通信制御装置、通信制御装置の通信制御方法、制御プログラム、および、記録媒体
【課題】複数の通信網による通信を制御する通信制御装置において、アドレスの管理、利用を容易にする。
【解決手段】複数の通信網を介して、自装置に接続する1以上の構内通信装置が外部通信装置と通信するための通信制御を行う通信制御装置において、第一通信網を介して構内通信装置と外部通信装置との間で通信が確立している間に、構内通信装置から外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、第二通信網における送信対象データの送信先を示す送信先情報を、第一通信網を介して外部通信装置から取得するアドレス交換部106と、アドレス交換部106により取得された送信先情報に基づいて送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成部104とを備えていることを特徴としている。
【解決手段】複数の通信網を介して、自装置に接続する1以上の構内通信装置が外部通信装置と通信するための通信制御を行う通信制御装置において、第一通信網を介して構内通信装置と外部通信装置との間で通信が確立している間に、構内通信装置から外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、第二通信網における送信対象データの送信先を示す送信先情報を、第一通信網を介して外部通信装置から取得するアドレス交換部106と、アドレス交換部106により取得された送信先情報に基づいて送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成部104とを備えていることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の通信網に接続して通信制御を行う通信制御装置、通信制御装置の通信制御方法、制御プログラム、および、記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴い、これまで専用の回線網を利用して実現していた電話などの通信サービスを、インターネットで代替しようという動きが広まっている。こうした動きの背景には、回線網を構成する専用交換機に比べ、インターネットで利用されるルータの価格の圧倒的な安さがある。
【0003】
しかしながら、インターネットを介して通話を行うには、通信の帯域をブラウザによるウェブ閲覧や動画のストリーミング視聴等の他のアプリケーションと共有する必要があるため、ネットワーク通信状態によっては必要な音声品質を保つことができないという課題がある。
【0004】
このような課題に対して、主に通信事業者によって、IMS(IP Multimedia Subsystem)などの仕組みを用いて実現されるNGN(next generation network;次世代ネットワーク)と呼ばれる通信網が提案されている。次世代ネットワークでは、各アプリケーションに応じた帯域を割り当てることができるため、例えば通話に対して優先的に帯域を割り当てる、などの制御が可能である。また、ネットワーク上の二つの通信装置間で必要な通信セッションを確立するプロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)の導入により、通話だけではなく、複数のユーザで動画や静止画を共有するなどの高品質の通信サービスをユーザに提供することができる。さらに、各通信装置には、従来の電話番号に相当する、各通信装置(各ユーザ)を一意に識別できる識別子としてのSIPアドレスが付与されるため、ユーザ認証・アクセス制限・課金などに必要なセキュリティを保つことが容易である。
【0005】
例えば、音声通話と、動画や静止画を共有するためのデータ通信との連携を実現するシステムとして、特許文献1の通信システムが挙げられる。
【0006】
このような優れた特長を持つNGN網ではあるが、現時点では、インターネットなどの公衆網としてではなく、主に、閉域網として利用されている。そのため、ユーザが必要なサービス(例えば、検索、ブログ、動画共有、SNS(Social Network Service)など)をインターネットと同様にすぐにユーザに提供していくことは難しい。したがって、現状では、たとえNGNの優位性を十分理解していたとしても、インターネットの代替網として、完全にNGN網に乗り換えることは現実的ではない。
【0007】
以上のことから、両方の通信網の特長をそれぞれ活かして、両方の通信網を利用できることが望ましい。
【特許文献1】特開2005−277681(2005年10月6日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、複数の通信網を利用する環境下では、網の数だけアドレスを管理しておく必要がある。例えば、NGN網とインターネット網に接続するゲートウェイ(通信制御装置)においては、NGN網のIPアドレスおよびインターネット網のIPアドレスを両方管理しておき、ユーザに宛先を入力させたりすることになる。このため、通信制御装置において、管理や通信制御の処理が複雑になるという問題がある。また、ユーザにとっても、利用する通信網に応じてIPアドレスを使い分ける必要があり、両方のアドレスを混同したり、操作が煩雑になったりするなど、利便性が低下するという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の通信網による通信を制御する通信制御装置において、アドレスの管理、利用を容易にする通信制御装置、通信制御装置の通信制御方法、制御プログラム、および、記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の通信制御装置は、上記課題を解決するために、複数の通信網を介して、自装置に接続する1以上の構内通信装置が外部通信装置と通信するための通信制御を行う通信制御装置において、上記複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得手段と、上記送信先情報取得手段により取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、第一通信網にて通信相手の外部通信装置と通信中に、第二通信網にて別のデータ(送信対象データ)を上記外部通信装置に送信するとき、まず、送信先情報取得手段は、上記送信対象データの送信先についての情報(送信先情報)を、第一通信網による通信が確立している上記外部通信装置から、第一通信網を介して取得する。ここで取得される送信先情報は、第二通信網での通信に用いられる送信先情報である。次に、送信メッセージ作成手段は、上記送信先情報取得手段が取得した上記送信先情報に基づいて、送信対象データの送信先を設定する。これにより、上記送信対象データは、設定された送信先情報にしたがって、第二通信網を介して送信先に送信される。
【0012】
以上のとおり、本発明の通信制御装置は、外部通信装置と第一通信網を介して通信しているときに、当該第一通信網を介して上記外部通信装置の第二通信網における送信先情報を取得することができる。したがって、通信制御装置は、通信相手の外部通信装置について、第一通信網における送信先情報を把握しておくだけでも、上記外部通信装置の第二通信網における送信先情報を入手して、第二通信網を介して上記外部通信装置に送信対象データを送信することができる。
【0013】
以上のことから、上記構内通信装置が上記外部通信装置と複数の通信網を介して通信を行う場合でも、1つの通信網について送信先情報を管理しておくだけで、他の通信網における通信を行うことも可能となる。また、ユーザにとっても、利用する通信網ごとに送信先情報を選びなおしたり、入力したりする必要がなくなるので、利便性が向上する。
【0014】
本発明の通信制御装置の上記送信先情報取得手段は、上記第二通信網での通信に用いられる上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを、上記送信先情報として取得するアドレス取得手段を含み、上記送信メッセージ作成手段は、上記アドレス取得手段により取得された上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを上記送信対象データの送信先として設定することが好ましい。
【0015】
これにより、外部通信装置について、第一通信網におけるアドレスを管理しておくだけで、第二通信網における外部通信装置のアドレスを管理しなくとも、第二通信網を介して上記外部通信装置と通信することが可能となる。よって、通信相手のアドレス管理を通信網ごとに行う必要がなくなり、アドレスの管理が容易になる。
【0016】
本発明の通信制御装置の上記アドレス取得手段は、自装置の第二通信網用アドレスを、上記第一通信網を介して上記外部通信装置に送信することにより、上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを要求し、取得するアドレス交換手段であってもよい。
【0017】
これにより、通信相手の外部通信装置は、当該通信制御装置の第二通信網用アドレスを該通信制御装置から受信することによって、該通信制御装置が、自分の、つまり、外部通信装置の第二通信網用アドレスを要求しているということを理解することができるとともに、外部通信装置も、当該通信制御装置の第二通信網用アドレスを知ることができる。
【0018】
よって、通信相手の外部通信装置においても、第一通信網におけるアドレスを管理するだけでよくなり、アドレスの管理が容易になる。
【0019】
本発明の通信制御装置は、送信対象データを上記外部通信装置に送信するよう要求する要求メッセージを、上記構内通信装置から構内通信網を介して受信する構内通信部と、上記要求メッセージを解析して、該要求メッセージに含まれる送信対象データを取得する要求解析手段を備えていてもよい。
【0020】
上記構成によれば、通信制御装置は、構内通信網を介して1以上の構内通信装置と接続されており、構内通信部は、上記構内通信装置から要求メッセージを受信する。この要求メッセージは、構内通信装置が通信制御装置に対して、送信対象データを上記外部通信装置に送信するよう要求するためのメッセージである。
【0021】
そして、要求解析手段は、受信された要求メッセージを解析する。具体的には、要求解析手段は、上記要求メッセージに含まれる送信対象データを取得する。
【0022】
これにより、上記構内通信装置は、第一通信網にて通信中の相手(外部通信装置)に対して、任意の送信対象データを本発明の通信制御装置を介して第二通信網にて送信することが可能となる。このとき、第二通信網でのアドレスを管理したり、また、ユーザが第二通信網でのアドレスを入力したりする必要はない。よって、アドレスの管理を容易にし、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0023】
本発明の通信制御装置は、さらに、上記送信対象データおよび該送信対象データを受信する外部通信装置の少なくとも一方に基づいて、上記送信対象データの送信に利用する通信網を選択する通信網選択手段を備えていてもよい。
【0024】
上記構成によれば、通信網選択手段は、送信対象データを考慮して、該送信対象データの受取り手の外部通信装置を考慮して、または、その両方を考慮して、該送信対象データを送信するのに利用する通信網を選択する。
【0025】
これにより、複数の通信網のうちのいずれかを介して送信対象データを送信する際、通信制御装置は、その送信対象データおよび/または送信対象データの受取り手にふさわしい通信網を利用して送信対象データが送信されるように通信制御することができる。
【0026】
本発明の通信制御装置の上記送信先情報取得手段は、上記通信網選択手段が上記第二通信網を選択した場合に、上記第二通信網における上記送信先情報を上記外部通信装置から取得することが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、送信対象データを外部通信装置に送信するとき、通信網選択手段が、第二通信網を利用することが適切であると判断した場合に、送信先情報取得手段が外部通信装置の第二通信網における送信先情報を取得する。
【0028】
これにより、必要な状況に応じて適切なタイミングで、通信相手の第二通信網における送信先情報を取得することが可能となる。したがって、複数の通信網ごとに通信相手の送信先情報(アドレス)などを長期に保存する必要がなくなり、管理が容易になる。
【0029】
上記第一通信網は特定の装置のみが利用できる閉域通信網であり、上記第二通信網は利用者を制限しない公衆通信網であって、上記通信網選択手段は、上記送信対象データが、機密文書であることを示す情報を含んでいない場合に、該送信対象データを送信する通信網として、上記第二通信網を選択することが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、上記通信網選択手段は、上記送信対象データが機密文書である場合には、利用中の第一通信網つまり閉域通信網を、送信対象データの送信に利用する通信網として選択する。一方、上記送信対象データが機密文書でない場合には、当該送信対象データを第二通信網つまり公衆通信網を介して送信することを決定する。
【0031】
その後、上記送信先情報取得手段が、第二通信網における送信先情報を取得する。そして、送信メッセージ作成手段が、上記送信先情報を送信先に設定する。
【0032】
これにより、安全性の確保が特段必要ない送信対象データについては、公衆通信網である第二通信網を介して送信することが可能となる。このとき、通信制御装置が、上記外部通信装置の第二通信網上の送信先情報を知らなくとも、送信先情報取得手段が、第二通信網における送信先情報を取得するので、送信対象データを第二通信網を介して送信することが可能である。
【0033】
さらに、上記第一通信網は音声通話が優先されるNGN(next generation network)であり、上記第二通信網はインターネットであって、上記通信網選択手段は、上記送信対象データが画像または動画である場合に、該送信対象データを送信する通信網として、上記第二通信網を選択することが好ましい。
【0034】
上記構成によれば、通信制御装置が外部通信装置とNGNを介して通話中の際、画像または動画を上記外部通信装置に送信する場合には、通信網選択手段は、該画像または動画を送信するのに利用する通信網として、NGNではなく、インターネットを選択する。
【0035】
そして、上記送信先情報取得手段は、上記外部通信装置のインターネットでの送信先情報を取得する。最後に、送信メッセージ作成手段は、上記画像または動画の送信先を上記インターネットでの送信先情報に設定して、送信メッセージを作成する。
【0036】
これにより、送信対象データとしての画像または動画は、音声通話が優先されるNGNを避けて、インターネットを介して外部通信網に送信される。
【0037】
結果として、送信対象データのデータ形式に応じてふさわしい通信網が選択され、滞りなく送信対象データを、第一通信網で通信中の相手に送信することができるので、ユーザの利便性が向上する。このとき、どの通信網が選択されても、ユーザは、通信網ごとに宛先を指定したり入力したりする必要がないので、さらに、利便性が向上する。
【0038】
また、通常、動画または画像などの送信対象データは、データサイズが大きいため、その分通信料が高くなる。したがって、動画または画像を送信するときに、通信料のより安価なインターネットが選択されれば、通信料を安く抑えることができるというメリットも生まれる。
【0039】
さらに、本発明の通信制御装置においては、第二通信網(インターネット)が選択された場合には、ユーザが、インターネット用のIPアドレスを呼び出す操作を行ったりするのではなく、現在利用中のNGNの通話機能に付随して提供される電話帳の機能などによって、簡易に通話相手を指定し、その相手のインターネット用のIPアドレスを入手し、容易に送信先に設定することができる。
【0040】
したがって、アドレス管理が容易であり、ユーザにとって利便性の高い通信制御装置を実現することが可能となる。
【0041】
あるいは、上記第一通信網は特定の装置のみが利用できる閉域通信網であり、上記第二通信網は利用者を制限しない公衆通信網であって、上記送信先情報取得手段は、上記外部通信装置に対して暗号鍵を要求することにより、上記送信先情報とともに上記暗号鍵を、上記第一通信網を介して取得し、上記送信メッセージ作成手段は、上記送信先情報取得手段により取得された暗号鍵を用いて暗号化された送信対象データを、上記外部通信装置に送信する送信メッセージを作成してもよい。
【0042】
上記構成によれば、閉域通信網にて外部通信装置と通信中の通信制御装置において、送信対象データを第二通信網(公衆通信網)を介して外部通信装置に送信するとき、送信先情報取得手段は、上記送信先情報とともに暗号鍵を上記外部通信装置から取得する。上記送信メッセージ作成手段は、上記暗号鍵によって暗号化された送信対象データの送信先に、第二通信網(公衆通信網)での送信先情報を設定する。
【0043】
これにより、上記送信対象データを送信する通信網として、第二通信網(公衆通信網)が選択された場合であっても、上記送信対象データの安全性を確保することが可能である。
【0044】
なお、上記暗号鍵は、閉域通信網としての第一通信網を介して安全にやりとりされるので、共有鍵を暗号鍵として用いることが可能である。
【0045】
本発明の通信制御装置の上記送信先情報取得手段は、上記送信対象データを蓄積して上記外部通信装置に配信するサーバの第二通信網用アドレスを、上記送信先情報として取得するサーバアドレス取得手段を含み、上記送信メッセージ作成手段は、上記サーバアドレス取得手段により取得された上記サーバの第二通信網用アドレスを上記送信対象データの送信先として設定することができる。
【0046】
上記構成によれば、第一通信網を介して、上記構内通信装置(および通信制御装置)と上記外部通信装置とが通信中である場合に、上記構内通信装置が送信対象データを、第二通信網を介して上記外部通信装置に送信するとき、送信先情報取得手段であるサーバアドレス取得手段は、サーバの第二通信網用アドレスを上記送信先情報として取得する。ここで、サーバとは、送り手がアップロードした送信対象データを蓄積して、該送信対象データを受け手に配信するものである。
【0047】
つまり、送信対象データは、第二通信網上でサーバを介して、送り手の構内通信装置(通信制御装置)から、受け手の外部通信装置に送信されることになる。
【0048】
以上のように、サーバを介して送信対象データを送信する構成にすることで、さらに以下のメリットが生まれる。例えば、写真共有サービス(Flickr(登録商標)など)を利用する場合に、送信者と、受信者以外の第三者ともそのまま画像を共有することが容易になる。また、利用する写真共有サービスに画像編集機能がある場合は、サーバにアップされた画像を編集することが容易になる。さらに、送信者が共有したい画像(送信対象データ)を送信する時に、受け手側の受信ストレージの容量が無くても、送り手の構内通信装置(および通信制御装置)は送信を完了させることができる。
【0049】
上記サーバアドレス取得手段は、上記送信先情報として、上記サーバの第二通信網用アドレスとともに上記サーバにアクセスするための認証情報を取得することが好ましい。
【0050】
これにより、サーバにアクセスできる装置を制限することができるので、より安全に送信対象データをやりとりすることが可能となる。
【0051】
本発明の通信制御方法は、上記課題を解決するために、複数の通信網を介して、当該通信制御装置に接続する1以上の構内通信装置が外部通信装置と通信するための通信制御を行う通信制御装置の通信制御方法であって、上記複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得ステップと、上記送信先情報取得ステップにより取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成ステップとを含むことを特徴としている。
【0052】
上記方法によれば、通信制御装置において、外部通信装置と第一通信網を介して通信しているときに、当該第一通信網を介して上記外部通信装置の第二通信網における送信先情報を取得することができる。したがって、通信制御装置は、通信相手の外部通信装置について、第一通信網における送信先情報を把握しておくだけでも、上記外部通信装置の第二通信網における送信先情報を入手して、第二通信網を介して上記外部通信装置に送信対象データを送信することができる。
【0053】
以上のことから、上記構内通信装置が上記外部通信装置と複数の通信網を介して通信を行う場合でも、1つの通信網について送信先情報を管理しておくだけで、他の通信網における通信を行うことも可能となる。また、ユーザにとっても、利用する通信網ごとに送信先情報を選びなおしたり、入力したりする必要がなくなるので、利便性が向上する。
【0054】
なお、上記通信制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記通信制御装置をコンピュータにて実現させる通信制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0055】
本発明の通信制御装置は、複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得手段と、上記送信先情報取得手段により取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成手段とを備えていることを特徴としている。
【0056】
本発明の通信制御方法は、複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得ステップと、上記送信先情報取得ステップにより取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成ステップとを含むことを特徴としている。
【0057】
したがって、複数の通信網による通信を制御する通信制御装置において、アドレスの管理、利用を容易になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
《実施形態1》
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態では、一例として、本発明の通信システムを、データ交換システムに適用した場合について説明する。
【0059】
データ交換システムは、ここでは、宅内に設置される複数の通信装置が、別宅の複数の通信装置と通信することにより、複数の通信、すなわち、音声通話およびデータ通信の連携を実現するシステムである。
【0060】
本実施形態のデータ交換システムは、IMSにより実現されており、IP(Internet Protocol)をベースとしたパケット通信により、音声データ、音楽データ、画像データ、動画データ、文書データなどさまざまなメディアデータの交換を行っている。また、データ交換システム上で実行される複数の通信の方法については特定しないが、例えば、SIPを用い、図示しない呼セッション制御機能を有するSIPサーバを介したり、あるいは、HTTPなどのデータ通信用のプロトコルを用いたりするなどして実現する。
【0061】
〔データ交換システムの概要〕
図2は、本発明の実施形態におけるデータ交換システム1の概略構成を示す図である。図2に示すとおり、データ交換システム1は、宅Aに敷設される送信システム21と、宅Bに敷設される受信システム22とを含む構成となっている。これらの各システムは、広域通信網28を介して通信可能に接続されている。
【0062】
送信システム21および受信システム22は、それぞれ、広域通信網28へのゲートウェイとなるホームゲートウェイ210(220)を備えている。ホームゲートウェイ210(220)は、宅内に設置されたテレビ、電話機、PC(personal computer)などの構内通信装置の通信制御を行う通信制御装置であり、該構内通信装置と広域通信網28とのデータ送受信におけるルーティング機能を担っている。ホームゲートウェイ210(220)は、例えば、ルータ、スイッチングハブなどの中継装置、通信機能を有したパーソナルコンピュータ、ホームサーバ、ミニコンピュータなどの各種情報処理装置により実現される。
【0063】
本実施形態では、送信システム21および受信システム22は、それぞれ、構内通信装置として、テレビ212(222)および電話機211(221)を備えている。各構内通信装置は、ホームゲートウェイ210(220)と家庭内LAN(Local Area Network)213(223)を介してネットワーク接続がなされており、これにより、広域通信網28に対して構内通信網が構築されている。
【0064】
なお、本実施形態では、一例として、広域通信網28は、2種類の通信網を含む。第一通信網は、NGN24である。NGN24は、権限のある特定のエンティティのみが利用できるプライベートな閉域通信網を実現する。第二通信網は、インターネット23であり、閉域通信網に対して利用者を制限しない公衆通信網を実現する。広域通信網28を実現する通信網は、インターネット23、NGN24に限定されず、回線交換とデータ転送とが可能であれば何でもよい。SIPをベースとした回線交換可能なネットワークが最適である。
【0065】
広域通信網28とホームゲートウェイ210(220)との接続においては、インターネットサービスを提供するサービスプロバイダが、自社網への接続を可能にするルータなどの接続機器を最寄りの収容局25(26)に設置し、これにより、宅の構内通信装置のユーザからのアクセスを上記接続機器で分岐させることが一般的である。また、この場合、ホームゲートウェイ210(220)から収容局25(26)までのネットワークは地域通信事業者の所有する通信網を借用することが多い。本実施形態では、NGN24とインターネット23の二つのネットワークがそれぞれ収容局まで敷設されており、送信システム21および受信システム22を利用するそれぞれのユーザはともに、上記二つのネットワークを利用することができる状態である。
【0066】
ホームゲートウェイ210は、送信システム21においてユーザが、経由するネットワークの種類を意識せずとも複数の通信網をシームレスに利用して、受信システム22との音声通話およびデータ通信を行うための送信制御機能を備えている。
【0067】
上述のデータ交換システム1を用いて実現するデータ交換アプリケーションの概要について説明する。本アプリケーションは、テレビで表示している画像を、現在、電話機にて通話中の相手側のテレビに簡単に送信できる、というものである。例えば、送信側のホームゲートウェイ210は、例えばUSBメモリなどの外付けストレージ等を介して画像(図8(a))を保存しており、テレビ212は、上記画像をユーザに表示しているとする。宅Aのユーザが上記画像を宅Bのユーザのテレビに送信したい場合、リモコンなどを操作して、図8(b)に示すダイアログメッセージを呼び出し、決定ボタンを選択する。このユーザ操作に基づいて、テレビ212がリクエスト(データ送信要求メッセージ)をホームゲートウェイ210に対して送信する。ホームゲートウェイ210は、データ送信要求メッセージに応じて、依頼された送信対象の画像を、受信側のホームゲートウェイ220に配信する。このように、宅Aにて電話中のユーザは、通話中の相手に送信したい画像をテレビ212に表示させ、リモコンなどにより所定の操作を行うだけで、通話相手の機器のIPアドレスなどを別途指定する必要無しに、簡単に通話相手に画像を送信することができる。さらに、画像の送信が完了し、画像が宅Aのテレビ212と、宅Bのテレビ222との間で共有できた場合には、アプリケーションは、図8(c)に示すダイアログメッセージによって、画像の共有化をユーザに通知してもよい。
【0068】
ホームゲートウェイ220のホームゲートウェイ210と異なる点は、ホームゲートウェイ220が、複数の通信網を介して、ホームゲートウェイ210と適切な音声通話およびデータ通信を行うために、上記送信制御機能の代りに、受信制御機能を備えている点である。受信制御機能とは、ホームゲートウェイ210から受信したデータ、リクエストを解析して、解析内容に応じて適切な処理を行う機能である。
【0069】
そして、本発明のデータ交換システム1においては、各ホームゲートウェイ210、220は、第一通信網(例えば、NGN24)介して通話中の相手に、第二通信網(例えば、インターネット23)を介してデータを送信する場合に、第二通信網での通信に用いるお互いの宛先情報(IPアドレスなど)を、第一通信網を介して交換することが可能である。このため、各ホームゲートウェイ210、220においては、1つの通信相手につき、複数の通信網ごとに宛先情報を管理する必要なく、1つの宛先情報を管理しておくだけで、複数の通信網での通信をシームレスに利用することができる。以下より、上記機能実現のためのホームゲートウェイ210、220の要部構成について詳述する。
【0070】
なお、ここでは、データ交換システム1における送信側システムの送信機能と、受信側システムの受信機能とを、分けて説明する便宜上、宅Aが送信システム21を、宅Bが受信システム22をそれぞれ備えている構成とした。しかし、宅Aの送信システム21を構成する各装置は、これから述べる受信システム22の各装置が有する受信機能を備えていてもよく、送信システムとして機能すると同時に受信システムとしても機能することができる。宅Bの受信システム22についても同様、受信システム22の各装置は、送信システム21の各装置と同様に送信機能を備えていてもよい。
【0071】
本発明のデータ交換システム1によれば、宅Aの送信システム21と宅Bの受信システム22との間で、各ホームゲートウェイを介して、複数の通信網(インターネット23、NGN24)をシームレスに利用し、且つ、複数の通信(電話機での音声通話およびテレビ画像のデータ通信)を連携させることができる。これにより、電話機211と電話機221とが第一通信網のNGN24を介して音声通話を行う一方で、テレビ212とテレビ222とが第二通信網のインターネット23を介してデータ通信を行って、異種通信網を介する経路選択を意識することなく、シームレスに各種メディアデータを交換することが可能である。
【0072】
〔(送信側)ホームゲートウェイの構成〕
図1は、本発明の実施形態におけるホームゲートウェイ210の要部構成を示す図である。
【0073】
図1に示すとおり、送信システム21のホームゲートウェイ210は、制御部10、通信部11、および、記憶部12を備える構成となっている。
【0074】
通信部11は、ホームゲートウェイ210が外部の通信網を介して外部の通信装置とデータの送受信を行うためのものである。より具体的には、通信部11は、構内通信部11aと広域通信部11bとを備えている。
【0075】
構内通信部11aは、家庭内LAN213を介して、テレビ212および電話機211との間のデータの送受信を行うものである。広域通信部11bは、広域通信網28を介して、受信システム22のホームゲートウェイ220とデータの送受信を行うものである。広域通信部11bは、受信側のIPアドレスなどがヘッダに付与されたデータを収容局25に送信することにより、インターネット23またはNGN24を介して受信側のホームゲートウェイ220にデータを送信することができる。
【0076】
記憶部12は、制御部10が実行する制御プログラムおよびOSプログラム、ならびに、制御部10が、ホームゲートウェイ210が有する各種機能を実行するときに読み出す各種データを記憶するものであり、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。記憶部12に記憶される各種データとしては、例えば、自装置のIPアドレス、受信側装置のIPアドレスなどが想定されるが、これに限定されない。さらに、ホームゲートウェイ210が、通信相手とセッションを確立したときの当該セッションの内容を示すセッション情報などが記憶部12に記憶されていてもよい。
【0077】
制御部10は、ホームゲートウェイ210が備える各部を統括制御するものであり、機能ブロックとして、少なくとも、要求解析部101、呼制御部102、セッション管理部103、送信メッセージ作成部104およびアドレス交換部106を備えている。さらに、通信網選択部105および暗号処理部107を備えていてもよい。
【0078】
上述の、要求解析部101、呼制御部102、セッション管理部103、送信メッセージ作成部104、通信網選択部105、アドレス交換部106および暗号処理部107は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶部12に記憶されているプログラムを不図示のRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる機能ブロックである。
【0079】
要求解析部101は、構内通信部11aが受信した各構内通信装置(電話機211、テレビ212など)からのデータに含まれる要求メッセージを抽出し、その要求内容を解析するものである。要求解析部101が解析した解析結果に応じて、ホームゲートウェイ210の各部は、要求に応じた処理を適切に実行することが可能となる。上記要求メッセージとしては、例えば、テレビ212から送られてくる、画像を受信システム22に送信すること要求するデータ送信要求メッセージや、電話機211から送られてくる、電話機221への発呼を要求する発呼要求メッセージなどが挙げられる。より詳細には、例えば、要求解析部101は、上記送信要求メッセージを解析し、該メッセージに含まれる送信対象のデータ(画像など)、および/または、該データの送信先の情報を取得する。
【0080】
セッション管理部103は、各構内通信装置が外部の通信装置と確立した通信セッションを管理するものである。具体的には、電話機211が発呼処理を行い、受信システム22の電話機221との音声通話のセッションを確立した場合には、当該セッションに関するセッション情報をセッション情報記憶部121に記憶する。セッション情報には少なくとも通信相手を識別する番号(電話番号やIPアドレスなど)が含まれている。これにより、ホームゲートウェイ210は、現在通話中の相手が誰であるのかを把握することができる。
【0081】
呼制御部102は、各構内通信装置が受信システム22の各通信装置との通信を行えるように呼の制御を行うものである。ここでは、呼制御部102は、SIPベースの呼セッション制御機能の仕様に沿って、呼の制御メッセージを理解し、やりとりを行う。例えば、呼制御部102は、各構内通信装置から上記データ送信要求メッセージや上記発呼要求メッセージを受信したときに、既に、第1通信(電話機同士の音声通話)のセッションが確立している場合には、要求メッセージに応じて開始する第2通信(テレビ同士のデータ通信)の通信相手を、上記第1通信と同じ通信相手に設定することなどが可能である。
【0082】
なお、図示しないが、制御部10は、装置管理部を備えており、装置管理部は、家庭内LAN213を介してホームゲートウェイ210に接続されている各構内通信装置を管理する。例えば、接続されている電話機211に割り当てられている内線番号を管理したり、テレビ212が有するIPアドレスを管理したりする。これにより、ホームゲートウェイ210は、送信システム21が備える複数の構内通信装置を一意に識別することが可能となり、どの構内通信装置から、要求メッセージが来たのかを把握することができる。
【0083】
送信メッセージ作成部104は、構内通信装置から送信するよう要求された画像または制御部10の各部が生成した各種データなどの本文に、宛先の情報を含んだヘッダを付与して、送信メッセージを作成するものである。本実施形態では、送信メッセージ作成部104は、受信側のIPアドレスおよびポートをTCP/IPヘッダとして作成する。そして、画像すなわち本文に上記TCP/IPヘッダを付与して送信メッセージを完成させる。送信メッセージ作成部104は、自装置アドレス記憶部123、受信側アドレス記憶部122のそれぞれに記憶されている自装置のIPアドレスと、受信側の装置のIPアドレスとを読み出して上記ヘッダを作成する。
【0084】
アドレス交換部106は、複数の通信網に接続可能なホームゲートウェイ210において、第一通信網を介して通信相手と通信している場合に、他の通信網を利用するために用いる宛先情報(送信先情報/第二通信網用アドレス)を、上記第一通信網を介して上記通信相手と交換するものである。
【0085】
本実施形態では、NGN24を介して、通話相手と電話機で通話している場合に、インターネット23を介して画像を該通話相手のテレビに送信する場合に、インターネット23での通信で用いるIPアドレス(IPv4)(第二通信網用アドレス)を、NGN24を介して通話相手と交換する。
【0086】
具体的には、アドレス交換部106は、自装置のIPアドレス(IPv4)およびポートを本文として作成し、これを、NGN24で通話中の相手にNGN24を介して送信するように、送信メッセージ作成部104に依頼する。送信メッセージ作成部104は、この依頼に基づいて、NGN24での通信で用いる通話相手のIPアドレス(IPv6)をヘッダとして上記本文に付与する。このようにして作成された送信メッセージは、広域通信部11bを介して、通話相手、つまり、ホームゲートウェイ220に送信される。この送信メッセージは、本文に送信側のIPアドレス(IPv4)(第二通信網用アドレス)およびポートが含まれていることで、受信側において、IPアドレス交換要求メッセージであると理解される。
【0087】
アドレス交換部106は、上記IPアドレス交換要求メッセージの応答として、受信側のIPアドレス(IPv4)(送信先情報/第二通信網用アドレス)およびポート(送信先情報)を取得すると、それを受信側アドレス記憶部122に保存する。これにより、送信メッセージ作成部104は、テレビ212から依頼された画像に、上記受信側のIPアドレス(IPv4)を含むヘッダを付与して送信メッセージを作成することができる。
【0088】
上記構成によれば、ホームゲートウェイ210は、相手のホームゲートウェイ220の宛先情報として、NGN24介して通信するために用いるIPアドレス(IPv6)1種類を管理しておくだけで、他の通信網を介して行う通信を実行できる。より具体的には、電話機211でNGN24を介して音声通話を行っている最中に、テレビ212からインターネット23を介して画像を同じ相手に送信したい場合には、ホームゲートウェイ210は、NGN24を介した通信によって、通話中の相手とIPアドレス(IPv4)を交換する。これにより、ホームゲートウェイ210は、インターネット23を介して、画像を通話相手のホームゲートウェイ220に送信することが可能となる。
【0089】
第一通信網での通信に用いるIPアドレス(IPv6)を1種管理しておけば、第二通信網での通信に用いるIPアドレス(IPv4)を管理せずとも、第一通信網での通信によって、必要なときにIPアドレス(IPv4)を交換して、第二通信網を介した通信を行うことができる。結果として、複数の通信網による通信を制御するホームゲートウェイにおいて、1つの通信相手につき複数のアドレスを管理することが無くなる。また、ユーザにとっても、どの通信網を経由するかを意識して通信網ごとに宛先を指定する必要がなくなるので利用が容易になる。
【0090】
〔通信網選択機能〕
本発明のホームゲートウェイは、複数種類の通信網を利用することが可能であるので、利用するサービスおよびアプリケーションごとに通信網を使い分けられることが望ましい。
【0091】
例えば、ユーザは、非常に重要な機密情報であれば、たとえ相応の費用が課金されたとしてもNGNで安全に送信したいと考えるであろうし、また、それほど重要な情報ではなくかつサイズが大きい場合には、NGNで送信した際の課金を避けるために、インターネットで送信したいと考えるであろう。
【0092】
本発明の他の目的は、二つの異なる通信網に接続された装置間でデータを送受信する際に、それぞれの通信網の特長に合わせて選択的に利用することで、ユーザの利便性を向上させる通信制御装置、データ交換システムを実現することにある。
【0093】
本実施形態では、さらに、ホームゲートウェイ210の制御部10は、機能ブロックとして通信網選択部105を、記憶部12は、選択条件記憶部124を備えていることが好ましい。
【0094】
通信網選択部105は、複数の通信網のうちいずれの通信網を介してデータを送信するのかを決定するものである。本実施形態では、要求解析部101が画像などのデータ送信の依頼を構内通信装置から受け付けたときに、その送信対象のデータを、NGN24とインターネット23とのいずれの通信網を介して送信するのかを選択する。
【0095】
本実施形態では、通信網選択部105は、送信対象のデータの形式、機密性、情報量、また該データの受信相手に応じて、通信網を選択する。選択条件記憶部124には、どのような場合に、どちらの通信網を選択すべきかを示す選択条件が格納されている。図9は、選択条件記憶部124に記憶されている選択条件の具体例を示す図である。図9に示す例では、第一通信網(NGN24)での通信中に、構内通信装置から画像などのデータの送信要求を受け付けた場合、上記画像を、現在使用中のNGN24ではなくインターネット23経由で送信する条件が、選択条件記憶部124に記憶されている。
【0096】
具体的には、図9に示す選択条件によれば、構内通信装置から送信要求されたデータの、(1)データサイズが100KB以上である、(2)拡張子が“.jpg”または“.jpeg”である、(3)形式がXML(eXtensible Markup Language)文書であり、文書に<security>タグ、すなわち、機密文書であることを示す情報が含まれていない、もしくは、(4)受信側の宛先が012−345−6789である場合に、通信網選択部105は、上記送信要求されたデータをインターネット23経由で通信相手に送信することを選択する。
【0097】
上記選択条件に従えば、通信網選択部105は、データサイズが大きなデータを、通信料が安価なインターネット23を介して送信するようにできるので、通信コスト削減効果が期待できる。また、機密性の高い重要なデータを、公衆通信網でなく閉域通信網であるNGN24を介して送信するようにできるので、安全性の高い通信を実現できる。
【0098】
また、通信網選択部105は、特定の拡張子のデータを積極的にインターネット23を介して送信するようにできる。NGN24では、現状、一般に音声通話を優先させる制御を行っているため、画像や動画などの容量の大きいデータの送信を制限していることがある。また、そのような制限によって、NGN24では画像や動画の送信ができなかったり、後回しにされて即時性が損なわれたりする不都合が生じる。このような不都合を解消するために、画像や動画などの送信要求を受けた場合には、通信網選択部105は、インターネット23を介して、受信側のホームゲートウェイ220に送信するようにできる。
【0099】
さらに、上記選択条件に従えば、通信網選択部105は、特定の相手との通信には、インターネット23を使用するように送信メッセージ作成部104を制御することができる。これにより、通信相手が高価なNGN24での通信を望まない場合に、その相手との通信を、極力インターネット23を用いて行うようにすることが可能となる。逆に、通信相手が重要な取引先である場合などであって、専ら機密文書を交わす通信相手である場合には、常にNGN24を用いて通信を行うようにしてもよい。
【0100】
〔(受信側)ホームゲートウェイの構成〕
図3は、本発明の実施形態におけるホームゲートウェイ220の要部構成を示す図である。
【0101】
図3に示すとおり、受信システム22のホームゲートウェイ220は、制御部30、通信部31、および、記憶部32を備える構成となっている。
【0102】
通信部31は、ホームゲートウェイ220が外部の通信網を介して外部の通信装置とデータの送受信を行うためのものである。より具体的には、通信部31は、構内通信部31aと広域通信部31bとを備えている。これらの機能は、上述したホームゲートウェイ210の通信部11の各部の動作と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0103】
記憶部32は、制御部30が実行する制御プログラムおよびOSプログラム、ならびに、制御部10が、ホームゲートウェイ220が有する各種機能を実行するときに読み出す各種データを記憶するものであり、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。
【0104】
各種データを記憶する記憶部32には、具体的には、セッション情報記憶部131、自装置アドレス記憶部132、送信側アドレス記憶部133および受信データ記憶部134が含まれる。必要に応じて暗号鍵記憶部135が含まれていてもよい。
【0105】
制御部30は、ホームゲートウェイ220が備える各部を統括制御するものであり、機能ブロックとして、少なくとも、メッセージ解析部301、呼制御部302、セッション管理部303、受信データ配信部304およびアドレス交換部306を備えている。さらに、受信装置選択部305および暗号処理部307を備えていてもよい。
【0106】
上述の、メッセージ解析部301、呼制御部302、セッション管理部303、受信データ配信部304、受信装置選択部305、アドレス交換部306および暗号処理部307は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶部32に記憶されているプログラムを不図示のRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる機能ブロックである。
【0107】
呼制御部302は、受信システム22の各通信装置が送信システム21の各構内通信装置との通信を行えるように呼の制御を行うものである。呼制御部102と同様、呼制御部302は、SIPベースの呼セッション制御機能の仕様に沿って、呼の制御メッセージを理解し、やりとりを行う。
【0108】
受信データ配信部304は、通信部31を介して受信された各種受信データ(画像、動画、XML文書、テキストなど)を、自装置に家庭内LAN223にて接続されている各構内通信装置に配信するものである。受信データ配信部304は、各構内通信装置からの要求に応じて、該構内通信装置に要求された受信データを応答として返信してもよい。あるいは、ブロードキャスト方式にて、自装置に接続されているすべての構内通信装置に受信データを配信してもよい。あるいは、受信装置選択部305が備えられている場合は、受信装置選択部305の指示に基づいて、受信装置選択部305が上記受信データを受け取る受信装置として指定した構内通信装置宛てにのみ上記受信データを配信してもよい。
【0109】
受信装置選択部305は、通信部31が受信した受信データを受け取る受信装置を、自装置に家庭内LAN223にて接続されている各構内通信装置の中から、所定の条件に応じて選択するものである。例えば、インターネット23用のアドレスを交換した、現在通話中の相手からの受信データを受信した場合に、それを、最優先に処理すべきとして、現在起動中のテレビ222に上記受信データを配信するよう選択したりすることができる。
【0110】
なお、図示しないが、制御部30は、装置管理部を備えており、装置管理部は、家庭内LAN223を介してホームゲートウェイ220に接続されている各構内通信装置(電話機221、テレビ222など)を管理するものである。具体的には、電話機に割り当てられている内線番号を管理したり、テレビのIPアドレスを管理したりする。これにより、ホームゲートウェイ220は、受信システム22が備える複数の構内通信装置を一意に識別することが可能となる。
【0111】
本実施形態では、ホームゲートウェイ220も、ホームゲートウェイ210と同様に、
セッション管理部303およびセッション情報記憶部131を備え、第1通信(音声通話)を着呼したときに、どの相手と第1通信中であるかを示す情報をセッション情報として管理してもよい。セッション管理部303が管理するセッション情報は、ホームゲートウェイ210のセッション管理部103が管理するセッション情報と同様である。
【0112】
メッセージ解析部301は、ホームゲートウェイ210から送信された送信メッセージを解析するものである。具体的には、ホームゲートウェイ210からは、送信メッセージ作成部104が作成した送信メッセージが送られる。メッセージ解析部301は、上記送信メッセージの本文の内容を解析して、当該送信メッセージの目的を判定する。
【0113】
本文に、画像、動画、テキスト、XML文書などのデータが含まれている場合には、メッセージ解析部301は、それらのデータを、受信システム22内の構内通信装置のいずれかが通常通り処理すべきものとみなす。そこで、メッセージ解析部301は、受信したデータを、受信データ配信部304に伝達し、それを適宜処理するように促す。
【0114】
一方、本文に、送信側の装置の第二通信網用のIPアドレス(IPv4)およびポートが含まれている場合には、それは、第一通信網にて通話中の相手からのIPアドレス交換要求メッセージであるとみなす。そこで、メッセージ解析部301は、上記送信側のIPアドレス(IPv4)およびポートをアドレス交換部306に伝達し、アドレス(IPv4)をホームゲートウェイ210と交換するように促す。
【0115】
アドレス交換部306は、複数の通信網に接続可能なホームゲートウェイ220において、第一通信網を介して通信相手と通信している場合に、他の通信網を利用するために用いる宛先情報(IPアドレスなど)を、上記第一通信網を介して上記通信相手と交換するものである。
【0116】
本実施形態では、NGN24を介して上記IPアドレス交換要求メッセージが受信された場合には、アドレス交換部306は、メッセージ解析部301の解析結果である送信側のIPアドレス(IPv4)およびポートを送信側アドレス記憶部133に保存する一方、自装置アドレス記憶部132に記憶されている自装置のインターネット23用のIPアドレス(IPv4)および利用するボート番号を取得して、それを、本文に含むIPアドレス交換応答メッセージを作成する。
【0117】
IPアドレス交換応答メッセージは、ホームゲートウェイ210からのIPアドレス交換要求メッセージに対する応答として、自装置のインターネット23用のIPアドレスとポートとをホームゲートウェイ210に通知するためのメッセージである。IPアドレス交換応答メッセージは、広域通信部31bによって、現在通話確立中のNGN24を介して、ホームゲートウェイ210に返送される。
【0118】
上記IPアドレス交換応答メッセージを受け取ったホームゲートウェイ210から、インターネット23を介して、送信メッセージが送られてきた場合には、メッセージ解析部301が、セッション情報記憶部131のセッション情報、送信側アドレス記憶部133の送信側IPアドレス、ポート番号などから、アドレスを交換した相手(=通話中の相手)からの送信メッセージであるか否かを判定する。
【0119】
メッセージ解析部301によって、受信データが、通話中の相手からの送信メッセージであると判定された場合には、受信装置選択部305が、その解析結果にしたがって、送信メッセージに含まれるデータがリアルタイムで処理されるように、該データを処理する構内通信装置(テレビなど)の選択を適宜行う。そして、受信データ配信部304が、受信装置選択部305によって選択された構内通信装置宛てに上記データをすぐに配信する。
【0120】
〔データ交換システムの処理フロー〕
図4は、データ交換システム1における送信側、受信側の各ホームゲートウェイの処理の流れを示すフローチャートである。
【0121】
まず、送信システム21の電話機211と、受信システム22の電話機221との間で音声通話が行われる(第一通信)。ホームゲートウェイ210の呼制御部102と、ホームゲートウェイ220の呼制御部302とが、それぞれ、発呼または着呼処理を実行する(S101およびS201)。この通話によってやりとりされるデータは、本実施形態では、NGN24を介して各ホームゲートウェイにて送受信される。NGN24における通話相手側のIPアドレス(IPv6)などは、セッション情報として、セッション情報記憶部121に記憶されている。
【0122】
上記通話中に、宅Aのユーザ(送信者)が、通話相手つまり宅Bのユーザ(受信者)に例えば、図8(a)に示す画像を送信したい場合、送信者は、テレビ212のリモコンなどを操作して、上記画像をテレビ212に表示し、それを選択する。具体的には、送信者は、テレビ212の画面に図8(b)に示すダイアログが表示されている状態で、リモコンの決定ボタンを選択する。この操作に応じて、テレビ212は、家庭内LAN213にて接続されているホームゲートウェイ210に対して、上記画像の送信を依頼するデータ送信要求メッセージを送信する。
【0123】
ホームゲートウェイ210の構内通信部11aは、上記データ送信要求メッセージを受信し、要求解析部101が受信したデータ送信要求メッセージの解析を行う。受信されたデータ送信要求メッセージは、一旦図示しない要求メッセージ記憶部に記憶され、適切なタイミングで要求解析部101によって読み出されてもよい。データ送信要求メッセージは、画像データそのものであってもよいし、「/mnt/usb/image1.jpg」のようなホームゲートウェイ210上でのファイルパスなど間接的に画像を特定できる情報であってもよい。
【0124】
本実施形態では、要求解析部101の解析結果は、ひとまず通信網選択部105に伝達される。通信網選択部105は、上記解析結果、具体的には、送信対象の画像の形式、データサイズ、該画像の受信者などに基づいて、NGN24およびインターネット23のどちらを利用して上記画像を送信するかを選択する(S103)。このとき、通信網選択部105は、選択条件記憶部124に記憶されている選択条件を参照して、利用する通信網を選択する。例えば、図9に示すテーブルの第一の条件に基づいて、上記画像が100KB以上のファイルである場合には、インターネット網で送信すると決定し、そうでなければ、NGN網で上記画像を送信すると決定する。
【0125】
通信網選択部105が、上記画像をNGN24で送信すると決定した場合(S103においてNO)、ホームゲートウェイ210は、テレビ212から依頼された画像を、NGN24を介して、宅Bのホームゲートウェイ220に送信する(S104)。
【0126】
より具体的には、送信メッセージ作成部104は、宛先として、セッション情報記憶部121にて管理されている受信システム22のIPアドレス(IPv6)を取得して、それをTCP/IPヘッダに含めて上記画像を送信する。
【0127】
一方、通信網選択部105が、上記画像をインターネット23で送信すると決定した場合(S103においてYES)、アドレス交換部106が、インターネット23で用いるIPアドレスを通話相手の受信システム22と交換する。本実施形態では、セッション情報記憶部121にて、通話中の相手について、NGN24上で用いるIPv6のIPアドレスしか管理していない。このため、インターネット23上で用いるIPv4のIPアドレスを受信システム22のホームゲートウェイ220と交換する必要がある。
【0128】
まず、送信メッセージ作成部104は、送信側であるホームゲートウェイ210自身のインターネット23でのIPアドレス(IPv4)と利用するポート番号とを、自装置アドレス記憶部123から取得し、それを本文に含む、IPアドレス交換要求メッセージ作成する。そして、広域通信部11bが、上記IPアドレス交換要求メッセージをNGN24を介して受信側のホームゲートウェイ220に送信する(S105)。図5は、このときホームゲートウェイ210からホームゲートウェイ220に送信されるIPアドレス交換要求メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【0129】
受信システム22のホームゲートウェイ220では、広域通信部31bが、S104の送信メッセージまたはS105のIPアドレス交換要求メッセージを、NGN24を介して受信する(S202)。
【0130】
メッセージ解析部301は、広域通信部31bが受信したメッセージを解析し、当該メッセージが、IPアドレスの交換を要求するIPアドレス交換要求メッセージであるか否かを判定する(S203)。
【0131】
ここで、メッセージ解析部301が、受信されたメッセージがIPアドレス交換要求メッセージではないと判定した場合、すなわち、画像などのデータを含む送信メッセージであると判定した場合(S203においてNO)、ホームゲートウェイ220は、通常のデータ処理を実行する(S204)。例えば、受信データ配信部304は、受信された送信メッセージに含まれる受信データ(画像、動画など)を、ホームサーバに配信し格納して、ユーザが任意にテレビやパソコンなどで閲覧できるようにしてもよい。
【0132】
一方、メッセージ解析部301が、受信されたメッセージがIPアドレス交換要求メッセージであると判定した場合(S203においてYES)、アドレス交換部306は、メッセージ解析部301が解析した送信側のIPアドレス(IPv4)およびポートを送信側アドレス記憶部133に保存する一方、自装置アドレス記憶部132に記憶されている自装置のインターネット23用のIPアドレス(IPv4)および利用するポート番号を取得して、それを、本文に含むIPアドレス交換応答メッセージを作成する。広域通信部31bは、アドレス交換部306が作成したIPアドレス交換応答メッセージを、送信システム21のホームゲートウェイ210宛てに返送する(S205)。ここで、広域通信部31bは、現在通話に利用しているNGN24を用いて、ホームゲートウェイ210のIPv6のアドレス宛てに、自装置のIPv4のアドレスおよび利用するポート番号を返送する。図6は、このときホームゲートウェイ220からホームゲートウェイ210に返送されるIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【0133】
これに対し、NGN24を介して、ホームゲートウェイ220からIPアドレス交換応答メッセージを受信したホームゲートウェイ210においては、アドレス交換部106が、IPアドレス交換応答メッセージの本文から、受信側のIPアドレス(IPv4)およびポート番号を取得して、これを受信側アドレス記憶部122に保存する(S106)。
【0134】
続いて、送信メッセージ作成部104は、S102にてテレビ212から依頼された画像を本文に含む送信メッセージを作成する。このとき、送信メッセージ作成部104は、TCP/IPヘッダに、宛先情報として、S106にて取得された受信側のIPアドレス(IPv4)およびポート番号を含める。これにより、当該送信メッセージは、通信網選択部105の選択にしたがって、インターネット23経由でホームゲートウェイ220に送信される。また、送信メッセージ作成部104は、当該送信メッセージの送信元である自装置のIPアドレス(IPv4)およびポート番号も、TCP/IPヘッダに含める。広域通信部11bは、送信メッセージ作成部104が作成した送信メッセージを、ホームゲートウェイ220に送信する(S107)。図7は、このときホームゲートウェイ210からホームゲートウェイ220に送信される送信メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【0135】
これに対し、インターネット23を介して、ホームゲートウェイ210から上記送信メッセージ(図7)を受信したホームゲートウェイ220においては、メッセージ解析部301が、上記送信メッセージの解析を行う。
【0136】
メッセージ解析部301は、送信メッセージの送信元が、S205にて送信側アドレス記憶部133に記憶されているIPアドレスおよびポート番号と一致するかどうかを判定する(S206)。
【0137】
そして、送信元のIPアドレスとすでに記憶されているIPアドレスとが一致すると判定された場合は(S206においてYES)、受信装置選択部305が、現在NGN24にて通話中の宅Aのホームゲートウェイ210から受信したものと判断する。したがって、受信装置選択部305は、リアルタイムで上記送信メッセージに含まれる画像が処理されるように、該画像の受信装置として、画像をすぐに表示可能な起動中のテレビ222を選択する。受信データ配信部304は、受信装置選択部305の選択にしたがって、テレビ222に上記画像を配信する(S207)。
【0138】
一方、送信元のIPアドレスが記憶されているものと一致しないと判定された場合には(S206)、即時処理する必要がない送信メッセージであるので、上述したとおり、ホームゲートウェイ220は、上記画像に対して通常のデータ処理を実行する(S204)。
【0139】
上記方法によれば、データ交換システム1においては、各ホームゲートウェイ210、220は、第一通信網(例えば、NGN24)介して通話中の相手に、第二通信網(例えば、インターネット23)を介してデータを送信する場合に、第二通信網での通信に用いるお互いの宛先情報(IPアドレスなど)を、第一通信網を介して交換することが可能である。このため、各ホームゲートウェイ210、220においては、1つの通信相手につき、複数の通信網ごとに宛先情報を管理する必要なく、1つの宛先情報を管理しておくだけで、複数の通信網での通信をシームレスに利用することができる。
【0140】
よって、複数の通信網による通信を制御する通信制御装置において、アドレスの管理、利用を容易にすることが可能となる。
【0141】
なお、本実施形態では、NGN24を経由するメッセージは、ヘッダに宛先情報としてIPv6のIPアドレスを、インターネット23を経由するメッセージは、ヘッダにIPv4のIPアドレスを含むように、送信メッセージ作成部104がヘッダを作成する。
【0142】
各メッセージがどちらの通信網を経由して送信されるかの実際の経路選択は、上記送信メッセージをホームゲートウェイ210から受信する収容局25、26のルータによって実現される。上記ルータは、IPv4とIPv6とを判別することが可能である。また、インターネット23経由、NGN24経由の両方でIPv6が利用される場合には、上記ルータは、例えば、IPアドレスのプレフィックスから、どちらの通信網を利用すべきかを判断することができる。
【0143】
上述のように、本実施形態におけるホームゲートウェイ(通信制御装置)は、セッション確立済みの第一通信網において、第二通信網で利用する送信先情報(例えば、IPアドレスなど)を取得する。そのため、第一通信網におけるアドレスさえ事前に共有していれば、別途第二通信網のアドレスを教え合い、管理する必要がなくなるので、通信制御装置におけるアドレス管理が容易になるという効果がある。
【0144】
さらに、本発明の通信制御装置が、送信対象データに応じてどの通信網で送信するかを選択、決定することにより、ユーザは、特段の操作の必要無く、通信網の特長によって通信網を使い分けられるという利便性を享受できる。例えば、大きなデータは安価な通信網で送信し、セキュリティの必要な送信対象データは、安全性の高い通信網で送信する、というような使い分けを、ユーザが意識することなく通信制御装置において実現することができる。また、第一通信網(NGN網)において、音声通話が優先されているなどの理由から、画像や動画など特定のデータを送信することができない場合においても、そのような送信対象データの送信時に限り第二通信網(インターネット)を利用することが可能である。
【0145】
《実施形態2》
送信側のホームゲートウェイ210は、IPアドレス交換要求メッセージにて、受信側のIPアドレスを要求した後、該要求の応答として、受信側のホームゲートウェイ220よりIPアドレスおよびポート番号、さらに、暗号鍵を含んだIPアドレス交換応答メッセージを受信してもよい。
【0146】
本実施形態における各ホームゲートウェイは、安全な閉域通信網であるNGN24と、公衆通信網であるインターネット23との2種類を利用することが可能である。そこで、ホームゲートウェイ210は、インターネット23を介して送信するデータに対しては、ホームゲートウェイ220から受信した暗号化鍵を利用して暗号化した後に送信するようにする。上記暗号鍵は、共有鍵であってもよい。上記暗号鍵は、データ送受信のセキュリティは確保されている閉域通信網のNGN24を介して、IPアドレスとともに交換されるため、秘密暗号鍵がやりとりされても盗聴される心配は無いからである。
【0147】
本実施形態では、送信側のホームゲートウェイ210は、さらに、暗号処理部107(図1)を備える構成となっている。受信側のホームゲートウェイ220は、さらに、暗号処理部307および暗号鍵記憶部135を備える構成となっている。
【0148】
〔送信側ホームゲートウェイの処理フロー〕
図10は、本実施形態における、送信側のホームゲートウェイ210の処理の流れを示すフローチャートである。
【0149】
図10に示すホームゲートウェイ210の処理の流れにおいて、図4のそれと異なる点は、以下のとおりである。S303にてインターネット23経由で画像を送信することが決定されると、まず、送信メッセージ作成部104は、IPアドレス交換要求メッセージを送信する場合に、自装置のインターネット側のIPアドレスと利用するポート番号とともに、さらに、受信側ホームゲートウェイ220に対して暗号鍵を要求するリクエストを本文に含める(S305)。図11は、本実施形態におけるS305にて送信メッセージ作成部104が作成するIPアドレス交換要求メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【0150】
上記IPアドレス交換要求メッセージを受信したホームゲートウェイ220においては、メッセージ解析部301が、アドレスの交換と、暗号鍵とが要求されていると解析し、アドレス交換部306が、インターネット23上でのIPアドレス、ポート番号に加えて、上記暗号鍵を本文に含むIPアドレス交換応答メッセージを作成する。上記暗号鍵は、暗号処理部307が暗号鍵記憶部135から取得して、アドレス交換部306に供給したものである。このとき、作成されるIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を図12に示す。
【0151】
上記暗号鍵が含まれたIPアドレス交換応答メッセージを受信したホームゲートウェイ210においては、アドレス交換部106が、IPアドレス交換応答メッセージ内のIPアドレス、ポート番号に関連付けて、同じく、本文に含まれている暗号鍵を受信側アドレス記憶部122に記憶する(S306)。
【0152】
続いて、暗号処理部107は、アドレス交換部106によって取得された暗号鍵を受信側アドレス記憶部122から読み出し、その暗号鍵を用いて送信対象の画像を暗号化する(S307)。上記画像は、S302にてテレビ212からホームゲートウェイ220に送るよう要求された送信対象データである。
【0153】
そして、送信メッセージ作成部104は、S306にて取得された受信側のIPアドレスおよびポート番号をTCP/IPヘッダに宛先情報として含め、また、S307にて暗号処理部107が暗号化処理された画像を本文に含めて送信メッセージを作成する。このときに作成される送信メッセージのデータ構造の一例を図13示す。
【0154】
最後に、広域通信部11bは、図13に示す上記送信メッセージを、ホームゲートウェイ220に送信する(S308)。送信メッセージは、インターネット23を経由して、ホームゲートウェイ220に届けられる。
【0155】
上記構成および方法によれば、利用する通信網としてインターネット23などの公衆通信網が選択された場合でも、送信対象のデータを安全に受信側に届けることが可能となる。
【0156】
《実施形態3》
広域通信網28は、インターネット23に接続する他のサーバを含んでいてもよい(図2のサーバ27)。そして、ホームゲートウェイ210は、インターネット23経由でデータを送信するときに、ホームゲートウェイ220に送信したい画像などのデータを上記サーバにアップロードしてもよい。そして、ホームゲートウェイ220は、アップロードされた上記データをダウンロードしてもよい。すなわち、各ホームゲートウェイで直接データの送受信を行わずに、他のサーバを介してデータの送受信を行ってもよい。
【0157】
〔送信側ホームゲートウェイの処理フロー〕
図14は、本実施形態における、送信側のホームゲートウェイ210の処理の流れを示すフローチャートである。
【0158】
図14に示すホームゲートウェイ210の処理の流れにおいて、図4、10のそれと異なる点は、以下のとおりである。S403にてインターネット23経由で画像を送信することが決定されると、まず、送信メッセージ作成部104は、自装置のインターネット側のIPアドレス、ポート番号に加えて、受信側ホームゲートウェイ220に対して、サーバ27にアクセスするためのログイン情報を要求するリクエストを本文に含めて、IPアドレス交換要求メッセージを作成する(S405)。このIPアドレス交換要求メッセージは、NGN24を介して送信される。
【0159】
ホームゲートウェイ220からは、IPアドレス交換要求メッセージに応答して、ログイン情報が本文に含まれたIPアドレス交換応答メッセージが送信される。ログイン情報を含むIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を図15に示す。ログイン情報には、例えば、サーバ27のURL(uniform resource locator)、HTTPメソッド、サーバ27にログイン時に必要となるアカウント、および、パスワードなどが含まれるが、ログイン情報のデータ構造は図15に示す例に限定されない。
【0160】
アドレス交換部106は、受信側のホームゲートウェイ220のIPアドレスの代わりに取得した上記ログイン情報を、受信側アドレス記憶部122に保存する(S406)。
【0161】
送信メッセージ作成部104は、受信側アドレス記憶部122に保存されたホームゲートウェイ220のログイン情報にしたがって、サーバ27にアップロードする送信メッセージを作成する。送信メッセージは、広域通信部11bおよびインターネット23を介して、サーバ27に送信される(S407)。図16は、送信メッセージ作成部104が、図15のログイン情報に基づいて作成した送信メッセージの具体例を示す図である。
【0162】
さらに、送信メッセージ作成部104は、上記送信メッセージをサーバ27送信した後、画像のアップロードが完了した旨を通知する報告メッセージを、ホームゲートウェイ220に対して送信してもよい。これにより、宅Aの送信者と、宅Bの受信者との間で画像を共有する場合に、即時性、同時性を維持することが可能となる。
【0163】
本実施形態のように、サーバ27を介して共有データを送信する構成にすることで、さらに以下のメリットが生まれる。例えば、写真共有サービス(Flickr(登録商標)など)を利用する場合に、宅Aの送信者と、宅Bの受信者以外の第三者ともそのまま画像を共有することが容易になる。また、利用する写真共有サービスに画像編集機能がある場合は、サーバ27にアップされた画像を編集することが容易になる。さらに、宅Aの送信者が共有したい画像を送信する時に、宅B側の受信ストレージの容量が無くても、宅A側は送信を完了させることができる。
【0164】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0165】
最後に、各ホームゲートウェイの各ブロック、特にアドレス交換部106、通信網選択部105および送信メッセージ作成部104、ならびに、アドレス交換部306およびメッセージ解析部301は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0166】
すなわち、ホームゲートウェイは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるホームゲートウェイの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記ホームゲートウェイに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0167】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0168】
また、ホームゲートウェイを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0169】
複数の通信網を介して通信が可能な通信システムに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の実施形態におけるホームゲートウェイ210の要部構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態におけるデータ交換システムの概略構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態におけるホームゲートウェイ220の要部構成を示す図である。
【図4】データ交換システム1における送信側、受信側の各ホームゲートウェイの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4のS105にて、ホームゲートウェイ210からホームゲートウェイ220に送信されるIPアドレス交換要求メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図6】図4のS205にて、ホームゲートウェイ220からホームゲートウェイ210に返送されるIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図4のS107にて、ホームゲートウェイ210からホームゲートウェイ220に送信される送信メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明のデータ交換システムを用いて実現するデータ交換アプリケーション実行中のテレビが表示する表示画面の具体例を示す図である。
【図9】ホームゲートウェイ210の選択条件記憶部に記憶されている選択条件の具体例を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態における、送信側のホームゲートウェイ210の処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図10のS305にて送信メッセージ作成部が作成するIPアドレス交換要求メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図12】図10のS306にてホームゲートウェイ210が受信するIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図13】図10のS308にてホームゲートウェイ210が送信する送信メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図14】本発明の他の実施形態における、送信側のホームゲートウェイ210の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図14のS406にてホームゲートウェイ210が受信する、ログイン情報を含むIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図16】ホームゲートウェイ210の送信メッセージ作成部が、図15のログイン情報に基づいて作成した送信メッセージの具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0171】
1 データ交換システム
10 制御部
11 通信部
11a 構内通信部
11b 広域通信部
12 記憶部
21 送信システム
22 受信システム
23 インターネット(第二通信網/公衆通信網)
24 NGN(第一通信網/閉域通信網)
25 収容局
27 サーバ
28 広域通信網
30 制御部
31 通信部
31a 構内通信部
31b 広域通信部
32 記憶部
101 要求解析部(要求解析手段)
102 呼制御部
103 セッション管理部
104 送信メッセージ作成部(送信メッセージ作成手段)
105 通信網選択部(通信網選択手段)
106 アドレス交換部(送信先情報取得手段/アドレス取得手段/アドレス交換手段)
107 暗号処理部
121 セッション情報記憶部
122 受信側アドレス記憶部
123 自装置アドレス記憶部
124 選択条件記憶部
131 セッション情報記憶部
132 自装置アドレス記憶部
133 送信側アドレス記憶部
134 受信データ記憶部
135 暗号鍵記憶部
210 ホームゲートウェイ(通信制御装置)
211 電話機(構内通信装置)
212 テレビ(構内通信装置)
213 家庭内LAN(構内通信網)
220 ホームゲートウェイ(通信制御装置/外部通信装置)
221 電話機(外部通信装置)
222 テレビ(外部通信装置)
223 家庭内LAN(構内通信網)
301 メッセージ解析部
302 呼制御部
303 セッション管理部
304 受信データ配信部
305 受信装置選択部
306 アドレス交換部
307 暗号処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の通信網に接続して通信制御を行う通信制御装置、通信制御装置の通信制御方法、制御プログラム、および、記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及に伴い、これまで専用の回線網を利用して実現していた電話などの通信サービスを、インターネットで代替しようという動きが広まっている。こうした動きの背景には、回線網を構成する専用交換機に比べ、インターネットで利用されるルータの価格の圧倒的な安さがある。
【0003】
しかしながら、インターネットを介して通話を行うには、通信の帯域をブラウザによるウェブ閲覧や動画のストリーミング視聴等の他のアプリケーションと共有する必要があるため、ネットワーク通信状態によっては必要な音声品質を保つことができないという課題がある。
【0004】
このような課題に対して、主に通信事業者によって、IMS(IP Multimedia Subsystem)などの仕組みを用いて実現されるNGN(next generation network;次世代ネットワーク)と呼ばれる通信網が提案されている。次世代ネットワークでは、各アプリケーションに応じた帯域を割り当てることができるため、例えば通話に対して優先的に帯域を割り当てる、などの制御が可能である。また、ネットワーク上の二つの通信装置間で必要な通信セッションを確立するプロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)の導入により、通話だけではなく、複数のユーザで動画や静止画を共有するなどの高品質の通信サービスをユーザに提供することができる。さらに、各通信装置には、従来の電話番号に相当する、各通信装置(各ユーザ)を一意に識別できる識別子としてのSIPアドレスが付与されるため、ユーザ認証・アクセス制限・課金などに必要なセキュリティを保つことが容易である。
【0005】
例えば、音声通話と、動画や静止画を共有するためのデータ通信との連携を実現するシステムとして、特許文献1の通信システムが挙げられる。
【0006】
このような優れた特長を持つNGN網ではあるが、現時点では、インターネットなどの公衆網としてではなく、主に、閉域網として利用されている。そのため、ユーザが必要なサービス(例えば、検索、ブログ、動画共有、SNS(Social Network Service)など)をインターネットと同様にすぐにユーザに提供していくことは難しい。したがって、現状では、たとえNGNの優位性を十分理解していたとしても、インターネットの代替網として、完全にNGN網に乗り換えることは現実的ではない。
【0007】
以上のことから、両方の通信網の特長をそれぞれ活かして、両方の通信網を利用できることが望ましい。
【特許文献1】特開2005−277681(2005年10月6日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、複数の通信網を利用する環境下では、網の数だけアドレスを管理しておく必要がある。例えば、NGN網とインターネット網に接続するゲートウェイ(通信制御装置)においては、NGN網のIPアドレスおよびインターネット網のIPアドレスを両方管理しておき、ユーザに宛先を入力させたりすることになる。このため、通信制御装置において、管理や通信制御の処理が複雑になるという問題がある。また、ユーザにとっても、利用する通信網に応じてIPアドレスを使い分ける必要があり、両方のアドレスを混同したり、操作が煩雑になったりするなど、利便性が低下するという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の通信網による通信を制御する通信制御装置において、アドレスの管理、利用を容易にする通信制御装置、通信制御装置の通信制御方法、制御プログラム、および、記録媒体を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の通信制御装置は、上記課題を解決するために、複数の通信網を介して、自装置に接続する1以上の構内通信装置が外部通信装置と通信するための通信制御を行う通信制御装置において、上記複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得手段と、上記送信先情報取得手段により取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
上記構成によれば、第一通信網にて通信相手の外部通信装置と通信中に、第二通信網にて別のデータ(送信対象データ)を上記外部通信装置に送信するとき、まず、送信先情報取得手段は、上記送信対象データの送信先についての情報(送信先情報)を、第一通信網による通信が確立している上記外部通信装置から、第一通信網を介して取得する。ここで取得される送信先情報は、第二通信網での通信に用いられる送信先情報である。次に、送信メッセージ作成手段は、上記送信先情報取得手段が取得した上記送信先情報に基づいて、送信対象データの送信先を設定する。これにより、上記送信対象データは、設定された送信先情報にしたがって、第二通信網を介して送信先に送信される。
【0012】
以上のとおり、本発明の通信制御装置は、外部通信装置と第一通信網を介して通信しているときに、当該第一通信網を介して上記外部通信装置の第二通信網における送信先情報を取得することができる。したがって、通信制御装置は、通信相手の外部通信装置について、第一通信網における送信先情報を把握しておくだけでも、上記外部通信装置の第二通信網における送信先情報を入手して、第二通信網を介して上記外部通信装置に送信対象データを送信することができる。
【0013】
以上のことから、上記構内通信装置が上記外部通信装置と複数の通信網を介して通信を行う場合でも、1つの通信網について送信先情報を管理しておくだけで、他の通信網における通信を行うことも可能となる。また、ユーザにとっても、利用する通信網ごとに送信先情報を選びなおしたり、入力したりする必要がなくなるので、利便性が向上する。
【0014】
本発明の通信制御装置の上記送信先情報取得手段は、上記第二通信網での通信に用いられる上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを、上記送信先情報として取得するアドレス取得手段を含み、上記送信メッセージ作成手段は、上記アドレス取得手段により取得された上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを上記送信対象データの送信先として設定することが好ましい。
【0015】
これにより、外部通信装置について、第一通信網におけるアドレスを管理しておくだけで、第二通信網における外部通信装置のアドレスを管理しなくとも、第二通信網を介して上記外部通信装置と通信することが可能となる。よって、通信相手のアドレス管理を通信網ごとに行う必要がなくなり、アドレスの管理が容易になる。
【0016】
本発明の通信制御装置の上記アドレス取得手段は、自装置の第二通信網用アドレスを、上記第一通信網を介して上記外部通信装置に送信することにより、上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを要求し、取得するアドレス交換手段であってもよい。
【0017】
これにより、通信相手の外部通信装置は、当該通信制御装置の第二通信網用アドレスを該通信制御装置から受信することによって、該通信制御装置が、自分の、つまり、外部通信装置の第二通信網用アドレスを要求しているということを理解することができるとともに、外部通信装置も、当該通信制御装置の第二通信網用アドレスを知ることができる。
【0018】
よって、通信相手の外部通信装置においても、第一通信網におけるアドレスを管理するだけでよくなり、アドレスの管理が容易になる。
【0019】
本発明の通信制御装置は、送信対象データを上記外部通信装置に送信するよう要求する要求メッセージを、上記構内通信装置から構内通信網を介して受信する構内通信部と、上記要求メッセージを解析して、該要求メッセージに含まれる送信対象データを取得する要求解析手段を備えていてもよい。
【0020】
上記構成によれば、通信制御装置は、構内通信網を介して1以上の構内通信装置と接続されており、構内通信部は、上記構内通信装置から要求メッセージを受信する。この要求メッセージは、構内通信装置が通信制御装置に対して、送信対象データを上記外部通信装置に送信するよう要求するためのメッセージである。
【0021】
そして、要求解析手段は、受信された要求メッセージを解析する。具体的には、要求解析手段は、上記要求メッセージに含まれる送信対象データを取得する。
【0022】
これにより、上記構内通信装置は、第一通信網にて通信中の相手(外部通信装置)に対して、任意の送信対象データを本発明の通信制御装置を介して第二通信網にて送信することが可能となる。このとき、第二通信網でのアドレスを管理したり、また、ユーザが第二通信網でのアドレスを入力したりする必要はない。よって、アドレスの管理を容易にし、ユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0023】
本発明の通信制御装置は、さらに、上記送信対象データおよび該送信対象データを受信する外部通信装置の少なくとも一方に基づいて、上記送信対象データの送信に利用する通信網を選択する通信網選択手段を備えていてもよい。
【0024】
上記構成によれば、通信網選択手段は、送信対象データを考慮して、該送信対象データの受取り手の外部通信装置を考慮して、または、その両方を考慮して、該送信対象データを送信するのに利用する通信網を選択する。
【0025】
これにより、複数の通信網のうちのいずれかを介して送信対象データを送信する際、通信制御装置は、その送信対象データおよび/または送信対象データの受取り手にふさわしい通信網を利用して送信対象データが送信されるように通信制御することができる。
【0026】
本発明の通信制御装置の上記送信先情報取得手段は、上記通信網選択手段が上記第二通信網を選択した場合に、上記第二通信網における上記送信先情報を上記外部通信装置から取得することが好ましい。
【0027】
上記構成によれば、送信対象データを外部通信装置に送信するとき、通信網選択手段が、第二通信網を利用することが適切であると判断した場合に、送信先情報取得手段が外部通信装置の第二通信網における送信先情報を取得する。
【0028】
これにより、必要な状況に応じて適切なタイミングで、通信相手の第二通信網における送信先情報を取得することが可能となる。したがって、複数の通信網ごとに通信相手の送信先情報(アドレス)などを長期に保存する必要がなくなり、管理が容易になる。
【0029】
上記第一通信網は特定の装置のみが利用できる閉域通信網であり、上記第二通信網は利用者を制限しない公衆通信網であって、上記通信網選択手段は、上記送信対象データが、機密文書であることを示す情報を含んでいない場合に、該送信対象データを送信する通信網として、上記第二通信網を選択することが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、上記通信網選択手段は、上記送信対象データが機密文書である場合には、利用中の第一通信網つまり閉域通信網を、送信対象データの送信に利用する通信網として選択する。一方、上記送信対象データが機密文書でない場合には、当該送信対象データを第二通信網つまり公衆通信網を介して送信することを決定する。
【0031】
その後、上記送信先情報取得手段が、第二通信網における送信先情報を取得する。そして、送信メッセージ作成手段が、上記送信先情報を送信先に設定する。
【0032】
これにより、安全性の確保が特段必要ない送信対象データについては、公衆通信網である第二通信網を介して送信することが可能となる。このとき、通信制御装置が、上記外部通信装置の第二通信網上の送信先情報を知らなくとも、送信先情報取得手段が、第二通信網における送信先情報を取得するので、送信対象データを第二通信網を介して送信することが可能である。
【0033】
さらに、上記第一通信網は音声通話が優先されるNGN(next generation network)であり、上記第二通信網はインターネットであって、上記通信網選択手段は、上記送信対象データが画像または動画である場合に、該送信対象データを送信する通信網として、上記第二通信網を選択することが好ましい。
【0034】
上記構成によれば、通信制御装置が外部通信装置とNGNを介して通話中の際、画像または動画を上記外部通信装置に送信する場合には、通信網選択手段は、該画像または動画を送信するのに利用する通信網として、NGNではなく、インターネットを選択する。
【0035】
そして、上記送信先情報取得手段は、上記外部通信装置のインターネットでの送信先情報を取得する。最後に、送信メッセージ作成手段は、上記画像または動画の送信先を上記インターネットでの送信先情報に設定して、送信メッセージを作成する。
【0036】
これにより、送信対象データとしての画像または動画は、音声通話が優先されるNGNを避けて、インターネットを介して外部通信網に送信される。
【0037】
結果として、送信対象データのデータ形式に応じてふさわしい通信網が選択され、滞りなく送信対象データを、第一通信網で通信中の相手に送信することができるので、ユーザの利便性が向上する。このとき、どの通信網が選択されても、ユーザは、通信網ごとに宛先を指定したり入力したりする必要がないので、さらに、利便性が向上する。
【0038】
また、通常、動画または画像などの送信対象データは、データサイズが大きいため、その分通信料が高くなる。したがって、動画または画像を送信するときに、通信料のより安価なインターネットが選択されれば、通信料を安く抑えることができるというメリットも生まれる。
【0039】
さらに、本発明の通信制御装置においては、第二通信網(インターネット)が選択された場合には、ユーザが、インターネット用のIPアドレスを呼び出す操作を行ったりするのではなく、現在利用中のNGNの通話機能に付随して提供される電話帳の機能などによって、簡易に通話相手を指定し、その相手のインターネット用のIPアドレスを入手し、容易に送信先に設定することができる。
【0040】
したがって、アドレス管理が容易であり、ユーザにとって利便性の高い通信制御装置を実現することが可能となる。
【0041】
あるいは、上記第一通信網は特定の装置のみが利用できる閉域通信網であり、上記第二通信網は利用者を制限しない公衆通信網であって、上記送信先情報取得手段は、上記外部通信装置に対して暗号鍵を要求することにより、上記送信先情報とともに上記暗号鍵を、上記第一通信網を介して取得し、上記送信メッセージ作成手段は、上記送信先情報取得手段により取得された暗号鍵を用いて暗号化された送信対象データを、上記外部通信装置に送信する送信メッセージを作成してもよい。
【0042】
上記構成によれば、閉域通信網にて外部通信装置と通信中の通信制御装置において、送信対象データを第二通信網(公衆通信網)を介して外部通信装置に送信するとき、送信先情報取得手段は、上記送信先情報とともに暗号鍵を上記外部通信装置から取得する。上記送信メッセージ作成手段は、上記暗号鍵によって暗号化された送信対象データの送信先に、第二通信網(公衆通信網)での送信先情報を設定する。
【0043】
これにより、上記送信対象データを送信する通信網として、第二通信網(公衆通信網)が選択された場合であっても、上記送信対象データの安全性を確保することが可能である。
【0044】
なお、上記暗号鍵は、閉域通信網としての第一通信網を介して安全にやりとりされるので、共有鍵を暗号鍵として用いることが可能である。
【0045】
本発明の通信制御装置の上記送信先情報取得手段は、上記送信対象データを蓄積して上記外部通信装置に配信するサーバの第二通信網用アドレスを、上記送信先情報として取得するサーバアドレス取得手段を含み、上記送信メッセージ作成手段は、上記サーバアドレス取得手段により取得された上記サーバの第二通信網用アドレスを上記送信対象データの送信先として設定することができる。
【0046】
上記構成によれば、第一通信網を介して、上記構内通信装置(および通信制御装置)と上記外部通信装置とが通信中である場合に、上記構内通信装置が送信対象データを、第二通信網を介して上記外部通信装置に送信するとき、送信先情報取得手段であるサーバアドレス取得手段は、サーバの第二通信網用アドレスを上記送信先情報として取得する。ここで、サーバとは、送り手がアップロードした送信対象データを蓄積して、該送信対象データを受け手に配信するものである。
【0047】
つまり、送信対象データは、第二通信網上でサーバを介して、送り手の構内通信装置(通信制御装置)から、受け手の外部通信装置に送信されることになる。
【0048】
以上のように、サーバを介して送信対象データを送信する構成にすることで、さらに以下のメリットが生まれる。例えば、写真共有サービス(Flickr(登録商標)など)を利用する場合に、送信者と、受信者以外の第三者ともそのまま画像を共有することが容易になる。また、利用する写真共有サービスに画像編集機能がある場合は、サーバにアップされた画像を編集することが容易になる。さらに、送信者が共有したい画像(送信対象データ)を送信する時に、受け手側の受信ストレージの容量が無くても、送り手の構内通信装置(および通信制御装置)は送信を完了させることができる。
【0049】
上記サーバアドレス取得手段は、上記送信先情報として、上記サーバの第二通信網用アドレスとともに上記サーバにアクセスするための認証情報を取得することが好ましい。
【0050】
これにより、サーバにアクセスできる装置を制限することができるので、より安全に送信対象データをやりとりすることが可能となる。
【0051】
本発明の通信制御方法は、上記課題を解決するために、複数の通信網を介して、当該通信制御装置に接続する1以上の構内通信装置が外部通信装置と通信するための通信制御を行う通信制御装置の通信制御方法であって、上記複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得ステップと、上記送信先情報取得ステップにより取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成ステップとを含むことを特徴としている。
【0052】
上記方法によれば、通信制御装置において、外部通信装置と第一通信網を介して通信しているときに、当該第一通信網を介して上記外部通信装置の第二通信網における送信先情報を取得することができる。したがって、通信制御装置は、通信相手の外部通信装置について、第一通信網における送信先情報を把握しておくだけでも、上記外部通信装置の第二通信網における送信先情報を入手して、第二通信網を介して上記外部通信装置に送信対象データを送信することができる。
【0053】
以上のことから、上記構内通信装置が上記外部通信装置と複数の通信網を介して通信を行う場合でも、1つの通信網について送信先情報を管理しておくだけで、他の通信網における通信を行うことも可能となる。また、ユーザにとっても、利用する通信網ごとに送信先情報を選びなおしたり、入力したりする必要がなくなるので、利便性が向上する。
【0054】
なお、上記通信制御装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記各手段として動作させることにより上記通信制御装置をコンピュータにて実現させる通信制御装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0055】
本発明の通信制御装置は、複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得手段と、上記送信先情報取得手段により取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成手段とを備えていることを特徴としている。
【0056】
本発明の通信制御方法は、複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得ステップと、上記送信先情報取得ステップにより取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成ステップとを含むことを特徴としている。
【0057】
したがって、複数の通信網による通信を制御する通信制御装置において、アドレスの管理、利用を容易になるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
《実施形態1》
本発明の一実施形態について図面に基づいて説明すると以下の通りである。本実施形態では、一例として、本発明の通信システムを、データ交換システムに適用した場合について説明する。
【0059】
データ交換システムは、ここでは、宅内に設置される複数の通信装置が、別宅の複数の通信装置と通信することにより、複数の通信、すなわち、音声通話およびデータ通信の連携を実現するシステムである。
【0060】
本実施形態のデータ交換システムは、IMSにより実現されており、IP(Internet Protocol)をベースとしたパケット通信により、音声データ、音楽データ、画像データ、動画データ、文書データなどさまざまなメディアデータの交換を行っている。また、データ交換システム上で実行される複数の通信の方法については特定しないが、例えば、SIPを用い、図示しない呼セッション制御機能を有するSIPサーバを介したり、あるいは、HTTPなどのデータ通信用のプロトコルを用いたりするなどして実現する。
【0061】
〔データ交換システムの概要〕
図2は、本発明の実施形態におけるデータ交換システム1の概略構成を示す図である。図2に示すとおり、データ交換システム1は、宅Aに敷設される送信システム21と、宅Bに敷設される受信システム22とを含む構成となっている。これらの各システムは、広域通信網28を介して通信可能に接続されている。
【0062】
送信システム21および受信システム22は、それぞれ、広域通信網28へのゲートウェイとなるホームゲートウェイ210(220)を備えている。ホームゲートウェイ210(220)は、宅内に設置されたテレビ、電話機、PC(personal computer)などの構内通信装置の通信制御を行う通信制御装置であり、該構内通信装置と広域通信網28とのデータ送受信におけるルーティング機能を担っている。ホームゲートウェイ210(220)は、例えば、ルータ、スイッチングハブなどの中継装置、通信機能を有したパーソナルコンピュータ、ホームサーバ、ミニコンピュータなどの各種情報処理装置により実現される。
【0063】
本実施形態では、送信システム21および受信システム22は、それぞれ、構内通信装置として、テレビ212(222)および電話機211(221)を備えている。各構内通信装置は、ホームゲートウェイ210(220)と家庭内LAN(Local Area Network)213(223)を介してネットワーク接続がなされており、これにより、広域通信網28に対して構内通信網が構築されている。
【0064】
なお、本実施形態では、一例として、広域通信網28は、2種類の通信網を含む。第一通信網は、NGN24である。NGN24は、権限のある特定のエンティティのみが利用できるプライベートな閉域通信網を実現する。第二通信網は、インターネット23であり、閉域通信網に対して利用者を制限しない公衆通信網を実現する。広域通信網28を実現する通信網は、インターネット23、NGN24に限定されず、回線交換とデータ転送とが可能であれば何でもよい。SIPをベースとした回線交換可能なネットワークが最適である。
【0065】
広域通信網28とホームゲートウェイ210(220)との接続においては、インターネットサービスを提供するサービスプロバイダが、自社網への接続を可能にするルータなどの接続機器を最寄りの収容局25(26)に設置し、これにより、宅の構内通信装置のユーザからのアクセスを上記接続機器で分岐させることが一般的である。また、この場合、ホームゲートウェイ210(220)から収容局25(26)までのネットワークは地域通信事業者の所有する通信網を借用することが多い。本実施形態では、NGN24とインターネット23の二つのネットワークがそれぞれ収容局まで敷設されており、送信システム21および受信システム22を利用するそれぞれのユーザはともに、上記二つのネットワークを利用することができる状態である。
【0066】
ホームゲートウェイ210は、送信システム21においてユーザが、経由するネットワークの種類を意識せずとも複数の通信網をシームレスに利用して、受信システム22との音声通話およびデータ通信を行うための送信制御機能を備えている。
【0067】
上述のデータ交換システム1を用いて実現するデータ交換アプリケーションの概要について説明する。本アプリケーションは、テレビで表示している画像を、現在、電話機にて通話中の相手側のテレビに簡単に送信できる、というものである。例えば、送信側のホームゲートウェイ210は、例えばUSBメモリなどの外付けストレージ等を介して画像(図8(a))を保存しており、テレビ212は、上記画像をユーザに表示しているとする。宅Aのユーザが上記画像を宅Bのユーザのテレビに送信したい場合、リモコンなどを操作して、図8(b)に示すダイアログメッセージを呼び出し、決定ボタンを選択する。このユーザ操作に基づいて、テレビ212がリクエスト(データ送信要求メッセージ)をホームゲートウェイ210に対して送信する。ホームゲートウェイ210は、データ送信要求メッセージに応じて、依頼された送信対象の画像を、受信側のホームゲートウェイ220に配信する。このように、宅Aにて電話中のユーザは、通話中の相手に送信したい画像をテレビ212に表示させ、リモコンなどにより所定の操作を行うだけで、通話相手の機器のIPアドレスなどを別途指定する必要無しに、簡単に通話相手に画像を送信することができる。さらに、画像の送信が完了し、画像が宅Aのテレビ212と、宅Bのテレビ222との間で共有できた場合には、アプリケーションは、図8(c)に示すダイアログメッセージによって、画像の共有化をユーザに通知してもよい。
【0068】
ホームゲートウェイ220のホームゲートウェイ210と異なる点は、ホームゲートウェイ220が、複数の通信網を介して、ホームゲートウェイ210と適切な音声通話およびデータ通信を行うために、上記送信制御機能の代りに、受信制御機能を備えている点である。受信制御機能とは、ホームゲートウェイ210から受信したデータ、リクエストを解析して、解析内容に応じて適切な処理を行う機能である。
【0069】
そして、本発明のデータ交換システム1においては、各ホームゲートウェイ210、220は、第一通信網(例えば、NGN24)介して通話中の相手に、第二通信網(例えば、インターネット23)を介してデータを送信する場合に、第二通信網での通信に用いるお互いの宛先情報(IPアドレスなど)を、第一通信網を介して交換することが可能である。このため、各ホームゲートウェイ210、220においては、1つの通信相手につき、複数の通信網ごとに宛先情報を管理する必要なく、1つの宛先情報を管理しておくだけで、複数の通信網での通信をシームレスに利用することができる。以下より、上記機能実現のためのホームゲートウェイ210、220の要部構成について詳述する。
【0070】
なお、ここでは、データ交換システム1における送信側システムの送信機能と、受信側システムの受信機能とを、分けて説明する便宜上、宅Aが送信システム21を、宅Bが受信システム22をそれぞれ備えている構成とした。しかし、宅Aの送信システム21を構成する各装置は、これから述べる受信システム22の各装置が有する受信機能を備えていてもよく、送信システムとして機能すると同時に受信システムとしても機能することができる。宅Bの受信システム22についても同様、受信システム22の各装置は、送信システム21の各装置と同様に送信機能を備えていてもよい。
【0071】
本発明のデータ交換システム1によれば、宅Aの送信システム21と宅Bの受信システム22との間で、各ホームゲートウェイを介して、複数の通信網(インターネット23、NGN24)をシームレスに利用し、且つ、複数の通信(電話機での音声通話およびテレビ画像のデータ通信)を連携させることができる。これにより、電話機211と電話機221とが第一通信網のNGN24を介して音声通話を行う一方で、テレビ212とテレビ222とが第二通信網のインターネット23を介してデータ通信を行って、異種通信網を介する経路選択を意識することなく、シームレスに各種メディアデータを交換することが可能である。
【0072】
〔(送信側)ホームゲートウェイの構成〕
図1は、本発明の実施形態におけるホームゲートウェイ210の要部構成を示す図である。
【0073】
図1に示すとおり、送信システム21のホームゲートウェイ210は、制御部10、通信部11、および、記憶部12を備える構成となっている。
【0074】
通信部11は、ホームゲートウェイ210が外部の通信網を介して外部の通信装置とデータの送受信を行うためのものである。より具体的には、通信部11は、構内通信部11aと広域通信部11bとを備えている。
【0075】
構内通信部11aは、家庭内LAN213を介して、テレビ212および電話機211との間のデータの送受信を行うものである。広域通信部11bは、広域通信網28を介して、受信システム22のホームゲートウェイ220とデータの送受信を行うものである。広域通信部11bは、受信側のIPアドレスなどがヘッダに付与されたデータを収容局25に送信することにより、インターネット23またはNGN24を介して受信側のホームゲートウェイ220にデータを送信することができる。
【0076】
記憶部12は、制御部10が実行する制御プログラムおよびOSプログラム、ならびに、制御部10が、ホームゲートウェイ210が有する各種機能を実行するときに読み出す各種データを記憶するものであり、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。記憶部12に記憶される各種データとしては、例えば、自装置のIPアドレス、受信側装置のIPアドレスなどが想定されるが、これに限定されない。さらに、ホームゲートウェイ210が、通信相手とセッションを確立したときの当該セッションの内容を示すセッション情報などが記憶部12に記憶されていてもよい。
【0077】
制御部10は、ホームゲートウェイ210が備える各部を統括制御するものであり、機能ブロックとして、少なくとも、要求解析部101、呼制御部102、セッション管理部103、送信メッセージ作成部104およびアドレス交換部106を備えている。さらに、通信網選択部105および暗号処理部107を備えていてもよい。
【0078】
上述の、要求解析部101、呼制御部102、セッション管理部103、送信メッセージ作成部104、通信網選択部105、アドレス交換部106および暗号処理部107は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶部12に記憶されているプログラムを不図示のRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる機能ブロックである。
【0079】
要求解析部101は、構内通信部11aが受信した各構内通信装置(電話機211、テレビ212など)からのデータに含まれる要求メッセージを抽出し、その要求内容を解析するものである。要求解析部101が解析した解析結果に応じて、ホームゲートウェイ210の各部は、要求に応じた処理を適切に実行することが可能となる。上記要求メッセージとしては、例えば、テレビ212から送られてくる、画像を受信システム22に送信すること要求するデータ送信要求メッセージや、電話機211から送られてくる、電話機221への発呼を要求する発呼要求メッセージなどが挙げられる。より詳細には、例えば、要求解析部101は、上記送信要求メッセージを解析し、該メッセージに含まれる送信対象のデータ(画像など)、および/または、該データの送信先の情報を取得する。
【0080】
セッション管理部103は、各構内通信装置が外部の通信装置と確立した通信セッションを管理するものである。具体的には、電話機211が発呼処理を行い、受信システム22の電話機221との音声通話のセッションを確立した場合には、当該セッションに関するセッション情報をセッション情報記憶部121に記憶する。セッション情報には少なくとも通信相手を識別する番号(電話番号やIPアドレスなど)が含まれている。これにより、ホームゲートウェイ210は、現在通話中の相手が誰であるのかを把握することができる。
【0081】
呼制御部102は、各構内通信装置が受信システム22の各通信装置との通信を行えるように呼の制御を行うものである。ここでは、呼制御部102は、SIPベースの呼セッション制御機能の仕様に沿って、呼の制御メッセージを理解し、やりとりを行う。例えば、呼制御部102は、各構内通信装置から上記データ送信要求メッセージや上記発呼要求メッセージを受信したときに、既に、第1通信(電話機同士の音声通話)のセッションが確立している場合には、要求メッセージに応じて開始する第2通信(テレビ同士のデータ通信)の通信相手を、上記第1通信と同じ通信相手に設定することなどが可能である。
【0082】
なお、図示しないが、制御部10は、装置管理部を備えており、装置管理部は、家庭内LAN213を介してホームゲートウェイ210に接続されている各構内通信装置を管理する。例えば、接続されている電話機211に割り当てられている内線番号を管理したり、テレビ212が有するIPアドレスを管理したりする。これにより、ホームゲートウェイ210は、送信システム21が備える複数の構内通信装置を一意に識別することが可能となり、どの構内通信装置から、要求メッセージが来たのかを把握することができる。
【0083】
送信メッセージ作成部104は、構内通信装置から送信するよう要求された画像または制御部10の各部が生成した各種データなどの本文に、宛先の情報を含んだヘッダを付与して、送信メッセージを作成するものである。本実施形態では、送信メッセージ作成部104は、受信側のIPアドレスおよびポートをTCP/IPヘッダとして作成する。そして、画像すなわち本文に上記TCP/IPヘッダを付与して送信メッセージを完成させる。送信メッセージ作成部104は、自装置アドレス記憶部123、受信側アドレス記憶部122のそれぞれに記憶されている自装置のIPアドレスと、受信側の装置のIPアドレスとを読み出して上記ヘッダを作成する。
【0084】
アドレス交換部106は、複数の通信網に接続可能なホームゲートウェイ210において、第一通信網を介して通信相手と通信している場合に、他の通信網を利用するために用いる宛先情報(送信先情報/第二通信網用アドレス)を、上記第一通信網を介して上記通信相手と交換するものである。
【0085】
本実施形態では、NGN24を介して、通話相手と電話機で通話している場合に、インターネット23を介して画像を該通話相手のテレビに送信する場合に、インターネット23での通信で用いるIPアドレス(IPv4)(第二通信網用アドレス)を、NGN24を介して通話相手と交換する。
【0086】
具体的には、アドレス交換部106は、自装置のIPアドレス(IPv4)およびポートを本文として作成し、これを、NGN24で通話中の相手にNGN24を介して送信するように、送信メッセージ作成部104に依頼する。送信メッセージ作成部104は、この依頼に基づいて、NGN24での通信で用いる通話相手のIPアドレス(IPv6)をヘッダとして上記本文に付与する。このようにして作成された送信メッセージは、広域通信部11bを介して、通話相手、つまり、ホームゲートウェイ220に送信される。この送信メッセージは、本文に送信側のIPアドレス(IPv4)(第二通信網用アドレス)およびポートが含まれていることで、受信側において、IPアドレス交換要求メッセージであると理解される。
【0087】
アドレス交換部106は、上記IPアドレス交換要求メッセージの応答として、受信側のIPアドレス(IPv4)(送信先情報/第二通信網用アドレス)およびポート(送信先情報)を取得すると、それを受信側アドレス記憶部122に保存する。これにより、送信メッセージ作成部104は、テレビ212から依頼された画像に、上記受信側のIPアドレス(IPv4)を含むヘッダを付与して送信メッセージを作成することができる。
【0088】
上記構成によれば、ホームゲートウェイ210は、相手のホームゲートウェイ220の宛先情報として、NGN24介して通信するために用いるIPアドレス(IPv6)1種類を管理しておくだけで、他の通信網を介して行う通信を実行できる。より具体的には、電話機211でNGN24を介して音声通話を行っている最中に、テレビ212からインターネット23を介して画像を同じ相手に送信したい場合には、ホームゲートウェイ210は、NGN24を介した通信によって、通話中の相手とIPアドレス(IPv4)を交換する。これにより、ホームゲートウェイ210は、インターネット23を介して、画像を通話相手のホームゲートウェイ220に送信することが可能となる。
【0089】
第一通信網での通信に用いるIPアドレス(IPv6)を1種管理しておけば、第二通信網での通信に用いるIPアドレス(IPv4)を管理せずとも、第一通信網での通信によって、必要なときにIPアドレス(IPv4)を交換して、第二通信網を介した通信を行うことができる。結果として、複数の通信網による通信を制御するホームゲートウェイにおいて、1つの通信相手につき複数のアドレスを管理することが無くなる。また、ユーザにとっても、どの通信網を経由するかを意識して通信網ごとに宛先を指定する必要がなくなるので利用が容易になる。
【0090】
〔通信網選択機能〕
本発明のホームゲートウェイは、複数種類の通信網を利用することが可能であるので、利用するサービスおよびアプリケーションごとに通信網を使い分けられることが望ましい。
【0091】
例えば、ユーザは、非常に重要な機密情報であれば、たとえ相応の費用が課金されたとしてもNGNで安全に送信したいと考えるであろうし、また、それほど重要な情報ではなくかつサイズが大きい場合には、NGNで送信した際の課金を避けるために、インターネットで送信したいと考えるであろう。
【0092】
本発明の他の目的は、二つの異なる通信網に接続された装置間でデータを送受信する際に、それぞれの通信網の特長に合わせて選択的に利用することで、ユーザの利便性を向上させる通信制御装置、データ交換システムを実現することにある。
【0093】
本実施形態では、さらに、ホームゲートウェイ210の制御部10は、機能ブロックとして通信網選択部105を、記憶部12は、選択条件記憶部124を備えていることが好ましい。
【0094】
通信網選択部105は、複数の通信網のうちいずれの通信網を介してデータを送信するのかを決定するものである。本実施形態では、要求解析部101が画像などのデータ送信の依頼を構内通信装置から受け付けたときに、その送信対象のデータを、NGN24とインターネット23とのいずれの通信網を介して送信するのかを選択する。
【0095】
本実施形態では、通信網選択部105は、送信対象のデータの形式、機密性、情報量、また該データの受信相手に応じて、通信網を選択する。選択条件記憶部124には、どのような場合に、どちらの通信網を選択すべきかを示す選択条件が格納されている。図9は、選択条件記憶部124に記憶されている選択条件の具体例を示す図である。図9に示す例では、第一通信網(NGN24)での通信中に、構内通信装置から画像などのデータの送信要求を受け付けた場合、上記画像を、現在使用中のNGN24ではなくインターネット23経由で送信する条件が、選択条件記憶部124に記憶されている。
【0096】
具体的には、図9に示す選択条件によれば、構内通信装置から送信要求されたデータの、(1)データサイズが100KB以上である、(2)拡張子が“.jpg”または“.jpeg”である、(3)形式がXML(eXtensible Markup Language)文書であり、文書に<security>タグ、すなわち、機密文書であることを示す情報が含まれていない、もしくは、(4)受信側の宛先が012−345−6789である場合に、通信網選択部105は、上記送信要求されたデータをインターネット23経由で通信相手に送信することを選択する。
【0097】
上記選択条件に従えば、通信網選択部105は、データサイズが大きなデータを、通信料が安価なインターネット23を介して送信するようにできるので、通信コスト削減効果が期待できる。また、機密性の高い重要なデータを、公衆通信網でなく閉域通信網であるNGN24を介して送信するようにできるので、安全性の高い通信を実現できる。
【0098】
また、通信網選択部105は、特定の拡張子のデータを積極的にインターネット23を介して送信するようにできる。NGN24では、現状、一般に音声通話を優先させる制御を行っているため、画像や動画などの容量の大きいデータの送信を制限していることがある。また、そのような制限によって、NGN24では画像や動画の送信ができなかったり、後回しにされて即時性が損なわれたりする不都合が生じる。このような不都合を解消するために、画像や動画などの送信要求を受けた場合には、通信網選択部105は、インターネット23を介して、受信側のホームゲートウェイ220に送信するようにできる。
【0099】
さらに、上記選択条件に従えば、通信網選択部105は、特定の相手との通信には、インターネット23を使用するように送信メッセージ作成部104を制御することができる。これにより、通信相手が高価なNGN24での通信を望まない場合に、その相手との通信を、極力インターネット23を用いて行うようにすることが可能となる。逆に、通信相手が重要な取引先である場合などであって、専ら機密文書を交わす通信相手である場合には、常にNGN24を用いて通信を行うようにしてもよい。
【0100】
〔(受信側)ホームゲートウェイの構成〕
図3は、本発明の実施形態におけるホームゲートウェイ220の要部構成を示す図である。
【0101】
図3に示すとおり、受信システム22のホームゲートウェイ220は、制御部30、通信部31、および、記憶部32を備える構成となっている。
【0102】
通信部31は、ホームゲートウェイ220が外部の通信網を介して外部の通信装置とデータの送受信を行うためのものである。より具体的には、通信部31は、構内通信部31aと広域通信部31bとを備えている。これらの機能は、上述したホームゲートウェイ210の通信部11の各部の動作と同様であるので、ここでは説明を省略する。
【0103】
記憶部32は、制御部30が実行する制御プログラムおよびOSプログラム、ならびに、制御部10が、ホームゲートウェイ220が有する各種機能を実行するときに読み出す各種データを記憶するものであり、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置によって構成されるものである。
【0104】
各種データを記憶する記憶部32には、具体的には、セッション情報記憶部131、自装置アドレス記憶部132、送信側アドレス記憶部133および受信データ記憶部134が含まれる。必要に応じて暗号鍵記憶部135が含まれていてもよい。
【0105】
制御部30は、ホームゲートウェイ220が備える各部を統括制御するものであり、機能ブロックとして、少なくとも、メッセージ解析部301、呼制御部302、セッション管理部303、受信データ配信部304およびアドレス交換部306を備えている。さらに、受信装置選択部305および暗号処理部307を備えていてもよい。
【0106】
上述の、メッセージ解析部301、呼制御部302、セッション管理部303、受信データ配信部304、受信装置選択部305、アドレス交換部306および暗号処理部307は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶部32に記憶されているプログラムを不図示のRAM(random access memory)等に読み出して実行することで実現できる機能ブロックである。
【0107】
呼制御部302は、受信システム22の各通信装置が送信システム21の各構内通信装置との通信を行えるように呼の制御を行うものである。呼制御部102と同様、呼制御部302は、SIPベースの呼セッション制御機能の仕様に沿って、呼の制御メッセージを理解し、やりとりを行う。
【0108】
受信データ配信部304は、通信部31を介して受信された各種受信データ(画像、動画、XML文書、テキストなど)を、自装置に家庭内LAN223にて接続されている各構内通信装置に配信するものである。受信データ配信部304は、各構内通信装置からの要求に応じて、該構内通信装置に要求された受信データを応答として返信してもよい。あるいは、ブロードキャスト方式にて、自装置に接続されているすべての構内通信装置に受信データを配信してもよい。あるいは、受信装置選択部305が備えられている場合は、受信装置選択部305の指示に基づいて、受信装置選択部305が上記受信データを受け取る受信装置として指定した構内通信装置宛てにのみ上記受信データを配信してもよい。
【0109】
受信装置選択部305は、通信部31が受信した受信データを受け取る受信装置を、自装置に家庭内LAN223にて接続されている各構内通信装置の中から、所定の条件に応じて選択するものである。例えば、インターネット23用のアドレスを交換した、現在通話中の相手からの受信データを受信した場合に、それを、最優先に処理すべきとして、現在起動中のテレビ222に上記受信データを配信するよう選択したりすることができる。
【0110】
なお、図示しないが、制御部30は、装置管理部を備えており、装置管理部は、家庭内LAN223を介してホームゲートウェイ220に接続されている各構内通信装置(電話機221、テレビ222など)を管理するものである。具体的には、電話機に割り当てられている内線番号を管理したり、テレビのIPアドレスを管理したりする。これにより、ホームゲートウェイ220は、受信システム22が備える複数の構内通信装置を一意に識別することが可能となる。
【0111】
本実施形態では、ホームゲートウェイ220も、ホームゲートウェイ210と同様に、
セッション管理部303およびセッション情報記憶部131を備え、第1通信(音声通話)を着呼したときに、どの相手と第1通信中であるかを示す情報をセッション情報として管理してもよい。セッション管理部303が管理するセッション情報は、ホームゲートウェイ210のセッション管理部103が管理するセッション情報と同様である。
【0112】
メッセージ解析部301は、ホームゲートウェイ210から送信された送信メッセージを解析するものである。具体的には、ホームゲートウェイ210からは、送信メッセージ作成部104が作成した送信メッセージが送られる。メッセージ解析部301は、上記送信メッセージの本文の内容を解析して、当該送信メッセージの目的を判定する。
【0113】
本文に、画像、動画、テキスト、XML文書などのデータが含まれている場合には、メッセージ解析部301は、それらのデータを、受信システム22内の構内通信装置のいずれかが通常通り処理すべきものとみなす。そこで、メッセージ解析部301は、受信したデータを、受信データ配信部304に伝達し、それを適宜処理するように促す。
【0114】
一方、本文に、送信側の装置の第二通信網用のIPアドレス(IPv4)およびポートが含まれている場合には、それは、第一通信網にて通話中の相手からのIPアドレス交換要求メッセージであるとみなす。そこで、メッセージ解析部301は、上記送信側のIPアドレス(IPv4)およびポートをアドレス交換部306に伝達し、アドレス(IPv4)をホームゲートウェイ210と交換するように促す。
【0115】
アドレス交換部306は、複数の通信網に接続可能なホームゲートウェイ220において、第一通信網を介して通信相手と通信している場合に、他の通信網を利用するために用いる宛先情報(IPアドレスなど)を、上記第一通信網を介して上記通信相手と交換するものである。
【0116】
本実施形態では、NGN24を介して上記IPアドレス交換要求メッセージが受信された場合には、アドレス交換部306は、メッセージ解析部301の解析結果である送信側のIPアドレス(IPv4)およびポートを送信側アドレス記憶部133に保存する一方、自装置アドレス記憶部132に記憶されている自装置のインターネット23用のIPアドレス(IPv4)および利用するボート番号を取得して、それを、本文に含むIPアドレス交換応答メッセージを作成する。
【0117】
IPアドレス交換応答メッセージは、ホームゲートウェイ210からのIPアドレス交換要求メッセージに対する応答として、自装置のインターネット23用のIPアドレスとポートとをホームゲートウェイ210に通知するためのメッセージである。IPアドレス交換応答メッセージは、広域通信部31bによって、現在通話確立中のNGN24を介して、ホームゲートウェイ210に返送される。
【0118】
上記IPアドレス交換応答メッセージを受け取ったホームゲートウェイ210から、インターネット23を介して、送信メッセージが送られてきた場合には、メッセージ解析部301が、セッション情報記憶部131のセッション情報、送信側アドレス記憶部133の送信側IPアドレス、ポート番号などから、アドレスを交換した相手(=通話中の相手)からの送信メッセージであるか否かを判定する。
【0119】
メッセージ解析部301によって、受信データが、通話中の相手からの送信メッセージであると判定された場合には、受信装置選択部305が、その解析結果にしたがって、送信メッセージに含まれるデータがリアルタイムで処理されるように、該データを処理する構内通信装置(テレビなど)の選択を適宜行う。そして、受信データ配信部304が、受信装置選択部305によって選択された構内通信装置宛てに上記データをすぐに配信する。
【0120】
〔データ交換システムの処理フロー〕
図4は、データ交換システム1における送信側、受信側の各ホームゲートウェイの処理の流れを示すフローチャートである。
【0121】
まず、送信システム21の電話機211と、受信システム22の電話機221との間で音声通話が行われる(第一通信)。ホームゲートウェイ210の呼制御部102と、ホームゲートウェイ220の呼制御部302とが、それぞれ、発呼または着呼処理を実行する(S101およびS201)。この通話によってやりとりされるデータは、本実施形態では、NGN24を介して各ホームゲートウェイにて送受信される。NGN24における通話相手側のIPアドレス(IPv6)などは、セッション情報として、セッション情報記憶部121に記憶されている。
【0122】
上記通話中に、宅Aのユーザ(送信者)が、通話相手つまり宅Bのユーザ(受信者)に例えば、図8(a)に示す画像を送信したい場合、送信者は、テレビ212のリモコンなどを操作して、上記画像をテレビ212に表示し、それを選択する。具体的には、送信者は、テレビ212の画面に図8(b)に示すダイアログが表示されている状態で、リモコンの決定ボタンを選択する。この操作に応じて、テレビ212は、家庭内LAN213にて接続されているホームゲートウェイ210に対して、上記画像の送信を依頼するデータ送信要求メッセージを送信する。
【0123】
ホームゲートウェイ210の構内通信部11aは、上記データ送信要求メッセージを受信し、要求解析部101が受信したデータ送信要求メッセージの解析を行う。受信されたデータ送信要求メッセージは、一旦図示しない要求メッセージ記憶部に記憶され、適切なタイミングで要求解析部101によって読み出されてもよい。データ送信要求メッセージは、画像データそのものであってもよいし、「/mnt/usb/image1.jpg」のようなホームゲートウェイ210上でのファイルパスなど間接的に画像を特定できる情報であってもよい。
【0124】
本実施形態では、要求解析部101の解析結果は、ひとまず通信網選択部105に伝達される。通信網選択部105は、上記解析結果、具体的には、送信対象の画像の形式、データサイズ、該画像の受信者などに基づいて、NGN24およびインターネット23のどちらを利用して上記画像を送信するかを選択する(S103)。このとき、通信網選択部105は、選択条件記憶部124に記憶されている選択条件を参照して、利用する通信網を選択する。例えば、図9に示すテーブルの第一の条件に基づいて、上記画像が100KB以上のファイルである場合には、インターネット網で送信すると決定し、そうでなければ、NGN網で上記画像を送信すると決定する。
【0125】
通信網選択部105が、上記画像をNGN24で送信すると決定した場合(S103においてNO)、ホームゲートウェイ210は、テレビ212から依頼された画像を、NGN24を介して、宅Bのホームゲートウェイ220に送信する(S104)。
【0126】
より具体的には、送信メッセージ作成部104は、宛先として、セッション情報記憶部121にて管理されている受信システム22のIPアドレス(IPv6)を取得して、それをTCP/IPヘッダに含めて上記画像を送信する。
【0127】
一方、通信網選択部105が、上記画像をインターネット23で送信すると決定した場合(S103においてYES)、アドレス交換部106が、インターネット23で用いるIPアドレスを通話相手の受信システム22と交換する。本実施形態では、セッション情報記憶部121にて、通話中の相手について、NGN24上で用いるIPv6のIPアドレスしか管理していない。このため、インターネット23上で用いるIPv4のIPアドレスを受信システム22のホームゲートウェイ220と交換する必要がある。
【0128】
まず、送信メッセージ作成部104は、送信側であるホームゲートウェイ210自身のインターネット23でのIPアドレス(IPv4)と利用するポート番号とを、自装置アドレス記憶部123から取得し、それを本文に含む、IPアドレス交換要求メッセージ作成する。そして、広域通信部11bが、上記IPアドレス交換要求メッセージをNGN24を介して受信側のホームゲートウェイ220に送信する(S105)。図5は、このときホームゲートウェイ210からホームゲートウェイ220に送信されるIPアドレス交換要求メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【0129】
受信システム22のホームゲートウェイ220では、広域通信部31bが、S104の送信メッセージまたはS105のIPアドレス交換要求メッセージを、NGN24を介して受信する(S202)。
【0130】
メッセージ解析部301は、広域通信部31bが受信したメッセージを解析し、当該メッセージが、IPアドレスの交換を要求するIPアドレス交換要求メッセージであるか否かを判定する(S203)。
【0131】
ここで、メッセージ解析部301が、受信されたメッセージがIPアドレス交換要求メッセージではないと判定した場合、すなわち、画像などのデータを含む送信メッセージであると判定した場合(S203においてNO)、ホームゲートウェイ220は、通常のデータ処理を実行する(S204)。例えば、受信データ配信部304は、受信された送信メッセージに含まれる受信データ(画像、動画など)を、ホームサーバに配信し格納して、ユーザが任意にテレビやパソコンなどで閲覧できるようにしてもよい。
【0132】
一方、メッセージ解析部301が、受信されたメッセージがIPアドレス交換要求メッセージであると判定した場合(S203においてYES)、アドレス交換部306は、メッセージ解析部301が解析した送信側のIPアドレス(IPv4)およびポートを送信側アドレス記憶部133に保存する一方、自装置アドレス記憶部132に記憶されている自装置のインターネット23用のIPアドレス(IPv4)および利用するポート番号を取得して、それを、本文に含むIPアドレス交換応答メッセージを作成する。広域通信部31bは、アドレス交換部306が作成したIPアドレス交換応答メッセージを、送信システム21のホームゲートウェイ210宛てに返送する(S205)。ここで、広域通信部31bは、現在通話に利用しているNGN24を用いて、ホームゲートウェイ210のIPv6のアドレス宛てに、自装置のIPv4のアドレスおよび利用するポート番号を返送する。図6は、このときホームゲートウェイ220からホームゲートウェイ210に返送されるIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【0133】
これに対し、NGN24を介して、ホームゲートウェイ220からIPアドレス交換応答メッセージを受信したホームゲートウェイ210においては、アドレス交換部106が、IPアドレス交換応答メッセージの本文から、受信側のIPアドレス(IPv4)およびポート番号を取得して、これを受信側アドレス記憶部122に保存する(S106)。
【0134】
続いて、送信メッセージ作成部104は、S102にてテレビ212から依頼された画像を本文に含む送信メッセージを作成する。このとき、送信メッセージ作成部104は、TCP/IPヘッダに、宛先情報として、S106にて取得された受信側のIPアドレス(IPv4)およびポート番号を含める。これにより、当該送信メッセージは、通信網選択部105の選択にしたがって、インターネット23経由でホームゲートウェイ220に送信される。また、送信メッセージ作成部104は、当該送信メッセージの送信元である自装置のIPアドレス(IPv4)およびポート番号も、TCP/IPヘッダに含める。広域通信部11bは、送信メッセージ作成部104が作成した送信メッセージを、ホームゲートウェイ220に送信する(S107)。図7は、このときホームゲートウェイ210からホームゲートウェイ220に送信される送信メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【0135】
これに対し、インターネット23を介して、ホームゲートウェイ210から上記送信メッセージ(図7)を受信したホームゲートウェイ220においては、メッセージ解析部301が、上記送信メッセージの解析を行う。
【0136】
メッセージ解析部301は、送信メッセージの送信元が、S205にて送信側アドレス記憶部133に記憶されているIPアドレスおよびポート番号と一致するかどうかを判定する(S206)。
【0137】
そして、送信元のIPアドレスとすでに記憶されているIPアドレスとが一致すると判定された場合は(S206においてYES)、受信装置選択部305が、現在NGN24にて通話中の宅Aのホームゲートウェイ210から受信したものと判断する。したがって、受信装置選択部305は、リアルタイムで上記送信メッセージに含まれる画像が処理されるように、該画像の受信装置として、画像をすぐに表示可能な起動中のテレビ222を選択する。受信データ配信部304は、受信装置選択部305の選択にしたがって、テレビ222に上記画像を配信する(S207)。
【0138】
一方、送信元のIPアドレスが記憶されているものと一致しないと判定された場合には(S206)、即時処理する必要がない送信メッセージであるので、上述したとおり、ホームゲートウェイ220は、上記画像に対して通常のデータ処理を実行する(S204)。
【0139】
上記方法によれば、データ交換システム1においては、各ホームゲートウェイ210、220は、第一通信網(例えば、NGN24)介して通話中の相手に、第二通信網(例えば、インターネット23)を介してデータを送信する場合に、第二通信網での通信に用いるお互いの宛先情報(IPアドレスなど)を、第一通信網を介して交換することが可能である。このため、各ホームゲートウェイ210、220においては、1つの通信相手につき、複数の通信網ごとに宛先情報を管理する必要なく、1つの宛先情報を管理しておくだけで、複数の通信網での通信をシームレスに利用することができる。
【0140】
よって、複数の通信網による通信を制御する通信制御装置において、アドレスの管理、利用を容易にすることが可能となる。
【0141】
なお、本実施形態では、NGN24を経由するメッセージは、ヘッダに宛先情報としてIPv6のIPアドレスを、インターネット23を経由するメッセージは、ヘッダにIPv4のIPアドレスを含むように、送信メッセージ作成部104がヘッダを作成する。
【0142】
各メッセージがどちらの通信網を経由して送信されるかの実際の経路選択は、上記送信メッセージをホームゲートウェイ210から受信する収容局25、26のルータによって実現される。上記ルータは、IPv4とIPv6とを判別することが可能である。また、インターネット23経由、NGN24経由の両方でIPv6が利用される場合には、上記ルータは、例えば、IPアドレスのプレフィックスから、どちらの通信網を利用すべきかを判断することができる。
【0143】
上述のように、本実施形態におけるホームゲートウェイ(通信制御装置)は、セッション確立済みの第一通信網において、第二通信網で利用する送信先情報(例えば、IPアドレスなど)を取得する。そのため、第一通信網におけるアドレスさえ事前に共有していれば、別途第二通信網のアドレスを教え合い、管理する必要がなくなるので、通信制御装置におけるアドレス管理が容易になるという効果がある。
【0144】
さらに、本発明の通信制御装置が、送信対象データに応じてどの通信網で送信するかを選択、決定することにより、ユーザは、特段の操作の必要無く、通信網の特長によって通信網を使い分けられるという利便性を享受できる。例えば、大きなデータは安価な通信網で送信し、セキュリティの必要な送信対象データは、安全性の高い通信網で送信する、というような使い分けを、ユーザが意識することなく通信制御装置において実現することができる。また、第一通信網(NGN網)において、音声通話が優先されているなどの理由から、画像や動画など特定のデータを送信することができない場合においても、そのような送信対象データの送信時に限り第二通信網(インターネット)を利用することが可能である。
【0145】
《実施形態2》
送信側のホームゲートウェイ210は、IPアドレス交換要求メッセージにて、受信側のIPアドレスを要求した後、該要求の応答として、受信側のホームゲートウェイ220よりIPアドレスおよびポート番号、さらに、暗号鍵を含んだIPアドレス交換応答メッセージを受信してもよい。
【0146】
本実施形態における各ホームゲートウェイは、安全な閉域通信網であるNGN24と、公衆通信網であるインターネット23との2種類を利用することが可能である。そこで、ホームゲートウェイ210は、インターネット23を介して送信するデータに対しては、ホームゲートウェイ220から受信した暗号化鍵を利用して暗号化した後に送信するようにする。上記暗号鍵は、共有鍵であってもよい。上記暗号鍵は、データ送受信のセキュリティは確保されている閉域通信網のNGN24を介して、IPアドレスとともに交換されるため、秘密暗号鍵がやりとりされても盗聴される心配は無いからである。
【0147】
本実施形態では、送信側のホームゲートウェイ210は、さらに、暗号処理部107(図1)を備える構成となっている。受信側のホームゲートウェイ220は、さらに、暗号処理部307および暗号鍵記憶部135を備える構成となっている。
【0148】
〔送信側ホームゲートウェイの処理フロー〕
図10は、本実施形態における、送信側のホームゲートウェイ210の処理の流れを示すフローチャートである。
【0149】
図10に示すホームゲートウェイ210の処理の流れにおいて、図4のそれと異なる点は、以下のとおりである。S303にてインターネット23経由で画像を送信することが決定されると、まず、送信メッセージ作成部104は、IPアドレス交換要求メッセージを送信する場合に、自装置のインターネット側のIPアドレスと利用するポート番号とともに、さらに、受信側ホームゲートウェイ220に対して暗号鍵を要求するリクエストを本文に含める(S305)。図11は、本実施形態におけるS305にて送信メッセージ作成部104が作成するIPアドレス交換要求メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【0150】
上記IPアドレス交換要求メッセージを受信したホームゲートウェイ220においては、メッセージ解析部301が、アドレスの交換と、暗号鍵とが要求されていると解析し、アドレス交換部306が、インターネット23上でのIPアドレス、ポート番号に加えて、上記暗号鍵を本文に含むIPアドレス交換応答メッセージを作成する。上記暗号鍵は、暗号処理部307が暗号鍵記憶部135から取得して、アドレス交換部306に供給したものである。このとき、作成されるIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を図12に示す。
【0151】
上記暗号鍵が含まれたIPアドレス交換応答メッセージを受信したホームゲートウェイ210においては、アドレス交換部106が、IPアドレス交換応答メッセージ内のIPアドレス、ポート番号に関連付けて、同じく、本文に含まれている暗号鍵を受信側アドレス記憶部122に記憶する(S306)。
【0152】
続いて、暗号処理部107は、アドレス交換部106によって取得された暗号鍵を受信側アドレス記憶部122から読み出し、その暗号鍵を用いて送信対象の画像を暗号化する(S307)。上記画像は、S302にてテレビ212からホームゲートウェイ220に送るよう要求された送信対象データである。
【0153】
そして、送信メッセージ作成部104は、S306にて取得された受信側のIPアドレスおよびポート番号をTCP/IPヘッダに宛先情報として含め、また、S307にて暗号処理部107が暗号化処理された画像を本文に含めて送信メッセージを作成する。このときに作成される送信メッセージのデータ構造の一例を図13示す。
【0154】
最後に、広域通信部11bは、図13に示す上記送信メッセージを、ホームゲートウェイ220に送信する(S308)。送信メッセージは、インターネット23を経由して、ホームゲートウェイ220に届けられる。
【0155】
上記構成および方法によれば、利用する通信網としてインターネット23などの公衆通信網が選択された場合でも、送信対象のデータを安全に受信側に届けることが可能となる。
【0156】
《実施形態3》
広域通信網28は、インターネット23に接続する他のサーバを含んでいてもよい(図2のサーバ27)。そして、ホームゲートウェイ210は、インターネット23経由でデータを送信するときに、ホームゲートウェイ220に送信したい画像などのデータを上記サーバにアップロードしてもよい。そして、ホームゲートウェイ220は、アップロードされた上記データをダウンロードしてもよい。すなわち、各ホームゲートウェイで直接データの送受信を行わずに、他のサーバを介してデータの送受信を行ってもよい。
【0157】
〔送信側ホームゲートウェイの処理フロー〕
図14は、本実施形態における、送信側のホームゲートウェイ210の処理の流れを示すフローチャートである。
【0158】
図14に示すホームゲートウェイ210の処理の流れにおいて、図4、10のそれと異なる点は、以下のとおりである。S403にてインターネット23経由で画像を送信することが決定されると、まず、送信メッセージ作成部104は、自装置のインターネット側のIPアドレス、ポート番号に加えて、受信側ホームゲートウェイ220に対して、サーバ27にアクセスするためのログイン情報を要求するリクエストを本文に含めて、IPアドレス交換要求メッセージを作成する(S405)。このIPアドレス交換要求メッセージは、NGN24を介して送信される。
【0159】
ホームゲートウェイ220からは、IPアドレス交換要求メッセージに応答して、ログイン情報が本文に含まれたIPアドレス交換応答メッセージが送信される。ログイン情報を含むIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を図15に示す。ログイン情報には、例えば、サーバ27のURL(uniform resource locator)、HTTPメソッド、サーバ27にログイン時に必要となるアカウント、および、パスワードなどが含まれるが、ログイン情報のデータ構造は図15に示す例に限定されない。
【0160】
アドレス交換部106は、受信側のホームゲートウェイ220のIPアドレスの代わりに取得した上記ログイン情報を、受信側アドレス記憶部122に保存する(S406)。
【0161】
送信メッセージ作成部104は、受信側アドレス記憶部122に保存されたホームゲートウェイ220のログイン情報にしたがって、サーバ27にアップロードする送信メッセージを作成する。送信メッセージは、広域通信部11bおよびインターネット23を介して、サーバ27に送信される(S407)。図16は、送信メッセージ作成部104が、図15のログイン情報に基づいて作成した送信メッセージの具体例を示す図である。
【0162】
さらに、送信メッセージ作成部104は、上記送信メッセージをサーバ27送信した後、画像のアップロードが完了した旨を通知する報告メッセージを、ホームゲートウェイ220に対して送信してもよい。これにより、宅Aの送信者と、宅Bの受信者との間で画像を共有する場合に、即時性、同時性を維持することが可能となる。
【0163】
本実施形態のように、サーバ27を介して共有データを送信する構成にすることで、さらに以下のメリットが生まれる。例えば、写真共有サービス(Flickr(登録商標)など)を利用する場合に、宅Aの送信者と、宅Bの受信者以外の第三者ともそのまま画像を共有することが容易になる。また、利用する写真共有サービスに画像編集機能がある場合は、サーバ27にアップされた画像を編集することが容易になる。さらに、宅Aの送信者が共有したい画像を送信する時に、宅B側の受信ストレージの容量が無くても、宅A側は送信を完了させることができる。
【0164】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0165】
最後に、各ホームゲートウェイの各ブロック、特にアドレス交換部106、通信網選択部105および送信メッセージ作成部104、ならびに、アドレス交換部306およびメッセージ解析部301は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0166】
すなわち、ホームゲートウェイは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるホームゲートウェイの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記ホームゲートウェイに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0167】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0168】
また、ホームゲートウェイを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0169】
複数の通信網を介して通信が可能な通信システムに好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の実施形態におけるホームゲートウェイ210の要部構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態におけるデータ交換システムの概略構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態におけるホームゲートウェイ220の要部構成を示す図である。
【図4】データ交換システム1における送信側、受信側の各ホームゲートウェイの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】図4のS105にて、ホームゲートウェイ210からホームゲートウェイ220に送信されるIPアドレス交換要求メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図6】図4のS205にて、ホームゲートウェイ220からホームゲートウェイ210に返送されるIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図7】図4のS107にて、ホームゲートウェイ210からホームゲートウェイ220に送信される送信メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図8】(a)〜(c)は、本発明のデータ交換システムを用いて実現するデータ交換アプリケーション実行中のテレビが表示する表示画面の具体例を示す図である。
【図9】ホームゲートウェイ210の選択条件記憶部に記憶されている選択条件の具体例を示す図である。
【図10】本発明の他の実施形態における、送信側のホームゲートウェイ210の処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図10のS305にて送信メッセージ作成部が作成するIPアドレス交換要求メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図12】図10のS306にてホームゲートウェイ210が受信するIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図13】図10のS308にてホームゲートウェイ210が送信する送信メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図14】本発明の他の実施形態における、送信側のホームゲートウェイ210の処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】図14のS406にてホームゲートウェイ210が受信する、ログイン情報を含むIPアドレス交換応答メッセージのデータ構造の一例を示す図である。
【図16】ホームゲートウェイ210の送信メッセージ作成部が、図15のログイン情報に基づいて作成した送信メッセージの具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0171】
1 データ交換システム
10 制御部
11 通信部
11a 構内通信部
11b 広域通信部
12 記憶部
21 送信システム
22 受信システム
23 インターネット(第二通信網/公衆通信網)
24 NGN(第一通信網/閉域通信網)
25 収容局
27 サーバ
28 広域通信網
30 制御部
31 通信部
31a 構内通信部
31b 広域通信部
32 記憶部
101 要求解析部(要求解析手段)
102 呼制御部
103 セッション管理部
104 送信メッセージ作成部(送信メッセージ作成手段)
105 通信網選択部(通信網選択手段)
106 アドレス交換部(送信先情報取得手段/アドレス取得手段/アドレス交換手段)
107 暗号処理部
121 セッション情報記憶部
122 受信側アドレス記憶部
123 自装置アドレス記憶部
124 選択条件記憶部
131 セッション情報記憶部
132 自装置アドレス記憶部
133 送信側アドレス記憶部
134 受信データ記憶部
135 暗号鍵記憶部
210 ホームゲートウェイ(通信制御装置)
211 電話機(構内通信装置)
212 テレビ(構内通信装置)
213 家庭内LAN(構内通信網)
220 ホームゲートウェイ(通信制御装置/外部通信装置)
221 電話機(外部通信装置)
222 テレビ(外部通信装置)
223 家庭内LAN(構内通信網)
301 メッセージ解析部
302 呼制御部
303 セッション管理部
304 受信データ配信部
305 受信装置選択部
306 アドレス交換部
307 暗号処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通信網を介して、自装置に接続する1以上の構内通信装置が外部通信装置と通信するための通信制御を行う通信制御装置において、
上記複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、
上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得手段と、
上記送信先情報取得手段により取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成手段とを備えていることを特徴とする通信制御装置。
【請求項2】
上記送信先情報取得手段は、
上記第二通信網での通信に用いられる上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを、上記送信先情報として取得するアドレス取得手段を含み、
上記送信メッセージ作成手段は、
上記アドレス取得手段により取得された上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを上記送信対象データの送信先として設定することを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
上記アドレス取得手段は、
自装置の第二通信網用アドレスを、上記第一通信網を介して上記外部通信装置に送信することにより、上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを要求し、取得するアドレス交換手段であることを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
送信対象データを上記外部通信装置に送信するよう要求する要求メッセージを、上記構内通信装置から構内通信網を介して受信する構内通信部と、
上記要求メッセージを解析して、該要求メッセージに含まれる送信対象データを取得する要求解析手段を備えていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項5】
上記送信対象データおよび該送信対象データを受信する外部通信装置の少なくとも一方に基づいて、上記送信対象データの送信に利用する通信網を選択する通信網選択手段を備えていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項6】
上記送信先情報取得手段は、
上記通信網選択手段が上記第二通信網を選択した場合に、上記第二通信網における上記送信先情報を上記外部通信装置から取得する請求項5に記載の通信制御装置。
【請求項7】
上記第一通信網は特定の装置のみが利用できる閉域通信網であり、上記第二通信網は利用者を制限しない公衆通信網であって、
上記通信網選択手段は、
上記送信対象データが、機密文書であることを示す情報を含んでいない場合に、該送信対象データを送信する通信網として、上記第二通信網を選択することを特徴とする請求項5または6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
上記第一通信網は音声通話が優先されるNGN(next generation network)であり、上記第二通信網はインターネットであって、
上記通信網選択手段は、
上記送信対象データが画像または動画である場合に、該送信対象データを送信する通信網として、上記第二通信網を選択することを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項9】
上記第一通信網は特定の装置のみが利用できる閉域通信網であり、上記第二通信網は利用者を制限しない公衆通信網であって、
上記送信先情報取得手段は、上記外部通信装置に対して暗号鍵を要求することにより、上記送信先情報とともに上記暗号鍵を、上記第一通信網を介して取得し、
上記送信メッセージ作成手段は、上記送信先情報取得手段により取得された暗号鍵を用いて暗号化された送信対象データを、上記外部通信装置に送信する送信メッセージを作成することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項10】
上記送信先情報取得手段は、
上記送信対象データを蓄積して上記外部通信装置に配信するサーバの第二通信網用アドレスを、上記送信先情報として取得するサーバアドレス取得手段を含み、
上記送信メッセージ作成手段は、
上記サーバアドレス取得手段により取得された上記サーバの第二通信網用アドレスを上記送信対象データの送信先として設定することを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項11】
上記サーバアドレス取得手段は、
上記送信先情報として、上記サーバの第二通信網用アドレスとともに上記サーバにアクセスするための認証情報を取得することを特徴とする請求項10に記載の通信制御装置。
【請求項12】
複数の通信網を介して、当該通信制御装置に接続する1以上の構内通信装置が外部通信装置と通信するための通信制御を行う通信制御装置の通信制御方法であって、
上記複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、
上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得ステップと、
上記送信先情報取得ステップにより取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成ステップとを含むことを特徴とする通信制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1から11までのいずれか1項に記載の通信制御装置の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項1】
複数の通信網を介して、自装置に接続する1以上の構内通信装置が外部通信装置と通信するための通信制御を行う通信制御装置において、
上記複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、
上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得手段と、
上記送信先情報取得手段により取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成手段とを備えていることを特徴とする通信制御装置。
【請求項2】
上記送信先情報取得手段は、
上記第二通信網での通信に用いられる上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを、上記送信先情報として取得するアドレス取得手段を含み、
上記送信メッセージ作成手段は、
上記アドレス取得手段により取得された上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを上記送信対象データの送信先として設定することを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
上記アドレス取得手段は、
自装置の第二通信網用アドレスを、上記第一通信網を介して上記外部通信装置に送信することにより、上記外部通信装置の第二通信網用アドレスを要求し、取得するアドレス交換手段であることを特徴とする請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
送信対象データを上記外部通信装置に送信するよう要求する要求メッセージを、上記構内通信装置から構内通信網を介して受信する構内通信部と、
上記要求メッセージを解析して、該要求メッセージに含まれる送信対象データを取得する要求解析手段を備えていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項5】
上記送信対象データおよび該送信対象データを受信する外部通信装置の少なくとも一方に基づいて、上記送信対象データの送信に利用する通信網を選択する通信網選択手段を備えていることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項6】
上記送信先情報取得手段は、
上記通信網選択手段が上記第二通信網を選択した場合に、上記第二通信網における上記送信先情報を上記外部通信装置から取得する請求項5に記載の通信制御装置。
【請求項7】
上記第一通信網は特定の装置のみが利用できる閉域通信網であり、上記第二通信網は利用者を制限しない公衆通信網であって、
上記通信網選択手段は、
上記送信対象データが、機密文書であることを示す情報を含んでいない場合に、該送信対象データを送信する通信網として、上記第二通信網を選択することを特徴とする請求項5または6に記載の通信制御装置。
【請求項8】
上記第一通信網は音声通話が優先されるNGN(next generation network)であり、上記第二通信網はインターネットであって、
上記通信網選択手段は、
上記送信対象データが画像または動画である場合に、該送信対象データを送信する通信網として、上記第二通信網を選択することを特徴とする請求項5から7までのいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項9】
上記第一通信網は特定の装置のみが利用できる閉域通信網であり、上記第二通信網は利用者を制限しない公衆通信網であって、
上記送信先情報取得手段は、上記外部通信装置に対して暗号鍵を要求することにより、上記送信先情報とともに上記暗号鍵を、上記第一通信網を介して取得し、
上記送信メッセージ作成手段は、上記送信先情報取得手段により取得された暗号鍵を用いて暗号化された送信対象データを、上記外部通信装置に送信する送信メッセージを作成することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項10】
上記送信先情報取得手段は、
上記送信対象データを蓄積して上記外部通信装置に配信するサーバの第二通信網用アドレスを、上記送信先情報として取得するサーバアドレス取得手段を含み、
上記送信メッセージ作成手段は、
上記サーバアドレス取得手段により取得された上記サーバの第二通信網用アドレスを上記送信対象データの送信先として設定することを特徴とする請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項11】
上記サーバアドレス取得手段は、
上記送信先情報として、上記サーバの第二通信網用アドレスとともに上記サーバにアクセスするための認証情報を取得することを特徴とする請求項10に記載の通信制御装置。
【請求項12】
複数の通信網を介して、当該通信制御装置に接続する1以上の構内通信装置が外部通信装置と通信するための通信制御を行う通信制御装置の通信制御方法であって、
上記複数の通信網のうち第一通信網を介して上記構内通信装置と上記外部通信装置との間で通信が確立している間に、上記構内通信装置から上記外部通信装置へ第二通信網を介して送信対象データを送信するとき、
上記第二通信網における上記送信対象データの送信先を示す送信先情報を、上記第一通信網を介して上記外部通信装置から取得する送信先情報取得ステップと、
上記送信先情報取得ステップにより取得された上記送信先情報に基づいて上記送信対象データの送信先を設定する送信メッセージ作成ステップとを含むことを特徴とする通信制御方法。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1から11までのいずれか1項に記載の通信制御装置の各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2010−154086(P2010−154086A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−328312(P2008−328312)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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