説明

通信システム、端末装置、通信制御装置及び機械翻訳サーバ

【課題】端末装置の使い勝手を一段と向上し得る通信システム、端末装置、通信制御装置及び機械翻訳サーバを提供する。
【解決手段】グルーピングされた端末装置13からの発言権要求に基づいて、該端末装置13に発言権を付与し、該発言権が付与された端末装置13から送信された音声メッセージをグルーピングされた機械翻訳サーバ18に送信すると共に、機械翻訳サーバ18からの発言権要求に基づいて、該機械翻訳サーバ18に発言権を付与し、該機械翻訳サーバ18から送信された翻訳結果をグルーピングされた端末装置13に送信する通信制御装置と、端末装置13の居所の特定結果に基づいて、音声メッセージの言語を推定し、該推定された言語に基づいて音声メッセージを解析して所定の言語に翻訳すると共に、発言権要求により発言権を取得して翻訳の結果を送信する機械翻訳サーバ18とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システム、端末装置、通信制御装置及び機械翻訳サーバに関し、ネットワークに構築された通信システム及びその端末装置、通信制御装置、機械翻訳サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、翻訳機能を持った携帯装置が考えられている。海外渡航者は、海外において渡航先の言語を理解し得ない場合、この携帯装置を用い、渡航先の言語で流れる音声をマイクロフォンを介して携帯装置に取り込み、この携帯装置に内蔵されている翻訳機能を用いて翻訳を実行させる。翻訳結果は、携帯装置の表示部においてテキスト表示され、またはスピーカから音声で出力されることにより、海外渡航者は、その翻訳結果により内容を把握することができる。
【0003】
しかしながら、かかる携帯装置においては、翻訳し得る言語が限られていたり、または翻訳対象の言語を指定するといった煩雑な操作を行う必要があった。
【0004】
また、従来の音声認識装置として、プッシュトークモード及びハンズフリーモードを選択し得るようになされたものも考えられている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−42894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、従来の移動体通信端末装置においては、様々な機能を付加することにより、ユーザの使い勝手を向上し得るようになっている。例えば、移動通信網に構築された通信システムにおいて、複数の移動体通信端末装置間で会話やメッセージのやりとりを行うPoC(Push to talk Over Cellular)と呼ばれるサービスがある。PoCの利用者は、同時に会話をしたいメンバ(登録を了解した者)を予めグループに登録する。そして、端末装置に設けられたPoC用のボタンを押して話し始めることで、登録したグループのメンバ全員に一斉に音声を送信するようになっている。一時に話をすることができるのは、メンバの一人であり、あるメンバの話が終わった後に他のメンバが話を始めることができる。PoCでは、このように端末装置の発言権を管理することで、トランシーバを構築するようになされている。
【0006】
このように、従来の端末装置としては、翻訳機能を持ったものや、ネットワーク上でトランシーバを構成するもの等、種々のものがある。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、端末装置の使い勝手を一段と向上し得る通信システム、端末装置、通信制御装置及び機械翻訳サーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信システムは、グルーピングされた装置の1つに発言権を付与し、該装置からの情報を前記グルーピングされた他の装置に送信する通信システムであって、前記グルーピングされた端末装置からの発言権要求に基づいて、該端末装置に発言権を付与し、該発言権が付与された端末装置から送信された音声メッセージを前記グルーピングされた機械翻訳サーバに送信すると共に、前記機械翻訳サーバからの発言権要求に基づいて、該機械翻訳サーバに発言権を付与し、該機械翻訳サーバから送信された翻訳結果を前記グルーピングされた端末装置に送信する通信制御装置と、前記端末装置の居所の特定結果に基づいて、前記音声メッセージの言語を推定し、該推定された言語に基づいて前記音声メッセージを解析して所定の言語に翻訳すると共に、発言権要求により発言権を取得して前記翻訳の結果を送信する前記機械翻訳サーバとを具備することを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、端末装置のユーザは、翻訳ターゲットの言語等を指定することなく、翻訳結果を得ることができる。これにより、ユーザの使い勝手を一段と向上することができる。
【0010】
本発明の通信システムにおいては、前記機械翻訳サーバは、前記端末装置の居所に応じて選択される複数の言語を順位付けし、該順位の高い言語から順に選択して前記音声メッセージを翻訳することが好ましい。
【0011】
本発明の通信システムにおいては、前記機械翻訳サーバは、前記端末装置の居所に基づいて、前記翻訳結果と共に前記端末装置に提供する情報を選択することが好ましい。
【0012】
本発明の端末装置は、グルーピングされた装置の1つに発言権を付与し、該装置からの情報を前記グルーピングされた他の装置に送信する通信システムの前記装置であって、所定の操作に基づいて、機械翻訳サーバがグルーピングされたグループの管理装置に発言権要求を送信する送信部と、前記発言権要求に基づく発言権を取得する受信部と、外部の音声を入力するマイクロフォンと、前記マイクロフォンを介して入力された音声メッセージを、前記発言権要求に基づく発言権の取得を条件に、前記管理装置に送信する制御部とを具備することを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、ユーザは、翻訳ターゲットの言語等を指定することなく、翻訳結果を得ることができ、一段と使い勝手の良い端末装置を実現することができる。
【0014】
本発明の端末装置においては、前記マイクロフォンを介して前記外部の音声を入力するための操作子を具備し、前記制御部は、前記操作子の操作態様に応じて、前記機械翻訳サーバがグルーピングされたグループの管理装置への発言権要求を送信することが好ましい。
【0015】
本発明の通信制御装置は、グルーピングされた装置の1つに発言権を付与し、該装置からの情報を前記グルーピングされた他の装置に送信する通信制御装置であって、前記グルーピングされた装置との間で情報を送受信する通信部と、前記グルーピングされた端末装置からの発言権要求に基づいて、該端末装置に発言権を付与し、該端末装置から送信された音声メッセージを前記グルーピングされた機械翻訳サーバに送信すると共に、前記機械翻訳サーバからの発言権要求に基づいて、該機械翻訳サーバに発言権を付与し、該機械翻訳サーバから送信された翻訳結果を前記グルーピングされた端末装置に送信する制御部とを具備することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、端末装置のユーザは、翻訳ターゲットの言語等を指定することなく、翻訳結果を得ることができる。これにより、ユーザの使い勝手を一段と向上することができる。
【0017】
本発明の機械翻訳サーバは、グルーピングされた装置の1つに発言権を付与し、該装置からの情報を前記グルーピングされた他の装置に送信する通信システムの前記装置であって、前記グルーピングされた端末装置に発言権が付与された旨の通知を受信する受信部と、前記通知に基づいて前記端末装置の居所を特定すると共に、該特定結果に基づいて、前記端末装置から送信される音声メッセージの言語を推定し、該推定された言語として前記音声メッセージを解析し翻訳する翻訳部と、発言権要求により発言権を取得して前記翻訳の結果を送信する送信部とを具備することを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、端末装置のユーザは、翻訳ターゲットの言語等を指定することなく、翻訳結果を得ることができる。これにより、ユーザの使い勝手を一段と向上することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、端末装置の使い勝手を一段と向上し得る通信システム、端末装置、通信制御装置及び機械翻訳サーバを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る通信システムを説明するための概略構成を示す図である。図1に示す通信システム10は、複数のネットワーク11、12に接続可能な移動端末(端末装置)13と、移動通信網14を介して移動端末1をインターネット等のネットワーク11に接続する移動通信センタ15と、ネットワーク11に接続されたPoC(Push-to-talk over the Cellular)機能部17、機械翻訳サーバ18及びローミング管理データベース(19A)を管理するローミング管理サーバ19とから主に構成されている。なお、PoC機能部17、機械翻訳サーバ18及びローミング管理サーバ19は、ネットワーク11に接続されている場合に限らず、他のネットワーク12に接続されていてもよい。
【0021】
移動端末13は、複数の通信方式のインタフェース、例えば移動通信用のインタフェースを備えている。また、移動端末1は、オペレーティングシステム(移動機OS)を有しており、移動機OS上でブラウザ機能、ビューワ機能、JAM(Java(登録商標) Application Manager)その他の機能が動作する。また、移動端末13は、通常の電話機能及びメール機能を備えている。
【0022】
移動通信網14は、移動端末13と移動通信センタ15との間のネットワークである。この移動通信網14には、通常の移動通信網に加えて移動パケット通信網も含まれる。また、移動通信センタ15は、例えばiモード(登録商標)サーバなどを有すると共に、移動通信網14とインターネットのような他のネットワーク11とを結ぶゲートウェイ機能を担っており、具体的には、情報配信機能、メール送受信機能、メール蓄積機能、契約顧客管理機能、情報提供者(Information Provider)管理機能、及び情報料課金機能等を有する。
【0023】
図2は、図1に示すシステムにおける移動端末13の概略構成を示すブロック図である。なお、図2に示す構成は、本発明を説明するために簡略化したものであり、通常の移動端末に搭載される構成要素は備えているものとする。
【0024】
移動端末13は、装置全体を制御する制御部21と、移動通信網14を介して移動通信センタ15(図1)との間で移動通信により通信を行う通信制御部22と、種々のデータを表示する表示部23と、種々の操作を行う操作部24と、音声を入力するためのマイクロフォン25と、音声を出力するためのスピーカ26と、カメラ機能により画像を撮像する撮像部27と、撮像部27によって撮像された画像のデータ等を記憶する記憶部28と、装置に搭載され、あるいはダウンロードされた種々のアプリケーションを起動するアプリ制御部29とから主に構成されている。
【0025】
通信制御部22は、移動通信用インタフェースにより移動通信網14を介して移動通信センタ15と通信を行う。通信制御部22は、マイクロフォン25を介して電気信号に変換された音声信号を、移動通信網14を介して移動通信センタ15に送出すると共に、移動通信網14を介して移動通信センタ15から受信した音声信号をスピーカ26を介して音声として出力する。また、通信制御部22は、移動通信網14を介して移動通信センタ15から受信した情報を表示部23に表示する。撮像部26は、操作部24を介して撮像命令が入力された場合に、移動端末13の筺体に設けられたレンズ(図示せず)を通して被写体象を取り込み、この被写体像を光電変換素子によって電気信号に変換することにより、画像データを得る。この画像データは、例えばRAM(Random Access Memory)構成の記憶部28に記憶される。アプリ制御部29は、装置に搭載され、あるいはダウンロードされたデータアップロード用のアプリケーションを起動させる。
【0026】
図3は、図1に示すシステムにおける移動通信センタの概略構成を示すブロック図である。移動通信センタ15は、装置全体を制御する制御部31と、移動通信網14を介して移動端末13との間で移動通信により通信を行う通信制御部32と、通信サービスの提供先を管理する管理データベース(DB)34と、管理データベース34の情報を更新する情報更新部33とアプリ制御部36とから主に構成されている。
【0027】
通信制御部32は、移動通信用インタフェースにより移動通信網14を介して移動端末13と通信を行う。
【0028】
管理DB34は、例えば図4に示すようなテーブルを有している。図4に示すテーブルは、ユーザ毎に通信サービスの提供先を管理したものである。なお、テーブルで管理する項目は図4に示す項目に限定されず、適宜変更することができる。
【0029】
次に、PoC機能部17について説明する。PoC機能部17は、PoCサービス(以下これを単にプッシュトークと呼ぶ)を実現するためのアプリケーション機能として、メンバ、グループリスト管理及びネットワーク電話帳を提供すると共に、PoC呼び制御、パケット複製制御及び発言権管理制御を行う。なお、これらの制御機能は、1つのサーバに集約することなく、例えば、メンバ、グループリスト管理及びネットワーク電話帳を提供する機能をPoCサーバ(図示せず)に持たせ、PoC呼び制御、パケット複製制御及び発言権管理制御を行う機能をMRFC(Media Resource Function Controller)/MRFP(Media Resource Function Processor)(図示せず)に持たせている。MRFC/MRFPは、ユーザエージェントサーバ(UAS)として発移動端末からCSCF(Call Session Control Function)経由で転送されたSIPリクエストを受け取り、着移動端末に対しては、ユーザエージェントクライアント(UAC)としてSIPリクエストを送出する。本実施の形態においては、これらの分散した機能をまとめてPoC機能部17と呼ぶ。また、MRFC/MRFPのうちの特に発言権制御を行う部分を、発言権制御装置として後述する。
【0030】
PoCの通信プロトコルとしては、IP電話と同様に、SIP、RTP、RTCP等が用いられる。グループの作成、グループのメンバ登録の制御を行い、発言権の取得、解放はRTCPを利用した通信プロトコルであるTBCP(Talk Burst Control Protocol)によって行う。音声データの送信はIP電話と同様にRTPを用いる。IP電話では、通話端末がお互いにピア・ツー・ピアによって直接RTP通信を行うのに対して、PoCではサーバを介して、音声データのグループメンバへの一斉同報配信を行う。
【0031】
PoC機能部17においては、ユーザが移動端末13のプッシュトークボタン(操作子)24Aを操作することによって、RTCPによる発言権制御を行い、プッシュトークボタン24Aを押下しているユーザにのみ発言権を与え、移動端末13からRTPによってMRFPへ音声データが送信される。MRFPは受信した音声データをIPレイヤにて複製し、他のメンバの移動端末に配信することにより、1対多の通信を可能としている。特定のユーザが発言権を取得している状態において、他のユーザが発言権を要求した場合は、MRFPから要求拒否信号が該ユーザへ通知されることにより発言権取得を1ユーザのみに限定している。また、同一ユーザが一定期間発言権を取得しているときは、ユーザへ開放予告音を通知し、その後、発言権を強制開放することで1ユーザの発言権占有を防止している。
【0032】
図5及び図6は、PoCにおけるグループ開設のシーケンスを示す。このシーケンスにおいて、クライアント(移動端末、コンピュータ等)C1がグループを開設(INVITE)し(ステップST11)、メンバとしてクライアントC2及びC3を指定(REFER)し(ステップST12)、メンバを招聘(INVITE)する(ステップST13、ステップST14)ようになっている。
【0033】
また、図6は、発言権の取得と音声の一斉同報通知の動作シーケンスを示す。このシーケンスにおいて、まず、クライアント(移動端末等の端末装置)C1が発言権の取得要求(RTCP)を送信する(ステップST21)。これに対して、PoC機能部17から発言権応答(RTCP)が返信される(ステップST22)。そして、発言権通知(RTCP)を他のメンバに対して行う(ステップST23、ステップST24)。これによりクライアントC1は発言権を得たこととなり、音声メッセージ(RTP)を送信する(ステップST25)。PoC機能部17は、発言権を取得しているクライアントC1からの音声メッセージを、他のメンバ(クライアントC2、C3)に同報送信(RTP)する(ステップST26、ステップST27)。
【0034】
図7は、図1に示すPoC機能部17に含まれる発言権制御を行うための装置(以下これを発言権制御装置と呼ぶ)の概略構成を示すブロック図である。図7に示すように、発言権制御装置(通信制御装置)40は、装置全体を制御するCPU41と、インターネット等のネットワーク11を介して移動通信センタ15と通信を行うことにより、移動通信網14に接続される移動端末13と通信を行う送受信装置45と、PoCサービスにおけるグルーピングされたメンバを登録する格納装置44と、種々のプログラムやデータを記録した記録媒体48から情報を読み取るための読取装置47と、オペレータの操作により種々のデータやコマンドを入力するための入力装置42と、メモリ43と、システムの動作状態等を表示するための表示装置46とから主に構成されている。
【0035】
送受信装置45は、ネットワークインタフェースによりネットワーク11を介して移動通信センタ15と通信を行う。格納装置44は、移動端末13から移動通信センタ15を介してアップロードされたグループメンバの情報等を保存する。なお、PoCサービスに参加するメンバは、図5において上述したように、各々の移動端末13から「グループを作成する旨(図5:ステップST11)」及び「誰をメンバとして登録するのか(図5:ステップST12)」の登録要求を発する。そして、移動端末13と発言権制御サーバ17との間でメンバになることの確認処理が行われた後、格納装置44へのグループ登録処理が終了する。PoCサービスを開始する場合には、発言権制御装置17は、図6において上述したように、RTCPの機能を用いて誰が話す人になるのかを決定し、話す人が誰なのかを他のメンバに通知する。また、PoCサービスにおいて音声メッセージを送受信する場合には、RTPの機能が用いられる。
【0036】
次に、機械翻訳サーバ18について説明する。図8に示すように、機械翻訳サーバ18は、発言権制御装置40(図7)との間で移動端末13についての発言権取得要求、発言権通知、発言権開放通知等を授受する発言権制御部52と、発言権制御装置40からの発言権通知(移動端末13の要求に対して発言権を与える旨の通知)を受信した際に移動端末13が所有するSIP−URI(ローミング先のドメイン名になる)に基づいて、発言権を取得した移動端末13がいずれの国にローミングをしているのかを、ローミング管理サーバ19(図1)に対して問い合わせるローミング国問い合わせ部53と、該問い合わせ結果に基づいて、ローミング先の国名を表す情報(米国、仏国等)を保持する言語保持メモリ54と、ネットワーク11を介して移動端末13から音声データ(音声メッセージ)を受信する音声データ受信部51と、言語保持メモリ54に保持された国名に基づいて、該国名に対応した音声解析部(A言語用音声解析部55a、B言語用音声解析部55b、……)を選択し、該選択された解析部に対して、上述の受信した音声データを供給することにより音声解析を実行し、音声をテキスト化する音声解析選択・実行部56と、言語保持メモリ54に保持された国名に基づいて、該国名に対応した翻訳部(A言語用翻訳部57a、B言語用翻訳部57b、……)を選択し、該選択された翻訳部に対して、上述の音声解析選択・実行部56で解析された(テキスト化された)結果を供給し翻訳を実行する翻訳言語選択・実行部58と、言語保持メモリ54に保持された国名に基づいて、該国名に対応した音声発生部(A言語用音声発生部59a、B言語用音声発生部59b、……)を選択し、該選択された音声発生部に対して、上述の翻訳言語選択・実行部58で翻訳された結果を供給し音声データを生成する音声発生選択部60と、音声発生選択部60において生成された音声データを受け取った際に、発言権制御部52に対して、発言権取得要求を発言権制御装置40(図7)宛送信させると共に、該発言権取得要求に応じて機械翻訳サーバ18に発言権が与えられた旨の発言権通知を発言権制御部52から受け取った場合に、既に音声発生選択部60から受け取っている音声データを、ネットワーク11を介して移動端末13に送信する音声データ送信部61とから主に構成されている。
【0037】
また、ローミング管理データベース19Aは、図9に示すように、各国名を表す情報(例えば、アメリカ(英語)等)とそのSIP−URIとの関係がデータベース化されたものである。
【0038】
以上説明した構成の通信システム10における動作について、図10に示すシーケンス図を用いて説明する。まず、移動端末13において、プッシュトークボタン24Aが押下されると、移動端末13は、該押下の態様に応じて、通常のグルーピングされた相手に対するプッシュトークを行うプッシュトークモードか、または、グルーピングの相手として機械翻訳サーバ18が選択されて入力音声を翻訳する翻訳モードかを判断する。本実施の形態の場合、移動端末13の制御部21(図2)は、プッシュトークボタン24Aが一定時間以上押下され続けた場合に翻訳モードを実行するようになっている。そして、プッシュトークボタン24Aが一定時間以上押下されると、移動端末13の制御部21は、翻訳モードを選択し、翻訳モードにおけるプッシュトークのメンバとして予め登録されている機械翻訳サーバ18をメンバとしたプッシュトーク(以下これを翻訳用プッシュトークと呼ぶ)を実行する。因みに、プッシュトークボタン24Aの押下時間が一定時間未満である場合には、他の移動端末、PDAまたはコンピュータ等をメンバとしたグループでの通常のプッシュトーク(以下これを通常プッシュトークと呼ぶ)が実行されることになる。
【0039】
翻訳用プッシュトークが選択されると、移動端末13は、音声を取得すると共に(ステップST31)発言権制御装置40に対して、翻訳用プッシュトークにおける発言権取得要求をRTCPの機能を用いて送信する(ステップST32)。
【0040】
発言権取得要求を受け取った発言権制御装置40は、格納装置44に移動端末13に発言権を付与することを設定した後(ステップST33)、その旨を、翻訳用プッシュトークのグループとして登録されている移動端末13及び機械翻訳サーバ18に通知する(ステップST34)。
【0041】
発言権制御装置40から、移動端末13が発言権を取得した旨の通知を受け取った機械翻訳サーバ18は、この発言権通知に含まれている、移動端末13のSIP−URI(Uniform Resource Identifier)に基づいて、移動端末13のローミング先をローミング管理サーバ19に問い合わせる(ステップST35)。ローミング管理サーバ19は、その問い合わせに応じて、ローミング先の国名を表す情報(該国の言語を表す言語情報)を機械翻訳サーバ18に送信する(ステップST36)。ローミング先の言語情報を受け取った機械翻訳サーバ18は、受け取った言語情報(例えば、英語、仏語等)を言語保持メモリ54(図8)に格納する(ステップST37)。
【0042】
一方、発言権通知を受け取った移動端末13は、プッシュトークボタン24Aが押下されている間において、マイクロフォン25を介して外部の音声メッセージを入力しながら、その音声データをPoC機能部17を介してRTPの機能により機械翻訳サーバ18に送信する(ステップST38)。すなわち、プッシュトークの機能を用いて、音声データが移動端末13から機械翻訳サーバ18に送信される。なお、移動端末13においては、マイクロフォン25を介して入力した音声メッセージを、一旦記憶部28に格納しながら、この格納された音声データを機械翻訳サーバ18に送信するようにしてもよい。
【0043】
かくして、移動端末13のユーザは、移動端末13のマイクロフォン25を、音声メッセージが流れている方向に向けて該音声メッセージを翻訳するために入力することができる。そして、この動作は、プッシュトークボタン24Aの押下が終了するまで続けられる。そして、ユーザは、翻訳しようとする音声メッセージの入力を完了すると、プッシュトークボタン24Aの押下を止めることにより、移動端末13は、プッシュトークボタン24Aの押下の終了に伴って、発言権開放要求を発言権制御装置40に送信する(ステップST39)。
【0044】
発言権開放要求を受け取った発言権制御装置40は、格納装置44に設定されている発言権の所在(移動端末13)をキャンセルすることにより、それまで移動端末13に付与されていた発言権を開放する(ステップST40)。そして、発言権を開放した旨の通知(発言権開放通知)を移動端末13及び機械翻訳サーバ18に送信する(ステップST41)。
【0045】
発言権開放通知を受け取った機械翻訳サーバ18は、音声データの送信が終了したものと判断し、上述のステップST36においてローミング管理サーバ19から取得したローミング先の言語に基づいて、音声解析選択・実行部56(図8)によって音声認識言語を選択し(ステップST42)、音声データをテキスト化する(ステップST43)。この場合、例えば英語と推定される音声メッセージに対して英語が音声認識言語として選択される。この解析手法としては、例えば音声波形からスペクトルの特徴ベクトルを抽出する方法等、種々の方法を用いることができる。そして、機械翻訳サーバ18の翻訳言語選択・実行部58は、上述のステップST36においてローミング管理サーバ19から取得したローミング先の言語に基づいて自動翻訳言語(例えば、音声メッセージが英語と推定される場合には英語)を選択し(ステップST44)、該選択された言語により、ステップST43においてテキスト化された結果を、移動端末13の元の使用言語に翻訳する(ステップST45)。
【0046】
かくして、入力された音声データがテキストに翻訳される。機械翻訳サーバ18の音声発生選択部60は、翻訳された結果であるテキストデータを音声データに変換する(ステップST46)。これにより、移動端末13がそのローミング先の国で入力した音声メッセージ(ローミング先の国の言語)が、機械翻訳サーバ18において、移動端末13の元の使用言語(例えば日本語)に変換されることになる。なお、本実施の形態においては、機械翻訳サーバ18として、種々の言語を日本語に翻訳するものとしたが、設定により日本語以外の言語に翻訳するようにすることもできる。この場合には、例えば、移動端末13から翻訳先の言語を指定する情報を発言権制御装置40に送信し、この情報を発言権通知と共に発言権制御装置40から機械翻訳サーバ18に送信し、機械翻訳サーバ18において翻訳先の言語に応じた翻訳を行うようにすればよい。
【0047】
音声発生選択部60による音声データへの変換が完了すると、音声発生選択部60は、変換された音声データを音声データ送信部61に渡す。音声データ送信部61は、音声データの送信準備が完了した旨を発言権制御部52に通知することにより、発言権制御部52は、発言権制御装置40に対して発言権取得要求を送信する(ステップST47)。発言権制御装置40は、他の移動端末(この場合は、機械翻訳サーバ18とグルーピングされている移動端末13)に発言権が設定されていないことを格納装置44の設定状態により確認した後、機械翻訳サーバ18に発言権を付与する旨を格納装置44に設定することにより発言権を機械翻訳サーバ18に設定し(ステップST48)、発言権通知を、機械翻訳サーバ18及びこれとグルーピングされている移動端末13に送信する(ステップST49)。
【0048】
発言権通知を受け取った機械翻訳サーバ18の発言権制御部52は、音声データ送信部61にその旨を通知することにより、音声データ送信部61は、送信準備が完了している音声データをRTPにより移動端末13にPoC機能部17(図1)を介して送信する(ステップST50)。かくして、移動端末13においてマイクロフォン25から入力された音声メッセージ(例えば英語や仏語の音声メッセージ)は、機械翻訳サーバ18において移動端末13の使用言語(例えば日本語)に翻訳されて、移動端末13に返信される。
【0049】
翻訳された音声データを受信した移動端末13は、その音声データを表示部23(図2)にテキスト表示し、または音声に変換してスピーカ26(図2)から出力する。
【0050】
以上説明した通信システム10においては、PoCサービスを利用可能な移動端末13において、PoCサービスの利用に係る通常操作と、PoCサービスを利用した自動翻訳サービスを受けるための特別操作とが設定されており、そのいずれかをユーザが選択して操作するようになっている。
【0051】
例えば、図11に示すように、移動端末13の筺体に設けられたPoCサービスを利用するためのプッシュトークボタン24Aを一定時間未満だけ押下した場合(短押し)、表示部23には、予めグルーピングされているメンバの名前が表示される。この名前の情報は、グルーピング作成時に発言権制御部40の格納部44(図7)に格納されると共に、移動端末13の記憶部28(図2)に記憶されている。
【0052】
ユーザは、表示部23に表示されたメンバを確認した後、PoCサービスによりPoC機能部17を介して、これらのメンバとの間で音声メッセージを一斉同報することができる。
【0053】
これに対して、プッシュトークボタン24Aが一定時間以上長押しされた場合、移動端末13の制御部21は、この操作を自動翻訳サービスを利用するための特別操作であると判断し、表示部23に自動翻訳サービスを受けるための表示(「音声を読み込んでいます。ボタンを離すと翻訳します。」)を行う。ユーザは、この表示に従って、プッシュトークボタン24Aを押下している間に、マイクロフォン25(図25)を例えば英語や仏語の音声メッセージが流れている方向に向けて、この音声メッセージを移動端末13に取り込む。
【0054】
また、移動端末13は、プッシュトークボタン24Aが押下開始されると、PoC機能部17に対して自動翻訳サーバ18がメンバとして登録されているグループでのPoCサービスの利用を要求する。そして、この要求に応じて発言権制御装置40において移動端末13に発言権が与えられると、移動端末13のマイクロフォン25から入力された音声メッセージが機械翻訳サーバ18に送信されて例えば日本語に翻訳される。
【0055】
この場合、機械翻訳サーバ18では、移動端末13のSIP−URIに基づいたローミング国をローミング管理サーバ19に問い合わせることにより、移動端末13が現在どの国で音声メッセージを入力しているかが判断される。例えば、移動端末13が米国にある場合、機械翻訳サーバ18では、米国用(英語)の音声解析部、翻訳部を選択することにより、入力された音声が英語であると推定して翻訳を実行する。このように、移動端末13が存する国を判断することにより、ユーザが翻訳しようとしている言語を推定して翻訳が実行される。これにより、移動端末13のユーザは、言語を指定することなく、容易に所望の言語の翻訳サービスを受けることができる。
【0056】
そして、ユーザが移動端末13のプッシュトークボタン24Aを離すと、移動端末13の制御部21は、翻訳のための音声メッセージの受け付けを終了し、発言権開放要求を発言権制御部40に送信する(図10、ステップST39)。これにより、機械翻訳サーバ18において翻訳が完了し、その翻訳結果がPoC機能部17を介して移動端末13に送信される。これにより、移動端末13のスピーカ26から例えば日本語に翻訳された音声メッセージが出力され、また、表示部23に表示される。
【0057】
このように、移動端末13においては、PoCサービスを利用するためのプッシュトークボタン24Aを長押しするだけで自動翻訳サービスを受けることができる。また、翻訳プログラムは、移動端末13ではなく機械翻訳サーバ18に保持されていることにより、より多くの言語に対応した翻訳サービスを提供することができる。
【0058】
また、本実施の形態においては、PoCサービスを利用し、機械翻訳サーバ18をメンバとしたグルーピングにより、翻訳しようとする音声メッセージを機械翻訳サーバ18に送信することにより、プッシュトークボタン24Aを一定時間以上押下するといった簡単な操作によって翻訳サービスを受けることができる。従って、ユーザは、意味を理解することが困難なメッセージが流れている場面において、移動端末13のプッシュトークボタン24Aを押してマイクロフォン25をメッセージが流れている方向に向けるだけで、該メッセージの翻訳結果を取得することができる。
【0059】
かくして以上説明した通信システム10によれば、一段と使い勝手良く翻訳サービスを受けることができる。
【0060】
なお、上述の実施の形態においては、プッシュトークボタン24Aが操作された場合(すなわち、翻訳サービスを受ける段階)に、ローミング管理サーバ19に移動端末13の居所を問い合わせる場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、移動端末13が他国(他エリア)に入った際の最初のローミングが行われた結果(エリア情報)を移動端末13またはネットワーク上のサーバに保持しておき、翻訳サービスを受ける際にその情報を用いて移動端末13の居所を判断し、該判断結果に基づいて言語を選択するようにしてもよい。この場合、移動端末13の居所を記憶するサーバ(例えばローミング管理サーバ19)に対して、機械翻訳サーバ18がその居所を問い合わせる方法等を用いることができる。また、移動端末13の居所については、定期的にその居所をローミング管理サーバ19等のサーバが取得し、該取得した情報を用いて機械翻訳用の言語を選択することもできる。
【0061】
また、上述の実施の形態においては、移動端末13の居所に応じた1つの言語を選択して、入力された音声メッセージがその言語であると推定して翻訳処理を実行する場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば機械翻訳サーバ19の音声解析処理で言語モデルが一致しない場合には、解析エラーとして他の言語を選択し直すようにしてもよい。例えば、図12に示すように、機械翻訳サーバ18は、ステップST61において、音声解析選択・実行部56により、入力された音声メッセージを、ローミング国の問い合わせ結果に基づいて音声解析処理し、続くステップST62において、この音声解析処理の結果として有意な音声パターンや翻訳結果が得られるか否かを判断する。得られない場合には、ステップST62において肯定結果を得ることにより、機械翻訳サーバ18は、ステップST62からステップST63に移って、下位の選択言語候補を選択して、再度音声解析処理を実行する。下位の選択言語候補とは、予め機械翻訳サーバ18の記憶部(図示せず)またはネットワーク上の他のサーバに格納されている情報であって、例えば、ローミング管理サーバ19から得られた移動端末13の居所がフランスであるとすると、第1位:仏語、第2位:独語、第3位:スペイン語、第4位:英語、……といったように、フランスを中心として、該フランスから近い順に国名及びその言語が登録されている情報である。なお、この順位については、距離の順ではなく、移動端末13の居所が特定された場合に、その特定された国において使用されている言語の多い順に設定されていてもよく、種々の順位が適用される。
【0062】
このようにして、機械翻訳サーバ18は、ステップST62、ステップST63の処理を繰り返すことにより、入力された音声メッセージの言語を最終的に特定することができ、該特定された言語により音声解析(ステップST61)及び翻訳処理(ステップST64)を実行する。
【0063】
このようにすれば、例えば米国で仏語が流れている場合であっても、翻訳言語の再選択によって翻訳が可能となる。そして、上述したように、選択対象の言語は、移動端末13の居所に応じて、その居所の近い国から優先順位を高く設定しておくようにする等、一定のルールに従って言語を絞り込むようにすれば、一段と効率良く必要とする言語を選択して翻訳を実行することが可能となる。
【0064】
また、上述の実施の形態においては、単に翻訳結果を移動端末13に送信する場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、翻訳結果と共に移動端末13の居所に関連する情報や、翻訳内容(例えばキーワード)に関連した情報を移動端末13に提供するようにしてもよい。例えば、翻訳内容に「A美術館」といったテキスト情報が含まれている場合に、その美術館に関する情報を移動端末13に機械翻訳サーバ19またはネットワーク上の他のサーバから送信するようにしてもよい。または、移動端末13からプッシュトークボタン24Aの操作によって翻訳依頼があった場合に、移動端末13の居所に基づいてその場所に関連する情報(例えば、A美術館の近くであれば、A美術館の情報)を提供するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザが翻訳依頼を送信した時点でその場所やメッセージに関する情報が移動端末13に提供されることから、ユーザが何らかの情報を必要とするタイミングを的確につかんだ情報の提供を実現することが可能となる。移動端末13の居所に関連する情報は、機械翻訳サーバ18が他の検索サーバに問い合わせる方法や、機械翻訳サーバ18内に検索用のデータベースを備える方法がある。他の検索サーバに問い合わせる場合には、その検索結果を機械翻訳サーバ18経由または直接移動端末13に提供する。
【0065】
また、上述の実施の形態においては、PoCサービスを受けるためのプッシュトークボタン24Aの操作態様に応じて、PoCサービスを利用した自動翻訳サービスを提供する場合について述べたが、本発明はこれに限られるものではなく、本実施の形態に係る自動翻訳サービスを受けるための操作子を他に設けるようにしてもよい。
【0066】
本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、処理部や処理手順については適宜変更して実施することが可能である。その他、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態に係る通信システムを説明するための概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す通信システムにおける移動端末の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示す通信システムにおける移動通信センタの概略構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す移動通信センタにおける管理データベースのテーブルを示す図である。
【図5】移動端末とPoC機能部との間の通信手順の説明に供する図である。
【図6】移動端末とPoC機能部との間の通信手順の説明に供する図である。
【図7】図1に示す通信システムにおける発言権制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図8】図1に示す通信システムにおける機械翻訳サーバの概略構成を示すブロック図である。
【図9】図1に示す通信システムにおけるローミング管理データベースのテーブルを示す図である。
【図10】図1に示す通信システムにおける通信処理手順を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の実施の形態の動作の説明に供する図である。
【図12】他の実施の形態に係る機械翻訳サーバの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
10 通信システム
11、12 ネットワーク
13 移動端末
14 移動通信網
15 移動通信センタ
17 PoC機能部
18 機械翻訳サーバ
19 ローミング管理サーバ
19A ローミング管理データベース
21、31 制御部
22、32 通信制御部
23 表示部
24 操作部
24A プッシュトークボタン
25 マイクロフォン
26 スピーカ
40 発言権制御装置
41 CPU
42 入力装置
43 メモリ
44 格納装置
45 送受信装置
46 表示装置
47 読取装置
51 音声データ受信部
52 発言権制御部
53 ローミング国問い合わせ部
54 言語保持メモリ
55a A言語用音声解析部
55b B言語用音声解析部
56 音声解析選択・実行部
57a A言語用翻訳部
57b B言語用翻訳部
58 翻訳言語選択・実行部
59a A言語用音声発生部
59b B言語用音声発生部
60 音声発生選択部
61 音声データ送信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
グルーピングされた装置の1つに発言権を付与し、該装置からの情報を前記グルーピングされた他の装置に送信する通信システムであって、
前記グルーピングされた端末装置からの発言権要求に基づいて、該端末装置に発言権を付与し、該発言権が付与された端末装置から送信された音声メッセージを前記グルーピングされた機械翻訳サーバに送信すると共に、前記機械翻訳サーバからの発言権要求に基づいて、該機械翻訳サーバに発言権を付与し、該機械翻訳サーバから送信された翻訳結果を前記グルーピングされた端末装置に送信する通信制御装置と、
前記端末装置の居所の特定結果に基づいて、前記音声メッセージの言語を推定し、該推定された言語に基づいて前記音声メッセージを解析して所定の言語に翻訳すると共に、発言権要求により発言権を取得して前記翻訳の結果を送信する前記機械翻訳サーバとを具備することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記機械翻訳サーバは、前記端末装置の居所に応じて選択される複数の言語を順位付けし、該順位の高い言語から順に選択して前記音声メッセージを翻訳することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記機械翻訳サーバは、前記端末装置の居所に基づいて、前記翻訳結果と共に前記端末装置に提供する情報を選択することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
グルーピングされた装置の1つに発言権を付与し、該装置からの情報を前記グルーピングされた他の装置に送信する通信システムの前記装置であって、
所定の操作に基づいて、機械翻訳サーバがグルーピングされたグループの管理装置に発言権要求を送信する送信部と、
前記発言権要求に基づく発言権を取得する受信部と、
外部の音声を入力するマイクロフォンと、
前記マイクロフォンを介して入力された音声メッセージを、前記発言権要求に基づく発言権の取得を条件に、前記管理装置に送信する制御部とを具備することを特徴とする端末装置。
【請求項5】
前記マイクロフォンを介して前記外部の音声を入力するための操作子を具備し、前記制御部は、前記操作子の操作態様に応じて、前記機械翻訳サーバがグルーピングされたグループの管理装置への発言権要求を送信することを特徴とする請求項4に記載の端末装置。
【請求項6】
グルーピングされた装置の1つに発言権を付与し、該装置からの情報を前記グルーピングされた他の装置に送信する通信制御装置であって、
前記グルーピングされた装置との間で情報を送受信する通信部と、
前記グルーピングされた端末装置からの発言権要求に基づいて、該端末装置に発言権を付与し、該端末装置から送信された音声メッセージを前記グルーピングされた機械翻訳サーバに送信すると共に、前記機械翻訳サーバからの発言権要求に基づいて、該機械翻訳サーバに発言権を付与し、該機械翻訳サーバから送信された翻訳結果を前記グルーピングされた端末装置に送信する制御部とを具備することを特徴とする通信制御装置。
【請求項7】
グルーピングされた装置の1つに発言権を付与し、該装置からの情報を前記グルーピングされた他の装置に送信する通信システムの前記装置であって、
前記グルーピングされた端末装置に発言権が付与された旨の通知を受信する受信部と、
前記通知に基づいて前記端末装置の居所を特定すると共に、該特定結果に基づいて、前記端末装置から送信される音声メッセージの言語を推定し、該推定された言語として前記音声メッセージを解析し翻訳する翻訳部と、
発言権要求により発言権を取得して前記翻訳の結果を送信する送信部とを具備することを特徴とする機械翻訳サーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−141788(P2009−141788A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−317381(P2007−317381)
【出願日】平成19年12月7日(2007.12.7)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】