説明

通信システム及びプロトコルヘッダ判定装置及びサーバ装置

【課題】通信システムにおいて、未定義ヘッダを持つプロトコル信号の破棄を低減し通信の効率を向上させることを目的とする。
【解決手段】異なるネットワークの送信側及び受信側のサーバ装置に接続されたプロトコルヘッダ判定装置を有し、受信したプロトコル信号に未定義のプロトコルヘッダである未定義ヘッダを検出した前記受信側のサーバ装置から前記未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を前記プロトコルヘッダ判定装置に送信し、前記プロトコルヘッダ判定装置にて前記未定義ヘッダを前記受信側のサーバ装置で受信可能か否かを判定し、前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に前記受信側のサーバ装置に送信し、前記受信側のサーバ装置にて前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した前記判定結果が受信可能であるとき前記未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行ったプロトコル信号を使用して前記異なるネットワーク間の通信を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なるネットワークの通信端末間を接続する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な通信事業者がSIP(Session Initiation Protocol)のメリットを利用したIP電話の通信接続サービスを提供している。この場合、SIPは、セッションの確立、変更、終了等のセッション管理を行うための通信プロトコルであり、セッションの内容には関知しない。
【0003】
各々の通信事業者は、このようなセッション管理を実行するためのSIPサーバを構築しており、例えば端末装置等のクライアントが音声データをパケット通信する場合、まず当該クライアントとSIPサーバとの間で所定のSIPメッセージに基づいたセッション管理が行われ、セッションが確立したときに音声データは所望の相手に運ばれて復元される。
【0004】
なお、SIPメッセージとは、例えばインターネットで利用されている標準的なメッセージ形式(例えば、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)やHTTP(HyperText Transfer Protocol)など)と類似しており、例えばINVITE(招待)やACK(確認応答)等のリクエストメソッド(リクエストメッセージ)と、例えば100Trying(暫定応答)や200ok(成功応答)等の応答コード(レスポンスメッセージ)によりSIPメッセージの手順が規定される。
【0005】
なお、メディア通信装置に、異なる種類の通信プロトコルを自動的に判別する自動判別部と、判別した通信プロトコルに従ったセッションを確立するセッション確立部と、確立したセッションに基づいてメディアをパケット通信するパケット通信部を備え、メディアをパケット通信する際に用いられる異なる種類の通信プロトコルを自動的に判別し、判別した通信プロトコルに従ったセッションを確立する技術が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−323324号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、クライアントが特定の通信事業者と接続契約を結んだ際に、当該通信事業者と接続する通信装置は、通信事業者間でSIPメッセージによるセッションが可能であるが、当該通信事業者間だけでなく、当該通信事業者同士の中でもSIPメッセージによるセッションを確立することができない場合がある。これは、通信事業者内でも提供するベンダが異なり、SIPサーバの仕様や設定がファイル更新で一方のベンダのみが最新化されること等が原因となる。
【0008】
従来、通信システム内に構成される異なるネットワークのサーバ装置間でプロトコルを送受信する場合、世代の異なるバージョンのプロトコルの未定義ヘッダを受信したサーバ装置は切断処理に移行し、受信したプロトコルを破棄している。
【0009】
しかしながら、プロトコルの未定義ヘッダが必ずしもヘッダを受信するサーバ装置に対して通信サービス・品質に影響を与えない場合があり、未定義ヘッダが受信側のサーバ装置に影響を与えない場合は未定義ヘッダの破棄により通信の効率が悪くなるという問題があった。
【0010】
開示の通信システムは、未定義ヘッダを持つプロトコル信号の破棄を低減し通信の効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
開示の一実施形態による通信システムは、それぞれにサーバ装置を有する複数のネットワークを接続して、異なるネットワーク間の通信を行う通信システムであって、
前記異なるネットワークの送信側及び受信側のサーバ装置に接続されたプロトコルヘッダ判定装置を有し、
受信したプロトコル信号に未定義のプロトコルヘッダである未定義ヘッダを検出した前記受信側のサーバ装置から前記未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を前記プロトコルヘッダ判定装置に送信し、
前記プロトコルヘッダ判定装置にて前記未定義ヘッダを前記受信側のサーバ装置で受信可能か否かを判定し、前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に前記受信側のサーバ装置に送信し、
前記受信側のサーバ装置にて前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した前記判定結果が受信可能であるとき前記未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行ったプロトコル信号を使用して前記異なるネットワーク間の通信を行う。
【発明の効果】
【0012】
本実施形態によれば、未定義ヘッダを持つプロトコル信号の破棄を低減し通信の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】通信システムの第1実施形態の構成図である。
【図2】プロトコルヘッダ判定装置の一実施形態の構成図である。
【図3A】中継装置プロトコルDBの第1実施形態を示す図である。
【図3B】装置固有情報DBの第1実施形態を示す図である。
【図4】受信信号記憶DBの第1実施形態を示す図である。
【図5】サーバ装置の一実施形態の構成図である。
【図6】カプセル化した信号の構成図である。
【図7A】動作説明1−1のシーケンスを示す図である。
【図7B】動作説明1−1のシーケンスを示す図である。
【図8A】動作説明1−2のシーケンスを示す図である。
【図8B】動作説明1−2のシーケンスを示す図である。
【図9】サーバ装置の変形例の構成図である。
【図10A】動作説明1−3のシーケンスを示す図である。
【図10B】動作説明1−3のシーケンスを示す図である。
【図11A】動作説明1−4のシーケンスを示す図である。
【図11B】動作説明1−4のシーケンスを示す図である。
【図11C】動作説明1−4のシーケンスを示す図である。
【図11D】動作説明1−4のシーケンスを示す図である。
【図12A】動作説明1−5のシーケンスを示す図である。
【図12B】動作説明1−5のシーケンスを示す図である。
【図12C】動作説明1−5のシーケンスを示す図である。
【図12D】動作説明1−5のシーケンスを示す図である。
【図12E】動作説明1−5のシーケンスを示す図である。
【図12F】動作説明1−5のシーケンスを示す図である。
【図13A】動作説明1−6のシーケンスを示す図である。
【図13B】動作説明1−6のシーケンスを示す図である。
【図14】通信システムの第2実施形態の構成図である。
【図15A】中継装置プロトコルDBの第2実施形態を示す図である。
【図15B】中継装置プロトコルDBの第2実施形態を示す図である。
【図15C】装置固有情報DBの第2実施形態を示す図である。
【図16】受信信号記憶DBの第1実施形態を示す図である。
【図17A】動作説明2−1のシーケンスを示す図である。
【図17B】動作説明2−1のシーケンスを示す図である。
【図18】SIP_INVITEの一例を示す図である。
【図19A】動作説明2−2のシーケンスを示す図である。
【図19B】動作説明2−2のシーケンスを示す図である。
【図20】SIP_INVITEの他の一例を示す図である。
【図21A】動作説明2−3のシーケンスを示す図である。
【図21B】動作説明2−3のシーケンスを示す図である。
【図21C】動作説明2−3のシーケンスを示す図である。
【図21D】動作説明2−3のシーケンスを示す図である。
【図22A】動作説明2−4のシーケンスを示す図である。
【図22B】動作説明2−4のシーケンスを示す図である。
【図22C】動作説明2−4のシーケンスを示す図である。
【図22D】動作説明2−4のシーケンスを示す図である。
【図22E】動作説明2−4のシーケンスを示す図である。
【図22F】動作説明2−4のシーケンスを示す図である。
【図23】SIP_INVITEの別の一例を示す図である。
【図24】SIP_183の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
【0015】
<通信システムの第1実施形態の構成>
図1は通信システムの第1実施形態の構成図を示す。図1において、ネットワーク10は複数のサーバ装置11と、各サーバ装置11に接続された通信端末12を有しており、ネットワーク20は複数のサーバ装置21と、各サーバ装置21に接続された通信端末22を有している。
【0016】
ネットワーク10の各サーバ装置11とネットワーク20の各サーバ装置21の間はネットワーク25で接続されている。また、ネットワーク10の各サーバ装置11及びネットワーク20の各サーバ装置21はプロトコルヘッダ判定装置30に接続されている。
【0017】
プロトコルヘッダ判定装置30は、通信システム内に構成される異なるネットワーク10,20に存在するサーバ装置11,21がどのプロトコルヘッダに対応しているかという情報を持っており、この情報を基に信号の判定を行う。プロトコルヘッダ判定装置30はプロトコルヘッダの即時判定及び変換及び学習を行うことで通信サービスの継続性を確保する。
【0018】
<プロトコルヘッダ判定装置の構成>
図2はプロトコルヘッダ判定装置30の一実施形態の構成図を示す。図2において、プロトコルヘッダ判定装置30は、プロトコルヘッダ記憶部31とプロトコルヘッダ処理部32、信号インタフェース部(信号IF部)33を有する。
【0019】
プロトコルヘッダ記憶部31には、中継装置プロトコルDB(データベース)34と受信信号記憶DB35を有する。中継装置プロトコルDB34には、第1実施形態として、図3Aに示すように、プロトコル種別、信号種別、ヘッダ種別、サーバ装置の装置種別(11又は21)、装置ファイルバージョン(ファイル版数)、パラメータ、条件、信号種別依存条件、桁や文字列の過不足影響、パラメータ特性、パラメータ要否によるネットワークへの影響等のプロトコル詳細情報を格納するプロトコルヘッダ情報DBと、図3Bに示すように各サーバ装置の装置種別、装置ファイルバージョン、装置固有種別を格納する装置固有情報DBが設けられている。
【0020】
受信信号記憶DB35には、第1実施形態として、図4に示すように、送受信した装置と、未定義ヘッダのある信号を受信した時刻、送受信装置のファイル版数、プロトコル種別、信号種別、検出ヘッダ、対処方法を記憶する。
【0021】
プロトコルヘッダ処理部32は、受信信号検索部36と受信信号判定部37を有する。受信信号検索部36は中継装置プロトコルDB34の中から必要な情報を検索して見つける。受信信号判定部37は検索して見つけ出した情報から、信号を最新ファイルに即した形に対処することを含め、信号データのOK/NGの判定を行う。信号の内容に対処すなわち変更が必要な場合は変更等の処理を行う。
【0022】
信号インタフェース部33は、受信信号分解部38と送信信号組立部39を有する。受信信号分解部38は受信した信号(図6に示す形式)からカプセル化されているヘッダ(装置情報)を取り、受信信号データのプロトコル部が分かるように分解(非信号カプセル化)する。送信信号組立部39は受信信号データに判定結果を付加し、装置情報を付加する信号カプセル化を行って受信側のサーバ装置に送信する。
【0023】
図6にカプセル化した信号の構成図を示す。受信信号データに判定結果及び装置情報を付加してカプセル化が行われる。装置情報には、信号を受信したサーバ装置の装置種別、信号を受信したサーバ装置のIPアドレス、信号を送信したサーバ装置の装置種別、信号を送信したサーバ装置のIPアドレス、受信信号データを受信した時間の情報を格納する。また、判定結果には、信号判定結果(OK/NG)と信号を加工した場合の処理内容の情報を格納する。受信信号データは、未定義ヘッダを含んだ信号データ、又は、その信号データを受信する前にセッション確立に受信した信号データである。
【0024】
<サーバ装置の構成>
図5はサーバ装置11,21の一実施形態の構成図を示す。図5において、サーバ装置11,21は既存機能である対向装置側信号インタフェース部41、信号終端部42、端末側信号インタフェース(IF)部43と、新たに設けた信号記憶部44、信号処理部45、プロトコルヘッダ側信号インタフェース(IF)部46を有する。
【0025】
対向装置側信号インタフェース部41は対向装置との間の信号の送受信を行う。端末側信号インタフェース部43は通信端末との間の信号の送受信を行う。信号終端部42は、対向装置側と通信端末側それぞれの信号を異なるネットワークに渡すために必要な処理を行う。
【0026】
信号記憶部44は、図4に示すように、送受信したサーバ装置と、未定義ヘッダのある信号を受信した時刻、装置自身のファイル版数、プロトコル種別、信号種別、検出ヘッダ、対処方法を記憶しておく受信信号記憶DB51を有する。
【0027】
信号処理部45は、受信信号記憶DB51に未定義ヘッダのある信号と同一種別の信号があるかを検索する受信信号検索部52と、プロトコルヘッダ判定装置30からの判定結果を基にプロトコルヘッダ判定装置30と同様の処理を次回以降行う受信信号判定部53を有する。
【0028】
プロトコルヘッダ側信号インタフェース部46は、受信信号分解部54と送信信号組立部55を有する。受信信号分解部54はプロトコルヘッダ判定装置30から供給される受信信号データからカプセル化したヘッダ(装置情報)を取り、受信信号と判定結果を分解する非信号カプセル化を行う。送信信号組立部55は対向サーバ装置から受信した信号に判定情報を付加し、装置情報を付加するカプセル化を行ってプロトコルヘッダ判定装置30に送信する。
【0029】
<動作説明1−1>
図7A及び図7Bにプロトコルヘッダ判定装置30のファイル版数が最新で、対処として信号を変更しない場合の動作説明1−1を示す。ここでは、通信端末12から発信して通信端末22に着信させる場合を考える。前提条件として、プロトコルヘッダ判定装置30が持っているサーバ装置11,サーバ装置21のファイル版数は共に最新(2.0版)となっている。
【0030】
シーケンスI:図7Aにおいて、通信端末12から発信した信号をサーバ装置11が受信する。受信した信号を基に送信側サーバ装置11はサーバ装置21に信号を送信する。送信側サーバ装置11から受信側サーバ装置21のファイル版数に対応していないプロトコルヘッダAである未定義ヘッダA(もしくは未登録ヘッダA)を含む信号(以下、信号データ1と呼ぶ)が来たときに受信側サーバ装置21は、信号終端部42で検知した後、受信信号検索部52に信号データ1と未定義ヘッダAを送信する。受信信号検索部52では、受信信号記憶DB51の検索を行い、検索結果を付加して受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53は、未検出と判定して信号データ1を送信信号組立部39に送信する。送信信号組立部39では、信号データ1を図6に示す形で信号カプセル化し、プロトコルヘッダ判定装置30へ送信する。
【0031】
シーケンスII:図7Bにおいて、プロトコルヘッダ判定装置30では、カプセル化した信号を取り出し、送受信側サーバ装置情報、判定情報、異常信号を受信信号検索部36に送信する。受信信号検索部36は送受信側サーバ装置情報から送信側サーバ装置11、受信側サーバ装置21それぞれの信号終端部42にファイル版数を問い合わせる。受信信号検索部36は問い合わせの結果を装置種別、装置情報と共に中継装置プロトコルDB34に送信して問い合わせを行う。問い合わせで入手した結果を受信信号判定部37に送信する。受信信号判定部37は中継装置プロトコルDB34の問い合わせ結果から必要な対処を行う。
【0032】
この例では、送信側サーバ装置11のファイルが最新(2.0版)なのに対し、受信側サーバ装置21のファイル版数が古く(1.0版)である。図3Aの信号データ1に対応する信号種別1のヘッダ種別Aについてサーバ装置11に対応する装置種別11のファイル版数2.0のパラメータ特性は「任意」とされ、サーバ装置21に対応する装置種別21のファイル版数1.0のパラメータ特性は「必須」とされており、必須パラメータから任意パラメータに変更になったプロトコルヘッダAを必須パラメータのままと認識して動作した。この動作が発生しないようにするためにプロトコルヘッダAを任意パラメータとして判断できる対処を行う。この場合、信号自体を編集する必要はない。
【0033】
シーケンスIII:受信信号判定部37から装置情報、判定情報、信号データ1、プロトコルヘッダAを受信信号記憶DB35に送信する。また、受信信号判定部37から送信信号組立部39に装置情報、判定情報、信号データ1を送信する。送信信号組立部39では、受信側サーバ装置21からプロトコルヘッダ判定装置30に信号が送信されてきた時と同じフォーマットに上記信号を反映させて信号カプセル化を行い、受信側サーバ装置21の受信信号分解部38に送信する。
【0034】
図7Aにおいて、受信側サーバ装置21の受信信号分解部54は受信した信号の非信号カプセル化を行って、装置情報、判定情報、信号データ1に分解して受信信号判定部53へ送信する。受信信号判定部53は受信した信号を受信信号記憶DB51と信号終端部42に送信する。受信信号記憶DB51に送信された信号は、図4に示すように記憶される。信号終端部42に送信された信号は、端末側インタフェース部43を介して通信端末22へ送信され、通信が継続される。
【0035】
シーケンスIV:図7Aにおいて、再度同様のプロトコルヘッダAを持つ信号を受信サーバ装置21が受信した場合、信号終端部42で未定義ヘッダAを検出した後、信号データ1とプロトコルヘッダAの情報を受信信号検索部52に送信する。受信信号検索部52は受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、検索結果を受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53は検出結果を基に必要な対処を行う。この例の場合は、特に対処は行わない。受信信号判定部53は対処された装置情報、判定情報、信号データ1を信号終端部42に送信する。信号終端部42に送信された信号は、端末側インタフェース部43を介して通信端末22へ送信され、通信が継続される。
【0036】
<動作説明1−2>
図8A及び図8Bにプロトコルヘッダ判定装置30のファイル版数が最新で、対処として信号を変更する場合の動作説明1−2を示す。ここでは、動作説明1−1と同一条件で、送信側サーバ装置11から受信側サーバ装置21のファイル版数に対応していない未定義ヘッダB(もしくは未登録ヘッダA)を含む信号(以下、信号データ1と呼ぶ)が入力される。シーケンスI,IIのほとんどの動作は動作説明1−1と同様であるので説明を省略する。
【0037】
この例でも送信側サーバ装置11のファイルが最新(2.0版)なのに対し、受信側サーバ装置21のファイル版数が古い(1.0版)。図3Aの信号データ1に対応する信号種別1のヘッダ種別Bについてサーバ装置11に対応する装置種別11のファイル版数2.0の条件は「任意6桁」とされ、サーバ装置21に対応する装置種別21のファイル版数1.0の条件は「任意4桁」とされており、ヘッダBの桁数を変更する対処を行う必要があり、対処後の信号を信号データ1+と定義する。
【0038】
以降のシーケンスIIIについては、動作説明1−1の信号データ1とプロトコルヘッダAが動作説明1−2では信号データ1+とヘッダBに変更となる点以外は同一である。
【0039】
シーケンスIVにおける動作説明1−1との動作の違いとして、受信信号判定部53は、検出結果を基に必要な対処がヘッダBの桁数を変更する対処であり、信号データ1を信号データ1+にすることであり、それ以外の動作は動作説明1−1と同一である。
【0040】
<サーバ装置の構成>
図9はサーバ装置11,21の変形例の構成図を示す。図9において、サーバ装置11,21は既存機能である対向装置側信号インタフェース部41、信号終端部42、端末側信号インタフェース部43と、新たに設けたプロトコルヘッダ側信号インタフェース部46を有する。すなわち、図9においては図5における信号記憶部44、信号処理部45を有していない。
【0041】
対向装置側信号インタフェース部41は対向装置との間の信号の送受信を行う。端末側信号インタフェース部43は通信端末との間の信号の送受信を行う。信号終端部42は、対向装置側と通信端末側それぞれの信号を異なるネットワークに渡すために必要な処理を行う。
【0042】
プロトコルヘッダ側信号インタフェース部46は、受信信号分解部54と送信信号組立部55を有する。受信信号分解部54はプロトコルヘッダ判定装置30から供給される受信信号データからカプセル化したヘッダ(装置情報)を取り、受信信号と判定結果を分解する非信号カプセル化を行う。送信信号組立部55は対向サーバ装置から受信した信号に判定情報を付加し、装置情報を付加するカプセル化を行ってプロトコルヘッダ判定装置30に送信する。
【0043】
<動作説明1−3>
図10A及び図10Bに、図9のサーバ装置を用い、プロトコルヘッダ判定装置30のファイル版数が最新で、対処として信号を変更しない場合の動作説明1−3を示す。ここでは、動作説明1−1と同様に、通信端末12から発信して通信端末22に着信させる場合を考える。前提条件として、プロトコルヘッダ判定装置30が持っているサーバ装置11,サーバ装置21のファイル版数は共に最新(2.0版)となっている。
【0044】
動作説明1−3のシーケンスIに置いて動作説明1−1との違いは、信号データ1を信号終端部42で受信し、未定義ヘッダAを検出した後からである。未定義ヘッダAを検出後、信号終端部42は送信信号組立部55に送受信側サーバ装置情報、信号データ1を信号カプセル化してプロトコルヘッダ判定装置30の受信信号分解部38へ送信する。その後の動作は動作説明1−1と同様である。
【0045】
動作説明1−1との違いは、シーケンスIIIのプロトコルヘッダ判定装置30の送信信号組立部39からカプセル化を行った信号を受信側サーバ装置21に送信した後である。受信信号分解部38で受信信号のデカプセル化(非信号カプセル化)を実施し、装置情報、判定情報、信号データ1の3つへ分けて信号終端部42へ送信する。信号終端部42へ送信された信号は、端末側インタフェース部43を介して通信端末22へ受信され、通信が継続される。
【0046】
<動作説明1−4>
図11A乃至図11Dに、プロトコルヘッダ判定装置30のファイル版数が最新ではない場合、対処として信号を変更する場合の動作説明1−4を示す。プロトコルヘッダ判定装置30が持つサーバ装置11,21のファイル版数はサーバ装置11については最新(2.0版)であり、サーバ装置21については(1.0版)となっている。また、動作説明1−2と同一条件で、送信側サーバ装置11から受信側サーバ装置21のファイル版数に対応していないヘッダBを含む信号(以下、信号データ1と呼ぶ)が入力される。
【0047】
図11A及び図11Bにおける、シーケンスIIのプロトコルヘッダ判定装置30の受信信号検索部36で送受信側サーバ装置11,21からそれぞれファイル版数の通知を受けるところまでは動作説明1−2と同様である。受信信号検索部36から受信した装置情報、ファイル版数情報を基に中継装置プロトコルDB34へ問い合わせを行う。問い合わせ結果を受けて、受信信号判定部37はプロトコルヘッダ判定装置30における受信側サーバ装置21の版数が最新(2.0版)でないためNGの判定を行う。なお、図3Aの信号データ1に対応する信号種別1のヘッダ種別Bについてサーバ装置11に対応する装置種別11のファイル版数2.0の条件は「任意6桁」とされ、サーバ装置21に対応する装置種別21のファイル版数1.0の条件は「任意4桁」とされている。
【0048】
シーケンスIIIで、受信信号判定部37は装置情報、判定情報、信号データ1,ヘッダBの情報を受信信号記憶DB35に送信する。また、送信信号組立部39に装置情報、信号データ1、判定情報を送信して信号カプセル化を行う。
【0049】
受信信号分解部54に送信された信号は、非信号カプセル化され、装置情報、判定情報、信号データ1と共に受信信号判定部53に送信される。受信信号判定部53は受信した信号を、受信信号記憶DB51と信号終端部42に送信する。NG結果を受けた信号終端部42は、切断信号を端末側インタフェース部、送信側サーバ装置11、通信端末12へ送信する。
【0050】
シーケンスIVにおいて、再度同様のヘッダBを持つ信号を受信側サーバ装置21が受信した場合、信号終端部42で未定義ヘッダBを検出した後、信号データ1とヘッダBの情報を受信信号検索部52に送信する。受信信号検索部52は受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、検索結果を受信信号判定部53に送信する。
【0051】
受信信号判定部53は検出結果を基に装置情報、判定結果(NG)、信号データ1を信号終端部42に送信する。NG結果を受けた信号終端部42は、切断信号を端末側インタフェース部43、送信側サーバ装置11、通信端末12に送信する。
【0052】
受信側サーバ装置21の受信信号記憶DB51は、NG結果を保持している場合、プロトコルヘッダ判定装置30の対象ファイル更新時にリセットがかかる。しかし、情報のリセット漏れ防止による通信切断を防ぐため、定期的に情報をリセットする。
【0053】
次に、上記の受信信号記憶DB51がNG結果を保持している状態で、プロトコルヘッダ判定装置30の中継プロトコルDB34の更新の動作を示す。
【0054】
シーケンスV:図11Dにおいて、プロトコルヘッダ判定装置30のオペレーションを行い、中継装置プロトコルDB34内の受信側サーバ装置21のファイル更新を行う。つまり、版数を(1.0版)から(2.0版)に更新する。
【0055】
ファイル更新後、プロトコルヘッダ判定装置30の中継装置プロトコルDB34から、受信信号判定部37にDB更新通知を送信する。受信信号判定部37はDB更新通知を受け、判定結果リセット通知を受信側サーバ装置21へ向けて送信するための判定リセット信号を送信信号組立部39に送信して信号カプセル化を行って、受信側サーバ装置21の受信信号分解部54に送信する。
【0056】
図11Bにおいて、受信信号分解部54は非信号カプセル化した判定リセット信号を受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53から受信側サーバ装置21情報と判定リセット信号が受信信号記憶DB51に送信され、受信信号記憶DB51のリセットが実行される。なお、この後の信号データ1、ヘッダBに関する動作は、動作説明1−2と同様となる。
【0057】
<動作説明1−5>
図12A乃至図12Fに、プロトコルヘッダ判定装置30のファイル版数が最新でない場合の動作説明1−5を示す。ここでは、発側からの信号を着側が受信した後、着側から発信した信号で未定義ヘッダが検出された場合の動作について説明する。プロトコルヘッダ判定装置30の持つサーバ装置11,21のファイル版数はサーバ装置11が(1.0版)であり、サーバ装置21は最新(2.0版)となっている。
【0058】
シーケンスX:図12A,図12Bにおいて、通信端末12を発側として未定義ヘッダなしの信号データ1を通信端末22に送信する。送信側サーバ装置11、受信側サーバ装置21を介して通信端末22へ信号が伝わる。次に通信端末22から継続して通信確立するための未定義ヘッダEの信号データ2が通信端末12に送信される。この時、通信端末22からサーバ装置21に信号データ2は送信されるが、サーバ装置11の信号終端部42は信号データ2の未定義ヘッダEを検出する。未定義ヘッダ検出後、信号終端部42はサーバ装置11の受信信号検索部36に送受信側装置情報、信号データ2、未定義ヘッダEを送信する。
【0059】
受信信号検索部36は受信信号記憶DB51の検索を行い、検索結果を付加して受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部37は未検出と判定して通信確立最初の信号である信号データ1を信号終端部42に送信するように通知する。信号終端部42は信号データ1を受信信号判定部37に送信する。受信信号判定部37は信号データ1、信号データ2を送信信号組立部39に送信する。送信信号組立部39は信号データ1、信号データ2を図6に示す形式でカプセル化し、プロトコルヘッダ判定装置30へ送信する。
【0060】
シーケンスXI:プロトコルヘッダ判定装置30の受信信号分解部39はカプセル化した信号を取り出し、送受信側サーバ装置情報、判定情報、信号データ1、信号データ2を受信信号検索部36に送信する。受信信号検索部36は送受信側サーバ装置情報から、送信側サーバ装置11、受信側サーバ装置21の信号終端部42にファイル版数を問い合わせる。問い合わせた結果を装置種別、装置情報と共に中継装置プロトコルDB34に送信して問い合わせを行う。受信信号判定部37は問い合わせ結果を受けて中継装置プロトコルDB34内でサーバ装置11のファイル版数が最新(2.0版)でないため、NGの判定を行う。
【0061】
シーケンスXII:受信信号判定部37は、装置情報、判定情報、信号データ1、信号データ2、未定義ヘッダEの情報を受信信号記憶DB35に送信する。また、送信信号組立部39に装置情報、信号データ1、信号データ2、判定情報を送信して信号カプセル化を行って送信側サーバ装置11に送信する。
【0062】
送信側サーバ装置11の受信信号分解部54は受信した信号を非信号カプセル化して、装置情報、判定情報、信号データ1、信号データ2を受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53は受信した信号を受信信号記憶DB51と信号終端部42に送信する。NG結果を受けた信号終端部42は切断信号を端末側信号インタフェース部43から通信端末12に送信し、また、対応装置側信号インタフェース部41からサーバ装置21を介して通信端末22に送信する。
【0063】
シーケンスXIII:再度同様の未定義ヘッダEを持つ信号をサーバ装置21からサーバ装置11が受信した場合、サーバ装置11の信号終端部42で未定義ヘッダEを検出した後、信号データ2とヘッダEの情報を受信信号検索部52に送信する。受信信号検索部52は受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、判定信号データ(信号データ1)が不足しているので判定できないという検索結果を得て、受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53は検出結果を基に、信号終端部42から受信信号検索部52に信号データ1を送信するよう信号終端部42に通知する。
【0064】
信号終端部42は信号データ1を受信信号判定部53に送信する。信号データ1を受信後、再度、受信信号検索部52は受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、判定結果がNGであることを受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53は検出結果を基に装置情報、判定結果(NG)、信号データ2を信号終端部42へ送信する。NG結果を受けた信号終端部42は、切断信号を端末側インタフェース部43から通信端末12に送信すると共に、対応装置側インタフェース部41からサーバ装置21を介して通信端末22に送信する。
【0065】
サーバ装置11の受信信号記憶DB51は、NG結果を保持している場合、プロトコルヘッダ判定装置30の対象ファイル更新時にリセットがかかる。しかし、情報のリセット漏れ防止による通信切断を防ぐため定期的に情報をリセットする。このリセット動作は動作説明1−4におけるリセット動作と同様である。
【0066】
次に、上記の受信信号記憶DB51がNG結果を保持している状態で、プロトコルヘッダ判定装置30の中継プロトコルDB34の更新の動作を示す。
【0067】
シーケンスXIV:図12C,図12Dにおいて、プロトコルヘッダ判定装置30のオペレーションを行い、中継装置プロトコルDB34内のサーバ装置11のファイル更新を行う。つまり、版数を(1.0版)から(2.0版)に更新する。
【0068】
ファイル更新後、プロトコルヘッダ判定装置30の中継装置プロトコルDB34から、受信信号判定部37にDB更新通知を送信する。受信信号判定部37はDB更新通知を受け、判定結果リセット通知をサーバ装置11へ向けて送信するための判定リセット信号を送信信号組立部39に送信して信号カプセル化を行って、受信側サーバ装置21の受信信号分解部54に送信する。
【0069】
受信信号分解部54で非信号カプセル化した判定リセット信号を受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53から受信側サーバ装置21情報と判定リセット信号が受信信号記憶DB51に送信され、受信信号記憶DB51のリセットが実行される。
【0070】
続いて中継装置プロトコルDB34更新後の動作を説明する。
【0071】
シーケンスXV:プロトコルヘッダ判定装置30の持つサーバ装置11,21のファイル版数はサーバ装置11、サーバ装置21ともに最新(2.0版)である。通信端末12を発側、通信端末22を着側とした時、通信端末12が信号データ1(未定義ヘッダなし)を通信端末22へ送信する。送信側サーバ装置11、受信側サーバ装置21を介して通信端末22に信号が伝わる。次に通信端末22から継続して通信確立するための未定義ヘッダEの信号データ2が通信端末12へ送信される。この時の動作はシーケンスXと同様である。
【0072】
シーケンスXVI:プロトコルヘッダ判定装置30の受信信号分解部39はカプセル化した信号を取り出し、送受信側サーバ装置情報、判定情報、異常信号を受信信号検索部36に送信する。受信信号検索部36は送受信側サーバ装置21情報から送信側サーバ装置11、受信側サーバ装置21の信号終端部42にファイル版数を問い合わせる。問い合わせた結果を装置種別、装置情報と共に中継装置プロトコルDB34に送信して問い合わせを行う。受信信号判定部37は問い合わせ結果を受けてサーバ装置11のファイル版数が(1.0版)であるのに対し、受信側サーバ装置21のファイル版数が最新(2.0版)である。図3Aの信号種別2のヘッダ種別Eについてサーバ装置11に対応する装置種別11のファイル版数1.0の条件は「上1桁切り捨て」とされているため、ヘッダEの上1桁の切り捨て処理が行われていないことが分かり、これを判定情報とする。
【0073】
受信信号検索部36は判定情報と装置情報、信号データ1、信号データ2を受信信号判定部37に送信する。受信信号判定部37はこの情報を基に必要な処理を行う。今回は、プロトコルヘッダEの上1桁数を切捨てる処理を行う。処理された信号を信号データ2+と定義する。
【0074】
シーケンスXVII:受信信号判定部37は装置情報、判定結果、対処内容、信号データ1、信号データ2+、未定義ヘッダEの情報を受信信号記憶DB35に送信する。また、送信信号組立部39に装置情報、判定結果、対処内容、信号データ1、信号データ2+を送信して信号カプセル化を行って送信側サーバ装置11に送信する。
【0075】
サーバ装置11の受信信号分解部54は受信した信号を非信号カプセル化して、装置情報、判定結果、対処内容、信号データ1、信号データ2+と共に受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53は受信信号記憶DB51に装置情報、判定結果、対処内容、信号データ1、信号データ2+を送信し記憶させ、信号終端部42に装置情報、判定結果、信号データ2+を送信する。信号終端部42は判定結果から信号データ2+を通信端末12に送信する処理を行う。また、信号終端部42は切断信号を端末側インタフェース部43から通信端末12に送信し、対応装置側インタフェース部41からサーバ装置21を介して通信端末22に送信する。
【0076】
シーケンスXVIII:図12E,図12Fにおいて、再度、同様の未定義ヘッダEを持つ信号をサーバ装置21からサーバ装置11が受信した場合、信号終端部42で未定義ヘッダEを検出した後、信号データ2と未定義ヘッダEの情報を受信信号検索部36に送信する。受信信号検索部52は受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、判定信号データ(信号データ1)が不足しているため判定できないという検索結果を得て、受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53は、検出結果を基に、信号終端部42に受信信号検索部36へ信号データ1を送信するように通知する。
【0077】
信号終端部42は信号データ1を受信信号判定部53に送信する。信号データ1を受信後、再度、受信信号検索部52は受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、判定結果がOKと対処内容(検出結果)を受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53は、検出結果を基に信号データ2+を生成し、装置情報、判定結果(OK)、信号データ2+を信号終端部42に送信する。信号終端部42は判定結果から信号データ2+を通信端末12に送信する処理を行う。また、信号終端部42は切断信号を端末側インタフェース部43から通信端末12に送信し、対応装置側インタフェース部51からサーバ装置21を介して通信端末22に送信する。
【0078】
<動作説明1−6>
図13A乃至図13Bに、プロトコルヘッダ判定装置30のファイル版数が最新でない場合の動作説明1−6を示す。ここでは、プロトコルヘッダ判定装置30の持つサーバ装置11,21のファイル版数はサーバ装置11が最新(2.0版)であり、サーバ装置21は(1.0版)となっている。また、動作説明1−2と同様に信号データ1、未定義ヘッダBを用いる。この場合の動作は、プロトコルヘッダ判定装置30の受信信号判定部37で判定結果NGとして、送信信号組立部39に装置情報、判定結果、対処内容、信号データ1を送信するところまでのシーケンスXXは、前述のシーケンスI,IIと同様である。
【0079】
シーケンスXXI:送信信号組立部39は受信した信号をカプセル化し、サーバ装置11、サーバ装置21の受信信号分解部54に送信する。サーバ装置21はその後、動作説明1−2と同様に切断処理で行う。
【0080】
サーバ装置11のその後の動作を説明する。受信信号分解部54は受信した信号を非信号カプセル化して、装置情報、判定結果(NG)、対処内容(対処なし)、信号データ1を受信信号判定部53に送信される。受信信号判定部37は受信信号記憶DB51に装置情報、判定結果、対処内容、信号データ1を記憶させる。また、受信信号判定部37は信号終端部42に次回以降の信号データ1でヘッダBのある信号を受信した際には、受信信号検索部52に信号を送信する処理を行うように通知する。
【0081】
シーケンスXXII:再度ヘッダBを持つ信号データ1を通信端末12からサーバ装置11が受信すると、信号終端部42が信号データ1のヘッダBを検出した後、信号データ1とヘッダBの情報を受信信号検索部52に送信する。受信信号検索部52は、受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、検索結果を受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53は、検出結果を基に装置情報、判定結果(NG)、信号データ1を信号終端部42に送信する。NG結果を受けた信号終端部42は、切断信号を端末側インタフェース部43から通信端末12に送信する。
【0082】
サーバ装置11,21の受信信号記憶DB51はNG結果を保持している場合、プロトコルヘッダ判定装置30の対象ファイル更新時にリセットがかかるが、情報のリセット漏れ防止による通信切断を防ぐため定期的に情報をリセットする。これは動作説明1−4のリセット動作と同様である。
【0083】
シーケンスXXIIIでサーバ装置11,21それぞれの受信信号記憶DBがNG結果を保持したままの状態におけるプロトコルヘッダ判定装置30の中継装置プロトコルDB34の更新の動作を示す。
【0084】
プロトコルヘッダ判定装置30のオペレーションを行い、中継装置プロトコルDB34内のサーバ装置21のファイルを(1.0版)から(2.0版)に更新する。ファイル更新後、プロトコルヘッダ判定装置30の中継装置プロトコルDB34から、受信信号判定部37にDB更新通知を送信する。受信信号判定部37はDB更新通知を受け、判定結果リセット通知をそれぞれサーバ装置11、サーバ装置21に向けて送信するため、信号を送信信号組立部39に送信して信号カプセル化し、サーバ装置11,21それぞれの受信信号分解部54に送信する。
【0085】
サーバ装置11,21の受信信号分解部54は非信号カプセル化した判定リセット信号を受信信号判定部53に送信する。受信信号判定部53から受信側サーバ装置21情報と判定リセット信号が受信信号記憶DB51に送信され、受信信号記憶DB51のリセットが実行される。
【0086】
サーバ装置11は上記受信信号記憶DB51のリセット後、サーバ装置11の信号終端部42に信号データ1でヘッダBのある信号を受信した際に、受信信号検索部52に信号を送信する処理を行う状態を解除する信号を送信する。なお、中継装置プロトコルDB34の更新後の動作は動作説明1−2と同様である。
【0087】
<通信システムの第2実施形態の構成>
図14は通信システムの第2実施形態の構成図を示す。この実施形態では、ネットワークとしてIPネットワーク10A,20Aを用いる。IPネットワーク10Aは複数のサーバ装置としてのSIP(Session Initiation Protocol:セッション開始プロトコル)サーバ11Aと、各SIPサーバ11Aに接続された通信端末としてのIP電話端末12Aを有しており、ネットワーク20Aは複数のサーバ装置としてのSIPサーバ21Aと、各SIPサーバ21Aに接続された通信端末としてのIP電話端末22Aを有している。
【0088】
IPネットワーク10Aの各SIPサーバ11とIPネットワーク20Aの各サーバ21の間はネットワーク25Aで接続されている。また、ネットワーク10Aの各SIPサーバ11A及びネットワーク20Aの各SIPサーバ21Aはプロトコルヘッダ判定装置30Aに接続されている。
【0089】
プロトコルヘッダ判定装置30Aは、通信システム内に構成される異なるネットワーク10A,20Aに存在するSIPサーバ11A,21Aがどのプロトコルヘッダに対応しているかという情報を持っており、この情報を基に信号の判定を行う。プロトコルヘッダ判定装置30Aはプロトコルヘッダの即時判定及び変換及び学習を行うことで通信サービスの継続性を確保する。SIPサーバ11A,21Aの構成は図5に示すとおりであり、プロトコルヘッダ判定装置30Aの構成は図2又は図9に示すとおりである。
【0090】
プロトコルヘッダ判定装置30Aの中継装置プロトコルDB34には、第2実施形態として、図15A,図15Bに示すように、プロトコル種別、信号種別、ヘッダ種別、SIPサーバの装置種別(11A又は21A)、装置ファイルバージョン(SIPサーバのファイル版数)、パラメータ、条件、信号種別依存関係、桁や文字列の過不足影響、パラメータ特性、パラメータ要否によるネットワークへの影響等のプロトコル詳細情報を格納するプロトコルヘッダ情報DBと、図15Cに示すようにSIPサーバの装置種別、装置ファイルバージョン、装置固有種別を格納する装置固有情報DBが設けられている。
【0091】
受信信号記憶DB35には、第2実施形態として、図16に示すように送受信した装置と、未定義ヘッダのある信号を受信した時刻、送受信装置のファイル版数、プロトコル種別、信号種別、検出ヘッダ、対処方法を記憶する。
【0092】
以下、IP電話端末11Aを発側、IP電話端末22Aを着側として通話をするために必要なセッションプロトコル(SIP)を用いて通話セッションを確立させる場合について説明する。
【0093】
<動作説明2−1>
図17A及び図17Bにプロトコルヘッダ判定装置30Aのファイル版数が最新で信号INVITEを変更しない場合の動作説明2−1を示す。ここで、プロトコルヘッダ判定装置30A内の中継装置プロトコルDB34にあるSIPサーバ11A、SIPサーバ21Aのファイル版数は共に最新の2.0版であり、SIPサーバ11A自身のファイル版数は2.0版、SIPサーバ21A自身のファイル版数は1.0版となっている。この場合の信号SIP_INVITEの一例を図18に示す。
【0094】
ステップS1−1.IP電話端末11AからIP電話端末22Aに通話させるセッションを確立させるために、IP電話端末11AからSIPサーバ11Aに信号SIP_INVITEを送信する。
【0095】
ステップS1−2.SIPサーバ11Aは、SIP_INVITEを異なるネットワークNW2にあるSIPサーバ21Aに送信する。
【0096】
ステップS1−3.SIP_INVITEを対向装置側信号インタフェース部41で受信したSIPサーバ21Aは、SIPサーバ21A内の信号終端部42にSIPサーバ11A装置情報(IPアドレス、装置種別、SIP_INVITE受信時間)、SIP_INVITEを送信する。
【0097】
ステップS1−4.信号終端部42は、SIP_INVITEをネットワーク20A内で最適な形に変換を行う。ここで、信号終端部42でSIP_INVITE内にSIPサーバ21A内では認識しない番号通知ヘッダである未定義ヘッダを検出する。すなわち、未定義ヘッダとして、図18に示すSIP_INVITEの<番号通知>:anonymousを検出する。検出されたヘッダが許容できるかを判定するためSIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITE、番号通知ヘッダを受信信号検索部52に送信する。
【0098】
ステップS1−5.受信信号検索部52は受信した情報を基に、受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、問い合わせ結果を受信する。受信信号記憶DB51には番号通知ヘッダの情報は記憶されていないため、番号通知ヘッダ未検出という検出結果、SIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITE、番号通知ヘッダを受信信号判定部53に送信する。
【0099】
ステップS1−6.受信信号判定部53は検出結果が未検出を受けて、SIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITEを受信信号組立部55に送信する。
【0100】
ステップS1−7.受信信号組立部55はSIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITEに加えて、プロトコルヘッダ判定装置30Aが付与する判定結果、対処内容を図6に示すように信号カプセル化を行ってプロトコルヘッダ判定装置30Aの受信信号分解部36に送信する。
【0101】
ステップS1−8.プロトコルヘッダ判定装置30Aの受信信号分解部36はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果、対処内容、SIP_INVITEの信号カプセル化を解除(非信号カプセル化)して受信信号検索部36に送信する。
【0102】
ステップS1−9.受信信号検索部36はSIPサーバ11A及び21A装置情報から各SIPサーバに現在のファイル版数通知要求を送信し、それを受けたSIPサーバ11A、SIPサーバ21Aはそれぞれプロトコルヘッダ判定装置30Aにファイル版数の通知を行う。
【0103】
今回の例ではSIPサーバ11Aは2.0版、SIPサーバ21Aは1.0版である。この情報を基に、図15に示す構成の中継装置プロトコルDB34に問い合わせを行い、問い合わせた情報を受信する。問い合わせた情報(判定情報)とSIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITEは受信信号判定部37に送信される。
【0104】
ステップS1−10.受信信号判定部37は判定情報とSIP_INVITEの照合を行う。図18に示すSIP_INVITEは番号通知ヘッダ<番号通知>:anonymousを有している。しかし、図15Aによれば、SIPサーバ21Aでは番号通知ヘッダに関する条件はなく(「−」で表示)、ネットワーク20Aに影響を与えないため、SIP_INVITEをそのまま透過させる処理を行う。また、判定結果はOKと判定される。
【0105】
SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、番号通知ヘッダを図16に示す構成の受信信号記憶DB35に送信して記憶する。また、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(なし)、SIP_INVITEを送信信号組立部39に送信する。
【0106】
ステップS1−11.送信信号組立部39はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(なし)、SIP_INVITEを図6に示すように信号カプセル化し、SIPサーバ21Aの受信信号分解部54に送信する。
【0107】
ステップS1−12.SIPサーバ21Aの受信信号分解部54はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(なし)、SIP_INVITEを非信号カプセル化して、受信信号判定部53に送信する。
【0108】
ステップS1−13.受信信号判定部53はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、番号通知ヘッダを図16に示す構成の受信信号記憶DB51に送信して記憶させる。また、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK),SIP_INVITEを信号終端部42に送信する。
【0109】
ステップS1−14.信号終端部42は判定結果(OK)を受けて端末側信号インタフェース部43にIP通信端末22A情報、SIP_INVITEを送信する。端末側信号インタフェース部43はIP電話端末22AにSIP_INVITEを送信する。
【0110】
以上でSIP_INVITEはIP電話端末11AからIP電話端末22Aへ伝わった。これ以降、継続してセッション確立の信号を同様にして送受信して行く。上記の動作後、同様のSIP_INVITEを受信した時のシーケンスをステップS1−15〜S1−18に示す。なお、ステップS1−15〜S1−18の動作はステップS1−1〜S1−4と同様のため説明を省略し、それ以降の動作を示す。
【0111】
ステップS1−19.受信信号検索部36は受信された各情報を基に、受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、問い合わせ結果を受信する。受信信号記憶DB51には番号通知ヘッダの情報が記憶されおり、判定結果OK、番号通知ヘッダ対処不要という検出結果を得ることができる。この検出結果と、SIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITE、番号通知ヘッダを受信信号判定部53に送信する。
【0112】
ステップS1−20.受信信号判定部53は判定結果OK、番号通知ヘッダ対処不要という検出結果を受けて、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK),SIP_INVITEを信号終端部42に送信する。
【0113】
ステップS1−21.信号終端部42は判定結果(OK)を受けて端末側信号インタフェース部43にIP通信端末22A情報、SIP_INVITEを送信する。端末側信号インタフェース部43はIP電話端末22AにSIP_INVITEを送信する。
【0114】
以上でSIP_INVITEはIP電話端末11AからIP電話端末22Aに伝わる。これ以降、継続してセッション確立の信号を同様にして送受信を行う。
【0115】
<動作説明2−2>
図19A及び図19Bにプロトコルヘッダ判定装置30Aのファイル版数が最新であり、信号INVITEを変更する場合の動作説明2−2を示す。ここで、プロトコルヘッダ判定装置30A内の中継装置プロトコルDB34にあるSIPサーバ11A、SIPサーバ21Aのファイル版数は共に最新の2.0版であり、SIPサーバ11A自身のファイル版数は1.0版、SIPサーバ21A自身のファイル版数は2.0版となっている。この場合のセッションを確立するために送信するSIP_INVITEを図20に示す。
【0116】
動作説明2−2における動作説明2−1との違いは、SIP_INVITEがIPネットワーク20AにおいてIPネットワーク10Aから送信されてきたままでは通信に影響を与えしまうという点である。
【0117】
図19A及び図19Bにおいて、ステップS2−1〜S2−9はステップS1−1〜S1−9までの未定義ヘッダ名が端末識別情報になる以外は動作として同一のため説明を省略する。なお、ステップS2−4では信号終端部42にて図20に示すSIP_INVITEから端末識別情報42桁を検出する。
【0118】
ステップS2−10.受信信号判定部37は判定情報とSIP_INVITEの照合を行う。図20に示すSIP_INVITEの端末識別情報は42桁であるのに対し、図15Aでは2.0版のSIPサーバ21Aの端末識別情報のパラメータは48桁であり、ネットワーク20Aにおける端末識別情報ヘッダは48桁ではないと通信不可能となってしまう。このため、図15AのSIP_INVITE、端末識別情報、SIPサーバ21A、2.0版、条件の欄に記載のように、SIP_INVITE内の端末識別情報ヘッダ42桁の上6桁に’000000’を挿入する処理を行う。処理後の信号をSIP_INVITE+とする。また、判定結果はOKと判定される。受信信号判定部37はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(’000000’を上6桁に挿入)、SIP_INVITE、端末識別情報ヘッダを受信信号記憶DB35に送信し記憶させる。また、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(’000000’を上6桁に挿入)、SIP_INVITE+を送信信号組立部39に送信する。
【0119】
ステップS2−11.送信信号組立部39はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(’000000’を上6桁に挿入)、SIP_INVITE+を図6に示すように信号カプセル化し、SIPサーバ21Aの受信信号分解部54に送信する。
【0120】
ステップS2−12.SIPサーバ21Aの受信信号分解部54はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(’000000’を上6桁に挿入)、SIP_INVITE+を非信号カプセル化して、受信信号判定部53に送信する。
【0121】
ステップS2−13.受信信号判定部53はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(’000000’を上6桁に挿入)、SIP_INVITE、端末識別情報ヘッダを受信信号記憶DB51に送信し記憶させる。また、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK),SIP_INVITE+を信号終端部42に送信する。
【0122】
ステップS2−14.信号終端部42は判定結果(OK)を受けて端末側信号インタフェース部43にIP通信端末22A情報、SIP_INVITE+を送信する。端末側信号インタフェース部43がIP電話端末22AにSIP_INVITE+を送信する。
【0123】
以上でSIP_INVITEはIP電話端末11AからIP電話端末22AにSIP_INVITE+として最適化され伝わる。これ以降、継続してセッション確立の信号を同様にして送受信していく。
【0124】
上記動作後に同様のSIP_INVITEを受信した時の動作を以下に示す。なお、ステップS2−15〜S2−18の動作はステップS2−1〜S2−4の動作と同様のため省略する。
【0125】
ステップS2−19.SIPサーバ21Aの受信信号検索部36は受信されたプロトコルの各ヘッダ情報を受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、問い合わせ結果を受信する。受信信号記憶DB51には端末識別情報ヘッダの情報が記憶されおり、判定結果OK、端末識別情報ヘッダ、対処内容(’000000’を上6桁に挿入)という検出結果を得ることができる。この検出結果と、SIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITE、端末識別情報ヘッダを受信信号判定部53に送信する。
【0126】
ステップS2−20.受信信号判定部53は判定結果OK、端末識別情報ヘッダ、対処内容(’000000’を上6桁に挿入)という検出結果を受けて、SIP_INVITEをSIP_INVITE+に加工する。その後、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK),SIP_INVITE+を信号終端部42に送信する。
【0127】
ステップS2−21.信号終端部42は判定結果(OK)を受けて端末側信号インタフェース部43にIP通信端末22A情報、SIP_INVITE+を送信する。端末側信号インタフェース部43はIP電話端末22AにSIP_INVITE+を送信する。
【0128】
以上でSIP_INVITEはIP電話端末11AからIP電話端末22AにSIP_INVITE+として最適化され伝わる。これ以降、継続してセッション確立の信号を同様にして送受信して行く。
【0129】
<動作説明2−3>
図21A及び図21Dにプロトコルヘッダ判定装置30Aの中継装置プロトコルDB34のファイル版数が最新ではなく信号INVITEを変更する場合の動作説明2−3を示す。ここで、プロトコルヘッダ判定装置30A内の中継装置プロトコルDB34にあるSIPサーバ11Aのファイル版数が最新の2.0版、SIPサーバ21Aのファイル版数が最新ではない1.0版であり、SIPサーバ11A自身のファイル版数は2.0版、SIPサーバ21A自身のファイル版数は1.0版となっている。この場合のセッションを確立するために送信するSIP_INVITEは先に示した図20と同一とする。
【0130】
図21A及び図21Bに示すシーケンス動作については、ステップS3−1〜S3−9はステップS2−1〜S2−9と同様のため説明を省略する。なお、ステップS3−4では信号終端部42にて図20に示すSIP_INVITEから端末識別情報42桁を検出する。
【0131】
ステップS3−10.受信信号判定部37は判定情報とSIP_INVITEの照合を行う。今回の実施例は中継装置プロトコルDB34内のSIPサーバ21Aのファイル版数が1.0版でSIP_INVITEの端末識別情報の条件は42桁であるが、SIPサーバ11A自身のファイル版数が2.0版でSIP_INVITEの端末識別情報の条件は48桁であり、対処不可であるため、判定結果はNGと判定される。SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、端末識別情報ヘッダを受信信号記憶DB35に送信し記憶させる。また、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITEを送信信号組立部39に送信する。
【0132】
ステップS3−11.送信信号組立部39はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITEを図6に示すように信号カプセル化し、SIPサーバ21Aの受信信号分解部54に送信する。
【0133】
ステップS3−12.SIPサーバ21Aの受信信号分解部54はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITEを非信号カプセル化して、受信信号判定部53に送信する。
【0134】
ステップS3−13.受信信号判定部53はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、端末識別情報ヘッダを受信信号記憶DB51に送信し記憶させる。また、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITEを信号終端部42に送信する。
【0135】
ステップS3−14.信号終端部42は判定結果(NG)を受けて対向装置側信号IF部41にSIPサーバ11A装置情報、CANCELを送信する。
【0136】
ステップS3−15.対向装置側信号IF部41はSIPサーバ11AにCANCELを送信し、さらにSIPサーバ11AからIP電話端末11AにCANCELが送信される。CANCEL信号がIP電話端末11Aに到達するとセッション確立処理が切断される。
【0137】
上記の動作後、同様のSIP_INVITEを受信した時の動作について説明する。なお、ステップS3−16〜S3−19の動作はステップS3−1〜S3−4と同様のため、それ以降の動作を説明する。
【0138】
ステップS3−20.SIPサーバ21Aの受信信号検索部36は受信された各情報を基に、受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、問い合わせ結果を受信する。受信信号記憶DB51には端末識別情報ヘッダの情報が記憶されおり、判定結果NG、端末識別情報ヘッダ対処不要という検出結果を得ることができる。この検出結果と、SIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITE、端末識別情報ヘッダを受信信号判定部53に送信する。
【0139】
ステップS3−21.受信信号判定部53は判定結果NG、端末識別情報ヘッダ、対処内容(なし)という検出結果を受けて、その後、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG),SIP_INVITEを信号終端部42に送信する。
【0140】
ステップS3−22.信号終端部42は判定結果(NG)を受けて対向装置側信号IF部43にSIPサーバ11A装置情報、CANCELを送信する。
【0141】
ステップS3−23.対向装置側信号IF部43はSIPサーバ11AにCANCELを送信し、さらにSIPサーバ11AからIP電話端末11AにCANCELを送信する。CANCEL信号がIP電話端末11Aに到達することでセッション確立処理が切断される。
【0142】
次に、プロトコルヘッダ判定装置30A内の中継装置プロトコルDB34にあるSIPサーバ21Aのファイル版数を1.0版から2.0版に変更した際のシーケンスを図21C及び図21Dに示す。
【0143】
ステップS3−24.プロトコルヘッダ判定装置30Aのオペレーションを行い、中継装置プロトコルDB34内のSIPサーバ21Aのファイル更新を行う。すなわち、ファイル版数を1.0版から2.0版に更新する。ファイル更新後、プロトコルヘッダ判定装置30Aの中継装置プロトコルDB34から、受信信号判定部37にDB更新通知を送信する。
【0144】
ステップS3−25.受信信号判定部37はDB更新通知を受け、判定結果リセット通知をSIPサーバ21Aへ向けて送信するため、判定結果にリセットを記載し送信信号組立部39にSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(リセット)、対処内容(なし)、信号データ(なし)を送信する。
【0145】
ステップS3−26.送信信号組立部39はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(リセット)、対処内容(なし)、信号データ(なし)を図6に示すように信号カプセル化し、SIPサーバ21Aの受信信号分解部54に送信する。
【0146】
ステップS3−27.SIPサーバ21Aの受信信号分解部54は判定結果(リセット)、対処内容(なし)、信号データ(なし)を非信号カプセル化して、受信信号判定部53に送信する。
【0147】
ステップS3−28.受信信号判定部53はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(リセット)、を受信信号記憶DB51に送信して受信信号記憶DB51をリセットさせる。
【0148】
なお、その後の動作は動作説明2−2の動作と同様のため説明を省略する。
【0149】
<動作説明2−4>
図22A及び図22Fにプロトコルヘッダ判定装置30Aの中継装置プロトコルDB34のファイル版数が最新ではなく、着側からの発信信号の場合の動作説明2−4を示す。ここで、プロトコルヘッダ判定装置30A内の中継装置プロトコルDB34にあるSIPサーバ11Aのファイル版数が最新ではない1.0版、SIPサーバ21Aのファイル版数が最新の2.0版であり、SIPサーバ11A自身のファイル版数は1.0版、SIPサーバ21A自身のファイル版数は2.0版となっている。この場合のセッションを確立するために送信するSIP_INVITEを図23に示す。また、SIP_183 Session Progress(以下、「SIP_183」と略す)を図24に示す。
【0150】
ステップS4−1.図22A及び図22Bにおいて、IP電話端末11AからIP電話端末22Aに通話させるセッションを確立させるために、IP電話端末11AからSIPサーバ11A、SIPサーバ21A、IP電話端末22Aに図23のSIP_INVITEを送信する。
【0151】
ステップS4−2.SIP_INVITEを受信したIP電話端末22AはIP電話端末11Aに向けてSIP_183を送信するために、IPネットワーク20AのSIPサーバ21AにSIP_183を送信する。
【0152】
ステップS4−3.端末側信号インタフェース部43でSIP_183を受信したSIPサーバ21Aは、SIPサーバ21A内の信号終端部42に端末情報、SIP_183を送信し、さらに対向装置側IF部41からSIP_183をSIPサーバ11Aの対向装置側IF部41に送信する。
【0153】
ステップS4−4.SIP_183を対向装置側信号IF部41で受信したSIPサーバ11Aは、SIPサーバ11A内の信号終端部42にSIPサーバ21A装置情報、SIP_183を送信する。
【0154】
ステップS4−5.信号終端部42は、SIP_183をIPネットワーク10A内で最適な形に変換する。信号終端部42でSIPサーバ11A内では許容しないSIP_183の端末識別番号ヘッダ及び課金情報を検出する。なお、図15Bに示すように、SIP_183の端末識別番号ヘッダの条件は、1.0版のSIPサーバ11Aで任意42桁であるのに対し、図24のSIP_183は48桁であり、条件と異なっている。また、図15Bに示すように、SIP_183の課金情報の信号種別依存関係は下2桁がSIP_INVITEの課金情報の下2桁と同一であるのに対し、図23のSIP_INVITEと図24のSIP_183では課金情報の下2桁が異なっている。
【0155】
信号終端部42は検出されたヘッダが許容できるかを知るためにSIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_183、端末識別番号ヘッダ及び課金情報ヘッダを受信信号検索部52に送信する。
【0156】
ステップS4−6.受信信号検索部52は受信された各情報を基に、受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、問い合わせ結果を受信する。受信信号記憶DB51にはSIP_183の端末識別番号ヘッダ及び課金情報ヘッダの情報は記憶されていないため、端末識別番号ヘッダ未検出及び課金情報ヘッダ不一致という検出結果、SIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_183、端末識別番号ヘッダ及び課金情報ヘッダを受信信号判定部53に送信する。
【0157】
ステップS4−7.受信信号判定部53は検出結果が未検出を受けて、SIP_183とセッション確立上依存関係のあるSIP_INVITEをプロトコルヘッダ判定装置30Aに合わせて送信するため、SIP_INVITE送信要求を信号終端部42に送信し、信号終端部42からSIP_INVITEを受信する。その後SIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITE、SIP_183を受信信号組立部55に送信する。
【0158】
ステップS4−8.受信信号組立部55はSIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITE、SIP_183に加えて、プロトコルヘッダ判定装置30Aが付与してくるヘッダの判定結果、対処内容を図6に示すように信号カプセル化を行ってプロトコルヘッダ判定装置30Aの受信信号分解部38に送信する。
【0159】
ステップS4−9.プロトコルヘッダ判定装置30Aの受信信号分解部38はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果、対処内容、SIP_INVITE、SIP_183の信号カプセル化を解除(非信号カプセル化)して受信信号検索部36に送信する。
【0160】
ステップS4−10.受信信号検索部36はSIPサーバ11A及び21A装置情報から各SIPサーバ11A,21Aに現在のファイル版数通知要求を送信し、それを受けたSIPサーバ11A、SIPサーバ21Aはそれぞれプロトコルヘッダ判定装置30Aにファイル版数通知を行う。今回の例ではSIPサーバ11Aは1.0版、SIPサーバ21Aは2.0版である。この情報を基に中継プロトコルDB34に問い合わせを行い、問い合わせた情報を受信する。受信信号検索部36は問い合わせた情報(判定情報)とSIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITE、SIP_183を受信信号判定部37に送信する。
【0161】
ステップS4−11.受信信号判定部37は判定情報とSIP_INVITE、SIP_183の照合を行う。照合の際にセッション確立中の信号の依存関係(今回の例はSIP_INVITE、SIP_183)の有無も考慮する。今回の例は中継装置プロトコルDB34内のSIPサーバ11Aのファイル版数が1.0版であり、条件の欄に対処方法が記載されていないため、判定結果はNGと判定される。SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、SIP_183、端末識別情報ヘッダを受信信号記憶DB35に送信し記憶させる。また、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、SIP_183を送信信号組立部39に送信する。
【0162】
ステップS4−12.送信信号組立部39はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、SIP_183を図6に示すように信号カプセル化し、SIPサーバ11Aの受信信号分解部54に送信する。
【0163】
ステップS4−13.SIPサーバ11Aの受信信号分解部54はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、SIP_183を非信号カプセル化して、受信信号判定部37に送信する。
【0164】
ステップS4−14.受信信号判定部37はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、SIP_183、端末識別情報ヘッダ及び課金情報ヘッダを受信信号記憶DBに送信し記憶させる。また、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_183を信号終端部42に送信する。
【0165】
ステップS4−15.信号終端部42は判定結果(NG)を受けて対向装置側信号IF部41にCANCELを送信し、端末側信号インタフェース部43に500 Server Internal Errorを送信する。
【0166】
ステップS4−16.対向装置側信号IF部41はSIPサーバ21AにCANCELを送信し、さらにSIPサーバ21AからIP電話端末22AにCANCELが送信される。CANCEL信号がIP電話端末22Aに到達することでセッション確立処理が切断される。
【0167】
ステップS4−17.端末側信号インタフェース部43はIP電話端末11Aに500 Server Internal Errorを送信し、IP電話端末11Aに上記Errorが到達してセッション確立処理が切断される。
【0168】
上記動作後に同様のSIP_183を受信した時の動作を説明する。なお、ステップS4−18〜S4−22までの動作はステップS4−1〜S4−5と同様のため省略し、それ以降の動作を示す。
【0169】
ステップS4−23.サーバ11Aの受信信号検索部52は受信された各情報を基に、受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、問い合わせ結果を受信する。受信信号記憶DB51はSIP_183のみでは端末識別番号ヘッダの情報は抽出できないため、判定信号不足(SIP_INVITE)という検出結果、SIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_183、端末識別番号ヘッダ及び課金情報ヘッダを受信信号判定部53に送信する。
【0170】
ステップS4−24.受信信号判定部53は検出結果が判定信号不足(SIP_INVITE)受けて、信号終端部42にSIP_INVITEを要求する通知を送信し、信号終端部42からSIP_INVITE信号が受信信号検索部52に送信される。
【0171】
ステップS4−25.受信信号検索部52は追加で受信されたSIP_INVITEとステップS4−6で受信していた各情報を基に、受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、問い合わせ結果を受信する。受信信号記憶DB51には端末識別番号ヘッダの情報は記憶されていないため、受信信号記憶DB51は端末識別番号ヘッダ未検出及び課金情報ヘッダ不一致という検出結果、SIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_183、端末識別番号ヘッダ及び課金情報ヘッダを受信信号判定部53に送信する。
【0172】
ステップS4−26.受信信号判定部53はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(NG)、対処内容(なし)、SIP_183を信号終端部42に送信する。
【0173】
ステップS4−27.信号終端部42は判定結果(NG)を受けて対向装置側信号IF部41にCANCELを送信し、端末側信号インタフェース部43へ500 Server Internal Errorを送信する。
【0174】
ステップS4−28.対向装置側信号IF部41はSIPサーバ21AにCANCELを送信され、さらにSIPサーバ21AからIP電話端末22AにCANCELを送信する。CANCEL信号がIP電話端末22Aに到達することでセッション確立処理が切断される。
【0175】
ステップS4−29.端末側信号インタフェース部43はIP電話端末11Aに500 Server Internal Errorを送信し、上記ErrorがIP電話端末11Aに到達してセッション確立処理が切断される。
【0176】
次に、プロトコルヘッダ判定装置30A内のDBにあるSIPサーバ11Aのファイル版数を1.0版から2.0版に変更した際の動作を図22C及び図22Dに示す。この場合のSIP_INVITEとSIP_183を図23と図24に示す。ステップS4−30〜S4−34は、ステップS3−24〜S3−28のSIPサーバ21AをSIPサーバ11Aと読み替えれば同様であるため説明を省略する。
【0177】
続いて、中継装置プロトコルDB34更新後の動作を説明する。ステップS4−35〜4−44は、ステップS4−1からステップS4−10と同様のため説明を省略する。
【0178】
ステップS4−45.プロトコルヘッダ判定装置30Aの受信信号判定部37は判定情報とSIP_INVITE、SIP_183の照合を行う。照合の際にセッション確立中の信号の依存関係(今回の例はSIP_INVITE、SIP_183)の有無も考慮する。今回の例は図15Bに示すように、SIP_183の端末識別番号ヘッダの条件は、2.0版のSIPサーバ11Aで任意42−48桁(下42桁以外の上0−6桁はD‘ont Care)であり、ネットワーク10Aに図24の端末識別情報ヘッダを48桁として透過させても下42桁のみの認識しかしない。さらに、図15Bに示すように、SIP_183の課金情報の信号種別依存関係は2.0版のSIPサーバ11Aでは「なし」で、条件は「下2桁不定」であり、ネットワーク10Aに図24の課金情報の下2桁を透過させても問題はない。このため、SIP_183をそのまま透過させる処理を行う。また、判定結果はOKと判定される。SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、SIP_183、端末識別情報ヘッダ及び課金情報ヘッダを受信信号記憶DB35に送信し記憶させる。また、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、SIP_183を送信信号組立部39に送信する。
【0179】
ステップS4−46.送信信号組立部39はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、SIP_183を図6に示すように信号カプセル化し、SIPサーバ11Aの受信信号分解部54に送信する。
【0180】
ステップS4−47.SIPサーバ11Aの受信信号分解部54はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、SIP_183を非信号カプセル化して、受信信号判定部53に送信する。
【0181】
ステップS4−48.受信信号判定部53はSIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK)、対処内容(なし)、SIP_INVITE、SIP_183、端末識別情報ヘッダ及び課金情報ヘッダを受信信号記憶DB51に送信し記憶させる。また、SIPサーバ11A及び21A装置情報、対処内容(なし)、SIP_183を信号終端部42に送信する。
【0182】
ステップS4−49.信号終端部42は判定結果(OK)を受けて端末側信号インタフェース部43にIP通信端末12情報、SIP_183を送信する。端末側信号インタフェース部43はIP電話端末11AにSIP_183を送信する。以上でSIP_183はIP電話端末11AからIP電話端末22Aに伝わる。これ以降、継続してセッション確立の信号を同様にして送受信して行く。
【0183】
上記動作後、同様のSIP_INVITEを受信した時の動作を図22E及び図22Fに示す。ステップS4−50〜S4−54の動作はステップS4−1から4−5と同様であり、ステップS4−55〜4−57の動作はステップS4−22〜S4−24と同様のため説明を省略する。
【0184】
ステップS4−58.受信信号検索部52は追加で受信されたSIP_INVITEとステップS4−56で受信していた各情報を基に、受信信号記憶DB51に問い合わせを行い、問い合わせ結果を受信する。受信信号記憶DB51には端末識別情報ヘッダの情報が記憶されおり、判定結果OK、端末識別情報ヘッダ、対処内容(なし)という検出結果を得ることができる。受信信号検索部52は、この検出結果とSIPサーバ11A及び21A装置情報、SIP_INVITE、SIP_183、端末識別情報ヘッダ及び課金情報ヘッダを受信信号判定部53に送信する。
【0185】
ステップS4−59.受信信号判定部53は判定結果OK、端末識別情報ヘッダ、対処内容(なし)という検出結果を受けて、SIPサーバ11A及び21A装置情報、判定結果(OK),SIP_183を信号終端部42に送信する。
【0186】
ステップS4−60.信号終端部42は判定結果(OK)を受けて端末側信号インタフェース部43にIP通信端末12情報、SIP_183を送信する。端末側信号インタフェース部43はIP電話端末11AにSIP_183を送信する。以上でSIP_183はIP電話端末11AからIP電話端末22Aに伝わる。これ以降、継続してセッション確立の信号を同様にして送受信して行く。
【0187】
上記の実施形態によれば、異なるネットワーク間での送信側サーバ装置と受信側サーバ装置の版数情報漏れが原因の不必要な未定義ヘッダの破棄がなくなる。これにより、接続遅延を減少でき、接続品質が向上する。また、プロトコルヘッダ判定装置の中継装置プロトコルDBを参照することで、問題部分の解析が容易となり解析速度が向上する。また、プロトコルヘッダ判定装置及びサーバ装置それぞれに受信信号記憶DBを設けることにより、同様の障害が発生したときに不要な接続動作を行う必要がなくなりリソースの有効活用が可能となる。
【0188】
また、未定義ヘッダのプロトコル信号と、これ以前に受信した未定義ヘッダのプロトコル信号と依存関係にあるプロトコル信号を用いて受信可能か否かを判定することで、さらに未定義ヘッダの破棄を低減することができ、通信の継続性を高めることができる。
(付記1)
それぞれにサーバ装置を有する複数のネットワークを接続して、異なるネットワーク間の通信を行う通信システムであって、
前記異なるネットワークの送信側及び受信側のサーバ装置に接続されたプロトコルヘッダ判定装置を有し、
受信したプロトコル信号に未定義のプロトコルヘッダである未定義ヘッダを検出した前記受信側のサーバ装置から前記未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を前記プロトコルヘッダ判定装置に送信し、
前記プロトコルヘッダ判定装置にて前記未定義ヘッダを前記受信側のサーバ装置で受信可能か否かを判定し、前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に前記受信側のサーバ装置に送信し、
前記受信側のサーバ装置にて前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した前記判定結果が受信可能であるとき前記未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行ったプロトコル信号を使用して前記異なるネットワーク間の通信を行う
ことを特徴とする通信システム。
(付記2)
付記1記載の通信システムにおいて、
前記プロトコルヘッダ判定装置は、
前記受信側のサーバ装置から未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を受信する受信部と、
前記異なるネットワークそれぞれで定義されているプロトコルヘッダ情報を記憶したプロトコルヘッダ記憶部と、
前記受信側のサーバ装置から未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を受信して、前記プロトコルヘッダ記憶部から前記送信側のサーバ装置と前記受信側のサーバ装置それぞれの前記未定義ヘッダに対するプロトコルヘッダ情報を読み出し、前記未定義ヘッダを前記受信側のサーバ装置で受信可能か否かを判定し、判定結果に応じて前記未定義ヘッダに対する処理を行うプロトコルヘッダ処理部と、
前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に前記受信側のサーバ装置に送信する送信部と、
を有することを特徴とする通信システム。
(付記3)
付記2記載の通信システムにおいて、
前記サーバ装置は、
送信側のネットワークから受信したプロトコル信号から未定義ヘッダを検出して、未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を前記プロトコルヘッダ判定装置に送信する送信部と、
前記プロトコルヘッダ判定装置から、前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に受信する受信部と、
前記受信部で前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した前記判定結果が受信可能であるとき前記未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行ったプロトコル信号を使用して前記異なるネットワーク間の通信を行う通信部と、
を有することを特徴とする通信システム。
(付記4)
付記3記載の通信システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記受信部で前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した、前記判定結果及び処理内容を前記検出した未定義ヘッダと共に記憶する信号記憶部と、
前記送信側のネットワークから受信したプロトコル信号に未定義ヘッダを検出したとき、検出した未定義ヘッダを用いて前記信号記憶部から判定結果及び処理内容を読み出して前記検出した未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行う信号処理部と、
を有することを特徴とする通信システム。
(付記5)
それぞれにサーバ装置を有する複数のネットワークを接続して、異なるネットワーク間の通信を行う通信システムで、前記異なるネットワークの送信側及び受信側のサーバ装置に接続されたプロトコルヘッダ判定装置であって、
前記受信側のサーバ装置から未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を受信する受信部と、
前記異なるネットワークそれぞれで定義されているプロトコルヘッダ情報を記憶したプロトコルヘッダ記憶部と、
前記受信側のサーバ装置から未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を受信して、前記プロトコルヘッダ記憶部から前記送信側のサーバ装置と前記受信側のサーバ装置それぞれの前記未定義ヘッダに対するプロトコルヘッダ情報を読み出し、前記未定義ヘッダを前記受信側のサーバ装置で受信可能か否かを判定し、判定結果に応じて前記未定義ヘッダに対する処理を行うプロトコルヘッダ処理部と、
前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に前記受信側のサーバ装置に送信する送信部と、
を有することを特徴とするプロトコルヘッダ判定装置。
(付記6)
それぞれにサーバ装置を有する複数のネットワークを接続して、異なるネットワーク間の通信を行う通信システムのサーバ装置であって、
送信側のネットワークから受信したプロトコル信号から未定義ヘッダを検出して、未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を前記プロトコルヘッダ判定装置に送信する送信部と、
前記プロトコルヘッダ判定装置から、前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に受信する受信部と、
前記受信部で前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した前記判定結果が受信可能であるとき前記未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行ったプロトコル信号を使用して前記異なるネットワーク間の通信を行う通信部と、
を有することを特徴とするサーバ装置。
(付記7)
付記6記載のサーバ装置において、
前記受信部で前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した、前記判定結果及び処理内容を前記検出した未定義ヘッダと共に記憶する信号記憶部と、
前記送信側のネットワークから受信したプロトコル信号に未定義ヘッダを検出したとき、検出した未定義ヘッダを用いて前記信号記憶部から判定結果及び処理内容を読み出して前記検出した未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行う信号処理部と、
を有することを特徴とするサーバ装置。
(付記8)
付記4記載の通信システムにおいて、
前記プロトコルヘッダ判定装置は、
前記プロトコルヘッダ記憶部に記憶されている異なるネットワークそれぞれで定義されているプロトコルヘッダ情報が更新されたときリセット情報を生成し、前記プロトコルヘッダ情報が更新されたネットワークのサーバ装置に送信する手段を有し、
前記サーバ装置は、
前記プロトコルヘッダ判定装置から送信されたリセット情報を受信したとき前記信号記憶部に記憶されている判定結果と処理内容を消去する消去手段を有する
ことを特徴とする通信システム。
(付記9)
付記8記載の通信システムにおいて、
前記サーバ装置の送信部は、前記未定義ヘッダを検出したプロトコル信号を、前記未定義ヘッダを検出したプロトコル信号以前に前記送信側のネットワークから受信した前記未定義ヘッダのプロトコル信号と依存関係にあるプロトコル信号と共に前記プロトコルヘッダ判定装置に送信し、
前記プロトコルヘッダ判定装置のプロトコルヘッダ処理部は、前記プロトコルヘッダ記憶部から、前記送信側のサーバ装置と前記受信側のサーバ装置それぞれの前記未定義ヘッダと前記依存関係にあるプロトコル信号それぞれに対するプロトコルヘッダ情報を読み出し、読み出した前記プロトコルヘッダ情報から前記受信側のサーバ装置で受信可能か否かを判定し、判定結果に応じて前記未定義ヘッダに対する処理を行う
ことを特徴とする通信システム。
【符号の説明】
【0189】
10,20,25 ネットワーク
10A,20A IPネットワーク
11,21 サーバ装置
11A,21A SIPサーバ
12,22 通信端末
12A,22A IP電話端末
30 プロトコルヘッダ判定装置
31 プロトコルヘッダ記憶部
32 プロトコルヘッダ処理部
33 信号インタフェース部33
34 中継装置プロトコルDB
35 受信信号記憶DB
36 受信信号検索部
37 受信信号判定部
38 受信信号分解部
39 送信信号組立部
41 対向装置側信号インタフェース部
42 信号終端部
43 端末側信号インタフェース部
44 信号記憶部
45 信号処理部
46 プロトコルヘッダ側信号インタフェース部
51 受信信号DB
52 受信信号検索部
53 受信信号判定部
54 受信信号分解部
55 送信信号組立部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれにサーバ装置を有する複数のネットワークを接続して、異なるネットワーク間の通信を行う通信システムであって、
前記異なるネットワークの送信側及び受信側のサーバ装置に接続されたプロトコルヘッダ判定装置を有し、
受信したプロトコル信号に未定義のプロトコルヘッダである未定義ヘッダを検出した前記受信側のサーバ装置から前記未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を前記プロトコルヘッダ判定装置に送信し、
前記プロトコルヘッダ判定装置にて前記未定義ヘッダを前記受信側のサーバ装置で受信可能か否かを判定し、前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に前記受信側のサーバ装置に送信し、
前記受信側のサーバ装置にて前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した前記判定結果が受信可能であるとき前記未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行ったプロトコル信号を使用して前記異なるネットワーク間の通信を行う
ことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1記載の通信システムにおいて、
前記プロトコルヘッダ判定装置は、
前記受信側のサーバ装置から未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を受信する受信部と、
前記異なるネットワークそれぞれで定義されているプロトコルヘッダ情報を記憶したプロトコルヘッダ記憶部と、
前記受信側のサーバ装置から未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を受信して、前記プロトコルヘッダ記憶部から前記送信側のサーバ装置と前記受信側のサーバ装置それぞれの前記未定義ヘッダに対するプロトコルヘッダ情報を読み出し、前記未定義ヘッダを前記受信側のサーバ装置で受信可能か否かを判定し、判定結果に応じて前記未定義ヘッダに対する処理を行うプロトコルヘッダ処理部と、
前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に前記受信側のサーバ装置に送信する送信部と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項2記載の通信システムにおいて、
前記サーバ装置は、
送信側のネットワークから受信したプロトコル信号から未定義ヘッダを検出して、未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を前記プロトコルヘッダ判定装置に送信する送信部と、
前記プロトコルヘッダ判定装置から、前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に受信する受信部と、
前記受信部で前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した前記判定結果が受信可能であるとき前記未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行ったプロトコル信号を使用して前記異なるネットワーク間の通信を行う通信部と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項4】
請求項3記載の通信システムにおいて、
前記サーバ装置は、
前記受信部で前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した、前記判定結果及び処理内容を前記検出した未定義ヘッダと共に記憶する信号記憶部と、
前記送信側のネットワークから受信したプロトコル信号に未定義ヘッダを検出したとき、検出した未定義ヘッダを用いて前記信号記憶部から判定結果及び処理内容を読み出して前記検出した未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行う信号処理部と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項5】
それぞれにサーバ装置を有する複数のネットワークを接続して、異なるネットワーク間の通信を行う通信システムで、前記異なるネットワークの送信側及び受信側のサーバ装置に接続されたプロトコルヘッダ判定装置であって、
前記受信側のサーバ装置から未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を受信する受信部と、
前記異なるネットワークそれぞれで定義されているプロトコルヘッダ情報を記憶したプロトコルヘッダ記憶部と、
前記受信側のサーバ装置から未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を受信して、前記プロトコルヘッダ記憶部から前記送信側のサーバ装置と前記受信側のサーバ装置それぞれの前記未定義ヘッダに対するプロトコルヘッダ情報を読み出し、前記未定義ヘッダを前記受信側のサーバ装置で受信可能か否かを判定し、判定結果に応じて前記未定義ヘッダに対する処理を行うプロトコルヘッダ処理部と、
前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に前記受信側のサーバ装置に送信する送信部と、
を有することを特徴とするプロトコルヘッダ判定装置。
【請求項6】
それぞれにサーバ装置を有する複数のネットワークを接続して、異なるネットワーク間の通信を行う通信システムのサーバ装置であって、
送信側のネットワークから受信したプロトコル信号から未定義ヘッダを検出して、未定義ヘッダを検出したプロトコル信号と検出情報を前記プロトコルヘッダ判定装置に送信する送信部と、
前記プロトコルヘッダ判定装置から、前記未定義ヘッダに対し判定結果に応じた内容の処理を行ったプロトコル信号を前記判定結果及び処理内容と共に受信する受信部と、
前記受信部で前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した前記判定結果が受信可能であるとき前記未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行ったプロトコル信号を使用して前記異なるネットワーク間の通信を行う通信部と、
を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
請求項6記載のサーバ装置において、
前記受信部で前記プロトコルヘッダ判定装置から受信した、前記判定結果及び処理内容を前記検出した未定義ヘッダと共に記憶する信号記憶部と、
前記送信側のネットワークから受信したプロトコル信号に未定義ヘッダを検出したとき、検出した未定義ヘッダを用いて前記信号記憶部から判定結果及び処理内容を読み出して前記検出した未定義ヘッダに前記処理内容の処理を行う信号処理部と、
を有することを特徴とするサーバ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図12D】
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【図12E】
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【図12F】
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【図13A】
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【図13B】
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【図14】
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【図15A】
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【図15B】
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【図15C】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図21D】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図22D】
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【図22E】
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【図22F】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−259169(P2011−259169A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131323(P2010−131323)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】