説明

送信装置、音声出力装置、および音声出力システム

【課題】コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする送信装置、音声出力装置、および音声出力システムを提供する。
【解決手段】第1発振周波数の第1発振信号とアナログ信号の第1音声信号とが入力され、第1音声信号で第1発振信号を変調して第1変調音声信号を出力する第1変調部と、第1変調音声信号を受信された信号に応じた電流をボイスコイルに流すことにより音声を出力する音声出力装置へ非接触式に送信する送信部とを備え、送信部は、第1変調部から入力される第1変調音声信号に応じた交流電流が流れ電磁誘導により入力される第1変調音声信号を送信する第1送信アンテナと、第1送信アンテナと物理的に分離して設けられ、第1共振周波数を有し、第1送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により第1共振周波数の振動電磁場を発生させて第1変調音声信号を送信する第1共振回路とを備える送信装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送信装置、音声出力装置、および音声出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音声信号を送信する送信装置と、送信装置が送信した音声信号を非接触式に(無線で)受信し、受信した音声信号が示す音声(音楽も含む)を出力するスピーカなどの音声出力装置とを有する音声出力システム(オーディオシステム)が普及しつつある。
【0003】
このような中、送信装置と音声出力装置との間で非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを行う技術が開発されている。送信装置と音声出力装置との間で非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを行う技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−336513号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
送信装置と音声出力装置との間で非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを行う従来の技術(以下、「従来の技術」という。)を用いることによって、送信装置から音声出力装置へ非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを行うことが可能となる。しかしながら、従来の技術を用いる場合には、送信装置から送信される電力および音声信号を受信する音声出力装置は、復調回路やアンプなどを備える必要があるため、コストが上がる恐れがある。また、例えば送信装置が複数チャンネルの音声信号など複数の音声信号を送信する場合には、送信装置は大規模なコーデックや専用の変調回路(すなわち高価なデバイス)を備える必要があり、音声出力装置も専用の復調回路(すなわち高価なデバイス)を備える必要がある。
【0006】
上記のように、従来の技術を用いたとしても、送信装置、音声出力装置のコストを低減させることは望むべくもない。そのため、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを行う送信装置および音声出力装置のコストをより低減させることが望まれていた。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とすることが可能な、新規かつ改良された送信装置、音声出力装置、および音声出力システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、所定の第1発振周波数の第1発振信号と、アナログ信号の第1音声信号とが入力され、上記第1音声信号で上記第1発振信号を変調して第1変調音声信号を出力する第1変調部と、上記第1変調音声信号を、受信された信号に応じた電流をボイスコイルに流すことにより音声を出力する音声出力装置へ非接触式に送信する送信部とを備え、上記送信部は、上記第1変調部から入力される上記第1変調音声信号に応じた交流電流が流れ、電磁誘導により入力される上記第1変調音声信号を送信する第1送信アンテナと、上記第1送信アンテナと物理的に分離して設けられ、所定の第1共振周波数を有し、上記第1送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により上記第1共振周波数の振動電磁場を発生させて、上記第1変調音声信号を送信する第1共振回路とを備える送信装置が提供される。
【0009】
かかる構成により、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とすることができる。
【0010】
また、上記第1発振周波数と異なる所定の第2発振周波数の第2発振信号と、アナログ信号の第2音声信号とが入力され、上記第2音声信号で上記第2発振信号を変調して第2変調音声信号を出力する第2変調部をさらに備え、上記送信部は、上記第2変調部から入力される上記第2変調音声信号に応じた交流電流が流れ、電磁誘導により入力される上記第2変調音声信号を、上記音声出力装置へ送信する第2送信アンテナと、上記第1送信アンテナおよび上記第2送信アンテナと物理的に分離して設けられ、上記第1共振周波数と異なる所定の第2共振周波数を有し、上記第1送信アンテナまたは上記第2送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により上記第2共振周波数の振動電磁場を発生させて、上記第1変調音声信号または上記第2変調音声信号を送信する第2共振回路とをさらに備え、上記第1共振回路は、上記第1送信アンテナまたは上記第2送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により、上記第1変調音声信号または上記第2変調音声信号を送信させてもよい。
【0011】
また、上記第1発振周波数と異なる所定の第2発振周波数の第2発振信号と、アナログ信号の第2音声信号とが入力され、上記第2音声信号で上記第2発振信号を変調して第2変調音声信号を出力する第2変調部と、上記第1変調部から入力される上記第1変調音声信号と上記第2変調部から入力される上記第2変調音声信号とを加算して、加算された信号を上記送信部へ出力する加算部とをさらに備え、上記送信部は、上記第1送信アンテナと物理的に分離して設けられ、上記第1共振周波数と異なる所定の第2共振周波数を有し、上記第1送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により上記第2共振周波数の振動電磁場を発生させて、上記第1変調音声信号または上記第2変調音声信号を送信する第2共振回路とをさらに備え、上記第1共振回路は、上記第1送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により、上記第1変調音声信号または上記第2変調音声信号を送信してもよい。
【0012】
また、互いに異なる所定の発振周波数の発振信号を生成する複数の発振部と、複数の上記発振部が生成したいずれかの発振信号を、上記第1発信信号として上記第1変調部へ選択的に出力する第1切替部と、複数の上記発振部が生成したいずれかの発振信号を、上記第2発信信号として上記第2変調部へ選択的に出力する第2切替部と、上記第1変調部へ上記第1音声信号を出力し、上記第2変調部へ上記第2音声信号を出力し、上記第1切替部および上記第2切替部の選択的な出力を制御する送信制御部とをさらに備えてもよい。
【0013】
また、互いに異なる所定の発振周波数の発振信号と、アナログ信号の音声信号とがそれぞれ入力され、入力される上記音声信号で上記発振信号を変調して変調音声信号をそれぞれ出力する、1または2以上の変調部をさらに備え、上記送信部は、上記第1送信アンテナと物理的に分離して設けられ、上記第1発振周波数、上記第2発振周波数と異なりかつ互いに異なる所定の共振周波数をそれぞれ有し、上記第1送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により上記共振周波数の振動電磁場を発生させて、上記第1変調音声信号、上記第2変調音声信号、上記変調音声信号のいずれかをそれぞれ送信する、1または2以上の共振回路をさらに備え、上記加算部は、上記第1変調部から入力される上記第1変調音声信号、上記第2変調部から入力される上記第2変調音声信号、および1または2以上の上記変調部からそれぞれ出力される変調音声信号を加算してもよい。
【0014】
また、第1音声信号、または上記第1変調音声信号の歪を補正する補正部をさらに備えてもよい。
【0015】
また、ユーザ操作に応じた操作信号を送信することが可能な外部操作装置と通信を行う通信部と、上記通信部が受信した上記操作信号に基づいて、上記第1変調部へ上記第1音声信号を選択的に出力する送信制御部とをさらに備えてもよい。
【0016】
また、上記第1変調部は、振幅変調された第1変調音声信号を出力してもよい。
【0017】
また、上記第1変調部は、振幅が一定の疎密波である第1変調音声信号を出力してもよい。
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、アナログ信号の音声信号で発振信号を変調した変調音声信号を送信する送信装置から送信された上記変調音声信号を受信する受信部と、ボイスコイルを備え、上記受信部が受信した上記変調音声信号に応じた電流を上記ボイスコイルに流すことにより音声を出力する音声出力部とを備え、上記受信部は、所定の共振周波数を有し、上記送信装置から発生された振動電磁場と共鳴して振動電磁場を発生させる共振回路と、上記共振回路と物理的に分離して設けられ、上記共振回路が発生させた振動電磁場の誘導により、上記送信装置から送信された上記変調音声信号を受信する受信アンテナとを備える音声出力装置が提供される。
【0019】
かかる構成により、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とすることができる。
【0020】
また、上記受信アンテナは、上記ボイスコイルであってもよい。
【0021】
また、上記共振回路の共振周波数を調整する調整部をさらに備えてもよい。
【0022】
上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、アナログ信号の音声信号で所定の発振周波数の発振信号を変調するステップと、上記変調するステップにおいて変調された信号である変調音声信号を、受信された信号に応じた電流をボイスコイルに流すことにより音声を出力する音声出力装置へ、送信部を用いて非接触式に送信するステップとを有し、上記送信部は、上記変調音声信号に応じた交流電流が流れ、電磁誘導により入力される上記変調音声信号を送信するアンテナと、上記アンテナと物理的に分離して設けられ、所定の共振周波数を有し、上記アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により上記共振周波数の振動電磁場を発生させて、上記変調音声信号を送信する共振回路とを備える送信方法が提供される。
【0023】
かかる方法を用いることによって、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とすることができる。
【0024】
上記目的を達成するために、本発明の第4の観点によれば、アナログ信号の音声信号で所定の発振周波数の発振信号を変調した変調音声信号を送信する送信装置と、受信された信号に応じた音声を出力する音声出力装置とを有し、上記送信装置は、入力された上記音声信号で上記発振信号を変調して変調音声信号を出力する変調部と、上記変調音声信号を上記音声出力装置へ非接触式に送信する送信部とを備え、上記送信部は、上記変調部から入力される上記変調音声信号に応じた交流電流が流れ、電磁誘導により入力される上記変調音声信号を送信する送信アンテナと、上記アンテナと物理的に分離して設けられ、所定の共振周波数を有し、上記アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により上記共振周波数の振動電磁場を発生させて、上記変調音声信号を送信する送信側共振回路とを備え、上記音声出力装置は、上記送信装置から送信された上記変調音声信号を受信する受信部と、ボイスコイルを備え、上記受信部が受信した上記変調音声信号に応じた電流を上記ボイスコイルに流すことにより音声を出力する音声出力部とを備え、上記受信部は、所定の共振周波数を有し、上記送信装置から発生された振動電磁場と共鳴して振動電磁場を発生させる受信側共振回路と、上記受信側共振回路と物理的に分離して設けられ、上記受信側共振回路が発生させた振動電磁場の誘導により、上記送信装置から送信された上記変調音声信号を受信する受信アンテナとを備える音声出力システムが提供される。
【0025】
かかる構成により、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする音声出力システムが実現される。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る送信装置、音声出力装置の構成の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の実施形態に係る送信装置の変調部の処理の一例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態に係る送信装置の変調部の処理の一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態に係る送信装置の変調部の処理の他の例を示す説明図である。
【図5】本発明の実施形態に係る送信装置の送信部が有する共振回路における伝送効率の一例を示す説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る送信装置の構成の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態に係る送信装置の補正部の構成の一例を示す説明図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る送信装置の構成の一例を示す説明図である。
【図9】本発明の第4の実施形態に係る送信装置の構成の一例を示す説明図である。
【図10】本発明の第5の実施形態に係る送信装置の構成の一例を示す説明図である。
【図11】本発明の第6の実施形態に係る送信装置の構成の一例を示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態に係る外部操作装置の構成の一例を示す説明図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る音声出力装置の構成の一例を示す説明図である。
【図14】本発明の第3の実施形態に係る音声出力装置の構成の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0029】
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本発明の実施形態に係るアプローチ
2.本発明の実施形態に係る音声出力システム
【0030】
(本発明の実施形態に係るアプローチ)
本発明の実施形態に係る音声出力システム(以下、「音声出力システム1000」とよぶ場合がある。)を構成する送信装置(以下、総称して「送電装置100」とよぶ場合がある。)、音声出力装置(以下、総称して「音声出力装置200」とよぶ場合がある。)の構成について説明する前に、本発明の実施形態に係るコスト低減アプローチについて説明する。
【0031】
音声出力システム1000では、送信装置100が、アナログ信号の音声信号で発振信号を変調し、変調された信号(以下、「変調音声信号」という。)を、磁界共鳴型非接触電力伝送方式を用いて非接触式に音声出力装置200へ送信する。磁界共鳴型非接触電力伝送方式を用いてアナログ信号の音声信号で発振信号を変調した変調音声信号を送信することによって、送信装置100は、電力の伝送と音声信号の伝送とを実現することができる。ここで、本発明の実施形態に係る音声信号とは、人の声や音楽などの音声を示すアナログ信号(アナログのオーディオ信号)である。
【0032】
また、音声出力装置200は、ボイスコイルを有する音声出力部(スピーカ)を備え、磁界共鳴型非接触電力伝送方式を用いて受信した変調音声信号に応じた電流をボイスコイルに流すことによって、音声出力部から変調音声信号と等しい波形の音声を出力する。より具体的には、音声出力装置200が備えるボイスコイルには、フレミング左手の法則により変調音声信号に応じた所定の方向の力が発生する。よって、音声出力装置200は、上記ボイスコイルに発生する力により音声出力部を構成するコーン紙(または振動板など)を振動させることによって、音声出力部から変調音声信号と等しい波形の音声を出力することができる。
【0033】
音声出力システム1000では、上記のように、音声出力装置200が、受信されたアナログ信号の変調音声信号に応じた電流をボイスコイルに流すことによって、変調音声信号と等しい波形の音声を出力する。本発明の実施形態に係る音声出力装置200は、従来の技術のように特別な復調回路を備えなくても送信装置100から送信された変調音声信号と等しい波形の音声を出力することができるので、従来の技術を用いる場合よりもより音声出力装置200のコストの低減を図ることが可能となる。
【0034】
また、音声出力システム1000では、送信装置100から音声出力装置200へ磁界共鳴型非接触電力伝送により電力の伝送と音声信号の伝送とが行われる。磁界共鳴型非接触電力伝送では、共鳴が発生しなければ電力の伝送は起こらない。よって、音声出力システム1000では、送信装置100が複数チャンネルの音声信号など複数の音声信号を送信する場合であっても、例えばチャンネルごとに共鳴が発生する共振周波数を変えることによって、複数の音声信号の伝送を実現することが可能である。つまり、音声出力システム1000では、従来の技術のように、送信装置100が、大規模なコーデックや専用の変調回路(すなわち高価なデバイス)を備える必要はなく、また、音声出力装置200も専用の復調回路(すなわち高価なデバイス)を備える必要はない。よって、音声出力システム1000では、従来の技術を用いる場合よりも、より送信装置100および音声出力装置200のコストの低減を図ることが可能となる。
【0035】
音声出力システム1000では、送信装置100と音声出力装置200とが上記のような構成をとることによって、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする。
【0036】
(本発明の実施形態に係る音声出力システム)
次に、上述した本発明の実施形態に係るアプローチを実現することが可能な、本発明の実施形態に係る音声出力システム1000の構成の一例について説明する。
【0037】
[1]本発明の第1の実施形態に係る送信装置、音声出力装置
図1は、本発明の第1の実施形態に係る送信装置100、音声出力装置200の構成の一例を示す説明図である。ここで、図1では、2つの音声出力装置200A、200Bを示しているが、音声出力システム1000の構成は図1に限られない。例えば、音声出力システム1000は、1または3以上の音声出力装置を有してもよい。つまり、音声出力システム1000は、1または2以上の音声出力装置を有する構成をとることができる。
【0038】
〔送信装置100〕
送信装置100は、送信制御部102と、発振部104と、変調部106と、送信部108とを備える。
【0039】
また、送信装置100は、例えば、制御部(図示せず)や、ROM(Read Only Memory;図示せず)、RAM(Random Access Memory;図示せず)、記憶部(図示せず)、送信装置100のユーザが操作可能な操作部(図示せず)、各種画面を表示画面に表示する表示部(図示せず)などを備えてもよい。送信装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により各構成要素間を接続する。
【0040】
ここで、制御部(図示せず)は、例えばMPU(Micro Processing Unit)や、制御機能を実現するための複数の回路が集積された集積回路などで構成され、送信装置100全体を制御する。また、制御部(図示せず)は、送信制御部102として機能してもよい。ROM(図示せず)は、制御部(図示せず)が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、制御部(図示せず)により実行されるプログラムなどを一次記憶する。
【0041】
また、記憶部(図示せず)は、送信装置100が備える記憶手段であり、音声を示す音声データや、アプリケーションなど、様々なデータを記憶する。記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられる。
【0042】
また、操作部(図示せず)としては、例えば、ボタン、方向キー、ジョグダイヤルなどの回転型セレクター、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられる。表示部(図示せず)としては、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display;LCD)や有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)などが挙げられる。
【0043】
送信制御部102は、アナログ信号の音声信号を変調部106へ出力する。ここで、送信制御部102は、例えば、記憶部(図示せず)から音声データや、ネットワークなどを介して外部装置から送信された音声データに応じた音声信号を変調部106へ出力する。
【0044】
また、送信制御部102は、例えば、操作部(図示せず)から伝達されるユーザ操作に応じた操作信号に基づいて送電制御信号を発振部104へ出力することによって、送信部108からの音声信号および電力(より厳密には、変調音声信号)の送信、停止を制御する。なお、送信装置100は、制御部(図示せず)が送信部108からの音声信号および電力の送信、停止を制御する構成をとることもできる。以下では、送信制御部102が、送信部108からの音声信号および電力の送信、停止の制御を行うものとして説明する。
【0045】
発振部104は、水晶振動子などを有する発振回路で構成され、送信制御部102から伝達される送電制御電圧に基づいて選択的に、所定の発振周波数の発振信号を生成する。ここで、発振部104が生成する発振信号の発振周波数としては、例えば、13[MHz]や、27[MHz]、40[MHz]などが挙げられる。以下では、説明の便宜上、発振部104(後述する発振部104A、104Bなども同様)が生成する所定の発振信号の発振信号を、第n発振信号(nは、1以上の整数)とよぶ場合がある。また、以下では、音声信号を第n発振信号で変調した変調音声信号を、第n変調音声信号とよぶ場合がある。
【0046】
また、発振部104は、送信制御部102から伝達される送電制御電圧に基づいて、異なる発振周波数の発振信号を生成してもよい。送信装置100の発振部104が異なる発振周波数の発振信号を生成する場合には、音声出力システム1000が図1に示すように複数の音声出力装置200を有するときに当該発振周波数と対応する音声出力装置200に選択的に音声信号および電力を伝送することが可能となる。送信装置100が発振周波数と対応する音声出力装置200に選択的に音声信号および電力を伝送することが可能な理由については、後述する。
【0047】
変調部106は、入力される音声信号で入力される発振信号を変調して変調音声信号を出力する。ここで、変調部106は、例えば、振幅変調された変調音声信号や、振幅が一定の疎密波である変調音声信号を出力する。
【0048】
図2、図3は、本発明の実施形態に係る送信装置100の変調部106の処理の一例を示す説明図であり、変調部106が振幅変調を行う場合の一例を示している。図2は、変調部106において実際に行われる変調の様子を示しており、図2(a)は音声信号、図2(b)は変調音声信号をそれぞれ示している。また、図3は、図2に示す変調部106における変調を模式的に示した説明図であり、図3(a)は発振信号、図3(b)は音声信号、そして図3(c)は変調音声信号をそれぞれ示している。
【0049】
図4は、本発明の実施形態に係る送信装置100の変調部106の処理の他の例を示す説明図であり、変調部106が疎密波による変調を行う場合の一例を示している。ここで、搬送波である発振信号の発振周波数は、例えば13[MHz]〜40[MHz]程度であり、音声信号は、例えば20[Hz]〜100[kHz]程度であるので、発振周波数と音声信号の周波数とには、極めて大きな差がある。よって、送信装置100が、疎密波による変調を行う場合であっても、変調音声信号のうちの搬送波に係る信号は可聴帯域外であるので、音声出力装置200が備えるスピーカ(後述する)に入力したときには、音声信号が示す音声のみが出力される。
【0050】
変調部106は、例えば図3、図4に示すような変調方式を用いて、変調音声信号を出力する。
【0051】
再度図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係る送信装置100の構成の一例について説明する。送信部108は、磁界共鳴型非接触電力伝送方式を用いて変調部106から出力される変調音声信号を音声出力装置200へ非接触式に送信する。送信部108は、例えば、増幅回路110と、所定のインダクタンスを有するインダクタL1を有する送信アンテナ112と、所定のインダクタンスを有するインダクタL2と所定の静電容量を有するキャパシタC1を有する共振回路114(送信側共振回路)とで構成される。
【0052】
なお、図1では、共振回路114が送信装置100に備えられる例を示しているが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る音声出力システム1000では、図1に示す共振回路114を、送信装置100とは別体の装置(送信側共振装置)として有することもできる(以下、同様とする。)。
【0053】
増幅回路110は、入力された変調音声信号を設定された所定の利得で増幅して、増幅された変調音声信号を送信アンテナ112へ伝達する。上記により送信アンテナ112のインダクタL1には伝達される変調音声信号に応じた交流電流が流れるので、送信アンテナ112(より厳密にはインダクタL1)からは電磁誘導により変調音声信号が送信される。なお、増幅回路110の利得は、送信制御部102や制御部(図示せず)から伝達される制御信号に応じて適宜調整されてもよい。
【0054】
共振回路114は、送信アンテナ112により発生した振動電磁場の誘導によってインダクタL2のインダクタンスおよびキャパシタC1の静電容量により規定される所定の共振周波数の振動電磁場を発生させて、送信アンテナ112から送信された変調音声信号を送信する。共振回路114において所定の共振周波数の振動電磁場を発生させて変調音声信号を送信することによって、送信装置100は、共振回路114を備えない構成(すなわち、電磁誘導型非接触電力伝送に係る構成)よりもより遠方により大きな電力(すなわち変調音声信号)を送信することが可能となる。
【0055】
ここで、送信部108が、図1に示すように磁界共鳴型非接触電力伝送に係る構成を有する場合には、共振回路114のQ値を高くしないと効率を上げることができない。ここで、共振回路114におけるQ値は、下記の数式1に示すように、インダクタL2の特性に依存する。数式1に示す“ω”は変調音声信号の周波数(すなわち発振信号の発振周波数)を示し、数式1に示す“L”はインダクタL2のインダクタンスを示している。また、数式1に示す“R”は共振回路114の抵抗値を示している。
【0056】
Q=ωL/R
・・・(数式1)
【0057】
図5は、本発明の実施形態に係る送信装置100の送信部108が有する共振回路114における伝送効率の一例を示す説明図である。ここで、図5は、QがQ=400、共振回路114の共振周波数がISM(Industry Science Medical)バンドである13.56[MHz]である場合の実測データを示している。
【0058】
図5に示すように、発振部104が発振周波数を13.56[MHz]から500[kHz]程度変化させるだけで、20[dB]ほどの減衰となり、ほとんど電力の伝送が行われないことが分かる。よって、本発明の実施形態に係る送信装置100は、例えば、共振周波数が互いに異なる複数の共振回路を送信部に備え、複数チャンネルの音声信号を当該共振周波数に応じた発振周波数の発振信号でそれぞれ変調させて送信することによって、複数チャンネルの音声信号の送信を実現することができる。なお、本発明の実施形態に係る送信装置100が複数チャンネルの音声信号を送信する構成については、後述する。
【0059】
また、図5に示す特性は、磁界共鳴型非接触電力伝送に係る構成を有する音声出力装置200においても同様である。つまり、音声出力装置200では、送信装置100から送信された第n変調音声信号の周波数(すなわち第n発振信号の発振周波数)と共振回路の共振周波数とが対応しなければ、変調音声信号の受信がなされない。
【0060】
よって、本発明の実施形態に係る音声出力システム1000では、磁界共鳴型非接触電力伝送が用いられることによって、送信装置100は、発振周波数と対応する音声出力装置200に選択的に音声信号および電力を伝送することができる。また、本発明の実施形態に係る音声出力システム1000では、磁界共鳴型非接触電力伝送を用いた複数チャンネルの音声信号の伝送が実現される。
【0061】
送信装置100は、例えば図1に示す構成によって、アナログ信号の音声信号で発振信号を変調させた変調音声信号を非接触式に音声出力装置200へ送信することができる。
【0062】
〔音声出力装置200A、200B〕
音声出力装置200Aは、受信部202Aと、音声出力部204Aとを備える。また、音声出力装置200Bは、受信部202Bと、音声出力部204Bとを備える。図1に示すように、音声出力装置200Aと音声出力装置200Bとは同様の構成をとるので、以下では、音声出力装置200Aを例に挙げて、第1の例に係る音声出力装置の構成について説明する。
【0063】
受電部202Aは、共振回路206A(受信側共振回路)と、共振回路206Aと物理的に分離され、所定のインダクタンスを有するインダクタL4を有する受信アンテナ208Aとを備える。なお、図1では、共振回路202Aが音声出力装置200Aに備えられる例を示しているが、上記に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る音声出力システム1000では、図1に示す共振回路206Aを、音声出力装置200とは別体の装置(受信側共振装置)として有することもできる(以下、同様とする。)。
【0064】
共振回路206Aは、所定のインダクタンスを有するインダクタL3と所定の静電容量を有するキャパシタC2を有する。共振回路206Aは、送信装置100から発生された振動電磁場と共鳴した場合に、振動電磁場を発生させる。図5に示すように、磁界共鳴型非接触電力伝送に係る共振回路206Aでは、送信装置100から送信された第n変調音声信号の周波数と共振回路206Aの共振周波数とが対応しなければ、変調音声信号の受信がなされない。よって、共振回路206Aにおける共振周波数は、特定の周波数の変調音声信号が受信されるように、当該特定の周波数に設定される。
【0065】
受信アンテナ208Aは、共振回路206Aが発生させた振動電磁場の誘導により、送信装置100から送信された変調音声信号を受信する。より具体的には、受信アンテナ208A(より厳密には、インダクタL4)に共振回路206Aが発生させた振動電磁場により生じた電磁誘導によって受信した変調音声信号に応じた誘起電圧が生じることにより、受信アンテナ208Aは変調音声信号を受信する。受信アンテナ208Aに誘起電圧が生じることにより、ダイオードD1を介して受信した変調音声信号に応じた電流が音声出力部204AのボイスコイルVCに流れることとなる。
【0066】
音声出力部204Aは、例えば、ボイスコイルVCを有するスピーカで構成される。音声出力部204AのボイスコイルVCに受信された変調音声信号に応じた電流が流れてボイスコイルに変調音声信号に応じた所定の方向の力が発生することによって、スピーカが有するコーン紙(または振動板など)が振動する。よって、音声出力部204Aからは、受信された変調音声信号と等しい波形の音声が出力される。
【0067】
音声出力装置200Aは、例えば図1に示す構成によって、送信装置100から送信された特定の周波数(すなわち、共振回路206Aの共振周波数に対応する周波数)の変調音声信号を受信し、受信した変調音声信号が示す音声を出力することができる。
【0068】
なお、第1の実施形態に係る音声出力装置の構成は、図1に示す構成に限られず、例えば、図1に示す受信アンテナ208AとボイスコイルVCとの間に可変抵抗を備えていてもよい。上記に場合、第1の実施形態に係る音声出力装置は、可変抵抗の抵抗値に応じて出力される音声の音量を調整することができる。
【0069】
また、音声出力装置200Bは、音声出力装置200Aと同様の構成を有するので、送信装置100から送信された特定の周波数(すなわち、共振回路206Bの共振周波数に対応する周波数)の変調音声信号を受信し、受信した変調音声信号が示す音声を出力することができる。
【0070】
第1の実施形態に係る送信装置100と、音声出力装置200A、200Bを有する音声出力システム1000では、図1に示す構成によって、送信装置100から送信された変調音声信号に応じた音声が、音声出力装置200A、200Bから選択的に出力される。ここで、送信装置100は、アナログ信号の音声信号を発振信号で直接変調することによって、音声信号の送信および電力の送信を行う。また、音声出力装置200Aは、図1に示すように、従来の技術のような特別な復調回路を備えなくても送信装置100から送信された変調音声信号と等しい波形の音声を出力する。よって、図1に示す音声出力システム1000では、従来の技術を用いる場合よりもより音声出力装置200のコストの低減を図ることが可能となる。
【0071】
また、送信装置100は、音声信号を所定の発振周波数の発振信号で変調させて送信することにより、当該発振周波数に対応する音声出力装置200に音声信号と電力とを送信する。つまり、送信装置100は、異なる発振周波数の発振信号を生成することによって、当該発振周波数と対応する音声出力装置200に選択的に音声信号および電力を伝送することができる。よって、送信装置100は、大規模なコーデックや専用の変調回路(すなわち高価なデバイス)を備えなくても発振周波数と対応する音声出力装置200に選択的に音声信号および電力を伝送することが可能であるので、従来の技術を用いる場合よりもより送信装置100のコストの低減を図ることが可能となる。
【0072】
したがって、第1の実施形態に係る送信装置100および音声出力装置200A、200Bを有することによって、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする音声出力システムが実現される。
【0073】
[2]本発明の第2の実施形態に係る送信装置
本発明の実施形態に係る送信装置100の構成は、図1に示す第1の実施形態に係る構成に限られない。そこで次に、本発明の第2の実施形態に係る送信装置として、複数チャンネルの音声信号など、複数の音声信号を送信することが可能な送信装置300について説明する。以下では、音声出力システム1000が、送信装置300と、第1の実施形態に係る音声出力装置200とを有する場合を例に挙げて説明する。
【0074】
図6は、本発明の第2の実施形態に係る送信装置300の構成の一例を示す説明図である。送信装置300は、送信制御部102と、可変抵抗VR1と、補正部302Aと、発振回路104Aと、変調部106A(第1変調部)と、可変抵抗VR2と、補正部302Bと、発振回路104Bと、変調部106B(第2変調部)と、送信部304とを備える。
【0075】
また、送信装置300は、図1に示す送信装置100と同様に、例えば、制御部(図示せず)や、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、記憶部(図示せず)、操作部(図示せず)、表示部(図示せず)などを備えてもよい。送信装置300は、例えば、データの伝送路としてのバスにより各構成要素間を接続する。
【0076】
送信制御部102は、変調部106Aに変調させるアナログ信号の第1音声信号と、変調部106Bに変調させるアナログ信号の第2音声信号とを出力する。ここで、送信制御部102が出力する第1音声信号と第2音声信号としては、例えば、ステレオ(ステレオフォニック)の2chの音声信号が挙げられるが、上記に限られない。例えば、送信制御部102は、関連のない相異なる音声を示す第1音声信号および第2音声信号や、同一の音声を示す第1音声信号および第2音声信号を送信してもよい。
【0077】
送信制御部102から出力された第1音声信号は、可変抵抗VR1を介して補正部302Aに入力される。可変抵抗VR1は、例えば送信制御部102や制御部(図示せず)から出力される調整信号に応じて抵抗値が変化し、第1音声信号の音量を調整する。なお、図1に示す第1の実施形態に係る送信装置100は可変抵抗を備えていないが、送信装置100は、図3に示す送信装置300と同様に、音声信号の音量を調整するための可変抵抗を備えることができる。また、後述する他の実施形態に係る送信装置も同様とし説明を省略する。
【0078】
補正部302Aは、入力される第1音声信号の歪を補正する。上述したように本発明の実施形態に係る送信装置は、アナログ信号の音声信号で発振信号を変調して音声信号および電力を送信する。そのため、送信制御部102から出力される第1音声信号が例えば微少な音のときには歪が多くなることにより各部を構成する回路素子の直線性が問題となる恐れがある。そこで、送信装置300は、上記のように歪が発生した場合の影響をより小さくするために、第1音声信号の歪を補正する補正部302Aを備える。
【0079】
ここで、補正部302Aは、直線性を改善する回路や、低域ブーストなど音響特性を改善する回路を有するが、上記に限られない。例えば、補正部302Aは、送信装置300と音声出力装置200との距離が近い場合(すなわち、より大きな電力が音声出力装置200へ伝送される場合)において、音声出力装置200が備えるスピーカの破壊を防ぐためにリミッタ回路を備えていてもよい。図7は、本発明の実施形態に係る送信装置300の補正部302Aの構成の一例を示す説明図であり、リミッタ回路の一例を示している。
【0080】
なお、補正部302Aの構成は図7に示す構成に限られず、本発明の実施形態に係る補正部は、例えば、直線性を改善する回路、低域ブーストなど音響特性を改善する回路、およびリミッタ回路のうちの任意の回路を備える構成であってもよい。
【0081】
また、図6では、変調部106Aの前段に補正部302Aが備えられる構成を示しているが、本発明の第2の実施形態に係る送信装置300は、変調部106Aの前段に補正部を備える構成に限られない。例えば、本発明の第2の実施形態に係る送信装置300は、他の位置に補正部を備えるこができ、また、変調部106Aや増幅回路110Aなどにおいてデジタル的に補正を行うこともできる。つまり、本発明の第2の実施形態に係る補正部は、音声信号、または変調音声信号の歪を補正する役目を果たす。
【0082】
また、図1に示す第1の実施形態に係る送信装置100は補正部を備えていないが、送信装置100は、図3に示す送信装置300と同様に、補正部を備えることができる。また、後述する他の実施形態に係る送信装置も同様とし、説明を省略する。
【0083】
発振部104Aは、図1に示す第1の実施形態に係る発振部104と同様の構成を有し、例えば送信制御部102から伝達される送電制御電圧に基づいて選択的に第1発振周波数の第1発振信号を生成する。
【0084】
変調部106Aは、図1に示す第1の実施形態に係る変調部106と同様に、入力される第1音声信号で第1発振信号を変調して、第1変調音声信号を送信部304へ出力する。
【0085】
送信制御部102から出力された第2音声信号は、可変抵抗VR2を介して補正部302Bに入力される。ここで、可変抵抗VR2は、可変抵抗VR1と同様に、第2音声信号の音量を調整する役目を果たす。また、補正部302Bは、補正部302Aと同様の構成を有し、入力される第2音声信号の歪を補正する。
【0086】
発振部104Bは、図1に示す第1の実施形態に係る発振部104と同様の構成を有し、例えば送信制御部102から伝達される送電制御電圧に基づいて選択的に第2発振周波数の第2発振信号を生成する。ここで、発振部102Bは、例えば、発振部104Aが生成する第1発振信号の第1発振周波数が13[MHz]の場合、27[MHz]の第2発振信号を生成する。図5に示すように、磁界共鳴型非接触電力伝送に係る共振回路のQ値は非常に高いので、第1発振信号の第1発振周波数と第2発振信号の第2発振周波数とを例えば13[MHz]と27[MHz]と程度に離した場合には、50[dB]ほどの減衰がみられる。つまり、第1発振信号の第1発振周波数と第2発振信号の第2発振周波数とを例えば13[MHz]と27[MHz]と程度に離した場合、第1変調音声信号と第2発振信号が変調された信号(第2変調音声信号)との分離度としては、何らの問題はない。
【0087】
よって、例えば、発振部104Aが13[MHz]の第1発振信号を生成し、発振部104Bが27[MHz]の第2発振信号を生成することによって、送信装置300は、第1音声信号と第2音声信号とを、それぞれが対応する音声出力装置200へと伝送することが可能となる。なお、本発明の第2の実施形態に係る送信装置300が生成する第1発振信号と第2発振信号との発振周波数が13[MHz]と27[MHz]に限られないことは、言うまでもない。
【0088】
変調部106Bは、図1に示す第1の実施形態に係る変調部106と同様に、入力される第2音声信号で第2発振信号を変調して、第2変調音声信号を送信部304へ出力する。
【0089】
送信部304は、第1変調音声信号の送信に係る増幅回路110A、送信アンテナ112A(第1送信アンテナ)、および共振回路114A(第1共振回路)と、第2変調音声信号の送信に係る増幅回路110B、送信アンテナ112B(第2送信アンテナ)、および共振回路114B(第2共振回路)とを備える。ここで、増幅回路110Aおよび増幅回路110Bは、図1に示す第1の実施形態に係る増幅回路110と同様の構成を有し、入力される第1変調音声信号、第2変調音声信号をそれぞれを設定された所定の利得で増幅する。また、送信アンテナ112AのインダクタL1には伝達される第1変調音声信号に応じた電流が流れるので、送信アンテナ112Aからは、電磁誘導により第1変調音声信号が送信される。また、送信アンテナ112BのインダクタL7には伝達される第2変調音声信号に応じた電流が流れるので、送信アンテナ112Bからは電磁誘導により第2変調音声信号が送信される。
【0090】
共振回路114Aは、送信アンテナ112Aまたは送信アンテナ112Bにより発生した振動電磁場の誘導により、インダクタL2のインダクタンスおよびキャパシタC1の静電容量により規定される所定の共振周波数の振動電磁場を発生させる。所定の共振周波数の振動電磁場を発生させるによって、共振回路114Aは、送信アンテナ112Aから送信された第1変調音声信号、または送信アンテナ112Bから送信された第2変調音声信号を送信する。また、共振回路114Bは、送信アンテナ112Aまたは送信アンテナ112Bにより発生した振動電磁場の誘導により、インダクタL8のインダクタンスおよびキャパシタC4の静電容量により規定される所定の共振周波数の振動電磁場を発生させる。所定の共振周波数の振動電磁場を発生させるによって、共振回路114Bは、送信アンテナ112Aから送信された第1変調音声信号、または送信アンテナ112Bから送信された第2変調音声信号を送信する。
【0091】
ここで、送信装置300は、共振回路114Aの共振周波数を第1発振信号の発振周波数(例えば13[MHz])と同様の周波数に設定し、また、共振回路114Bの共振周波数を第2発振信号の発振周波数(例えば27[MHz])と同様の周波数に設定する。よって、共振回路114Aからは第2変調音声信号は送信されず、第1変調音声信号が送信される。また、共振回路114Bからは第1変調音声信号は送信されず、第2変調音声信号が送信される。
【0092】
送信装置300は、例えば図6に示す構成によって、アナログ信号の第1音声信号で第1発振信号を変調させた第1変調音声信号と、アナログ信号の第2音声信号で第2発振信号を変調させた第2変調音声信号とを非接触式に音声出力装置200へ送信することができる。
【0093】
送信装置300は、アナログ信号の第1音声信号を第1発振信号で直接変調し、また、アナログ信号の第2音声信号を第2発振信号で直接変調することによって、第1音声信号および第2音声信号の送信および電力の送信を行う。よって、送信装置300は、複数の音声信号を送信する場合であっても大規模なコーデックや専用の変調回路(すなわち高価なデバイス)を備えることなく各変調音声信号の周波数と対応する音声出力装置200に選択的に音声信号および電力を伝送することができる。したがって、送信装置300を有する音声出力システム1000では、従来の技術を用いる場合よりもより送信装置300のコストの低減を図ることが可能となる。
【0094】
したがって、第2の実施形態に係る送信装置300を有する場合であっても、図1に示す音声出力システム1000と同様に、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする音声出力システムが実現される。
【0095】
〔第2の実施形態に係る送信装置の変形例〕
図6では、送信装置300が変調部106Aと変調部106Bという2つの変調部を備える構成を示したが、第2の実施形態に係る送信装置の構成は、図6に示す構成に限られない。例えば、第2の実施形態の変形例に係る送信装置は、第1発振信号と第2発振信号とをデジタル信号処理することによって1つの変調部を備える構成をとることができる。
【0096】
[3]本発明の第3の実施形態に係る送信装置
上記では、第2の実施形態に係る送信装置300として複数チャネルの音声信号など複数の音声信号および電力をそれぞれ音声出力装置200へ伝送する構成を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る複数の音声信号および電力をそれぞれ音声出力装置200へ伝送する送信装置の構成は、図6に示す構成に限られない。そこで次に、本発明の第3の実施形態に係る送信装置として、複数チャンネルの音声信号など複数の音声信号を送信することが可能な他の構成を有する送信装置400について説明する。また、以下では、音声出力システム1000が、送信装置400と第1の実施形態に係る音声出力装置200とを有する場合を例に挙げて説明する。
【0097】
図8は、本発明の第3の実施形態に係る送信装置400の構成の一例を示す説明図である。送信装置400は、送信制御部102と、発振回路104Aと、変調部106Aと、発振回路104Bと、変調部106Bと、加算部402と、送信部404とを備える。なお、本発明の第4の実施形態に係る送信装置は、図6に示す第3の実施形態に係る送信装置300と同様に、可変抵抗VR1、補正部302A、可変抵抗VR2、および補正部302Bを備えてもよい。
【0098】
また、送信装置400は、図1に示す送信装置100と同様に、例えば、制御部(図示せず)や、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、記憶部(図示せず)、操作部(図示せず)、表示部(図示せず)などを備えてもよい。送信装置300は、例えば、データの伝送路としてのバスにより各構成要素間を接続する。
【0099】
送信制御部102、発振回路104A、変調部106A、発振回路104B、および変調部106Bは、図6に示す第2の実施形態に係る発振回路104A、変調部106A、発振回路104B、および変調部106Bと同様の構成を有する。よって、変調部106Aからは第1音声信号で第1発振信号を変調させた第1変調音声信号が出力され、変調部106Bからは第2音声信号で第2発振信号を変調させた第2変調音声信号が出力される。
【0100】
加算部402は、例えば加算器で構成され、変調部106Aから入力される第1変調音声信号と変調部106Bから第2変調音声信号とを加算する。そして、加算部402は、加算された信号を送信部404へ出力する。
【0101】
送信部404は、増幅回路110と、送信アンテナ112と、共振回路114Aと、共振回路114Bとを備える。増幅回路110および送信アンテナ112は、図1に示す第1の実施形態に係る増幅回路110および送信アンテナ112と同様の構成を有し、送信アンテナ112は、増幅回路110において増幅された加算部402から出力される加算された信号を送信する。ここで、磁界共鳴型非接触電力伝送に係る送信コイル112は共振点を有さないので、相異なる複数の周波数の信号を同時に送信することが可能である。よって、送信コイル112からは第1変調信号と第2変調信号とがそれぞれ送信される。
【0102】
共振回路114Aおよび共振回路114Bは、図6に示す共振回路114Aおよび共振回路114Bと同様の構成を有する。よって、共振回路114Aからは、第2変調音声信号は送信されず、第1変調音声信号が送信される。また、共振回路114Bからは、第1変調音声信号は送信されず、第2変調音声信号が送信される。
【0103】
送信装置400は、例えば図8に示す構成によって、アナログ信号の第1音声信号で第1発振信号を変調させた第1変調音声信号と、アナログ信号の第2音声信号で第2発振信号を変調させた第2変調音声信号とを非接触式に音声出力装置200へ送信することができる。
【0104】
送信装置400は、第2の実施形態に係る送信装置300と同様に、アナログ信号の第1音声信号を第1発振信号で直接変調し、また、アナログ信号の第2音声信号を第2発振信号で直接変調することによって、第1音声信号および第2音声信号の送信および電力の送信を行う。よって、送信装置400は、第2の実施形態に係る送信装置300と同様に、複数の音声信号を送信する場合であっても大規模なコーデックや専用の変調回路(すなわち高価なデバイス)を備えることなく、各変調音声信号の周波数と対応する音声出力装置200に選択的に音声信号および電力を伝送することができる。したがって、送信装置400を有する音声出力システム1000では、従来の技術を用いる場合よりもより送信装置400のコストの低減を図ることが可能となる。
【0105】
したがって、第3の実施形態に係る送信装置400を有する場合であっても、図1に示す音声出力システム1000と同様に、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする音声出力システムが実現される。
【0106】
〔第3の実施形態に係る送信装置の変形例〕
第3の実施形態に係る送信装置は、第2の実施形態に係る送信装置と同様に、第1発振信号と第2発振信号とをデジタル信号処理することによって、1つの変調部を備える構成をとることができる。
【0107】
[4]本発明の第4の実施形態に係る送信装置
上記では、複数の音声信号および電力をそれぞれ音声出力装置200へ伝送する送信装置の構成として、2つの音声信号および電力をそれぞれ音声出力装置200へ伝送する第2の実施形態に係る送信装置300、第3の実施形態に係る送信装置400を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る送信装置は、2つの音声信号および電力をそれぞれ音声出力装置200へ伝送する構成に限られず、3以上の音声信号を音声出力装置200へ送信することもできる。
【0108】
図9は、本発明の第4の実施形態に係る送信装置500の構成の一例を示す説明図である。図9に示す送信装置500は、図8に示す第3の実施形態に係る送信装置400と基本的に同様の構成を有しており、図8に示す送信装置400と比較すると、発振部104Cと変調部106Cをさらに備える。また、図8に示す送信装置400と比較すると、送信装置500の送信部502は、共振回路114Cをさらに備える。
【0109】
発振部104Cは、図1に示す第1の実施形態に係る発振部104と同様の構成を有し、例えば送信制御部102から伝達される送電制御電圧に基づいて選択的に、第3発振周波数の第3発振信号を生成する。ここで、例えば、発振部104Aが生成する第1発振信号の第1発振周波数が13[MHz]、発振部104Bが生成する第2発振信号の第2発振周波数が27[MHz]の場合、発振部104Cは、40[MHz]の第3発振信号を生成する。上記の場合には、第1変調音声信号、第2変調音声信号、および第3発振信号が変調された信号(第3変調音声信号)との分離度としては、何らの問題はない。なお、本発明の第4の実施形態に係る送信装置500の発振部104A、発振部104B、および発振部104Cがそれぞれ生成する発振信号の発振周波数が、13[MHz]、27[MHz]の場合、40[MHz]に限られないことは、言うまでもない。
【0110】
変調部106Cは、図1に示す第1の実施形態に係る変調部106と同様に、入力される第3音声信号で第3発振信号を変調し、第3変調音声信号を加算部402へ出力する。
【0111】
送信部502の共振回路114Cは、送信アンテナ112により発生した振動電磁場の誘導により、インダクタL9のインダクタンスおよびキャパシタC5の静電容量により規定される所定の共振周波数の振動電磁場を発生させる。所定の共振周波数の振動電磁場を発生させるによって、共振回路114Cは、送信アンテナ112Aから送信された第1変調音声信号、第2変調音声信号、または第3変調音声信号を送信する。
【0112】
ここで、送信装置500は、共振回路114Aの共振周波数、および共振回路114Bの共振周波数を、図8に示す第3の実施形態に係る送信装置400の共振回路114Aおよび共振回路114Bと同様に設定する。また、送信装置500は、共振回路114Cの共振周波数を第3発振信号の発振周波数(例えば40[MHz])と同様の周波数に設定する。よって、共振回路114Aからは、第2変調音声信号および第3変調音声信号は送信されず、第1変調音声信号が送信される。また、共振回路114Bからは、第1変調音声信号および第3変調音声信号は送信されず、第2変調音声信号が送信される。そして、共振回路114Cからは、第1変調音声信号および第2変調音声信号は送信されず、第3変調音声信号が送信される。
【0113】
送信装置500は、例えば図9に示す構成によって、第1変調音声信号、第2変調音声信号、および第3変調音声信号を非接触式に音声出力装置200へ送信することができる。なお、本発明の第4の実施形態に係る送信装置は、発振部、変調部、および共振回路をさらに送信する音声信号の数分備えることによって、磁界共鳴型非接触電力伝送を用いて4以上の音声信号を音声出力装置200へ送信することが可能である。
【0114】
本発明の第4の実施形態に係る送信装置500は、基本的に図8に示す本発明の第3の実施形態に係る送信装置400と同様の構成を有する。よって、送信装置500を有する音声出力システム1000では、図8に示す本発明の第3の実施形態に係る送信装置400を有する音声出力システム1000と同様に、従来の技術を用いる場合よりもより送信装置500のコストの低減を図ることができる。
【0115】
したがって、第4の実施形態に係る送信装置500を有する場合であっても、図1に示す音声出力システム1000と同様に、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする音声出力システムが実現される。
【0116】
〔第4の実施形態に係る送信装置の変形例〕
第4の実施形態に係る送信装置は、第2の実施形態に係る送信装置と同様に、第1発振信号と第2発振信号とをデジタル信号処理することによって、1つの変調部を備える構成をとることができる。
【0117】
また、第4の実施形態に係る送信装置は、図9に示す加算部402を備えず、図6に示す第2の実施形態に係る送信装置300と同様に、送信部を送信する音声信号の数に対応する数の送信アンテナおよび共振回路を備える構成をとることもできる。上記の構成であっても、第4の実施形態の変形例に係る送信装置は、第1変調音声信号、第2変調音声信号、および第3変調音声信号を非接触式に音声出力装置200へ送信することが可能であるので、図9に示す送信装置500と同様の効果を奏する。
【0118】
[5]本発明の第5の実施形態に係る送信装置
上述した第1の実施形態〜第4実施形態に係る送信装置では、1つの変調部に1つの発振部が対応する構成を示したが、本発明の実施形態に係る送信装置の構成は、1つの変調部に1つの発振部が対応する構成に限られない。そこで、次に、本発明の第5の実施形態に係る送信装置として、1つの変調部に複数の発振部が対応する構成(1つの変調部に、複数の発振部が生成した発振信号のいずれかが選択的に入力される構成)を有する送信装置600について説明する。
【0119】
図10は、本発明の第5の実施形態に係る送信装置600の構成の一例を示す説明図である。図10に示す送信装置600は、図6に示す第2の実施形態に係る送信装置300と基本的に同様の構成を有しており、図6に示す送信装置300と比較すると、切替信号に応じて第1発振信号または第2発振信号を選択的に変調部106A、106Bに出力する切替部602A(第1切替部/第2切替部)および切替部602Bをさらに備える。また、図6に示す送信装置300と比較すると、送信装置600の送信制御部604は、切替信号をさらに出力する。
【0120】
切替部602Aは、スイッチSW1を備え、送信制御部604から出力される切替信号の信号レベル(ハイレベル/ローレベル)に応じて発振部104Aまたは発振部104Bのいずれか一方と変調部106Aとを接続する。よって、変調部106Aには、第1発振信号または第2発振信号を選択的に入力される。切替部602Aが備えるスイッチSW1としては、例えば、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field effect transistor)が挙げられる。
【0121】
切替部602Bは、スイッチSW1と同様のスイッチSW2を備え、送信制御部604から出力される切替信号の信号レベル(ハイレベル/ローレベル)に応じて発振部104Aまたは発振部104Bのいずれか一方と変調部106Bとを接続する。よって、変調部106Bには、第1発振信号または第2発振信号を選択的に入力される。
【0122】
送信制御部604は、切替スイッチ(操作部の一例)などの設定に応じた切替信号を、切替部602A、切替部602Bそれぞれに出力する。なお、図10では、送信制御部604が切替信号を出力する構成を示しているが、制御部(図示せず)が切替信号を出力する構成であってもよい。
【0123】
送信装置600は、例えば図10に示す構成によって、変調部106A、変調部106Bに入力される発振信号を選択的に切り替える。上述したように、音声出力システム1000では磁界共鳴型非接触電力伝送が用いられるので、送信装置600は、発振周波数と対応する音声出力装置200に選択的に音声信号および電力を伝送することが可能である。よって、送信装置600が変調部106A、変調部106Bに入力される発振信号を選択的に切り替えることによって、例えば、ある音声出力装置200から、第1音声信号が示す音声または第2音声信号が示す音声(例えば第1音声信号とは異なる音声を示す。)を選択的に出力させることができる。
【0124】
また、送信装置600は、基本的に図6に示す本発明の第2の実施形態に係る送信装置300と同様の構成を有する。よって、送信装置600を有する音声出力システム1000では、図6に示す本発明の第2の実施形態に係る送信装置300を有する音声出力システム1000と同様に、従来の技術を用いる場合よりもより送信装置600のコストの低減を図ることができる。
【0125】
したがって、第5の実施形態に係る送信装置600を有する場合であっても、図1に示す音声出力システム1000と同様に、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする音声出力システムが実現される。
【0126】
〔第5の実施形態に係る送信装置の変形例〕
第5の実施形態に係る送信装置は、第2の実施形態に係る送信装置と同様に、第1発振信号と第2発振信号とをデジタル信号処理することによって、1つの変調部を備える構成をとることができる。
【0127】
また、第5の実施形態に係る送信装置は、送信部304に替えて、図8に示す第3の実施形態に係る加算部402および送信部404を備える構成をとることができる。上記の構成であっても、第5の実施形態の変形例に係る送信装置は、第1変調音声信号、および第2変調音声信号を非接触式に音声出力装置200へ送信することが可能であるので、図10に示す送信装置600と同様の効果を奏する。
【0128】
さらに、第5の実施形態に係る送信装置は、3以上の発振部および/または3以上の変調部を備える構成、すなわち、複数の発振部と複数の変調部とを備える構成をとることができる。上記の構成であっても、第5の実施形態の変形例に係る送信装置は、各変調部にいずれかの発振部において生成された発振信号を切替部により選択的に入力させることが可能であるので、図10に示す送信装置600と同様の効果を奏する。
【0129】
[6]本発明の第6の実施形態に係る送信装置
上述した第1の実施形態〜第5実施形態に係る送信装置では送信制御部が音声信号を変調部に出力する構成を示した。本発明の実施形態に係る送信装置は、外部操作装置から送信される外部操作信号に基づいて、送信制御部が処理を行うこともできる。そこで、次に、本発明の第6の実施形態に係る送信装置として、外部操作装置から送信される外部操作信号を受信し、受信された外部操作信号に基づいて音声信号および電力の伝送を行うことが可能な送信装置700の構成について説明する。
【0130】
図11は、本発明の第6の実施形態に係る送信装置700の構成の一例を示す説明図である。ここで、図11では、図1に示す音声出力装置200Aと、外部操作装置800とを併せて示している。
【0131】
図11に示す送信装置700は、図1に示す第1の実施形態に係る送信装置100と基本的に同様の構成を有しており、図1に示す送信装置100と比較すると、外部操作装置800と通信可能な通信部702をさらに備える。また、図1に示す送信装置100と比較すると、送信制御部704は、通信部702から伝達される外部操作信号に応じて処理を行う点が図1に示す送信制御部102と異なる。
【0132】
ここで、外部操作装置800は、ユーザ操作に応じて操作信号(外部操作信号)を生成し、生成した操作信号を送信することが可能な装置である。図12は、本発明の実施形態に係る外部操作装置800の構成の一例を示す説明図である。ここで、図12では、送信装置700が送信する電力で駆動する外部操作装置の構成を示している。
【0133】
外部操作装置800は、受電部802と、通信制御部804と、操作部806と、通信部808とを備える。
【0134】
受電部802は、共振回路810と、受電アンテナ812と、整流部814(図12では、ブリッジ整流を行う例を示している。)と、キャパシタC7とを有し、磁界共鳴型非接触電力伝送方式により送信装置700から送信された電力を受信する。より具体的には、受電アンテナ812に生じた誘起電圧が、整流部814において整流(図12では、ブリッジ整流を行う例を示している。)された後キャパシタC7により平滑化されて、通信制御部804へ伝達される。
【0135】
通信制御部804は、受電部802が受信した電力で駆動し、操作部806に対するユーザ操作に応じた操作信号を生成する。そして、通信制御部生成した操作信号を通信部808に送信させる。ここで、通信制御部804は、例えばMPUや各種処理回路で構成される。
【0136】
操作部806は、外部操作装置が備える操作手段である。操作部806としては、例えば、ボタンや方向キーなどが挙げられる。また、通信部808は、外部操作装置が備える通信手段であり、通信制御部804が生成した操作信号(外部操作信号)を送信する。通信部808としては、例えば、赤外線通信ポートおよび受信回路や、IEEE802.11bポートおよび送受信回路などが挙げられる。
【0137】
外部操作装置800は、例えば図12に示す構成によって、ユーザ操作に応じて操作信号(外部操作信号)を生成して当該操作信号を送信する、いわゆるリモートコントローラとしての役目を果たす。
【0138】
ここで、一般的にリモートコントローラの役目を果たす外部操作装置は、約10[mA]程度の消費電流で動作する。よって、外部操作装置800は、共振回路810および受電アンテナ812を構成するインダクタを一般的なリモートコントローラの大きさ内に納まるように小型化しても、十分に電力を得ることが可能である。また、外部操作装置800は、磁界共鳴型非接触電力伝送方式により電力を受信することが可能である。よって、外部操作装置800は、電池などの内部電源を備える必要はなく、例えば外部操作装置800の置き場所が変わるなどして電力需給状態が変化しても、平滑用のわずかなキャパシタを備えることにより十分に対応することができる。
【0139】
再度図11を参照して、第6の実施形態に係る送信装置700の構成について説明する。通信部702は、送信装置700が備える通信手段である。通信部702は、外部操作装置800から送信される外部操作信号を受信し、受信した外部操作信号を送信制御部704へ伝達する。通信部702としては、例えば、赤外線通信ポートおよび受信回路や、IEEE802.11bポートおよび送受信回路など、外部操作装置800の通信部808と対応する通信インタフェースが挙げられる。
【0140】
送信制御部704は、通信部702から伝達される外部操作信号に応じて処理を行う。送信制御部704が外部操作信号に応じて行う処理としては、例えば、音声信号の出力処理または出力停止処理(音声の再生に係る処理)や、出力する音声信号の音量調整に係る処理が挙げられる。
【0141】
送信装置700は、基本的に図1に示す本発明の第1の実施形態に係る送信装置100と同様の構成を有する。よって、送信装置700を有する音声出力システム1000では、図1に示す本発明の第1の実施形態に係る送信装置100を有する音声出力システム1000と同様に、従来の技術を用いる場合よりもより送信装置100のコストの低減を図ることができる。
【0142】
したがって、第6の実施形態に係る送信装置700を有する場合であっても、図1に示す音声出力システム1000と同様に、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする音声出力システムが実現される。
【0143】
〔第6の実施形態に係る送信装置の変形例〕
図11では、基本的に図1に示す本発明の第1の実施形態に係る送信装置100と同様の構成を有する構成を示したが、本発明の第6の実施形態に係る送信装置の構成は、図11に示す構成に限られない。例えば、本発明の第6の実施形態の変形例に係る送信装置は、上述した第2の実施形態〜第5の実施形態に係る送信装置(変形例も含む)と同様の構成を有する構成をとることもできる。
【0144】
[7]本発明の第2の実施形態に係る音声出力装置
次に、本発明の実施形態に係る音声出力装置の他の実施形態について説明する。図13は、本発明の第2の実施形態に係る音声出力装置250の構成の一例を示す説明図である。
【0145】
図13に示す音声出力装置250は、図1に示す第1の実施形態に係る音声出力装置200Aと基本的に同様の構成を有しており、図1に示す音声出力装置200Aと比較すると、受信部252が図1に示す受信アンテナ208Aを備えていない。より具体的には、受信部252は、音声出力部204Aを構成するボイスコイルVCを受信アンテナとする。
【0146】
図13に示すようにボイスコイルVCをショートさせることにより、送信装置100から送信された変調音声信号が受信された場合には、ボイスコイルVC上に誘起した電圧によりボイスコイルが磁化する。よって、音声出力装置250の音声出力部204Aからは、図1に示す第1の実施形態に係る音声出力装置200と同様に、受信した変調音声信号と等しい音声が出力される。
【0147】
音声出力装置250は、基本的に図1に示す本発明の第1の実施形態に係る音声出力装置200と同様の構成を有する。よって、音声出力装置250を有する音声出力システム1000では、図1に示す本発明の第1の実施形態に係る音声出力装置200を有する音声出力システム1000と同様に、従来の技術を用いる場合よりもより音声出力装置250のコストの低減を図ることができる。
【0148】
したがって、第2の実施形態に係る音声出力装置250を有する場合であっても、図1に示す音声出力システム1000と同様に、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする音声出力システムが実現される。
【0149】
[8]本発明の第3の実施形態に係る音声出力装置
上記では、第1の実施形態および第2の実施形態に係る音声出力装置として、受信部が特定の共振周波数を有する共振回路を備える構成を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る音声出力装置は、受信部が特定の共振周波数を有する共振回路を備える構成に限られず、共振回路の共振周波数の調整が可能な構成をとることもできる。
【0150】
図14は、本発明の第3の実施形態に係る音声出力装置900の構成の一例を示す説明図である。図14に示す音声出力装置900は、図1に示す第1の実施形態に係る音声出力装置200Aと基本的に同様の構成を有しており、図1に示す音声出力装置200Aと比較すると、共振回路206Aの共振周波数を調整する調整部902をさらに備える。
【0151】
調整部902は、スイッチSW3で構成され、スイッチSWのオン/オフの状態によって共振回路206AのインダクタL3のインダクタンスを変化させる。ここで、共振回路206AのインダクタL3のインダクタンスを変化させることによって、共振回路206Aの共振周波数は変化する。つまり、音声出力装置900では、例えば、スイッチSW3がオンのとき27[MHz]で共振回路206Aを共振させ、スイッチSW3がオフのとき13[MHz]で共振回路206Aを共振させることが可能となる。
【0152】
よって、音声出力装置900は、スイッチSW3の状態に応じて共振周波数に対応する変調音声信号が選択的に受信するので、例えば英語音声や日本語音声など異なる音声を選択的に出力することができる。
【0153】
また、音声出力装置900は、基本的に図1に示す本発明の第1の実施形態に係る音声出力装置200と同様の構成を有する。よって、音声出力装置900を有する音声出力システム1000では、図1に示す本発明の第1の実施形態に係る音声出力装置200を有する音声出力システム1000と同様に、従来の技術を用いる場合よりもより音声出力装置900のコストの低減を図ることができる。
【0154】
したがって、第3の実施形態に係る音声出力装置900を有する場合であっても、図1に示す音声出力システム1000と同様に、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする音声出力システムが実現される。
【0155】
〔第3の実施形態に係る音声出力装置の変形例〕
図14では、音声出力装置900が、共振回路206AのインダクタL3のインダクタンスを変化させることにより共振周波数を調整する構成を示したが、本発明の第3の実施形態に係る音声出力装置における共振周波数を調整する構成は、図14に示す構成に限られない。例えば、本発明の第3の実施形態の変形例に係る音声出力装置は、図14に示す共振回路206AのキャパシタC2の静電容量を変化させる構成をとることもできる。上記の構成であっても、本発明の第3の実施形態の変形例に係る音声出力装置は、共振回路206Aの共振周波数を調整することが可能であるので、図14に示す音声出力装置900と同様の効果を奏することができる。
【0156】
以上のように、本発明の実施形態に係る音声出力システム1000は、送信装置100が、アナログ信号の音声信号で発振信号を変調し、変調された変調音声信号を、磁界共鳴型非接触電力伝送方式を用いて非接触式に音声出力装置200へ送信する。よって、送信装置100は、電力の伝送と音声信号の伝送を行うことができる。
【0157】
また、音声出力装置200は、ボイスコイルを有する音声出力部を備え、磁界共鳴型非接触電力伝送方式により変調音声信号を受信した場合に、受信した変調音声信号に応じた電流をボイスコイルに流すことによって、音声出力部から変調音声信号と等しい波形の音声を出力する。よって、音声出力システム1000を構成する音声出力装置200は、従来の技術のように特別な復調回路を備えなくても送信装置100から送信された変調音声信号と等しい波形の音声を出力することができるので、従来の技術を用いる場合よりもより音声出力装置200のコストの低減を図ることが可能となる。
【0158】
また、音声出力システム1000では、送信装置100が複数チャンネルの音声信号など複数の音声信号を送信する場合であっても、例えばチャンネルごとに共鳴が発生する共振周波数を変えることによって、複数の音声信号の伝送を実現することが可能である。つまり、音声出力システム1000では、従来の技術のように、送信装置100が大規模なコーデックや専用の変調回路(すなわち高価なデバイス)を備える必要はなく、また、音声出力装置200も専用の復調回路(すなわち高価なデバイス)を備える必要はない。よって、音声出力システム1000では、従来の技術を用いる場合よりもより送信装置100および音声出力装置200のコストの低減を図ることが可能となる。
【0159】
したがって、本発明の実施形態に係る送信装置100と本発明の実施形態に係る音声出力装置200とを有することによって、コストの低減を図りつつ、非接触に電力伝送と音声信号の伝送とを可能とする音声出力システムが実現される。
【0160】
また、音声出力システム1000では、磁界共鳴型非接触電力伝送方式により電力伝送と音声信号の伝送とが無線で行われるので、例えば、各種スピーカの配線が不要であり設置が容易なオーディオシステムを実現することが可能となる。
【0161】
さらに、音声出力システム1000では、磁界共鳴型非接触電力伝送方式により電力伝送と音声信号の伝送とが無線で行われるので、互いに異なる複数の音声信号を送信装置100が送信する場合であっても、特定の音声出力装置200に特定の音声を出力させることが可能となる。したがって、音声出力システム1000を用いることによって、例えば、映画館のようなサラウンド効果を実現し、部屋Aにはクラシック音楽、部屋Bにはジャズ、部屋Cにはロックを配信するなどマルチルーム伝送を実現することができる。
【0162】
〔本発明の実施形態に係る音声出力システムの変形例〕
本発明の実施形態に係る音声出力システムは、上述した第1の実施形態〜第6の実施形態に係る送信装置(変形例も含む)と、第1の実施形態〜第3の実施形態に係る音声出力装置(変形例も含む)とを、任意に組み合わせることができる。本発明の実施形態の変形例に係る音声出力システムは、上記の構成をとる場合であっても、上述した音声出力システム1000と同様の効果を奏する。
【0163】
以上、本発明の実施形態に係る音声出力システム1000を構成する構成要素として送信装置を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、音声再生装置(または音声記録再生装置)や、PC(Personal Computer)などのコンピュータ、携帯電話などの携帯型通信装置、など、様々な機器に適用することができる。
【0164】
また、上記では、本発明の実施形態に係る音声出力システム1000を構成する構成要素として受電装置を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、スピーカやイヤホンなど音声を出力可能な様々な機器に適用することができる。
【0165】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0166】
100、300、400、500、600、700 送信装置
102、604、704 送信制御部
104、104A、104B、104C 発振部
106、106A、106B、106C 変調部
108、304、404、502 送信部
112、112A、112B 送信アンテナ
114、114A、114B、206A、206B 共振回路
200A、200B、250、900 音声出力装置
202A、202B、252 受信部
204A、204B 音声出力部
208A、208B 受信アンテナ
302A、302B 補正部
402 加算部
602A、602B 切替部
702 通信部
800 外部操作装置
902 調整部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1発振周波数の第1発振信号と、アナログ信号の第1音声信号とが入力され、前記第1音声信号で前記第1発振信号を変調して第1変調音声信号を出力する第1変調部と;
前記第1変調音声信号を、受信された信号に応じた電流をボイスコイルに流すことにより音声を出力する音声出力装置へ非接触式に送信する送信部と;
を備え、
前記送信部は、
前記第1変調部から入力される前記第1変調音声信号に応じた交流電流が流れ、電磁誘導により入力される前記第1変調音声信号を送信する第1送信アンテナと;
前記第1送信アンテナと物理的に分離して設けられ、所定の第1共振周波数を有し、前記第1送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により前記第1共振周波数の振動電磁場を発生させて、前記第1変調音声信号を送信する第1共振回路と;
を備える、送信装置。
【請求項2】
前記第1発振周波数と異なる所定の第2発振周波数の第2発振信号と、アナログ信号の第2音声信号とが入力され、前記第2音声信号で前記第2発振信号を変調して第2変調音声信号を出力する第2変調部をさらに備え、
前記送信部は、
前記第2変調部から入力される前記第2変調音声信号に応じた交流電流が流れ、電磁誘導により入力される前記第2変調音声信号を、前記音声出力装置へ送信する第2送信アンテナと;
前記第1送信アンテナおよび前記第2送信アンテナと物理的に分離して設けられ、前記第1共振周波数と異なる所定の第2共振周波数を有し、前記第1送信アンテナまたは前記第2送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により前記第2共振周波数の振動電磁場を発生させて、前記第1変調音声信号または前記第2変調音声信号を送信する第2共振回路と;
をさらに備え、
前記第1共振回路は、前記第1送信アンテナまたは前記第2送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により、前記第1変調音声信号または前記第2変調音声信号を送信する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記第1発振周波数と異なる所定の第2発振周波数の第2発振信号と、アナログ信号の第2音声信号とが入力され、前記第2音声信号で前記第2発振信号を変調して第2変調音声信号を出力する第2変調部と;
前記第1変調部から入力される前記第1変調音声信号と前記第2変調部から入力される前記第2変調音声信号とを加算して、加算された信号を前記送信部へ出力する加算部と;
をさらに備え、
前記送信部は、
前記第1送信アンテナと物理的に分離して設けられ、前記第1共振周波数と異なる所定の第2共振周波数を有し、前記第1送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により前記第2共振周波数の振動電磁場を発生させて、前記第1変調音声信号または前記第2変調音声信号を送信する第2共振回路と;
をさらに備え、
前記第1共振回路は、前記第1送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により、前記第1変調音声信号または前記第2変調音声信号を送信する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項4】
互いに異なる所定の発振周波数の発振信号を生成する複数の発振部と;
複数の前記発振部が生成したいずれかの発振信号を、前記第1発信信号として前記第1変調部へ選択的に出力する第1切替部と;
複数の前記発振部が生成したいずれかの発振信号を、前記第2発信信号として前記第2変調部へ選択的に出力する第2切替部と;
前記第1変調部へ前記第1音声信号を出力し、前記第2変調部へ前記第2音声信号を出力し、前記第1切替部および前記第2切替部の選択的な出力を制御する送信制御部と;
をさらに備える、請求項2、または3のいずれか1項に記載の送信装置。
【請求項5】
互いに異なる所定の発振周波数の発振信号と、アナログ信号の音声信号とがそれぞれ入力され、入力される前記音声信号で前記発振信号を変調して変調音声信号をそれぞれ出力する、1または2以上の変調部をさらに備え、
前記送信部は、
前記第1送信アンテナと物理的に分離して設けられ、前記第1発振周波数、前記第2発振周波数と異なりかつ互いに異なる所定の共振周波数をそれぞれ有し、前記第1送信アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により前記共振周波数の振動電磁場を発生させて、前記第1変調音声信号、前記第2変調音声信号、前記変調音声信号のいずれかをそれぞれ送信する、1または2以上の共振回路をさらに備え、
前記加算部は、前記第1変調部から入力される前記第1変調音声信号、前記第2変調部から入力される前記第2変調音声信号、および1または2以上の前記変調部からそれぞれ出力される変調音声信号を加算する、請求項3に記載の送信装置。
【請求項6】
第1音声信号、または前記第1変調音声信号の歪を補正する補正部をさらに備える、請求項1に記載の送信装置。
【請求項7】
ユーザ操作に応じた操作信号を送信することが可能な外部操作装置と通信を行う通信部と;
前記通信部が受信した前記操作信号に基づいて、前記第1変調部へ前記第1音声信号を選択的に出力する送信制御部と;
をさらに備える、請求項1に記載の送信装置。
【請求項8】
前記第1変調部は、振幅変調された第1変調音声信号を出力する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項9】
前記第1変調部は、振幅が一定の疎密波である第1変調音声信号を出力する、請求項1に記載の送信装置。
【請求項10】
アナログ信号の音声信号で発振信号を変調した変調音声信号を送信する送信装置から送信された前記変調音声信号を受信する受信部と;
ボイスコイルを備え、前記受信部が受信した前記変調音声信号に応じた電流を前記ボイスコイルに流すことにより音声を出力する音声出力部と;
を備え、
前記受信部は、
所定の共振周波数を有し、前記送信装置から発生された振動電磁場と共鳴して振動電磁場を発生させる共振回路と;
前記共振回路と物理的に分離して設けられ、前記共振回路が発生させた振動電磁場の誘導により、前記送信装置から送信された前記変調音声信号を受信する受信アンテナと;
を備える、音声出力装置。
【請求項11】
前記受信アンテナは、前記ボイスコイルである、請求項10に記載の音声出力装置。
【請求項12】
前記共振回路の共振周波数を調整する調整部をさらに備える、請求項10、または請求項11に記載の音声出力装置。
【請求項13】
アナログ信号の音声信号で所定の発振周波数の発振信号を変調するステップと;
前記変調するステップにおいて変調された信号である変調音声信号を、受信された信号に応じた電流をボイスコイルに流すことにより音声を出力する音声出力装置へ、送信部を用いて非接触式に送信するステップと;
を有し、
前記送信部は、
前記変調音声信号に応じた交流電流が流れ、電磁誘導により入力される前記変調音声信号を送信するアンテナと;
前記アンテナと物理的に分離して設けられ、所定の共振周波数を有し、前記アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により前記共振周波数の振動電磁場を発生させて、前記変調音声信号を送信する共振回路と;
を備える、送信方法。
【請求項14】
アナログ信号の音声信号で所定の発振周波数の発振信号を変調した変調音声信号を送信する送信装置と;
受信された信号に応じた音声を出力する音声出力装置と;
を有し、
前記送信装置は、
入力された前記音声信号で前記発振信号を変調して変調音声信号を出力する変調部と;
前記変調音声信号を前記音声出力装置へ非接触式に送信する送信部と;
を備え、
前記送信部は、
前記変調部から入力される前記変調音声信号に応じた交流電流が流れ、電磁誘導により入力される前記変調音声信号を送信する送信アンテナと;
前記アンテナと物理的に分離して設けられ、所定の共振周波数を有し、前記アンテナにより発生した振動電磁場の誘導により前記共振周波数の振動電磁場を発生させて、前記変調音声信号を送信する送信側共振回路と;
を備え、
前記音声出力装置は、
前記送信装置から送信された前記変調音声信号を受信する受信部と;
ボイスコイルを備え、前記受信部が受信した前記変調音声信号に応じた電流を前記ボイスコイルに流すことにより音声を出力する音声出力部と;
を備え、
前記受信部は、
所定の共振周波数を有し、前記送信装置から発生された振動電磁場と共鳴して振動電磁場を発生させる受信側共振回路と;
前記受信側共振回路と物理的に分離して設けられ、前記受信側共振回路が発生させた振動電磁場の誘導により、前記送信装置から送信された前記変調音声信号を受信する受信アンテナと;
を備える、音声出力システム。

【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図2】
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