説明

通信ネットワークにおけるデータ管理のための方法およびシステム

複数のピアツーピアノードを備える通信ネットワークのノードを動作させるための方法であって、ノードが、前記複数のピアツーピアノードの中の所定の近傍ノードとリンクされ、a)情報プロバイダノードになるためにノードが要求する所定のデータを示すノード情報を第1の記憶領域に記憶するステップと、b)近傍ノードのうちの少なくとも1つの情報プロバイダノードから、前記情報プロバイダノードが提供することができるデータの記述情報を受けるのを待つステップと、c)前記少なくとも1つの情報プロバイダノードからの前記記述情報の受けとり時に、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができるデータが、ノードが要求する所定のデータに少なくとも部分的に一致するかどうかを、前記第1の記憶領域において検査するステップと、d)肯定の場合、一致するデータを示すノード情報を第1の記憶領域において削除するステップと、e)否定の場合、c)において受けた記述情報を複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つに転送するステップとを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ネットワークにおけるデータ管理のための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
Sasikanth、Avanchaら(「Data and Services for Mobile Computing(モバイルコンピューティングのためのデータおよびサービス)」、Practical Handbook of Internet Computing(インターネットコンピューティングの実用ハンドブック)、M.P.Singh編、1〜18ページ)が述べているように、「コンピューティングデバイス」または「コンピュータ」という用語は、常に作動し、場合によってはインターネットに接続され、オフィスまたは家庭に設置された、大きい、強力な機械のイメージを通常呼び起こす。低コストで、軽量で、ポータブルで、移動中でも容易に常に利用可能なデバイスの到来および驚異的な成長は、このイメージを変えた。デバイスのモビリティと計算能力の組合せはモバイルコンピューティングパラダイムをもたらした。デバイスは、小さくなるほど、それらのポータビリティとモビリティは高くなるが、それらの計算能力は低くなる。
【0003】
したがって、(たとえば近未来の都市、工業/金融の領域などにおける)進化したサービスのシナリオは、有線およびワイヤレス接続性によって通常リンクされ、そしてますますリンクされた、セル電話、PDA、ラップトップ、センサ、RFID(無線周波識別)タグおよび他の小型送信機のような様々なポータブルデバイスの急増によって特徴づけられるであろう。
【0004】
デジタルデバイス、小型で高度に分散されたハンドセットは、相互接続された一面のリソースを創り出すことが予想され、この相互接続された一面のリソースは、「社会的な」ダイナミクス/ニーズをとらえるために利用可能な膨大な量のデータを提供することができるものである。適切に収集、相関および管理されるこれらのデータは、より効果的なサービスの実行および供給を可能にするために役立つ。たとえば、モバイルデバイスは、それらの近傍と対話し、必要に応じて情報生産者と消費者の両方の働きをすることができる。
【0005】
上述のシナリオでは、極めて動的でデータ集約型な広範なデジタル環境が想定でき、そこでは、誰もが情報を交換し、互いに共同することが可能であり、かつ、そこでは、大量の高度に分散されたデータアイテムは、意味があり、信頼でき、利用可能な情報に変換されるべきであり、この情報は、各ユーザがそのモバイルデバイスを使用していつでもどこでもアクセス可能なものである。
【0006】
従来のデータ管理モデルは、非常に高い動的分散型環境を管理するには適しておらず、この非常に高い動的分散型環境は、空間および時間におけるデータ変動、グローバルスキーマの欠如、およびモバイルデバイスの任意のペア間の接続の持続時間に関する保証がないことによって強く特徴づけられるものである。
【0007】
そのような環境では、適切なレベルの頑強さ、スケーラビリティおよび信頼性を保証しながら、デバイスがその近傍およびネットワーク上の他の場所にある他のデバイスと対話し、データを交換することができるように適合されたデータ管理層が強く必要とされる。
【0008】
モバイルコンピューティングパラダイムの最終的な目的は、人々が、いつでも、どこでも、コンピューティングデバイスを使用してタスクを達成できるようにすることである。
上記で概説した環境におけるこれらの要求に対処するために、次の難しいファクタ、すなわち、データが異種デバイス中に記憶されること、データが地理的に分配されること、データソースおよびユーザアプリケーションがモバイルであること、データソースが予測できない形で現れ、消えること、データが様々な使用法と精巧さとに基づいて様々な意味をもつ可能性があることを考慮に入れなければならない。
【0009】
モバイルコンピューティングアプリケーションにおけるデータ管理層は、アクセス、記憶、監視、およびデータ操作を取り扱う。この層は、デバイスが、その付近でネットワーク上の他の場所にある他のデバイスと対話し、データを交換することができるようにする。
【0010】
どんな情報が必要なのか、いつその情報が必要なのか、どのようにしてその情報を取得することができるのかをデバイスが計算することができるように、Filip Perichら(「Data Management for Mobile Ad−Hoc Networks(モバイルアドホックネットワークのためのデータ管理)」、InBook、Enabling Technologies for Wireless e−Business Applications(ワイヤレスeビジネスアプリケーションの実現技術)、2005年7月1日、W KouおよびYelena Yesha編、Springer pub.)は、モバイルアドホックネットワークのためのMoGATUピアツーピアデータ管理モデルを開示している。
【0011】
Filip Perichらが述べているように、ピアツーピアモデルでは、モバイルで静的なすべてのデバイスはピアとして扱われる。モバイルデバイスはサーバとクライアントの両方の働きをする。ブルートゥースなど、アドホックネットワーキング技術では、モバイルデバイスは、有線ネットワーク上のサーバにアクセスすることに加えて、それらの付近のピアリソースを利用することができる。しかしながら、サーバのモビリティがこのモデルの重要な問題である。クライアントが利用可能なサービスのセットは位置および時間に対して動的に変化する。その結果、データを取得するために、デバイスは、単に固定の集中型サーバの助けに依存することができない。代わりに、デバイスは、個々のおよび集合的なタスクを遂行するために、それらの付近の他のデバイスと協働することができなければならない。これにより、デバイスは、それらの環境に対してより自律的、動的および適応可能になることができる。
【0012】
MoGATUモデルは、各ピアデバイスを、情報プロバイダ、情報消費者、および情報管理者として抽象化する。
情報プロバイダは利用可能なデータソースを表す。それらは、何らかの問合せを受け入れ、適切な応答を生成することができるエンティティを表す。あらゆる情報プロバイダは、全モバイルアドホックネットワークで利用可能な異種データの部分分散セット、すなわちフラグメントを保持する。あらゆるデバイスは1つまたは複数の情報プロバイダを保持することができる。
【0013】
情報消費者は、その環境で利用可能なデータを問い合わせ、更新するエンティティを表す。情報消費者は、自身のモバイルデバイスに文脈依存情報を要求する人間のユーザを表すことも、自律的ソフトウェアエージェントを表すこともできる。消費者が特定のデータを取得する必要がある場合、消費者は、明示的問合せを作成し、それを、そのローカル情報管理者に送る。管理者は、その問合せを処理のために適切なローカル情報プロバイダまたはリモートピアデバイス上に位置する他の一致するプロバイダにルーティングし、応答を待つ。
【0014】
あらゆるモバイルデバイス上の情報管理者はネットワーク通信と大部分のデータ管理機能とを受け持つ。各情報管理者は、情報管理者と同じデバイス上に存在する情報プロバイダと情報消費者とに関する情報を維持する。各情報管理者はまた、その付近のピアに関する情報を維持する。この情報は、インターネットプロトコルアドレスと同様の一意の識別番号である、デバイスの識別情報、およびデバイスが提供できる情報のタイプ、すなわち、プロバイダアドバタイズメントを含む。最後に、情報管理者は、他のモバイルデバイスから取得された情報、ならびにそのローカルプロバイダによって提供された情報、すなわち、以前の問合せに対する返答を記憶するためのデータキャッシュを維持する。さらに、各情報管理者は、ユーザの選好とニーズとを反映するユーザプロファイルを含むことができる。情報管理者は、そのプロファイルを使用して、そのキャッシング方式を適合させ、欠けている要求される情報を取得するためにピアとの共同を開始する。
【0015】
高い複雑さレベルで、情報管理者は、複数のローカルおよびリモート情報プロバイダに関する情報を維持し、メッセージをパースし、メッセージを他のピアデバイスにルーティングし、積極的にピアに問い合わせることができなければならない。MoGATUフレームワークはプッシュ型手法とプル型手法を同時にサポートし、すなわち、各情報管理者はその機能を他のピアの送信請求機能からアドバタイズすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
出願人は、通信ネットワークにおけるピアツーピアデータ管理のための改善された方法およびシステムを提供する問題に直面した。
出願人は、モバイルピアツーピアネットワークの各情報プロバイダノードが、それが提供することができるデータを示す記述情報をその近傍ノードに、該情報が利用可能になるとすぐに積極的に送るように適合され、前記記述情報を受ける任意のノードが、それを利用すべきか、またはそれを最終的に転送すべきかを決定するように適合される方法およびシステムを用いて、この目的を達成することができることに気づいた。このようにして、情報プロバイダノードになるためにノードが所定のデータを必要とする場合、ノードは、そのデータを探す必要がなく、かつ、(動的環境において可能性が高い)利用不可能な情報を探すのに時間を浪費する必要がない。どこかで利用可能な場合、必要とされる情報は遅かれ早かれノードに到達することになる。
【0017】
この機構の恩恵は2重である。システムは、必要な場合に適切な情報を確保することができ、同時に、高度に動的で可変の環境に自己適応することができる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
したがって、第1の態様では、本発明は、複数のピアツーピアノードを備える通信ネットワークのノードを動作させるための方法であって、ノードが、前記複数のピアツーピアノードの中の所定の近傍ノードとリンクされ、前記方法が、
a)情報プロバイダノードになるためにノードが要求する所定のデータを示すノード情報を第1の記憶領域に記憶するステップと、
b)近傍ノードのうちの少なくとも1つの情報プロバイダノードから、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができるデータの記述情報を受けるのを待つステップと、
c)前記少なくとも1つの情報プロバイダノードからの前記記述情報の受けとり時に、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができるデータが、ノードが要求する所定のデータに少なくとも部分的に一致するかどうかを、前記第1の記憶領域において検査するステップと、
d)肯定の場合、一致するデータを示すノード情報を第1の記憶領域において削除するステップと、
e)否定の場合、c)において受けた記述情報を複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つに転送するステップとを含む、方法に関する。
【0019】
本明細書および特許請求の範囲では、「情報プロバイダノード」という表現は、別のノードもしくはデバイスおよびユーザの一方又は双方にデータを提供することができるノードを示すために使用する。
【0020】
「リンク」という用語は、2つのノード間の論理接続を示すために使用する。論理接続は、有線およびワイヤレスの一方又は双方とすることができる物理接続(たとえば、LAN、インターネット、Wi−Fiなど)を介して確立される。
【0021】
また、「リンクする」という表現は、2つのノード間の論理接続の確立を示すために使用する。
2つのノード間でリンクが確立されると、2つのノードが、TCP/UDP、HTTP、および、たとえば、規格IEEE802.11によって定義される通信プロトコルのうちの1つ以上等のような予め定義された通信プロトコルに従って、データ/情報を交換することができると仮定される。
【0022】
さらに、「近傍ノード」という表現は、論理リンクによって所与のノードに接続されたノードを示すために使用する。好ましくは、近傍という用語は、1ホップ近傍を指す。
本発明は動的通信ネットワークに特に有利であり、この動的通信ネットワークにおいては、ピアツーピアノードの少なくとも一部がモバイルノードであり、モバイルノードの任意のペア間の接続の持続時間に関する保証がない。
【0023】
好ましい実施形態によれば、本方法は、a1)近傍ノードのうちの少なくとも1つの要求側ノードから、情報プロバイダノードになるために前記少なくとも1つの要求側ノードが要求する所定のデータを示す近傍情報を受けるステップをさらに含む。
【0024】
この実施形態では、本方法は、有利には、a2)a1)において受けた近傍情報を第2の記憶領域に記憶するステップをさらに含む。
この場合、前記情報プロバイダノードからの前記記述情報の受けとり時、かつe)の実行の前に、本方法は、有利には、f)前記情報プロバイダノードが提供することができるデータが、要求側ノードが要求する所定のデータに少なくとも部分的に一致するかどうかを、前記第2の記憶領域において検査するステップも含む。
【0025】
f)が肯定の場合、本方法は、一致するデータを示す近傍情報を第2の記憶領域において削除し、c)において受けた記述情報を要求側ノードに送るステップをさらに含む。この場合、本方法は、有利には、情報プロバイダノードに、それ自体を要求側ノードとリンクするように要求するステップをさらに含む。
【0026】
f)が否定の場合、ステップe)が実行される。
一実施形態によれば、e)では、c)において受けた記述情報の転送先である複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つは、複数のピアツーピアノードの中からランダムに選択されたノードである。
【0027】
有利には、e)では、c)において受けた記述情報の転送先である複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つは、近傍ノードとは異なるノードである。
好ましい実施形態によれば、e)では、c)において受けた記述情報の転送先である複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つは、近傍ノードのうちの1つの近傍ノードである。この場合、本方法は、有利には、近傍ノードのいずれかに、その近傍ノードのうちの少なくとも1つを識別するデータを要求するステップを含む。
【0028】
有利には、e)は、情報プロバイダノードに、それ自体を、c)において受けた記述情報の転送先である複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つとリンクするように要求するステップをさらに含む。さらに、e)は、有利には、情報プロバイダノードに、ノードとのそのリンクを削除するように要求するステップをさらに含む。さらに、e)は、有利には、情報プロバイダノードとのノードのリンクを削除するステップをさらに含む。さらに、e)は、有利には、ノードを、c)において受けた記述情報の転送先である複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つとリンクするステップをさらに含む。
【0029】
好ましくは、a)は、ノードが要求する前記所定のデータを示すノード情報を複数の近傍ノードに送るステップをさらに含む。この場合、d)は、有利には、一致するデータに関して複数の近傍ノードに通知するステップをさらに含む。
【0030】
有利には、d)は、情報プロバイダノードに、それによって提供できるデータを要求するステップをさらに含む。有利には、本方法は、情報プロバイダノードが提供することができるデータを受けるステップをさらに含む。
【0031】
有利には、d)は、g)情報プロバイダノードになるためにノードが要求するすべての所定のデータが一致したかどうかを前記第1の記憶領域において検査するステップをさらに含む。g)が肯定の場合、ノードは、所定のデータを提供することができる情報プロバイダノードになる。本方法は、有利には、ノードが提供することができる所定のデータの記述情報を近傍ノードのうちの少なくとも一部に送るステップを含む。有利には、ノードが提供することができる所定のデータの記述情報は、情報プロバイダノード以外の近傍ノードに送られる。g)が肯定の場合、本方法は、有利には、ノードが要求するすべての所定のデータが一致したことを複数の近傍ノードに通知するステップも含む。
【0032】
g)が否定の場合、本方法は、有利には、b)の実行に戻る。
有利には、本方法は、ノードが提供することができる前記所定のデータを取得するために、(1つまたは複数の)情報プロバイダノードから受けたデータを処理するステップをさらに含む。
【0033】
g)が肯定の場合、近傍ノードのうちの要求側ノードが要求する所定のデータを示す情報を受けたとき、本方法は、ノードが提供することができるデータの記述情報を要求側ノードに送るステップをさらに含む。
【0034】
g)が肯定の場合で、情報プロバイダノードになるために要求される所定のデータのうちの少なくとも一部が(たとえば、期限切れまたは消失のために)足りないとき、本方法はa)の実行に戻る。
【0035】
g)が肯定の場合で、ノードを複数のピアツーピアノードのうちのノードとリンクする要求を受けたとき、本方法は、有利には、前記ノードとのリンクを生成し、ノードが提供することができるデータの記述情報を、新たにリンクされたノードに送るステップを含む。
【0036】
g)が肯定の場合で、近傍ノードのうちの情報プロバイダノードが提供することができるデータの記述情報を受けたとき、本方法は、有利には、前記情報プロバイダノードとのリンクを削除するステップを含む。
【0037】
有利には、有線およびワイヤレスの一方又は双方の技術を介してデータを送りかつ受ける。ワイヤレス技術の典型的な例は、ブルートゥース、Wi−Fi、Wi−Max、UMTS、GSM、および同様の技術である。
【0038】
モバイルネットワークは、都市、工業または金融の領域、空港、駅、オフィス、住宅地、および同様の環境をカバーすることができる。
ノードは、セル電話、携帯情報端末(PDA)、ラップトップ、センサ、RFIDタグ、デジタルオーディオデバイス(iPod)、ポータブルゲームコンソール、および同様のデバイスのようなデバイスを含むことができる。
【0039】
第2の態様では、本発明は、通信ネットワークの複数のピアツーピアノードの中の所定の近傍ノードとリンクを確立するように適合された、通信ネットワークのノードであって、該ノードは第1の記憶領域とモジュールとを含み、該モジュールは、
a)情報プロバイダノードになるためにノードが要求する所定のデータを示すノード情報を前記第1の記憶領域に記憶し、
b)リンクされた近傍ノードのうちの少なくとも1つの情報プロバイダノードから、前記情報プロバイダノードが提供することができるデータの記述情報を受けるのを待ち、
c)前記少なくとも1つの情報プロバイダノードからの前記記述情報の受けとり時に、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができるデータが、ノードが要求する所定のデータに少なくとも部分的に一致するかどうかを、前記第1の記憶領域において検査し、
d)肯定の場合、一致するデータを示すノード情報を第1の記憶領域において削除し、
e)否定の場合、c)において受けた記述情報を複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つに転送する
ように適合された、ノードに関する。
【0040】
第3の態様では、本発明は、複数のピアツーピアノードを備える通信ネットワークであって、各ノードが、通信ネットワークの複数のピアツーピアノードの中の所定の近傍ノードとリンクを確立するように適合され、情報プロバイダノードになるために所定のデータを要求する前記複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つがモジュールを含み、該モジュールは、
a)情報プロバイダノードになるためにノードが要求する前記所定のデータを示すノード情報を第1の記憶領域に記憶し、
b)リンクされた近傍ノードのうちの少なくとも1つの情報プロバイダノードから、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができるデータの記述情報を受けるのを待ち、
c)前記少なくとも1つの情報プロバイダノードからの前記記述情報の受けとり時に、前記情報プロバイダノードが提供することができるデータが、ノードが要求する所定のデータに少なくとも部分的に一致するかどうかを、前記第1の記憶領域において検査し、
d)肯定の場合、一致するデータを示すノード情報を第1の記憶領域において削除し、
e)否定の場合、c)において受けた記述情報を複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つに転送する
ように適合され、
所定のデータを提供することができる、前記複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つの情報プロバイダノードが、それが提供することができる前記データを示す記述情報をそれぞれの近傍ノードのうちの少なくとも一部に送るように適合されたモジュールを含む、通信ネットワークに関する。
【0041】
本発明の第2および第3の態様の追加の特徴に関する限り、本発明の第1の態様に関してすでに上記で開示したことを参照する。
本発明の特徴および利点は、そのいくつかの例示的な実施形態についての以下の詳細な説明によって明らかになろう。これらいくつかの例示的な実施形態は、非限定的な例、説明によって単に与えるものであり、この説明は、添付の図面を参照することによって行われるあろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明による通信ネットワークの一実施形態を概略的に示す図である。
【図2】本発明による通信ネットワークノードの一実施形態を概略的に示す図である。
【図3】本発明による通信ネットワークノードの基本的なプロトコル状態および遷移を概説する例示的な状態機械を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1に、本発明の一実施形態による通信ネットワーク1000を示す。この実施形態によれば、通信ネットワーク1000は、複数の自律的およびプロアクティブ型ピアツーピアノード10を備えるモバイルアドホックネットワークである。
【0044】
自律的ノードは、(構成、修復、最適化、実行、アプリケーション固有のタスクのような)所定の特徴を直接的な人間の介入なしに管理し、それによって予測できない刺激に対しても全体的なシステムの反応を(他の同様のノードとの対話によって)保証するように適合されたノードを示す。
【0045】
プロアクティブ型ノードは、モバイルネットワークの他のノードの明示的要求によって喚起される必要なしに、前記ノードに情報を自発的に送るように適合されたノードを示す。
【0046】
ノード10は、たとえば、セル電話、PDA、ラップトップ、センサ(たとえば、温度、地理的位置、交通、または汚染センサ)あるいはRFIDタグのようなモバイルまたは固定のデバイスとすることができる。
【0047】
各ノード10は、対応する複数の近傍ノードとリンクされる。図1には、ノード10が、例として、近傍ノードの3つの(オープン)グループ(グループ1、グループ2、およびグループ3)中に示されている。各ノードは、1つまたは複数のグループに属することができ、それが属する(1つまたは複数の)グループのノードにリンクされる。たとえば、ノードA1は、ノードB1、C1,2,3およびD1,2とリンクされ、ノードC1,2,3は、ノードA1、B1、D1,2、A2、B2、E2、A3、B3およびD3にリンクされ、以下同様である。
【0048】
たとえば、始動時に、各ノード10には、ノードを物理的に接続するために使用される技術に応じて、当技術分野で知られている技法に従って、他のノードとのピアツーピア通信を開始することができるように、ノード識別子が与えられる。次いで、各ノードは、ピアツーピア通信を確立してある近傍ノードの識別子のローカルリストを保持することができる。所与のノードとのリンクの生成または削除は、その所与のノードの識別子を前記ローカルリストに追加するか、またはそこから削除することによって実行できる。
【0049】
ノード10は、共通の通信プロトコルに従ってデータを交換するように適合されると仮定される。
たとえば、ノードは、LAN、インターネット、Wi−Fi、ブルートゥース、同様の有線技術、および同様のワイヤレス技術のうちの1つ以上によって物理的に接続される。
【0050】
各ノード10は、本発明の様々な態様による、本発明を実装するように適合されたソフトウェアモジュール、ハードウェアモジュールおよびファームウェアモジュールの一方又は双方を含む。
【0051】
図2のブロック図では、各ノード10は、例として、第1の記憶領域11と、第2の記憶領域12と、処理ユニット13と、モバイルネットワーク1000の他のノード10へ/ノード10から情報を送る/受けるように適合されたトランシーバ14とを備える。
【0052】
一般に、本発明によれば、情報プロバイダノードになることができるように何らかのデータを必要とする各ノード10は、必要とするデータを示す情報を、前記第1の記憶領域11に記憶されたローカルデータ構造上で公開するように適合され、このローカルデータ構造は、以下、「ブラックボード」と呼ぶ。さらに、各ノードは、有利には、その近傍ノードが要求するデータを示す情報も、第2の記憶領域12に記憶されたさらなるローカルデータ構造上で公開するように適合され、このさらなるローカルデータ構造を、以下、「近傍のブラックボード」と呼ぶ。
【0053】
一方、所定のデータを提供することができるようになった後、できるだけ早く、各ノード10は、すべてのその近傍ノードに、提供することができるデータを示す記述情報を送るように適合される。
【0054】
「情報」という用語は、未加工の情報から、高度に相関され精巧に作りこまれた知識までの、異なる精巧さのレベルのデータのピースを示すことができる。
「ブラックボード」という用語は、タプル(レコードフィールド)を記憶し、タプルを一致させることができるデータ構造を示すことができる。2つのタプルのコンテンツが同等である(たとえば、それらがまったく同じフィールドを含んでいる)場合、その2つのタプルはブラックボード上で一致する。
【0055】
ノード(たとえば、D1,2)は、情報プロバイダ近傍ノード(たとえば、B1)から記述情報を受けたとき、以下の動作を実行する。
それ自体のブラックボード上で、前記情報プロバイダ近傍ノードが提供することができるデータが必要であるかどうかを検査する。肯定の場合、それ自体のブラックボードにおいて、一致するデータを示すノード情報を削除し、必要とするデータを情報プロバイダ近傍ノードから取り出すことを試みる。
【0056】
その近傍(A1、C1,2,3、A2、B2、E2)のブラックボード上で、情報プロバイダ近傍ノード(たとえば、B1)が提供することができるデータを必要としている近傍ノードがあるかどうかを検査する。肯定の場合、記述情報を一致する近傍ノード(たとえば、E2)に転送する。さらに、有利には、一致する近傍(E2)との直接リンクを生成するように(すなわち、一致する近傍の識別子を近傍ノードのそのローカルリスト中に追加するように)情報プロバイダ近傍ノード(B1)に依頼する。
【0057】
記述情報が、そのノードが必要とする情報にも、いずれかの近傍ノードが必要とする情報にも一致しない場合、近傍ノードのそのローカルリストから近傍ノード(たとえば、C1,2,3)をランダムに選択し、ランダムに選択されたノード(C1,2,3)に、その近傍のうちの1つ(たとえば、B3)の少なくとも1つの識別子を提供するように依頼する。ノード(D1,2)は、その近傍ノードのうちの1つの識別子を受けることを回避するために、近傍ノードのそのローカルリストをランダムに選択されたノード(C1,2,3)に送り、その近傍ノード以外のノードの識別子を求めることができる。ノード(D1,2)が近傍の近傍(B3)の識別子を受けた後、その識別子を使用して、記述情報を近傍の近傍(B3)に転送し、ノード(D1,2)とのリンクを削除し、近傍の近傍(B3)との新たなリンクを生成するように、情報プロバイダ近傍ノード(B1)に依頼する。さらに、また、ノード(D1,2)は、情報プロバイダ近傍ノード(B1)とのそのリンクを削除し、近傍の近傍(B3)との新たなリンクを生成する。これにより、特定のアプリケーションによって要求されたときに、ノード間の均一な数のアクティブなリンクを維持することが可能になる。
【0058】
図3に、モバイルネットワーク1000のノード10の主要なプロトコル状態および遷移を概説する例示的な状態機械を示す。
図3では、IPおよびIRは、それぞれ、提供情報および要求情報を表す。IPは、ノードが提供することができるデータを記述する情報を示す。IRは、ノードが要求するデータを記述する情報を示す。そのような情報を含んでいる、ノード10によって交換されるメッセージは、記述メッセージ(たとえばSQL問合せ、ruleMLファクト)のみであり、データを含んでいない。この形式のメッセージは、必要とする情報と要求された情報とをモバイルネットワーク1000中に分散させるためのものにすぎない。IRとIPの一致が起こった後、関与する2つのノードは、必要とする/提供されるデータを呼び出しまたは転送するための何らかの方法に関して同意することができる。
【0059】
状態100で、ノード10は、それ自体のブラックボード上で、情報プロバイダノードになるためにノード10が必要とする所定のデータを示すノード情報(IR)を公開し、ノード10が必要とする所定のデータを示すノード情報(IR)をその近傍ノードに送り、近傍ノードから、それらの近傍ノードが要求する所定のデータを示す近傍情報(IR)を受け、前記近傍情報をそれぞれの近傍のブラックボードに記憶する。
【0060】
状態101で、ノード10は、近傍ノードのうちの1つの情報プロバイダノードから、前記情報プロバイダノードが提供することができるデータの記述情報(IP)を受けるのを待つ。
【0061】
1つの情報プロバイダノードからの前記記述情報(IP)の受けとり時に、ノード10は、それ自体のブラックボードおよび近傍のブラックボードにおいて、前記情報プロバイダノードが提供することができるデータ(IP)が、ノードが要求する所定のデータ(IR)および近傍ノードが要求する所定のデータの一方又は双方に少なくとも部分的に一致するかどうかを検査する。
【0062】
前記情報プロバイダノードが提供することができるデータが、近傍ノードが要求する所定のデータに少なくとも部分的に一致した場合、状態104で、ノード10は、近傍のブラックボードから一致したデータを削除し、記述情報(IP)を一致する近傍ノードに転送し、(たとえば、一致する近傍ノードの識別子を情報プロバイダノードに提供することによって)情報プロバイダノードに、一致する近傍ノードとのリンクを生成するように要求する。
【0063】
前記情報プロバイダノードが提供することができるデータが、ノードが要求する所定のデータにも、いずれかの近傍ノードが要求するデータにも一致しない場合、状態103で、ノード10は、近傍ノードのそのローカルリストから近傍ノードをランダムに選択し、ランダムに選択されたノードに、その近傍ノードのうちの1つの識別子を提供するように依頼する。ノード10は、近傍の近傍の識別子を受けた後、記述情報を識別された近傍の近傍に転送する。さらに、ノード10は、(たとえば、近傍の近傍の識別子を情報プロバイダノードに提供することによって)近傍の近傍との新たなリンクを生成し、ノード10とのリンクを削除するように、情報プロバイダ近傍ノードに依頼する。最後に、ノード10は、情報プロバイダノードとのそのリンクを削除し、それ自体を近傍の近傍にリンクする。上記のように、これにより、ノード間の均一な数のアクティブなリンクを維持することが可能になる。
【0064】
前記情報プロバイダノードが提供することができるデータが、ノード10が要求する所定のデータに少なくとも部分的に一致した場合、状態102で、ノード10は、それ自体のブラックボードから一致したデータを削除し、一致に関してその近傍ノードに通知する。さらに、ノード10は、情報プロバイダノードと交信して、必要とするデータをノード10に転送するための何らかの方法に関して同意する。
【0065】
情報プロバイダノードになるためにノード10が要求する所定のデータを示すすべての情報がノードのブラックボードにおいて削除された場合、ノード10が情報プロバイダノードになるために要求されるすべての所定のデータを発見したことが暗示される。したがって、ノード10は、情報プロバイダノードになるための準備ができた。したがって、状態105で、ノード10は、それが提供することができるデータを示す記述情報をその近傍ノードに送る。
【0066】
何らかの理由で、(1つまたは複数の)情報プロバイダ近傍ノードからの、情報プロバイダノードになるためにノード10が要求する所定のデータの転送が成功しなかった場合、ノード10は状態100に戻る。
【0067】
状態106で、ノード10は情報プロバイダノードである。この状態で、ノード10は、定期的にまたは(特定のアプリケーションに応じた)所定の条件で、それが提供することができるデータを示す記述情報を送るように適合される。
【0068】
状態106で、その近傍ノードのうちの1つが提供することができるデータを記述する情報を受けた場合、ノード10は、前記近傍ノードとのリンクを削除する(情報プロバイダノードであるノードは、それ以上の情報を受ける必要がない)。
【0069】
したがって、ノード10は、有利には、所定のデータ情報を受けるのを待っている近傍ノードのみに記述情報を送る。
この状態106で、その近傍ノードのうちの1つが要求する所定のデータを示す情報(IR)を受けたとき、ノード10は、そのノードが提供することができるデータの記述情報(IP)を近傍ノードに送る。
【0070】
状態106で、ノード10をモバイルネットワークの複数のピアツーピアノードのうちの1つのノードとリンクさせる要求を受けたとき、ノード10は、前記ノードとのリンクを生成し、それ自体が提供することができるデータの記述情報を新たなリンクされたノードに送る。
【0071】
状態106で、情報プロバイダノードになるべきノード10が要求する所定のデータの少なくとも一部が古くなったかまたは消失した場合、ノード10は状態100に戻る。
上記の説明に鑑みて、以下のことが明らかになろう。本発明によれば、
ノードは、(動的環境で起こる可能性が高い)利用不可能な情報を探すのに時間を浪費する必要がない。
【0072】
ノードは、必要とする情報を探す必要がない。どこかで利用可能な場合、その情報は遅かれ早かれノードに到達する。
ノードが近傍ノードから必要としない情報を受けた場合、近傍ノードとそのノードとの間のリンクが削除される。さらに、近傍ノードとモバイルネットワークのランダムに選択されたノードとの間、およびノードと同じランダムに選択されたノードとの間に新たなリンクが生成される。この機構は、動的条件への適合を可能にする。
【0073】
恩恵は2重である。すなわち、システムは、必要な場合に適切な情報を確保することができ、同時に、高度動的環境に自己適応することができる。
したがって、本発明によれば、分散型自己集約、自己構成コンポーネントに基づく自律的S/Wソリューションを実行する高度分散型リソースが(低コストのコモディティサーバさえも)利用される。これにより、低コストのコモディティH/Wからでも、高レベルの可用性が可能になる。特に、本発明は、ローカルの自律的挙動およびピアツーピア共同からの新生のデータ管理の特徴および特性を達成するために、高度分散型モバイル環境におけるデータ管理に自律的原理を適用することに重点を置く。
【0074】
たとえば、本発明は、交通関連データ、観光関連データ、および市民保護関連データのうちの1つ以上を管理および収集するために都市環境において使用できる。
都市環境では、ノードは、移動電話、GSMまたはwi−fiトランシーバを備えた車、PC、ラップトップ、PDA、iPod、交通センサ、汚染センサ、温度センサなどとすることができる。
【0075】
都市のダイナミクスは、異種のソースによって提供されるデータ(匿名のローカリゼーション、交通、汚染、文化遺産、イベント、など)を収集し、相関させることによって、リアルタイムでとらえることができる。
【0076】
人間関係によって生成される社会的パターンは、ユーザのニーズさえも予想する状況依存サービスを提供するための有益な(匿名の)情報を表す。このサービスは、広範な通信、個人のメディア間リアルタイムコンテンツ、インフォテインメント、商用情報および社会情報を含むことができる。
【0077】
現実の都市を見渡すこれらの膨大な量のデータは、(適切な時間空間位置で適切な形式で利用可能なデータを必要とする)分散型アプリケーションを開発する機会を提供している。それを達成するために、データは、スケーラブルな形で容易に取り出され、精巧に作りこまれ、相関されなければならない。本発明は、この目的を達成するための分散型のスケーラブルなソリューションを表す。
【0078】
都市にいるユーザは、自分のモバイルハンドセット上で、商用情報で強化されたデジタルローカルマップを要求するサービスを実行したいと思うことがある。特に、基本的なローカルマップを分散型アクセスポイントからだけでなく近傍デバイスからもダウンロードすることができる(この場合、マップはユーザによって追加された情報によって強化されている)。オーディオファイル、画像、商用テキストをも含むことがあるマップを各領域においてユーザがピアツーピアモードで社会的に共有することができる。さらにリアルタイム情報(たとえば、交通渋滞)を相関させることができる。ユーザが、最も近いカーショップとそこに到達するための最適経路とを見つけたいと仮定しよう。(ショップの商用情報をも含む)領域のマップは、そのショップに関する情報を追加した近傍ユーザのデバイスからダウンロードできる。最適経路と交通情報もショップの場所に相関される。カーショップが仮想世界における仮想表現を有すると仮定しよう。ユーザは、(仮想世界の一部の参加者から)自動車モデル、在庫状況および費用に関する何らかの予備的な商用情報を得るために、そのような仮想カーショップに予めアクセスしたいと思うであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピアツーピアノードを備える通信ネットワークのノードを動作させるための方法であって、前記ノードが、前記複数のピアツーピアノードの中の所定の近傍ノードとリンクされ、前記方法は、
a)情報プロバイダノードになるために前記ノードが要求する所定のデータを示すノード情報を第1の記憶領域に記憶するステップと、
b)前記近傍ノードのうちの少なくとも1つの情報プロバイダノードから、前記情報プロバイダノードが提供することができるデータの記述情報を受けるのを待つステップと、
c)前記少なくとも1つの情報プロバイダノードからの前記記述情報の前記受けとり時に、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができる前記データが、前記ノードが要求する前記所定のデータに少なくとも部分的に一致するかどうかを、前記第1の記憶領域において検査するステップと、
d)肯定の場合、一致する前記データを示す前記ノード情報を前記第1の記憶領域において削除するステップと、
e)否定の場合、c)において受けた前記記述情報を前記複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つに転送するステップと
を含む、方法。
【請求項2】
a1)前記近傍ノードのうちの少なくとも1つの要求側ノードから、情報プロバイダノードになるために前記少なくとも1つの要求側ノードが要求する所定のデータを示す近傍情報を受けるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
a2)a1)において受けた前記近傍情報を第2の記憶領域に記憶するステップをさらに含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記情報プロバイダノードからの前記記述情報の前記受けとり時、かつe)の実行の前に、f)前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができる前記データが、前記要求側ノードが要求する前記所定のデータに少なくとも部分的に一致するかどうかを、前記第2の記憶領域において検査するステップをさらに含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
f)が肯定の場合、一致する前記データを示す前記近傍情報を前記第2の記憶領域において削除し、c)において受けた前記記述情報を前記要求側ノードに送るステップをさらに含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも1つの情報プロバイダノードに、それ自体を前記要求側ノードとリンクするように要求するステップをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
f)が否定の場合、ステップe)が実行される、請求項4から6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
e)では、c)において受けた前記記述情報の転送先である前記複数のピアツーピアノードのうちの前記少なくとも1つが、前記複数のピアツーピアノードの中からランダムに選択されたノードである、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
e)では、c)において受けた前記記述情報の転送先である前記複数のピアツーピアノードのうちの前記少なくとも1つが、前記近傍ノードとは異なるノードである、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
e)では、c)において受けた前記記述情報の転送先である前記複数のピアツーピアノードのうちの前記少なくとも1つが、前記近傍ノードのうちの1つの近傍ノードである、請求項1から9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
e)が、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードに、それ自体を、c)において受けた前記記述情報の転送先である前記複数のピアツーピアノードのうちの前記少なくとも1つとリンクするように要求するステップをさらに含む、請求項1から10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
e)が、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードに、前記ノードとのそのリンクを解消するように要求するステップをさらに含む、請求項1から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
e)が、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードとの前記ノードの前記リンクを解消するステップをさらに含む、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
e)が、前記ノードを、c)において受けた前記記述情報の転送先である前記複数のピアツーピアノードのうちの前記少なくとも1つとリンクするステップをさらに含む、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
a)が、前記ノードが要求する前記所定のデータを示す前記ノード情報を前記複数の近傍ノードに送るステップをさらに含む、請求項1から14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
d)が、一致する前記データに関して前記複数の近傍ノードに通知するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
d)が、g)情報プロバイダノードになるために前記ノードが要求するすべての前記所定のデータが一致したかどうかを前記第1の記憶領域において検査するステップをさらに含む、請求項1から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
g)が肯定の場合、前記ノードが、所定のデータを提供することができる情報プロバイダノードになる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記ノードが提供することができる前記所定のデータの記述情報を前記近傍ノードのうちの少なくとも一部に送るステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ノードが提供することができる前記所定のデータの前記記述情報が、情報プロバイダノード以外の前記近傍ノードに送られる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
g)が否定の場合、b)の実行に戻る、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記近傍ノードのうちの要求側ノードが要求する所定のデータを示す情報を受けたとき、前記ノードが提供することができるデータの前記記述情報を前記要求側ノードに送るステップをさらに含む、請求項18から21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
情報プロバイダノードになるために要求される前記所定のデータのうちの少なくとも一部が足りないとき、a)の実行に戻る、請求項18から22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記ノードを前記複数のピアツーピアノードのうちのノードとリンクする要求を受けたとき、前記ノードとのリンクを生成し、前記ノードが提供することができる前記データの前記記述情報を、新たにリンクされた前記ノードに送るステップをさらに含む、請求項18から23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記近傍ノードのうちの情報プロバイダノードが提供することができるデータの記述情報を受けたとき、前記情報プロバイダノードとの前記リンクを解消するステップをさらに含む、請求項18から23のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
通信ネットワークの複数のピアツーピアノードの中の所定の近傍ノードとのリンクを確立するように適合された、前記通信ネットワークのノードであって、該ノードは第1の記憶領域とモジュールとを含み、該モジュールは、
a)情報プロバイダノードになるために前記ノードが要求する所定のデータを示すノード情報を前記第1の記憶領域に記憶し、
b)リンクされた前記近傍ノードのうちの少なくとも1つの情報プロバイダノードから、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができるデータの記述情報を受けるのを待ち、
c)前記情報プロバイダノードからの前記記述情報の前記受けとり時に、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができる前記データが、前記ノードが要求する前記所定のデータに少なくとも部分的に一致するかどうかを、前記第1の記憶領域において検査し、
d)肯定の場合、一致する前記データを示す前記ノード情報を前記第1の記憶領域において削除し、
e)否定の場合、c)において受けた前記記述情報を前記複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つに転送する
ように適合された、ノード。
【請求項27】
複数のピアツーピアノードを備える通信ネットワークであって、各ノードが、前記通信ネットワークの前記複数のピアツーピアノードの中の所定の近傍ノードとリンクを確立するように適合され、情報プロバイダノードになるために所定のデータを要求する前記複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つはモジュールを含み、該モジュールは、
a)情報プロバイダノードになるために前記ノードが要求する前記所定のデータを示すノード情報を第1の記憶領域に記憶し、
b)リンクされた前記近傍ノードのうちの少なくとも1つの情報プロバイダノードから、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができるデータの記述情報を受けるのを待ち、
c)前記少なくとも1つの情報プロバイダノードからの前記記述情報の前記受けとり時に、前記少なくとも1つの情報プロバイダノードが提供することができる前記データが、前記ノードが要求する前記所定のデータに少なくとも部分的に一致するかどうかを、前記第1の記憶領域において検査し、
d)肯定の場合、一致する前記データを示す前記ノード情報を前記第1の記憶領域において削除し、
e)否定の場合、c)において受けた前記記述情報を前記複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つに転送する
ように適合され、
所定のデータを提供することができる、前記複数のピアツーピアノードのうちの少なくとも1つの情報プロバイダノードが、それが提供することができる前記データを示す記述情報をそれぞれの前記近傍ノードのうちの少なくとも一部に送るように適合されたモジュールを含む、
通信ネットワーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−532117(P2010−532117A)
【公表日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513664(P2010−513664)
【出願日】平成19年7月2日(2007.7.2)
【国際出願番号】PCT/EP2007/005827
【国際公開番号】WO2009/003501
【国際公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(503148270)テレコム・イタリア・エッセ・ピー・アー (87)
【Fターム(参考)】