説明

透明シート付タッチパネルセンサ

【課題】タッチパネルセンサの一側および他側の透明導電体各々からの信号を容易に取り出すことができる透明シート付タッチパネルセンサを提供する。
【解決手段】タッチパネルセンサ30は、その一側の非アクティブエリアAa2内に配置されるとともに一側の透明導電体40に導通する第1取出端子部44と、その他側の非アクティブエリアAa2内に配置されるとともに他側の透明導電体45に導通する第2取出端子部49と、を有している。このタッチパネルセンサ30の一側には、保護カバー12が配置されている。この保護カバー12は、その一端12bがタッチパネルセンサ30の一側の第1取出端子部44に対向するよう配置されるとともに、その他端12cが異方性導電層24を介して第1取出端子部44に接続された接続端子部12aを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルセンサと、タッチパネルセンサに取り付けられた透明シートと、を備えた透明シート付タッチパネルセンサに関する。
【背景技術】
【0002】
今日、入力手段として、タッチパネル装置が広く用いられている。タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ、タッチパネルセンサからの信号を処理する検出制御部などを含んでいる。タッチパネル装置は、多くの場合、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の表示装置が組み込まれた種々の装置等(例えば、券売機、ATM装置、携帯電話、ゲーム機)に対する入力手段として、表示装置とともに用いられている。このような装置においては、タッチパネルセンサが表示装置の表示面上に配置されており、これによって、表示装置に対する極めて直接的な入力が可能になっている。タッチパネルセンサのうち表示装置の表示領域に対応する領域は透明になっており、タッチパネルセンサのこの透明な領域が、接触位置(接近位置)を検出し得るアクティブエリアを構成している。
【0003】
タッチパネル装置は、タッチパネルセンサ上への接触位置(接近位置)を検出する原理に基づいて、種々の形式に区別される。昨今では、光学的に明るいこと、意匠性があること、構造が容易であること、機能的にも優れていること等の理由から、容量結合方式のタッチパネル装置が注目されている。容量結合方式のタッチパネル装置においては、位置を検知されるべき外部導体(典型的には、指)が誘電体を介してタッチパネルセンサに接触(接近)する際、新たに奇生容量が発生する。この奇生容量に起因する静電容量の変化に基づいて、タッチパネルセンサ上における対象物の位置が検出される。容量結合方式には表面型と投影型とがあるが、マルチタッチの認識(多点認識)への対応に適していることから、投影型が注目を浴びている(例えば、特許文献1)。
【0004】
投影型容量結合方式のタッチパネルセンサは、誘電体と、誘電体の両面上であって、上述のアクティブエリア内に形成されたセンサ電極と、誘電体の両面上であって、アクティブエリアの外側の非アクティブエリア(いわゆる額縁領域)に形成された取出配線と、を有している。誘電体の両面上に形成された取出配線は、導電性パターンが形成されたフレキシブル基板などの信号伝達手段に接続されており、この信号伝達手段を介して、センサ電極からの信号が上述の検出制御部に伝達される。
【0005】
例えば特許文献2には、誘電体の一側の取出配線に接続された一側のフレキシブル基板と、誘電体の他側の取出配線に接続された他側のフレキシブル基板と、を備えた座標入力装置が記載されている。特許文献2に記載の座標入力装置においては、誘電体の一側のセンサ電極からの信号と、誘電体の他側のセンサ電極からの信号と、が各フレキシブル基板を介して検出制御部に伝達されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平9−292950号公報
【特許文献2】特開平9−54650号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献2に記載の座標入力装置において、2つのフレキシブル基板は、それぞれ外方に膨らまされて検出制御部まで導かれる。このため、フレキシブル基板の取り回しに場所がとられてしまい、このことにより、座標入力装置全体の外形寸法が大きくなってしまうことが考えられる。
【0008】
本発明は、このような課題を効果的に解決し得る透明シート付タッチパネルセンサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、両面に所定パターンで透明導電体が設けられ、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアと、前記アクティブエリアの周縁に位置する非アクティブエリアと、を含むタッチパネルセンサと、前記タッチパネルセンサの一側に配置された透明シートと、を備え、前記タッチパネルセンサは、その一側の前記非アクティブエリア内に配置されるとともに一側の透明導電体に導通する第1取出端子部と、その他側の前記非アクティブエリア内に配置されるとともに他側の透明導電体に導通する第2取出端子部と、を有し、前記透明シートは、前記タッチパネルセンサの一側の前記第1取出端子部に対向するよう配置されるとともに、導電部材を介して前記第1取出端子部に接続された接続端子部を有することを特徴とする透明シート付タッチパネルセンサである。
【0010】
本発明による透明シート付タッチパネルセンサにおいて、前記透明シートは、接着層を介して前記タッチパネルセンサの一側に接着されていてもよい。
【0011】
本発明による透明シート付タッチパネルセンサは、一側信号用端子部と他側信号用端子部とがその一側に形成されたフレキシブル基板をさらに備えていてもよい。ここで、前記透明シートの前記接続端子部は、その一端が導電部材を介して前記タッチパネルセンサの一側の前記第1取出端子部に接続されている。この場合、前記フレキシブル基板の前記一側信号用端子部は、前記透明シートの前記接続端子部の他端に接続され、前記フレキシブル基板の前記他側信号用端子部は、前記タッチパネルセンサの他側の第2取出端子部に接続される。
【0012】
本発明による透明シート付タッチパネルセンサにおいて、好ましくは、前記フレキシブル基板を90°以上にわたって折り曲げること無く、前記一側信号用端子部が前記透明シートの前記接続端子部の他端に接続され、かつ、前記他側信号用端子部が前記タッチパネルセンサの他側の第2取出端子部に接続される。
【0013】
本発明による透明シート付タッチパネルセンサにおいて、前記導電部材は、導電性粒子と絶縁性のバインダとを含む異方性導電層からなっていてもよい。
【0014】
本発明による透明シート付タッチパネルセンサにおいて、前記透明シートは、前記タッチパネルセンサを保護する保護カバーからなっていてもよい。
【0015】
本発明による透明シート付タッチパネルセンサにおいて、前記保護カバーは、その厚みが0.02〜0.4mmの範囲内となっているとともに、ポリエチレンテレフタレートから構成されていてもよい。若しくは、前記保護カバーは、その厚みが0.1〜1.5mmの範囲内となっているとともに、ガラス板から構成されていてもよい。
【0016】
本発明による透明シート付タッチパネルセンサにおいて、前記透明シートは、光を波長に応じて選択的に透過させるカラーフィルタのカラーフィルタ用基材からなっていてもよい。
【0017】
本発明は、両面に所定パターンで透明導電体が設けられ、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアと、前記アクティブエリアの周縁に位置する非アクティブエリアと、を含むタッチパネルセンサと、接着層を介して前記タッチパネルセンサの一側に接着された透明シートと、を備え、前記透明シートは、前記タッチパネルセンサを保護する保護カバーからなり、前記保護カバーは、その厚みが0.02〜0.4mmの範囲内となっているとともに、ポリエチレンテレフタレートから構成されていることを特徴とする透明シート付タッチパネルセンサである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の透明シート付タッチパネルセンサは、両面に所定パターンで透明導電体が設けられたタッチパネルセンサと、タッチパネルセンサの一側に配置された透明シートと、を備えている。このうちタッチパネルセンサは、その一側の非アクティブエリア内に配置されるとともに一側の透明導電体に導通する第1取出端子部と、その他側の非アクティブエリア内に配置されるとともに他側の透明導電体に導通する第2取出端子部と、を有している。また、透明シートは、タッチパネルセンサの一側の第1取出端子部に対向するよう配置されるとともに、導電部材を介して第1取出端子部に接続された接続端子部を有している。このため、透明シートの接続端子部を介して、タッチパネルセンサの一側の透明導電体からの信号を取り出すことができる。この場合、透明シートの接続端子部は、タッチパネルセンサの一側の第1取出端子部に対向するよう設けられており、また、タッチパネルセンサの他側の第2取出端子部は、タッチパネルセンサの一側の第1取出端子部の反対側に設けられている。すなわち、透明シートの接続端子部、およびタッチパネルセンサの他側の第2取出端子部は、どちらも同一の側を向いている。このため、タッチパネルセンサの一側および他側の透明導電体各々からの信号を容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態における入出力装置を示す展開図。
【図2】図2は、図1の入出力装置を示す断面図。
【図3】図3は、図1の入出力装置のタッチパネル装置におけるタッチパネルセンサを示す平面図。
【図4】図4は、フレキシブル基板が取り付けられたタッチパネルセンサを示す平面図。
【図5】図5は、タッチパネルセンサの取出端子部からの信号がフレキシブル基板によって取り出される様子を示す側面図。
【図6】図6(a)(b)(c)(d)は、透明シート付タッチパネルセンサの製造方法を示す図。
【図7】図7(a)(b)は、本発明の第1の実施の形態の変形例における入出力装置を示す側面図。
【図8】図8は、比較の形態において、フレキシブル基板が取り付けられたタッチパネルセンサを示す平面図。
【図9】図9は、比較の形態において、タッチパネルセンサの取出端子部がフレキシブル基板に接続される様子を示す側面図。
【図10】図10は、その他の比較の形態において、タッチパネルセンサの取出端子部がフレキシブル基板に接続される様子を示す側面図。
【図11】図11は、本発明の第1の実施の形態の変形例において、フレキシブル基板が取り付けられたタッチパネルセンサを示す平面図。
【図12】図12は、本発明の第1の実施の形態の変形例において、タッチパネルセンサの取出端子部からの信号がフレキシブル基板によって取り出される様子を示す側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0021】
なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0022】
また本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板等とも呼ばれ得るような部材や部分も含む概念である。
【0023】
タッチパネル装置
はじめに図1および図2を参照して、タッチパネルセンサ30を備えたタッチパネル装置20全体について説明する。図1および図2に示されたタッチパネル装置20は、投影型の静電容量結合方式として構成され、タッチパネル装置20への外部導体(例えば、人間の指)の接触位置を検出可能に構成されている。なお、静電容量結合方式のタッチパネル装置20の検出感度が優れている場合には、外部導体がタッチパネル装置に接近しただけで当該外部導体がタッチパネル装置のどの領域に接近しているかを検出することができる。従って、ここで用いる「接触位置」とは、実際には接触していないが位置を検出され得る接近位置を含む概念とする。
【0024】
図1および図2に示すように、タッチパネル装置20は、表示装置(例えば液晶表示装置)15とともに組み合わせられて用いられることにより、入出力装置10を構成する。図示された表示装置15は、フラットパネルディスプレイとして構成されている。表示装置15は、表示面16aを有した表示パネル16と、表示パネル16に接続された表示制御部(図示せず)と、を有している。表示パネル16は、映像を表示することができる表示領域A1と、表示領域A1を取り囲むようにして表示領域A1の外側に配置された非表示領域(額縁領域とも呼ばれる)A2と、を含んでいる。表示制御部は、表示されるべき映像に関する情報を処理し、映像情報に基づいて表示パネル16を駆動する。表示パネル16は、表示制御部の制御信号に基づいて、所定の映像を表示面16aに表示する。すなわち、表示装置15は、文字や図等の情報を映像として出力する出力装置としての役割を担っている。
【0025】
図1に示すように、タッチパネル装置20は、表示装置15の表示面16a上に配置されたタッチパネルセンサ30を有している。このタッチパネルセンサ30は、図2に示すように、表示装置15の表示面16a上に第2接着層19を介して接着されている。上述したように、タッチパネル装置20は、投影型容量結合方式のタッチパネル装置として構成されており、情報を入力する入力装置としての役割を担っている。また図1に示すように、タッチパネルセンサ30にはフレキシブル基板21の一端21aが接続されている。このフレキシブル基板21の他端21bは、タッチパネルセンサ30からの信号を処理する検出制御部(図示せず)に接続されている。すなわち、タッチパネルセンサ30からの信号が、フレキシブル基板21を介して検出制御部に伝達される。
【0026】
また、図2に示すように、タッチパネル装置20は、タッチパネルセンサ30の観察者側、すなわち、表示装置15とは反対の側に、誘電体として機能する透光性を有した保護カバー12をさらに有している。保護カバー12は、タッチパネルセンサ30の観察者側(一側)に第1接着層14を介して接着されている。この保護カバー12は、タッチパネル装置20への入力面(タッチ面、接触面)として機能するようになる。つまり、保護カバー12に導体、例えば人間の指5を接触させることにより、タッチパネル装置20に対して外部から情報を入力することができるようになっている。
【0027】
この保護カバー12は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)などの柔軟性を有する材料から構成されており、また保護カバー12の厚みは、例えば0.02〜0.4mmの範囲内となっている。このような柔軟性を有する保護カバー12をタッチパネルセンサ30に第1接着層14を介して取り付けることにより、組立や取り扱いの容易さを確保しながら、タッチパネルセンサ30を外部から保護することが可能となる。
【0028】
なお、上述した接着層14,19としては、種々の接着性を有した材料からなる層を用いることができる。また、本明細書において、「接着(層)」は粘着(層)をも含む概念として用いられる。
【0029】
上述の検出制御部には、タッチパネルセンサ30の後述するセンサ電極からの信号が伝達されており、この検出制御部により、保護カバー12を介して入力された情報が処理される。具体的には、検出制御部は、保護カバー12へ導体(典型的には、人間の指)5が接触している際に、保護カバー12への導体5の接触位置を特定し得るように構成された回路(検出回路)を含んでいる。また、検出制御部が、表示装置15の表示制御部と連動していてもよい。この場合、検出制御部は、処理した入力情報を表示制御部へ送信することができる。この際、表示制御部は、入力情報に基づいた映像情報を作成し、入力情報に対応した映像を表示パネル16に表示させることができる。これら検出制御部および表示制御部の具体的な構成や配置などが特に限られることはない。例えば、検出制御部および表示制御部は、表示装置15内に組み入れられる制御基板として構成されてもよく、または、表示装置15とは別体に設けられる制御基板として構成されてもよい。
【0030】
なお、「容量結合」方式および「投影型」の容量結合方式との用語は、タッチパネルの技術分野で用いられる際の意味と同様の意味を有するものとして、本件において用いられている。なお、「容量結合」方式は、タッチパネルの技術分野において「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等とも呼ばれており、本件では、これらの「静電容量」方式や「静電容量結合」方式等と同義の用語として取り扱う。典型的な静電容量結合方式のタッチパネル装置は導電体層を含んでおり、外部の導体(典型的には人間の指)がタッチパネルに接触することにより、外部の導体とタッチパネル装置の導電体層との間でコンデンサ(静電容量)が形成される。そして、このコンデンサの形成にともなった電気的な状態の変化に基づき、タッチパネル上において外部導体が接触している位置の位置座標が特定される。また、「投影型」の容量結合方式は、タッチパネルの技術分野において「投影式」の容量結合方式等とも呼ばれており、本件では、この「投影式」の容量結合方式等と同義の用語として取り扱う。「投影型」の容量結合方式とは、典型的には、格子状に配列されたセンサ電極を用いて外部導体が接触している位置を検出する方式であり、膜状の電極を用いる「表面型」の容量結合方式と対比され得る。
【0031】
タッチパネルセンサ
次に図2および図3を参照して、タッチパネルセンサ30について詳述する。図2および図3に示すように、タッチパネルセンサ30は、基材フィルム32と、基材フィルム32の観察者側(一側)の面32a上に所定のパターンで設けられた第1透明導電体40と、基材フィルム32の表示装置15側(他側)の面32b上に所定のパターンで設けられた第2透明導電体45と、を有している。図3においては、第2透明導電体45などの、基材フィルム32の表示装置15側(面32b上)に設けられている構成要素が、便宜上、点線にて示されている。
【0032】
このうち基材フィルム32は、タッチパネルセンサ30において誘電体として機能するものである。図3に示すように、基材フィルム32は、タッチ位置を検出され得る領域に対応する矩形状のアクティブエリアAa1と、アクティブエリアAa1を囲む矩形枠状の非アクティブエリアAa2と、を含んでいる。このうちアクティブエリアAa1は、図1に示すように、表示装置15の表示領域A1に対応する領域を占めており、一方、非アクティブエリアAa2は、表示装置15の非表示領域A2に対応する領域に形成されている。図3に示すように、矩形枠状の非アクティブエリアAa2は、y方向に延びる一対の向かい合う第1額縁配線領域30aと、y方向に直交するx方向に延びる一対の向かい合う第2額縁配線領域30bと、からなっている。
【0033】
前述のとおり、基材フィルム32には第1透明導電体40および第2透明導電体45が設けられており、このうち基材フィルム32のアクティブエリアAa1に設けられた第1透明導電体40および第2透明導電体45により、外部導体5との間で容量結合を形成し得る第1センサ電極36aおよび第2センサ電極37aがそれぞれ形成されている(図3参照)。基材フィルム32、第1透明導電体40および第2透明導電体45はそれぞれ透光性を有しており、このため観察者は、これらを介して、表示装置15に表示された映像を観察することができる。
【0034】
また、図3に示すように、基材フィルム32の非アクティブエリアAa2には、第1センサ電極36aに導通する第1取出配線36bと、第2センサ電極37aに導通する第2取出配線37bと、が形成されている。このうち第1取出配線36bは、図3に示すように、第1額縁配線領域30aとアクティブエリアAa1との境界において第1透明導電体40に接続されるとともに、第1額縁配線領域30aを通って第2額縁配線領域30bに至る第1取出導電体43と、第2額縁配線領域30b内に設けられ、第1取出導電体43に接続された第1取出端子部44と、を含んでいる。また、第2取出配線37bは、図3に示すように、第2額縁配線領域30bとアクティブエリアAa1との境界において第2透明導電体45に接続された第2取出導電体48と、第2額縁配線領域30b内に設けられ、第2取出導電体48に接続された第2取出端子部49と、を含んでいる。
【0035】
次に、タッチパネルセンサ30を構成する各要素についてさらに詳述する。
【0036】
センサ電極
はじめに、第1センサ電極36aおよび第2センサ電極37aについて詳述する。上述のように、第1センサ電極36aおよび第2センサ電極37aは、アクティブエリアAa1に設けられた第1透明導電体40および第2透明導電体45によりそれぞれ構成されている。これら第1透明導電体40および第2透明導電体45は、導電性を有する透明な材料から形成されている。このうち第1透明導電体40は、基材フィルム32の観察者側の面32a上に設けられるとともに、図3に示すように、x方向に略平行に延びている。また第2透明導電体45は、基材フィルム32の表示装置15側の面32b上に設けられるとともに、図3に示すように、x方向に直交するy方向に略平行に延びている。
【0037】
図3に示すように、第1透明導電体40は、直線状に延びるライン部41aと、ライン部41aから膨出した膨出部41bと、を有している。ここで膨出部41bとは、基材フィルム32のフィルム面に沿ってライン部41aから膨らみ出ている部分のことである。同様に、第2透明導電体45は、直線状に延びるライン部46aと、ライン部46aから膨出した膨出部46bと、を有している。
【0038】
図3に示すように、第1透明導電体40と第2透明導電体45とは、互いに異なるパターンで配置されている。具体的には、図3に示すように、第1透明導電体40の膨出部41bと、第2透明導電体45の膨出部46bとが、基材フィルム32のフィルム面の法線方向から観察した場合に互いに重ならないように配置されている。このようにして、基材フィルム32のアクティブエリアAa1のほぼ全域にわたって、第1透明導電体40または第2透明導電体45のいずれかが配置されている。
【0039】
第1透明導電体40および第2透明導電体45の材料としては、透明性および所要の導電性を有するものが用いられる。このような材料として、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化亜鉛、酸化インジウム、アンチモン添加酸化錫、フッ素添加酸化錫、アルミニウム添加酸化亜鉛、カリウム添加酸化亜鉛、シリコン添加酸化亜鉛や、酸化亜鉛−酸化錫系、酸化インジウム−酸化錫系、酸化亜鉛−酸化インジウム−酸化マグネシウム系などの金属酸化物を挙げることができ、また、これらの金属酸化物が2種以上複合されてもよい。
【0040】
取出配線
次に第1センサ電極36aに導通する第1取出配線36bと、第2センサ電極37aに導通する第2取出配線36bと、について詳細に説明する。
【0041】
(第1取出配線)
図3に示すように、第1取出配線36bは、第1額縁配線領域30aにおいて第1透明導電体40に電気的に接続されるとともに、第1額縁配線領域30aを通って第2額縁配線領域30bに至る第1取出導電体43と、第2額縁配線領域30b内に設けられ、第1取出導電体43に接続される第1取出端子部44と、を含んでいる。
【0042】
第1取出端子部44は、第1透明導電体40からの信号を、フレキシブル基板21を介して検出制御部に伝達するための端子部であり、図3に示すように、第1取出導電体43よりも広い幅を有するよう形成されている。例えば、各第1取出端子部44の幅が70〜300μm、各第1取出端子部44間の間隔が70〜300μmとなっている。
【0043】
(第2取出配線)
次に第2取出配線37bについて説明する。第2取出配線37bは、第2額縁配線領域30bにおいて第2透明導電体45に接続される第2取出導電体48と、第2額縁配線領域30b内に設けられ、第2取出導電体48に接続される第2取出端子部49と、を含んでいる。
【0044】
第2取出端子部49は、第2透明導電体45からの信号を、フレキシブル基板21を介して検出制御部に伝達するための端子部であり、図3に示すように、第2取出導電体48よりも広い幅を有するよう形成されている。
【0045】
第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49は、上述のように非アクティブエリアAa2内に配置されている。このため、第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49が透光性を有する材料から形成される必要はなく、高い導電性を有する材料から形成され得る。本実施の形態においては、第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49は、第1透明導電体40および第2透明導電体45を形成する材料よりも高い導電率(電気伝導率)を有する金属材料から形成されている。具体的には、遮光性を有するとともに、ITO等の透明導電体よりも格段に高い導電率を有する金属材料、例えばアルミニウム、モリブデン、銀、クロム、銅またはこれらの合金等の金属材料から形成されている。
【0046】
第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49を形成する方法が特に限られることはなく、求められるパターン幅やパターン間隔などに応じて形成方法が適宜選択される。
例えば、第1額縁配線領域30aの幅を小さくすることが求められる場合、各第1取出導電体43は、例えば、基材フィルム32上に設けられた金属層をいわゆるフォトリソグラフィー法によってパターニングすることにより形成される。これによって、各第1取出導電体43を狭ピッチで形成することができ、例えば、各第1取出導電体43の幅を50μm以下とすることができ、各第1取出導電体43間の間隔を30μm以下とすることができる。
また、第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49の抵抗値を小さくすることが求められる場合、第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49は、例えば銀ペースト等の導電性ペーストを、スクリーン印刷法を用いて塗布することにより形成される。これによって、第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49の厚みを大きくすることができ、例えば1μm以上とすることができる。このことにより、第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49の抵抗値をより小さくすることができる。
【0047】
なお、第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49を構成する材料が同一である必要はなく、求められる抵抗値などに応じて適宜材料が選択される。
【0048】
また、第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49が金属材料のみからなる例を示したが、これに限られることはない。例えば、第1透明導電体40および第2透明導電体45を構成する金属酸化物を非アクティブエリアAa2内まで延在させ、延在された金属酸化物上に金属材料を積層させることにより、第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49を構成してもよい。これによって、金属材料のみから第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49が構成される場合に比べて、第1取出導電体43、第1取出端子部44、第2取出導電体48および第2取出端子部49の抵抗値を小さくすることができる。
【0049】
検出制御部への信号伝達方法
次に図4および図5を参照して、タッチパネルセンサ30の第1透明導電体40および第2透明導電体45からの信号を、表示装置15などに設けられた検出制御部に伝達するための構成について説明する。図4は、フレキシブル基板21が取り付けられたタッチパネルセンサ30を示す平面図であり、図5は、タッチパネルセンサ30の取出端子部44,49からの信号がフレキシブル基板21によって取り出される様子を示す側面図である。なお図4においては、基材フィルム32の表示装置15側(面32b側)に設けられている構成要素が、便宜上、点線にて示されている。また図4および図5においては、便宜上、透明導電体40,45のライン部41a,46a、および取出導電体43,48の描写が省略されている。
【0050】
図4に示すように、タッチパネルセンサ30にはフレキシブル基板21が接続されている。この場合、図4に示すように、フレキシブル基板21の観察者側(一側)の面21cが、タッチパネルセンサ30の基材フィルム32の表示装置15側の面32bに対向するよう、フレキシブル基板21がタッチパネルセンサ30に接続されている。このフレキシブル基板21の厚みは、フレキシブル基板21を任意に折り曲げることができる程度の厚みとなっており、例えば20〜100μmの範囲内となっている。
【0051】
フレキシブル基板21とタッチパネルセンサ30との間の接続について、図5を参照してより詳細に説明する。図5に示すように、フレキシブル基板21の面21c上には、一側信号用端子部22aと他側信号用端子部22bとが形成されている。一側信号用端子部22aおよび他側信号用端子部22bは、後述するように、タッチパネルセンサ30の第1取出端子部44および第2取出端子部49から信号を取り出すための端子部である。従って、一側信号用端子部22aおよび他側信号用端子部22bは、タッチパネルセンサ30の第1取出端子部44および第2取出端子部49と同数だけ設けられている。また、これら一側信号用端子部22aおよび他側信号用端子部22bは各々、フレキシブル基板21の面21c上に形成された導電性パターン(図示せず)を介して検出制御部に導通している。
【0052】
(第2透明導電体からの信号の取り出し)
図5に示すように、フレキシブル基板21の他側信号用端子部22bは、異方性導電層(導電部材)24を介してタッチパネルセンサ30の第2取出端子部49に接続されている。ここで異方性導電層24とは、厚さ方向(図5における上下方向)における導電性を有し、かつ、厚さ方向に直交する方向における絶縁性を有する層である。このため、異方性導電層24が多数の他側信号用端子部22b上に連続的に形成される場合であっても、隣接する他側信号用端子部22b間が導通することはない。すなわち、多数の他側信号用端子部22bと多数の第2取出端子部49との間に異方性導電層24を介在させることにより、対向する一対の他側信号用端子部22bと第2取出端子部49との間のみを導通させることができる。
【0053】
ここで上述のように、第2取出端子部49は、第2取出導電体48を介して第2透明導電体45に導通している。また、他側信号用端子部22bは、フレキシブル基板21上の導電性パターンを介して検出制御部に導通している。このため、他側信号用端子部22bと第2取出端子部49とを電気的に接続することにより、タッチパネルセンサ30の第2透明導電体45からの信号が、第2取出導電体48、第2取出端子部49、異方性導電層24および他側信号用端子部22bを介して検出制御部に伝達される。
【0054】
(第1透明導電体からの信号の取り出し)
一方、図5に示すように、タッチパネルセンサ30の観察者側に第1接着層14を介して接着された保護カバー12は、それらの一端12bがタッチパネルセンサ30の観察者側の各第1取出端子部44に対向するよう配置された複数の接続端子部12aを有している。各接続端子部12aは、図5に示すように、対応する第1取出端子部44に対向するよう配置された一端12bから保護カバー12の外方に向かって延びている。この場合、各接続端子部12aの他端12cは、保護カバー12の端部近傍に配置されている。なお、第1接着層14の厚みは、例えば20〜50μmの範囲内となっている。
【0055】
図5に示すように、保護カバー12の接続端子部12aの一端12bは、異方性導電層(導電部材)24を介してタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44に接続されている。このため、上述の他側信号用端子部22bの場合と同様に、対向する一対の接続端子部12aの一端12bと第1取出端子部44との間が導通されている。また図5に示すように、保護カバー12の接続端子部12aの他端12cは、異方性導電層(導電部材)24を介してフレキシブル基板21の一側信号用端子部22aに接続されている。このため、対向する一対の接続端子部12aの他端12cと一側信号用端子部22aとの間も導通されている。これによって、タッチパネルセンサ30の第1取出端子部44とフレキシブル基板21の一側信号用端子部22aとの間が導通される。このことにより、タッチパネルセンサ30の第1透明導電体40からの信号が、第1取出導電体43、第1取出端子部44、異方性導電層24、接続端子部12aおよび一側信号用端子部22aを介して検出制御部に伝達される。
【0056】
タッチパネルセンサ30の観察者側(一側)に、上述の接続端子部12aが設けられた保護カバー12を取り付け、そしてタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44を接続端子部12aの一端12bに接続することにより、以下の3つの利点が得られる。第1は、タッチパネルセンサ30の第1透明導電体40からの信号を、保護カバー12の表示装置15側(他側)に設けられた接続端子部12aから取り出すことが可能となるという利点である。上述のように、タッチパネルセンサ30の第2透明導電体45からの信号を取り出すための第2取出端子部49は、タッチパネルセンサ30の表示装置15側に設けられている。このため、本実施の形態によれば、観察者側の面21c上にのみ端子部22a,22bが設けられたフレキシブル基板21を用いて、タッチパネルセンサ30の第1透明導電体40および第2透明導電体45各々からの信号を取り出すことが可能となる。このため、観察者側の面21cと表示装置15側の面21dの双方に端子部が設けられたフレキシブル基板が使用される場合に比べて、フレキシブル基板の製造コストを下げることができ、また、フレキシブル基板のタッチパネルセンサ30への取り付けもより容易になる。
【0057】
第2は、保護カバー12上の任意の位置において、第1取出端子部44からの信号がフレキシブル基板21の一側信号用端子部22aに導通され得るという利点である。一般に、タッチパネルセンサ30の面積には制限があり、このため、第1透明導電体40を取り出すための第1取出端子部44を配置する位置がある程度制約されていると考えられる。ここで本実施の形態によれば、保護カバー12の接続端子部12aを介してタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44とフレキシブル基板21の一側信号用端子部22aとが導通される。このため、保護カバー12の接続端子部12aを任意に設計することにより、保護カバー12上の所望の位置において第1透明導電体40からの信号を一側信号用端子部22aへ伝達させることができる。これによって、タッチパネルセンサ30における第1取出端子部44の自由度、および、フレキシブル基板21における一側信号用端子部22aの配置の自由度をより高くすることができる。
【0058】
第3は、保護カバー12と基材フィルム32との間の間隔をより小さくすることができるという利点である。フレキシブル基板の端子部がタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44に接続される場合、当該フレキシブル基板が、保護カバー12と基材フィルム32との間に挿入される。このため、保護カバー12と基材フィルム32との間の間隔が、フレキシブル基板の厚みの分だけ大きくなってしまう。これに対して本実施の形態によれば、フレキシブル基板21を保護カバー12と基材フィルム32との間に挿入することなく、フレキシブル基板21の一側信号用端子部22aとタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44とを導通させることができる。このため、保護カバー12と基材フィルム32との間の間隔をより小さくすることが可能となる。
【0059】
なお図5においては、フレキシブル基板21の一側信号用端子部22aを保護カバー12の接続端子部12aの他端12cに接続し、かつ、他側信号用端子部22bをタッチパネルセンサ30の第2取出端子部49に接続するため、フレキシブル基板21が大きく屈曲されている様子が示されている。しかしながら、図5に示すような大きな屈曲は、説明のための便宜的な表現に基づくものである。
一般に、本実施の形態において、実際のフレキシブル基板21が図5に示されるように大きく屈曲されることはない。なぜなら、図5の例にて、接続端子部12a、異方性導電層24、第1取出端子部44、基材フィルム32、第2取出端子部49、異方性導電層24および他側信号用端子部22bの厚みの合計は、一般に数十〜数百μmのオーダーとなっており、一方、保護カバー12の接続端子部12aの一端12bから他端12cまでの距離は、一般に数mmのオーダーとなっているからである。従って、一般に、実際のフレキシブル基板21における屈曲の程度はわずかなものとなっている。このことは、以下の図6,7,9または12において示す例においても同様である。
【0060】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。ここでは、タッチパネルセンサ30に保護カバー12を取り付けて保護カバー付タッチパネルセンサを形成する方法、および、当該保護カバー付タッチパネルセンサとフレキシブル基板21とを組み合わせて、タッチパネルセンサ30からの信号をフレキシブル基板21により取り出す方法について説明する。
【0061】
はじめに、図6(a)に示すように、一側に設けられた第1取出端子部44と、他側に設けられた第2取出端子部49と、を有するタッチパネルセンサ30を準備する。次に、図6(b)に示すように、介してタッチパネルセンサ30の一側に、第1接着層14を介して、PETなどの柔軟性を有する材料からなるとともに、その表示装置15側に接続端子部12aを有する保護カバー12を取り付ける。このようにして、保護カバー12付きのタッチパネルセンサ30が得られる。このようにタッチパネルセンサ30に柔軟性を有する保護カバー12を取り付けることにより、その後にタッチパネルセンサ30が表示装置15などに組み込まれる際の組立や取り扱いの容易さを確保しながら、タッチパネルセンサ30が傷つくのを防ぐことができる。
【0062】
また図6(b)に示すように、タッチパネルセンサ30に保護カバー12を取り付ける際、保護カバー12の接続端子部12aの一端12bを、異方性導電層24を介して第1取出端子部44に接続する。これによって、保護カバー12の接続端子部12aとタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44との間が導通する。このため、タッチパネルセンサ30の第1透明導電体40からの信号を、接続端子部12aの他端12cから取り出すことが可能となる。ここで、保護カバー12の接続端子部12aおよび第2取出端子部49はいずれも表示装置15側を向いている。このため、タッチパネルセンサ30の透明導電体40,45各々からの信号を容易に取り出すことができる。
【0063】
その後、図6(c)に示すように、一側信号用端子部22aと他側信号用端子部22bとがその観察者側(一側)の面21cに形成されたフレキシブル基板21を準備し、このフレキシブル基板21を、保護カバー12付きのタッチパネルセンサ30に取り付ける。ここで、上述のように、保護カバー12の接続端子部12a、およびタッチパネルセンサ30の他側の第2取出端子部49は、どちらも表示装置15側を向いている。このため、フレキシブル基板21の一側信号用端子部22aを、異方性導電層24を介して接続端子部12aの他端12cに接続することができ、また、フレキシブル基板21の他側信号用端子部22bを、異方性導電層24を介して第2取出端子部49に接続することができる。これによって、タッチパネルセンサ30の透明導電体40,45からの信号が、フレキシブル基板21を介して検出制御部に伝達される。
【0064】
その後、保護カバー12およびフレキシブル基板21が取り付けられたタッチパネルセンサ30を、第2接着層19を介して表示装置15に取り付ける。これによって、図5に示す入出力装置10が得られる。
【0065】
なお、図6(d)に示すように、タッチパネルセンサ30を表示装置15に取り付ける前に、タッチパネルセンサ30の表示装置15側に第2接着層19を介して保護フィルム13を取り付けてもよい。これによって、表示装置15に取り付けられるまでの間にタッチパネルセンサ30の表示装置15側が傷つくのを防ぐことができる。なお、このような保護フィルム13は、タッチパネルセンサ30を表示装置15に取り付ける際に取り除かれてもよく、若しくは、図7に示すように、保護フィルム13が取り付けられたタッチパネルセンサ30を、表示パネル用接着層17を介してそのまま表示装置15と組み合わせてもよい。
【0066】
比較の形態
次に、図8および図9を参照して、本実施の形態の効果を比較の形態と比較して説明する。図8は、比較の形態において、フレキシブル基板が取り付けられたタッチパネルセンサを示す平面図であり、図9は、比較の形態における入出力装置を示す側面図である。図9に示す比較の形態による入出力装置110においては、タッチパネルセンサ30の観察者側に取り付けられる保護カバー112に接続端子部が設けられていない。また、フレキシブル基板121の両面に信号用端子部が設けられている。図8および図9に示す比較の形態において、図1乃至図7に示す本実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0067】
上述のように、比較の形態における保護カバー112には接続端子部が設けられていない。このため比較の形態においては、フレキシブル基板121の一側信号用端子部122aが、フレキシブル基板121の表示基板15側の面121d上に設けられている。この場合、面121d上の一側信号用端子部122aが、タッチパネルセンサ30の観察者側の第1取出端子部44に異方性導電層24を介して接続される。これによって、タッチパネルセンサ30の第1透明導電体40からの信号がフレキシブル基板121に伝達される。一方、タッチパネルセンサ30の第1透明導電体45からの信号は、図1乃至図7に示す本実施の形態の場合と同様に、フレキシブル基板121の観察者側の面121c上に設けられた他側信号用端子部122bによって取り出される。なお比較の形態においては、フレキシブル基板121の一部分をタッチパネルセンサ30の観察者側に接続し、その他の部分をタッチパネルセンサ30の表示装置15側に接続するため、図8および図9に示すように、フレキシブル基板121に切り込み部121eが形成されている。
【0068】
このように比較の形態によれば、タッチパネルセンサ30の透明導電体40,45からの信号を取り出すため、フレキシブル基板121の観察者側の面121cと表示装置15側の面121dの双方に端子部122a,122bが設けられている。このため、フレキシブル基板121を製造する際、端子部などを形成するための配線形成処理が、フレキシブル基板121の両面に対してそれぞれ実施される。
【0069】
これに対して、本実施の形態によれば、タッチパネルセンサ30の観察者側に、接続端子部12aが設けられた保護カバー12が取り付けられる。この保護カバー12の各接続端子部12aは、タッチパネルセンサ30の対応する第1取出端子部44に電気的に接続されている。このため、観察者側の面21c上にのみ端子部22a,22bが設けられたフレキシブル基板21を用いて、タッチパネルセンサ30の透明導電体40,45からの信号を取り出すことができる。従って、フレキシブル基板21を製造する際、端子部などを形成するための配線形成処理が、フレキシブル基板21の観察者側の面21cに対してのみ実施される。このことにより、比較の形態の場合に比べて、フレキシブル基板21を製造するためのコストを低くすることができる。
【0070】
また比較の形態によれば、フレキシブル基板121は、観察者側からタッチパネルセンサ30に接続される部分と、表示装置15側からタッチパネルセンサ30に接続される部分と、に切り込み部121eを介して分離されている。この場合、第1取出端子部44および第2取出端子部49とフレキシブル基板121とを適切に接続するためには、観察者側の第1取出端子部44のx方向における位置と、表示装置15側の第2取出端子部49のx方向における位置とが重複していない必要がある。このように比較の形態においては、タッチパネルセンサ30における第1取出端子部44および第2取出端子部49の配置が所定の制約を受けることが考えられる。
【0071】
これに対して、本実施の形態によれば、保護カバー12の接続端子部12aを介してタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44とフレキシブル基板21の一側信号用端子部22aとの間が導通される。このため、保護カバー12の接続端子部12aを任意に設計することにより、保護カバー12上の所望の位置において第1透明導電体40からの信号を一側信号用端子部22aへ伝達させることができる。これによって、フレキシブル基板21における一側信号用端子部22aの配置の自由度、および、タッチパネルセンサ30における第1取出端子部44の配置の自由度を高くすることができる。
【0072】
さらに比較の形態によれば、フレキシブル基板121は、保護カバー112と基材フィルム32との間に挿入される。このため、保護カバー112と基材フィルム32との間の間隔が、フレキシブル基板121の厚みの分だけ大きくなってしまう。
【0073】
これに対して、本実施の形態によれば、フレキシブル基板21を保護カバー12と基材フィルム32との間に挿入することなく、フレキシブル基板21の一側信号用端子部22aとタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44との間を導通させることができる。これによって、保護カバー12と基材フィルム32との間の間隔をより小さくすることが可能となる。
【0074】
その他の比較の形態
次に、図10を参照して、本実施の形態の効果をその他の比較の形態と比較して説明する。図10に示す比較の形態による入出力装置110においては、フレキシブル基板121Aが180°にわたって折り曲げられており、また折り曲げられたフレキシブル基板121Aの内側の面上に信号用端子部123a,123bが設けられている。図10に示すその他の比較の形態において、図1乃至図7に示す本実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0075】
図10に示すように、この比較の形態におけるフレキシブル基板121Aは、180°にわたって折り曲げられている。また、折り曲げられたフレキシブル基板121Aの内側の面上においては、一端に一側信号用端子部123aが設けられており、他端に他側信号用端子部123bが設けられている。そして、フレキシブル基板121Aの一側信号用端子部123aおよび他側信号用端子部123bは各々、異方性導電層24を介してタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44および第2取出端子部49に接続されている。
【0076】
このように図10に示す比較の形態においては、フレキシブル基板121Aを180°にわたって折り曲げることにより、フレキシブル基板121Aの一側信号用端子部123aおよび他側信号用端子部123bがタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44および第2取出端子部49に接続される。このため、折り曲げられたフレキシブル基板121Aによって大きな体積が占有されている。また、180°にわたって折り曲げられた状態を持続するためには、フレキシブル基板121Aおよびフレキシブル基板121Aに形成される導電性パターンなどに高い品質が求められることになる。
【0077】
これに対して、本実施の形態によれば、図5に示すように、フレキシブル基板1を90°以上にわたって折り曲げること無く、一側信号用端子部22aが保護カバー12の接続端子部12aの他端12cに接続され、かつ、他側信号用端子部22bがタッチパネルセンサ30の他側の第2取出端子部49に接続される。このため、フレキシブル基板21によって占められる体積をより小さくすることができる。
【0078】
なお本実施の形態において、保護カバー12がポリエチレンテレフタレート(PET)などの柔軟性を有する材料から構成されており、また保護カバー12の厚みが0.02〜0.4mmの範囲内となっている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、保護カバー12が、アクリル板などのガラス板から構成されており、また保護カバー12の厚みが0.1〜1.5mmの範囲内となっていてもよい。これによって、タッチパネルセンサ30を外部からより強固に保護することができる。
【0079】
また本実施の形態において、保護カバー12が透光性を有する例を示した。ここで、保護カバー12がその全域にわたって透光性を有している必要はなく、少なくとも基材フィルム32のアクティブエリアAa1に対応する領域において透光性を有していればよい。例えば、保護カバー12のうち基材フィルム32の非アクティブエリアAa2に対応する領域に意匠シート(図示せず)が設けられていてもよい。意匠シートは、例えば、遮光性を有するシートに適切なデザインを施すことにより作製されるシートである。このような意匠シートを保護カバー12のうち基材フィルム32の非アクティブエリアAa2に対応する領域に設けることにより、基材フィルム32の非アクティブエリアAa2上に設けられた取出配線36b,37bが観察者から視認されるのを防ぐことができる。これによって、タッチパネル装置20の意匠性を向上させることができる。
【0080】
変形例
また上述の実施の形態において、本発明における「タッチパネルセンサの一側に接着された透明シート」が、タッチパネルセンサ30の観察者側に接着された保護シート12からなる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、図11および図12に示すように、「タッチパネルセンサの一側に接着された透明シート」がタッチパネルセンサ30の表示装置15側に接着された透明シート、例えばカラーフィルタ27のカラーフィルタ用基材28であってもよい。以下、図11および図12を参照して、そのような変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例においては、「一側」が表示装置15側となっており、「他側」が観察者側となっている。
【0081】
検出制御部への信号伝達方法
図11および図12を参照して、タッチパネルセンサ30の第1透明導電体40および第2透明導電体45からの信号を、表示装置15などに設けられた検出制御部に伝達するための構成について説明する。図11は、フレキシブル基板21Aが取り付けられたタッチパネルセンサ30を示す平面図であり、図12は、タッチパネルセンサ30の取出端子部44,49からの信号がフレキシブル基板21Aにより取り出される様子を示す側面図である。なお図11においては、基材フィルム32の表示装置15側(面32b側)に設けられている構成要素が、便宜上、点線にて示されている。また図11および図12においては、便宜上、透明導電体40,45のライン部41a,46a、および取出導電体43,48の描写が省略されている。
【0082】
図11に示すように、タッチパネルセンサ30にはフレキシブル基板21Aが接続されている。この場合、図12に示すように、フレキシブル基板21Aの表示装置15側(一側)の面21dが、タッチパネルセンサ30の基材フィルム32の観察者側の面32aに対向するよう、フレキシブル基板21Aがタッチパネルセンサ30に接続されている。
【0083】
フレキシブル基板21Aとタッチパネルセンサ30との間の接続について、図12を参照してより詳細に説明する。図12に示すように、フレキシブル基板21Aの面21d上には、一側信号用端子部23aと他側信号用端子部23bとが形成されている。一側信号用端子部23aおよび他側信号用端子部23bは、後述するように、タッチパネルセンサ30の第1取出端子部44および第2取出端子部49からの信号を取り出すための端子部である。従って、一側信号用端子部23aおよび他側信号用端子部23bは、タッチパネルセンサ30の第1取出端子部44および第2取出端子部49と同数だけ設けられている。また、これら一側信号用端子部23aおよび他側信号用端子部23bは各々、フレキシブル基板21Aの面21d上に形成された導電性パターン(図示せず)を介して検出制御部に導通している。
【0084】
(第1透明導電体からの信号の取り出し)
図12に示すように、フレキシブル基板21Aの一側信号用端子部23aは、異方性導電層(導電部材)24を介してタッチパネルセンサ30の第1取出端子部44に接続されている。これによって、タッチパネルセンサ30の第1透明導電体40からの信号が、第1取出導電体43、第1取出端子部44、異方性導電層24および一側信号用端子部23aを介して検出制御部に伝達される。
【0085】
(第2透明導電体からの信号の取り出し)
一方、図12に示すように、タッチパネルセンサ30の表示装置15側には、第2接着層19を介してカラーフィルタ27が接合されている。カラーフィルタ27は、表示装置15から放出される光を波長に応じて選択的に透過させるものであり、例えば、透明なカラーフィルタ用基材28と、カラーフィルタ用基材28上に設けられた赤色着色層、青色着色層および緑色着色層と、を有している。本変形例においては、図12に示すように、カラーフィルタ27の観察者側にカラーフィルタ用基材28が位置している。なお、第2接着層19の厚みは、例えば20〜50μmの範囲内となっている。
【0086】
タッチパネルセンサ30の表示装置15側に第2接着層19を介して接着されたカラーフィルタ用基材28は、それらの一端28bがタッチパネルセンサ30の表示装置15の各第2取出端子部49に対向するよう配置された複数の接続端子部28aを有している。各接続端子部28aは、図12に示すように、対応する第2取出端子部49に対向するよう配置された一端28bからカラーフィルタ用基材28の外方に向かって延びている。この場合、各接続端子部28aの他端28cは、カラーフィルタ用基材28の端部近傍に配置されている。
【0087】
図12に示すように、カラーフィルタ用基材28の接続端子部28aの一端28bは、異方性導電層24を介してタッチパネルセンサ30の第2取出端子部49に接続されている。このため、対向する一対の接続端子部28aの一端28bと第2取出端子部49との間が導通されている。また図12に示すように、カラーフィルタ用基材28の接続端子部28aの他端28cは、異方性導電層24を介してフレキシブル基板21Aの他側信号用端子部23bに接続されている。このため、対向する一対の接続端子部28aの他端28cと他側信号用端子部23bとの間も導通されている。これによって、タッチパネルセンサ30の第2取出端子部49とフレキシブル基板21Aの他側信号用端子部23bとの間が導通される。このことにより、タッチパネルセンサ30の第2透明導電体45からの信号が、第2取出導電体48、第2取出端子部49、異方性導電層24、接続端子部28aおよび他側信号用端子部23bを介して検出制御部に伝達される。
【0088】
このように本実施の形態によれば、タッチパネルセンサ30の表示装置15側に、接続端子部28aが設けられた透明なカラーフィルタ用基材28を含むカラーフィルタ27が取り付けられる。このカラーフィルタ用基材28の各接続端子部28aの一端28bは、タッチパネルセンサ30の対応する第2取出端子部49に接続されている。このため、表示装置15側の面21d上にのみ端子部23a,23bが設けられたフレキシブル基板21Aを用いて、タッチパネルセンサ30の透明導電体40,45からの信号を取り出すことができる。従って、フレキシブル基板21Aを製造する際、端子部などを形成するための配線形成処理が、フレキシブル基板21Aの表示装置15側の面21dに対してのみ実施される。このことにより、フレキシブル基板の両面に端子部が形成される場合に比べて、フレキシブル基板21Aを製造するためのコストを低くすることができる。
【0089】
また本実施の形態によれば、カラーフィルタ用基材28の接続端子部28aを介してタッチパネルセンサ30の第2取出端子部49とフレキシブル基板21Aの他側信号用端子部23bとの間が導通される。このため、カラーフィルタ用基材28の接続端子部28aを任意に設計することにより、カラーフィルタ用基材28上の所望の位置において第2透明導電体45からの信号を他側信号用端子部23bへ伝達させることができる。これによって、フレキシブル基板21Aにおける他側信号用端子部23bの配置の自由度、および、タッチパネルセンサ30における第2取出端子部49の配置の自由度を高くすることができる。
【0090】
なお上述の各実施の形態において、透明シート(保護カバー12またはカラーフィルタ用基材28)とフレキシブル基板21,21Aまたはタッチパネルセンサ30との間を導通させるための導電部材として、異方性導電層24が用いられる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、様々な導電部材を適宜用いることができる。例えば、導電部材として導電性ペーストを用いてもよい。この場合、透明シートの隣接する接続端子部間が導通するのを防ぐよう、導電性ペーストが各接続端子部からはみ出さないよう塗布される。
【0091】
また上述の各実施の形態において、タッチパネルセンサの一側に接着される透明シートが、タッチパネルセンサ30の観察者側に接着される保護カバー12、または、タッチパネルセンサ30の表示装置15側に接着されるカラーフィルタ27のカラーフィルタ用基材28からなる例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、タッチパネルセンサ30を保護するための様々なシート、または、入出力装置としての機能を高めるための様々なシートを、本発明における透明シートとしてタッチパネルセンサ30に接着することができる。この際、透明シートに接続端子部を設けることにより、本発明による利益を得ることができる。
【0092】
また上述の各実施の形態において、タッチパネルセンサ30の一側に配置された透明シートが、接着層を介してタッチパネルセンサ30の一側に接着されている例を示した。すなわち、タッチパネルセンサ30の観察者側に配置された保護カバー12が第1接着層14を介して、または、タッチパネルセンサ30の表示装置15側に配置されたカラーフィルタ用基材28が第2接着層19を介して、タッチパネルセンサ30に接着されている例を示した。しかしながら、これに限られることはなく、透明シートがタッチパネルセンサ30に接着されていなくてもよい。例えば、透明シートとタッチパネルセンサ30との間に、接着性を有する層が設けられていなくてもよい。
【0093】
例えば図5に示す上述の本実施の形態において、保護カバー12とタッチパネルセンサ30との間に、第1接着層14の替わりに、若しくは第1接着層14に加えて、タッチパネルセンサ30の第1センサ電極36aなどを保護するためのオーバーコート層(図示せず)が設けられていてもよい。このようなオーバーコート層は、透光性および絶縁性を有するが接着性を有さない材料から構成されており、例えば、二酸化ケイ素などのケイ素酸化物や、アクリル樹脂などの透明樹脂から構成されている。同様に、図5に示す上述の本実施の形態において、第2接着層19の替わりに、若しくは第2接着層19に加えて、タッチパネルセンサ30の第2センサ電極37aなどを保護するためのオーバーコート層(図示せず)が設けられていてもよい。また、上述のオーバーコート層の替わりに、若しくはオーバーコート層に加えて、接着性を有さないその他の層が設けられていてもよい。また、タッチパネルセンサ30と表示パネル16との間に空気の層が介在されていてもよい。すなわちタッチパネルセンサ30は、タッチパネルセンサ30を支持する何らかの固定手段(図示せず)によって、保護カバー12または表示パネル16に対して固定されていればよい。固定手段としては、上述の接着層14,19以外にも、接着以外の方法によってタッチパネルセンサ30を支持する手段が適宜用いられ得る。例えばタッチパネルセンサ30の周縁に設けられたスペーサーなどが用いられる。
【0094】
また図12に示す上述の本実施の形態の変形例においても同様に、カラーフィルタ用基材28とタッチパネルセンサ30との間に、第2接着層19の替わりに、若しくは第2接着層19に加えて、タッチパネルセンサ30の第2センサ電極37aなどを保護するためのオーバーコート層(図示せず)が設けられていてもよい。また、タッチパネルセンサ30とカラーフィルタ用基材28との間に空気の層が介在されていてもよい。同様に、図12に示す上述の本実施の形態において、第1接着層14の替わりに、若しくは第1接着層14に加えて、タッチパネルセンサ30の第1センサ電極36aなどを保護するためのオーバーコート層(図示せず)が設けられていてもよい。また、上述のオーバーコート層の替わりに、若しくはオーバーコート層に加えて、接着性を有さないその他の層が設けられていてもよい。
【0095】
なお、タッチパネルセンサ30が接着層を介して保護カバー12、表示パネル16、カラーフィルタ用基材28などに接着されるかどうかは、様々な観点に基づいて決定され得る。例えば、タッチパネルセンサ30が保護カバー12と組み合わされた状態で取引および搬送される場合、第1接着層14を介してタッチパネルセンサ30が保護カバー12に接着されている。保護カバー12付のタッチパネルセンサ30は、その後、表示パネル16と組み合わされ、これによって、入出力装置10が得られる。若しくは、タッチパネルセンサ30が表示パネル16と組み合わされた状態で取引および搬送される場合、第2接着層19を介してタッチパネルセンサ30が表示パネル16に接着されている。タッチパネルセンサ30が保護カバー12と組み合わされた状態で取引および搬送される場合、不良が生じた場合の損失を小さくすることができる。なぜなら、不良が生じた場合の損失額や修復のためのコストは、表示パネル16よりも保護カバー12の方が小さいからである。なお、第1接着層14を介してタッチパネルセンサ30が保護カバー12に接着されており、また、タッチパネルセンサ30の表示装置15側にオーバーコート層が設けられている場合、このオーバーコート層は、保護カバー12付のタッチパネルセンサ30が表示パネル16と組み合わされる際にタッチパネルセンサ30が表示パネル16との接触によって損傷することを防ぐ層として機能する。
【符号の説明】
【0096】
10 入出力装置
12 保護カバー
12a 接続端子部
12b 一端
12c 他端
13 保護フィルム
14 第1接着層
15 表示装置
16 表示パネル
16a 表示面
17 表示パネル用接着層
19 第2接着層
20 タッチパネル装置
21,21A フレキシブル基板
22a 一側信号用端子部
22b 他側信号用端子部
23a 一側信号用端子部
23b 他側信号用端子部
24 異方性導電層
27 カラーフィルタ
28 カラーフィルタ用基材
28a 接続端子部
28b 一端
28c 他端
30 タッチパネルセンサ
30a 第1額縁配線領域
30b 第2額縁配線領域
32 基材フィルム
32a 面(観察者側の面)
32b 面(表示装置側の面)
36a 第1センサ電極
36b 第1取出配線
37a 第2センサ電極
37b 第2取出配線
40 第1透明導電体
41a ライン部
41b 膨出部
43 第1取出導電体
44 第1取出端子部
45 第2透明導電体
46a ライン部
46b 膨出部
48 第2取出導電体
49 第2取出端子部
110 入出力装置
112 保護カバー
121,121A フレキシブル基板
121c 観察者側の面
121d 表示装置側の面
121e 切り込み部
122a 一側信号用端子部
122b 他側信号用端子部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
両面に所定パターンで透明導電体が設けられ、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアと、前記アクティブエリアの周縁に位置する非アクティブエリアと、を含むタッチパネルセンサと、
前記タッチパネルセンサの一側に配置された透明シートと、を備え、
前記タッチパネルセンサは、その一側の前記非アクティブエリア内に配置されるとともに一側の透明導電体に導通する第1取出端子部と、その他側の前記非アクティブエリア内に配置されるとともに他側の透明導電体に導通する第2取出端子部と、を有し、
前記透明シートは、前記タッチパネルセンサの一側の前記第1取出端子部に対向するよう配置されるとともに、導電部材を介して前記第1取出端子部に接続された接続端子部を有する
ことを特徴とする透明シート付タッチパネルセンサ。
【請求項2】
前記透明シートは、接着層を介して前記タッチパネルセンサの一側に接着されている
ことを特徴とする請求項1に記載の透明シート付タッチパネルセンサ。
【請求項3】
一側信号用端子部と他側信号用端子部とがその一側に形成されたフレキシブル基板をさらに備え、
前記透明シートの前記接続端子部は、その一端が導電部材を介して前記タッチパネルセンサの一側の前記第1取出端子部に接続されており、
前記フレキシブル基板の前記一側信号用端子部は、前記透明シートの前記接続端子部の他端に接続され、
前記フレキシブル基板の前記他側信号用端子部は、前記タッチパネルセンサの他側の第2取出端子部に接続される
ことを特徴とする請求項2に記載の透明シート付タッチパネルセンサ。
【請求項4】
前記フレキシブル基板を90°以上にわたって折り曲げること無く、前記一側信号用端子部が前記透明シートの前記接続端子部の他端に接続され、かつ、前記他側信号用端子部が前記タッチパネルセンサの他側の第2取出端子部に接続される
ことを特徴とする請求項3に記載の透明シート付タッチパネルセンサ。
【請求項5】
前記導電部材は、導電性粒子と絶縁性のバインダとを含む異方性導電層からなる
ことを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の透明シート付タッチパネルセンサ。
【請求項6】
前記透明シートは、前記タッチパネルセンサを保護する保護カバーからなる
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の透明シート付タッチパネルセンサ。
【請求項7】
前記保護カバーは、その厚みが0.02〜0.4mmの範囲内となっているとともに、ポリエチレンテレフタレートから構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の透明シート付タッチパネルセンサ。
【請求項8】
前記保護カバーは、その厚みが0.1〜1.5mmの範囲内となっているとともに、ガラス板から構成されている
ことを特徴とする請求項6に記載の透明シート付タッチパネルセンサ。
【請求項9】
前記透明シートは、光を波長に応じて選択的に透過させるカラーフィルタのカラーフィルタ用基材からなる
ことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の透明シート付タッチパネルセンサ。
【請求項10】
両面に所定パターンで透明導電体が設けられ、タッチ位置を検出され得る領域に対応するアクティブエリアと、前記アクティブエリアの周縁に位置する非アクティブエリアと、を含むタッチパネルセンサと、
接着層を介して前記タッチパネルセンサの一側に接着された透明シートと、を備え、
前記透明シートは、前記タッチパネルセンサを保護する保護カバーからなり、
前記保護カバーは、その厚みが0.02〜0.4mmの範囲内となっているとともに、ポリエチレンテレフタレートから構成されている
ことを特徴とする透明シート付タッチパネルセンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−146297(P2012−146297A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−280225(P2011−280225)
【出願日】平成23年12月21日(2011.12.21)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】