送信装置
【課題】施工が簡単で、給電線路での損失が小さく、送信方向に応じて指向性および偏波面を変更することが可能な送信装置を提供する。
【解決手段】この送信装置1は、送信機2を収納した金属ケース3にアンテナ4を固定するL字金具5を備える。L字金具5は、金属ケース3の正面および背面のうちの所望の面に取り付け可能に形成された金属板30と、金属板30に直角に設けられ、金属ケース3の上面または下面に対向して配置される金属板31とを含む。アンテナ4は、金属板30,31のうちの所望の金属板に、複数の方向のうちの所望の方向に向けて取り付け可能になっている。したがって、簡単に設置でき、同軸ケーブル6が短くて済む。
【解決手段】この送信装置1は、送信機2を収納した金属ケース3にアンテナ4を固定するL字金具5を備える。L字金具5は、金属ケース3の正面および背面のうちの所望の面に取り付け可能に形成された金属板30と、金属板30に直角に設けられ、金属ケース3の上面または下面に対向して配置される金属板31とを含む。アンテナ4は、金属板30,31のうちの所望の金属板に、複数の方向のうちの所望の方向に向けて取り付け可能になっている。したがって、簡単に設置でき、同軸ケーブル6が短くて済む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は送信装置に関し、特に、送信機と、送信機を収納した金属ケースと、送信用のアンテナとを備えた送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上デジタル放送の分野では、大型の基地局ではカバーできないような山間部の盆地などの不感帯をカバーしたり、イベント会場などで一時的にワンセグ放送を行なうための簡易な送信装置が求められている。従来の送信装置では、送信機とアンテナとが別々に離れて配置され、両者の間は同軸ケーブルのような給電線路で接続されていた(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−332816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の送信装置では、送信機とアンテナが別々に離れて配置されていたので、施工が煩わしく、給電線路での損失が大きいと言う問題があった。そこで、アンテナと送信機を一体に構成することが考えられるが、そのようなアンテナ一体型送信機では指向性や偏波面が固定され、不便である。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、施工が簡単で、給電線路での損失が小さく、送信方向に応じて指向性および偏波面を変更することが可能な送信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る送信装置は、送信機と、該送信機を収納した金属ケースと、送信用のアンテナと、該アンテナを金属ケースに固定するL字金具とを備えたものである。L字金具は、金属ケースの正面および背面のうちの所望の面に取り付け可能に形成された第1の金属板と、第1の金属板に直角に設けられ、第1の金属板が金属ケースの正面または背面に取り付けられた場合に、金属ケースの上面または下面に対向して配置される第2の金属板とを含む。アンテナは、第1および第2の金属板のうちの所望の金属板に、複数の方向のうちの所望の方向に向けて取り付け可能になっている。
【0007】
好ましくは、金属ケースの正面および背面の各々には複数のネジ孔が形成され、第1の金属板には、それぞれ複数のネジ孔に対応して設けられた複数の第1孔が形成されている。第1の金属板は、各第1孔を介してそれに対応するネジ孔にネジを螺合することにより、金属ケースの正面または背面に固定される。
【0008】
また好ましくは、第1の金属板には、それぞれ複数のネジ孔に対応して設けられ、各々が予め定められた深さを有する複数の凹部が形成される。各凹部は、第1の金属板の一部をU字状に打ち抜いて折り曲げることにより形成される。複数の第1孔は、それぞれ複数の凹部の底に形成される。第1の金属板は、複数の凹部の底を金属ケースの正面または背面に当てて、各第1孔を介してそれに対応するネジ孔にネジを螺合することにより、金属ケースの正面または背面に予め定められた隙間を開けて固定される。
【0009】
また好ましくは、第1および第2の金属板の各々には、複数の第2孔と複数組の複数の第3孔が形成される。アンテナは、直角に設けられた第3および第4の金属板を含むL字型のグランド板と、第3の金属板に垂直に設けられた放射素子とを含む。第3の金属板には、それぞれ複数の第2孔に対応する複数の第4孔が形成され、第4の金属板には、それぞれ複数の第3孔に対応する複数の第5孔が形成されている。第3の金属板を第1または第2の金属板に固定する場合は、複数の第4孔と複数の第2孔とを位置合わせし、各第4孔とそれに対応する第2孔とにボルトを挿入して各ボルトにナットを螺合する。第4の金属板を第1または第2の金属板に固定する場合は、複数の第5孔と複数組の複数の第3孔のうちの所望の組の複数の第3孔とを位置合わせし、各第5孔とそれに対応する第3孔とにボルトを挿入して各ボルトにナットを螺合する。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る送信装置では、送信機を収納した金属ケースにアンテナをL字金具で固定するので、送信機とアンテナが別々に設けられていた従来に比べ、簡単に施工することができ、給電線路における損失を小さくすることができる。また、金属ケースの正面、背面、上面、および下面のうちの所望の面に、複数の方向のうちの所望の方向に向けてアンテナを取り付けることができるので、送信場所に応じた所望の指向性や偏波面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の一実施の形態による送信装置の構成および使用態様を示す模式的に示す図である。
【図2】図1に示した金属ケースの構成を示す斜視図である。
【図3】図1に示したアンテナの構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示したアンテナのカバーの内部を示す図である。
【図5】図3に示したアンテナのカバーの内部を示す他の図である。
【図6】図3に示したアンテナの指向性を示す図である。
【図7】図3に示したアンテナのグランド板の構成を示す図である。
【図8】図1に示したL字金具の構成を示す図である。
【図9】図8(b)のIX−IX線断面図である。
【図10】図2で示した金属ケースにL字金具を取り付けた一態様を示す図である。
【図11】図2で示した金属ケースにL字金具を取り付けた他の態様を示す図である。
【図12】図2で示した金属ケースにL字金具を取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図13】図2で示した金属ケースにL字金具を取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図14】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けた一態様を示す図である。
【図15】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けた他の態様を示す図である。
【図16】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図17】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図18】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図19】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図20】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図21】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図22】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図23】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図24】図14で示したアンテナの指向性を示す図である。
【図25】図19で示したアンテナの指向性を示す図である。
【図26】図22で示したアンテナの指向性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の一実施の形態の送信装置1は、図1に示すように、電柱7に張り渡されたメッセンジャワイヤ8に吊り下げられる。送信装置1は、比較的狭い範囲(たとえば送信装置1から200m程度離れた地点までの範囲内)に電波を送信する目的で使用される。たとえば、ある範囲内に、広告等の各種の情報を電波によって送信するといった用途に送信装置1を用いることができる。また、たとえば送信装置1と受信装置とを組み合わせることにより、移動体通信の基地局として送信装置1を使用してもよい。ただし、上述の送信装置1の使用形態は一例であって、本発明に係る送信装置の用途を限定するものではない。
【0013】
送信装置1は、送信機2と、送信機2を収納する金属ケース3と、送信用のアンテナ4と、アンテナ4を金属ケース3に固定するL字金具5とを備える。送信機2は、給電線路である同軸ケーブル6を介して、アンテナ4に高周波電力を供給する。送信機2から高周波電力が供給されることによりアンテナ4は電波を放射する。
【0014】
金属ケース3は、たとえばアルミニウム製のダイカストケースであり、雨、雪などから送信機2を保護するとともに、送信機2で発生するノイズをシールドするために設けられている。図2に示すように、金属ケース3の上面の両端部の各々に、固定部材10がネジ11により取り付けられる。固定ボルト12により、固定部材10においてメッセンジャワイヤ8を挟む部分が締め付けられる。これにより金属ケース3がメッセンジャワイヤ8に吊り下げられた状態で設置される。
【0015】
金属ケース3の側面には、同軸ケーブル6用のコネクタが設けられている。また、金属ケース3の正面および背面の各々には、放熱用の多数のフィンと、L字金具5を取り付けるための複数(図では4つ)のネジ孔13が設けられている。4つのネジ孔13は、長方形の4つの角にそれぞれ配置されている。
【0016】
アンテナ4は、図3〜図5に示すように、L字型のグランド板15と、グランド板15の表面に設けられた帽子状のカバー16と、カバー16内に設けられたホーン状の放射素子17とを含む。カバー16は、プラスチックのような絶縁材料で形成されている。カバー16の縁は、グランド板15にネジ止めされている。
【0017】
放射素子17は、銅のような金属で形成され、開口部を上に向けてグランド板15に垂直に配置されている。放射素子17は、複数(たとえば2本)の接地棒18によってグランド板15の表面上に支持されている。放射素子17の下端に給電点P1が設けられ、給電点P1に対向するグランド板15の表面に給電点P2が設けられる。給電点P1は同軸ケーブル6の中心導体に接続され(図示せず)、給電点P2は同軸ケーブル6の外部導体に接続される(図示せず)。送信する電波の波長をλとすると、放射素子17の高さは約0.2λであり、その直径は約0.2λである。
【0018】
図6(a)はアンテナ4の水平面の指向性を示す図であり、図6(b)はアンテナ4の垂直面の指向性を示す図である。図6(a)(b)は、図3〜図5に示したように、アンテナ4と金属ケース3を別々に配置し、グランド板15を水平に配置し、放射素子17を垂直に配置した場合の指向性を示している。放射素子17の形状から分かるように、水平方向への指向性は無く、電波は水平方向の全方向に放射され、垂直方向にはほとんど放射されない。
【0019】
図7(a)はグランド板15の構成を示す正面図であり、図7(b)はその平面図であり、図7(c)はその側面図である。図7(a)〜(c)において、グランド板15は、長方形の金属板の一方端をカバー16と同心の半円形に加工し、他方端を直角に折り曲げたものである。換言すると、グランド板15は、直角に設けられた2枚の金属板20,21を含む。金属板20,21の境界には、グランド板15を補強するための複数(図では4つ)のガゼット22が形成されている。
【0020】
金属板20の中央部には、カバー16をネジ止めするための孔23や、接地棒18の下端をネジ止めするための孔24などが形成されている。また、金属板20の金属板21側の端部には、アンテナ4をL字金具5に固定するための複数(図では4つ)の孔25が形成され、その反対側の端部にはアンテナ4をL字金具5に固定するための複数(図では2つ)の孔26が形成されている。また、金属板21には、アンテナ4をL字金具5に固定するための複数(図では5つ)の孔27が形成されている。
【0021】
4つの孔25は、金属板20,21の境界に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔25の間隔はd1であり、内側の2つの孔25の間隔はd2である。2つの孔26は、4つの孔25と同じ方向に配列されている。2つの孔26の間隔はd3である。5つの孔27は、金属板20,21の境界に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔27の間隔はd1であり、内側の2つの孔27の間隔はd2であり、もう1つの孔27は両端の2つの孔27の中間に設けられている。
【0022】
図8(a)はL字金具5の構成を示す上面図であり、図8(b)はその正面図であり、図8(c)はその側面図であり、図9は図8(b)のIX−IX線断面図である。図8(a)〜(c)および図9において、L字金具5は、長方形の金属板を直角に折り曲げたものである。換言すると、グランド板15は、直角に設けられた2枚の金属板30,31を含む。金属板30,31の各々は、略正方形である。金属板30,31の境界には、L字金具5を補強するための複数(図では4つ)のガゼット32が形成されている。
【0023】
金属板30の中央部には、複数(図では4つ)の凹部33が形成されている。凹部33は、金属板30の一部をU字型に打ち抜いて舌状の金属片を形成し、その金属片を直角に折り曲げたものである。凹部33の底は、金属板30の表面に平行になっている。凹部33の底には、孔34が形成されている。4つの孔34は、長方形の4つの角にそれぞれ配置されており、それぞれ金属ケース3の4つのネジ孔13に対応している。4つのネジ孔13は、L字金具5を金属ケース3の正面または背面にネジ止めするために使用される。その際、凹部33の底が金属ケース3の正面または背面に当接され、金属板31は金属ケースの上面または下面に対向して配置される。これにより、金属板30と金属ケース3の正面または背面との間に所定の隙間が形成される。この隙間により、金属ケース3へのL字金具5の取り付け作業や、L字金具5へのアンテナ4の取り付け作業が容易になる。
【0024】
また、金属板30には、4辺に沿って、グランド板15を金属板30に種々の態様で固定するための複数の孔35〜37が形成されている。複数(図では4つ)の孔35は、金属板30,31の境界に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔35の間隔はd1であり、内側の2つの孔35の間隔はd2である。4つの孔35は、グランド板15の4つの孔25にそれぞれ対応するとともに、グランド板15の4つの孔27に対応している。
【0025】
複数(図では5つ)の孔36は、金属板30,31の境界と対向する辺に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔36の間隔はd1であり、内側の2つの孔36の間隔はd3であり、もう1つの孔36は両端の2つの孔36の中間に設けられている。両端の2つの孔36は、グランド板15の両端の2つの孔25にそれぞれ対応するとともに、グランド板15の両端の2つの孔27に対応している。内側の2つの孔36は、グランド板15の2つの孔26にそれぞれ対応している。中央の孔36は、グランド板15の5つの孔27のうちの中央の孔27に対応している。複数(図では2つ)の孔37は、両端の2組の孔35,36の中間に配置されている。各孔37は、グランド板15の5つの孔27のうちの中央の孔27に対応している。
【0026】
なお、金属板30の中央部には、金属板30にグランド板15の金属板20を固定するときに、接地棒18を固定するネジや給電点P2を逃がすための複数(図では3つ)の孔38も形成されている。
【0027】
また、金属板31には、4辺に沿って、グランド板15を金属板31に種々の態様で固定するための複数の孔40〜42が形成されている。複数(図では4つ)の孔40は、金属板30,31の境界に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔40の間隔はd1であり、内側の2つの孔40の間隔はd2である。4つの孔40は、グランド板15の4つの孔25にそれぞれ対応するとともに、グランド板15の4つの孔27に対応している。
【0028】
複数(図では4つ)の孔41は、金属板30,31の境界と対向する辺に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔41の間隔はd1であり、内側の2つの孔41の間隔はd3である。両端の2つの孔41は、グランド板15の両端の2つの孔25にそれぞれ対応するとともに、グランド板15の両端の2つの孔27に対応している。内側の2つの孔41は、グランド板15の2つの孔26にそれぞれ対応している。複数(図では2つ)の孔42は、両端の2組の孔40,41の中間に配置されている。各孔42は、グランド板15の5つの孔27のうちの中央の孔27に対応している。
【0029】
なお、金属板31の中央部には、金属板31にグランド板15の金属板20を固定するときに、接地棒18を固定するネジや給電点P2を逃がすための複数(図では3つ)の孔43も形成されている。
【0030】
図10(a)〜図13(c)は、金属ケース3にL字金具5を固定する4つの態様を示す図である。図10(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図10(a)〜(c)では、L字金具5の金属板31が金属ケース3の上面に対向して配置され、金属板30が金属ケース3の正面に固定される。図11(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図11(a)〜(c)では、L字金具5の金属板31が金属ケース3の上面に対向して配置され、金属板30が金属ケース3の背面に固定される。
【0031】
図12(a)〜(c)は、それぞれ正面図、上面図、および側面図である。図12(a)〜(c)では、L字金具5の金属板31が金属ケース3の下面に対向して配置され、金属板30が金属ケース3の正面に固定される。図13(a)〜(c)は、それぞれ正面図、上面図、および側面図である。図13(a)〜(c)では、L字金具5の金属板31が金属ケース3の下面に対向して配置され、金属板30が金属ケース3の背面に固定される。
【0032】
これらの場合、金属板30の4つの凹部33の底が金属ケース3の正面(または背面)に当接され、金属板30の4つの孔34が金属ケース3の正面(または背面)の4つのネジ孔13に位置決めされ、各孔34を介してそれに対応するネジ孔13にネジが螺合されて、金属板30が金属ケース3の正面(または背面)に固定される。このように、L字金具5は、4つの態様のうちの所望の態様で金属ケース3に取り付けることが可能となっている。
【0033】
図14(a)〜図18(c)は、図10(a)〜(c)で示したように、L字金具5の金属板31を金属ケース3の上面側に配置し、金属板30を金属ケース3の正面に固定した場合において、アンテナ4を金属板30に固定する5つの態様を示す図である。図14(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図14(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図14(b)中の正面に向けて、グランド板15の金属板20がL字金具5の金属板30に固定される。この場合、金属板30の4つの孔35および2つの孔36に金属板20の4つの孔25および2つの孔26がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板20,30が互いに固定される。
【0034】
図15(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図15(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図15(b)中の右側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板30の図15(b)中の左端部に固定される。この場合、金属板30の左端の3つの孔35〜37に金属板21の両端および中央の3つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,30が互いに固定される。
【0035】
図16(a)(b)は、それぞれ上面図および正面図である。図16(a)(b)では、アンテナ4のカバー16の上面を図16(b)中の左側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板30の図16(b)中の右端部に固定される。この場合、金属板30の右端の3つの孔35〜37に金属板21の両端および中央の3つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,30が互いに固定される。
【0036】
図17(a)(b)は、それぞれ正面図および側面図である。図17(a)(b)では、アンテナ4のカバー16の上面を図17(a)中の下側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板30の図17(a)中の上端部に固定される。この場合、金属板30の上端の4つの孔35に金属板21の4つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,30が互いに固定される。
【0037】
図18(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図18(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図18(b)中の上側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板30の図18(b)中の下端部に固定される。この場合、金属板30の下端の両端の2つの孔36に金属板21の両端の2つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,30が互いに固定される。このように、図10(a)〜(c)で示したようにL字金具5を金属ケース3に固定した場合、5つの態様のうちの所望の態様でアンテナ4を金属板30に取り付けることができる。
【0038】
図19(a)〜図23(c)は、図10(a)〜(c)で示したように、L字金具5の金属板31を金属ケース3の上面側に配置し、金属板30を金属ケース3の正面に固定した場合において、アンテナ4を金属板31に固定する5つの態様を示す図である。図19(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図19(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図19(b)中の上側に向けて、グランド板15の金属板20がL字金具5の金属板31に固定される。この場合、金属板31の4つの孔40および内側の2つの孔41に金属板20の4つの孔25および2つの孔26がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板20,31が互いに固定される。
【0039】
図20(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図20(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図20(b)中の右側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板31の図20(b)中の左端部に固定される。この場合、金属板31の左端の3つの孔40〜42に金属板21の両端および中央の3つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,31が互いに固定される。
【0040】
図21(a)(b)は、それぞれ上面図および正面図である。図21(a)(b)では、アンテナ4のカバー16の上面を図21(b)中の左側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板31の図中の右端部に固定される。この場合、金属板31の右端の3つの孔40〜42に金属板21の両端および中央の3つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,31が互いに固定される。
【0041】
図22(a)(b)は、それぞれ上面図および側面図である。図22(a)(b)では、アンテナ4のカバー16の上面を図22(b)中の右側(金属ケース3の背面と同じ側)に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板31の図22(b)中の左端部(金属ケース3の正面と同じ側)に固定される。この場合、金属板31の上端の4つの孔40に金属板21の4つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,31が互いに固定される。
【0042】
図23(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図23(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図23(b)中の正面に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板31の図23(a)中の下端部に固定される。この場合、金属板31の4つの孔40に金属板21の4つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,31が互いに固定される。このように、図10(a)〜(c)で示したようにL字金具5を金属ケース3に固定した場合、5つの態様のうちの所望の態様でアンテナ4を金属板31に取り付けることができる。
【0043】
同様に、図11(a)〜(c)、図12(a)〜(c)、および図13(a)〜(c)で示したようにL字金具5を金属ケース3に固定した場合、いずれの場合も、5つの態様のうちの所望の態様でアンテナ4を金属板30に取り付けることができ、5つの態様のうちの所望の態様でアンテナ4を金属板31に取り付けることができる。
【0044】
L字金具5およびアンテナ4を金属ケース3に取り付ける態様により、アンテナ4の指向性および偏波面が変わる。図24(a)は、図14(a)〜(c)で示したようにL字金具5およびアンテナ4を金属ケース3に取り付けた場合のアンテナ4の水平面指向性を示す図であり、図24(b)はその垂直面指向性を示す図である。図24(a)(b)から、電波は水平面ではアンテナ4の斜め前方(120度の方向)に強く放射され、垂直面では上下方向以外の方向に強く放射されることが分かる。
【0045】
図25(a)は、図19(a)〜(c)で示したようにL字金具5およびアンテナ4を金属ケース3に取り付けた場合のアンテナ4の水平面指向性を示す図であり、図25(b)はその垂直面指向性を示す図である。図25(a)(b)から、電波は水平面では全方向に強く放射され、垂直面では上下方向以外の方向に強く放射されることが分かる。
【0046】
図26(a)は、図22(a)(b)で示したようにL字金具5およびアンテナ4を金属ケース3に取り付けた場合のアンテナ4の水平面指向性を示す図であり、図26(b)はその垂直面指向性を示す図である。図26(a)(b)から、電波は水平面では前後方向(0度および180度方向)以外の方向に強く放射され、垂直面では斜め上方に強く放射されることが分かる。
【0047】
以上のように、この実施の形態では、アンテナ4をL字金具5によって金属ケース3に固定するので、送信機2とアンテナ4とを接続する同軸ケーブル6の長さを短くすることができる(たとえば数十cm)。したがって、同軸ケーブル6での損失を小さくするこたおができる。
【0048】
なお、金属ケース3とアンテナ4を別々に離して配置した場合、送信機2とアンテナ4とを接続する同軸ケーブル6が長くなる。たとえば金属ケース3をメッセンジャワイヤ8に吊り下げ、アンテナ4を電柱7の頂上に設置した場合、同軸ケーブル6の長さが数mあるいは10m程度となることがある。同軸ケーブル6が長いほど同軸ケーブル6での高周波電力の損失が大きくなるため、アンテナ4に供給される高周波電力が小さくなる。したがって、アンテナ4からの放射電力も弱くなる。
【0049】
本実施の形態のように比較的狭い範囲に送信装置1から電波を送信する場合には、送信機2から出力される高周波電力自体が小さいので、同軸ケーブル6の損失が大きくなるとアンテナ4の放射電力への影響も大きくなる。具体的にはアンテナ4の放射電力が小さくなると、アンテナ4からの電波の送信範囲が狭くなる。
【0050】
また、本実施の形態では、アンテナ4と送信機2とを別の場所に設置する必要がないため、アンテナ4および送信機2を含めた送信装置1の設置が容易になる。
【0051】
また、金属ケース3の正面、背面、上面、および下面のうちの所望の面に、複数の方向のうちの所望の方向に向けてアンテナ4を取り付けることができるので、送信場所に応じた所望の指向性や偏波面を得ることができる。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0053】
1 送信装置、2 送信機、3 金属ケース、4 アンテナ、5 L字金具、6 同軸ケーブル、7 電柱、8 メッセンジャワイヤ、10 固定部材、11 ネジ、12 固定ボルト、13 ネジ孔、15 グランド板、16 カバー、17 放射素子、18 接地棒、20,21,30,31 金属板、22,32 ガゼット、23〜27,34〜38,40〜43 孔、33 凹部、P1,P2 給電点。
【技術分野】
【0001】
この発明は送信装置に関し、特に、送信機と、送信機を収納した金属ケースと、送信用のアンテナとを備えた送信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地上デジタル放送の分野では、大型の基地局ではカバーできないような山間部の盆地などの不感帯をカバーしたり、イベント会場などで一時的にワンセグ放送を行なうための簡易な送信装置が求められている。従来の送信装置では、送信機とアンテナとが別々に離れて配置され、両者の間は同軸ケーブルのような給電線路で接続されていた(たとえば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−332816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の送信装置では、送信機とアンテナが別々に離れて配置されていたので、施工が煩わしく、給電線路での損失が大きいと言う問題があった。そこで、アンテナと送信機を一体に構成することが考えられるが、そのようなアンテナ一体型送信機では指向性や偏波面が固定され、不便である。
【0005】
それゆえに、この発明の主たる目的は、施工が簡単で、給電線路での損失が小さく、送信方向に応じて指向性および偏波面を変更することが可能な送信装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る送信装置は、送信機と、該送信機を収納した金属ケースと、送信用のアンテナと、該アンテナを金属ケースに固定するL字金具とを備えたものである。L字金具は、金属ケースの正面および背面のうちの所望の面に取り付け可能に形成された第1の金属板と、第1の金属板に直角に設けられ、第1の金属板が金属ケースの正面または背面に取り付けられた場合に、金属ケースの上面または下面に対向して配置される第2の金属板とを含む。アンテナは、第1および第2の金属板のうちの所望の金属板に、複数の方向のうちの所望の方向に向けて取り付け可能になっている。
【0007】
好ましくは、金属ケースの正面および背面の各々には複数のネジ孔が形成され、第1の金属板には、それぞれ複数のネジ孔に対応して設けられた複数の第1孔が形成されている。第1の金属板は、各第1孔を介してそれに対応するネジ孔にネジを螺合することにより、金属ケースの正面または背面に固定される。
【0008】
また好ましくは、第1の金属板には、それぞれ複数のネジ孔に対応して設けられ、各々が予め定められた深さを有する複数の凹部が形成される。各凹部は、第1の金属板の一部をU字状に打ち抜いて折り曲げることにより形成される。複数の第1孔は、それぞれ複数の凹部の底に形成される。第1の金属板は、複数の凹部の底を金属ケースの正面または背面に当てて、各第1孔を介してそれに対応するネジ孔にネジを螺合することにより、金属ケースの正面または背面に予め定められた隙間を開けて固定される。
【0009】
また好ましくは、第1および第2の金属板の各々には、複数の第2孔と複数組の複数の第3孔が形成される。アンテナは、直角に設けられた第3および第4の金属板を含むL字型のグランド板と、第3の金属板に垂直に設けられた放射素子とを含む。第3の金属板には、それぞれ複数の第2孔に対応する複数の第4孔が形成され、第4の金属板には、それぞれ複数の第3孔に対応する複数の第5孔が形成されている。第3の金属板を第1または第2の金属板に固定する場合は、複数の第4孔と複数の第2孔とを位置合わせし、各第4孔とそれに対応する第2孔とにボルトを挿入して各ボルトにナットを螺合する。第4の金属板を第1または第2の金属板に固定する場合は、複数の第5孔と複数組の複数の第3孔のうちの所望の組の複数の第3孔とを位置合わせし、各第5孔とそれに対応する第3孔とにボルトを挿入して各ボルトにナットを螺合する。
【発明の効果】
【0010】
この発明に係る送信装置では、送信機を収納した金属ケースにアンテナをL字金具で固定するので、送信機とアンテナが別々に設けられていた従来に比べ、簡単に施工することができ、給電線路における損失を小さくすることができる。また、金属ケースの正面、背面、上面、および下面のうちの所望の面に、複数の方向のうちの所望の方向に向けてアンテナを取り付けることができるので、送信場所に応じた所望の指向性や偏波面を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】この発明の一実施の形態による送信装置の構成および使用態様を示す模式的に示す図である。
【図2】図1に示した金属ケースの構成を示す斜視図である。
【図3】図1に示したアンテナの構成を示す斜視図である。
【図4】図3に示したアンテナのカバーの内部を示す図である。
【図5】図3に示したアンテナのカバーの内部を示す他の図である。
【図6】図3に示したアンテナの指向性を示す図である。
【図7】図3に示したアンテナのグランド板の構成を示す図である。
【図8】図1に示したL字金具の構成を示す図である。
【図9】図8(b)のIX−IX線断面図である。
【図10】図2で示した金属ケースにL字金具を取り付けた一態様を示す図である。
【図11】図2で示した金属ケースにL字金具を取り付けた他の態様を示す図である。
【図12】図2で示した金属ケースにL字金具を取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図13】図2で示した金属ケースにL字金具を取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図14】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けた一態様を示す図である。
【図15】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けた他の態様を示す図である。
【図16】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図17】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図18】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図19】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図20】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図21】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図22】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図23】図10で示したL字金具にアンテナを取り付けたさらに他の態様を示す図である。
【図24】図14で示したアンテナの指向性を示す図である。
【図25】図19で示したアンテナの指向性を示す図である。
【図26】図22で示したアンテナの指向性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本願の一実施の形態の送信装置1は、図1に示すように、電柱7に張り渡されたメッセンジャワイヤ8に吊り下げられる。送信装置1は、比較的狭い範囲(たとえば送信装置1から200m程度離れた地点までの範囲内)に電波を送信する目的で使用される。たとえば、ある範囲内に、広告等の各種の情報を電波によって送信するといった用途に送信装置1を用いることができる。また、たとえば送信装置1と受信装置とを組み合わせることにより、移動体通信の基地局として送信装置1を使用してもよい。ただし、上述の送信装置1の使用形態は一例であって、本発明に係る送信装置の用途を限定するものではない。
【0013】
送信装置1は、送信機2と、送信機2を収納する金属ケース3と、送信用のアンテナ4と、アンテナ4を金属ケース3に固定するL字金具5とを備える。送信機2は、給電線路である同軸ケーブル6を介して、アンテナ4に高周波電力を供給する。送信機2から高周波電力が供給されることによりアンテナ4は電波を放射する。
【0014】
金属ケース3は、たとえばアルミニウム製のダイカストケースであり、雨、雪などから送信機2を保護するとともに、送信機2で発生するノイズをシールドするために設けられている。図2に示すように、金属ケース3の上面の両端部の各々に、固定部材10がネジ11により取り付けられる。固定ボルト12により、固定部材10においてメッセンジャワイヤ8を挟む部分が締め付けられる。これにより金属ケース3がメッセンジャワイヤ8に吊り下げられた状態で設置される。
【0015】
金属ケース3の側面には、同軸ケーブル6用のコネクタが設けられている。また、金属ケース3の正面および背面の各々には、放熱用の多数のフィンと、L字金具5を取り付けるための複数(図では4つ)のネジ孔13が設けられている。4つのネジ孔13は、長方形の4つの角にそれぞれ配置されている。
【0016】
アンテナ4は、図3〜図5に示すように、L字型のグランド板15と、グランド板15の表面に設けられた帽子状のカバー16と、カバー16内に設けられたホーン状の放射素子17とを含む。カバー16は、プラスチックのような絶縁材料で形成されている。カバー16の縁は、グランド板15にネジ止めされている。
【0017】
放射素子17は、銅のような金属で形成され、開口部を上に向けてグランド板15に垂直に配置されている。放射素子17は、複数(たとえば2本)の接地棒18によってグランド板15の表面上に支持されている。放射素子17の下端に給電点P1が設けられ、給電点P1に対向するグランド板15の表面に給電点P2が設けられる。給電点P1は同軸ケーブル6の中心導体に接続され(図示せず)、給電点P2は同軸ケーブル6の外部導体に接続される(図示せず)。送信する電波の波長をλとすると、放射素子17の高さは約0.2λであり、その直径は約0.2λである。
【0018】
図6(a)はアンテナ4の水平面の指向性を示す図であり、図6(b)はアンテナ4の垂直面の指向性を示す図である。図6(a)(b)は、図3〜図5に示したように、アンテナ4と金属ケース3を別々に配置し、グランド板15を水平に配置し、放射素子17を垂直に配置した場合の指向性を示している。放射素子17の形状から分かるように、水平方向への指向性は無く、電波は水平方向の全方向に放射され、垂直方向にはほとんど放射されない。
【0019】
図7(a)はグランド板15の構成を示す正面図であり、図7(b)はその平面図であり、図7(c)はその側面図である。図7(a)〜(c)において、グランド板15は、長方形の金属板の一方端をカバー16と同心の半円形に加工し、他方端を直角に折り曲げたものである。換言すると、グランド板15は、直角に設けられた2枚の金属板20,21を含む。金属板20,21の境界には、グランド板15を補強するための複数(図では4つ)のガゼット22が形成されている。
【0020】
金属板20の中央部には、カバー16をネジ止めするための孔23や、接地棒18の下端をネジ止めするための孔24などが形成されている。また、金属板20の金属板21側の端部には、アンテナ4をL字金具5に固定するための複数(図では4つ)の孔25が形成され、その反対側の端部にはアンテナ4をL字金具5に固定するための複数(図では2つ)の孔26が形成されている。また、金属板21には、アンテナ4をL字金具5に固定するための複数(図では5つ)の孔27が形成されている。
【0021】
4つの孔25は、金属板20,21の境界に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔25の間隔はd1であり、内側の2つの孔25の間隔はd2である。2つの孔26は、4つの孔25と同じ方向に配列されている。2つの孔26の間隔はd3である。5つの孔27は、金属板20,21の境界に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔27の間隔はd1であり、内側の2つの孔27の間隔はd2であり、もう1つの孔27は両端の2つの孔27の中間に設けられている。
【0022】
図8(a)はL字金具5の構成を示す上面図であり、図8(b)はその正面図であり、図8(c)はその側面図であり、図9は図8(b)のIX−IX線断面図である。図8(a)〜(c)および図9において、L字金具5は、長方形の金属板を直角に折り曲げたものである。換言すると、グランド板15は、直角に設けられた2枚の金属板30,31を含む。金属板30,31の各々は、略正方形である。金属板30,31の境界には、L字金具5を補強するための複数(図では4つ)のガゼット32が形成されている。
【0023】
金属板30の中央部には、複数(図では4つ)の凹部33が形成されている。凹部33は、金属板30の一部をU字型に打ち抜いて舌状の金属片を形成し、その金属片を直角に折り曲げたものである。凹部33の底は、金属板30の表面に平行になっている。凹部33の底には、孔34が形成されている。4つの孔34は、長方形の4つの角にそれぞれ配置されており、それぞれ金属ケース3の4つのネジ孔13に対応している。4つのネジ孔13は、L字金具5を金属ケース3の正面または背面にネジ止めするために使用される。その際、凹部33の底が金属ケース3の正面または背面に当接され、金属板31は金属ケースの上面または下面に対向して配置される。これにより、金属板30と金属ケース3の正面または背面との間に所定の隙間が形成される。この隙間により、金属ケース3へのL字金具5の取り付け作業や、L字金具5へのアンテナ4の取り付け作業が容易になる。
【0024】
また、金属板30には、4辺に沿って、グランド板15を金属板30に種々の態様で固定するための複数の孔35〜37が形成されている。複数(図では4つ)の孔35は、金属板30,31の境界に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔35の間隔はd1であり、内側の2つの孔35の間隔はd2である。4つの孔35は、グランド板15の4つの孔25にそれぞれ対応するとともに、グランド板15の4つの孔27に対応している。
【0025】
複数(図では5つ)の孔36は、金属板30,31の境界と対向する辺に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔36の間隔はd1であり、内側の2つの孔36の間隔はd3であり、もう1つの孔36は両端の2つの孔36の中間に設けられている。両端の2つの孔36は、グランド板15の両端の2つの孔25にそれぞれ対応するとともに、グランド板15の両端の2つの孔27に対応している。内側の2つの孔36は、グランド板15の2つの孔26にそれぞれ対応している。中央の孔36は、グランド板15の5つの孔27のうちの中央の孔27に対応している。複数(図では2つ)の孔37は、両端の2組の孔35,36の中間に配置されている。各孔37は、グランド板15の5つの孔27のうちの中央の孔27に対応している。
【0026】
なお、金属板30の中央部には、金属板30にグランド板15の金属板20を固定するときに、接地棒18を固定するネジや給電点P2を逃がすための複数(図では3つ)の孔38も形成されている。
【0027】
また、金属板31には、4辺に沿って、グランド板15を金属板31に種々の態様で固定するための複数の孔40〜42が形成されている。複数(図では4つ)の孔40は、金属板30,31の境界に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔40の間隔はd1であり、内側の2つの孔40の間隔はd2である。4つの孔40は、グランド板15の4つの孔25にそれぞれ対応するとともに、グランド板15の4つの孔27に対応している。
【0028】
複数(図では4つ)の孔41は、金属板30,31の境界と対向する辺に沿って1列に配置されている。両端の2つの孔41の間隔はd1であり、内側の2つの孔41の間隔はd3である。両端の2つの孔41は、グランド板15の両端の2つの孔25にそれぞれ対応するとともに、グランド板15の両端の2つの孔27に対応している。内側の2つの孔41は、グランド板15の2つの孔26にそれぞれ対応している。複数(図では2つ)の孔42は、両端の2組の孔40,41の中間に配置されている。各孔42は、グランド板15の5つの孔27のうちの中央の孔27に対応している。
【0029】
なお、金属板31の中央部には、金属板31にグランド板15の金属板20を固定するときに、接地棒18を固定するネジや給電点P2を逃がすための複数(図では3つ)の孔43も形成されている。
【0030】
図10(a)〜図13(c)は、金属ケース3にL字金具5を固定する4つの態様を示す図である。図10(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図10(a)〜(c)では、L字金具5の金属板31が金属ケース3の上面に対向して配置され、金属板30が金属ケース3の正面に固定される。図11(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図11(a)〜(c)では、L字金具5の金属板31が金属ケース3の上面に対向して配置され、金属板30が金属ケース3の背面に固定される。
【0031】
図12(a)〜(c)は、それぞれ正面図、上面図、および側面図である。図12(a)〜(c)では、L字金具5の金属板31が金属ケース3の下面に対向して配置され、金属板30が金属ケース3の正面に固定される。図13(a)〜(c)は、それぞれ正面図、上面図、および側面図である。図13(a)〜(c)では、L字金具5の金属板31が金属ケース3の下面に対向して配置され、金属板30が金属ケース3の背面に固定される。
【0032】
これらの場合、金属板30の4つの凹部33の底が金属ケース3の正面(または背面)に当接され、金属板30の4つの孔34が金属ケース3の正面(または背面)の4つのネジ孔13に位置決めされ、各孔34を介してそれに対応するネジ孔13にネジが螺合されて、金属板30が金属ケース3の正面(または背面)に固定される。このように、L字金具5は、4つの態様のうちの所望の態様で金属ケース3に取り付けることが可能となっている。
【0033】
図14(a)〜図18(c)は、図10(a)〜(c)で示したように、L字金具5の金属板31を金属ケース3の上面側に配置し、金属板30を金属ケース3の正面に固定した場合において、アンテナ4を金属板30に固定する5つの態様を示す図である。図14(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図14(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図14(b)中の正面に向けて、グランド板15の金属板20がL字金具5の金属板30に固定される。この場合、金属板30の4つの孔35および2つの孔36に金属板20の4つの孔25および2つの孔26がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板20,30が互いに固定される。
【0034】
図15(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図15(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図15(b)中の右側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板30の図15(b)中の左端部に固定される。この場合、金属板30の左端の3つの孔35〜37に金属板21の両端および中央の3つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,30が互いに固定される。
【0035】
図16(a)(b)は、それぞれ上面図および正面図である。図16(a)(b)では、アンテナ4のカバー16の上面を図16(b)中の左側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板30の図16(b)中の右端部に固定される。この場合、金属板30の右端の3つの孔35〜37に金属板21の両端および中央の3つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,30が互いに固定される。
【0036】
図17(a)(b)は、それぞれ正面図および側面図である。図17(a)(b)では、アンテナ4のカバー16の上面を図17(a)中の下側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板30の図17(a)中の上端部に固定される。この場合、金属板30の上端の4つの孔35に金属板21の4つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,30が互いに固定される。
【0037】
図18(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図18(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図18(b)中の上側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板30の図18(b)中の下端部に固定される。この場合、金属板30の下端の両端の2つの孔36に金属板21の両端の2つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,30が互いに固定される。このように、図10(a)〜(c)で示したようにL字金具5を金属ケース3に固定した場合、5つの態様のうちの所望の態様でアンテナ4を金属板30に取り付けることができる。
【0038】
図19(a)〜図23(c)は、図10(a)〜(c)で示したように、L字金具5の金属板31を金属ケース3の上面側に配置し、金属板30を金属ケース3の正面に固定した場合において、アンテナ4を金属板31に固定する5つの態様を示す図である。図19(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図19(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図19(b)中の上側に向けて、グランド板15の金属板20がL字金具5の金属板31に固定される。この場合、金属板31の4つの孔40および内側の2つの孔41に金属板20の4つの孔25および2つの孔26がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板20,31が互いに固定される。
【0039】
図20(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図20(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図20(b)中の右側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板31の図20(b)中の左端部に固定される。この場合、金属板31の左端の3つの孔40〜42に金属板21の両端および中央の3つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,31が互いに固定される。
【0040】
図21(a)(b)は、それぞれ上面図および正面図である。図21(a)(b)では、アンテナ4のカバー16の上面を図21(b)中の左側に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板31の図中の右端部に固定される。この場合、金属板31の右端の3つの孔40〜42に金属板21の両端および中央の3つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,31が互いに固定される。
【0041】
図22(a)(b)は、それぞれ上面図および側面図である。図22(a)(b)では、アンテナ4のカバー16の上面を図22(b)中の右側(金属ケース3の背面と同じ側)に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板31の図22(b)中の左端部(金属ケース3の正面と同じ側)に固定される。この場合、金属板31の上端の4つの孔40に金属板21の4つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,31が互いに固定される。
【0042】
図23(a)〜(c)は、それぞれ上面図、正面図、および側面図である。図23(a)〜(c)では、アンテナ4のカバー16の上面を図23(b)中の正面に向けて、グランド板15の金属板21がL字金具5の金属板31の図23(a)中の下端部に固定される。この場合、金属板31の4つの孔40に金属板21の4つの孔27がそれぞれ位置決めされ、対応する各2つの孔にボルトが挿入され、そのボルトにナットが螺合されて、金属板21,31が互いに固定される。このように、図10(a)〜(c)で示したようにL字金具5を金属ケース3に固定した場合、5つの態様のうちの所望の態様でアンテナ4を金属板31に取り付けることができる。
【0043】
同様に、図11(a)〜(c)、図12(a)〜(c)、および図13(a)〜(c)で示したようにL字金具5を金属ケース3に固定した場合、いずれの場合も、5つの態様のうちの所望の態様でアンテナ4を金属板30に取り付けることができ、5つの態様のうちの所望の態様でアンテナ4を金属板31に取り付けることができる。
【0044】
L字金具5およびアンテナ4を金属ケース3に取り付ける態様により、アンテナ4の指向性および偏波面が変わる。図24(a)は、図14(a)〜(c)で示したようにL字金具5およびアンテナ4を金属ケース3に取り付けた場合のアンテナ4の水平面指向性を示す図であり、図24(b)はその垂直面指向性を示す図である。図24(a)(b)から、電波は水平面ではアンテナ4の斜め前方(120度の方向)に強く放射され、垂直面では上下方向以外の方向に強く放射されることが分かる。
【0045】
図25(a)は、図19(a)〜(c)で示したようにL字金具5およびアンテナ4を金属ケース3に取り付けた場合のアンテナ4の水平面指向性を示す図であり、図25(b)はその垂直面指向性を示す図である。図25(a)(b)から、電波は水平面では全方向に強く放射され、垂直面では上下方向以外の方向に強く放射されることが分かる。
【0046】
図26(a)は、図22(a)(b)で示したようにL字金具5およびアンテナ4を金属ケース3に取り付けた場合のアンテナ4の水平面指向性を示す図であり、図26(b)はその垂直面指向性を示す図である。図26(a)(b)から、電波は水平面では前後方向(0度および180度方向)以外の方向に強く放射され、垂直面では斜め上方に強く放射されることが分かる。
【0047】
以上のように、この実施の形態では、アンテナ4をL字金具5によって金属ケース3に固定するので、送信機2とアンテナ4とを接続する同軸ケーブル6の長さを短くすることができる(たとえば数十cm)。したがって、同軸ケーブル6での損失を小さくするこたおができる。
【0048】
なお、金属ケース3とアンテナ4を別々に離して配置した場合、送信機2とアンテナ4とを接続する同軸ケーブル6が長くなる。たとえば金属ケース3をメッセンジャワイヤ8に吊り下げ、アンテナ4を電柱7の頂上に設置した場合、同軸ケーブル6の長さが数mあるいは10m程度となることがある。同軸ケーブル6が長いほど同軸ケーブル6での高周波電力の損失が大きくなるため、アンテナ4に供給される高周波電力が小さくなる。したがって、アンテナ4からの放射電力も弱くなる。
【0049】
本実施の形態のように比較的狭い範囲に送信装置1から電波を送信する場合には、送信機2から出力される高周波電力自体が小さいので、同軸ケーブル6の損失が大きくなるとアンテナ4の放射電力への影響も大きくなる。具体的にはアンテナ4の放射電力が小さくなると、アンテナ4からの電波の送信範囲が狭くなる。
【0050】
また、本実施の形態では、アンテナ4と送信機2とを別の場所に設置する必要がないため、アンテナ4および送信機2を含めた送信装置1の設置が容易になる。
【0051】
また、金属ケース3の正面、背面、上面、および下面のうちの所望の面に、複数の方向のうちの所望の方向に向けてアンテナ4を取り付けることができるので、送信場所に応じた所望の指向性や偏波面を得ることができる。
【0052】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0053】
1 送信装置、2 送信機、3 金属ケース、4 アンテナ、5 L字金具、6 同軸ケーブル、7 電柱、8 メッセンジャワイヤ、10 固定部材、11 ネジ、12 固定ボルト、13 ネジ孔、15 グランド板、16 カバー、17 放射素子、18 接地棒、20,21,30,31 金属板、22,32 ガゼット、23〜27,34〜38,40〜43 孔、33 凹部、P1,P2 給電点。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信機と、該送信機を収納した金属ケースと、送信用のアンテナと、該アンテナを前記金属ケースに固定するL字金具とを備え、
前記L字金具は、
前記金属ケースの正面および背面のうちの所望の面に取り付け可能に形成された第1の金属板と、
前記第1の金属板に直角に設けられ、前記第1の金属板が前記金属ケースの正面または背面に取り付けられた場合に、前記金属ケースの上面または下面に対向して配置される第2の金属板とを含み、
前記アンテナは、前記第1および第2の金属板のうちの所望の金属板に、複数の方向のうちの所望の方向に向けて取り付け可能になっている、送信装置。
【請求項2】
前記金属ケースの正面および背面の各々には複数のネジ孔が形成され、
前記第1の金属板には、それぞれ前記複数のネジ孔に対応して設けられた複数の第1孔が形成され、
前記第1の金属板は、各第1孔を介してそれに対応するネジ孔にネジを螺合することにより、前記金属ケースの正面または背面に固定される、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記第1の金属板には、それぞれ前記複数のネジ孔に対応して設けられ、各々が予め定められた深さを有する複数の凹部が形成され、
各凹部は、前記第1の金属板の一部をU字状に打ち抜いて折り曲げることにより形成され、
前記複数の第1孔は、それぞれ前記複数の凹部の底に形成され、
前記第1の金属板は、前記複数の凹部の底を前記金属ケースの正面または背面に当てて、各第1孔を介してそれに対応するネジ孔にネジを螺合することにより、前記金属ケースの正面または背面に予め定められた隙間を開けて固定される、請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記第1および第2の金属板の各々には、複数の第2孔と複数組の複数の第3孔が形成され、
前記アンテナは、
直角に設けられた第3および第4の金属板を含むL字型のグランド板と、
前記第3の金属板に垂直に設けられた放射素子とを含み、
前記第3の金属板には、それぞれ前記複数の第2孔に対応する複数の第4孔が形成され、
前記第4の金属板には、それぞれ前記複数の第3孔に対応する複数の第5孔が形成され、
前記第3の金属板を前記第1または第2の金属板に固定する場合は、前記複数の第4孔と前記複数の第2孔とを位置合わせし、各第4孔とそれに対応する第2孔とにボルトを挿入して各ボルトにナットを螺合し、
前記第4の金属板を前記第1または第2の金属板に固定する場合は、前記複数の第5孔と前記複数組の前記複数の第3孔のうちの所望の組の前記複数の第3孔とを位置合わせし、各第5孔とそれに対応する第3孔とにボルトを挿入して各ボルトにナットを螺合する、請求項2または請求項3に記載の送信装置。
【請求項1】
送信機と、該送信機を収納した金属ケースと、送信用のアンテナと、該アンテナを前記金属ケースに固定するL字金具とを備え、
前記L字金具は、
前記金属ケースの正面および背面のうちの所望の面に取り付け可能に形成された第1の金属板と、
前記第1の金属板に直角に設けられ、前記第1の金属板が前記金属ケースの正面または背面に取り付けられた場合に、前記金属ケースの上面または下面に対向して配置される第2の金属板とを含み、
前記アンテナは、前記第1および第2の金属板のうちの所望の金属板に、複数の方向のうちの所望の方向に向けて取り付け可能になっている、送信装置。
【請求項2】
前記金属ケースの正面および背面の各々には複数のネジ孔が形成され、
前記第1の金属板には、それぞれ前記複数のネジ孔に対応して設けられた複数の第1孔が形成され、
前記第1の金属板は、各第1孔を介してそれに対応するネジ孔にネジを螺合することにより、前記金属ケースの正面または背面に固定される、請求項1に記載の送信装置。
【請求項3】
前記第1の金属板には、それぞれ前記複数のネジ孔に対応して設けられ、各々が予め定められた深さを有する複数の凹部が形成され、
各凹部は、前記第1の金属板の一部をU字状に打ち抜いて折り曲げることにより形成され、
前記複数の第1孔は、それぞれ前記複数の凹部の底に形成され、
前記第1の金属板は、前記複数の凹部の底を前記金属ケースの正面または背面に当てて、各第1孔を介してそれに対応するネジ孔にネジを螺合することにより、前記金属ケースの正面または背面に予め定められた隙間を開けて固定される、請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記第1および第2の金属板の各々には、複数の第2孔と複数組の複数の第3孔が形成され、
前記アンテナは、
直角に設けられた第3および第4の金属板を含むL字型のグランド板と、
前記第3の金属板に垂直に設けられた放射素子とを含み、
前記第3の金属板には、それぞれ前記複数の第2孔に対応する複数の第4孔が形成され、
前記第4の金属板には、それぞれ前記複数の第3孔に対応する複数の第5孔が形成され、
前記第3の金属板を前記第1または第2の金属板に固定する場合は、前記複数の第4孔と前記複数の第2孔とを位置合わせし、各第4孔とそれに対応する第2孔とにボルトを挿入して各ボルトにナットを螺合し、
前記第4の金属板を前記第1または第2の金属板に固定する場合は、前記複数の第5孔と前記複数組の前記複数の第3孔のうちの所望の組の前記複数の第3孔とを位置合わせし、各第5孔とそれに対応する第3孔とにボルトを挿入して各ボルトにナットを螺合する、請求項2または請求項3に記載の送信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2011−135296(P2011−135296A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−292625(P2009−292625)
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【出願人】(000109668)DXアンテナ株式会社 (394)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]