説明

通信システムの制御方法、アクセスポイント装置及びその制御方法

【課題】標準プロトコル(DLS手順の一部)を拡張利用することで無線端末装置間の機器通信能力情報(伝送レート、品質等)を自動収集可能とする。
【解決手段】複数の無線端末装置と無線アクセスポイント装置により構成され、無線端末装置間で直接接続通信サービスを実施する機能を有する無線通信システムにおいて、無線アクセスポイント装置は、接続収容を完了した無線端末装置との間に直接接続通信サービスによる無線通信路を確立するための要求メッセージを自立的に送信する。無線端末装置は、この要求メッセージに応じて、直接接続通信サービスによる通信の可否を含む応答メッセージを生成する。無線アクセスポイント装置は、この応答メッセージより直接接続通信サービスにおける通信能力情報を取得し、当該無線端末装置と関連付けてメモリに格納し、無線端末装置の通信能力情報を上記複数の無線端末装置に通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムの制御方法、アクセスポイント装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN装置の規格であるIEEE規格(非特許文献1)に基づく製品が広く使用されている。最近では、無線でデータ伝送を行う通信において、データの内容や用途によって優先順位や帯域保証をするべく、QoS(Qualityof Service)という概念が導入されている。このQoS機能を盛り込んだ無線LANの規格に関しては、2005年11月に標準仕様(非特許文献2)が公開されている。
【0003】
上記標準仕様では、QoSに基づくデータ伝送を端末装置間で直接に実行する方法としてDLS(Direct Link Set-up)が規定されている。DLSは、同じアクセスポイント装置に接続している端末装置同士が当該アクセスポイント装置の仲介によって相互にDLS要求とDLS応答をやり取りし、端末装置が自ら端末間の直接通信を設定し、端末間のデータ伝送を行う方式である。
【0004】
このようなDLS方式では次のような手順が実行される。まず、DLS通信を実施しようとする端末装置は、DLS通信が必要になった時に、アクセスポイント装置経由でDLS通信したい相手側の端末装置に接続要求を送信する。そして、直接通信が可能な旨を含む接続応答が相手側の端末装置よりアクセスポイント装置経由で返信された場合、当該端末装置は、アクセスポイント装置からのトリガにより相手側の端末装置と直接にデータ転送を開始する。また、様々な周辺機器用インターフェースを備えた無線LAN装置(以下、通信アダプタという)をアクセスポイント装置に接続収容し、それぞれの通信アダプタ間で上記のDLS通信のような直接通信をサポートするシステムも提案されている。
【0005】
一般に、このようなシステムでは、異なる通信アダプタに接続される周辺デバイス間で直接通信を実現するために、予め双方の無線通信能力等の各種情報が収集、管理される。そして、通信要求の発生時に好適な接続が可能か否かをユーザが判断可能なように通知するように構成される。
【0006】
上述のような双方の端末装置間において好適な通信能力を判断する方法が特許文献1に記載されている。特許文献1の発明は、
・アプリケーションレイヤ品質等の品質状態を判定し、
・ユーザの状態管理テーブルの品質状態領域にそれを記述し、
・更に、ユーザ局/システムIDが同一となるユーザ毎に上記品質状態領域のデータを集計してユーザ局/システムとしての状態を推定して、通信能力を判断する。特許文献1は、上記のような方法によって最高の配送品質を得られるコンテンツサーバを選択してユーザをナビゲートすることを目的としている。
【0007】
また、特許文献2では、セットトップボックス(以下、STB(Set top Box))が、IPネットワークを介して、配信サーバからストリーミング配信されるコンテンツデータを受信し、TV受像機において出力させる配信システムが記載されている。特許文献2のSTBは、コンテンツデータを受信する際のビットレートを測定し、コンテンツデータをもとにTV受像機の画面にコンテンツを表示すると共に測定された結果を表示させる。特許文献2は、受信ビットレート測定を実行し、この結果を用いてネットワークの状況に応じた配信ビットレートの選択をクライアント側で実行することを可能とするストリーミング配信システム、方法、プログラム、及びSTBを提供する。
【0008】
特許文献3では、衝突検出型のネットワークシステムを構成するネットワーク機器が、主に通信部の機能により、ネットワークの接続やネットワーク上に送出されるパケット量等のネットワークの状態に起因した種々の異常の発生を検出する。そして、そのネットワーク機器の制御部は、適正な通信ができないと判別した場合に、通信部を通じて検出した異常に関連する事象の検出状態を表示部に表示して、ユーザに通知する。特許文献3は、ネットワークの状態に起因して発生した複数の異常を異常毎に確実に検知してユーザに通知することにより、機器の故障と混同することなく、適切な対応を迅速に取ることができるようにする装置、方法を提供する。
【特許文献1】特開2004−048565号公報
【特許文献2】特開2004−289628号公報
【特許文献3】特開2005−124057号公報
【非特許文献1】IEEE Std 802.11-1999
【非特許文献2】IEEEStd802.11e/2005
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
端末装置による無線通信の伝送レートは、周囲の環境、壁や室内のパーティション類等の遮蔽物によって、すなわち送受信状態によって大きく左右される。よって、端末装置の配置位置には、「最適な位置」が存在する。例えば、無線動画伝送において最大伝送速度が安定的に記録されるような端末装置の位置は、「最適な位置」である。しかしながら、複数の端末装置間で直接通信を行う通信システムにおいて、端末装置間の通信速度を考慮した場合、システム内の最適な位置に端末装置を配置するには、以下の手順が必要である。すなわち、アクセスポイント装置へ端末装置を接続収容した後、アクセスポイント装置または端末装置の主導のもと、端末装置間におけるデータ通信の伝達能力に関する情報収集処理が必要となる。これを実現する場合、アクセスポイント装置または複数の端末装置内部に通信試験用の特別なプログラムが追加実装されなけばならず、実装に費やされる工数等の増加による製品コストの上昇が懸念される。
【0010】
また、複数の端末装置間で実施される直接通信試験の通信結果が収集できたとしても、それらが実際にユーザに公開されなければ、最適な配置を実施することが不可能となる。
【0011】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、標準プロトコル(DLS手順の一部)を拡張利用することで端末装置間の機器通信能力情報(伝送レート、品質等)を自動収集可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の一態様による通信システムの制御方法は、
複数の端末装置と、前記複数の端末装置を接続収容して無線サービスエリアを形成するアクセスポイント装置により構成され、前記端末装置間で直接的な通信路を確立する直接接続通信サービスを実施する機能を有する通信システムの制御方法であって、
前記アクセスポイント装置が、前記直接接続通信サービスによる通信路を確立するための要求メッセージを自立的に送信する工程と、
前記端末装置が、前記要求メッセージに応じて、前記直接接続通信サービスによる通信の可否と通信方向を含む応答メッセージを送信する工程と、
前記アクセスポイント装置が、前記応答メッセージより前記直接接続通信サービスによる通信の可否と通信方向を含む通信能力情報を取得し、前記端末装置と関連付けてメモリに格納する工程と、
前記メモリに格納された端末装置の通信能力情報を、前記複数の端末装置に通知する工程とを備える。
【発明の効果】
【0013】
通信試験用の手順に関するプログラムの実装において、標準プロトコル(DLS手順の一部)の拡張利用のため新たなプログラムの追加が最小限に抑制され開発効率が向上する。
【0014】
また、機器通信能力情報(伝送レート、品質等)を自動収集し、UIの優れたユーザの操作可能なディスプレイに個々の通信結果を表示可能とすることにより、接続を希望する機器の選択操作が簡易になる。また、実際の通信結果をもとに機器の設置場所の調整が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0016】
<第1実施形態>
本実施形態の無線端末装置(アダプタ型/POD型)や無線アクセスポイント装置により構成される無線通信システムの通信制御方法について、添付の図面を用いて説明する。
【0017】
以下、IEEE802.11eで検討中のQoS機能をサポートする無線端末装置(アダプタ型/POD型)と無線アクセスポイント装置を用いて構成された無線通信システムの場合を例に挙げて説明する。また、以下で述べる無線通信は、IEEE802.11a/b/g規格に対応した無線LAN方式にIEEE802.11eのQoS機能を追加した無線LANであるとして説明する。
【0018】
図1は、第1実施形態に係る無線端末装置(アダプタ型/PDA型)を利用した無線通信のシステム構成例を示す図である。アダプタ型の無線端末装置には外部デバイスが接続される。図1において、無線端末装置101(アダプタ型)は、IEEE1394インターフェース114を用いてチューナ107と接続される。無線端末装置102(アダプタ型)は、有線LANケーブル115を用いてハードディスクレコーダ108と接続される。また、無線端末装置103(アダプタ型)は、USBケーブル116を用いてデジタルビデオカメラ109と接続される。無線端末装置104(アダプタ型)は、IEEE1394インターフェース114を用いて液晶テレビ110と接続される。また、無線端末装置105(アダプタ型)は、有線LANケーブル115を用いてノートパソコン111と接続される。PDA型(personaldigitalassistant)の無線端末装置117は、インターフェースを介して周辺機器と接続されるものではなく、無線端末装置自身に外部デバイスが組み込まれている。以下、外部デバイスを入出力デバイスというが、これは出力機能を持つデバイス、入力機能を持つデバイス及び入出力機能を持つデバイスを総称したものである。無線アクセスポイント装置106は、そのグローバル側がインターネットやイントラネットに接続され、そのローカル側は無線サービスエリア内の無線端末装置101〜105、117を接続収容するQoS対応のアクセスポイントである。
【0019】
112は放送用受信アンテナであり、113は分波器であり、放送用受信アンテナ112より受信した放送用信号をチューナ107とハードディスクレコーダ108にそれぞれ分配して送信する。
【0020】
以上のように、本実施形態の無線通信システムは、アダプタ型の無線端末装置101〜105やPDA型の無線端末装置117と、それら無線端末装置を接続収容して無線サービスエリアを形成する無線アクセスポイント装置106により構成される。また、本例では、アダプタ型の無線端末装置101〜105には、それぞれチューナ107、ハードディスクレコーダ108、デジタルビデオカメラ109、液晶テレビ110、ノートパソコン111が接続されている。なお、チューナ107、ハードディスクレコーダ108、デジタルビデオカメラ109、液晶テレビ110、ノートパソコン111等、アダプタ型の無線端末装置101〜105と接続可能なデバイスを入出力デバイスという。
【0021】
無線アクセスポイント装置106は、
・無線端末装置101〜105、117からの無線伝送帯域の割り当て要求に対して無線サービスエリア内のQoSを考慮した伝送帯域の割当てに関するスケジューリングを実施する機能と、
・無線端末装置101〜105、117から、任意の無線端末装置間における直接的な無線通信路の確立要求を受信した際に、それら無線端末装置間の通信路を確立する直接接続通信サービスを実施する機能とを備える。
【0022】
なお、直接接続通信サービス(ダイレクトリンクサービス)においては、以下の手順が実行される。
(1)まず、無線アクセスポイント装置106が、無線端末装置101〜105、117のそれぞれに対して接続収容処理であるアソシエーション処理を完了させる。
(2)そして、アソシエーション処理が完了した後、DLS通信の手順の一部を用いて無線端末装置101〜105、117のそれぞれの通信能力を収集する。
(3)その後、収集した情報をシステム内に接続収容中の無線端末装置101〜105と無線端末装置117のそれぞれに送信する。
【0023】
図2は、本実施形態に係る、アダプタ型の無線端末装置101〜105の制御構成例を示す図である。図2において、システム制御部202は、当該無線端末装置の全体を制御する。アプリケーション203は、入出力デバイスが接続された際にそれぞれのデバイスに応じて使用選択されるアプリケーションプログラムである。また、プロトコル処理部204は、RTP/RTCPのようなセッション層であり、QoSプロトコル処理を実現する。データ処理部205は、TCP/UDP/IPのようなネットワーク・プロトコルデータ処理部である。無線LAN制御部206は、無線LANによる通信を制御する。アンテナ207は、無線LAN制御部206に接続され、他の無線端末装置との間のデータの送受信を実現する。
【0024】
IEEE1394制御部209は、IEEE1394インターフェース114を介して例えばチューナ107や液晶テレビ110を接続する。USB制御部210は、USBケーブル116を介して、例えばデジタルビデオカメラ109を接続する。Ether制御部211は、有線LANケーブル115を介してハードディスクレコーダ108やノートパソコン111を接続する。記憶部208は、システム制御部202、アプリケーション203、プロトコル処理部204、データ処理部205、各インターフェース制御部206、209,210,211によって使用される記憶領域を提供する。
【0025】
なお、上述した機能の一部或いは全てが、無線端末装置101〜105全体を制御する不図示の中央処理装置(CPU)上で所定の制御プログラムを実行することにより実現されても良い。この場合、システム制御部202、アプリケーション203、プロトコル処理部204、データ処理部205、インターフェース制御部(206、209,210,211)の各ソフト機能ブロックはプログラムやパラメータとしてROM(不図示)に格納される。また、場合によっては、ROMなどから展開されたプログラムやデータは記憶部208を構成するRAMに一時記憶され、CPUにより実行される。なお、ROMはRead Only Memoryであり、RAMはRandom Access Memoryである。オペレーティングシステム(以下、OS201)は、ROM,RAM,CPUをソフト管理する。
【0026】
図3は、本実施形態に係るPDA型の無線端末装置117の制御構成例を示す図である。図3において、図2と同様の構成には同一の参照番号を付してある。PDA型の無線端末装置117に特有の構成について、以下説明する。画像出力制御部301は、他の端末装置から受信した受信データや、自端末内部で生成された制御情報などを画像データに変換し、液晶表示部303に表示させる。入力検出部302は、各種スイッチ等で構成される入力部304からの入力操作を検出する。
【0027】
図4は、第1実施形態における各デバイスおよび装置間のメッセージ送受信処理を説明するシーケンスチャートである。図4は、送信側デバイスとしてのチューナ107とこれに接続される無線端末装置101、無線アクセスポイント装置106、受信側デバイスとしての液晶テレビ110とこれに接続される無線端末装置104の間のメッセージ送受信処理を詳細に示している。なお、図4に示されるシーケンスチャート内のメッセージは、実施形態に関する主なもののみを明記してあり、その他基本的なメッセージは省略されている。
【0028】
図5は、第1実施形態における無線アクセスポイント装置106がシステム内に収容した無線端末装置の通信能力情報を収集して得た情報収集管理テーブルの一例を示す図である。図5において、アダプタID501は、各無線端末装置の識別情報を示す。なお、アダプタIDのSTA1〜SAT6は、それぞれ無線端末装置101〜105,117に対応しているものとする。MACアドレス502は、各無線端末装置のMACアドレスを示す。最大レート503は、各無線端末装置の無線通信における提供可能な最大通信速度を示す。DLS機能504は、各無線端末装置との間で実施したDLS手順の確立結果を示す。I/O種別505は、各無線端末装置の入出力の方向を示す。
【0029】
図6は、第1実施形態におけるシステム内の各無線端末装置(アダプタ型の無線端末装置101〜105とPDA型の無線端末装置117のそれぞれ)をアイコン化して、通信能力別に液晶テレビ110に表示した表示例を示す図である。矢印(⇒)601は、実際に接続通信試験を実施する前の無線端末装置101から無線端末装置104への通信結果を表している。同様に、矢印602は、通信試験の実施前の無線端末装置102から無線端末装置104への通信結果を、また矢印603は、通信試験の実施前の無線端末装置103から無線端末装置104への通信結果を表示している。
【0030】
図7は、第1実施形態における直接接続通信試験における通信例を説明した図である。図7では以下の工程が示されている。すなわち、
(1)無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101〜105、117のそれぞれに対して接続収容処理であるアソシエーション処理を完了させる。
(2)その後、無線アクセスポイント装置106は、DLS通信の手順の一部を用いてアダプタ型の無線端末装置について、
無線端末装置101⇒無線端末装置104、
無線端末装置102⇒無線端末装置104、
無線端末装置103⇒無線端末装置104、
のそれぞれの通信試験を実施して通信スループット等の伝送能力情報を収集する。
(3)その後、収集した情報をシステム内に接続収容中の無線端末装置101〜105、117のそれぞれに送信する。
【0031】
図8は、第1実施形態における各入出力デバイスおよび無線端末装置間のメッセージ送受信処理を説明するシーケンスチャートである。図8では、チューナ107とこれに接続される無線端末装置101、無線アクセスポイント装置106、液晶テレビ110とこれに接続される無線端末装置104間の直接接続通信試験に関するメッセージ送受信処理が示されている。なお、チューナ107は送信側デバイスを、液晶テレビ110は受信側デバイスをそれぞれ構成する。また、図8のシーケンスチャート内のメッセージは、実施形態に関する主なもののみを明記してあり、その他の基本的なメッセージについては記載を省略してある。
【0032】
図9は、第1実施形態における802.11管理フレームフォーマットの特にDLS通信で使用される設定要求および応答のメッセージフォーマットを解説した図である。図9において、情報要素901は、802.11管理フレームフォーマットの種別(Type:(00)B)を示す。情報要素902は、サブタイプ種別(Subtype:ACTION(1101))を示す。情報要素903は、DLS要求メッセージのカテゴリ(Category:DLS(2))を示す。情報要素904は、メッセージの種別(要求:(0))を示す。情報要素905は、直接通信を実施する送信先の無線端末のMACアドレスを示す。情報要素906は、直接通信を実施する送信元の無線端末のMACアドレスを示す。情報要素907は、直接通信を実施する際の通信開始待ち時間を設定するタイムアウト値である。例えば、情報要素907のパラメータが“0”に設定されたDLS設定要求メッセージを受信した場合には、能動的にDLS停止メッセージを送信するかまたは、相手端末から受信するまで直接接続状態を保持する。
【0033】
情報要素908は、メッセージの種別(応答:(1))を示す。情報要素909は、被DLS要求側の無線端末装置がDLS設定要求に対するDLS応答メッセージに含めるステータス情報を示す。情報要素910は、メッセージの種別(停止:(2))を示す。情報要素911には、DLS通信を停止する理由がコーディングされる。
【0034】
図10は、第1実施形態における送信側デバイスとしての無線端末装置101における送信フレームの処理フローを説明する図である。図10において、DEV側メモリ制御処理部1001は、IEEE1394制御部209に接続されたチューナ107から受信したデータを記憶部208にあるデコード用バッファ(Dbuf)に書き込む。RTP処理部1003は、チューナ107がRTP機能をサポートしていない場合に、記憶部208に格納されたデータに対してRTPヘッダの付加を実施する。UDP処理部1004は、トランスポート層プロトコルの処理を実施する。IP処理部1005は、ネットワーク層プロトコルの処理を実施する。NET側メモリ制御処理部1002は、RTP処理部1003、UDP処理部1004、IP処理部1005を経て各処理において付加されたヘッダ部により構成されたデータを、記憶部208の送信用メモリバッファ(mbuf)に書き込む制御を実施する。IEEE802.3変換処理部1006は、送信用メモリバッファ(mbuf)にある送信データを無線LAN制御部206に送信する。
【0035】
1007は、RTP処理部1003でRTPヘッダを付加したRTP送信処理フレームを示す。1008は、RTP送信処理フレーム1007にUDP処理部1004でUDPヘッダを付加したUDP送信処理フレームを示す。1009は、UDP送信処理フレーム1008にIP処理部1005でIPヘッダを付加したIP送信処理フレームを示す。1010は、IP送信処理フレーム1009にIEEE802.3変換処理部1006で802.3ヘッダを付加したIEEE802.3送信処理フレームを示す。
【0036】
図11は、第1実施形態における受信側デバイスとしての無線端末装置104における受信フレームの処理フローを解説した図である。図11において、1101は、無線LAN制御部206から受信したIEEE802.11無線データをIEEE802.3変換処理部1006で802.3ヘッダに変換したIEEE802.3受信処理フレームを示す。NET側メモリ制御処理部1002は、IEEE802.3受信処理フレーム1101を記憶部208にある受信用バッファメモリ(mbuf)に書き込む。1102は、受信用バッファメモリ(mbuf)にあるIEEE802.3受信処理フレーム1101の802.3ヘッダをIEEE802.3変換処理部1006で除去したIP受信処理フレームを示す。1103は、IP受信処理フレーム1102のIPヘッダをIP処理部1005で除去したUDP受信処理フレームを示す。1104は、UDP受信処理フレーム1103のUDPヘッダをUDP処理部1004で除去したRTP受信処理フレームを示す。
【0037】
図12は、第1実施形態におけるアダプタ型の無線端末装置101〜105に接続される入出力デバイスによる処理を示すフローチャートである。
【0038】
図13は、第1実施形態におけるアダプタ型の無線端末装置101〜105による制御処理を示すフローチャートである。
【0039】
図14は、第1実施形態における無線アクセスポイント装置106の初期設定制御処理を示すフローチャートである。
【0040】
図15は、第1実施形態における無線アクセスポイント装置106の通信試験制御処理を示すフローチャートである。
【0041】
図16は、第1実施形態におけるシステム内のアダプタ型の無線端末装置101〜105とPDA型の無線端末装置117のそれぞれをアイコン化して接続通信試験実施後の通信結果を液晶テレビ110に表示した表示例である。図16において、矢印(⇒)1601は、実際に接続通信試験を実施後の無線端末装置101から無線端末装置104への通信結果を表示したものである。同様に、矢印1602は、通信試験の実施後の無線端末装置102から無線端末装置104への通信結果を、矢印1603は、通信試験の実施後の無線端末装置103から無線端末装置104への通信結果を表示したものである。
【0042】
以下、上述した各図を用いて、無線端末装置101〜105、117や無線アクセスポイント装置106により構成される本実施形態の無線通信システムにおける、端末間直接通信の接続設定手順を利用した端末情報管理機能について説明する。
【0043】
アダプタ型の無線端末装置101に接続されている入出力デバイスであるチューナ107は、本体の電源起動操作などによりシステムの起動を確認すると、処理をステップS1201からステップS12102に進める。ステップS1202においてチューナ107は本体の初期化処理を実行する。そして、ステップS1203において、チューナ107は、無線端末装置101との接続処理を実施する。無線端末装置101との間でIEEE1394接続シーケンス処理403を完了すると、処理はステップS1204からステップS1205へ進む。ステップS1205において、チューナ107は起動状態となり、無線端末装置101からのメッセージ、例えばシステム内に接続収容される全ての無線端末装置に関する装置別通信能力情報、の受信を待つ。
【0044】
一方、無線端末装置101は、無線アクセスポイント装置106のサービスエリア内に設置されるか、または無線端末装置101の電源がONされると、無線アクセスポイント装置106との間でのアソシエーション処理401を起動する。アソシエーション処理401が完了すると、処理はステップS1301からステップS1302に進む。ステップS1302において、無線端末装置101は、IEEE1394インターフェース114を介して接続されるチューナ107とのIEEE1394接続シーケンス処理403が完了したか否かを判定する。チューナ107とのIEEE1394接続シーケンス処理403が未完了の場合には、処理はステップS1302からステップS1303へ進む。ステップS1303において、無線端末装置101は、チューナ107とのIEEE1394接続シーケンス処理403を実施する。そして、IEEE1394接続シーケンス処理403が完了すると、処理はステップS1304からステップS1305へ進み、無線端末装置101は通信中状態に遷移する。なお、ステップS1302においてチューナ107とのIEEE1394接続シーケンス処理403が完了済みであった場合は、処理はステップS1302からステップS1305へ進み、無線端末装置101は直ちに通信中状態に遷移する。
【0045】
無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101との間で、無線端末装置特有の接続収容処理であるアソシエーション処理401を実行する。アソシエーション処理401が完了すると、処理はステップS1401からステップS1402に進む。ステップS1402において、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101およびこれに接続されているチューナ107のデバイス情報を収集するために、DLS要求メッセージ405を自立的に生成し、無線端末装置101に対して送信する。なお、DLS要求メッセージ405は、DLS手順で使用される規格上では任意の無線端末装置から起動されるものである。この時、DLS要求メッセージ405に含まれる送信先端末アドレスには無線端末装置101のMACアドレスが、また、送信元端末アドレスには無線アクセスポイント装置106のMACアドレスがコーディングされている。従って、このDLS要求メッセージ405により図4に示される出力確認シーケンス451が開始される。また、ステップS1402において、無線アクセスポイント装置106は、上記DLS要求メッセージの送信処理と同時にDLS応答メッセージの応答受信タイマを起動する。
【0046】
ステップS1403において、無線アクセスポイント装置106は、DLS要求メッセージ405に対する応答メッセージであるDLS応答メッセージ406の受信を確認する。DLS応答メッセージ406の受信を確認できない場合、処理はステップS1403からステップS1409へ進み、無線アクセスポイント装置106は、応答タイマのタイムアウトを確認する。ステップS1409において、応答タイマがタイムアウトしていなければ、ステップS1403に処理が戻り、DLS応答メッセージ406の受信確認を継続する。
【0047】
通信中状態にある無線端末装置101は、上記DLS要求メッセージ405を無線アクセスポイント装置106から受信すると、イベントが発生したとして処理をステップS1305からステップS1306へ進める。この場合、無線端末装置101は一般的なDLS要求メッセージを受信しているので、処理をステップS1311、ステップS1316へと進める。ステップS1316において無線端末装置101は、通常のDLS処理を実行する。すなわち、無線端末装置101は、DLS通信が可能か否かを示すステータスコード(情報要素909)とサポート可能な通信レート情報をフレームフォーマットに含んだDLS応答メッセージ406を無線アクセスポイント装置106に返信する。なお、サポート可能な通信レート情報は、例えばIEEE 802.11規格で規定されている通信レートであり、DLS応答メッセージの情報要素912に保持される。そして、処理を、次のイベントの発生待ち状態であるステップS1305に戻す。
【0048】
この時、DLS応答メッセージ406に含まれる送信元端末アドレス(情報要素906)には無線アクセスポイント装置106のMACアドレスがコーディングされる。また、送信先端末アドレス(情報要素905)には、無線端末装置101のMACアドレスがコーディングされる。無線端末装置101は、チューナ107を接続しており、送信元端末としての機能のみをサポートしているものとすると、DLS応答メッセージ406の情報要素909にはこの方向でのDLS通信不可であることが記述される。すなわち、上述したDLS要求メッセージ405及びDLS応答メッセージ406には、直接接続通信サービス(DLS)における通信方向の情報が含まれている。
【0049】
また、無線アクセスポイント装置106では、応答タイマがタイムアウトするまでに上記DLS応答メッセージ406の受信を確認すると、処理をステップS1403からステップS1404へ進める。ステップS1404において、無線アクセスポイント装置106は、DLS応答メッセージ406に含まれるDLS通信の可否情報がコーディングされたステータスコード(情報要素909)を確認する(ステップS1404)。
【0050】
ステップS1404においてDLS通信が可能であると判断されると、処理はステップS1405へ進む。ステップS1405において、無線アクセスポイント装置106は、情報収集管理テーブル500(図5)のDLS通信機能の実装の有無を表すフラグ(DLS機能504)をON(○)にし、データ入力フラグをON(○)にする。そして、ステップS1406において、無線端末装置101に関する通信能力情報(サポート可能な通信レートや、入出力)を情報収集管理テーブル500のI/O種別505および最大レート503の各種情報に登録する。そして、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101に対してDLS停止メッセージ409を送信する。
【0051】
また、ステップS1404で、DLS応答メッセージ406に含まれるDLS通信の可否情報がコーディングされたステータスコードを含む情報要素909が、DLS通信が不可能であることを示す場合、処理はステップS1410へ進む。ステップS1410において無線アクセスポイント装置106は、情報収集管理テーブル500のDLS通信機能の実装フラグ(DLS機能504)をOFF(×)にする。同様に、ステップS1409において応答タイマのタイムアップが検出された場合も、処理はステップS1410に進み、情報収集管理テーブル500のDLS通信機能の実装フラグ(DLS機能504)をOFF(×)にする。その後、ステップS1406において、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101に関する装置別通信能力情報(サポート可能な通信レート情報)を情報収集管理テーブル500に登録する。すなわち、無線端末装置別のI/O種別505および最大レート503の各種情報が登録される。そして、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101に対してDLS停止メッセージ409を送信する。なお、応答タイマのタイムアップ検出によりステップS1406が実行された場合は、該当する欄に「不明」が記録されることになる。
【0052】
上記の例では、DLS応答メッセージ406の情報要素909がDLS通信不可となっているので、ステップS1410において、DLS通信の実装フラグと出力フラグがOFFにセットされる。
【0053】
引き続き、無線アクセスポイント装置106は、ステップS1407において、無線端末装置101との間で実施されたDLS通信の送受信処理の確認を行い、入力確認を実施済みか否かを判定する。入力確認が未実施であれば、処理はステップS1407からステップS1411に進む。ステップS1411において、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101の入力機能の確認をするために、DLS要求メッセージ411を新たに生成し、これを無線端末装置101に対して送信する。このDLS要求メッセージは、DLS手順で使用される規格上では任意の無線端末装置から起動されるものである。このとき、DLS要求メッセージ411に含まれる送信先端末アドレスには無線アクセスポイント装置106のMACアドレスが、送信元端末アドレスには無線端末装置101のMACアドレスがコーディングされる。このDLS要求メッセージ411により、図4に示される入力確認シーケンス452が開始される。
【0054】
無線アクセスポイント装置106は、上記のDLS要求メッセージ411を送信した後に、DLS応答メッセージの応答受信タイマを起動する。そして、処理をステップS1403に戻す。
【0055】
ステップS1403において、無線アクセスポイント装置106は、DLS要求メッセージ411に対するDLS応答メッセージ412の受信を確認する。ステップS1403においてDLS応答メッセージ412の受信を確認できない場合、処理はステップS1409に進む。ステップS1409において、無線アクセスポイント装置106は、応答タイマのタイムアウトを確認する。応答タイマがタイムアウトしていなければ、処理はステップS1403に戻り、無線アクセスポイント装置106はDLS応答メッセージ412の受信確認を継続する。
【0056】
一方、通信中状態にある無線端末装置101では、DLS要求メッセージ411を無線アクセスポイント装置106から受信すると、イベントが発生したとして、処理をステップS1305からステップS1306へ進める。一般的なDLS要求メッセージを受信しているので、DLS通信の出力機能確認時と同様に、処理は、ステップS1311を経てステップS1316へ進む。ステップS1316において、無線端末装置101は、通常のDLS処理を実行する。すなわち、無線端末装置101は、DLS通信可能か否かを示すステータスコード(情報要素909)とサポート可能な通信レート情報をフレームフォーマットに含んだDLS応答メッセージ412を無線アクセスポイント装置106に返信する。そして、次のイベント発生を待つべくステップS1305に戻る。このとき、DLS応答メッセージ412に含まれる送信元端末アドレス(情報要素906)には無線端末装置101のMACアドレスがコーディングされる。また、送信先端末アドレス(情報要素905)には無線アクセスポイント装置106のMACアドレスがコーディングされる。また、DLS応答メッセージ412の情報要素909には、DLS応答可能な旨の記述がなされる。従って、上述したDLS要求メッセージ411及びDLS応答メッセージ412には、直接接続通信サービス(DLS)における通信方向の情報が含まれている。
【0057】
無線アクセスポイント装置106は、ステップS1403において装置別通信能力情報を含んだ上記DLS応答メッセージ412を受信すると、処理をステップS1404に進める。ステップS1404において、無線アクセスポイント装置106は、DLS応答メッセージ412に含まれるDLS通信の可否情報がコーディングされたステータスコード(情報要素909)を確認する。そして、DLS通信が可能であると判断されると、処理はステップS1405へ進む。ステップS1405において、無線アクセスポイント装置106は、情報収集管理テーブル500のDLS通信機能の実装フラグ(E604)をON(○)にし、データ出力フラグをON(○)にする*。
【0058】
次に、無線端末装置101に関する通信能力情報(サポート可能な通信レート情報)を情報収集管理テーブル500のI/O種別505および最大レート503に登録し、無線端末装置101に対してDLS停止メッセージ415を送信する。
【0059】
一方、ステップS1404において、DLS応答メッセージ412に含まれるDLS通信の可否情報がコーディングされたステータスコード(情報要素909)がDLS通信が不可能であると判断された場合、処理はステップS1410に進む。ステップS1410において、無線アクセスポイント装置106は、情報収集管理テーブル500の該当する無線端末装置のデータ入力フラグをOFFにする。なお、入力確認シーケンスでは、ステップS1410においてDLS通信機能の実装フラグは変更しない。従って、出力確認シーケンス或いは入力確認シーケンスのいずれかDLS通信が可能と判定されれば、DLS通信機能の実装フラグはONとなる。
【0060】
上記の例では、DLS応答メッセージ406の情報要素909がDLS通信可となっているので、ステップS1410において、DLS通信の実装フラグと出力フラグがONにセットされる。
【0061】
同様に、前記応答タイマの確認ステップS1409において応答受信タイマが満了した場合、処理はステップS1409からステップS1410に進む。ステップS1410において、無線アクセスポイント装置106は、情報収集管理テーブル500のDLS通信機能の実装フラグ(DLS機能504)をOFF(×)にする。そして、ステップS1406において、無線端末装置101に関する装置別通信能力情報(サポート可能な通信レート情報)が、情報収集管理テーブル500のI/O種別505および最大レート503の各情報として登録される。そして、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101に対してDLS停止メッセージ415を送信する。なお、応答タイマのタイムアップ検出によりステップS1406が実行された場合は、不明が登録される。
【0062】
以上の処理により、情報収集管理テーブル500のアダプタID「STA1」に、図5に示されるような情報が登録されることになる。
【0063】
その後、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101との間で実施されたDLS通信の送受信処理の確認を行い、入力機能確認、出力機能確認が実施済みであれば、処理をステップS1408に進める。ステップS1408において、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101以外の接続収容されている無線端末装置の存在を確認する。
【0064】
上記の入出力機能確認が未実施の、アソシエーション処理が実行された無線端末装置が存在する場合には、その無線端末装置について上記処理を実行するべく処理をステップS1401に戻す。本実施形態では、アソシエーション処理が実行された無線端末装置として、無線端末装置102、103、105,117が存在し、これらに対してステップS1401〜S1411の情報収集処理が繰り返される。この様子は図4の処理417に示されている。なお、無線端末装置102,103,105にはそれぞれハードディスクレコーダ108、デジタルビデオカメラ109、ノートパソコン111が接続されている。
【0065】
以上のステップS1401〜S1411に示すDLS通信の入出力機能の確認処理を含む装置別通信能力情報の収集処理(処理417)がアソシエーション状態にある接続収容中の全ての無線端末装置に対して完了すると、処理はステップS1412に進む。ステップS1412において、無線アクセスポイント装置106は、システム内に接続収容中の全ての無線端末装置に関する通信能力情報を含む種別情報メッセージ418,420を接続収容中の全ての無線端末装置に送信する。なお、種別情報メッセージには、上述した情報収集管理テーブル500が含まれる。また、同様に、無線端末装置102,103,105,117に対しても上記の種別情報メッセージが送信される。この様子は図4の処理422に示されている。
【0066】
種別情報メッセージ418を受信した無線端末装置101は、イベントが発生したとして処理をステップS1306へ進める。この場合、受信したメッセージは種別情報メッセージであり、DLS要求メッセージではなく、また、試験データ測定とも無関係である。従って、処理はステップS1306、ステップS1307でNOへ分岐し、ステップS1308へ進む。種別情報メッセージは端末関連情報であるので、処理はステップS1308でYESに分岐し、ステップS1309へと進む。
【0067】
ステップS1309において、無線アクセスポイント装置106は、システム内に接続収容中の全ての無線端末装置に関するシステム端末情報メッセージ419をIEEE1394インターフェース114を介して、チューナ107に送信する。ここで、システム端末情報は情報収集管理テーブル500を含む。なお、ステップS1308で、受信した情報が端末関連情報でないと判定された場合、処理はステップS1310へ進み、無線アクセスポイント装置106は、受信メッセージに対応する処理を実施する。
【0068】
起動中となっているチューナ107は、無線アクセスポイント装置106から上述のシステム端末情報メッセージ419を受信すると、処理をステップS1205からステップS1206へ進める。システム端末情報はシステム関連情報であるため、処理はステップS1206からステップS1207へ進む。ステップS1207において、チューナ107は、記憶部に新たに受信されたシステム端末情報(すなわち情報収集管理テーブル500)を格納することにより、システム端末情報を更新する。そして、ステップS1208において、当該接続デバイスはチューナ107であり、出力不可であるため、処理はステップS1205に戻り、上記処理を繰り返す。
【0069】
次に、無線端末装置104に対する無線アクセスポイント装置106の情報収集処理(ステップS1401〜S1412)について説明する。
【0070】
無線端末装置104に接続されている入出力デバイスであるところの液晶テレビ110は、本体の電源起動操作などによりシステムの起動を確認すると、処理をステップS1202に進める。ステップS1202において、液晶テレビ110は、本体の初期化処理を行い、ステップS1203において、無線端末装置104との接続処理(IEEE1394接続シーケンス処理(404))を実施する。
【0071】
液晶テレビ110は、無線端末装置104との間でIEEE1394接続シーケンス処理(404)を完了すると、処理をステップS1204からステップS1205へ進め、起動状態となる。すなわち、液晶テレビ110は、ステップS1205において、システム内に接続収容される全ての無線端末装置に関する装置別通信能力情報の受信を待つ。
【0072】
一方、無線端末装置104では、無線アクセスポイント装置106のサービスエリア内に設置されるか、または電源投入に応じて、無線アクセスポイント装置106との間のアソシエーション処理402が起動される。無線端末装置104は、無線アクセスポイント装置106とのアソシエーション処理402が完了すると、処理をステップS1301からステップS1302に進める。
【0073】
ステップS1302において、無線端末装置104は、IEEE1394インターフェース114で接続されている液晶テレビ110とのIEEE1394接続シーケンス処理404の完了を判定する。一方、ステップS1302において、液晶テレビ110とのIEEE1394接続シーケンス処理404が未完了と判定された場合、処理はステップS1303へ進む。ステップS1303において、無線端末装置104は、液晶テレビ110とのIEEE1394接続シーケンス処理404を実施する。そして、IEEE1394接続シーケンス処理404が完了すると、処理はステップS1305へ進み、無線端末装置104は、通信中状態に遷移する。一方、ステップS1302において無線端末装置104における液晶テレビ110とのIEEE1394接続シーケンス処理404が完了済みの場合、処理はステップS1302から直接ステップS1305へ進み、無線端末装置104は直ちに通信中状態に遷移する。
【0074】
無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置104との間で、無線端末装置特有の接続収容処理であるアソシエーション処理402を実行し、これが完了すると、処理はステップS1401からステップS1402へ進む。ステップS1402において、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置104および接続されている液晶テレビ110のデバイス情報を収集するために、DLS要求メッセージ407を自立的に生成し、これを無線端末装置104に対して送信する。なお、DLS要求メッセージは、DLS手順で使用される規格上では任意の無線端末装置から起動されるものである。
【0075】
以降の、入出力機能の判定や装置別通信能力情報の収集のためのメッセージシーケンスは、上述した無線アクセスポイント装置106とチューナ107と無線端末装置101におけるメッセージシーケンスと同様である。すなわち、図4の407,408,410,413,414,416の各メッセージは、405,406,409,411,412,415の各メッセージに対応している。そして、上述したチューナ107を液晶テレビ110に、また無線端末装置101を無線端末装置104にそれぞれ読み替えることとし、以下に相違する部分のみ説明する。
【0076】
無線端末装置104は、液晶テレビ110を接続しており、送信先端末としての機能のみをサポートしているものとする。その場合、出力確認シーケンス451におけるDLS応答メッセージ408の情報要素909にはDLS通信可が記述され、入力確認シーケンス450におけるDLS応答メッセージ414の情報要素909にはDLS通信不可が記述される。従って、情報収集管理テーブル500のアダプタID「STA4」には、図5に示されるような情報が登録されることになる。このように、情報収集管理テーブル500には、各無線端末装置と通信能力情報が関連付けて格納されている。
【0077】
液晶テレビ110は、システム内に接続収容中の無線端末装置に関する情報が登録された情報収集管理テーブル500を含む装置別通信能力情報メッセージ421を受信すると、処理をステップS1205→S1206→S1207の順に進める。ステップS1207において、液晶テレビ110は、受信した装置別通信能力情報(情報収集管理テーブル500)を記憶部に格納する。液晶テレビ110は出力可能なので、処理はステップS1208からステップS1209へ進む。ステップS1209において、液晶テレビ110は、上記装置別通信能力情報を解析した後、自身の液晶表示部に装置別の情報をユーザが容易に理解できるような形式で表示する。例えば、図6に示すように、無線端末装置101〜105,117のそれぞれを模式化して表示する。図6の例では、提供可能な通信レート情報に対応した色分けなどを施したBOX図形のアイコンにより各無線端末装置を表示し、DLS通信機能が使用可能か否かを明示的に表示している。
【0078】
以上、端末情報の取得手順について説明した。以下では、無線端末装置101〜105、117や無線アクセスポイント装置106により構成される第1実施形態の無線通信システムの、端末間直接通信の接続設定手順を利用した直接接続通信試験の処理について、図6〜図16を参照して説明する。
【0079】
システム内に収容される複数の無線端末装置間で直接接続通信試験が未だ実施されていない状態で、例えば、液晶テレビ110で入出力機器である無線端末装置の入出力を指定して選択した場合の表示例を図6に示す。上述したように、図6の表示画面において、矢印601,602,603は、直接接続通信試験が未実施であることを示している。また、矢印の方向は、DLS通信における可能な通信の方向を示している。
【0080】
次に、図15のフローチャートを用いて本実施形態による直接接続通信の通信試験手順を説明する
直接接続通信試験が未実施の状況において、無線アクセスポイント装置106は、不定期に、例えば情報収集管理テーブル500を参照する。そして、出力系の無線端末装置(例えば、液晶テレビ110が接続された無線端末装置104)の起動等が確認できた場合、処理をステップS1501からステップS1502に進める。ステップS1502において、無線アクセスポイント装置106は、システム内に接続収容されている無線端末装置間の直接接続通信試験を実施するために、DLS要求メッセージを自立的に生成し、これを試験対象の無線端末装置に送信する。例えば、無線アクセスポイント装置106は、装置別通信能力情報(情報収集管理テーブル500)を参照して、無線端末装置101と無線端末装置104の間の直接接続通信試験を実施するべくDLS要求メッセージ801、803を新たに生成する。そして、生成したこれらのDLS要求メッセージ801,803を無線端末装置104(受信側)および無線端末装置101(送信側)に対してそれぞれ送信する。なお、DLS要求メッセージはDLS手順で使用される規格上では任意の無線端末装置から起動されるものである。DLS要求メッセージ801,803は、通信試験における試験用データの送信元、送信先を示す情報を含む通信試験メッセージである。
【0081】
このとき、DLS要求メッセージ801、803に含まれる送信先端末アドレス(情報要素905)には、無線端末装置104のMACアドレスがコーディングされる。また、送信元端末アドレス(情報要素906)には、例えば無線端末装置101のMACアドレスがコーディングされる。更に、DLSタイムアウト値(情報要素907)には、“0”がコーディングされる。
【0082】
また、ステップS1502において、無線アクセスポイント装置106は、送信処理と同時にDLS応答メッセージの応答受信タイマを起動する。そして、ステップS1503において、無線アクセスポイント装置106は、DLS要求メッセージ801、803の応答メッセージであるDLS応答メッセージ802、804の受信を確認する。無線端末装置101から受信予定のDLS応答メッセージ804の受信を確認できない場合、処理はステップS1510に進む。ステップS1510において、無線アクセスポイント装置106は、応答タイマのタイムアウトを確認する。応答タイマがタイムアウトしていなければ、処理はステップS1503に戻り、DLS要求メッセージ801、803の応答メッセージであるDLS応答メッセージ802、804の受信の確認処理が継続される。
【0083】
一方、通信中状態にある無線端末装置101では、DLS要求メッセージ803を無線アクセスポイント装置106から受信すると、イベント発生の検出により処理がステップS1305からステップS1306へ進む。この場合のイベントはDLS要求メッセージの受信であるので、処理は更にステップS1306からステップS1311へ進む。そして、ステップS1311において、無線端末装置101は、当該DLS要求メッセージが試験開始要求か否かを判定する。本実施形態では、DLS要求メッセージに含まれるDLSタイムアウト値(情報要素907)が“0”にコーディングされていた場合、当該DLS要求メッセージは試験用のDLS設定メッセージであると判定される。本例において、DLS要求メッセージ803のDLSタイムアウト値(情報要素907)は“0”であるので、無線端末装置101は、DLS要求メッセージ803が試験用のDLS設定メッセージであると判断し、処理をステップS1312へ進める。
【0084】
ステップS1312において、無線端末装置101は、DLS要求メッセージ803に含まれる送信先端末アドレス(情報要素905)および送信元端末アドレス(情報要素906)と自身のMACアドレスとを比較して送受信端末指定を確認する。DLS要求メッセージ803において、送信元端末アドレスには無線端末装置101のMACアドレスがコーディングされていることから、無線端末装置101は自身が送信端末に指定されていることを認識し、処理をステップS1313へ進める。ステップS1313において、無線端末装置101は、直接接続通信試験用データを生成し送信準備を行う。そして、ステップS1314において、無線端末装置101は、DLS応答メッセージ804を無線アクセスポイント装置106に返信する。DLS応答メッセージ804は、直接接続通信試験用データの送信処理起動OK/NGを含むステータスコード(情報要素909)とサポート可能な通信レート情報をフレームフォーマットに含んでいる。なお、DLS応答メッセージ804の送信元端末アドレス(情報要素906)には無線端末装置101のMACアドレスが、送信先端末アドレス(情報要素905)には無線端末装置104のMACアドレスがコーディングされている。そして、以降、無線アクセスポイント装置106のポーリングにより直接接続通信試験用データを送信する。
【0085】
この後、無線端末装置101は、接続通信試験データの測定完了イベントであるDLS停止メッセージの待ち状態に遷移するためにステップS1305に処理を進める。
【0086】
一方、通信中状態にある無線端末装置104では、DLS要求メッセージ801を無線アクセスポイント装置106から受信すると、イベント発生の検出により処理がステップS1306に進む。また、当該イベントはDLS要求メッセージの受信であるので、処理はステップS1311へ進む。ステップS1311において、無線端末装置104は、DLS試験用のメッセージであるか否かを判定する。上述したように、DLS要求メッセージ801に含まれるDLSタイムアウト値(情報要素907)が“0”にコーディングされているので、試験用のDLS設定メッセージであると判定される。従って、処理はステップS1311からステップS1312へ進む。
【0087】
ステップS1312において、無線端末装置104は、DLS要求メッセージ801に含まれる送信先端末アドレス(情報要素905)および送信元端末アドレス(情報要素906)と自身のMACアドレスと比較して送受信端末指定を確認する。本例の場合、送信先端末アドレス(情報要素905)に無線端末装置104のMACアドレスがコーディングされている。従って、無線端末装置104は送信端末ではないと判定され、処理はステップS1315へ進む。ステップS1315において無線端末装置104は、直接接続通信試験用データの受信準備を実施し、DLS応答メッセージ802を無線アクセスポイント装置106に返信する。ここで、DLS応答メッセージ802は、直接接続通信試験用データの受信処理起動OK/NGを含むステータスコード(情報要素909)とサポート可能な通信レート情報をフレームフォーマットに含む。また、DLS応答メッセージ(802)の送信元端末アドレス(情報要素906)には無線端末装置101のMACアドレスが、送信先端末アドレス(情報要素905)には無線端末装置104のMACアドレスがコーディングされている。この後、接続通信試験データの測定完了イベント待ち状態に遷移するために、処理はステップS1305に進む。
【0088】
無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置104からDLS応答メッセージ802を受信すると、処理をステップS1503からステップS1504へ進める。ステップS1504において、無線アクセスポイント装置106は、DLS応答メッセージ802に含まれるDLS通信の可否情報がコーディングされたステータスコード(情報要素909)を確認する。ステータスコードが受信処理起動OKを示す場合、すなわち直接接続通信試験が可能であると判断された場合、処理はステップS1505へ進む。ステップS1505において、無線アクセスポイント装置106は、DLS通信試験フラグをON(○)にする。直接接続通信試験において無線端末装置104は送信側端末でないので、処理はステップS1506からステップS1503へ戻り、DLS応答メッセージの受信確認を行う。
【0089】
また、無線アクセスポイント装置106において、無線端末装置101からDLS応答メッセージ804が受信されると、ステップS1504に処理が進む。上述したように、DLS応答メッセージ804は、直接接続通信試験用データの送信処理起動OK/NGを含むステータスコード(情報要素909)とサポート可能な通信レート情報をフレームフォーマットに含んでいる。ステップS1504において、無線アクセスポイント装置106は、DLS応答メッセージ804に含まれるステータスコード(情報要素909)を確認する。ステータスコードが送信処理起動OKを示す場合、すなわち、直接接続通信試験が可能であると判断された場合、処理はステップS1505へ進む。ステップS1505において、無線アクセスポイント装置106は、DLS通信試験フラグをON(○)にする。
【0090】
ここで、無線端末装置101は直接接続通信試験において送信側端末であるので、処理はステップS1506からステップS1507へ進む。ステップS1507において、無線アクセスポイント装置106は、直接接続通信試験のため無線端末装置101に対してポーリング処理を実施する。そして、ステップS1508において、無線アクセスポイント装置106は、受信側無線端末である無線端末装置104からの通信試験結果を含むDLS停止メッセージの受信待ち状態に遷移する。
【0091】
直接接続通信試験のためポーリングされた無線端末装置101は、直接接続試験用データ805を試験データの受信状態にある無線端末装置104に送信する。以下、直接接続試験用データ805の送受信処理の詳細について図10および図11のデータ処理フローを参照して説明する。
【0092】
無線端末装置101に実装されるDEV側メモリ制御処理部1001は、生成した接続通信試験データを記憶部208にあるデコード用バッファメモリ(Dbuf)に対して書き込む。RTP処理部1003は、記憶部208に書込み格納された動画像データに対してQoSプロトコルであるRTPヘッダを付加したRTP送信処理フレーム1007を生成する。次に、UDP処理部1004は、RTP送信処理フレーム1007に対してトランスポート層プロトコルであるUDPヘッダを付加したUDP送信処理フレーム1008を生成する。次に、IP処理部1005は、UDP送信処理フレーム1008に対してネットワーク層プロトコルであるIPヘッダを付加したIP送信処理フレーム1009を生成する。
【0093】
NET側メモリ制御処理部1002は、IP送信処理フレーム1009を記憶部208にあるデコード用バッファメモリ(Dbuf)から、記憶部208にある送信用メモリバッファ(mbuf)に書き込む。次に、IEEE802.3変換処理部1006は、IP送信処理フレーム1009に802.3ヘッダを付加したIEEE802.3送信処理フレーム1010を生成する。
【0094】
プロトコル処理部204ならびにデータ処理部205により送信データとして生成されたIEEE802.3送信処理フレーム1010は、データ処理部205により無線LAN制御部206に引き渡される。無線LAN制御部206は、IEEE802.3送信処理フレーム1010をIEEE802.11送信フレームに変換し、アンテナ207を介し、送信可能な最大伝送レートで受信側デバイス装置である無線端末装置104に送信する。
【0095】
一方、図11に示すように、受信側の無線端末装置104は、直接接続試験用データを含むIEEE802.11送信フレームをアンテナ207を介して、無線LAN制御部206により受信する。IEEE802.11送信フレームが受信されると、IEEE802.3変換処理部1006が無線LAN制御部206から受信したIEEE802.11無線データを、802.3ヘッダを有するIEEE802.3受信処理フレーム1101に変換する。次に、NET側メモリ制御処理部1002は、IEEE802.3受信処理フレーム1101を記憶部208にある受信用バッファメモリ(mbuf)に書き込む。
【0096】
IEEE802.3変換処理部1006は802.3ヘッダの正当性を確認し、問題が無ければ受信用バッファメモリ(mbuf)にあるIEEE802.3受信処理フレーム1101から802.3ヘッダを除去したIP受信処理フレーム1102を生成する。次に、IP処理部1005は、IP受信処理フレーム1102におけるIPヘッダの正当性を確認し、問題が無ければIP受信処理フレーム1102からIPヘッダを除去してUDP受信処理フレーム1103を生成する。記UDP処理部1004は、UDP受信処理フレーム1103におけるUDPヘッダの正当性を確認し、問題が無ければUDP受信処理フレーム1103からUDPヘッダを除去してRTP受信処理フレーム1104を生成する。なお、RTP受信処理フレーム1104は、DEV側メモリ制御処理部1001により、記憶部208にあるエンコード用バッファメモリ(Ebuf)に書き込まれる。また、これと同時にスループットの測定プログラムによる計測結果、すなわちデータ受信時の通信速度が記憶部208に出力される。
【0097】
以上のように、無線端末装置104は、直接接続試験用データのスループットに関する測定が完了すると、イベントが発生したとして、処理をステップS1305からステップS1306へ進める。無線端末装置104は、発生したイベントを解析し、これが試験データ測定の完了通知イベントである場合には、処理をステップS1307からS1317へ進める。ステップS1317において、無線端末装置104は、記憶部208に格納された直接接続通信試験データのスループット測定結果をDLS停止メッセージ806の理由値フィールド(情報要素911)に設定し、無線アクセスポイント装置106に送信する。
【0098】
図15のステップS1508において、DLS停止メッセージ806の受信待ち状態にある無線アクセスポイント装置106は、DLS停止メッセージ806を受信すると、処理をステップS1509へ進める。上述したように、DLS停止メッセージ806には、直接接続通信試験データのスループット測定結果が理由値フィールド(情報要素911)に設定されている。ステップS1509において、無線アクセスポイント装置106は、スループット測定結果を記憶部にある直接接続通信試験結果管理テーブル(不図示)に登録する。そして、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101に対してDLS停止メッセージ807を送信する。
【0099】
また、DLS応答メッセージ802、804に含まれる直接接続通信試験の可否情報がコーディングされたステータスコード(情報要素909)を確認した結果、直接接続通信試験が不可能であると判断された場合、処理はステップS1511に進む。ステップS1511において、無線アクセスポイント装置106は、直接接続通信試験機能の実装フラグをOFF(×)にする。次に、ステップS1512において、無線アクセスポイント装置106は、該当する無線端末装置101および無線端末装置104に対し、直接接続通信試験が不可能である旨を理由値フィールド(情報要素911)に設定したDLS停止メッセージを生成する。
【0100】
ステップS1510において応答タイマがタイムアップした場合も、処理はステップS1511に進み、無線アクセスポイント装置106は直接接続通信試験機能の実装フラグをOFF(×)にする。そして、該当する無線端末装置101および無線端末装置104に対して、直接接続通信試験が不可能である旨を理由値フィールドに設定したDLS停止メッセージを生成する。
【0101】
ステップS1512を経てステップS1509が実行された場合、無線アクセスポイント装置106は、直接接続通信試験が不可能である旨を記憶部にある直接接続通信試験結果管理テーブルに登録する。そして、無線端末装置101および無線端末装置104に対して、DLS停止メッセージ807を送信する。
【0102】
ステップS1509の処理を終えると、ステップS1513において、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101以外の無線端末装置に対する直接接続通信試験の確認を実施する。
【0103】
無線アクセスポイント装置106は、試験対象とすべき全ての無線端末装置について直接接続通信試験処理が完了していない場合は、次の試験対象の無線端末装置について上記の処理を繰り返す。本例では、例えば、ハードディスクレコーダ108が接続される無線端末装置102ならびにデジタルビデオカメラ109が接続されている無線端末装置103に対して、上述の直接接続通信試験処理(ステップS1501〜1513)が繰り返される。図8では、処理808、処理809として示されている。
【0104】
DLS停止メッセージ807を受信した無線端末装置101(送信側端末)は、イベント発生の検出により処理をステップS1305からステップS1306へ進める。受信したDLS停止メッセージ807は、一般的なDLS要求メッセージの範疇であるので、ステップS1311からステップS1316へ処理が進む。ステップS1316において、無線端末装置101は、通常のDLS処理として直接接続通信試験データの送信処理を停止し、イベント待ち状態(ステップS1305)に遷移する。
【0105】
また、無線アクセスポイント装置106は、アソシエーション状態にある接続収容中の全ての無線端末装置に対して、上記ステップS1501〜S1513に示す直接接続通信試験が完了した場合、処理をステップS1514に進める。ステップS1514において、無線アクセスポイント装置106は、システム内に接続収容中の無線端末装置に対して、上記直接接続通信試験の結果を示す試験結果メッセージ810,812を送信する。すなわち、無線端末装置102、103、105、117に対して、試験結果メッセージが送信される。なお、試験結果メッセージは、上記直接接続通信試験の結果である直接接続通信試験結果管理テーブルを含む。
【0106】
試験結果メッセージ810を受信した無線端末装置101は、イベント発生の検出により処理をステップS1306へ進める。試験結果メッセージはDLSメッセージ以外のメッセージであり、また、試験データ測定とは無関係なので、処理はステップS1308へ進む。試験結果メッセージは端末関連情報であるため、処理はステップS1308からステップS1309へ進む。ステップS1309において、無線アクセスポイント装置106は、受信した直接接続通信試験結果を含む通信試験情報メッセージ811をIEEE1394インターフェース114を介して、チューナ107に送信する。なお、ステップS1308で非該当の場合、処理はステップS1310に進み、無線端末装置101は、各種受信メッセージ処理を実施する。
【0107】
起動中のチューナ107は、上述の通信試験情報メッセージを無線端末装置101から受信すると、処理をステップS1205からステップS1206へ進める。直接接続通信試験結果情報を含む通信試験情報メッセージは、システム関連情報であるため、処理はステップS1206からステップS1207へ進む。ステップS1207において、チューナ107は、記憶部208に受信した直接接続通信試験結果を格納する。チューナ107は出力不可であるため、処理はステップS1208からステップS1205へ戻り、チューナ107はメッセージ受信の待ち状態となる。
【0108】
また、接接続通信試験データのスループット測定結果をDLS停止メッセージの理由値フィールドに設定し、無線アクセスポイント装置106に送信した無線端末装置104においても、無線端末装置101と同様の処理が行われる。すなわち、無線端末装置104は、無線アクセスポイント装置106から直接接続通信試験結果を含む試験結果メッセージ812を受信すると、イベント発生を検知する。イベント発生により、処理はステップS1306、S1307、S1308を経て、ステップS1309へ進む。ステップS1309において、無線端末装置104は、直接接続通信試験結果(直接接続通信試験結果管理テーブル)を含む通信試験情報813を、IEEE1394インターフェース114を介して、液晶テレビ110に送信する。なお、ステップS1308で非該当の場合、処理はステップS1108に進み各種受信メッセージ処理が実施される。
【0109】
メッセージ受信待ち状態(ステップS1205)の液晶テレビ110は、通信試験情報813を受信すると、ステップS1206を経て、ステップS1207へ処理を進める。ステップS1207において、液晶テレビ110は、記憶部に装置別通信能力情報(すなわち情報収集管理テーブル500)を格納する。
【0110】
液晶テレビ110は直接接続通信試験結果を出力可能であるので、処理はステップS1208からステップS1209へ進む。ステップS1209において、液晶テレビ110は、通信試験情報を解析し、液晶表示部に無線端末装置別の情報をユーザが容易に理解できるような形式で表示する。例えば、図16に示されるように、無線端末装置101〜105,117のそれぞれを模式化し、提供可能な通信レート情報に対応して表示形態を変更した(例えば色分けなどを施した)BOX図形のようなアイコン等でアダプタIDとともに表示する。また、直接接続通信試験結果を、例えば矢印1601の色分けにより明示する。
【0111】
ユーザが、例えば、液晶テレビ110付属のリモコンにより、無線端末装置103を示すアイコンを選択する操作を実施すると、通信能力情報(初期時の通信レート、試験後の最大通信レート、サポート可能な伝送等)が、例えば吹き出し状に表示される。
【0112】
システム内に収容される複数の無線端末装置間で直接接続通信試験が実施された結果を液晶テレビ110に反映した場合の表示例を示す図16を参照して、更に説明する。図16において、矢印1601は、接続通信試験を実施後の無線端末装置101から無線端末装置104への通信結果を表示しており、矢印1601の形態からHD伝送が可能であることが示されている。矢印1602は、同様に通信試験の実施後の無線端末装置102から無線端末装置104への通信結果で直接通信(DLS)が不可能であることを示している。また、矢印1603は、通信試験の実施後の無線端末装置103から無線端末装置104への通信結果を表示したものであり、SD伝送が可能である旨表示している。このように矢印1601,1602,1603は、無線端末送置換の直接接続通信試験の結果を視覚的にユーザに示したものである。
【0113】
以上のように、上記第1実施形態によれば、無線端末装置間の直接通信試験用の手順に関するプログラムの実装において、標準プロトコル(DLS手順の一部)を拡張利用することが可能となる。すなわち、標準プロトコル(DLS手順の一部)の拡張利用により、無線端末装置間の通信能力情報(伝送レート、品質等)を自動収集することが可能となる。また、自動収集した通信能力情報により、操作性に優れたUIを提供することができる。
【0114】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
【0115】
図17は、第2実施形態における無線通信システムの構成を示す図である。図17に示される無線通信システムでは、
・無線アクセスポイント装置106が、アダプタ型の無線端末装置101〜105とPDA型の無線端末装置117のそれぞれに対して接続収容処理であるアソシエーション処理を行い、
・アソシエーション処理が完了した後、DLS通信の手順の一部を用いて無線端末装置101〜105、117のそれぞれの通信能力と接続デバイス情報を収集し、
・収集した通信能力と接続デバイス情報をシステム内に接続収容中の無線端末装置101〜105、117のそれぞれに送信する工程が実行される。
【0116】
図18は、第2実施形態における各入出力デバイス、無線端末装置、無線アクセスポイント間のメッセージ送受信処理を示すシーケンスチャートである。特に、送信側デバイスであるチューナ107とこれに接続される無線端末装置101、無線アクセスポイント装置106と、液晶テレビ110とこれに接続される無線端末装置104との間のメッセージ送受信処理を詳細に説明したものである。また、上記シーケンスチャート内のメッセージは、本実施形態に関する主なもののみを明記してあり、その他基本的なメッセージは省略されている。
【0117】
図19は、第2実施形態におけるIEEE802.11管理フレームフォーマットの、特にDLS通信で使用される設定要求および応答のメッセージフォーマットを解説したものである。情報要素903〜909については、第1実施形態(図9)と同様である。情報要素1901は、無線端末装置101〜105に接続される入出力デバイスと、PDA型の無線端末装置117の各種通信能力情報を通知するために、フレームフォーマットの情報要素の一部を拡張した拡張端末情報である。
【0118】
図20は、第2実施形態における無線アクセスポイント装置106がシステム内に収容した無線端末装置の通信能力情報を収集して生成した情報収集管理テーブルを説明する図である。図20において、第1実施形態(図5)と同様の項目については、同一の参照番号を付してある。デバイス名称2001は、無線端末装置101〜105、117のそれぞれに接続される入出力デバイスの識別情報(名称)である。TUNER1はチューナ107を、HDR1はハードディスクレコーダ108を、DVC1はデジタルビデオカメラ109を、DISP1は液晶テレビ110を、PCはノートパソコンをそれぞれ表している。また、PDAはPDA型の無線端末装置117を表す。I/F2002(インターフェース種別)は、入出力デバイスと無線端末装置101〜105、117間のインターフェース種別の情報である。転送モード2003は、入出力デバイスと無線端末装置101〜105、117間の転送モードの識別情報(名称)である。
【0119】
図21は、第2実施形態によるシステム内の無線端末装置101〜105に接続された入出力デバイス107〜111、PDA型の無線端末装置117のそれぞれをアイコン化して通信能力別に液晶テレビ110に表示した例を示す図である。矢印2101は、実際の接続通信試験を実施する前のチューナ107から液晶テレビ110への通信結果を示すものである。矢印2102は、通信試験の実施前のハードディスクレコーダ108から液晶テレビ110への通信結果を示す。また、矢印2103は、通信試験の実施前のデジタルビデオカメラ109から液晶テレビ110への通信結果を示す。
【0120】
図22は、第2実施形態における各デバイスおよび無線端末装置間のメッセージ送受信処理を示すシーケンスチャートである。図22は、デジタルビデオカメラ109とこれに接続される無線端末装置103、無線アクセスポイント装置106、液晶テレビ110とこれに接続される無線端末装置104との間の直接接続通信試験に関するメッセージ送受信処理を詳細に説明したものである。なお、デジタルビデオカメラ109は送信側デバイスであり、液晶テレビ110は受信側デバイスである。また、上記シーケンスチャートのメッセージは、実施形態に関する主なもののみを明記してあり、その他基本的なメッセージについては省略してある。
【0121】
図23は、第2実施形態におけるアダプタ型の無線端末装置101〜105に接続される、入出力デバイスの制御処理を示すフローチャートである。図24は、第2実施形態におけるアダプタ型の無線端末装置101〜105による、初期設定制御処理を示すフローチャートである。図25は、第2実施形態におけるアダプタ型の無線端末装置101〜105による通信試験のための制御処理を示すフローチャートである。図26は、第2実施形態における無線アクセスポイント装置106の通信試験のための制御処理を示すフローチャートである。
【0122】
図27は、第2実施形態におけるシステム内の無線端末装置101〜105に接続された入出力デバイス107〜111、PDA型の無線端末装置117のそれぞれをアイコン化して通信能力別に液晶テレビ110に表示した表示例を示す図である。図27において、矢印2101は、実際に接続通信試験を実施後のチューナ107から液晶テレビ110への通信結果を示している。矢印2102は、通信試験の実施後のハードディスクレコーダ108から液晶テレビ110への通信結果を示している。また、矢印2103は、通信試験を実施後のデジタルビデオカメラ109から液晶テレビ110への通信結果を示している。
【0123】
図30は、第2実施形態における無線アクセスポイント装置の初期化制御処理を示すフローチャートである。
【0124】
以下、無線端末装置や無線アクセスポイント装置により構成される第2実施形態の無線通信システムにおける、端末間直接通信の接続設定手順を利用した端末情報管理機能について説明する。
【0125】
無線端末装置101に接続されたチューナ107は、本体の電源起動操作などによりシステムの起動を確認すると、処理をステップS2301からステップS2302へ進め、チューナ107本体の初期化処理を行う。そして、ステップS2303において、無線端末装置101との接続処理(IEEE1394接続シーケンス処理403)を実施する。チューナ107は、無線端末装置101との間で上記接続処理を完了すると、起動中状態に遷移する。すなわち、チューナ107は処理をステップS2304からステップS2305へ進め、イベント発生待ち状態に遷移する。
【0126】
一方、無線端末装置101では、無線アクセスポイント装置106のサービスエリア内に設置されるか、または無線端末装置101の電源を起動すると、無線アクセスポイント装置106との間でアソシエーション処理401が起動される。無線端末装置101において、アソシエーション処理401が完了すると、処理はステップS2401からステップS2402に進む。ステップS2402において、無線端末装置101は、IEEE1394インターフェース114で接続されるチューナ107とのIEEE1394接続シーケンス処理403の完了を判定する。無線端末装置101におけるチューナ107とのIEEE1394接続シーケンス処理403が未完了の場合、処理はステップS2402からステップS2403へ進む。ステップS2403において、無線端末装置101は、チューナ107とのIEEE1394接続シーケンス処理403を実行する。そして、このIEEE1394接続シーケンス処理403が完了すると、処理はステップS2405へ進む。ステップS2405において、無線端末装置101は、無線アクセスポイント装置106からのDLS要求メッセージの受信を判定する。
【0127】
なお、ステップS2402において、無線端末装置101におけるチューナ107とのIEEE1394接続シーケンス処理403が完了済みの場合は、処理は直接ステップS2405へ進む。
【0128】
また、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101との間で無線端末装置特有の接続収容処理であるアソシエーション処理401が完了すると、処理をステップS3001からステップS3002に進める。ステップS3002において、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置101およびこれに接続されているチューナ107のデバイス情報を収集するために、DLS要求メッセージ1803を生成し、これを無線端末装置101に対して送信する。なお、このDLS要求メッセージは、DLS手順で使用される規格上では任意の無線端末装置から起動されるものである。ここで、DLS要求メッセージ1803に含まれる送信先端末アドレスには無線端末装置101のMACアドレスが、送信元端末アドレスには無線アクセスポイント装置106のMACアドレスがコーディングされている。無線アクセスポイント装置106は、上記DLS要求メッセージの送信と同時にDLS応答メッセージの応答受信タイマを起動する。そして、ステップS3003において、無線アクセスポイント装置106は、DLS要求メッセージ1803の応答であるDLS応答メッセージ1806の受信を確認する。ステップS3003においてDLS応答メッセージ1806の受信を確認できない場合、処理はステップS3009に進む。ステップS3009において、無線アクセスポイント装置106は、応答タイマのタイムアウトを確認する。応答タイマがタイムアウトになっていなければ、処理はステップS3003に戻り、DLS応答メッセージ1806の受信の確認処理が継続される。
【0129】
ステップS2405においてDLS要求メッセージの受信を待っている無線端末装置101は、DLS要求メッセージ1803を無線アクセスポイント装置106から受信すると、処理をステップS2406に進める。ステップS2406において、無線端末装置101は、チューナ107の各種デバイス情報を収集済みであるか否かを確認する。チューナ107の各種デバイス情報が収集済みでない場合、処理はステップS2406からステップS2407に進む。ステップS2407において、無線端末装置101は、チューナ107の各種デバイス情報を収集するために、情報通知要求メッセージ1804をチューナ107に送信する。そして、ステップS2408において、無線端末装置101は、チューナ107からの各種デバイス情報を含んだ情報通知応答メッセージ1805の受信を確認する。
【0130】
一方、ステップS2305において、イベント発生待ち状態となっているチューナ107は、上記情報通知要求メッセージ1804を無線端末装置101から受信すると、処理をステップS2305からステップS2306へ進める。受信したメッセージは情報通知要求であるので、処理はステップS2306からステップS2307へ進む。ステップS2307において、チューナ107は自身の各種デバイス情報を含んだ情報通知応答メッセージ1805を無線端末装置101に返信する。なお、各種デバイス情報としては、図20に示した情報収集管理テーブル2000に登録されるデバイス名称2001、I/F2002、転送モード2003、I/O種別505等、情報収集管理テーブル2000に登録される情報である。その後、処理はステップS2308へ進み、システム内に収容されている全ての無線端末装置の装置別通信能力情報を、無線端末装置101から受信するのを待つ。
【0131】
無線端末装置101は、チューナ107から上記情報通知応答メッセージ1805を受信すると、処理をステップS2408からステップS2409へ進める。ステップS2409において、無線端末装置101は、受信した情報通知応答メッセージ1805の内容に基づいてDLS応答メッセージ1806を生成し、無線アクセスポイント装置106に送信する。このDLS応答メッセージ1806には、無線端末装置101のDLS通信可能か否かを示すステータスコード(情報要素909)、サポート可能な通信レート情報、チューナ107の上述した各種デバイス情報を格納した拡張端末情報が含まれている。なお、拡張端末情報は、図19の情報要素1901に示される。
【0132】
拡張端末情報に格納されるデバイス情報とは、デバイス名称2001「TUNER1」、I/F2002「IEEE1394」、転送モード2003「アイソクロナス」、I/O種別505「入力」等である。これらは、情報収集管理テーブル2000に登録される情報である。この時、DLS応答メッセージ1806に含まれる送信元端末アドレスには無線端末装置101のMACアドレスが、送信先端末アドレスには無線アクセスポイント装置106のMACアドレスがコーディングされている。
【0133】
その後、無線端末装置101は、ステップS2410において、システム内に収容されている全ての無線端末装置の装置別通信能力情報が無線アクセスポイント装置106から送信されてくるのを待つ。
【0134】
上述のように、無線アクセスポイント装置106は、ステップS3003において、装置別通信能力情報を含んだDLS応答メッセージ1806を受信したかどうかを確認している。無線アクセスポイント装置106は、上記のDLS応答メッセージ1806を受信すると、処理をステップS3003からステップS3004へ進める。ステップS3004において、無線アクセスポイント装置106は、DLS応答メッセージ1806に含まれるDLS通信の可否情報がコーディングされたステータスコード(情報要素909)を確認する。この時、DLS通信が可能であると判断された場合、処理はステップS3004からステップS3005へ進む。ステップS3005において、無線アクセスポイント装置106は、情報収集管理テーブル2000のDLS通信機能の実装フラグ(DLS機能504)をON(○)にする。
【0135】
そして、ステップS3006において無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置に関する他の装置別通信能力情報(サポート可能な通信レート情報(最大レート503)やチューナ107の各種デバイス情報を情報収集管理テーブル2000に登録する。なお、各種デバイス情報としては、デバイス名称2001、I/F2002、転送モード2003、I/O種別505等が挙げられる。その後、無線アクセスポイント装置106は、処理をステップS3007へ進め、無線端末装置101以外の接続収容されている無線端末装置の存在を確認する。そして、他に上記の処理対象とすべき無線端末装置があれば、処理をステップS3001に戻す。
【0136】
また、ステップS3004において、DLS応答メッセージ1806に含まれる情報要素909にコーディングされたステータスコードがDLS通信が不可であることを示す場合、処理はステップS3010に進む。ステップS3010において、無線アクセスポイント装置106は、情報収集管理テーブル2000のDLS通信機能の実装フラグ(DLS機能504)をOFF(×)にする。そして、ステップS3006において、無線アクセスポイント装置106は、DLS応答メッセージ1806に含まれている、無線端末装置101に関する装置別通信能力情報や、チューナ107の各種デバイス情報を情報収集管理テーブル2000に登録する。そして、処理はステップS3007へ進む。
【0137】
また、ステップS3009において応答受信タイマがタイムアウトとなった場合も、処理はステップS3010へ進む。ステップS3010において、無線アクセスポイント装置106は、情報収集管理テーブル2000のDLS機能504をOFF(×)にする。そして、ステップS3006において、該当する無線端末装置に関する装置別通信能力情報や入出力デバイスの情報に関して「不明」を登録する。そして、処理はステップS3007へ進む。
【0138】
無線アクセスポイント装置106は、以上のステップS3001〜S3007に示される装置別通信能力情報の収集処理を、接続収容中の全ての無線端末装置について繰り返し実行する。この処理の繰り返しは、図18では、処理1809として示されている。全ての無線端末装置について装置別通信能力情報の収集を終えると、処理はステップS3007からステップS3008へ進む。ステップS3008において、無線アクセスポイント装置106は、システム内に接続収容中の全ての無線端末装置に関する装置別通信能力情報である種別情報1810,1812を当該システム内に接続収容中の全ての無線端末装置に送信する。なお、種別情報1810,1812は、情報収集管理テーブル2000を含む。
【0139】
また、無線端末装置101は、無線アクセスポイント装置106から上記の種別情報1810を受信すると、処理をステッ2410からステップS2411へ進める。ステップS2411において、無線端末装置101は、システム端末情報1811をIEEE1394インターフェース114を介して、チューナ107に送信する。システム端末情報1811は、システム内に接続収容中の全ての無線端末装置に関する装置別通信能力情報(情報収集管理テーブル2000)を含む。
【0140】
チューナ107においてシステム端末情報1811が受信されると、処理は、ステップS2305→S2306→S2312→S2308→S2309の順に進む。ステップS2309においてチューナ107は、記憶部に受信したシステム端末情報1811(情報収集管理テーブル2000)を格納する。チューナ107はシステム端末情報を出力する機能を持たない(出力不可)なので、処理はステップS2310からステップS2305へ戻り、イベント待ちとなる。
【0141】
無線端末装置104に対する無線アクセスポイント装置106の情報収集処理(ステップS3001〜S3010)も、上記の無線端末装置101に対する情報収集処理と同様である。無線端末装置104が扱うメッセージ402、404、1801、1802、1807、1808、1812、1813は、無線端末装置101が扱うメッセージ401、403、1803、1804、1805、1806、1810、1811と同様である。よって、以下では、相違する部分を説明する。
【0142】
無線端末装置104は、無線端末装置101と同様に初期化確認処理であるステップS2401からステップS2404を完了すると、ステップS2405においてDLS要求メッセージの受信待ち状態となる。DLS要求メッセージ1807を無線アクセスポイント装置106から受信すると、処理はステップS2406へ進む。ステップS2406において、無線端末装置104は、液晶テレビ110の各種デバイス情報を収集済みであるか否かを確認する。本例では、情報通知要求1801及び情報通知応答1802により、無線端末装置104は、液晶テレビ110の各種デバイス情報をDLS要求メッセージ1807の受信以前に収集済みであったとする。この場合、処理は、即座に、ステップS2406からステップS2409へ進むことになる。ステップS2409において、無線端末装置104は、DLS応答メッセージ1808を無線アクセスポイント装置106に返信する。DLS応答メッセージ1808は、DLS通信か否かを示すステータスコード(情報要素909)、サポート可能な通信レート情報、液晶テレビ110の各種デバイス情報(情報要素1901)をフレームフォーマットとして含む。なお、デバイス情報としては、デバイス名称2001「DISP」、I/F2002「IEEE1394」、転送モード2003「アイソクロナス」、I/O種別505「出力」等、情報収集管理テーブル2000に登録される情報)が含まれる。
【0143】
この時、DLS応答メッセージ1808に含まれる送信元端末アドレスには無線端末装置104のMACアドレスが、また、送信先端末アドレスには無線アクセスポイント装置106のMACアドレスがコーディングされている。その後、ステップS2410において、無線端末装置104は、システム内に接続収容されている全ての無線端末の装置別通信能力情報(種別情報1812)を無線アクセスポイント装置106から受信するのを待つ。
【0144】
無線端末装置104は、ステップS2410においてシステム内に接続収容中の全ての無線端末装置に関する装置別通信能力情報を含む種別情報1812(情報収集管理テーブル2000を含む)を受信すると、処理をステップS2411に進める。ステップS2411において、無線端末装置104は、受信した種別情報1812に基づいてシステム端末情報1813をIEEE1394インターフェース114を介して液晶テレビ110に送信する。システム端末情報1813も、種別情報1812と同様に、システム内に接続収容中の全ての無線端末装置に関する装置別通信能力情報(情報収集管理テーブル2000)を含む。
【0145】
液晶テレビ110は、システム端末情報1813を受信すると、処理をステップS2305→S2306→S2312→S2308→S2309の順に進める。ステップS2309において、液晶テレビ110は、記憶部に受信したシステム端末情報1813、すなわち、接続収容された全ての無線端末装置の装置別通信能力情報(情報収集管理テーブル2000)を格納する。液晶テレビ110は、システム端末情報を出力(表示)することが可能であるため、処理はステップS2310からステップS2311へ進む。ステップS2311において、液晶テレビ110は、受信したシステム端末情報1813を解析し、図21に示されるように、液晶表示部に前記入出力デバイス別の情報をユーザの容易に理解できるような形式で表示する。例えば、デバイス名称2001の情報をもとに、デバイス種別に対応したアイコン等により各デバイスを表示する。
【0146】
そして、例えば液晶テレビ110付属のリモコンにより、チューナ107を示すアイコンを選択する操作がユーザによって実施されると、チューナ107の通信能力情報が、例えば吹き出し状に表示(不図示)される。ここで表示される通信能力情報としては、例えば、提供される通信レート、DLS通信の可否、接続インターフェース、I/O種別等が挙げられる。
【0147】
次に、第2実施形態の無線端末装置(アダプタ型/POD型)に接続される各種デバイスおよび無線アクセスポイント装置により構成される無線通信システムによる、端末間直接通信の接続設定手順を利用した直接接続通信試験の制御手順を説明する。
【0148】
図21は、システム内に接続収容されたデバイスに関する情報を情報収集管理テーブル200を参照して液晶テレビ110に示した様子を示す図である。DLS通信の可否のチェック結果(DLS機能504の内容)に基づいて、液晶テレビ110とDLS通信が可能な入出力デバイスが矢印2101〜2103により明示されている。
【0149】
図21において、矢印2101は、実際に接続通信試験を実施する前の、無線端末装置101に接続中のチューナ107から無線端末装置104に接続中の液晶テレビ110への通信結果を表示したものである。矢印2102は、通信試験の実施前の無線端末装置102に接続中のハードディスクレコーダ108から無線端末装置104に接続中の液晶テレビ110への通信結果を表している。また、矢印2103は、通信試験の実施前の無線端末装置103に接続中のデジタルビデオカメラ109から無線端末装置104に接続中の液晶テレビ110への通信結果を表示したものである。以上のように、矢印2101,2102,2103は、DLS通信が可能であることを示すと共に、直接接続通信試験が未実施であることを示している。
【0150】
上述のような、直接接続通信試験の未実施の状況を示す液晶テレビ110の表示において、ユーザは例えば液晶テレビ110に付属のリモコン等により、デバイス装置間の直接接続通信試験を行うべきデバイスを選択する操作を行うことができる。例えば、矢印2103が選択されると、デバイス装置間の直接接続通信試験がデジタルビデオカメラ109を示すアイコンを選択する操作、すなわち「直接接続通信試験の開始要求」が行われたとする。
【0151】
上記選択操作が行われると、液晶テレビ110は、イベント発生を検知し、処理をステップS2305からステップS2306へ進める。ステップS2306において、液晶テレビ110は、イベントを解析する。デバイスの選択による「直接接続通信試験の開始要求」のイベントの場合、情報通知要求メッセージの受信ではないと判定され、処理はステップS2312に進む。ステップS2312において、液晶テレビ110は、当該イベントが「直接接続通信試験の開始要求」か否かを判定する。「直接接続通信試験の開始要求」である場合、処理はステップS2312からステップS2313へ進む。ステップS2313において、液晶テレビ110は、自身が接続されている無線端末装置104に対して、試験開始要求メッセージ2201を送信する。試験開始要求メッセージ2201では、送信元デバイスがデジタルビデオカメラ109に、送信先デバイスが液晶テレビ110に設定される。その後、ステップS2308において、液晶テレビ110は、直接接続通信試験の結果情報を無線端末装置104からシステム情報として受信したか否かを確認する。
【0152】
液晶テレビ110から試験開始要求メッセージ2201を受信した無線端末装置104は、イベント発生を検知して処理をステップS2501からステップS2502へ進める。ステップS2502において、無線端末装置104は、イベントを解析する。当該イベントは、試験開始要求メッセージ2201の受信である場合、処理はステップS2502→S2504→S2505の順に進む。ステップS2505において、無線端末装置104は、自身が接続収容されている無線アクセスポイント装置106に対して、試験開始要求メッセージ2202を送信する。この試験開始要求メッセージ2202には、送信元の無線端末装置を特定する情報として無線端末装置103のMACアドレスを、送信先無線端末装置を特定する情報として無線端末装置104のMACアドレスを指定するパラメータ情報が含まれる。
【0153】
なお、パラメータ情報は、無線端末装置104が、記憶部208にある情報収集管理テーブル2000を参照して、生成する。より具体的には、送信元デバイスであるデジタルビデオカメラ109および送信先デバイスである液晶テレビ110がそれぞれ接続されている無線端末装置を示すMACアドレスがパラメータ情報として用いられる。
【0154】
また、デジタルビデオカメラ109と無線端末装置103との間では、各装置間で起動時に実施される各種インターフェース毎の初期化処理であるUSB接続シーケンス2200が実施済みである。
【0155】
無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置104から試験開始要求メッセージ2202を受信すると、処理をステップS2601からステップS2602に進める。ステップS2602において、無線端末装置104は、システム内に収容されている無線端末装置103と無線端末装置104間での直接接続通信試験を実施するために、DLS試験要求メッセージ2203、2205を自立的に生成する。そして、DLS試験要求メッセージ2203、2205を無線端末装置103(送信側)および無線端末装置104(受信側)に対してそれぞれ送信する。なお、DLS試験要求メッセージは、DLS手順で使用される規格上では任意の無線端末装置から起動されるものである。
【0156】
このとき、DLS試験要求メッセージ2203、2204に含まれる送信先端末アドレス(情報要素905)には無線端末装置104のMACアドレスがコーティングされる。また、送信元端末アドレス(情報要素906)には無線端末装置103のMACアドレスがコーティングされる。更に、ACTIONフィールド(情報要素904)には、試験開始要求を表す“3”がコーディングされている。なお、DLS試験要求メッセージは規格上のDLS要求メッセージのフレームを用い、特にACTIONフィールド(情報要素904)を規定外の値(3〜128)に設定して使用するものである。本例では、その一例として“3”を用いている。
【0157】
また、ステップS2602において、無線アクセスポイント装置106は、上記送信処理と同時に無線端末装置から受信を期待するDLS試験応答メッセージの応答受信タイマを起動する。そして、ステップS2603において、DLS試験要求メッセージ2203、2204の応答メッセージであるDLS試験応答メッセージ2204、2206の受信を確認する。無線端末装置103から受信予定のDLS試験応答メッセージ2206の受信が確認できない場合、処理はステップS2610に進む。ステップS2610において、無線アクセスポイント装置106は、応答タイマのタイムアウトを確認する。応答タイマがタイムアップしていなければ、処理はステップS2603に戻り、DLS試験応答メッセージの受信の確認が継続される。
【0158】
次に、通信中状態にある無線端末装置103において、無線アクセスポイント装置106からDLS試験要求メッセージ2205が受信されると、イベント発生が検知され、処理はステップS2501からステップS2502へ進む。当該イベントはDLS試験要求メッセージであって試験データ測定完了イベントはないので、処理は、ステップS2502からステップS2504へ進む。更に、DLS試験要求メッセージは入出力デバイスから送信された直接接続通信試験の開始要求ではないので、処理はステップS2504からステップS2506へ進む。DLS試験要求メッセージはDLS要求メッセージの一つなので、処理はステップS2506からステップS2507へ進む。
【0159】
ステップS2507において、無線端末装置103は、DLS試験用のメッセージであるか判定する。この判定は、DLS試験要求メッセージ2205に含まれるACTIONフィールド(情報要素904)が“3”にコーディングされているか否かによりなされる。上述したようにDLS試験要求メッセージ2205のACTIONフィールドは“3”にコーディングされているため、試験開始要求であると判定され、処理はステップS2507からステップS2508へ進む。
【0160】
ステップS2508において、無線端末装置103は、DLS試験要求メッセージ2205に含まれる送信先端末アドレス(情報要素905)および送信元端末アドレス(情報要素906)と自身のMACアドレスと比較して送受信端末指定を確認する。この場合、送信元端末アドレスには無線端末装置103のMACアドレスがコーディングされているので、処理はステップS2508からステップS2509に進む。ステップS2509において、無線端末装置103は、直接接続通信試験用データを生成し送信準備を実施する。そして、無線端末装置103は、DLS試験応答メッセージ2206を無線アクセスポイント装置106に返信する。DLS試験応答メッセージ2206は、直接接続通信試験用データ送信処理起動OK/NGを含むステータスコード(情報要素909)とサポート可能な通信レート情報をフレームフォーマットに含む。
【0161】
以降、ステップS2510において、無線端末装置103は、無線アクセスポイント装置106のポーリングにより直接接続通信試験用データを送信する。この時、DLS試験応答メッセージ2206の送信元端末アドレス(情報要素906)には、無線端末装置103のMACアドレスが、また、送信先端末アドレス(情報要素905)には、無線端末装置104のMACアドレスがコーディングされている。直接接続通信試験用データを送信した後、無線端末装置103は、処理をステップS2501に戻し、接続通信試験データの測定完了イベントであるDLS停止メッセージ待ち状態に遷移する。
【0162】
一方、通信中状態にある無線端末装置104では、DLS試験要求メッセージ2203を無線アクセスポイント装置106から受信すると、イベント発生により処理がステップS2502に進む。ステップS2502において、無線端末装置104は、当該イベントを解析し、当該イベントが試験データ測定完了イベントはないので、処理をステップS2504に進める。当該イベントが直接接続通信試験の開始要求でもないので、処理はステップS2504からステップS2506へ進む。ステップS2506において、当該イベントは一般的なDLS要求メッセージと判定され、処理はステップS2507に進む。ステップS2507において、無線端末装置104は、当該メッセージがDLS試験用のメッセージであるか否かを判定する。ここで、DLS要求メッセージに含まれるACTIONフィールド(情報要素904)が“3”にコーディングされていた場合、試験用のDLS設定メッセージと判定される。本例では、ACTIONフィールドが“3”にコーティングされたDLS試験要求メッセージ2205を受信しているので、処理はステップS2507からステップS2508へ進む。
【0163】
ステップS2508において、無線端末装置104は、DLS試験要求メッセージ2205に含まれる送信先端末アドレス(情報要素905)および送信元端末アドレス(情報要素906)と自身のMACアドレスとを比較して送受信端末指定を確認する。DLS試験要求メッセージ2205の送信先端末アドレス(情報要素905)には、無線端末装置104のMACアドレスがコーディングされている。そのため、処理はステップS2508からステップS2511へ進む。ステップS2511において、無線端末装置104は、直接接続通信試験用データの受信準備を実施する。そして、無線端末装置104は、DLS試験応答メッセージ2204を無線アクセスポイント装置106に返信する。このDLS試験応答メッセージ2204には、直接接続通信試験用データ受信処理起動OK/NGを含むステータスコード(情報要素909)とサポート可能な通信レート情報をフレームフォーマットに含んでいる。
【0164】
この時、DLS試験応答メッセージ2204の送信元端末アドレス(情報要素906)には無線端末装置103のMACアドレスが、また、送信先端末アドレス(情報要素905)には無線端末装置104のMACアドレスがコーディングされている。この後、無線端末装置104は、接続通信試験データの測定完了イベント待ち状態に遷移するために処理をステップS2501に戻す。
【0165】
また、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置104から、上述のDLS試験応答メッセージ2204を受信すると、処理をステップS2603からステップS2604に進める。ステップS2604において、無線アクセスポイント装置106は、DLS試験応答メッセージ2204に含まれるDLS通信の可否情報がコーディングされたステータスコード(情報要素909)を確認する。このステータスコード(情報要素909)が直接接続通信試験が可能であることを示すと判断された場合、処理はステップS2604からステップS2605へ進む。ステップS2605において、無線アクセスポイント装置106は、DLS通信機能の実装フラグをON(○)にする。そして、ステップS2606において、無線端末装置104が送信側端末か否かを判定する。直接接続通信試験において、無線端末装置104は送信側端末ではないので、処理はステップS2606からステップS2603に戻る。そして、無線アクセスポイント装置106は、DLS試験応答メッセージの受信を確認する状態に遷移する。
【0166】
また、無線アクセスポイント装置106は同様に、無線端末装置103から、DLS試験応答メッセージ2206を受信すると、処理をステップS2603からステップS2604に進める。上述したように、DLS試験応答メッセージ2206は、直接接続通信試験用データ送信処理起動OK/NGを含むステータスコード(情報要素909)とサポート可能な通信レート情報をフレームフォーマットに含む。ステップS2604において、無線アクセスポイント装置106は、DLS試験応答メッセージ2204に含まれるDLS通信の可否情報がコーディングされたステータスコード(情報要素909)を確認する。
【0167】
直接接続通信試験が可能であると判断されると、処理はステップS2604からステップS2605へ進む。ステップS2605において、無線アクセスポイント装置106は、DLS通信機能の実装フラグをON(○)にする。次にステップS2606において、当該メッセージを送信した端末が送信側端末か否かを判定する。直接接続通信試験において無線端末装置103は送信側端末であるので、処理はステップS2606からステップS07へ進む。ステップS2607において、無線アクセスポイント装置106は、直接接続通信試験のため無線端末装置103に対してポーリング処理を実施する。そして、ステップS2608において、無線アクセスポイント装置106は、受信側無線端末である無線端末装置104からの通信試験結果を含むDLS停止メッセージの受信待ち状態に遷移する。
【0168】
直接接続通信試験のためポーリングされた無線端末装置103は、直接接続試験用データ2207を試験データの受信状態にある無線端末装置104に送信する。以下、無線端末装置103による直接接続試験用データ2207の送受信処理の詳細について図10および図11のデータ処理フローを参照して説明する。
【0169】
無線端末装置103に実装されるDEV側メモリ制御処理部1001は、生成した接続通信試験データを記憶部208にあるデコード用バッファメモリ(Dbuf)に対して書き込む。RTP処理部1003は、記憶部208に書き込み格納された動画像データに対してQoSプロトコルであるRTPヘッダを付加したRTP送信処理フレーム1007を生成する。次に、UDP処理部1004は、RTP送信処理フレーム1007に対して、トランスポート層プロトコルであるUDPヘッダを付加したUDP送信処理フレーム1008を生成する。次に、IP処理部1005は、ネットワーク層プロトコルであるIPヘッダを付加したIP送信処理フレーム1009を生成する。
【0170】
NET側メモリ制御処理部1002は、IP送信処理フレーム1009を記憶部208にあるデコード用バッファメモリ(Dbuf)から、記憶部208にある送信用メモリバッファ(mbuf)に書き込む。次に、IEEE802.3変換処理部1006は、IP送信処理フレーム1009に802.3ヘッダを付加したIEEE802.3送信処理フレーム1010を生成する。
【0171】
データ処理部205は、プロトコル処理部204ならびにデータ処理部205のそれぞれで処理された送信データであるIEEE802.3送信処理フレーム1010を、無線LAN制御部206に引き渡す。無線LAN制御部206は、IEEE802.3送信処理フレーム1010をIEEE802.11送信フレームに変換し、アンテナ207を介し、送信可能な最大伝送レートで受信側デバイス装置である無線端末装置104に送信する。ここで、最大伝送レートは、予め接続デバイスであるデジタルビデオカメラ109と無線端末装置103間でのUSB接続シーケンス2200において決定した通信可能な最大伝送レート(ここではSD相当の通信レートとする)である。
【0172】
一方、受信側の無線端末装置104は、直接接続試験用データを含むIEEE802.11送信フレームを、アンテナ207を介して、無線LAN制御部206で受信する。図11に示されるように、IEEE802.3変換処理部1006は、無線LAN制御部206から受信したIEEE802.11無線データを802.3ヘッダに変換したIEEE802.3受信処理フレーム1101を生成する。次に、NET側メモリ制御処理部1002は、IEEE802.3受信処理フレーム1101を記憶部208にある受信用バッファメモリ(mbuf)に書き込む。IEEE802.3変換処理部1006は、802.3ヘッダの正当性を確認し、問題が無ければ受信用バッファメモリ(mbuf)にあるIEEE802.3受信処理フレーム1101から802.3ヘッダを除去したIP受信処理フレーム1102を生成する。次に、IP処理部1005は、IPヘッダの正当性を確認し、問題が無ければIP受信処理フレーム1102からIPヘッダを除去したUDP受信処理フレーム1103を生成する。UDP処理部1004は、UDPヘッダの正当性を確認し、問題が無ければUDP受信処理フレーム1103からUDPヘッダを除去したRTP受信処理フレーム1104を生成する。なお、RTP受信処理フレーム1104は、DEV側メモリ制御処理部1001により、記憶部208にあるエンコード用バッファメモリ(Ebuf)に書き込まれる。また、同時に、スループットの測定プログラムによる計測結果、すなわちデータの受信時のデータ通信速度が記憶部208に出力される。
【0173】
以上のように、無線端末装置104は、直接接続試験用データのスループットに関する測定が完了すると、これをイベントの発生として検知して、処理をステップS2501からステップS2502へ進める。ステップS2502において、無線端末装置104は、当該イベントを解析する。当該イベントは、試験データ測定の完了通知イベントであるため、処理はステップS2502からステップS2503へ進む。ステップS2503において、無線端末装置104は、記憶部208に格納された直接接続通信試験データのスループット測定結果をDLS停止メッセージ2208の理由値フィールド(情報要素911)に設定し、無線アクセスポイント装置106に送信する。
【0174】
DLS停止メッセージの受信待ち状態にある無線アクセスポイント装置106は、上記DLS停止メッセージ2208を受信すると、処理をステップS2608からステップS2609へ進める。ステップS2609において、無線アクセスポイント装置106は、スループット測定結果を記憶部にある直接接続通信試験結果管理テーブルに登録する。そして、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置103に対してDLS停止メッセージ2209を送信する。その後、処理はステップS2613へ進む。
【0175】
一方、ステップS2604において、DLS試験応答メッセージ2204、2206に含まれるステータスコード(情報要素909)により、直接接続通信試験が不可能であると判定された場合、処理はステップS2611に進む。ステップS2611において、無線アクセスポイント装置106は、直接接続通信試験機能の実装フラグをOFF(×)にする。そして、ステップS2612において、無線アクセスポイント装置106は、該当する無線端末装置103および無線端末装置104に対し、直接接続通信試験が不可能である旨を理由値フィールド(情報要素911)に設定したDLS停止メッセージを送信する。
【0176】
同様に、ステップS2610において応答受信タイマが満了(タイムアウト)した場合、処理はステップS2611に進む。ステップS2611において、無線アクセスポイント装置106は、直接接続通信試験機能の実装フラグをOFF(×)にする。そして、ステップS2612において、無線アクセスポイント装置106は、該当する無線端末装置103および無線端末装置104に対し、直接接続通信試験が不可能である旨を理由値フィールド(情報要素911)に設定したDLS停止メッセージを生成する。
【0177】
次に、ステップS2609において、無線アクセスポイント装置106は、直接接続通信試験が不可能である旨を、記憶部にある直接接続通信試験結果管理テーブルに登録する。そして、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置103および無線端末装置104に対して、DLS停止メッセージ2209を送信する。
【0178】
ステップS2613では、無線端末装置103以外の無線端末装置に対する直接接続通信試験の確認を実施する。直接接続通信試験を実施するべく指定された端末がこれ以上存在しない場合は、処理はステップS2613からステップS2614に進む。ステップS2614において、無線アクセスポイント装置106は、システム内に接続収容中の無線端末装置に関する装置間の直接接続通信試験結果(直接接続通信試験結果管理テーブルを含む)をシステム内に接続収容中の全ての無線端末装置に送信する。この様子は、図22において、試験結果メッセージ2211,2213として示されている。
【0179】
無線端末装置103は、DLS停止メッセージ2209を受信すると、イベント発生を検知したとして、処理をステップS2501からステップS2502に進める。ステップS2502において、無線端末装置103は当該イベントを解析する。当該イベントは試験データ測定完了イベントではないので、処理はステップS2504に進む。当該メッセージは直接接続通信試験の開始要求でもないので、処理はステップS2504からステップS2506へ進む。当該DLS停止メッセージ2209は一般的なDLS要求メッセージと判定されるため、処理はステップS2507を経てステップS2512へ進む。ステップS2512において、無線端末装置103は、通常のDLS処理として直接接続通信試験データの送信処理を停止し、イベント待ち状態に遷移するべく処理をステップS2501に戻す。
【0180】
また、無線アクセスポイント装置106は、指定された全ての無線端末装置に対して、上記ステップS2601〜S2613に示すような直接接続通信試験が完了したかどうかを判定する。完了していると判定された場合、処理はステップS2613からステップS2614に進む。ステップS2614において、無線アクセスポイント装置106は、試験結果を表すメッセージ(例えば図22の試験結果メッセージ2211,2213)をシステム内に接続収容中の全ての無線端末装置101〜105,117に送信する。この試験結果メッセージには、システム内に接続収容中の無線端末装置に関する装置間の直接接続通信試験結果(直接接続通信試験結果管理テーブル)が含まれる。
【0181】
無線端末装置103は、上記の試験結果メッセージ2211を受信すると、イベント発生として検知し、処理をステップS2501からステップS2502へ進める。当該イベントは試験結果メッセージの受信であり、「試験データ測定完了イベント」、「直接接続通信試験の開始要求」、「一般的なDLS要求メッセージ」ではないと判断される。その結果、処理はステップS2502,S2504,S2506を経て、ステップS2513へ進む。試験結果メッセージ2211の受信は、端末関連情報の受信に該当するため、処理はステップS2513からステップS2514へ進む。ステップS2514において、無線端末装置103は、通信試験情報2212をUSBケーブル116を介して、デジタルビデオカメラ109に送信する。通信試験情報2212は、システム内に接続収容中の装置間の直接接続通信試験結果(直接接続通信試験結果管理テーブル)を含む。
【0182】
なお、ステップS2513で非該当の場合は、処理はステップS2515に進み、各種受信メッセージ処理が実施される。
【0183】
起動中のデジタルビデオカメラ109は、システム内に接続収容中の装置間の直接接続通信試験結果(直接接続通信試験結果管理テーブル)を含む通信試験情報2212を受信すると、処理をステップS2306に進める。通信試験情報2212は、システム関連情報であるため、処理は、ステップS2306のNO、ステップS2312のNO、ステップS2308のYESを経て、ステップS2309に進む。ステップS2309において、デジタルビデオカメラ109は、記憶部208に通信試験情報2212(装置間の直接接続通信試験結果)を格納する。
【0184】
そして、当該入出力デバイスであるデジタルビデオカメラ109は、装置間の直接接続通信試験結果を出力可能なデバイスであるため、処理はステップS2310からステップS2311に進む。ステップS2311において、デジタルビデオカメラ109は、通信試験情報2212を解析した後、自身の液晶表示部に装置別の情報をユーザの容易に理解できるような形式で表示する。例えば、無線端末装置101〜105,116のそれぞれをアイコン等で表示して、上記直接接続通信試験結果を明示的に表示する。
【0185】
また、無線端末装置104は、直接接続通信試験データのスループット測定結果をDLS停止メッセージ2208の理由値フィールド(情報要素911)に設定し、無線アクセスポイント装置106に送信した後の、通信中状態にある。無線端末装置104が無線アクセスポイント装置106から試験結果メッセージ2213を受信した場合の処理は、無線端末装置103が無線アクセスポイント装置106から試験結果メッセージ2211を受信した場合の処理と同様である。また、無線端末装置104から液晶テレビ110に送信される通信試験情報2214も、通信試験情報2212の送受信における各装置の制御処理と同様である。
【0186】
次に、図27を参照して、直接接続通信試験結果管理テーブルを含む通信試験情報2214を受信したデジタルビデオカメラ109および液晶テレビ110における直接接続通信試験結果の表示例について液晶テレビ110を例にして説明する。図27に示した矢印2701は、接続通信試験を実施後のチューナ107が接続されている無線端末装置101から液晶テレビ110が接続されている無線端末装置104に対する通信結果を表示したものであり、HD相当の伝送が可能であることを示している。また、矢印2702は、通信試験の実施後のハードディスクレコーダ108が接続されている無線端末装置102から液晶テレビ110が接続されている無線端末装置104への通信結果を表わしており、やはりHD相当の伝送が可能であることを示している。また、矢印2703は、通信試験の実施後のデジタルビデオカメラ109が接続されている無線端末装置103から液晶テレビ110が接続されている無線端末装置104に対する通信結果を表示しており、SD相当の伝送が可能である旨を示している。このように矢印2701,2702,2703は、無線端末送置間の直接接続通信試験の結果を視覚的にユーザに示している。従って、ユーザはDLS通信においてサポートされる通信を容易に把握することができる。すなわち、接続を希望する入出力デバイスの選択操作が容易となり、実際の通信結果をもとにクライアント端末の伝送状態が良好な設置場所の調整を容易にすることができる。
【0187】
<第3実施形態>
以下、第3実施形態における無線端末装置や無線アクセスポイント装置により構成される無線通信システムの制御方法について図28、図29を参照して説明する。
【0188】
図28は、第3実施形態における各デバイスおよび無線端末装置間のメッセージ送受信処理を示すシーケンスチャートである。図28は特に、デジタルビデオカメラ109とこれに接続される無線端末装置103、無線アクセスポイント装置106、ハードディスクレコーダ108とこれに接続される無線端末装置102の間の直接接続通信試験に関するメッセージ送受信処理を示している。また、上記シーケンスチャート内のメッセージは、実施形態に関する主なもののみを明記してあり、その他基本的なメッセージについては省略してある。
【0189】
図29は、第3実施形態におけるシステム内のそれぞれの無線端末装置を介して直接通信試験を実施した入出力デバイスをそれぞれアイコン化して、直接接続通信の試験結果を液晶テレビ110に表示した表示例を示す図である。図29では、直接通信試験を実施した入出力デバイスがデジタルビデオカメラ109とハードディスクレコーダ108であった場合を示している。
【0190】
第2実施形態では、片方向の通信試験のみが行われる例を示した。第3実施形態では、双方向の通信試験について説明する。
【0191】
第3実施形態では、液晶テレビ110に示すような直接接続通信試験の未実施の状況において、液晶テレビ110に付属のリモコンにより、直接接続通信試験を双方向で実施するように入出力デバイスを選択可能な構成とする。例えば、デジタルビデオカメラ109とハードディスクレコーダ108を示すアイコン選択し、直接接続通信試験を双方向で実施するように指定する。そして、このような指定により、ハードディスクレコーダ108は、その旨のパラメータ情報を含む試験開始要求メッセージ2201を送信する。
【0192】
具体的には、無線アクセスポイント装置106が、「ハードディスクレコーダ108を選択し、直接接続通信試験を双方向で実施するように指定した旨」のパラメータを含む試験開始要求メッセージ2202を受信する。無線アクセスポイント装置106は、この指示に従い、直接通信試験用データ2207による第1の直接接続通信試験の終了後、処理をステップS2608からステップS2602に戻す。すなわち、無線アクセスポイント装置106は、無線端末装置103に対してDLS停止メッセージ2209を送信せずに、双方向通信試験を実施するために2801〜2805のメッセージの送受信を実行する。2801〜2805のメッセージは、図22の2203〜2207のメッセージと同様である。但し試験要求メッセージの送信元端末には無線端末装置102が、送信先端末には無線端末装置103がコーディングされ、試験用データ2207とは逆方向に試験用データが送信されることになる。
【0193】
ステップS2510における試験データの送信に際しては、送信側の無線端末装置に接続されている入出力デバイスのインターフェース種別に応じて、試験データの通信速度(伝送レート)が設定される。
【0194】
その結果、図29に示すように矢印2901は、デジタルビデオカメラ109が接続される無線端末装置103からハードディスクレコーダ108が接続される無線端末装置102に対する接続通信試験を実施後の通信結果を表示したものとなる。即ち、デジタルビデオカメラ109が接続される無線端末装置103からハードディスクレコーダ108が接続される無線端末装置102にはHD相当の伝送が可能であることを示す。また、矢印2902は、同様に通信試験の実施後のハードディスクレコーダ108が接続される無線端末装置102からデジタルビデオカメラ109が接続される無線端末装置103に対する通信結果を表示したものである。ハードディスクレコーダ108が接続される無線端末装置102からデジタルビデオカメラ109が接続される無線端末装置103へは、SD相当の伝送が可能である旨が表示されている。
【0195】
以上のように、矢印2901,2902は、無線端末装置間の相互の直接接続通信試験の結果を視覚的に表示してユーザに示す。
【0196】
<第4実施形態>
第2実施形態では、矢印2103が選択された場合を説明したが、複数の入出力デバイスを同時に指定できるようにしてもよい。すなわち、矢印2103だけではなく、矢印2101、および矢印2102といった複数の無線端末装置間の通信試験を同時に指定可能としてもよい。具体的には、無線アクセスポイント装置106は、指定された直接接続通信試験処理が完了していないと判断し、処理をステップS2613からステップS2602に進める。例えば、他の通信試験処理であるハードディスクレコーダ108が接続される無線端末装置102(矢印2102に示される通信試験)に対して、それぞれステップS2601〜S2613の直接接続通信試験処理を繰り返す。この様子は図22の処理2210として示されている。
【0197】
<他の実施形態>
以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。
【0198】
尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したプログラムである。
【0199】
従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。
【0200】
その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であっても良い。
【0201】
プログラムを供給するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としては以下が挙げられる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM,DVD−R)などである。
【0202】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることが挙げられる。この場合、ダウンロードされるプログラムは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。
【0203】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布するという形態をとることもできる。この場合、所定の条件をクリアしたユーザに、インターネットを介してホームページから暗号を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用して暗号化されたプログラムを実行し、プログラムをコンピュータにインストールさせるようにもできる。
【0204】
また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0205】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部或いは全てが実現されてもよい。この場合、機能拡張ボードや機能拡張ユニットにプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行なう。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】本発明の実施形態における無線通信システムの構成図である。
【図2】無線端末装置(アダプタ型)の機能構成例を示すブロック図である。
【図3】無線端末装置(PDA型)の機能構成例を示すブロック図である。
【図4】第1実施形態の無線通信システムにおけるメッセージ送受信処理を説明する図である。
【図5】第1実施形態における情報収集管理テーブルの構成例を示す図である。
【図6】第1実施形態における出力デバイス装置の表示例を示す図である。
【図7】第1実施形態における無線通信システムの構成図例を示す図である。
【図8】第1実施形態の無線通信システムにおけるメッセージ送受信処理を説明する図である。
【図9】第1実施形態における802.11管理フレームフォーマット(DLS通信用)の構成を説明する図である。
【図10】第1実施形態における無線通信システムの送信処理データフローを示す図である。
【図11】第1実施形態における無線通信システムの受信処理データフローを示す図である。
【図12】第1実施形態における入出力デバイスの制御を説明するフローチャートである。
【図13】第1実施形態における無線端末装置(アダプタ型)の制御を説明するフローチャートである。
【図14】第1実施形態における無線アクセスポイント装置の制御を説明するフローチャートである。
【図15】第1実施形態における無線アクセスポイント装置の制御を説明するフローチャートである。
【図16】第1実施形態における出力デバイスの表示例を示す図である。
【図17】第2実施形態における無線通信システムの構成を示す図である。
【図18】第2実施形態の無線通信システムにおけるメッセージ送受信処理を説明する図である
【図19】第2実施形態における802.11管理フレームフォーマット(DLS通信用)の構成を説明する図である。
【図20】第2実施形態における情報収集管理テーブルの構成例を示す図である。
【図21】第2実施形態における出力デバイスによる表示例を示す図である。
【図22】第2実施形態の無線通信システムにおけるメッセージ送受信処理を説明する図である。
【図23】第2実施形態における入出力デバイスの制御を示すフローチャートである。
【図24】第2実施形態における無線端末装置(アダプタ型)の制御を示すフローチャートである。
【図25】第2実施形態における無線端末装置(アダプタ型)の制御を示すフローチャートである。
【図26】第2実施形態における無線アクセスポイント装置の制御を示すフローチャートである。
【図27】第2実施形態における出力デバイスによる表示例を示す図である。
【図28】第3実施形態の無線通信システムにおけるメッセージ送受信処理を説明する図である。
【図29】第3実施形態における出力デバイスによる表示例を示す図である。
【図30】第2実施形態における無線アクセスポイント装置の制御を示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と、前記複数の端末装置を接続収容して無線サービスエリアを形成するアクセスポイント装置により構成され、前記端末装置間で直接的な通信路を確立する直接接続通信サービスを実施する機能を有する通信システムの制御方法であって、
前記アクセスポイント装置が、前記直接接続通信サービスによる通信路を確立するための要求メッセージを自立的に送信する工程と、
前記端末装置が、前記要求メッセージに応じて、前記直接接続通信サービスによる通信の可否と通信方向を含む応答メッセージを送信する工程と、
前記アクセスポイント装置が、前記応答メッセージより前記直接接続通信サービスによる通信の可否と通信方向を含む通信能力情報を取得し、前記端末装置と関連付けてメモリに格納する工程と、
前記メモリに格納された端末装置の通信能力情報を、前記複数の端末装置に通知する工程とを備えることを特徴とする通信システムの制御方法。
【請求項2】
前記アクセスポイント装置が、前記要求メッセージの送信に際してタイマを起動する工程と、
前記応答メッセージを受信する前に前記タイマが満了した場合に、前記端末装置は前記直接接続通信サービスによる通信が不可であると判断する工程とを更に備えることを特徴とする請求項1に記載の通信システムの通信制御方法。
【請求項3】
前記通信能力情報は、対応する端末装置がサポート可能な通信レートを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信システムの通信制御方法。
【請求項4】
前記アクセスポイント装置が、前記直接接続通信サービスにおいてサポートする通信方向が送受信の関係となる2つの端末装置において前記直接接続通信サービスにおける通信試験を実行させるための通信試験メッセージを生成して送信する工程と、
前記通信試験メッセージを受信した前記2つの端末装置間において、前記直接接続通信サービスによる通信試験を実行する工程と、
前記アクセスポイント装置が、前記2つの端末装置のうちのいずれかより、前記通信試験の試験結果を含む試験結果メッセージを受信し、該試験結果を前記メモリにする工程とを更に備え、
前記通知する工程では、更に、前記メモリに格納された前記試験結果を前記複数の端末装置に通知することを特徴とする請求項1に記載の通信システムの制御方法。
【請求項5】
前記アクセスポイント装置が、前記通信試験メッセージの送信に際してタイマを起動する工程と、
前記アクセスポイント装置が、前記試験結果メッセージを受信する前に前記タイマが満了した場合に、前記2つの端末装置間においては前記直接接続通信サービスによる通信試験が不可であると判断する工程とを更に備えることを特徴とする請求項4に記載の通信システムの通信制御方法。
【請求項6】
前記アクセスポイント装置が、前記タイマの満了に応じて前記2つの端末装置間において前記通信試験の実行が不可であると判断した場合に、前記2つの端末装置に対して通信試験が不可能であることを示す情報を含む試験結果メッセージを送信する工程を更に備えることを特徴とする請求項5に記載の通信システムの通信制御方法。
【請求項7】
前記通信試験メッセージは送信元及び送信先の端末装置の指定を含み、
前記2つの端末装置のそれぞれにおいて、前記通信試験メッセージに基づいて自身が送信元であるか送信先であるかを判定する工程と、
自身が送信元であると判定した場合、通信試験用データを前記送信先に指定されている端末装置へ送信する工程とを更に備えることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の通信システムの通信制御方法。
【請求項8】
前記通信試験メッセージは送信元及び送信先の端末装置の指定を含み、
前記2つの端末装置のそれぞれにおいて、前記通信試験メッセージに基づいて自身が送信元であるか送信先であるかを判定する工程と、
前記通信試験メッセージに基づいて自身が送信先であると判定した端末装置が、通信試験用データの受信状態に遷移する工程と、
前記送信先であると判定した端末装置が、前記通信試験用データの受信時のデータ通信速度を測定する工程と、
前記送信先であると判定した端末装置が、前記アクセスポイント装置に対して前記直接接続通信サービスにおける通信の停止メッセージに前記通信試験用データの受信時のデータ通信速度の測定結果を含めて、前記試験結果メッセージとして送信する工程とを備えることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の通信システムの通信制御方法。
【請求項9】
前記通信試験メッセージは送信元及び送信側の端装置の指定を含み、
前記アクセスポイント装置が、前記試験結果メッセージを受信した場合に、前記送信元と前記送信側を入れ替えた通信試験メッセージを生成して前記2つの端末装置に送信することにより、当該2つの端末装置間で逆方向の通信試験を実行させる工程を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の通信システムの通信制御方法。
【請求項10】
前記端末装置が外部デバイスを接続したアダプタ型の通信装置であり、
前記端末装置が、前記アクセスポイント装置から受信した通信能力情報を前記外部デバイスへ送信する工程を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の通信システムの通信制御方法。
【請求項11】
前記複数の端末装置は外部デバイスを接続したアダプタ型の端末装置を含み、
前記アダプタ型の端末装置が、前記アクセスポイント装置から受信した試験結果メッセージを前記外部デバイスへ送信する工程を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の通信システムの通信制御方法。
【請求項12】
前記複数の端末装置は外部デバイスを接続したアダプタ型の端末装置を含み、
前記外部デバイスが、前記複数の端末装置を表す図形を、端末装置から受信した通信能力情報に基づいて表示形態を変えて表示する工程を更に備えることを特徴とする請求項10に記載の通信システムの制御方法。
【請求項13】
前記複数の端末装置は外部デバイスを接続したアダプタ型の端末装置を含み、
前記アダプタ型の端末装置が、送信先に指定された端末装置に通信試験用データを送信する場合に、接続されている外部デバイスとの間に使用されているインターフェースの通信能力に応じて前記通信試験用データの通信レートを変更する工程を更に備えることを特徴とする請求項4記載の通信システムの通信制御方法。
【請求項14】
複数の端末装置と、前記複数の端末装置を接続収容してサービスエリアを形成するアクセスポイント装置により構成され、端末装置間で直接的な通信路を確立する直接接続通信サービスを実施する機能を有する通信システムであって、
前記アクセスポイント装置において、前記直接接続通信サービスによる通信路を確立するための要求メッセージを自立的に送信する手段と、
前記端末装置において、前記要求メッセージに応じて、前記直接接続通信サービスによる通信の可否と通信方向を含む応答メッセージを送信する手段と、
前記アクセスポイント装置において、前記応答メッセージより前記直接接続通信サービスによる通信の可否と通信方向を含む通信能力情報を取得し、前記端末装置と関連付けてメモリに格納する手段と、
前記メモリに格納された端末装置の通信能力情報を、前記複数の端末装置に通知する手段とを備えることを特徴とする通信システム。
【請求項15】
複数の端末装置を接続収容してサービスエリアを形成するアクセスポイント装置であって、
端末装置間で直接的な通信路を確立する直接接続通信サービスを要求する要求メッセージを自立的に送信する手段と、
前記要求メッセージに応じて前記端末装置から受信した応答メッセージを解析して、前記直接接続通信サービスによる通信の可否と通信方向を含む通信能力情報を取得する手段と、
前記応答メッセージより取得した前記通信能力情報を前記端末装置と関連付けてメモリに格納する手段と、
前記メモリに格納された端末装置の通信能力情報を、前記複数の端末装置に通知する手段とを備えることを特徴とするアクセスポイント装置。
【請求項16】
複数の端末装置を接続収容してサービスエリアを形成するアクセスポイント装置の制御方法であって、
端末装置間で直接的な通信路を確立する直接接続通信サービスを要求する要求メッセージを自立的に送信する工程と、
前記要求メッセージに応じて前記端末装置から受信した応答メッセージを解析して、前記直接接続通信サービスによる通信の可否と通信方向を含む通信能力情報を取得する工程と、
前記応答メッセージより取得した前記通信能力情報を前記端末装置と関連付けてメモリに格納する工程と、
前記メモリに格納された端末装置の通信能力情報を、前記複数の端末装置に通知する工程とを備えることを特徴とする無線アクセスポイント装置の制御方法。
【請求項17】
コンピュータに、請求項16に記載されたアクセスポイント装置の制御方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項18】
コンピュータに、請求項16に記載されたアクセスポイント装置の制御方法を実行させるためのコンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【公開番号】特開2008−306603(P2008−306603A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−153390(P2007−153390)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】