説明

通信システム、送信装置、受信装置、送信制御方法、受信制御方法、送信制御プログラム、受信制御プログラム

【課題】通常のガードインターバルの長さを超える遅延波が到来する環境においても、シンボル間干渉への耐性を大幅に向上させ、かつ、伝送効率をほとんど劣化させることなく、シンボルの受信品質を向上させること。
【解決手段】第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置において、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを配置した信号を生成して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、送信装置、受信装置、送信制御方法、受信制御方法、送信制御プログラム、受信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信システムは、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing:直交周波数分割多重)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access:直交周波数分割多元接続)、MC−CDM(Multi Carrier−Code Division Multiplexing:マルチキャリア−符号分割多重)などのマルチキャリア伝送では、送信装置においてガードインターバル(Guard Interval、GI)やサイクリックプレフィックス(Cyclic Prefix、CP)を付加することによって、マルチパス干渉の影響を低減することができることが知られている。
【0003】
しかし、従来の通信システムでは、マルチキャリア伝送において、ガードインターバルの長さ(区間)を超える遅延波が存在する場合、受信品質の劣化の要因となる。
図18は、従来技術における遅延波と受信品質の関係を説明する図である。この図において横軸は時間、縦軸は受信装置の受信電力を示す。
図18は、12波のマルチパスモデルのチャネルインパルス応答値を示している。また、この図は、先頭の4波がガードインターバル区間内であり、それ以外の8波がその区間を超えていることを示す。
【0004】
図19は、従来技術におけるシンボル間干渉について説明する図である。この図において、横軸は時間、縦軸は図18の遅延波を示す。
図19に示すように、ガードインターバルの長さを超える遅延波がある場合、前のシンボルが後のFFT(高速フーリエ変換;Fast Fourier Transform)区間に入り込むことにより生じ、シンボル間干渉(ISI;Inter Symbol Interference)が生じる。このシンボル間干渉は、伝搬路推定の精度を大幅に劣化させる要因となる。
【0005】
このような問題を解決する技術として、非特許文献1には、パイロット信号が含まれるフレームの先頭のOFDMシンボルのガードインターバルを通常のものよりも長くする技術が記載されている。
【0006】
一方、従来の通信システムでは、マルチパスフェージングなどの伝搬路に起因して送信信号の振幅や位相が変動するため、受信装置において、その変動を補償することが必要となる。そのため、このような通信システムでは、送信装置と受信装置との間で既知の信号をパイロット信号として、送信信号の一部に挿入することで、伝搬路推定を行っている。また、その伝搬路推定は、高精度で行うことが望ましい。
【0007】
このような通信システムにおけるパイロット信号の挿入方法の一つとしては、全てのサブキャリアを用いてパイロット信号のシンボル(以下、パイロットシンボルという)を、時間方向に多重する方法がある。
図20は、従来技術におけるパイロットシンボルの配置方法の一例を示す図である。この図において横軸は時間、縦軸は周波数(サブキャリア)を示す。また、この図において、ハッチングされていない丸印はデータ信号のシンボル(以下、データシンボルという)、ハッチングされた丸印はパイロットシンボルを示す。
図20は、8個のサブキャリアおよび12個のOFDMシンボルにより構成されるフレームを示している。この図は、6OFDMシンボル毎にパイロットシンボルを配置していることを示す。
この従来技術におけるパイロットシンボルの配置方法では、パイロットシンボルを挿入した時間において、全てのサブキャリアにおける伝搬路変動を推定できる。このパイロットシンボルの配置方法は、例えば、非特許文献1に記載されている。
【0008】
また、広帯域伝送や高速移動環境では、送信信号の振幅と位相の変動を周波数方向および時間方向に追従できることが望ましい。その時間変動と周波数変動を推定する方法として、周波数方向および時間方向に対して、パイロットシンボルをスキャッタード(Scattered、散乱、散在)に配置する方法がある。
図21は、従来技術におけるパイロットシンボルの配置方法の別の一例を示す図である。この図において横軸は時間、縦軸は周波数(サブキャリア)を示す。また、この図において、ハッチングされていない丸印はデータシンボル、ハッチングされた丸印はパイロットシンボルを示す。
【0009】
図21は、8個のサブキャリアおよび12個のOFDMシンボルにより構成されるフレームを示している。この図は、このフレームにおいて、3個おきのサブキャリアおよび1個おきのOFDMシンボルにパイロットシンボルを配置していることを示す。また、この図は、パイロットシンボルが含まれるOFDMシンボル毎に、そのパイロットシンボルは周波数方向にシフトしていることを示す。
これにより、この従来技術におけるパイロットシンボルの配置方法では、振幅と位相の時間変動と周波数変動の推定に追従することができる。このパイロットシンボルの配置方法は、例えば、非特許文献2に記載されている。
【0010】
以上のようなパイロット信号を用いた伝搬路推定を行う通信システムでは、その推定の精度を高めるために、送信装置において、データ信号の送信電力よりもパイロット信号の送信電力を大きくし、パイロット信号の受信品質を高くする場合がある。
図22は、従来技術における信号と電力の関係を示す図である。この図において横軸は時間、縦軸は電力を示す。また、この図において、ハッチングされた矩形はパイロット信号を示し、ハッチングされていない矩形はデータ信号を示す。
図22は、4つのOFDMシンボルの信号内にて、1番目の信号がパイロット信号であり、2〜4番目の信号がデータ信号であることを示している。この図は、パイロット信号の電力がデータ送信電力よりも大きいことを示す。これにより、従来の通信システムでは、受信装置において、信号対雑音電力比がデータ信号よりも高く、受信品質が高いパイロット信号を受信することができるため、精度の高い伝搬路推定が可能となる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】「High−speed Physical Layer in the 5 GHz Band」IEEE Std 802.11a, 1999.
【非特許文献2】「3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Evolved Universal Terrestrial Radio Access (E−UTRA); Physical Channels and Modulation (Release 8)」3GPP TS 36.211 V8.3.0 (2008−05).
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来の通信システムでは、通常のガードインターバル区間を超える遅延波が到来する環境において、特定の信号の受信品質を高くすると、この特定の信号によるシンボル間干渉が大きくなるという欠点があった。
例えば、パイロット信号の受信品質を高くするためにパイロット信号の送信電力をデータ信号よりも大きくする場合、従来の通信システムでは、パイロットシンボルの直後に配置されたデータシンボルとパイロットシンボルとのシンボル間干渉が、データシンボル同士のシンボル間干渉の場合と比較して大きくなるという欠点があった。この場合、従来の通信システムでは、送信電力の高いパイロットシンボルの遅延波の影響を受け、パイロットシンボルの直後に配置されたデータシンボルの復元に失敗する可能性が高くなる。そのため、バースト的に伝送誤りが生じることになり、結果として、そのデータシンボルが含まれるサブフレーム(フレーム、スロット、パケット)の復元に失敗する可能性が高くなる。
また、このシンボル間干渉による影響を除去する方法として、例えば、非特許文献2に示されているように、当該サブフレームにある各OFDMシンボルのガードインターバルを通常のものよりも長くすることが示されている。この方法を用いることにより、送信電力の大きなパイロットシンボルの直後のデータシンボルにおけるガードインターバルを長くすることができるため、パイロットシンボルによる大きなシンボル間干渉を抑圧できる。
しかしながら、非特許文献2では、サブフレーム毎に付加するガードインターバル区間を設定しているため、1個のガードインターバルを長くしたい場合でも、同じサブフレームの全てのガードインターバル区間が長くなってしまう。すなわち、ガードインターバル区間を長くしたいシンボルが含まれる同じサブフレームの全てのOFDMシンボルに対しても、ガードインターバル区間を長くしてしまうため、無線通信における冗長な区間が増加することとなってしまう。よって、非特許文献2では、OFDMシンボル間の干渉を低減することは可能であるが、伝送効率が低下することになる。
【0013】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、通常のガードインターバルの長さを超える遅延波が到来する環境においても、シンボル間干渉への耐性を大幅に向上させ、かつ、伝送効率をほとんど劣化させることなく、シンボルの受信品質を向上させることができる通信システム、送信装置、受信装置、送信制御方法、受信制御方法、送信制御プログラム、受信制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
(1)本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、本発明は、第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置において、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを配置した信号を生成して送信することを特徴とする送信装置である。
上記構成によると、前記送信装置は、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを配置した信号を生成して送信するので、受信装置が、送信装置が送信した送信信号を受信し、前記送信装置が送信した送信信号を受信し、前記第3の変調シンボルを抽出し、前記第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に配置された第2のシンボルのうち、前記第2のガードインターバル以外から第2の変調シンボルを抽出することができ、第1のガードインターバルの長さを超える遅延波が到来する環境においても、シンボル間干渉への耐性を大幅に向上させ、シンボルの受信品質を向上させることができる。
また、前記送信装置は、高電力シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に第2のシンボルを配置することができ、同じ時間要素の全ての時間周波数要素において第2のガードインターバルを付加する場合と比較し、伝送効率の劣化を防止することができる。
【0015】
(2)また、本発明は、第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置において、前記送信装置は、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを生成する第2のシンボル生成部と、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、前記第2のシンボル生成部が生成した第2のシンボルを配置するマッピング部と、を備えることを特徴とする送信装置である。
【0016】
(3)また、本発明は、上記の送信装置において、前記第3の変調シンボルに、前記第1のガードインターバルより長い第3のガードインターバルを付加した高電力シンボルを生成する高電力シンボル生成部を備えることを特徴とする。
【0017】
(4)また、本発明は、上記の送信装置において、前記第2の変調シンボル及び前記第3の変調シンボルの時間方向の長さは、前記第1の変調シンボルの時間方向の長さと一致していることを特徴とする。
【0018】
(5)また、本発明は、上記の送信装置において、前記マッピング部は、前記高電力シンボルを配置する時間要素において、すくなくとも1つの前記第1のシンボルを配置することを特徴とする。
【0019】
(6)また、本発明は、上記の送信装置において、前記マッピング部は、前記第3の変調シンボルを配置する時間周波数要素が、前記第1のシンボルを配置する2以上の時間要素と重ならないように、前記第3の変調シンボルを配置することを特徴とする。
【0020】
(7)また、本発明は、上記の送信装置において、前記第3の変調シンボルを配置する時間周波数要素が、前記第1のシンボルを配置する2以上の時間要素と重ならないように、前記第3のガードインターバルを付加する高電力GI挿入部を備えることを特徴とする。
上記構成によると、前記送信装置は、サブキャリアの直交性が崩れ、キャリア間干渉が発生することを防止することができ、信号の復元精度が劣化することを防止することができる。
【0021】
(8)また、本発明は、上記の送信装置において、前記マッピング部は、前記高電力シンボル各々を同じ時間要素であって、第1のシンボルを配置しない時間要素に配置することを特徴とする。
【0022】
(9)また、本発明は、上記の送信装置において、前記第3の変調シンボルは、前記受信装置にて伝搬路推定に用いられる変調シンボルであるパイロットシンボルに、前記第3のガードインターバルを付加した高電力シンボルを生成することを特徴とする。
上記構成によると、前記送信装は、受信装置が、送信電力が他の変調シンボルより高い信号の変調シンボルであるパイロットシンボルを抽出し、受信品質が高いパイロットシンボルを用いて伝搬路推定をすることができ、他のシンボルの抽出の精度を向上することができる。
【0023】
(10)また、本発明は、上記の送信装置において、第2のシンボル生成部は、送信する情報の変調シンボルである情報データシンボルに、前記第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを生成することを特徴とする。
【0024】
(11)また、本発明は、上記の送信装置において、第2のシンボル生成部は、通信制御に用いられる情報の変調シンボルである制御シンボルに、前記第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを生成することを特徴とする。
【0025】
(12)また、本発明は、上記の送信装置において、前記第2のガードインターバルの長さと第3のガードインターバルの長さとは、同じ長さであることを特徴とする。
上記構成によると、前記通信システムは、第2のガードインターバルと第3のガードインターバルとの処理を同じにすることができ、送信装置及び受信装置の処理を簡易化することができる。
【0026】
(13)また、本発明は、第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置と、前記送信装置からの送信信号を受信する受信装置と、を具備する通信システムにおいて、前記送信装置は、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを配置した信号を送信し、前記受信装置は、前記送信装置が送信した送信信号を受信し、前記第3の変調シンボルを抽出し、前記第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に配置された第2のシンボルのうち、前記第2のガードインターバル以外から第2の変調シンボルを抽出することを特徴とする通信システムである。
【0027】
(14)また、本発明は、送信装置が第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信した送信信号を受信する受信装置において、前記送信装置が送信した送信信号を受信し、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルを抽出し、前記第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に配置された第2のシンボルのうち、前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバル以外から第2の変調シンボルを抽出することを特徴とする受信装置である。
【0028】
(15)また、本発明は、第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置における送信制御方法において、前記送信装置が、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを配置した信号を生成して送信する過程を有することを特徴とする送信制御方法である。
【0029】
(16)また、本発明は、送信装置が第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信した送信信号を受信する受信装置における受信制御方法において、前記受信装置が、前記送信装置が送信した送信信号を受信し、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルを抽出し、前記第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に配置された第2のシンボルのうち、前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバル以外から第2の変調シンボルを抽出する過程を有することを特徴とする受信制御方法である。
【0030】
(17)また、本発明は、第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置のコンピュータを、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを配置した信号を生成して送信することを特徴とする手段として機能させる送信制御プログラムムである。
【0031】
(18)また、本発明は、送信装置が第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信した送信信号を受信する受信装置のコンピュータを、前記受信装置が、前記送信装置が送信した送信信号を受信し、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルを抽出し、前記第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に配置された第2のシンボルのうち、前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバル以外から第2の変調シンボルを抽出する手段として機能させる受信制御プログラムである。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、ディジタル通信においてシンボル間干渉の耐性を大幅に向上させ、シンボルの受信品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る送信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図2】本実施形態に係る時間周波数多重部が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例を示す図である。
【図3】本実施形態に係る受信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】ノーマルGIシンボルと、ロングGIを付加した信号ロングGIシンボルの概略構成を示す図である。
【図5】ノーマルGIシンボルのみから構成されるシンボルについて、先行波および2つの遅延波が到来した場合の説明をする図である。
【図6】ノーマルGIシンボル及びロングGIシンボルから構成されるシンボルについて、先行波および2つの遅延波が到来した場合の説明をする図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る送信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図8】本実施形態に係る時間多重部が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例を示す図である。
【図9】本実施形態に係る受信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る送信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図11】本実施形態に係る時間周波数多重部が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例を示す図である。
【図12】本実施形態に係る受信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図13】本発明の第4の実施形態に係る送信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図14】本実施形態に係る時間周波数多重部が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例を示す図である。
【図15】本実施形態に係る受信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図16】本実施形態に係る送信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図17】本発明の第5の実施形態に係る時間周波数多重部が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例を示す図である。
【図18】従来技術における遅延波と受信品質の関係を説明する図である。
【図19】従来技術におけるシンボル間干渉について説明する図である。
【図20】従来技術におけるパイロットシンボルの配置方法の一例を示す図である。
【図21】従来技術におけるパイロットシンボルの配置方法の別の一例を示す図である。
【図22】従来技術における信号と電力の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
(第1の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第1の実施形態について詳しく説明する。本実施形態の通信システムは、OFDM方式で通信する送信装置a1と受信装置b1とを備える。
【0035】
<送信装置a1の構成について>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る送信装置a1の構成を示す概略ブロック図である。送信装置a1は、送信アンテナa10、ノーマルGI(ガードインターバル:Guard Interval)シンボル生成部a11、ロングGIシンボル生成部a12、高電力シンボル生成部(パイロットシンボル生成部)a13、時間周波数多重部a14、送信部a15を含んで構成される。
【0036】
また、ノーマルGIシンボル生成部a11は符号部a111、変調部a112、マッピング部a113、IFFT(逆高速フーリエ変換:Inverse Fast Fourier Transform)部a114、ノーマルGI挿入部a115を含んで構成される。ロングGIシンボル生成部a12はマッピング部a123、IFFT部a124、ロングGI挿入部a125を含んで構成される。高電力シンボル生成部a13は、電力増幅部a131、マッピング部a132、IFFT部a133、高電力GI挿入部a134を含んで構成される。
【0037】
ノーマルGIシンボル生成部a11には、送信装置a1から受信装置b1へ送信するデータのビット列の信号である情報データ信号及び通信制御に用いられるデータのビット列の信号である制御信号が入力される。
【0038】
なお、この制御信号には、例えば、情報データ信号に用いられる変調方式、マッピング方法(リソース割り当て方法)、誤り訂正符号化情報(例えば、符号化方法、符号化率、パンクチャーパターン)、インターリーブ方法、スクランブリング方法、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest:ハイブリッド自動再送要求)制御情報(例えば、パケットの受信通知情報(ACK(Acknowledgement:確認応答)、NACK(Negative Acknowledgement:否定応答)や再送回数など)、同期信号、MIMO(Multi−Input Multi−Output:多入力多出力)制御情報(例えば、レイヤー数(ストリーム数)やプリコーディング方法)、送信装置情報、受信装置情報、制御情報のフォーマット情報データ情報のフォーマット情報、フィードバック情報(例えば、CQI(Channel Quality Indicator:チャネル品質)など)、送信電力制御情報などが含まれるが、これらに限るものではない。
【0039】
ノーマルGIシンボル生成部a11では、まず、符号部a111が入力された情報データ信号及び制御信号に対して、畳込み符号やターボ符号などの誤り訂正符号化を行い、変調部a112に出力する。
変調部a112は、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying;4相位相偏移変調)やQAM(Quadrature Amplitude Modulation;直交振幅変調)などの変調方式により、符号部a111が誤り訂正符号化した情報データ信号及び制御信号をシンボルに割り当てる変調を行う(以下、情報データ信号又は制御信号を割り当てたシンボルを、データシンボルという)。
【0040】
変調部a112は、変調を行った変調シンボルであって、後述するパイロットシンボル(第3の変調シンボル)がマッピングされる時間と周波数からなる時間周波数要素と同じサブキャリアで時間軸方向について直後(以下、ロングGIシンボル配置要素という)にマッピングする変調シンボルを、第2の変調シンボルとして、ロングGIシンボル生成部a12に出力する。
また、変調部a112は、変調を行った変調シンボルのうち、上述の第2の変調シンボル以外の変調シンボルを、第1の変調シンボルとして、マッピング部a113に出力する。
【0041】
マッピング部a113は、パイロットシンボルが配置される時間周波数要素と第2の変調シンボルを配置する時間周波数要素と、の以外の時間周波数要素に対して、変調部a112が変調した第1の変調シンボルを配置する。マッピング部a113は、時間周波数要素に配置した第1の変調シンボルをIFFT部a114に出力する
【0042】
IFFT部a114は、周波数領域の信号であるマッピング部a113が時間周波数要素に配置した第1の変調シンボルに対して、逆高速フーリエ変換処理を行い、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する。IFFT部a114は、変換した時間領域の信号をノーマルGI挿入部a115に出力する。
ノーマルGI挿入部a115は、IFFT部a114が変換した時間領域の信号に対して、予め定められた長さのGI(第1のガードインターバル。以下、ノーマルGIという)を挿入して生成したノーマルGIシンボルN1(第1のシンボル、第1のOFDMシンボル、ノーマルGI−OFDMシンボル)を時間周波数多重部a14に出力する。
【0043】
ロングGIシンボル生成部a12では、まず、マッピング部a123が変調部a112から出力された第2の変調シンボルを、ロングGIシンボル配置要素に配置する。すなわち、マッピングa123部は、パイロットシンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、ロングGIシンボル生成部a12が生成したロングGIシンボルL1を配置する。
マッピング部a123は、時間周波数要素に配置した第2の変調シンボルをIFFT部a124に出力する。
IFFT部a124は、周波数領域の信号であるマッピング部a123が時間周波数要素に配置した第2の変調シンボルに対して、逆高速フーリエ変換処理を行い、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する。IFFT部a124は、変換した時間領域の信号をロングGI挿入部a125に出力する。
【0044】
ロングGI挿入部a125は、IFFT部a124が変換した時間領域の信号に対して、ノーマルGIより長いGI(第2のガードインターバル。以下、ロングGIという)を挿入して生成したロングGIシンボルL1(第2のシンボル、第2のOFDMシンボル、ロングGI−OFDMシンボル)を時間周波数多重部a14に出力する。
すなわち、ロングGIシンボル生成部a12は、第2の変調シンボルにノーマルGIより長いロングGIを付加したロングGIシンボルL1を生成し、出力する。
【0045】
一方、高電力シンボル生成部a13には、受信装置b1において伝搬路推定に用いられる既知の信号であるパイロットシンボル(第3の変調シンボル)が入力される。
【0046】
高電力シンボル生成部a13では、まず、電力増幅部a131が入力されたパイロットシンボルに予め定めた増幅率を乗じて、パイロットシンボルの送信電力がデータシンボルの送信電力よりも大きくなるように、つまり、パイロットシンボルの振幅が大きくなるように、入力されたパイロットシンボルを変更する。電力増幅部a131は、変更したパイロットシンボルをマッピング部a132に出力する。
【0047】
マッピング部a132は、電力増幅部a131から入力されたパイロットシンボルを、周波数方向および時間方向に散在させるように、時間周波数要素に配置する(このようにマッピングされたパイロットシンボルの信号をスキャッタードパイロット信号という)。
マッピング部a132は、時間周波数要素に配置したパイロットシンボルをIFFT部a133に出力する
IFFT部a133は、周波数領域の信号であるマッピング部a132が時間周波数要素に配置したスキャッタードパイロットシンボルに対して、逆高速フーリエ変換処理を行い、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する。IFFT部a133は、変換した時間領域の信号を高電力GI挿入部a134に出力する。
【0048】
高電力GI挿入部a134は、IFFT部a133が変換した時間領域の信号に対して、ノーマルGIより長いGI(第3のガードインターバル。以下、高電力GIという)を挿入して生成した高電力シンボルP1を時間周波数多重部a14に出力する。
すなわち、高電力シンボル生成部a13は、送信電力が他の変調シンボルより高いパイロットシンボルに高電力GIを付加した高電力シンボル(第3のシンボル、第3のOFDMシンボル、高電力GI−OFDMシンボル)を生成する。
【0049】
時間周波数多重部a14は、ノーマルGIシンボル生成部a11が生成したノーマルGIシンボルN1、ロングGIシンボル生成部a12が生成したロングGIシンボルL1、及び、高電力シンボル生成部a13が生成した高電力シンボルP1を、加算(多重)する。
ここで、時間周波数多重部a14は、時間領域のシンボルであるノーマルGIシンボルN1、ロングGIシンボルL1、高電力シンボルP1、それぞれのサンプリング値を加算することで周波数多重を行う。
時間周波数多重部a14が行う多重処理の詳細については、後述する。時間周波数多重部a14は、多重したシンボル(OFDMシンボル)を送信部a15に出力する。
【0050】
送信部a15は、周波数時間多重部a14が多重したシンボルの信号に対して、ディジタル信号からアナログ信号への変換、ベースバンド周波数から無線周波数への周波数変換等を行い、送信アンテナa10から受信装置b1に送信する。
【0051】
<多重処理について>
以下、時間周波数多重部a14が行う多重処理の詳細について説明をする。
図2は、本実施形態に係る時間周波数多重部a14が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例を示す図である。この図において、横軸は時間であり、縦軸は周波数である。
【0052】
図2において、右上がりの斜線でハッチングされた矩形で表わされた高電力シンボルP1、P11、P12が、高電力GI長の高電力GIと変調シンボル長(変調シンボル区間長、有効シンボル長)のパイロットシンボルとから構成されることを示す。
また、この図において、右下がりの斜線でハッチングされた矩形で表わされたロングGIシンボルL1、L11、L12が、ロングGI長のロングGIと変調シンボル区間長の第2の変調シンボルとから構成されることを示す。
また、この図において、ハッチングされていない矩形で表わされたノーマルGIシンボルN1が、ノーマルGI長のノーマルGIと変調シンボル区間長の第1の変調シンボルとから構成されることを示す。
【0053】
図2下段は、5OFDMシンボルと8サブキャリアで構成されるフレームを示し、横軸は時間、縦軸は周波数(サブキャリア)を表わす。このフレームには、2個の高電力シンボルP11、P12、2個のロングGIシンボルL11、L12が配置され、その他の時間周波数要素に、ノーマルGIシンボルN1が配置されていることを示す。
この図は、高電力シンボル生成部a13が生成した高電力シンボルを配置した時間周波数要素と同じサブキャリアで時間方向において直後の時間周波数要素に、ロングGIシンボル生成部a12が生成した第2のシンボルを配置されていることを示す。
【0054】
具体的に、高電力シンボルP11とそのシンボルの直後の時間周波数要素に配置されたロングGIシンボルL11は、2番目〜4番目のOFDMシンボルにおいて、周波数が小さい方から3番目のサブキャリアにわたる時間周波数要素に配置されている。また、高電力シンボルP12とそのシンボルの直後の時間周波数要素に配置されたロングGIシンボルL12は、2番目〜4番目のOFDMシンボルにおいて、周波数が小さい方から6番目のサブキャリアにわたる時間周波数要素に配置されている。
ここで、高電力GI長とロングGI長との和は、ノーマルGI長の3倍の長さと変調シンボル長の和と等しい。例えば、高電力GI長及びロングGI長は、それぞれ、ノーマルGI長の3倍の長さと変調シンボル長の和の半分の長さであってもよい。
【0055】
また、図2に示すように、高電力GIシンボルが配置された高電力GIシンボルの長さの時間要素を高電力GI−OFDMシンボルという。また、ロングGIシンボルが配置されたロングGIシンボルの長さの時間要素をロングGI−OFDMシンボルという。また、ノーマルGIシンボルが配置されたノーマルGIシンボルの長さの時間要素をノーマルGI−OFDMシンボルという。
【0056】
<受信装置b1の構成について>
図3は、本実施形態に係る受信装置b1の構成を示す概略ブロック図である。受信装置b1は、受信部b11、高電力シンボル処理部b12、ノーマルGIシンボル処理部b13、ロングGIシンボル処理部b14、デマッピング部b15、復調部b16、復号部b17を含んで構成される。
【0057】
高電力シンボル処理部b12は、第3のFFT区間抽出部b121、FFT部b122、パイロットシンボル抽出部b123、及び伝搬路推定部b124を含んで構成される。また、ノーマルGIシンボル処理部b13は、第1のFFT区間抽出部b131、FFT部b132、第1の変調シンボル抽出部b133、フィルタ部b134を含んで構成される。また、ロングGIシンボル処理部b14は、第2のFFT区間抽出部b141、FFT部b142、第2の変調シンボル抽出部b143、フィルタ部b144を含んで構成される。
【0058】
受信部b11は、受信アンテナb10から受信した受信信号に対して、無線周波数からベースバンド周波数への周波数変換やアナログ信号からディジタル信号への変換などの処理を行う。受信部b11は、処理結果であるシンボルを高電力シンボル処理部b12、ノーマルGIシンボル処理部b13、及びロングGIシンボル処理部b14に出力する。
【0059】
高電力シンボル処理部b12では、まず、第3のFFT区間抽出部b121が、受信部b11から入力されたシンボルからパイロットシンボルが配置されている変調シンボル長の区間の時間領域に配置されたシンボルを抽出する。
ここで、高電力シンボル処理部b12では、予め規定された、または、制御信号等により通知された位置の高電力GI−OFDMシンボルから、変調シンボル長の区間の時間領域に配置されたシンボルを抽出する。
第3のFFT区間抽出部b121は、抽出したシンボルを、FFT部b122に出力する。
【0060】
FFT部b122は、時間領域の信号である第3のFFT区間抽出部b121が抽出したシンボルに対して、高速フーリエ変換処理を行い、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する。FFT部b122は、変換した周波数領域の信号をパイロット抽出部b123に出力する。
【0061】
パイロット抽出部b123は、FFT部b122が変換した周波数領域の信号から、パイロットシンボルが配置されている時間周波数要素のシンボルを抽出する。パイロット抽出部b123は、抽出したパイロットシンボルを伝搬路推定部b124に出力する。
すなわち、高電力シンボル処理部b12は、パイロットシンボルを抽出する。
【0062】
伝搬路推定部b124は、パイロット抽出部b123が抽出したパイロットシンボルと既知のパイロットシンボルの波形(位相、振幅)とを比較して、フェージングなどによる振幅と位相の変動を推定(伝搬路推定)し、その結果をフィルタ部b134、b144に出力する。
このとき、パイロットシンボルが配置された時間周波数要素以外の時間周波数要素に対する伝搬路推定の方法として、パイロットシンボルが配置された時間周波数要素に対する伝搬路推定結果を用いて線形補間やFFT補間するなど公知の方法を用いることができる。
【0063】
ノーマルGIシンボル処理部b13では、まず、第1のFFT区間抽出部b131が、受信部b11から入力されたシンボルにおいて、予め規定された、または、制御信号等により通知された位置のノーマルGI−OFDMシンボルから、変調シンボル長の区間の時間領域に配置されたシンボルを抽出する。第1のFFT区間抽出部b131は、抽出したシンボルを、FFT部b132に出力する。
【0064】
FFT部b132は、時間領域の信号である第1のFFT区間抽出部b131が抽出したシンボルに対して、高速フーリエ変換処理を行い、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する。FFT部b132は、変換した周波数領域の信号を第1の変調シンボル抽出部b133に出力する。
【0065】
第1の変調シンボル抽出部b133は、FFT部b132が変換した周波数領域の信号から、第1の変調シンボルが配置されている時間周波数要素のシンボルを抽出する。第1の変調シンボル抽出部b133は、抽出した第1の変調シンボルをフィルタ部b134に出力する。
【0066】
フィルタ部b134は、伝搬路推定部b124が推定した伝搬路推定値に基づいて、ZF(Zero Forcing)基準、MMSE(Minimum Mean Square Error;最小二乗誤差)基準等を用いた重み係数を算出する。また、フィルタ部b134は、第1の変調シンボル抽出部b133が抽出した周波数領域の信号である第1の変調シンボルに対して、シンボルの振幅と位相の変動の補償(伝搬路補償)を行なう。
フィルタ部b134は、伝搬路補償を行った第1の変調シンボルをデマッピング部b15に出力する。
【0067】
ロングGIシンボル処理部b14では、まず、第2のFFT区間抽出部b141が、受信部b11から入力されたシンボルにおいて、予め規定された、または、制御信号等により通知された位置のロングGI−OFDMシンボルから、変調シンボルが配置されている変調シンボル長の区間の時間要素に配置されたシンボルを抽出する。第2のFFT区間抽出部b141は、抽出したシンボルを、FFT部b142に出力する。
【0068】
FFT部b142は、時間領域の信号である第2のFFT区間抽出部b141が抽出したシンボルに対して、高速フーリエ変換処理を行い、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する。FFT部b142は、変換した周波数領域の信号を第2の変調シンボル抽出部b143に出力する。
【0069】
第2の変調シンボル抽出部b143は、FFT部b142が変換した周波数領域の信号から、第2の変調シンボルが配置されている時間周波数要素のシンボルを抽出する。第2の変調シンボル抽出部b143は、抽出した第2の変調シンボルをフィルタ部b144に出力する。
高電力シンボルが配置された時間周波数要素と同じサブキャリアで時間方向において直後の時間周波数要素のうち、前記第2のガードインターバルが付加された時間周波数要素以外の時間周波数要素から、第2の変調シンボルを抽出する
【0070】
フィルタ部b144は、伝搬路推定部b124が推定した伝搬路推定値に基づいて、ZF(Zero Forcing)基準、MMSE(Minimum Mean Square Error;最小二乗誤差)基準等を用いた重み係数を算出する。また、フィルタ部b134は、第2の変調シンボル抽出部b143が抽出した周波数領域の信号である第2の変調シンボルに対して、シンボルの振幅と位相の変動の補償(伝搬路補償)を行なう。
フィルタ部b144は、伝搬路補償を行った第2の変調シンボルをデマッピング部b15に出力する。
【0071】
デマッピング部b15は、フィルタ部b134、b144が伝搬路補償を行った変調シンボルに対して、第1の変調シンボル及び第2の変調シンボルが配置された時間周波数要素のシンボルを抽出するデマッピング処理を行う。デマッピング部b15は、抽出したシンボルを復調部b16に出力する。
【0072】
復調部b16は、デマッピング部b15が抽出した変調シンボルに対して、QPSKやQAMなど、送信装置a1の変調部a112が用いた変調方式で復調処理を行う。なお、この送信装置a1の変調部a112が用いた変調方式は、予め規定された、または、制御信号等により指定される変調方式である。なお、制御信号の変調シンボルについては予め決められた変調方式に対応した復調処理を行う。
復調部b16は、復調した情報データ信号及び制御信号を復号部b17に出力する。
【0073】
復号部b17は、復調部b16が復調した情報データ信号及び制御信号に対して、最尤復号法(MLD;Maximum Likelihood Decoding)、最大事後確率推定(MAP;Maximum A posteriori Probability)、log−MAP、Max−log−MAP、SOVA(Soft Output Viterbi Algorithm)等の公知の方法を用いて、復号処理を行い、復号処理結果のビット列である情報データ信号及び制御信号を出力する。
【0074】
以下、図4〜図6を用いて、ノーマルGIとロングGIとのシンボル間干渉への耐性について説明する。ここでは、ノーマルGIシンボルの長さが、ロングGIシンボルの長さの2倍である場合の例について説明する。
図4は、ノーマルGIシンボルと、ロングGIを付加した信号ロングGIシンボルの概略構成を示す図である。図4において、縦線でハッチングされた矩形はノーマルGIを示し、横線でハッチングされた矩形はロングGIを示す。
【0075】
図4は、その上段に示すノーマルGIシンボルの長さが1OFDMシンボル長であるのに対して、その下段に示すロングGIシンボルの長さがノーマルGIシンボルの長さの2倍である2OFDMシンボル長であることを示す。また、この図において、変調シンボル長はそれぞれ同じであり、ノーマルGIシンボルとロングGIシンボルの長さの違いは、ロングGI長を、ノーマルGI長と比較して大幅に長くすること、ここでは、ノーマルGIの2倍にさらにパイロット信号の長さを加えた長さとすることで実現されている。
【0076】
なお、ガードインターバル区間は、変調シンボル区間の後端を、前方に付加することで実現される。例えば、変調シンボル区間の全てを前方に付加しても、ロングGIの長さに不足がある場合、ロングGI挿入部a125は、さらに変調シンボル区間の後端を前方に付加し、高電力GIシンボルを得る。ロングGIが、さらに長く、長さに不足があるときは、さらに変調シンボル区間の後端を前方に付加することを繰り返すことで生成する。
【0077】
図5は、ノーマルGIシンボルのみから構成されるシンボルについて、先行波および2つの遅延波1、遅延波2が到来した場合の説明をする図である。
図5において、縦線でハッチングされた矩形はノーマルGIを示し、ハッチングされていない矩形は変調シンボルを示す。
【0078】
図5では、先行波の3番目のOFDMシンボル区間に高速フーリエ変換処理を行う場合を示しており、高速フーリエ変換の対象とする区間であるFFT区間を先行波の変調シンボル区間に設定している。このとき、遅延波2の遅延時間が、先行波の3番目のOFDMシンボル区間のガードインターバル区間を超えているため、遅延波2における2番目のOFDMシンボル区間のシンボルが、FFT区間に含まれる。つまり、遅延波2における2番目のOFDMシンボル区間のシンボルが、先行波の3番目のOFDMシンボル区間のシンボルと、シンボル間干渉を生じる。
【0079】
図6は、ノーマルGIシンボル及びロングGIシンボルから構成されるシンボルについて、先行波および2つの遅延波が到来した場合の説明をする図である。
図6において、縦線でハッチングされた矩形はノーマルGIを示し、横線でハッチングされた矩形はロングGIを示す。また、この図において、右上がりの斜線でハッチングされた矩形はロングGIシンボルを示し、ハッチングされていない矩形は変調シンボルを示す。
【0080】
図6では、図5と同様に、先行波の3番目のOFDMシンボル区間に相当する区間に高速フーリエ変換処理を行う場合を示しており、そのFFT区間を先行波の変調シンボル区間に設定している。
図6は、FFT区間において先行波と遅延波のシンボル間干渉が生じていないことを示す。つまり、ロングGIシンボルについて、遅延波2の遅延時間が、ノーマルGI区間を超えている場合であっても、ロングGI区間を超えていなければ、FFT区間に遅延波による前のシンボルが入り込むことはないので、シンボル間干渉は生じない。
以上のことから、ロングGIシンボルは、ノーマルGIに対して、シンボル間干渉への耐性が大幅に高められることが分かる。
【0081】
このように、本実施形態によれば、通信システムは、送信装置a1が、送信電力が他の変調シンボルよりパイロットシンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルにノーマルGI長より長いロングGIを付加したロングGIシンボルを配置した信号を生成して送信する。また、受信装置b1が、送信装置a1が送信した送信信号を受信し、送信電力が他の変調シンボルより高いパイロットシンボルを抽出し、パイロットシンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に配置されたロングGIシンボルのうち、ロングGI以外からパイロットシンボルを抽出する。
これにより、通信システムは、ノーマルGI長を超える遅延波が到来する環境においても、送信電力の高いパイロットシンボルによるシンボル間干渉への耐性を大幅に向上させ、バースト的な伝送誤りを抑制し、シンボルおよびサブフレーム(フレーム、スロット、パケット)の受信品質を向上させることができる。
【0082】
また、通信システムは、送信装置b1が、高電力シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2のシンボルを配置する。これにより、通信システムは、同じ時間要素の全ての時間周波数要素においてロングGIを付加する場合と比較し、伝送効率の劣化を防止することができる。
【0083】
また、本実施形態によれば、通信システムは、受信装置b1が、送信電力が他の変調シンボルより高い信号の変調シンボルであるパイロットシンボルを抽出する。これにより、通信システムは、受信装置b1が、受信品質が高いパイロットシンボルを用いて伝搬路推定をすることができ、他のシンボルの抽出の精度を向上することができる。
【0084】
なお、上記第1の実施形態において、パイロット信号の送信電力を大きくする場合について説明したが、本実施形態はこれに限らず、例えば、情報データ信号やQoS(Quality of Service、受信品質)の高いことが要求される情報データ信号の送信電力を大きくしてもよい。この場合、送信電力を大きくする信号のシンボルを配置した時間周波数要素と同じサブキャリアで時間方向において直後の時間周波数要素に、ロングGIシンボルを配置する。
【0085】
また、上記第1の実施形態において、高電力GIがノーマルGIより長いGIである場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、高電力GIがノーマルGIと同じ長さであってもよいし、短い長さであってもよい。
また、上記第1の実施形態において、パイロットシンボル生成部a13が符号部、変調部を備え、入力したパイロット信号に対して誤り訂正符号化処理、変調処理を行ってもよい。
【0086】
(第2の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第2の実施形態について詳しく説明する。本実施形態では、送信装置が高電力シンボル各々を同じ時間要素であって、ノーマルGIシンボルを配置しない時間要素に配置する(図9参照)。
本実施形態の通信システムは、OFDM方式で通信する送信装置a2と受信装置b2とを備える。
【0087】
<送信装置a2の構成について>
図7は、本発明の第2の実施形態に係る送信装置a2の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る送信装置a2(図7)と第1の実施形態に係る送信装置a1(図1)とを比較すると、送信装置a2は、送信アンテナa10、ノーマルGIシンボル生成部a21、ロングGIシンボル生成部a22、高電力シンボル生成部a23、時間多重部a24、送信部a15を含んで構成されるが、その一部は以下のように第1の実施形態のものとは相違する。すなわち、ノーマルGIシンボル生成部a21については、変調部a212、マッピング部a213及びIFFT部a214が異なるが、その他の符号部a111、ノーマルGI挿入部a115が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。ロングGIシンボル生成部a22は、ロングGI挿入部a125を含んで構成され、それは第1の実施形態のものと同じである。高電力シンボル生成部a23は、電力増幅部a131、高電力GI挿入部a234を含んで構成されるが、前者の持つ機能は第1の実施形態のものと同じであるが、後者は異なる。時間多重部a24は、第1の実施形態のものと異なる。なお、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0088】
変調部a212は、QPSKやQAMなどの変調方式により、符号部a111が誤り訂正符号化した情報データ信号及び制御信号をシンボルに割り当てる変調を行う。変調部a212は、変調を行った変調シンボルをマッピング部a213に出力する。
【0089】
マッピング部a213は、変調部a212が変調した変調シンボルと、電力増幅部a131から入力されたパイロットシンボルとを、それぞれ、時間方向に多重するように、時間周波数要素に配置する。
すなわち、マッピング部a213は、高電力シンボル各々を同じ時間要素であって、ノーマルGIシンボルを配置しない時間要素に配置する。
マッピング部a132は、時間周波数要素に配置したシンボルをIFFT部a114に出力する。
【0090】
IFFT部a214は、周波数領域の信号であるマッピング部a213が時間周波数要素に配置したシンボルに対して、逆高速フーリエ変換処理を行い、周波数領域の信号から時間領域の信号に変換する。IFFT部a214は、変換した時間領域の信号のうち、パイロットシンボルが時間多重されるOFDMシンボル、該OFDMシンボルの時間軸上における次のOFDMシンボル、及びこれら以外のOFDMシンボルを、それぞれ、高電力GI挿入部a234、ロングGI挿入部a125、ノーマルGI挿入部a115に出力する。
【0091】
高電力GI挿入部a234は、IFFT部a133が変換した時間領域の信号に対して、ノーマルGIより長いGI(以下、高電力GIという)を挿入して生成した高電力シンボルP1を時間多重部a24に出力する。なお、本実施形態において、高電力GI長、ロングGI長、ノーマルGI長は、それぞれ、異なるものとするが、本発明はこれに限られない。
【0092】
時間多重部a24は、ノーマルGIシンボル生成部a21が生成したノーマルGIシンボルN2、ロングGIシンボル生成部a22が生成したロングGIシンボルL2、及び、高電力シンボル生成部a23が生成した高電力シンボルP2を、加算(多重)する。
ここで、時間多重部a24は、時間領域のシンボルであるノーマルGIシンボルN2、ロングGIシンボルL2、高電力シンボルP2を時間多重する。
時間多重部a24が行う多重処理の詳細については、後述する。時間多重部a24は、多重したシンボルを送信部a15に出力する。
【0093】
<多重処理について>
以下、時間多重部a24が行う多重処理の詳細について説明をする。
図8は、本実施形態に係る時間多重部a24が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例を示す図である。この図において、横軸は時間であり、縦軸は周波数である。
【0094】
図8において、右上がりの斜線でハッチングされた矩形で表わされた高電力シンボルP2、P21〜28が、高電力GI長の高電力GIと変調シンボル区間長のパイロットシンボルとから構成されることを示す。
また、この図において、右下がりの斜線でハッチングされた矩形で表わされたロングGIシンボルL2、L21〜28が、ロングGI長のロングGIと変調シンボル区間長の変調シンボルとから構成されることを示す。
また、この図において、ハッチングされていない矩形で表わされたノーマルGIシンボルN1が、ノーマルGI長のノーマルGIと変調シンボル区間長の変調シンボルとから構成されることを示す。
この図は、高電力シンボル各々が、同じ時間要素であって、ノーマルGIシンボルを配置しない時間要素に配置されていることを示す。
【0095】
図8は、5OFDMシンボルと8サブキャリアで構成されるフレームを示す。このフレームには、1番目のOFDMシンボルにおいて、全てのサブキャリア(8個のサブキャリア)に高電力シンボルP21〜28が配置されている。また、このフレームには、高電力シンボルP21〜28を配置したOFDMシンボルの次のOFDMシンボルにおいて、全てのサブキャリア(8個のサブキャリア)にロングGIシンボルL21〜28が配置されている。なお、その他の時間周波数要素には、ノーマルGIシンボルN2が配置されている。
【0096】
<受信装置b2の構成について>
図9は、本実施形態に係る受信装置b2の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る受信装置b2(図9)と第1の実施形態に係る受信装置b1(図3)とを比較すると、受信装置b2は、受信部b11、ノーマルGIシンボル及びロングGIシンボル処理部b23、高電力シンボル処理部b22、デマッピング部b15、復調部b16、復号部b17を含んで構成されるが、その一部は以下のように第1の実施形態のものとは相違する。すなわち、ノーマルGIシンボル及びロングGIシンボル処理部b23については、FFT部b232及びデータシンボル抽出部b233が異なるが、その他の第1のFFT区間抽出部b131、フィルタ部b134、及び第2のFFT区間抽出部b141が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。高電力GIシンボル処理部b22は、第3のFFT区間抽出部b121、パイロットシンボル抽出部b123、伝搬路推定部b124を含んで構成され、それらの持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。デマッピング部b15、復調部b16、及び復号部b17が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。
なお、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0097】
FFT部b232は、第1のFFT区間抽出部b131及び第2のFFT区間抽出部b141が抽出したシンボルに対して、高速フーリエ変換処理を行い、時間領域のシンボルから周波数領域のシンボルに変換する。FFT部b232は、変換した変換した周波数領域のシンボルをデータシンボル抽出部b233に出力する。
また、FFT部b232は、第3のFFT区間抽出部b121が抽出したシンボルに対して、高速フーリエ変換処理を行い、時間領域のシンボルから周波数領域のシンボルに変換する。FFT部b232は、変換した変換した周波数領域のシンボルをパイロットシンボル抽出部b123に出力する。
【0098】
データシンボル抽出部b233は、FFT部b232が変換した周波数領域のシンボルから、変調シンボルが配置されている領域のシンボルを抽出する。データシンボル抽出部b233は、抽出した変調シンボルをフィルタ部b134に出力する。
【0099】
このように、本実施形態によれば、通信システムは、送信装置a2が、高電力シンボル各々を、同じ時間要素であって、ノーマルGIシンボルを配置しない時間要素に配置し、受信装置b2が高電力シンボルとノーマルGIシンボルとを異なる時間要素で抽出する。
これにより、通信システムは、受信装置b1がサブキャリア毎に高電力シンボルとノーマルGIシンボルとを分離する場合と比較して簡略化された構成を用いることができ、しかも容易にシンボルを抽出することができる。
【0100】
(第3の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第3の実施形態について詳しく説明する。本実施形態では、高電力GI長とロングGI長とは同じ長さであり、高電力GIをロングGIと同じガードインターバルとして処理する。
本実施形態の通信システムは、OFDM方式で通信する送信装置a3と受信装置b3とを備える。
【0101】
<送信装置a3の構成について>
図10は、本発明の第3の実施形態に係る送信装置a3の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る送信装置a3(図10)と第1の実施形態に係る送信装置a1(図1)とを比較すると、マッピング部a323が異なる。しかし、他の構成要素(符号部a111、変調部a112、マッピング部a113、FFT部a114、ノーマルGI挿入部a115、FFT部a124、ロングGI挿入部a125、電力増幅部a131、時間周波数多重部a14、及び送信部a15)が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。ので、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0102】
マッピング部a323は、変調部a112から入力された第2の変調シンボルを、ロングGIシンボル配置要素に配置する。また、マッピング部a323は、電力増幅部a131から入力されたパイロットシンボルを、周波数方向および時間方向に散在させるように時間周波数領域に配置する。マッピング部a332は、時間周波数領域に配置した第2の変調シンボル及びパイロットシンボルをIFFT部a124に出力する。
【0103】
<多重処理について>
以下、時間周波数多重部a14が行う多重処理の詳細について説明をする。
図11は、本実施形態に係る時間周波数多重部a14が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例を示す図である。この図において、横軸は時間であり、縦軸は周波数である。
【0104】
本実施形態に係る時間周波数多重部a14が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例(図11)と、第1の実施形態に係る時間周波数多重部a14が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例(図2)と、を比較すると、高電力シンボルP3、P31、P32が異なる。しかし、他のシンボル(ロングGIシンボルL1、L11、L12、ノーマルGIシンボルN1)は第1の実施形態のものと同じである。ので、第1の実施形態と同じシンボルの説明は省略する。
【0105】
図11において、右上がりの斜線でハッチングされた矩形で表わされた高電力シンボルP3、P31、P32が、ロングGI長のロングGIと変調シンボル区間長のパイロットシンボルとから構成されることを示す。
【0106】
<受信装置b3の構成について>
図12は、本実施形態に係る受信装置b3の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る受信装置b3(図12)と第1の実施形態に係る受信装置b1(図3)とを比較すると、受信装置b3は、受信部b11、ノーマルGIシンボル処理部b13、ロングGIシンボル処理部b34、高電力シンボル処理部b32、デマッピング部b15、復調部b16、復号部b17を含んで構成されるが、その一部は以下のように第1の実施形態のものとは相違する。すなわち、ノーマルGIシンボル処理部b13が持つ機能については、第1の実施形態のものと同じである。ロングGIシンボル処理部b34については、第2のFFT区間抽出部b341及びFFT部b342が異なるが、その他の第2の変調シンボル抽出部b143及びフィルタ部b144が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。高電力GIシンボル処理部b22については、パイロットシンボル抽出部b123、伝搬路推定部b124を含んで構成され、それらの持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。デマッピング部b15、復調部b16、及び復号部b17が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。
なお、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0107】
第2のFFT区間抽出部b341は、受信部b11から入力されたシンボルから、それぞれ、パイロットシンボル、第2の変調シンボルが配置されている変調シンボル長の区間の時間要素に配置されたシンボルを抽出する。第2のFFT区間抽出部b341は、抽出したシンボルを、FFT部b342に出力する。
【0108】
FFT部b342は、時間領域の信号である第2のFFT区間抽出部b341が高電力GI−OFDMシンボルから抽出したシンボルに対して、高速フーリエ変換処理を行い、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する。FFT部b342は、変換した周波数領域の信号をパイロット抽出部b123に出力する。
また、FFT部b342は、時間領域の信号である第2のFFT区間抽出部b341がロングGI−OFDMシンボルから抽出したシンボルに対して、高速フーリエ変換処理を行い、時間領域の信号から周波数領域の信号に変換する。FFT部b342は、変換した周波数領域の信号を第2のシンボル抽出部b143に出力する。
【0109】
このように、本実施形態によれば、通信システムは、高電力GIをロングGIと同じGIとして処理する。これにより、高電力GIに対する処理をする構成とロングGIに対する処理をする構成とを一つの構成(例えば、ロングGI挿入部a125、第2のFFT区間抽出部b341)に集約することができ、それぞれ、別の構成とする場合と比較して、送信装置a3、受信装置b3の回路を簡易化することができる。
なお、第2の実施形態において、本実施形態のように、高電力GIをロングGIと同じGIとして処理してもよい。この場合、例えば、第2の実施形態の図7におけるロングGI挿入部a125は、高電力GI挿入部a234の機能を備え、図9における第2のFFT区間抽出部b141は、第3のFFT区間抽出部b121の機能を備える。
【0110】
(第4の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第4の実施形態について詳しく説明する。本実施形態では、通信システムは、制御信号の変調シンボルを第1の実施形態における第2の変調シンボルとし、制御信号の変調シンボルにロングGIを付加したロングGIシンボルを生成する。
本実施形態の通信システムは、OFDM方式で通信する送信装置a4と受信装置b4とを備える。
【0111】
<送信装置a4の構成について>
図13は、本発明の第4の実施形態に係る送信装置a4の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る送信装置a4(図13)と第1の実施形態に係る送信装置a1(図1)とを比較すると、送信装置a4は、送信アンテナa10、ノーマルGIシンボル生成部a41、ロングGIシンボル生成部a42、高電力シンボル生成部a13、時間周波数多重部a14、送信部a15を含んで構成されるが、その一部は以下のように第1の実施形態のものとは相違する。すなわち、ノーマルGIシンボル生成部a41については、符号部a411、及び変調部a412が異なるが、その他のマッピング部a113及びIFFT部a114、及びノーマルGI挿入部a115が持つ機能は第1の実施形態と同じものである。ロングGIシンボル生成部a42は、符号部a421、及び変調部a422が異なるが、マッピング部a123及びIFFT部a124、及びロングGI挿入部a125が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。高電力シンボル生成部a13の持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。時間周波数多重部a14及び送信部a15は、第1の実施形態のものと同じである。
なお、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0112】
変調部a412は、QPSKやQAMなどの変調方式により、符号部a111が誤り訂正符号化した情報データ信号をシンボルに割り当てる変調を行う。
変調部a112は、変調を行った変調シンボルを、第1の変調シンボルとしてマッピング部a113に出力する。
【0113】
符号部a421は、入力された制御信号に対して、畳込み符号やターボ符号などの誤り訂正符号化を行い、変調部a422に出力する。
【0114】
変調部a422は、QPSKやQAMなどの変調方式により、符号部a421が誤り訂正符号化した制御信号をシンボルに割り当てる変調を行う。
変調部a412は、変調を行った変調シンボルを、第2の変調シンボルとしてマッピング部a123に出力する。
【0115】
<多重処理について>
以下、時間周波数多重部a14が行う多重処理の詳細について説明をする。
図14は、本実施形態に係る時間周波数多重部a14が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例を示す図である。この図において、横軸は時間であり、縦軸は周波数である。
【0116】
本実施形態に係る時間周波数多重部a14が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例(図14)と、第1の実施形態に係る時間周波数多重部a14が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例(図2)と、を比較すると、ロングGIシンボルL1、L11、L12の変調シンボルが制御信号のシンボル(制御シンボル)である点が異なる。しかし、シンボルの構成は第1の実施形態のものと同じである。ので、説明は省略する。
【0117】
<受信装置b4の構成について>
図15は、本実施形態に係る受信装置b4の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る受信装置b4(図15)と第1の実施形態に係る受信装置b1(図3)とを比較すると、フィルタ部b444、デマッピング部b45、デマッピング部b46、復調部b47、及び復号部b48が異なる。しかし、他の構成要素(第3のFFT区間抽出部a121、FFT部a122、パイロットシンボル抽出部b123、伝搬路推定部b124、第1のFFT区間抽出部b131、FFT部b132、第1のシンボル抽出部b133、フィルタ部b134、第2のFFT区間抽出部b141、FFT部b142、第2のシンボル抽出部b143、復調部b16、及び復号部b17)が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。ので、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0118】
フィルタ部b244、伝搬路推定部b124が推定した伝搬路推定値に基づいて、ZF基準、MMSE基準等を用いた重み係数を算出する。また、フィルタ部b244、第2の変調シンボル抽出部b143が抽出した周波数領域の信号である第2の変調シンボルに対して、シンボルの振幅と位相の変動の補償(伝搬路補償)を行なう。
フィルタ部b444は、伝搬路補償を行った第2の変調シンボルをデマッピング部b45に出力する。
【0119】
デマッピング部b45は、フィルタ部b134が伝搬路補償を行った変調シンボルに対して、第1の変調シンボルが配置された時間周波数要素のシンボルを抽出するデマッピング処理を行う。デマッピング部b45は、抽出したシンボルを復調部b16に出力する。
【0120】
デマッピング部b46は、フィルタ部b444が伝搬路補償を行った変調シンボルに対して、第2の変調シンボルが配置された時間周波数要素のシンボルを抽出するデマッピング処理を行う。デマッピング部b46は、抽出したシンボルを復調部b47に出力する。
【0121】
復調部b47は、デマッピング部b46が抽出した変調シンボルに対して、QPSKやQAMなど、送信装置a4の変調部a422が用いた変調方式で復調処理を行う。なお、この送信装置a4の変調部a412が用いた変調方式は、予め決められた変調方式である。
復調部b47は、復調した制御信号を復号部b48に出力する。
【0122】
復号部b48は、復調部b47が復調した制御信号に対して、最尤復号法、最大事後確率推定、log−MAP、Max−log−MAP、SOVA等の公知の方法を用いて、復号処理を行い、復号処理結果のビット列である制御信号を出力する。
【0123】
(第5の実施形態)
以下、図面を参照しながら本発明の第5の実施形態について詳しく説明する。本実施形態では、通信システムは、高電力GI長とロングGI長とを調整し、パイロットシンボルを配置する時間周波数要素が、2以上のノーマルGI−OFDMと重ならないように、パイロットシンボルを配置する。
本実施形態の通信システムは、OFDM方式で通信する送信装置a5と、第1の実施形態と同じ構成である受信装置b1とを備える。
【0124】
<送信装置a5の構成について>
図16は、本発明の第5の実施形態に係る送信装置a5の構成を示す概略ブロック図である。本実施形態に係る送信装置a5(図16)と第1の実施形態に係る送信装置a1(図1)とを比較すると、送信装置a5は、送信アンテナa10、ノーマルGIシンボル生成部a11、ロングGIシンボル生成部a12、高電力シンボル生成部a53、時間周波数多重部a14、送信部a15を含んで構成されるが、その一部は以下のように第1の実施形態のものとは相違する。すなわち、ノーマルGIシンボル生成部a11及びロングGIシンボルロングGIシンボル生成部a12が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。高電力シンボル生成部a53は、高電力GI挿入部a534が異なるが、その他の電力増幅部a131、マッピング部a132、及びIFFT部a133が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。時間周波数多重部a14及び送信部a15が持つ機能は第1の実施形態のものと同じである。
なお、第1の実施形態と同じ機能の説明は省略する。
【0125】
高電力GI挿入部a534は、IFFT部a133が変換した時間領域の信号に対して、高電力GIを挿入して生成した高電力シンボルP1を時間周波数多重部a14に出力する。
ここで、高電力GI長は、1OFDMシンボル長の整数倍の長さ、又に、1OFDMシンボル長の整数倍の長さに1OFDMシンボル長から変調シンボル長を減算した長さ以内の長さを加えた長さである。
【0126】
<多重処理について>
以下、時間周波数多重部a14が行う多重処理の詳細について説明をする。
図17は、本実施形態に係る時間周波数多重部a14が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例を示す図である。この図において、横軸は時間であり、縦軸は周波数である。
ある。
【0127】
本実施形態に係る時間周波数多重部a14が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例(図17)と、第1の実施形態に係る時間周波数多重部a14が多重したシンボルの周波数成分と時間成分の一例(図2)と、を比較すると、高電力シンボルP5、P51、P52における高電力GI長が異なる。しかし、シンボルの構成は第1の実施形態のものと同じである。ので、説明は省略する。
【0128】
図17において、高電力GI長は、1OFDMシンボル長の長さに1OFDMシンボル長から変調シンボル長を減算した長さ以内の長さを加えた長さである。
つまり、高電力シンボルP5、P51、P52のパイロットシンボルを1のノーマルGI−OFDMシンボルに属するように配置する。
【0129】
このように、本実施形態によれば、通信システムは、パイロットシンボルを2以上のノーマルGI−OFDMシンボルと重ならないように配置する。一般に、変調シンボルが複数のFFT区間に跨りFFT区間内に不連続がある場合、サブキャリアの直交性が崩れてしまい、キャリア間干渉が生じてしまう。そして、そのキャリア間干渉は、信号の復元精度を劣化させる要因となる。
しかし、本実施形態によれば、通信システムは、パイロットシンボルを1のノーマルGI−OFDMシンボルに属するように配置する。これにより、通信システムは、キャリア間干渉の発生を防止することができ、信号の復元精度が劣化することを防止することができる。
【0130】
なお、上記各実施形態において、伝送方式としてOFDMの場合を示したが、本発明はこれに限らず、他のマルチキャリア伝送方式でもよい。例えば、MC−CDM(Multi Carrier−Code Division Multiplexing;マルチキャリア符号分割多重)では、上述のシンボルにはチップが相当し、マルチキャリア変調として、変調シンボルに拡散符号を乗算して生成したチップを分散させてサブキャリアに配置し、逆フーリエ変換した後にガードインターバルを付加するMC−CDM変調を行う。また、DFT−S−OFDM(Discrete Fourier Transform−Spread−OFDM;離散フーリエ変換拡散OFDM)では、上述のシンボルには離散スペクトルが相当し、複数のシンボルをフーリエ変換して生成した離散スペクトルを分散させてサブキャリアに配置し、逆フーリエ変換した後にガードインターバルを付加するDFT−S−OFDM変調を行う。また、このように、マルチキャリア変調した信号の1時間単位をマルチキャリアシンボルという。例えば、上記核実施形態では、1有効シンボル区間と、その前に付されたガードインターバルの区間とを合わせた区間の信号が相当し、これがOFDMシンボルである。
【0131】
なお、本発明は、固定ディジタル通信及び移動ディジタル通信に用いることができる。移動ディジタル通信に用いるときは、本発明の送信装置を移動局装置の送信部に用い、本発明の受信装置を基地局装置の受信部に用いることができる。また、移動ディジタル通信に用いるときは、本発明の送信装置を基地局装置の送信部に用い、本発明の受信装置を移動局装置の受信部に用いることができる。
【0132】
なお、上述した実施形態における送信装置a1〜a5又は受信装置b1〜b5の一部、例えば、ノーマルGIシンボル生成部a11、a21、a31、a41、ロングGIシンボル生成部a12、a22、a32、a42、高電力シンボル生成部a13、a23、a53、時間周波数多重部a14、時間多重部a24、符号部a111、a421、変調部a112、a212、a412、a422、マッピング部a113、a213、IFFT部a114、a214、ノーマルGI挿入部a115、マッピング部a123、a323、IFFT部a124、ロングGI挿入部a125、電力増幅部a131、マッピング部a132、IFFT部a133、高電力GI挿入部a134、a234、受信部b11高電力シンボル処理部b12、b22、b32、ノーマルGIシンボル処理部b13、b23、ロングGIシンボル処理部b14、b23、b34、b44、デマッピング部b15、b45、デマッピング部b46、復調部b16、b47、復号部b17、b48、第3のFFT区間抽出部b121、FFT部b122、パイロットシンボル抽出部b123、伝搬路推定部b124、第1のFFT区間抽出部b131、FFT部b132、b232、第1の変調シンボル抽出部b133、データシンボル抽出部b233、フィルタ部b134、第2のFFT区間抽出部b141、b341、FFT部b142、b342、第2の変調シンボル抽出部b143、フィルタ部b144、b444をコンピュータで実現するようにしても良い。その場合、この制御機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現しても良い。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、送信装置a1〜a5又は受信装置b1〜b5に内蔵されたコンピュータシステムであって、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでも良い。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0133】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0134】
a1、a2、a3、a4、a5・・・送信装置、a11、a21、a31、a41・・・ノーマルGIシンボル生成部、a12、a22、a32、a42・・・ロングGIシンボル生成部(第2のシンボル生成部)、a13、a23、a53・・・高電力シンボル生成部
a14・・・時間周波数多重部(多重部)、a24・・・時間多重部(多重部)、a15・・・送信部、a111・・・符号部、a421・・・符号部、a112、a212、a412・・・変調部、a422・・・変調部、a113、a213・・・マッピング部、a114、a214・・・IFFT部、a115・・・ノーマルGI挿入部、a123、a323・・・マッピング部、a124・・・IFFT部、a125・・・ロングGI挿入部、a131・・・電力増幅部、a132・・・マッピング部、a133・・・IFFT部、a134、a234・・・高電力GI挿入部、P1、P11、P12・・・高電力シンボル、L1、L11、L12・・・ロングGIシンボル、N1・・・ノーマルGIシンボル、b1、b2、b3、b4・・・受信装置、b11・・・受信部、b12、b22、b32・・・高電力シンボル処理部、b13、b23・・・ノーマルGIシンボル処理部、b14、b23、b34、b44・・・ロングGIシンボル処理部、b15、b45・・・デマッピング部、b46・・・デマッピング部、b16・・・復調部、b47・・・復調部、b17・・・復号部、b48・・・復号部、b121・・・第3のFFT区間抽出部、b122・・・FFT部、b123・・・パイロットシンボル抽出部、b124・・・伝搬路推定部、b131・・・第1のFFT区間抽出部、b132、b232・・・FFT部、b133・・・第1の変調シンボル抽出部、b233・・・データシンボル抽出部、b134・・・フィルタ部、b141、b341・・・第2のFFT区間抽出部、b142、b342・・・FFT部、b143・・・第2の変調シンボル抽出部、b144、b444・・・フィルタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置において、
送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを配置した信号を生成して送信することを特徴とする送信装置。
【請求項2】
第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置において、
前記送信装置は、
第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを生成する第2のシンボル生成部と、
送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、前記第2のシンボル生成部が生成した第2のシンボルを配置するマッピング部と、
を備えることを特徴とする送信装置。
【請求項3】
前記第3の変調シンボルに、前記第1のガードインターバルより長い第3のガードインターバルを付加した高電力シンボルを生成する高電力シンボル生成部を備えることを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
【請求項4】
前記第2の変調シンボル及び前記第3の変調シンボルの時間方向の長さは、前記第1の変調シンボルの時間方向の長さと一致していることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の送信装置。
【請求項5】
前記マッピング部は、前記高電力シンボルを配置する時間要素において、すくなくとも1つの前記第1のシンボルを配置することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかの項に記載の送信装置。
【請求項6】
前記マッピング部は、前記第3の変調シンボルを配置する時間周波数要素が、前記第1のシンボルを配置する2以上の時間要素と重ならないように、前記第3の変調シンボルを配置することを特徴とする請求項5に記載の送信装置。
【請求項7】
前記第3の変調シンボルを配置する時間周波数要素が、前記第1のシンボルを配置する2以上の時間要素と重ならないように、前記第3のガードインターバルを付加する高電力GI挿入部を備えることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の送信装置。
【請求項8】
前記マッピング部は、前記高電力シンボル各々を同じ時間要素であって、第1のシンボルを配置しない時間要素に配置することを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
【請求項9】
前記第3の変調シンボルは、前記受信装置にて伝搬路推定に用いられる変調シンボルであるパイロットシンボルに、前記第3のガードインターバルを付加した高電力シンボルを生成することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の送信装置。
【請求項10】
第2のシンボル生成部は、送信する情報の変調シンボルである情報データシンボルに、前記第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを生成することを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
【請求項11】
第2のシンボル生成部は、通信制御に用いられる情報の変調シンボルである制御シンボルに、前記第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを生成することを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
【請求項12】
前記第2のガードインターバルの長さと第3のガードインターバルの長さとは、同じ長さであることを特徴とする請求項2に記載の送信装置。
【請求項13】
第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置と、前記送信装置からの送信信号を受信する受信装置と、を具備する通信システムにおいて、
前記送信装置は、
送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを配置した信号を生成して送信し、
前記受信装置は、
前記送信装置が送信した送信信号を受信し、前記第3の変調シンボルを抽出し、前記第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に配置された第2のシンボルのうち、前記第2のガードインターバル以外から第2の変調シンボルを抽出することを特徴とする通信システム。
【請求項14】
送信装置が第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信した送信信号を受信する受信装置において、
前記送信装置が送信した送信信号を受信し、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルを抽出し、前記第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に配置された第2のシンボルのうち、前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバル以外から第2の変調シンボルを抽出することを特徴とする受信装置。
【請求項15】
第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置における送信制御方法において、
前記送信装置が、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを配置した信号を生成して送信する過程を有することを特徴とする送信制御方法。
【請求項16】
送信装置が第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信した送信信号を受信する受信装置における受信制御方法において、
前記受信装置が、前記送信装置が送信した送信信号を受信し、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルを抽出し、前記第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に配置された第2のシンボルのうち、前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバル以外から第2の変調シンボルを抽出する過程を有することを特徴とする受信制御方法。
【請求項17】
第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信する送信装置のコンピュータを、
送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に、第2の変調シンボルに前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバルを付加した第2のシンボルを配置した信号を生成して送信することを特徴とする手段として機能させる送信制御プログラム。
【請求項18】
送信装置が第1の変調シンボルに第1のガードインターバルを付加した第1のシンボルを生成し、生成した第1のシンボルの送信信号をマルチキャリア伝送方式にて送信した送信信号を受信する受信装置のコンピュータを、
前記受信装置が、前記送信装置が送信した送信信号を受信し、送信電力が他の変調シンボルより高い第3の変調シンボルを抽出し、前記第3の変調シンボルと同じサブキャリアで時間方向において直後に配置された第2のシンボルのうち、前記第1のガードインターバルより長い第2のガードインターバル以外から第2の変調シンボルを抽出する手段として機能させる受信制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−161648(P2010−161648A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−2696(P2009−2696)
【出願日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】