説明

通信システム用ホスト装置及びホスト装置制御方法

【課題】複数の移動局30をグループ分けし、各移動局30は、基地局20からのポーリングコマンドに対して、自機のグループに割り当てられた電波で所定の応答順位で応答する。各時点での各グループの移動局30の個数は不均衡になると、所属数の少ないグループ用の割り当て電波の使用効率は低下してしまう。また、基地局モデム22は、空きバッファがない時に、PC21からポーリングコマンドを供給されても、それを受け付けられない。これらの問題を解決する。
【解決手段】基地局モデム22からPC21へのACK信号には、グループ別送受信完了時間と共に、空きバッファ数に係る情報が含められる。PC21は、次にポーリングコマンドを基地局モデム22へ供給するグループとして、送受信完了時間が最小となっているグループを選択する。PC21は、空きバッファが有りの時に、グループ別ポーリングコマンドを基地局モデム22へ供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各ターミナル装置へグループ別に応答要求コマンドを送信する通信システム用ホスト装置及びホスト装置制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ポーリング方式通信システムにおいて、単一の親機が各子機に対するポーリングを実施する場合に、親機から子機No.1へのポーリング、子機No.1から親機への応答、親機から子機No.2へのポーリング、子機No.2から親機への応答、・・・、親機から子機No.nへのポーリング、子機No.nから親機への応答というように、親機のポーリングと該ポーリングに対応する子機の応答とを交互に繰り返す方式(特許文献1の図1)と共に、親機が子機No.1,No.2,・・・,No.nへのポーリングを一方的にかつ連続して行い、その後、子機No.1,No.2,・・・,No.nが親機へ順番に応答する方式(特許文献1の図5)を開示する。前者の通信方式に比して後者の通信方式では、全体の通信時間を短縮することができる。
【特許文献1】特開平10−242887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願人は、特願2006−203387(出願日:平成18年7月26日。以下、「先願」という。)において、ターミナル装置からの応答信号用に、周波数の異なる複数の応答信号を用いるとともに、ターミナル装置を、応答信号の個数でグループ分けして、各ターミナル装置からの応答を、その所属グループに割り当てた周波数の無線信号により所定の順位で受信することを開示する。
【0004】
ターミナル装置は、例えば、タクシー等の車両に搭載され、ホスト装置からの応答要求コマンドは、各時点で稼働中の車両のターミナル装置のみに対して行えば十分であり、また、稼働−休止間の車両の入れ替えが適宜、行われる。したがって、各グループの所属ターミナル装置の個数が不均衡になり易い。このような場合には、所属ターミナル装置の少ないグループでは、全ターミナル装置からの応答が早く終わるのに対し、所属ターミナル装置の多いグループでは、全ターミナル装置からの応答に要する時間が長くなる。
【0005】
公知ではないが、典型として想定されるグループ分けポーリング方式通信システムでは、各グループの応答要求コマンドは、グループに共通の1個の無線信号により行われ、ホスト装置からターミナル装置への応答要求コマンドは、固定的なグループ順で行われる。したがって、ターミナル装置の所属数の少ないグループのターミナル装置は、ターミナル装置の所属数の多いグループにおける全部のターミナル装置からの応答が済むまで、ホスト装置からの次の応答要求コマンドの受信まで長く待たされ、該グループに割り当てた無線信号の通信効率が低下し、ひいては通信システム全体の通信効率の低下にも繋がる。
【0006】
先願は、これに対処するため、ホスト装置のモデム装置が、グループ別応答要求コマンドの無線送信に対して、該グループの応答終了時刻を算出し、ホスト装置の情報処理装置(例:パーソナルコンピュータ)は、モデム装置に応答要求コマンドを送信させる次のグループをモデム装置からのグループ別応答終了時刻に基づいて決定し、該決定したグループの応答要求コマンドをモデム装置へ供給するようにしている。また、これに対して、モデム装置は、情報処理装置から供給されたグループ別応答要求コマンドを空きバッファに一旦格納し、所定の送信タイミングでバッファ内の格納グループ別応答要求コマンドを読み出して、無線送信している。
【0007】
モデム装置におけるバッファの個数は有限であり、各バッファに格納されているグループ別応答要求コマンドは、その無線送信が終了するまで、次の応答要求コマンドの書き込みが禁止される。したがって、情報処理装置は、空きバッファのない時にグループ別応答要求コマンドをモデム装置へ供給しても無駄になる。
【0008】
本発明の目的は、グループ別に周波数の異なる応答用無線信号を割り当てて、各ホスト装置からの応答を無線受信する場合に、各グループの所属ターミナル装置の不均衡にもかかわらず、所属ターミナル装置の少ないグループに割り当てている応答用無線信号の通信効率の低下を回避しつつ、モデム装置−情報処理装置間でのデータ送受を合理化した通信システム用ホスト装置及びその制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、モデム装置は、情報処理装置から供給された各グループ別応答要求コマンドに対して、その応答終了時刻情報を情報処理装置へ通知するとともに、グループ別応答要求コマンドを格納するバッファの空き情報も情報処理装置へ通知するようにする。情報処理装置は、応答要求コマンドをモデム装置に供給する次のグループを応答終了時刻情報に基づき決定するとともに、空きバッファ情報に基づいて供給タイミングを決定する。こうして、決定されたグループの応答要求コマンドが、決定された供給タイミングで、情報処理装置からモデム装置へ供給され、モデム装置の空きバッファへ円滑に格納される。
【0010】
本発明の通信システム用ホスト装置は、複数のグループに分けられている複数のターミナル装置に対し、全グループ共通の周波数の無線信号によりグループ別応答要求コマンドを送信するとともに、各ターミナル装置からの応答をグループ別に異なる周波数の無線信号により受信する。該通信システム用ホスト装置はモデム装置及び情報処理装置を備えている。
【0011】
モデム装置は次の手段を有している。
情報処理装置から供給されたグループ別応答要求コマンドを空きバッファへ格納する格納手段、
情報処理装置から供給された各グループ別応答要求コマンドについてそれらのグループ別応答終了時刻を計算しかつ時間経過に基づき更新する終了時刻管理手段、
バッファへの格納順にグループ別応答要求コマンドをバッファから読み出して無線送信する無線送信手段、及び
情報処理装置へグループ別応答終了時刻情報及び空きバッファ情報を通知する通知手段。
【0012】
情報処理装置は次の手段を有している。
モデム装置へ応答要求コマンドを供給する次のグループをグループ別応答終了時刻情報に基づき決定するグループ決定手段、及び
決定したグループの応答要求コマンドを空きバッファ情報に基づく供給タイミングでモデム装置へ供給するグループ別応答要求コマンド供給手段。
【0013】
本発明の制御方法が適用される通信システム用ホスト装置は、複数のグループに分けられている複数のターミナル装置に対し、全グループ共通の周波数の無線信号によりグループ別応答要求コマンドを送信するとともに、各ターミナル装置からの応答をグループ別に異なる周波数の無線信号により受信する。本発明のホスト装置制御方法はモデム装置用制御方法及び情報処理装置用制御方法とを備えている。
【0014】
モデム装置用制御方法は次のステップを有している。
情報処理装置から供給されたグループ別応答要求コマンドを空きバッファへ格納するステップ、
情報処理装置から供給された各グループ別応答要求コマンドについてそれらのグループ別応答終了時刻を計算しかつ時間経過に基づき更新するステップ、
バッファへの格納順にグループ別応答要求コマンドをバッファから読み出して無線送信するステップ、及び
情報処理装置へグループ別応答終了時刻情報及び空きバッファ情報を通知するステップ。
【0015】
情報処理装置用制御方法は次のステップを有している。
モデム装置へ応答要求コマンドを供給する次のグループをグループ別応答終了時刻情報に基づき決定するステップ、及び
決定したグループの応答要求コマンドを空きバッファ情報に基づく供給タイミングでモデム装置へ供給するステップ。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、情報処理装置は、モデム装置から応答終了時刻情報及び空きバッファ情報を受け取り、応答終了時刻情報及び空きバッファ情報に基づき次のグループ及び供給タイミングをそれぞれ決めて、該次のグループ用の応答要求コマンドを該供給タイミングで情報処理装置へ供給する。これにより、グループに割り当てた応答用無線信号が、グループ間の所属情報処理装置の不均衡にもかかわらず、通信効率の低下を防止されるとともに、情報処理装置からモデム装置へグループ別応答要求コマンドの無駄な供給を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1はポーリング方式通信システム10の構成図である。ポーリング方式通信システム10は、単一の基地局20と、複数の移動局30a,30b,30c,・・・とを含む。ポーリング方式通信システム10は、例えばタクシー、トラック、バス等の配車管理システムとして利用される。その場合、各移動局30a,30b,30c,・・・は各車両に搭載される。
【0018】
基地局20はPC(パーソナルコンピュータ)21、基地局モデム22及び無線機23を備えている。基地局モデム22は、PC21からのポーリングコマンド対応する送信信号を生成し、該送信信号は、無線機23において所定の周波数の電波に変換されて、周囲へ放出される。無線機23は、各移動局30a,30b,30c,・・・からの電波を受信して、受信信号は、所定の中間周波数へ変換されてから、基地局モデム22へ送られ、基地局モデム22における復調によりデータを抽出される。基地局モデム22は該データ及び独自に生成したデータや信号等をPC21へ送る。
【0019】
各移動局30a,30b,30c,・・・の構成及び作用は同一であるので、以降、特に必要がなければ、それらを代表する1個の移動局についてその符号を30にして、その構成等について説明することにする。移動局30は、移動局モデム31及び無線機32を備え、所定の地域範囲内で移動して、該地域範囲内の任意の箇所から基地局20と通信するようになっている。移動局30は複数のグループに分けられている。説明の便宜上、移動局30のグループの数は3として、グループ1,2,3にそれぞれ属する移動局30の個数はそれぞれ4,2,3とする。グループ別の所属移動局30の数は、グループ分け時には均衡していても、各時点では、一部移動局30の不使用状態のために不均衡になり得る。
【0020】
図2は基地局20と各移動局30との間におけるポーリング及び応答の送受に係るタイムチャートである。基地局20が各移動局30へ送るポーリングの電波は、全グループ共通の周波数Tb1が使用される。これに対して、移動局30が基地局20へ返す応答信号の電波は、各移動局30が属するグループごとに異なる周波数Tm1,Tm2,Tm3が使用される。
【0021】
基地局20が送信するポーリングのグループ順は、1巡目のポーリングでは任意でよいが、図2では、それがグループ1,2,3の順番になっている。また、各グループ別ポーリングは、問い合わせ内容、問合せ先の移動局30、及び該グループにおける問合せ先の移動局30の応答順に係る情報を含んでいる。各グループにおける各移動局30の応答順は、固定せずに、基地局20が随時、指定することができる。
【0022】
各移動局30は、自局の属するグループのポーリングを受信すると、該ポーリングに指定されている応答順番に従い、自局の応答順番に対応する時間帯において、自局のグループの応答用に割当てられている周波数の電波を使って基地局20へ自局の応答を返す。基地局20は、各グループの移動局30からの応答電波を同時に受信、処理可能になっている。
【0023】
各グループにおける現在使用中の移動局30の個数は、変化し、このため、グループごとに相違するので、基地局20がポーリングを先に送信したグループの全移動局30からの応答終了時刻が、それより後にポーリングを送信したグループの全移動局30からの応答終了時刻より遅くなることがある。図2の例では、1巡目のグループの順番では、グループ1へのポーリングはグループ2へのポーリングより先であったにもかかわらず、グループ1の全移動局30からの応答終了時刻が、グループ2の全移動局30の応答終了時刻より遅くなっている。
【0024】
基地局20は、各グループへの2巡目以降のポーリングでは、グループ別に周波数を割当てられている各応答用電波における無通信期間がなるべく小さくなるように、送信するポーリングのグループ順を柔軟に変更する。図2の例では、2巡目以降のポーリングの順番は、グループ2,1,3,2,・・・となっている。順番の具体的な決定の仕方は後述する。基地局20が、送信するポーリングのグループ順を柔軟に変更することにより、周波数が各グループ別に割当てられている各応答電波における無通信期間は、各グループの移動局30の個数の不均衡にもかかわらず、送信順が固定されている場合に比して大幅に減少し、通信効率のよいポーリング方式通信システム10が実現される。
【0025】
図3は所定グループにおけるポーリングコマンドやACK等について通信状況を示すタイムチャートである。なお、ACKと送受信完了時間情報及び空きバッファ情報等のその他の情報とを含めて「ACK信号」というものとする。図3の移動局30が所属するグループにおける移動局30の個数はrとなっている。図3において、T1は、PC21が基地局モデム22よりACKを受信した時刻から、PC21が今回のポーリングコマンドに係るグループの全部(r個)の移動局30からの応答を受信終了するまでの時間であり、以降、適宜、「送受信完了時間」と呼ぶことにする。なお、送受信完了時間は、後述の図11のS60で説明するように、最初の計算値に対して、一定時間経過ごとに、デクリメント、すなわち更新されるようになっており、送受信完了時間は、該当グループのポーリングについて現在時点から全移動局30の応答終了時刻までの時間となる。
【0026】
PC21は基地局モデム22へポーリングコマンドを送る。基地局モデム22は、PC21からポーリングコマンドを受信すると、ACKと共に、グループ別の送受信完了時間に係る送受信完了時間をPC21へ返す。基地局モデム22は、受信したポーリングコマンドに対して該ポーリングコマンドのグループに係る送受信完了時間を直ちに計算して、該ポーリングコマンドに対するACK信号に該送受信完了に係る情報を含めてPC21へ返してもよいが、この基地局モデム22では、図4において後述するように、該ポーリングコマンドに係るグループの送受信完了に係る情報は送受信完了時間の計算中を意味する値(図4では、該値=255。詳細は図7で後述する。)にしてPC21へ返しておき、該ポーリングコマンドに係るグループの送受信完了時間を、PC21からのその次のポーリングコマンドに対するACK信号の送信時刻までに計算する。そして、該次のポーリングコマンドに対するACK信号に、その1個前のポーリングコマンドに係るグループの送受信完了時間の情報を含めて、PC21へ返している。
【0027】
基地局モデム22は、PC21へACK信号を返してから、後で具体的に説明する所定のタイミング(図10のS54及び図11のS66)でポーリングコマンドを無線機23へ送る。無線機23は、基地局モデム22からポーリングコマンドをポーリングコマンド用周波数の電波に乗せて、周囲へ放出する。各移動局30は、無線機32において、基地局20からのポーリングコマンドの電波の内、自局のグループの周波数のものを選択して受信し、受信信号を移動局モデム31へ送る。
【0028】
移動局モデム31は、受信信号を復調して、ポーリングコマンドを解読し、対応の応答用データを作成する。移動局モデム31は、さらに、応答用データから所定の中間周波数の送信信号を生成し、無線機32へ送る。各グループには複数の移動局30が属しており、グループ別応答要求コマンドには、今回のポーリングにおける問合せ先となっている移動局30が該グループにおいて応答する順番が指定されている。無線機32は、自局のグループにおける自局の応答順番が来ると、応答信号を、自局が属するグループに割当てられている周波数の応答用電波で送信する。
【0029】
図4は図2の送受状態にさらに各ACK信号の送受信完了時間及び空きバッファ情報等の送受状態を付加した説明図である。図5は図4の時間経過上の複数の所定時点における動作及び送受信完了時間を時間順に示す説明図である。図4のモデム→PCにおけるBは図5の空きバッファ信号を意味する。図5において各時点は番号1,2,3,・・・で指示され、大きい番号ほど、時間的に後ろとなっている。
【0030】
基地局モデム22は、PC21からのポーリングコマンドを一時的に記憶するバッファ(以下、「モデムバッファ」という。)を2個装備しているものとする。図4では、説明の便宜上、基地局モデム22からPC21へのACK信号及び空きバッファ信号Bには、識別番号1,2,3,・・・を付けて、区別する。空きバッファ信号Bの番号は、同一番号のACK信号における空きバッファ情報が空きバッファ無しとなっている場合に、該ACK信号の生成後に、空きバッファの個数が増加したことを意味する。バッファは2個あるので、場合によっては、1個のACKに対して、空きバッファ数が0→1へ増加した時の空きバッファ信号Bと、空きバッファ数が1→2へ増加した時の空きバッファ信号Bとの2個が同一番号で生成される場合がある。図4及び図5では、空きバッファ数が1→2へ変化した時の空きバッファ信号Bについては、番号にさらに”a”を付して示している。例えば、ACK信号7に対しては、空きバッファ信号B7,B7aが後続している。
【0031】
図4では、PC21から基地局モデム22への各ポーリングの送信(図4の上から1段目)は、周波数Tb1による基地局20から移動局30へのポーリングの送信(図4の上から4段目)と同程度の時間を要している時間幅で描かれているが、PC21から基地局モデム22への各ポーリングの実際の送信時間は、周波数Tb1による基地局20から移動局30へのポーリングの送信時間に比してきわめて短くなっている。
【0032】
時点1(図5の時間経過における番号1)において、PC21は基地局モデム22へポーリングコマンドを送信する。基地局モデム22は、PC21からグループ1のポーリングコマンドを受信すると、該ポーリングコマンドを一方のモデムバッファに記憶する。時点2では、基地局モデム22は、ACK信号1(図4では「ACK1」と記載されている。)をPC21へ返す。各ACK信号には、グループ別送受信完了時間T○1,T○2,T○3(○は各ACK信号の番号を意味し、○1,○2,○3はそれぞれグループ1,2,3を意味するものとする。)及び空きバッファ数情報Nが含められている。図6はACK信号の構造例を示している。図6の例では、ACK信号は計6バイトから成っている。
【0033】
図6に示されているように、ACK信号(ACK)の1バイト目は、ACK信号であることを意味するコマンド番号が記入される。ACK信号の2バイト目は、基地局モデム22がPC21から受信した今回のポーリングコマンドに対して、OK、NG及びフルの3状態の内、いずれの状態であるかを示す値が記入される。
【0034】
フルとは、モデムバッファの全部(ここでは2個)のデータが送信未完了のためにいずれのモデムバッファへの新規モデムバッファの書き込みが困難であることを意味する。基地局モデム22がPC21へフルと通知した場合は、PC21から基地局モデム22へ送信したポーリングコマンドは喪失しており、PC21は、該ポーリングコマンドを再度、基地局モデム22へ送信する必要がある。しかしながら、現実には、該移動局30において、2バイト目がバッファフルとなるACK信号が基地局モデム22からPC21へ送信されことはない。なぜならば、該移動局30では、基地局モデム22からPC21へのACK信号には、後述する6バイト目の空きバッファ数に係る情報が送られており、PC21は、空きバッファ数=0のACK信号を受け取ったときには、空きバッファ信号Bで、空きバッファ数≠0の通知を受けるまで、基地局モデム22へのグループ別応答要求コマンドの供給を保留するからである。
【0035】
ACK信号の3〜5バイト目には、PC21が基地局モデム22から該ACK信号を受信した時点におけるそれぞれグループ1,2,3の送受信完了時間に係る数値が記入される。ACK信号の6バイト目には、空きバッファ数の数値が記入される。
【0036】
時点2のACK1におけるT11,T12,T13はそれぞれ255,0,0であり、Nは1である。空きバッファ数N=1となっているのは、図4のACK1の時点のモデムバッファの状態から分かるように、1個のモデムバッファには、グループ1のポーリングコマンドが格納されていて、無線機23からの該ポーリングコマンドの無線送信が未終了状態だからである。図7は送受信完了時間としてACK信号内に書き込む数値の説明図である。図7に示されているように、送受信完了時間=0は、初期値、又は該当グループの全移動局30からの応答が終了していることを意味する。
【0037】
送受信完了時間=1〜253は、送受信完了時間が、数値に対応する時間となっていることを意味する。送受信完了時間=254は、送受信完了時間が254に対応する時間以上であることを意味する。送受信完了時間=255は、基地局モデム22が、送受信完了時間の計算中であることを意味する。注意すべきは、送受信完了時間=255であっても、これは、基地局モデム22が、送受信完了時間=255となっているグループのポーリングコマンドをPC21から受信することを拒否することではない。一方のモデムバッファが上書き可(空きバッファ)になっていれば、他方のモデムバッファに記憶されているポーリングコマンドのグループと同一のグループのポーリングコマンドを受信すると、該受信したポーリングコマンドは上書き可のモデムバッファ(空きバッファ)に記憶される。
【0038】
時点2のACK1におけるT11をT11=255、すなわちグループ1の送受信完了時間を計算中としたのは、送受信完了時間の計算には所定の時間がかかり、一方、PC21へACKをできるだけ早く返す必要があり、ACKを早く返すことを送受信完了時間の計算より優先したためである。また、前述したように、両モデムバッファに、同一グループのポーリングコマンドが記憶されている場合が生じることがあり、このような場合にも、該グループの送受信完了時間の計算が複雑化、長時間化するので、該基地局モデム22では、最初のポーリングコマンドに係る送受信完了時間が経過するまで、PC21への各ACKは、該グループの送受信完了時間を255に維持するようにして、ACKが遅れるのを回避している。しかし、これは、同一のグループについて両モデムバッファに記憶されている両ポーリングコマンドの送受信完了時間の合計を計算して、ACK信号に含ませる方式を本発明から除外するものではない。
【0039】
PC21は、ACK1における空きバッファ数N=1に基づき、時点3においてACK1の受領後、グループ2のポーリングコマンドを基地局モデム22へ供給する。該ポーリングコマンドは、空いている方のモデムバッファに格納される。これに対して、基地局モデム22は、時点4において、ACK2をPC21へ返す。該ACK2ては、T21,T22,T23はそれぞれ44,255,0であり、Nは0である。N=0となる理由は、図4のACK2の時刻のモデムバッファの状態から分かるように、2個のモデムバッファには、グループ1,2のポーリングコマンドが格納されており、それらポーリングコマンドは共に無線機23からの無線送信が該時点において未終了状態だからである。N=0であるので、PC21は、基地局モデム22へ次のグループ3のポーリングコマンドを基地局モデム22へ供給するのを該時点で保留する。
【0040】
時点5になると、無線機23からの電波によるグループ1のポーリングコマンドの送信が終了し、該グループ1のポーリングコマンドを格納しているモデムバッファは空きバッファとなるので、空きバッファ信号B2が基地局モデム22からPC21へ送られる。
【0041】
図8は空きバッファ信号の構造例を示している。空きバッファ信号は、統一上、ACK信号のバイト数に合わせて計6バイトとされる。空きバッファ信号の1バイト目は、空きバッファ信号であることを意味するコマンド番号が記入される。空きバッファ信号の2バイト目は、ACK信号の2バイト目との対応上、不要となるので、未使用とされる。3〜6バイト目はACK信号の3〜6バイト目と同一とされる。
【0042】
時点5の空きバッファ信号B2におけるグループ別送受信完了時間はグループ1,2,3についてそれぞれ40,30,0であり、Nは1である。PC21は、空きバッファ信号B2におけるN≠0を認識すると、時点4から保留していた基地局モデム22へのポーリングコマンドの供給を時点6において再開する。基地局モデム22は、時点7においてACK3をPC21へ返すとともに、PC21から供給されたグループ3のポーリングコマンドを空いている方のモデムバッファへ記憶する。
【0043】
時点8以降のPC21−基地局モデム22間の通信動作、各グループの送受信完了時間及び空きバッファ数は図5に記載されているとおりである。すなわち、PC21は、移動局30へポーリングコマンドを送る必要のあるグループの中で、ACK信号から各グループの送受信完了時間が最小のグループを検出し、該グループのポーリングコマンドを、ACK信号内のN≠0であれば、ACK信号の受け取り後、直ちに、また、ACK信号内のN=0であれば、基地局モデム22からの空きバッファ信号を待って、該空きバッファ信号を受信しだい、基地局モデム22へ供給する。
【0044】
図9は基地局20が作動開始するのに伴いPC21において実行するルーチンのフローチャートである。アルゴリズムの概略を説明する。PC21は、最初のポーリングは、任意のグループを選択して、該選択グループのポーリングコマンドを基地局モデム22へ送信する(S41)。その後は、基地局モデム22からのACK信号の受信のつど(S42)、該ACK信号に基づき、送受信完了時間が最小になっているグループ及び基地局モデム22における空きバッファの有無を把握する(S43)。そして、空きバッファ有りの場合には、直ちに(S44正)、また、空きバッファ無しの場合には、基地局モデム22から空きバッファ有りの空きバッファ信号が来るのを待って(S44否→S45正)、最小の送受信完了時間のグループのポーリングコマンドを基地局モデム22へ送信する(S46)。
【0045】
図9のフローチャートを詳細に説明する。S41では、PC21が最初にポーリングコマンドを基地局モデム22へ送るグループとして、任意のグループを選び、該グループのポーリングコマンドを基地局モデム22へ送信する。S41は図5の時点1に対応する。S42では、基地局モデム22からACK信号を受信する。一巡目のS42は図4の時点2に対応する。S46からS42へ戻ってくる二巡目以降のS42は、図4のACK2,3,4,・・・の時点に対応する。
【0046】
S43では、ACK信号に基づき送受信完了時間が最小となっているグループを特定する。ACK信号には、図6で説明したように、各グループの送受信完了時間及び空きバッファ数の情報が含まれている。S44では、空きバッファ数>0であるか否か、すなわち空きバッファ有りか無しかを判定する。空きバッファ有りの場合には、S46へ進み、空きバッファ無しの場合には、グループ5へ進む。
【0047】
S45では、基地局モデム22から空きバッファ信号が到来するのを待ち、到来しだい、S46へ進む。S45は、図4の時点5,8,11,14,17,・・・に対応する。S46では、S43で特定したグループのポーリングコマンドを基地局モデム22へ送信し、S42へ戻る。
【0048】
図10はPC21からのポーリングコマンドの受信に対する基地局モデム22のルーチンのアルゴリズムに係るフローチャートである。S47において、PC21からポーリングコマンドを受信する。S48では、該ポーリングコマンドを空きバッファに格納するとともに、PC21へACK信号を返す。ACK信号は、図6の構造を有するものであり、各グループの送受信完了時間情報及び空きバッファ情報を含む。今回受信したポーリングコマンドに係るグループの送受信完了時間は255とし、その他のグループの送受信完了時間は、送受信完了時間用変数の現時点の値(送受信完了時間用変数は、後述のS53,S65で計算値を代入され、かつS60で一定時間ごとにデクリメントされる。)にする。送受信完了時間用変数は各グループ用に1個ずつ用意される。
【0049】
S49では、今回受信したポーリングコマンドに係る送受信完了時間を計算する。S50では、今回のポーリングコマンド(S47で受信したポーリングコマンド)に係るグループ(「該当グループ」と呼ぶことにする。)について、前回受信したポーリングコマンドについての送受信が未終了となっていないかを検査する。未終了にもかかわらず、該当グループの移動局30に、さらに、今回のポーリングコマンドを送信することは支障となるので、未終了の判定であれば、S51へ進んで、今回のポーリングコマンドについては送信待ちの状態にしてから、S52でスリープする。S51の送信待ちは、後述の図11のS61,S63の共に正の判定で解除される。
【0050】
S50において、送受信が終了済みと判定された場合には、S53へ進む。S53では、S49で計算した送受信完了時間を、該当グループの送受信完了時間用変数に代入する。S54では、今回のポーリングコマンドを無線機23から送信する。
【0051】
図11は基地局モデム22におけるタイマー処理ルーチンのアルゴリズムに係るフローチャートである。S59において、単位時間タイマーにより該ルーチンを起動させる。すなわち、該ルーチンは一定時間が経過するごとに起動する。また、この一定時間は、図7において説明した値1に対応する時間となっている。S60では、各グループの送受信完了時間用変数の値を1だけデクリメントする。これにより、各グループに対応する送受信完了時間用変数の値は、現在時刻から該グループの全部の移動局30からの応答が終了する時刻までの時間としての送受信完了時間に更新される。
【0052】
S61では、送受信完了時間が0になったグループがあるか否かを判定する。なければ、S62へ進んで、スリープする。S61の判定が正であれば、S63へ進む。S63では、該当グループに送信待ちのポーリングコマンドが存在するか否かを判定する。該当グループに送信待ちのポーリングコマンドが存在するということは、図10のS51が実行されていて、送信待ちが未だ解除されていないことを意味する。S63の判定が否であれば、S64へ進んでスリープし、正であれば、S65へ進む。
【0053】
S65では、図10のS49で計算して、対応の送受信完了時間変数への代入を保留していた計算値を対応の送受信完了時間変数に代入する。S66では、該当グループのポーリングコマンドを無線機23から送信する。
【0054】
図12はモデムバッファの空き個数が増加した(0→1の変化も増加と考える。)時に基地局モデム22において起動するルーチンのフローチャートである。S70では、空きバッファ数が増加したか否かを判定し、判定が正であれば、S70へ進み、否であれば、スリープする。空きバッファ数の増加には、空きバッファ数が0→1へ変化した場合、及び1以上の整数nに対し、n→n+1へ変化した場合を含む。しかし、PC21への空きバッファ信号の生成は空きバッファ数が0→1へ増加した時だけに限定することもできる。S71では、空きバッファ信号をPC21へ送信する。
【0055】
図13は通信システム用ホスト装置80のブロック図である。通信システム用ホスト装置80はモデム装置81及び情報処理装置82を有している。前述のポーリング方式通信システム10の基地局20は通信システム用ホスト装置80の一例である。基地局20のPC21及び基地局モデム22はモデム装置81及び情報処理装置82の一例である。ポーリング方式通信システム10の移動局30はターミナル装置の一例であるが、通信システム用ホスト装置80がグループ別応答要求コマンドを無線送信するターミナル装置は、車両に搭載されたり、人に携帯されたりして移動するものに限定されず、無線信号の到達エリア内の所定地点に据え付けられているものであってもよい。
【0056】
通信システム用ホスト装置80は、複数のグループに分けられている複数のターミナル装置に対し、全グループ共通の周波数の無線信号によりグループ別応答要求コマンドを送信するとともに、各ターミナル装置からの応答をグループ別に異なる周波数の無線信号により受信する。モデム装置81は、格納手段87、終了時刻管理手段88、無線送信手段89及び通知手段90を有している。情報処理装置82は、グループ決定手段98及びグループ別応答要求コマンド供給手段99を有している。
【0057】
格納手段87は、情報処理装置82から供給されたグループ別応答要求コマンドを空きバッファ(複数のバッファ94の内、今のデータを消去しても支障のないもの)へ格納する。終了時刻管理手段88は、情報処理装置82から供給された各グループ別応答要求コマンドについてそれらのグループ別応答終了時刻を計算し、かつ時間経過に基づき更新する。無線送信手段89は、バッファ94への格納順にグループ別応答要求コマンドをバッファ94から読み出して、無線送信する。通知手段90は、情報処理装置82へグループ別応答終了時刻情報及び空きバッファ情報を通知する。
【0058】
格納手段87の機能は、図10のS48の処理に対応する。終了時刻管理手段88の計算機能は図10のS49の処理に対応し、更新機能は図11のS60の処理に対応する。無線送信手段89の機能は、図10のS54及び図11のS66の処理に対応する。通知手段90の機能は図10のS48の処理に対応する。
【0059】
グループ決定手段98は、モデム装置81へ応答要求コマンドを供給する次のグループをグループ別応答終了時刻情報に基づき決定する。グループ別応答要求コマンド供給手段99は、決定したグループの応答要求コマンドを空きバッファ情報に基づく供給タイミングでモデム装置81へ供給する。
【0060】
グループ決定手段98の機能は図9のS43の処理に対応する。グループ別応答要求コマンド供給手段99の機能は図9のS44〜S46の処理に対応する。
【0061】
好ましくは、通知手段90は、情報処理装置82からのグループ別応答要求コマンドの供給に対してACK信号を情報処理装置82へ返す。該ACK信号には、グループ別応答終了時刻情報及び空きバッファ情報が含められる。該ACK信号の具体例は、図6の構造図で示すとおりである。
【0062】
好ましくは、通知手段90は空きバッファ無しから有りへ変化した時に、空きバッファ情報を情報処理装置82へ通知する。この通知には、さらに、グループ別応答終了時刻情報も含めることができる。典型的には、空きバッファ情報は空きバッファ数に係る情報である。
【0063】
これらの通知機能は、図12のS70,S71の処理に対応する。該通知は、基地局モデム22からPC21への空きバッファ信号の送信に対応し、該空きバッファ信号は、図8の構造図から明らかなように、6バイト目の空きバッファ数の他に、3〜5バイト目にはグループ別応答終了時刻に対応する送受信完了時間のデータが記入される。
【0064】
図14はホスト装置制御方法110のフローチャートである。ホスト装置制御方法110は、通信システム用ホスト装置80に適用される。ホスト装置制御方法110はモデム装置制御方法111及び情報処理装置制御方法121を有している。モデム装置制御方法111はS113〜S116を有している。情報処理装置制御方法121はS123,S124を有している。
【0065】
S113では、情報処理装置82から供給されたグループ別応答要求コマンドを空きバッファへ格納する。S114では、情報処理装置82から供給された各グループ別応答要求コマンドについてそれらのグループ別応答終了時刻を計算し、かつ時間経過に基づき更新する。S115では、バッファ94への格納順にグループ別応答要求コマンドをバッファ94から読み出して無線送信する。S116では、情報処理装置82へグループ別応答終了時刻情報及び空きバッファ情報を通知する。
【0066】
S123では、モデム装置81へ応答要求コマンドを供給する次のグループをグループ別応答終了時刻情報に基づき決定する。S124では、決定したグループの応答要求コマンドを空きバッファ情報に基づく供給タイミングでモデム装置81へ供給する。
【0067】
本発明を各種具体的形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種具体的形態における各構成要素を変形(削除も含む。)して具体化できる。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、各種具体的形態間において構成要素を置換したり、各種具体的形態の複数の構成要素を組み合わせたりしたものも、本発明の概念に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】ポーリング方式通信システムの構成図である。
【図2】基地局と各移動局との間におけるポーリング及び応答の送受に係るタイムチャートである。
【図3】所定グループにおけるポーリングコマンドやACK等について通信状況を示すタイムチャートである。
【図4】図2の送受状態にさらに各ACK信号の送受信完了時間及び空きバッファ情報等の送受状態を付加した説明図である。
【図5】図4の時間経過上の複数の所定時点における動作及び送受信完了時間を時間順に示す説明図である。
【図6】ACK信号の構造例を示す図である。
【図7】送受信完了時間としてACK信号内に書き込む数値の説明図である。
【0069】
【図8】空きバッファ信号の構造例を示す図である。
【図9】基地局が作動開始するのに伴いPCにおいて実行するルーチンのフローチャートである。
【図10】PCからのポーリングコマンドの受信に対する基地局モデムのルーチンのアルゴリズムに係るフローチャートである。
【図11】基地局モデムにおけるタイマー処理ルーチンのアルゴリズムに係るフローチャートである。
【図12】モデムバッファの空き個数が増加した時に基地局モデムにおいて起動するルーチンのフローチャートである。
【図13】通信システム用ホスト装置のブロック図である。
【図14】ホスト装置制御方法のフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
80:通信システム用ホスト装置、81:モデム装置、82:情報処理装置、87:格納手段、88:終了時刻管理手段、89:無線送信手段、90:通知手段、94:バッファ、98:グループ決定手段、99:グループ別応答要求コマンド供給手段、110:ホスト装置制御方法、111:モデム装置制御方法、121:情報処理装置制御方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグループに分けられている複数のターミナル装置に対し、全グループ共通の周波数の無線信号によりグループ別応答要求コマンドを送信するとともに、各ターミナル装置からの応答をグループ別に異なる周波数の無線信号により受信する通信システム用ホスト装置であって、
モデム装置及び情報処理装置を備え、
前記モデム装置は、
前記情報処理装置から供給されたグループ別応答要求コマンドを空きバッファへ格納する格納手段、
前記情報処理装置から供給された各グループ別応答要求コマンドについてそれらのグループ別応答終了時刻を計算しかつ時間経過に基づき更新する終了時刻管理手段、
バッファへの格納順にグループ別応答要求コマンドをバッファから読み出して無線送信する無線送信手段、及び
前記情報処理装置へグループ別応答終了時刻情報及び空きバッファ情報を通知する通知手段、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記モデム装置へ応答要求コマンドを供給する次のグループを前記グループ別応答終了時刻情報に基づき決定するグループ決定手段、及び
決定したグループの応答要求コマンドを前記空きバッファ情報に基づく供給タイミングで前記モデム装置へ供給するグループ別応答要求コマンド供給手段、
を有することを特徴とする通信システム用ホスト装置。
【請求項2】
前記モデム装置の前記通知手段は、前記情報処理装置からのグループ別応答要求コマンドの供給に対してACK信号を前記情報処理装置へ返し、
該ACK信号には、グループ別応答終了時刻情報及び空きバッファ情報が含められることを特徴とする請求項1記載の通信システム用ホスト装置。
【請求項3】
前記モデム装置の前記通知手段は、空きバッファ無しから有りへ変化した時に、空きバッファ情報を前記情報処理装置へ通知することを特徴とする請求項1又は2記載の通信システム用ホスト装置。
【請求項4】
前記モデム装置の前記通知手段は、空きバッファ無しから有りへ変化した時に、空きバッファ情報と共にグループ別応答終了時刻情報も前記情報処理装置へ通知することを特徴とする請求項記3載の通信システム用ホスト装置。
【請求項5】
前記空きバッファ情報は空きバッファ数に係る情報であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の通信システム用ホスト装置。
【請求項6】
複数のグループに分けられている複数のターミナル装置に対し、全グループ共通の周波数の無線信号によりグループ別応答要求コマンドを送信するとともに、各ターミナル装置からの応答をグループ別に異なる周波数の無線信号により受信する通信システム用ホスト装置の制御方法であって、
モデム装置用制御方法及び情報処理装置用制御方法とを備え、
前記モデム装置用制御方法は、
前記情報処理装置から供給されたグループ別応答要求コマンドを空きバッファへ格納するステップ、
前記情報処理装置から供給された各グループ別応答要求コマンドについてそれらのグループ別応答終了時刻を計算しかつ時間経過に基づき更新するステップ、
バッファへの格納順にグループ別応答要求コマンドをバッファから読み出して無線送信するステップ、及び
前記情報処理装置へグループ別応答終了時刻情報及び空きバッファ情報を通知するステップ、
を有し、
前記情報処理装置用制御方法は、
前記モデム装置へ応答要求コマンドを供給する次のグループを前記グループ別応答終了時刻情報に基づき決定するステップ、及び
決定したグループの応答要求コマンドを前記空きバッファ情報に基づく供給タイミングで前記モデム装置へ供給するステップ、
を有することを特徴とするホスト装置制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−141228(P2008−141228A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−322426(P2006−322426)
【出願日】平成18年11月29日(2006.11.29)
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】