通信システム
【課題】コマーシャル情報等、ユーザーが直接要求しない情報でも有効に提供できるようにする。
【解決手段】通信端末装置は、通信回線接続中に、ホストコンピュータ装置に対して必要データのダウンロード要求を行ない、必要データを取り込む第1のアクセス手段と、通信回線接続中に必要データのダウンロード要求とは無関係にホストコンピュータ装置に対してダウンロード要求を行ない、他のダウンロードデータを取り込むように構成され、ホストコンピュータ装置は、記通信端末装置からの必要データのダウンロード要求に基づき、通信端末装置に対して必要データの送信を行う第1の制御手段と、通信端末装置からの必要データのダウンロード要求とは無関係に通信端末装置からダウンロード要求が行なわれるときには、必要データとは異なるデータを選択する手段と、通信端末装置に対して選択された他のデータの送信を行う第2の制御手段とを備える。
【解決手段】通信端末装置は、通信回線接続中に、ホストコンピュータ装置に対して必要データのダウンロード要求を行ない、必要データを取り込む第1のアクセス手段と、通信回線接続中に必要データのダウンロード要求とは無関係にホストコンピュータ装置に対してダウンロード要求を行ない、他のダウンロードデータを取り込むように構成され、ホストコンピュータ装置は、記通信端末装置からの必要データのダウンロード要求に基づき、通信端末装置に対して必要データの送信を行う第1の制御手段と、通信端末装置からの必要データのダウンロード要求とは無関係に通信端末装置からダウンロード要求が行なわれるときには、必要データとは異なるデータを選択する手段と、通信端末装置に対して選択された他のデータの送信を行う第2の制御手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関し、例えばパーソナルコンピュータ通信ネットワーク(以下、パソコン通信という)などの分野に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
家庭内での通信端末装置と、ネットワークサービスセンターにおけるホストコンピュータ装置を接続して通信を行なう、いわゆるパソコン通信などのネットワークが普及している。
【0003】
このようなネットワークでは、通信端末装置のユーザーの要求に応じて、ホストコンピュータ装置側が要求されたデータを提供する形態が多いが、提供すべきデータとともに、企業のコマーシャルなど、直接要求されていないデータも同時に送信するようにしているものもある。この場合、ユーザー側にとっては、ネットワーク接続中においてダウンロードしたデータをモニタ画面上で見るときに、例えば画面上の一部に企業広告や各種イベント情報などが表われることになる。もしくは、ユーザーがコマーシャル表示を要求したときに画面出力されるようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようにコマーシャルなどの情報を付加するようにしたシステムにおいては、誰がアクセスしても同一のコマーシャルが提供されることになるため、興味のない人には無意味なものとなってしまう。また通信端末装置側においてはネットワーク接続中にしか表示出力されないものである。これらのことからコマーシャルなどの情報提供としての効果が薄いという問題がある。
【0005】
また通信端末装置のユーザー側から見れば、不要な情報と思われたり、自分が欲しているコマーシャルが得られないといったことも生ずる。さらにネットワーク接続中にしか見ることができないため、ユーザーが見たいと思った時に即座に提供されるものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みて、コマーシャル情報等、ユーザーが直接要求しない情報でも有効に提供できるようにすることを目的とする。
【0007】
本発明は、通信回線を介して接続される通信端末装置とホストコンピュータ装置とを備える通信システムにおいて、前記通信端末装置は、通信回線接続中に、ホストコンピュータ装置に対して、操作により指定された必要データのダウンロード要求を行ない、前記必要データを取り込む第1のアクセス手段と、前記通信回線接続中に、前記必要データのダウンロード要求とは無関係にホストコンピュータ装置に対してダウンロード要求を行ない、他のダウンロードデータを取り込むように構成され、
前記ホストコンピュータ装置は、前記通信端末装置からの必要データのダウンロード要求に基づいて、前記通信端末装置に対して前記必要データの送信を行う第1の制御手段と、前記通信端末装置からの必要データのダウンロード要求とは無関係に前記通信端末装置からダウンロード要求が行なわれるときには、前記必要データとは異なる他のデータを選択する選択手段と、前記通信端末装置に対して前記選択手段によって選択された他のデータの送信を行う第2の制御手段とを備えるように構成される。
【0008】
前記通信端末装置の第2のアクセス手段は、通信回線接続中において前記第1のアクセス手段によるダウンロードが行われていない期間に、前記ダウンロード要求及び前記他のダウンロードデータの取り込みを行なうようにされる。
また、前記通信端末装置は、前記第2のアクセス手段により取り込まれた他のデータを、前記必要データの出力の際に、前記必要データと合成して出力する出力手段を更に備える。
さらに、前記ホストコンピュータ装置は、前記通信端末装置の識別情報に基づいて、前記必要データとは異なる他のデータを選択するようにされる。
【0009】
つまりネットワーク上で、通信端末装置に対してはユーザーが本来のダウンロード要求を行なっていない期間などにコマーシャル情報などをダウンロードさせる。通信端末装置では、ダウンロードされたコマーシャル情報等を保存し、通信回線接続時以外でも表示できるようにする。
また、コマーシャル情報等については、ユーザー等の嗜好などに合わせた提供を行なうようにする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明してきたように本発明の通信システムにおいては、通信端末装置は、通信回線接続中に操作とは無関係にホストコンピュータ装置側に対してダウンロード要求を行ないダウンロードデータを取り込む第2のアクセス手段を備え、またホストコンピュータ装置においては、送信すべきデータが指定されていないダウンロード要求があった場合に、所定のデータを選択して、接続された通信端末装置に対してデータ送信を行なうことができるようにしている。
【0011】
これにより、コマーシャル情報や背景画面情報など、ユーザーが直接要求しない情報でも裏情報として有効に提供できるという効果が得られ、特に接続された通信端末装置の識別情報(個人情報)に応じて適切な裏情報データを選択し、通信端末装置にダウンロードしていくようにすることで、各ユーザーに対してより好適な情報提供を行なうことができる。また回線接続状態に関わらず、いつでも裏情報の提供が可能となる。
【0012】
また通信端末装置側では、第2のアクセス手段によるダウンロード要求及びダウンロードデータの取り込みは、通信回線接続中において第1のアクセス手段によるダウンロードが行なわれていない期間において実行するようにすることで、ユーザーが本来要求している第1のアクセス手段による機能を低下させることはない。
【0013】
そして、第2のアクセス手段により取り込まれたダウンロードデータは、第1のアクセス手段により取り込まれたダウンロードデータや他のデータの出力の際に、それらのデータと合成して出力することができるようにすることで、多様な情報提供形態が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図11で説明する。この例は、いわゆるパソコン通信としてのシステムであり、ユーザーの家庭内における通信端末とネットワークサービスセンターにおけるホストコンピュータ装置が接続されて構成される通信システムとする。
【0015】
図1は通信システム例を示している。
家庭内システム1は、ユーザーの所有するパーソナルコンピュータや各種AV(オーディオ/ビジュアル)機器などからなる端末システムであるとする。
パーソナルコンピュータや各種AV機器が含まれる家庭内AV装置12は、モデム10を介して公衆回線網3と接続されたり、またはネットワーク端末装置11を介して通信ネットワーク4と接続される。通信ネットワーク4とは、例えばLANやケーブルテレビジョン回線等による通信ラインである。
【0016】
ネットワークサービスセンター2は、パソコン通信システムとしてのホスト局であり、公衆回線網3や通信ネットワーク4を介して家庭内システム1と接続される。
これにより家庭内システム1は、ネットワークサービスセンター2に対してアクセスを行ない、所望のデータのダウンロードなどの各種データ通信が可能とされる。
【0017】
図2に家庭内システム1としての構成例を示す。
CPU20は、いわゆるパーソナルコンピュータとしての機能部位であり、モデム10やネットワーク端末11を介した通信動作や、各種AV機器等を有するの家庭内システム1の動作を制御するコントローラとなる。
記憶部21はROMやRAMを有しており、動作プログラム記憶領域、ワークRAM領域、通信により得たダウンロードデータ等を格納する部位となる。
【0018】
AV機器として機能する部位としては、この例では、CD再生ブロック23、ビデオブロック24、FMチューナブロック26、TVチューナブロック28が設けられている。
またAV機器からの音声や映像、さらにはパソコン通信に関する映像等を出力するユーザーインターフェース部位として、表示回路29とモニタ30が設けられ、またオーディオ回路31とスピーカ部32が設けられている。
さらにユーザーインターフェース部位として、ユーザーからの操作情報を入力する部位として、操作部34と入力インターフェース部33が設けられている。
【0019】
各部は制御/データバス22によりCPU20と接続され、データや制御信号の授受が行なわれる。
【0020】
CD再生ブロック23は、いわゆるコンパクトディスクプレーヤとしての機能を備えており、ユーザーがコンパクトディスク(音楽用CD、ビデオCD、CD−ROM等の、いわゆるCD規格のディスク)を装填し、再生操作することで、音声信号や映像信号が再生される。
再生された音声信号はオーディオ回路31で処理され、スピーカ部32から音声として出力される。また再生された映像信号は表示回路29に送られ、モニタ30から画面上に出力される。
【0021】
ビデオブロック24は、例えばビデオデッキなどの機能を備え、ユーザーの操作に応じて、ビデオテープからの映像及び音声信号の再生を行なう。
再生された音声信号はオーディオ回路31で処理され、スピーカ部32から音声として出力される。また再生された映像信号は表示回路29に送られ、モニタ30から画面上に出力される。
【0022】
FMチューナブロック26は、アンテナ25で受信されるFM放送電波から選局/復調動作を行ない、放送音声信号を得る。また、FM多重放送のように文字データ等が重畳されている放送から文字情報等をデコードする。
受信/復調された放送音声信号はオーディオ回路31で処理され、スピーカ部32から音声として出力される。またデコードされた文字情報等は表示回路29に送られ、モニタ30から画面上に出力される。
【0023】
TVチューナブロック28は、アンテナ27で受信されるテレビジョン放送電波から選局/復調動作を行ない、放送映像信号及び放送音声信号を得る。また、文字放送のように文字データ等が重畳されている放送からは文字情報等をデコードできる。
受信/復調された放送音声信号はオーディオ回路31で処理され、スピーカ部32から音声として出力される。また受信/復調された放送映像信号やデコードされた文字情報等は表示回路29に送られ、モニタ30から画面上に出力される。
【0024】
操作部34は例えばキーボードやマウスとして構成されており、それらの操作情報は入力インターフェース部33を介してCPU20に供給される。CPU20は操作情報に応じて通信動作制御や各種AV機器の動作制御を行なう。
【0025】
図3は本例の通信システムにおけるネットワークサービスセンター2に設けられるシステムの要部を示すものである。
ホストコンピュータ5は、公衆回線インターフェース部8を介して公衆回線網3と接続される。またホストコンピュータ5はネットワークインターフェース部9を介して通信ネットワーク4を接続される。これにより公衆回線網3や通信ネットワーク4と接続された各家庭における通信端末装置(家庭内システム1)とデータ通信を行なうことができる。
【0026】
データベース6には通信システムにおいて家庭内システム1がダウンロードできる各種データが格納されている。また、企業のコマーシャル情報なども家庭内システム1に対してダウンロードできる情報として格納されている。説明上、家庭内システム1に対しての本来のサービス情報(ユーザーが直接指定して求める各種サービスの情報)を表情報6aといい、コマーシャル情報など、ユーザーが直接アクセスしない情報を裏情報6bということとする。
【0027】
ユーザー情報データベース7には、この通信システムに加入している各ユーザーについての個人情報が記憶されている。ネットワークサービスセンター2は、例えばユーザーが通信システムに加入する際に、年令、趣味、家族構成などをアンケート等で調べておき、加入するユーザーに付与するID(個人単位の識別コード)とともにこれらの個人情報をユーザー情報データベース7に格納しておく。
【0028】
以上のような通信システムでは、家庭内システム1のユーザーは、各種AV機器により音楽や映像、パーソナルコンピュータとしての各種動作を楽しむことができるほか、通信システムを利用してネットワークサービスセンター2にアクセスし、所望のデータを要求してダウンロードすることができる。
【0029】
ここで、本例において可能となる通信態様のイメージを図4で説明する。
ユーザーは家庭内システム1におけるキーボード等の操作部34からの操作(A)として、ネットワークサービスセンター2に対する回線の接続や、データのダウンロードの要求(B)を行なうことができる。
【0030】
これに応じてネットワークサービスセンター2のホストコンピュータ5はデータベース6から要求されたデータを取り出し、表情報(C)として家庭内システム1に送信する。家庭内システム1ではこのようにダウンロードされた表情報を記憶部21に取り込み(E)、これ以降、ユーザーはそのダウンロードされた情報を使用できる。例えば表示回路29での画像信号処理(F)を介してモニタ30から画面上に出力できる(G)。
【0031】
このような通常のパソコン通信としての使用形態に加え、本例の場合、家庭内システム1はユーザーからのダウンロードの要求(B)のための操作(A)等を行なっておらず、回線に余裕があるときなどに、ネットワークサービスセンター2のホストコンピュータ1に対して自動的に裏情報のダウンロードを要求する(D)。
【0032】
これに対してホストコンピュータ1は、そのユーザーに応じた裏情報を選択し、家庭内システム1にダウンロードする(H)。ダウンロードされた裏情報は記憶部21に取り込まれ(E)、そのダウンロードされた裏情報は、例えば表情報による画像もしくはAV機器からの映像信号と画面上で合成されてモニタ30から出力されたり、ユーザーの操作に応じて単独でモニタ30に表示される。
【0033】
このような動作機能を実現するためのCPU20の処理を図5に、またホストコンピュータ5の処理を図6に示す。
CPU20は、ユーザーの操作に応じてネットワークサービスセンター2との回線を接続している期間は、図5のステップF101からF102の処理に進む。
そして、ユーザーが操作部34から操作を行ない、アクセスを要求した場合は、ステップF103でホストコンピュータ5に対してアクセスを行なう。
【0034】
一方、ホストコンピュータ5では家庭内システム1との回線が接続されると、処理は図6のステップF201からF202に進み、まずユーザーのIDを判別する。そして図5のステップF103として家庭内システム1からのアクセスが実行された場合は、図6のステップF204からF205に進み、要求されたデータである表情報6aをデータベース6から取り出し、家庭内システム1に対してダウンロードさせる。
【0035】
家庭内システム1のCPU20ではステップF104としてホストコンピュータ5から送信されてきた表情報6aを記憶部21に蓄積していき、このダウンロードが終了したら、ステップF105からF101に戻る。
【0036】
またCPU20では、回線接続中であって、ユーザーのダウンロード要求に基づくアクセス(F103)やダウンロード(F104)が行なわれていない期間、例えばユーザーが通信のためのメニュー画面を見たり、選択操作を行なっているような期間などであって、ホストコンピュータ1との間で大量のデータ授受を行なう必要のない期間には、ステップF106に進み、自動的に裏情報のアクセスを行なう。
【0037】
このステップF106の裏情報のアクセスが行なわれた場合は、ホストコンピュータ5の処理は図6のステップF206からF207に進む。そしてユーザーIDに基づいて適切な裏情報6aをデータベース6内から選択し、ステップF208としてその裏情報6aを家庭内システム1に対してダウンロードさせる。
【0038】
特にホストコンピュータ5は、ユーザー情報データベース7に記憶されているそのユーザー個人の嗜好等を参照し、そのユーザーにとってふさわしい情報をダウンロードする裏情報6bとして選択する。例えばユーザーが音楽ファンであれば音楽関係の企業広告(例えば新譜情報など)を選択して送信する。
また、ユーザー側のAV機器のメーカー、機種名などをホストコンピュータ5がCPU20に対してリクエストして取り込み、その機種に応じた情報を裏情報6bとしてダウンロードさせるようにすることも可能である。
【0039】
家庭内システム1のCPU20は、図5のステップF107としてホストコンピュータ5から送信されてきた裏情報6bを記憶部21に蓄積していき、このダウンロードが終了したら、ステップF108からF101に戻る。
ただし、裏情報6aのダウンロード実行中においてユーザーがアクセス実行操作、即ち表情報6aのアクセス実行操作を行なった場合は、ステップF109からF110に進み、裏情報6bのダウンロードを中断してステップF103に進み、上記した表情報6aのアクセスに移る。
【0040】
ユーザーが通信回線の接続を終了させた場合はステップF101から通信処理ループを抜ける。またホストコンピュータ5側ではステップF203からループを抜けることになる。
【0041】
このような処理により、本例の通信システムでは、ユーザーはネットワークサービスセンター2に対するアクセスで自分の欲する情報を表情報6aとしてダウンロードすることができるとともに、ユーザーが直接は要求していない裏情報もダウンロードされ、記憶部21に格納されることになる。
そして、特に裏情報6aのダウンロードは、表情報6aのダウンロードの行なわれていない期間に実行されることになり、また裏情報6aのダウンロード中に表情報6aのアクセスが行なわれた場合は、即座に表情報のアクセス動作に移るため、ユーザーにとって必要な通信が遅滞するということもない。
【0042】
このようにしてダウンロードされた裏情報6bは、通信回線接続中や、接続解消後においても、各種の態様でユーザーに提供することができる。
以下、裏情報bの提供形態を例示していく。
【0043】
例えば図7は、ユーザーがCD再生ブロック23により音楽CDを再生させる場合にCPU20がモニタ30に表示出力される映像例を示している。
この場合、CD再生のための操作キーや、再生されているCDのタイトル、トラックナンバ、時間情報等が表示されている。表示される操作キーなどは、例えば操作部34におけるマウスによってクリックすることで、CPU30は該当する操作が行なわれたとして、CD再生ブロック23の動作を制御できる。
【0044】
例えばこのような画面を表示させる際に、CPU20は記憶部21に裏情報6bとして記憶されているデータを取り出し、表示回路29で合成させる。そして、画面の一部に、図示するような新譜情報などの裏情報6bを表示させるものである。
特にネットワークサービスセンター2側がダウンロードする裏情報6bをユーザーの個人情報に応じて選択することで、ユーザーは全く無用なコマーシャル等を見ることがなく、適切な情報提供形態となる。例えば図7のようにCDを楽しむユーザーに対して、CDの新譜情報を提供するという適切な情報提供が可能となる。
【0045】
ところで、コマーシャルなどの裏情報6bは1画面分だけでなく、複数の情報をダウンロードさせておくことで、より多様な情報提供が可能となる。例えば一定時間毎に裏情報6bとしての表示内容を切り換えたり、家庭内システム1の電源を入れる毎に表示内容を切り換えるようにすることで、ユーザーが飽きないようにしたり、多数の有効な情報提供を行なうことができるようになる。
【0046】
また、コマーシャルに限らず、背景画像情報やイメージ画像情報を裏情報として提供するようにしてもよい。特にコマーシャル情報は必要ないというユーザーに対しては、背景画像情報等を提供することが好適である。
例えば図8のように或る表示の背景となる画像として、風景や各種イメージ画像を裏情報6bとして提供するようにする。これにより、ユーザーが家庭内システム1を使用する際の楽しみを広げることができる。特にこのような背景画像を裏情報とする場合は、その画像内容を切り換えていくことにより、ユーザーの使用時の気分転換などもはかることができる。
【0047】
さらに、音楽CDの再生時やラジオ受信時などにおいて必ずしもモニタ30を使用する必要のないときに、裏情報6bとしてダウンロードしておいた各種画像情報を切り換えながら表示させていくこともできる。
例えばCPU20がCDから音楽を再生させているときに、裏情報6bとして取り込んでおいた風景等の各種画像を切り換えながら表示させていくことも好適である。
特に、画面表示が不要なときには、裏情報6bにより各種画像を切り換えながら表示して行くことで、スクリーンセイバーとしての機能も発揮されることになる。
【0048】
これらのイメージや背景画像などについては各種のジャンルでグループ分けしてデータベース6内に用意しておき、ネットワークサービスセンター2側が予め各ユーザーに好みのジャンルを聞いておく。例えば、海岸風景、山岳風景、都市風景、抽象画、などのジャンルを設けておく。そして各ユーザーに対してはその中で指定されたジャンルの画像情報を裏情報6bとしてダウンロードするようにすることも考えられる。
【0049】
通信ネットワークが或る程度高速であり、またユーザー側の家庭内システム1が常時ネットワークに接続されているようなシステムの場合は、図7や図8に示したような画面を表示させる際、その時点でCPU20が裏情報6bのダウンロード要求を行ない、裏情報6bとしての内容を逐次更新して表示させていくことが可能となる。この場合、最初の1画面分の裏情報だけを記憶部21に記憶しておけば、図7又は図8のような画面表示を行なう場合に、その裏情報の内容を同時に表示できる。そしてその後はダウンロードに応じて更新していけば良い。このようにすれば記憶部21における裏情報用の記憶容量は小さいものですむことになる。
【0050】
図9はパーソナルコンピュータのOS(オペレーションシステム)に組み込んで裏情報6bを表示させている表示形態を示している。この例ではパーソナルコンピュータのオペレーション画面の背景画像としての裏情報6bが用いられている。
【0051】
図10は携帯用の端末装置においてコマーシャル等の裏情報6bを表示する例を示している。例えば携帯用の端末装置など、表示画面が小型のものである場合は、本来の使用画面の一部を割いて裏情報画面を提供することは不適な場合がある。そこで、操作を止めてから一定時間経過したら、図10のように裏情報6bとしての画面を表示するようにすることが考えられる。
【0052】
図11はいわゆるカーナビゲーションシステムにおいて裏情報を表示している例である。裏情報6bとしてのデータのダウンロードの方法としては、無線を使用して交通情報を検索するときに同時に裏情報のダウンロードを行なうようにしたり、もしくはFM多重放送の文字情報に裏情報をのせ、送受信できるようにすることなどが考えられる。特にカーナビゲーションシステムの場合、現在位置に近い地域についての裏情報のみを選択的に取り込んでいくことにより、ユーザーにとって有効なコマーシャル表示などが可能となる。即ち図11のように現在の自動車の走行位置に近い店の情報などを裏情報6bとして、地図画面上に表示させたり、画面の一部にその店の特徴などを表示させたりすることができる。
以上各種の例を説明してきたが、本発明はさらに多様な適用例が考えられることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態の通信システムの構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の通信端末装置の構成の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態のホストコンピュータ装置の構成の説明図である。
【図4】実施の形態による通信動作の説明図である。
【図5】実施の形態の通信動作時の通信端末装置側の処理のフローチャートである。
【図6】実施の形態の通信動作時のホストコンピュータ装置側の処理のフローチャートである。
【図7】実施の形態の裏情報の画面表示例の説明図である。
【図8】実施の形態の裏情報の画面表示例の説明図である。
【図9】他の実施の形態の裏情報の画面表示例の説明図である。
【図10】他の実施の形態の裏情報の画面表示例の説明図である。
【図11】他の実施の形態の裏情報の画面表示例の説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 家庭内システム
2 ネットワークサービスセンター
3 公衆回線網
4 通信ネットワーク
5 ホストコンピュータ
6 データベース
6a 表情報
6b 裏情報
7 ユーザー情報データベース
20 CPU
21 記憶部
23 CD再生ブロック
24 ビデオブロック
26 FMチューナブロック
28 TVチューナブロック
29 表示回路
30 モニタ
31 オーディオ回路
32 スピーカ部
34 操作部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関し、例えばパーソナルコンピュータ通信ネットワーク(以下、パソコン通信という)などの分野に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
家庭内での通信端末装置と、ネットワークサービスセンターにおけるホストコンピュータ装置を接続して通信を行なう、いわゆるパソコン通信などのネットワークが普及している。
【0003】
このようなネットワークでは、通信端末装置のユーザーの要求に応じて、ホストコンピュータ装置側が要求されたデータを提供する形態が多いが、提供すべきデータとともに、企業のコマーシャルなど、直接要求されていないデータも同時に送信するようにしているものもある。この場合、ユーザー側にとっては、ネットワーク接続中においてダウンロードしたデータをモニタ画面上で見るときに、例えば画面上の一部に企業広告や各種イベント情報などが表われることになる。もしくは、ユーザーがコマーシャル表示を要求したときに画面出力されるようにしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このようにコマーシャルなどの情報を付加するようにしたシステムにおいては、誰がアクセスしても同一のコマーシャルが提供されることになるため、興味のない人には無意味なものとなってしまう。また通信端末装置側においてはネットワーク接続中にしか表示出力されないものである。これらのことからコマーシャルなどの情報提供としての効果が薄いという問題がある。
【0005】
また通信端末装置のユーザー側から見れば、不要な情報と思われたり、自分が欲しているコマーシャルが得られないといったことも生ずる。さらにネットワーク接続中にしか見ることができないため、ユーザーが見たいと思った時に即座に提供されるものでもない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みて、コマーシャル情報等、ユーザーが直接要求しない情報でも有効に提供できるようにすることを目的とする。
【0007】
本発明は、通信回線を介して接続される通信端末装置とホストコンピュータ装置とを備える通信システムにおいて、前記通信端末装置は、通信回線接続中に、ホストコンピュータ装置に対して、操作により指定された必要データのダウンロード要求を行ない、前記必要データを取り込む第1のアクセス手段と、前記通信回線接続中に、前記必要データのダウンロード要求とは無関係にホストコンピュータ装置に対してダウンロード要求を行ない、他のダウンロードデータを取り込むように構成され、
前記ホストコンピュータ装置は、前記通信端末装置からの必要データのダウンロード要求に基づいて、前記通信端末装置に対して前記必要データの送信を行う第1の制御手段と、前記通信端末装置からの必要データのダウンロード要求とは無関係に前記通信端末装置からダウンロード要求が行なわれるときには、前記必要データとは異なる他のデータを選択する選択手段と、前記通信端末装置に対して前記選択手段によって選択された他のデータの送信を行う第2の制御手段とを備えるように構成される。
【0008】
前記通信端末装置の第2のアクセス手段は、通信回線接続中において前記第1のアクセス手段によるダウンロードが行われていない期間に、前記ダウンロード要求及び前記他のダウンロードデータの取り込みを行なうようにされる。
また、前記通信端末装置は、前記第2のアクセス手段により取り込まれた他のデータを、前記必要データの出力の際に、前記必要データと合成して出力する出力手段を更に備える。
さらに、前記ホストコンピュータ装置は、前記通信端末装置の識別情報に基づいて、前記必要データとは異なる他のデータを選択するようにされる。
【0009】
つまりネットワーク上で、通信端末装置に対してはユーザーが本来のダウンロード要求を行なっていない期間などにコマーシャル情報などをダウンロードさせる。通信端末装置では、ダウンロードされたコマーシャル情報等を保存し、通信回線接続時以外でも表示できるようにする。
また、コマーシャル情報等については、ユーザー等の嗜好などに合わせた提供を行なうようにする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明してきたように本発明の通信システムにおいては、通信端末装置は、通信回線接続中に操作とは無関係にホストコンピュータ装置側に対してダウンロード要求を行ないダウンロードデータを取り込む第2のアクセス手段を備え、またホストコンピュータ装置においては、送信すべきデータが指定されていないダウンロード要求があった場合に、所定のデータを選択して、接続された通信端末装置に対してデータ送信を行なうことができるようにしている。
【0011】
これにより、コマーシャル情報や背景画面情報など、ユーザーが直接要求しない情報でも裏情報として有効に提供できるという効果が得られ、特に接続された通信端末装置の識別情報(個人情報)に応じて適切な裏情報データを選択し、通信端末装置にダウンロードしていくようにすることで、各ユーザーに対してより好適な情報提供を行なうことができる。また回線接続状態に関わらず、いつでも裏情報の提供が可能となる。
【0012】
また通信端末装置側では、第2のアクセス手段によるダウンロード要求及びダウンロードデータの取り込みは、通信回線接続中において第1のアクセス手段によるダウンロードが行なわれていない期間において実行するようにすることで、ユーザーが本来要求している第1のアクセス手段による機能を低下させることはない。
【0013】
そして、第2のアクセス手段により取り込まれたダウンロードデータは、第1のアクセス手段により取り込まれたダウンロードデータや他のデータの出力の際に、それらのデータと合成して出力することができるようにすることで、多様な情報提供形態が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図11で説明する。この例は、いわゆるパソコン通信としてのシステムであり、ユーザーの家庭内における通信端末とネットワークサービスセンターにおけるホストコンピュータ装置が接続されて構成される通信システムとする。
【0015】
図1は通信システム例を示している。
家庭内システム1は、ユーザーの所有するパーソナルコンピュータや各種AV(オーディオ/ビジュアル)機器などからなる端末システムであるとする。
パーソナルコンピュータや各種AV機器が含まれる家庭内AV装置12は、モデム10を介して公衆回線網3と接続されたり、またはネットワーク端末装置11を介して通信ネットワーク4と接続される。通信ネットワーク4とは、例えばLANやケーブルテレビジョン回線等による通信ラインである。
【0016】
ネットワークサービスセンター2は、パソコン通信システムとしてのホスト局であり、公衆回線網3や通信ネットワーク4を介して家庭内システム1と接続される。
これにより家庭内システム1は、ネットワークサービスセンター2に対してアクセスを行ない、所望のデータのダウンロードなどの各種データ通信が可能とされる。
【0017】
図2に家庭内システム1としての構成例を示す。
CPU20は、いわゆるパーソナルコンピュータとしての機能部位であり、モデム10やネットワーク端末11を介した通信動作や、各種AV機器等を有するの家庭内システム1の動作を制御するコントローラとなる。
記憶部21はROMやRAMを有しており、動作プログラム記憶領域、ワークRAM領域、通信により得たダウンロードデータ等を格納する部位となる。
【0018】
AV機器として機能する部位としては、この例では、CD再生ブロック23、ビデオブロック24、FMチューナブロック26、TVチューナブロック28が設けられている。
またAV機器からの音声や映像、さらにはパソコン通信に関する映像等を出力するユーザーインターフェース部位として、表示回路29とモニタ30が設けられ、またオーディオ回路31とスピーカ部32が設けられている。
さらにユーザーインターフェース部位として、ユーザーからの操作情報を入力する部位として、操作部34と入力インターフェース部33が設けられている。
【0019】
各部は制御/データバス22によりCPU20と接続され、データや制御信号の授受が行なわれる。
【0020】
CD再生ブロック23は、いわゆるコンパクトディスクプレーヤとしての機能を備えており、ユーザーがコンパクトディスク(音楽用CD、ビデオCD、CD−ROM等の、いわゆるCD規格のディスク)を装填し、再生操作することで、音声信号や映像信号が再生される。
再生された音声信号はオーディオ回路31で処理され、スピーカ部32から音声として出力される。また再生された映像信号は表示回路29に送られ、モニタ30から画面上に出力される。
【0021】
ビデオブロック24は、例えばビデオデッキなどの機能を備え、ユーザーの操作に応じて、ビデオテープからの映像及び音声信号の再生を行なう。
再生された音声信号はオーディオ回路31で処理され、スピーカ部32から音声として出力される。また再生された映像信号は表示回路29に送られ、モニタ30から画面上に出力される。
【0022】
FMチューナブロック26は、アンテナ25で受信されるFM放送電波から選局/復調動作を行ない、放送音声信号を得る。また、FM多重放送のように文字データ等が重畳されている放送から文字情報等をデコードする。
受信/復調された放送音声信号はオーディオ回路31で処理され、スピーカ部32から音声として出力される。またデコードされた文字情報等は表示回路29に送られ、モニタ30から画面上に出力される。
【0023】
TVチューナブロック28は、アンテナ27で受信されるテレビジョン放送電波から選局/復調動作を行ない、放送映像信号及び放送音声信号を得る。また、文字放送のように文字データ等が重畳されている放送からは文字情報等をデコードできる。
受信/復調された放送音声信号はオーディオ回路31で処理され、スピーカ部32から音声として出力される。また受信/復調された放送映像信号やデコードされた文字情報等は表示回路29に送られ、モニタ30から画面上に出力される。
【0024】
操作部34は例えばキーボードやマウスとして構成されており、それらの操作情報は入力インターフェース部33を介してCPU20に供給される。CPU20は操作情報に応じて通信動作制御や各種AV機器の動作制御を行なう。
【0025】
図3は本例の通信システムにおけるネットワークサービスセンター2に設けられるシステムの要部を示すものである。
ホストコンピュータ5は、公衆回線インターフェース部8を介して公衆回線網3と接続される。またホストコンピュータ5はネットワークインターフェース部9を介して通信ネットワーク4を接続される。これにより公衆回線網3や通信ネットワーク4と接続された各家庭における通信端末装置(家庭内システム1)とデータ通信を行なうことができる。
【0026】
データベース6には通信システムにおいて家庭内システム1がダウンロードできる各種データが格納されている。また、企業のコマーシャル情報なども家庭内システム1に対してダウンロードできる情報として格納されている。説明上、家庭内システム1に対しての本来のサービス情報(ユーザーが直接指定して求める各種サービスの情報)を表情報6aといい、コマーシャル情報など、ユーザーが直接アクセスしない情報を裏情報6bということとする。
【0027】
ユーザー情報データベース7には、この通信システムに加入している各ユーザーについての個人情報が記憶されている。ネットワークサービスセンター2は、例えばユーザーが通信システムに加入する際に、年令、趣味、家族構成などをアンケート等で調べておき、加入するユーザーに付与するID(個人単位の識別コード)とともにこれらの個人情報をユーザー情報データベース7に格納しておく。
【0028】
以上のような通信システムでは、家庭内システム1のユーザーは、各種AV機器により音楽や映像、パーソナルコンピュータとしての各種動作を楽しむことができるほか、通信システムを利用してネットワークサービスセンター2にアクセスし、所望のデータを要求してダウンロードすることができる。
【0029】
ここで、本例において可能となる通信態様のイメージを図4で説明する。
ユーザーは家庭内システム1におけるキーボード等の操作部34からの操作(A)として、ネットワークサービスセンター2に対する回線の接続や、データのダウンロードの要求(B)を行なうことができる。
【0030】
これに応じてネットワークサービスセンター2のホストコンピュータ5はデータベース6から要求されたデータを取り出し、表情報(C)として家庭内システム1に送信する。家庭内システム1ではこのようにダウンロードされた表情報を記憶部21に取り込み(E)、これ以降、ユーザーはそのダウンロードされた情報を使用できる。例えば表示回路29での画像信号処理(F)を介してモニタ30から画面上に出力できる(G)。
【0031】
このような通常のパソコン通信としての使用形態に加え、本例の場合、家庭内システム1はユーザーからのダウンロードの要求(B)のための操作(A)等を行なっておらず、回線に余裕があるときなどに、ネットワークサービスセンター2のホストコンピュータ1に対して自動的に裏情報のダウンロードを要求する(D)。
【0032】
これに対してホストコンピュータ1は、そのユーザーに応じた裏情報を選択し、家庭内システム1にダウンロードする(H)。ダウンロードされた裏情報は記憶部21に取り込まれ(E)、そのダウンロードされた裏情報は、例えば表情報による画像もしくはAV機器からの映像信号と画面上で合成されてモニタ30から出力されたり、ユーザーの操作に応じて単独でモニタ30に表示される。
【0033】
このような動作機能を実現するためのCPU20の処理を図5に、またホストコンピュータ5の処理を図6に示す。
CPU20は、ユーザーの操作に応じてネットワークサービスセンター2との回線を接続している期間は、図5のステップF101からF102の処理に進む。
そして、ユーザーが操作部34から操作を行ない、アクセスを要求した場合は、ステップF103でホストコンピュータ5に対してアクセスを行なう。
【0034】
一方、ホストコンピュータ5では家庭内システム1との回線が接続されると、処理は図6のステップF201からF202に進み、まずユーザーのIDを判別する。そして図5のステップF103として家庭内システム1からのアクセスが実行された場合は、図6のステップF204からF205に進み、要求されたデータである表情報6aをデータベース6から取り出し、家庭内システム1に対してダウンロードさせる。
【0035】
家庭内システム1のCPU20ではステップF104としてホストコンピュータ5から送信されてきた表情報6aを記憶部21に蓄積していき、このダウンロードが終了したら、ステップF105からF101に戻る。
【0036】
またCPU20では、回線接続中であって、ユーザーのダウンロード要求に基づくアクセス(F103)やダウンロード(F104)が行なわれていない期間、例えばユーザーが通信のためのメニュー画面を見たり、選択操作を行なっているような期間などであって、ホストコンピュータ1との間で大量のデータ授受を行なう必要のない期間には、ステップF106に進み、自動的に裏情報のアクセスを行なう。
【0037】
このステップF106の裏情報のアクセスが行なわれた場合は、ホストコンピュータ5の処理は図6のステップF206からF207に進む。そしてユーザーIDに基づいて適切な裏情報6aをデータベース6内から選択し、ステップF208としてその裏情報6aを家庭内システム1に対してダウンロードさせる。
【0038】
特にホストコンピュータ5は、ユーザー情報データベース7に記憶されているそのユーザー個人の嗜好等を参照し、そのユーザーにとってふさわしい情報をダウンロードする裏情報6bとして選択する。例えばユーザーが音楽ファンであれば音楽関係の企業広告(例えば新譜情報など)を選択して送信する。
また、ユーザー側のAV機器のメーカー、機種名などをホストコンピュータ5がCPU20に対してリクエストして取り込み、その機種に応じた情報を裏情報6bとしてダウンロードさせるようにすることも可能である。
【0039】
家庭内システム1のCPU20は、図5のステップF107としてホストコンピュータ5から送信されてきた裏情報6bを記憶部21に蓄積していき、このダウンロードが終了したら、ステップF108からF101に戻る。
ただし、裏情報6aのダウンロード実行中においてユーザーがアクセス実行操作、即ち表情報6aのアクセス実行操作を行なった場合は、ステップF109からF110に進み、裏情報6bのダウンロードを中断してステップF103に進み、上記した表情報6aのアクセスに移る。
【0040】
ユーザーが通信回線の接続を終了させた場合はステップF101から通信処理ループを抜ける。またホストコンピュータ5側ではステップF203からループを抜けることになる。
【0041】
このような処理により、本例の通信システムでは、ユーザーはネットワークサービスセンター2に対するアクセスで自分の欲する情報を表情報6aとしてダウンロードすることができるとともに、ユーザーが直接は要求していない裏情報もダウンロードされ、記憶部21に格納されることになる。
そして、特に裏情報6aのダウンロードは、表情報6aのダウンロードの行なわれていない期間に実行されることになり、また裏情報6aのダウンロード中に表情報6aのアクセスが行なわれた場合は、即座に表情報のアクセス動作に移るため、ユーザーにとって必要な通信が遅滞するということもない。
【0042】
このようにしてダウンロードされた裏情報6bは、通信回線接続中や、接続解消後においても、各種の態様でユーザーに提供することができる。
以下、裏情報bの提供形態を例示していく。
【0043】
例えば図7は、ユーザーがCD再生ブロック23により音楽CDを再生させる場合にCPU20がモニタ30に表示出力される映像例を示している。
この場合、CD再生のための操作キーや、再生されているCDのタイトル、トラックナンバ、時間情報等が表示されている。表示される操作キーなどは、例えば操作部34におけるマウスによってクリックすることで、CPU30は該当する操作が行なわれたとして、CD再生ブロック23の動作を制御できる。
【0044】
例えばこのような画面を表示させる際に、CPU20は記憶部21に裏情報6bとして記憶されているデータを取り出し、表示回路29で合成させる。そして、画面の一部に、図示するような新譜情報などの裏情報6bを表示させるものである。
特にネットワークサービスセンター2側がダウンロードする裏情報6bをユーザーの個人情報に応じて選択することで、ユーザーは全く無用なコマーシャル等を見ることがなく、適切な情報提供形態となる。例えば図7のようにCDを楽しむユーザーに対して、CDの新譜情報を提供するという適切な情報提供が可能となる。
【0045】
ところで、コマーシャルなどの裏情報6bは1画面分だけでなく、複数の情報をダウンロードさせておくことで、より多様な情報提供が可能となる。例えば一定時間毎に裏情報6bとしての表示内容を切り換えたり、家庭内システム1の電源を入れる毎に表示内容を切り換えるようにすることで、ユーザーが飽きないようにしたり、多数の有効な情報提供を行なうことができるようになる。
【0046】
また、コマーシャルに限らず、背景画像情報やイメージ画像情報を裏情報として提供するようにしてもよい。特にコマーシャル情報は必要ないというユーザーに対しては、背景画像情報等を提供することが好適である。
例えば図8のように或る表示の背景となる画像として、風景や各種イメージ画像を裏情報6bとして提供するようにする。これにより、ユーザーが家庭内システム1を使用する際の楽しみを広げることができる。特にこのような背景画像を裏情報とする場合は、その画像内容を切り換えていくことにより、ユーザーの使用時の気分転換などもはかることができる。
【0047】
さらに、音楽CDの再生時やラジオ受信時などにおいて必ずしもモニタ30を使用する必要のないときに、裏情報6bとしてダウンロードしておいた各種画像情報を切り換えながら表示させていくこともできる。
例えばCPU20がCDから音楽を再生させているときに、裏情報6bとして取り込んでおいた風景等の各種画像を切り換えながら表示させていくことも好適である。
特に、画面表示が不要なときには、裏情報6bにより各種画像を切り換えながら表示して行くことで、スクリーンセイバーとしての機能も発揮されることになる。
【0048】
これらのイメージや背景画像などについては各種のジャンルでグループ分けしてデータベース6内に用意しておき、ネットワークサービスセンター2側が予め各ユーザーに好みのジャンルを聞いておく。例えば、海岸風景、山岳風景、都市風景、抽象画、などのジャンルを設けておく。そして各ユーザーに対してはその中で指定されたジャンルの画像情報を裏情報6bとしてダウンロードするようにすることも考えられる。
【0049】
通信ネットワークが或る程度高速であり、またユーザー側の家庭内システム1が常時ネットワークに接続されているようなシステムの場合は、図7や図8に示したような画面を表示させる際、その時点でCPU20が裏情報6bのダウンロード要求を行ない、裏情報6bとしての内容を逐次更新して表示させていくことが可能となる。この場合、最初の1画面分の裏情報だけを記憶部21に記憶しておけば、図7又は図8のような画面表示を行なう場合に、その裏情報の内容を同時に表示できる。そしてその後はダウンロードに応じて更新していけば良い。このようにすれば記憶部21における裏情報用の記憶容量は小さいものですむことになる。
【0050】
図9はパーソナルコンピュータのOS(オペレーションシステム)に組み込んで裏情報6bを表示させている表示形態を示している。この例ではパーソナルコンピュータのオペレーション画面の背景画像としての裏情報6bが用いられている。
【0051】
図10は携帯用の端末装置においてコマーシャル等の裏情報6bを表示する例を示している。例えば携帯用の端末装置など、表示画面が小型のものである場合は、本来の使用画面の一部を割いて裏情報画面を提供することは不適な場合がある。そこで、操作を止めてから一定時間経過したら、図10のように裏情報6bとしての画面を表示するようにすることが考えられる。
【0052】
図11はいわゆるカーナビゲーションシステムにおいて裏情報を表示している例である。裏情報6bとしてのデータのダウンロードの方法としては、無線を使用して交通情報を検索するときに同時に裏情報のダウンロードを行なうようにしたり、もしくはFM多重放送の文字情報に裏情報をのせ、送受信できるようにすることなどが考えられる。特にカーナビゲーションシステムの場合、現在位置に近い地域についての裏情報のみを選択的に取り込んでいくことにより、ユーザーにとって有効なコマーシャル表示などが可能となる。即ち図11のように現在の自動車の走行位置に近い店の情報などを裏情報6bとして、地図画面上に表示させたり、画面の一部にその店の特徴などを表示させたりすることができる。
以上各種の例を説明してきたが、本発明はさらに多様な適用例が考えられることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態の通信システムの構成の説明図である。
【図2】本発明の実施の形態の通信端末装置の構成の説明図である。
【図3】本発明の実施の形態のホストコンピュータ装置の構成の説明図である。
【図4】実施の形態による通信動作の説明図である。
【図5】実施の形態の通信動作時の通信端末装置側の処理のフローチャートである。
【図6】実施の形態の通信動作時のホストコンピュータ装置側の処理のフローチャートである。
【図7】実施の形態の裏情報の画面表示例の説明図である。
【図8】実施の形態の裏情報の画面表示例の説明図である。
【図9】他の実施の形態の裏情報の画面表示例の説明図である。
【図10】他の実施の形態の裏情報の画面表示例の説明図である。
【図11】他の実施の形態の裏情報の画面表示例の説明図である。
【符号の説明】
【0054】
1 家庭内システム
2 ネットワークサービスセンター
3 公衆回線網
4 通信ネットワーク
5 ホストコンピュータ
6 データベース
6a 表情報
6b 裏情報
7 ユーザー情報データベース
20 CPU
21 記憶部
23 CD再生ブロック
24 ビデオブロック
26 FMチューナブロック
28 TVチューナブロック
29 表示回路
30 モニタ
31 オーディオ回路
32 スピーカ部
34 操作部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信回線を介して接続される通信端末装置とホストコンピュータ装置とを備える通信システムにおいて、
前記通信端末装置は、
通信回線接続中に、前記ホストコンピュータ装置に対して、操作により指定された必要データのダウンロード要求を行ない、前記必要データを取り込む第1のアクセス手段と、
前記通信回線接続中に、前記必要データのダウンロード要求とは無関係に前記ホストコンピュータ装置に対してダウンロード要求を行ない、他のダウンロードデータを取り込むように構成され、
前記ホストコンピュータ装置は、
前記通信端末装置からの前記必要データのダウンロード要求に基づいて、前記通信端末装置に対して前記必要データの送信を行う第1の制御手段と、
前記通信端末装置からの前記必要データのダウンロード要求とは無関係に前記通信端末装置からダウンロード要求が行なわれるときには、前記必要データとは異なる他のデータを選択する選択手段と、
前記通信端末装置に対して前記選択手段によって選択された前記他のデータの送信を行う第2の制御手段とを備える
通信システム。
【請求項2】
前記通信端末装置の第2のアクセス手段は、通信回線接続中において前記第1のアクセス手段によるダウンロードが行われていない期間に、前記ダウンロード要求及び他のデータの取り込みを行なう
請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信端末装置は、前記第2のアクセス手段により取り込まれた前記他のデータを、前記必要データの出力の際に、前記必要データと合成して出力する出力手段を更に備える
請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記ホストコンピュータ装置は、前記通信端末装置の識別情報に基づいて、前記必要データとは異なる他のデータを選択する
請求項1記載の通信システム。
【請求項1】
通信回線を介して接続される通信端末装置とホストコンピュータ装置とを備える通信システムにおいて、
前記通信端末装置は、
通信回線接続中に、前記ホストコンピュータ装置に対して、操作により指定された必要データのダウンロード要求を行ない、前記必要データを取り込む第1のアクセス手段と、
前記通信回線接続中に、前記必要データのダウンロード要求とは無関係に前記ホストコンピュータ装置に対してダウンロード要求を行ない、他のダウンロードデータを取り込むように構成され、
前記ホストコンピュータ装置は、
前記通信端末装置からの前記必要データのダウンロード要求に基づいて、前記通信端末装置に対して前記必要データの送信を行う第1の制御手段と、
前記通信端末装置からの前記必要データのダウンロード要求とは無関係に前記通信端末装置からダウンロード要求が行なわれるときには、前記必要データとは異なる他のデータを選択する選択手段と、
前記通信端末装置に対して前記選択手段によって選択された前記他のデータの送信を行う第2の制御手段とを備える
通信システム。
【請求項2】
前記通信端末装置の第2のアクセス手段は、通信回線接続中において前記第1のアクセス手段によるダウンロードが行われていない期間に、前記ダウンロード要求及び他のデータの取り込みを行なう
請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信端末装置は、前記第2のアクセス手段により取り込まれた前記他のデータを、前記必要データの出力の際に、前記必要データと合成して出力する出力手段を更に備える
請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記ホストコンピュータ装置は、前記通信端末装置の識別情報に基づいて、前記必要データとは異なる他のデータを選択する
請求項1記載の通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−157903(P2006−157903A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−328940(P2005−328940)
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【分割の表示】特願平7−346268の分割
【原出願日】平成7年12月13日(1995.12.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月14日(2005.11.14)
【分割の表示】特願平7−346268の分割
【原出願日】平成7年12月13日(1995.12.13)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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