通信ユニットの取付基板及び通信ユニット
【課題】様々なサイズの通信ユニットが存在していても、それら通信ユニットを簡単に取付基板に実装することができる技術を提供する。
【解決手段】マザーボード100は、第1の通信ユニット10−1と、第1の通信ユニット10−1とは実装面積が異なる第2の通信ユニット10−2とのいずれかが選択的に取り付けられる基板である。マザーボード100は、第1の通信ユニット10−1の側面に設けられたサイドスルー電極13−1が接続される半田付けパッド101と、第2の通信ユニット10−2の側面に設けられたサイドスルー電極13−2が接続される半田付けパッド102とを備える。マザーボード100の半田付けパッド103は、半田付けパッド101と半田付けパッド102とを重ね合わせた形状であり、半田付けパッド102は、半田付けパッド101の少なくとも一部を構成要素としている。
【解決手段】マザーボード100は、第1の通信ユニット10−1と、第1の通信ユニット10−1とは実装面積が異なる第2の通信ユニット10−2とのいずれかが選択的に取り付けられる基板である。マザーボード100は、第1の通信ユニット10−1の側面に設けられたサイドスルー電極13−1が接続される半田付けパッド101と、第2の通信ユニット10−2の側面に設けられたサイドスルー電極13−2が接続される半田付けパッド102とを備える。マザーボード100の半田付けパッド103は、半田付けパッド101と半田付けパッド102とを重ね合わせた形状であり、半田付けパッド102は、半田付けパッド101の少なくとも一部を構成要素としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ユニットが取り付けられる通信ユニットの取付基板、及びその取付基板に取り付けられる通信ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器間を無線により接続するために、種々の無線通信方法が開発されている。
この種の無線通信方法を使用するシステムとしては、例えば、IEEE802.11b、IEEE802.11g、ブルートゥース(登録商標;以下、「BT」と略称する。)等が知られている。
【0003】
IEEE802.11b/gは、無線LANを構築することを目的として開発された近距離無線通信方式の規格である。また、BTは、コンピュータを含む様々な機器同士を接続することを目的として開発された近距離無線通信方式の規格である。これらの規格による通信では、2.4GHz帯の周波数帯域が使用される。そして、IEEE802.11b/gでは、直接拡散方式のスペクトラム拡散技術を使用して通信を行う。また、BTでは、周波数ホッピング(Frequency Hopping)方式のスペクトラム拡散技術を使用して通信を行っている。
【0004】
一方、近年、PDA(Personal Digital Assistant)等を代表とする携帯型の情報処理機器が普及してきており、これらの機器にIEEE802.11b/gを使用する無線LANモジュールとBTモジュールとを組み込んだ機器が商品化されてきている。
この場合、無線LANモジュールは、公共的な場所等に設置されたアクセスポイントを介して種々の情報提供サービスを受けることができる。また、無線LANモジュールは、アクセスポイントを介して接続されている他の通信機器との通信を行うために、周辺に存在して無線LANモジュールを備える他の機器との間で直接通信を行うために使用される。
これに対して、BTモジュールは、そのBTモジュールが収納された情報処理機器等と、表示装置、IP電話用のヘッドセット、マウス及びキーボード等の入力機器等とを接続するために使用される。
【0005】
そして、IEEE802.11b/gを使用する無線LANモジュールとBTモジュールとは、同一の周波数帯域を使用しているので、これらを組み込んだ情報処理機器は、無線LANモジュールとBTモジュールとを同時に使用する場合、使用する周波数が重複することがないようにする必要がある。
【0006】
このため、無線LANモジュールは、アクセスポイントを介した通信を行う場合、同一の機器内に存在するBTモジュールに対して、それらの間を接続しているメタル等による配線、あるいは機器内のバスを介して、無線LANモジュールが自ら使用するチャンネルの情報を報告し、BTモジュールは、無線LANモジュールが使用するチャンネル以外のチャンネルを使用して各種の機器との間の通信を行うようにしている。
【0007】
このような技術の先行文献として、BTモジュールは、無線LANモジュールが使用する周波数帯域を確保してそのチャンネルの情報を無線LANモジュールに送信し、無線LANモジュールは、他の機器と直接通信を行う場合、BTモジュールが指定したチャンネルを使用して通信を行う無線通信方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
この技術によれば、同一の周波数帯域を使用する異なる種類の無線方式のモジュールを同一の機器に収納して使用する場合に、異なる種類の無線方式のモジュールの相互間で干渉を生じることなく、各モジュールでの無線通信をそのスループットを低下させることなく行わせることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−352820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このような通信ユニットは、その用途により、様々なサイズのものが存在している。
多機能な通信ユニットであれば、実装する電子部品も多くなるため、より大きいサイズの通信ユニットとなる。その一方で、限られた機能のみを必要とするのであれば、実装する電子部品は少なくなるため、通信ユニットのサイズは小さなものとなる。
【0011】
いずれにしても、これら通信ユニットは、最終的にはマザーボード等に実装されて完成品となるものであるが、この場合に、通信ユニットのサイズの違いにより、マザーボード側では、半田付け用のパターン(半田付けパッド)を複数通り用意しなければならないという問題がある。
【0012】
このため、従来の半田付けパッド(通信ユニットの取り付け構造)では、形状や大きさの異なる様々な通信ユニットに対して互換性がなく、各種の通信ユニット毎に、半田付けパッドが別途設計された(半田付けパッドのパターン形状を変更した)マザーボードが必要となっていた。
【0013】
そこで本発明は、様々なサイズの通信ユニットが存在していても、それら通信ユニットを簡単に取付基板に実装することができる技術の提供を課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明は、第1に通信ユニットの取付基板を提供する。本発明は、第2に通信ユニットを提供する。
【0015】
〔通信ユニットの取付基板〕
本発明の通信ユニットの取付基板には、第1の通信ユニットと、第1の通信ユニットとは実装面積が異なる第2の通信ユニットとのいずれかが選択的に実装される。
そして、この取付基板は、第1の通信ユニットの側面(例えば、回路基板の側面)に設けられた外部接続用の第1の電極端子群が接続される第1の接続端子群と、第2の通信ユニットの側面(例えば、回路基板の側面)に設けられた外部接続用の第2の電極端子群が接続される第2の接続端子群とを備える。
ここで、第2の接続端子群は、第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素としている。
【0016】
このように、本発明の通信ユニットの取付基板によれば、第1の通信ユニットを取り付ける場合には、第1の接続端子群を利用して取り付けを行うことができ、第2の通信ユニットを取り付ける場合には、第2の接続端子群を利用して取り付けを行うことができる。また、第2の接続端子群は、第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素としているため、第1の接続端子群と第2の接続端子群との間で取り付け領域が重複しており、実装面積が異なる第1及び第2の通信ユニットが存在していても、それら通信ユニットを簡単に取付基板に実装することができる。つまり、第1の接続端子群と、第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素とする第2の接続端子群とを、通信ユニットの取付基板に予め形成しておくことにより、取付基板に関しては、各接続端子群(通信ユニットの取付構造;半田付けパッド等)の設計を変更することなく、第1の通信ユニットと第2の通信ユニットとのいずれかを選択的に実装することができる。
【0017】
〔通信ユニット〕
本発明の通信ユニット(電子機器、電子回路モジュール、電子回路ユニット、高周波モジュール等)は、上述した通信ユニットの取付基板に実装される第1の通信ユニット及び第2の通信ユニットのうちいずれか一方として用いられる通信ユニットである。
【0018】
本発明の通信ユニットによれば、様々なサイズの第1及び第2の通信ユニットとした場合であっても、上述した通信ユニットの取付基板に用いることにより、取り付け作業が容易な通信ユニットとすることができる。
【0019】
本発明の通信ユニットの構成として、第1の通信ユニットは、第2の通信ユニットよりも実装面積が大きいユニットであり、第1の電極端子群は、その一部に、第2の電極端子群の一部と同一の配置であり、かつ、同一の機能を有する電極端子群を含むことが好ましい。
【0020】
本発明の通信ユニットによれば、第1の通信ユニットは、第2の通信ユニットよりも実装面積が大きいユニットであるため、その分、第1の電極端子群が配置される領域も、第2の電極端子群が配置される領域よりも大きくなる。そこで、第1の電極端子群が、その一部に、第2の電極端子群の一部と同一の配置であり、かつ、同一の機能を有する電極端子群を含むことにより、第1の電極端子群と第2の電極端子群との間に、同一配置かつ同一機能の電極端子群が存在することになる。そして、同一配置かつ同一機能の電極端子群が存在することにより、この電極端子群が接続される取付基板(マザーボード等)の接続端子群(半田付けパッド等)も、その部分に関しては同一配置かつ同一機能の接続端子群を配置することができ、その結果、取付基板についても無駄のない電極端子群の配置とすることができる。
【0021】
本発明の通信ユニットの構成として、第1及び第2の通信ユニットは、第1〜第4の側面を有する矩形のユニットであり、集合基板に複数配列された通信ユニットを個々の通信ユニットとして切断して個片化する際に生じる切断部を有し、切断部は、第1及び第2の通信ユニットの4つの側面のうち、対向して配置された第1及び第3の側面の両端部、もしくは対向して配置された第2及び第4の側面の両端部に配置されていることが好ましい。
【0022】
本発明の通信ユニットによれば、第1の通信ユニット,第2の通信ユニットともに、第1〜第4の側面を有する矩形のユニットである。その上、通信ユニットを個片化する際に生じる切断部が、第1の通信ユニット,第2の通信ユニットともに、第1及び第3の側面の両端部、もしくは第2及び第4の側面の両端部に配置される。したがって、第1の通信ユニットと第2の通信ユニットとの間で、切断部の位置が合致するようになり、各電極端子群や各接続端子群については、配置効率のよい互換性の優れた通信ユニット及び取付基板を提供することができる。
【0023】
本発明の通信ユニットの構成として、第1の通信ユニットは、無線LAN通信規格を使用する無線LANモジュール及び特定の短距離無線通信規格を使用する特定通信モジュールを含み、第2の通信ユニットは、特定通信モジュールを含むことが好ましい。
【0024】
本発明の通信ユニットによれば、より実用的な構成として、2つのモジュールを含む通信ユニットと、1つのモジュールを含む通信ユニットを選択的に実装することができる。
特に無線LAN通信規格の例としては、IEEE802.11nに準拠するものが好ましく、この場合、従来のIEEE802.11b/gで使用されていた2.4GHz帯のチャンネルを2つ使用し、より広い帯域幅を持った第2の通信帯域を有効に使用して高速通信を実現することができる。また、特定の短距離無線通信規格の例としては、BTであることが好ましく、この通信規格は、AFH(アダプティブ周波数ホッピング)により干渉を回避することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、第2の接続端子群は、第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素としているため、第1の接続端子群と第2の接続端子群との間で取り付け領域が重複しており、実装面積が異なる第1及び第2の通信ユニットが存在していても、それら通信ユニットを簡単に取付基板に実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る第1の通信ユニット10−1の全体的な構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図2】第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である(1/5)。
【図3】第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である(2/5)。
【図4】第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である(3/5)。
【図5】第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である(4/5)。
【図6】第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である(5/5)。
【図7】本発明に係る第2の通信ユニット10−2の全体的な構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図8】第2の通信ユニット10−2の製造方法について説明する図である。
【図9】第2の通信ユニット10−2の製造方法について説明する図である。
【図10】第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2の対応関係について概念的に説明する模式図である。
【図11】マザーボード及び半田付けパッドについて説明する図である。
【図12】マザーボード及び半田付けパッドについて説明する図である。
【図13】比較例の通信ユニット及び比較例のマザーボードを示す図である。
【図14】比較例の通信ユニット及び比較例のマザーボードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
〔第1の通信ユニット〕
図1は、本発明に係る第1の通信ユニット10−1の全体的な構成を概略的に示す分解斜視図である。
第1の通信ユニット10−1は、例えば高周波帯の無線通信機能(無線LANモジュール、BTモジュール)を有した高周波モジュールであり、このような通信ユニット10−1は、例えば携帯情報端末やノート型パソコン等に内蔵して設けられる。
【0028】
〔回路基板〕
第1の通信ユニット10−1は、回路基板12を有しており、回路基板12には図示しない電気回路が形成されている。このため回路基板12の実装面12a上には図示しない配線パターンが設けられている。なお、回路基板12は多層構造を有する形態であってもよく、その場合は回路基板12の内層にも配線パターンが設けられている。
【0029】
〔サイドスルー電極〕
回路基板12の4つの側面(第1〜第4の側面12−1〜12−4)には、平面視で半円状のサイドスルー電極(第1の電極端子群)13−1が複数形成されている。サイドスルー電極13−1は、図示しないマザーボード等の取付基板と電気的に接続するための端子である。具体的には、本実施形態のサイドスルー電極13−1は、銅や銀等を主成分とした導電性めっきにより構成され、回路基板12の周縁に全周に亘って形成されている。
【0030】
第1の通信ユニット10−1では、サイドスルー電極13−1は、第1及び第3の側面12−1,12−3に9個ずつ、第2及び第4の側面12−2,12−4に15個ずつ形成されている。各サイドスルー電極13−1は、回路基板12の側面から回路基板12の内側に向けて半円状に窪んで形成されている。各サイドスルー電極13−1は、クリーム半田等によって図示しないマザーボードの半田付けパッドと接合される。各サイドスルー電極13−1の機能については後述する。
【0031】
〔電子部品〕
回路基板12の実装面12a上には、2つの電子部品17,18等が搭載(実装)されている。なお、ここでは図面の煩雑化を防止するため、2つの電子部品17,18のみを示しているが、実装面12a上にはその他の必要な電子部品も実装される場合もある。その場合は各電子部品がある程度密集した状態で配置されている。また、実装されるその他の電子部品としては、例えば、集積回路をパッケージした高周波チップやFETアレイ、チップ抵抗やチップコイル、チップコンデンサ等の受動素子を挙げることができるが、その他のものであってもよい。
【0032】
本実施形態では、電子部品17は、BTモジュールであり、電子部品18は、無線LANモジュールである。これら電子部品17,18は、その外形は扁平な直方体形状をなし、それぞれ、独立して他の機器との間で通信を行うことができる。電子部品17,18は、例えばその底面に予め設けられた図示しない半田バンプ等を介して回路基板12に実装されている。
【0033】
〔スルーホール〕
回路基板12の隅位置(コーナー位置)には、4つのスルーホール16が形成されている。スルーホール16は、円筒形状の孔であり、回路基板12を厚み方向に貫通して設けられている。またスルーホール16の内壁面には、例えば導電性ペースト又は導電性めっきによる導電層(参照符号なし)が形成されている。なお導電層は、例えば図示しない電気回路のグランド(GND)に接続されている。
【0034】
〔シールドカバー〕
第1の通信ユニット10−1は、シールドカバー14を有している。このシールドカバー14は、第1の通信ユニット10−1の完成状態で回路基板12の実装面12a上の電子部品17,18(その他の電子部品を含む)を覆うように配置され、電子部品17,18を機械的及び電気的に保護する(外部からのノイズの遮断、外部への不要電波の輻射の防止)。
【0035】
シールドカバー14は、金属板をプレス加工して形成されており、その形状は図1に示される状態で下端面が全体的に開放された略半箱形をなしている。具体的には、シールドカバー14は実装面12aと対向する略四角形形状の天板14aを有するほか、天板14aの4つの辺縁にそれぞれ連なる四方の側板14bを有する。なお側板14bは、天板14aの各辺縁にて折り曲げられ、実装面12aに向けて延びている。
【0036】
〔脚部〕
またシールドカバー14には、天板14aの4隅に4つの脚部14cが形成されている。脚部14cは、天板14aの4隅から実装面12aに向けて折り曲げられ、先端に突起部を有する。なお、脚部14cは、図1では手前側の3つのみ示されているが、図1中でみて奥側の位置にもまた脚部14cが形成されている。これら脚部14cは回路基板12の四隅にそれぞれ対応して位置しており、これら脚部14cはいずれも、天板14aの4隅から回路基板12(図1では下方)に向けて突出している。図1中に一点鎖線で示されているように、シールドカバー14が回路基板12に取り付けられた状態で、4つの脚部14cはそれぞれ対応する位置のスルーホール16内に挿入されるものとなっている。
【0037】
〔通信ユニットの製造方法〕
次に、第1の通信ユニット10−1の製造方法について説明する。
〔大版の絶縁基板〕
図2〜図6は、第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である。
まず、個片化された回路基板12を形成するため、大版の絶縁基板(集合基板)20−1を用意する。このとき大版の絶縁基板20−1には、これより事前の工程において、上記の配線パターンや電極パターン等が予め形成されていてもよい(なお、各種パターン等がこの後の工程で形成されてもよい。)。
【0038】
〔貫通長孔の形成工程〕
図2に示されるように、1枚物として用意された大版の絶縁基板20−1は、例えばそこから複数の回路基板12を形成する大きさ(面積)を有している。このような大版の絶縁基板20−1に対し、個々の回路基板12として個片化される個片化領域(図中参照符号は12)を区画するべく絶縁基板20−1に対して縦方向及び横方向に格子状(筋状)の貫通長孔22,24を形成する。これら貫通長孔22,24は、いずれも絶縁基板20−1をその厚み方向に貫通(打ち抜き)加工することで形成されている。この際、合わせてスルーホール16も各個片化領域12に4箇所ずつ形成する。
【0039】
この例では、絶縁基板20−1の横方向(長手方向)に延びる2つの貫通長孔22を縦方向に等間隔をおいて5列形成している(貫通長孔22は、合計10個である)。また合わせて、これら5列の貫通長孔22の間(全部で4段)に縦方向(短辺方向)に延びる貫通長孔24を形成し、このとき各段に5本の貫通長孔24を等間隔で配置している(貫通長孔24は、合計20個である)。このとき、各貫通長孔の個片化領域12側には、サイドスルー電極13−1となるべき半円状の凹みを合わせて形成している。
【0040】
このうち横方向に延びる貫通長孔22は、絶縁基板20−1の一方の側縁部から他方の側縁部にわたる範囲内を、中央部分を除いて一続きに延びており、その両端はいずれも、絶縁基板20−1の両側縁の内側でとまっている。
【0041】
一方、縦方向に延びる貫通長孔24については、上記のように横方向に延びる貫通長孔22の間に配置された状態で複数箇所に形成されており、その1つ1つは貫通長孔22を挟んで分断された状態にある。ただし、縦方向でみて4つの貫通長孔24は一直線上に並んでおり、このように一直線上に並んだ貫通長孔24の列が絶縁基板20−1の幅方向に5本形成されている。したがって縦横の貫通長孔22,24は、全体としては格子状をなしていることになる。
【0042】
このように、大版の絶縁基板20−1に対して上記の貫通長孔22,24を形成することにより、全体として16個分の個片化領域12が区画して形成される。
【0043】
〔繋ぎ桟(切断部)〕
上記の貫通長孔22,24が形成された状態で、絶縁基板20−1内には貫通長孔24を挟んで隣接する個片化領域の間に連結領域としての繋ぎ桟26(図中一点鎖線で囲んだ部分のみ図示している)が残存している。すなわち、隣接する個片化領域12同士は、繋ぎ桟26を介して相互に連結された状態にあり、これによって大版の絶縁基板20−1が全体として未だその構造を保持している。なお、繋ぎ桟26は、縦方向でみて貫通長孔24の両外側、つまり、横方向に延びる貫通長孔22と縦方向に延びる貫通長孔24とが接近する地点に形成されることになる。
【0044】
〔めっきを施す工程〕
大版の絶縁基板20−1に対して上記の貫通長孔22,24を形成した後、次にこれら貫通長孔22,24の内面にめっき(例えば銅めっきや銀めっき)を施す。めっきを施した部分は、この後に回路基板12が個片化された際に、サイドスルー電極13−1となり各種電極として機能する。なお、ここでは図示していないが、上記のように絶縁基板20−1の上面にはその他の電極パターンやグランド電極等も形成されている。隣り合うサイドスルー電極13−1同士は、それぞれ絶縁しておく必要があるため、例えば窪みの内面にのみめっきを施すか、もしくは貫通長孔の全面にめっきを施した後に、サイドスルー電極13−1となるべき部分の回路基板12の側面を切削する等して、隣り合うサイドスルー電極13−1同士を絶縁する。
【0045】
〔電子部品を搭載する工程〕
図3に示されるように、次に個片化領域内の基板面上(個片化される予定の回路基板12の上面)にそれぞれ電子部品17,18を搭載する。電子部品17,18を搭載するための手順としては、例えば図示しないメタルマスクを用いてクリーム半田を塗布(スキージング)し、そこに電子部品17,18をマウントしてリフロー処理を行うものを挙げることができる。
【0046】
〔シールドカバーを搭載する工程〕
図4に示されるように、電子部品を搭載した後、個片化領域の基板面上(個片化される予定の回路基板12の上面)にそれぞれシールドカバー14を搭載する。シールドカバー14を搭載するための手順としては、シールドカバー14の脚部14cをスルーホール16内に圧入して半田付けするものを挙げることができる。
【0047】
〔連結領域を切断する工程〕
図5中一点鎖線で示されているように、縦方向に貫通長孔24が並んでいる一直線(スリット線)に沿って大版の絶縁基板20−1を切断加工し、図5中二点鎖線で示されているように、横方向に貫通長孔22が並んでいる一直線(スリット線)に沿って大版の絶縁基板20−1を切断加工する。これにより、上記の繋ぎ桟26(図2参照)が切断されて個片化領域(回路基板12として個片化される予定の領域)が個々に切り離される。
【0048】
図6に示されるように、上述した各工程を経て、回路基板12上に電子部品17,18(ここでは図示されていない)及びシールドカバー14が搭載された状態の第1の通信ユニット10−1が形成される。またシールドカバー14が回路基板12に設置された状態で、4つの脚部14cはそれぞれ対応する位置のスルーホール16内に挿入されている。このときスルーホール16内では、その導電層に対して脚部14cが圧着されることにより、導電層とシールドカバー14とが電気的に接続されている。シールドカバー14は、図示しない電気回路のグランド(GND)に接続されている。なお、完成した状態の第1の通信ユニット10−1のその他の構成は、図1を用いて既に説明したものと同じである。
【0049】
また、図2に示すように、繋ぎ桟26は、個片化領域(回路基板12)の対向する一対の短辺の両端位置で、かつ、個片化領域(回路基板12)の四隅の近傍位置に形成されている。このため、完成状態の第1の通信ユニット10−1(図6参照)では、繋ぎ桟26を切断した切断部12bが、第1及び第3の側面12−1,12−3に配置されることになる。
【0050】
完成した状態の第1の通信ユニット10−1は、その後、図示しないマザーボード(マザー基板)に実装されることになる。マザーボードの半田付けパッドと、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1との間の半田による接続は、クリーム半田をマザーボードの半田付けパッドに塗布して、その上に第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1を載置し、それを高熱の炉を通してリフロー処理を行うことにより実現される。そして、マザーボードに第1の通信ユニット10−1を実装することにより、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1がマザーボードからの信号線用電極や、グランド用電極として機能する。
【0051】
〔第2の通信ユニット〕
図7は、本発明に係る第2の通信ユニット10−2の全体的な構成を概略的に示す分解斜視図である。なお、以下の説明では、上述した第1の通信ユニット10−1と共通する事項については同じ符号を付与するものとし、その重複した説明を適宜省略する。
第2の通信ユニット10−2は、例えば高周波帯の無線通信機能(BTモジュール)を有した高周波モジュールであり、このような第2の通信ユニット10−2は、第1の通信ユニット10−1と同様に、例えば携帯情報端末やノート型パソコン等に内蔵して設けられる。
【0052】
第1の通信ユニット10−1と第2の通信ユニット10−2とが異なる点は、第1の通信ユニット10−1が、主な電子部品として、2つの大きな電子部品17,18(BTモジュール,無線LANモジュール)を搭載していたのに対して、第2の通信ユニット10−2は、電子部品17(BTモジュール)のみを搭載している点である。なお、その他必要な電子部品は、適宜搭載していてもよい。
【0053】
このように、第2の通信ユニット10−2では、搭載している電子部品17が1つに減った分、第2の通信ユニット10−2のサイズは小さくなり、第2の通信ユニット10−2は、第1の通信ユニット10−1よりも実装面積(底面積)が小さいものとなっている。
【0054】
第2の通信ユニット10−2では、サイドスルー電極(第2の電極端子群)13−2は、第1及び第3の側面12−1,12−3に9個ずつ、第2及び第4の側面12−2,12−4に8個ずつ形成されている。
【0055】
〔通信ユニットの製造方法〕
次に、第2の通信ユニット10−2の製造方法について説明する。
図8及び図9は、第2の通信ユニット10−2の製造方法について説明する図である。
第2の通信ユニット10−2の製造方法は、基本的には、第1の通信ユニット10−1の製造方法と同様であるため、異なる部分を重点的に説明する。
【0056】
〔大版の絶縁基板〕
この例では、絶縁基板20−2の横方向に延びる4つの貫通長孔22を縦方向に等間隔をおいて6列形成している(合計24個)。また合わせて、これら6列の貫通長孔22の間(全部で5段)に縦方向に延びる貫通長孔24を形成し、このとき各段に5本の貫通長孔24を等間隔で配置している。このとき、各貫通長孔の個片化領域12側には、サイドスルー電極13−2となるべき凹みを合わせて形成している。縦横の貫通長孔22,24は、全体としては格子状をなしている。
【0057】
このように、大版の絶縁基板20−2に対して上記の貫通長孔22,24を形成することにより、全体として20個分の個片化領域(回路基板12となるべき予定の領域)が区画して形成される。
【0058】
〔繋ぎ桟(切断部)〕
上記の貫通長孔22,24が形成された状態で、絶縁基板20−2内には貫通長孔24を挟んで隣接する個片化領域の間に連結領域としての繋ぎ桟26(図中一点鎖線で囲んだ部分のみ図示している)が残存している。すなわち、隣接する個片化領域12同士は、繋ぎ桟26を介して相互に連結された状態にあり、これによって大版の絶縁基板20−2が全体として未だその構造を保持している。なお、繋ぎ桟26は、横方向でみて貫通長孔22の両外側、つまり、横方向に延びる貫通長孔22と縦方向に延びる貫通長孔24とが接近する地点に形成されることになる。
【0059】
そして、絶縁基板20−2を用いて、上述した図3〜図5の工程と同様の工程を経ることにより、図9に示す完成品の第2の通信ユニット10−2が完成する。ただし、第2の通信ユニット10−2では、回路基板12上に電子部品17のみを実装する。
第2の通信ユニット10−2は、回路基板12上に電子部品17(ここでは図示されていない)及びシールドカバー14が搭載された状態の通信ユニットであり、シールドカバー14が回路基板12に設置された状態で、4つの脚部14cはそれぞれ対応する位置のスルーホール16内に挿入されている。
【0060】
また、図8に示すように、繋ぎ桟26は、個片化領域(回路基板12)の対向する一対の短辺の両端位置で、かつ、個片化領域(回路基板12)の四隅の近傍位置に形成されている。このため、完成状態の第2の通信ユニット10−2(図9参照)では、繋ぎ桟26を切断した切断部12bが、第1及び第3の側面12−1,12−3に配置されることになる。
【0061】
次に、第1の通信ユニット10−1及び第2の通信ユニット10−2の対応関係について説明する。
図10は、第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2の対応関係について概念的に説明する模式図である。
〔サイドスルー電極の対応関係〕
図示の例では、第1の通信ユニット10−1に第2の通信ユニット10−2を重ねて図示してある。
共通端子P1,固有端子P2及び固有端子P3は、サイドスルー電極13の個々の電極として機能する。
【0062】
共通端子P1は、第1の通信ユニット10−1及び第2の通信ユニット10−2で共通している端子である。第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2は、ともにBTモジュールを搭載しているため、これら共通端子P1は、BTモジュールとしての電子部品17に接続され、例えばBT用の信号線やグランド端子からなる。
【0063】
固有端子P2は、第1の通信ユニット10−1専用の端子であり、第1の通信ユニット10−1が無線LANモジュールを搭載しているため、無線LANモジュールとしての電子部品18に接続され、例えば無線LANモジュール用の信号線やグランド端子からなる。
【0064】
固有端子P3は、第2の通信ユニット10−2専用の端子であり、第2の通信ユニット10−2がBTモジュールを搭載しているため、BTモジュールとしての電子部品17に接続され、例えばBT用の信号線やグランド端子からなる。なお、参照符号のない端子は、不使用の端子かグランド端子である。
【0065】
このように、第1の通信ユニット10−1は、第2の通信ユニット10−2よりも実装面積が大きいユニットであり、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1(共通端子P1及び固有端子P2)は、その一部に、第2の通信ユニット10−2のサイドスルー電極13−2(共通端子P1及び固有端子P3)の一部と同一の配置であり、かつ、同一の機能を有するサイドスルー電極(共通端子P1)を含む。本実施形態では、第1の通信ユニット10−1と第2の通信ユニット10−2との間で、共通端子P1が共通の端子として使用される。
【0066】
〔切断部の対応関係〕
図10中、二点鎖線の円で示した部分は、繋ぎ桟26(図2及び図8参照)が切断された部分である。
このように、第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2は、第1〜第4の側面12−1〜12−4を有する矩形のユニットであり、大判の絶縁基板20,20−2集合基板に複数配列された通信ユニットを個々の通信ユニットとして切断して個片化する際に生じる切断部12b(繋ぎ桟26を切断した部分)を有する。
この切断部12bは、第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2の4つの側面12−1〜12−4のうち、対向して配置された第1及び第3の側面12−1,12−3の両端部に配置されており、第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2においては、共通箇所に配置されている。
【0067】
次に、第1の通信ユニット10−1及び第2の通信ユニット10−2を実装するマザーボード(取付基板)100について説明する。
図11及び図12は、マザーボード及び半田付けパッドについて説明する図である。
図11(A)に示されるように、第1の通信ユニット10−1は、9×15(縦に9個の凹み、横に15個の凹み)のサイドスルー電極13−1を有する。
したがって、第1の通信ユニット10−1を実装する場合、マザーボード100には、図11(B)に示されるように、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1に対応した9×15の半田付けパッド(第1の接続端子群)101が必要となる。
【0068】
一方、図11(C)に示されるように、第2の通信ユニット10−2は、9×8(縦に9個の凹み、横に8個の凹み)のサイドスルー電極13−2を有する。
したがって、第2の通信ユニット10−2を実装する場合、マザーボード100には、図11(D)に示されるように、第2の通信ユニット10−2のサイドスルー電極13−2に対応した9×8の半田付けパッド(第2の接続端子群)102が必要となる。
このように、大きさの異なる通信ユニットのいずれかを実装する場合に、マザーボード100の半田付けパッドをその都度設計し直していたら手間となる。
【0069】
そこで、本実施形態では、図12に示される半田付けパッド103を有するマザーボード100としている。
すなわち、本実施形態のマザーボード100では、半田付けパッド101と半田付けパッド102とを重ね合わせた半田付けパッド103としており、半田付けパッド102は、半田付けパッド101の少なくとも一部(図中では、半田付けパッド101の左辺、及び上辺・下辺の一部)を構成要素としている。
半田付けパッド103は、その外側は、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1に対応して、9×15の半田付けパッド101となっているが、その内側部分には、第2の通信ユニット10−2のサイドスルー電極13−2に対応して、9×8の半田付けパッド102ともなっている。
【0070】
このように、本実施形態のマザーボード100によれば、第1の通信ユニット10−1を取り付ける場合には、半田付けパッド101を利用して取り付けを行うことができ、第2の通信ユニット10−2を取り付ける場合には、半田付けパッド102を利用して取り付けを行うことができる。また、半田付けパッド102は、半田付けパッド101の少なくとも一部を構成要素としているため、半田付けパッド101と半田付けパッド102との間で取り付け領域が重複しており、大きさの異なる第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2であっても、それら通信ユニットを簡単にマザーボード100に実装することができる。したがって、半田付けパッド101と、半田付けパッド102とを含む半田付けパッド103をマザーボード100に予め形成しておくことにより、通信ユニットの取付基板の設計を変更することなく、第1の通信ユニット10−1と第2の通信ユニット10−2とのいずれかを選択的に実装することができる。
【0071】
〔比較例〕
図13及び図14は、比較例の通信ユニット及び比較例のマザーボードを示す図である。
図13(A)に示されるように、比較例の第1の通信ユニット10A−1は、12×12(縦に12個の凹み、横に12個の凹み)のサイドスルー電極13A−1を有する。
したがって、第1の通信ユニット10A−1を実装する場合、マザーボード100Aには、図13(B)に示されるように、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13A−1に対応した12×12の半田付けパッド101Aが必要となる。
【0072】
一方、図13(C)に示されるように、第2の通信ユニット10A−2は、9×9(縦に9個の凹み、横に9個の凹み)のサイドスルー電極13A−2を有する。
したがって、第2の通信ユニット10A−2を実装する場合、マザーボード100Aには、図13(D)に示されるように、第2の通信ユニット10A−2のサイドスルー電極13A−2に対応した9×9の半田付けパッド102Aが必要となる。
【0073】
また、比較例の通信ユニットの場合、第1の通信ユニット10A−1は、図中上側面及び下側面に切断部12bが存在しており、第2の通信ユニット10A−2は、図中左側面及び右側面に切断部12bが存在している。
このため、図14に示されるように、第1及び第2の通信ユニット10A−1,10A−2の両者に対応する半田付けパッド103Aを形成しようとしても、半田付けパッド101Aと半田付けパッド102Aとが正確に重ならず、その位置がずれた半田付けパッド103Aとなってしまう。
【0074】
これに対して、本実施形態の第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2によれば、第1の通信ユニット10−1,第2の通信ユニット10−2ともに、切断部12bが、第1及び第3の側面12−1,12−3の両端部に配置されるので、第1の通信ユニット10−1と第2の通信ユニット10−2との間で、切断部12bの位置が合致するようになり、マザーボード100に配置する半田付けパッド103も配置効率のよい互換性の優れたものとすることができる。
【0075】
また、本実施形態の第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2によれば、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1が、その一部に、第2の通信ユニット10−2のサイドスルー電極13−2の一部と同一の配置であり、かつ、同一の機能を有するサイドスルー電極を含むことにより(共通端子P1;BTモジュールの機能端子部分)、サイドスルー電極13−1とサイドスルー電極13−2との間に、同一配置かつ同一機能の電極端子群が存在することになる。そして、同一配置かつ同一機能の電極端子群が存在することにより、この電極端子群に接続されるマザーボード100の半田付けパッド103も、その部分に関しては同一配置かつ同一機能の半田付けパッドを配置することができ、その結果、無駄のない半田付けパッド103の構成とすることができる。
【0076】
本発明は、上述した一実施形態に制約されることなく、各種の変形や置換を伴って実施することができる。また、一実施形態で挙げた電子機器の構成はいずれも好ましい例示であり、これらを適宜変形して実施可能であることはいうまでもない。
【0077】
上述した実施形態では、マザーボード100には、2つの通信ユニットを選択的に実装する例で説明したが、3つ以上の通信ユニットを選択的に実装するようにしてもよい。この場合、3つ以上の通信ユニットに対応した半田付けパッドを重ねて配置することにより実現可能である。
【0078】
切断部12bは、第1の通信ユニット10−1,第2の通信ユニット10−2ともに、第1及び第3の側面12−1,12−3の両端部に配置する例で説明したが、第1の通信ユニット10−1,第2の通信ユニット10−2ともに、第2及び第4の側面12−2,12−4の両端部に配置してもよい。このような配置でも、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0079】
上述した実施形態では、サイドスルー電極(13−1,13−2)に関しては、逆コの字状の3側辺部分(第1の側辺12−1,第2の側辺12−2及び第4の側辺12−4)が同一の端子である例で説明したが、例えば2辺(第1の側辺12−1と第2の側辺、又は、第1の側辺12−1と第4の側辺12−4)が同一の端子であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
10−1 第1の通信ユニット
10−2 第2の通信ユニット
12 回路基板
12a 実装面
12b 切断部
13−1,13−2 サイドスルー電極
14 シールドカバー
14a 天板
14b 側板
14c 脚部
16 スルーホール
17,18 電子部品
100 マザーボード
101〜103 半田付けパッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信ユニットが取り付けられる通信ユニットの取付基板、及びその取付基板に取り付けられる通信ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子機器間を無線により接続するために、種々の無線通信方法が開発されている。
この種の無線通信方法を使用するシステムとしては、例えば、IEEE802.11b、IEEE802.11g、ブルートゥース(登録商標;以下、「BT」と略称する。)等が知られている。
【0003】
IEEE802.11b/gは、無線LANを構築することを目的として開発された近距離無線通信方式の規格である。また、BTは、コンピュータを含む様々な機器同士を接続することを目的として開発された近距離無線通信方式の規格である。これらの規格による通信では、2.4GHz帯の周波数帯域が使用される。そして、IEEE802.11b/gでは、直接拡散方式のスペクトラム拡散技術を使用して通信を行う。また、BTでは、周波数ホッピング(Frequency Hopping)方式のスペクトラム拡散技術を使用して通信を行っている。
【0004】
一方、近年、PDA(Personal Digital Assistant)等を代表とする携帯型の情報処理機器が普及してきており、これらの機器にIEEE802.11b/gを使用する無線LANモジュールとBTモジュールとを組み込んだ機器が商品化されてきている。
この場合、無線LANモジュールは、公共的な場所等に設置されたアクセスポイントを介して種々の情報提供サービスを受けることができる。また、無線LANモジュールは、アクセスポイントを介して接続されている他の通信機器との通信を行うために、周辺に存在して無線LANモジュールを備える他の機器との間で直接通信を行うために使用される。
これに対して、BTモジュールは、そのBTモジュールが収納された情報処理機器等と、表示装置、IP電話用のヘッドセット、マウス及びキーボード等の入力機器等とを接続するために使用される。
【0005】
そして、IEEE802.11b/gを使用する無線LANモジュールとBTモジュールとは、同一の周波数帯域を使用しているので、これらを組み込んだ情報処理機器は、無線LANモジュールとBTモジュールとを同時に使用する場合、使用する周波数が重複することがないようにする必要がある。
【0006】
このため、無線LANモジュールは、アクセスポイントを介した通信を行う場合、同一の機器内に存在するBTモジュールに対して、それらの間を接続しているメタル等による配線、あるいは機器内のバスを介して、無線LANモジュールが自ら使用するチャンネルの情報を報告し、BTモジュールは、無線LANモジュールが使用するチャンネル以外のチャンネルを使用して各種の機器との間の通信を行うようにしている。
【0007】
このような技術の先行文献として、BTモジュールは、無線LANモジュールが使用する周波数帯域を確保してそのチャンネルの情報を無線LANモジュールに送信し、無線LANモジュールは、他の機器と直接通信を行う場合、BTモジュールが指定したチャンネルを使用して通信を行う無線通信方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
この技術によれば、同一の周波数帯域を使用する異なる種類の無線方式のモジュールを同一の機器に収納して使用する場合に、異なる種類の無線方式のモジュールの相互間で干渉を生じることなく、各モジュールでの無線通信をそのスループットを低下させることなく行わせることができると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−352820号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、このような通信ユニットは、その用途により、様々なサイズのものが存在している。
多機能な通信ユニットであれば、実装する電子部品も多くなるため、より大きいサイズの通信ユニットとなる。その一方で、限られた機能のみを必要とするのであれば、実装する電子部品は少なくなるため、通信ユニットのサイズは小さなものとなる。
【0011】
いずれにしても、これら通信ユニットは、最終的にはマザーボード等に実装されて完成品となるものであるが、この場合に、通信ユニットのサイズの違いにより、マザーボード側では、半田付け用のパターン(半田付けパッド)を複数通り用意しなければならないという問題がある。
【0012】
このため、従来の半田付けパッド(通信ユニットの取り付け構造)では、形状や大きさの異なる様々な通信ユニットに対して互換性がなく、各種の通信ユニット毎に、半田付けパッドが別途設計された(半田付けパッドのパターン形状を変更した)マザーボードが必要となっていた。
【0013】
そこで本発明は、様々なサイズの通信ユニットが存在していても、それら通信ユニットを簡単に取付基板に実装することができる技術の提供を課題としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するため、本発明は、第1に通信ユニットの取付基板を提供する。本発明は、第2に通信ユニットを提供する。
【0015】
〔通信ユニットの取付基板〕
本発明の通信ユニットの取付基板には、第1の通信ユニットと、第1の通信ユニットとは実装面積が異なる第2の通信ユニットとのいずれかが選択的に実装される。
そして、この取付基板は、第1の通信ユニットの側面(例えば、回路基板の側面)に設けられた外部接続用の第1の電極端子群が接続される第1の接続端子群と、第2の通信ユニットの側面(例えば、回路基板の側面)に設けられた外部接続用の第2の電極端子群が接続される第2の接続端子群とを備える。
ここで、第2の接続端子群は、第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素としている。
【0016】
このように、本発明の通信ユニットの取付基板によれば、第1の通信ユニットを取り付ける場合には、第1の接続端子群を利用して取り付けを行うことができ、第2の通信ユニットを取り付ける場合には、第2の接続端子群を利用して取り付けを行うことができる。また、第2の接続端子群は、第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素としているため、第1の接続端子群と第2の接続端子群との間で取り付け領域が重複しており、実装面積が異なる第1及び第2の通信ユニットが存在していても、それら通信ユニットを簡単に取付基板に実装することができる。つまり、第1の接続端子群と、第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素とする第2の接続端子群とを、通信ユニットの取付基板に予め形成しておくことにより、取付基板に関しては、各接続端子群(通信ユニットの取付構造;半田付けパッド等)の設計を変更することなく、第1の通信ユニットと第2の通信ユニットとのいずれかを選択的に実装することができる。
【0017】
〔通信ユニット〕
本発明の通信ユニット(電子機器、電子回路モジュール、電子回路ユニット、高周波モジュール等)は、上述した通信ユニットの取付基板に実装される第1の通信ユニット及び第2の通信ユニットのうちいずれか一方として用いられる通信ユニットである。
【0018】
本発明の通信ユニットによれば、様々なサイズの第1及び第2の通信ユニットとした場合であっても、上述した通信ユニットの取付基板に用いることにより、取り付け作業が容易な通信ユニットとすることができる。
【0019】
本発明の通信ユニットの構成として、第1の通信ユニットは、第2の通信ユニットよりも実装面積が大きいユニットであり、第1の電極端子群は、その一部に、第2の電極端子群の一部と同一の配置であり、かつ、同一の機能を有する電極端子群を含むことが好ましい。
【0020】
本発明の通信ユニットによれば、第1の通信ユニットは、第2の通信ユニットよりも実装面積が大きいユニットであるため、その分、第1の電極端子群が配置される領域も、第2の電極端子群が配置される領域よりも大きくなる。そこで、第1の電極端子群が、その一部に、第2の電極端子群の一部と同一の配置であり、かつ、同一の機能を有する電極端子群を含むことにより、第1の電極端子群と第2の電極端子群との間に、同一配置かつ同一機能の電極端子群が存在することになる。そして、同一配置かつ同一機能の電極端子群が存在することにより、この電極端子群が接続される取付基板(マザーボード等)の接続端子群(半田付けパッド等)も、その部分に関しては同一配置かつ同一機能の接続端子群を配置することができ、その結果、取付基板についても無駄のない電極端子群の配置とすることができる。
【0021】
本発明の通信ユニットの構成として、第1及び第2の通信ユニットは、第1〜第4の側面を有する矩形のユニットであり、集合基板に複数配列された通信ユニットを個々の通信ユニットとして切断して個片化する際に生じる切断部を有し、切断部は、第1及び第2の通信ユニットの4つの側面のうち、対向して配置された第1及び第3の側面の両端部、もしくは対向して配置された第2及び第4の側面の両端部に配置されていることが好ましい。
【0022】
本発明の通信ユニットによれば、第1の通信ユニット,第2の通信ユニットともに、第1〜第4の側面を有する矩形のユニットである。その上、通信ユニットを個片化する際に生じる切断部が、第1の通信ユニット,第2の通信ユニットともに、第1及び第3の側面の両端部、もしくは第2及び第4の側面の両端部に配置される。したがって、第1の通信ユニットと第2の通信ユニットとの間で、切断部の位置が合致するようになり、各電極端子群や各接続端子群については、配置効率のよい互換性の優れた通信ユニット及び取付基板を提供することができる。
【0023】
本発明の通信ユニットの構成として、第1の通信ユニットは、無線LAN通信規格を使用する無線LANモジュール及び特定の短距離無線通信規格を使用する特定通信モジュールを含み、第2の通信ユニットは、特定通信モジュールを含むことが好ましい。
【0024】
本発明の通信ユニットによれば、より実用的な構成として、2つのモジュールを含む通信ユニットと、1つのモジュールを含む通信ユニットを選択的に実装することができる。
特に無線LAN通信規格の例としては、IEEE802.11nに準拠するものが好ましく、この場合、従来のIEEE802.11b/gで使用されていた2.4GHz帯のチャンネルを2つ使用し、より広い帯域幅を持った第2の通信帯域を有効に使用して高速通信を実現することができる。また、特定の短距離無線通信規格の例としては、BTであることが好ましく、この通信規格は、AFH(アダプティブ周波数ホッピング)により干渉を回避することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、第2の接続端子群は、第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素としているため、第1の接続端子群と第2の接続端子群との間で取り付け領域が重複しており、実装面積が異なる第1及び第2の通信ユニットが存在していても、それら通信ユニットを簡単に取付基板に実装することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明に係る第1の通信ユニット10−1の全体的な構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図2】第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である(1/5)。
【図3】第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である(2/5)。
【図4】第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である(3/5)。
【図5】第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である(4/5)。
【図6】第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である(5/5)。
【図7】本発明に係る第2の通信ユニット10−2の全体的な構成を概略的に示す分解斜視図である。
【図8】第2の通信ユニット10−2の製造方法について説明する図である。
【図9】第2の通信ユニット10−2の製造方法について説明する図である。
【図10】第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2の対応関係について概念的に説明する模式図である。
【図11】マザーボード及び半田付けパッドについて説明する図である。
【図12】マザーボード及び半田付けパッドについて説明する図である。
【図13】比較例の通信ユニット及び比較例のマザーボードを示す図である。
【図14】比較例の通信ユニット及び比較例のマザーボードを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
〔第1の通信ユニット〕
図1は、本発明に係る第1の通信ユニット10−1の全体的な構成を概略的に示す分解斜視図である。
第1の通信ユニット10−1は、例えば高周波帯の無線通信機能(無線LANモジュール、BTモジュール)を有した高周波モジュールであり、このような通信ユニット10−1は、例えば携帯情報端末やノート型パソコン等に内蔵して設けられる。
【0028】
〔回路基板〕
第1の通信ユニット10−1は、回路基板12を有しており、回路基板12には図示しない電気回路が形成されている。このため回路基板12の実装面12a上には図示しない配線パターンが設けられている。なお、回路基板12は多層構造を有する形態であってもよく、その場合は回路基板12の内層にも配線パターンが設けられている。
【0029】
〔サイドスルー電極〕
回路基板12の4つの側面(第1〜第4の側面12−1〜12−4)には、平面視で半円状のサイドスルー電極(第1の電極端子群)13−1が複数形成されている。サイドスルー電極13−1は、図示しないマザーボード等の取付基板と電気的に接続するための端子である。具体的には、本実施形態のサイドスルー電極13−1は、銅や銀等を主成分とした導電性めっきにより構成され、回路基板12の周縁に全周に亘って形成されている。
【0030】
第1の通信ユニット10−1では、サイドスルー電極13−1は、第1及び第3の側面12−1,12−3に9個ずつ、第2及び第4の側面12−2,12−4に15個ずつ形成されている。各サイドスルー電極13−1は、回路基板12の側面から回路基板12の内側に向けて半円状に窪んで形成されている。各サイドスルー電極13−1は、クリーム半田等によって図示しないマザーボードの半田付けパッドと接合される。各サイドスルー電極13−1の機能については後述する。
【0031】
〔電子部品〕
回路基板12の実装面12a上には、2つの電子部品17,18等が搭載(実装)されている。なお、ここでは図面の煩雑化を防止するため、2つの電子部品17,18のみを示しているが、実装面12a上にはその他の必要な電子部品も実装される場合もある。その場合は各電子部品がある程度密集した状態で配置されている。また、実装されるその他の電子部品としては、例えば、集積回路をパッケージした高周波チップやFETアレイ、チップ抵抗やチップコイル、チップコンデンサ等の受動素子を挙げることができるが、その他のものであってもよい。
【0032】
本実施形態では、電子部品17は、BTモジュールであり、電子部品18は、無線LANモジュールである。これら電子部品17,18は、その外形は扁平な直方体形状をなし、それぞれ、独立して他の機器との間で通信を行うことができる。電子部品17,18は、例えばその底面に予め設けられた図示しない半田バンプ等を介して回路基板12に実装されている。
【0033】
〔スルーホール〕
回路基板12の隅位置(コーナー位置)には、4つのスルーホール16が形成されている。スルーホール16は、円筒形状の孔であり、回路基板12を厚み方向に貫通して設けられている。またスルーホール16の内壁面には、例えば導電性ペースト又は導電性めっきによる導電層(参照符号なし)が形成されている。なお導電層は、例えば図示しない電気回路のグランド(GND)に接続されている。
【0034】
〔シールドカバー〕
第1の通信ユニット10−1は、シールドカバー14を有している。このシールドカバー14は、第1の通信ユニット10−1の完成状態で回路基板12の実装面12a上の電子部品17,18(その他の電子部品を含む)を覆うように配置され、電子部品17,18を機械的及び電気的に保護する(外部からのノイズの遮断、外部への不要電波の輻射の防止)。
【0035】
シールドカバー14は、金属板をプレス加工して形成されており、その形状は図1に示される状態で下端面が全体的に開放された略半箱形をなしている。具体的には、シールドカバー14は実装面12aと対向する略四角形形状の天板14aを有するほか、天板14aの4つの辺縁にそれぞれ連なる四方の側板14bを有する。なお側板14bは、天板14aの各辺縁にて折り曲げられ、実装面12aに向けて延びている。
【0036】
〔脚部〕
またシールドカバー14には、天板14aの4隅に4つの脚部14cが形成されている。脚部14cは、天板14aの4隅から実装面12aに向けて折り曲げられ、先端に突起部を有する。なお、脚部14cは、図1では手前側の3つのみ示されているが、図1中でみて奥側の位置にもまた脚部14cが形成されている。これら脚部14cは回路基板12の四隅にそれぞれ対応して位置しており、これら脚部14cはいずれも、天板14aの4隅から回路基板12(図1では下方)に向けて突出している。図1中に一点鎖線で示されているように、シールドカバー14が回路基板12に取り付けられた状態で、4つの脚部14cはそれぞれ対応する位置のスルーホール16内に挿入されるものとなっている。
【0037】
〔通信ユニットの製造方法〕
次に、第1の通信ユニット10−1の製造方法について説明する。
〔大版の絶縁基板〕
図2〜図6は、第1の通信ユニット10−1の製造方法の工程を順番に示した連続図である。
まず、個片化された回路基板12を形成するため、大版の絶縁基板(集合基板)20−1を用意する。このとき大版の絶縁基板20−1には、これより事前の工程において、上記の配線パターンや電極パターン等が予め形成されていてもよい(なお、各種パターン等がこの後の工程で形成されてもよい。)。
【0038】
〔貫通長孔の形成工程〕
図2に示されるように、1枚物として用意された大版の絶縁基板20−1は、例えばそこから複数の回路基板12を形成する大きさ(面積)を有している。このような大版の絶縁基板20−1に対し、個々の回路基板12として個片化される個片化領域(図中参照符号は12)を区画するべく絶縁基板20−1に対して縦方向及び横方向に格子状(筋状)の貫通長孔22,24を形成する。これら貫通長孔22,24は、いずれも絶縁基板20−1をその厚み方向に貫通(打ち抜き)加工することで形成されている。この際、合わせてスルーホール16も各個片化領域12に4箇所ずつ形成する。
【0039】
この例では、絶縁基板20−1の横方向(長手方向)に延びる2つの貫通長孔22を縦方向に等間隔をおいて5列形成している(貫通長孔22は、合計10個である)。また合わせて、これら5列の貫通長孔22の間(全部で4段)に縦方向(短辺方向)に延びる貫通長孔24を形成し、このとき各段に5本の貫通長孔24を等間隔で配置している(貫通長孔24は、合計20個である)。このとき、各貫通長孔の個片化領域12側には、サイドスルー電極13−1となるべき半円状の凹みを合わせて形成している。
【0040】
このうち横方向に延びる貫通長孔22は、絶縁基板20−1の一方の側縁部から他方の側縁部にわたる範囲内を、中央部分を除いて一続きに延びており、その両端はいずれも、絶縁基板20−1の両側縁の内側でとまっている。
【0041】
一方、縦方向に延びる貫通長孔24については、上記のように横方向に延びる貫通長孔22の間に配置された状態で複数箇所に形成されており、その1つ1つは貫通長孔22を挟んで分断された状態にある。ただし、縦方向でみて4つの貫通長孔24は一直線上に並んでおり、このように一直線上に並んだ貫通長孔24の列が絶縁基板20−1の幅方向に5本形成されている。したがって縦横の貫通長孔22,24は、全体としては格子状をなしていることになる。
【0042】
このように、大版の絶縁基板20−1に対して上記の貫通長孔22,24を形成することにより、全体として16個分の個片化領域12が区画して形成される。
【0043】
〔繋ぎ桟(切断部)〕
上記の貫通長孔22,24が形成された状態で、絶縁基板20−1内には貫通長孔24を挟んで隣接する個片化領域の間に連結領域としての繋ぎ桟26(図中一点鎖線で囲んだ部分のみ図示している)が残存している。すなわち、隣接する個片化領域12同士は、繋ぎ桟26を介して相互に連結された状態にあり、これによって大版の絶縁基板20−1が全体として未だその構造を保持している。なお、繋ぎ桟26は、縦方向でみて貫通長孔24の両外側、つまり、横方向に延びる貫通長孔22と縦方向に延びる貫通長孔24とが接近する地点に形成されることになる。
【0044】
〔めっきを施す工程〕
大版の絶縁基板20−1に対して上記の貫通長孔22,24を形成した後、次にこれら貫通長孔22,24の内面にめっき(例えば銅めっきや銀めっき)を施す。めっきを施した部分は、この後に回路基板12が個片化された際に、サイドスルー電極13−1となり各種電極として機能する。なお、ここでは図示していないが、上記のように絶縁基板20−1の上面にはその他の電極パターンやグランド電極等も形成されている。隣り合うサイドスルー電極13−1同士は、それぞれ絶縁しておく必要があるため、例えば窪みの内面にのみめっきを施すか、もしくは貫通長孔の全面にめっきを施した後に、サイドスルー電極13−1となるべき部分の回路基板12の側面を切削する等して、隣り合うサイドスルー電極13−1同士を絶縁する。
【0045】
〔電子部品を搭載する工程〕
図3に示されるように、次に個片化領域内の基板面上(個片化される予定の回路基板12の上面)にそれぞれ電子部品17,18を搭載する。電子部品17,18を搭載するための手順としては、例えば図示しないメタルマスクを用いてクリーム半田を塗布(スキージング)し、そこに電子部品17,18をマウントしてリフロー処理を行うものを挙げることができる。
【0046】
〔シールドカバーを搭載する工程〕
図4に示されるように、電子部品を搭載した後、個片化領域の基板面上(個片化される予定の回路基板12の上面)にそれぞれシールドカバー14を搭載する。シールドカバー14を搭載するための手順としては、シールドカバー14の脚部14cをスルーホール16内に圧入して半田付けするものを挙げることができる。
【0047】
〔連結領域を切断する工程〕
図5中一点鎖線で示されているように、縦方向に貫通長孔24が並んでいる一直線(スリット線)に沿って大版の絶縁基板20−1を切断加工し、図5中二点鎖線で示されているように、横方向に貫通長孔22が並んでいる一直線(スリット線)に沿って大版の絶縁基板20−1を切断加工する。これにより、上記の繋ぎ桟26(図2参照)が切断されて個片化領域(回路基板12として個片化される予定の領域)が個々に切り離される。
【0048】
図6に示されるように、上述した各工程を経て、回路基板12上に電子部品17,18(ここでは図示されていない)及びシールドカバー14が搭載された状態の第1の通信ユニット10−1が形成される。またシールドカバー14が回路基板12に設置された状態で、4つの脚部14cはそれぞれ対応する位置のスルーホール16内に挿入されている。このときスルーホール16内では、その導電層に対して脚部14cが圧着されることにより、導電層とシールドカバー14とが電気的に接続されている。シールドカバー14は、図示しない電気回路のグランド(GND)に接続されている。なお、完成した状態の第1の通信ユニット10−1のその他の構成は、図1を用いて既に説明したものと同じである。
【0049】
また、図2に示すように、繋ぎ桟26は、個片化領域(回路基板12)の対向する一対の短辺の両端位置で、かつ、個片化領域(回路基板12)の四隅の近傍位置に形成されている。このため、完成状態の第1の通信ユニット10−1(図6参照)では、繋ぎ桟26を切断した切断部12bが、第1及び第3の側面12−1,12−3に配置されることになる。
【0050】
完成した状態の第1の通信ユニット10−1は、その後、図示しないマザーボード(マザー基板)に実装されることになる。マザーボードの半田付けパッドと、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1との間の半田による接続は、クリーム半田をマザーボードの半田付けパッドに塗布して、その上に第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1を載置し、それを高熱の炉を通してリフロー処理を行うことにより実現される。そして、マザーボードに第1の通信ユニット10−1を実装することにより、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1がマザーボードからの信号線用電極や、グランド用電極として機能する。
【0051】
〔第2の通信ユニット〕
図7は、本発明に係る第2の通信ユニット10−2の全体的な構成を概略的に示す分解斜視図である。なお、以下の説明では、上述した第1の通信ユニット10−1と共通する事項については同じ符号を付与するものとし、その重複した説明を適宜省略する。
第2の通信ユニット10−2は、例えば高周波帯の無線通信機能(BTモジュール)を有した高周波モジュールであり、このような第2の通信ユニット10−2は、第1の通信ユニット10−1と同様に、例えば携帯情報端末やノート型パソコン等に内蔵して設けられる。
【0052】
第1の通信ユニット10−1と第2の通信ユニット10−2とが異なる点は、第1の通信ユニット10−1が、主な電子部品として、2つの大きな電子部品17,18(BTモジュール,無線LANモジュール)を搭載していたのに対して、第2の通信ユニット10−2は、電子部品17(BTモジュール)のみを搭載している点である。なお、その他必要な電子部品は、適宜搭載していてもよい。
【0053】
このように、第2の通信ユニット10−2では、搭載している電子部品17が1つに減った分、第2の通信ユニット10−2のサイズは小さくなり、第2の通信ユニット10−2は、第1の通信ユニット10−1よりも実装面積(底面積)が小さいものとなっている。
【0054】
第2の通信ユニット10−2では、サイドスルー電極(第2の電極端子群)13−2は、第1及び第3の側面12−1,12−3に9個ずつ、第2及び第4の側面12−2,12−4に8個ずつ形成されている。
【0055】
〔通信ユニットの製造方法〕
次に、第2の通信ユニット10−2の製造方法について説明する。
図8及び図9は、第2の通信ユニット10−2の製造方法について説明する図である。
第2の通信ユニット10−2の製造方法は、基本的には、第1の通信ユニット10−1の製造方法と同様であるため、異なる部分を重点的に説明する。
【0056】
〔大版の絶縁基板〕
この例では、絶縁基板20−2の横方向に延びる4つの貫通長孔22を縦方向に等間隔をおいて6列形成している(合計24個)。また合わせて、これら6列の貫通長孔22の間(全部で5段)に縦方向に延びる貫通長孔24を形成し、このとき各段に5本の貫通長孔24を等間隔で配置している。このとき、各貫通長孔の個片化領域12側には、サイドスルー電極13−2となるべき凹みを合わせて形成している。縦横の貫通長孔22,24は、全体としては格子状をなしている。
【0057】
このように、大版の絶縁基板20−2に対して上記の貫通長孔22,24を形成することにより、全体として20個分の個片化領域(回路基板12となるべき予定の領域)が区画して形成される。
【0058】
〔繋ぎ桟(切断部)〕
上記の貫通長孔22,24が形成された状態で、絶縁基板20−2内には貫通長孔24を挟んで隣接する個片化領域の間に連結領域としての繋ぎ桟26(図中一点鎖線で囲んだ部分のみ図示している)が残存している。すなわち、隣接する個片化領域12同士は、繋ぎ桟26を介して相互に連結された状態にあり、これによって大版の絶縁基板20−2が全体として未だその構造を保持している。なお、繋ぎ桟26は、横方向でみて貫通長孔22の両外側、つまり、横方向に延びる貫通長孔22と縦方向に延びる貫通長孔24とが接近する地点に形成されることになる。
【0059】
そして、絶縁基板20−2を用いて、上述した図3〜図5の工程と同様の工程を経ることにより、図9に示す完成品の第2の通信ユニット10−2が完成する。ただし、第2の通信ユニット10−2では、回路基板12上に電子部品17のみを実装する。
第2の通信ユニット10−2は、回路基板12上に電子部品17(ここでは図示されていない)及びシールドカバー14が搭載された状態の通信ユニットであり、シールドカバー14が回路基板12に設置された状態で、4つの脚部14cはそれぞれ対応する位置のスルーホール16内に挿入されている。
【0060】
また、図8に示すように、繋ぎ桟26は、個片化領域(回路基板12)の対向する一対の短辺の両端位置で、かつ、個片化領域(回路基板12)の四隅の近傍位置に形成されている。このため、完成状態の第2の通信ユニット10−2(図9参照)では、繋ぎ桟26を切断した切断部12bが、第1及び第3の側面12−1,12−3に配置されることになる。
【0061】
次に、第1の通信ユニット10−1及び第2の通信ユニット10−2の対応関係について説明する。
図10は、第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2の対応関係について概念的に説明する模式図である。
〔サイドスルー電極の対応関係〕
図示の例では、第1の通信ユニット10−1に第2の通信ユニット10−2を重ねて図示してある。
共通端子P1,固有端子P2及び固有端子P3は、サイドスルー電極13の個々の電極として機能する。
【0062】
共通端子P1は、第1の通信ユニット10−1及び第2の通信ユニット10−2で共通している端子である。第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2は、ともにBTモジュールを搭載しているため、これら共通端子P1は、BTモジュールとしての電子部品17に接続され、例えばBT用の信号線やグランド端子からなる。
【0063】
固有端子P2は、第1の通信ユニット10−1専用の端子であり、第1の通信ユニット10−1が無線LANモジュールを搭載しているため、無線LANモジュールとしての電子部品18に接続され、例えば無線LANモジュール用の信号線やグランド端子からなる。
【0064】
固有端子P3は、第2の通信ユニット10−2専用の端子であり、第2の通信ユニット10−2がBTモジュールを搭載しているため、BTモジュールとしての電子部品17に接続され、例えばBT用の信号線やグランド端子からなる。なお、参照符号のない端子は、不使用の端子かグランド端子である。
【0065】
このように、第1の通信ユニット10−1は、第2の通信ユニット10−2よりも実装面積が大きいユニットであり、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1(共通端子P1及び固有端子P2)は、その一部に、第2の通信ユニット10−2のサイドスルー電極13−2(共通端子P1及び固有端子P3)の一部と同一の配置であり、かつ、同一の機能を有するサイドスルー電極(共通端子P1)を含む。本実施形態では、第1の通信ユニット10−1と第2の通信ユニット10−2との間で、共通端子P1が共通の端子として使用される。
【0066】
〔切断部の対応関係〕
図10中、二点鎖線の円で示した部分は、繋ぎ桟26(図2及び図8参照)が切断された部分である。
このように、第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2は、第1〜第4の側面12−1〜12−4を有する矩形のユニットであり、大判の絶縁基板20,20−2集合基板に複数配列された通信ユニットを個々の通信ユニットとして切断して個片化する際に生じる切断部12b(繋ぎ桟26を切断した部分)を有する。
この切断部12bは、第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2の4つの側面12−1〜12−4のうち、対向して配置された第1及び第3の側面12−1,12−3の両端部に配置されており、第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2においては、共通箇所に配置されている。
【0067】
次に、第1の通信ユニット10−1及び第2の通信ユニット10−2を実装するマザーボード(取付基板)100について説明する。
図11及び図12は、マザーボード及び半田付けパッドについて説明する図である。
図11(A)に示されるように、第1の通信ユニット10−1は、9×15(縦に9個の凹み、横に15個の凹み)のサイドスルー電極13−1を有する。
したがって、第1の通信ユニット10−1を実装する場合、マザーボード100には、図11(B)に示されるように、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1に対応した9×15の半田付けパッド(第1の接続端子群)101が必要となる。
【0068】
一方、図11(C)に示されるように、第2の通信ユニット10−2は、9×8(縦に9個の凹み、横に8個の凹み)のサイドスルー電極13−2を有する。
したがって、第2の通信ユニット10−2を実装する場合、マザーボード100には、図11(D)に示されるように、第2の通信ユニット10−2のサイドスルー電極13−2に対応した9×8の半田付けパッド(第2の接続端子群)102が必要となる。
このように、大きさの異なる通信ユニットのいずれかを実装する場合に、マザーボード100の半田付けパッドをその都度設計し直していたら手間となる。
【0069】
そこで、本実施形態では、図12に示される半田付けパッド103を有するマザーボード100としている。
すなわち、本実施形態のマザーボード100では、半田付けパッド101と半田付けパッド102とを重ね合わせた半田付けパッド103としており、半田付けパッド102は、半田付けパッド101の少なくとも一部(図中では、半田付けパッド101の左辺、及び上辺・下辺の一部)を構成要素としている。
半田付けパッド103は、その外側は、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1に対応して、9×15の半田付けパッド101となっているが、その内側部分には、第2の通信ユニット10−2のサイドスルー電極13−2に対応して、9×8の半田付けパッド102ともなっている。
【0070】
このように、本実施形態のマザーボード100によれば、第1の通信ユニット10−1を取り付ける場合には、半田付けパッド101を利用して取り付けを行うことができ、第2の通信ユニット10−2を取り付ける場合には、半田付けパッド102を利用して取り付けを行うことができる。また、半田付けパッド102は、半田付けパッド101の少なくとも一部を構成要素としているため、半田付けパッド101と半田付けパッド102との間で取り付け領域が重複しており、大きさの異なる第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2であっても、それら通信ユニットを簡単にマザーボード100に実装することができる。したがって、半田付けパッド101と、半田付けパッド102とを含む半田付けパッド103をマザーボード100に予め形成しておくことにより、通信ユニットの取付基板の設計を変更することなく、第1の通信ユニット10−1と第2の通信ユニット10−2とのいずれかを選択的に実装することができる。
【0071】
〔比較例〕
図13及び図14は、比較例の通信ユニット及び比較例のマザーボードを示す図である。
図13(A)に示されるように、比較例の第1の通信ユニット10A−1は、12×12(縦に12個の凹み、横に12個の凹み)のサイドスルー電極13A−1を有する。
したがって、第1の通信ユニット10A−1を実装する場合、マザーボード100Aには、図13(B)に示されるように、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13A−1に対応した12×12の半田付けパッド101Aが必要となる。
【0072】
一方、図13(C)に示されるように、第2の通信ユニット10A−2は、9×9(縦に9個の凹み、横に9個の凹み)のサイドスルー電極13A−2を有する。
したがって、第2の通信ユニット10A−2を実装する場合、マザーボード100Aには、図13(D)に示されるように、第2の通信ユニット10A−2のサイドスルー電極13A−2に対応した9×9の半田付けパッド102Aが必要となる。
【0073】
また、比較例の通信ユニットの場合、第1の通信ユニット10A−1は、図中上側面及び下側面に切断部12bが存在しており、第2の通信ユニット10A−2は、図中左側面及び右側面に切断部12bが存在している。
このため、図14に示されるように、第1及び第2の通信ユニット10A−1,10A−2の両者に対応する半田付けパッド103Aを形成しようとしても、半田付けパッド101Aと半田付けパッド102Aとが正確に重ならず、その位置がずれた半田付けパッド103Aとなってしまう。
【0074】
これに対して、本実施形態の第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2によれば、第1の通信ユニット10−1,第2の通信ユニット10−2ともに、切断部12bが、第1及び第3の側面12−1,12−3の両端部に配置されるので、第1の通信ユニット10−1と第2の通信ユニット10−2との間で、切断部12bの位置が合致するようになり、マザーボード100に配置する半田付けパッド103も配置効率のよい互換性の優れたものとすることができる。
【0075】
また、本実施形態の第1及び第2の通信ユニット10−1,10−2によれば、第1の通信ユニット10−1のサイドスルー電極13−1が、その一部に、第2の通信ユニット10−2のサイドスルー電極13−2の一部と同一の配置であり、かつ、同一の機能を有するサイドスルー電極を含むことにより(共通端子P1;BTモジュールの機能端子部分)、サイドスルー電極13−1とサイドスルー電極13−2との間に、同一配置かつ同一機能の電極端子群が存在することになる。そして、同一配置かつ同一機能の電極端子群が存在することにより、この電極端子群に接続されるマザーボード100の半田付けパッド103も、その部分に関しては同一配置かつ同一機能の半田付けパッドを配置することができ、その結果、無駄のない半田付けパッド103の構成とすることができる。
【0076】
本発明は、上述した一実施形態に制約されることなく、各種の変形や置換を伴って実施することができる。また、一実施形態で挙げた電子機器の構成はいずれも好ましい例示であり、これらを適宜変形して実施可能であることはいうまでもない。
【0077】
上述した実施形態では、マザーボード100には、2つの通信ユニットを選択的に実装する例で説明したが、3つ以上の通信ユニットを選択的に実装するようにしてもよい。この場合、3つ以上の通信ユニットに対応した半田付けパッドを重ねて配置することにより実現可能である。
【0078】
切断部12bは、第1の通信ユニット10−1,第2の通信ユニット10−2ともに、第1及び第3の側面12−1,12−3の両端部に配置する例で説明したが、第1の通信ユニット10−1,第2の通信ユニット10−2ともに、第2及び第4の側面12−2,12−4の両端部に配置してもよい。このような配置でも、上述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0079】
上述した実施形態では、サイドスルー電極(13−1,13−2)に関しては、逆コの字状の3側辺部分(第1の側辺12−1,第2の側辺12−2及び第4の側辺12−4)が同一の端子である例で説明したが、例えば2辺(第1の側辺12−1と第2の側辺、又は、第1の側辺12−1と第4の側辺12−4)が同一の端子であってもよい。
【符号の説明】
【0080】
10−1 第1の通信ユニット
10−2 第2の通信ユニット
12 回路基板
12a 実装面
12b 切断部
13−1,13−2 サイドスルー電極
14 シールドカバー
14a 天板
14b 側板
14c 脚部
16 スルーホール
17,18 電子部品
100 マザーボード
101〜103 半田付けパッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第1の電極端子群が接続される第1の接続端子群と、
前記第1の通信ユニットとは実装面積が異なる第2の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第2の電極端子群が接続される接続端子群であって、前記第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素とする第2の接続端子群と
を備える通信ユニットの取付基板。
【請求項2】
第1の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第1の電極端子群が接続される第1の接続端子群と、
前記第1の通信ユニットとは実装面積が異なる第2の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第2の電極端子群が接続される接続端子群であって、前記第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素とする第2の接続端子群と
を備える通信ユニットの取付基板に実装される前記第1の通信ユニットとして用いられる通信ユニット。
【請求項3】
第1の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第1の電極端子群が接続される第1の接続端子群と、
前記第1の通信ユニットとは実装面積が異なる第2の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第2の電極端子群が接続される接続端子群であって、前記第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素とする第2の接続端子群と
を備える通信ユニットの取付基板に実装される前記第2の通信ユニットとして用いられる通信ユニット。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の通信ユニットにおいて、
前記第1の通信ユニットは、
前記第2の通信ユニットよりも実装面積が大きいユニットであり、
前記第1の電極端子群は、
その一部に、前記第2の電極端子群の一部と同一の配置であり、かつ、同一の機能を有する電極端子群を含むことを特徴とする通信ユニット。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載の通信ユニットにおいて、
前記第1及び第2の通信ユニットは、
第1〜第4の側面を有する矩形のユニットであり、集合基板に複数配列された通信ユニットを個々の通信ユニットとして切断して個片化する際に生じる切断部を有し、
前記切断部は、
前記第1及び第2の通信ユニットの4つの側面のうち、対向して配置された前記第1及び第3の側面の両端部、もしくは対向して配置された前記第2及び第4の側面の両端部に配置されていることを特徴とする通信ユニット。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載の通信ユニットにおいて、
前記第1の通信ユニットは、
無線LAN通信規格を使用する無線LANモジュール及び特定の短距離無線通信規格を使用する特定通信モジュールを含み、
前記第2の通信ユニットは、
前記特定通信モジュールを含むことを特徴とする通信ユニット。
【請求項1】
第1の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第1の電極端子群が接続される第1の接続端子群と、
前記第1の通信ユニットとは実装面積が異なる第2の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第2の電極端子群が接続される接続端子群であって、前記第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素とする第2の接続端子群と
を備える通信ユニットの取付基板。
【請求項2】
第1の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第1の電極端子群が接続される第1の接続端子群と、
前記第1の通信ユニットとは実装面積が異なる第2の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第2の電極端子群が接続される接続端子群であって、前記第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素とする第2の接続端子群と
を備える通信ユニットの取付基板に実装される前記第1の通信ユニットとして用いられる通信ユニット。
【請求項3】
第1の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第1の電極端子群が接続される第1の接続端子群と、
前記第1の通信ユニットとは実装面積が異なる第2の通信ユニットの側面に設けられた外部接続用の第2の電極端子群が接続される接続端子群であって、前記第1の接続端子群の少なくとも一部を構成要素とする第2の接続端子群と
を備える通信ユニットの取付基板に実装される前記第2の通信ユニットとして用いられる通信ユニット。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の通信ユニットにおいて、
前記第1の通信ユニットは、
前記第2の通信ユニットよりも実装面積が大きいユニットであり、
前記第1の電極端子群は、
その一部に、前記第2の電極端子群の一部と同一の配置であり、かつ、同一の機能を有する電極端子群を含むことを特徴とする通信ユニット。
【請求項5】
請求項2から4のいずれかに記載の通信ユニットにおいて、
前記第1及び第2の通信ユニットは、
第1〜第4の側面を有する矩形のユニットであり、集合基板に複数配列された通信ユニットを個々の通信ユニットとして切断して個片化する際に生じる切断部を有し、
前記切断部は、
前記第1及び第2の通信ユニットの4つの側面のうち、対向して配置された前記第1及び第3の側面の両端部、もしくは対向して配置された前記第2及び第4の側面の両端部に配置されていることを特徴とする通信ユニット。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載の通信ユニットにおいて、
前記第1の通信ユニットは、
無線LAN通信規格を使用する無線LANモジュール及び特定の短距離無線通信規格を使用する特定通信モジュールを含み、
前記第2の通信ユニットは、
前記特定通信モジュールを含むことを特徴とする通信ユニット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−54379(P2012−54379A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−195411(P2010−195411)
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月1日(2010.9.1)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
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