説明

送風式薬剤放散装置

【課題】装置本体を短い筒体形状にできると共に、薬剤保持体を任意の大きさにでき、継続して長時間使用できる送風式薬剤放散装置とする。
【解決手段】装置本体1の内部1aに、モータ4で回転されるファン5と薬剤保持体6を取付けると共に、その装置本体1に、内部1aを外部に開口する第1流通口2、第2流通口3を形成してファン5の回転によって空気が薬剤保持体6に触れて薬剤を揮散し、その薬剤を空気とともに大気に放散するようにし、前記装置本体1の外周に電源収容部7を設け、この電源収容部7に収容した電池8で前記モータ4を駆動するようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺虫剤、害虫忌避剤、芳香剤、消臭剤、除菌剤などの薬剤を大気に放散する送風式薬剤放散装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ファンの回転によって空気を薬剤に触れさせて薬剤を揮散し、その揮散した薬剤を空気とともに大気に放散するようにした送風式薬剤放散装置が種々提案されている。
例えば、特許文献1に開示されたように、筒体形状の装置本体内に、モータで駆動されるファン、薬剤、電池を取付け、その電池を電源としてファンを回転することで通気孔を通して装置本体内に空気が流入し、その空気が薬剤に触れて薬剤を揮散し、その揮散した薬剤を通気孔を通して大気に拡散する送風式薬剤放散装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】実開昭62−175879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した送風式薬剤放散装置は、装置本体が筒体形状の単純かつ簡単な形状であり、形状的にも頑丈である。
また、設計的にも筒体形状の装置本体内を区画してモータ、ファン、薬剤、電池を収容するスペースを区画すればよく、構成部材も少なく、成型も容易である、等の多くの利点を有している。
しかしながら、モータ、ファン、薬剤、電池が装置本体の長手方向に順次配設してあるので、装置本体はそれらの取付けのスペースを長手方向に必要とし、装置本体は長い筒体形状となってしまう。
また、装置本体の内径は電池の大きさで決まり、ファン、薬剤の大きさが電池の大きさで決まり、任意の大きさとすることができない。
また、装置本体の内径には限度があるから、収容できる電池の本数に限度があり、薬剤放散装置を継続して使用できる時間が短い。
【0005】
本発明の目的は、装置本体を短い筒体形状にできると共に、ファン、薬剤保持体の径方向の大きさを電池の大きさに関係なく任意の大きさにでき、しかも収容できる電池の本数が多く、継続して使用できる時間が長い送風式薬剤放散装置とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、筒体形状で第1流通口2と第2流通口3を有した装置本体1の内部1aに、モータ4で回転されるファン5と薬剤保持体6を、そのファン5の回転によって前記第1・第2流通口2,3に亘って空気が流通して薬剤保持体6から薬剤が揮散し、かつその揮散した薬剤が空気とともに大気に放散されるように取付け、
前記装置本体1の外周に電池収容部7を設け、この電池収容部7内に電池8を装置本体1の長手方向に向けて収容し、その電池8で前記モータ4を駆動するようにしたことを特徴とする送風式薬剤放散装置である。
【0007】
本発明においては、装置本体1と電池収容部7を別体とし、その電池収容部7を装置本体1の外周面1bに嵌合して取付ける送風式薬剤放散装置とすることができる。
【0008】
このようにすれば、装置本体1と電池収容部7を別々に製作し、電池収容部7を装置本体1に嵌合して組み立てできるので、その作業が容易である。
【0009】
本発明においては、装置本体1を小径部1fと大径部1gを有する筒体形状とし、その小径部1fにカバー体21を取付けて電池収容部7とした送風式薬剤放散装置とすることができる。
【0010】
このようにすれば、電池収容部7の装置本体1の外周面1bからの突出寸法を小さくできるし、装置本体1の外周面1bと電源収容部7の外周面を面一に連続して外観がスッキリと見栄え良くできる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、装置本体1の外周に電池8が設けられるので、その電池8の長さに関係なく装置本体1を短くできるから、装置本体1を短い筒体形状とすることができる。
また、装置本体1の内径は電池8の大きさに関係なく任意の大きさにできるので、ファン5、薬剤保持体6の径方向の大きさを電池の大きさに関係なく任意の大きさにできる。
また、装置本体1の内径を大きくせずに多数本の電池8を収容することが可能で、継続して長時間使用できる。
また、多数本の電池8を収容するようにしても装置全体が径方向に大きくならず、コンパクトにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の第1の実施の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
装置本体1は筒体形状で、その装置本体1は、内部1aを外部に開口する第1流通口2と第2流通口3を有している。
前記装置本体1の内部1aには、モータ4と、このモータ4で回転するファン5と、薬剤保持体6が設けてある。
そして、モータ4でファン5を回転することで第1流通口2と第3流通口3に亘って空気が流れ、その空気が薬剤保持体6に触れて薬剤(有効成分)を揮散し、その揮散した薬剤が空気と共に大気に放散される。
【0013】
前記装置本体1の外周に電池収容部7が設けてある。
この電池収容部7に電池8が収容され、その電池8を電源として前記モータ4が回転する。
【0014】
このようであるから、装置本体1の長さはモータ4、ファン5、薬剤保持体6を設けることができる長さであれば良く、電池8の長さに関係なく装置本体1を短くできるから、装置本体1を短い筒体形状とすることができる。
また、装置本体1の内径を電池8の大きさに関係なく決定できるので、ファン5、薬剤保持体6の径方向の大きさを電池8の大きさに関係なく任意の大きさにできる。
また、収容できる電池8の本数が多く、継続して使用できる時間を長くできる。
【0015】
次に、電池収容部7の詳細を説明する。
前記装置本体1の外周面1bに沿って周方向に等間隔で複数、例えば4つの電池収容部7が設けてある。
この各電池収容部7内に2本の電池8がそれぞれ収容され、その各電池8は装置本体1の長手方向に向いている。
【0016】
このように、装置本体1の外周面1bに沿って電池8を、その装置本体1の長手方向に向けて周方向に順次収容するようにしたので、多数本の電池8を収容でき、しかも装置全体が径方向に大きくなることがなくコンパクトにできる。
【0017】
また、装置本体1の外周に複数の電池収容部7が、周方向に等間隔で設けたことにより、装置全体の径方向の重量バランスが均一となる。
したがって、装置本体1を、その長手方向が上下方向に向かうように設置、つまり縦向きに設置したときに、装置全体が倒れることがなく、安定して縦向きに設置できる。
【0018】
この実施の形態では、装置本体1の外周面1bに嵌合して取付けられる筒体7aに、コ字状片7bを周方向に等間隔で複数、例えば4つ設け、この各コ字状片7bと筒体7aとで空間部7cをそれぞれ形成し、その各空間部7cの長手方向一端開口部を底壁7dで閉塞し、長手方向他端開口部に蓋7eを着脱自在に取付けて電池収容部7としてある。
【0019】
このようにすれば、装置本体1と電池収容部7を別々に製作し、装置本体1の外周面1bに嵌合して取付けることで組み立てできる。
【0020】
前記装置本体1は、外側筒体10と、この外側筒体10の内周面10aにおける長手方向一端寄りに嵌合して取付けたモータ取付用の内側筒体11を有している。
前記内側筒体11は底板12を備え、その底板12にモータ4が取付けてあると共に、空気流通口13が形成されている。
このようであるから、内側筒体11にモータ4を取付けた状態で、その内側筒体11を外側筒体10の内周面10aに長手方向一端開口部から嵌合して、底板12を内向突起10bに当接することでモータ4、ファン5を装置本体1に取付けできるから、そのモータ4、ファン5の取付け作業が容易である。
【0021】
前記内側筒体11の開口端には網14を有したリング体15が嵌合して取付けてあり、その内側筒体11内に人の指を入れることを防止し、誤ってファン5に人の指が触れることがないようにしてある。
【0022】
前記薬剤保持体6は、通気性を有する容器6a内に粒状の薬剤含浸体6bを多数充填したもので、その容器6aを装置本体1の内部1aにおける長手方向他端寄りに嵌合して取付けてある。
【0023】
この実施の形態においては、前記モータ4を交互に正逆回転駆動し、かつ正回転駆動する時間と逆回転駆動する時間を、それぞれ任意に設定するモータ駆動制御手段9を備えている。
そして、前記モータ4を正回転駆動してファン5を正転すると、図2に示す実線矢印で示すように、第1流通口2から第2流通口3に向けて空気が流れ、薬剤を空気とともに第2流通口3から放散する。
前記モータ4を逆回転駆動してファン5を逆転すると、点線矢印で示すように、第2流通口3から第1流通口2に向けて空気が流れ、薬剤を空気とともに第1流通口2から放散する。
つまり、モータ4は可逆モータを用いている。
【0024】
このようであるから、装置本体1を1つの被害場面に、第1流通口2が第1被害空間に向かうと共に、第2流通口3が第2被害空間に向かうように設け、モータ4の正回転駆動と逆回転駆動を交互に繰り返してファン5を正転、逆転を交互に繰り返すことによって、薬剤保持体6に空気が触れることで揮散した薬剤の全量を第1被害空間と第2被害空間に交互に放散できる。
【0025】
しかも、モータ駆動制御手段9によってモータ4の正回転駆動時間と逆回転駆動時間をそれぞれ任意に設定できるので、ファン5の正転時間、逆転時間を、第1・第2被害空間が必要とする薬剤の量に見合うように設定できる。
【0026】
したがって、1つの被害場面における2つの被害空間に、各被害空間が必要とする量の薬剤をそれぞれ放散することができるから、各被害空間を十分に薬剤処理できる。
【0027】
前記モータ駆動制御手段9は、モータ4を交互に正回転駆動、逆回転駆動するコントローラ9aと、正回転駆動時間を設定する第1設定器9bと、逆回転駆動時間を設定する第2設定器9cを備えている。
前記第1・第2設定器9b,9cは手で回転可能で、かつ回転することで駆動時間を設定してコントローラ9aに入力する。
コントローラ9aは、入力された正回転駆動時間だけモータ4に正回転通電し、その設定した時間が経過したら逆回転駆動時間だけモータ4に逆回転通電し、これを繰り返しする。
【0028】
なお、ファン5は一方向にのみ回転するようにしても良い。
【0029】
前述した実施の形態においては、ファン5と電池収容部7を装置本体1の長手方向中間部にそれぞれ設けてあるが、そのファン5は装置本体1の長手方向一端寄り部、他端寄り部のいずれかに設けることができるし、電池収容部7も装置本体1の長手方向一端寄り部、他端寄り部のいずれかに設けることができる。
要するに、ファン5、電池収容部7は装置本体1における長手方向任意の位置に設けることができるし、ファン5、電池収容部7を異なる位置に設けることもできる。
【0030】
前述した実施の形態では、電池収容部7を複数設けたが、装置本体1の外周面1bに沿ったリング形状の1つの電池収容部7を設けても良い。
この場合には、リング形状の電池収容部7に電池8を周方向に連続して収容したり、放射状位置に設けたり、1部分にのみ設けることができる。
【0031】
前述した実施の形態では、筒体7aに複数のコ字状片7bと底壁7dを設けて電池収容部7とし、その電池収容部7を装置本体1と別体としたが、電池収容部7を装置本体1の外周面1bに一体に設けることができる。
例えば、装置本体1の外周面1bに前述したコ字状片7bを一体的に設けて空間部7cとし、その空間部7cの一端開口部を底壁7dで閉塞すると共に、他端開口部に蓋7eを設けて電池収容部7とする。
【0032】
前述した実施の形態では、装置本体1の外周面1bと内周面を円形としたが、外周面1bを多角形状としても良い。
例えば、図5に示すように装置本体1の外周面1bを8角形状とする。
図5においては、外側筒体10と内側筒体11で装置本体1としてある。
また、装置本体1の外周面1bにプレート7fを一体的に設け、そのプレート7fの外周縁に筒7gを一体に設けて空間部7fを形成し、前述の電池収容部7としてある。
なお、装置本体1の内周面を多角形状としても良いがファン5の回転によって空気が流通するので、装置本体1の内周面は円形状が好ましい。
【0033】
前述の実施の形態では、装置本体1の長手方向両端部を開口して第1流通口2、第2流通口3としたが、その第1・第2流通口2,3は装置本体1の外周面1bに開口するように形成しても良い。
例えば、図6に示すように、装置本体1を一端開口部が端板1cで閉塞し、他端開口部が開口した筒体形状とし、その装置本体1の一端寄りに孔1dを形成して第1流通口2とする。
または、図7に示すように、端板1cに孔1eを形成して第1流通口2とする。
そして、図6、図7においては、装置本体1の他端開口部を第2流通口3とし、その第2流通口3に薬剤保持体6が嵌合してある。
【0034】
図6においては、空気流通孔16を有するプレート17にモータ4を取付け、そのプレート17を装置本体1内に挿入して固着することでモータ4を取付けている。
また、コ字状片7bを装置本体1の外周面1bに一体に設けて電池収容部7を装置本体1に一体に設けてある。
【0035】
図7においては、モータの取付け、電池収容部7は前述した図2に示すものと同様としてある。
また、薬剤保持体6は内側筒体11の内周面に嵌合して取付けてある。
【0036】
前述の各実施の形態では、装置本体1の外周面1bを長手方向全長に亘って凹凸のない平坦面で、電池収容部7の装置本体1の外周面1bからの突出寸法が大きくなるようにしてあるが、装置本体1の外周面1bを大径部と小径部を有する段付き形状とし、その小径部に電池収容部7を設けることで、その電池収容部7の装置本体1の外周面1bからの突出寸法を小さくすることができる。
【0037】
例えば、図8、図9に示すように、装置本体1を、長手方向中間の小径部1fと長手方向両端の大径部1gを有し、長手方向中間に環状の凹陥部20を備えた筒体形状とする。
前記装置本体1に、前記凹陥部20を閉塞するカバー体21を着脱自在に取付けて環状の空間部22を形成して電池収容部7とする。
【0038】
このようにすれば、装置本体1の大径部1gとカバー体21を同一径とすることで装置本体1の外周面1bと電池収容部7の外周面を面一として突出寸法をゼロにできる。
【0039】
この場合、カバー体21が筒形状であると装置本体1への取付け、取り外しが困難であるから、カバー体21を周方向に分割して取付ける。
例えば、図9に示すように装置本体1の小径部1fに取付片23を周方向に間隔を置いて設け、その周方向に隣接した取付片23間にカバー体21をそれぞれ取付ける。
なお、図8と図9に示す実施の形態においては、第2流通口3側に薬剤保持体6が取付けてあるが、前述の他の実施の形態と同様に薬剤保持体6を第1流通口2側に取付けることができる。
【0040】
前述の小径部1fは長手方向中間に限ることはなく、長手方向一端又は長手方向他端、長手方向両端に設けても良い。
例えば、図10と図11に示すように、装置本体1を長手方向一端側の大径部1gと長手方向他端側の小径部1fを有した段付きの筒体形状とする。
前記カバー体21を、筒21aの長手方向一端周縁にリング状の端面板21bを設けた形状とし、その端面板21bを装置本体1の小径部1fの外周面に接すると共に、筒21aの長手方向他端周縁を装置本体1の大径部1gに当接してカバー体21を装置本体1に取付けて空間部22を形成し、電池収容部7とする。
【0041】
前述の各実施の形態においては、装置本体1の大径部1gとカバー体21を同一径として電池収容部7の装置本体1の外周面1bからの突出寸法をゼロとしたが、カバー体21を装置本体1の大径部1gよりも大径として電池収容部7を装置本体1の外周面1bから突出するようにしても良い。
例えば、図12に示すように、カバー体21を、筒21aの長手方向両端縁にリング状の端面板21bをそれぞれ設けた形状とし、その一方の端面板21bが装置本体1の小径部1fと大径部1gを連続する段差部1hに当接するようにすることで、筒21aが大径部1gよりも突出するようにする。
【0042】
前述した図8〜図12に示す実施の形態では空間部22を環状として周方向に連続した空間部22としたが、周方向の一部分にのみ空間部22を単数又は複数有するものとしても良い。
例えば、図13に示すように、装置本体1の長手方向中間に凹部24を周方向に間隔を置いて形成し、各凹部24にカバー体21をそれぞれ取付けて空間部22を形成して電池収容部7とする。
【0043】
前記カバー体21は円弧片21cの長手方向両端に端面板21d、周方向両側に側面板21eを有する形状で、その円弧片21cが装置本体1の大径部1gよりも突出している。
これに限ることはなく、円弧片21cと装置本体1の大径部1gが面一に連続するようにしても良い。
【0044】
前述した図8〜図12に示す実施の形態では、装置本体1の小径部1fにファン5を設けたが、大径部1gにファン5を設けても良い。
【0045】
前述の各実施の形態では薬剤保持体6を、第1流通口2と第2流通口3のどちらか一方側にのみ取付けしたが、第1・第2流通口2,3側の両方に薬剤保持体6をそれぞれ取付けても良い。
例えば、図14に示すように、装置本体1を長手方向両端がそれぞれ開口した筒体形状とし、その一端開口を第1流通口2、他端開口を第2流通口3とする。
前記第1流通口2と第2流通口3に薬剤保持体6をそれぞれ取付ける。
この場合には、薬剤保持体6を、通気性を有すると共に、薬剤を含浸したシートをハニカム形状としたものが好ましい。
【0046】
前述の各実施の形態ではファン5を1つとしたが、装置本体1に2つのファン5を取付けるようにしても良い。
例えば、図15と図16に示すように、装置本体1の内部1aを仕切板30で一側内部1a−1と他側内部1a−2に区画する。
前記装置本体1に、一側内部1a−1を外部に開口する第1流通口2、第2流通口3と、他側内部1a−2を外部に開口する第1流通口2、第2流通口3をそれぞれ形成する。
そして、装置本体1の一側内部1a−1、他側内部1a−2にモータ4、ファン5、薬剤保持体6をそれぞれ取付ける。
【0047】
前記仕切板30は、装置本体1の長手方向と平行に対して斜めで、この仕切板30を境として装置本体1の径方向両側、例えば上と下に第1流通口2がそれぞれ形成され、この仕切板30は各第1流通口2を流れる空気のガイドの役目を果たす。
これによって、各ファン5が回転することで一方の第1流通口2と一側内部1a−1、他方の流通口2と他側内部1a−2に亘って空気がスムーズに流れる。
【0048】
前記電池収容部7は装置本体1の外周における第1流通口2の周方向両側にそれぞれ設けてあり、その第1流通口2を流通する空気の流れが電池収容部7で阻害されることがない。
【0049】
また、図示は省略するが装置本体1の長手方向一端開口部を第1流通口2、長手方向他端開口部を第3流通口3とし、この装置本体1の内部1aに2つのモータ4と2つのファン5を設けても良い。
この場合、2つのファン5の向きを長手方向に同一、又は反対とすることができるし、2つのファン5による空気の流れ方向を長手方向に同一、又は反対とすることができる。
【0050】
また、図17に示すように装置本体1の小径部1fには小径のファン5を設け、大径部1gには大径のファン5を設けて小径のファン5を回転した時の送風量が大径のファン5を回転した時の送風量よりも少なくしても良い。
このようにすれば、小径のファン5のみを回転したとき、大径のファン5のみを回転したとき、小径のファン5と大径のファン5を回転したときで送風量が異なるから、薬剤の単位時間当たりの揮散量、拡散範囲を調整することが可能である。
この場合には、第1流通口2、第2流通口3のどちらか一方、又は両方に薬剤保持体6を取付けできる。
【0051】
前述の各実施の形態では装置本体1が一直線状であるが、鉤形状、L字形状、円弧形状などとすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す薬剤放散装置の正面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の左側面図である。
【図4】図1の右側面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す装置本体と電池収容部部分の断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す薬剤放散装置の断面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す薬剤放散装置の断面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態を示す薬剤放散装置の断面図である。
【図9】図8のB−B断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態を示す薬剤放散装置の断面図である。
【図11】図10のC−C断面図である。
【図12】本発明の第7の実施の形態を示す薬剤放散装置の断面図である。
【図13】本発明の第8の実施の形態を示す装置本体と電池収容部部分の断面図である。
【図14】本発明の第9の実施の形態を示す薬剤放散装置の断面図である。
【図15】本発明の第10の実施の形態を示す薬剤放散装置の側面図である。
【図16】図15のD−D断面図である。
【図17】本発明の第11の実施の形態を示す薬剤放散装置の断面図である。
【符号の説明】
【0053】
1…装置本体、1a…内部、1a−1…一側内部、1a−2…他側内部、1b…外周面、2…第1流通口、3…第2流通口、4…モータ、5…ファン、6…薬剤保持体、7…電池収容部、8…電池、10…外側筒体、11…内側筒体、12…底板、13…空気流通孔、16…空気流通孔、17…プレート、20…凹陥部、21…カバー体、22…空間部、30…仕切板。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体形状で第1流通口2と第2流通口3を有した装置本体1の内部1aに、モータ4で回転されるファン5と薬剤保持体6を、そのファン5の回転によって前記第1・第2流通口2,3に亘って空気が流通して薬剤保持体6から薬剤が揮散し、かつその揮散した薬剤が空気とともに大気に放散されるように取付け、
前記装置本体1の外周に電池収容部7を設け、この電池収容部7内に電池8を装置本体1の長手方向に向けて収容し、その電池8で前記モータ4を駆動するようにしたことを特徴とする送風式薬剤放散装置。
【請求項2】
装置本体1と電池収容部7を別体とし、その電池収容部7を装置本体1の外周面1bに嵌合して取付けるようにした請求項1記載の送風式薬剤放散装置。
【請求項3】
装置本体1を小径部1fと大径部1gを有する筒体形状とし、その小径部1fにカバー体21を取付けて電池収容部7とした請求項1記載の送風式薬剤放散装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2010−51179(P2010−51179A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−216503(P2008−216503)
【出願日】平成20年8月26日(2008.8.26)
【出願人】(000112853)フマキラー株式会社 (155)
【Fターム(参考)】