波の周波数を通知する。この通知に応じ、Notch設定部17は、変調部12に対して、Notchの位置(障害波解析部16から通知された障害波の周波数と同じ周波数)を指定する。これにより、CATVの送信信号には、Notchが設けられて送出されることになる。なお、Notchを設けることによって情報を伝送できる帯域が減少するので、場合によっては、テレビジョン番組の画質を落として、伝送する情報量を削減したりすることも必要となり得る。
【0057】
なお、ステップS24において、受信障害が地域に発生しているのではなく、連絡があったユーザ宅だけ、あるいはその近隣でのみ発生しているとオペレータが判定した場合、処理はステップS26に進められる。この場合、Notchの設定は行われない。ステップS26において、オペレータは、連絡があったユーザ宅などに対して個別に対処することなる。以上で、送信側の処理の説明を終了する。
【0058】
以上説明したように、本開示の実施の形態である放送システムによれば、今後発生し得る未知の障害波についても対処することができる。したがって、受信装置30は、受信障害に影響されることなく、CATVの送信信号を復調、デコードすることができる。
【0059】
また、CATVの放送局側としては、受信障害発生を通知してきたユーザ宅に出向くことなく、その地域の受信状態を取得して、暫定的に対処することができる。
【0060】
さらに、CATVの放送局側はユーザからの受信障害発生の通知を待つことなく、受信障害情報通知コマンドを送信することで、その地域の受信状態を監視し、ネットワークの維持管理に役立てることができる。
【0061】
なお、本開示の実施の形態である放送システムを成す送信装置および受信装置は、以下の構成例を採ることもできる。
【0062】
[送信装置の第2の構成例(DOCSIS系およびTV系を有する構成例)]
次に、図8は、送信装置の第2の構成例を示している。この送信装置50は、図3に示された第1の構成例である送信装置10に、TV放送等のAV信号を送信するためのTV系を追加したものである。なお、送信装置10と共通する構成要素については、図3と同一の符番を付しているのでその説明は省略する。
【0063】
TV系は、ベースバンド信号入力部51、変調部52、および送出部53を有する。ベースバンド信号入力部51は、コンテンツ(テレビジョン番組等のAV信号)がエンコードされている符号化信号に相当するベースバンド信号を変調部52に入力する。変調部52は、Notch設定部17からNotchの位置(周波数)が指定された場合、指定された位置にNotchを設けつつ、ベースバンド信号入力部51から入力されるベースバンド信号を、DVB-C2で規定されている所定の変調方式(4K OFDM,4096QAMなど)で変調し、その結果得られた変調信号を送出部53に出力する。送出部53は、変調部52から入力される変調信号を送信信号としてCATV網20に送出する。
【0064】
なお、第2の構成例である送信装置50におけるコマンド発生部14は、TV放送channel上、またはDOCSISデータchannel上の少なくとも一方を指定して受信障害情報通知コマンドを生成することができるものとする。
【0065】
また、第2の構成例である送信装置50におけるNotch設定部17は、障害波の周波数がTV放送channelに存在する場合には変調部52に、DOCSISデータchannelの伝送周波数帯に存在する場合には変調部12に対して、Notchの位置(障害波解析部16から通知された障害波の周波数と同じ周波数)を指定するものとする。
【0066】
[受信装置の第2の構成例(DOCSIS系およびTV系を有する構成例)]
図8は、実施の形態である受信装置の第2の構成例を示している。この受信装置60は、図4に示された第1の構成例である受信装置30に、TV放送等のAV信号を受信するためのTV系を追加したものである。なお、受信装置30と共通する構成要素については、図4と同一の符番を付しているのでその説明は省略する。
【0067】
TV系は、受信部61、再生部62、および受信障害検出部63を有する。受信部61は、CATV網20を介して送信される送信信号から、ユーザの選局に対応する周波数成分を抽出して再生部62に出力する。再生部62は、受信部61から入力された、ユーザの選局に対応する周波数成分を復調してデコードし、その結果得られるAV信号を後段に出力する。受信障害検出部63は、CATV網20を介して送信されるTV放送channel上の送信信号に受信障害が生じているか否かを検出し、すなわち、TV放送channel上の送信信号上の妨害波を検出し、検出結果として妨害波の位置(周波数)および強度を受信障害情報保持部34に出力する。なお、受信障害検出部63は、受信部61に内蔵するようにしてもよい。
【0068】
第2の構成例である受信装置60における受信障害検出部33は、CATV網20を介して送信されるDOCSISデータchannel上の送信信号に受信障害が生じているか否かを検出し、すなわち、DOCSISデータchannel上の送信信号上の妨害波を検出し、検出結果として妨害波の位置(周波数)および強度を受信障害情報保持部34に出力するものとする。
【0069】
また、第2の構成例である受信装置60におけるコマンド検出部36は、CATV網20を介して送信される送信信号から、当該受信装置60のIPアドレスを指定して送信された受信障害情報通知コマンドを検出し、検出したコマンドに応じ、TV放送channel上またはDOCSISデータchannel上の少なくとも一方の受信障害情報を通知部35に出力するものとする。
【0070】
第2の構成例である送信装置50および受信装置60の動作については、第1の構成例である送信装置10および受信装置30の動作と同様であるので、その説明は省略する。
【0071】
なお、本開示の通信システムは、実施の形態である、DVB-C2に準拠した放送信号を、CATV網を介して送信する放送システムの他、物理層がDVB-C2規格に対応したCATVインタネットシステム(DOCSIS)に適用することができる。
【0072】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0073】
図9は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0074】
このコンピュータ100において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0075】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
【0076】
以上のように構成されるコンピュータ100では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105およびバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0077】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0078】
また、プログラムは、1台のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0079】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 送信装置, 11 ベースバンド信号入力部, 12 変調部, 13 送出部, 14 コマンド発生部, 15 受信部, 16 障害波解析部, 17 Notch設定部, 20 CATV網, 30 受信装置, 31 受信部, 32 再生部, 33 受信障害検出部, 34 受信障害情報保持部, 35 通知部, 50 送信部, 51 ベースバンド信号入力部, 52 変調部, 53 受信部, 60 受信装置, 61 受信部, 62 再生部, 63 受信障害検出部, 100 コンピュータ, 101 CPU
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、送信方法、受信装置、受信方法、プログラム、および通信システムに関し、特に、例えば、電波障害が生じている周波数帯にNotchを設けるようにした送信装置、送信方法、受信装置、受信方法、プログラム、および通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
主に欧州にて採用されているケーブルテレビ用放送規格として1994年に制定されたDVB-Cが知られており、これに代わる次世代のケーブルテレビ用放送規格としてDVB-C2が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
DVB-C2では、CATVの送信信号が、他の用途(例えば、警察用の無線通信、軍事用の無線通信など)に用いられている送信信号と相互に干渉しないように、CATVの周波数帯域内であっても送信信号を送信しないようにした帯域(以下、Notchと称する)を設けることが可能とされている。
【0004】
そこで、既存の放送システムにおいては、CATVの送信信号と干渉し得る、他の用途の送信信号の周波数帯域を事前に調査し、それに対応してNotchを設けるようにしている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】DVB-C2規格書[Digital Video Broadcasting (DVB);Frame structure channel coding and modulation for a second generation digital transmission system for cable systems (DVB-C2)]DVB Document A138
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、既存の放送システムによれば、CATVの送信信号と干渉し得る既知の送信信号については対応可能である。しかしながら、今後新たに、CATVの送信信号と干渉する送信(以下、妨害波と称する)が出現した場合、それに対して速やかに対処することができない。
【0007】
本開示はこのような状況に鑑みてなされたものであり、新たに発生した妨害波に対して速やかに対処できるシステムを実現できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の第1の側面である送信装置は、受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信部と、受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定部と、設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調部と、前記変調信号を前記送信信号として送出する送出部とを含む。
【0009】
前記受信障害情報は、少なくとも妨害波の周波数を含み、前記設定手段は、受信された前記受信障害情報に含まれる前記妨害波の周波数を、前記送信信号に設けるNotchの周波数に設定することができる。
【0010】
本開示の第1の側面である送信装置は、送信対象となる前記受信装置を指定して、前記受信障害情報の通知を要求するコマンドを発生するコマンド発生部をさらに含むことができ、前記受信部は、前記コマンドに応じて前記受信装置から通知された前記受信障害情報を受信することができる。
【0011】
本開示の第1の側面である送信方法は、送信装置の送信方法において、前記送信装置による、受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信ステップと、受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定ステップと、設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調ステップと、前記変調信号を前記送信信号として送出する送出ステップとを含む。
【0012】
本開示の第1の側面であるプログラムは、送信装置の制御用のプログラムであって、受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信ステップと、受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定ステップと、設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調ステップと、前記変調信号を前記送信信号として送出する送出ステップとを含む処理を送信装置のコンピュータに実行させる。
【0013】
本開示の第1の側面においては、受信装置から通知された受信障害情報が受信され、受信された受信障害情報に基づいて、送信信号に設けるNotchの周波数が設定され、設定された周波数に従ってNotchが設けられつつ送信信号が送出される。
【0014】
本開示の第2の側面である受信装置は、送信信号を受信する受信部と、前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出部と、前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持手段と、保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知部とを含む。
【0015】
前記通知手段は、前記送信装置からのコマンドに応じ、保持されている前記受信障害情報を前記送信装置に通知することができる。
【0016】
前記保持手段は、検出された妨害波に対処するNotchが前記送信信号上に設けられている場合、検出された妨害波の検出結果を前記受信障害情報から除外することができる。
【0017】
本開示の第2の側面である受信方法は、受信装置の受信方法において、前記受信装置による、送信信号を受信する受信ステップと、前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出ステップと、前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持ステップと、保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知ステップとを含む。
【0018】
本開示の第2の側面であるプログラムは、受信装置の制御用のプログラムであって、送信信号を受信する受信ステップと、前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出ステップと、前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持ステップと、保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知ステップとを含む処理を受信装置のコンピュータに実行させる。
【0019】
本開示の第2の側面においては、送信信号上に発生している妨害波が検出され、妨害波の検出結果を示す受信障害情報が保持され、保持されている前記受信障害情報が送信信号を送信する送信装置に通知される。
【0020】
本開示の第3の側面である通信システムは、送信信号を送信する送信装置と、送信された前記送信信号を受信する受信装置とから成る通信システムにおいて、前記送信装置が、前記受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信部と、受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定部と、設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調部と、前記変調信号を前記送信信号として送出する送出部とを含み、前記受信装置が、送信された前記送信信号を受信する受信部と、前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出部と、前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持手段と、保持されている前記受信障害情報を前記送信装置に通知する通知部とを含む。
【0021】
本開示の第3の側面においては、送信装置により、受信装置から通知された受信障害情報が受信され、受信された受信障害情報に基づいて、送信信号に設けるNotchの周波数が設定され、設定された周波数に従ってNotchが設けられつつ送信信号が送出される。また、受信装置により、送信信号上に発生している妨害波が検出され、妨害波の検出結果を示す受信障害情報が保持され、保持されている前記受信障害情報が送信装置に通知される。
【発明の効果】
【0022】
本開示の第1の側面によれば、受信装置から通知される妨害波に対応して送信信号にNotchを設けることができる。
【0023】
本開示の第2の側面によれば、妨害波を検知して送信側に通知することができる。
【0024】
本開示の第3の側面によれば、新たに発生した受信障害に対して速やかに対処できるシステムを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】妨害波の発生を説明する図である。
【図2】発生した妨害波に応じてNotchを設けた状態を説明する図である。
【図3】実施の形態である送信装置の第1の構成例を示すブロック図である。
【図4】実施の形態である受信装置の第1の構成例を示すブロック図である。
【図5】受信装置の処理を説明するフローチャートである。
【図6】送信側の処理を説明するフローチャートである。
【図7】実施の形態である送信装置の第2の構成例を示すブロック図である。
【図8】実施の形態である受信装置の第2の構成例を示すブロック図である。
【図9】コンピュータの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本開示を実施するための最良の形態(以下、実施の形態と称する)について説明する。本開示の実施の形態である放送システムは、CATVの放送局などに設けられる送信装置(図3の送信装置10、図7の送信装置50)と、各カスタマ宅に設けられる受信装置(図4の受信装置30、図8の受信装置60)から成る。まず、放送システムの動作概要について説明する。
【0027】
図1は、当該放送システムが妨害波に対処する前の、送信された送信信号と受信された送信信号の状態を示し、図2は、妨害波に対処した後の、送信された送信信号と受信された送信信号の状態を示している。
【0028】
CATV網を介して、図1Aに示されるように、何ら障害のない送信信号が送信され、これが図1Bに示されるように、妨害波を含む状態で受信されるようになったと仮定する。この妨害波の存在は、受信側から送信側に通知される。
【0029】
そして、この妨害波の発生がある程度の広域に亘るものであると判明した場合、図2Aに示されるように、妨害波の周波数帯域に合わせてNotchを設けた送信信号が送信される。なお、Notchが設けられた送信信号を受信側が受信すると、図2Bに示されるように、送信信号には依然として妨害波が生じている。ただし、情報を伝送しないNotchが設けられたことにより、妨害波による干渉を受ける情報も存在しなくなっているので、受信側では実質的な受信障害を受けることなく送信信号を受信することができる。
【0030】
<1.実施の形態>
[送信装置の第1の構成例(DOCSIS系のみを有する構成例)]
図3は、実施の形態である送信装置の第1の構成例を示している。この送信装置10は、CATVの放送局などに設置され、オペレータからの操作に従い、DVB-C2に準拠した放送信号やDOCSISデータを、CATV網20を介して送信するものである。
【0031】
送信装置10は、ベースバンド信号入力部11、変調部12、送出部13、コマンド発生部14、受信部15、障害波解析部16、およびNotch設定部17を有する。
【0032】
ベースバンド信号入力部11は、コンテンツ(IP(Internet Protocol)信号など)がエンコードされている符号化信号に相当するベースバンド信号を変調部12に入力する。変調部12は、Notch設定部17からNotchの位置(周波数)が指定された場合、指定された位置にNotchを設けつつ、ベースバンド信号入力部11から入力されるベースバンド信号や、コマンド発生部14から入力される受信障害情報通知コマンドを、DVB-C2で規定されている所定の変調方式(4K OFDM,4096QAMなど)で変調し、その結果得られた変調信号を送出部13に出力する。
【0033】
送出部13は、変調部12から入力される変調信号を送信信号としてCATV網20に送出する。
【0034】
コマンド発生部14は、オペレータからの操作に従い、受信対象とする受信装置30のIPアドレスを指定した受信障害情報通知コマンドを発生して変調部12に出力する。なお、IPアドレスを用いることにより、同時に複数の受信装置30を受信対象に指定することができる。
【0035】
受信部15は、送信された受信障害情報通知コマンドに応じて複数の受信装置30からCATV網20を介して通知される、DOCSIS(Data Over Cable Service Interface Specifications)データとしての受信障害情報を受信し、障害波解析部16に出力する。なお、受信障害情報の通信は、DOCSISに限定されるものではない。
【0036】
障害波解析部16は、複数の受信装置30から通知される受信障害情報に基づき、妨害波による受信障害が発生している規模を解析してオペレータに提示する。また、障害波解析部16は、オペレータからの操作に従い、Notch設定部17に対して、障害波の周波数を通知する。
【0037】
Notch設定部17は、変調部12に対して、Notchの位置(障害波解析部16から通知された障害波の周波数と同じ周波数)を指定する。
【0038】
[受信装置の第1の構成例(DOCSIS系のみを有する構成例)]
図4は、実施の形態である受信装置の第1の構成例を示している。この受信装置30は、CATVを利用する各ユーザ宅などに設置され、CATV網20を介してDVB-C2に準拠した放送信号を受信、復調してテレビジョン番組などのコンテンツの再生や、インタネットに接続するものである。なお、各受信装置30に対しては、CATV網20におけるIPアドレスが付与されており、CATVの放送側では、ユーザ情報として、その住所(すなわち、受信装置30の設置場所)等とともにIPアドレスも管理されている。
【0039】
受信装置30は、受信部31、再生部32、受信障害検出部33、受信障害情報保持部34、および通知部35を有する。
【0040】
受信部31は、CATV網20を介して送信される送信信号から、予め設定された周波数成分を抽出して再生部32に出力する。再生部32は、受信部31から入力された、周波数成分を復調してデコードし、その結果得られるIP信号を後段に出力する。
【0041】
受信障害検出部33は、CATV網20を介して送信される送信信号に受信障害が生じているか否かを検出し、すなわち、送信信号上の妨害波を検出し、検出結果として妨害波の位置(周波数)および強度を受信障害情報保持部34に出力する。なお、妨害波の検出方法については任意であるが、例えばCW(Continuous Wave)妨害は特開2007-202082に記載の発明を適用できる。なお、受信障害検出部33は、受信部31に内蔵するようにしてもよい。
【0042】
受信障害情報保持部34は、受信障害検出部33から入力される、妨害波の検出結果を受信障害情報として保持する。ただし、検出した妨害波に対処するNotchが、既にCATVの送信信号上に設けられている場合、当該妨害波の検出結果を受信障害情報から除外する。通知部35は、コマンド検出部36から受信障害情報通知コマンドが入力されることに応じ、受信障害情報保持部34に保持されている受信障害情報を読み出し、DOCSISデータとしてCATV網20を介して送信装置10に通知する。コマンド検出部36は、再生部32から出力されるIP信号から、当該受信装置30のIPアドレスを指定して送信された受信障害情報通知コマンドを検出して通知部35に出力する。
【0043】
[動作説明]
次に、本開示の実施の形態である放送システムの動作について説明する。
【0044】
図5は、受信装置30の処理を説明するフローチャートである。この受信装置30の処理は、ユーザによる選局に対応する周波数成分を送信信号から抽出して復調、デコードする通常の受信処理と並行して実行される。
【0045】
ステップS11において、受信障害検出部33は、CATV網20を介して送信されている送信信号に受信障害が生じているか否かを判定し、受信障害が生じていると判定するまで待機する。受信障害が生じていると判定された場合、処理はステップS12に進められる。
【0046】
ステップS12において、受信障害検出部33は、受信障害を生じさせている妨害波の位置(周波数)および強度を受信障害情報保持部34に出力する。受信障害情報保持部34は、受信障害検出部33から入力された妨害波の検出結果を、受信障害情報として保持する。
【0047】
ステップS13において、コマンド検出部36は、CATV網20を介して送信される送信信号に基づくIP信号から、当該受信装置30のIPアドレスを指定して送信された受信障害情報通知コマンドが存在するか否かを判定する。なお、受信障害情報通知コマンドが存在しないと判定された場合、処理はステップS11に戻って、それ以降が繰り返されることになる。
【0048】
ステップS13において、当該受信装置30のIPアドレスを指定して送信された受信障害情報通知コマンドが存在すると判定された場合、処理はステップS14に進められる。
【0049】
ステップS14において、コマンド検出部36は、当該受信装置30のIPアドレスを指定して送信された受信障害情報通知コマンドを通知部35に出力する。通知部35は、受信障害情報通知コマンドの入力に応じ、受信障害情報保持部34に保持されている受信障害情報を読み出し、DOCSISデータとして、CATV網20を介して送信装置10に通知する。この後、処理はステップS11に戻って、それ以降が繰り返されることになる。以上で、受信装置30の処理を終了する。
【0050】
上述した受信装置30の処理では、送信側から受信障害情報通知コマンドに応じて受動的に保持している受信障害情報を送信側に送信するようにしたが、受信装置30が、受信障害の検知に応じ、能動的に受信障害情報を送信側に送信するようにしてもよい。
【0051】
また、受信装置30のユーザが、テレビジョン番組の受信障害を自身で認識したときにCATVのカスタマセンタなどに受信障害の発生を連絡する場合もある。
【0052】
次に、図6は、送信装置10の動作を含む送信側の処理を説明するフローチャートである。
【0053】
ステップS21において、送信側(CATVのカスタマセンタなど)では、受信装置30のユーザからの受信障害発生の連絡があるまで待機する。受信障害発生の連絡があった場合、処理をステップS22に進める。
【0054】
ステップS22において、コマンド発生部14は、受信障害発生の連絡があったユーザ宅を含む所定の地域に設置されている受信装置30を受信対象として、受信障害情報通知コマンドを発生する。生成された受信障害情報通知コマンドは、変調部12および送出部13を経てCATV網20に送出される。
【0055】
ステップS23において、受信部15は、受信障害情報通知コマンドに応じて複数の受信装置30から通知される受信障害情報を、DOCSISデータとして、CATV網20を介して受信し、障害波解析部16に出力する。ステップS24は、障害波解析部16は、受信装置から通知される受信障害情報に基づき、妨害波による受信障害が発生している規模を解析して、オペレータに提示する。この提示に基づき、オペレータは、受信障害が受信障害発生の連絡があったユーザ宅を含む所定の地域に発生しているのか否かを判定する。地域に発生しているとオペレータが判定した場合、処理はステップS25に進められる。
【0056】
ステップS25において、障害波解析部16は、オペレータからの操作に従い、Notch設定部17に対して、障害波の周波数を通知する。この通知に応じ、Notch設定部17は、変調部12に対して、Notchの位置(障害波解析部16から通知された障害波の周波数と同じ周波数)を指定する。これにより、CATVの送信信号には、Notchが設けられて送出されることになる。なお、Notchを設けることによって情報を伝送できる帯域が減少するので、場合によっては、テレビジョン番組の画質を落として、伝送する情報量を削減したりすることも必要となり得る。
【0057】
なお、ステップS24において、受信障害が地域に発生しているのではなく、連絡があったユーザ宅だけ、あるいはその近隣でのみ発生しているとオペレータが判定した場合、処理はステップS26に進められる。この場合、Notchの設定は行われない。ステップS26において、オペレータは、連絡があったユーザ宅などに対して個別に対処することなる。以上で、送信側の処理の説明を終了する。
【0058】
以上説明したように、本開示の実施の形態である放送システムによれば、今後発生し得る未知の障害波についても対処することができる。したがって、受信装置30は、受信障害に影響されることなく、CATVの送信信号を復調、デコードすることができる。
【0059】
また、CATVの放送局側としては、受信障害発生を通知してきたユーザ宅に出向くことなく、その地域の受信状態を取得して、暫定的に対処することができる。
【0060】
さらに、CATVの放送局側はユーザからの受信障害発生の通知を待つことなく、受信障害情報通知コマンドを送信することで、その地域の受信状態を監視し、ネットワークの維持管理に役立てることができる。
【0061】
なお、本開示の実施の形態である放送システムを成す送信装置および受信装置は、以下の構成例を採ることもできる。
【0062】
[送信装置の第2の構成例(DOCSIS系およびTV系を有する構成例)]
次に、図8は、送信装置の第2の構成例を示している。この送信装置50は、図3に示された第1の構成例である送信装置10に、TV放送等のAV信号を送信するためのTV系を追加したものである。なお、送信装置10と共通する構成要素については、図3と同一の符番を付しているのでその説明は省略する。
【0063】
TV系は、ベースバンド信号入力部51、変調部52、および送出部53を有する。ベースバンド信号入力部51は、コンテンツ(テレビジョン番組等のAV信号)がエンコードされている符号化信号に相当するベースバンド信号を変調部52に入力する。変調部52は、Notch設定部17からNotchの位置(周波数)が指定された場合、指定された位置にNotchを設けつつ、ベースバンド信号入力部51から入力されるベースバンド信号を、DVB-C2で規定されている所定の変調方式(4K OFDM,4096QAMなど)で変調し、その結果得られた変調信号を送出部53に出力する。送出部53は、変調部52から入力される変調信号を送信信号としてCATV網20に送出する。
【0064】
なお、第2の構成例である送信装置50におけるコマンド発生部14は、TV放送channel上、またはDOCSISデータchannel上の少なくとも一方を指定して受信障害情報通知コマンドを生成することができるものとする。
【0065】
また、第2の構成例である送信装置50におけるNotch設定部17は、障害波の周波数がTV放送channelに存在する場合には変調部52に、DOCSISデータchannelの伝送周波数帯に存在する場合には変調部12に対して、Notchの位置(障害波解析部16から通知された障害波の周波数と同じ周波数)を指定するものとする。
【0066】
[受信装置の第2の構成例(DOCSIS系およびTV系を有する構成例)]
図8は、実施の形態である受信装置の第2の構成例を示している。この受信装置60は、図4に示された第1の構成例である受信装置30に、TV放送等のAV信号を受信するためのTV系を追加したものである。なお、受信装置30と共通する構成要素については、図4と同一の符番を付しているのでその説明は省略する。
【0067】
TV系は、受信部61、再生部62、および受信障害検出部63を有する。受信部61は、CATV網20を介して送信される送信信号から、ユーザの選局に対応する周波数成分を抽出して再生部62に出力する。再生部62は、受信部61から入力された、ユーザの選局に対応する周波数成分を復調してデコードし、その結果得られるAV信号を後段に出力する。受信障害検出部63は、CATV網20を介して送信されるTV放送channel上の送信信号に受信障害が生じているか否かを検出し、すなわち、TV放送channel上の送信信号上の妨害波を検出し、検出結果として妨害波の位置(周波数)および強度を受信障害情報保持部34に出力する。なお、受信障害検出部63は、受信部61に内蔵するようにしてもよい。
【0068】
第2の構成例である受信装置60における受信障害検出部33は、CATV網20を介して送信されるDOCSISデータchannel上の送信信号に受信障害が生じているか否かを検出し、すなわち、DOCSISデータchannel上の送信信号上の妨害波を検出し、検出結果として妨害波の位置(周波数)および強度を受信障害情報保持部34に出力するものとする。
【0069】
また、第2の構成例である受信装置60におけるコマンド検出部36は、CATV網20を介して送信される送信信号から、当該受信装置60のIPアドレスを指定して送信された受信障害情報通知コマンドを検出し、検出したコマンドに応じ、TV放送channel上またはDOCSISデータchannel上の少なくとも一方の受信障害情報を通知部35に出力するものとする。
【0070】
第2の構成例である送信装置50および受信装置60の動作については、第1の構成例である送信装置10および受信装置30の動作と同様であるので、その説明は省略する。
【0071】
なお、本開示の通信システムは、実施の形態である、DVB-C2に準拠した放送信号を、CATV網を介して送信する放送システムの他、物理層がDVB-C2規格に対応したCATVインタネットシステム(DOCSIS)に適用することができる。
【0072】
ところで、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0073】
図9は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0074】
このコンピュータ100において、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0075】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
【0076】
以上のように構成されるコンピュータ100では、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105およびバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0077】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
【0078】
また、プログラムは、1台のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
【0079】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 送信装置, 11 ベースバンド信号入力部, 12 変調部, 13 送出部, 14 コマンド発生部, 15 受信部, 16 障害波解析部, 17 Notch設定部, 20 CATV網, 30 受信装置, 31 受信部, 32 再生部, 33 受信障害検出部, 34 受信障害情報保持部, 35 通知部, 50 送信部, 51 ベースバンド信号入力部, 52 変調部, 53 受信部, 60 受信装置, 61 受信部, 62 再生部, 63 受信障害検出部, 100 コンピュータ, 101 CPU
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信部と、
受信された前記受信障害情報に基づいて、送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定部と、
設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調部と、
前記変調信号を前記送信信号として送出する送出部と
を含む送信装置。
【請求項2】
前記受信障害情報は、少なくとも妨害波の周波数を含み、
前記設定手段は、受信された前記受信障害情報に含まれる前記妨害波の周波数を、前記送信信号に設けるNotchの周波数に設定する
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
送信対象となる前記受信装置を指定して、前記受信障害情報の通知を要求するコマンドを発生するコマンド発生部を
さらに含み、
前記受信部は、前記コマンドに応じて前記受信装置から通知された前記受信障害情報を受信する
請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
送信装置の送信方法において、
前記送信装置による、
受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信ステップと、
受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定ステップと、
設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調ステップと、
前記変調信号を前記送信信号として送出する送出ステップと
を含む送信方法。
【請求項5】
送信装置の制御用のプログラムであって、
受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信ステップと、
受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定ステップと、
設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調ステップと、
前記変調信号を前記送信信号として送出する送出ステップと
を含む処理を送信装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項6】
送信信号を受信する受信部と、
前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出部と、
前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持手段と、
保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知部と
を含む受信装置。
【請求項7】
前記通知手段は、前記送信装置からのコマンドに応じ、保持されている前記受信障害情報を前記送信装置に通知する
請求項6に記載の送信装置。
【請求項8】
前記保持手段は、検出された妨害波に対処するNotchが前記送信信号上に設けられている場合、検出された妨害波の検出結果を前記受信障害情報から除外する
請求項7に記載の送信装置。
【請求項9】
受信装置の受信方法において、
前記受信装置による、
送信信号を受信する受信ステップと、
前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出ステップと、
前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持ステップと、
保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知ステップと
を含む受信方法。
【請求項10】
受信装置の制御用のプログラムであって、
送信信号を受信する受信ステップと、
前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出ステップと、
前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持ステップと、
保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知ステップと
を含む処理を受信装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
送信信号を送信する送信装置と、送信された前記送信信号を受信する受信装置とから成る通信システムにおいて、
前記送信装置は、
前記受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信部と、
受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定部と、
設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調部と、
前記変調信号を前記送信信号として送出する送出部と
を含み、
前記受信装置は、
送信された前記送信信号を受信する受信部と、
前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出部と、
前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持手段と、
保持されている前記受信障害情報を前記送信装置に通知する通知部と
を含む
通信システム。
【請求項1】
受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信部と、
受信された前記受信障害情報に基づいて、送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定部と、
設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調部と、
前記変調信号を前記送信信号として送出する送出部と
を含む送信装置。
【請求項2】
前記受信障害情報は、少なくとも妨害波の周波数を含み、
前記設定手段は、受信された前記受信障害情報に含まれる前記妨害波の周波数を、前記送信信号に設けるNotchの周波数に設定する
請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
送信対象となる前記受信装置を指定して、前記受信障害情報の通知を要求するコマンドを発生するコマンド発生部を
さらに含み、
前記受信部は、前記コマンドに応じて前記受信装置から通知された前記受信障害情報を受信する
請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
送信装置の送信方法において、
前記送信装置による、
受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信ステップと、
受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定ステップと、
設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調ステップと、
前記変調信号を前記送信信号として送出する送出ステップと
を含む送信方法。
【請求項5】
送信装置の制御用のプログラムであって、
受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信ステップと、
受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定ステップと、
設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調ステップと、
前記変調信号を前記送信信号として送出する送出ステップと
を含む処理を送信装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項6】
送信信号を受信する受信部と、
前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出部と、
前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持手段と、
保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知部と
を含む受信装置。
【請求項7】
前記通知手段は、前記送信装置からのコマンドに応じ、保持されている前記受信障害情報を前記送信装置に通知する
請求項6に記載の送信装置。
【請求項8】
前記保持手段は、検出された妨害波に対処するNotchが前記送信信号上に設けられている場合、検出された妨害波の検出結果を前記受信障害情報から除外する
請求項7に記載の送信装置。
【請求項9】
受信装置の受信方法において、
前記受信装置による、
送信信号を受信する受信ステップと、
前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出ステップと、
前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持ステップと、
保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知ステップと
を含む受信方法。
【請求項10】
受信装置の制御用のプログラムであって、
送信信号を受信する受信ステップと、
前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出ステップと、
前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持ステップと、
保持されている前記受信障害情報を、前記送信信号を送信する送信装置に通知する通知ステップと
を含む処理を受信装置のコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
送信信号を送信する送信装置と、送信された前記送信信号を受信する受信装置とから成る通信システムにおいて、
前記送信装置は、
前記受信装置から通知された受信障害情報を受信する受信部と、
受信された前記受信障害情報に基づいて、前記送信信号に設けるNotchの周波数を設定する設定部と、
設定されたNotchの周波数に従ってNotchを設けつつ、送信すべき情報を変調して変調信号を生成する変調部と、
前記変調信号を前記送信信号として送出する送出部と
を含み、
前記受信装置は、
送信された前記送信信号を受信する受信部と、
前記送信信号上に発生している妨害波を検出する検出部と、
前記妨害波の検出結果を示す受信障害情報を保持する保持手段と、
保持されている前記受信障害情報を前記送信装置に通知する通知部と
を含む
通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−222548(P2012−222548A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85334(P2011−85334)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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