説明

通信パラメータの設定処理を行う通信装置、当該通信装置の制御方法、並びにコンピュータプログラム

【課題】 通信パラメータ設定処理を行うための動作が開始される場合に起こりうる課題を解決する。
【解決手段】 第1の通信装置と通信パラメータの設定処理を実行中に、第2の通信装置からの通信パラメータ設定処理の開始要求を受信すると、第1の通信装置との通信パラメータ設定処理の終了後に前記通信装置が属するネットワークのネットワーク情報を第2の通信装置へ送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信パラメータの設定処理を行う通信装置、当該通信装置の制御方法、並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE802.11準拠の無線LAN(以下無線LAN)を使用する際にはネットワーク識別子(ESSID)、周波数チャネル、暗号方式、暗号鍵、認証方式、認証鍵等の無線パラメータをユーザが設定する必要がある。これらの設定作業は煩雑なため、装置間で自動的に無線パラメータ設定を行う方法が提案されている。例えば、アクセスポイント(中継局)とステーション(端末局)間の無線パラメータ設定を簡単な操作でアクセスポイントからステーションに転送する方法等も実際に製品として実現されている。
【0003】
最近では、Wi−Fi Allianceという団体によって、WPS(Wi−Fi Protected Setup)という無線パラメータ自動設定方法の規格策定が完了し、既にいくつかの製品に搭載されている。
【0004】
WPSでは、無線パラメータ設定処理用の特別なプロトコル(Registrationプロトコルと呼ぶ)を用いて、RegistrarからEnrolleeへ無線パラメータが提供される。ここで、Registrarとは、無線パラメータを管理し、Enrolleeへ無線パラメータを提供する装置である。Enrolleeとは、Registrarから提供された無線パラメータを受理する装置である。
【0005】
RegistrationプロトコルにおけるRegistrarとEnrollee間の通信は、EAP(Extensible Authentication Protocol)パケットを用いて行われる。EAPパケットとは、RegistrarとEnrollee間において、暗号、認証を行うことなく通信できるパケットである。
【0006】
例として、Registrarとして動作するアクセスポイントから、Enrolleeとして動作するステーションに対して無線パラメータを提供する場合について説明する。まず、ステーションは、アクセスポイントが形成するネットワークを探索し、当該ネットワークに一時的に参加する。この時点では、アクセスポイントとステーションにおけるESSIDと周波数チャネルは一致しているが、暗号鍵、認証鍵等は一致していないため、暗号、認証を用いたデータ通信を行うことはできない。
【0007】
アクセスポイントとステーションは、RegistrationプロトコルによりEAPパケットを用いたメッセージの送受信を行うことにより、アクセスポイントからステーションに対して無線パラメータの提供を行う。Enrolleeとして動作するステーションは、提供された無線パラメータを新たに設定する。これにより、アクセスポイントとステーション間で暗号、認証を用いたデータ通信を行うことが可能となる。
【0008】
WPSでは、無線LANのインフラストラクチャモードにおいての設定方法のみが規定されており、アドホックモードにおいての設定方法は規定されていない。なお、インフラストラクチャモードとは、アクセスポイントを介してステーション間で無線通信を行う方法であり、アドホックモードとは、アクセスポイントを介さず、ステーション間で直接無線通信を行う方法である。
【0009】
最近では、無線LAN機能を備えたデジタルカメラ間の通信、ゲーム機器間の通信等、アドホックモードを用いて無線通信を行う機会が増加しており、今後はWPSをアドホックモードへも適用させることが考えられる。なお、アドホックモードにおける無線パラメータの簡単設定方法もいくつか提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2002−359623号公報
【特許文献2】特開2006−311138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
WPSのRegistrationプロトコルは、2台の装置間で実行されるプロトコルであり、3台以上の装置間では同時にRegistrationプロトコルが実行されない。
【0012】
一方、ゲーム機器を用いて対戦型ゲームを行う場合等、アドホックモードでは3台以上の装置が互いに無線通信を行う状況が想定される。従って、WPSをアドホックモードに適用する場合は、3台以上の装置で一斉にWPSが起動された場合等でも対応可能な制御アルゴリズムを組み込む必要がある。
【0013】
例えば、3台の装置A〜Cで無線パラメータ設定用のネットワークを形成した後、装置Aが装置Bとの間でRegistrationプロトコルを実行中に、新たに装置CからRegistrationプロトコルの開始要求を受信したとする。この場合、装置Cと装置A間のRegistrationプロトコルは開始されない。Registration開始要求を送信してから一定時間経過してもRegistrationプロトコルが開始されないと、装置Cは上記開始要求を再送することが考えられる。
【0014】
しかしながら、装置Cは、装置Aと装置B間のRegistrationプロトコルがいつ終了するか分からないため、開始要求を再送したとしても、装置Aと装置B間のRegistrationプロトコルが未だ終了していない場合もある。その結果、装置CにおいてWPSによる無線パラメータ設定処理のタイムアウトが発生してしまうことが考えられる。
【0015】
また、装置Aと装置Bは、Registrationプロトコルの終了後、設定した無線パラメータを用いて新たなネットワークを形成している状況も考えられる。この場合、装置CがRegistrationプロトコルの開始要求を再送した時には、既に装置Aと装置Bが無線パラメータ設定用ネットワークから離脱しており、上記開始要求が受信されない。
【0016】
このような場合、装置Cへの無線パラメータ設定を再開するためには、ユーザが再度WPSの起動を指示しなければならず、ユーザの操作性を損なうことになる。
【0017】
上記問題は、無線パラメータに限らず、機器間の通信に設定が必要な有線等の通信パラメータであっても起こりうる。
【0018】
本発明は、通信パラメータ設定処理を行うための動作が開始される場合に起こりうる課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するため、本発明は、 通信パラメータの設定処理を行う通信装置の制御方法であって、
第1の通信装置と通信パラメータの設定処理を実行する設定工程と、
前記通信パラメータの設定処理を開始した第2の通信装置からの所定の信号を検出する検出工程と、
前記第2の通信装置と前記設定処理を実行可能な状態において前記第2の通信装置から所定の信号を検出した場合、前記設定処理を実行可能な状態を示す情報を、前記第1の通信装置へ送信する第1の送信工程と、
前記第2の通信装置と前記通信パラメータ設定処理を実行可能ではない状態において前記第1の通信装置からの所定の信号を検出した場合、前記第2の通信装置に通信パラメータを提供するための前記設定処理を実行するネットワークに関するネットワーク情報と前記設定処理を実行可能な状態ではないことを示す情報とを、前記第1の通信装置へ送信する第2の送信工程と、
前記設定工程により設定した通信パラメータに基づくネットワークに関するパラメータの少なくとも一部が一致するネットワークを前記第2の通信装置と形成する形成工程と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、通信パラメータ設定処理を、効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】システム構成図
【図2】DSC1、DSC2、DSC3のブロック構成図
【図3】実施形態1における提供装置のフローチャート
【図4】実施形態1における受理装置のフローチャート
【図5】実施形態1のシーケンス図
【図6】実施形態2における提供装置のフローチャート
【図7】実施形態2における受理装置のフローチャート
【図8】実施形態2のシーケンス図
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
<実施形態1>
図1は本実施形態におけるシステム構成を示した図である。
【0023】
デジタルカメラ101(以下、DSC1)、デジタルカメラ102(以下、DSC2)、デジタルカメラ103(以下、DSC3)は、IEEE802.11規格シリーズに準拠した無線LAN(以下無線LAN)の無線通信機能を備えている。
【0024】
DSC1、DSC2、DSC3は無線LANのアドホックモードによるネットワーク(アドホックネットワーク)を構成可能であり、共通の無線パラメータ自動設定アプリケーションを備えている。無線パラメータ自動設定アプリケーションが起動されると、アドホックネットワークにおいて、設定情報通知プロトコルにより無線パラメータの設定処理を行うことが可能である。
【0025】
ここで、本実施例における設定情報通知プロトコルとは、Registrationプロトコルにおける各メッセージを簡略化して表したものである。従って、ESSID(ネットワーク識別子)と周波数チャネルが一致すれば、暗号、認証無しで設定情報通知プロトコルによる各種メッセージの送受信を行うことができる。また、設定情報通知プロトコルは、同一アドホックネットワーク内の2台の装置間で実行され、3台以上の装置間で同時に設定情報通知プロトコルを実行することはできない。
【0026】
また、設定情報通知プロトコルにより設定される無線パラメータとしては、ESSID、周波数チャネル、暗号方式、暗号鍵、認証方式、認証鍵等がある。設定情報通知プロトコルにより無線パラメータの設定処理を行うネットワークと、無線パラメータ設定後にデータ通信を行うネットワークを同じにすることもできるし、異なるネットワークにすることもできる。
【0027】
また、DSC1、DSC2、DSC3は、上記無線パラメータ自動設定アプリケーションが起動されると、所定のアルゴリズム(以下役割決定アルゴリズム)に基づいて無線パラメータ設定処理における役割を決定する機能を有している。無線パラメータ設定処理における役割としては、設定情報通知プロトコルにより無線パラメータの提供を行う提供装置と、提供された無線パラメータを受理する受理装置と、がある。ここでは、役割決定アルゴリズムに基づいて、DSC1が提供装置、DSC2及びDSC3が受理装置として決定されるものとする。
【0028】
次に、DSC1、DSC2、DSC3の構成について、図2のブロック図を参照して説明する。
【0029】
201は、装置全体を示している。202は、無線通信を行う通信部であり、203は、通信部の制御を行う通信制御部である。204は、タイマの処理を行う計時部である。205は各種表示を行う表示部である。
【0030】
206は、設定情報通知プロトコルによる無線パラメータ設定処理を行う無線パラメータ設定処理部である。後述のプロトコル開始要求、プロトコル開始メッセージ、プロトコル終了メッセージ等、各種メッセージの送受信は、無線パラメータ設定処理部206の制御により行われる。
【0031】
207は、後述の各フローにおける各種判断処理を行う判断部である。208は、無線パラメータ等を記憶する記憶部である。209は装置全体の動作を制御する装置制御部である。
【0032】
提供装置であるDSC1の処理手順について、図3のフローチャートを用いて説明する。本フローは上述の役割決定アルゴリズムにより、無線パラメータ設定処理における役割が提供装置に決定した際に開始される。また、本フローの処理は、受理装置夫々(DSC2、DSC3)に対して実行される。
【0033】
DSC1は、受理装置から送信されるプロトコル開始要求を待つ(F301)。ここで、プロトコル開始要求とは、受理装置が提供装置に対して、設定情報通知プロトコルの開始を要求するために用いられるメッセージである。ここでは、DSC2が先にプロトコル開始要求を送信し、DSC3がその後にプロトコル開始要求を送信するものとして説明する。
【0034】
DSC1は、DSC2からプロトコル開始要求を受信すると、既に他の受理装置との間で設定情報通知プロトコルを実行中であるか否かを判断する(F302)。
【0035】
他の受理装置と設定情報通知プロトコルを実行中でなければ、DSC2に対して、プロトコル開始メッセージを送信する(F314)。ここで、プロトコル開始メッセージとは、提供装置が受理装置に対して、設定情報通知プロトコルの開始を通知するためのメッセージである。
【0036】
DSC1は、プロトコル開始メッセージを送信した後、設定情報通知プロトコルによりDSC2との間で各種メッセージの送受信を行うことにより、DSC2に対して無線パラメータの提供を行う(F315)。
【0037】
F302において、他の受理装置と設定情報通知プロトコルを実行中である場合(ここでの例では、DSC1がDSC2と設定情報通知プロトコルを実行中にDSC3からプロトコル開始要求を受信した場合)、F303に進む。DSC1は後からプロトコル開始要求を送信したDSC3のMAC(Media Access Control)アドレスを記憶部208に保存する(F303)。このとき、MACアドレスは記憶部208にあるリストにFIFO(First‐In First‐Out)で保存される。
【0038】
次に、DSC1は、DSC3と設定情報通知プロトコルを実行するネットワークのネットワーク情報(ESSID、周波数チャネル等)を抽出する(F304)。すなわち、実行中の設定情報通知プロトコルによってDSC2へ提供する無線パラメータのうち、ESSIDと周波数チャネルを抽出する。
【0039】
例えば、DSC2との間で設定情報通知プロトコルを実行中のネットワーク(DSC1が現在属しているネットワーク)と、無線パラメータ設定後にデータ通信を行うネットワークが異なる場合、当該データ通信を行うネットワークのネットワーク情報を抽出する。
【0040】
また、DSC2との間で設定情報通知プロトコルを実行中のネットワーク(DSC1が現在属しているネットワーク)と、無線パラメータ設定後にデータ通信を行うネットワークが同一である場合、現在属しているネットワークのネットワーク情報を抽出する。
【0041】
次に、DSC1は、抽出したネットワーク情報を付加した待機信号をDSC3装置に対して送信し(F305)、DSC3のMACアドレスが記憶部208のリストの先頭になるまで待機する(F306)。
【0042】
DSC3のMACアドレスが記憶部208のリストの先頭になると、DSC1は現在実行中の設定情報通知プロトコルが終了したか否かを判断する(F307)。実行中の設定情報通知プロトコルが終了した場合は、DSC1は、ネットワークの切替えを行うか否かを判断する(F308)。ネットワークの切替えを行う場合とは、DSC2との間で設定情報通知プロトコルを実行中のネットワーク(DSC1が現在属しているネットワーク)と、無線パラメータ設定後にデータ通信を行うネットワークが異なる場合である。ネットワークの切替えを行わない場合とは、DSC2との間で設定情報通知プロトコルを実行中のネットワーク(DSC1が現在属しているネットワーク)と、無線パラメータ設定後にデータ通信を行うネットワークが同一である場合である。
【0043】
ネットワークを切替えない場合は、DSC1は、DSC3に対してプロトコル開始メッセージを送信する(F311)。
【0044】
ネットワークを切替える場合は、DSC1は、通信制御部203がネットワークの切替え処理を終了するまで待機する(F309)。ネットワーク切替え処理が終了すると、DSC1は、変更後のネットワークにおいてDSC3を検出するまで待機する(F310)。検出方法としては、DSC3が送信する報知信号(ビーコン)、又はDSC3が送信する探索要求(プローブリクエスト)を受信することにより検出する方法等がある。変更後のネットワークにおいてDSC3を検出した場合は、DSC1はDSC3に対してプロトコル開始メッセージを送信する(F311)。そして、DSC1は、設定情報通知プロトコルによりDSC3との間で各種メッセージの送受信を行うことにより、DSC3に対して無線パラメータを提供する(F312)。その後DSC1は、記憶部208のリストからDSC3のMACアドレスを削除する(F313)。なお、記憶部208のリストに、無線パラメータの提供が完了していない受理装置のMACアドレスが残っている場合は、F306に戻り、前述した処理を繰り返す。
【0045】
次に、受理装置であるDSC2、DSC3の処理手順について、図4のフローチャートを用いて説明する。本フローは、上述の役割決定アルゴリズムにより、無線パラメータ設定処理における役割が受理装置に決定した際に開始される。ただし、受理装置に決定してから一定時間経過後に本フローが開始される場合もある。
【0046】
受理装置であるDSC2、DSC3は、プロトコル開始要求を提供装置であるDSC1に送信する(F401)。その後、DSC2、DSC3は、DSC1からプロトコル開始メッセージ、もしくは待機信号を受信するのを待つ(F402、F403)。なお、前述のように、ここではDSC2が先にプロトコル開始要求を送信し、後からDSC3がプロトコル開始要求を送信するものとする。
【0047】
プロトコル開始メッセージを受信した場合(ここではDSC2が該当する)は、DSC2はDSC1との間で設定情報通知プロトコルを開始する(F410)。そして、DSC2は、設定情報通知プロトコルによりDSC1との間で各種メッセージの送受信を行うことにより、DSC1から無線パラメータを受理する。
【0048】
待機信号を受信した場合(ここではDSC3が該当する)、DSC3は、待機信号に付加されているネットワーク情報を参照することにより、DSC1との間で設定情報通知プロトコルを実行するネットワークを判別する。そして、DSC3は、待機信号に付加されているネットワーク情報と、DSC3が現在属しているネットワークのネットワーク情報と比較する(F404)。
【0049】
比較の結果、2つのネットワーク情報が同一である場合は、DSC3が現在属しているネットワークで設定情報通知プロトコルを行うと判断し、DSC1からプロトコル開始メッセージを受信するのを待つ(F409)。
【0050】
比較の結果、2つのネットワーク情報が異なる場合は、DSC3は待機信号に付加されたネットワーク情報により定められるネットワークでDSC1と設定情報通知プロトコルを行うと判断する。そしてDSC3は、待機信号に付加されたネットワーク情報に一致するネットワークの検索処理を実行する(F406、F407)。検索方法としては、当該ネットワーク情報を含む報知信号が送信されるのを監視する方法、当該ネットワーク情報を含む探索要求を送信し、探索要求に対する応答が送信されるのを監視する方法、等がある。
【0051】
検索の結果、当該ネットワーク情報により定められるネットワークを発見すると、DSC3は発見したネットワークに参加し(F408)、DSC1からプロトコル開始メッセージを受信するのを待つ(F409)。
【0052】
プロトコル開始メッセージを受信すると、DSC3は、DSC1との間で設定情報通知プロトコルを開始し(F410)、無線パラメータを取得する。
【0053】
図5は、DSC1、DSC2、及びDSC3の処理シーケンスを示した図である。
【0054】
DSC1において、ユーザの操作等によって無線パラメータ自動設定アプリケーションが起動されると、DSC1はネットワークAを生成する(F501)。DSC2においても同様にユーザの操作等によって無線パラメータ自動設定アプリケーションが起動されると、DSC2はネットワークBを生成する(F502)。
【0055】
ここで、DSC1とDSC2は、互いにネットワークの探索処理を行うと共に上述の役割決定アルゴリズムに従い、夫々の役割を決定する(F503)。ここでは、DSC1が提供装置、DSC2が受理装置に決定し、受理装置に決定したDSC2は、提供装置であるDSC1が属するネットワークAに参加する(F505)。
【0056】
なお、無線パラメータ自動設定アプリケーションの起動後に生成されるネットワークは、無線パラメータ設定処理を行うためのネットワークであり、DSC1及びDSC2には共通の暗号鍵、認証鍵等が設定されていない。従って、DSC2はネットワークAにおいて、予め定められた信号(報知信号、設定情報通知プロトコルのメッセージ等)以外ではDSC1と通信できない状態であり、暗号、認証を用いたデータ通信を行うことはできない。
【0057】
次に、DSC3においてユーザの操作等によって無線パラメータ自動設定アプリケーションが起動されると、DSC3はネットワークCを生成する(F504)。DSC1とDSC3は、互いにネットワーク探索処理を行うと共に、上述の役割決定アルゴリズムに従い、夫々の役割を決定する(F506)。ここでは、DSC1は提供装置のままとなり、DSC3は受理装置となる。受理装置に決定したDSC3は、提供装置であるDSC1が属するネットワークAに参加する(F507)。
【0058】
このとき、DSC3はネットワークAにおいて予め定められた信号(報知信号、設定情報通知プロトコルのメッセージ等)以外ではDSC1と通信できない状態であり、暗号、認証を用いたデータ通信を行うことはできない。
【0059】
受理装置として決定したDSC2は、設定情報通知プロトコルを開始するために、DSC1に対してプロトコル開始要求を送信する(F508)。DSC1は、DSC2からプロトコル開始要求を受信すると、プロトコル開始メッセージをDSC2へ送信する(F509)。
【0060】
DSC2は、プロトコル開始メッセージを受信すると、設定情報通知プロトコルに従いDSC1とプロトコルメッセージの送受信を行う(F510)。プロトコルメッセージとは、受理装置と提供装置との間で送受信されるメッセージである。提供装置と受理装置との間でプロトコルメッセージを送受信することにより、暗号化・復号化に必要な乱数、及び相互の機器認証に必要な情報の交換、並びに無線パラメータの提供等が行われる。
【0061】
DSC1は、設定情報通知プロトコルにより、ネットワークDの無線パラメータをDSC2に提供する。すなわち、ここでは無線パラメータ設定処理を行うネットワークと、設定後にデータ通信を行うネットワークが異なる。
【0062】
受理装置として決定したDSC3も同様に、設定情報通知プロトコルを開始するために、DSC1に対してプロトコル開始要求を送信する(F511)。
【0063】
DSC1は、DSC2との間で設定情報通知プロトコルを実行中にDSC3からプロトコル開始要求を受信すると、DSC3との間で設定情報通知プロトコルを実行するネットワークのネットワーク情報を抽出する。この場合、DSC1はDSC2との間で設定情報通知プロトコルを実行することによりネットワークDの無線パラメータをDSC2に提供し、プロトコル終了後にネットワークDを生成することを予定している。従って、DSC1はネットワークDのネットワーク情報を抽出する。
【0064】
DSC1は、ネットワークDのネットワーク情報を抽出すると、該ネットワーク情報を待機信号に付加し、DSC3に送信する(F512)。
【0065】
DSC3は、待機信号を受信すると、付加されているネットワーク情報を参照し、DSC1との間で設定情報通知プロトコルを実行するネットワークを判別する。付加されているネットワーク情報はネットワークDの情報であるため、DSC3が属しているネットワークAとは異なる。従って、DSC3は、ネットワークDにおいて設定情報通知プロトコルを行うと判断し、ネットワークDが見つかるまで、ネットワークDの探索処理を定期的に行う(F516)。
【0066】
DSC1は、DSC2との設定情報通知プロトコルが終了すると、プロトコル終了メッセージをDSC2に送信し、DSC2に提供した無線パラメータを用いて新たにネットワークDを生成する(F514)。なお、プロトコル終了メッセージとは、提供装置が受理装置へ設定情報通知プロトコルが終了したことを通知するメッセージである。
【0067】
DSC2は、プロトコル終了メッセージを受信すると、設定情報通知プロトコルによりDSC1から受理した無線パラメータを用いてネットワークDに参加する(F515)。このとき、DSC2はDSC1と共通の暗号鍵、認証鍵等が設定されるため、暗号、認証を用いたデータ通信を行うことが可能となる。
【0068】
DSC3はネットワークの探索処理(F516)によりネットワークDを検出すると、検出したネットワークDに参加する(F517)。
【0069】
このとき、DSC3はネットワークDにおいて、予め定められた信号(報知信号、設定情報通知プロトコルのメッセージ等)以外ではDSC1と通信できない状態であり、暗号、認証を用いた通常のデータ通信を行うことはできない。
【0070】
DSC3は、ネットワークDに参加した後に報知信号を送信する(F518)。なお、DSC1及びDSC2も交互に報知信号を送信するが、図5では省略している。
【0071】
DSC3が送信する報知信号をDSC1が受信すると、DSC1は、DSC3がネットワークDに参加したことを認識し、DSC3に対してプロトコル開始メッセージを送信する(F519)。
【0072】
DSC3は、プロトコル開始メッセージを受信すると、設定情報通知プロトコルに従い、DSC1とプロトコルメッセージの送受信を行う(F520)。DSC1は設定情報通知プロトコルによりネットワークDの無線パラメータをDSC3に提供する。DSC1は、DSC3との間での設定情報通知プロトコルが終了すると、プロトコル終了メッセージをDSC3に送信する(F521)。
【0073】
DSC3は、プロトコル終了メッセージを受信すると、設定情報通知プロトコルによりDSC1から受理した無線パラメータを用いてネットワークDに再び参加する(F522)。このとき、DSC3はDSC1及びDSC2と共通の暗号鍵、認証鍵等が設定されるため、暗号、認証を用いたデータ通信を行うことが可能となる。
【0074】
以上説明したように、本実施形態によれば、提供装置が複数の受理装置から設定情報通知プロトコルの開始要求を受信した場合も、順次設定情報通知プロトコルを実行することができる。従って、無線パラメータ設定処理のタイムアウト発生を防ぐと共に、ユーザが何度も無線パラメータ自動設定アプリケーションを起動させる手間を省くことができ、ユーザの操作性が改善される。
【0075】
また、提供装置が1台の受理装置との間で設定情報通知プロトコルを実行中にプロトコル開始要求を送信した別の受理装置は、開始要求を再送する必要がなく、提供装置からプロトコル開始メッセージが送信するのを待機すればよい。
【0076】
また、提供装置が1台の受理装置との間で設定情報通知プロトコルを実行後、他のネットワークへ移行した場合であっても、上記別の受理装置は移行後のネットワークを認識することができる。従って、移行後のネットワークにおいて、改めて設定情報通知プロトコルを実行することができる。
【0077】
<実施形態2>
実施形態2について説明する。なお、システム構成、DSCのブロック構成は実施形態1と同一であるため(図1、図2)、説明を省略する。
【0078】
提供装置であるDSC1の処理手順について、図6のフローチャートを用いて説明する。なお、第1の実施形態と同様に、DSC2が先にプロトコル開始要求を送信し、DSC3がその後にプロトコル開始要求を送信するものとして説明する。
【0079】
DSC1は、受理装置から送信されるプロトコル開始要求を待つ(F601)。DSC1は、DSC2からプロトコル開始要求を受信すると、既に他の受理装置との間で設定情報通知プロトコルを実行中であるか否かを判断する(F602)。
【0080】
他の受理装置と設定情報通知プロトコルを実行中でなければ、DSC2に対して、プロトコル開始メッセージを送信する(F617)。
【0081】
DSC1は、プロトコル開始メッセージを送信した後、設定情報通知プロトコルによりDSC2との間で各種メッセージの送受信を行うことにより、DSC2に対して無線パラメータの提供を行う(F618)。
【0082】
F602において、他の受理装置と設定情報通知プロトコルを実行中である場合(ここでの例では、DSC1がDSC2と設定情報通知プロトコルを実行中にDSC3からプロトコル開始要求を受信した場合)、F603に進む。DSC1は後からプロトコル開始要求を送信したDSC3のMAC(Media Access Control)アドレスを記憶部208に保存する(F603)。このとき、MACアドレスは記憶部208にあるリストにFIFO(First‐In First‐Out)で保存される。次にDSC1は、DSC2との間で現在実行中の設定情報通知プロトコルを終了後に、新たに設定情報通知プロトコルを行うネットワークのネットワーク情報(ESSID、周波数チャネル)を抽出すると共に、待機情報を確認する(F605)。ここで待機情報とは、設定情報通知プロトコル開始までの待機時間を受理装置が判定するための情報である。例えば、受理装置の待機台数、設定情報通知プロトコルの処理時間、提供装置の処理能力等の情報である。
【0083】
DSC1は、抽出したネットワーク情報と待機情報を付加した待機信号をDSC3に対して送信する(F606)。なお、提供装置であるDSC1側で待機時間を算出し、待機情報としてDSC3へ送信しても良い。そして、DSC1は、DSC3のMACアドレスが記憶部208のリストの先頭になるか、中止信号を受信するまで待機する(F607、F608)。
【0084】
中止信号をDSC3から受信した場合は、DSC1は記憶部208のリストからDSC3のMACアドレスを削除し(F616)、フローを終了する。
【0085】
また、DSC3のMACアドレスが記憶部208のリストの先頭になると、DSC1は、DSC2との間で現在実行中の設定情報通知プロトコルが終了するか、中止信号を受信するのを待つ(F609、F610)。
【0086】
中止信号をDSC3から受信した場合は、DSC1は記憶部208のリストからDSC3のMACアドレスを削除し(F616)、フローを終了する。
【0087】
実行中の設定情報通知プロトコルが終了した場合は、F611に進む。なお、F611からF615までの処理は、図3におけるF308からF312までの処理と同様であるため、ここでの説明を省略する。
【0088】
受理装置であるDSC2、DSC3の処理手順について、図7のフローチャートを用いて説明する。なお、前述のように、ここではDSC2が先にプロトコル開始要求を送信し、後からDSC3がプロトコル開始要求を送信するものとする。
【0089】
受理装置であるDSC2、DSC3は、プロトコル開始要求を提供装置であるDSC1に送信する(F701)。その後、DSC2、DSC3は、DSC1からプロトコル開始メッセージ、もしくは待機信号を受信するのを待つ(F702、F703)。
【0090】
プロトコル開始メッセージを受信した場合(ここではDSC2が該当する)は、DSC2はDSC1との間で設定情報通知プロトコルを開始する(FF711)。そして、DSC2は、設定情報通知プロトコルによりDSC1との間で各種メッセージの送受信を行うことにより、DSC1から無線パラメータを受理する(F712)。
【0091】
待機信号を受信した場合(ここではDSC3が該当する)、DSC3は、待機信号に付加されている待機情報を参照し、中止基準値と比較する(F704)。ここで、中止基準値とは、受理装置が無線パラメータの設定処理を中止するか否かを判断するための基準を定めた値であり、待機時間の上限値等がある。中止基準値は、装置に予め設定しておいても良いし、ユーザが設定可能な構成としてもよい。
【0092】
無線パラメータの設定処理を中止する場合(例えば、中止基準値である待機時間の上限値よりも待機時間が長いと判定した場合)は、DSC3はDSC1に対して中止信号を送信する(F713)。無線パラメータの設定処理を中止しない場合は、F706に進む。
【0093】
F706〜F712の処理については、図4のF404〜F410の処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。なお、F711において、DSC3は、待機情報に基づいて判定した待機時間を参照することにより、DSC1からプロトコル開始メッセージを受信するまでの間、省電力モードに切替えてもよい。
【0094】
図8は、DSC1、DSC2、及びDSC3の処理シーケンスを示した図である。なお、F801〜F811の処理は、図5のF501〜F511の処理と同様であるため、ここでの説明は省略する。
【0095】
DSC1は、DSC2との間で設定情報通知プロトコルを実行中にDSC3からプロトコル開始要求(F811)を受信すると、DSC3との間で設定情報通知プロトコルを実行するネットワークのネットワーク情報と、前述した待機情報を抽出する。この場合、DSC1はDSC2との間で設定情報通知プロトコルによりネットワークAの無線パラメータを提供し、プロトコル終了後にネットワークAでDSC2とデータ通信する。従って、DSC1はネットワークAのネットワーク情報を抽出する。
【0096】
そして、DSC1は抽出したネットワーク情報と待機情報を待機信号に付加し、DSC3に送信する(F812)。DSC3は待機信号を受信すると、付加されている待機情報と自装置が持つ中止基準値とを比較する。ここでは、待機情報の値が中止基準値を超えているものとする。その結果、DSC3は中止信号をDSC1に対して送信する(F813)。
【0097】
DSC1は、中止信号を受信すると、記憶部208のリストからDSC3のMACアドレスを削除し、DSC3との無線パラメータ設定処理を中止する。
【0098】
DSC1は、DSC2との設定情報通知プロトコルが終了すると、プロトコル終了メッセージをDSC2に送信する(F814)。DSC2は、プロトコル終了メッセージを受信すると、設定情報通知プロトコルにより取得した無線パラメータを用いてネットワークAに再び参加する。このとき、DSC2はDSC1と共通の暗号鍵、認証鍵等が設定されるため、暗号、認証を用いたデータ通信を行うことが可能となる。
【0099】
本実施形態によれば、実施形態1の効果に加え、設定情報通知プロトコルの開始まで長時間待たされるような場合には、受理装置が自発的に設定情報通知プロトコルの処理を中止することができる。
【0100】
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、これは本発明の説明のための例示であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、実施形態は種々に変形することが可能である。
【0101】
上述の説明では、ネットワーク情報としてESSIDと周波数チャネルを用いるものとして説明したが、必ずしもESSIDと周波数チャネル両方が必要ではなく、いずれか一方のみでも構わない。
【0102】
また、受理装置は待機情報に基づいて無線パラメータ設定処理の開始までの待機時間を判定し、中止するか否かを判定するものとして説明したが、中止するか否かの判定基準として他の基準を用いてもよい。例えば、待機台数に基づいて中止か否かの判断を行ってもよい。この場合、受理装置側で待機台数の上限値を中止基準値として予め決めておき、提供装置から待機情報として送信された待機台数が中止基準値を越えているか否かにより中止の判断をすればよい。
【0103】
上記説明では、IEEE802.11無線LANを例に説明したが、ワイヤレスUSB、Bluetooth(登録商標)、UWB(Ultra Wide Band)等の他の無線通信方式適用してもよい。また、有線LAN等の有線通信に適用することも可能である。
【0104】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0105】
この場合、記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0106】
このプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0107】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。当該プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0108】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれる。そして、当該プログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0109】
以上説明したように、上記説明では、通信パラメータの設定処理を行う通信装置が、第1の通信装置と通信パラメータの設定処理を実行する。そして、
前記通信装置は、前記第1の通信装置と前記通信パラメータの設定処理を実行中に、第2の通信装置からの通信パラメータ設定処理の開始要求を検出する。前記通信装置は、通信パラメータ設定処理の開始要求を検出した場合に、前記第1の通信装置との通信パラメータ設定処理の終了後に前記通信装置が属するネットワークのネットワーク情報を前記第2の通信装置へ送信する。これにより、前記第2の通信装置は、前記通信装置が前記第1の通信装置との間で通信パラメータの設定処理を終了後に他のネットワークに移行した場合であっても、前記通信装置の属するネットワークを認識することができる。
【0110】
また、前記第1の通信装置との通信パラメータ設定処理の終了後に前記通信装置が属するネットワークは、前記第2の通信装置と通信パラメータ設定処理を行うネットワークである。これにより、前記第2の通信装置に対してユーザが特別な操作をしなくても、前記通信装置との間で通信パラメータの設定を行うことができる。
【0111】
更にまた、前記通信装置は、前記第1の通信装置との通信パラメータ設定処理の終了後に、前記第2の通信装置に対して、通信パラメータ設定処理の開始を通知する。これにより、前記第1の通信装置との通信パラメータ設定後に引き続き前記第2の通信装置との間で通信パラメータの設定処理を行うことができる。
【0112】
また、前記通信装置は、前記第2の通信装置との通信パラメータ設定処理開始までの待機時間を判定するための情報を併せて送信する。これにより、前記第2の通信装置は、通信パラメータ設定処理を中止するか否かを判断することができる。
【0113】
また、前記ネットワーク情報は、ネットワーク識別子又は周波数チャネルを含む。
【0114】
また、通信パラメータの設定処理を行う通信装置が、他の通信装置に対して通信パラメータの設定処理の開始を要求し、要求に対する応答として、ネットワーク情報を含む信号を受信する。そして、前記通信装置は、受信した信号に含まれるネットワーク情報に基づいて、前記他の通信装置から通信パラメータの設定処理の開始が通知されるネットワークを判別する。これにより、通信パラメータ設定処理の開始を要求した際に、要求元装置が他の装置との間で通信パラメータ設定処理を実行中であっても、その後に通信パラメータ設定処理が行われるネットワークを認識することができる。
【0115】
また、前記通信装置は、受信した信号に含まれるネットワーク情報が、前記通信装置が属するネットワークのネットワーク情報と異なる場合は、前記信号に含まれるネットワーク情報により定められるネットワークに参加する。そして、参加したネットワークにおいて、通信パラメータの設定処理開始の通知の受信を待機する。これにより、参加したネットワークにおいて、通信パラメータの設定処理が行われるまで待機することができる。
【0116】
また、受信した信号には、通信パラメータ設定処理の開始までの待機時間を判定するための情報が含まれ、前記通信装置は、前記情報に基づいて、通信パラメータの設定処理を中止するか否かを判断する。これにより、待機時間に応じて、通信パラメータ設定処理を継続するか中止するかの柔軟な制御が可能となる。
【符号の説明】
【0117】
201 DSC1(DSC2、DSC3)
202 通信部
203 通信制御部
204 計時部
205 表示部
206 無線パラメータ設定処理部
207 判断部
208 記憶部
209 装置制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信パラメータの設定処理を行う通信装置の制御方法であって、
第1の通信装置と通信パラメータの設定処理を実行する設定工程と、
前記通信パラメータの設定処理を開始した第2の通信装置からの所定の信号を検出する検出工程と、
前記第2の通信装置と前記設定処理を実行可能な状態において前記第2の通信装置から所定の信号を検出した場合、前記設定処理を実行可能な状態を示す情報を、前記第1の通信装置へ送信する第1の送信工程と、
前記第2の通信装置と前記通信パラメータ設定処理を実行可能ではない状態において前記第1の通信装置からの所定の信号を検出した場合、前記第2の通信装置に通信パラメータを提供するための前記設定処理を実行するネットワークに関するネットワーク情報と前記設定処理を実行可能な状態ではないことを示す情報とを、前記第1の通信装置へ送信する第2の送信工程と、
前記設定工程により設定した通信パラメータに基づくネットワークに関するパラメータの少なくとも一部が一致するネットワークを前記第2の通信装置と形成する形成工程と、
を有することを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−59129(P2013−59129A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−284833(P2012−284833)
【出願日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【分割の表示】特願2007−230408(P2007−230408)の分割
【原出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】