通信システム、基地局装置、移動局装置、処理方法及び処理装置
【課題】基地局装置がリソースブロックを適切に割り当てることにより、移動局装置と基地局装置が効率的な通信を行うことができる通信システム、基地局装置、移動局装置、処理方法及び処理装置を提供する。
【解決手段】通信システムは、通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、基地局装置は、通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを移動局装置に割り当て、割り当てられたリソースブロックにデータを配置して送信し、移動局装置は、割り当てられたリソースブロックに配置されたデータを受信する。
【解決手段】通信システムは、通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、基地局装置は、通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを移動局装置に割り当て、割り当てられたリソースブロックにデータを配置して送信し、移動局装置は、割り当てられたリソースブロックに配置されたデータを受信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、基地局装置、移動局装置、処理方法及び処理装置に関する。
本願は、2008年8月6日に、日本に出願された特願2008−203360号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project:第3世代パートナーシッププロジェクト)は、携帯電話システムの仕様の検討・作成を行うプロジェクトである。3GPPは、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access:広帯域−符号分割多元接続)とGSM(Global System for Mobile Communications:ジーエスエム)を発展させたネットワークを基本としている。
【0003】
3GPPでは、W−CDMA方式が第3世代セルラー移動通信方式として標準化され、順次サービスが開始されている。また、通信速度をさらに上げたHSDPA(High−Speed Downlink Packet Access:エイチエスディーピーエー)も標準化され、サービスが開始されている。
3GPPでは、第3世代無線アクセス技術の進化であるEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が検討されている。
【0004】
EUTRAにおける下りリンク通信方式として、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)方式が提案されている。OFDMAは、互いに直交するサブキャリアを用いてユーザの多重化を行う方式である。
また、OFDMA方式において、チャネル符号化等の適応無線リンク制御(リンクアダプテーション:Link Adaptation)に基づく適応変復調・誤り訂正方式(AMCS:Adaptive Modulation and Coding Scheme)といった技術が適用されている。
AMCSとは、高速パケットデータ伝送を効率的に行うために、各移動局装置のチャネル品質に応じて、誤り訂正方式、誤り訂正の符号化率、データ変調多値数などの無線伝送パラメータ(AMCモードとも称する)を切り替える方式である。
各移動局装置のチャネル品質は、CQI(Channel Quality Indicator:チャネル品質指標)を使って基地局装置へフィードバックされる。
【0005】
図23は、従来の無線通信システムで用いられているチャネル構成を説明する図である。このチャネル構成は、EUTRAなどの無線通信システムで用いられている(非特許文献1参照)。図23に示す無線通信システムは、基地局装置1000、移動局装置2000a、2000b、2000cを備えている。R01は、基地局装置1000の通信可能な範囲を示している。基地局装置1000は、この範囲R01内に存在する移動局装置と通信する。
【0006】
EUTRAにおいて、基地局装置1000から移動局装置2000a〜2000cへ信号を送信する下りリンクでは、物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical Multicast Channel)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator Channel)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH:Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)が用いられる。
【0007】
また、EUTRAにおいて、移動局装置2000a〜2000cから基地局装置1000へ信号を送信する上りリンクでは、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)が用いられる。
【0008】
図24は、従来の無線通信システムで用いられる帯域の一例を示す図である。図24において、横軸は周波数を示しており、縦軸はキャリア周波数を示している。図24では、キャリア周波数がf11である。周波数方向に一つの連続した帯域W11を用いて、基地局装置と移動局装置とが通信する。このような帯域の使用方法は、EUTRAなどの一般的な無線通信システムで用いられている。
【0009】
図25は、従来の無線通信システムで用いられる帯域の他の一例を示す図である。図25において、横軸は周波数を示している。図25では、周波数方向に、不連続な複数の帯域W21、W22を用いる(非特許文献2)。図25に示すように、周波数方向に不連続な複数の帯域を複合的に用いることを、アグリゲーションという。
【0010】
しかしながら、従来から知られている無線通信システムでは、移動局装置を使用するユーザに対して、基地局装置がリソースブロックを適切に割り当てることができなかった。そのため、移動局装置と基地局装置が効率的な通信を行うことができないという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】3GPP TS(Technical Specification)36.300、V8.4.0(2008−03)、Technical Specification Group Radio Access Network、Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E−UTRAN);Overall description;Stage 2(Release 8)
【非特許文献2】“Framework for LTE−Advanced air−interface technology development”3GPP TSG RAN IMT−Advanced Workshop REV−080020、2008年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基地局装置がリソースブロックを適切に割り当てることにより、移動局装置と基地局装置が効率的な通信を行うことができる通信システム、基地局装置、移動局装置、処理方法及び処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1) 本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の第1の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムにおいて、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、前記基地局装置は、前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信し、前記移動局装置は、割り当てられた前記リソースブロックに配置された前記データを受信することを特徴とする通信システムである。
【0014】
(2) 本発明の第2の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる基地局装置であって、前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信することを特徴とする基地局装置である。
【0015】
(3) 本発明の第2の態様において、同時に複数使用される前記通信リソースのうち、1つ以上の通信リソースに物理報知チャネルを配置し、他の1つ以上の通信リソースに物理報知チャネルを配置しなくても良い。
【0016】
(4) 本発明の第3の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる移動局装置における処理方法であって、前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックに配置されたデータを受信することを特徴とする移動局装置である。
【0017】
(5) 本発明の第3の態様において、同時に複数使用される前記通信リソースのうち、1つ以上の通信リソースは物理報知チャネルを有し、他の1つ以上の通信リソースは物理報知チャネルを有しなくても良い。
【0018】
(6) 本発明の第4の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる基地局装置における処理方法であって、前記基地局装置は、前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信することを特徴とする処理方法である。
【0019】
(7) 本発明の第5の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる移動局装置における処理方法であって、前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、前記移動局装置は、前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックに配置されたデータを受信することを特徴とする処理方法である。
【0020】
(8) 本発明の第6の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用される移動局装置に実装される処理装置であって、複数の処理部から構成される処理装置において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して前記基地局装置と通信する際に、使用可能な前記通信リソースのそれぞれの周波数帯域幅を示す情報であって前記基地局装置から取得した前記情報を使用して前記各通信リソースにおいてサブバンドを構成するリソースブロックの数を前記各通信リソース毎に決定し、前記リソースブロックの数を使用して前記各通信リソースにおいて前記サブバンドを特定し、前記サブバンド毎の受信品質の指標を前記基地局装置にフィードバックする機能を前記移動局装置に発揮させる処理とを、それぞれ異なる前記処理部で行うことを特徴とする処理装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の通信システム、基地局装置、移動局装置、処理方法及び処理装置では、基地局装置がリソースブロックを適切に割り当てることにより、移動局装置と基地局装置が効率的な通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態による物理リソースブロックの配置方法を示す図である。
【図2】図1(b)に示した物理リソースブロック(PRB)配置を行った場合の物理リソースブロック(PRB)内での伝搬路特性の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態で用いる物理リソースブロック(PRB)の構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる帯域の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態で用いるサブフレーム構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる下りリンクのチャネルの構成を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる上りリンクのチャネルの構成を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態による無線通信システムの下りリンクで用いるフレーム構成を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態による通信システムの上りリンクで用いるフレーム構成を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態による基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本発明の第1の実施形態による移動局装置200の構成を示す概略ブロック図である。
【図12】本発明の第1の実施形態による基地局装置100(図10)のデータ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103aの構成を示す概略ブロック図である。
【図13】本発明の第1の実施形態による移動局装置200(図11)の無線部203a、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207aの構成を示す概略ブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施形態による無線通信システムで用いる帯域の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態による基地局装置のデータ制御部101b、OFDM変調部102b、無線部103bの構成を示す概略ブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施形態による移動局装置の無線部203b、チャネル推定部205b、OFDM復調部206b、データ抽出部207bの構成を示す概略ブロック図である。
【図17】本発明の第2の実施形態で用いるサブフレーム構成の他の一例を示す図である。
【図18】本発明の第3の実施形態による通信システムで用いるサブバンドの一例を示す図である。
【図19】本発明の第3の実施形態で用いるサブフレーム構成の一例を示す図である。
【図20】本発明の第3の実施形態で用いるサブバンドの配置方法の一例を示す図である。
【図21】本発明の第3の実施形態による無線通信システムが使用するサブバンドの配置方法の一例を示す図である。
【図22】本発明の第3の実施形態で用いるサブバンドの配置方法の他の一例を示す図である。
【図23】従来の無線通信システムで用いられているチャネル構成を示す図である。
【図24】従来の無線通信システムで用いられる帯域の一例を示す図である。
【図25】従来の無線通信システムで用いられる帯域の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の無線通信システムは、基地局装置と移動局装置とを備えている。本発明の第1〜第3の実施形態を説明する前に、本発明の概略について説明する。
【0024】
図1(a)及び図1(b)は、本発明の実施形態による物理リソースブロックの配置方法を示す図である。ここでは、不連続な複数のシステム帯域(占有帯域)を用いる広帯域システムにおいて、ユーザの割り当て単位である物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)の配置方法の一例について説明する。図1(a)において、縦軸は周波数を示している。また、図1(b)において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
【0025】
図1(a)に示すように、本発明では、基地局装置と移動局装置とが通信する際に複数のシステム帯域(ここでは、システム帯域W1とシステム帯域W2)を用いる。システム帯域W1とシステム帯域W2には、それぞれ複数のサブキャリアが含まれている。
図1(b)は、マルチキャリア通信方式の一種であるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiple:直交周波数分割多重)における送信単位であるサブフレーム(サブフレーム番号が0番のサブフレーム)の構成の一例を示している。
【0026】
1サブフレームは少なくとも一つのスロットを含む。ここでは、一例として、サブフレーム#F0が、2つのスロット#S0とスロット#S1とを含んでいる。
また、スロットは少なくとも1つのOFDMシンボルを含む。ここでは、一例として、1つのスロット#S0、#S1が、それぞれ7つのOFDMシンボルを含んでいる。
また、1つのスロットは周波数方向に複数のブロックに分割される。所定数のサブキャリアを周波数方向の単位として、1個の物理リソースブロック(PRB)を構成する。
1つのサブキャリアと1つのOFDMシンボルとで構成される単位を、リソースエレメントと称する。物理層でのリソースマッピング処理で各リソースエレメントに対して変調シンボルなどがマッピングされる。
【0027】
上述したように、物理リソースブロック(PRB)は、送信の単位であるサブフレームを周波数と時間の2次元上で格子状に分割した領域である。以下では、それぞれの物理リソースブロック(PRB)は、周波数方向に一様な帯域幅WPRBを持つ場合について説明する。図1(b)に示すように、物理リソースブロック(PRB)には、下りリンク参照信号A01や、物理下りチャネルA02が配置されている。
【0028】
従来技術で説明した図25のような不連続な複数の帯域(W21、W22)を複合的に用いて1つの広帯域なシステムを運用する際、本発明の実施形態では、複数の帯域のそれぞれに、周波数軸上に自然数個の物理リソースブロック(PRB)を配置する。図1(a)及び図1(b)では、システムがシステム帯域W1とシステム帯域W2の2つの下りリンク帯域を用いる場合について示している。システム帯域W1にはN1個(N1は自然数)の物理リソースブロック(PRB)を配置し、システム帯域W2にはN2個(N2は自然数)の物理リソースブロック(PRB)を配置している。
【0029】
例えば、システムに対して許可されたシステム帯域の帯域幅がW1であり、システム帯域の帯域幅がW2であり、WPRBが固定の値に設定されているようなシステムである場合について説明する。N1を(W1/WPRB)以下となる自然数に設定し、N2を(W2/WPRB)以下となる自然数に設定する。これにより、W1の帯域の中のN1WRPBの帯域に物理リソースブロック(PRB)を配置し、W2の帯域の中のN2WRPBの帯域に物理リソースブロック(PRB)を配置するようにシステム帯域を用いる。
あるいは、WPRBが送信機である基地局装置毎(あるいは地域毎)に設定可能なパラメータであるシステムにおいては、WPRBを所定の自然数N1を用いてW1/N1、あるいは所定の自然数N2を用いてW2/N2と設定しても良い。なお、ここでは、W1とW2はガードバンドを考慮した使用帯域幅である。
【0030】
以上、2つの例について説明したが、これに限るものではない。例えば、異なる複数のシステム帯域内のサブキャリアが1つの物理リソースブロック(PRB)に存在しないような物理リソースブロック(PRB)の配置にするように、複数のシステム帯域を使用する他の方法を用いても良い。
【0031】
図2(a)及び図2(b)は、図1(b)に示した物理リソースブロック(PRB)配置を行った場合の物理リソースブロック(PRB)内での伝搬路特性の一例を示す図である。図2(a)及び図2(b)において、縦軸は周波数を示している。
図2(a)は、システム帯域W1とシステム帯域W2を含む周波数軸上の伝搬路特性である。図2(b)は、各物理リソースブロック(PRB)における伝搬路特性である。システム帯域W1に割り当てる物理リソースブロック(PRB)の中で最も周波数の高い物理リソースブロック(PRB)と、システム帯域W2に割り当てる物理リソースブロック(PRB)の中で最も周波数が低い物理リソースブロック(PRB)との間で、伝搬路特性が不連続になる。
しかし、本発明の実施形態では、複数のシステム帯域を跨ぐような物理リソースブロック(PRB)を生じさせないように物理リソースブロック(PRB)を配置する。そのため、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となる。
【0032】
図3は、本発明の実施形態で用いる物理リソースブロック(PRB)の構成の一例を示す図である。図3において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。サブフレーム#F0には、スロット#S0とスロット#S1とが含まれている。図3において、1つの物理リソースブロック(PRB)の帯域は、WPRBである。
黒塗りの領域には、下りリンク参照信号A01が配置されており、白抜きの領域には、物理チャネルA02が配置されている。下りリンク参照信号A01は、基地局装置100と移動局装置200との間で既知の信号である。下りリンク参照信号A01は、伝搬路推定や受信品質(受信電力や受信SNR(Signal to Noise power Ratio:信号対雑音比)など)測定などに用いられる。
【0033】
同期検波などを行う場合、物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける伝搬路推定値が必要である。一般的には参照信号における伝搬路推定値を用いてリソースエレメントにおける伝搬路推定値を算出する。例えば、以下の(1a)〜(3a)のような、伝搬路特性の連続性を用いた方法を使用する。
【0034】
(1a) 参照信号における伝搬路推定値を、そのまま物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける伝搬路推定値として用いる。
(2a) 参照信号における伝搬路推定値を補間することにより、物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける伝搬路推定値を算出する。
(3a) 参照信号における伝搬路推定値に対してMMSE(Minimum Mean Square Error:最小平均二乗誤差)などのフィルタリングを行うことにより、物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける伝搬路推定値を算出する。
【0035】
これらの(1a)〜(3a)の方法は、伝搬路特性の連続性を用いる。そのため、物理リソースブロック(PRB)内で伝搬路特性が不連続である場合に、急激に伝搬路推定の精度が劣化する。しかしながら、本発明の実施形態では、複数のシステム帯域を跨ぐような物理リソースブロック(PRB)を生じさせないように物理リソースブロック(PRB)配置をする。そのため、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となり、これらの方法(1a)〜(3a)をそのまま適用することができる。
【0036】
また、物理リソースブロック(PRB)の受信品質を測定することにより、適応的なスケジューリングや送信パラメータの設定を行うシステムでは、移動局装置200で参照信号を用いて物理リソースブロック(PRB)の受信品質を測定し、測定結果を加工して、基地局装置100にフィードバックすることで、伝搬路特性に応じたスケジューリングや送信パラメータの設定を行う。このとき、物理リソースブロック(PRB)の受信品質の精度は物理リソースブロック(PRB)内の伝搬路特性の分散(ばらつき)の影響を大きく受ける。
【0037】
すなわち、分散が大きいほど物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける受信品質と物理リソースブロック(PRB)の受信品質との差が大きくなる。物理リソースブロック(PRB)内で伝搬路特性が不連続であるとすると、伝搬路特性の分散が大きくなるため、急激に受信品質測定の精度が低下する。
しかしながら、本発明の実施形態では、複数のシステム帯域を跨ぐような物理リソースブロック(PRB)を生じさせないように物理リソースブロック(PRB)配置をする。そのため、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となり、分散が比較的小さくなるため、受信品質測定の精度を保持することができる。
このように、本発明の実施形態で用いる物理リソースブロック(PRB)の配置は、複数の帯域のそれぞれに、周波数軸上に自然数個の物理リソースブロック(PRB)を設置する。これにより、伝搬路推定や受信品質測定の精度が劣化することを防ぐことができる。
【0038】
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態による無線通信システムついて説明する。この無線通信システムは、基地局装置100(図10)と、移動局装置200(図11)とを備えている。
【0039】
図4は、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる帯域の一例を示す図である。図4において、横軸は周波数を示している。
本実施形態では、複数のシステム帯域を用いたシステムの一例として、図4に示すように、キャリア周波数がf1であるシステム帯域W1とシステム帯域W2とを用いて、基地局装置100と移動局装置200とが通信する。基地局装置100は、システム帯域W1とシステム帯域W2を1つのキャリアとして用いて移動局装置200に信号を送信する。
なお、基地局装置100側で十分に同期を取っていれば、それぞれ別のキャリアを用いて信号を移動局装置200に送信しても良い。
【0040】
図5(a)及び図5(b)は、本発明の第1の実施形態で用いるサブフレーム構成の一例を示す図である。図5(a)において、縦軸は周波数を示している。また、図5(b)において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
図5(a)に示すように、本実施形態では、基地局装置100と移動局装置200が通信する際に、複数の帯域(ここでは、システム帯域W1とシステム帯域W2)を用いる。システム帯域W1とシステム帯域W2には、それぞれ複数のサブキャリアが含まれている。
図5(b)に示すように、サブフレーム#F0には、スロット#S0とスロット#S1が含まれている。スロット#S0とスロット#S1には、それぞれ7個のOFDMシンボルが含まれている。
【0041】
システム帯域W2に対応するN2WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N2個含まれている。N2WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02が配置されている。
システム帯域W1に対応するN1WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N1個含まれている。N1WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02、物理下りリンク同期信号A03、物理報知チャネル(PBCH)A04が配置されている。
【0042】
システム帯域のいずれか(ここでは、システム帯域W1)に、同期用の信号である物理下りリンク同期信号A03(同期チャネル)と、報知情報を含むチャネルである物理報知チャネルA04が挿入されている。
移動局装置200は、物理下りリンク同期信号A03を探索して同期を取るとともに、物理報知チャネルA04内の情報を取得する。物理報知チャネルA04内の情報には、システム帯域を示す情報(システム帯域W2を含むアグリゲーションリソースの領域に関する情報)が含まれている。移動局装置200は、この情報を用いて、システム帯域W1とシステム帯域W2とを、基地局装置100から受信する。
【0043】
このとき、システム帯域W1にN1個の、システム帯域W2にN2個の物理リソースブロック(PRB)を配置する。これにより、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となる。このため、伝搬路推定や受信品質測定の精度が劣化することを防ぐことができる。
以下では、EUTRAシステムに基づいて、複数のシステム帯域を用いたEUTRAシステムに対して、本発明の実施形態を適用する場合について説明する。
始めに、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いるチャネル構成について説明する。
【0044】
図6は、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる下りリンクのチャネルの構成を示す図である。また、図7は、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる上りリンクのチャネルの構成を示す図である。図6に示す下りリンクのチャネルと、図7に示す上りリンクのチャネルは、それぞれ論理チャネル、トランスポートチャネル、物理チャネルから構成されている。
論理チャネルは、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層で送受信されるデータ送信サービスの種類を定義する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースで送信されるデータがどのような特性をもち、そのデータがどのように送信されるのかを定義する。物理チャネルは、トランスポートチャネルを運ぶ物理的なチャネルである。
【0045】
下りリンクの論理チャネルには、報知制御チャネル(BCCH:Broadcast Control Channel)、ページング制御チャネル(PCCH:Paging Control Channel)、共通制御チャネル(CCCH:Common Control Channel)、専用制御チャネル(DCCH:Dedicated Control Channel)、専用トラフィックチャネル(DTCH:Dedicated Traffic Channel)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH:Multicast Control Channel)、マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH:Multicast Traffic Channel)が含まれる。
上りリンクの論理チャネルには、共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)が含まれる。
【0046】
下りリンクのトランスポートチャネルには、報知チャネル(BCH:Broadcast Channel)、ページングチャネル(PCH:Paging Channel)、下りリンク共用チャネル(DL−SCH:Downlink Shared Channel)、マルチキャストチャネル(MCH:Multicast Channel)が含まれる。
上りリンクのトランスポートチャネルには、上りリンク共用チャネル(UL−SCH:Uplink Shared Channel)、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)が含まれる。
【0047】
下りリンクの物理チャネルには、物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical Multicast Channel)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator Channel)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH:Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)が含まれる。
上りリンクの物理チャネルには、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)が含まれる。
これらのチャネルは、従来技術で説明した図23のようにして基地局装置100と移動局装置200の間で送受信される。
【0048】
次に、論理チャネルについて説明する。報知制御チャネル(BCCH)は、システム制御情報を報知するために使用される下りリンクチャネルである。ページング制御チャネル(PCCH)は、ページング情報を送信するために使用される下りリンクチャネルであり、ネットワークが移動局装置のセル位置を知らないときに使用される。
共通制御チャネル(CCCH)は、移動局装置とネットワーク間の制御情報を送信するために使用されるチャネルであり、ネットワークと無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を有していない移動局装置によって使用される。
【0049】
専用制御チャネル(DCCH)は、1対1(point−to−point)の双方向チャネルであり、移動局装置200とネットワーク間で個別の制御情報を送信するために利用されるチャネルである。専用制御チャネル(DCCH)は、RRC接続を有している移動局装置によって使用される。
専用トラフィックチャネル(DTCH)は、1対1の双方向チャネルであり、1つの移動局装置専用のチャネルであって、ユーザ情報(ユニキャストデータ)の転送のために利用される。
【0050】
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、ネットワークから移動局装置200へMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service:マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス)制御情報を、一対多(point−to−multipoint)送信するために使用される下りリンクチャネルである。これは、一対多でサービスを提供するMBMSサービスに使用される。
【0051】
MBMSサービスの送信方法としては、単セル一対多(SCPTM:Single−Cell Point−to−Multipoint)送信と、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス単一周波数網(MBSFN:Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)送信とがある。
MBSFN送信(MBSFN Transmission)とは、複数セルから同時に識別可能な波形(信号)を送信する同時送信技術である。一方、SCPTM送信とは、1つの基地局装置でMBMSサービスを送信する方法である。
【0052】
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、1つまたは複数のマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)に利用される。マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、ネットワークから移動局装置へトラフィックデータ(MBMS送信データ)を一対多(point−to−multipoint)送信するために使用される下りリンクチャネルである。
なお、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、MBMSを受信する移動局装置だけが利用する。
【0053】
次に、トランスポートチャネルについて説明する。報知チャネル(BCH)は、固定かつ事前に定義された送信形式によって、セル全体に報知される。下りリンク共用チャネル(DL−SCH)では、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)、動的適応無線リンク制御、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)、MBMS送信がサポートされ、セル全体に報知される必要がある。
また、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)では、ビームフォーミングを利用可能であり、動的リソース割り当ておよび準静的リソース割り当てがサポートされる。ページングチャネル(PCH)では、DRXがサポートされ、セル全体に報知される必要がある。
また、ページングチャネル(PCH)は、トラフィックチャネルや他の制御チャネルに対して動的に使用される物理リソース、すなわち物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)、にマッピングされる。
【0054】
マルチキャストチャネル(MCH)は、セル全体に報知される必要がある。また、マルチキャストチャネル(MCH)では、複数セルからのMBMS送信のMBSFN(MBMS Single Frequency Network)結合(Combining)や、拡張サイクリックプリフィックス(CP:Cyclic Prefix)を使う時間フレームなど、準静的リソース割り当てがサポートされる。
上りリンク共用チャネル(UL−SCH)では、HARQ、動的適応無線リンク制御がサポートされる。また、上りリンク共用チャネル(UL−SCH)では、ビームフォーミングを利用可能である。動的リソース割り当ておよび準静的リソース割り当てがサポートされる。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、限られた制御情報が送信され、衝突リスクがある。
【0055】
次に、物理チャネルについて説明する。物理報知チャネル(PBCH)は、40ミリ秒間隔で報知チャネル(BCH)をマッピングする。40ミリ秒のタイミングは、ブラインド検出(blind detection)される。すなわち、タイミング提示のために、明示的なシグナリングを行わなくても良い。また、物理報知チャネル(PBCH)を含むサブフレームは、そのサブフレームだけで復号できる。つまり、自己復号可能(self−decodable)である。
【0056】
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)は、下りリンク共用チャネル(PDSCH)のリソース割り当て、下りリンクデータに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ)情報、および、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)のリソース割り当てである上りリンク送信許可(上りリンクグラント)を移動局装置に通知するために使用されるチャネルである。
【0057】
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)は、下りリンクデータまたはページング情報を送信するために使用されるチャネルである。物理マルチキャストチャネル(PMCH)は、マルチキャストチャネル(MCH)を送信するために利用するチャネルであり、下りリンク参照信号、上りリンク参照信号、物理下りリンク同期信号が別途配置される。
【0058】
物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)は、主に上りリンクデータ(UL−SCH)を送信するために使用されるチャネルである。基地局装置100が、移動局装置200をスケジューリングした場合には、チャネルフィードバックレポート(CQI、PMI、RI)や下りリンク送信に対するHARQ肯定応答(ACK:Acknowledgement)/否定応答(NACK:Negative Acknowledgement)も物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)を使用して送信される。
【0059】
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを持つ。物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、チャネルフィードバックレポート(CFR)、スケジューリング要求(SR:Scheduling Request)、下りリンク送信に対するHARQ、肯定応答/否定応答などを送信するために使用されるチャネルである。
【0060】
物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)のために使用されるOFDMシンボル数を移動局装置に通知するために利用するチャネルであり、各サブフレームで送信される。
物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)は、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを送信するために利用するチャネルである。
【0061】
次に、本発明の第1の実施形態による通信システムによるチャネルマッピングについて説明する。
図6に示されるように、下りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。報知チャネル(BCH)は、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
マルチキャストチャネル(MCH)は、物理マルチキャストチャネル(PMCH)にマッピングされる。ページングチャネル(PCH)および下りリンク共用チャネル(DL−SCH)は、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)にマッピングされる。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)は、物理チャネル単独で使用される。
【0062】
一方、上りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。上りリンク共用チャネル(UL−SCH)は、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)にマッピングされる。
ランダムアクセスチャネル(RACH)は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)にマッピングされる。物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、物理チャネル単独で使用される。
【0063】
また、下りリンクにおいて、次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。ページング制御チャネル(PCCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
報知制御チャネル(BCCH)は、報知チャネル(BCH)と下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)とマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングされる。マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)とマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングされる。
【0064】
なお、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)からマルチキャストチャネル(MCH)へのマッピングは、MBSFN送信時に行われる。一方、SCPTM送信時は、このマッピングは下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
【0065】
一方、上りリンクにおいて次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)は、上りリンク共用チャネル(UL−SCH)にマッピングされる。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、論理チャネルにマッピングされない。
次に、本発明の第1の実施形態による無線通信システムで用いるフレームの構成について説明する。
【0066】
図8は、本発明の第1の実施形態による無線通信システムの下りリンクで用いるフレーム構成を示す図である。また、図9は、本発明の第1の実施形態による無線通信システムの上りリンクで用いるフレーム構成を示す図である。図8及び図9において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
システムフレーム番号(SFN:System Frame Number)で識別される無線フレームは10ミリ秒(10ms)で構成されている。また、1サブフレームは1ミリ秒(1ms)で構成されている。無線フレームには10個のサブフレーム#F0〜#F9が含まれる。
【0067】
図8に示すように、下りリンクで用いる無線フレームには、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)A11、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)A12、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)A13、物理下りリンク同期信号A14、物理報知チャネル(PBCH)A15、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)/物理マルチキャストチャネル(PMCH)A16、下りリンク参照信号A17が配置されている。
【0068】
図9に示すように、上りリンクで用いる無線フレームには、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)A21、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)A22、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)A23、上りリンク復調用参照信号A24、上りリンク測定用参照信号A25が配置されている。
【0069】
1サブフレーム(例えば、サブフレーム#F0)は、2つのスロット#S0、#S2に分離される。通常のサイクリックプレフィックス(normal CP)が使用される場合、下りリンクのスロットは7個のOFDMシンボルで構成され(図8参照)、上りリンクのスロットは7個のSC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)シンボルで構成される(図9参照)。
なお、拡張CP(long CP、または、extended CPとも称する)が使用される場合は、下りリンクのスロットは6個のOFDMシンボルで構成され、上りリンクのスロットは6個のSC−FDMAシンボルで構成される。
【0070】
また、1つのスロットは周波数方向に複数のブロックに分割される。15kHzのサブキャリア12本を周波数方向の単位として、1個の物理リソースブロック(PRB)を構成する。物理リソースブロック(PRB)数は、システム帯域幅に応じて、6個から110個までサポートされる。
下りリンク、上りリンクのリソース割り当ては、時間方向にサブフレーム単位かつ周波数方向に物理リソースブロック(PRB)単位で行われる。すなわち、サブフレーム内の2つのスロットは、一つのリソース割り当て信号で割り当てられる。
【0071】
サブキャリアとOFDMシンボルまたはサブキャリアとSC−FDMAシンボルで構成される単位をリソースエレメントと称する。物理層でのリソースマッピング処理で各リソースエレメントに対して変調シンボルなどがマッピングされる。
【0072】
下りリンクトランスポートチャネルの物理層での処理では、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)に対する24ビットの巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)の付与、チャネルコーディング(伝送路符号化)、物理層HARQ処理、チャネルインターリービング、スクランブリング、変調(QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4相位相偏移変調)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)、64QAM)、レイヤマッピング、プレコーディング、リソースマッピング、アンテナマッピングなどが行われる。
【0073】
一方、上りリンクトランスポートチャネルの物理層での処理では、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)に対する24ビットの巡回冗長検査(CRC)の付与、チャネルコーディング(伝送路符号化)、物理層HARQ処理、スクランブリング、変調(QPSK、16QAM、64QAM)、リソースマッピング、アンテナマッピングなどが行われる。
【0074】
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)および物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)は、最初の3OFDMシンボル以下に配置される。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)では、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)およびページングチャネル(PCH)に対するトランスポートフォーマット、リソース割り当て、HARQ情報が送信される。トランスポートフォーマットは、変調方式、符号化方式、トランスポートブロックサイズなどを規定する。
【0075】
また、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)では、上りリンク共用チャネル(UL−SCH)に対するトランスポートフォーマット(変調方式、符号化方式、トランスポートブロックサイズなどを規定する)、リソース割り当て、HARQ情報が送信される。
また、複数の物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)がサポートされ、移動局装置200は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)のセットをモニタリングする。
【0076】
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)で割り当てられた物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)と同一のサブフレームにマッピングされる。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)で割り当てられた物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)は、予め定められた位置のサブフレームにマッピングされる。例えば、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)の下りリンクサブフレーム番号がNの場合、N+4番の上りリンクサブフレームにマッピングされる。
また、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)による上り/下りリンクのリソース割り当てにおいて、移動局装置は、16ビットのMAC層識別情報(MAC ID)を用いて特定される。すなわち、この16ビットのMAC層識別情報(MAC ID)が物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)に含まれる。
【0077】
また、下りリンク状態の測定用および下りリンクデータの復調用に使用される下りリンク参照信号(下りリンクパイロットチャネル)は、各スロットの1番目、2番目、後ろから3番目のOFDMシンボルに配置される。
一方、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)の復調用に使用される上りリンク復調用参照信号(復調用パイロット(DRS:Demodulation Reference Signal))は、各スロットの4番目のSC−FDMAシンボルで送信される。
また、上りリンク状態の測定用に使用される上りリンク測定用参照信号(スケジューリング用パイロット(SRS:Sounding Reference Signal))は、サブフレームの先頭のSC−FDMAシンボルで送信される。
上りリンク制御チャネル(PUCCH)の復調用参照信号は、上りリンク制御チャネルのフォーマットごとに定義され、各スロットの3、4および5番目、または、各スロットの2番目および6番目のSC−FDMAシンボルで送信される。
【0078】
また、物理報知チャネル(PBCH)、下りリンク同期信号は、システム帯域の中心6物理リソースブロック分の帯域に配置される。物理下りリンク同期信号は、1番目(サブフレーム#F0)および5番目(サブフレーム#F4)のサブフレームの各スロットの6番目、7番目のOFDMシンボルで送信される。
物理報知チャネル(PBCH)は、1番目(サブフレーム#0)のサブフレームの1番目のスロット(スロット#S0)の4番目、5番目のOFDMシンボルと2番目のスロット(スロット#S1)の1番目、2番目のOFDMシンボルで送信される。
【0079】
また、ランダムアクセスチャネル(RACH)は、周波数方向に6個の物理リソースブロック分の帯域幅、時間方向に1サブフレームで構成される。移動局装置から基地局装置にさまざまな理由で要求(上りリンクリソースの要求、上りリンク同期の要求、下りリンクデータ送信再開要求、ハンドオーバー要求、接続設定要求、再接続要求、MBMSサービス要求など)を行うために送信される。
【0080】
上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、システム帯域の両端に配置され、物理リソースブロック単位で構成される。スロット間でシステム帯域の両端が交互に使用されるように周波数ホッピングが行われる。
【0081】
図10は、本発明の第1の実施形態による基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。基地局装置100は、データ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103a、スケジューリング部104、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM(DFT−Spread−OFDM)復調部106、データ抽出部107、上位層108、アンテナ部A1を備えている。
無線部103a、スケジューリング部104、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM復調部106、データ抽出部107、上位層108、アンテナ部A1は、受信部を構成する。また、データ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103a、スケジューリング部104、上位層108、アンテナ部A1は、送信部を構成する。
【0082】
無線部103a、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM復調部106、データ抽出部107は、上りリンクの物理層の処理を行う。データ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103aは、下りリンクの物理層の処理を行う。
データ制御部101aは、スケジューリング部104からトランスポートチャネルおよびスケジューリング情報を取得する。トランスポートチャネルと物理層で生成される信号およびチャネルを、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報に基づいて、物理チャネルにマッピングする。以上のようにマッピングされた各データは、OFDM変調部102aに出力される。
【0083】
OFDM変調部102aは、データ制御部101aから入力されたデータに対して、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報(下りリンク物理リソースブロック(PRB)割り当て情報(例えば、周波数、時間など物理リソースブロック位置情報)や、各下りリンク物理リソースブロック(PRB)に対応する変調方式および符号化方式(例えば、16QAM変調、2/3コーディングレート)などを含む)に基づいて、符号化、データ変調、入力信号の直列/並列変換、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理、サイクリックプレフィックス(CP)の挿入、並びに、フィルタリングなどOFDM信号処理を行い、OFDM信号を生成して、無線部103aに出力する。
【0084】
無線部103aは、OFDM変調部102aから入力された変調データを無線周波数にアップコンバートして無線信号を生成し、アンテナ部A1を介して、移動局装置200(後述する図11参照)に送信する。また、無線部103aは、移動局装置200からの上りリンクの無線信号を、アンテナ部A1を介して受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信データをチャネル推定部105とDFT−S−OFDM復調部106とに出力する。
【0085】
スケジューリング部104は、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層の処理を行う。スケジューリング部104は、論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピング、下りリンクおよび上りリンクのスケジューリング(HARQ処理、トランスポートフォーマットの選択など)などを行う。
スケジューリング部104は、下りリンクのスケジューリングでは、移動局装置200から受信した上りリンクのフィードバック情報(下りリンクのチャネルフィードバック情報(チャネル状態情報(チャネル品質、ストリームの数、プレコーディング情報など))や、下りリンクデータに対するACK/NACKフィードバック情報など)、各移動局装置200の使用可能な下りリンク物理リソースブロック(PRB)の情報、バッファ状況、上位層108から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、各データを変調するための下りリンクのトランスポートフォーマット(送信形態)(物理リソースブロック(PRB)の割り当ておよび変調方式および符号化方式など)の選定処理およびHARQにおける再送制御を行う。これら下りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報は、データ制御部101aに出力される。
【0086】
また、スケジューリング部104は、上りリンクのスケジューリングでは、チャネル推定部105が出力する上りリンクのチャネル状態(無線伝搬路状態)の推定結果、移動局装置200からのリソース割り当て要求、各移動局装置200の使用可能な下りリンク物理リソースブロック(PRB)の情報、上位層108から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、各データを変調するための上りリンクのトランスポートフォーマット(送信形態)(物理リソースブロック(PRB)の割り当ておよび変調方式および符号化方式など)の選定処理を行う。
これら上りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報は、データ制御部101aに出力される。
【0087】
また、スケジューリング部104は、上位層108から入力された下りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングし、データ制御部101aに出力する。また、スケジューリング部104は、データ抽出部107から入力された上りリンクで取得した制御データとトランスポートチャンネルを、必要に応じて処理した後、上りリンクの論理チャネルにマッピングし、上位層108に出力する。
【0088】
チャネル推定部105は、上りリンクデータの復調のために、上りリンク復調用参照信号(DRS:Demodulation Reference Signal)から上りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をDFT−S−OFDM復調部106に出力する。また、上りリンクのスケジューリングを行うために、上りリンク測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)から上りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をスケジューリング部104に出力する。
なお、上りリンクの通信方式は、DFT−S−OFDM等のようなシングルキャリア方式を想定しているが、OFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いても良い。
【0089】
DFT−S−OFDM復調部106は、チャネル推定部105から入力された上りリンクのチャネル状態推定結果に基づいて、無線部103aから入力された変調データに対し、DFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)変換、サブキャリアマッピング、IFFT変換、フィルタリング等のDFT−S−OFDM信号処理を行って、復調処理を行い、データ抽出部107に出力する。
【0090】
データ抽出部107は、DFT−S−OFDM復調部106から入力されたデータに対して、正誤を確認し、確認結果(肯定信号ACK/否定信号NACK)をスケジューリング部104に出力する。
また、データ抽出部107は、DFT−S−OFDM復調部106から入力されたデータからトランスポートチャネルと物理層の制御データとに分離して、スケジューリング部104に出力する。
分離された制御データには、移動局装置200から通知された上りリンクのフィードバック情報(下りリンクのチャネルフィードバックレポート(CFR)、下りリンクのデータに対するACK/NACKフィードバック情報)などが含まれている。
【0091】
上位層108は、パケットデータ統合プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層の処理を行う。
上位層108は、無線リソース制御部109を有している。また、無線リソース制御部109は、各種設定情報の管理、システム情報の管理、ページング制御、各移動局装置の通信状態の管理、ハンドオーバーなどの移動管理、移動局装置ごとのバッファ状況の管理、ユニキャストおよびマルチキャストベアラの接続設定の管理、移動局識別子(UEID)を管理する。
【0092】
図11は、本発明の第1の実施形態による移動局装置200の構成を示す概略ブロック図である。移動局装置200は、データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202、無線部203a、スケジューリング部204、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207a、上位層208、アンテナ部A2を備えている。
データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202、無線部203a、スケジューリング部204、上位層208は、送信部を構成する。また、無線部203a、スケジューリング部204、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207a、上位層208は、受信部を構成する。また、スケジューリング部204は、選択部を構成する。
【0093】
データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202、無線部203aは、上りリンクの物理層の処理を行う。無線部203a、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207aは、下りリンクの物理層の処理を行う。
データ制御部201は、スケジューリング部204からトランスポートチャネルおよびスケジューリング情報を取得する。トランスポートチャネルと物理層で生成される信号およびチャネルを、スケジューリング部204から入力されるスケジューリング情報に基づいて、物理チャネルにマッピングする。このようにマッピングされた各データは、DFT−S−OFDM変調部202に出力される。
【0094】
DFT−S−OFDM変調部202は、データ制御部201から入力されたデータに対し、データ変調、DFT処理、サブキャリアマッピング、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、サイクリックプレフィックス(CP)挿入、フィルタリングなどのDFT−S−OFDM信号処理を行い、DFT−S−OFDM信号を生成して、無線部203aに出力する。
なお、上りリンクの通信方式は、DFT−S−OFDM等のようなシングルキャリア方式を想定しているが、代わりにOFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いても良い。
【0095】
無線部203aは、DFT−S−OFDM変調部202から入力された変調データを無線周波数にアップコンバートして無線信号を生成し、アンテナ部A2を介して、基地局装置100(図10)に送信する。
また、無線部203aは、基地局装置100からの下りリンクのデータで変調された無線信号を、アンテナ部A2を介して受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信データを、チャネル推定部205aおよびOFDM復調部206aに出力する。
【0096】
スケジューリング部204は、媒体アクセス制御層の処理を行う。スケジューリング部204は、論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピング、下りリンクおよび上りリンクのスケジューリング(HARQ処理、トランスポートフォーマットの選択など)などを行う。
スケジューリング部204は、下りリンクのスケジューリングでは、基地局装置100や上位層208からのスケジューリング情報(トランスポートフォーマットやHARQ再送情報)などに基づいて、トランスポートチャネルおよび物理信号および物理チャネルの受信制御やHARQ再送制御を行う。
【0097】
スケジューリング部204は、上りリンクのスケジューリングでは、上位層208から入力された上りリンクのバッファ状況、データ抽出部207aから入力された基地局装置100からの上りリンクのスケジューリング情報(トランスポートフォーマットやHARQ再送情報など)、および、上位層208から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、上位層208から入力された上りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングするためのスケジューリング処理を行う。
なお、上りリンクのトランスポートフォーマットについては、基地局装置100から通知された情報を利用する。これらスケジューリング情報は、データ制御部201に出力される。
【0098】
また、スケジューリング部204は、上位層208から入力された上りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングし、データ制御部201に出力する。また、スケジューリング部204は、チャネル推定部205aから入力された下りリンクのチャネルフィードバックレポート(CFR(チャネル状態情報))や、データ抽出部207aから入力されたCRC確認結果についても、データ制御部201に出力する。
また、スケジューリング部204は、データ抽出部207aから入力された下りリンクで取得した制御データとトランスポートチャネルを、必要に応じて処理した後、下りリンクの論理チャネルにマッピングし、上位層208に出力する。
【0099】
チャネル推定部205aは、下りリンクデータの復調のために、下りリンク参照信号(RS)から下りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をOFDM復調部206aに出力する。
また、チャネル推定部205aは、基地局装置100に下りリンクのチャネル状態(無線伝搬路状態)の推定結果を通知するために、下りリンク参照信号(RS)から下りリンクのチャネル状態を推定し、この推定結果を下りリンクのチャネル状態フィードバック情報(チャネル品質情報など)に変換して、スケジューリング部204に出力する。
【0100】
OFDM復調部206aは、チャネル推定部205aから入力された下りリンクのチャネル状態推定結果に基づいて、無線部203aから入力された変調データに対して、OFDM復調処理を行い、データ抽出部207aに出力する。
データ抽出部207aは、OFDM復調部206aから入力されたデータに対して、巡回冗長検査(CRC)を行い、正誤を確認し、確認結果(ACK/NACKフィードバック情報)をスケジューリング部204に出力する。
【0101】
また、データ抽出部207aは、OFDM復調部206aから入力されたデータからトランスポートチャネルと物理層の制御データに分離して、スケジューリング部204に出力する。分離された制御データには、下りリンクまたは上りリンクのリソース割り当てや上りリンクのHARQ制御情報などのスケジューリング情報が含まれる。このとき、物理下りリンク制御信号(PDCCH)の検索空間(検索領域とも称する)をデコード処理し、自局宛の下りリンクまたは上りリンクのリソース割り当てなどを抽出する。
【0102】
上位層208は、パケットデータ統合プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層の処理を行う。上位層208は、無線リソース制御部209を有する。
無線リソース制御部209は、各種設定情報の管理、システム情報の管理、ページング制御、自局の通信状態の管理、ハンドオーバーなどの移動管理、バッファ状況の管理、ユニキャストおよびマルチキャストベアラの接続設定の管理、移動局識別子(UEID)を管理する。
【0103】
図12は、本発明の第1の実施形態による基地局装置100(図10)のデータ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103aの構成を示す概略ブロック図である。ここでは、基地局装置100(図10)において、下りリンクに周波数アグリゲーションを適用する場合について説明する。
データ制御部101aは、物理マッピング部301、参照信号生成部302、同期信号生成部303を備えている。参照信号生成部302は、下りリンク参照信号を生成し、物理マッピング部301に出力する。同期信号生成部303は同期信号を生成し、物理マッピング部301に出力する。
【0104】
物理マッピング部301は、スケジューリング情報に基づいて、トランスポートチャネルを各物理リソースブロック(PRB)にマッピングするとともに、参照信号生成部302において生成された参照信号と、同期信号生成部303において生成された同期信号を物理フレームに多重する。
このとき、スケジューリング情報にはシステム帯域幅に関連する情報が含まれる。物理マッピング部301は、システム帯域W1内のN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)およびシステム帯域W2内のN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)にトランスポートチャネルをマッピングし、システム帯域W1およびシステム帯域W2以外の帯域およびガードバンドにおけるサブキャリアにヌル信号を挿入する。また、物理マッピング部301は、システム帯域幅に関連する情報を含む物理報知チャネルをマッピングする。
【0105】
OFDM変調部102aは、変調部304、IFFT部305、CP挿入部306を備えている。
変調部304は、物理フレームの各リソースエレメントにマッピングされた情報をQPSK変調/16QAM変調/64QAM変調などの変調方式に基づいて変調して変調シンボルを生成し、IFFT部305に出力する。
IFFT部305は、変調部304において生成された変調シンボル(周波数方向と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)を逆高速フーリエ変換(IFFT)して周波数領域の信号を時間領域の信号に変換し、CP挿入部306に出力する。
CP挿入部306は、時間領域の信号にサイクリックプレフィックス(CP)を挿入し、OFDMシンボルを生成し、無線部103aのD/A変換部307に出力する。
【0106】
無線部103aは、D/A変換部307、無線送信部308を備えている。
D/A変換部307は、デジタル信号であるCP挿入部306の出力のOFDMシンボル系列をアナログ信号に変換し、無線送信部308に出力する。
無線送信部308は、図4に示したキャリア周波数を用いてアナログ信号をアップコンバートし、アンテナ部A1を介して、生成した信号を移動局装置200(図11)に送信する。
【0107】
図13は、本発明の第1の実施形態による移動局装置200(図11)の無線部203a、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207aの構成を示す概略ブロック図である。ここでは、移動局装置200において、下りリンクに周波数アグリゲーションを適用する場合について説明する。
無線部203aは、無線受信部401、A/D変換部402を備えている。
無線受信部401は、アンテナ部A2を介して基地局装置100(図10)から信号を受信し、受信した信号を図4に示したキャリア周波数を用いてダウンコンバートする。また、無線受信部401は、セル選択、セル再選択処理によって、予め信号に挿入されている同期信号を参照して、同期を取り、スケジューリング部104または上位層から通知されるシステム帯域に関する情報を用いて、システム帯域W1とシステム帯域W2における接続のセットアップを行う。なお、無線受信部401は、デジタル信号を用いて同期を取る場合は、A/D変換部402の出力を用いる。
【0108】
A/D変換部402は、無線受信部401の出力のアナログ信号をデジタル信号に変換し、チャネル推定部205aと、OFDM復調部206aのCP除去部403に出力する。
OFDM復調部206aは、CP除去部403、FFT部404、復調部405を備えている。CP除去部403は、A/D変換部402から出力されたデジタル信号のうち、サイクリックプレフィックス(CP)の部分を除去する。
CP除去部403においてサイクリックプレフィックス(CP)を除去された時間領域の信号は、FFT部404において各リソースエレメントにおける変調シンボル(周波数方向と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)に変換される。
【0109】
復調部405は、変換された変調シンボルに対して、伝搬路推定部205aにおいて推定された伝搬路推定値を参照しながら、変調部304で用いた変調方式に対応する復調処理を行い、ビット系列(あるいはビットにおける尤度情報など)を取得する。
セル選択、セル再選択処理によって、物理報知チャネル内の情報を用いて、データ抽出をセットアップする場合、データ抽出部207aは、物理報知チャネルを含む帯域の物理リソースブロック(PRB)から報知情報を抽出して、システム帯域W1とシステム帯域W2におけるデータ抽出のセットアップを行う。
あるいは、報知情報を一旦スケジューリング部104、またはスケジューリング部104を介して上位層に通知し、これらの指示に基づいて、システム帯域W1とシステム帯域W2におけるデータ抽出のセットアップを行う。このとき、スケジューリング部104または上位層は、無線受信部401にシステム帯域に関する情報を通知する。
【0110】
セットアップがすでに行われ、データを受信する(通常の通信を行う)場合、データ抽出部207aは、各物理リソースブロック(PRB)をトランスポートチャネルにマッピングする。このとき、データ抽出部207aは、システム帯域W1およびシステム帯域W2以外の帯域およびガードバンドにおけるサブキャリアにおける信号を除去し、トランスポートチャネルにシステム帯域W1内のN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)およびシステム帯域W2内のN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)をマッピングする。
【0111】
次に、本発明の第1の実施形態による無線通信システム(通信システムとも称する)の処理について説明する。
第1の実施形態では、複数の帯域W1、W2(図5(a))の各々において、同じ周波数方向に位置する自然数個の物理リソースブロック(PRB)にデータを配置して基地局装置100から移動局装置200に信号を送信する。
【0112】
より具体的には、基地局装置100(図10)の無線部103a(信号送信部とも称する)は、複数のシステム帯域W1、W2(図5(a))の各々において、同じ周波数方向に位置する自然数個の物理リソースブロック(PRB)にデータを配置した信号と、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号とを、移動局装置200に送信する。なお、無線部103aは、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号を、複数の帯域W1、W2のうちのいずれかのみを介して移動局装置200に送信するようにしても良い。
【0113】
そして、移動局装置200(図11)の無線部203a(信号受信部とも称する)は、複数の帯域W1、W2のいずれかを介して、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号を、アンテナ部A1を介して基地局装置100の無線部103aから受信し、その複数の帯域W1、W2を特定する情報に基づいて、複数の帯域W1、W2の各々において、同じ周波数方向に位置する自然数個の物理リソースブロック(PRB)にデータが配置された信号を、アンテナ部A2を介して基地局装置100の無線部103aから受信する。
なお、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号を、複数の帯域W1、W2のうちのいずれかにのみ挿入するようにし、無線部203aが、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号を検知して受信するようにしても良い。
【0114】
そして、移動局装置200のデータ抽出部207aは、無線部203aが受信した同じ周波数方向に位置する自然数個の物理リソースブロック(PRB)にデータが配置された信号を、OFDM復調部206aを介して取得し、その信号から、基地局装置100が送信したデータを抽出する。
【0115】
このように、本実施形態に係る物理リソースブロック(PRB)の配置は、複数の帯域のそれぞれに、周波数軸上に自然数個の物理リソースブロック(PRB)を設置するようにする。また、その配置を考慮した上で、基地局装置100におけるトランスポートチャネルから物理リソースブロック(PRB)へのマッピング、および移動局装置200における物理リソースブロック(PRB)からトランスポートチャネルへのマッピングを行う。
これにより、複数のシステム帯域を跨ぐような物理リソースブロック(PRB)を生じさせないようにPRB配置をすることができる。そのため、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となり、伝搬路推定や受信品質測定の精度が劣化することを防ぐことができる。
【0116】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による無線通信システムについて説明する。第2の実施形態による基地局装置と移動局装置の構成は、第1の実施形態による基地局装置100と移動局装置200の構成と同様であるので、それらの説明を省略する。以降では、第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0117】
図14は、本発明の第2の実施形態による無線通信システムで用いる帯域の一例を示す図である。図4において、横軸は周波数を示している。本実施形態では、システム帯域W’1とシステム帯域W’2の周波数を用いて、基地局装置100から移動局装置200に信号を送信する。システム帯域W’1のキャリア周波数はf’1であり、システム帯域W’2のキャリア周波数はf’2である。
【0118】
なお、基地局装置100は、1つのシステム帯域のみを用いて移動局装置200に信号を送信しても良い。その場合は、第1の実施形態の基地局装置100と同様の構成を用いれば良い。本実施形態に係るサブフレーム構成は、図5(a)及び図5(b)に示した構成と同様の構成を用いることができる。
システム帯域のいずれか(ここではシステム帯域W’1)に同期用の信号である同期信号と、物理報知情報を含むチャネルである物理報知チャネルが挿入されている。
移動局装置200は、同期信号を探索してフレーム同期を取るとともに、物理報知チャネル内の情報を取得する。物理報知チャネル内の情報には、システム帯域を示す情報(システム帯域W’2を含むアグリゲーションリソースの領域に関する情報)が含まれている。移動局装置200は、この情報を用いて、システム帯域W’1とシステム帯域W’2とを受信する。
【0119】
このとき、システム帯域W’1にN1個の、システム帯域W’2にN2個の物理リソースブロック(PRB)を配置する。これにより、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となり、伝搬路推定や受信品質測定の精度が劣化することを防ぐことができる。
【0120】
図15は、本発明の第2の実施形態による基地局装置のデータ制御部101b、OFDM変調部102b、無線部103bの構成を示す概略ブロック図である。ここでは、基地局装置において、下りリンクに周波数アグリゲーションを適用する場合について説明する。
第2の実施形態による基地局装置は、第1の実施形態による基地局装置100のデータ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103a(図12)の代わりに、データ制御部101b、OFDM変調部102b、無線部103bを備えている。
【0121】
データ制御部101bは、物理マッピング部501、参照信号生成部502、同期信号生成部503を備えている。
参照信号生成部502は、下りリンク参照信号を生成し、物理マッピング部5011に出力する。同期信号生成部503は、同期信号を生成し、物理マッピング部5011に出力する。物理マッピング部501は、スケジューリング情報に基づいて、トランスポートチャネルを各物理リソースブロック(PRB)にマッピングするとともに、参照信号生成部502において生成された参照信号と、同期信号生成部503において生成された同期信号を物理フレームに多重する。
このとき、スケジューリング情報にはシステム帯域幅W’1、W’2に関連する情報が含まれている。物理マッピング部501は、システム帯域W’1内のN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)およびシステム帯域W’2内のN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)にトランスポートチャネルをマッピングする。
【0122】
OFDM変調部102bは、変調部504−1、504−2、IFFT部505−1、505−2、CP挿入部506−1、506−2を備えている。
変調部504−1、IFFT部505−1、CP挿入部506−1は、システム帯域W’1におけるN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
変調部504−1は、物理フレームの各リソースエレメントにマッピングされた情報をQPSK変調、16QAM変調、64QAM変調などの変調方式に基づいて変調して変調シンボルを生成し、IFFT部505−1に出力する。
【0123】
IFFT部505−1は、変調部504−1において生成された変調シンボル(周波数方向と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)を、逆高速フーリエ変換(IFFT)して周波数領域の信号を時間領域の信号に変換し、CP挿入部506−1に出力する。
CP挿入部506−1は、時間領域の信号にサイクリックプレフィックス(CP)を挿入し、OFDMシンボルを生成して、無線部103bのD/A変換部507−1に出力する。
【0124】
変調部504−2、IFFT部505−2、CP挿入部506−2は、システム帯域W’2におけるN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
変調部504−2は、物理フレームの各リソースエレメントにマッピングされた情報をQPSK変調、16QAM変調、64QAM変調などの変調方式に基づいて変調して変調シンボルを生成して、IFFT部505−2に出力する。
IFFT部505−2は、変調部504−2において生成された変調シンボル(周波数方向と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)を逆高速フーリエ変換(IFFT)して、周波数領域の信号を時間領域の信号に変換し、CP挿入部506−2に出力する。
CP挿入部506−2は、時間領域の信号にサイクリックプレフィックス(CP)を挿入し、OFDMシンボルを生成して、無線部103bのD/A変換部507−2に出力する。
【0125】
無線部103bは、D/A変換部507−1、507−2、無線送信部508−1、508−2を備えている。
D/A変換部507−1、無線送信部508−1は、システム帯域W’1におけるN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
D/A変換部507−1は、デジタル信号であるCP挿入部506−1の出力のOFDMシンボル系列をアナログ信号に変換し、無線送信部508−1に出力する。
無線送信部508−1は、図14に示したキャリア周波数W’1を用いてアナログ信号をアップコンバートし、アンテナ部A1を介して、生成した信号を移動局装置に送信する。
【0126】
D/A変換部507−2、無線送信部508−2は、システム帯域W’2におけるN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
D/A変換部507−2は、デジタル信号であるCP挿入部506−2の出力のOFDMシンボル系列をアナログ信号に変換し、無線送信部508−2に出力する。
無線送信部508−2は、図14に示したキャリア周波数W’2を用いてアナログ信号をアップコンバートし、アンテナ部A1を介して、生成した信号を移動局装置に送信する。
なお、ここでは、異なる信号に対して同様の処理を行うブロックを分けて記載しているが、1つの回路を共用しても良い。
【0127】
図16は、本発明の第2の実施形態による移動局装置200の無線部203b、チャネル推定部205b、OFDM復調部206b、データ抽出部207bの構成を示す概略ブロック図である。ここでは、移動局装置200において、下りリンクに周波数アグリゲーションを適用する場合について説明する。
また、第2の実施形態による移動局装置200は、第1の実施形態による移動局装置200の無線部203a、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207a(図13)の代わりに、無線部203b、チャネル推定部205b、OFDM復調部206b、データ抽出部207bを備えている。
【0128】
無線部203bは、無線受信部601−1、601−2、A/D変換部602−1、602−2を備えている。
無線受信部601−1は、アンテナ部A2を介して信号を基地局装置100から受信し、受信した信号を図14に示したキャリア周波数W’1を用いてダウンコンバートする。また、無線受信部601−1は、セル選択、セル再選択処理によって、予め信号に挿入されている同期信号を参照して、同期を取り、スケジューリング部104または上位層から通知されるシステム帯域に関する情報を用いて、システム帯域W’1における接続のセットアップを行う。なお、無線受信部601−1は、デジタル信号を用いて同期を取る場合は、下記のA/D変換部602−1の出力を用いる。
A/D変換部602−1は、無線受信部601−1の出力のアナログ信号をデジタル信号に変換し、チャネル推定部205bのバンド毎チャネル推定部603−1と、OFDM復調部206bのCP除去部604−1に出力する。
【0129】
無線受信部601−2は、スケジューリング部104または上位層から通知されるシステム帯域に関する情報を用いて、システム帯域W’2における接続のセットアップを行い、アンテナ部A2を介して信号を基地局装置から受信し、無線受信部601−1において取ったフレーム同期のタイミングに基づいて、受信した信号を図14に示したキャリア周波数W’2を用いてダウンコンバートし、A/D変換部602−2に出力する。
A/D変換部602−2は、無線受信部601−2の出力のアナログ信号をデジタル信号に変換し、チャネル推定部205bのバンド毎チャネル推定部603−2と、OFDM復調部206bのCP除去部604−2に出力する。
【0130】
チャネル推定部205bは、バンド毎チャネル推定部603−1、603−2を備えている。
バンド毎チャネル推定部603−1は、システム帯域W’1におけるN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)における参照信号を参照して、N1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)におけるチャネル推定を行い、その推定結果をOFDM復調部206bの復調部606−1に出力する。
バンド毎チャネル推定部603−2は、システム帯域W’2におけるN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)における参照信号を参照して、N2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)におけるチャネル推定を行い、その推定結果をOFDM復調部206bの復調部606−2に出力する。
【0131】
OFDM復調部206bは、CP除去部604−1、604−2、FFT部605−1、605−2、復調部606−1、606−2を備えている。
CP除去部604−1、FFT部605−1、復調部606−1は、システム帯域W’1におけるN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
CP除去部604−1は、A/D変換部602−1から出力されたデジタル信号のうち、サイクリックプレフィックス(CP)部分を除去する。
【0132】
CP除去部604−1においてサイクリックプレフィックス(CP)を除去された時間領域の信号は、FFT部605−1において各リソースエレメントにおける変調シンボル(周波数方向(N1WPRBの帯域)と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)に変換され、FFT部605−1に出力される。
復調部606−1は、変換された変調シンボルに対して、伝搬路推定部603−1において推定された伝搬路推定値を参照しながら、変調部504−1で用いた変調方式に対応する復調処理を行い、ビット系列(あるいはビットにおける尤度情報など)を取得する。
【0133】
CP除去部604−2、FFT部605−2、復調部606−2は、システム帯域W’2におけるN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
CP除去部604−2は、A/D変換部602−2から出力されたデジタル信号のうち、サイクリックプレフィックス(CP)部分を除去し、FFT部605−2に出力する。
CP除去部604−2においてサイクリックプレフィックス(CP)を除去された時間領域の信号は、FFT部605−2において各リソースエレメントにおける変調シンボル(周波数方向(N2WPRBの帯域)と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)に変換され、復調部606−2に出力される。
【0134】
復調部606−2は、変換された変調シンボルに対して、伝搬路推定部603−2において推定された伝搬路推定値を参照しながら、変調部504−2で用いた変調方式に対応する復調処理を行い、ビット系列(あるいはビットにおける尤度情報など)を取得する。
セル選択、セル再選択処理によって、物理報知チャネル内の情報を用いて、データ抽出をセットアップする場合、データ抽出部207は、物理報知チャネルを含む帯域の物理リソースブロック(PRB)から報知情報を抽出して、システム帯域W’1とシステム帯域W’2におけるデータ抽出のセットアップを行う。
あるいは、報知情報を一旦スケジューリング部104、またはスケジューリング部104を介して上位層に通知し、これらの指示に基づいて、システム帯域W’1とシステム帯域W’2におけるデータ抽出のセットアップを行う。このとき、スケジューリング部104または上位層は、無線受信部601−1、601−2にシステム帯域に関する情報を通知する。
【0135】
セットアップがすでに行われ、データを受信する(通常の通信を行う)場合、データ抽出部207bは、スケジューリング情報に基づいて、各物理リソースブロック(PRB)をトランスポートチャネルにマッピングする。このとき、データ抽出部207bは、トランスポートチャネルに、復調部606−1の出力であるシステム帯域W’1内のN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)、および復調部606−2の出力であるシステム帯域W’2内のN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)をマッピングする。
なお、ここでは、異なる信号に対して同様の処理を行うブロックを分けて記載しているが、1つの回路を共用しても良い。
以上の説明では、図5(a)及び図5(b)に示したようなフレーム構成を取る場合について述べたが、図17(a)及び図17(b)に示すようなフレーム構成を用いても良い。
【0136】
図17(a)及び図17(b)は、本発明の第2の実施形態で用いるサブフレーム構成の他の一例を示す図である。図17(a)において、縦軸は周波数を示している。また、図17(b)において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
図17(a)に示すように、本実施形態では、基地局装置100と移動局装置200が通信する際に、複数の帯域(ここでは、システム帯域W’1とシステム帯域W’2)を用いる。システム帯域W’1とシステム帯域W’2には、それぞれ複数のサブキャリアが含まれている。
【0137】
図17(b)に示すように、サブフレーム#F’0には、スロット#S’0とスロット#S’1が含まれている。スロット#S’0とスロット#S’1には、それぞれ7個のOFDMシンボルが含まれている。
システム帯域W’2に対応するN2WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N2個含まれている。N2WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02、物理下りリンク同期信号A03が配置されている。
システム帯域W’1に対応するN1WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N1個含まれている。N1WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02、物理下りリンク同期信号A03、物理報知チャネル(PBCH)A04が配置されている。
【0138】
図17(a)及び図17(b)の構成のフレームを用いる場合であっても、上述した基地局装置100や移動局装置200と同様の構成を用いることができる。この場合、無線受信部601−1と無線受信部601−2は、それぞれシステム帯域W’1の同期信号とシステム帯域W’2の同期信号を用いてフレーム同期する。このため、無線受信部601−1から無線受信部601−2にフレーム同期のタイミングを通知しなくても良い。
さらに、両方のシステム帯域に同期信号と物理報知チャネルが配置されている場合は、それぞれのシステム帯域において、同期/報知情報の取得/システム帯域受信のセットアップを行えば良い。ただし、この場合においても、データ抽出部207bにおける処理は上述の処理と同じである。
【0139】
このように、本実施形態による物理リソースブロック(PRB)の配置は、複数の帯域のそれぞれに、周波数軸上に自然数個の物理リソースブロック(PRB)を設置するようにする。また、その配置を考慮した上で、基地局装置100におけるトランスポートチャネルから物理リソースブロック(PRB)へのマッピング、および移動局装置200における物理リソースブロック(PRB)からトランスポートチャネルへのマッピングを行う。
これにより、複数のシステム帯域を跨ぐような物理リソースブロック(PRB)を生じさせないように物理リソースブロック(PRB)の配置をすることができる。そのため、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となり、伝搬路推定や受信品質測定の精度が劣化することを防ぐことができる。
【0140】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態による通信システムについて説明する。第3の実施形態による基地局装置と移動局装置の構成は、第1の実施形態による基地局装置100と移動局装置200の構成と同様であるので、それらの説明を省略する。以降では、第3の実施形態が、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、受信品質の測定単位あるいは受信品質の参照単位として、周波数方向に複数のリソースブロック分の帯域をまとめたサブバンドという単位を用いる場合について説明する。
【0141】
図18は、本発明の第3の実施形態による通信システムで用いるサブバンドの一例を示す図である。図18において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
図18では、サブバンド#B0、#B1、#B2、・・・は、周波数方向の3つの物理リソースブロック(PRB)を、それぞれ含んでいる。また、サブバンド#B0、#B1、#B2、・・・は、1つのスロットを、それぞれ含んでいる。
サブバンド#B0、#B1、#B2、・・・を構成する各物理リソースブロック(PRB)には、それぞれ下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02が配置されている。
なお、ここでは、複数のサブバンドが同一の帯域である場合を示しているが、これに限定されるものではない。
【0142】
図19(a)及び図19(b)は、本発明の第3の実施形態で用いるサブフレーム構成の一例を示す図である。図19(a)において、縦軸は周波数を示している。また、図19(b)において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
図19(a)に示すように、本実施形態では、基地局装置100と移動局装置200が通信する際に、複数の帯域(ここでは、システム帯域W’’1とシステム帯域W’’2)を用いる。システム帯域W’’1とシステム帯域W’’2には、それぞれ複数のサブキャリアが含まれている。
【0143】
図19(b)に示すように、サブフレーム#F’’0は、1ミリ秒(ms)の時間幅を有している。サブフレーム#F’’0には、スロット#S’’0とスロット#S’’1が含まれている。スロット#S’’0とスロット#S’’1には、それぞれ7個のOFDMシンボルが含まれている。
システム帯域W’’2に対応するN2WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N2個含まれている。N2WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02が配置されている。
システム帯域W’’1に対応するN1WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N1個含まれている。N1WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02が配置されている。
【0144】
図19(b)は、マルチキャリア通信方式の一種であるOFDMにおける送信単位であるサブフレームの構成の一例を示している。周波数方向に複数のリソースブロック分の帯域をまとめたものをサブバンドと称する。以下では、それぞれの物理リソースブロック(PRB)は周波数方向に一様な帯域幅WPRBを持つ場合について説明する。
図25のような不連続な複数の帯域(W21、W22)を複合的に用いて1つの広帯域なシステムを運用する際、物理リソースブロック(PRB)の配置は、複数の帯域のそれぞれに、周波数軸上に自然数個の物理リソースブロック(PRB)を配置するようにし、かつサブバンドの配置は、複数の帯域のそれぞれに、自然数個のサブバンドを設置する。
【0145】
図19(a)及び図19(b)では、システムがシステム帯域W’’1とシステム帯域W’’2の2つの帯域を用いる場合について示している。システム帯域W’’1にはN1個(N1は自然数)の物理リソースブロック(PRB)を配置し、システム帯域W’’2にはN2個(N2は自然数)の物理リソースブロック(PRB)を配置するように設定する。また、システム帯域W’’1にはM1個(M1は自然数)のサブバンドを配置し、システム帯域W’’2にはM2個(M2は自然数)のサブバンドを配置するように設定する。
【0146】
例えば、システムに対して許可されたシステム帯域の帯域幅がW’’1であり、他のシステム帯域の帯域幅がW’’2であり、WPRBが固定の値に設定されているようなシステムである場合、N1を(W’’1/WPRB)以下となる自然数に設定し、N2を(W’’2/WPRB)以下となる自然数に設定する。また、W’’1内の周波数方向にN1個並んだPRBを複数個ずつまとめるようにしてM1個のサブバンドを構成する。さらに、W’’2内の周波数方向にN2個並んだ物理リソースブロック(PRB)を複数個ずつまとめるようにしてM2個のサブバンドを構成する。これにより、W’’1の帯域の中のN1WRPBの帯域に物理リソースブロック(PRB)を配置し、W’’2の帯域の中のN2WRPBの帯域に物理リソースブロック(PRB)を配置し、かつN1WRPBの帯域をM1個のサブバンドに分割し、W2の帯域をM2個のサブバンドに分割するようにシステム帯域を用いる。
【0147】
あるいは、WPRBが基地局装置毎(あるいは地域毎)に設定可能なパラメータであるシステムにおいては、WPRBを所定の自然数N1を用いてW’’1/N1、あるいは所定の自然数N2を用いてW’’2/N2と設定する。また、W’’1内の周波数方向にN1個並んだ物理リソースブロック(PRB)を複数個ずつまとめるようにしてM1個のサブバンドを構成する。さらに、W’’2内の周波数方向にN2個並んだ物理リソースブロック(PRB)を複数個ずつまとめるようにしてM2個のサブバンドを構成する。
なお、ここでは、W’’1とW’’2はガードバンドを考慮した使用帯域幅である。
【0148】
あるいは、予め個別のシステム帯域内の周波数方向の全物理リソースブロック(PRB)数に対してサブバンドの配置方法(サブバンドサイズとサブバンド数(例えば、個別のシステム帯域のSetS(Set of Subbands)))を決めておき、複数のシステム帯域に対して、個別にこの配置方法を適用する。
例えば、図20に示すようなサブバンドの配置方法を決めておく。図20は、個別のシステム帯域幅(システム帯域i)内で周波数方向のRB数NiPRBが4個〜10個のときは、サブバンドサイズMiSBは周波数方向に1RBであり、サブバンド数はceil[NiPRB/MiSB](ceil[*]は天井関数であり、*以上である最小の整数を示す)、すなわち4〜10である。同様に、周波数方向のRB数NiPRBが11個〜20個および21個〜30個のとき、サブバンドサイズMiSBはそれぞれ周波数方向に2RBおよび3RBであり、サブバンド数はceil[NiPRB/MiSB]、すなわち、それぞれ6〜10および7〜10である。ただし、NiPRBがMiSBの倍数でない場合には、システム帯域iにおけるceil[NiPRB/MiSB]番目のサブバンドのサイズはNiPRB−(ceil[NiPRB/MiSB]−1)×MiSBとなる。言い換えると、システム帯域内の周波数方向の全物理リソースブロック(PRB)数がN1のときは、周波数方向に3つの物理リソースブロック(PRB)を並べた帯域となるサブバンドをM1−1個と、2つ(N1を3で割った余り)の物理リソースブロック(PRB)を並べた帯域となるサブバンドを1個配置する。また、システム帯域内の周波数方向の全物理リソースブロック(PRB)数がN2のときは、周波数方向に2つの物理リソースブロック(PRB)を並べた帯域となるサブバンドをM2−1個と、1つ(N2を2で割った余り)の物理リソースブロック(PRB)を並べた帯域となるサブバンドを1個配置するといった配置方法を決めておく。そして、図21に示すように、システム帯域W’’1とシステム帯域W’’2に対して個別にこの配置方法を適用する。
【0149】
図21は、本発明の第3の実施形態による無線通信システムが使用するサブバンドの配置方法の一例を示す図である。図21において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。図21では、周波数方向に並んだサブバンド#0、・・・、#M1−1、#M1−2、#M1、#M1+M2−2、#M1+M2−1のそれぞれに、下りリンク参照信号A01と物理下りリンクチャネルA02が配置されている。
【0150】
予め個別のシステム帯域内の周波数方向の全物理リソースブロック(PRB)数に対して一意にサブバンドのサイズやサブバンドの個数(SetS)などを設定しておく。そして、複数のシステム帯域に対して、個別にこの配置方法を適用して、基地局装置100から移動局装置200にシステム帯域毎のSetSに関する情報などを通知する。これにより、移動局装置200側で各システム帯域におけるサブバンドの配置を知ることができる。
この他の例として、予めSetSに対して一意にサブバンドのサイズを設定しておく方法もある。例えば、図22に示すようなサブバンドの配置方法を決めておく。図22は、すべてのシステム帯域幅内で周波数方向のRB数NallPRBが4個〜10個のときは、サブバンドサイズMallSBはすべてのシステム帯域において周波数方向に1RBである。同様に、周波数方向のRB数NallPRBが11個〜20個、21個〜30個および31個〜40個のとき、サブバンドサイズMallSBはそれぞれ周波数方向に2RB、3RBおよび4RBである。このとき、個別のシステム帯域(システム帯域i)におけるサブバンド数は、ceil[NiPRB/MallSB]となる。
ただし、NiPRBがMallSBの倍数でない場合には、システム帯域iにおけるceil[NiPRB/MallSB]番目のサブバンドのサイズはNiPRB−(ceil[NiPRB/MallSB]−1)×MallSBとなる。
【0151】
以上、4つの例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、異なる複数のシステム帯域内のサブキャリアが1つの物理リソースブロック(PRB)および1つのサブバンドに存在しないような物理リソースブロック(PRB)の配置およびサブバンドの配置にするように、複数のシステム帯域を用いる他の方法を使用しても良い。
【0152】
次に、本発明の第3の実施形態による無線通信システムの処理について説明する。
始めに、基地局装置100(図10)の無線部103a(信号送信部とも称する)は、複数のシステム帯域W’’1、W’’2(図19(a))の各々において、同じ周波数方向に位置する自然数個のサブバンドにデータを配置した信号と、複数の帯域W’’1、W’’2を特定する情報を含む信号とを、移動局装置200に送信する。なお、無線部103aは、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号を、複数の帯域W1、W2のうちのいずれかのみを介して移動局装置200に送信するようにしても良い。
【0153】
そして、移動局装置200(図11)の無線部203a(信号受信部とも称する)は、複数の帯域W’’1、W’’2のいずれかを介して、複数の帯域W’’1、W’’2を特定する情報を含む信号を、アンテナ部A1を介して基地局装置100の無線部103aから受信し、その複数の帯域W’’1、W’’2を特定する情報に基づいて、複数の帯域W’’1、W’’2の各々において、同じ周波数方向に位置する自然数個のサブバンドにデータが配置された信号を、アンテナ部A2を介して基地局装置100の無線部103aから受信する。
なお、複数の帯域W’’1、W’’2を特定する情報を含む信号を、複数の帯域W’’1、W’’2のうちのいずれかにのみ挿入するようにし、無線部203aが、複数の帯域W’’1、W’’2を特定する情報を含む信号を検知して受信するようにしても良い。
【0154】
そして、移動局装置200のデータ抽出部207aは、無線部203aが受信した同じ周波数方向に位置する自然数個のサブバンドにデータが配置された信号を、OFDM復調部206aを介して取得し、その信号から、基地局装置100が送信したデータを抽出する。
そして、移動局装置200のチャネル推定部205a(図11)は、無線部203aが受信した信号に基づいて、複数の帯域W’’1の各々における自然数個のサブバンドにおけるチャネル品質を推定する。
【0155】
なお、図21で述べたように、基地局装置100の無線部103aは、同じ周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックの個数に応じて、複数の帯域W’’1、W’’2の各々におけるサブバンドの帯域幅を決定するようにしても良い。また、同じ周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックの個数に応じて、複数の帯域W’’1、W’’2の各々におけるサブバンドの個数を決定するようにしても良い。
【0156】
本実施形態では、複数のシステム帯域を跨ぐようなサブバンドを生じさせないようにサブバンドを配置するため、いずれのサブバンドにおいても、サブバンドの内部で伝搬路特性は連続となる。サブバンド毎の受信品質測定結果(あるいは所要通信品質を満たす伝送レートなどの受信品質に関連する指標)を参照することにより、適応的なスケジューリングや送信パラメータの設定を行うシステムでは、移動局装置200で参照信号を用いてサブバンド毎の受信品質測定結果を加工して、基地局装置100にフィードバックすることで、伝搬路特性に応じたスケジューリング/送信パラメータ設定を実現する。
【0157】
このときサブバンドの受信品質の精度はサブバンド内の伝搬路特性の分散(ばらつき)の影響を大きく受ける。すなわち、分散が大きいほど物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける受信品質とサブバンドの受信品質との差が大きくなる。サブバンド内で伝搬路特性が不連続であるとすると、伝搬路特性の分散が大きくなるため、急激に受信品質測定の精度が低下する。しかしながら、本実施形態では、複数のシステム帯域を跨ぐようなサブバンドを生じさせないようにサブバンド配置をする。そのため、いずれのサブバンドにおいても、サブバンドの内部で伝搬路特性は連続となり、分散が比較的小さくなるため、受信品質測定結果の精度を保持することができる。
【0158】
以上、第1〜第3の実施形態では、システム帯域が2つの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、不連続な複数の帯域を複合的に用いて1つの広帯域なシステムであれば、各実施形態を適用することができる。なお、ここでいう不連続な複数の帯域とは、間にガードバンドを挟むようなシステム帯域も含む。
【0159】
上記の実施形態においては、説明の都合上、基地局装置100と移動局装置200とが一対一の場合を例にとって説明したが、基地局装置100および移動局装置200は複数であっても良い。また、移動局装置200は、移動する端末に限らず、基地局装置100や固定端末に移動局装置200の機能を実装しても良い。
【0160】
また、以上説明したそれぞれの実施形態において、基地局装置内の各機能や、移動局装置内の各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。そして、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより基地局装置や移動局装置の制御を行っても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含む。
【0161】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含む。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0162】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明は、基地局装置がリソースブロックを適切に割り当てることにより、移動局装置と基地局装置が効率的な通信を行うことができる通信システム、移動局装置、基地局装置及び通信方法などに適用できる。
【符号の説明】
【0164】
100・・・基地局装置、101a、101b・・・データ制御部、102a、102b・・・OFDM変調部、103a、103b・・・無線部、104・・・スケジューリング部、105・・・チャネル推定部、106・・・DFT−S−OFDM復調部、107・・・データ抽出部、108・・・上位層、200・・・移動局装置、201・・・データ制御部、202・・・DFT−S−OFDM変調部、203a、203b・・・無線部、204・・・スケジューリング部、205a、205b・・・チャネル推定部、206a、206b・・・OFDM復調部、207a、207b・・・データ抽出部、208・・・上位層、301・・・物理マッピング部、302・・・参照信号生成部、303・・・同期信号生成部、304・・・変調部、305・・・IFFT部、306・・・CP挿入部、307・・・D/A変換部、308・・・無線送信部、401・・・無線受信部、402・・・A/D変換部、403・・・CP除去部、404・・・FFT部、405・・・復調部、501・・・物理マッピング部、502・・・参照信号生成部、503・・・同期信号生成部、504−1、504−2・・・変調部、505−1、505−2・・・IFFT部、506−1、506−2・・・CP挿入部、507−1、507−2・・・D/A変換部、508−1、508−2・・・無線送信部、601−1、601−2・・・無線受信部、602−1、602−2・・・A/D変換部、205b・・・チャネル推定部、603−1、603−2・・・バンド毎チャネル推定部、604−1、604−2・・・CP除去部、605−1、605−2・・・FFT部、606−1、606−2・・・復調部、A1、A2・・・アンテナ部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、基地局装置、移動局装置、処理方法及び処理装置に関する。
本願は、2008年8月6日に、日本に出願された特願2008−203360号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project:第3世代パートナーシッププロジェクト)は、携帯電話システムの仕様の検討・作成を行うプロジェクトである。3GPPは、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access:広帯域−符号分割多元接続)とGSM(Global System for Mobile Communications:ジーエスエム)を発展させたネットワークを基本としている。
【0003】
3GPPでは、W−CDMA方式が第3世代セルラー移動通信方式として標準化され、順次サービスが開始されている。また、通信速度をさらに上げたHSDPA(High−Speed Downlink Packet Access:エイチエスディーピーエー)も標準化され、サービスが開始されている。
3GPPでは、第3世代無線アクセス技術の進化であるEUTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)が検討されている。
【0004】
EUTRAにおける下りリンク通信方式として、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)方式が提案されている。OFDMAは、互いに直交するサブキャリアを用いてユーザの多重化を行う方式である。
また、OFDMA方式において、チャネル符号化等の適応無線リンク制御(リンクアダプテーション:Link Adaptation)に基づく適応変復調・誤り訂正方式(AMCS:Adaptive Modulation and Coding Scheme)といった技術が適用されている。
AMCSとは、高速パケットデータ伝送を効率的に行うために、各移動局装置のチャネル品質に応じて、誤り訂正方式、誤り訂正の符号化率、データ変調多値数などの無線伝送パラメータ(AMCモードとも称する)を切り替える方式である。
各移動局装置のチャネル品質は、CQI(Channel Quality Indicator:チャネル品質指標)を使って基地局装置へフィードバックされる。
【0005】
図23は、従来の無線通信システムで用いられているチャネル構成を説明する図である。このチャネル構成は、EUTRAなどの無線通信システムで用いられている(非特許文献1参照)。図23に示す無線通信システムは、基地局装置1000、移動局装置2000a、2000b、2000cを備えている。R01は、基地局装置1000の通信可能な範囲を示している。基地局装置1000は、この範囲R01内に存在する移動局装置と通信する。
【0006】
EUTRAにおいて、基地局装置1000から移動局装置2000a〜2000cへ信号を送信する下りリンクでは、物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical Multicast Channel)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator Channel)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH:Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)が用いられる。
【0007】
また、EUTRAにおいて、移動局装置2000a〜2000cから基地局装置1000へ信号を送信する上りリンクでは、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)が用いられる。
【0008】
図24は、従来の無線通信システムで用いられる帯域の一例を示す図である。図24において、横軸は周波数を示しており、縦軸はキャリア周波数を示している。図24では、キャリア周波数がf11である。周波数方向に一つの連続した帯域W11を用いて、基地局装置と移動局装置とが通信する。このような帯域の使用方法は、EUTRAなどの一般的な無線通信システムで用いられている。
【0009】
図25は、従来の無線通信システムで用いられる帯域の他の一例を示す図である。図25において、横軸は周波数を示している。図25では、周波数方向に、不連続な複数の帯域W21、W22を用いる(非特許文献2)。図25に示すように、周波数方向に不連続な複数の帯域を複合的に用いることを、アグリゲーションという。
【0010】
しかしながら、従来から知られている無線通信システムでは、移動局装置を使用するユーザに対して、基地局装置がリソースブロックを適切に割り当てることができなかった。そのため、移動局装置と基地局装置が効率的な通信を行うことができないという問題があった。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】3GPP TS(Technical Specification)36.300、V8.4.0(2008−03)、Technical Specification Group Radio Access Network、Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA) and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network(E−UTRAN);Overall description;Stage 2(Release 8)
【非特許文献2】“Framework for LTE−Advanced air−interface technology development”3GPP TSG RAN IMT−Advanced Workshop REV−080020、2008年4月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、基地局装置がリソースブロックを適切に割り当てることにより、移動局装置と基地局装置が効率的な通信を行うことができる通信システム、基地局装置、移動局装置、処理方法及び処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(1) 本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の第1の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムにおいて、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、前記基地局装置は、前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信し、前記移動局装置は、割り当てられた前記リソースブロックに配置された前記データを受信することを特徴とする通信システムである。
【0014】
(2) 本発明の第2の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる基地局装置であって、前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信することを特徴とする基地局装置である。
【0015】
(3) 本発明の第2の態様において、同時に複数使用される前記通信リソースのうち、1つ以上の通信リソースに物理報知チャネルを配置し、他の1つ以上の通信リソースに物理報知チャネルを配置しなくても良い。
【0016】
(4) 本発明の第3の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる移動局装置における処理方法であって、前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックに配置されたデータを受信することを特徴とする移動局装置である。
【0017】
(5) 本発明の第3の態様において、同時に複数使用される前記通信リソースのうち、1つ以上の通信リソースは物理報知チャネルを有し、他の1つ以上の通信リソースは物理報知チャネルを有しなくても良い。
【0018】
(6) 本発明の第4の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる基地局装置における処理方法であって、前記基地局装置は、前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信することを特徴とする処理方法である。
【0019】
(7) 本発明の第5の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる移動局装置における処理方法であって、前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、前記移動局装置は、前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックに配置されたデータを受信することを特徴とする処理方法である。
【0020】
(8) 本発明の第6の態様は、基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用される移動局装置に実装される処理装置であって、複数の処理部から構成される処理装置において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して前記基地局装置と通信する際に、使用可能な前記通信リソースのそれぞれの周波数帯域幅を示す情報であって前記基地局装置から取得した前記情報を使用して前記各通信リソースにおいてサブバンドを構成するリソースブロックの数を前記各通信リソース毎に決定し、前記リソースブロックの数を使用して前記各通信リソースにおいて前記サブバンドを特定し、前記サブバンド毎の受信品質の指標を前記基地局装置にフィードバックする機能を前記移動局装置に発揮させる処理とを、それぞれ異なる前記処理部で行うことを特徴とする処理装置である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の通信システム、基地局装置、移動局装置、処理方法及び処理装置では、基地局装置がリソースブロックを適切に割り当てることにより、移動局装置と基地局装置が効率的な通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態による物理リソースブロックの配置方法を示す図である。
【図2】図1(b)に示した物理リソースブロック(PRB)配置を行った場合の物理リソースブロック(PRB)内での伝搬路特性の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施形態で用いる物理リソースブロック(PRB)の構成の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる帯域の一例を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施形態で用いるサブフレーム構成の一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる下りリンクのチャネルの構成を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる上りリンクのチャネルの構成を示す図である。
【図8】本発明の第1の実施形態による無線通信システムの下りリンクで用いるフレーム構成を示す図である。
【図9】本発明の第1の実施形態による通信システムの上りリンクで用いるフレーム構成を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態による基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本発明の第1の実施形態による移動局装置200の構成を示す概略ブロック図である。
【図12】本発明の第1の実施形態による基地局装置100(図10)のデータ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103aの構成を示す概略ブロック図である。
【図13】本発明の第1の実施形態による移動局装置200(図11)の無線部203a、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207aの構成を示す概略ブロック図である。
【図14】本発明の第2の実施形態による無線通信システムで用いる帯域の一例を示す図である。
【図15】本発明の第2の実施形態による基地局装置のデータ制御部101b、OFDM変調部102b、無線部103bの構成を示す概略ブロック図である。
【図16】本発明の第2の実施形態による移動局装置の無線部203b、チャネル推定部205b、OFDM復調部206b、データ抽出部207bの構成を示す概略ブロック図である。
【図17】本発明の第2の実施形態で用いるサブフレーム構成の他の一例を示す図である。
【図18】本発明の第3の実施形態による通信システムで用いるサブバンドの一例を示す図である。
【図19】本発明の第3の実施形態で用いるサブフレーム構成の一例を示す図である。
【図20】本発明の第3の実施形態で用いるサブバンドの配置方法の一例を示す図である。
【図21】本発明の第3の実施形態による無線通信システムが使用するサブバンドの配置方法の一例を示す図である。
【図22】本発明の第3の実施形態で用いるサブバンドの配置方法の他の一例を示す図である。
【図23】従来の無線通信システムで用いられているチャネル構成を示す図である。
【図24】従来の無線通信システムで用いられる帯域の一例を示す図である。
【図25】従来の無線通信システムで用いられる帯域の他の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の無線通信システムは、基地局装置と移動局装置とを備えている。本発明の第1〜第3の実施形態を説明する前に、本発明の概略について説明する。
【0024】
図1(a)及び図1(b)は、本発明の実施形態による物理リソースブロックの配置方法を示す図である。ここでは、不連続な複数のシステム帯域(占有帯域)を用いる広帯域システムにおいて、ユーザの割り当て単位である物理リソースブロック(PRB:Physical Resource Block)の配置方法の一例について説明する。図1(a)において、縦軸は周波数を示している。また、図1(b)において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
【0025】
図1(a)に示すように、本発明では、基地局装置と移動局装置とが通信する際に複数のシステム帯域(ここでは、システム帯域W1とシステム帯域W2)を用いる。システム帯域W1とシステム帯域W2には、それぞれ複数のサブキャリアが含まれている。
図1(b)は、マルチキャリア通信方式の一種であるOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiple:直交周波数分割多重)における送信単位であるサブフレーム(サブフレーム番号が0番のサブフレーム)の構成の一例を示している。
【0026】
1サブフレームは少なくとも一つのスロットを含む。ここでは、一例として、サブフレーム#F0が、2つのスロット#S0とスロット#S1とを含んでいる。
また、スロットは少なくとも1つのOFDMシンボルを含む。ここでは、一例として、1つのスロット#S0、#S1が、それぞれ7つのOFDMシンボルを含んでいる。
また、1つのスロットは周波数方向に複数のブロックに分割される。所定数のサブキャリアを周波数方向の単位として、1個の物理リソースブロック(PRB)を構成する。
1つのサブキャリアと1つのOFDMシンボルとで構成される単位を、リソースエレメントと称する。物理層でのリソースマッピング処理で各リソースエレメントに対して変調シンボルなどがマッピングされる。
【0027】
上述したように、物理リソースブロック(PRB)は、送信の単位であるサブフレームを周波数と時間の2次元上で格子状に分割した領域である。以下では、それぞれの物理リソースブロック(PRB)は、周波数方向に一様な帯域幅WPRBを持つ場合について説明する。図1(b)に示すように、物理リソースブロック(PRB)には、下りリンク参照信号A01や、物理下りチャネルA02が配置されている。
【0028】
従来技術で説明した図25のような不連続な複数の帯域(W21、W22)を複合的に用いて1つの広帯域なシステムを運用する際、本発明の実施形態では、複数の帯域のそれぞれに、周波数軸上に自然数個の物理リソースブロック(PRB)を配置する。図1(a)及び図1(b)では、システムがシステム帯域W1とシステム帯域W2の2つの下りリンク帯域を用いる場合について示している。システム帯域W1にはN1個(N1は自然数)の物理リソースブロック(PRB)を配置し、システム帯域W2にはN2個(N2は自然数)の物理リソースブロック(PRB)を配置している。
【0029】
例えば、システムに対して許可されたシステム帯域の帯域幅がW1であり、システム帯域の帯域幅がW2であり、WPRBが固定の値に設定されているようなシステムである場合について説明する。N1を(W1/WPRB)以下となる自然数に設定し、N2を(W2/WPRB)以下となる自然数に設定する。これにより、W1の帯域の中のN1WRPBの帯域に物理リソースブロック(PRB)を配置し、W2の帯域の中のN2WRPBの帯域に物理リソースブロック(PRB)を配置するようにシステム帯域を用いる。
あるいは、WPRBが送信機である基地局装置毎(あるいは地域毎)に設定可能なパラメータであるシステムにおいては、WPRBを所定の自然数N1を用いてW1/N1、あるいは所定の自然数N2を用いてW2/N2と設定しても良い。なお、ここでは、W1とW2はガードバンドを考慮した使用帯域幅である。
【0030】
以上、2つの例について説明したが、これに限るものではない。例えば、異なる複数のシステム帯域内のサブキャリアが1つの物理リソースブロック(PRB)に存在しないような物理リソースブロック(PRB)の配置にするように、複数のシステム帯域を使用する他の方法を用いても良い。
【0031】
図2(a)及び図2(b)は、図1(b)に示した物理リソースブロック(PRB)配置を行った場合の物理リソースブロック(PRB)内での伝搬路特性の一例を示す図である。図2(a)及び図2(b)において、縦軸は周波数を示している。
図2(a)は、システム帯域W1とシステム帯域W2を含む周波数軸上の伝搬路特性である。図2(b)は、各物理リソースブロック(PRB)における伝搬路特性である。システム帯域W1に割り当てる物理リソースブロック(PRB)の中で最も周波数の高い物理リソースブロック(PRB)と、システム帯域W2に割り当てる物理リソースブロック(PRB)の中で最も周波数が低い物理リソースブロック(PRB)との間で、伝搬路特性が不連続になる。
しかし、本発明の実施形態では、複数のシステム帯域を跨ぐような物理リソースブロック(PRB)を生じさせないように物理リソースブロック(PRB)を配置する。そのため、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となる。
【0032】
図3は、本発明の実施形態で用いる物理リソースブロック(PRB)の構成の一例を示す図である。図3において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。サブフレーム#F0には、スロット#S0とスロット#S1とが含まれている。図3において、1つの物理リソースブロック(PRB)の帯域は、WPRBである。
黒塗りの領域には、下りリンク参照信号A01が配置されており、白抜きの領域には、物理チャネルA02が配置されている。下りリンク参照信号A01は、基地局装置100と移動局装置200との間で既知の信号である。下りリンク参照信号A01は、伝搬路推定や受信品質(受信電力や受信SNR(Signal to Noise power Ratio:信号対雑音比)など)測定などに用いられる。
【0033】
同期検波などを行う場合、物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける伝搬路推定値が必要である。一般的には参照信号における伝搬路推定値を用いてリソースエレメントにおける伝搬路推定値を算出する。例えば、以下の(1a)〜(3a)のような、伝搬路特性の連続性を用いた方法を使用する。
【0034】
(1a) 参照信号における伝搬路推定値を、そのまま物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける伝搬路推定値として用いる。
(2a) 参照信号における伝搬路推定値を補間することにより、物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける伝搬路推定値を算出する。
(3a) 参照信号における伝搬路推定値に対してMMSE(Minimum Mean Square Error:最小平均二乗誤差)などのフィルタリングを行うことにより、物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける伝搬路推定値を算出する。
【0035】
これらの(1a)〜(3a)の方法は、伝搬路特性の連続性を用いる。そのため、物理リソースブロック(PRB)内で伝搬路特性が不連続である場合に、急激に伝搬路推定の精度が劣化する。しかしながら、本発明の実施形態では、複数のシステム帯域を跨ぐような物理リソースブロック(PRB)を生じさせないように物理リソースブロック(PRB)配置をする。そのため、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となり、これらの方法(1a)〜(3a)をそのまま適用することができる。
【0036】
また、物理リソースブロック(PRB)の受信品質を測定することにより、適応的なスケジューリングや送信パラメータの設定を行うシステムでは、移動局装置200で参照信号を用いて物理リソースブロック(PRB)の受信品質を測定し、測定結果を加工して、基地局装置100にフィードバックすることで、伝搬路特性に応じたスケジューリングや送信パラメータの設定を行う。このとき、物理リソースブロック(PRB)の受信品質の精度は物理リソースブロック(PRB)内の伝搬路特性の分散(ばらつき)の影響を大きく受ける。
【0037】
すなわち、分散が大きいほど物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける受信品質と物理リソースブロック(PRB)の受信品質との差が大きくなる。物理リソースブロック(PRB)内で伝搬路特性が不連続であるとすると、伝搬路特性の分散が大きくなるため、急激に受信品質測定の精度が低下する。
しかしながら、本発明の実施形態では、複数のシステム帯域を跨ぐような物理リソースブロック(PRB)を生じさせないように物理リソースブロック(PRB)配置をする。そのため、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となり、分散が比較的小さくなるため、受信品質測定の精度を保持することができる。
このように、本発明の実施形態で用いる物理リソースブロック(PRB)の配置は、複数の帯域のそれぞれに、周波数軸上に自然数個の物理リソースブロック(PRB)を設置する。これにより、伝搬路推定や受信品質測定の精度が劣化することを防ぐことができる。
【0038】
(第1の実施形態)
次に、本発明の第1の実施形態による無線通信システムついて説明する。この無線通信システムは、基地局装置100(図10)と、移動局装置200(図11)とを備えている。
【0039】
図4は、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる帯域の一例を示す図である。図4において、横軸は周波数を示している。
本実施形態では、複数のシステム帯域を用いたシステムの一例として、図4に示すように、キャリア周波数がf1であるシステム帯域W1とシステム帯域W2とを用いて、基地局装置100と移動局装置200とが通信する。基地局装置100は、システム帯域W1とシステム帯域W2を1つのキャリアとして用いて移動局装置200に信号を送信する。
なお、基地局装置100側で十分に同期を取っていれば、それぞれ別のキャリアを用いて信号を移動局装置200に送信しても良い。
【0040】
図5(a)及び図5(b)は、本発明の第1の実施形態で用いるサブフレーム構成の一例を示す図である。図5(a)において、縦軸は周波数を示している。また、図5(b)において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
図5(a)に示すように、本実施形態では、基地局装置100と移動局装置200が通信する際に、複数の帯域(ここでは、システム帯域W1とシステム帯域W2)を用いる。システム帯域W1とシステム帯域W2には、それぞれ複数のサブキャリアが含まれている。
図5(b)に示すように、サブフレーム#F0には、スロット#S0とスロット#S1が含まれている。スロット#S0とスロット#S1には、それぞれ7個のOFDMシンボルが含まれている。
【0041】
システム帯域W2に対応するN2WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N2個含まれている。N2WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02が配置されている。
システム帯域W1に対応するN1WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N1個含まれている。N1WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02、物理下りリンク同期信号A03、物理報知チャネル(PBCH)A04が配置されている。
【0042】
システム帯域のいずれか(ここでは、システム帯域W1)に、同期用の信号である物理下りリンク同期信号A03(同期チャネル)と、報知情報を含むチャネルである物理報知チャネルA04が挿入されている。
移動局装置200は、物理下りリンク同期信号A03を探索して同期を取るとともに、物理報知チャネルA04内の情報を取得する。物理報知チャネルA04内の情報には、システム帯域を示す情報(システム帯域W2を含むアグリゲーションリソースの領域に関する情報)が含まれている。移動局装置200は、この情報を用いて、システム帯域W1とシステム帯域W2とを、基地局装置100から受信する。
【0043】
このとき、システム帯域W1にN1個の、システム帯域W2にN2個の物理リソースブロック(PRB)を配置する。これにより、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となる。このため、伝搬路推定や受信品質測定の精度が劣化することを防ぐことができる。
以下では、EUTRAシステムに基づいて、複数のシステム帯域を用いたEUTRAシステムに対して、本発明の実施形態を適用する場合について説明する。
始めに、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いるチャネル構成について説明する。
【0044】
図6は、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる下りリンクのチャネルの構成を示す図である。また、図7は、本発明の第1の実施形態による通信システムで用いる上りリンクのチャネルの構成を示す図である。図6に示す下りリンクのチャネルと、図7に示す上りリンクのチャネルは、それぞれ論理チャネル、トランスポートチャネル、物理チャネルから構成されている。
論理チャネルは、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層で送受信されるデータ送信サービスの種類を定義する。トランスポートチャネルは、無線インターフェースで送信されるデータがどのような特性をもち、そのデータがどのように送信されるのかを定義する。物理チャネルは、トランスポートチャネルを運ぶ物理的なチャネルである。
【0045】
下りリンクの論理チャネルには、報知制御チャネル(BCCH:Broadcast Control Channel)、ページング制御チャネル(PCCH:Paging Control Channel)、共通制御チャネル(CCCH:Common Control Channel)、専用制御チャネル(DCCH:Dedicated Control Channel)、専用トラフィックチャネル(DTCH:Dedicated Traffic Channel)、マルチキャスト制御チャネル(MCCH:Multicast Control Channel)、マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH:Multicast Traffic Channel)が含まれる。
上りリンクの論理チャネルには、共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)が含まれる。
【0046】
下りリンクのトランスポートチャネルには、報知チャネル(BCH:Broadcast Channel)、ページングチャネル(PCH:Paging Channel)、下りリンク共用チャネル(DL−SCH:Downlink Shared Channel)、マルチキャストチャネル(MCH:Multicast Channel)が含まれる。
上りリンクのトランスポートチャネルには、上りリンク共用チャネル(UL−SCH:Uplink Shared Channel)、ランダムアクセスチャネル(RACH:Random Access Channel)が含まれる。
【0047】
下りリンクの物理チャネルには、物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast Channel)、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、物理マルチキャストチャネル(PMCH:Physical Multicast Channel)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH:Physical Control Format Indicator Channel)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH:Physical Hybrid ARQ Indicator Channel)が含まれる。
上りリンクの物理チャネルには、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access Channel)、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)が含まれる。
これらのチャネルは、従来技術で説明した図23のようにして基地局装置100と移動局装置200の間で送受信される。
【0048】
次に、論理チャネルについて説明する。報知制御チャネル(BCCH)は、システム制御情報を報知するために使用される下りリンクチャネルである。ページング制御チャネル(PCCH)は、ページング情報を送信するために使用される下りリンクチャネルであり、ネットワークが移動局装置のセル位置を知らないときに使用される。
共通制御チャネル(CCCH)は、移動局装置とネットワーク間の制御情報を送信するために使用されるチャネルであり、ネットワークと無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続を有していない移動局装置によって使用される。
【0049】
専用制御チャネル(DCCH)は、1対1(point−to−point)の双方向チャネルであり、移動局装置200とネットワーク間で個別の制御情報を送信するために利用されるチャネルである。専用制御チャネル(DCCH)は、RRC接続を有している移動局装置によって使用される。
専用トラフィックチャネル(DTCH)は、1対1の双方向チャネルであり、1つの移動局装置専用のチャネルであって、ユーザ情報(ユニキャストデータ)の転送のために利用される。
【0050】
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、ネットワークから移動局装置200へMBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service:マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス)制御情報を、一対多(point−to−multipoint)送信するために使用される下りリンクチャネルである。これは、一対多でサービスを提供するMBMSサービスに使用される。
【0051】
MBMSサービスの送信方法としては、単セル一対多(SCPTM:Single−Cell Point−to−Multipoint)送信と、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス単一周波数網(MBSFN:Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)送信とがある。
MBSFN送信(MBSFN Transmission)とは、複数セルから同時に識別可能な波形(信号)を送信する同時送信技術である。一方、SCPTM送信とは、1つの基地局装置でMBMSサービスを送信する方法である。
【0052】
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、1つまたは複数のマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)に利用される。マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、ネットワークから移動局装置へトラフィックデータ(MBMS送信データ)を一対多(point−to−multipoint)送信するために使用される下りリンクチャネルである。
なお、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、MBMSを受信する移動局装置だけが利用する。
【0053】
次に、トランスポートチャネルについて説明する。報知チャネル(BCH)は、固定かつ事前に定義された送信形式によって、セル全体に報知される。下りリンク共用チャネル(DL−SCH)では、HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request:ハイブリッド自動再送要求)、動的適応無線リンク制御、間欠受信(DRX:Discontinuous Reception)、MBMS送信がサポートされ、セル全体に報知される必要がある。
また、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)では、ビームフォーミングを利用可能であり、動的リソース割り当ておよび準静的リソース割り当てがサポートされる。ページングチャネル(PCH)では、DRXがサポートされ、セル全体に報知される必要がある。
また、ページングチャネル(PCH)は、トラフィックチャネルや他の制御チャネルに対して動的に使用される物理リソース、すなわち物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)、にマッピングされる。
【0054】
マルチキャストチャネル(MCH)は、セル全体に報知される必要がある。また、マルチキャストチャネル(MCH)では、複数セルからのMBMS送信のMBSFN(MBMS Single Frequency Network)結合(Combining)や、拡張サイクリックプリフィックス(CP:Cyclic Prefix)を使う時間フレームなど、準静的リソース割り当てがサポートされる。
上りリンク共用チャネル(UL−SCH)では、HARQ、動的適応無線リンク制御がサポートされる。また、上りリンク共用チャネル(UL−SCH)では、ビームフォーミングを利用可能である。動的リソース割り当ておよび準静的リソース割り当てがサポートされる。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、限られた制御情報が送信され、衝突リスクがある。
【0055】
次に、物理チャネルについて説明する。物理報知チャネル(PBCH)は、40ミリ秒間隔で報知チャネル(BCH)をマッピングする。40ミリ秒のタイミングは、ブラインド検出(blind detection)される。すなわち、タイミング提示のために、明示的なシグナリングを行わなくても良い。また、物理報知チャネル(PBCH)を含むサブフレームは、そのサブフレームだけで復号できる。つまり、自己復号可能(self−decodable)である。
【0056】
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)は、下りリンク共用チャネル(PDSCH)のリソース割り当て、下りリンクデータに対するハイブリッド自動再送要求(HARQ)情報、および、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)のリソース割り当てである上りリンク送信許可(上りリンクグラント)を移動局装置に通知するために使用されるチャネルである。
【0057】
物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)は、下りリンクデータまたはページング情報を送信するために使用されるチャネルである。物理マルチキャストチャネル(PMCH)は、マルチキャストチャネル(MCH)を送信するために利用するチャネルであり、下りリンク参照信号、上りリンク参照信号、物理下りリンク同期信号が別途配置される。
【0058】
物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)は、主に上りリンクデータ(UL−SCH)を送信するために使用されるチャネルである。基地局装置100が、移動局装置200をスケジューリングした場合には、チャネルフィードバックレポート(CQI、PMI、RI)や下りリンク送信に対するHARQ肯定応答(ACK:Acknowledgement)/否定応答(NACK:Negative Acknowledgement)も物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)を使用して送信される。
【0059】
物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)は、ランダムアクセスプリアンブルを送信するために使用されるチャネルであり、ガードタイムを持つ。物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、チャネルフィードバックレポート(CFR)、スケジューリング要求(SR:Scheduling Request)、下りリンク送信に対するHARQ、肯定応答/否定応答などを送信するために使用されるチャネルである。
【0060】
物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)のために使用されるOFDMシンボル数を移動局装置に通知するために利用するチャネルであり、各サブフレームで送信される。
物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)は、上りリンク送信に対するHARQ ACK/NACKを送信するために利用するチャネルである。
【0061】
次に、本発明の第1の実施形態による通信システムによるチャネルマッピングについて説明する。
図6に示されるように、下りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。報知チャネル(BCH)は、物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。
マルチキャストチャネル(MCH)は、物理マルチキャストチャネル(PMCH)にマッピングされる。ページングチャネル(PCH)および下りリンク共用チャネル(DL−SCH)は、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)にマッピングされる。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)は、物理チャネル単独で使用される。
【0062】
一方、上りリンクでは、次のようにトランスポートチャネルと物理チャネルのマッピングが行われる。上りリンク共用チャネル(UL−SCH)は、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)にマッピングされる。
ランダムアクセスチャネル(RACH)は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)にマッピングされる。物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、物理チャネル単独で使用される。
【0063】
また、下りリンクにおいて、次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。ページング制御チャネル(PCCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
報知制御チャネル(BCCH)は、報知チャネル(BCH)と下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
マルチキャスト制御チャネル(MCCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)とマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングされる。マルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)は、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)とマルチキャストチャネル(MCH)にマッピングされる。
【0064】
なお、マルチキャスト制御チャネル(MCCH)およびマルチキャストトラフィックチャネル(MTCH)からマルチキャストチャネル(MCH)へのマッピングは、MBSFN送信時に行われる。一方、SCPTM送信時は、このマッピングは下りリンク共用チャネル(DL−SCH)にマッピングされる。
【0065】
一方、上りリンクにおいて次のように論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピングが行われる。共通制御チャネル(CCCH)、専用制御チャネル(DCCH)、専用トラフィックチャネル(DTCH)は、上りリンク共用チャネル(UL−SCH)にマッピングされる。ランダムアクセスチャネル(RACH)は、論理チャネルにマッピングされない。
次に、本発明の第1の実施形態による無線通信システムで用いるフレームの構成について説明する。
【0066】
図8は、本発明の第1の実施形態による無線通信システムの下りリンクで用いるフレーム構成を示す図である。また、図9は、本発明の第1の実施形態による無線通信システムの上りリンクで用いるフレーム構成を示す図である。図8及び図9において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
システムフレーム番号(SFN:System Frame Number)で識別される無線フレームは10ミリ秒(10ms)で構成されている。また、1サブフレームは1ミリ秒(1ms)で構成されている。無線フレームには10個のサブフレーム#F0〜#F9が含まれる。
【0067】
図8に示すように、下りリンクで用いる無線フレームには、物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)A11、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)A12、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)A13、物理下りリンク同期信号A14、物理報知チャネル(PBCH)A15、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)/物理マルチキャストチャネル(PMCH)A16、下りリンク参照信号A17が配置されている。
【0068】
図9に示すように、上りリンクで用いる無線フレームには、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)A21、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)A22、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)A23、上りリンク復調用参照信号A24、上りリンク測定用参照信号A25が配置されている。
【0069】
1サブフレーム(例えば、サブフレーム#F0)は、2つのスロット#S0、#S2に分離される。通常のサイクリックプレフィックス(normal CP)が使用される場合、下りリンクのスロットは7個のOFDMシンボルで構成され(図8参照)、上りリンクのスロットは7個のSC−FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)シンボルで構成される(図9参照)。
なお、拡張CP(long CP、または、extended CPとも称する)が使用される場合は、下りリンクのスロットは6個のOFDMシンボルで構成され、上りリンクのスロットは6個のSC−FDMAシンボルで構成される。
【0070】
また、1つのスロットは周波数方向に複数のブロックに分割される。15kHzのサブキャリア12本を周波数方向の単位として、1個の物理リソースブロック(PRB)を構成する。物理リソースブロック(PRB)数は、システム帯域幅に応じて、6個から110個までサポートされる。
下りリンク、上りリンクのリソース割り当ては、時間方向にサブフレーム単位かつ周波数方向に物理リソースブロック(PRB)単位で行われる。すなわち、サブフレーム内の2つのスロットは、一つのリソース割り当て信号で割り当てられる。
【0071】
サブキャリアとOFDMシンボルまたはサブキャリアとSC−FDMAシンボルで構成される単位をリソースエレメントと称する。物理層でのリソースマッピング処理で各リソースエレメントに対して変調シンボルなどがマッピングされる。
【0072】
下りリンクトランスポートチャネルの物理層での処理では、物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)に対する24ビットの巡回冗長検査(CRC:Cyclic Redundancy Check)の付与、チャネルコーディング(伝送路符号化)、物理層HARQ処理、チャネルインターリービング、スクランブリング、変調(QPSK(Quadrature Phase Shift Keying:4相位相偏移変調)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation:直交振幅変調)、64QAM)、レイヤマッピング、プレコーディング、リソースマッピング、アンテナマッピングなどが行われる。
【0073】
一方、上りリンクトランスポートチャネルの物理層での処理では、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)に対する24ビットの巡回冗長検査(CRC)の付与、チャネルコーディング(伝送路符号化)、物理層HARQ処理、スクランブリング、変調(QPSK、16QAM、64QAM)、リソースマッピング、アンテナマッピングなどが行われる。
【0074】
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)、物理ハイブリッド自動再送要求指示チャネル(PHICH)および物理制御フォーマット指示チャネル(PCFICH)は、最初の3OFDMシンボル以下に配置される。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)では、下りリンク共用チャネル(DL−SCH)およびページングチャネル(PCH)に対するトランスポートフォーマット、リソース割り当て、HARQ情報が送信される。トランスポートフォーマットは、変調方式、符号化方式、トランスポートブロックサイズなどを規定する。
【0075】
また、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)では、上りリンク共用チャネル(UL−SCH)に対するトランスポートフォーマット(変調方式、符号化方式、トランスポートブロックサイズなどを規定する)、リソース割り当て、HARQ情報が送信される。
また、複数の物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)がサポートされ、移動局装置200は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)のセットをモニタリングする。
【0076】
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)で割り当てられた物理下りリンク共用チャネル(PDSCH)は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)と同一のサブフレームにマッピングされる。
物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)で割り当てられた物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)は、予め定められた位置のサブフレームにマッピングされる。例えば、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)の下りリンクサブフレーム番号がNの場合、N+4番の上りリンクサブフレームにマッピングされる。
また、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)による上り/下りリンクのリソース割り当てにおいて、移動局装置は、16ビットのMAC層識別情報(MAC ID)を用いて特定される。すなわち、この16ビットのMAC層識別情報(MAC ID)が物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)に含まれる。
【0077】
また、下りリンク状態の測定用および下りリンクデータの復調用に使用される下りリンク参照信号(下りリンクパイロットチャネル)は、各スロットの1番目、2番目、後ろから3番目のOFDMシンボルに配置される。
一方、物理上りリンク共用チャネル(PUSCH)の復調用に使用される上りリンク復調用参照信号(復調用パイロット(DRS:Demodulation Reference Signal))は、各スロットの4番目のSC−FDMAシンボルで送信される。
また、上りリンク状態の測定用に使用される上りリンク測定用参照信号(スケジューリング用パイロット(SRS:Sounding Reference Signal))は、サブフレームの先頭のSC−FDMAシンボルで送信される。
上りリンク制御チャネル(PUCCH)の復調用参照信号は、上りリンク制御チャネルのフォーマットごとに定義され、各スロットの3、4および5番目、または、各スロットの2番目および6番目のSC−FDMAシンボルで送信される。
【0078】
また、物理報知チャネル(PBCH)、下りリンク同期信号は、システム帯域の中心6物理リソースブロック分の帯域に配置される。物理下りリンク同期信号は、1番目(サブフレーム#F0)および5番目(サブフレーム#F4)のサブフレームの各スロットの6番目、7番目のOFDMシンボルで送信される。
物理報知チャネル(PBCH)は、1番目(サブフレーム#0)のサブフレームの1番目のスロット(スロット#S0)の4番目、5番目のOFDMシンボルと2番目のスロット(スロット#S1)の1番目、2番目のOFDMシンボルで送信される。
【0079】
また、ランダムアクセスチャネル(RACH)は、周波数方向に6個の物理リソースブロック分の帯域幅、時間方向に1サブフレームで構成される。移動局装置から基地局装置にさまざまな理由で要求(上りリンクリソースの要求、上りリンク同期の要求、下りリンクデータ送信再開要求、ハンドオーバー要求、接続設定要求、再接続要求、MBMSサービス要求など)を行うために送信される。
【0080】
上りリンク制御チャネル(PUCCH)は、システム帯域の両端に配置され、物理リソースブロック単位で構成される。スロット間でシステム帯域の両端が交互に使用されるように周波数ホッピングが行われる。
【0081】
図10は、本発明の第1の実施形態による基地局装置100の構成を示す概略ブロック図である。基地局装置100は、データ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103a、スケジューリング部104、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM(DFT−Spread−OFDM)復調部106、データ抽出部107、上位層108、アンテナ部A1を備えている。
無線部103a、スケジューリング部104、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM復調部106、データ抽出部107、上位層108、アンテナ部A1は、受信部を構成する。また、データ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103a、スケジューリング部104、上位層108、アンテナ部A1は、送信部を構成する。
【0082】
無線部103a、チャネル推定部105、DFT−S−OFDM復調部106、データ抽出部107は、上りリンクの物理層の処理を行う。データ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103aは、下りリンクの物理層の処理を行う。
データ制御部101aは、スケジューリング部104からトランスポートチャネルおよびスケジューリング情報を取得する。トランスポートチャネルと物理層で生成される信号およびチャネルを、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報に基づいて、物理チャネルにマッピングする。以上のようにマッピングされた各データは、OFDM変調部102aに出力される。
【0083】
OFDM変調部102aは、データ制御部101aから入力されたデータに対して、スケジューリング部104から入力されるスケジューリング情報(下りリンク物理リソースブロック(PRB)割り当て情報(例えば、周波数、時間など物理リソースブロック位置情報)や、各下りリンク物理リソースブロック(PRB)に対応する変調方式および符号化方式(例えば、16QAM変調、2/3コーディングレート)などを含む)に基づいて、符号化、データ変調、入力信号の直列/並列変換、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform:逆高速フーリエ変換)処理、サイクリックプレフィックス(CP)の挿入、並びに、フィルタリングなどOFDM信号処理を行い、OFDM信号を生成して、無線部103aに出力する。
【0084】
無線部103aは、OFDM変調部102aから入力された変調データを無線周波数にアップコンバートして無線信号を生成し、アンテナ部A1を介して、移動局装置200(後述する図11参照)に送信する。また、無線部103aは、移動局装置200からの上りリンクの無線信号を、アンテナ部A1を介して受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信データをチャネル推定部105とDFT−S−OFDM復調部106とに出力する。
【0085】
スケジューリング部104は、媒体アクセス制御(MAC:Medium Access Control)層の処理を行う。スケジューリング部104は、論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピング、下りリンクおよび上りリンクのスケジューリング(HARQ処理、トランスポートフォーマットの選択など)などを行う。
スケジューリング部104は、下りリンクのスケジューリングでは、移動局装置200から受信した上りリンクのフィードバック情報(下りリンクのチャネルフィードバック情報(チャネル状態情報(チャネル品質、ストリームの数、プレコーディング情報など))や、下りリンクデータに対するACK/NACKフィードバック情報など)、各移動局装置200の使用可能な下りリンク物理リソースブロック(PRB)の情報、バッファ状況、上位層108から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、各データを変調するための下りリンクのトランスポートフォーマット(送信形態)(物理リソースブロック(PRB)の割り当ておよび変調方式および符号化方式など)の選定処理およびHARQにおける再送制御を行う。これら下りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報は、データ制御部101aに出力される。
【0086】
また、スケジューリング部104は、上りリンクのスケジューリングでは、チャネル推定部105が出力する上りリンクのチャネル状態(無線伝搬路状態)の推定結果、移動局装置200からのリソース割り当て要求、各移動局装置200の使用可能な下りリンク物理リソースブロック(PRB)の情報、上位層108から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、各データを変調するための上りリンクのトランスポートフォーマット(送信形態)(物理リソースブロック(PRB)の割り当ておよび変調方式および符号化方式など)の選定処理を行う。
これら上りリンクのスケジューリングに使用されるスケジューリング情報は、データ制御部101aに出力される。
【0087】
また、スケジューリング部104は、上位層108から入力された下りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングし、データ制御部101aに出力する。また、スケジューリング部104は、データ抽出部107から入力された上りリンクで取得した制御データとトランスポートチャンネルを、必要に応じて処理した後、上りリンクの論理チャネルにマッピングし、上位層108に出力する。
【0088】
チャネル推定部105は、上りリンクデータの復調のために、上りリンク復調用参照信号(DRS:Demodulation Reference Signal)から上りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をDFT−S−OFDM復調部106に出力する。また、上りリンクのスケジューリングを行うために、上りリンク測定用参照信号(SRS:Sounding Reference Signal)から上りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をスケジューリング部104に出力する。
なお、上りリンクの通信方式は、DFT−S−OFDM等のようなシングルキャリア方式を想定しているが、OFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いても良い。
【0089】
DFT−S−OFDM復調部106は、チャネル推定部105から入力された上りリンクのチャネル状態推定結果に基づいて、無線部103aから入力された変調データに対し、DFT(Discrete Fourier Transform:離散フーリエ変換)変換、サブキャリアマッピング、IFFT変換、フィルタリング等のDFT−S−OFDM信号処理を行って、復調処理を行い、データ抽出部107に出力する。
【0090】
データ抽出部107は、DFT−S−OFDM復調部106から入力されたデータに対して、正誤を確認し、確認結果(肯定信号ACK/否定信号NACK)をスケジューリング部104に出力する。
また、データ抽出部107は、DFT−S−OFDM復調部106から入力されたデータからトランスポートチャネルと物理層の制御データとに分離して、スケジューリング部104に出力する。
分離された制御データには、移動局装置200から通知された上りリンクのフィードバック情報(下りリンクのチャネルフィードバックレポート(CFR)、下りリンクのデータに対するACK/NACKフィードバック情報)などが含まれている。
【0091】
上位層108は、パケットデータ統合プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層の処理を行う。
上位層108は、無線リソース制御部109を有している。また、無線リソース制御部109は、各種設定情報の管理、システム情報の管理、ページング制御、各移動局装置の通信状態の管理、ハンドオーバーなどの移動管理、移動局装置ごとのバッファ状況の管理、ユニキャストおよびマルチキャストベアラの接続設定の管理、移動局識別子(UEID)を管理する。
【0092】
図11は、本発明の第1の実施形態による移動局装置200の構成を示す概略ブロック図である。移動局装置200は、データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202、無線部203a、スケジューリング部204、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207a、上位層208、アンテナ部A2を備えている。
データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202、無線部203a、スケジューリング部204、上位層208は、送信部を構成する。また、無線部203a、スケジューリング部204、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207a、上位層208は、受信部を構成する。また、スケジューリング部204は、選択部を構成する。
【0093】
データ制御部201、DFT−S−OFDM変調部202、無線部203aは、上りリンクの物理層の処理を行う。無線部203a、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207aは、下りリンクの物理層の処理を行う。
データ制御部201は、スケジューリング部204からトランスポートチャネルおよびスケジューリング情報を取得する。トランスポートチャネルと物理層で生成される信号およびチャネルを、スケジューリング部204から入力されるスケジューリング情報に基づいて、物理チャネルにマッピングする。このようにマッピングされた各データは、DFT−S−OFDM変調部202に出力される。
【0094】
DFT−S−OFDM変調部202は、データ制御部201から入力されたデータに対し、データ変調、DFT処理、サブキャリアマッピング、逆高速フーリエ変換(IFFT)処理、サイクリックプレフィックス(CP)挿入、フィルタリングなどのDFT−S−OFDM信号処理を行い、DFT−S−OFDM信号を生成して、無線部203aに出力する。
なお、上りリンクの通信方式は、DFT−S−OFDM等のようなシングルキャリア方式を想定しているが、代わりにOFDM方式のようなマルチキャリア方式を用いても良い。
【0095】
無線部203aは、DFT−S−OFDM変調部202から入力された変調データを無線周波数にアップコンバートして無線信号を生成し、アンテナ部A2を介して、基地局装置100(図10)に送信する。
また、無線部203aは、基地局装置100からの下りリンクのデータで変調された無線信号を、アンテナ部A2を介して受信し、ベースバンド信号にダウンコンバートして、受信データを、チャネル推定部205aおよびOFDM復調部206aに出力する。
【0096】
スケジューリング部204は、媒体アクセス制御層の処理を行う。スケジューリング部204は、論理チャネルとトランスポートチャネルのマッピング、下りリンクおよび上りリンクのスケジューリング(HARQ処理、トランスポートフォーマットの選択など)などを行う。
スケジューリング部204は、下りリンクのスケジューリングでは、基地局装置100や上位層208からのスケジューリング情報(トランスポートフォーマットやHARQ再送情報)などに基づいて、トランスポートチャネルおよび物理信号および物理チャネルの受信制御やHARQ再送制御を行う。
【0097】
スケジューリング部204は、上りリンクのスケジューリングでは、上位層208から入力された上りリンクのバッファ状況、データ抽出部207aから入力された基地局装置100からの上りリンクのスケジューリング情報(トランスポートフォーマットやHARQ再送情報など)、および、上位層208から入力されたスケジューリング情報などに基づいて、上位層208から入力された上りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングするためのスケジューリング処理を行う。
なお、上りリンクのトランスポートフォーマットについては、基地局装置100から通知された情報を利用する。これらスケジューリング情報は、データ制御部201に出力される。
【0098】
また、スケジューリング部204は、上位層208から入力された上りリンクの論理チャネルをトランスポートチャネルにマッピングし、データ制御部201に出力する。また、スケジューリング部204は、チャネル推定部205aから入力された下りリンクのチャネルフィードバックレポート(CFR(チャネル状態情報))や、データ抽出部207aから入力されたCRC確認結果についても、データ制御部201に出力する。
また、スケジューリング部204は、データ抽出部207aから入力された下りリンクで取得した制御データとトランスポートチャネルを、必要に応じて処理した後、下りリンクの論理チャネルにマッピングし、上位層208に出力する。
【0099】
チャネル推定部205aは、下りリンクデータの復調のために、下りリンク参照信号(RS)から下りリンクのチャネル状態を推定し、その推定結果をOFDM復調部206aに出力する。
また、チャネル推定部205aは、基地局装置100に下りリンクのチャネル状態(無線伝搬路状態)の推定結果を通知するために、下りリンク参照信号(RS)から下りリンクのチャネル状態を推定し、この推定結果を下りリンクのチャネル状態フィードバック情報(チャネル品質情報など)に変換して、スケジューリング部204に出力する。
【0100】
OFDM復調部206aは、チャネル推定部205aから入力された下りリンクのチャネル状態推定結果に基づいて、無線部203aから入力された変調データに対して、OFDM復調処理を行い、データ抽出部207aに出力する。
データ抽出部207aは、OFDM復調部206aから入力されたデータに対して、巡回冗長検査(CRC)を行い、正誤を確認し、確認結果(ACK/NACKフィードバック情報)をスケジューリング部204に出力する。
【0101】
また、データ抽出部207aは、OFDM復調部206aから入力されたデータからトランスポートチャネルと物理層の制御データに分離して、スケジューリング部204に出力する。分離された制御データには、下りリンクまたは上りリンクのリソース割り当てや上りリンクのHARQ制御情報などのスケジューリング情報が含まれる。このとき、物理下りリンク制御信号(PDCCH)の検索空間(検索領域とも称する)をデコード処理し、自局宛の下りリンクまたは上りリンクのリソース割り当てなどを抽出する。
【0102】
上位層208は、パケットデータ統合プロトコル(PDCP:Packet Data Convergence Protocol)層、無線リンク制御(RLC:Radio Link Control)層、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)層の処理を行う。上位層208は、無線リソース制御部209を有する。
無線リソース制御部209は、各種設定情報の管理、システム情報の管理、ページング制御、自局の通信状態の管理、ハンドオーバーなどの移動管理、バッファ状況の管理、ユニキャストおよびマルチキャストベアラの接続設定の管理、移動局識別子(UEID)を管理する。
【0103】
図12は、本発明の第1の実施形態による基地局装置100(図10)のデータ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103aの構成を示す概略ブロック図である。ここでは、基地局装置100(図10)において、下りリンクに周波数アグリゲーションを適用する場合について説明する。
データ制御部101aは、物理マッピング部301、参照信号生成部302、同期信号生成部303を備えている。参照信号生成部302は、下りリンク参照信号を生成し、物理マッピング部301に出力する。同期信号生成部303は同期信号を生成し、物理マッピング部301に出力する。
【0104】
物理マッピング部301は、スケジューリング情報に基づいて、トランスポートチャネルを各物理リソースブロック(PRB)にマッピングするとともに、参照信号生成部302において生成された参照信号と、同期信号生成部303において生成された同期信号を物理フレームに多重する。
このとき、スケジューリング情報にはシステム帯域幅に関連する情報が含まれる。物理マッピング部301は、システム帯域W1内のN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)およびシステム帯域W2内のN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)にトランスポートチャネルをマッピングし、システム帯域W1およびシステム帯域W2以外の帯域およびガードバンドにおけるサブキャリアにヌル信号を挿入する。また、物理マッピング部301は、システム帯域幅に関連する情報を含む物理報知チャネルをマッピングする。
【0105】
OFDM変調部102aは、変調部304、IFFT部305、CP挿入部306を備えている。
変調部304は、物理フレームの各リソースエレメントにマッピングされた情報をQPSK変調/16QAM変調/64QAM変調などの変調方式に基づいて変調して変調シンボルを生成し、IFFT部305に出力する。
IFFT部305は、変調部304において生成された変調シンボル(周波数方向と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)を逆高速フーリエ変換(IFFT)して周波数領域の信号を時間領域の信号に変換し、CP挿入部306に出力する。
CP挿入部306は、時間領域の信号にサイクリックプレフィックス(CP)を挿入し、OFDMシンボルを生成し、無線部103aのD/A変換部307に出力する。
【0106】
無線部103aは、D/A変換部307、無線送信部308を備えている。
D/A変換部307は、デジタル信号であるCP挿入部306の出力のOFDMシンボル系列をアナログ信号に変換し、無線送信部308に出力する。
無線送信部308は、図4に示したキャリア周波数を用いてアナログ信号をアップコンバートし、アンテナ部A1を介して、生成した信号を移動局装置200(図11)に送信する。
【0107】
図13は、本発明の第1の実施形態による移動局装置200(図11)の無線部203a、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207aの構成を示す概略ブロック図である。ここでは、移動局装置200において、下りリンクに周波数アグリゲーションを適用する場合について説明する。
無線部203aは、無線受信部401、A/D変換部402を備えている。
無線受信部401は、アンテナ部A2を介して基地局装置100(図10)から信号を受信し、受信した信号を図4に示したキャリア周波数を用いてダウンコンバートする。また、無線受信部401は、セル選択、セル再選択処理によって、予め信号に挿入されている同期信号を参照して、同期を取り、スケジューリング部104または上位層から通知されるシステム帯域に関する情報を用いて、システム帯域W1とシステム帯域W2における接続のセットアップを行う。なお、無線受信部401は、デジタル信号を用いて同期を取る場合は、A/D変換部402の出力を用いる。
【0108】
A/D変換部402は、無線受信部401の出力のアナログ信号をデジタル信号に変換し、チャネル推定部205aと、OFDM復調部206aのCP除去部403に出力する。
OFDM復調部206aは、CP除去部403、FFT部404、復調部405を備えている。CP除去部403は、A/D変換部402から出力されたデジタル信号のうち、サイクリックプレフィックス(CP)の部分を除去する。
CP除去部403においてサイクリックプレフィックス(CP)を除去された時間領域の信号は、FFT部404において各リソースエレメントにおける変調シンボル(周波数方向と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)に変換される。
【0109】
復調部405は、変換された変調シンボルに対して、伝搬路推定部205aにおいて推定された伝搬路推定値を参照しながら、変調部304で用いた変調方式に対応する復調処理を行い、ビット系列(あるいはビットにおける尤度情報など)を取得する。
セル選択、セル再選択処理によって、物理報知チャネル内の情報を用いて、データ抽出をセットアップする場合、データ抽出部207aは、物理報知チャネルを含む帯域の物理リソースブロック(PRB)から報知情報を抽出して、システム帯域W1とシステム帯域W2におけるデータ抽出のセットアップを行う。
あるいは、報知情報を一旦スケジューリング部104、またはスケジューリング部104を介して上位層に通知し、これらの指示に基づいて、システム帯域W1とシステム帯域W2におけるデータ抽出のセットアップを行う。このとき、スケジューリング部104または上位層は、無線受信部401にシステム帯域に関する情報を通知する。
【0110】
セットアップがすでに行われ、データを受信する(通常の通信を行う)場合、データ抽出部207aは、各物理リソースブロック(PRB)をトランスポートチャネルにマッピングする。このとき、データ抽出部207aは、システム帯域W1およびシステム帯域W2以外の帯域およびガードバンドにおけるサブキャリアにおける信号を除去し、トランスポートチャネルにシステム帯域W1内のN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)およびシステム帯域W2内のN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)をマッピングする。
【0111】
次に、本発明の第1の実施形態による無線通信システム(通信システムとも称する)の処理について説明する。
第1の実施形態では、複数の帯域W1、W2(図5(a))の各々において、同じ周波数方向に位置する自然数個の物理リソースブロック(PRB)にデータを配置して基地局装置100から移動局装置200に信号を送信する。
【0112】
より具体的には、基地局装置100(図10)の無線部103a(信号送信部とも称する)は、複数のシステム帯域W1、W2(図5(a))の各々において、同じ周波数方向に位置する自然数個の物理リソースブロック(PRB)にデータを配置した信号と、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号とを、移動局装置200に送信する。なお、無線部103aは、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号を、複数の帯域W1、W2のうちのいずれかのみを介して移動局装置200に送信するようにしても良い。
【0113】
そして、移動局装置200(図11)の無線部203a(信号受信部とも称する)は、複数の帯域W1、W2のいずれかを介して、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号を、アンテナ部A1を介して基地局装置100の無線部103aから受信し、その複数の帯域W1、W2を特定する情報に基づいて、複数の帯域W1、W2の各々において、同じ周波数方向に位置する自然数個の物理リソースブロック(PRB)にデータが配置された信号を、アンテナ部A2を介して基地局装置100の無線部103aから受信する。
なお、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号を、複数の帯域W1、W2のうちのいずれかにのみ挿入するようにし、無線部203aが、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号を検知して受信するようにしても良い。
【0114】
そして、移動局装置200のデータ抽出部207aは、無線部203aが受信した同じ周波数方向に位置する自然数個の物理リソースブロック(PRB)にデータが配置された信号を、OFDM復調部206aを介して取得し、その信号から、基地局装置100が送信したデータを抽出する。
【0115】
このように、本実施形態に係る物理リソースブロック(PRB)の配置は、複数の帯域のそれぞれに、周波数軸上に自然数個の物理リソースブロック(PRB)を設置するようにする。また、その配置を考慮した上で、基地局装置100におけるトランスポートチャネルから物理リソースブロック(PRB)へのマッピング、および移動局装置200における物理リソースブロック(PRB)からトランスポートチャネルへのマッピングを行う。
これにより、複数のシステム帯域を跨ぐような物理リソースブロック(PRB)を生じさせないようにPRB配置をすることができる。そのため、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となり、伝搬路推定や受信品質測定の精度が劣化することを防ぐことができる。
【0116】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態による無線通信システムについて説明する。第2の実施形態による基地局装置と移動局装置の構成は、第1の実施形態による基地局装置100と移動局装置200の構成と同様であるので、それらの説明を省略する。以降では、第2の実施形態が、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
【0117】
図14は、本発明の第2の実施形態による無線通信システムで用いる帯域の一例を示す図である。図4において、横軸は周波数を示している。本実施形態では、システム帯域W’1とシステム帯域W’2の周波数を用いて、基地局装置100から移動局装置200に信号を送信する。システム帯域W’1のキャリア周波数はf’1であり、システム帯域W’2のキャリア周波数はf’2である。
【0118】
なお、基地局装置100は、1つのシステム帯域のみを用いて移動局装置200に信号を送信しても良い。その場合は、第1の実施形態の基地局装置100と同様の構成を用いれば良い。本実施形態に係るサブフレーム構成は、図5(a)及び図5(b)に示した構成と同様の構成を用いることができる。
システム帯域のいずれか(ここではシステム帯域W’1)に同期用の信号である同期信号と、物理報知情報を含むチャネルである物理報知チャネルが挿入されている。
移動局装置200は、同期信号を探索してフレーム同期を取るとともに、物理報知チャネル内の情報を取得する。物理報知チャネル内の情報には、システム帯域を示す情報(システム帯域W’2を含むアグリゲーションリソースの領域に関する情報)が含まれている。移動局装置200は、この情報を用いて、システム帯域W’1とシステム帯域W’2とを受信する。
【0119】
このとき、システム帯域W’1にN1個の、システム帯域W’2にN2個の物理リソースブロック(PRB)を配置する。これにより、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となり、伝搬路推定や受信品質測定の精度が劣化することを防ぐことができる。
【0120】
図15は、本発明の第2の実施形態による基地局装置のデータ制御部101b、OFDM変調部102b、無線部103bの構成を示す概略ブロック図である。ここでは、基地局装置において、下りリンクに周波数アグリゲーションを適用する場合について説明する。
第2の実施形態による基地局装置は、第1の実施形態による基地局装置100のデータ制御部101a、OFDM変調部102a、無線部103a(図12)の代わりに、データ制御部101b、OFDM変調部102b、無線部103bを備えている。
【0121】
データ制御部101bは、物理マッピング部501、参照信号生成部502、同期信号生成部503を備えている。
参照信号生成部502は、下りリンク参照信号を生成し、物理マッピング部5011に出力する。同期信号生成部503は、同期信号を生成し、物理マッピング部5011に出力する。物理マッピング部501は、スケジューリング情報に基づいて、トランスポートチャネルを各物理リソースブロック(PRB)にマッピングするとともに、参照信号生成部502において生成された参照信号と、同期信号生成部503において生成された同期信号を物理フレームに多重する。
このとき、スケジューリング情報にはシステム帯域幅W’1、W’2に関連する情報が含まれている。物理マッピング部501は、システム帯域W’1内のN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)およびシステム帯域W’2内のN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)にトランスポートチャネルをマッピングする。
【0122】
OFDM変調部102bは、変調部504−1、504−2、IFFT部505−1、505−2、CP挿入部506−1、506−2を備えている。
変調部504−1、IFFT部505−1、CP挿入部506−1は、システム帯域W’1におけるN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
変調部504−1は、物理フレームの各リソースエレメントにマッピングされた情報をQPSK変調、16QAM変調、64QAM変調などの変調方式に基づいて変調して変調シンボルを生成し、IFFT部505−1に出力する。
【0123】
IFFT部505−1は、変調部504−1において生成された変調シンボル(周波数方向と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)を、逆高速フーリエ変換(IFFT)して周波数領域の信号を時間領域の信号に変換し、CP挿入部506−1に出力する。
CP挿入部506−1は、時間領域の信号にサイクリックプレフィックス(CP)を挿入し、OFDMシンボルを生成して、無線部103bのD/A変換部507−1に出力する。
【0124】
変調部504−2、IFFT部505−2、CP挿入部506−2は、システム帯域W’2におけるN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
変調部504−2は、物理フレームの各リソースエレメントにマッピングされた情報をQPSK変調、16QAM変調、64QAM変調などの変調方式に基づいて変調して変調シンボルを生成して、IFFT部505−2に出力する。
IFFT部505−2は、変調部504−2において生成された変調シンボル(周波数方向と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)を逆高速フーリエ変換(IFFT)して、周波数領域の信号を時間領域の信号に変換し、CP挿入部506−2に出力する。
CP挿入部506−2は、時間領域の信号にサイクリックプレフィックス(CP)を挿入し、OFDMシンボルを生成して、無線部103bのD/A変換部507−2に出力する。
【0125】
無線部103bは、D/A変換部507−1、507−2、無線送信部508−1、508−2を備えている。
D/A変換部507−1、無線送信部508−1は、システム帯域W’1におけるN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
D/A変換部507−1は、デジタル信号であるCP挿入部506−1の出力のOFDMシンボル系列をアナログ信号に変換し、無線送信部508−1に出力する。
無線送信部508−1は、図14に示したキャリア周波数W’1を用いてアナログ信号をアップコンバートし、アンテナ部A1を介して、生成した信号を移動局装置に送信する。
【0126】
D/A変換部507−2、無線送信部508−2は、システム帯域W’2におけるN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
D/A変換部507−2は、デジタル信号であるCP挿入部506−2の出力のOFDMシンボル系列をアナログ信号に変換し、無線送信部508−2に出力する。
無線送信部508−2は、図14に示したキャリア周波数W’2を用いてアナログ信号をアップコンバートし、アンテナ部A1を介して、生成した信号を移動局装置に送信する。
なお、ここでは、異なる信号に対して同様の処理を行うブロックを分けて記載しているが、1つの回路を共用しても良い。
【0127】
図16は、本発明の第2の実施形態による移動局装置200の無線部203b、チャネル推定部205b、OFDM復調部206b、データ抽出部207bの構成を示す概略ブロック図である。ここでは、移動局装置200において、下りリンクに周波数アグリゲーションを適用する場合について説明する。
また、第2の実施形態による移動局装置200は、第1の実施形態による移動局装置200の無線部203a、チャネル推定部205a、OFDM復調部206a、データ抽出部207a(図13)の代わりに、無線部203b、チャネル推定部205b、OFDM復調部206b、データ抽出部207bを備えている。
【0128】
無線部203bは、無線受信部601−1、601−2、A/D変換部602−1、602−2を備えている。
無線受信部601−1は、アンテナ部A2を介して信号を基地局装置100から受信し、受信した信号を図14に示したキャリア周波数W’1を用いてダウンコンバートする。また、無線受信部601−1は、セル選択、セル再選択処理によって、予め信号に挿入されている同期信号を参照して、同期を取り、スケジューリング部104または上位層から通知されるシステム帯域に関する情報を用いて、システム帯域W’1における接続のセットアップを行う。なお、無線受信部601−1は、デジタル信号を用いて同期を取る場合は、下記のA/D変換部602−1の出力を用いる。
A/D変換部602−1は、無線受信部601−1の出力のアナログ信号をデジタル信号に変換し、チャネル推定部205bのバンド毎チャネル推定部603−1と、OFDM復調部206bのCP除去部604−1に出力する。
【0129】
無線受信部601−2は、スケジューリング部104または上位層から通知されるシステム帯域に関する情報を用いて、システム帯域W’2における接続のセットアップを行い、アンテナ部A2を介して信号を基地局装置から受信し、無線受信部601−1において取ったフレーム同期のタイミングに基づいて、受信した信号を図14に示したキャリア周波数W’2を用いてダウンコンバートし、A/D変換部602−2に出力する。
A/D変換部602−2は、無線受信部601−2の出力のアナログ信号をデジタル信号に変換し、チャネル推定部205bのバンド毎チャネル推定部603−2と、OFDM復調部206bのCP除去部604−2に出力する。
【0130】
チャネル推定部205bは、バンド毎チャネル推定部603−1、603−2を備えている。
バンド毎チャネル推定部603−1は、システム帯域W’1におけるN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)における参照信号を参照して、N1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)におけるチャネル推定を行い、その推定結果をOFDM復調部206bの復調部606−1に出力する。
バンド毎チャネル推定部603−2は、システム帯域W’2におけるN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)における参照信号を参照して、N2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)におけるチャネル推定を行い、その推定結果をOFDM復調部206bの復調部606−2に出力する。
【0131】
OFDM復調部206bは、CP除去部604−1、604−2、FFT部605−1、605−2、復調部606−1、606−2を備えている。
CP除去部604−1、FFT部605−1、復調部606−1は、システム帯域W’1におけるN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
CP除去部604−1は、A/D変換部602−1から出力されたデジタル信号のうち、サイクリックプレフィックス(CP)部分を除去する。
【0132】
CP除去部604−1においてサイクリックプレフィックス(CP)を除去された時間領域の信号は、FFT部605−1において各リソースエレメントにおける変調シンボル(周波数方向(N1WPRBの帯域)と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)に変換され、FFT部605−1に出力される。
復調部606−1は、変換された変調シンボルに対して、伝搬路推定部603−1において推定された伝搬路推定値を参照しながら、変調部504−1で用いた変調方式に対応する復調処理を行い、ビット系列(あるいはビットにおける尤度情報など)を取得する。
【0133】
CP除去部604−2、FFT部605−2、復調部606−2は、システム帯域W’2におけるN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)に対する処理を行う。
CP除去部604−2は、A/D変換部602−2から出力されたデジタル信号のうち、サイクリックプレフィックス(CP)部分を除去し、FFT部605−2に出力する。
CP除去部604−2においてサイクリックプレフィックス(CP)を除去された時間領域の信号は、FFT部605−2において各リソースエレメントにおける変調シンボル(周波数方向(N2WPRBの帯域)と時間方向の平面上に並べられた変調シンボル)に変換され、復調部606−2に出力される。
【0134】
復調部606−2は、変換された変調シンボルに対して、伝搬路推定部603−2において推定された伝搬路推定値を参照しながら、変調部504−2で用いた変調方式に対応する復調処理を行い、ビット系列(あるいはビットにおける尤度情報など)を取得する。
セル選択、セル再選択処理によって、物理報知チャネル内の情報を用いて、データ抽出をセットアップする場合、データ抽出部207は、物理報知チャネルを含む帯域の物理リソースブロック(PRB)から報知情報を抽出して、システム帯域W’1とシステム帯域W’2におけるデータ抽出のセットアップを行う。
あるいは、報知情報を一旦スケジューリング部104、またはスケジューリング部104を介して上位層に通知し、これらの指示に基づいて、システム帯域W’1とシステム帯域W’2におけるデータ抽出のセットアップを行う。このとき、スケジューリング部104または上位層は、無線受信部601−1、601−2にシステム帯域に関する情報を通知する。
【0135】
セットアップがすでに行われ、データを受信する(通常の通信を行う)場合、データ抽出部207bは、スケジューリング情報に基づいて、各物理リソースブロック(PRB)をトランスポートチャネルにマッピングする。このとき、データ抽出部207bは、トランスポートチャネルに、復調部606−1の出力であるシステム帯域W’1内のN1WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)、および復調部606−2の出力であるシステム帯域W’2内のN2WPRBの帯域に配置された物理リソースブロック(PRB)をマッピングする。
なお、ここでは、異なる信号に対して同様の処理を行うブロックを分けて記載しているが、1つの回路を共用しても良い。
以上の説明では、図5(a)及び図5(b)に示したようなフレーム構成を取る場合について述べたが、図17(a)及び図17(b)に示すようなフレーム構成を用いても良い。
【0136】
図17(a)及び図17(b)は、本発明の第2の実施形態で用いるサブフレーム構成の他の一例を示す図である。図17(a)において、縦軸は周波数を示している。また、図17(b)において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
図17(a)に示すように、本実施形態では、基地局装置100と移動局装置200が通信する際に、複数の帯域(ここでは、システム帯域W’1とシステム帯域W’2)を用いる。システム帯域W’1とシステム帯域W’2には、それぞれ複数のサブキャリアが含まれている。
【0137】
図17(b)に示すように、サブフレーム#F’0には、スロット#S’0とスロット#S’1が含まれている。スロット#S’0とスロット#S’1には、それぞれ7個のOFDMシンボルが含まれている。
システム帯域W’2に対応するN2WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N2個含まれている。N2WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02、物理下りリンク同期信号A03が配置されている。
システム帯域W’1に対応するN1WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N1個含まれている。N1WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02、物理下りリンク同期信号A03、物理報知チャネル(PBCH)A04が配置されている。
【0138】
図17(a)及び図17(b)の構成のフレームを用いる場合であっても、上述した基地局装置100や移動局装置200と同様の構成を用いることができる。この場合、無線受信部601−1と無線受信部601−2は、それぞれシステム帯域W’1の同期信号とシステム帯域W’2の同期信号を用いてフレーム同期する。このため、無線受信部601−1から無線受信部601−2にフレーム同期のタイミングを通知しなくても良い。
さらに、両方のシステム帯域に同期信号と物理報知チャネルが配置されている場合は、それぞれのシステム帯域において、同期/報知情報の取得/システム帯域受信のセットアップを行えば良い。ただし、この場合においても、データ抽出部207bにおける処理は上述の処理と同じである。
【0139】
このように、本実施形態による物理リソースブロック(PRB)の配置は、複数の帯域のそれぞれに、周波数軸上に自然数個の物理リソースブロック(PRB)を設置するようにする。また、その配置を考慮した上で、基地局装置100におけるトランスポートチャネルから物理リソースブロック(PRB)へのマッピング、および移動局装置200における物理リソースブロック(PRB)からトランスポートチャネルへのマッピングを行う。
これにより、複数のシステム帯域を跨ぐような物理リソースブロック(PRB)を生じさせないように物理リソースブロック(PRB)の配置をすることができる。そのため、いずれの物理リソースブロック(PRB)においても、物理リソースブロック(PRB)の内部で伝搬路特性は連続となり、伝搬路推定や受信品質測定の精度が劣化することを防ぐことができる。
【0140】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態による通信システムについて説明する。第3の実施形態による基地局装置と移動局装置の構成は、第1の実施形態による基地局装置100と移動局装置200の構成と同様であるので、それらの説明を省略する。以降では、第3の実施形態が、第1の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
本実施形態では、受信品質の測定単位あるいは受信品質の参照単位として、周波数方向に複数のリソースブロック分の帯域をまとめたサブバンドという単位を用いる場合について説明する。
【0141】
図18は、本発明の第3の実施形態による通信システムで用いるサブバンドの一例を示す図である。図18において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
図18では、サブバンド#B0、#B1、#B2、・・・は、周波数方向の3つの物理リソースブロック(PRB)を、それぞれ含んでいる。また、サブバンド#B0、#B1、#B2、・・・は、1つのスロットを、それぞれ含んでいる。
サブバンド#B0、#B1、#B2、・・・を構成する各物理リソースブロック(PRB)には、それぞれ下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02が配置されている。
なお、ここでは、複数のサブバンドが同一の帯域である場合を示しているが、これに限定されるものではない。
【0142】
図19(a)及び図19(b)は、本発明の第3の実施形態で用いるサブフレーム構成の一例を示す図である。図19(a)において、縦軸は周波数を示している。また、図19(b)において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。
図19(a)に示すように、本実施形態では、基地局装置100と移動局装置200が通信する際に、複数の帯域(ここでは、システム帯域W’’1とシステム帯域W’’2)を用いる。システム帯域W’’1とシステム帯域W’’2には、それぞれ複数のサブキャリアが含まれている。
【0143】
図19(b)に示すように、サブフレーム#F’’0は、1ミリ秒(ms)の時間幅を有している。サブフレーム#F’’0には、スロット#S’’0とスロット#S’’1が含まれている。スロット#S’’0とスロット#S’’1には、それぞれ7個のOFDMシンボルが含まれている。
システム帯域W’’2に対応するN2WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N2個含まれている。N2WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02が配置されている。
システム帯域W’’1に対応するN1WPRBの帯域には、物理リソースブロック(PRB)の帯域WPRBが、N1個含まれている。N1WPRBの帯域には、下りリンク参照信号A01、物理下りリンクチャネルA02が配置されている。
【0144】
図19(b)は、マルチキャリア通信方式の一種であるOFDMにおける送信単位であるサブフレームの構成の一例を示している。周波数方向に複数のリソースブロック分の帯域をまとめたものをサブバンドと称する。以下では、それぞれの物理リソースブロック(PRB)は周波数方向に一様な帯域幅WPRBを持つ場合について説明する。
図25のような不連続な複数の帯域(W21、W22)を複合的に用いて1つの広帯域なシステムを運用する際、物理リソースブロック(PRB)の配置は、複数の帯域のそれぞれに、周波数軸上に自然数個の物理リソースブロック(PRB)を配置するようにし、かつサブバンドの配置は、複数の帯域のそれぞれに、自然数個のサブバンドを設置する。
【0145】
図19(a)及び図19(b)では、システムがシステム帯域W’’1とシステム帯域W’’2の2つの帯域を用いる場合について示している。システム帯域W’’1にはN1個(N1は自然数)の物理リソースブロック(PRB)を配置し、システム帯域W’’2にはN2個(N2は自然数)の物理リソースブロック(PRB)を配置するように設定する。また、システム帯域W’’1にはM1個(M1は自然数)のサブバンドを配置し、システム帯域W’’2にはM2個(M2は自然数)のサブバンドを配置するように設定する。
【0146】
例えば、システムに対して許可されたシステム帯域の帯域幅がW’’1であり、他のシステム帯域の帯域幅がW’’2であり、WPRBが固定の値に設定されているようなシステムである場合、N1を(W’’1/WPRB)以下となる自然数に設定し、N2を(W’’2/WPRB)以下となる自然数に設定する。また、W’’1内の周波数方向にN1個並んだPRBを複数個ずつまとめるようにしてM1個のサブバンドを構成する。さらに、W’’2内の周波数方向にN2個並んだ物理リソースブロック(PRB)を複数個ずつまとめるようにしてM2個のサブバンドを構成する。これにより、W’’1の帯域の中のN1WRPBの帯域に物理リソースブロック(PRB)を配置し、W’’2の帯域の中のN2WRPBの帯域に物理リソースブロック(PRB)を配置し、かつN1WRPBの帯域をM1個のサブバンドに分割し、W2の帯域をM2個のサブバンドに分割するようにシステム帯域を用いる。
【0147】
あるいは、WPRBが基地局装置毎(あるいは地域毎)に設定可能なパラメータであるシステムにおいては、WPRBを所定の自然数N1を用いてW’’1/N1、あるいは所定の自然数N2を用いてW’’2/N2と設定する。また、W’’1内の周波数方向にN1個並んだ物理リソースブロック(PRB)を複数個ずつまとめるようにしてM1個のサブバンドを構成する。さらに、W’’2内の周波数方向にN2個並んだ物理リソースブロック(PRB)を複数個ずつまとめるようにしてM2個のサブバンドを構成する。
なお、ここでは、W’’1とW’’2はガードバンドを考慮した使用帯域幅である。
【0148】
あるいは、予め個別のシステム帯域内の周波数方向の全物理リソースブロック(PRB)数に対してサブバンドの配置方法(サブバンドサイズとサブバンド数(例えば、個別のシステム帯域のSetS(Set of Subbands)))を決めておき、複数のシステム帯域に対して、個別にこの配置方法を適用する。
例えば、図20に示すようなサブバンドの配置方法を決めておく。図20は、個別のシステム帯域幅(システム帯域i)内で周波数方向のRB数NiPRBが4個〜10個のときは、サブバンドサイズMiSBは周波数方向に1RBであり、サブバンド数はceil[NiPRB/MiSB](ceil[*]は天井関数であり、*以上である最小の整数を示す)、すなわち4〜10である。同様に、周波数方向のRB数NiPRBが11個〜20個および21個〜30個のとき、サブバンドサイズMiSBはそれぞれ周波数方向に2RBおよび3RBであり、サブバンド数はceil[NiPRB/MiSB]、すなわち、それぞれ6〜10および7〜10である。ただし、NiPRBがMiSBの倍数でない場合には、システム帯域iにおけるceil[NiPRB/MiSB]番目のサブバンドのサイズはNiPRB−(ceil[NiPRB/MiSB]−1)×MiSBとなる。言い換えると、システム帯域内の周波数方向の全物理リソースブロック(PRB)数がN1のときは、周波数方向に3つの物理リソースブロック(PRB)を並べた帯域となるサブバンドをM1−1個と、2つ(N1を3で割った余り)の物理リソースブロック(PRB)を並べた帯域となるサブバンドを1個配置する。また、システム帯域内の周波数方向の全物理リソースブロック(PRB)数がN2のときは、周波数方向に2つの物理リソースブロック(PRB)を並べた帯域となるサブバンドをM2−1個と、1つ(N2を2で割った余り)の物理リソースブロック(PRB)を並べた帯域となるサブバンドを1個配置するといった配置方法を決めておく。そして、図21に示すように、システム帯域W’’1とシステム帯域W’’2に対して個別にこの配置方法を適用する。
【0149】
図21は、本発明の第3の実施形態による無線通信システムが使用するサブバンドの配置方法の一例を示す図である。図21において、横軸は時間を示しており、縦軸は周波数を示している。図21では、周波数方向に並んだサブバンド#0、・・・、#M1−1、#M1−2、#M1、#M1+M2−2、#M1+M2−1のそれぞれに、下りリンク参照信号A01と物理下りリンクチャネルA02が配置されている。
【0150】
予め個別のシステム帯域内の周波数方向の全物理リソースブロック(PRB)数に対して一意にサブバンドのサイズやサブバンドの個数(SetS)などを設定しておく。そして、複数のシステム帯域に対して、個別にこの配置方法を適用して、基地局装置100から移動局装置200にシステム帯域毎のSetSに関する情報などを通知する。これにより、移動局装置200側で各システム帯域におけるサブバンドの配置を知ることができる。
この他の例として、予めSetSに対して一意にサブバンドのサイズを設定しておく方法もある。例えば、図22に示すようなサブバンドの配置方法を決めておく。図22は、すべてのシステム帯域幅内で周波数方向のRB数NallPRBが4個〜10個のときは、サブバンドサイズMallSBはすべてのシステム帯域において周波数方向に1RBである。同様に、周波数方向のRB数NallPRBが11個〜20個、21個〜30個および31個〜40個のとき、サブバンドサイズMallSBはそれぞれ周波数方向に2RB、3RBおよび4RBである。このとき、個別のシステム帯域(システム帯域i)におけるサブバンド数は、ceil[NiPRB/MallSB]となる。
ただし、NiPRBがMallSBの倍数でない場合には、システム帯域iにおけるceil[NiPRB/MallSB]番目のサブバンドのサイズはNiPRB−(ceil[NiPRB/MallSB]−1)×MallSBとなる。
【0151】
以上、4つの例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、異なる複数のシステム帯域内のサブキャリアが1つの物理リソースブロック(PRB)および1つのサブバンドに存在しないような物理リソースブロック(PRB)の配置およびサブバンドの配置にするように、複数のシステム帯域を用いる他の方法を使用しても良い。
【0152】
次に、本発明の第3の実施形態による無線通信システムの処理について説明する。
始めに、基地局装置100(図10)の無線部103a(信号送信部とも称する)は、複数のシステム帯域W’’1、W’’2(図19(a))の各々において、同じ周波数方向に位置する自然数個のサブバンドにデータを配置した信号と、複数の帯域W’’1、W’’2を特定する情報を含む信号とを、移動局装置200に送信する。なお、無線部103aは、複数の帯域W1、W2を特定する情報を含む信号を、複数の帯域W1、W2のうちのいずれかのみを介して移動局装置200に送信するようにしても良い。
【0153】
そして、移動局装置200(図11)の無線部203a(信号受信部とも称する)は、複数の帯域W’’1、W’’2のいずれかを介して、複数の帯域W’’1、W’’2を特定する情報を含む信号を、アンテナ部A1を介して基地局装置100の無線部103aから受信し、その複数の帯域W’’1、W’’2を特定する情報に基づいて、複数の帯域W’’1、W’’2の各々において、同じ周波数方向に位置する自然数個のサブバンドにデータが配置された信号を、アンテナ部A2を介して基地局装置100の無線部103aから受信する。
なお、複数の帯域W’’1、W’’2を特定する情報を含む信号を、複数の帯域W’’1、W’’2のうちのいずれかにのみ挿入するようにし、無線部203aが、複数の帯域W’’1、W’’2を特定する情報を含む信号を検知して受信するようにしても良い。
【0154】
そして、移動局装置200のデータ抽出部207aは、無線部203aが受信した同じ周波数方向に位置する自然数個のサブバンドにデータが配置された信号を、OFDM復調部206aを介して取得し、その信号から、基地局装置100が送信したデータを抽出する。
そして、移動局装置200のチャネル推定部205a(図11)は、無線部203aが受信した信号に基づいて、複数の帯域W’’1の各々における自然数個のサブバンドにおけるチャネル品質を推定する。
【0155】
なお、図21で述べたように、基地局装置100の無線部103aは、同じ周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックの個数に応じて、複数の帯域W’’1、W’’2の各々におけるサブバンドの帯域幅を決定するようにしても良い。また、同じ周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックの個数に応じて、複数の帯域W’’1、W’’2の各々におけるサブバンドの個数を決定するようにしても良い。
【0156】
本実施形態では、複数のシステム帯域を跨ぐようなサブバンドを生じさせないようにサブバンドを配置するため、いずれのサブバンドにおいても、サブバンドの内部で伝搬路特性は連続となる。サブバンド毎の受信品質測定結果(あるいは所要通信品質を満たす伝送レートなどの受信品質に関連する指標)を参照することにより、適応的なスケジューリングや送信パラメータの設定を行うシステムでは、移動局装置200で参照信号を用いてサブバンド毎の受信品質測定結果を加工して、基地局装置100にフィードバックすることで、伝搬路特性に応じたスケジューリング/送信パラメータ設定を実現する。
【0157】
このときサブバンドの受信品質の精度はサブバンド内の伝搬路特性の分散(ばらつき)の影響を大きく受ける。すなわち、分散が大きいほど物理チャネル内のそれぞれのリソースエレメントにおける受信品質とサブバンドの受信品質との差が大きくなる。サブバンド内で伝搬路特性が不連続であるとすると、伝搬路特性の分散が大きくなるため、急激に受信品質測定の精度が低下する。しかしながら、本実施形態では、複数のシステム帯域を跨ぐようなサブバンドを生じさせないようにサブバンド配置をする。そのため、いずれのサブバンドにおいても、サブバンドの内部で伝搬路特性は連続となり、分散が比較的小さくなるため、受信品質測定結果の精度を保持することができる。
【0158】
以上、第1〜第3の実施形態では、システム帯域が2つの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、不連続な複数の帯域を複合的に用いて1つの広帯域なシステムであれば、各実施形態を適用することができる。なお、ここでいう不連続な複数の帯域とは、間にガードバンドを挟むようなシステム帯域も含む。
【0159】
上記の実施形態においては、説明の都合上、基地局装置100と移動局装置200とが一対一の場合を例にとって説明したが、基地局装置100および移動局装置200は複数であっても良い。また、移動局装置200は、移動する端末に限らず、基地局装置100や固定端末に移動局装置200の機能を実装しても良い。
【0160】
また、以上説明したそれぞれの実施形態において、基地局装置内の各機能や、移動局装置内の各機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録しても良い。そして、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより基地局装置や移動局装置の制御を行っても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含む。
【0161】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含む。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムに既に記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0162】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も特許請求の範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0163】
本発明は、基地局装置がリソースブロックを適切に割り当てることにより、移動局装置と基地局装置が効率的な通信を行うことができる通信システム、移動局装置、基地局装置及び通信方法などに適用できる。
【符号の説明】
【0164】
100・・・基地局装置、101a、101b・・・データ制御部、102a、102b・・・OFDM変調部、103a、103b・・・無線部、104・・・スケジューリング部、105・・・チャネル推定部、106・・・DFT−S−OFDM復調部、107・・・データ抽出部、108・・・上位層、200・・・移動局装置、201・・・データ制御部、202・・・DFT−S−OFDM変調部、203a、203b・・・無線部、204・・・スケジューリング部、205a、205b・・・チャネル推定部、206a、206b・・・OFDM復調部、207a、207b・・・データ抽出部、208・・・上位層、301・・・物理マッピング部、302・・・参照信号生成部、303・・・同期信号生成部、304・・・変調部、305・・・IFFT部、306・・・CP挿入部、307・・・D/A変換部、308・・・無線送信部、401・・・無線受信部、402・・・A/D変換部、403・・・CP除去部、404・・・FFT部、405・・・復調部、501・・・物理マッピング部、502・・・参照信号生成部、503・・・同期信号生成部、504−1、504−2・・・変調部、505−1、505−2・・・IFFT部、506−1、506−2・・・CP挿入部、507−1、507−2・・・D/A変換部、508−1、508−2・・・無線送信部、601−1、601−2・・・無線受信部、602−1、602−2・・・A/D変換部、205b・・・チャネル推定部、603−1、603−2・・・バンド毎チャネル推定部、604−1、604−2・・・CP除去部、605−1、605−2・・・FFT部、606−1、606−2・・・復調部、A1、A2・・・アンテナ部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムにおいて、
前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、
前記基地局装置は、
前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信し、
前記移動局装置は、
割り当てられた前記リソースブロックに配置された前記データを受信することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる基地局装置であって、
前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、
前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信することを特徴とする基地局装置。
【請求項3】
同時に複数使用される前記通信リソースのうち、1つ以上の通信リソースに物理報知チャネルを配置し、他の1つ以上の通信リソースに物理報知チャネルを配置しないことを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる移動局装置における処理方法であって、
前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、
前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックに配置されたデータを受信することを特徴とする移動局装置。
【請求項5】
同時に複数使用される前記通信リソースのうち、1つ以上の通信リソースは物理報知チャネルを有し、他の1つ以上の通信リソースは物理報知チャネルを有しないことを特徴とする請求項4に記載の移動局装置。
【請求項6】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる基地局装置における処理方法であって、
前記基地局装置は、
前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、
前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信することを特徴とする処理方法。
【請求項7】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる移動局装置における処理方法であって、
前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、
前記移動局装置は、
前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックに配置されたデータを受信することを特徴とする処理方法。
【請求項8】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用される移動局装置に実装される処理装置であって、複数の処理部から構成される処理装置において、
前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して前記基地局装置と通信する際に、
使用可能な前記通信リソースのそれぞれの周波数帯域幅を示す情報であって前記基地局装置から取得した前記情報を使用して前記各通信リソースにおいてサブバンドを構成するリソースブロックの数を前記各通信リソース毎に決定し、
前記リソースブロックの数を使用して前記各通信リソースにおいて前記サブバンドを特定し、
前記サブバンド毎の受信品質の指標を前記基地局装置にフィードバックする機能を前記移動局装置に発揮させる処理とを、それぞれ異なる前記処理部で行うことを特徴とする処理装置。
【請求項1】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムにおいて、
前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、
前記基地局装置は、
前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信し、
前記移動局装置は、
割り当てられた前記リソースブロックに配置された前記データを受信することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる基地局装置であって、
前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、
前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信することを特徴とする基地局装置。
【請求項3】
同時に複数使用される前記通信リソースのうち、1つ以上の通信リソースに物理報知チャネルを配置し、他の1つ以上の通信リソースに物理報知チャネルを配置しないことを特徴とする請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる移動局装置における処理方法であって、
前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、
前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックに配置されたデータを受信することを特徴とする移動局装置。
【請求項5】
同時に複数使用される前記通信リソースのうち、1つ以上の通信リソースは物理報知チャネルを有し、他の1つ以上の通信リソースは物理報知チャネルを有しないことを特徴とする請求項4に記載の移動局装置。
【請求項6】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる基地局装置における処理方法であって、
前記基地局装置は、
前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、
前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックを前記移動局装置に割り当て、割り当てられた前記リソースブロックにデータを配置して送信することを特徴とする処理方法。
【請求項7】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用させる移動局装置における処理方法であって、
前記基地局装置が前記移動局装置との通信において、前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して通信する際に、
前記移動局装置は、
前記通信リソースの各々において周波数方向に位置する自然数個のリソースブロックのうち、1つ以上のリソースブロックに配置されたデータを受信することを特徴とする処理方法。
【請求項8】
基地局装置と移動局装置とを備える通信システムに使用される移動局装置に実装される処理装置であって、複数の処理部から構成される処理装置において、
前記通信システムで使用されない周波数帯を両側に有する通信リソースを同時に複数使用して前記基地局装置と通信する際に、
使用可能な前記通信リソースのそれぞれの周波数帯域幅を示す情報であって前記基地局装置から取得した前記情報を使用して前記各通信リソースにおいてサブバンドを構成するリソースブロックの数を前記各通信リソース毎に決定し、
前記リソースブロックの数を使用して前記各通信リソースにおいて前記サブバンドを特定し、
前記サブバンド毎の受信品質の指標を前記基地局装置にフィードバックする機能を前記移動局装置に発揮させる処理とを、それぞれ異なる前記処理部で行うことを特徴とする処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−165439(P2012−165439A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−90494(P2012−90494)
【出願日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【分割の表示】特願2010−523768(P2010−523768)の分割
【原出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.GSM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月11日(2012.4.11)
【分割の表示】特願2010−523768(P2010−523768)の分割
【原出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.GSM
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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