説明

逆走している運転者から身を守るための警報システム

本発明は、特に高速道路上およびスピードウェイ上において、逆走している車両(11)から身を守るための警報システム(04)に関する。上記システムによれば、警報信号を発して、指示された方向と反対方向に走行している車両について、他の複数の運転者に警報を与える。上記警報信号は、視覚的警報信号(09、10)および/または音響警報信号である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にフリーウェイおよび高速道路上で逆走している運転者から身を守るための警報システムであって、警報信号を用いて、定められた走行方向に反して走行している車両についての警報が行われるところの警報システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ここ数年の間で、交通量の増加に起因して、フリーウェイおよび高速道路上において、自分自身の生命だけでなく他人の生命も危険にさらす、逆走する運転者の数が、著しく増加している。
【0003】
道路交通における方向指示を行ない、そして/または、合流車線または最高制限速度を表示するために、交差点および/またはフリーウェイのオーバーパスに表示要素を取り付けることは公知である。一般に、これらの表示要素は、遠い距離から接近してくる車両の運転者であっても、瞬時に確認できるように、道路の上に位置している。
【0004】
しかし、従来技術から知られている表示要素は、最高制限速度および/または合流車線に関する情報は得るという利点を有するものの、フリーウェイ上で起こり得る逆走運転者について通知する手段は何ら提供されない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明の目的は、逆走している運転者から身を守るための警報システムを提案することにあり、このシステムは、信号の検知、解析および中継によって安全かつ効果的な保護を確実にするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の教示された警報システムによって実現される。
【0007】
本発明の有益な実施形態は、引用請求項に特定された特徴に基づくものである。
【0008】
本発明は、逆走している運転者から身を守るための警報システムを提供するという基本的な技術思想に基づくものであり、警報信号を用いて、定められた走行方向に反して走行する車両についての警報が発せられるが、この警報信号は視覚的警報信号および/または音響警報信号であることを特徴とする。
【0009】
従って、提案に係る警報システムは、視覚的警報信号に加えて音響警報信号をも提供することができるという利点を有する。これは、視覚的にのみ提供された警報通知が見落とされる虞がある豪雨または霧などの悪天候条件においては、特に大きな利点がある。他方では、音響でのみ出された警報信号は、数人の人々による会話や、大音量の音楽など、乗用車内に大きな内部雑音がある場合には、聞き取りが困難であるという不都合が生ずる。従って、本発明の特別な実施形態では、視覚的警報信号に加えて音響警報信号が同時に発せられる。
【0010】
簡単で効果的な警報効果を実現するために、視覚的警報信号を、警告灯、特に、点滅光および/または交通信号として提供してもよい。そのような視覚的警報信号を使用することにより、警報システムを非常にコスト効率良く構成することができるという利点がもたらされる。
【0011】
本発明の他の実施形態では、視覚的警報信号を、様々な信号パターンおよび/または文字を表示可能な信号盤として提供してもよい。このような信号盤によれば、「警報−逆走車あり」などの非常に詳細な情報を接近している車両の運転者に伝えることができるという利益がもたらされる。
【0012】
音響警報信号が全ての道路交通利用者によって感知されることを確保するために、サイレンおよび/またはホーンを使用して音響警報信号を提供することが考えられる。このような音響警報信号を使用すれば、例えば、音楽が大音量であっても、車両の乗員が音響警報信号に気付く可能性があるという利点がもたらされる。
【0013】
本発明のさらに有益な実施形態では、音響警報信号は、「警報−逆走車あり」など、拡声器によって伝えられる音声信号である。このような音響の警報通知を行なえば、切迫した危険な状態を、簡単な手段で、非常に効果的に通知することができる。
【0014】
更に、視覚的信号および/または音響信号を制御するために、警報システムに制御ユニットが設けられていてもよい。この制御ユニットを使用して、視覚的警報信号および/または音響警報信号を格納し、そして/または、これを様々な間隔で再生することが可能である。その上、このような制御ユニットは、本発明による警報システムが現時点における交通状況にいつでも適合可能であるという利点を有する。
【0015】
特に、警報システムを、費用に匹敵する効果が得られるように動作させるために、この警報システムを、電気的に、即ち、太陽電池によって動作してもよい。特に、太陽電池を使用することにより、本発明による警報システムの運転コストを著しく低減することが可能である。
【0016】
警報システムに、できるだけ広範囲の使用領域を提供するために、この警報システムは、橋梁、オーバーパス、支柱および/またはフリーウェイ標識などの支持要素上に設置可能である。これにより、警報システムのために、余分な、あるいは更なる保持装置または支持要素を設ける要が全くないという利点がもたらされる。
【0017】
本発明の特に有益な実施形態では、逆走している運転者を検知し、そして/または認識するためのセンサを、警報システム内および/または警報システム上に設けてもよい。このようなセンサによれば、逆走している運転者についての警報を、特に迅速で効果的に行なうことができるという利点をもたらす。従って、簡単な手段で、逆走している運転者から身を守るための非常に安全で効果的な警報システムを確保することができる。
【0018】
本発明の一実施形態を、図に示すと共に、例示の目的で、以下に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、フリーウェイ区間を示す概略平面図であり、フリーウェイ区間は、2つの道路01および02を有している。支持要素03が、道路01および02上に位置している。警報システム04は、支持要素03の両側に位置しており、個別の警報システム04が、各レーン05、06、07および08の各走行方向に割り当てられている。
【0020】
警報システム04は、特に、2つの視覚的警報信号09および10を有しており、これらは何れも、遠く離れた車両の運転者であっても、これらを認識できるように、警報システム04に取り付けられている。
【0021】
ここで、レーン06上で逆走している運転者11によって示されるように、フリーウェイ上で逆走している運転者がいると、レーン05および06のために、両方の走行方向で警報システム04が作動し、フリーウェイ上で逆走している運転者11が存在している旨の信号を、他の交通利用者に提供する。このようにして、他の交通利用者12および13には、適切な時期に、警報が与えられ、道路06上で逆走している運転者11の接近を回避することができる。視覚的警報信号09および10に加えて、音響警報信号を使用してもよい。
【0022】
従って、このような警報システム04を使用すれば、他の交通利用者12および13が、逆走している運転者11についての警報を与えられるだけでなく、むしろ逆走している運転者11も、間違った道路にいるという視覚的通知および音響の通知を得るという利益がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明による警報システムの作用原理を示す概略平面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にフリーウェイおよび高速道路上で、逆走している運転者(11)から身を守るための警報システム(04)であり、定められた走行方向に反して走行している車両についての警報が、警報信号を用いて行われるところの警報システムにおいて、
前記警報信号が、視覚的警報信号(09、10)および/または音響警報信号であることを特徴とする警報システム。
【請求項2】
前記視覚的警報信号(09、10)が、警告灯、特に点滅光および/または交通信号として提供されることを特徴とする、請求項1に記載の警報システム。
【請求項3】
前記視覚的警報信号が、複数の信号パターンおよび/または文字を表示可能な信号盤として提供されることを特徴とする、請求項1または2に記載の警報システム。
【請求項4】
前記音響警報信号が、サイレンおよび/またはホーン等を使用して出力されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1つに記載の警報システム。
【請求項5】
前記音響警報信号が、拡声器によって伝えられる音声信号であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1つに記載の警報システム。
【請求項6】
前記警報システム(01)に、前記視覚的信号および/または音響信号を制御するための制御ユニットが設けられていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1つに記載の警報システム。
【請求項7】
前記警報システム(04)が、電気的にそして/または太陽電池によって動作可能であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1つに記載の警報システム。
【請求項8】
前記警報システム(04)が、橋梁、オーバーパス、支柱および/またはフリーウェイ標識などの支持要素(03)上に搭載可能であることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1つに記載の警報システム。
【請求項9】
前記警報システム(04)内および/または前記警報システム(04)上に、逆走している運転者を検知し、そして/または認識するためのセンサが設けられていることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1つに記載の警報システム。

【図1】
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【公表番号】特表2008−529178(P2008−529178A)
【公表日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−553447(P2007−553447)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【国際出願番号】PCT/DE2005/002206
【国際公開番号】WO2006/081785
【国際公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【出願人】(507263612)
【Fターム(参考)】