説明

通信システム

【課題】従来の表示システムをそのまま用いて埋め込み情報を伝達可能な通信システムを提供する。
【解決手段】複数のレベル信号LV1〜LV14が動画を構成する複数のフレームFRM1〜FRM14にそれぞれ埋め込まれる。そして、複数のフレームFRM1〜FRM14の各々は、同じ内容の画像を表示する。表示装置20は、管理サーバ30から受けた複数のフレームFRM1〜FRM14を連続的に表示し、端末装置10は、その連続的に表示された複数のフレームFRM1〜FRM14を撮影する。その結果、端末装置10は、撮影した複数のフレームFRM1〜FRM14に埋め込まれた複数のレベル信号LV1〜LV14を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信システムに関し、特に、ユーザの端末装置に情報を伝達する通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、日常的な照明の中に情報を埋め込むことで、生活シーンに溶け込みつつも、高出力でも人体に安全で広帯域の情報伝達を行なうことができる可視光通信が注目されている(非特許文献1)。
【0003】
この可視光通信は、DMD(Digital Micromirror Device)を用いて、情報を映像画像に埋め込むものである。より具体的には、60Hz以上の周波数でオン/オフ情報を画像の各画素に埋め込む。そして、このオン/オフ情報は、埋め込まれた画素の位置情報を表す。また、オン/オフ情報が60Hz以上の周波数で埋め込まれるのは、視覚的なちらつき(フリッカ)が問題にならないようにするためである。
【非特許文献1】北村 匡彦、苗村 健、「DMDを用いた空間分割型可視光通信の基礎検討」,FIT2006(第5回情報科学技術フォーラム),p293−p295.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の可視光通信においては、オン/オフ情報を60Hz以上の高周波数で画像に埋め込む必要があり、高周波数の光を検出可能なフォトセンサを受信側に設ける必要があった。そのため、情報の送信側および受信側の両方に、埋め込み情報に対応したデバイスを設ける必要があり、従来の表示システムをそのまま用いて埋め込み情報を伝達することが困難であった。
【0005】
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、従来の表示システムをそのまま用いて埋め込み情報を伝達可能な通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明によれば、通信システムは、表示装置と、端末装置とを備える。表示装置は、複数のフレームからなる動画を表示する。端末装置は、表示装置に表示された動画を撮影する。複数のフレームは、同じ内容の画像を表示するための複数の画像データと、複数の画像データに重畳され、ビット情報を表す複数の照度信号とを含む。
【0007】
好ましくは、複数の照度信号は、照度レベルを変えることによってビット情報を表す。
【0008】
好ましくは、複数の照度信号の各々は、1つの画像データを構成する複数の画素データの各々に重畳される。
【0009】
好ましくは、複数の画像データにおいて、対応する画素位置の画素データに重畳された複数の照度信号は、対応する画素位置に関連する情報識別子を表す。
【0010】
好ましくは、端末装置は、表示装置上に配置され、自己が配置された位置で撮影した動画に含まれる複数の照度信号を検出して自己が配置された位置に関連する情報識別子を取得する。
【0011】
好ましくは、通信システムは、管理サーバをさらに備える。管理サーバは、複数のフレームを保持するとともに、複数のフレームからなる動画を表示装置に表示する。端末装置は、自己に対して成された操作を識別するための操作識別子と、自己を識別するための端末識別子と、情報識別子とからなるメッセージを無線ネットワークを介して管理サーバへ送信する。管理サーバは、メッセージの受信に応じて、端末装置に対して成された操作の応答結果を表示装置または端末装置に表示する。
【0012】
好ましくは、管理サーバは、複数のフレームからなる動画の表示の際に、1つのフレームの表示が開始されてから指定された時間が経過し、かつ、当該フレームの表示が完了しているときに、次のフレームの表示を開始することによって複数のフレームの全てからなる動画を表示装置に表示する。
【0013】
好ましくは、管理サーバは、受信したメッセージに含まれる操作識別子、情報識別子および端末識別子の組合せに応じて、表示装置の表示内容を更新し、または端末装置に表示するための情報を端末装置へ送信する。
【発明の効果】
【0014】
この発明においては、照度信号が動画を構成する複数のフレームの各々に埋め込まれる。そして、複数のフレームの各々は、同じ内容の画像を表示し、表示装置は、複数のフレームを連続的に表示し、端末装置は、その連続的に表示された複数のフレームを撮影する。その結果、端末装置は、撮影した複数のフレームに埋め込まれた複数の照度信号を取得する。
【0015】
したがって、この発明によれば、従来の表示システムをそのまま用いて埋め込み情報を端末装置へ伝達できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0017】
図1は、この発明の実施の形態による通信システムの構成を示す概略図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による通信システム100は、端末装置10と、表示装置20と、管理サーバ30と、基地局40とを備える。
【0018】
端末装置10は、表示装置20上に配置され、その配置された位置で表示装置20に表示された動画を撮影する。そして、端末装置10は、その撮影した動画に基づいて、後述する方法によって、自己が配置された位置に関連する情報IDを検出する。
【0019】
また、端末装置10は、ユーザの自己に対する操作を検出し、その検出した操作を識別するための操作IDを生成する。そして、端末装置10は、情報IDと、操作IDと、自己を識別するための端末IDとからなるメッセージMSGを作成し、その作成したメッセージMSGを無線ネットワークを介して管理サーバ30へ送信する。
【0020】
さらに、端末装置10は、情報を無線ネットワークを介して管理サーバ30から受信すると、その受信した情報を表示する。
【0021】
表示装置20は、液晶ディスプレイ、液晶プロジェクタおよびプラズマディスプレイ等からなる。そして、表示装置20は、管理サーバ30からケーブル41を介して画像データを受信すると、その受信した画像データを表示する。
【0022】
管理サーバ30は、各画素に情報IDが埋め込まれた複数のフレームをケーブル41を介して表示装置20へ送信する。
【0023】
また、管理サーバ30は、基地局40からケーブル42を介してメッセージMSGを受信し、その受信したメッセージMSGに含まれる端末ID、情報IDおよび操作IDの組合せに応じて、表示装置20の表示内容を更新し、または端末装置10に表示すべき情報を無線ネットワークを介して端末装置10へ送信する。
【0024】
基地局40は、無線ネットワークを介して端末装置10からメッセージMSGを受信し、その受信したメッセージMSGをケーブル42を介して管理サーバ30へ送信する。
【0025】
また、基地局40は、ケーブル42を介して管理サーバ30から情報を受信すると、その受信した情報を無線ネットワークを介して端末装置10へ送信する。
【0026】
図2は、図1に示す端末信装置10の構成を示す概略ブロック図である。図2を参照して、端末装置10は、撮影部11と、加速度センサ12と、操作部13と、制御部14と、通信部15と、表示部16とを含む。
【0027】
撮影部11は、端末装置10が配置された位置において、表示装置20に表示された動画を撮影し、その撮影した動画を制御部14へ出力する。加速度センサ12は、加速度αを計測し、その計測した加速度αを制御部14へ出力する。
【0028】
操作部13は、文字入力キー等からなり、ユーザがキーを押す等のユーザの端末装置10に対する何らかの操作を検出し、その検出した操作を制御部14へ出力する。
【0029】
制御部14は、撮影部11から動画を受け、加速度センサ12から加速度αを受け、操作部13から操作を受ける。そして、制御部14は、動画に埋め込まれた情報を、端末装置10が配置された表示装置20上の位置に関連する情報IDとして検出する。
【0030】
また、制御部14は、加速度センサ12から受けた加速度αに基づいて、端末装置10が移動したか否かを判定する。そして、制御部14は、端末装置10が移動したと判定したとき、端末装置10を移動させる操作が端末装置10に対して成されたことを示す操作IDを生成する。
【0031】
さらに、制御部14は、操作部13から受けた操作に基づいて、端末装置10に対して成された操作を識別するための操作IDを生成する。たとえば、操作部13が、文字入力キーが押されたことを検出した場合、制御部14は、文字入力キーが押されたことを示す操作IDを生成する。
【0032】
さらに、制御部14は、情報IDと、操作IDと、端末装置10を識別するための端末IDとからなるメッセージMSGを作成し、その作成したメッセージMSGを通信部15を介して管理サーバ30へ送信する。
【0033】
さらに、制御部14は、通信部15を介して管理サーバ30から情報を受信すると、その受信した情報を表示部16に表示する。
【0034】
通信部15は、制御部14から受けたメッセージMSGを無線ネットワークを介して基地局40へ送信する。また、通信部15は、無線ネットワークを介して基地局40から情報を受信し、その受信した情報を制御部14へ出力する。
【0035】
表示部16は、制御部14から受けた情報を表示する。
【0036】
図3は、図1に示す管理サーバ30の構成を示す概略ブロック図である。図3を参照して、管理サーバ30は、通信部31と、制御部32と、記憶部33とを含む。通信部31は、制御部32から表示装置20宛ての画像データを受けると、その受けた画像データをケーブル41を介して表示装置20へ送信する。
【0037】
また、通信部31は、ケーブル42を介して基地局40からメッセージMSGを受信すると、その受信したメッセージMSGを制御部32へ出力する。
【0038】
さらに、通信部31は、端末装置10宛ての情報を制御32から受けると、その受けた情報をケーブル42を介して基地局40へ送信する。
【0039】
制御部32は、通信部31からメッセージMSGを受けると、その受けたメッセージMSGに含まれる端末ID、情報IDおよび操作IDを検出する。そして、制御部32は、端末ID、情報IDおよび操作IDの組合せに応じて、新たな動画を構成する画像データを記憶部33から取り出し、その取り出した画像データを通信部31を介して表示装置20へ送信する。
【0040】
また、制御部32は、端末ID、情報IDおよび操作IDの組合せに応じて、端末措置10に表示すべき情報を記憶部33から取り出し、その取り出した情報を通信部31を介して端末装置10へ送信する。
【0041】
記憶部33は、端末ID、情報IDおよび操作IDの組合せに応じて、各種の動画を構成する画像データまたは情報を記憶する。そして、この画像データの各画素データには、情報IDが後述する方法によって重畳されている。
【0042】
端末装置10の制御部14における情報IDの検出方法について説明する。図4は、撮影部11における受光画素を示す平面図である。図4を参照して、撮影部11は、4×4に配置された16個の受光画素c0〜cFを有する。
【0043】
図5は、表示装置20によって表示された画像の1つの画素を示す平面図である。図5を参照して、1つの画素PUは、(q+1)×(r+1)に配置された複数の画素ブロックp00〜pqrからなる。そして、1つの画素PUは、情報IDが埋め込まれた複数のブロックB00,B04,B40,B44,・・・を含む。
【0044】
複数のブロックB00,B04,B40,B44,・・・の各々は、2×2に配置された4個の画素ブロックからなる。そして、複数のブロックB00,B04,B40,B44,・・・は、市松模様に配置される。
【0045】
図6は、図4に示す各受光画素c0〜cFにおける受光レベルの遷移を示す図である。図6を参照して、受光画素c0〜cFは、受光レベルがそれぞれパターンPTM1−1〜PTM1−16で変化する光信号を受光する。そして、パターンPTM1−1〜PTM1−16は、1つの画素に埋め込まれた情報IDを表す情報IDパターンPTM1を構成する。
【0046】
また、各パターンPTM1−1〜PTM1−16の各々は、14個のレベル信号からなる。たとえば、パラーンPTM1−1は、レベル信号LV1〜LV14からなる。パターンPTM1−2〜パターンPTM1−16の各々も、レベル信号LV1〜LV14からなる。但し、パターンPTM1−1〜パターンPTM1−16の各々を構成する14個のレベル信号LV1〜LV14の配列は、パターンPTM1−1〜パターンPTM1−16間で相互に異なる。
【0047】
図5に示す複数のブロックB00,B04,B40,B44,・・・の各々は、上述したように、4個の画素ブロックからなるので、1つのブロックに含まれる4個の画素ブロックは、1つの位置情報パターンPTM1を構成する16個のパターンPTM1−1〜PTM1−16のうちの4個のパターンからなる光信号が重畳されている。
【0048】
また、情報IDパターンPTM1は、1つの画素の位置に関連する情報のIDを表すので、他の画素の位置に関連する情報のIDを表す情報IDパターンPTM2は、情報IDパターンPTM1を構成する16個のパターンPTM1−1〜PTM1−16と異なる16個のパターンPTM2−1〜PTM2−16からなる。
【0049】
なお、レベル信号LV1〜LV14は、照度レベルを変えることによってビット情報を表す信号である。
【0050】
図7は、1つの画素と受光画素との関係を示す平面図である。図7を参照して、1つの画素PUは、情報IDが埋め込まれた5個のブロックB1〜B5を含む。そして、ブロックB1〜B5の各々は、情報IDパターンPTM1を構成する16個のパターンPTM1−1〜PTM1−16のうちの4個のパターンからなる光信号が重畳されている。
【0051】
また、受光画素c0〜cFが、ブロックB1〜B3の少なくとも一部に重なるように配置されたとする。より具体的には、ブロックB1は、受光画素c0〜cFのうち、受光画素cA,cB,cE,cFに重なり、ブロックB2の一部は、受光画素c0〜cFのうち、受光画素c2に重なり、ブロックB3の一部は、受光画素c8,cCに重なる。
【0052】
その結果、撮影部11の受光画素cA,cB,cE,cF,c2,c8,cCは、画素PUの情報IDパターンPTM1を構成する16個のパターンPTM1−1〜PTM1−16のうちの7個のパターンを受光する。
【0053】
受光画素によって受光された受光パターンは、その強さを予め設定された閾値を元に、“0”および“1”のいずれかの値で表現されるビット情報として認識される。端末装置10は、そのビット情報を解析して情報IDを認識する。ビット情報による情報IDの表現には、たとえば、プリアンブルを利用する場合と、プリアンブルのない繰り返しの受光パターンだけを利用する場合とがある。
【0054】
情報IDがプリアンブルを利用したビット情報により表現されている場合は、端末装置10は、ビット情報中のプリアンブルを認識して後続するビット情報をそのまま2進数で表現された情報IDとして認識する。
【0055】
一方、情報IDが繰り返しの受光パターンだけを利用したビット情報により表現されている場合、端末装置10は、予め準備された受光パターンと情報IDとを対応付けたテーブルを参照することで情報IDを認識する。
【0056】
図8は、受光パターンと情報IDとの関係を示す関係テーブルの概念図である。図8を参照して、関係テーブルRLTは、受光パターンと情報IDとからなる。受光パターンおよび情報IDは、相互に対応付けられる。
【0057】
受光パターンは、PTM1〜PTMn(nは、2以上の整数)からなり、情報IDは、IFID1,IFID2,IFID3,IFID4,・・・,IFIDnからなる。そして、受光パターンPTM1〜PTMnは、それぞれ、情報IDIFID1,IFID2,IFID3,IFID4,・・・,IFIDnに対応付けられる。
【0058】
撮影部11は、関係テーブルRLTを保持しており、ブロックB1〜B3に重なった受光画素cA,cB,cE,cF,c2,c8,cCが受光パターンを受光すると、受光画素cA,cB,cE,cF,c2,c8,cCが受光した受光パターンを含む情報IDパターンPTMj(=位置情報パターンPTM1〜PTMnのいずれか)を検出し、関係テーブルRLTを参照して、その検出した情報IDパターンPTMjに対応する情報IDIFIDjを抽出する。そして、撮影部11は、情報IDIFIDjを端末装置10が配置された位置に関連する情報のIDとして検出する。
【0059】
図9は、表示装置20が表示する動画の構成を示す図である。動画MGは、たとえば、14個のフレームFRM1〜FRM14からなる。そして、14個のフレームFRM1〜FRM14の各々は、同じ内容の画像を示す画像データからなる。
【0060】
上述したパターンPTM1−1〜PTM1−16は、たとえば、フレームFRM1〜FRM14の画素g11に埋め込まれる。より具体的には、パターンPTM1−1のレベル信号LV1は、フレームFRM1の画素g11に埋め込まれ、パターンPTM1−1のレベル信号LV2は、フレームFRM2の画素g11に埋め込まれ、以下、同様にして、パターンPTM1−1のレベル信号LV14は、フレームFRM14の画素g11に埋め込まれる。
【0061】
パターンPTM1−2〜パターンPTM1−16の14個のレベル信号LV1〜LV14についても、パターンPTM1−1の14個のレベル信号LV1〜LV14と同じようにフレームFRM1〜FRM14の画素g11に埋め込まれる。これによって、情報IDパターンPTM1(=パターンPTM1−2〜パターンPTM1−16)がフレームFRM1〜FRM14の画素g11に埋め込まれる。
【0062】
フレームFRM1〜FRM14の他の画素についても、同様に、情報IDパターンPTM2〜PTMnが埋め込まれる。
【0063】
表示装置20は、14個のフレームFRM1〜FRM14を連続的に表示する。この場合、フレームFRM1〜FRM14の各々は、上述したように、同じ内容の画像を示す画像データからなるので、表示装置20は、外見上、静止画を表示する。また、14個のフレームFRM1〜FRM14は、それぞれ、照度レベルが異なるレベル信号LV1〜LV14を含むので、表示装置20は、管理サーバ30から受けた複数のフレームFRM1〜FRM14に基づいて、外見上、静止画を表示するとともに、照度レベルが異なるレベル信号LV1〜LV14を静止画に重畳して表示する。
【0064】
そして、端末装置10の撮影部11がフレームFRM1〜FRM14の画素g11を撮影可能なように、端末装置10が表示装置20上に配置されると、撮影部11は、フレームFRM1〜FRM14に含まれる14個の画素g11を撮影し、その撮影した14個の画素g11に含まれる14個のレベル信号LV1〜LV14を検出する。
【0065】
そうすると、端末装置10の撮影部11は、関係テーブルRLTを参照して、その検出した14個のLV1〜LV14に基づいて、上述した方法によって、情報IDパターンPTM1を抽出し、その抽出した情報IDパターンPTM1を端末装置10が配置された画素の位置に関連する情報のIDとして制御部14へ出力する。
【0066】
この発明においては、外見上、静止画を構成する動画MGの14個のフレームFRM1〜FRM14に、端末装置10が配置された位置に関連する情報のIDを表す14個のレベル信号LV1〜LV14を埋め込むことを特徴とする。
【0067】
これによって、画像データを管理する管理サーバ30は、60Hz以上の周波数で光信号を画像データに重畳する特別のデバイスを用いなくても、各画素の位置に関連する情報のIDを端末装置10へ伝達できる。
【0068】
図10は、図3に示す記憶部33が記憶するテーブルを示す図である。図10を参照して、テーブルTBLは、端末IDと、操作IDと、情報IDと、画像データと、情報とを含む。端末ID、操作ID、情報ID、画像データおよび情報は、相互に対応付けられる。
【0069】
画像データMG1,MG2,MG3,・・・の各々は、14個のフレームを含む動画からなる。情報IF1,IF2,IF3,・・・の各々は、画像データまたは文字データからなる。
【0070】
画像データMG1および情報IF1は、端末ID=IMID1、操作ID=OPID1および情報ID=IFID1の組合せに対応付けられ、画像データMG2および情報IF2は、端末ID=IMID1、操作ID=OPID2および情報ID=IFID1の組合せに対応付けられ、画像データMG3および情報IF3は、端末ID=IMID1、操作ID=OPID31および情報ID=IFID2の組合せに対応付けられ、画像データMG4および情報IF4は、端末ID=IMID1、操作ID=OPID2および情報ID=IFID2の組合せに対応付けられ、画像データG1および情報IF5は、端末ID=IMID1、操作ID=OPID4および情報ID=IFID3の組合せに対応付けられ、画像データG2および情報IF6は、端末ID=IMID1、操作ID=OPID5および情報ID=IFID4の組合せに対応付けられる。なお、画像データG1,G2は、上述したレベル信号LV1〜LV14が各画素に埋め込まれていない静止画の画像データである。
【0071】
したがって、テーブルTBLは、端末ID、操作IDおよび情報IDの組合せに対応付けられた画像データおよび情報を含む。そして、画像データは、表示装置10に表示するための画像データであり、情報は、端末装置10に表示するための情報である。
【0072】
以下、ユーザの端末装置10が表示装置20上に配置されたときの配置位置に関連する情報のIDを端末装置10に伝達する具体例について説明する。
【0073】
図11は、表示装置20に表示された画像を示す図である。図12は、表示装置20に表示された他の画像を示す図である。図13は、端末装置10に表示された画像を示す図である。
【0074】
表示装置20は、管理サーバ30から受信した画像データに基づいて、絵画の動画MG1を表示する。この場合、動画MG1は、14個のフレームFRM1〜FRM14からなり、各フレームFRM1〜FRM14は、同じ内容の画像を示し、各フレームFRM1〜FRM14の各画素には、各画素位置に関連する情報のIDが重畳されている。
【0075】
そして、ユーザは、端末装置10を動画MG1の任意の領域REG1に配置する。そうすると、端末装置10の撮影部11は、動画MG1の一部を撮影し、その撮影した動画MG1の一部に含まれる画素に埋め込まれたレベル信号LV1〜LV14に基づいて、上述した方法によって情報IDパターンを検出し、その検出した情報IDパターンを制御部14へ出力する。
【0076】
端末装置10の制御部14は、撮影部11から情報IDパターンを受けると、その受けた情報IDパターンに基づいて、上述した方法によって、端末装置10が配置された画素の位置に関連する情報の情報ID(=IFID1)を検出する。
【0077】
また、端末装置10の制御部14は、文字入力キーが押されたことを示す操作を操作部13から受けると、文字入力キーが押されたことを示す操作を識別するための操作ID(=OPID2)を生成する。
【0078】
そうすると、端末装置10の制御部14は、端末装置10のIDである端末ID(=TMID1)と、操作ID(=OPID2)と、情報ID(=IFID1)とからなるメッセージMSG1=[TMID1/OPID2/IFID1]を生成し、その生成したメッセージMSG1=[TMID1/OPID2/IFID1]を通信部15へ出力する。
【0079】
そして、端末装置10の通信部15は、制御部14からメッセージMSG1=[TMID1/OPID2/IFID1]を受けると、その受けたメッセージMSG1=[TMID1/OPID2/IFID1]を無線ネットワークを介して基地局40へ送信する。
【0080】
このように、端末装置10は、操作部13が操作されたことに応じて、メッセージMSG1を生成し、その生成したメッセージMSG1を管理サーバ30へ送信する。
【0081】
基地局40は、無線ネットワークを介してメッセージMSG1=[TMID1/OPID2/IFID1]を端末装置10から受信し、その受信したメッセージMSG1=[TMID1/OPID2/IFID1]をケーブル42を介して、管理サーバ30へ送信する。
【0082】
管理サーバ30の通信部31は、メッセージMSG1=[TMID1/OPID2/IFID1]を受信し、その受信したメッセージMSG1=[TMID1/OPID2/IFID1]を制御部32へ出力する。
【0083】
管理サーバ30の制御部32は、通信部31からメッセージMSG1=[TMID1/OPID2/IFID1]を受け、その受けたメッセージMSG1=[TMID1/OPID2/IFID1]から端末ID(=TMID1)、操作ID(=OPID2)および情報ID(=IFID1)を抽出する。
【0084】
そうすると、管理サーバ30の制御部32は、テーブルTBLを参照して、その抽出した端末ID(=TMID1)、操作ID(=OPID2)および情報ID(=IFID1)の組合せに対応する画像データMG2および情報IF2を抽出する。
【0085】
そして、管理サーバ30の制御部32は、その抽出した画像データMG2を通信部31およびケーブル41を介して表示装置20へ送信し、その抽出した情報IF2を通信部31および無線ネットワークを介して端末装置10へ送信する。
【0086】
表示装置20は、管理サーバ30から画像データMG2を受信し、その受信した画像データMG2に基づいて、動画MG2を表示する。この場合、端末装置10の配置位置は、変わらない(図12参照)。
【0087】
また、端末装置10は、管理サーバ30から情報IF2を受信し、その受信した情報IF2に基づいて、動画MG1のうち、自己が配置された位置の拡大画像を表示する(図13参照)。
【0088】
図14は、端末装置10に対する異なる操作を説明するための図である。図15は、表示装置20に表示されたさらに他の画像を示す図である。図16は、端末装置10に表示されたメッセージを示す図である。
【0089】
図14を参照して、表示装置20は、管理サーバ30から受信した画像データに基づいて、図11に示すように絵画の動画MG1を表示する。このような状況において、ユーザは、端末装置10を表示装置20上で領域REG1から領域REG2へ移動させる。
【0090】
そうすると、端末装置10の加速度センサ12は、加速度αを計測し、その計測した加速度αを制御部14へ出力する。そして、端末装置10の制御部14は、加速度センサ12から受けた加速度αに基づいて、端末装置10が移動したことを検知し、端末装置10に対して「移動」という操作が成されたことを示す操作ID(=OPID3)を生成する。
【0091】
また、端末装置10の撮影部11は、領域REG2において、動画MG1の一部を撮影し、その撮影した動画MG1の一部に含まれる画素に埋め込まれたレベル信号LV1〜LV14に基づいて、上述した方法によって情報IDパターンを検出し、その検出した情報IDパターンを制御部14へ出力する。
【0092】
端末装置10の制御部14は、撮影部11から情報IDパターンを受けると、その受けた情報IDパターンに基づいて、上述した方法によって、端末装置10が配置された画素の位置に関連する情報の情報ID(=IFID2)を検出する。
【0093】
そうすると、端末装置10の制御部14は、端末装置10のIDである端末ID(=TMID1)と、操作ID(=OPID3)と、情報ID(=IFID3)とからなるメッセージMSG2=[TMID1/OPID3/IFID2]を生成し、その生成したメッセージMSG2=[TMID1/OPID3/IFID2]を通信部15へ出力する。
【0094】
そして、端末装置10の通信部15は、制御部14からメッセージMSG2=[TMID1/OPID3/IFID2]を受けると、その受けたメッセージMSG2=[TMID1/OPID3/IFID2]を無線ネットワークを介して基地局40へ送信する。
【0095】
このように、端末装置10は、自己が操作されたことに応じて、メッセージMSG2を生成し、その生成したメッセージMSG2を管理サーバ30へ送信する。
【0096】
基地局40は、無線ネットワークを介してメッセージMSG2=[TMID1/OPID3/IFID2]を端末装置10から受信し、その受信したメッセージMSG2=[TMID1/OPID3/IFID2]をケーブル42を介して、管理サーバ30へ送信する。
【0097】
管理サーバ30の通信部31は、メッセージMSG2=[TMID1/OPID3/IFID2]を受信し、その受信したメッセージMSG2=[TMID1/OPID3/IFID2]を制御部32へ出力する。
【0098】
管理サーバ30の制御部32は、通信部31からメッセージMSG2=[TMID1/OPID3/IFID2]を受け、その受けたメッセージMSG2=[TMID1/OPID3/IFID2]から端末ID(=TMID1)、操作ID(=OPID3)および情報ID(=IFID2)を抽出する。
【0099】
そうすると、管理サーバ30の制御部32は、テーブルTBLを参照して、その抽出した端末ID(=TMID1)、操作ID(=OPID3)および情報ID(=IFID2)の組合せに対応する画像データMG3および情報IF3を抽出する。
【0100】
そして、管理サーバ30の制御部32は、その抽出した画像データMG3を通信部31およびケーブル41を介して表示装置20へ送信し、その抽出した情報IF3を通信部31および無線ネットワークを介して端末装置10へ送信する。
【0101】
表示装置20は、管理サーバ30から画像データMG3を受信し、その受信した画像データMG3に基づいて、動画MG3を表示する。この場合、端末装置10の配置位置は、変わらない(図15参照)。
【0102】
また、端末装置10は、管理サーバ30から情報IF3を受信し、その受信した情報IF3に基づいて、「別の種類の画像が表示装置20に表示された」ことを示すメッセージを表示する(図16参照)。
【0103】
この場合、図15に示す動画MG3は、世界地図を示す画像であり、元来、表示装置20に表示されていた絵画の画像とは異なるものである。したがって、この発明においては、端末装置10に対して「移動」という操作が成された場合、その「移動」という操作に応じて、表示装置20に表示する画像の種類を切換えることにしたものである。
【0104】
上述したように、表示装置20上に配置された端末装置10に対して、ユーザが文字入力キーを押すという操作を行なうと、端末装置10は、自己が配置された位置に関連する情報の情報IDと、自己に対して成された操作を識別するための操作ID(=OPID2)と、自己を識別するための端末IDとを管理サーバ30へ送信し、管理サーバ30は、端末装置10から受信した情報ID、操作IDおよび端末IDの組合せに応じて、表示装置20の表示内容を動画MG1から動画MG2に更新し、端末装置10に動画MG1の一部の拡大画像を表示した。
【0105】
また、表示装置20上に配置された端末装置10に対して、ユーザが端末装置10を移動させるという操作を行なうと、端末装置10は、自己が配置された位置に関連する情報の情報IDと、自己に対して成された操作を識別するための操作ID(=OPID3)と、自己を識別するための端末IDとを管理サーバ30へ送信し、管理サーバ30は、端末装置10から受信した情報ID、操作IDおよび端末IDの組合せに応じて、表示装置20の表示内容を動画MG1から動画MG3に更新し、表示装置20に表示する画像の種類が切換えられたことを示すメッセージを端末装置10に表示した。
【0106】
つまり、この発明においては、端末装置10を表示装置20上におけるマウスとして機能させ、マウスである端末装置10に対して、何らかの操作を行なうと、管理サーバ30は、端末装置10に対して成された操作に対する応答を端末装置10および表示装置20に送信する。
【0107】
この場合、管理サーバ30は、端末装置10に対して成された操作に対する応答を端末装置10および表示装置20の両方に送信しなくてもよく、端末装置10に対して成された操作に対する応答を端末装置10および表示装置20の少なくとも一方に送信すればよい。
【0108】
図17は、端末装置10に対する更に異なる操作を説明するための図である。図17を参照して、表示装置20は、管理サーバ30から受信した画像データに基づいて、世界地図の動画MG3を表示する。この場合、動画MG3は、14個のフレームFRM1〜FRM14からなり、各フレームFRM1〜FRM14は、同じ内容の画像を示し、各フレームFRM1〜FRM14の各画素には、各画素位置に関連する情報のIDが重畳されている。
【0109】
そして、ユーザは、端末装置10を動画MG3の任意の領域REG3に配置する。そうすると、端末装置10の撮影部11は、動画MG3の一部を撮影し、その撮影した動画MG3の一部に含まれる画素に埋め込まれたレベル信号LV1〜LV14に基づいて、上述した方法によって情報IDパターンを検出し、その検出した情報IDパターンを制御部14へ出力する。
【0110】
端末装置10の制御部14は、撮影部11から情報IDパターンを受けると、その受けた情報IDパターンに基づいて、上述した方法によって、端末装置10が配置された画素の位置に関連する情報の情報ID(=IFID3)を検出する。
【0111】
また、端末装置10の制御部14は、文字入力キーが2回押されたことを示す操作を操作部13から受けると、文字入力キーが2回押されたことを示す操作を識別するための操作ID(=OPID4)を生成する。
【0112】
そうすると、端末装置10の制御部14は、端末装置10のIDである端末ID(=TMID1)と、操作ID(=OPID4)と、情報ID(=IFID3)とからなるメッセージMSG3=[TMID1/OPID4/IFID3]を生成し、その生成したメッセージMSG3=[TMID1/OPID4/IFID3]を通信部15へ出力する。
【0113】
そして、端末装置10の通信部15は、制御部14からメッセージMSG3=[TMID1/OPID4/IFID3]を受けると、その受けたメッセージMSG3=[TMID1/OPID4/IFID3]を無線ネットワークを介して基地局40へ送信する。
【0114】
基地局40は、無線ネットワークを介してメッセージMSG3=[TMID1/OPID4/IFID3]を端末装置10から受信し、その受信したメッセージMSG3=[TMID1/OPID4/IFID3]をケーブル42を介して、管理サーバ30へ送信する。
【0115】
このように、端末装置10は、操作部13が操作されたことに応じて、メッセージMSG3を生成し、その生成したメッセージMSG3を基地局40を介して管理サーバ30へ送信する。
【0116】
管理サーバ30の通信部31は、メッセージMSG3=[TMID1/OPID4/IFID3]を受信し、その受信したメッセージMSG3=[TMID1/OPID4/IFID3]を制御部32へ出力する。
【0117】
管理サーバ30の制御部32は、通信部31からメッセージMSG3=[TMID1/OPID4/IFID3]を受け、その受けたメッセージMSG3=[TMID1/OPID4/IFID3]から端末ID(=TMID1)、操作ID(=OPID4)および情報ID(=IFID3)を抽出する。
【0118】
そうすると、管理サーバ30の制御部32は、テーブルTBLを参照して、その抽出した端末ID(=TMID1)、操作ID(=OPID4)および情報ID(=IFID3)の組合せに対応する画像データG1および情報IF5を抽出する。
【0119】
そして、管理サーバ30の制御部32は、その抽出した画像データG1および情報IF5を通信部31およびケーブル42を介して基地局40へ送信し、基地局40は、画像データG1および情報IF5を無線ネットワークを介して端末装置10へ送信する。
【0120】
このように、管理サーバ30は、端末装置10の文字入力キーが2回押された操作を示す操作ID=OPID4に応じて、画像データG1および情報IF5の両方を端末装置10へ送信する。
【0121】
端末装置10の通信部15は、無線ネットワークを介して画像データG1および情報IF5を受信し、その受信した画像データG1および情報IF5を制御部14へ出力する。そして、端末装置10の制御部14は、通信部15から受けた画像データG1および情報IF5に基づいて、名所の画像G1および名所の説明文IF5を表示部16に表示する。
【0122】
これによって、ユーザは、端末装置10を配置した位置に関連する名所を学習できる。
【0123】
その後、ユーザは、端末装置10を動画MG3上の領域REG3から領域REG4へ移動させ、文字入力キーを2回押す。
【0124】
そうすると、端末装置10の加速度センサ12は、加速度αを計測し、その計測した加速度αを制御部14へ出力する。そして、端末装置10の制御部14は、加速度センサ12から受けた加速度αを受けるとともに、文字入力キーが2回押されたことを示す操作を操作部13から受け、その受けた加速度αおよび文字入力キーが2回押されたことを示す操作に基づいて、端末装置10が移動した後に文字入力キーが2回押されたことを検知し、端末装置10に対して「移動および文字入力キーの操作」という操作が成されたことを示す操作ID(=OPID5)を生成する。
【0125】
また、端末装置10の撮影部11は、領域REG4において、動画MG3の一部を撮影し、その撮影した動画MG3の一部に含まれる画素に埋め込まれたレベル信号LV1〜LV14に基づいて、上述した方法によって情報IDパターンを検出し、その検出した情報IDパターンを制御部14へ出力する。
【0126】
端末装置10の制御部14は、撮影部11から情報IDパターンを受けると、その受けた情報IDパターンに基づいて、上述した方法によって、端末装置10が配置された画素の位置に関連する情報の情報ID(=IFID4)を検出する。
【0127】
そうすると、端末装置10の制御部14は、端末装置10のIDである端末ID(=TMID1)と、操作ID(=OPID5)と、情報ID(=IFID4)とからなるメッセージMSG4=[TMID1/OPID5/IFID4]を生成し、その生成したメッセージMSG4=[TMID1/OPID5/IFID4]を通信部15へ出力する。
【0128】
そして、端末装置10の通信部15は、制御部14からメッセージMSG4=[TMID1/OPID5/IFID4]を受けると、その受けたメッセージMSG4=[TMID1/OPID5/IFID4]を無線ネットワークを介して基地局40へ送信する。
【0129】
基地局40は、無線ネットワークを介してメッセージMSG4=[TMID1/OPID5/IFID4]を端末装置10から受信し、その受信したメッセージMSG4=[TMID1/OPID5/IFID4]をケーブル42を介して、管理サーバ30へ送信する。
【0130】
このように、端末装置10は、自己が移動および操作されたことに応じて、メッセージMSG4を生成し、その生成したメッセージMSG4を管理サーバ30へ送信する。
【0131】
管理サーバ30の通信部31は、メッセージMSG4=[TMID1/OPID5/IFID4]を受信し、その受信したメッセージMSG4=[TMID1/OPID5/IFID4]を制御部32へ出力する。
【0132】
管理サーバ30の制御部32は、通信部31からメッセージMSG4=[TMID1/OPID5/IFID4]を受け、その受けたメッセージMSG4=[TMID1/OPID5/IFID4]から端末ID(=TMID1)、操作ID(=OPID5)および情報ID(=IFID4)を抽出する。
【0133】
そうすると、管理サーバ30の制御部32は、テーブルTBLを参照して、その抽出した端末ID(=TMID1)、操作ID(=OPID5)および情報ID(=IFID4)の組合せに対応する画像データG2および情報IF6を抽出する。
【0134】
そして、管理サーバ30の制御部32は、その抽出した画像データG2および情報IF6を通信部31およびケーブル42を介して基地局40へ送信し、基地局40は、画像データG2および情報IF6を無線ネットワークを介して端末装置10へ送信する。
【0135】
このように、管理サーバ30は、端末装置10の文字入力キーが2回押されたことを示す操作ID=OPID5に応じて、画像データG2および情報IF6の両方を端末装置10へ送信する。
【0136】
端末装置10の通信部15は、無線ネットワークを介して画像データG2および情報IF6を受信し、その受信した画像データG2および情報IF6を制御部14へ出力する。そして、端末装置10の制御部14は、通信部15から受けた画像データG2および情報IF6に基づいて、パンダの画像G2およびパンダの説明文IF6を表示部16に表示する。
【0137】
これによって、ユーザは、端末装置10を配置した位置に関連する情報を学習できる。
【0138】
上述したように、通信システム100を用いれば、ユーザは、端末装置10を用いて世界の各地の名所等について学習できる。
【0139】
図18は、この発明の実施の形態による他の通信システムの構成を示す概略図である。この発明による通信システムは、図18に示す通信システム100Aであってもよい。図18を参照して、通信システム100Aは、図1に示す通信システム100の管理サーバ30を管理サーバ30Aに代えたものであり、その他は、通信システム100と同じである。
【0140】
管理サーバ30Aは、各画素に情報IDが埋め込まれた複数のフレームからなる動画の表示の際に、1つのフレームの表示が開始されてから指定された時間が経過し、かつ、当該フレームの表示が完了しているときに、次のフレームの表示を開始することによって複数のフレームの全てからなる動画を表示装置20に表示する。
【0141】
通常、動画を表示する表示用プログラムは、動画を実時間に沿って表示するために、1つのフレームの表示が開始されてから指定された時間が経過し、かつ、当該フレームの表示が完了しているときに、先のフレームの表示開始後、既に経過した時間内に表示するように割り当てられていたフレームの表示を中止して、当該時点に割り当てられているフレームを選択し、その選択したフレームの表示を開始することによって、予め準備された複数のフレームのうち、時間内に表示できたフレームだけからなる動画を表示装置20に表示する。
【0142】
その結果、レベル信号LV1〜LV14の全てを表示装置20に伝達できず、端末装置10は、レベル信号LV1〜LV14の全てを検出できず、情報IDを正しく取得することができない。
【0143】
そこで、この発明においては、各画素に情報IDが埋め込まれた複数のフレームからなる動画の表示の際に、1つのフレームの表示が開始されてから指定された時間が経過し、かつ、当該フレームの表示が完了しているときに、次のフレームの表示を開始することによって複数のフレームの全てからなる動画を表示装置20に表示することにしたものである。
【0144】
図19は、図18に示す管理サーバ30Aの構成を示す概略ブロック図である。図19を参照して、管理サーバ30Aは、図3に示す管理サーバ30の制御部32を制御部32Aに代えたものであり、その他は、管理サーバ30と同じである。
【0145】
制御部32Aは、各画素に情報IDが埋め込まれた複数のフレームからなる動画を表示装置20に表示する際に、1つのフレームの表示が開始されてから指定された時間が経過し、かつ、当該フレームの表示が完了しているときに、次のフレームの表示を開始することによって複数のフレームの全てからなる動画を表示装置20に表示するように、記憶部33に記憶された動画を読み出し、その読み出した動画を構成する複数のフレームを通信部31およびケーブル41を介して表示装置20へ送信する。制御部32Aは、その他、制御部32と同じ機能を果たす。
【0146】
図20は、図18に示す通信システム100Aにおいて用いられる基本レベル信号を示す図である。図20を参照して、基本レベル信号BLV1〜BLV3が通信システム100Aにおいて用いられる。
【0147】
基本レベル信号BLV1は、「強」の照度レベルを有し、基本レベル信号BLV2は、「中」の照度レベルを有し、基本レベル信号BLV3は、「弱」の照度レベルを有する。
【0148】
図21は、図20に示す基本レベル信号を用いた2値情報の表現方法を示す図である。図21を参照して、プリアンブルは、3個の基本レベル信号BLV1と、2個の基本レベル信号BLV3とからなる。そして、3個の基本レベル信号BLV1および2個の基本レベル信号BLV3は、基本レベル信号BLV1と基本レベル信号BLV3とが交互になるように配列される(図21の(a)参照)。
【0149】
また、“0”は、1個の基本レベル信号BLV2と1個の基本レベル信号BLV3とからなる。そして、1個の基本レベル信号BLV2および1個の基本レベル信号BLV3は、基本レベル信号BLV3が基本レベル信号BLV2の次に位置するように配列される(図21の(b)参照)。
【0150】
さらに、“1”は、1個の基本レベル信号BLV2と1個の基本レベル信号BLV1とからなる。そして、1個の基本レベル信号BLV2および1個の基本レベル信号BLV1は、基本レベル信号BLV1が基本レベル信号BLV2の次に位置するように配列される(図21の(c)参照)。
【0151】
さらに、“2”は、1個の基本レベル信号BLV2と、1個の基本レベル信号BLV3と、1個の基本レベル信号BLV1とからなる。そして、1個の基本レベル信号BLV2、1個の基本レベル信号BLV3、および1個の基本レベル信号BLV1は、基本レベル信号BLV2、基本レベル信号BLV3、および基本レベル信号BLV1の順に配列される(図21の(d)参照)。
【0152】
さらに、“3”は、1個の基本レベル信号BLV2と、1個の基本レベル信号BLV1と、1個の基本レベル信号BLV3とからなる。そして、1個の基本レベル信号BLV2、1個の基本レベル信号BLV1、および1個の基本レベル信号BLV3は、基本レベル信号BLV2、基本レベル信号BLV1、および基本レベル信号BLV3の順に配列される(図21の(e)参照)。
【0153】
図22は、図18に示す通信システム100Aにおいて用いられる埋め込み情報の例を示す図である。図22を参照して、格画素に情報IDが埋め込まれた複数のフレームからなる動画が生成され、管理サーバ30Aの記憶部33に記憶されている。管理サーバ30Aは、その動画の表示の際に、1つのフレームの表示が開始されてから指定された時間が経過し、かつ、当該フレームの表示が完了しているときに、次のフレームの表示を開始することによって複数のフレームの全てからなる動画を表示装置20に表示する。
【0154】
そして、基本レベル信号BLV1、基本レベル信号BLV3、基本レベル信号BLV1、基本レベル信号BLV3、基本レベル信号BLV1、基本レベル信号BLV2、基本レベル信号BLV3、基本レベル信号BLV2、基本レベル信号BLV1、基本レベル信号BLV2、基本レベル信号BLV3、基本レベル信号BLV1、基本レベル信号BLV2、基本レベル信号BLV1、および基本レベル信号BLV3は、それぞれ、複数のフレーム(=15枚のフレーム)に埋め込まれている。
【0155】
端末装置10は、自己が配置された表示装置20上の位置において動画を撮影し、その撮影した動画を構成する複数のフレームに埋め込まれた基本レベル信号BLV1、基本レベル信号BLV3、基本レベル信号BLV1、基本レベル信号BLV3、基本レベル信号BLV1、基本レベル信号BLV2、基本レベル信号BLV3、基本レベル信号BLV2、基本レベル信号BLV1、基本レベル信号BLV2、基本レベル信号BLV3、基本レベル信号BLV1、基本レベル信号BLV2、基本レベル信号BLV1、および基本レベル信号BLV3を検出する。そして、端末装置10は、“プリアンブル”、“0”、“1”、“2”および“3”を検出する(図22の(a)参照)。
【0156】
また、図22の(b)は、管理サーバ30Aの処理性能が相対的に低く、1つ1つのフレームの表示に要する時間が長くなっている場合の時間経過と情報を埋め込むための基本レベル信号の遷移を示す図である。
【0157】
図22の(b)に示す場合は、図22の(a)と同一の情報を埋め込んでいるが、基本レベル信号BLV1〜BLV3の時間の幅が図22の(a)に示す場合よりも広くなっている。
【0158】
図18に示す通信システム100Aにおいては、上述した情報IDは、図22に示す方法によって複数のフレームの各画素に埋め込まれる。
【0159】
上述したように、図18に示す通信システム100Aにおいては、管理サーバ30Aは、動画の表示の際に、1つのフレームの表示が開始されてから指定された時間が経過し、かつ、当該フレームの表示が完了しているときに、次のフレームの表示を開始することによって複数のフレームの全てからなる動画を表示装置20に表示する。その結果、管理サーバ30Aは、欠落を防止して複数のフレームの全てを表示装置20に表示する。
【0160】
したがって、この発明によれば、処理の負荷が変化する場合でも、情報IDを端末装置10に正確に伝達できる。
【0161】
この発明によれば、複数のレベル信号LV1〜LV14が動画を構成する複数のフレームFRM1〜FRM14にそれぞれ埋め込まれる。そして、複数のフレームFRM1〜FRM14の各々は、同じ内容の画像を表示し、表示装置20は、複数のフレームFRM1〜FRM14を連続的に表示し、端末装置10は、その連続的に表示された複数のフレームFRM1〜FRM14を撮影する。その結果、端末装置10は、撮影した複数のフレームFRM1〜FRM14に埋め込まれた複数のレベル信号LV1〜LV14を取得する。
【0162】
したがって、この発明によれば、従来の表示システムをそのまま用いて埋め込み情報(=レベル信号LV1〜LV14)を端末装置10へ伝達できる。
【0163】
また、この発明によれば、管理サーバ30Aは、動画の表示の際に、1つのフレームの表示が開始されてから指定された時間が経過し、かつ、当該フレームの表示が完了しているときに、次のフレームの表示を開始することによって複数のフレームの全てからなる動画を表示装置20に表示するので、欠落を防止して複数のフレームの全てを表示装置20に表示する。
【0164】
したがって、この発明によれば、処理の負荷が変化する場合でも、情報IDを端末装置10に正確に伝達できる。
【0165】
さらに、この発明によれば、管理サーバ30,30Aは、端末装置10に対する操作に応じて、端末装置10が配置された画素の位置に関連する情報を表示装置20および/または端末装置10に表示する。
【0166】
したがって、この発明によれば、端末装置10をマウスと同じように用いて各種の情報を取得できる。
【0167】
この発明においては、レベル信号LV1〜LV14は、「複数の照度信号」を構成する。
【0168】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0169】
この発明は、従来の表示システムをそのまま用いて埋め込み情報を伝達可能な通信システムに適用される。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】この発明の実施の形態による通信システムの構成を示す概略図である。
【図2】図1に示す端末信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】図1に示す管理サーバの構成を示す概略ブロック図である。
【図4】撮影部における受光画素を示す平面図である。
【図5】表示装置によって表示された画像の1つの画素を示す平面図である。
【図6】図4に示す各受光画素における受光レベルの遷移を示す図である。
【図7】1つの画素と受光画素との関係を示す平面図である。
【図8】受光パターンと情報IDとの関係を示す関係テーブルの概念図である。
【図9】表示装置が表示する動画の構成を示す図である。
【図10】図3に示す記憶部が記憶するテーブルを示す図である。
【図11】表示装置に表示された画像を示す図である。
【図12】表示装置に表示された他の画像を示す図である。
【図13】端末装置に表示された画像を示す図である。
【図14】端末装置に対する異なる操作を説明するための図である。
【図15】表示装置に表示されたさらに他の画像を示す図である。
【図16】端末装置に表示されたメッセージを示す図である。
【図17】端末装置に対する更に異なる操作を説明するための図である。
【図18】この発明の実施の形態による他の通信システムの構成を示す概略図である。
【図19】図18に示す管理サーバの構成を示す概略ブロック図である。
【図20】図18に示す通信システムにおいて用いられる基本レベル信号を示す図である。
【図21】図20に示す基本レベル信号を用いた2値情報の表現方法を示す図である。
【図22】図18に示す通信システムにおいて用いられる埋め込み情報の例を示す図である。
【符号の説明】
【0171】
10 端末装置、11 撮影部、12 加速度センサ、13 操作部、14,32 制御部、15,31 通信部、16 表示部、20 表示装置、30 管理サーバ、33 記憶部、40 基地局、41,42 ケーブル、100 通信システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフレームからなる動画を表示する表示装置と、
前記表示装置に表示された動画を撮影する端末装置とを備え、
前記複数のフレームは、
同じ内容の画像を表示するための複数の画像データと、
前記複数の画像データに重畳され、ビット情報を表す複数の照度信号とを含む、通信システム置。
【請求項2】
前記複数の照度信号は、照度レベルを変えることによって前記ビット情報を表す、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記複数の照度信号の各々は、1つの画像データを構成する複数の画素データの各々に重畳される、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記複数の画像データにおいて、対応する画素位置の画素データに重畳された複数の照度信号は、前記対応する画素位置に関連する情報識別子を表す、請求項3に記載の通信システム。
【請求項5】
前記端末装置は、前記表示装置上に配置され、自己が配置された位置で撮影した動画に含まれる複数の照度信号を検出して自己が配置された位置に関連する情報識別子を取得する、請求項4に記載の通信システム。
【請求項6】
前記複数のフレームを保持するとともに、前記複数のフレームからなる動画を前記表示装置に表示する管理サーバをさらに備え、
前記端末装置は、自己に対して成された操作を識別するための操作識別子と、自己を識別するための端末識別子と、前記情報識別子とからなるメッセージを無線ネットワークを介して前記管理サーバへ送信し、
前記管理サーバは、前記メッセージの受信に応じて、前記端末装置に対して成された操作の応答結果を前記表示装置または前記端末装置に表示する、請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記管理サーバは、前記複数のフレームからなる動画の表示の際に、1つのフレームの表示が開始されてから指定された時間が経過し、かつ、当該フレームの表示が完了しているときに、次のフレームの表示を開始することによって前記複数のフレームの全てからなる動画を前記表示装置に表示する、請求項6に記載の通信システム。
【請求項8】
前記管理サーバは、前記受信したメッセージに含まれる前記操作識別子、前記情報識別子および前記端末識別子の組合せに応じて、前記表示装置の表示内容を更新し、または前記端末装置に表示するための情報を前記端末装置へ送信する、請求項6または請求項7に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2009−164856(P2009−164856A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−341521(P2007−341521)
【出願日】平成19年12月29日(2007.12.29)
【出願人】(301022471)独立行政法人情報通信研究機構 (1,071)
【Fターム(参考)】