説明

透過型電子顕微鏡による燃料電池触媒層に含まれる触媒の定量的解析方法

【課題】燃料電池の触媒層についての透過型電子顕微鏡による観察において、視野内に含まれる触媒粒子のうち、一定数の触媒粒子を選んで粒子径評価を行うことでは、相対的な粒子径分布は得られるものの、触媒粒子に関する定量的な解析を行うことは困難であった。
【解決手段】燃料電池触媒層から切り出した試料の厚さを、燃料電池触媒層の導電性担持体である炭素粒子の直径と同等の10nm以上200nm以下の一定の厚さまで薄くし、透過型電子顕微鏡像で炭素粒子に担持した触媒粒子の重なりが少なくなるので、個々の触媒粒子を区別して評価できる。透過型電子顕微鏡観察用試料を作製する際に、厚さを測定し、試料の厚さと透過型電子顕微鏡で観察した視野とを乗じた体積で規定される触媒層中に含まれる触媒粒子の粒子径および個数を求めることができるため、一定体積中に含まれる白金量を定量的に評価できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は燃料電池の特性と燃料電池触媒層の構成との関係を調べるために、透過型電子顕微鏡により燃料電池触媒層に含まれる触媒粒子の粒子径および表面積、体積を定量的に解析する手法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池の触媒層は、触媒粒子、導電性担持体、電解質等からなり、燃料電池の性能を左右する触媒粒子の分布状態は、構成と性能との関係を調べるために重要であることから、燃料電池の触媒層について、透過型電子顕微鏡(TEM)による多くの観察が行われている。
【0003】
固体高分子型燃料電池の長時間運転においては、白金触媒の劣化による発電特性の低下が問題であり、触媒粒子の凝集、溶解・析出による粒子径の増大による反応表面積の減少がこの原因とされていることから、触媒粒子の変化と発電特性の低下の関係解明が課題となっている。非特許文献1では、耐久試験前後の触媒層での白金粒子の粒径、分布の変化について、透過型電子顕微鏡を用いた解析が行われており、白金触媒表面積の減少は、白金粒子の溶解・析出によるオストワルド成長と、溶解した白金イオンの長距離拡散による白金粒子径増大の2つの機構が原因とされている。
【0004】
また、導電性担持体である炭素粒子に担持した白金粒子の解析手法として、非特許文献2のように、高分解能3次元電子顕微鏡(TEMT)による3次元画像を用いた解析が行われている。この手法によれば、炭素粒子に担持した個々の白金粒子を分離して解析でき、通常の2次元透過型電子顕微鏡(TEM)に比較して、正確な白金粒子径を測定できるため、正確な粒子径分布が得られるとされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】P.J.Ferreira et al. J. Electrochem. Soc., 152, A2256(2005)
【非特許文献2】T.Ito et al. Handbook of Fuel Cell, 6 ,595(2009)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
燃料電池の触媒層についての透過型電子顕微鏡による観察では、局所的な微細構造に関する情報が得られる一方で、多数の白金触媒粒子を含む視野に関しての粒子径分布についての評価では、視野内の一定数の白金触媒粒子を選んで粒子径評価を行うため、相対的な粒子径分布は得られるものの、触媒粒子量に関する定量的な解析を行うことは困難であった。
【0007】
一方、高分解能3次元電子顕微鏡では白金粒子の正確な解析ができるものの、3次元測定するため試料の大きさが限られており、燃料電池触媒層の100nm以上の大きさの範囲における白金触媒粒子の粒子径分布の比較を行ったり、触媒層に含まれる白金粒子の定量的な解析を行うことは困難である。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、透過型電子顕微鏡による燃料電池の触媒層についての観察において、触媒の定量的な評価を行う方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の透過型電子顕微鏡による燃料電池触媒層に含まれる触媒の定量的解析方法は、請求項1のように、燃料電池触媒層から切り出した厚さが10nm以上200nm以下の一定の厚さで切り出した試料について、透過型電子顕微鏡により触媒粒子を観察し、視野に含まれるすべての触媒粒子の粒子径を測定することで、視野と厚さを乗じた体積で規定される触媒層中に含まれる触媒粒子の粒子径および個数を求めるものである。
【0010】
また、請求項2のように、燃料電池触媒層から切り出した厚さが10nm以上200nm以下の一定の厚さで切り出した試料について、透過型電子顕微鏡により触媒粒子を観察し、視野に含まれるすべての触媒粒子の粒子径を測定することで、視野と厚さを乗じた体積で規定される触媒層中に含まれる触媒粒子の粒子径および体積を求めることができる。
【0011】
さらに、請求項3のように、燃料電池触媒層から切り出した厚さが10nm以上200nm以下の一定の厚さで切り出した試料について、透過型電子顕微鏡により触媒粒子を観察し、視野に含まれるすべての触媒粒子の粒子径を測定することで、視野と厚さを乗じた体積で規定される触媒層中に含まれる触媒粒子の粒子径および表面積を求めることができる。
【0012】
燃料電池触媒層から切り出した試料について、透過型電子顕微鏡により触媒粒子を観察する視野については、請求項4に示すように、一辺が100nm以上1μm以下であることが望ましい。
【0013】
本発明の透過型電子顕微鏡による燃料電池触媒層に含まれる触媒の定量的解析方法は、請求項5のように、触媒粒子が白金または少なくとも白金を含む合金について、おこなうことができるが、これに限られるものではない。
【0014】
このように、本方法によって、燃料電池触媒層から切り出した試料を厚さが10nm以上200nm以下の一定の厚さまで加工したものを透過型電子顕微鏡観察用試料として用いることで、試料の厚さを燃料電池触媒層の導電性担持体である炭素粒子の直径と同等まで薄くすることにより、透過型電子顕微鏡において炭素粒子に担持した触媒粒子の重なりが少なくなることで、個々の触媒粒子を区別して評価することが可能となる。また、透過型電子顕微鏡観察用試料を作製する際に、厚さを測定することにより、試料の厚さと透過型電子顕微鏡で観察した視野とを乗じた体積で規定される触媒層中に含まれる触媒粒子の粒子径および個数を求めることができるため、一定体積中に含まれる白金量を定量的に評価することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の透過型電子顕微鏡による燃料電池触媒層に含まれる触媒の定量的解析方法によれば、試料の厚さと透過型電子顕微鏡で観察した視野とを乗じた体積で規定される触媒層中に含まれる触媒粒子の粒子径および個数を求めることができ、これを用いて、触媒粒子の表面積および体積を求めることが可能となる。このように、過型電子顕微鏡によって得られた燃料電池触媒層の観察像の視野における触媒粒子について、定量的な評価が可能となるため、触媒層の各場所における触媒粒子の粒子径分布と触媒粒子の表面積および体積についての定量的な比較評価が可能となり、固体高分子型燃料電池の長時間運転における触媒の劣化による発電特性の低下と、触媒粒子の凝集、溶解・析出による粒子径の増大の関係についての解析が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態における燃料電池触媒層の透過型電子顕微鏡用観察試料の取り出し方法の図
【図2】本発明の実施の形態における透過型電子顕微鏡用観察試料の加工方法の図
【図3】本発明の実施の形態における高分子形燃料電池触媒層の透過型電子顕微鏡による観察方法の図
【図4】実施例1で作製した燃料電池触媒層から取り出した厚さ100nmの試料についての400nm×300nmの視野の透過型電子顕微鏡像の写真
【図5】実施例1で作製した厚さ100nmの試料についての400nm×300nmの視野の透過型電子顕微鏡像から求めた白金粒子数の粒子径分布のグラフ
【図6】実施例1で作製した厚さ100nmの試料についての400nm×300nmの視野の透過型電子顕微鏡像から求めた白金粒子体積の粒子径分布のグラフ
【図7】実施例1で作製した厚さ100nmの試料についての400nm×300nmの視野の透過型電子顕微鏡像から求めた白金粒子表面積の粒子径分布のグラフ
【図8】実施例2の電位サイクル試験6000回後の燃料電池触媒層から取り出した厚さ100nmの試料についての800nm×600nmの視野の透過型電子顕微鏡像の写真
【図9】実施例2の電位サイクル試験6000回後の燃料電池触媒層から取り出した厚さ100nmの試料についての800nm×600nmの視野の透過型電子顕微鏡像から求めた白金粒子数の粒子径分布のグラフ
【図10】実施例2の電位サイクル試験6000回後の燃料電池触媒層から取り出した厚さ100nmの試料についての800nm×600nmの視野の透過型電子顕微鏡像から求めた白金粒子体積の粒子径分布のグラフ
【図11】実施例2の電位サイクル試験6000回後の燃料電池触媒層から取り出した厚さ100nmの試料についての800nm×600nmの視野の透過型電子顕微鏡像から求めた白金粒子表面積の粒子径分布グラフ
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0018】
(実施の形態)
図1に示すように、カソード電極2、電解質膜4、アノード電極3からなる膜電極複合体(MEA)1のカソード電極をフォーカスドイオンビーム(FIB)5により掘り込み、試料片を取り出す。取り出した試料片は図2に示すように、透過電子顕微鏡の試料ホルダー7に取り付けたタングステン線8の先端に固定する。この試料片を走査型イオン顕微鏡の観察方向6から厚さを観察しながら、断面方向の厚さが100nmになるまで、FIB5により加工する。このようにして作製した試料片を、図3に示すような方法で試料片の厚さ10に垂直な方向9から透過型電子顕微鏡により観察を行う。
【0019】
観察した透過型電子顕微鏡像について、視野に含まれる個々の触媒粒子を球状と仮定して直径を測定することにより、試料の厚さと透過型電子顕微鏡で観察した視野とを乗じた体積で規定される触媒層中に含まれる触媒粒子の粒子径および個数を求めることができるため、一定体積中に含まれる白金量を定量的に評価することができる。さらに、これを用いて、触媒粒子の表面積および体積を求めることが可能となるため、触媒層の各場所における触媒粒子の粒子径分布と触媒粒子の表面積および体積についての定量的な比較評価が可能となるとともに、固体高分子型燃料電池の長時間運転における、触媒粒子の変化についての定量的な評価が可能となる。
【0020】
(実施例1)
触媒として炭素粒子に白金粒子が担持した白金担持炭素触媒(白金担持量46.1wt%、田中貴金属工業製)とナフィオン溶液を使用して、ナフィオンの重量1に対して、炭素の重量が0.8になるようにして作製した触媒ペーストを基材上に塗布した後に、ナフィオン NRE212CS膜上に転写することにより、触媒面積36cm2、アノード、カソード触媒層ともにPt担持量0.3mg/cm2、触媒層の厚さが10μmの膜電極複合体(MEA)を作製した。
【0021】
カソード電極2、電解質膜4、アノード電極3からなる膜電極複合体(MEA)1のカソード電極2から、図1に示すように、フォーカスドイオンビーム(FIB)5により掘り込むことで、30μm×20μm×10μmの大きさの試料片を切り出した。取り出した試料片は図2に示すように、透過型電子顕微鏡の試料ホルダー7に取り付けたタングステン線8の先端に固定し、この試料片を走査型イオン顕微鏡で観察しながら断面方向の厚さが100nmになるまで、フォーカスドイオンビーム(FIB)5により加工した。このようにして作製した試料片を、図3に示すような方法で透過型電子顕微鏡により観察を行った。
【0022】
透過型電子顕微鏡観察は、JEOL製JEM-2010Fを使用して加速電圧200kVで行なった。図4に示す400nm×300nmの視野の透過型電子顕微鏡像について、視野で観察される白金粒子すべてについて粒子径評価を行ったところ、白金粒子数は10220個であり、白金粒子数の粒子径分布は図5に示す通りであった。個々の白金粒子の直径から白金粒子を球状と仮定して体積を求めることにより、視野全体に含まれる白金粒子の全体積は106780nm3であり、白金粒子体積の粒子径分布は図6に示す通りであった。さらに、個々の白金粒子の直径から白金粒子を球状と仮定して表面積を求めることにより、視野全体に含まれる白金粒子の全表面積は213800nm2であり、白金表面積の粒子径分布は図7に示す通りであった。
【0023】
(実施例2)
実施例1と同様にしてMEAを作製し、マイクロポーラスレイヤー(MPL)付の厚さ200μmのGDL(SGLカーボン製)およびサーペンタイン型流路のカーボンセパレーターを使用して評価用セルを組み立てた。固体高分子型燃料電池の長時間運転におけるPt触媒の劣化による発電特性の低下を再現するために、評価用セルについて、セル温度65℃、アノードガスに水素、カソードガスに窒素を65℃、100%RH条件で流して、0.6Vから開回路電圧(OCV)の間の3秒周期の矩形波による電位サイクル試験を、繰り返し回数6000回で行った。
【0024】
電位サイクル試験後の評価用セルから実施例1と同様にして、MEAのカソード電極から、FIBにより、30μm×20μm×10μmの大きさの試料片を切り出し、断面方向の厚さが100nmになるまで、FIBにより加工して作製した試料片を、透過型電子顕微鏡により観察を行った。
【0025】
実施例1と同様にして観察した、図8に示す800nm×600nmの視野の透過型電子顕微鏡像について、視野で観察される白金粒子すべてについて粒子径評価を行ったところ、白金粒子数は8872個であり、白金粒子数の粒子径分布は図9に示す通りであった。個々の白金粒子の直径から白金粒子を球状と仮定して体積を求めることにより、視野全体に含まれる白金粒子の全体積は738338nm3であり、白金粒子体積の粒子径分布は図10に示す通りであった。さらに、個々の白金粒子の直径から白金粒子を球状と仮定して表面積を求めることにより、視野全体に含まれる白金粒子の全表面積は618730nm2であり、白金表面積の粒子径分布は図11に示す通りであった。
【0026】
(比較例1)
実施例1と同様にして作製したMEAから、FIBにより掘り込むことで、30μm×20μm×10μmの大きさに切り出した試料片を、透過型電子顕微鏡の試料ホルダーに取り付けたタングステン線の先端に固定し、この試料片を走査型イオン顕微鏡で観察しながら断面方向の厚さを100nm以下になるまで、FIBにより加工して薄くしたところ、厚さ20nmまでは試料片として形状を維持できたものの、厚さが20nm未満では試料片が形状を維持することができなかった。
【0027】
(実施例3)
実施例1と同様にして作製したMEAから、FIBにより掘り込むことで、30μm×20μm×10μmの大きさに切り出した試料片を、透過型電子顕微鏡の試料ホルダーに取り付けたタングステン線の先端に固定し、この試料片を走査型イオン顕微鏡で観察しながら断面方向の厚さが200nmになるまで、FIBにより加工した。このようにして作製した試料片について実施例1と同様にして観察した400nm×300nmの視野の透過型電子顕微鏡像について、視野で観察される白金粒子すべてについて粒子径評価を行ったところ、白金粒子の個数は20687個であり、粒子径分布の評価が可能であった。
【0028】
(比較例2)
実施例3と同様にして作製したMEAから、FIBにより掘り込むことで、30μm×20μm×10μmの大きさに切り出した試料片を、透過型電子顕微鏡の試料ホルダーに取り付けたタングステン線の先端に固定し、この試料片を走査型イオン顕微鏡で観察しながら断面方向の厚さが250nmになるまで、FIBにより加工した。
【0029】
このようにして作製した試料片について、実施例1と同様にして観察した400nm×300nmの視野の透過型電子顕微鏡像では、白金粒子が厚さ方向に重なっていて、個々の粒子を分離して計測することができなかった。
【0030】
(比較例3)
実施例1と同様にして作製したMEAから、FIBにより掘り込むことで、30μm×20μm×10μmの大きさに切り出した試料片を、透過型電子顕微鏡の試料ホルダーに取り付けたタングステン線の先端に固定し、この試料片を走査型イオン顕微鏡で観察しながら断面方向の厚さが100nmになるまで、FIBにより加工した。この試料について、透過型電子顕微鏡で観察した1.2μm×900nmの視野の透過型電子顕微鏡像について、視野で観察される白金粒子について粒子径評価を行ったところ、白金粒子数は約10万個と数が多すぎて、すべての白金粒子について粒子径評価をおこなうことができなかった。
【0031】
(比較例4)
比較例3と同様にMEAから切り出した試料片を、透過型電子顕微鏡で観察した133nm×100nmの視野の透過型電子顕微鏡像について、視野で観察される白金粒子すべてについて粒子径評価を行ったところ、白金粒子数は1058個であり、白金粒子径分布の評価が可能であったが、これより視野が狭いと、視野内に含まれる白金粒子数が少なくなるため、粒子径分布の評価としては不十分であった。
【0032】
(実施例4)
触媒として炭素粒子に白金・ルテニウム合金粒子が担持した白金・ルテニウム触媒(白金・ルテニウム担持量50wt%、田中貴金属工業製)とナフィオン溶液を使用して、ナフィオンの重量1に対して、炭素の重量が0.8になるようにして作製した触媒ペーストを基材上に塗布した後に、ナフィオン NRE212CS膜上に転写することにより、触媒面積36cm2、白金・ルテニウム合金担持量0.3mg/cm2、触媒層の厚さが10μmのアノード触媒層を作製し、カソード電極は実施例1と同様にして作製することによりMEAを作製した。
【0033】
このMEAのアノード電極から、FIBにより掘り込むことで、30μm×20μm×10μmの大きさに切り出した試料片を、透過型電子顕微鏡の試料ホルダーに取り付けたタングステン線の先端に固定し、この試料片を走査型イオン顕微鏡で観察しながら断面方向の厚さが100nmになるまで、FIBにより加工した。このようにして作製した試料片について実施例1と同様にして観察した400nm×300nmの視野の透過型電子顕微鏡像について、視野で観察される白金・ルテニウム合金粒子すべてについて粒子径評価を行ったところ、粒子径分布の評価が可能であった。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の透過電子顕微鏡による燃料電池触媒層の触媒粒子の定量的解析方法によれば、透過電子顕微鏡像の視野における白金の定量的な評価が可能となり、燃料電池触媒層の局所的な触媒粒子についての解析が可能となるため、燃料電池の触媒層評価に有用である。
【符号の説明】
【0035】
1 膜電極複合体(MEA)
2 カソード電極
3 アノード電極
4 電解質膜
5 フォーカスドイオンビーム(FIB)
6 走査型イオン顕微鏡による観察方向
7 試料ホルダー
8 タングステン線
9 透過型電子顕微鏡(TEM)による観察方向
10 透過型電子顕微鏡用観察試料の厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池触媒層から切り出した厚さが10nm以上200nm以下の一定の厚さで切り出した試料について、透過型電子顕微鏡により触媒粒子を観察し、視野に含まれるすべての触媒粒子の粒子径を測定することで、視野と厚さを乗じた体積で規定される触媒層中に含まれる触媒粒子の粒子径および個数を求める、透過型電子顕微鏡による燃料電池触媒層に含まれる触媒の定量的解析方法。
【請求項2】
燃料電池触媒層から切り出した厚さが10nm以上200nm以下の一定の厚さで切り出した試料について、透過型電子顕微鏡により触媒粒子を観察し、視野に含まれるすべての触媒粒子の粒子径を測定することで、視野と厚さを乗じた体積で規定される触媒層中に含まれる触媒粒子の粒子径および体積を求める、透過型電子顕微鏡による燃料電池触媒層に含まれる触媒の定量的解析方法。
【請求項3】
燃料電池触媒層から切り出した厚さが10nm以上200nm以下の一定の厚さで切り出した試料について、透過型電子顕微鏡により触媒粒子を観察し、視野に含まれるすべての触媒粒子の粒子径を測定することで、視野と厚さを乗じた体積で規定される触媒層中に含まれる触媒粒子の粒子径および表面積を求める、透過型電子顕微鏡による燃料電池触媒層に含まれる触媒の定量的解析方法。
【請求項4】
燃料電池触媒層から切り出した試料について、透過型電子顕微鏡により触媒粒子を観察する視野の一辺が100nm以上1μm以下であることを特徴とする、請求項1から3に記載される透過型電子顕微鏡による燃料電池触媒層に含まれる触媒の定量的解析方法。
【請求項5】
触媒粒子が白金または少なくとも白金を含む合金からなることを特徴とする、請求項1から4に記載される透過型電子顕微鏡による燃料電池触媒層に含まれる触媒の定量的解析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−195260(P2012−195260A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60223(P2011−60223)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】