説明

通信システム、通信装置及びそれらに用いる通信方法

【課題】 伝送路の帯域が減少した場合でも無作為にデータが廃棄されるのを防ぎ、帯域の変化に対応することが可能な通信システムを提供する。
【解決手段】 通信帯域が変化する伝送路を用いて通信装置間の通信を行う通信システムにおいて、複数の回線をデータの優先度に応じて複数の多重化グループに分割している。通信装置(1)は、伝送路(100)の通信帯域の増減を検出する検出手段(11)と、検出手段の検出結果に応じて複数の多重化グループ各々に属する回線の閉塞または解放を行う閉塞手段(12−1〜12−m,13−1〜13−n)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システム、通信装置及びそれらに用いる通信方法に関し、特に通信帯域が変化する伝送路における通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大容量のデータを送受信する際には、大容量の伝送路を施設し、借用した場合、多大な費用がかかるため、低容量の回線を複数束ねて大容量伝送路として利用する方法がある。このように、大容量回線を複数の低容量回線に分割する逆多重化技術が公開されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この逆多重化技術を使って送受信を行う場合には、逆多重化されている一部の回線が切断されると、他の回線が送受信可能にもかかわらず、一切の通信が不可能となることがある。
【0004】
この送受信が不可能になる場合について図4を参照して説明する。図4においては、電話機(#3)5−1から電話機(4)5−2、FTP(File Transfer Protocol)通信機(#3)6−1からFTP通信機(#4)6−2、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)通信機(#3)7−1からHTTP通信機(#4)7−2へデータを送信するモデルを示している。また、これらの通信は、多重化グループ700によって多重化されている。
【0005】
上記の構成においては、伝送路600を送受信可能な帯域が減少し、FTP通信を行う回線とHTTP通信を行う回線とが切断された場合、電話の回線のみ通信ができる状態となる。しかしながら、受信側の多重化グループ800では、複数の回線が切断されて必要な情報がないため、電話機(#4)6−2を含め多重化グループ800のすべての通信が不可能となる。
【0006】
【特許文献1】特開2002−026851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明に関連する通信システムの課題について、図5を参照して説明する。図5においては、通信装置8−1と通信装置8−2とが通信を行っている。通信装置8−1は、通信装置8−2との間に逆多重化グループ900を作成し、通信を行っている。
【0008】
MUX(Multiplexing)装置9−1は、入力された複数の回線901−1〜901−jを一つに束ね、AMR(Adaptive Multi Rate)を用いた無線等の帯域が変動する伝送路902を利用して対向先のMUX装置9−2にデータを送信する。MUX装置9−2では、一つに束ねられた回線902を複数の回線903−1〜903−kに復元し、それらの複数の回線903−1〜903−kを多重化グループ900として通信装置8−2に送信する。
【0009】
MUX装置9−1とMUX装置9−2との間の伝送路902の帯域が減少した場合には、MUX装置9−1,9−2によって無作為にデータが廃棄される。本発明に関連する通信システムでは、この無作為の廃棄によって、優先度の高いデータが廃棄されてしまうという問題がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、伝送路の帯域が減少した場合でも無作為にデータが廃棄されるのを防ぐことができ、帯域の変化に対応することができる通信システム、通信装置及びそれらに用いる通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による通信システムは、通信帯域が変化する伝送路を用いて通信装置間の通信を行う通信システムであって、
複数の回線をデータの優先度に応じて複数の多重化グループに分割し、
前記通信装置は、前記伝送路の通信帯域の増減を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じて前記複数の多重化グループ各々に属する回線の閉塞または解放を行う閉塞手段とを備えている。
【0012】
本発明による通信装置は、通信帯域が変化する伝送路を用いて通信を行う通信装置であって、
複数の回線をデータの優先度に応じて複数の多重化グループに分割し、
前記伝送路の通信帯域の増減を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じて前記複数の多重化グループ各々に属する回線の閉塞または解放を行う閉塞手段とを備えている。
【0013】
本発明による通信方法は、通信帯域が変化する伝送路を用いて通信装置間の通信を行う通信システムに用いる通信方法であって、
複数の回線をデータの優先度に応じて複数の多重化グループに分割し、
前記伝送路の通信帯域の増減を検出する検出ステップと、前記検出ステップの検出結果に応じて前記複数の多重化グループ各々に属する回線の閉塞または解放を行う閉塞ステップとを備えている。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、上記のような構成及び動作とすることで、伝送路の帯域が減少した場合でも無作為にデータが廃棄されるのを防ぐことができ、帯域の変化に対応することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、本発明による通信システムの概要について説明する。本発明による通信システムは、IMA[Inverse Multiplexing on ATM(Asynchronous Transfer Mode)]とAMR(Adaptive Multi Rate)とを適用した無線通信等の通信帯域が変化する伝送路を用いた通信において、データの優先度に応じて多重化グループを分割し、通信帯域が減少した際に、優先度の低いグループの回線から閉塞していくことにより、通信帯域の減少に対応し、優先度の高いデータを廃棄することなく送信を可能にしたことを特徴としている。
【0016】
本発明による通信システムでは、逆多重化再構成回路において、予め決められた多重化グループ毎に束ねて帯域変動検出回路に送信する。帯域変動検出回路では、逆多重化再構成回路から受信するデータ量(送受信する帯域)と、出力する伝送路の帯域(送受信可能帯域)とを比較して帯域制御を行う。
【0017】
本発明による通信システムでは、伝送路にて送受信可能な帯域(伝送路帯域に相当)が送受信する帯域(送受信データ量に相当)より減少または増加した場合、回線を閉塞・解放することによって、帯域の変化に対応することが可能となる。また、本発明による通信システムでは、回線を閉塞・解放する閉塞回路に対して予め優先順位が決められており、その順位に従って閉塞回路を選択している。
【0018】
図1は本発明の第1の実施の形態による通信システムの構成例を示すブロック図である。図1において、本発明の第1の実施の形態による通信システムは、通信装置1と、伝送路100とを含んで構成されている。通信装置1は、帯域変動検出回路11と、閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nと、逆多重化再構成回路14と、通信機器15とを含んで構成されている。
【0019】
通信装置1内においては、多重化グループ(#1000)300及び多重化グループ(#10,#11)201,202が形成されている。多重化グループ(#1000)300は、逆多重化再構成回路14にて通信機器14から送受信する回線のグループである。また、多重化グループ(#10,#11)201,202は、逆多重化再構成が行われたグループである。
【0020】
伝送路100においては、多重化グループ(#1)101と多重化グループ(#2)102とが形成されている。多重化グループ(#1)101は、多重化グループ(#10)201が帯域変動検出回路11を通過した後のグループであり、多重化グループ(#2)102は、多重化グループ(#11)202が帯域変動検出回路11を通過した後のグループである。
【0021】
この場合、多重化グループ(#1000)300及び多重化グループ(#10,#11)201,202と、多重化グループ(#1)101及び多重化グループ(#2)102とは、低容量の回線を複数束ねて大容量伝送路として利用するものである。
【0022】
逆多重化再構成回路14は、多重化グループ(#1000)300を流れるデータの優先度によって再グループ化を行う。閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nは、回線を閉塞または解放する。帯域変動検出回路11は、伝送路100での通信帯域の変化を監視検出する。
【0023】
本実施の形態では、事前準備として、多重化グループ(#1000)300を優先順位によって多重化グループ(#10)201及び多重化グループ(#11)202に分割する。この分割数は任意である。
【0024】
また、本実施の形態は、双方向通信に適用可能である。閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nは、図1において、帯域変動検出回路11の出力側にのみ表記しているが、双方向として伝送路側にも配設可能である。
【0025】
さらに、本実施の形態において、送受信可能な帯域(伝送路帯域に相当)は、既存の技術によって計測可能であり、随時、そのデータを取得することができる。送受信する帯域(送受信データ量に相当)は、各データの受信ポートが決められており、その通信量から計測することができる。尚、これらの帯域を計測する技術についての説明は省略する。
【0026】
閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nの優先順位は、帯域変動検出回路11のデータ出力ポートによって決められ、優先順位テーブル(図示せず)に予め優先順位を設定しておく。本実施の形態における多重化グループは、2つのグループについて記載しているが、これらのグループは、3以上の複数個設定することが可能である。
【0027】
本実施の形態では、事前準備が完了した状態で、伝送路100に対して送信可能な帯域が減少したことを帯域変動検出回路11が検出した場合、分割した多重化グループ(#10)201及び多重化グループ(#11)202のうち優先度が低い多重化グループ(#11)202の回線を閉塞回路(#4)13−nによって閉塞する。この閉塞動作は、帯域減少分だけ繰り返し行い、送信帯域を減少させる。
【0028】
また、本実施の形態では、帯域変動検出回路11が送信可能な帯域の増加を検知し、現在閉塞状態にある回線が存在する場合、帯域増加分だけ閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nによって回線を解放し、送信帯域を増加させる。
【0029】
以下、上述した本発明の第1の実施の形態による通信システムの各ブロックについて詳細に説明する。
【0030】
伝送路100は、多重化グループ(#1)101及び多重化グループ(#2)102が送受信される伝送路であり、送受信可能な帯域が変動する可能性がある伝送路である。
【0031】
多重化グループ(#1)101は、複数の回線からなる多重化グループ(#10)201が閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−mと帯域変動検出回路11とを通過した後の多重化グループである。
【0032】
多重化グループ(#1)101は、帯域変動検出回路11が帯域の減少を検出すると、帯域減少幅に応じて回線が閉塞し、多重化グループ(#10)201に比較して、その帯域が狭くなる。また、多重化グループ(#1)101は、多重化グループ(#2)102に比べて優先順位が同じか、高いデータが送信される多重化グループである。
【0033】
多重化グループ(#2)102は、複数の回線からなる多重化グループ(#11)202が閉塞回路(#3)13−1,・・・,(#4)13−nと帯域変動検出回路11とを通過した後の多重化グループである。
【0034】
多重化グループ(#2)102は、帯域変動検出回路11が帯域の減少を検出すると、帯域減少幅に応じて回線が閉塞し、多重化グループ(#11)202に比較して、その帯域が狭くなる。また、多重化グループ(#2)102は、多重化グループ(#1)101に比べて優先順位が同じか、低いデータが送信される多重化グループである。
【0035】
帯域変動検出回路11は、逆多重化再構成回路14から多重化グループ(#10)201及び多重化グループ(#11)202を閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nを通して入力し、回線の閉塞・解放を行って帯域の調整をし、伝送路100に送出する。
【0036】
また、帯域変動検出回路11は、伝送路100から入力した多重化グループ(#1)101と多重化グループ(#2)102とを、閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nを通して逆多重化再構成回路14に送信する。
【0037】
さらに、帯域変動検出回路11は、伝送路100の送受信可能な帯域が変動した場合、その変動を検出し、閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nを制御して回線の閉塞・解放操作を行う。
【0038】
帯域変動検出回路11は、一定以上の帯域減少を検出し、閉塞可能な回線が存在する場合、減少幅に応じて閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nを閉塞させる。帯域変動検出回路11は、一定以上の帯域増加を検出し、閉塞状態である回線が存在する場合、増加幅に応じて回線を解放させる。
【0039】
閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nは、逆多重化再構成回路14と帯域変動検出回路11との間の多重化グループ(#10)201及び多重化グループ(#11)202に含まれる回線の閉塞・解放を行う回路である。
【0040】
閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nは、帯域変動検出回路11で一定以上の帯域減少を検出し、閉塞可能な回線が存在する場合、減少幅に応じて回線に閉塞する。また、閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nは、帯域変動検出回路11で一定以上の帯域増加を検出し、閉塞状態である回線が存在する場合、増加幅に応じて回線を解放する。
【0041】
多重化グループ(#10)201は、逆多重化再構成回路14と帯域変動検出回路11との間の多重化グループであり、多重化グループ(#11)202と比較して優先度が同じか、高いデータを集約して再構成した後の多重化グループである。
【0042】
多重化グループ(#11)202は、逆多重化再構成回路14と帯域変動検出回路11との間の多重化グループであり、多重化グループ(#10)201と比較して優先度が同じか、低いデータを集約して再構成した後の多重化グループである。
【0043】
逆多重化再構成回路14は、多重化グループ(#1000)300から入力されたさまざまな優先度が混在するデータを、優先度が高いデータを多重化グループ(#10)201に、優先度が低いデータを多重化グループ(#11)202にそれぞれ再構成する。
【0044】
また、逆多重化再構成回路14は、入力された多重化グループ(#10)201と多重化グループ(#11)202とを束ねて多重化グループ(#1000)300として再構成を行う。
【0045】
多重化グループ(#1000)は、通信機器15と逆多重化再構成回路14との間の回線を束ねた多重化グループである。多重化グループ(#1000)では、さまざまな優先度のデータが同一多重化グループ内に混在している。通信機器15は、さまざまな優先度のデータが混在して送受信される通信機器である。
【0046】
図2は本発明の第1の実施の形態による通信装置1の動作を示すフローチャートである。図2に示す処理は、帯域変動検出回路11の処理内容に一致する。また、回線閉塞ならびに回線解放の処理については、優先順位に応じた閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nの選択処理も含む。
【0047】
本実施の形態では、動作を行う前提として、多重化グループ(#1000)300を、優先度によって分割する逆多重化の再構築を行う必要がある。多重化グループの再構成は、逆多重化再構成回路14によって行われる。
【0048】
逆多重化再構成回路14は、多重化グループ(#1000)300において送信されるさまざまな優先度のデータを、優先度が高いデータを多重化グループ(#10)201に、優先度が低いデータを多重化グループ(#11)202に多重化グループを再構成する。
【0049】
逆多重化再構成回路14は、この再構成済みの多重化グループ(#10)及び多重化グループ(#11)を用いて閉塞回路(#1)12−1,・・・,(#2)12−m,(#3)13−1,・・・,(#4)13−nを通した帯域変動検出回路11と送受信を行う。
【0050】
帯域が変動した際の詳細な動作を、図2を参照して説明する。帯域変動検出回路11においては、帯域の変動が検出されるまで帯域の監視を継続する(図2ステップS1)。
【0051】
もしも、それぞれの回線帯域以上の帯域の変動があった場合、帯域変動検出回路11は、伝送路100に送受信可能な帯域と送受信帯域とを比較する(図2ステップS2)。
【0052】
帯域変動検出回路11は、送受信可能帯域が送受信帯域よりも低い場合、優先度の低いデータを送受信している多重化グループ(#11)202で閉塞状態の回線を閉塞可能な回線とみなし、その存在の有無を調べる(図2ステップS3)。
【0053】
この場合、帯域変動検出回路11は、閉塞可能な回線が存在しなければ、処理を終了する。もしも、閉塞可能な回線が存在する場合、帯域変動検出回路11は、回線を一つ閉塞し(図2ステップS4)、ステップS1の処理に戻る。
【0054】
一方、帯域変動検出回路11は、送受信可能帯域が送受信帯域よりも高い場合、閉塞状態の回線の有無を調べる(図2ステップS5)。もしも、閉塞状態の回線が存在しなければ、帯域変動検出回路11は、処理を終了する。これに対し、閉塞状態の回線が存在する場合、帯域変動検出回路11は、回線を一つ解放し(図2ステップS6)、ステップS1の処理に戻る。
【0055】
このように、本実施の形態では、優先度の高いデータを送受信する多重化グループ(#10)201と優先度が低い多重化グループ(#11)202とに分割しているため、伝送路100の送受信可能な帯域が送受信する帯域より減少した場合、優先度の低い多重化グループ(#11)202の回線を閉塞することによって、優先度の高い多重化グループ(#10)201のデータ送受信に影響を与えない。
【0056】
また、本実施の形態では、伝送路100にて送受信可能な帯域(伝送路帯域に相当)が送受信する帯域(送受信データ量に相当)より減少・増加した場合、回線を閉塞・解放することによって、帯域の変化に対応可能である。
【0057】
図3は本発明の第1の実施の形態による通信システムの効果を説明するための図である。この図3を参照して、本実施の形態において、伝送路100の通信帯域が減少した場合でも、優先度の高いデータに影響が及ばない例について説明する。
【0058】
図3に示す例では、電話機(#1)2−1が電話機(#2)2−2と、FTP(File Transfer Protocol)通信機(#1)3−1がFTP通信機(#2)3−2と、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)通信機(#1)4−1がHTTP通信機(#2)4−2と通信し、それらのデータが一つの多重化グループ400に集約されている。
【0059】
また、図3に示す例では、この多重化グループ400を通信装置1−1によって、優先度の高い電話通信を多重化グループ101に、優先度の低いFTP通信とHTTP通信とを多重化グループ102にそれぞれ分割している。
【0060】
この再構成された2つの多重化グループ101,102が伝送路100を通って通信装置1−2へ送信される。通信装置1−2では、分割された2つの多重化グループ101,102を結合し、多重化グループ500に復元する。尚、通信装置1−1,1−2は、上記の図1に示す通信装置1と同様の構成となっている。
【0061】
伝送路100の帯域が減少すると、通信装置1−1はこれを検知し、優先度の低いFTP通信とHTTP通信とを送受信する多重化グループ102の回線を閉塞する。これによって、FTP通信とHTTP通信とは、送受信が不可能となる。しかしながら、電話通信は、別の多重化グループ101としているため、帯域変動の影響を受けず、その通信が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の第1の実施の形態による通信システムの構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施の形態による通信システムの効果を説明するための図である。
【図4】本発明に関連する通信システムの構成例を示す図である。
【図5】本発明に関連する通信システムの課題を説明するための図である。
【符号の説明】
【0063】
1,1−1,1−2 通信装置
2−1 電話機(#1)
2−2 電話機(#2)
3−1 FTP通信機(#1)
3−2 FTP通信機(#2)
4−1 HTTP通信機(#1)
4−2 HTTP通信機(#2)
11 帯域変動検出回路
12−1 閉塞回路(#1)
12−m 閉塞回路(#2)
13−1 閉塞回路(#3)
13−n 閉塞回路(#4)
14 逆多重化再構成回路
15 通信機器15
100 伝送路
101 多重化グループ(#1)
102 多重化グループ(#2)
201 多重化グループ(#10)
202 多重化グループ(#11)
300 多重化グループ(#1000)
400,500 多重化グループ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信帯域が変化する伝送路を用いて通信装置間の通信を行う通信システムであって、
複数の回線をデータの優先度に応じて複数の多重化グループに分割し、
前記通信装置は、前記伝送路の通信帯域の増減を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じて前記複数の多重化グループ各々に属する回線の閉塞または解放を行う閉塞手段とを有することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記通信装置は、さまざまな優先度が混在するデータを予め決められた多重化グループ毎に束ねる逆多重化再構成手段を含み、
前記検出手段は、前記逆多重化再構成手段から受信するデータ量と、当該データを出力する前記伝送路の帯域とを比較して通信帯域の増減を検出することを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記検出手段は、前記伝送路にて送受信する帯域と前記伝送路にて送受信可能な帯域とを比較して前記通信帯域の増減を検出し、
前記閉塞手段は、前記伝送路にて送受信可能な帯域が前記伝送路にて送受信する帯域より減少または増加したことが前記検出手段で検出された時に前記回線の閉塞または解放を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信システム。
【請求項4】
前記閉塞手段は、前記検出手段が前記通信帯域の減少を検出した時に、優先度の低い多重化グループの回線から閉塞していくことを特徴とする請求項3記載の通信システム。
【請求項5】
前記閉塞手段は、前記複数の多重化グループ各々に対応する複数の閉塞回路を含み、
前記複数の閉塞回路各々に予め優先順位を設定しておき、前記優先順位にしたがって前記閉塞回路を選択することを特徴とする請求項4記載の通信システム。
【請求項6】
前記伝送路は、IMA[Inverse Multiplexing on ATM(Asynchronous Transfer Mode)]とAMR(Adaptive Multi Rate)とを適用した無線通信を含む通信の通信帯域が変化する伝送路であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか記載の通信システム。
【請求項7】
通信帯域が変化する伝送路を用いて通信を行う通信装置であって、
複数の回線をデータの優先度に応じて複数の多重化グループに分割し、
前記伝送路の通信帯域の増減を検出する検出手段と、前記検出手段の検出結果に応じて前記複数の多重化グループ各々に属する回線の閉塞または解放を行う閉塞手段とを有することを特徴とする通信装置。
【請求項8】
さまざまな優先度が混在するデータを予め決められた多重化グループ毎に束ねる逆多重化再構成手段を含み、
前記検出手段は、前記逆多重化再構成手段から受信するデータ量と、当該データを出力する前記伝送路の帯域とを比較して通信帯域の増減を検出することを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項9】
前記検出手段は、前記伝送路にて送受信する帯域と前記伝送路にて送受信可能な帯域とを比較して前記通信帯域の増減を検出し、
前記閉塞手段は、前記伝送路にて送受信可能な帯域が前記伝送路にて送受信する帯域より減少または増加したことが前記検出手段で検出された時に前記回線の閉塞または解放を行うことを特徴とする請求項7または請求項8記載の通信装置。
【請求項10】
前記閉塞手段は、前記検出手段が前記通信帯域の減少を検出した時に、優先度の低い多重化グループの回線から閉塞していくことを特徴とする請求項9記載の通信装置。
【請求項11】
前記閉塞手段は、前記複数の多重化グループ各々に対応する複数の閉塞回路を含み、
前記複数の閉塞回路各々に予め優先順位を設定しておき、前記優先順位にしたがって前記閉塞回路を選択することを特徴とする請求項10記載の通信装置。
【請求項12】
前記伝送路が、IMA[Inverse Multiplexing on ATM(Asynchronous Transfer Mode)]とAMR(Adaptive Multi Rate)とを適用した無線通信を含む通信の通信帯域が変化する伝送路であることを特徴とする請求項7から請求項11のいずれか記載の通信装置。
【請求項13】
通信帯域が変化する伝送路を用いて通信装置間の通信を行う通信システムに用いる通信方法であって、
複数の回線をデータの優先度に応じて複数の多重化グループに分割し、
前記伝送路の通信帯域の増減を検出する検出ステップと、前記検出ステップの検出結果に応じて前記複数の多重化グループ各々に属する回線の閉塞または解放を行う閉塞ステップとを有することを特徴とする通信方法。
【請求項14】
さまざまな優先度が混在するデータを予め決められた多重化グループ毎に束ねる逆多重化再構成ステップを含み、
前記検出ステップにおいて、前記逆多重化再構成ステップから受信するデータ量と、当該データを出力する前記伝送路の帯域とを比較して通信帯域の増減を検出することを特徴とする請求項13記載の通信方法。
【請求項15】
前記検出ステップにおいて、前記伝送路にて送受信する帯域と前記伝送路にて送受信可能な帯域とを比較して前記通信帯域の増減を検出し、
前記閉塞ステップにおいて、前記伝送路にて送受信可能な帯域が前記伝送路にて送受信する帯域より減少または増加したことが前記検出手段で検出された時に前記回線の閉塞または解放を行うことを特徴とする請求項13または請求項14記載の通信方法。
【請求項16】
前記閉塞ステップにおいて、前記検出ステップにて前記通信帯域の減少が検出された時に、優先度の低い多重化グループの回線から閉塞していくことを特徴とする請求項15記載の通信システム。
【請求項17】
前記通信装置は、前記複数の多重化グループ各々に対応する複数の閉塞回路を含み、
前記複数の閉塞回路各々に予め優先順位を設定しておき、前記優先順位にしたがって前記閉塞回路を選択することを特徴とする請求項16記載の通信方法。
【請求項18】
前記伝送路が、IMA[Inverse Multiplexing on ATM(Asynchronous Transfer Mode)]とAMR(Adaptive Multi Rate)とを適用した無線通信を含む通信の通信帯域が変化する伝送路であることを特徴とする請求項13から請求項17のいずれか記載の通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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