通信方法、基地局及び移動端末
【課題】移動端末の消費電力の増大及び処理遅延を改善する。
【解決手段】移動端末は、L1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をモニターするが、基地局から全ての移動端末に対して候補セットをシグナリングすると、無線リソース的に負荷が重くなる。移動端末のブラインド検出を行う処理量も増加する。そこで、基地局は、移動端末属性情報に基づいて、前記L1/L2制御信号の送信先となる前記移動端末をグルーピングする処理と、所定移動端末に送信されるL1/L2制御信号を、所定移動端末が属するグループに含まれる制御チャネル要素に割当て、下り物理制御チャネルを用いて送信する処理を実行し、移動端末は、下り物理制御チャネルを受信するとともに、移動端末の属するグループに対応した候補セットのブラインド検出処理を行い、候補セットに含まれる制御チャネル要素よりL1/L2制御信号を読み出す処理を実行する。
【解決手段】移動端末は、L1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をモニターするが、基地局から全ての移動端末に対して候補セットをシグナリングすると、無線リソース的に負荷が重くなる。移動端末のブラインド検出を行う処理量も増加する。そこで、基地局は、移動端末属性情報に基づいて、前記L1/L2制御信号の送信先となる前記移動端末をグルーピングする処理と、所定移動端末に送信されるL1/L2制御信号を、所定移動端末が属するグループに含まれる制御チャネル要素に割当て、下り物理制御チャネルを用いて送信する処理を実行し、移動端末は、下り物理制御チャネルを受信するとともに、移動端末の属するグループに対応した候補セットのブラインド検出処理を行い、候補セットに含まれる制御チャネル要素よりL1/L2制御信号を読み出す処理を実行する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、W−CDMA方式を採用した第3世代携帯電話システムの発展仕様として策定が進められている「ロングタームエボリューション」("Long Term Evolution" LTE)方式の通信システムで用いられる通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間についてはロングタームエボリューション(LTE、E-UTRAN)、コアネットワークを含めたシステム全体構成については「システムアーキテクチャエボリューション」("System Architecture Evolution"SAE)と称される新たな通信方式の仕様が策定されている。LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは異なるものになる。例えば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.25/2.5/5/10/15/20MHzを適用し得る。さらに、LTEでは、W−CDMAのような回線交換ではなくパケット交換方式のみになる。
【0003】
LTEは、W−CDMAのコアネットワーク(General Packet Radio System GPRSと呼ばれる)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるため、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W−CDMA通信システムと区別するため、LTEの通信システムでは、移動端末(UE User Equipment)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB、 eNodeBと記載されることもある)、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)はaGW(Access Gateway、Mobility Management Entity:MME、Serving Gateway:S-GWと記載されることもある)と称される。このLTEの通信システムでは、E―MBMS(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)と称されるマルチキャスト・放送型マルチメディアサービスのような1対多(Point to Multipoint)通信を実施するほか、複数の移動端末のうち個別の移動端末に対するユニキャスト(Unicast)サービスのような通信サービスも提供する。LTEではW−CDMAと異なり、トランスポートチャネル、物理チャネルでは個別の移動端末に向けた個別のチャネル(Dedicated Channel、 Dedicated Physical Channel)は存在しないので、個別の移動端末へのデータ送信は共通チャネル(Shared Channel)で実施される。
【0004】
上りリンク、もしくは下りリンクでデータ送信が発生した場合、上りリンク、下りリンクそれぞれで、基地局と移動端末の通信を可能にするスケジューリングが行なわれる。例えば、下りスケジューリングでは、基地局は発生したデータのサイズや通信路品質に応じた無線リソースを移動端末に割り当て、目標品質やデータ速度に応じた変調方式や誤り訂正符号方法(MCS: Modulation and Coding scheme)を設定する。上りスケジューリングにおいては、移動端末が基地局に対して送信データが発生した場合、上りリンクの無線リソースを割り当てるよう要求する信号(上りスケジューリングリクエスト SR: Scheduling Request)を送信し、これを受けて、基地局が移動端末に対し、上りリンクの無線リソースを割り当てる。このような、無線リンクを介して、移動端末と基地局間の通信を可能にするためのスケジューリング制御に使用される制御信号には、「L3制御信号(情報)」(Layer3 control signaling、 L3メッセージ)等の上位レイヤ信号と、「L1/L2制御信号(情報)」(Layer1/Layer2 control signaling)と呼ばれる信号がある。L3制御信号は、主に、呼接続(RRC Connect)発生時を含む初期送信時に、例えばRRCレイヤのような上位レイヤから通知される制御信号であり、下りリンクを介して、上りリンク、下りリンクのチャネル設定や無線リソースの割り当てを行う。一方、L1/L2制御信号は、上りリンク、下りリンク双方において、移動端末と基地局間で頻繁にやり取りされる制御信号であり、上りリンクで移動端末が基地局に対し、無線リソースの割り当てを要求する上りスケジューリングリクエスト信号や、呼接続発生時、継続時を含め、データサイズの変更や通信路の品質要求に合わせて無線リソースを不定期に変更する場合にも、L1/L2制御信号を使用する。L1/L2制御信号は、例えば、基地局または移動端末がデータを受信したときに、受信結果を相手に通知するために用いる応答信号(Ack/Nack)や、受信データの品質、通信路品質を示す品質情報CQI(Channel Quality Indicator)がある。また、LTEではMIMO(Multiple Input Multiple Output)のサポートが検討されている。MIMOがサポートされた場合は、L1/L2制御信号に、MIMO関連情報も含まれる。
【0005】
L1/L2制御信号に含まれるAck/Nackは受信側で復調失敗データが破棄されずに再送データと組み合わせて復号されるHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)用の信号である。受信側からAck信号が送信側へ通知された場合、送信側からは新たなパケットデータが送信される。一方受信側からNack信号が送信側へ通知された場合、送信側からはパケットデータが再送される。本明細書内にて単にAck/Nackと記した場合は、前記HARQ用Ack/Nackを指すものとする。
【0006】
非特許文献1の4.2章には、下り制御チャネル情報(Downlink Control Channel Information)が物理チャネルであるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)にマッピングされることが記載されている。
【0007】
また、非特許文献2の4.1章には、図1に示される、下りリンクにおけるフレーム構成が記載されている。1サブフレームは2スロットで構成される(図1参照)。図1において、網掛け部分はPDCCHマッピング領域を示す。また、非特許文献2の5.5.4章には、PDCCHがサブフレームの最初のスロットの初めの3OFDMシンボル(図1斜線部分参照)以下にマッピングすることが記載されている。本明細書では、PDCCHにマッピングされる下り制御チャネル情報のことをL1/L2制御情報(信号)と称する。更に、L1/L2制御情報に含まれる情報としては、(1)Ack/Nack、(2)上り通信制御のためのL1/L2制御情報(UL関連L1/L2制御情報、上りグラント(UL GRANT)など)、(3)下り通信制御のためのL1/L2制御情報(DL関連L1/L2制御情報、下り割当情報(DL Allocation))などがある。
【0008】
更に、非特許文献3には、下り制御チャネル(下り制御チャネル情報)は、制御チャネル要素(コントロールチャネルエレメント、Control Channel Element:CCE)を集めること(Aggregation)によって構成されることが記載されている。また、移動端末が下り制御チャネルを受信する際に、下り制御チャネルの候補セット(Candidate Set)をモニターすることが記載されている。更に、候補セットに含まれる候補の数は移動端末が行う検出動作(Blind Detect)の最大回数を決定することが記載されている。この候補セットに関して、非特許文献4には、基地局から移動端末に対して明示的なシグナリングを用いずに候補セットを基地局及び移動端末にて求める方法が開示されている。非特許文献5には、CCEから物理的なリソースへのマッピング方法について記載されている。具体的には、セル(基地局)固有のスクランブリングを施すこと、共有のインタリーブが施されることが記載されている。
【0009】
一方、非特許文献6には、異なるパワー制御を行うリソースブロック(RB Resource Block)に、それぞれ複数のPDCCHをインタリーブ(interleave)し、かつある決められたRB毎に分散してマッピングすることが記載されている。RBはサブフレームの最初の3OFDMシンボルの領域全てで構成され、移動端末のデコード処理は、サブフレームの最初のスロットの先頭何シンボル(OFDMシンボル)の領域を用いるかという情報(Cat.0の値、Cat:Category)を用いずに行われることが記載されている。その目的は、隣接基地局への干渉量を減らす目的でのパワー制御を行いやすくすること、更に、Cat.0の値によらず移動端末はPDCCHの受信処理をスタートさせることを可能とすることである。また非特許文献7には、上りリソース割り当てに使う下り制御チャネル情報(UL GRANT)にAck/Nackのインデックス(index)を挿入することが記載されている。
【0010】
LTEのコアネットワークはパケット接続のネットワークであり、ユーザデータは音声などのリアルタイムデータを含めて全てパケット化されている。通常のパケットデータ送信の場合、そのデータにリアルタイム性は要求されておらず、データの内容により、送受信されるデータ速度が不定期に変化する。一方、音声のようなリアルタイムデータは、パケット化されても、データが通信相手にリアルタイムに再現される必要があるため、一定の間隔で所定のサイズのデータが定期的に発生する。よって、スケジューリングによる無線リソースを割り当てにおいて、通常のパケットデータ通信時と音声のようなリアルタイムデータの通信時には、異なるスケジューリング方法が必要になる。
【0011】
通常のパケットデータのように、データの内容により速度が変わり、高速通信にも対応する必要のあるデータに対しては、通信路品質やデータ速度(データサイズ)によって、サブフレーム毎に無線リソースの設定をダイナミックに変更できるダイナミックスケジューリング(dynamic scheduling)方法を用いる。ダイナミックスケジューリングの際、基地局は、上りリンク及び下りリンクの無線リソースの割当情報をL1/L2制御信号にて移動端末へ通知する。
【0012】
一方で、音声のように、リアルタイム性が要求され、一定の間隔で所定のサイズのデータが定期的に発生する通信は、低速度で、データサイズも1つ以上の決められたサイズであるため、無線リソースの割り当てを定期的にかつ持続的に割り当てることができるパーシステントスケジューリング(Persistent scheduling)方法を用いる。
【0013】
現在の3GPPのパーシステントスケジューリング(セミパーシステントスケジューリング(semi-persistent scheduling)とも称される)の議論において、周期性などはRRC(Radio Resource Control)を用いて基地局より移動端末へ設定されることが議論されている(非特許文献8)。基地局は、移動端末へ、RRCにより設定された周期(以降、パーシステント周期と称する)毎に、PDCCH(L1/L2制御信号)によって周波数領域の割当を行うものと考えられる。さらには、パーシステントスケジューリングの際であっても会話時(Talkspurt)(あるいは、活性時(active)とも言う)のみ無線リソースを割当、無音時(Silent Period)(あるいは、非活性時(de-active)とも言う)には無線リソースを開放することが議論されている。前記、活性化及び非活性化の基地局から移動端末への通知には、PDCCH(L1/L2制御信号)を用いることが議論されている(非特許文献9)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】TS36.212 V1.2.0 (R1−072635)
【非特許文献2】TS36.211 V1.1.0 (R1−072633)
【非特許文献3】3GPP寄書 R1−071223
【非特許文献4】3GPP寄書 R1−072220
【非特許文献5】3GPP寄書 R1−072613
【非特許文献6】3GPP寄書 R1−072088
【非特許文献7】3GPP寄書 R1−072120
【非特許文献8】3GPP寄書 R2−080088
【非特許文献9】3GPP寄書 R2−080163
【非特許文献10】3GPP TS36.300 V8.2.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
発明が解決しようとする第一の課題について説明する。非特許文献3において、移動端末が下り制御チャネル(L1/L2制御情報)の候補セット(Candidate Set)をモニターすることが記載されている。しかし、基地局から傘下の全ての移動端末に対して候補セットをシグナリングすることは、無線リソース的に負荷を重くなる。この課題の解決策のひとつとして、非特許文献4は、基地局から移動端末に対して候補セットをシグナリングせず、基地局及び移動端末自身が候補セットを求める方法が開示されている。
【0016】
発明が解決しようとする第二の課題について説明する。非特許文献3は、移動端末が下り制御チャネルを受信する際に、下り制御チャネル情報であるL1/L2制御情報を抽出するために、候補セットをモニターすること、及び候補セットに含まれる候補の数だけ、移動端末は下り制御チャネルの検出動作を実行する状況がありうることが記載されている。このL1/L2制御情報の検出動作が多くなると、移動端末の処理負荷が増加し、結果として移動端末の消費電力の増大につながる。また、下り制御チャネルの検出動作が多くなるということは、移動端末が自分宛ての下り制御チャネルを検出するまで、あるいは自分宛ての下り制御チャネルが存在しないことを検出するまでの平均時間が長くなり、結果として移動体通信システムとしての処理遅延の増大につながる。非特許文献3、6には本課題は記載されておらず、解決策についても記載がない。よって、本発明では下り制御チャネルの検出動作回数の増大による、移動端末の消費電力の増大及び移動体通信システムとしての処理遅延を改善することを課題とする。
【0017】
発明が解決しようとする第三の課題について説明する。下りAck/Nackは下り制御チャネル情報(L1/L2制御情報)のひとつであり、よってL1/L2制御情報の領域において基地局から移動端末に通知される。非特許文献5には、CCEから物理的なリソースへのマッピング方法について記載されているが、Ack/Nackを取り扱う文書ではないことが明記されている。よってAck/Nackと他のL1/L2制御情報を同じ物理領域(L1/L2制御情報領域、図1斜線部分参照)にマッピングする方法が確立されていないという問題がある。
【0018】
発明が解決しようとする第四の課題について説明する。L1/L2制御情報領域は、非特許文献2に示されるようにサブフレームの最初のスロットの初めの3OFDMシンボル(図1斜線部分参照)以下と限られた領域である。この限られた領域において、基地局は傘下の全ての移動端末に対するL1/L2制御情報を送信しなければならない。例えば、移動端末から基地局への上りトラヒックが増加すると、L1/L2制御情報のひとつである下りAck/Nackの送信も増加し、基地局のL1/L2制御情報の物理領域の容量(capacity)が足りない状況になる。これにより、移動体通信システムとしての処理遅延の増加、上り且つ/または下りデータスループットの低下という問題が生じる。よって、本発明では限られた物理領域を用いて、より多くの移動端末に対するL1/L2制御情報を通知可能とすることを課題とする。
【0019】
発明が解決しようとする第五の課題について説明する。L1/L2制御情報中のAck/Nackの必要数は上りデータを送信している移動端末の数に応じて変動する。このAck/Nackの必要数に変動が生じた場合であっても移動体通信システム全体として処理負荷が少ない方法にてAck/Nackと他の下り制御情報が適切にマッピングされる必要がある。よって本発明ではAck/Nackの必要数に変動が生じた場合であっても移動体通信システム全体として処理負荷が少ない方法にてAck/Nackと他の下り制御情報が適切にマッピングすることを課題とする。
【0020】
非特許文献7においては、UL GRANTにAck/Nackのインデックスを挿入することが記載されているが、UL GRANT及びAck/Nackの具体的な物理領域へのマッピング方法については記載がない。また非特許文献6においては、Ack/NackをCCEへマッピングし、Ack/Nackを他のL1/L2制御情報と同じ方法にて物理領域へマッピングすることが記載されている。しかし、非特許文献には第四の課題及び第五の課題についての示唆はない。
【0021】
次に、本発明が解決しようとする第六の課題について説明する。例えば、前記パーシステントスケジューリングにおいては、パーシステント周期毎に、L1/L2制御信号における候補セットが同じであり、候補セットに含まれる候補が割当てられる無線リソース(特に当該無線リソースが割当てられる周波数)が同じである場合が考えられる。この例のように、ある周期毎に候補セットに含まれる候補が割当てられる無線リソースが同じである場合、当該周期毎の移動端末の候補セットが割当てられている周波数領域にて、当該移動端末の無線環境が悪くなると、その環境が変化しない限り(例えば、移動端末が移動しない限り)、悪い状況が続いてしまうという課題が発生する。これにより、当該移動端末と基地局間の通信により再送などの処理が続き、無線リソースの有効活用がはかれないという課題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明にかかる通信方法は、複数の周波数帯域を用いて通信を行う基地局と、基地局からL1/L2制御信号を送信するのに用いられる、周波数帯域が分割されて構成された領域である制御チャネル要素が含まれる候補セットを検出してL1/L2制御信号を受信する移動端末とを含む通信システムにおいて実行される通信方法において、移動端末の属性情報に基づいて、L1/L2制御信号の送信先となる移動端末がグルーピングされる処理と、移動端末の属するグループに対応した候補セットの検出処理を行い、候補セットに含まれる制御チャネル要素よりL1/L2制御信号を読み出す処理とを含むものである。
【0023】
本発明に係る基地局は、複数の周波数帯域を用いて、L1/L2制御信号を移動端末に送信する基地局において、基地局は、L1/L2制御信号の送信先となる移動端末の属性情報に基づいて、移動端末をグルーピングする処理を実行するものである。
【0024】
本発明に係る移動端末は、複数の周波数帯域を用いて基地局より送信されたL1/L2制御信号を受信する移動端末において、移動端末は、基地局においてL1/L2制御信号の送信先となる移動端末の属性情報に基づいてグルーピングされ、移動端末の属するグループに対応した候補セットの検出処理を行い、候補セットに含まれる制御チャネル要素よりL1/L2制御信号を読み出すものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明にかかる通信方法は、複数の周波数帯域を用いて通信を行う基地局と、基地局からL1/L2制御信号を送信するのに用いられる、周波数帯域が分割されて構成された領域である制御チャネル要素が含まれる候補セットを検出してL1/L2制御信号を受信する移動端末とを含む通信システムにおいて実行される通信方法において、移動端末の属性情報に基づいて、L1/L2制御信号の送信先となる移動端末がグルーピングされる処理と、移動端末の属するグループに対応した候補セットの検出処理を行い、候補セットに含まれる制御チャネル要素よりL1/L2制御信号を読み出す処理とを含むので、移動端末がブラインド検出を行う処理量が削減でき、省電力化及び処理遅延の低減を図ることができる。
【0026】
本発明に係る基地局は、複数の周波数帯域を用いて、L1/L2制御信号を移動端末に送信する基地局において、L1/L2制御信号の送信先となる移動端末の属性情報に基づいて移動端末をグルーピングする処理を実行するので、基地局から参加の移動端末に対して候補セットをシグナリングする必要がなくなり、無線リソースを有効に利用できる。
【0027】
本発明に係る移動端末は、複数の周波数帯域を用いて基地局より送信されたL1/L2制御信号を受信する移動端末において、基地局においてL1/L2制御信号の送信先となる移動端末の属性情報に基づいてグルーピングされ、移動端末の属するグループに対応した候補セットの検出処理を行い、候補セットに含まれる制御チャネル要素より前記L1/L2制御信号を読み出すので、移動端末が検出を行う処理量が削減でき、省電力化及び処理遅延の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】下りリンクにおけるフレーム構成の説明図である。
【図2】LTEにおける移動通信システムの構成を示す説明図である。
【図3】LTEの通信システムで使用されるチャネルの構成を示す説明図である。
【図4】移動端末の構成を示すブロック図である。
【図5】基地局の構成を示すブロック図である。
【図6】L1/L2制御情報を送信するための無線リソースを説明する説明図である。
【図7】L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。
【図8】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図9】基地局のシステム帯域幅とL1/L2制御情報の候補セットの組み合わせの一例を示す表である。
【図10】下りL1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)のCCEへの割当方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補を示す説明図である。
【図11】L1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)を情報種別毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補を示す説明図である。
【図12】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図13】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図14】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図15】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図16】移動端末毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補についての一例を示す説明図である。
【図17】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図18】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図19】Ack/NackをUE間でCDMにして一つのCCEグループに割り当てる方法を説明する説明図である。
【図20】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図21】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図22】受信品質情報によって移動端末をグルーピングしてそれぞれのCCEグループに割り当てる方法を示す説明図である。
【図23】Ack/Nack割当の一例を示す説明図である。
【図24】実施の形態3における共用のCCEグループを設けた方法の一例を示す説明図である。
【図25】実施の形態3における共用のCCEグループを設けた方法の一例を示す説明図である。
【図26】図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図27】図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図28】実施の形態4における各グループの先頭のCCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法の一例を示す説明図である。
【図29】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図30】実施の形態5におけるグルーピングされたCCE間に、L1/L2制御情報が割当てられないダミーCCEを設ける方法の一例を示す説明図である。
【図31】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図32】図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図33】図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図34】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図35】図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図36】図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図37】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図38】実施の形態8における下り制御情報へのCRC付加方法の一例を示す説明図である。
【図39】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図40】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図41】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図42】実施の形態8の変形例3における下り制御情報へのCRC付加方法の一例を示す説明図である。
【図43】LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。
【図44】実施の形態9で用いる、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。
【図45】実施の形態9で用いる、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図46】実施の形態9 変形例1で用いる、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。
【図47】実施の形態10で用いる、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。
【図48】実施の形態10で用いる、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図49】実施の形態11で用いる、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。
【図50】実施の形態11で用いる、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施の形態1.
図2はLTEにおける移動通信システムの構成を示す説明図である。図1において、aGW(Mobility Management Entity : MME、 Serving Gateway : S-GW)1は複数の基地局(eNB)2と制御データやユーザデータの送受信を行い、基地局2は複数の移動端末(UE)3に対してデータの送受信を行う。基地局2と移動端末3間においては、報知情報、着呼処理に用いられる情報、個別制御データ、個別ユーザデータ、E−MBMS用の制御データやユーザデータ等が送信される。また、基地局2同士もお互いに通信する。基地局2は上り及び下りのスケジューラを有する。スケジューラは、基地局2と各移動端末3のデータの送受信を可能にし、個々の移動端末3及び移動通信システム全体のスループット向上のためにスケジューリングを行う。
【0030】
E−MBMSはある基地局から複数の移動端末に向けてデータを一斉に送信する放送型の一対多(Point to Multipoint)型の通信サービスを提供するものである。具体的には、ニュースや天気予報等の情報サービスや、モバイルTVなどの大容量の放送サービスが検討されている。aGW1はPDN(Packet Data Network)4を介してサービスセンタ5と通信を行う。サービスセンタ5はユーザにサービスを提供するためのコンテンツを保管、配信するための装置である。コンテンツプロバイダは、サービスセンタ5に対してモバイルTV放送データ等のE−MBMSデータを送信する。サービスセンタ5ではE−MBMSデータを記憶するとともに、PDN4、aGW1を介して基地局2へE−MBMSデータを送信する。
【0031】
図3はチャネルの構成を示す説明図である。図3には、論理チャネル(Logical Channel)とトランスポートチャネル(Transport Channel)のマッピングが示されている。論理チャネルは伝送信号の機能や論理的な特性によって分類される。トランスポートチャネルは伝送形態によって分類される。報知情報はBCCH(Broadcast Control Channel)上にのせられる。BCCHはBCH(Broadcast Channel)あるいは、DL−SCH(Downlink Shared Channel)にマッピングされ基地局から移動端末へ送信される。着呼処理に用いられる情報はPCCH(Paging Control Channel)上に乗せられる。PCCHはPCH(Paging Channel)にマッピングされ基地局からセル内の移動端末へ送信される。個別の移動端末宛ての個別制御データはDCCH(Dedicated Control Channel)上に乗せられる。
【0032】
また、個別の移動端末宛ての個別ユーザデータはDTCH(Dedicated Traffic Channel)上に乗せられる。DCCHとDTCHはDL−SCH(Downlink Shared Channel)にマッピングされて、基地局から個々の移動端末に宛てて個別に送信される。逆に、UL−SCH(Uplink Shared Channel)を用いて個々の移動端末から基地局へ個別に送信される。DL−SCH及びUL-SCHは共有チャネル(Shared Channel)である。E−MBMS用の制御データ及びユーザデータはそれぞれMCCH(Multicast Control Channel)とMTCH(Multicast Traffic Channel)上に乗せられ、DL−SCHもしくはMCH(Multicast Channel)にマッピングされて基地局から移動端末へ送信される。移動端末からの接続要求信号、例えばスケジューリング要求信号(上りリソースアロケーション要求信号)SRはランダムアクセスチャネル(Random Access Channel RACH)または個別チャネル(Dedicated Channel)により個々の移動端末から基地局へ送信される。
【0033】
図4は移動端末の構成を示すブロック図である。移動端末3の送信処理は以下のとおり実行される。まず、プロトコル処理部6からの制御データ、アプリケーション部7からのユーザデータが送信データバッファ部8へ保存される。送信データバッファ部8に保存されたデータはエンコーダ部9へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部8から変調部10へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダ部9でエンコード処理されたデータは変調部10にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部11へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ12から基地局2に送信信号が送信される。
【0034】
また、移動端末3の受信処理は以下のとおり実行される。基地局2からの無線信号がアンテナ12により受信される。受信信号は、周波数変換部11にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部13において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダ部14へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部6へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部7へ渡される。移動端末の一連の送受信処理は制御部15によって制御される。
【0035】
図5は基地局の構成を示すブロック図である。基地局2の送信処理は以下のとおり実行される。aGW通信部16は、基地局2とaGW1間のデータの送受信を行う。他基地局通信部17は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。aGW通信部16と他基地局通信部17はそれぞれプロトコル処理部18と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部18からの制御データ、またaGW通信部16と他基地局通信部17からのユーザデータが送信データバッファ部19へ保存される。送信データバッファ部19に保存されたデータはエンコーダ部20へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部19から変調部21へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部21にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部22へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ23より一つもしくは複数の移動端末1に対して送信信号が送信される。
【0036】
また、基地局2の受信処理は以下のとおり実行される。一つもしくは複数の移動端末3からの無線信号がアンテナ23により受信される。受信信号は周波数変換部22にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部24で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダ部25へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部18へ渡され、ユーザデータはaGW通信部16、他基地局通信部17へ渡される。基地局2の一連の送受信処理は制御部26によって制御される。
【0037】
本実施の形態1においては、上記第一の課題を解決することを目的とする。非特許文献3には、移動端末が下り制御チャネルの候補セット(Candidate Set)をモニターすることが記載されている。しかし、基地局から傘下の移動端末に対して、それぞれの移動端末がモニターする候補セットをシグナリングすることは、多くの無線リソースを消費するので、基地局から移動端末に対して候補セットをシグナリングせず、基地局及び移動端末が候補セットを求めることが好ましい。非特許文献4には、シグナリングを用いない方法の一つが開示されている。具体的には、移動端末の識別子(UE-ID)、Cat.0値を変数とし、ランダム関数を用いて移動端末及び基地局にて下り制御チャネルの候補セットを求めることが開示されている。しかし、非特許文献4は、LTEの基地局帯域幅は複数種類(1.25/2.5/5/10/15/20MHz)設けられている点を考慮していない。LTEの特徴の一つである。CCE(Control Channel Element)の大きさが1種類であれば、基地局の帯域幅が異なれば、CCEの取り得る組み合わせ数が変わり、つまり、下り制御チャネルの候補数が変わることを意味する。この状況において、基地局のシステム帯域幅について考慮されていない方法、例えば非特許文献3の方法を用いて基地局及び移動端末において候補セットを求めれば、候補セット中の候補が存在する周波数帯域に偏りが発生するという課題が生じる。
【0038】
本発明は基地局のシステム帯域幅に応じて、候補セットを通知するためのシグナリングに依存せず、下り制御チャネルの候補セットを基地局及び移動端末において求めることを目的とする。図6は、L1/L2制御情報を送信するための無線リソースを説明する説明図である。図6中の網掛け部分は、CCEを示す。図6において、5MHzの周波数帯域が8分割された各領域がCCEを示しており、候補セットAに含まれる複数の候補A1〜A15のいずれかを用いて、L1/L2制御情報が送信される。図6−Aを参照して、システム帯域幅の違いを考慮にいれずに候補セットを求める場合を説明する。システム帯域幅が5MHzの基地局は、候補セットAのいずれかの候補A1〜A15にL1/L2制御情報に割り当てることができる。移動端末は候補セットAより、L1/L2制御情報を含む候補を検出し、L1/L2制御情報を抽出する。一方、システム帯域幅が10MHzの基地局は、領域AのCCEを利用していないので、下り制御チャネル送信に用いられる周波数帯域に偏りが発生し、領域Aの無線リソースを有効に用いていないこととなる。システム帯域幅の違いを考慮にいれて候補セットを求めた場合の具体例を図6−Bに示す。例えば、システム帯域幅5MHzの基地局の候補セット「候補セットB」は、システム帯域幅10MHzの基地局の候補セット「候補セットB‘」の半分として構成する。上記具体例は一例であり、システム帯域幅の違いを考慮に入れて候補セットを求める方法はこれに限られない。
【0039】
図7は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。図7に示される機能ブロックは、移動端末には図4の制御部15、基地局には図5の制御部26に実装されているものとする。図7において、システム帯域幅入力部1101から候補セット算出部1103へシステム帯域幅が入力される。また、変数入力部1102から候補セット算出に関わるシステム帯域幅以外の変数が候補セット算出部1103へ入力される。変数入力部1102より候補セット算出部1103に入力される変数は、例えば、移動端末の識別子(UE-ID)やCat.0値、さらに後述する「CCEグループ」を指定するパラメータがある。候補セット算出部1103は、入力された変数を用いてL1/L2制御情報候補セットを算出する。算出方法の具体例としてはランダム関数をも用いることも可能であるが、その他の方法であっても良い。候補セット算出部1103により算出された候補セットは、L1/L2制御情報候補セット保存部1104に保存され、候補内においてL1/L2制御信号のデコード処理が行われる。
【0040】
図8は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を説明するフローチャートである。図8は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるまでの移動端末と基地局間における信号のやり取りと、移動端末及び基地局で実行される一連の処理を示す。図8において、基地局から移動端末に対してシステム帯域幅が通知され(ST801)、移動端末は基地局からシステム帯域幅を受信する(ST802)。システム帯域幅は、報知情報としてBCCH(Broadcast Control Channel)上にのせられ、BCH(Broadcast Channel)にマッピングされることが考えられている。さらに、基地局から移動端末に対してシステム帯域幅以外の「その他の変数」が通知され(ST803)、移動端末は基地局から通知された「その他の変数」を受信する(ST804)。基地局及び移動端末は、システム帯域幅と候補セット算出に関わるシステム帯域幅以外の変数からL1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をそれぞれ求める(ST805、ST806)。基地局と移動端末でそれぞれ実行されるL1/L2制御情報の候補セット算出方法は同じである。
【0041】
候補セットは、システム帯域幅など、候補セットを算出するための変数が変化するタイミングで求めればよい。システム帯域幅が変化するタイミングとは、位置登録時やハンドオーバー時(サービングセル変更時)などが考えられる。また、「Cat.0値」は、最短で毎サブフレーム毎に変化し得る。「CCEグループ」は、L3制御信号などにより基地局から移動端末に対してその変更が通知されるときに変更される。候補セットを求めるタイミングとしては、上記説明のように、システム帯域幅など候補セットを算出するための変数に変化があったときではなく、一定の時間間隔ごとに候補セットを求めるようにしても良い。また、基地局と移動端末間で候補セットを求めるための「トリガ」がやり取りされた際に候補セットを求めても良い。
【0042】
L1/L2制御情報を送信する際、基地局は傘下の移動端末に対するL1/L2制御情報を各々の移動端末の候補セットに含めるようにマッピングし(ST807)、傘下の移動端末に対してL1/L2制御情報を送信する(ST808)。移動端末は基地局からのL1/L2制御情報を受信すると(ST809)、ST806で求めたL1/L2制御情報の候補セット(例えば、図6の候補セットA)内から候補(例えば、図6の候補A1〜A15)を1つ選択する(ST810)。移動端末は選択した候補(例えば候補A1)にL1/L2制御情報が含まれているか調べるためにデコード処理を行い(ST811)、結果がOK(CRC OK)か否か判断する。結果がOKであれば(ST811でYes)、選択した候補A1にL1/L2制御情報が含まれていると判断し、L1/L2制御情報に従って所定の動作をする(ST812)。一方、選択した候補A1にデコード処理をした結果がNGである場合(ST811でNo)、移動端末は、候補セットA内にデコード処理をしていない候補があるか判断する(ST813)。上記説明の場合、デコード処理をしていない候補A2〜A15があるので(ST813でYes)、ST810において候補A2を選択し(ST810)、デコード処理を行う(ST811)。全ての候補A1〜A15に対してデコード処理を行った場合には(ST813でNo)、自分宛てのL1/L2制御情報がないと判断し、次のL1/L2制御情報の受信タイミングまで待機する(ST1214)。上記ST810からST813までの処理をブラインド検出(Blind Detect、 Blind Decode)などと称する。
【0043】
ST814にて、移動端末は次のL1/L2制御情報受信タイミングまで待機し、その後ST809へ戻る。具体例としては、ダイナミックスケジューリングされている移動端末においては、次のサブフレームの最初のスロットの最初の1OFDMシンボルあるいは、2OFDMシンボルあるいは、3OFDMシンボルの受信まで待機する。あるいは、アクティブ(Active)中のDRX動作をしている移動端末においては、次のDRX周期後のL1/L2制御情報の受信動作時間(オン持続時間:on-duration)まで待機する。アクティブ中のDRX動作(DRX in RRC_CONNECTED)とは、LTE(E-UTRAN)にて移動端末の低消費電力をサポートするために新しく設けられた状態である。移動端末の動作としては、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末宛の割当が無いと判断したなら、アクティブ中のDRX動作へ再び移行する。一方、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末あての割当有りと判断したなら、移動端末はアクティブ中のDRX動作を行わず、L1/L2制御情報の指示に従う。
【0044】
ここで、ST803にて基地局から移動端末に対して通知する候補セット算出に関わるシステム帯域幅以外の変数が存在しない場合について考える。言い換えればシステム帯域幅に対して候補セットが1種類のみ存在する場合である。図9は、実施の形態1における基地局のシステム帯域幅とL1/L2制御情報の候補セットの組み合わせの一例を示す表である。図9に示すような基地局のシステム帯域幅とL1/L2制御情報の候補セットの組み合わせ、更には候補セットとCCEの関係は移動体通信システムとして静的に決定しておいた場合、基地局と移動端末は、あらかじめ通知されているシステム帯域幅をもとに図9の表を参照するだけで、候補セットを決定することができる。
【0045】
上記説明のとおり、基地局から移動端末に対してあらかじめ通知されている周波数帯域幅を、L1/L2制御情報が含まれる候補セットを求めるための変数として用いることにより、L1/L2制御情報を含む候補セットを通知するためのシグナリングを、L1/L2制御情報を送信する度に行う必要がないので、無線リソースを有効に活用することができ、かつ受信エラーが生じることもない。よって移動端末によるL1/L2制御情報の候補の受信エラーによる基地局と移動端末の状態の不一致などが発生しないという効果を得ることができる。また、周波数帯域を候補セットを求めるための変数とすることにより、使用する周波数帯域幅が複数存在するLTEシステムにおいても、L1/L2制御情報の候補が存在する周波数に偏りなく、候補セットを求めることが可能となる。
【0046】
なお、本実施の形態では、CCE(Channel Control Element)の大きさが1種類の場合について説明した。しかし、LTEの基地局帯域幅が異なった場合に、CCEの大きさが異なる場合もあり得る。本実施の形態で開示した方法は、このように、CCEの大きさが異なる場合にも適用することが可能である。具体的には、例えば、システム帯域幅に応じた(システム帯域の関数でも良い)CCEの大きさを、候補セットを求めるための変数とする。そして、周波数帯域からCCEの大きさを導出し、さらに、そのCCEの大きさに応じて候補セットを算出すればよい。また、図9で示したように、基地局のシステム帯域幅とL1/L2制御情報の候補セットの組合せを示す表を予め移動体通信システムとして静的に決定しておき、さらに候補セットとCCEの関係を移動体通信システムとして静的に決定しておく方法も適用することが可能である。この場合は、システム帯域幅に応じたCCEの大きさを考慮して、候補セットを決めておけば良い。さらには、表中にシステム帯域幅に応じたCCEの大きさの欄を設けて入れておけば良い。上記説明のとおり、LTEの基地局帯域幅によって、CCEの大きさが異なるような場合にも適用することが可能であり、CCEを1種類に限定することなくできるので、システムとしてスケジューリングに柔軟性が得られるという効果がある。
【0047】
実施の形態2.
移動端末では、下り制御チャネルを受信する際には、候補セット(図6の候補セットA、候補セットB、候補セットB')に含まれるひとつまたは複数個の候補(候補A1〜A15、候補B1〜B15、B1'〜B15')を復調し、それら候補のいずれかに含まれている自端末宛の下り制御信号(L1/L2制御情報など)をブラインドディテクションによって検出する。従って、候補の数が増えることは、下り制御チャネルの検出動作に要する、移動端末の処理負荷が増加し、結果として移動端末の消費電力の増大につながる。また、下り制御チャネルの検出動作が多くなるということは、移動端末が自分宛ての下り制御チャネルを検出するまでの平均時間が長くなり、結果として移動体通信システムとしての処理遅延の増大につながる。本実施の形態は、下り制御チャネルの検出動作が増えることによる、移動端末の消費電力の増大及び移動体通信システムとしての処理遅延を改善するため、情報種別毎and/or移動端末毎にCCEのグルーピングを行い、かつ、グルーピングされたCCE毎に候補セットを設け、移動端末は検出したい制御情報が含まれるところの該当グループに対応した候補セット内のひとつまたは複数の候補のみをブラインドディテクトするものである。
【0048】
図10は、移動端末A、B向けの下りL1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)のCCEへの割当方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補を示す説明図である。基地局は、ある移動端末向けの下りL1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)に、UE−IDをもとにしたCRCを付加し(図10中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理を行う(図10中の処理2)。基地局は、これらの処理が施された下りL1/L2制御情報をCCE単位に分割し(図10中の処理3)、システム帯域幅(基地局帯域幅)および物理マッピングされるOFDMシンボル数に応じて予め決められた数のCCEの一部に割り当てる(図10中の処理4)。基地局は、ある任意のサブフレーム内でL1/L2制御情報を送信する全ての移動端末用に上記説明の処理を行う。図10中のAはシステム帯域の全CCE、図10中のBは復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0049】
移動端末は、CCE復調処理、UE−IDをもとにしたCRCチェックを含むブラインドディテクションを行い、自局宛のL1/L2制御情報を認識する。しかし、システム帯域に与えられたCCEの数は多く、また、L1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)はレートマッチングされるなどして複数のCCEに割り当てられることがある。従って、移動端末では、CCE毎、2個のCCE毎、4個のCCE毎、8個のCCE毎、それぞれに復調を行いCRCチェックをしなくてはならなくなり、その復調処理量は膨大な量に及んでしまう。そこで、従来は膨大な数のCCEの組合せの中から10数個程度の候補に絞り、該候補のCCEが入ったセットを一つあらかじめ決めておき(以下、該セットを候補セットと称する)、移動端末は候補セットの中にある10数個程度のCCEの組合せ候補のみの復調を行い自局宛の情報を検索すればよいようにしておく。こうすることによって移動端末での復調処理量が膨大な量になることを防いでいる。
【0050】
次に、従来のCCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。従来は、非特許文献5に示されるように、物理マッピングされるOFDMシンボル数に応じて予め与えられたCCEに各移動端末のL1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)が割り当てられ、CCEを一体としてセル固有のビットスクランブリング、変調、インタリーブが施される。そして、L1/L2制御信号用として決められている1サブフレーム内の物理領域(ここでは先頭から3OFDMシンボル内)にマッピングされる。セル固有のビットスクランブリングやインタリーブを行うことによって、セル間干渉を防ぎ、周波数ダイバシチ利得を得ている。
【0051】
しかし上記のような従来の方法では、システム帯域の全CCEの中の数多くの組合せの中から候補をしぼり、あらかじめ一つの候補セットのみを決めているため、例えば、8個のCCEの候補を得るために1個のCCEの候補数が制限されるなど、組合せの種類に制限が生じ、それによりあるサブフレームに割り当てる移動端末の数に制限が生じてしまう、などの問題が生じてしまう。逆に、システム帯域の全CCEの中の数多くの組合せの中から選ぶ候補数を多くすると、組合せの制限は減少するが、移動端末でブラインドディテクションしなくてはならない候補数の数が増大し、復調処理量が増大してしまう、という問題が生じる。さらに、これらの問題から、移動端末の消費電力の増大や、移動体通信システムとしての処理遅延が生じてしまうことになる。
【0052】
本実施の形態では、このような移動端末の消費電力の増大や、移動体通信システムとしての処理遅延が生じてしまうという問題を解決するため、情報種別毎and/or移動端末毎にCCEのグルーピングを行い、かつ、グルーピングされたCCE毎に候補セットを設け、移動端末は検出したい制御情報が含まれるところの該当グループに対応した候補セット内のひとつまたは複数の候補のみをブラインドディテクトする方法を開示する。
【0053】
図11は、L1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)を情報種別毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補を示す説明図である。L1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)はUL関連L1/L2制御情報とDL関連L1/L2制御情報とにグルーピングされている。UL関連L1/L2制御情報がある移動端末(A、B)の該情報は、それぞれ、基地局によってCRC付加(図11中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理が行われ(図11中の処理2)、CCE単位へ分割される(図11中の処理3)。システム帯域内のCCEは、UL関連L1/L2制御情報とDL関連L1/L2制御情報とにそれぞれ対応したグループに分割されており、CCE単位に分割された各移動端末のUL関連L1/L2制御情報は、UL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループに割り当てられる(図11中の処理4)。
【0054】
さらに、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、該UL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループ内で予め決めておく。これにより、移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、UL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループ内のCCEの組合せから決められた候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。一方、DL関連L1/L2制御情報がある移動端末(A、C)の該情報は、それぞれ、基地局によってCRC付加(図11中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理が行われ(図11中の処理2)、CCE単位へ分割される(図11中の処理3)。CCE単位に分割された各移動端末のDL関連L1/L2制御情報は、DL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループに割り当てられる(図11中の処理4)。さらに、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、該DL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループ内で予め決めておく。これにより、移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、DL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループ内のCCEの組合せから決められた候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。図11中のAはUL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ、図11中のBはDL関連のL1/L2制御情報対応のCCEグループ、図11中のCはUL関連L1/L2制御情報対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図11中のDはDL関連L1/L2制御情報対応の復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0055】
各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバー)はOFDMシンボル数に対応しており、それにともない、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0056】
また、移動端末が、どの種類の情報が送られてこないか知っている場合がある。例えば、UL関連L1/L2制御情報は移動端末が上りリソースアロケーション要求(例えばRACH等)を出した場合に基地局から送信される。従って、上りリソースアロケーション要求を出していない移動端末は、UL関連L1/L2制御情報が送られてこないのを知っている。本実施の形態のように情報種別毎にCCEのグルーピングを行い、かつ、グルーピングされたCCE毎に候補セットを設けた方法にすることで、上記のような場合における移動端末は、全ての制御情報グループのCCEの候補をブラインドディテクションする必要が無くなり、DL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループの候補のみブラインドディテクションすれば良い。
【0057】
次に、CCEを物理リソースにマッピングする方法について説明する。図12は各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。図12中のAはUL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ、図12中のBはDL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ、図12中のCは1OFDMシンボル、図12中のDはリファレンスシンボルを表す。図12に示されるように、システム帯域内の全てのCCEはUL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループとDL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループにわけられている。これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。図12では、1OFDMシンボルへのマッピングの場合を示している。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0、Ack/Nackの情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。なお、図13は2OFDMシンボルへマッピングする場合、図14は3OFDMシンボルへマッピングする場合について示す。図13、図14中のAはUL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ、図12中のBはDL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ、図12中のCは1OFDMシンボル、図12中のDはリファレンスシンボルを表す。図13中のC'は2OFDMシンボル、図14中のC''は3OFDMシンボル、図13、図14中のDはリファレンスシンボルを表す。OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0058】
図15は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図15において、移動端末は、基地局よりL1/L2制御信号を受信する。図15の符号Aは「OFDMシンボル数に応じたCCEグループ内のCCEの数や範囲」、「OFDMシンボル数に応じた各CCEグループの候補セットの情報」が基地局から移動端末に通知されることを示す(ST1501)。この通知は、例えばBCCHやL3シグナリングによって行われる。これらの情報は基地局から移動端末に通知するのではなく、あらかじめ決められていても良い。基地局は、移動端末に対して、送信する必要のある制御情報を、制御情報種別毎、各UE毎にCRC付加、レートマッチング等の処理を行う(ST1502)。基地局は次に、前記処理後の情報をCCE単位に分割し、制御情報種別毎のCCEグループ内の候補セットへ割り当て(ST1503)、全CCE一体でスクランブリング、インタリーバ等の処理を行い(ST1504)、全CCE一体でこれらの処理がなされた後の情報を、物理リソースの1〜n番目のOFDMシンボルへマッピングし(ST2305)、Cat0(L1/L2制御情報に使用するOFDMシンボル数の情報)とともに、L1/L2制御情報を傘下の移動端末に対して送信する(ST1506)。
【0059】
移動端末は、Cat0とともにL1/L2制御情報を受信し(ST1507)、Cat0よりL1/L2制御情報に使用されるOFDMシンボル数を判定し(ST1508)、該判定結果にもとづいた値のOFDMシンボル数をデインタリーブ、デスクランブリング等の処理を行う(ST1509)。一方、移動端末はそれに先立ち、例えば上りRACH等で、UL関連L1/L2制御情報を要求したかどうかを記憶しておく。移動端末が基地局にUL関連L1/L2制御情報を要求した場合には(ST1510でYes)、移動端末は、デスクランブリング等の処理後、ST1501であらかじめ通知された、UL関連L1/L2制御情報対応CCEグループ内候補セットのなかのCCE候補についてデコード処理を順次行う(ST1511)。移動端末が基地局にUL関連L1/L2制御情報を要求していない場合(ST1510でNo)、移動端末はST1511の処理をスキップし、ST1501であらかじめ通知された、DL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ内候補セットのデコード処理を行う(ST1512)。そして、移動端末は受信したL1/L2制御情報に従った動作を実行する(ST1513)。
【0060】
以上のように、情報種別毎にCCEをグルーピングして割り当て、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補につい情報種別に対応したCCEグループ内でCCEの組合せから候補をそれぞれ選ぶことで、システム帯域の全CCEの組合せから候補を選ぶよりも、候補数を削減することができ、移動端末がブラインドディテクションに有する復調処理量が削減でき、処理遅延が低減できるという効果がある。従って、移動端末の消費電力を削減でき、移動体通信システムとしての処理遅延を低減することが可能となる。逆に、同じ候補数とした場合は、あるサブフレームに割り当てる移動端末の数を増大させることが可能となり、システムとしての無線リソース効率が向上する。さらに、移動端末が、どの種類の情報が送られてこないか知っている場合に、全ての制御情報グループのCCEの候補をブラインドディテクションする必要が無くなり、例えば、DL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループの候補のみブラインドディテクションすれば良くなるなど、復調処理量が削減でき、処理遅延が低減できる、という効果がある。従って、さらに移動端末の消費電力を削減でき、移動体通信システムとしての処理遅延を低減することが可能となる。
【0061】
一方、以上のように、CCEグループに分けられている全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理など、一連の処理を行い物理リソースへマッピングすることにより、CCEグループに分けられていたとしても、セル間干渉を防ぎ、周波数ダイバシチ利得を得ることができる。さらに、移動端末においては、物理リソースからCCEを導出するまでのデインタリーブ処理等を、所望の制御信号が送信されるCCEグループがサブフレーム毎に変わったとしても、同じ処理で行うことができ、復調処理が簡単化できるので、処理時間削減、回路規模削減、低消費電力化の効果を得ることができる。
【0062】
また、2OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様の効果を得ることが可能である。本実施の形態2では、L1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)をUL関連L1/L2制御情報とDL関連L1/L2制御情報とにグルーピングしたが、MIMOをサポートする場合は、MIMO関連情報とその他のL1/L2制御情報とにグルーピングしても良い。これにより、MIMOをサポートする移動端末は、MIMO関連情報を選択的に復調することが可能だし、逆に、MIMOをサポートしない移動端末は、MIMO関連情報を復調することなく、他のL1/L2制御情報を復調するだけで良い。従って、移動端末の処理量削減による低消費電力化や、移動体通信システムとしての処理遅延を低減することが可能である。
【0063】
以下、本実施の形態の第一の変形例について説明する。上記の実施の形態では、情報種別毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補について説明した。ここでは、UE毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補について説明する。図16は、移動端末毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補についての一例を示す説明図である。L1/L2制御情報が送信される移動端末は、UEグループ1とUEグループ2にグルーピングされる。UEグループ1に属する移動端末(A、B)のL1/L2制御情報(Ack/Nackは除く)は、それぞれ、基地局によってCRC付加(図16中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理(図16中の処理2)が行われ、CCE単位へ分割される(図16中の処理3)。システム帯域内のCCEは、UEグループ1とUEグループ2とにそれぞれ対応したグループに分割されており、グループ1に属する各移動端末のCCE単位に分割されたL1/L2制御情報(Ack/Nackは除く)は、グループ1に対応したCCEグループに割り当てられる(図16中の処理4)。図16中のAはUEグループ1対応のCCEグループを、図16中のBはUEグループ2対応のCCEグループを、図16中のCはUEグループ1対応の復調候補となるCCEの組み合わせを、図16中のDはUEグループ2対応の復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0064】
さらに、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、該UEグループ1に対応したCCEグループ内で予め決めておく。これにより、UEグループ1に属する各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、UEグループ1に対応したCCEグループ内のCCEの組合せから決められた候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。一方、UEグループ2に属する移動端末(C、D)のL1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)は、それぞれ、基地局によってCRC付加(図16中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理(図16中の処理2)が行われ、CCE単位へ分割される(図16中の処理3)。グループ2に属する各移動端末のCCE単位に分割されたL1/L2制御情報(Ack/Nackは除く)は、UEグループ2に対応したCCEグループに割り当てられる(図16中の処理4)。さらに、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、該UEグループ2に対応したCCEグループ内で予め決めておく。これにより、UEグループ2に属する各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、UEグループ2に対応したCCEグループ内のCCEの組合せから決められた候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。
【0065】
各移動端末がどのUEグループに属するかについては、基地局から移動端末に明確に通知(例えばL3メッセージやBCCHなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められた規則(例えば各移動端末のUE-IDとUEグループナンバを割り当てた表を有する等)をもとに基地局および移動端末それぞれで導出しても良い。各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバー)はOFDMシンボル数に対応しており、それにともない、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0066】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。図17は各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。システム帯域内の全てのCCEはUEグループ1対応のCCEグループ(図17中のA)とUEグループ2対応のCCEグループ(図17中のB)にわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。図17では、1OFDMシンボル(図17中のC)へのマッピングの場合を示している。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル(図17中のD)、Cat0、Ack/Nackの情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。2OFDMシンボル、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様に処理できる。具体的には、図13、14の情報種別毎に対応したCCEグループをUEグループ毎に対応したCCEグループにすればよく、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められるので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数―時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0067】
図18は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図18に示す一連の処理のうち、ST1802〜ST1809及びST1813の処理は、図15に示すST1502〜ST1509及びST1513の処理と同様であるので説明は省略し、ST1801、ST1810〜ST1812について説明する。図15のST1501では、基地局は、「OFDMシンボル数に応じたCCEグループ内のCCEの数や範囲」、「OFDMシンボル数に応じた各CCEグループの候補セットの情報」を移動端末に通知していた。図18のST1801では、符号Aに示すように、新たに「UEグループに関する情報」を移動端末に通知することとした。この「UEグループに関する情報」は、基地局から通知するのではなく、あらかじめ決められた規則(例えば各移動端末のUE-IDとUEグループナンバを割り当てた表を有する等)をもとに基地局および移動端末それぞれで導出しても良い。移動端末は、ST1810において、基地局より通知された「UEグループに関する情報」を用いて、自端末が属するUEグループを判定する。UEグループ1に属する場合、移動端末は、UEグループ1対応CCEグループ内候補セットに含まれるCCE候補にデコード処理を行う(ST1811)。一方、UEグループ2に属する場合、移動端末は、UEグループ2対応CCEグループ内候補セットに含まれるCCE候補にデコード処理を行う(ST1812)。
【0068】
上記のように、UEグループに対応したCCEグループ内でCCEの組合せから候補をそれぞれ選ぶことで、システム帯域の全CCEの組合せから候補を選ぶよりも、候補数を削減することができ、移動端末がブラインドディテクションに有する復調処理量が削減でき、処理遅延が低減できる、という効果がある。従って、移動端末の消費電力を削減でき、移動体通信システムとしての処理遅延を低減することが可能となる。逆に、同じ候補数とした場合は、あるサブフレームに割り当てる移動端末の数を増大させることが可能となる。
【0069】
一方、以上のように、UEグループ対応したCCEグループに分けられている全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理等一連の処理を行い物理リソースへマッピングすることにより、例え移動端末がどのUEグループに属していても、セル間干渉を防ぎ、周波数ダイバシチ利得を得ることができる。さらに、移動端末においては、物理リソースからCCEを導出するまでのデインタリーブ処理等を、例え所望の制御信号が送信されるCCEグループがサブフレーム毎に変わったとしても、同じ処理で行え、復調処理が簡単化でき、処理時間削減、回路規模削減、低消費電力化の効果を得ることができる。また、2OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様の効果を得ることが可能である。
【0070】
以下、本実施の形態の第二の変形例について説明する。上記説明では、CCEに割り当てる情報は、Ack/Nackを含まないL1/L2制御情報としていた。従って、移動端末においては物理マッピングから、Ack/Nackとその他のL1/L2制御情報とを別方法で行う必要があり、複雑になってしまう、という問題があった。以下、L1/L2制御情報のなかのAck/Nackも一つの情報種別として扱い、Ack/NackをUE間でCDMにして一つまたは複数のCCEグループにグルーピングし、かつ、移動端末は検出したい制御情報が含まれるところの該当グループに対応した候補セット内のひとつまたは複数の候補のみをブラインドディテクトする方法を説明する。図19は、Ack/NackをUE間でCDMにして一つのCCEグループに割り当てる方法を説明する説明図である。基地局は、L1/L2制御情報をAck/Nackとその他のL1/L2制御情報に分けて処理を行う。図19に示すように、移動端末Aと移動端末BへAck/Nackが送信される場合、Ack/NackはCDMにより移動端末間の多重化が行われる(図19中の処理5)。ここで移動端末間をCDMするための拡散符号長は、システムとして1サブフレーム内でAck/Nackの送信が必要となる所望の移動端末数を勘案してあらかじめ決められる。該拡散符号長や、受信品質の悪い移動端末に対するリピテーション数(Repetition)を考慮して、割り当てられるCCE数をあらかじめ一つに決めておいても良い。基地局によってCDMにより移動端末間の多重化が行われた後の情報は、CCE単位へ分割される(図19中の処理3)。
【0071】
一方、その他のL1/L2制御信号は、実施の形態2で記したように、移動端末毎にCRC付加(図19中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理(図19中の処理2)が行われ、CCE単位に分割される(図19中の処理3)。システム帯域内のCCEを、Ack/Nack対応のCCEグループとその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループに分割しておく。基地局によって、移動端末間がCDMされたAck/NackはAck/Nack対応のCCEグループ(図19中のA)に割り当てられ(図19中の処理4)、その他のL1/L2制御信号はその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図19中のB)に割り当てられる(図19中の処理4)。図19中のCは、Ack/Nack対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図19中のDは、その他のL1/L2制御情報対応の復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0072】
さらに、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、それぞれのCCEグループ内で予め決めておく。これにより、Ack/Nackが送信される各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、Ack/Nack対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。第二の変形例では、割り当てられるCCE数をあらかじめ一つに決めてあるので、CCEグループ内の候補は一つになる。また、その他のL1/L2制御情報に関しても、各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。
【0073】
各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバー)はOFDMシンボル数に対応しており、それに伴い、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0074】
また、移動端末が、どの種類の情報が送られてこないか知っている場合がある。例えば、移動端末が上りデータを送信していない場合は、Ack/Nackは基地局から送信されない。本変形例2のようにAck/NackもCCEに割り当て、CCEのグルーピングを行い、かつ、グルーピングされたCCE毎に候補セットを設けた方法にすることで、上りデータを送信していない端末は、その他のL1/L2制御情報に対応したCCEグループの候補のみブラインドディテクションすれば良く、また、上りデータを送信している移動端末は、Ack/Nackに対応したCCEグループの候補およびその他のL1/L2制御情報に対応したCCEグループの候補をブラインドディテクションすれば良い。
【0075】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。図20は、各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。図20に示すように、システム帯域内の全てのCCEはAck/Nack対応のCCEグループ(図20中のA)とその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図20中のB)にわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。図では、1OFDMシンボル(図20中のC)へのマッピングの場合を示している。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル(図20中のD)、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。2OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様に、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数−時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0076】
図21は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図21に示す一連の処理のうち、ST2103〜ST2109及びST2113の処理は、図18に示すST1803〜ST1809及びST1813の処理と同様であるので説明は省略し、ST2101、ST2102、ST2110〜ST2112について説明する。図18のST1801では、基地局は、「OFDMシンボル数に応じたCCEグループ内のCCEの数や範囲」、「OFDMシンボル数に応じた各CCEグループの候補セットの情報」を移動端末に通知していた。図21のST2101では、符号Aに示すように、新たに「拡散符号」を移動端末に通知することとした。基地局はまず、移動端末に対して、送信する必要のある制御情報に対して、制御情報種別毎に処理を行う。本変形例においては、Ack/NackについてはCDMして移動端末間の多重化を行う。その他のL1/L2制御情報については、UE毎にCRC付加、レートマッチング等の処理を行う(ST2902)。移動端末は上りデータを送信して基地局からAck/Nackが送信されるのを待っている状態かどうかを判断する(ST2110)。Ack/Nackが送信されるのを待っている状態の場合は、ST2101であらかじめ通知された、Ack/Nack対応CCEグループ内候補セットのなかのCCE候補について、逆拡散、相関計算処理を行い、AckかNackかの判定をする(ST2111)。一方、上りデータを送信しておらず、Ack/Nackが送信されるのを待っていない移動端末は、Ack/Nack対応の復調処理をスキップし、ST2101であらかじめ通知された、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内候補セットのデコード処理を行う(ST2112)。
【0077】
以上のように、L1/L2制御情報の中のAck/Nackも一つの情報種別として扱い、Ack/NackをUE間でCDMにして一つ又は複数のCCEグループにグルーピングした。移動端末間の多重方法をCDMにしたことでUEがブラインドディテクションする候補の数が少なくてよい(例えば本変形例の場合は候補数は1)という効果が得られる。さらに、CDMにすることで、Ack/Nack用に確保するCCEの数は少なくできるため、その他のL1/L2制御情報に割り当てられるCCEの数が増大することができる。さらに、Ack/NackをCDMして、他のL1/L2制御信号と別のコーディング方法としているため、他のL1/L2制御情報に必要とされる受信品質とAck/Nackに必要とされる受信品質が異なるような場合も、基地局においてMCS、コーディングレート等を別々にスケジューリングすることができ、移動端末におけるそれぞれの受信品質を満たすようにすることが可能となる。さらに、Ack/Nackも一つの情報種別として扱い、その他のL1/L2制御情報と同じようにCCE内に割り当て、物理マッピングを行っている。これにより、基地局ではCCEから物理マッピングまでAck/Nackと他のL1/L2制御情報とを同じ方法で処理できるため、処理回路の簡略化、処理量の低減が可能となる。また、移動端末においても、物理リソースからCCEを導出するまでのデインタリーブ等の処理をAck/Nackと他のL1/L2制御情報とを同じ方法で処理できるため、処理の簡略化ができる。処理量の低減が可能となる。従って、低消費電力化、処理時間の削減、回路規模削減が図れる。さらに、移動端末においては、物理リソースからCCEを導出するまでのデインタリーブ処理等を、例え所望の制御信号が送信されるCCEグループがサブフレーム毎に変わったとしても、同じ処理で行え、復調処理が簡単化でき、処理時間削減、回路規模削減、低消費電力化の効果を得ることができる。さらに、本変形例では、CCEグループに分けられている全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理等一連の処理を行い物理リソースへマッピングすることにより、例えCCEグループに分けられていたとしても、セル間干渉を防ぎ、周波数ダイバシチ利得を得ることができる。また、2OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様の効果を得ることが可能である。
【0078】
なお、第二の変形例では、Ack/NackをUE間でCDMにして一つのCCEグループにグルーピングした。システムとして1サブフレーム内でAck/Nackの送信が必要となる所望の移動端末数に対して拡散コードが足りない場合は、Ack/Nackの送信が必要となる移動端末をいくつかの複数のグループに分割し、分割したグループ毎に移動端末間の多重方法をCDMして、それぞれのグループに対応するCCEグループ内のCCEに割り当てるようにしても良い。復調候補となるCCEの組合せも、各CCEグループ内で予めきめておいても良い。これにより、各グループで同じコードを用いることができるため、所望の移動端末数に対して拡散コードが足りない場合に有効である。また、全CCEを一体に物理マッピングするので、例えCCEグループに分けられていたとしても、セル間干渉を防ぎ、周波数ダイバシチ利得を得ることができる。さらに、各移動端末が属するグループは、あらかじめ基地局から通知されるか、あらかじめ決められるので、自移動端末用のAck/Nack対応グループのみ逆拡散等の処理を行えばよく、処理量の削減が可能となる。
【0079】
以下、本実施の形態の第三の変形例について説明する。上記第二の変形例では、L1/L2制御情報の中のAck/Nackも一つの情報種別として扱い、Ack/NackはCDMにより移動端末間の多重化が行われ、CDMするための拡散符号長は受信品質の悪い移動端末に対するリピテーション数等からあらかじめ決められていたので、受信品質が良い移動端末も同じ領域のCCEに割り当てていた。第三の変形例では、さらに無線リソースを効率良く使用するための方法を開示する。移動端末が基地局に送信する受信品質情報によって移動端末をグルーピングし、各グループの品質に応じてMCSを変え、それに応じて割り当てるCCEの数を変えておく。また、さらに、それぞれのCCEグループで、移動端末がブラインドディテクションするCCEの組合せ候補を一つとしておいても良い。
【0080】
図22は、受信品質情報によって移動端末をグルーピングしてそれぞれのCCEグループに割り当てる方法を示す説明図である。基地局は、L1/L2制御情報をAck/Nackとその他のL1/L2制御情報に分けて処理を行う。Ack/Nackに関して説明する。移動端末が基地局に送信する品質情報に応じて、移動端末はグルーピングされる。図では、受信品質が高い移動端末グループ1(図22中のUEグループ1)、受信品質が中くらいの移動端末グループ2(図22中のUEグループ2)、受信品質が低い移動端末グループ3(図22中のUEグループ3)にグルーピングされた場合について示す。
【0081】
移動端末グループ1は受信品質が高いので、CDMによってUE多重化がなされた後(図22中の処理5)に、例えばリピテーション数1でリピテーションが行われる(図22中の処理6)。この場合のリピテーション後の情報量を例えば2CCE分とする。リピテーション後の情報は、CCE単位に分割され(図22中の処理3)、Ack/Nack対応のUEグループ1対応のCCEグループ(図22中のA1)に割り当てられる(図22中の処理4)。移動端末グループ2は受信品質が中くらいなので、CDMによってUE多重化がなされた後に(図22中の処理5)、例えばリピテーション数2でリピテーションを行う(図22中の処理6)。よって、リピテーション後の情報量は4CCE分となる。そして、リピテーション後の情報は、CCE単位に分割され(図22中の処理3)、Ack/Nack対応のUEグループ2対応のCCEグループ(図22中のA2)に割り当てられる(図22中の処理4)。移動端末グループ3は受信品質が低いので、CDMによってUE多重化がなされた後に(図22中の処理5)、例えばリピテーション数4でリピテーションを行う(図22中の処理6)。よって、リピテーション後の情報量は8CCE分となる。そして、リピテーション後の情報は、CCE単位に分割され(図22中の処理3)、Ack/Nack対応のUEグループ3対応のCCEグループ(図22中のA3)に割り当てられる(図22中の処理4)。あらかじめ受信品質情報に応じたUEグループ毎にMCSの方法(ここではリピテーション数)を決めておくことで、結果として、UEグループ毎に割り当てるCCEの数があらかじめ決まるので、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せを、各グループ毎にひとつにすることも可能である。
【0082】
一方、その他のL1/L2制御信号は、変形例2で記したように、移動端末毎にCRC付加(図22中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理(図22中の処理2)が行われ、CCE単位に分割され(図22中の処理3)、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図22中のB)に割り当てられる(図22中の処理4)。移動端末は、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションする候補を順次復調する。図22中のC1はAck/Nack対応のUEグループ1対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図22中のC2はAck/Nack対応のUEグループ2対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図22中のC3はAck/Nack対応のUEグループ3対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図22中のDはその他のL1/L2制御情報対応の復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0083】
移動端末を受信品質情報によってグルーピングするための方法として、具体的には、例えば、移動端末から基地局に通知されるCQI値を用い、該CQI値にあらかじめ閾値を設けておき、グルーピングするようにしておけばよい。それにより、CQIを報告した移動端末も、報告された基地局も、該移動端末がどのグループに属するかを認識可能となる。該CQI値に設ける閾値は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばL3メッセージやBCCHなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0084】
以上のように、移動端末が基地局に送信する受信品質情報によって移動端末をグルーピングし、各グループの品質に応じて、リピテーション数を変え、割り当てるCCEの数を変えておき、さらに、それぞれのCCEグループで、移動端末がブラインドディテクションするCCEの組合せ候補を一つとしておくことで、受信品質が良い移動端末に大きな領域のCCEを割り当ててしまうような無線リソースの無駄を無くすことができ、無線リソースの効率良い使用が図れる。また、移動端末がブラインドディテクションする候補をひとつとすることが可能となるため、復調処理量が削減でき、低消費電力化、処理遅延の削減がはかれる。
【0085】
変形例3では、移動端末が基地局に送信する受信品質情報によって移動端末をグルーピングし、各グループの品質に応じてMCSを変え、それに応じて割り当てるCCEの数を変えておいた。また、さらに、それぞれのCCEグループで、移動端末がブラインドディテクションするCCEの組合せ候補を一つとしておいた。移動端末をグルーピングするのを受信品質情報ではなく、例えば自セルのパスロス、自セルと隣接セルとのパスロス差、移動速度、データのサービス種類(例えばVoIP)等を、移動端末から基地局へ報告し、その情報をもとにグルーピングしても良い。これらの情報をもとにグルーピングすることで、移動端末がどの状態にあっても、Ack/Nackの受信に必要な受信品質が保たれるとともに、システムとして無線リソースの有効活用が可能となる、という効果が得られる。
【0086】
上記のように本実施の形態では、L1/L2制御情報の情報種別として、UL関連L1/L2制御情報、DL関連L1/L2制御情報、MIMO関連情報、Ack/Nackを例にあげたが、この他にも、Paging情報(PI)があっても良い。Paging情報(PI)をL1/L2制御チャネル上にのせ、情報種別のひとつとして、本実施の形態を適用することで、Idle状態にいてある周期でPagingを受信している移動端末は、Paging情報のみの復調が可能となり他のL1/L2制御情報を復調をスキップすることが可能となるので、復調処理量が削減でき、低消費電力化、処理遅延の削減がはかれる。また、上記のように本実施の形態では、情報種別毎 and/or 移動端末毎にCCEのグルーピングを行うことを開示したが、CCEのグルーピングを物理マッピングするOFDMシンボル毎に行っても良い。これにより、移動端末でのL1/L2制御情報のそれぞれの情報の誤り率や処理時間等の要求に応じて、所望のOFDMシンボルにマッピングすることができるという効果がある。
【0087】
実施の形態3.
実施の形態2の第二の変形例では、L1/L2制御情報の中のAck/Nackも一つの情報種別として扱い、Ack/NackをUE間でCDMにして一つまたは複数のCCEグループにグルーピングし、かつ、移動端末は検出したい制御情報が含まれるところの該当グループに対応した候補セット内のひとつまたは複数の候補のみをブラインドディテクトする、方法を開示した。また、システムとして1サブフレーム内でAck/Nackの送信が必要となる所望の移動端末数に対して拡散コードが足りない場合は、Ack/Nackの送信が必要となる移動端末をいくつかの複数のグループに分割し、分割したグループ毎に移動端末間の多重方法をCDMして、それぞれのグループに対応するCCEグループ内のCCEに割り当てるようにしても良いことも開示した。しかし、Ack/NackをCDMして、他のL1/L2制御信号と別のコーディング方法としたので、移動端末においては、同じ復調方法でAck/Nackと他のL1/L2制御情報を復調することはできない。従って、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報とを同じCCEグループに割り当てることはできない。変形例2においては、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報とを別のCCEグループとし、各CCEグループ毎に候補セットを設け、それぞれのグループの候補セット内のCCEを異なる方法で復調できるようにした。一方、各CCEグループの数や範囲、それに対応する候補セットは、あらかじめ決められているか基地局から通知されていることとしていた。
【0088】
しかし、上りデータを送信する移動端末の数は、時間軸上で変化する、すなわち、サブフレーム毎にダイナミックに変化する場合がある。それに伴い、基地局が1サブフレーム内で傘下の移動端末に送信が必要となるAck/Nackの情報量はサブフレーム毎に増減する場合が生じることになる。変形例2では、Ack/Nackに用いるCCEグループの数や範囲はシステム容量等に応じてあらかじめ大きめに設定しておき、Ack/Nackの情報量の増大に対応できるようにしておく。例えば、図23は、Ack/Nack割当の一例を示す説明図である。図23に示すように、図23(a)のAck/Nackが少ない場合も、図23(b)のAck/Nackが多い場合も、ともにAck/Nack対応CCEグループ1及び2(図23中のA1、A2)までのCCEをAck/Nackに割り当てられるように確保しておく。これにより、Ack/Nack量の増大に対応できるようにしておく。しかしこうすると、Ack/Nackの情報量が減った場合、あらかじめAck/Nack用に設定しておいたCCEグループ内にAck/Nack情報が割り当てられないCCEが生じることとなり、無線リソースの使用効率が低下する。図23中のBは他のL1/L2制御情報対応のCCEグループを、網掛け部分は、UE間でCDMされたAck/Nackが割り当てられる領域を示す。
【0089】
本実施の形態では、Ack/Nack情報量の変動による無線リソースの使用効率の低下を抑えるため、Ack/Nackが割り当てられるCCEグループ(図23中のA1、A2)と他のL1/L2制御情報が割り当てられるCCEグループ(図23中のB)と、さらに、Ack/Nackもしくは他のL1/L2制御情報のどちらかが割り当てられる共用のCCEグループ(図24のE)を設けた方法を開示する。図24は、実施の形態3における共用のCCEグループ(図24のE)を設けた方法の一例を示す説明図である。図24は、Ack/Nackが少ないときを示す。図に示すように、全CCEはAck/Nack対応CCEグループ(図24のA)と、他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図24のB)、そして共用のCCEグループ(図24のE)に分割される。共用のCCEグループ(図24のE)はAck/Nack情報もしくは他のL1/L2制御情報どちらが割り当てられても良い。Ack/Nackが少ない場合は図のように、他のL1/L2制御情報が割り当てられるCCEグループになる。図24の処理4はCCEへの割り当て処理を示す。また、図24中のCはAck/Nack対応復調候補となるCCEの組み合わせ、図24中のDは他のL1/L2制御情報対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図24中のFは共用CCEグループ対応の復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0090】
図25は、実施の形態3における共用のCCEグループ(図24のE)を設けた方法の一例を示す説明図である。図25は、Ack/Nackが多いときを示す。図に示すように、図24と同じく、全CCEはAck/Nack対応CCEグループ(図25のA)と、他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図25のB)、そして共用のCCEグループ(図25のE)に分割される。つまり、サブフレーム毎のAck/Nack数の変動に対して、分割方法は上記に固定しておく。しかし、図24の場合と異なり、図25の場合は、共用のCCEグループ(図25のE)にAck/Nack情報が割り当てられる。また、Ack/Nackの情報量の増減に応じて、図に示すようにL1/L2制御情報が割り当てられる全CCEの数が増減できるようにしても良い。増加した場合は、物理マッピングするOFDMシンボル数を増やすことで対応可能である。図25において、図24と同一の符号は同一または相当部分を示すので説明は省略する。
【0091】
次に、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補について説明する。候補は、図24に示すそれぞれのCCEグループ内のCCEの組合せの中から予め決めておく。Ack/Nack対応のCCEグループの候補セット(図24、図25のC)は、Ack/NackがUE間でCDMされているため、例えばひとつにする等、候補数が少なくても良い。共用CCEグループの候補セット(図24、図25のF)は、他のL1/L2制御信号が割り当てられる可能性があるため、候補セットの候補数は他のL1/L2制御情報対応のCCEグループの候補セットの候補数と同程度にしておく。これにより、共用のCCEグループに関しても、他のL1/L2制御信号を割り当てることが可能となり、移動端末が候補セット内のCCEの候補をブラインドディテクションすることで復調可能となる。
【0092】
各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバー)はOFDMシンボル数に対応しており、それにともない、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0093】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。システム帯域内の全てのCCEはAck/Nack対応のCCEグループとその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ、そして共用のCCEグループに分けられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数―時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。なお、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0094】
本発明にかかる基地局と移動端末との動作の一例について説明する。本実施の形態は図21に示す、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報の情報種別毎にグルーピングした場合のシーケンスの一部を図26のように変更することで可能となる。図26は図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。図27は図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。基地局は、図21のST2102とST2103の処理を図26に示すように変更する。図26において、基地局はまず、移動端末に対して、送信する必要のある制御情報に対して、制御情報種別毎に処理を行う。まず、その他のL1/L2制御情報を移動端末毎にCRC付加、レートマッチング等処理を行う(ST2601)。次に基地局は、あるサブフレームにおいて送信するAck/Nackに必要とするCCEの数がAck/Nack対応グループのみのCCE数だけで足りるかどうかを判断する(ST2602)。足りている場合、Ack/Nack対応CCEグループへの割り当て用としてUE間でCDMを行い、MCS等の処理を行う(ST2603)。次に、前記処理後のAck/NackをAck/Nack対応のCCEグループ内の候補セットに割り当てる(ST2604)。次に、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループの候補セットへ割り当てる(ST2605)。そして、送信する全てのその他のL1/L2制御情報を、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループに割り当て切れなかった場合、残りの、その他のL1/L2制御情報を、共用のCCEグループ内候補セットへ割り当てる(ST2606)。一方、ST2602でAck/Nack対応CCEグループのみのCCE数で不足と判断した場合、Ack/Nack対応CCEグループ割り当てUEと共用グループ割り当てUEとをグループ化する(ST2607)。各グループでUE間でCDMを行い、MCS等の処理を行う(ST2608)。次に、Ack/NackをAck/Nack対応及び共用のCCEグループ内の候補セットに割り当てる(ST2609)。次に、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループの候補セットへ割り当てる(ST2610)。基地局は、その後、図21に示すST2104〜ST2106の処理を実行する。
【0095】
移動端末は、図21に示すST2107〜ST2109の処理を実行した後、図27の一連の処理を実行する。図27に示すように、移動端末は上りデータを送信して基地局からAck/Nackが送信されるのを待っている状態かどうかを判断する(ST2711)。Ack/Nackが送信されるのを待っている状態の場合は、図21のST2101であらかじめ通知された、Ack/Nack対応CCEグループ内候補セットのなかのCCE候補について、逆拡散、相関計算処理を行う(ST2712)。次に、自局宛てのAck/Nackの有無を判断する(ST2713)。自局宛のAck/Nackがある場合、Ack、Nackのいずれか判定する(ST2714)。一方、ST2713で自局宛てのAck/Nackの有無を判断した結果、自局宛のAck/Nackがない場合、図21ST2101であらかじめ通知された共用CCEグループ内の候補セットの逆拡散、相関計算処理を行うとともに、Ack、Nackのいずれか判定する(ST2715)。ST2711でAck/Nackが送信されるのを待っていない状態の場合は、図21ST2101であらかじめ通知された、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内候補セットのデコード処理を行う(ST2716)。デコード処理を行った結果、自局宛ての有無を判断し、有の場合は、図21のST2113の処理へ進む。一方、ST2717で自局宛ての有無を判断した結果、無の場合は、図21ST2101であらかじめ通知された共用CCEグループ内の候補セットのデコード処理を行う。移動端末は、その後、図21ST2113で示すように、以上の方法で受信したL1/L2制御情報に従って動作を実行する。
【0096】
以上のように本発明では、Ack/Nackが割り当てられるCCEグループと他のL1/L2制御情報が割り当てられるCCEグループと、さらに、Ack/Nackもしくは他のL1/L2制御情報のどちらかが割り当てられる共用のCCEグループを設けた方法とした。このため、実施の形態2の変形例2と同様の効果が得られるのに加え、さらに、Ack/Nack情報量がサブフレーム毎にダイナミックに変動する場合にも、Ack/Nack割り当て用に無駄なCCEを確保する必要がなく、無線リソースの使用効率の低下を抑えることが可能となる。さらに、移動端末と基地局であらかじめAck/Nackの割り当てるグループの優先順位を決めておく。具体的には例えば、図26、図27に示したように、Ack/Nackはまず、Ack/Nack対応のCCEグループから割り当てる、また、他のL1/L2制御情報は、他のL1/L2制御情報対応のCCEグループから割り当て、それぞれ割り当て切れない場合に共用のCCEグループに割り当てることとする。こうすることによって、移動端末は、Ack/Nackを待っている場合は、Ack/Nack対応のCCEグループの候補セットから逆拡散処理を行えばよく、そのグループにAck/Nackがあった場合は、共用のCCEグループの候補セットを逆算処理を行う必要がなくなる。また、他のL1/L2制御情報に関しても同様に、L1/L2制御情報対応のCCEグループの候補セットからブラインドディテクションを行えばよく、そのグループに他のL1/L2制御情報が存在した場合は、共用のCCEグループの候補セットのブラインドディテクションを行う必要がなくなる。従って、移動端末の復調処理を削減でき、低消費電力化、処理遅延時間の削減が可能となる。
【0097】
なお、本実施の形態では、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報について説明したが、コーディング方法が異なる制御情報に対して本発明は適用可能であり、同様の効果が得られる。
【0098】
実施の形態4.
実施の形態3で、Ack/NackをCDMして、他のL1/L2制御信号と別のコーディング方法としたので、移動端末においては、同じ復調方法でAck/Nackと他のL1/L2制御情報を復調することはできないこと、上りデータを送信する移動端末の数は、サブフレーム毎にダイナミックに変化する場合があり、それに伴い、基地局が送信するAck/Nackの情報量はサブフレーム毎に増減する場合が生じることを説明した。
このような場合、移動端末においては、復調しようとするCCEがどのコーディング方法でコーディングされたか、どのグループに属するかについてサブフレーム毎に認識しておく必要がある。そこで、実施の形態2第二の変形例では、コーディング方法が異なり、サブフレーム毎にダイナミックに増減する情報に対応するため、Ack/Nackに用いるCCEグループの数や範囲はシステム容量等に応じてあらかじめ大きめに設定しておく方法を開示した。また、実施の形態3では、Ack/Nackが割り当てられるCCEグループと他のL1/L2制御情報が割り当てられるCCEグループと、さらに、Ack/Nackもしくは他のL1/L2制御情報のどちらかが割り当てられる共用のCCEグループを設けた方法を開示した。
【0099】
本実施の形態では、Ack/Nack情報量の変動による無線リソースの使用効率の低下を無くすため、Ack/Nackに対応するCCEグループと他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとを設け、各グループの先頭のCCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法を開示する。図28は、実施の形態4における各グループの先頭のCCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法の一例を示す説明図である。図に示すように、全CCEはAck/Nack対応CCEグループ1(図28のA1)と、Ack/Nack対応グループ2(図28のA2)、そして他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図28のB)に分割される。ここで、Ack/Nack対応CCEグループ数はサブフレーム単位でダイナミックに増減する。Ack/Nackやその他のL1/L2制御情報が割り当てられた各CCEグループの先頭のCCEに、スクランブリングコードが乗じられる。Ack/Nack対応のCCEグループ1と2の先頭のCCEのデータCCE_A1とCCE_A2には、スクランブリングコードSaが乗じられ、それぞれCCE_B1とCCE_B2になり、それぞれもとのCCEグループの先頭のCCEに再度割り当てられる。一方、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループの先頭のCCE_A3にはSbが乗じられ、CCE_B3になり、CCE_B3はCCEグループの先頭のCCEに再度割り当てられる。SaとSbは直交させておく。以上のような構成とすることで、移動端末でL1/L2制御信号を受信時、Ack/Nackとその他のL1/L2制御信号のCCEグループを分別可能となる。
【0100】
各CCEグループ毎の固有のスクランブリングコードや、各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0101】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。システム帯域内の全てのCCEはAck/Nack対応のCCEグループとその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ、そして共用のCCEグループにわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。なお、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0102】
本発明にかかる基地局と移動端末との動作の一例について説明する。本実施の形態は図21に示す、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報の情報種別毎にグルーピングした場合のシーケンスの一部を図29のように変更することで可能となる。図29は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図29において、図21と同一の符号は同一又は相当する処理であるので説明は省略する。移動端末は、基地局よりL1/L2制御信号を受信する。図29の符号Aに示すように、移動端末はそれに先だち、あらかじめ基地局から「各CCEグループの数に応じた候補セットの情報」や、「拡散コード」、「スクランブリングコードSa、Sb」、「閾値Ta、Tb」が、例えばBCCHやL3シグナリングによって通知される。本例では通知されるとしたが、あらかじめ決められていても良い(ST2901)。
【0103】
移動端末は、ST2107〜ST2109までの処理を行った後、CCE毎にSaを乗じて相関計算を行い(ST2903)、相関計算結果が閾値Taより大きいか判定する(ST2904)。大きい場合(ST2904でYes)、そのCCEをAck/Nack対応のCCEグループの先頭のCCEと判定する(ST2905)。相関計算結果が閾値Taより小さい場合(ST2904でNo)、そのまま次のCCEの相関計算に移行する。全CCE相関計算を行ったかどうか判定し(ST2906)、相関計算および閾値との比較を全CCEに対して行うまで繰り返す。全CCEに対してSaを乗じる相関計算および閾値との比較、CCEグループの先頭の判定を終えたら、次にCCE毎にSbを乗じて相関計算を行う(ST2907)。そして、相関計算結果が閾値Tbより大きいかどうか判定する(ST2908)。大きい場合、そのCCEをその他L1/L2制御信号対応応のCCEグループの先頭のCCEと判定する(ST2909)。相関計算結果が閾値Tbより大きくない場合、そのまま次のCCEの相関計算に移行する。全CCE相関計算を行ったかどうか判定し(ST2910)、相関計算および閾値との比較を全CCEに対して行うまで繰り返す。全CCEに対してSbを乗じる相関計算および閾値との比較、CCEグループの先頭の判定を終えたら、次に、判定した各CCEグループの先頭のCCEから、各CCEグループの数、範囲を特定し、その数に応じた候補セットを導出する(ST2911)。このように、各CCEグループの先頭のCCEが判明することで、Ack/Nack対応のCCEグループが増減したとしても、各CCEグループのCCEの数、範囲が特定できることになる。
【0104】
以上のように本発明では、Ack/Nackに対応するCCEグループと他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとを設け、各グループの先頭のCCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法とした。このため、実施の形態2の第二の変形例と同様の効果が得られるのに加え、さらに、Ack/Nack情報量がサブフレーム毎にダイナミックに変動する場合にも、Ack/Nack割り当て用に無駄なCCEを確保する必要がなく、無線リソースの使用効率の低下を無くすことが可能となる。
また、本実施の形態4では、各CCEグループの先頭のCCEが判明することで、Ack/Nack対応のCCEグループが増減したとしても、各CCEグループのCCEの数、範囲が特定できることになることを説明したが、CCEグループの増減のみならず、CCEグループ内のCCE数の増減にも適用できる。その場合、CCEグループ内のCCE数と該CCEグループの候補セットを予め関連付けてく。関連付けに必要な関数は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。こうすることで、さらに、CCEグループ内のCCE数をサブフレーム単位で柔軟に増減できるので、さらに無線リソースの使用効率を向上することが可能となる。さらに、移動端末は数多くのCCEグループを逆拡散処理やブラインドディテクションする必要(例えば、実施の形態3のおける図27で示したST2711〜ST2718)がなくなるため、移動端末の復調処理を削減でき、低消費電力化、処理遅延時間の削減が可能となる。
【0105】
本実施の形態では、Ack/Nack情報量の変動による無線リソースの使用効率の低下を無くすため、Ack/Nackに対応するCCEグループと他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとを設け、各グループの先頭のCCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法を開示したが、各グループ先頭のCCEのみならず、各グループ内全CCEにそれぞれ各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法としても良い。各グループ内全CCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードが乗じられるため、移動端末においてCCE毎に相関計算を行う場合に相関の有無がより確実に判定できるという効果が生じる。
【0106】
また、本実施の形態では、各CCEグループの先頭のCCEに、各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗じる方法を開示したが、全てのCCEグループの先頭のCCEとそれ以外のCCEとで直交性のあるスクランブリングコードを乗じるようにしてもよい。これにより、必要とするスクランブリングコードは、CCEグループがいくつあったとしても、各CCEグループの先頭のCCEに乗じるスクランブリングコードは1つだけですむ。従って、残りのCCEに乗じるスクランブリングコードとあわせて、必要とするスクランブリングコードは2つですむ、という効果がある。さらに、先頭のCCEとそれ以外にCCEには直交するスクランブリングコードをそれぞれ乗じるので、移動端末において、CCE毎に相関計算を行う場合に相関の有無がより確実に判定できる、という効果が生じる。
【0107】
また、本実施の形態では、各CCEグループの先頭のCCEを相関計算により相関の有無を判定していたが、先頭のCCEではなく、各CCEグループの最後尾のCCEとしてもよい。CCEグループの数、範囲が特定できれば良い。
【0108】
なお、本実施の形態では、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報について説明したが、コーディング方法が異なる制御情報に対して本発明は適用可能であり、同様の効果が得られる。
【0109】
実施の形態5.
実施の形態4では、Ack/Nack情報量の変動による無線リソースの使用効率の低下をなくすため、Ack/Nackに対応するCCEグループと他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとを設け、各グループの先頭のCCEもしくは全CCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法を説明した。本実施の形態では、グルーピングされたCCE間に、L1/L2制御情報が割り当てられないダミーCCEを設け、該ダミーCCEにあらかじめきめられたデータ(例えばAll0やAll1等)を入れておく方法を開示する。図30は、実施の形態5におけるグルーピングされたCCE間に、L1/L2制御情報が割当てられないダミーCCEを設ける方法の一例を示す説明図である。図に示すように、全CCEはAck/Nack対応CCEグループ1(図30のA1)と、Ack/Nack対応グループ2(図30のA2)、他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図30のB)に分割され、そして各グループ間にダミーのCCE(図30のd)を設ける。ダミーのCCEには、あらかじめきめられたデータ(例えばAll0やAll1等)を入れておく。以上のような構成とすることで、Ack/Nack対応CCEグループ数がサブフレーム単位でダイナミックに増減した場合でも、移動端末でL1/L2制御信号を受信時、Ack/Nackとその他のL1/L2制御信号のCCEグループを分別可能となる。また、Ack/Nack対応CCEグループ数だけでなく、各グループのCCE数がサブフレーム単位でダイナミックに増減した場合にも適用できる。
【0110】
各CCEグループ間に挿入するダミーCCEのデータや、各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0111】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。システム帯域内の全てのCCE はAck/Nack対応のCCEグループとその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ、そして共用のCCEグループにわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。なお、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0112】
本発明にかかる基地局と移動端末との動作の一例について説明する。本実施の形態は図21に示す、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報の情報種別毎にグルーピングした場合のシーケンスの一部を次のように変更することで可能となる。図21のST2101で、あらかじめ基地局から移動端末に通知する情報に、拡散符号や、各CCEグループの数に応じた候補セットの情報や、ダミーCCEにどのようなデータが入るかの情報をいれておけばよい。さらに、ST2103と2104の間で、基地局はまず各グループ間のCCEにあらかじめ決められたデータを入力してダミーCCEを設けておく。基地局でのそれ以降の処理は図21と同じでよい。次に、移動端末での処理について説明する。図21ST2107で、Cat0とともにL1/L2制御情報を受信し、Cat0よりL1/L2制御情報に使用されるOFDMシンボル数を判定する。該判定結果にもとづいた値のOFDMシンボル数をデインタリーブ、デスクランブリング等の処理を行いCCEを導出する。ここで、ST2109とST2110との間で、ダミーCCEを検索する処理を行う。ダミーCCEにはあらかじめ決められたデータが入力されているため、そのデータで検索すればよい。実施の形態4のように、全CCEにスクランブリングコードを乗じて相関計算を行う必要がないので、移動端末での処理量は大幅に削減される。移動端末は、ダミーCCEを検索した後、ダミーCCEにもとづいて各CCEグループのCCE数や範囲を導出、それに対応した候補セットを導出する。各CCEグループのCCE数や範囲を導出、それに対応した候補セットの導出は、あらかじめ基地局から通知される各CCEグループの数に応じた候補セットの情報に入れておいてもよいし、あらかじめ決められていても良い。各CCEグループに対応する候補セットを導出した移動端末は、その後、移動端末は、図21のST2110以降の処理を行えばよい。
【0113】
以上のように、本発明では、グルーピングされたCCE間に、L1/L2制御情報が割り当てられないダミーCCEを設け、該ダミーCCEにあらかじめきめられたデータ(例えばAll0やAll1等)を入れておく方法とした。このため、実施の形態2の第二の変形例と同様の効果が得られるのに加え、さらに、Ack/Nack情報量がサブフレーム毎にダイナミックに変動する場合にも、Ack/Nack割り当て用に無駄なCCEを確保する必要がなく、無線リソースの使用効率の低下を無くすことが可能となる。さらに、たとえAck/Nack対応のCCEグループが増減したとしても、各CCEグループのCCEの数、範囲が特定できることになるため、CCEグループの増減のみならず、CCEグループ内のCCE数の増減にも適用できる。その場合、CCEグループ内のCCE数と該CCEグループの候補セットを予め関連付けてく。関連付けに必要な関数は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。こうすることで、さらに、CCEグループ内のCCE数をサブフレーム単位で柔軟に増減できるので、さらに無線リソースの使用効率を向上することが可能となる。さらに、移動端末は数多くのCCEグループの全てのCCEを逆拡散処理やブラインドディテクションする必要(図27で示したST2711〜ST2718)がなくなり、しかも、全てのCCEをスクランブリング処理による相関計算を行う必要(例えば、実施の形態4における図29で示したST2903〜ST2910)がなくなる。したがって、移動端末の復調処理を削減でき、低消費電力化、処理遅延時間の削減が可能となる。
【0114】
本実施の形態では、Ack/Nack情報量の変動による無線リソースの使用効率の低下を無くすため、グルーピングされたCCE間に、L1/L2制御情報が割り当てられないダミーCCEを設け、該ダミーCCEにあらかじめきめられたデータ(例えばAll0やAll1等)を入れておく方法を開示したが、ダミーCCEに実施の形態4と同様な方法を適用し、ある特定のスクランブリングコードを乗ずる方法としてもよい。この場合、コード数がダミーCCE用のひとつだけですむため最小ですむという効果がある。
【0115】
なお、本実施の形態では、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報について説明したが、コーディング方法が異なる制御情報に対して本発明は適用可能であり、同様の効果が得られる。
【0116】
実施の形態6.
上記の実施の形態および変形例では、システム帯域内の全てのCCEが各CCEグループにわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う方法について開示した。また、2OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様に、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされることを説明した。上記のような方法の場合、全CCE一体にインタリーバ処理を行い物理リソースへマッピングするので、各CCEグループ毎にマッピングしたい物理領域がある場合に対応できない、という課題があった。そこで、本実施の形態では、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行い物理リソースへマッピングする方法を開示する。本方法を用いることによって、各CCEグループ毎に所望の物理リソースへマッピングすることが可能となる。
【0117】
本発明にかかる一例として、図19で示した、Ack/Nackとその他のL1/L2制御信号をグルーピングする場合について説明する。図に示すように、Ack/NackはCDMにより移動端末間の多重化が行われMCS等の処理の後CCE単位に分割される。一方、その他のL1/L2制御信号は移動端末毎にCRC付加、エンコード、レートマッチング等の処理が行われ、CCE単位に分割される。物理マッピングされるOFDMシンボル数に対応した全CCEは、Ack/Nack対応のCCEグループとその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループに分割される。基地局によって、移動端末間がCDMされたAck/NackはAck/Nack対応のCCEグループに割り当てられ、その他のL1/L2制御信号はその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループに割り当てられる。移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、それぞれのCCEグループ内で予め決めておく。これにより、Ack/Nackが送信される各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、Ack/Nack対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い。また、その他のL1/L2制御情報に関しても、各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い。
【0118】
各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバ)はOFDMシンボル数に対応しており、それにともない、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0119】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。図31は、実施の形態6における各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。ここでは、CCEグループ1はAck/Nack対応のCCEグループとし、CCEグループ2は他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとする。図31に示すように、物理マッピングされるOFDMシンボル数に対応した全CCEはAck/Nack対応のCCEグループ1とその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ2にわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調を行う。この後、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行い、各CCEグループ毎に割り当てられた周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。このように、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行うことで、所望の物理リソースへマッピングすることが可能となる。具体的には、例えば、Ack/Nackは誤り率等の要求から1番目のOFDMシンボル上にマッピングさせたい場合、図のように、CCEグループ毎にインタリーバ処理を行うことで、Ack/Nack対応のCCEグループ1をあらかじめ割り当てた1番目のOFDMシンボルに割り当て、マッピングすることが可能となる。各CCEグループと各グループ毎に割り当てれらる周波数―時間軸上の物理リソースの対応関係の情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0120】
図では、2OFDMシンボルへのマッピングの場合を示している。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。1OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様にでき、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0121】
本発明にかかる基地局と移動端末との動作の一例について説明する。本実施の形態は図21に示す、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報の情報種別毎にグルーピングした場合のシーケンスの一部を次のように変更することで可能となる。
図32は、図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。図33は図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。図32において、図21ST2103の処理を行ったあと、基地局は、全CCE一体でスクランブリング、変調処理を行う(ST3201)。そして、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行い(ST3202)、各グループ毎にnOFDMシンボル内の各CCEグループに割り当てられた領域にマッピングする(ST3203)。その後、基地局は図21ST2106以降の処理を行う。また、図33において、移動端末は、図21のST2108の処理を行った後、nOFDMシンボル内の各CCEグループに割り当てられた領域をそれぞれデインタリーバ処理する(ST3304)。そして、各CCEグループのデータを連結し(ST3305)、復調、デスクランブリング処理を行う(ST3306)。その後、移動端末は、図21のST2110以降の処理を行う。
【0122】
また、上記実施の形態においては、全CCE一体でスクランブリング、変調処理を行っている(ST3301)が、各CCEグループ毎にスクランブリング、変調処理を行っても良い。この場合、移動端末においては、ST3305、ST3306のかわりに、復調、デスクランブリングを各CCEグループ毎に行い、その後各CCEグループのデータを連結すればよい。これにより、基地局ではスクランブリング処理から物理リソースへのマッピング、移動端末では物理リソースのデインタリーバ処理からデでスクランブリング処理を各CCEグループ毎に一連に処理することが可能となり、処理の複雑さを軽減することができる。
【0123】
以上のように、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行い物理リソースへマッピングする方法とすることによって、実施の形態1の第二の変形例で述べたような効果に加えて、さらに、各CCEグループ毎に所望の物理リソースへマッピングすることが可能となる。これにより、各情報種別毎に要求される所望の受信品質に応じた物理マッピングが可能となる。また、時間的に早期に復調をしたい情報等を1番目のOFDMシンボルに割り当てることで、移動端末での早期復調が可能となり、遅延が少なく次の処理を行える。
特に、Ack/Nackは、要求される誤り率や移動端末におけるAck/Nack受信後の再送処理を行うため復調時間の短縮等がもとめられるため、1番目のOFDMシンボルに割り当てられることが要求される場合がある。このような場合に本発明を適用することによって、受信品質の向上、復調時間の短縮がはかれる。
【0124】
また、上記実施の形態においては、全CCE一体でスクランブリング、変調処理を行っている(ST3301)が、各CCEグループ毎にスクランブリング、変調処理を行っても良い。この場合、移動端末においては、ST3305、ST3306のかわりに、復調、デスクランブリングを各CCEグループ毎に行い、その後各CCEグループのデータを連結すればよい。これにより、基地局ではスクランブリング処理から物理リソースへのマッピング、移動端末では物理リソースのデインタリーバ処理からデでスクランブリング処理を各CCEグループ毎に一連に処理することが可能となり、処理の複雑さを軽減することができる。
【0125】
上記の実施の形態では、各CCEグループ毎に所望の物理リソースへマッピングすることが可能とするため、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行い物理リソースへマッピングする方法を開示した。本実施の形態では、各CCEグループ毎に所望の物理リソースへマッピングすることが可能とするため、OFDMシンボル数に対応した全CCE を、OFDMシンボル毎にインタリーバ処理を行い該OFDMシンボルへマッピングする方法を開示する。
【0126】
本発明にかかる一例として、図19で示した、Ack/Nackとその他のL1/L2制御信号をグルーピングする場合について説明する。図に示すように、Ack/NackはCDMにより移動端末間の多重化が行われMCS等の処理の後CCE単位に分割される。一方、その他のL1/L2制御信号は移動端末毎にCRC付加、エンコード、レートマッチング等の処理が行われ、CCE単位に分割される。基地局によって、移動端末間がCDMされたAck/NackはAck/Nack対応のCCEグループに割り当てられ、その他のL1/L2制御信号はその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループに割り当てられる。
【0127】
移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、それぞれのCCEグループ内で予め決めておく。これにより、Ack/Nackが送信される各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、Ack/Nack対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い。また、その他のL1/L2制御情報に関しても、各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い。
【0128】
各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバ)はOFDMシンボル数に対応しており、それにともない、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0129】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。図34は、実施の形態6の変形例1における各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。ここでは、CCEグループ1はAck/Nack対応のCCEグループとし、CCEグループ2は他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとする。図34に示すように、物理マッピングされるOFDMシンボル数に対応した全CCEを、OFDMシンボル数毎に分割しておく。例えば2OFDMシンボルのときは、1番目のOFDMシンボル用(図34のA)と2番目のOFDMシンボル用(図34のB)に分割しておく。各CCEグループはそれぞれ所望のOFDMシンボルにマッピングされるように、分割された各OFDMシンボル用のCCEに割り当てられる。ここでは、Ack/Nack対応のCCEグループ1は1番目のOFDMシンボル用のCCEに割り当てられる。残りのCCEにその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ2が割り当てられる。
【0130】
各CCEグループは、所望のOFDMシンボルに割り当てられるようにする。前述したように、各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバー)はOFDMシンボル数に対応しているが、各CCEグループの数や範囲は、どのOFDMシンボルに割り当てられるかを考慮して決めておけば良い。
【0131】
各OFDMシンボル用CCE毎、例えば、1番目のOFDMシンボル用CCEと2番目のOFDMシンボル用に、セル固有のスクランブリング処理、変調処理を行い、さらにインタリーバ処理を行う。その後各OFDMシンボル用CCEはそれぞれ各OFDMシンボルにマッピングされる。1番目のOFDMシンボル用CCEは1番目のOFDMシンボルに、2番目のOFDMシンボル用CCEは2番目のOFDMシンボルにマッピングされる。上記のように、各OFDMシンボル毎にインタリーバを行い該OFDMシンボルへマッピングすることで、例えば、Ack/Nack対応のCCEグループ1は1番目のOFDMシンボルにマッピングすることが可能となる。
【0132】
図では、2OFDMシンボルへのマッピングの場合を示している。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。1OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様にでき、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0133】
本発明にかかる基地局と移動端末との動作の一例について説明する。本変形例は図21に示す、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報の情報種別毎にグルーピングした場合のシーケンスの一部を次のように変更することで可能となる。図35は、図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。図36は、図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。図35に示すように、図21ST2103の処理を行ったあと、基地局は、各OFDMシンボル用のCCE毎に、セル固有のスクランブリング処理、変調処理を行う(ST3501)。次に、各OFDMシンボル用のCCE毎にインタリーバ処理を行う(ST3502)。そして、n番目のOFDMシンボル用CCEから導出された処理後のデータをn番目のOFDMシンボルにマッピングする(ST3503)。その後、基地局は図21ST2106以降の処理を行う。図36に移動端末での処理の変更部分を示す。移動端末は、図21ST2108の処理を行った後、nOFDMシンボル内で各OFDMシンボル毎にデインタリーバ処理を行う(ST3604)。次に各OFDMシンボル毎に復調、デスクランブリング処理を行う(ST3605)。その後、移動端末は、図21ST2110以降の処理を行う。
【0134】
なお、上記実施の形態においては、OFDMシンボル毎にスクランブリング処理、変調処理、インタリーバ処理を行ったが、全CCE一体でスクランブリング、変調処理を行った後に、各OFDMシンボル毎にインタリーバ処理を行っても良い。この場合、移動端末においては、デスクランブリングを各OFDMシンボル毎に行い、その後、復調、デスクランブリング処理を全CCE一体でおこなう。
【0135】
以上のように、物理マッピングされるOFDMシンボル毎にインタリーバ処理を行い該OFDMシンボルへマッピングする方法とすることによって、実施の形態1の変形例2で述べたような効果に加えて、さらに、各CCEグループ毎に所望の物理リソースへマッピングすることが可能となる。これにより、各情報種別毎に要求される所望の受信品質に応じた物理マッピングが可能となる。また、時間的に早期に復調をしたい情報等を1番目のOFDMシンボルに割り当てることで、移動端末での早期復調が可能となり、遅延が少なく次の処理を行える。特に、Ack/Nackは、要求される誤り率や移動端末におけるAck/Nack受信後の再送処理を行うため復調時間の短縮等がもとめられるため、1番目のOFDMシンボルに割り当てられることが要求される場合がある。このような場合に本発明を適用することによって、受信品質の向上、復調時間の短縮がはかれる。さらに、OFDMシンボル毎にインタリーバ処理を行うため、基地局、移動端末ともに、インタリーバ、デインタリーバの大きさが一種類ですむ。従って回路規模を大きく削減でき、処理の簡単化もはかれることが可能となる。さらに、OFDMシンボル毎にセル固有のスクランブリングを行うため、必要となるセル固有のスクランブリングコードが1種類ですみ、コード資源の効率の良い使用が可能となる。また、各OFDMシンボル毎に、セル間で同じ長さのスクランブリングを用いることになるので、セル間の干渉抑圧性能を向上させることが可能となる。
【0136】
実施の形態7.
本実施の形態7においては、上記第四の課題を解決しつつAck/Nackと他のL1/L2制御情報を同じL1/L2制御情報領域へマッピングする方法を確立することを目的とする。実施の形態2で示すようにマッピングする場合、Ack/Nack以外のL1/L2制御情報(他のL1/L2制御情報)のマッピング可能領域は、L1/L2制御情報領域からAck/Nackマッピング領域を差し引いた領域に限定される。他のL1/L2制御情報の具体例としては(1)上り通信制御のためのL1/L2制御情報(具体例としては上りグラント(UL GRANT))(2)下り通信制御のためのL1/L2制御情報(具体例としては下り割り当て(DL Allocation))などがある。よって、基地局においてスケジューリング対象の移動端末が同時に多く存在するような場合には、他のL1/L2制御情報のマッピング可能領域を大きくしておきたいという課題が存在する。また、移動端末が他のL1/L2制御情報を受信した際に受信エラーを発生すると移動体通信システムとして処理遅延が増大する。よって周波数選択性フェージングに強い方法、具体的にはMCSに応じた他のL1/L2制御情報の送信が必要となる。この理由からも他のL1/L2制御情報のマッピング可能領域を大きくしたいという課題が存在する。
【0137】
図37は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図37において、図8と同一番号のステップは同一又は相当する処理を実施するものであるため、説明は省略する。ST3701にて、基地局は下りリンクにてAck/Nackを送信する必要がある移動端末に対して、Ack/Nack割り当てを通知する。ST3702にて、移動端末はAck/Nack割り当てを受信する。ST3703にて、基地局は他のL1/L2制御情報の候補に関わる情報を通知する。ST3704にて、基地局は各々の移動端末に対する他のL1/L2制御情報の候補セットを求める。他のL1/L2制御情報の候補セットを求める際、ST3701にてAck/Nackをどこに割り当てたか無関係に求める。この他のL1/L2制御情報の候補セットは、L1/L2制御情報領域全てを用いて求める。ただし、この限りではなく例えばAck/Nack領域に必ず用いる領域は確保しておき、他のL1/L2制御情報の領域としてAck/Nackにて確保した領域(上りデータを送信しAck/Nackを必要としている移動端末の数に変動に関わらず最低限必要な領域)以外のL1/L2制御情報全てを用いて他のL1/L2制御情報の候補セットを求めても良い。これにより、他のL1/L2制御情報の候補セット内に含まれる候補を削減することが出来る。よって、移動端末における処理負荷の軽減が図れる。これにより、移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。また、移動端末にてブラインド検出回数を削減することが可能であるため、処理遅延が短くなる。これにより移動体通信システムとしての上り且つ/または下りデータのスループット向上という効果を得ることができる。ST3705にて、移動端末は他のL1/L2制御情報の候補に関わる情報を受信する。ST3706にて、移動端末は他のL1/L2制御情報の候補セットを求める。候補セットの求め方は、基地局による他のL1/L2制御情報の候補セットの求め方と同じである。
【0138】
ST3707にて、基地局は該当移動端末宛てのAck/NackをST3701での割り当てに従ってマッピングする。ST3708にて、基地局はL1/L2制御情報用の領域にてST3701での割り当てを行わなかった領域内、言い換えればL1/L2制御情報用の領域にてST3705にてAck/Nackのマッピングを行わなかった領域内であって、各々の移動端末の他のL1/L2制御情報の候補セット内に含まれるように他のL1/L2制御情報をマッピングする。ST808にて、基地局は傘下の移動端末に対してL1/L2制御情報を送信する。ST809にて、移動端末は基地局からのL1/L2制御情報を受信する。
【0139】
ST3709にて、移動端末はAck/Nackの割り当てがあったか否かを判断する。割り当てが有った場合、ステップST3710へ進む。ST3710にて、移動端末はAck/Nackの受信処理を行う。その後、ステップST3711へ進む。ST3711にて、移動端末は他のL1/L2制御情報の候補セット内から候補を選択する。ST811からST813により他のL1/L2制御情報のブラインド検出を行う。この移動端末のブラインド検出時には、選択している候補内に自移動端末宛のAck/Nackあるいは他移動端末宛のAck/Nackの部分が含まれている場合には、デコード結果がNG(CRC NG)となるため、自移動端末かつ/または他移動端末宛のAck/Nack割当位置を気にすることなくブラインド検出することで、自分宛の他のL1/L2制御情報が存在するか否かブラインド検出することが可能である。
【0140】
実施の形態7を用いることにより、以下の効果を得ることができる。Ack/Nackのマッピングについては候補セットなどの制約がないので、L1/L2制御情報領域内に自由にマッピング可能であるという効果を得ることができる。さらに言えば、実施の形態7の方法を用いることで、Ack/NackのマッピングについてはL1/L2制御情報領域外にも自由にマッピング可能となる。また、図37のST3704にて他のL1/L2制御情報の候補セットを求める際に、ST3701にてAck/Nackをどこに割り当てたか無関係に求めることができる。この点において、他のL1/L2制御情報のマッピング可能領域をL1/L2制御情報領域全体に拡大可能とした点において、実施の形態7は第四の課題を解決している点において効果的である。更には、上りデータを送信しAck/Nackを必要としている移動端末の数に変動があっても、実施の形態7を用いれば、Ack/Nackは自由にマッピングすることが可能であるために、その変動に対応可能である。さらには、実施の形態7を用いれば、Ack/Nackを必要としている移動端末の数に変動があっても、他のL1/L2制御情報においてAck/Nackの割り当てを気にすることなく、ブラインド検出行うことが可能となる。このように、実施の形態7を用いることによって移動体通信システムとして新たな信号、基地局及び移動端末にて新たな処理を付加することなくAck/Nackの必要数の変動に対応することが可能であるという効果を得ることが出来る。この点において、実施の形態7は第五の課題を解決している点において効果的である。また、Ack/Nackは基地局から移動端末に対して割当が行われるために、移動端末にてブラインド検出を行う必要がない。よって、移動端末における処理負荷の軽減が図れる。これにより、移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。また、Ack/Nackを移動端末にてブラインド検出する必要がないため、処理遅延が短くなる。これにより移動体通信システムとしての上りデータのスループット向上という効果を得ることができる。
【0141】
変形例1では実施の形態7の方法において、特にAck/NackをCCE単位で割り当てる方法について説明する。シーケンス図は図37に類似しているため変更ステップ部分についてのみ説明する。変形例1では、ST3701の処理を、基地局は該当移動端末のAck/NackをCCE単位で割り当てて通知するようにする。また、ST3707の処理を、該当移動端末宛てのAck/NackをST3701でCCE単位に割り当てた割り当てに従ってマッピングするようにする。さらに、ST3711の処理を、ST3709にてAck/Nackの割り当てがあったと判断した場合と、割り当てがなかったと判断した場合とで処理を分けることとした。具体的には、Ack/Nackの割り当てがあったと判断した場合においては、他のL1/L2制御情報の候補セット中のAck/Nackが割り当てられたCCEが含まれる候補においては選択をしない、つまりブラインド検出を行わない。一方、Ack/Nackの割り当てがなかったと判断した場合においては、実施の形態7と同様の処理を行う。なお、このST3711に追加した処理は行わなくても良い。
【0142】
実施の形態7の変形例1を用いることにより実施の形態7の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。ST3701にて基地局から移動端末に対してAck/Nackの割当を行う際に、CCE単位で行うことが出来るので、周波数情報及び時間情報を用いた割当を行う必要がなく、割当に必要な情報量(ビット数)の削減が可能となる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また、移動端末にて自分宛ての他のL1/L2制御情報が存在するか否か判断するためにブラインド検出する際に、ステップST3711にて他のL1/L2制御情報の候補セット内から候補を選択する際に、自移動端末に対してAck/Nackの割当が行われたCCEを含む候補については選択を行わないように処理することが可能となる。言い換えれば、自移動端末に対してAck/Nackの割当が行われたCCEを含む候補についてはブラインド検出を行わなくても良い。このことはブラインド検出の回数を減らすことになり、移動端末の処理負荷の軽減が図れる。これにより、移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。また、ブラインド検出の回数を減らすことが可能であるので、移動体通信システムとしての処理遅延を削減することが出来るという効果を獲ることが出来る。
【0143】
また、第二の変形例として。Ack/Nackと他のL1/L2制御情報は周波数分割多重(Frequency Division Multiplexing:FDM)を用いて多重し、Ack/Nack内の移動端末間は符号分割多重(Code Division Multiplexing:CDM)を用いて多重を行う。この実施の形態7の第二の変形例は実施の形態7及び実施の形態7の第一の変形例に対して適応することが可能である。したがって、FDMだけでなく、CDMも併用することにより同じ周波数にてAck/Nackを割り当てることが可能な移動端末の数が増加する。よってAck/Nackが割り当てられる領域を減らすことができ、他のL1/L2制御情報を割り当て可能な領域を増やすことが出来る。よって無線リソースの有効活用という意味において効果を得ることができる。
【0144】
実施の形態8.
本実施の形態8において、解決しようとする課題について以下説明する。非特許文献5には、CCEから物理的なリソースへのマッピング方法について記載されているが、CCE単位に分割されたL1/L2制御情報をどのようにCCEへマッピングすればよいかの記載はない。さらに非特許文献3においては、下り制御チャネルはCCEの集合として構成されることが記載されている。よってCCE単位に分割されたL1/L2制御情報のマッピング方法はCCEのアグリゲーション(Aggregation)数の順列組み合わせ分存在することになる。現在アグリゲーション数は「1」「2」「4」「8」にて考えられている。具体的には、そのアグリゲーションの種類は、順列組み合わせにより計算できるので、アグリゲーション数が1のときは1種類、アグリゲーション数が2のときは2種類、アグリゲーション数が4のときは24種類、アグリゲーション数が8のときは40320種類とアグリゲーション数の増加に伴い膨大が数になる。
【0145】
次に下り制御情報へのCRC付加方法の一例について図38に示す。図38は、実施の形態8における下り制御情報へのCRC付加方法の一例を示す説明図である。図38において、網掛け部分はL1/L2制御情報、符号xは1CCEを示す。L1/L2制御情報にCRCを付加し、その後CCE単位に分割を行い、CCEへマッピングする。1つの移動端末宛のL1/L2制御情報は1つであっても複数あっても構わない。また、図38ではCRC付加後のデータ量にてCCEへマッピングを行っているが、これは簡易的に記載したためであり、この間に例えばエンコード処理、レートマッチング処理、MCS反映処理などが含まれても良い。
【0146】
非特許文献3において、移動端末が下り制御チャネルの候補セット(Candidate Set)をモニターすることが記載されている。実施の形態1に示すように移動端末は候補セットに含まれる候補につてブラインド検出を行う。よって候補セットに含まれる候補が増えるにつれて、ブラインド検出を行う回数が増える。これにより、移動端末の処理増加に伴う、消費電力の増加という問題が生じる。また候補数の増加は、自分宛てのL1/L2制御情報を検出するまでの平均時間が長くなることを意味し、移動体通信システムとしての処理遅延が増加するという問題が生じる。さらに自分宛てのL1/L2制御情報がないと判断するには、全ての候補にてデコード結果がNGであることを検出しなければならない。よって自分宛てのL1/L2制御情報がないと判断するまでの時間は、候補数の増加にともなって長くなる。このことは、アクティブ中のDRX動作を行っている移動端末にとっては、自分宛ての下り割り当てが存在しないとしてDRX動作へ移行するまでの時間が長くなり、移動端末のDRX動作期間が短くなる。よって移動端末の低消費電力化に悪影響を及ぼすという問題が生じる。例えば、移動端末において候補セットからアグリゲーション数「8」の候補を1つ選択した場合を考える。アグリゲーションの種類はアグリゲーション数が8のときは40320種類存在する。よって、移動端末は40320回の検出処理を行う必要が生じる。このように、アグリゲーションの種類の増加は移動端末の検出処理の増加につながり、候補セットに含まれる候補の増加と同様に、移動端末の処理増加に伴う、消費電力の増加という問題、移動体通信システムとしての処理遅延が増加するという問題等を生じさせる。実施の形態8は、前記課題を解決する方法を開示することを目的とする。
【0147】
図39は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図39において、図8と同一番号のステップは同一又は相当処理を実行しているため説明は省略する。ST3901にて、基地局はCCE単位に分割されたL1/L2制御情報を当該移動端末の候補内のCCEへマッピングする。ST3902にて、基地局は候補単位でCCEに番号付けを行い、その情報を埋め込む。現在アグリゲーション数は「1」「2」「4」「8」にて考えられている。よって番号は1〜8まで必要である。よって番号情報は3ビット必要となる。ST808にて、基地局は傘下の移動端末に対してL1/L2制御情報を送信する。ST809にて、移動端末は基地局からのL1/L2制御情報を受信する。ST810にて、移動端末はL1/L2制御情報の候補セット内から候補を1つ選択する。ステップST3903にて、移動端末は選択した候補のCCEを埋め込まれた番号に従ってCCEを並べ替える。ST811からST813によりブラインド検出を行う。
【0148】
実施の形態8を用いることにより、以下の効果を得ることができる。実施の形態8を用いてCCEをアグリゲーションする際に番号付けを行うことにより、移動端末において実際にデコード処理を行うアグリゲーションの種類を1種類とすることができる。これにより、アグリゲーション数の増加にともなう、移動端末のブラインド検出回数の増加が発生しなくなり、消費電力の増加を抑制することが出来るという効果を得ることができる。また自分宛てのL1/L2制御情報を検出するまでの移動体通信システムとしての処理遅延の増加も抑制することが出来るという効果を得ることが出来る。さらに自分宛てのL1/L2制御情報がないと判断するまでの時間が、候補数の増加にともなって長くなることは発生しないので、アクティブ(Active)中のDRX動作を行っている移動端末が、自分宛ての下り割り当てが存在しないとしてDRX動作へ移行するまでの時間が長くなり、移動端末のDRX動作期間が短くなり、よって移動端末の低消費電力化に悪影響を及ぼすことを抑制できるという効果を得ることができる。
【0149】
ここでさらに、移動端末のST3903において選択した候補のCCEを埋め込まれた番号に従って並べ替える際、並べ換えがうまく出来ない場合が考えられる。具体例としては、実際は他の移動端末4台宛のアグリゲーション数「2」のL1/L2制御情報が含まれているCCEを当該移動端末がアグリゲーション数「8」の候補として選択した場合が考えられる。前記具体例の場合は、番号付け「1」とされたCCEが3個、番号付け「2」とされたCCEが3個選択されたことになる、つまり番号付け「3」「4」「5」「6」「7」「8」が存在しないことになる。このようにST3903において選択した候補のCCEを埋め込まれた番号に従って並べ替えが行えない場合は、デコードを行うことなく、次の候補を選択すべくST813へ進むことが出来る。これにより、候補セットに含まれる候補中であってもデコード処理を行うことなく、次の候補を選択することが可能となる。これにより、候補数は維持しつつ移動端末のデコード処理回数を削減することが可能となり、移動端末の消費電力の削減という効果を得ることができる。また、自分宛てのL1/L2制御情報を検出するまでの移動体通信システムとしての処理遅延の削減も出来るという効果を得ることが出来る。さらに自分宛てのL1/L2制御情報がないと判断するまでの時間が、候補数を維持するにも関わらず、削減可能となることから、Active中のDRX動作を行っている移動端末が、自分宛ての下り割り当てが存在しないとしてDRX動作へ移行するまでの時間が短くなり、移動端末のDRX動作期間が長くなり、よって移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。
【0150】
図40は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図40は実施の形態8の第一の変形例にかかる処理の一例を示す。図40において、図39と同一番号のステップは同一又は相当する処理を実行しているので、説明は省略する。ST4001にて、基地局はCCE単位に分割されたL1/L2制御情報を当該移動端末の候補内のCCEへ移動体通信システムとして静的に決定された順序に従ってマッピングする。移動体通信システムとして静的に決定された順序の具体例としては、CCE単位に分割されたL1/L2制御情報を先頭から順番に周波数的に降順あるいは昇順にマッピングすることなどが考えられる。さらに、移動体通信システムとして準静的であってもよい。具体例としては基地局(セル)ごとに順序が変わってもよい。その際の変更のタイミングは位置登録時、ハンドオーバー時(サービングセル変更時)などが考えられる。また、その順序の通知方法は報知情報による通知や、L3制御信号により基地局から移動端末に対して通知されることなどが考えられる。ST808にて、基地局は傘下の移動端末に対してL1/L2制御情報を送信する。ST809にて、移動端末は基地局からのL1/L2制御情報を受信する。ST810にて、移動端末はL1/L2制御情報の候補セット内から候補を1つ選択する。ST4002にて、移動端末は移動体通信システムとして静的にあるいは、準静的に決定された順序に従ってCCEを並べ替える。ST811からST813によりブラインド検出を行う。
【0151】
実施の形態8の変形例1を用いることにより実施の形態8の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。CCEに番号情報を埋め込む必要がなくなるため、実施の形態1と比較して無線リソースを有効に活用することが可能となる。
【0152】
次に第二の変形例を説明する。図41は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図41は実施の形態8の第二の変形例にかかる処理の一例を示す。図41において、図40と同一番号のステップは同一又は相当する処理を実行しているので、説明は省略する。移動体通信システムとしてL1/L2制御情報の情報量、エンコード方法、レートマッチング方法などを調整して、CCEのアグリゲーションが行われるのは、CCE単位の繰り返し(Repetition)のみとする。つまりアグリゲーションはMCSに従って行われるものと考えることができる。具体例としては、無線環境が悪い場合は繰り返し回数を増やし、反対に無線環境が良い場合は繰り返し回数を減らす。よって、ステップST4101にて基地局はCCE単位に分割されたL1/L2制御情報の順序を気にすることなくアグリゲーションすることができる。ST4102にて、移動端末はそれぞれのCCEの順序を気にすることなく足し合わせる。具体例としては電力的に足し合わせる。
【0153】
実施の形態8の変形例2を用いることにより、実施の形態8及び実施の形態8の変形例1の効果に加えて、CCEの順序を気にする必要がなくなるため、基地局及び移動端末における処理負荷が軽くなるという効果を得ることが出来る。
【0154】
次に第三の変形例を説明する。図42に図38とは別の下り制御情報へのCRC付加方法の一例について示す。L1/L2制御情報(図42網掛け部分)をCCE単位(図42の符号x)に分割し、その後CRCを付加してCCEへマッピングする方法である。1つの移動端末宛のL1/L2制御情報は1つであっても複数であっても構わない。CRCがCCE単位で付加されているので、ブラインド検出をCCE単位で行う、言い換えれば自分宛てのL1/L2制御情報か否かの判断をCCE単位で行うとすれば、L1/L2制御情報のマッピング方法の種類の増加によってブラインド検出回数は増加しない。しかし、ブラインド検出後のCCEをどのように組み合わせれば、自分宛てのL1/L2制御情報とできるか不明となるという問題が生じる。
【0155】
解決策としては上記実施の形態8、実施の形態8の変形例1、実施の形態8の変形例2に示した方法を用いることができる。これにより、ブラインド検出後のCCEをどのように組み合わせれば自分宛てのL1/L2制御情報となるか不明となるような問題は解決される。
【0156】
実施の形態8、実施の形態8の変形例1、実施の形態8の変形例2、実施の形態8の変形例3は、上記実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6について適応可能である。実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6に示した各々のグループにて実施の形態8、実施の形態8の変形例1、実施の形態8の変形例2、実施の形態8の変形例3の別々の方法を用いてCCE単位に分割されたL1/L2制御情報をCCEへマッピングすることが可能である。
【0157】
実施の形態9.
非特許文献3には、移動端末が下り制御チャネルの候補セット(Candidate Set)をモニターすることが記載されている。しかし、基地局から傘下の移動端末に対して、それぞれの移動端末がモニターする候補セットをシグナリングすることは、多くの無線リソースを消費するので、基地局から移動端末に対して候補セットをシグナリングせず、基地局及び移動端末が候補セットを求めることが好ましい。なお、3GPPでは、候補セットはサーチスペース(Search space)とも称される。非特許文献4には、シグナリングを用いない方法の一つが開示されている。具体的には、移動端末の識別子(UE-ID)、Cat.0値を変数とし、ランダム関数を用いて移動端末及び基地局にて下り制御チャネルの候補セットを求めることが開示されている。しかし、非特許文献4は、例えばパーシステントスケジューリングのように、ある周期毎に無線リソースの割当てが行われる場合について考慮されていない。ある周期毎に候補セットに含まれる候補が割当てられる無線リソースが同じとなってしまう場合の課題についてもまったく開示されていない。
【0158】
LTEで導入が予定されているパーシステントスケジューリングの周期性のパラメータは、ミリ秒単位での指定が考えられる。これは、パーシステントスケジューリングが用いられる音声通信において、例えばAMRを圧縮符号化に用いた音声通信では、通話状態時20ミリ秒毎にデータが更新され、送受信されるためである。一方、3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msと決められている。現在の3GPPにおけるフレーム構成の決定事項が、非特許文献10(5章)に記載されている。図43はLTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図43において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10ミリ秒である。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Sub-frame)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(Slot)に分割される。従って、例えば音声通信など20ミリ秒毎のデータの更新のため、パーシステント周期の一つとして無線フレームでの指定が考えられ、当該周期毎に候補セットに含まれる候補が割当てられる無線リソースが同じとなる場合、上述したような問題が生じてしまう。
【0159】
本実施の形態9においては、上記第六の課題を解決することを目的とし、基地局及び移動端末において、下り制御チャネルの候補セットを求める際に、無線フレームを用いる方法を開示する。
【0160】
図44は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。図44に示される機能ブロックは、移動端末には図4の制御部15、基地局には図5の制御部26に実装されているものとする。図44において、無線フレーム入力部4401から候補セット算出部1103へ無線フレームが入力される。入力される無線フレームのパラメータの具体例としては、無線フレーム番号(SFN(System Frame Number))などが考えられる。また、パーシステント周期が無線フレーム単位で規定される場合、無線フレームのパラメータの具体例としては、(SFN div パーシステント周期)が考えられる。これにより、無線フレームのパラメータの最大値が抑制されるという効果を得ることが出来る。
【0161】
また、その他の変数入力部1102から候補セット算出に関わる無線フレーム以外の変数が候補セット算出部1103へ入力される。その他の変数入力部1102より候補セット算出部1103に入力される変数は、例えば、移動端末の識別子(UE-ID)やCat.0値、「CCEグループ」を指定するパラメータがある。
【0162】
候補セット算出部1103は、入力された無線フレームとその他の変数を用いてL1/L2制御情報候補セットを算出する。算出方法の具体例としてはランダム関数を用いることも可能であるが、その他の方法であっても良い。候補セット算出部1103により算出された候補セットは、L1/L2制御情報候補セット保存部1104に保存され、候補内においてL1/L2制御信号のデコード処理が行われる。
【0163】
図45は、実施の形態9で用いるL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を説明するフローチャートである。図45は図8と類似しているため変更ステップ部分についてのみ説明する。図45において、基地局から移動端末に対して無線フレーム番号が報知され(ST4501)、移動端末は基地局から無線フレーム番号を受信する(ST4502)。具体例としては、無線フレーム番号は、報知情報としてBCCH(Broadcast Control Channel)上にのせられ、BCH(Broadcast Channel)にマッピングされることが考えられる。また無線フレーム番号は、SFNとして通知されることが考えられる。さらに、基地局から移動端末に対して無線フレーム以外の「その他の変数」が通知され(ST803)、移動端末は基地局から通知された「その他の変数」を受信する(ST804)。基地局及び移動端末は、ST4501およびST4502で送受信された無線フレーム番号を用いて、L1/L2制御情報の送受信が行われる無線フレーム番号を求め、当該無線フレーム番号と候補セット算出に関わる無線フレーム以外の変数からL1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をそれぞれ求める(ST4503、ST4504)。基地局と移動端末でそれぞれ実行されるL1/L2制御情報の候補セット算出方法は同じである。
【0164】
ST4501において無線フレーム番号とパーシステント周期のいずれか一方、または両方が報知され、ST4502で受信されても良い。基地局および移動端末において、当該パーシステント周期を用いることによって無線フレーム番号が導出されるようにしておけば良い。
【0165】
候補セットは、無線フレーム番号など、候補セットを算出するための変数が変化するタイミングで求めればよい。無線フレーム番号が変化するタイミングとは、無線フレーム毎となるので、候補セットを算出するタイミングは無線フレーム毎となる。候補セットを求めるタイミングとしては、上記説明のように、無線フレーム番号など候補セットを算出するための変数に変化があったときではなく、一定の時間間隔ごとに候補セットを求めるようにしても良い。また、基地局と移動端末間で候補セットを求めるための「トリガ」がやり取りされた際に候補セットを求めても良い。また、ある周期毎に無線リソースの割当て(例えばパーシステントスケジューリング)が行われている場合には、実際に移動端末がL1/L2制御信号を受信する必要があるタイミング毎、具体例としてはパーシステント周期毎に候補セットを求めても良い。パーシステントスケジューリングが行われている場合に、パーシステント周期毎に候補セットを求めることにより基地局及び移動端末における、L1/L2制御情報を実際には送信及び受信する必要のないタイミングにおける候補セットを求める処理が不要となり、基地局及び移動端末における処理負荷軽減という効果を得ることが出来る。前記パーシステントスケジューリングが行われている場合の具体例としては以下が考えられる。(1)基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されている場合。(2)当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが活性となっている場合。
【0166】
ST814にて、移動端末は次のL1/L2制御情報受信タイミングまで待機し、その後ST4502へ戻る。具体例としては、ダイナミックスケジューリングされている移動端末においては、次のサブフレームの最初のスロットの最初の1OFDMシンボルあるいは、2OFDMシンボルあるいは、3OFDMシンボルの受信まで待機する。あるいは、アクティブ(Active)中のDRX動作をしている移動端末においては、次のDRX周期後のL1/L2制御情報の受信動作時間(オン持続時間:on-duration)まで待機する。アクティブ中のDRX動作(DRX in RRC_CONNECTED)とは、LTE(E-UTRAN)にて移動端末の低消費電力をサポートするために新しく設けられた状態である。移動端末の動作としては、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末宛の割当が無いと判断したなら、アクティブ中のDRX動作へ再び移行する。一方、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末あての割当有りと判断したなら、移動端末はアクティブ中のDRX動作を行わず、L1/L2制御情報の指示に従う。あるいは、パーシステントスケジューリングが活性化されている移動端末においては、パーシステント周期後のL1/L2制御情報の受信動作タイミングまで待機する。
【0167】
また、ある周期毎に無線リソースの割当てが行われている場合、当該周期がサブフレーム単位で規定されている場合も本実施の形態は適用可能である。当該周期が、例えば10*aサブフレーム(aは正の整数)の場合、a無線フレーム毎に同じサブフレームに割当てが行われることとなり、無線フレーム単位の規定と実質的に同じとなる。このような場合は、上述したのと同じ問題、課題を生じる。このような場合にも、本実施の形態は適用可能であり、同等の効果を得ることが可能となる。具体例として、図45のST4501、ST4502で無線フレーム番号の報知および受信が行われた後に、RRCによって基地局から移動局へ報知されたサブフレーム単位のパーシステント周期を用いてL1/L2制御情報の送受信が行われる無線フレーム番号を導出する。基地局および移動端末において、当該サブフレーム単位のパーシステント周期を無線フレームに換算し(上記例では、10*aサブフレーム/10=a無線フレーム)、当該無線フレームから無線フレーム番号が導出されるようにしておけば良い。また、当該無線フレームから無線フレーム番号の導出の具体例として、前記に開示した(SFN div パーシステント周期)=(SFN div a)としても良い。導出された無線フレーム番号を、図44に示した無線フレーム入力部4401に入力すれば良い。ST4501において無線フレーム番号かつ/またはサブフレーム単位のパーシステント周期が報知され、ST4502で受信されても良い。基地局および移動端末において、当該サブフレーム単位のパーシステント周期を用いることによって無線フレーム番号が導出されるようにしておけば良い。
【0168】
実施の形態9により、無線フレームが候補セット算出に関して変数となる。このため、無線フレーム(10ms)毎に異なる候補セットが算出可能となる。よって、また、ある周期毎に無線リソースの割当て(例えばパーシステントスケジューリング)が行われている移動端末の無線環境が悪くなった場合であっても、次の当該周期(例えばパーシステント周期(数十ミリ後と考えられる))後の割当てにおいて候補セットを変更できる。そのため、無線環境の良い候補により当該移動端末宛てのL1/L2制御信号が基地局から移動端末へ通知可能な移動体通信システムを構築することができる効果を得る。
【0169】
次に、実施の形態9の変形例1について説明する。本変形例1においては、無線フレームを候補セット算出部の単独の変数とするのではなく、他の変数とあわせて候補セット算出部へ入力する方法を開示する。図46は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。図46は図44と類似しているため、変更部分についてのみ説明する。図46に示される機能ブロックは、移動端末には図4の制御部15、基地局には図5の制御部26に実装されているものとする。図46においては、無線フレーム入力部は単独で持たず、他の変数とあわせて候補セット算出部へ入力される。具体例としては、サブフレームがその他の変数として定義されている場合を考える。その他の変数入力部より、SFNの関数となったサブフレーム番号を入力する。具体例としては(サブフレーム+SFN mod K)を入力する(Kは正の整数)。また別の具体例としては(サブフレーム+SFN div パーシステント周期)を入力する。変形例1の処理を説明するフローチャートは図45と同様であるので、説明を省略する。本変形例1においても、実施の形態9と同様の効果を得ることが可能となる。
【0170】
実施の形態9及び実施の形態9の変形例1については実施の形態1と合わせて用いることが出来る。
【0171】
実施の形態10.
本実施の形態10においては、上記第六の課題を解決することを目的とし、基地局及び移動端末において、下り制御チャネルの候補セットを求める際に、パーシステントスケジューリングの有無を用いる方法を開示する。
【0172】
図47は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。図47は図44と類似するため、変更部分のみ説明する。図47において、パーシステントスケジューリングの有無入力部4701から候補セット算出部1103へパーシステントスケジューリングの有無が入力される。パーシステントスケジューリングの有無のパラメータの具体例としては、パーシステントスケジューリング有りの場合は「1」、パーシステントスケジューリング無しの場合は「0」などが考えられる。パーシステントスケジューリングの有無のパラメータ設定のため、基地局および移動端末においてパーシステントスケジューリングの有無の判断を行う。パーシステントスケジューリングの有無の判断の具体例としては以下が考えられる。(1)基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されている場合、パーシステントスケジューリング有り。パーシステント周期が未設定の場合、パーシステントスケジューリング無し。(2)当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが活性となっている場合、パーシステントスケジューリング有り。パーシステントスケジューリングが非活性となっている場合、パーシステントスケジューリング無し。
【0173】
図48は、実施の形態10で用いるL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を説明するフローチャートである。図48は図8と類似しているため変更ステップ部分についてのみ説明する。図48において、基地局から移動端末に対してパーシステントスケジューリングの有無が通知され(ST4801)、移動端末は基地局からパーシステントスケジューリングの有無を受信する(ST4802)。具体例としては、パーシステントスケジューリングの有無がパーシステント周期が設定されているか否かで判断される場合(前記(1))、パーシステント周期は、基地局から移動端末に対してRRCプロトコルを用いて通知されることが考えられている。当該パーシステント周期の通知をもって、パーシステントスケジューリングの有無の通知としても良い。また、パーシステントスケジューリングの有無がパーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性にて判断される場合(前記(2))、パーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性は、基地局から移動端末に対してL1/L2制御情報を用いて通知されることが考えられている。当該パーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性の通知をもって、パーシステントスケジューリングの有無の通知としても良い。基地局から移動端末に対してパーシステントスケジューリングの有無以外の「その他の変数」が通知され(ST803)、移動端末は基地局から通知された「その他の変数」を受信する(ST804)。基地局及び移動端末は、パーシステントスケジューリングの有無と候補セット算出に関わるその他の変数からL1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をそれぞれ求める(ST4803、ST4804)。基地局と移動端末でそれぞれ実行されるL1/L2制御情報の候補セット算出方法は同じである。
【0174】
候補セットは、パーシステントスケジューリングの有無など、候補セットを算出するための変数が変化するタイミングで求めればよい。候補セットを求めるタイミングとしては、上記説明のように、パーシステントスケジューリングの有無など候補セットを算出するための変数に変化があったときではなく、一定の時間間隔ごとに候補セットを求めるようにしても良い。また、基地局と移動端末間で候補セットを求めるための「トリガ」がやり取りされた際に候補セットを求めても良い。パーシステントスケジューリングが行われている場合には、実際に移動端末がL1/L2制御信号を受信する必要があるタイミング毎、具体例としてはパーシステント周期毎に候補セットを求めても良い。パーシステントスケジューリングが行われている場合に、パーシステント周期毎に候補セットを求めることにより基地局及び移動端末における、L1/L2制御情報を実際には送信及び受信する必要のないタイミングにおける候補セットを求める処理が不要となり、基地局及び移動端末における処理負荷軽減という効果を得ることが出来る。前記パーシステントスケジューリングが行われている場合の具体例としては以下が考えられる。(1)基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されている場合。(2)当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが活性となっている場合。
【0175】
ST814にて、移動端末は次のL1/L2制御情報受信タイミングまで待機し、その後ST4802へ戻る。具体例としては、ダイナミックスケジューリングされている移動端末においては、次のサブフレームの最初のスロットの最初の1OFDMシンボルあるいは、2OFDMシンボルあるいは、3OFDMシンボルの受信まで待機する。あるいは、アクティブ(Active)中のDRX動作をしている移動端末においては、次のDRX周期後のL1/L2制御情報の受信動作時間(オン持続時間:on-duration)まで待機する。アクティブ中のDRX動作(DRX in RRC_CONNECTED)とは、LTE(E-UTRAN)にて移動端末の低消費電力をサポートするために新しく設けられた状態である。移動端末の動作としては、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末宛の割当が無いと判断したなら、アクティブ中のDRX動作へ再び移行する。一方、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末あての割当有りと判断したなら、移動端末はアクティブ中のDRX動作を行わず、L1/L2制御情報の指示に従う。あるいは、パーシステントスケジューリングが活性化されている移動端末においては、パーシステント周期後のL1/L2制御情報の受信動作タイミングまで待機する。
【0176】
実施の形態10により、パーシステントスケジューリングの有無が候補セット算出に関して変数となる。このため、パーシステントスケジューリング有りの場合は、パーシステントスケジューリングに適した候補セットが算出可能となる。よってパーシステントスケジューリングが行われている移動端末に対して、次のパーシステント周期後の割当てにおいて候補セットを変更する等が可能となり、当該移動端末の無線環境が悪くなった場合にも無線環境の良い候補により当該移動端末宛てのL1/L2制御信号が基地局から移動端末へ通知可能な移動体通信システムを構築することができる効果を得る。
【0177】
次に実施の形態10の変形例1について説明する。本変形例1においては、パーシステントスケジューリングの有無を変数とし、当該変数を用いて候補セットの算出を行う方法を開示する。図47において、パーシステントスケジューリングの有無入力部4701から候補セット算出部1103へパーシステントスケジューリングの有無が入力される方法を開示した。また、パーシステントスケジューリングの有無のパラメータの具体例として、パーシステントスケジューリング有りの場合は「1」、パーシステントスケジューリング無しの場合は「0」とする方法を開示した。当該パーシステントスケジューリングの有無のパラメータをPSとし、変数PSを用いて候補セットの算出を行う。具体例として、サブフレームがその他の変数として定義されている場合を考える。候補セット算出部1103において、当該サブフレームの変数を、パーシステントスケジューリング有無の変数を用いて算出しなおす。具体例としては、サブフレーム=(サブフレーム+(n−1)*PS)とする。ただし、nは正の整数で、パーシステントスケジューリングの際に、パーシステント周期で連続して割当てが行われる際の連続回数とする。すなわち、最初のパーシステントの割当が行われたときはn=1、パーシステント周期後の2番目の割当てが行われたときはn=2、さらにパーシステント周期後の3番目の割当てが行われたときはn=3、・・・、さらにパーシステント周期後のn番目の割当てが行われたときはn=nとする。nは連続して割当てられた回数に応じて1ずつ増加する。パーシステントスケジューリング無しの場合は、PS=0なので、サブフレーム=サブフレームとなり、その他の変数として入力されたサブフレームのままとなる。算出方法を上記のようにすることで、パーシステントスケジューリング有りの場合に、変数サブフレームの値をパーシステント周期毎に連続して同じ値にならないようにでき、従って、パーシステント周期毎に連続して同じ候補セットにならないようにすることが可能となる。変形例1の処理を説明するフローチャートは図45と同様であるので、説明を省略する。
【0178】
上記具体例では、nはパーシステント周期で連続して割当てが行われる際の連続回数としたが、パーシステント周期で連続して割当が行われる際のではなく、パーシステントスケジューリングが開始されてからの割当が行われる回数であっても良い。また、上記具体例では、サブフレームの変数をパーシステントスケジューリング有無の変数を用いて算出しなおす方法としたが、この限りではなく、その他の変数をパーシステントスケジューリングの有無の変数を用いて算出しなおす方法としてもよい。さらに具体的に、その他の変数を、パーシステント周期毎で連続して割当てられる回数あるいはパーシステントスケジューリングが開始されてからの割当が行われる回数を用いて算出しなおす方法としても良い。また、本変形例ではパーシステントスケジューリングの有無を変数としたが、パーシステントスケジューリングに限らず、ある周期毎に無線リソースの割当てが行われている場合であっても本方法は適用可能である。ある周期毎に無線リソースの割当が行われているかどうかを変数とすれば良い。本変形例1の方法によって、実施の形態10と同様の効果を得ることが可能となり、さらに、パーシステントスケジューリングの有無で同じ算出方法を利用可能なため、候補セット算出部の処理量を削減可能となり、移動端末の消費電力の削減、処理時間の遅延の削減が可能となる。さらに、パーシステントスケジューリング有り時に、割当回数に応じて1(1に限らずk(整数)であれば良い)ずつ増加させるという単純な処理で行えるため、候補セット算出部の処理量を削減可能となる。実施の形態10については実施の形態9および実施の形態1と合わせて用いることが出来る。
【0179】
実施の形態11.
本実施の形態11においては、上記第六の課題を解決することを目的とし、パーシステントスケジューリングの有無を用いて、下り制御チャネルの候補セットの算出方法の切り替えを行う方法を開示する。
【0180】
図49は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。図49は図44と類似するため、変更部分のみ説明する。実施の形態11においては、パーシステントスケジューリングの有無を用いて、下り制御チャネルの候補セットの算出方法を切り替える。当該切り替えの具体例について図49ではパターン(a)、パターン(b)の2例について説明する。パターン(a)について説明する。パーシステントスケジューリング有りの場合は、パーシステントスケジューリングに適した候補セットの算出方法を用いる。具体例としては、パーシステント周期毎に同じ無線リソースを用いる候補セットとならないような、候補セット算出方法を用いる。更に具体例としては、パーシステント周期毎に同じ無線リソースを用いる候補セットとならないようにするための変数を、候補セット算出部へ入力する算出方法を用いる。更に具体例としては、無線フレームを候補セット算出部へ入力する算出方法を用いる(図49 (a)−(1)参照)。また、パーシステントスケジューリングの有無を変数として、無線フレームまたは/かつパーシステントスケジューリングの有無の変数を候補セット算出部へ入力する算出方法を用いても良い。
【0181】
パーシステントスケジューリング無しの場合は、パーシステントスケジューリングのことを考慮しない(ダイナミックスケジューリングに適したとも言える)、候補セットの算出方法を用いる。具体例としては、パーシステント周期毎に同じ無線リソースを用いる候補セットとならないようにするための変数を、候補セット算出部へ入力しない算出方法を用いる。更に具体例としては、無線フレームを候補セット算出部へ入力しない算出方法を用いる(図49 (a)−(2)参照)。また、パーシステントスケジューリングの有無を変数として、無線フレームまたは/かつパーシステントスケジューリングの有無の変数を候補セット算出部へ入力しない算出方法を用いても良い。前記パーシステントスケジューリングの有無の判断基準の具体例としては、以下が考えられる。(1)基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されている場合、パーシステントスケジューリング有り。基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されていない場合は、パーシステントスケジューリング無し。(2)当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが活性となっている場合は、パーシステントスケジューリング有り。当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが非活性となっている場合は、パーシステントスケジューリング無し。
【0182】
パターン(b)について説明する。スイッチ4901は、パーシステントスケジューリング有りの場合は、1側に倒れる。一方パーシステントスケジューリング無しの場合は、2側に倒れる。切り替え判断に用いる、パーシステントスケジューリングの有無の判断基準の具体例としては、以下が考えられる。(1)基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されている場合、パーシステントスケジューリング有り。基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されていない場合は、パーシステントスケジューリング無し。(2)当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが活性となっている場合は、パーシステントスケジューリング有り。当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが非活性となっている場合は、パーシステントスケジューリング無し。パーシステントスケジューリング有りの場合について説明する。スイッチ4901は、1側に倒れる。よって無線フレーム入力部4401から候補セット算出部1103へ無線フレームが入力される。ここで、無線フレーム入力部4401は、パーシステント周期毎に同じ無線リソースを用いる候補セットとならないようにするための変数入力部であれば、この限りではない。代替の変数の具体例としては、パーシステント周期などが考えられる。スイッチ4901が1側に倒れ、無線フレーム入力部4401から候補セット算出部1103へ無線フレームが入力されることで、パーシステント周期毎に同じ無線リソースを用いる候補セットとならないような、候補セット算出方法とすることが可能となる。これにより、パーシステントスケジューリングに適した候補セットの算出方法を用いることが出来る。
【0183】
パーシステントスケジューリング無しの場合について説明する。スイッチ4902は、2側に倒れる。よって固定値入力部4902から候補セット算出部1103へ固定値が入力される。当該固定値はあらかじめ決められていても良いし、報知情報として基地局から移動端末へ報知されても良いし、RRCプロトコルを用いて基地局から移動端末へ通知されていても良い。
【0184】
図50は、実施の形態11で用いるL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を説明するフローチャートである。図50は図8と類似しているため変更ステップ部分についてのみ説明する。基地局から移動端末に対してパーシステントスケジューリングの有無が通知され(ST5001)、移動端末は基地局からパーシステントスケジューリングの有無を受信する(ST5002)。具体例としては、パーシステントスケジューリングの有無がパーシステント周期が設定されているか否かで判断される場合(前記(1))、パーシステント周期は、基地局から移動端末に対してRRCプロトコルを用いて通知されることが考えられている。当該パーシステント周期の通知をもって、パーシステントスケジューリングの有無の通知としても良い。また、パーシステントスケジューリングの有無がパーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性にて判断される場合(前記(2))、パーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性は、基地局から移動端末に対してL1/L2制御情報を用いて通知されることが考えられている。当該パーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性の通知をもって、パーシステントスケジューリングの有無の通知としても良い。基地局から移動端末に対して無線フレーム番号が報知され(ST4501)、移動端末は基地局から無線フレーム番号を受信する(ST4502)。具体例としては、無線フレーム番号は、報知情報としてBCCH(Broadcast Control Channel)上にのせられ、BCH(Broadcast Channel)にマッピングされることが考えられる。また無線フレーム番号は、SFNとして通知されることが考えられる。さらに、基地局から移動端末に対して無線フレーム以外の「その他の変数」が通知され(ST803)、移動端末は基地局から通知された「その他の変数」を受信する(ST804)。
【0185】
移動端末は、ステップST5002にて受信したパーシステントスケジューリングの有無情報を用いて、パーシステントスケジューリングがONされているか否かを判断する(ST5003)。判断基準は上述の通り。パーシステントスケジューリングがONされている場合は、ステップST5004へ移行する。ステップST5004にて移動端末は、スイッチ4901を1側へ倒し、無線フレーム番号と候補セット算出に関わる無線フレーム以外の変数からL1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をそれぞれ求める。ステップST5003にてパーシステントスケジューリングがONされていないと判断した場合は、ステップST5005へ移行する。ステップST5005にて移動端末は、スイッチ4901を2側へ倒し、固定値と候補セット算出に関わる無線フレーム以外の変数からL1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をそれぞれ求める。基地局側でも同様に処理を行う(ST5006、ST5007、ST5008)。
【0186】
実施の形態11により、実施の形態9及び実施の形態10の効果に加えて、以下の更なる効果を得ることが出来る。パーシステントスケジューリングに適した候補セットの算出を実現しつつ、パーシステントスケジューリングを行っていない場合においては、候補セット算出時に算出に用いる変数を削減することが可能となる。これにより、基地局及び移動端末における処理負荷軽減という効果を得ることが出来る。
【0187】
実施の形態11については実施の形態9、実施の形態10および実施の形態1と合わせて用いることが出来る。
【符号の説明】
【0188】
1 aGW、2 基地局、3 移動端末、4 PDN、5 サービスセンタ、6 プロトコル処理部、7 アプリケーション部、8 送信データバッファ部、9 エンコーダ部、10 送信データバッファ部、10 変調部、11 周波数変換部、12 アンテナ、13 復調部、14 デコーダ部、15 制御部、16 aGW通信部、17 他基地局通信部、18 プロトコル処理部、19 送信データバッファ部、20 エンコーダ部、21 変調部、22 周波数変換部、23 アンテナ、24 復調部、25 デコーダ部、26 制御部。
【技術分野】
【0001】
この発明は、W−CDMA方式を採用した第3世代携帯電話システムの発展仕様として策定が進められている「ロングタームエボリューション」("Long Term Evolution" LTE)方式の通信システムで用いられる通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間についてはロングタームエボリューション(LTE、E-UTRAN)、コアネットワークを含めたシステム全体構成については「システムアーキテクチャエボリューション」("System Architecture Evolution"SAE)と称される新たな通信方式の仕様が策定されている。LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは異なるものになる。例えば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.25/2.5/5/10/15/20MHzを適用し得る。さらに、LTEでは、W−CDMAのような回線交換ではなくパケット交換方式のみになる。
【0003】
LTEは、W−CDMAのコアネットワーク(General Packet Radio System GPRSと呼ばれる)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるため、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W−CDMA通信システムと区別するため、LTEの通信システムでは、移動端末(UE User Equipment)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB、 eNodeBと記載されることもある)、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)はaGW(Access Gateway、Mobility Management Entity:MME、Serving Gateway:S-GWと記載されることもある)と称される。このLTEの通信システムでは、E―MBMS(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)と称されるマルチキャスト・放送型マルチメディアサービスのような1対多(Point to Multipoint)通信を実施するほか、複数の移動端末のうち個別の移動端末に対するユニキャスト(Unicast)サービスのような通信サービスも提供する。LTEではW−CDMAと異なり、トランスポートチャネル、物理チャネルでは個別の移動端末に向けた個別のチャネル(Dedicated Channel、 Dedicated Physical Channel)は存在しないので、個別の移動端末へのデータ送信は共通チャネル(Shared Channel)で実施される。
【0004】
上りリンク、もしくは下りリンクでデータ送信が発生した場合、上りリンク、下りリンクそれぞれで、基地局と移動端末の通信を可能にするスケジューリングが行なわれる。例えば、下りスケジューリングでは、基地局は発生したデータのサイズや通信路品質に応じた無線リソースを移動端末に割り当て、目標品質やデータ速度に応じた変調方式や誤り訂正符号方法(MCS: Modulation and Coding scheme)を設定する。上りスケジューリングにおいては、移動端末が基地局に対して送信データが発生した場合、上りリンクの無線リソースを割り当てるよう要求する信号(上りスケジューリングリクエスト SR: Scheduling Request)を送信し、これを受けて、基地局が移動端末に対し、上りリンクの無線リソースを割り当てる。このような、無線リンクを介して、移動端末と基地局間の通信を可能にするためのスケジューリング制御に使用される制御信号には、「L3制御信号(情報)」(Layer3 control signaling、 L3メッセージ)等の上位レイヤ信号と、「L1/L2制御信号(情報)」(Layer1/Layer2 control signaling)と呼ばれる信号がある。L3制御信号は、主に、呼接続(RRC Connect)発生時を含む初期送信時に、例えばRRCレイヤのような上位レイヤから通知される制御信号であり、下りリンクを介して、上りリンク、下りリンクのチャネル設定や無線リソースの割り当てを行う。一方、L1/L2制御信号は、上りリンク、下りリンク双方において、移動端末と基地局間で頻繁にやり取りされる制御信号であり、上りリンクで移動端末が基地局に対し、無線リソースの割り当てを要求する上りスケジューリングリクエスト信号や、呼接続発生時、継続時を含め、データサイズの変更や通信路の品質要求に合わせて無線リソースを不定期に変更する場合にも、L1/L2制御信号を使用する。L1/L2制御信号は、例えば、基地局または移動端末がデータを受信したときに、受信結果を相手に通知するために用いる応答信号(Ack/Nack)や、受信データの品質、通信路品質を示す品質情報CQI(Channel Quality Indicator)がある。また、LTEではMIMO(Multiple Input Multiple Output)のサポートが検討されている。MIMOがサポートされた場合は、L1/L2制御信号に、MIMO関連情報も含まれる。
【0005】
L1/L2制御信号に含まれるAck/Nackは受信側で復調失敗データが破棄されずに再送データと組み合わせて復号されるHARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)用の信号である。受信側からAck信号が送信側へ通知された場合、送信側からは新たなパケットデータが送信される。一方受信側からNack信号が送信側へ通知された場合、送信側からはパケットデータが再送される。本明細書内にて単にAck/Nackと記した場合は、前記HARQ用Ack/Nackを指すものとする。
【0006】
非特許文献1の4.2章には、下り制御チャネル情報(Downlink Control Channel Information)が物理チャネルであるPDCCH(Physical Downlink Control Channel)にマッピングされることが記載されている。
【0007】
また、非特許文献2の4.1章には、図1に示される、下りリンクにおけるフレーム構成が記載されている。1サブフレームは2スロットで構成される(図1参照)。図1において、網掛け部分はPDCCHマッピング領域を示す。また、非特許文献2の5.5.4章には、PDCCHがサブフレームの最初のスロットの初めの3OFDMシンボル(図1斜線部分参照)以下にマッピングすることが記載されている。本明細書では、PDCCHにマッピングされる下り制御チャネル情報のことをL1/L2制御情報(信号)と称する。更に、L1/L2制御情報に含まれる情報としては、(1)Ack/Nack、(2)上り通信制御のためのL1/L2制御情報(UL関連L1/L2制御情報、上りグラント(UL GRANT)など)、(3)下り通信制御のためのL1/L2制御情報(DL関連L1/L2制御情報、下り割当情報(DL Allocation))などがある。
【0008】
更に、非特許文献3には、下り制御チャネル(下り制御チャネル情報)は、制御チャネル要素(コントロールチャネルエレメント、Control Channel Element:CCE)を集めること(Aggregation)によって構成されることが記載されている。また、移動端末が下り制御チャネルを受信する際に、下り制御チャネルの候補セット(Candidate Set)をモニターすることが記載されている。更に、候補セットに含まれる候補の数は移動端末が行う検出動作(Blind Detect)の最大回数を決定することが記載されている。この候補セットに関して、非特許文献4には、基地局から移動端末に対して明示的なシグナリングを用いずに候補セットを基地局及び移動端末にて求める方法が開示されている。非特許文献5には、CCEから物理的なリソースへのマッピング方法について記載されている。具体的には、セル(基地局)固有のスクランブリングを施すこと、共有のインタリーブが施されることが記載されている。
【0009】
一方、非特許文献6には、異なるパワー制御を行うリソースブロック(RB Resource Block)に、それぞれ複数のPDCCHをインタリーブ(interleave)し、かつある決められたRB毎に分散してマッピングすることが記載されている。RBはサブフレームの最初の3OFDMシンボルの領域全てで構成され、移動端末のデコード処理は、サブフレームの最初のスロットの先頭何シンボル(OFDMシンボル)の領域を用いるかという情報(Cat.0の値、Cat:Category)を用いずに行われることが記載されている。その目的は、隣接基地局への干渉量を減らす目的でのパワー制御を行いやすくすること、更に、Cat.0の値によらず移動端末はPDCCHの受信処理をスタートさせることを可能とすることである。また非特許文献7には、上りリソース割り当てに使う下り制御チャネル情報(UL GRANT)にAck/Nackのインデックス(index)を挿入することが記載されている。
【0010】
LTEのコアネットワークはパケット接続のネットワークであり、ユーザデータは音声などのリアルタイムデータを含めて全てパケット化されている。通常のパケットデータ送信の場合、そのデータにリアルタイム性は要求されておらず、データの内容により、送受信されるデータ速度が不定期に変化する。一方、音声のようなリアルタイムデータは、パケット化されても、データが通信相手にリアルタイムに再現される必要があるため、一定の間隔で所定のサイズのデータが定期的に発生する。よって、スケジューリングによる無線リソースを割り当てにおいて、通常のパケットデータ通信時と音声のようなリアルタイムデータの通信時には、異なるスケジューリング方法が必要になる。
【0011】
通常のパケットデータのように、データの内容により速度が変わり、高速通信にも対応する必要のあるデータに対しては、通信路品質やデータ速度(データサイズ)によって、サブフレーム毎に無線リソースの設定をダイナミックに変更できるダイナミックスケジューリング(dynamic scheduling)方法を用いる。ダイナミックスケジューリングの際、基地局は、上りリンク及び下りリンクの無線リソースの割当情報をL1/L2制御信号にて移動端末へ通知する。
【0012】
一方で、音声のように、リアルタイム性が要求され、一定の間隔で所定のサイズのデータが定期的に発生する通信は、低速度で、データサイズも1つ以上の決められたサイズであるため、無線リソースの割り当てを定期的にかつ持続的に割り当てることができるパーシステントスケジューリング(Persistent scheduling)方法を用いる。
【0013】
現在の3GPPのパーシステントスケジューリング(セミパーシステントスケジューリング(semi-persistent scheduling)とも称される)の議論において、周期性などはRRC(Radio Resource Control)を用いて基地局より移動端末へ設定されることが議論されている(非特許文献8)。基地局は、移動端末へ、RRCにより設定された周期(以降、パーシステント周期と称する)毎に、PDCCH(L1/L2制御信号)によって周波数領域の割当を行うものと考えられる。さらには、パーシステントスケジューリングの際であっても会話時(Talkspurt)(あるいは、活性時(active)とも言う)のみ無線リソースを割当、無音時(Silent Period)(あるいは、非活性時(de-active)とも言う)には無線リソースを開放することが議論されている。前記、活性化及び非活性化の基地局から移動端末への通知には、PDCCH(L1/L2制御信号)を用いることが議論されている(非特許文献9)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】TS36.212 V1.2.0 (R1−072635)
【非特許文献2】TS36.211 V1.1.0 (R1−072633)
【非特許文献3】3GPP寄書 R1−071223
【非特許文献4】3GPP寄書 R1−072220
【非特許文献5】3GPP寄書 R1−072613
【非特許文献6】3GPP寄書 R1−072088
【非特許文献7】3GPP寄書 R1−072120
【非特許文献8】3GPP寄書 R2−080088
【非特許文献9】3GPP寄書 R2−080163
【非特許文献10】3GPP TS36.300 V8.2.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
発明が解決しようとする第一の課題について説明する。非特許文献3において、移動端末が下り制御チャネル(L1/L2制御情報)の候補セット(Candidate Set)をモニターすることが記載されている。しかし、基地局から傘下の全ての移動端末に対して候補セットをシグナリングすることは、無線リソース的に負荷を重くなる。この課題の解決策のひとつとして、非特許文献4は、基地局から移動端末に対して候補セットをシグナリングせず、基地局及び移動端末自身が候補セットを求める方法が開示されている。
【0016】
発明が解決しようとする第二の課題について説明する。非特許文献3は、移動端末が下り制御チャネルを受信する際に、下り制御チャネル情報であるL1/L2制御情報を抽出するために、候補セットをモニターすること、及び候補セットに含まれる候補の数だけ、移動端末は下り制御チャネルの検出動作を実行する状況がありうることが記載されている。このL1/L2制御情報の検出動作が多くなると、移動端末の処理負荷が増加し、結果として移動端末の消費電力の増大につながる。また、下り制御チャネルの検出動作が多くなるということは、移動端末が自分宛ての下り制御チャネルを検出するまで、あるいは自分宛ての下り制御チャネルが存在しないことを検出するまでの平均時間が長くなり、結果として移動体通信システムとしての処理遅延の増大につながる。非特許文献3、6には本課題は記載されておらず、解決策についても記載がない。よって、本発明では下り制御チャネルの検出動作回数の増大による、移動端末の消費電力の増大及び移動体通信システムとしての処理遅延を改善することを課題とする。
【0017】
発明が解決しようとする第三の課題について説明する。下りAck/Nackは下り制御チャネル情報(L1/L2制御情報)のひとつであり、よってL1/L2制御情報の領域において基地局から移動端末に通知される。非特許文献5には、CCEから物理的なリソースへのマッピング方法について記載されているが、Ack/Nackを取り扱う文書ではないことが明記されている。よってAck/Nackと他のL1/L2制御情報を同じ物理領域(L1/L2制御情報領域、図1斜線部分参照)にマッピングする方法が確立されていないという問題がある。
【0018】
発明が解決しようとする第四の課題について説明する。L1/L2制御情報領域は、非特許文献2に示されるようにサブフレームの最初のスロットの初めの3OFDMシンボル(図1斜線部分参照)以下と限られた領域である。この限られた領域において、基地局は傘下の全ての移動端末に対するL1/L2制御情報を送信しなければならない。例えば、移動端末から基地局への上りトラヒックが増加すると、L1/L2制御情報のひとつである下りAck/Nackの送信も増加し、基地局のL1/L2制御情報の物理領域の容量(capacity)が足りない状況になる。これにより、移動体通信システムとしての処理遅延の増加、上り且つ/または下りデータスループットの低下という問題が生じる。よって、本発明では限られた物理領域を用いて、より多くの移動端末に対するL1/L2制御情報を通知可能とすることを課題とする。
【0019】
発明が解決しようとする第五の課題について説明する。L1/L2制御情報中のAck/Nackの必要数は上りデータを送信している移動端末の数に応じて変動する。このAck/Nackの必要数に変動が生じた場合であっても移動体通信システム全体として処理負荷が少ない方法にてAck/Nackと他の下り制御情報が適切にマッピングされる必要がある。よって本発明ではAck/Nackの必要数に変動が生じた場合であっても移動体通信システム全体として処理負荷が少ない方法にてAck/Nackと他の下り制御情報が適切にマッピングすることを課題とする。
【0020】
非特許文献7においては、UL GRANTにAck/Nackのインデックスを挿入することが記載されているが、UL GRANT及びAck/Nackの具体的な物理領域へのマッピング方法については記載がない。また非特許文献6においては、Ack/NackをCCEへマッピングし、Ack/Nackを他のL1/L2制御情報と同じ方法にて物理領域へマッピングすることが記載されている。しかし、非特許文献には第四の課題及び第五の課題についての示唆はない。
【0021】
次に、本発明が解決しようとする第六の課題について説明する。例えば、前記パーシステントスケジューリングにおいては、パーシステント周期毎に、L1/L2制御信号における候補セットが同じであり、候補セットに含まれる候補が割当てられる無線リソース(特に当該無線リソースが割当てられる周波数)が同じである場合が考えられる。この例のように、ある周期毎に候補セットに含まれる候補が割当てられる無線リソースが同じである場合、当該周期毎の移動端末の候補セットが割当てられている周波数領域にて、当該移動端末の無線環境が悪くなると、その環境が変化しない限り(例えば、移動端末が移動しない限り)、悪い状況が続いてしまうという課題が発生する。これにより、当該移動端末と基地局間の通信により再送などの処理が続き、無線リソースの有効活用がはかれないという課題が発生する。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明にかかる通信方法は、複数の周波数帯域を用いて通信を行う基地局と、基地局からL1/L2制御信号を送信するのに用いられる、周波数帯域が分割されて構成された領域である制御チャネル要素が含まれる候補セットを検出してL1/L2制御信号を受信する移動端末とを含む通信システムにおいて実行される通信方法において、移動端末の属性情報に基づいて、L1/L2制御信号の送信先となる移動端末がグルーピングされる処理と、移動端末の属するグループに対応した候補セットの検出処理を行い、候補セットに含まれる制御チャネル要素よりL1/L2制御信号を読み出す処理とを含むものである。
【0023】
本発明に係る基地局は、複数の周波数帯域を用いて、L1/L2制御信号を移動端末に送信する基地局において、基地局は、L1/L2制御信号の送信先となる移動端末の属性情報に基づいて、移動端末をグルーピングする処理を実行するものである。
【0024】
本発明に係る移動端末は、複数の周波数帯域を用いて基地局より送信されたL1/L2制御信号を受信する移動端末において、移動端末は、基地局においてL1/L2制御信号の送信先となる移動端末の属性情報に基づいてグルーピングされ、移動端末の属するグループに対応した候補セットの検出処理を行い、候補セットに含まれる制御チャネル要素よりL1/L2制御信号を読み出すものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明にかかる通信方法は、複数の周波数帯域を用いて通信を行う基地局と、基地局からL1/L2制御信号を送信するのに用いられる、周波数帯域が分割されて構成された領域である制御チャネル要素が含まれる候補セットを検出してL1/L2制御信号を受信する移動端末とを含む通信システムにおいて実行される通信方法において、移動端末の属性情報に基づいて、L1/L2制御信号の送信先となる移動端末がグルーピングされる処理と、移動端末の属するグループに対応した候補セットの検出処理を行い、候補セットに含まれる制御チャネル要素よりL1/L2制御信号を読み出す処理とを含むので、移動端末がブラインド検出を行う処理量が削減でき、省電力化及び処理遅延の低減を図ることができる。
【0026】
本発明に係る基地局は、複数の周波数帯域を用いて、L1/L2制御信号を移動端末に送信する基地局において、L1/L2制御信号の送信先となる移動端末の属性情報に基づいて移動端末をグルーピングする処理を実行するので、基地局から参加の移動端末に対して候補セットをシグナリングする必要がなくなり、無線リソースを有効に利用できる。
【0027】
本発明に係る移動端末は、複数の周波数帯域を用いて基地局より送信されたL1/L2制御信号を受信する移動端末において、基地局においてL1/L2制御信号の送信先となる移動端末の属性情報に基づいてグルーピングされ、移動端末の属するグループに対応した候補セットの検出処理を行い、候補セットに含まれる制御チャネル要素より前記L1/L2制御信号を読み出すので、移動端末が検出を行う処理量が削減でき、省電力化及び処理遅延の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】下りリンクにおけるフレーム構成の説明図である。
【図2】LTEにおける移動通信システムの構成を示す説明図である。
【図3】LTEの通信システムで使用されるチャネルの構成を示す説明図である。
【図4】移動端末の構成を示すブロック図である。
【図5】基地局の構成を示すブロック図である。
【図6】L1/L2制御情報を送信するための無線リソースを説明する説明図である。
【図7】L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。
【図8】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図9】基地局のシステム帯域幅とL1/L2制御情報の候補セットの組み合わせの一例を示す表である。
【図10】下りL1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)のCCEへの割当方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補を示す説明図である。
【図11】L1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)を情報種別毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補を示す説明図である。
【図12】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図13】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図14】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図15】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図16】移動端末毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補についての一例を示す説明図である。
【図17】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図18】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図19】Ack/NackをUE間でCDMにして一つのCCEグループに割り当てる方法を説明する説明図である。
【図20】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図21】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図22】受信品質情報によって移動端末をグルーピングしてそれぞれのCCEグループに割り当てる方法を示す説明図である。
【図23】Ack/Nack割当の一例を示す説明図である。
【図24】実施の形態3における共用のCCEグループを設けた方法の一例を示す説明図である。
【図25】実施の形態3における共用のCCEグループを設けた方法の一例を示す説明図である。
【図26】図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図27】図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図28】実施の形態4における各グループの先頭のCCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法の一例を示す説明図である。
【図29】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図30】実施の形態5におけるグルーピングされたCCE間に、L1/L2制御情報が割当てられないダミーCCEを設ける方法の一例を示す説明図である。
【図31】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図32】図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図33】図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図34】各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。
【図35】図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図36】図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。
【図37】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図38】実施の形態8における下り制御情報へのCRC付加方法の一例を示す説明図である。
【図39】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図40】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図41】基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図42】実施の形態8の変形例3における下り制御情報へのCRC付加方法の一例を示す説明図である。
【図43】LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。
【図44】実施の形態9で用いる、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。
【図45】実施の形態9で用いる、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図46】実施の形態9 変形例1で用いる、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。
【図47】実施の形態10で用いる、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。
【図48】実施の形態10で用いる、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【図49】実施の形態11で用いる、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。
【図50】実施の形態11で用いる、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0029】
実施の形態1.
図2はLTEにおける移動通信システムの構成を示す説明図である。図1において、aGW(Mobility Management Entity : MME、 Serving Gateway : S-GW)1は複数の基地局(eNB)2と制御データやユーザデータの送受信を行い、基地局2は複数の移動端末(UE)3に対してデータの送受信を行う。基地局2と移動端末3間においては、報知情報、着呼処理に用いられる情報、個別制御データ、個別ユーザデータ、E−MBMS用の制御データやユーザデータ等が送信される。また、基地局2同士もお互いに通信する。基地局2は上り及び下りのスケジューラを有する。スケジューラは、基地局2と各移動端末3のデータの送受信を可能にし、個々の移動端末3及び移動通信システム全体のスループット向上のためにスケジューリングを行う。
【0030】
E−MBMSはある基地局から複数の移動端末に向けてデータを一斉に送信する放送型の一対多(Point to Multipoint)型の通信サービスを提供するものである。具体的には、ニュースや天気予報等の情報サービスや、モバイルTVなどの大容量の放送サービスが検討されている。aGW1はPDN(Packet Data Network)4を介してサービスセンタ5と通信を行う。サービスセンタ5はユーザにサービスを提供するためのコンテンツを保管、配信するための装置である。コンテンツプロバイダは、サービスセンタ5に対してモバイルTV放送データ等のE−MBMSデータを送信する。サービスセンタ5ではE−MBMSデータを記憶するとともに、PDN4、aGW1を介して基地局2へE−MBMSデータを送信する。
【0031】
図3はチャネルの構成を示す説明図である。図3には、論理チャネル(Logical Channel)とトランスポートチャネル(Transport Channel)のマッピングが示されている。論理チャネルは伝送信号の機能や論理的な特性によって分類される。トランスポートチャネルは伝送形態によって分類される。報知情報はBCCH(Broadcast Control Channel)上にのせられる。BCCHはBCH(Broadcast Channel)あるいは、DL−SCH(Downlink Shared Channel)にマッピングされ基地局から移動端末へ送信される。着呼処理に用いられる情報はPCCH(Paging Control Channel)上に乗せられる。PCCHはPCH(Paging Channel)にマッピングされ基地局からセル内の移動端末へ送信される。個別の移動端末宛ての個別制御データはDCCH(Dedicated Control Channel)上に乗せられる。
【0032】
また、個別の移動端末宛ての個別ユーザデータはDTCH(Dedicated Traffic Channel)上に乗せられる。DCCHとDTCHはDL−SCH(Downlink Shared Channel)にマッピングされて、基地局から個々の移動端末に宛てて個別に送信される。逆に、UL−SCH(Uplink Shared Channel)を用いて個々の移動端末から基地局へ個別に送信される。DL−SCH及びUL-SCHは共有チャネル(Shared Channel)である。E−MBMS用の制御データ及びユーザデータはそれぞれMCCH(Multicast Control Channel)とMTCH(Multicast Traffic Channel)上に乗せられ、DL−SCHもしくはMCH(Multicast Channel)にマッピングされて基地局から移動端末へ送信される。移動端末からの接続要求信号、例えばスケジューリング要求信号(上りリソースアロケーション要求信号)SRはランダムアクセスチャネル(Random Access Channel RACH)または個別チャネル(Dedicated Channel)により個々の移動端末から基地局へ送信される。
【0033】
図4は移動端末の構成を示すブロック図である。移動端末3の送信処理は以下のとおり実行される。まず、プロトコル処理部6からの制御データ、アプリケーション部7からのユーザデータが送信データバッファ部8へ保存される。送信データバッファ部8に保存されたデータはエンコーダ部9へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部8から変調部10へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダ部9でエンコード処理されたデータは変調部10にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部11へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ12から基地局2に送信信号が送信される。
【0034】
また、移動端末3の受信処理は以下のとおり実行される。基地局2からの無線信号がアンテナ12により受信される。受信信号は、周波数変換部11にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部13において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダ部14へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部6へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部7へ渡される。移動端末の一連の送受信処理は制御部15によって制御される。
【0035】
図5は基地局の構成を示すブロック図である。基地局2の送信処理は以下のとおり実行される。aGW通信部16は、基地局2とaGW1間のデータの送受信を行う。他基地局通信部17は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。aGW通信部16と他基地局通信部17はそれぞれプロトコル処理部18と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部18からの制御データ、またaGW通信部16と他基地局通信部17からのユーザデータが送信データバッファ部19へ保存される。送信データバッファ部19に保存されたデータはエンコーダ部20へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部19から変調部21へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部21にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部22へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ23より一つもしくは複数の移動端末1に対して送信信号が送信される。
【0036】
また、基地局2の受信処理は以下のとおり実行される。一つもしくは複数の移動端末3からの無線信号がアンテナ23により受信される。受信信号は周波数変換部22にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部24で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダ部25へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部18へ渡され、ユーザデータはaGW通信部16、他基地局通信部17へ渡される。基地局2の一連の送受信処理は制御部26によって制御される。
【0037】
本実施の形態1においては、上記第一の課題を解決することを目的とする。非特許文献3には、移動端末が下り制御チャネルの候補セット(Candidate Set)をモニターすることが記載されている。しかし、基地局から傘下の移動端末に対して、それぞれの移動端末がモニターする候補セットをシグナリングすることは、多くの無線リソースを消費するので、基地局から移動端末に対して候補セットをシグナリングせず、基地局及び移動端末が候補セットを求めることが好ましい。非特許文献4には、シグナリングを用いない方法の一つが開示されている。具体的には、移動端末の識別子(UE-ID)、Cat.0値を変数とし、ランダム関数を用いて移動端末及び基地局にて下り制御チャネルの候補セットを求めることが開示されている。しかし、非特許文献4は、LTEの基地局帯域幅は複数種類(1.25/2.5/5/10/15/20MHz)設けられている点を考慮していない。LTEの特徴の一つである。CCE(Control Channel Element)の大きさが1種類であれば、基地局の帯域幅が異なれば、CCEの取り得る組み合わせ数が変わり、つまり、下り制御チャネルの候補数が変わることを意味する。この状況において、基地局のシステム帯域幅について考慮されていない方法、例えば非特許文献3の方法を用いて基地局及び移動端末において候補セットを求めれば、候補セット中の候補が存在する周波数帯域に偏りが発生するという課題が生じる。
【0038】
本発明は基地局のシステム帯域幅に応じて、候補セットを通知するためのシグナリングに依存せず、下り制御チャネルの候補セットを基地局及び移動端末において求めることを目的とする。図6は、L1/L2制御情報を送信するための無線リソースを説明する説明図である。図6中の網掛け部分は、CCEを示す。図6において、5MHzの周波数帯域が8分割された各領域がCCEを示しており、候補セットAに含まれる複数の候補A1〜A15のいずれかを用いて、L1/L2制御情報が送信される。図6−Aを参照して、システム帯域幅の違いを考慮にいれずに候補セットを求める場合を説明する。システム帯域幅が5MHzの基地局は、候補セットAのいずれかの候補A1〜A15にL1/L2制御情報に割り当てることができる。移動端末は候補セットAより、L1/L2制御情報を含む候補を検出し、L1/L2制御情報を抽出する。一方、システム帯域幅が10MHzの基地局は、領域AのCCEを利用していないので、下り制御チャネル送信に用いられる周波数帯域に偏りが発生し、領域Aの無線リソースを有効に用いていないこととなる。システム帯域幅の違いを考慮にいれて候補セットを求めた場合の具体例を図6−Bに示す。例えば、システム帯域幅5MHzの基地局の候補セット「候補セットB」は、システム帯域幅10MHzの基地局の候補セット「候補セットB‘」の半分として構成する。上記具体例は一例であり、システム帯域幅の違いを考慮に入れて候補セットを求める方法はこれに限られない。
【0039】
図7は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。図7に示される機能ブロックは、移動端末には図4の制御部15、基地局には図5の制御部26に実装されているものとする。図7において、システム帯域幅入力部1101から候補セット算出部1103へシステム帯域幅が入力される。また、変数入力部1102から候補セット算出に関わるシステム帯域幅以外の変数が候補セット算出部1103へ入力される。変数入力部1102より候補セット算出部1103に入力される変数は、例えば、移動端末の識別子(UE-ID)やCat.0値、さらに後述する「CCEグループ」を指定するパラメータがある。候補セット算出部1103は、入力された変数を用いてL1/L2制御情報候補セットを算出する。算出方法の具体例としてはランダム関数をも用いることも可能であるが、その他の方法であっても良い。候補セット算出部1103により算出された候補セットは、L1/L2制御情報候補セット保存部1104に保存され、候補内においてL1/L2制御信号のデコード処理が行われる。
【0040】
図8は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を説明するフローチャートである。図8は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるまでの移動端末と基地局間における信号のやり取りと、移動端末及び基地局で実行される一連の処理を示す。図8において、基地局から移動端末に対してシステム帯域幅が通知され(ST801)、移動端末は基地局からシステム帯域幅を受信する(ST802)。システム帯域幅は、報知情報としてBCCH(Broadcast Control Channel)上にのせられ、BCH(Broadcast Channel)にマッピングされることが考えられている。さらに、基地局から移動端末に対してシステム帯域幅以外の「その他の変数」が通知され(ST803)、移動端末は基地局から通知された「その他の変数」を受信する(ST804)。基地局及び移動端末は、システム帯域幅と候補セット算出に関わるシステム帯域幅以外の変数からL1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をそれぞれ求める(ST805、ST806)。基地局と移動端末でそれぞれ実行されるL1/L2制御情報の候補セット算出方法は同じである。
【0041】
候補セットは、システム帯域幅など、候補セットを算出するための変数が変化するタイミングで求めればよい。システム帯域幅が変化するタイミングとは、位置登録時やハンドオーバー時(サービングセル変更時)などが考えられる。また、「Cat.0値」は、最短で毎サブフレーム毎に変化し得る。「CCEグループ」は、L3制御信号などにより基地局から移動端末に対してその変更が通知されるときに変更される。候補セットを求めるタイミングとしては、上記説明のように、システム帯域幅など候補セットを算出するための変数に変化があったときではなく、一定の時間間隔ごとに候補セットを求めるようにしても良い。また、基地局と移動端末間で候補セットを求めるための「トリガ」がやり取りされた際に候補セットを求めても良い。
【0042】
L1/L2制御情報を送信する際、基地局は傘下の移動端末に対するL1/L2制御情報を各々の移動端末の候補セットに含めるようにマッピングし(ST807)、傘下の移動端末に対してL1/L2制御情報を送信する(ST808)。移動端末は基地局からのL1/L2制御情報を受信すると(ST809)、ST806で求めたL1/L2制御情報の候補セット(例えば、図6の候補セットA)内から候補(例えば、図6の候補A1〜A15)を1つ選択する(ST810)。移動端末は選択した候補(例えば候補A1)にL1/L2制御情報が含まれているか調べるためにデコード処理を行い(ST811)、結果がOK(CRC OK)か否か判断する。結果がOKであれば(ST811でYes)、選択した候補A1にL1/L2制御情報が含まれていると判断し、L1/L2制御情報に従って所定の動作をする(ST812)。一方、選択した候補A1にデコード処理をした結果がNGである場合(ST811でNo)、移動端末は、候補セットA内にデコード処理をしていない候補があるか判断する(ST813)。上記説明の場合、デコード処理をしていない候補A2〜A15があるので(ST813でYes)、ST810において候補A2を選択し(ST810)、デコード処理を行う(ST811)。全ての候補A1〜A15に対してデコード処理を行った場合には(ST813でNo)、自分宛てのL1/L2制御情報がないと判断し、次のL1/L2制御情報の受信タイミングまで待機する(ST1214)。上記ST810からST813までの処理をブラインド検出(Blind Detect、 Blind Decode)などと称する。
【0043】
ST814にて、移動端末は次のL1/L2制御情報受信タイミングまで待機し、その後ST809へ戻る。具体例としては、ダイナミックスケジューリングされている移動端末においては、次のサブフレームの最初のスロットの最初の1OFDMシンボルあるいは、2OFDMシンボルあるいは、3OFDMシンボルの受信まで待機する。あるいは、アクティブ(Active)中のDRX動作をしている移動端末においては、次のDRX周期後のL1/L2制御情報の受信動作時間(オン持続時間:on-duration)まで待機する。アクティブ中のDRX動作(DRX in RRC_CONNECTED)とは、LTE(E-UTRAN)にて移動端末の低消費電力をサポートするために新しく設けられた状態である。移動端末の動作としては、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末宛の割当が無いと判断したなら、アクティブ中のDRX動作へ再び移行する。一方、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末あての割当有りと判断したなら、移動端末はアクティブ中のDRX動作を行わず、L1/L2制御情報の指示に従う。
【0044】
ここで、ST803にて基地局から移動端末に対して通知する候補セット算出に関わるシステム帯域幅以外の変数が存在しない場合について考える。言い換えればシステム帯域幅に対して候補セットが1種類のみ存在する場合である。図9は、実施の形態1における基地局のシステム帯域幅とL1/L2制御情報の候補セットの組み合わせの一例を示す表である。図9に示すような基地局のシステム帯域幅とL1/L2制御情報の候補セットの組み合わせ、更には候補セットとCCEの関係は移動体通信システムとして静的に決定しておいた場合、基地局と移動端末は、あらかじめ通知されているシステム帯域幅をもとに図9の表を参照するだけで、候補セットを決定することができる。
【0045】
上記説明のとおり、基地局から移動端末に対してあらかじめ通知されている周波数帯域幅を、L1/L2制御情報が含まれる候補セットを求めるための変数として用いることにより、L1/L2制御情報を含む候補セットを通知するためのシグナリングを、L1/L2制御情報を送信する度に行う必要がないので、無線リソースを有効に活用することができ、かつ受信エラーが生じることもない。よって移動端末によるL1/L2制御情報の候補の受信エラーによる基地局と移動端末の状態の不一致などが発生しないという効果を得ることができる。また、周波数帯域を候補セットを求めるための変数とすることにより、使用する周波数帯域幅が複数存在するLTEシステムにおいても、L1/L2制御情報の候補が存在する周波数に偏りなく、候補セットを求めることが可能となる。
【0046】
なお、本実施の形態では、CCE(Channel Control Element)の大きさが1種類の場合について説明した。しかし、LTEの基地局帯域幅が異なった場合に、CCEの大きさが異なる場合もあり得る。本実施の形態で開示した方法は、このように、CCEの大きさが異なる場合にも適用することが可能である。具体的には、例えば、システム帯域幅に応じた(システム帯域の関数でも良い)CCEの大きさを、候補セットを求めるための変数とする。そして、周波数帯域からCCEの大きさを導出し、さらに、そのCCEの大きさに応じて候補セットを算出すればよい。また、図9で示したように、基地局のシステム帯域幅とL1/L2制御情報の候補セットの組合せを示す表を予め移動体通信システムとして静的に決定しておき、さらに候補セットとCCEの関係を移動体通信システムとして静的に決定しておく方法も適用することが可能である。この場合は、システム帯域幅に応じたCCEの大きさを考慮して、候補セットを決めておけば良い。さらには、表中にシステム帯域幅に応じたCCEの大きさの欄を設けて入れておけば良い。上記説明のとおり、LTEの基地局帯域幅によって、CCEの大きさが異なるような場合にも適用することが可能であり、CCEを1種類に限定することなくできるので、システムとしてスケジューリングに柔軟性が得られるという効果がある。
【0047】
実施の形態2.
移動端末では、下り制御チャネルを受信する際には、候補セット(図6の候補セットA、候補セットB、候補セットB')に含まれるひとつまたは複数個の候補(候補A1〜A15、候補B1〜B15、B1'〜B15')を復調し、それら候補のいずれかに含まれている自端末宛の下り制御信号(L1/L2制御情報など)をブラインドディテクションによって検出する。従って、候補の数が増えることは、下り制御チャネルの検出動作に要する、移動端末の処理負荷が増加し、結果として移動端末の消費電力の増大につながる。また、下り制御チャネルの検出動作が多くなるということは、移動端末が自分宛ての下り制御チャネルを検出するまでの平均時間が長くなり、結果として移動体通信システムとしての処理遅延の増大につながる。本実施の形態は、下り制御チャネルの検出動作が増えることによる、移動端末の消費電力の増大及び移動体通信システムとしての処理遅延を改善するため、情報種別毎and/or移動端末毎にCCEのグルーピングを行い、かつ、グルーピングされたCCE毎に候補セットを設け、移動端末は検出したい制御情報が含まれるところの該当グループに対応した候補セット内のひとつまたは複数の候補のみをブラインドディテクトするものである。
【0048】
図10は、移動端末A、B向けの下りL1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)のCCEへの割当方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補を示す説明図である。基地局は、ある移動端末向けの下りL1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)に、UE−IDをもとにしたCRCを付加し(図10中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理を行う(図10中の処理2)。基地局は、これらの処理が施された下りL1/L2制御情報をCCE単位に分割し(図10中の処理3)、システム帯域幅(基地局帯域幅)および物理マッピングされるOFDMシンボル数に応じて予め決められた数のCCEの一部に割り当てる(図10中の処理4)。基地局は、ある任意のサブフレーム内でL1/L2制御情報を送信する全ての移動端末用に上記説明の処理を行う。図10中のAはシステム帯域の全CCE、図10中のBは復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0049】
移動端末は、CCE復調処理、UE−IDをもとにしたCRCチェックを含むブラインドディテクションを行い、自局宛のL1/L2制御情報を認識する。しかし、システム帯域に与えられたCCEの数は多く、また、L1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)はレートマッチングされるなどして複数のCCEに割り当てられることがある。従って、移動端末では、CCE毎、2個のCCE毎、4個のCCE毎、8個のCCE毎、それぞれに復調を行いCRCチェックをしなくてはならなくなり、その復調処理量は膨大な量に及んでしまう。そこで、従来は膨大な数のCCEの組合せの中から10数個程度の候補に絞り、該候補のCCEが入ったセットを一つあらかじめ決めておき(以下、該セットを候補セットと称する)、移動端末は候補セットの中にある10数個程度のCCEの組合せ候補のみの復調を行い自局宛の情報を検索すればよいようにしておく。こうすることによって移動端末での復調処理量が膨大な量になることを防いでいる。
【0050】
次に、従来のCCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。従来は、非特許文献5に示されるように、物理マッピングされるOFDMシンボル数に応じて予め与えられたCCEに各移動端末のL1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)が割り当てられ、CCEを一体としてセル固有のビットスクランブリング、変調、インタリーブが施される。そして、L1/L2制御信号用として決められている1サブフレーム内の物理領域(ここでは先頭から3OFDMシンボル内)にマッピングされる。セル固有のビットスクランブリングやインタリーブを行うことによって、セル間干渉を防ぎ、周波数ダイバシチ利得を得ている。
【0051】
しかし上記のような従来の方法では、システム帯域の全CCEの中の数多くの組合せの中から候補をしぼり、あらかじめ一つの候補セットのみを決めているため、例えば、8個のCCEの候補を得るために1個のCCEの候補数が制限されるなど、組合せの種類に制限が生じ、それによりあるサブフレームに割り当てる移動端末の数に制限が生じてしまう、などの問題が生じてしまう。逆に、システム帯域の全CCEの中の数多くの組合せの中から選ぶ候補数を多くすると、組合せの制限は減少するが、移動端末でブラインドディテクションしなくてはならない候補数の数が増大し、復調処理量が増大してしまう、という問題が生じる。さらに、これらの問題から、移動端末の消費電力の増大や、移動体通信システムとしての処理遅延が生じてしまうことになる。
【0052】
本実施の形態では、このような移動端末の消費電力の増大や、移動体通信システムとしての処理遅延が生じてしまうという問題を解決するため、情報種別毎and/or移動端末毎にCCEのグルーピングを行い、かつ、グルーピングされたCCE毎に候補セットを設け、移動端末は検出したい制御情報が含まれるところの該当グループに対応した候補セット内のひとつまたは複数の候補のみをブラインドディテクトする方法を開示する。
【0053】
図11は、L1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)を情報種別毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補を示す説明図である。L1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)はUL関連L1/L2制御情報とDL関連L1/L2制御情報とにグルーピングされている。UL関連L1/L2制御情報がある移動端末(A、B)の該情報は、それぞれ、基地局によってCRC付加(図11中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理が行われ(図11中の処理2)、CCE単位へ分割される(図11中の処理3)。システム帯域内のCCEは、UL関連L1/L2制御情報とDL関連L1/L2制御情報とにそれぞれ対応したグループに分割されており、CCE単位に分割された各移動端末のUL関連L1/L2制御情報は、UL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループに割り当てられる(図11中の処理4)。
【0054】
さらに、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、該UL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループ内で予め決めておく。これにより、移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、UL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループ内のCCEの組合せから決められた候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。一方、DL関連L1/L2制御情報がある移動端末(A、C)の該情報は、それぞれ、基地局によってCRC付加(図11中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理が行われ(図11中の処理2)、CCE単位へ分割される(図11中の処理3)。CCE単位に分割された各移動端末のDL関連L1/L2制御情報は、DL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループに割り当てられる(図11中の処理4)。さらに、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、該DL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループ内で予め決めておく。これにより、移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、DL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループ内のCCEの組合せから決められた候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。図11中のAはUL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ、図11中のBはDL関連のL1/L2制御情報対応のCCEグループ、図11中のCはUL関連L1/L2制御情報対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図11中のDはDL関連L1/L2制御情報対応の復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0055】
各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバー)はOFDMシンボル数に対応しており、それにともない、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0056】
また、移動端末が、どの種類の情報が送られてこないか知っている場合がある。例えば、UL関連L1/L2制御情報は移動端末が上りリソースアロケーション要求(例えばRACH等)を出した場合に基地局から送信される。従って、上りリソースアロケーション要求を出していない移動端末は、UL関連L1/L2制御情報が送られてこないのを知っている。本実施の形態のように情報種別毎にCCEのグルーピングを行い、かつ、グルーピングされたCCE毎に候補セットを設けた方法にすることで、上記のような場合における移動端末は、全ての制御情報グループのCCEの候補をブラインドディテクションする必要が無くなり、DL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループの候補のみブラインドディテクションすれば良い。
【0057】
次に、CCEを物理リソースにマッピングする方法について説明する。図12は各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。図12中のAはUL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ、図12中のBはDL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ、図12中のCは1OFDMシンボル、図12中のDはリファレンスシンボルを表す。図12に示されるように、システム帯域内の全てのCCEはUL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループとDL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループにわけられている。これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。図12では、1OFDMシンボルへのマッピングの場合を示している。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0、Ack/Nackの情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。なお、図13は2OFDMシンボルへマッピングする場合、図14は3OFDMシンボルへマッピングする場合について示す。図13、図14中のAはUL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ、図12中のBはDL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ、図12中のCは1OFDMシンボル、図12中のDはリファレンスシンボルを表す。図13中のC'は2OFDMシンボル、図14中のC''は3OFDMシンボル、図13、図14中のDはリファレンスシンボルを表す。OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0058】
図15は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図15において、移動端末は、基地局よりL1/L2制御信号を受信する。図15の符号Aは「OFDMシンボル数に応じたCCEグループ内のCCEの数や範囲」、「OFDMシンボル数に応じた各CCEグループの候補セットの情報」が基地局から移動端末に通知されることを示す(ST1501)。この通知は、例えばBCCHやL3シグナリングによって行われる。これらの情報は基地局から移動端末に通知するのではなく、あらかじめ決められていても良い。基地局は、移動端末に対して、送信する必要のある制御情報を、制御情報種別毎、各UE毎にCRC付加、レートマッチング等の処理を行う(ST1502)。基地局は次に、前記処理後の情報をCCE単位に分割し、制御情報種別毎のCCEグループ内の候補セットへ割り当て(ST1503)、全CCE一体でスクランブリング、インタリーバ等の処理を行い(ST1504)、全CCE一体でこれらの処理がなされた後の情報を、物理リソースの1〜n番目のOFDMシンボルへマッピングし(ST2305)、Cat0(L1/L2制御情報に使用するOFDMシンボル数の情報)とともに、L1/L2制御情報を傘下の移動端末に対して送信する(ST1506)。
【0059】
移動端末は、Cat0とともにL1/L2制御情報を受信し(ST1507)、Cat0よりL1/L2制御情報に使用されるOFDMシンボル数を判定し(ST1508)、該判定結果にもとづいた値のOFDMシンボル数をデインタリーブ、デスクランブリング等の処理を行う(ST1509)。一方、移動端末はそれに先立ち、例えば上りRACH等で、UL関連L1/L2制御情報を要求したかどうかを記憶しておく。移動端末が基地局にUL関連L1/L2制御情報を要求した場合には(ST1510でYes)、移動端末は、デスクランブリング等の処理後、ST1501であらかじめ通知された、UL関連L1/L2制御情報対応CCEグループ内候補セットのなかのCCE候補についてデコード処理を順次行う(ST1511)。移動端末が基地局にUL関連L1/L2制御情報を要求していない場合(ST1510でNo)、移動端末はST1511の処理をスキップし、ST1501であらかじめ通知された、DL関連L1/L2制御情報対応のCCEグループ内候補セットのデコード処理を行う(ST1512)。そして、移動端末は受信したL1/L2制御情報に従った動作を実行する(ST1513)。
【0060】
以上のように、情報種別毎にCCEをグルーピングして割り当て、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補につい情報種別に対応したCCEグループ内でCCEの組合せから候補をそれぞれ選ぶことで、システム帯域の全CCEの組合せから候補を選ぶよりも、候補数を削減することができ、移動端末がブラインドディテクションに有する復調処理量が削減でき、処理遅延が低減できるという効果がある。従って、移動端末の消費電力を削減でき、移動体通信システムとしての処理遅延を低減することが可能となる。逆に、同じ候補数とした場合は、あるサブフレームに割り当てる移動端末の数を増大させることが可能となり、システムとしての無線リソース効率が向上する。さらに、移動端末が、どの種類の情報が送られてこないか知っている場合に、全ての制御情報グループのCCEの候補をブラインドディテクションする必要が無くなり、例えば、DL関連L1/L2制御情報に対応したCCEグループの候補のみブラインドディテクションすれば良くなるなど、復調処理量が削減でき、処理遅延が低減できる、という効果がある。従って、さらに移動端末の消費電力を削減でき、移動体通信システムとしての処理遅延を低減することが可能となる。
【0061】
一方、以上のように、CCEグループに分けられている全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理など、一連の処理を行い物理リソースへマッピングすることにより、CCEグループに分けられていたとしても、セル間干渉を防ぎ、周波数ダイバシチ利得を得ることができる。さらに、移動端末においては、物理リソースからCCEを導出するまでのデインタリーブ処理等を、所望の制御信号が送信されるCCEグループがサブフレーム毎に変わったとしても、同じ処理で行うことができ、復調処理が簡単化できるので、処理時間削減、回路規模削減、低消費電力化の効果を得ることができる。
【0062】
また、2OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様の効果を得ることが可能である。本実施の形態2では、L1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)をUL関連L1/L2制御情報とDL関連L1/L2制御情報とにグルーピングしたが、MIMOをサポートする場合は、MIMO関連情報とその他のL1/L2制御情報とにグルーピングしても良い。これにより、MIMOをサポートする移動端末は、MIMO関連情報を選択的に復調することが可能だし、逆に、MIMOをサポートしない移動端末は、MIMO関連情報を復調することなく、他のL1/L2制御情報を復調するだけで良い。従って、移動端末の処理量削減による低消費電力化や、移動体通信システムとしての処理遅延を低減することが可能である。
【0063】
以下、本実施の形態の第一の変形例について説明する。上記の実施の形態では、情報種別毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補について説明した。ここでは、UE毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補について説明する。図16は、移動端末毎にCCEをグルーピングして割り当てる方法と、移動端末がブラインドディテクションするCCEの候補についての一例を示す説明図である。L1/L2制御情報が送信される移動端末は、UEグループ1とUEグループ2にグルーピングされる。UEグループ1に属する移動端末(A、B)のL1/L2制御情報(Ack/Nackは除く)は、それぞれ、基地局によってCRC付加(図16中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理(図16中の処理2)が行われ、CCE単位へ分割される(図16中の処理3)。システム帯域内のCCEは、UEグループ1とUEグループ2とにそれぞれ対応したグループに分割されており、グループ1に属する各移動端末のCCE単位に分割されたL1/L2制御情報(Ack/Nackは除く)は、グループ1に対応したCCEグループに割り当てられる(図16中の処理4)。図16中のAはUEグループ1対応のCCEグループを、図16中のBはUEグループ2対応のCCEグループを、図16中のCはUEグループ1対応の復調候補となるCCEの組み合わせを、図16中のDはUEグループ2対応の復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0064】
さらに、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、該UEグループ1に対応したCCEグループ内で予め決めておく。これにより、UEグループ1に属する各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、UEグループ1に対応したCCEグループ内のCCEの組合せから決められた候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。一方、UEグループ2に属する移動端末(C、D)のL1/L2制御情報(Ack/Nackを除く)は、それぞれ、基地局によってCRC付加(図16中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理(図16中の処理2)が行われ、CCE単位へ分割される(図16中の処理3)。グループ2に属する各移動端末のCCE単位に分割されたL1/L2制御情報(Ack/Nackは除く)は、UEグループ2に対応したCCEグループに割り当てられる(図16中の処理4)。さらに、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、該UEグループ2に対応したCCEグループ内で予め決めておく。これにより、UEグループ2に属する各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、UEグループ2に対応したCCEグループ内のCCEの組合せから決められた候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。
【0065】
各移動端末がどのUEグループに属するかについては、基地局から移動端末に明確に通知(例えばL3メッセージやBCCHなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められた規則(例えば各移動端末のUE-IDとUEグループナンバを割り当てた表を有する等)をもとに基地局および移動端末それぞれで導出しても良い。各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバー)はOFDMシンボル数に対応しており、それにともない、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0066】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。図17は各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。システム帯域内の全てのCCEはUEグループ1対応のCCEグループ(図17中のA)とUEグループ2対応のCCEグループ(図17中のB)にわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。図17では、1OFDMシンボル(図17中のC)へのマッピングの場合を示している。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル(図17中のD)、Cat0、Ack/Nackの情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。2OFDMシンボル、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様に処理できる。具体的には、図13、14の情報種別毎に対応したCCEグループをUEグループ毎に対応したCCEグループにすればよく、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められるので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数―時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0067】
図18は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図18に示す一連の処理のうち、ST1802〜ST1809及びST1813の処理は、図15に示すST1502〜ST1509及びST1513の処理と同様であるので説明は省略し、ST1801、ST1810〜ST1812について説明する。図15のST1501では、基地局は、「OFDMシンボル数に応じたCCEグループ内のCCEの数や範囲」、「OFDMシンボル数に応じた各CCEグループの候補セットの情報」を移動端末に通知していた。図18のST1801では、符号Aに示すように、新たに「UEグループに関する情報」を移動端末に通知することとした。この「UEグループに関する情報」は、基地局から通知するのではなく、あらかじめ決められた規則(例えば各移動端末のUE-IDとUEグループナンバを割り当てた表を有する等)をもとに基地局および移動端末それぞれで導出しても良い。移動端末は、ST1810において、基地局より通知された「UEグループに関する情報」を用いて、自端末が属するUEグループを判定する。UEグループ1に属する場合、移動端末は、UEグループ1対応CCEグループ内候補セットに含まれるCCE候補にデコード処理を行う(ST1811)。一方、UEグループ2に属する場合、移動端末は、UEグループ2対応CCEグループ内候補セットに含まれるCCE候補にデコード処理を行う(ST1812)。
【0068】
上記のように、UEグループに対応したCCEグループ内でCCEの組合せから候補をそれぞれ選ぶことで、システム帯域の全CCEの組合せから候補を選ぶよりも、候補数を削減することができ、移動端末がブラインドディテクションに有する復調処理量が削減でき、処理遅延が低減できる、という効果がある。従って、移動端末の消費電力を削減でき、移動体通信システムとしての処理遅延を低減することが可能となる。逆に、同じ候補数とした場合は、あるサブフレームに割り当てる移動端末の数を増大させることが可能となる。
【0069】
一方、以上のように、UEグループ対応したCCEグループに分けられている全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理等一連の処理を行い物理リソースへマッピングすることにより、例え移動端末がどのUEグループに属していても、セル間干渉を防ぎ、周波数ダイバシチ利得を得ることができる。さらに、移動端末においては、物理リソースからCCEを導出するまでのデインタリーブ処理等を、例え所望の制御信号が送信されるCCEグループがサブフレーム毎に変わったとしても、同じ処理で行え、復調処理が簡単化でき、処理時間削減、回路規模削減、低消費電力化の効果を得ることができる。また、2OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様の効果を得ることが可能である。
【0070】
以下、本実施の形態の第二の変形例について説明する。上記説明では、CCEに割り当てる情報は、Ack/Nackを含まないL1/L2制御情報としていた。従って、移動端末においては物理マッピングから、Ack/Nackとその他のL1/L2制御情報とを別方法で行う必要があり、複雑になってしまう、という問題があった。以下、L1/L2制御情報のなかのAck/Nackも一つの情報種別として扱い、Ack/NackをUE間でCDMにして一つまたは複数のCCEグループにグルーピングし、かつ、移動端末は検出したい制御情報が含まれるところの該当グループに対応した候補セット内のひとつまたは複数の候補のみをブラインドディテクトする方法を説明する。図19は、Ack/NackをUE間でCDMにして一つのCCEグループに割り当てる方法を説明する説明図である。基地局は、L1/L2制御情報をAck/Nackとその他のL1/L2制御情報に分けて処理を行う。図19に示すように、移動端末Aと移動端末BへAck/Nackが送信される場合、Ack/NackはCDMにより移動端末間の多重化が行われる(図19中の処理5)。ここで移動端末間をCDMするための拡散符号長は、システムとして1サブフレーム内でAck/Nackの送信が必要となる所望の移動端末数を勘案してあらかじめ決められる。該拡散符号長や、受信品質の悪い移動端末に対するリピテーション数(Repetition)を考慮して、割り当てられるCCE数をあらかじめ一つに決めておいても良い。基地局によってCDMにより移動端末間の多重化が行われた後の情報は、CCE単位へ分割される(図19中の処理3)。
【0071】
一方、その他のL1/L2制御信号は、実施の形態2で記したように、移動端末毎にCRC付加(図19中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理(図19中の処理2)が行われ、CCE単位に分割される(図19中の処理3)。システム帯域内のCCEを、Ack/Nack対応のCCEグループとその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループに分割しておく。基地局によって、移動端末間がCDMされたAck/NackはAck/Nack対応のCCEグループ(図19中のA)に割り当てられ(図19中の処理4)、その他のL1/L2制御信号はその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図19中のB)に割り当てられる(図19中の処理4)。図19中のCは、Ack/Nack対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図19中のDは、その他のL1/L2制御情報対応の復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0072】
さらに、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、それぞれのCCEグループ内で予め決めておく。これにより、Ack/Nackが送信される各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、Ack/Nack対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。第二の変形例では、割り当てられるCCE数をあらかじめ一つに決めてあるので、CCEグループ内の候補は一つになる。また、その他のL1/L2制御情報に関しても、各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い事になる。
【0073】
各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバー)はOFDMシンボル数に対応しており、それに伴い、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0074】
また、移動端末が、どの種類の情報が送られてこないか知っている場合がある。例えば、移動端末が上りデータを送信していない場合は、Ack/Nackは基地局から送信されない。本変形例2のようにAck/NackもCCEに割り当て、CCEのグルーピングを行い、かつ、グルーピングされたCCE毎に候補セットを設けた方法にすることで、上りデータを送信していない端末は、その他のL1/L2制御情報に対応したCCEグループの候補のみブラインドディテクションすれば良く、また、上りデータを送信している移動端末は、Ack/Nackに対応したCCEグループの候補およびその他のL1/L2制御情報に対応したCCEグループの候補をブラインドディテクションすれば良い。
【0075】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。図20は、各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。図20に示すように、システム帯域内の全てのCCEはAck/Nack対応のCCEグループ(図20中のA)とその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図20中のB)にわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。図では、1OFDMシンボル(図20中のC)へのマッピングの場合を示している。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル(図20中のD)、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。2OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様に、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数−時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0076】
図21は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図21に示す一連の処理のうち、ST2103〜ST2109及びST2113の処理は、図18に示すST1803〜ST1809及びST1813の処理と同様であるので説明は省略し、ST2101、ST2102、ST2110〜ST2112について説明する。図18のST1801では、基地局は、「OFDMシンボル数に応じたCCEグループ内のCCEの数や範囲」、「OFDMシンボル数に応じた各CCEグループの候補セットの情報」を移動端末に通知していた。図21のST2101では、符号Aに示すように、新たに「拡散符号」を移動端末に通知することとした。基地局はまず、移動端末に対して、送信する必要のある制御情報に対して、制御情報種別毎に処理を行う。本変形例においては、Ack/NackについてはCDMして移動端末間の多重化を行う。その他のL1/L2制御情報については、UE毎にCRC付加、レートマッチング等の処理を行う(ST2902)。移動端末は上りデータを送信して基地局からAck/Nackが送信されるのを待っている状態かどうかを判断する(ST2110)。Ack/Nackが送信されるのを待っている状態の場合は、ST2101であらかじめ通知された、Ack/Nack対応CCEグループ内候補セットのなかのCCE候補について、逆拡散、相関計算処理を行い、AckかNackかの判定をする(ST2111)。一方、上りデータを送信しておらず、Ack/Nackが送信されるのを待っていない移動端末は、Ack/Nack対応の復調処理をスキップし、ST2101であらかじめ通知された、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内候補セットのデコード処理を行う(ST2112)。
【0077】
以上のように、L1/L2制御情報の中のAck/Nackも一つの情報種別として扱い、Ack/NackをUE間でCDMにして一つ又は複数のCCEグループにグルーピングした。移動端末間の多重方法をCDMにしたことでUEがブラインドディテクションする候補の数が少なくてよい(例えば本変形例の場合は候補数は1)という効果が得られる。さらに、CDMにすることで、Ack/Nack用に確保するCCEの数は少なくできるため、その他のL1/L2制御情報に割り当てられるCCEの数が増大することができる。さらに、Ack/NackをCDMして、他のL1/L2制御信号と別のコーディング方法としているため、他のL1/L2制御情報に必要とされる受信品質とAck/Nackに必要とされる受信品質が異なるような場合も、基地局においてMCS、コーディングレート等を別々にスケジューリングすることができ、移動端末におけるそれぞれの受信品質を満たすようにすることが可能となる。さらに、Ack/Nackも一つの情報種別として扱い、その他のL1/L2制御情報と同じようにCCE内に割り当て、物理マッピングを行っている。これにより、基地局ではCCEから物理マッピングまでAck/Nackと他のL1/L2制御情報とを同じ方法で処理できるため、処理回路の簡略化、処理量の低減が可能となる。また、移動端末においても、物理リソースからCCEを導出するまでのデインタリーブ等の処理をAck/Nackと他のL1/L2制御情報とを同じ方法で処理できるため、処理の簡略化ができる。処理量の低減が可能となる。従って、低消費電力化、処理時間の削減、回路規模削減が図れる。さらに、移動端末においては、物理リソースからCCEを導出するまでのデインタリーブ処理等を、例え所望の制御信号が送信されるCCEグループがサブフレーム毎に変わったとしても、同じ処理で行え、復調処理が簡単化でき、処理時間削減、回路規模削減、低消費電力化の効果を得ることができる。さらに、本変形例では、CCEグループに分けられている全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理等一連の処理を行い物理リソースへマッピングすることにより、例えCCEグループに分けられていたとしても、セル間干渉を防ぎ、周波数ダイバシチ利得を得ることができる。また、2OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様の効果を得ることが可能である。
【0078】
なお、第二の変形例では、Ack/NackをUE間でCDMにして一つのCCEグループにグルーピングした。システムとして1サブフレーム内でAck/Nackの送信が必要となる所望の移動端末数に対して拡散コードが足りない場合は、Ack/Nackの送信が必要となる移動端末をいくつかの複数のグループに分割し、分割したグループ毎に移動端末間の多重方法をCDMして、それぞれのグループに対応するCCEグループ内のCCEに割り当てるようにしても良い。復調候補となるCCEの組合せも、各CCEグループ内で予めきめておいても良い。これにより、各グループで同じコードを用いることができるため、所望の移動端末数に対して拡散コードが足りない場合に有効である。また、全CCEを一体に物理マッピングするので、例えCCEグループに分けられていたとしても、セル間干渉を防ぎ、周波数ダイバシチ利得を得ることができる。さらに、各移動端末が属するグループは、あらかじめ基地局から通知されるか、あらかじめ決められるので、自移動端末用のAck/Nack対応グループのみ逆拡散等の処理を行えばよく、処理量の削減が可能となる。
【0079】
以下、本実施の形態の第三の変形例について説明する。上記第二の変形例では、L1/L2制御情報の中のAck/Nackも一つの情報種別として扱い、Ack/NackはCDMにより移動端末間の多重化が行われ、CDMするための拡散符号長は受信品質の悪い移動端末に対するリピテーション数等からあらかじめ決められていたので、受信品質が良い移動端末も同じ領域のCCEに割り当てていた。第三の変形例では、さらに無線リソースを効率良く使用するための方法を開示する。移動端末が基地局に送信する受信品質情報によって移動端末をグルーピングし、各グループの品質に応じてMCSを変え、それに応じて割り当てるCCEの数を変えておく。また、さらに、それぞれのCCEグループで、移動端末がブラインドディテクションするCCEの組合せ候補を一つとしておいても良い。
【0080】
図22は、受信品質情報によって移動端末をグルーピングしてそれぞれのCCEグループに割り当てる方法を示す説明図である。基地局は、L1/L2制御情報をAck/Nackとその他のL1/L2制御情報に分けて処理を行う。Ack/Nackに関して説明する。移動端末が基地局に送信する品質情報に応じて、移動端末はグルーピングされる。図では、受信品質が高い移動端末グループ1(図22中のUEグループ1)、受信品質が中くらいの移動端末グループ2(図22中のUEグループ2)、受信品質が低い移動端末グループ3(図22中のUEグループ3)にグルーピングされた場合について示す。
【0081】
移動端末グループ1は受信品質が高いので、CDMによってUE多重化がなされた後(図22中の処理5)に、例えばリピテーション数1でリピテーションが行われる(図22中の処理6)。この場合のリピテーション後の情報量を例えば2CCE分とする。リピテーション後の情報は、CCE単位に分割され(図22中の処理3)、Ack/Nack対応のUEグループ1対応のCCEグループ(図22中のA1)に割り当てられる(図22中の処理4)。移動端末グループ2は受信品質が中くらいなので、CDMによってUE多重化がなされた後に(図22中の処理5)、例えばリピテーション数2でリピテーションを行う(図22中の処理6)。よって、リピテーション後の情報量は4CCE分となる。そして、リピテーション後の情報は、CCE単位に分割され(図22中の処理3)、Ack/Nack対応のUEグループ2対応のCCEグループ(図22中のA2)に割り当てられる(図22中の処理4)。移動端末グループ3は受信品質が低いので、CDMによってUE多重化がなされた後に(図22中の処理5)、例えばリピテーション数4でリピテーションを行う(図22中の処理6)。よって、リピテーション後の情報量は8CCE分となる。そして、リピテーション後の情報は、CCE単位に分割され(図22中の処理3)、Ack/Nack対応のUEグループ3対応のCCEグループ(図22中のA3)に割り当てられる(図22中の処理4)。あらかじめ受信品質情報に応じたUEグループ毎にMCSの方法(ここではリピテーション数)を決めておくことで、結果として、UEグループ毎に割り当てるCCEの数があらかじめ決まるので、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せを、各グループ毎にひとつにすることも可能である。
【0082】
一方、その他のL1/L2制御信号は、変形例2で記したように、移動端末毎にCRC付加(図22中の処理1)、エンコード、レートマッチング、MCS反映等の処理(図22中の処理2)が行われ、CCE単位に分割され(図22中の処理3)、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図22中のB)に割り当てられる(図22中の処理4)。移動端末は、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションする候補を順次復調する。図22中のC1はAck/Nack対応のUEグループ1対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図22中のC2はAck/Nack対応のUEグループ2対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図22中のC3はAck/Nack対応のUEグループ3対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図22中のDはその他のL1/L2制御情報対応の復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0083】
移動端末を受信品質情報によってグルーピングするための方法として、具体的には、例えば、移動端末から基地局に通知されるCQI値を用い、該CQI値にあらかじめ閾値を設けておき、グルーピングするようにしておけばよい。それにより、CQIを報告した移動端末も、報告された基地局も、該移動端末がどのグループに属するかを認識可能となる。該CQI値に設ける閾値は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばL3メッセージやBCCHなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0084】
以上のように、移動端末が基地局に送信する受信品質情報によって移動端末をグルーピングし、各グループの品質に応じて、リピテーション数を変え、割り当てるCCEの数を変えておき、さらに、それぞれのCCEグループで、移動端末がブラインドディテクションするCCEの組合せ候補を一つとしておくことで、受信品質が良い移動端末に大きな領域のCCEを割り当ててしまうような無線リソースの無駄を無くすことができ、無線リソースの効率良い使用が図れる。また、移動端末がブラインドディテクションする候補をひとつとすることが可能となるため、復調処理量が削減でき、低消費電力化、処理遅延の削減がはかれる。
【0085】
変形例3では、移動端末が基地局に送信する受信品質情報によって移動端末をグルーピングし、各グループの品質に応じてMCSを変え、それに応じて割り当てるCCEの数を変えておいた。また、さらに、それぞれのCCEグループで、移動端末がブラインドディテクションするCCEの組合せ候補を一つとしておいた。移動端末をグルーピングするのを受信品質情報ではなく、例えば自セルのパスロス、自セルと隣接セルとのパスロス差、移動速度、データのサービス種類(例えばVoIP)等を、移動端末から基地局へ報告し、その情報をもとにグルーピングしても良い。これらの情報をもとにグルーピングすることで、移動端末がどの状態にあっても、Ack/Nackの受信に必要な受信品質が保たれるとともに、システムとして無線リソースの有効活用が可能となる、という効果が得られる。
【0086】
上記のように本実施の形態では、L1/L2制御情報の情報種別として、UL関連L1/L2制御情報、DL関連L1/L2制御情報、MIMO関連情報、Ack/Nackを例にあげたが、この他にも、Paging情報(PI)があっても良い。Paging情報(PI)をL1/L2制御チャネル上にのせ、情報種別のひとつとして、本実施の形態を適用することで、Idle状態にいてある周期でPagingを受信している移動端末は、Paging情報のみの復調が可能となり他のL1/L2制御情報を復調をスキップすることが可能となるので、復調処理量が削減でき、低消費電力化、処理遅延の削減がはかれる。また、上記のように本実施の形態では、情報種別毎 and/or 移動端末毎にCCEのグルーピングを行うことを開示したが、CCEのグルーピングを物理マッピングするOFDMシンボル毎に行っても良い。これにより、移動端末でのL1/L2制御情報のそれぞれの情報の誤り率や処理時間等の要求に応じて、所望のOFDMシンボルにマッピングすることができるという効果がある。
【0087】
実施の形態3.
実施の形態2の第二の変形例では、L1/L2制御情報の中のAck/Nackも一つの情報種別として扱い、Ack/NackをUE間でCDMにして一つまたは複数のCCEグループにグルーピングし、かつ、移動端末は検出したい制御情報が含まれるところの該当グループに対応した候補セット内のひとつまたは複数の候補のみをブラインドディテクトする、方法を開示した。また、システムとして1サブフレーム内でAck/Nackの送信が必要となる所望の移動端末数に対して拡散コードが足りない場合は、Ack/Nackの送信が必要となる移動端末をいくつかの複数のグループに分割し、分割したグループ毎に移動端末間の多重方法をCDMして、それぞれのグループに対応するCCEグループ内のCCEに割り当てるようにしても良いことも開示した。しかし、Ack/NackをCDMして、他のL1/L2制御信号と別のコーディング方法としたので、移動端末においては、同じ復調方法でAck/Nackと他のL1/L2制御情報を復調することはできない。従って、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報とを同じCCEグループに割り当てることはできない。変形例2においては、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報とを別のCCEグループとし、各CCEグループ毎に候補セットを設け、それぞれのグループの候補セット内のCCEを異なる方法で復調できるようにした。一方、各CCEグループの数や範囲、それに対応する候補セットは、あらかじめ決められているか基地局から通知されていることとしていた。
【0088】
しかし、上りデータを送信する移動端末の数は、時間軸上で変化する、すなわち、サブフレーム毎にダイナミックに変化する場合がある。それに伴い、基地局が1サブフレーム内で傘下の移動端末に送信が必要となるAck/Nackの情報量はサブフレーム毎に増減する場合が生じることになる。変形例2では、Ack/Nackに用いるCCEグループの数や範囲はシステム容量等に応じてあらかじめ大きめに設定しておき、Ack/Nackの情報量の増大に対応できるようにしておく。例えば、図23は、Ack/Nack割当の一例を示す説明図である。図23に示すように、図23(a)のAck/Nackが少ない場合も、図23(b)のAck/Nackが多い場合も、ともにAck/Nack対応CCEグループ1及び2(図23中のA1、A2)までのCCEをAck/Nackに割り当てられるように確保しておく。これにより、Ack/Nack量の増大に対応できるようにしておく。しかしこうすると、Ack/Nackの情報量が減った場合、あらかじめAck/Nack用に設定しておいたCCEグループ内にAck/Nack情報が割り当てられないCCEが生じることとなり、無線リソースの使用効率が低下する。図23中のBは他のL1/L2制御情報対応のCCEグループを、網掛け部分は、UE間でCDMされたAck/Nackが割り当てられる領域を示す。
【0089】
本実施の形態では、Ack/Nack情報量の変動による無線リソースの使用効率の低下を抑えるため、Ack/Nackが割り当てられるCCEグループ(図23中のA1、A2)と他のL1/L2制御情報が割り当てられるCCEグループ(図23中のB)と、さらに、Ack/Nackもしくは他のL1/L2制御情報のどちらかが割り当てられる共用のCCEグループ(図24のE)を設けた方法を開示する。図24は、実施の形態3における共用のCCEグループ(図24のE)を設けた方法の一例を示す説明図である。図24は、Ack/Nackが少ないときを示す。図に示すように、全CCEはAck/Nack対応CCEグループ(図24のA)と、他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図24のB)、そして共用のCCEグループ(図24のE)に分割される。共用のCCEグループ(図24のE)はAck/Nack情報もしくは他のL1/L2制御情報どちらが割り当てられても良い。Ack/Nackが少ない場合は図のように、他のL1/L2制御情報が割り当てられるCCEグループになる。図24の処理4はCCEへの割り当て処理を示す。また、図24中のCはAck/Nack対応復調候補となるCCEの組み合わせ、図24中のDは他のL1/L2制御情報対応の復調候補となるCCEの組み合わせ、図24中のFは共用CCEグループ対応の復調候補となるCCEの組み合わせを示す。
【0090】
図25は、実施の形態3における共用のCCEグループ(図24のE)を設けた方法の一例を示す説明図である。図25は、Ack/Nackが多いときを示す。図に示すように、図24と同じく、全CCEはAck/Nack対応CCEグループ(図25のA)と、他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図25のB)、そして共用のCCEグループ(図25のE)に分割される。つまり、サブフレーム毎のAck/Nack数の変動に対して、分割方法は上記に固定しておく。しかし、図24の場合と異なり、図25の場合は、共用のCCEグループ(図25のE)にAck/Nack情報が割り当てられる。また、Ack/Nackの情報量の増減に応じて、図に示すようにL1/L2制御情報が割り当てられる全CCEの数が増減できるようにしても良い。増加した場合は、物理マッピングするOFDMシンボル数を増やすことで対応可能である。図25において、図24と同一の符号は同一または相当部分を示すので説明は省略する。
【0091】
次に、移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補について説明する。候補は、図24に示すそれぞれのCCEグループ内のCCEの組合せの中から予め決めておく。Ack/Nack対応のCCEグループの候補セット(図24、図25のC)は、Ack/NackがUE間でCDMされているため、例えばひとつにする等、候補数が少なくても良い。共用CCEグループの候補セット(図24、図25のF)は、他のL1/L2制御信号が割り当てられる可能性があるため、候補セットの候補数は他のL1/L2制御情報対応のCCEグループの候補セットの候補数と同程度にしておく。これにより、共用のCCEグループに関しても、他のL1/L2制御信号を割り当てることが可能となり、移動端末が候補セット内のCCEの候補をブラインドディテクションすることで復調可能となる。
【0092】
各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバー)はOFDMシンボル数に対応しており、それにともない、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0093】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。システム帯域内の全てのCCEはAck/Nack対応のCCEグループとその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ、そして共用のCCEグループに分けられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数―時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。なお、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0094】
本発明にかかる基地局と移動端末との動作の一例について説明する。本実施の形態は図21に示す、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報の情報種別毎にグルーピングした場合のシーケンスの一部を図26のように変更することで可能となる。図26は図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。図27は図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。基地局は、図21のST2102とST2103の処理を図26に示すように変更する。図26において、基地局はまず、移動端末に対して、送信する必要のある制御情報に対して、制御情報種別毎に処理を行う。まず、その他のL1/L2制御情報を移動端末毎にCRC付加、レートマッチング等処理を行う(ST2601)。次に基地局は、あるサブフレームにおいて送信するAck/Nackに必要とするCCEの数がAck/Nack対応グループのみのCCE数だけで足りるかどうかを判断する(ST2602)。足りている場合、Ack/Nack対応CCEグループへの割り当て用としてUE間でCDMを行い、MCS等の処理を行う(ST2603)。次に、前記処理後のAck/NackをAck/Nack対応のCCEグループ内の候補セットに割り当てる(ST2604)。次に、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループの候補セットへ割り当てる(ST2605)。そして、送信する全てのその他のL1/L2制御情報を、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループに割り当て切れなかった場合、残りの、その他のL1/L2制御情報を、共用のCCEグループ内候補セットへ割り当てる(ST2606)。一方、ST2602でAck/Nack対応CCEグループのみのCCE数で不足と判断した場合、Ack/Nack対応CCEグループ割り当てUEと共用グループ割り当てUEとをグループ化する(ST2607)。各グループでUE間でCDMを行い、MCS等の処理を行う(ST2608)。次に、Ack/NackをAck/Nack対応及び共用のCCEグループ内の候補セットに割り当てる(ST2609)。次に、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループの候補セットへ割り当てる(ST2610)。基地局は、その後、図21に示すST2104〜ST2106の処理を実行する。
【0095】
移動端末は、図21に示すST2107〜ST2109の処理を実行した後、図27の一連の処理を実行する。図27に示すように、移動端末は上りデータを送信して基地局からAck/Nackが送信されるのを待っている状態かどうかを判断する(ST2711)。Ack/Nackが送信されるのを待っている状態の場合は、図21のST2101であらかじめ通知された、Ack/Nack対応CCEグループ内候補セットのなかのCCE候補について、逆拡散、相関計算処理を行う(ST2712)。次に、自局宛てのAck/Nackの有無を判断する(ST2713)。自局宛のAck/Nackがある場合、Ack、Nackのいずれか判定する(ST2714)。一方、ST2713で自局宛てのAck/Nackの有無を判断した結果、自局宛のAck/Nackがない場合、図21ST2101であらかじめ通知された共用CCEグループ内の候補セットの逆拡散、相関計算処理を行うとともに、Ack、Nackのいずれか判定する(ST2715)。ST2711でAck/Nackが送信されるのを待っていない状態の場合は、図21ST2101であらかじめ通知された、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内候補セットのデコード処理を行う(ST2716)。デコード処理を行った結果、自局宛ての有無を判断し、有の場合は、図21のST2113の処理へ進む。一方、ST2717で自局宛ての有無を判断した結果、無の場合は、図21ST2101であらかじめ通知された共用CCEグループ内の候補セットのデコード処理を行う。移動端末は、その後、図21ST2113で示すように、以上の方法で受信したL1/L2制御情報に従って動作を実行する。
【0096】
以上のように本発明では、Ack/Nackが割り当てられるCCEグループと他のL1/L2制御情報が割り当てられるCCEグループと、さらに、Ack/Nackもしくは他のL1/L2制御情報のどちらかが割り当てられる共用のCCEグループを設けた方法とした。このため、実施の形態2の変形例2と同様の効果が得られるのに加え、さらに、Ack/Nack情報量がサブフレーム毎にダイナミックに変動する場合にも、Ack/Nack割り当て用に無駄なCCEを確保する必要がなく、無線リソースの使用効率の低下を抑えることが可能となる。さらに、移動端末と基地局であらかじめAck/Nackの割り当てるグループの優先順位を決めておく。具体的には例えば、図26、図27に示したように、Ack/Nackはまず、Ack/Nack対応のCCEグループから割り当てる、また、他のL1/L2制御情報は、他のL1/L2制御情報対応のCCEグループから割り当て、それぞれ割り当て切れない場合に共用のCCEグループに割り当てることとする。こうすることによって、移動端末は、Ack/Nackを待っている場合は、Ack/Nack対応のCCEグループの候補セットから逆拡散処理を行えばよく、そのグループにAck/Nackがあった場合は、共用のCCEグループの候補セットを逆算処理を行う必要がなくなる。また、他のL1/L2制御情報に関しても同様に、L1/L2制御情報対応のCCEグループの候補セットからブラインドディテクションを行えばよく、そのグループに他のL1/L2制御情報が存在した場合は、共用のCCEグループの候補セットのブラインドディテクションを行う必要がなくなる。従って、移動端末の復調処理を削減でき、低消費電力化、処理遅延時間の削減が可能となる。
【0097】
なお、本実施の形態では、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報について説明したが、コーディング方法が異なる制御情報に対して本発明は適用可能であり、同様の効果が得られる。
【0098】
実施の形態4.
実施の形態3で、Ack/NackをCDMして、他のL1/L2制御信号と別のコーディング方法としたので、移動端末においては、同じ復調方法でAck/Nackと他のL1/L2制御情報を復調することはできないこと、上りデータを送信する移動端末の数は、サブフレーム毎にダイナミックに変化する場合があり、それに伴い、基地局が送信するAck/Nackの情報量はサブフレーム毎に増減する場合が生じることを説明した。
このような場合、移動端末においては、復調しようとするCCEがどのコーディング方法でコーディングされたか、どのグループに属するかについてサブフレーム毎に認識しておく必要がある。そこで、実施の形態2第二の変形例では、コーディング方法が異なり、サブフレーム毎にダイナミックに増減する情報に対応するため、Ack/Nackに用いるCCEグループの数や範囲はシステム容量等に応じてあらかじめ大きめに設定しておく方法を開示した。また、実施の形態3では、Ack/Nackが割り当てられるCCEグループと他のL1/L2制御情報が割り当てられるCCEグループと、さらに、Ack/Nackもしくは他のL1/L2制御情報のどちらかが割り当てられる共用のCCEグループを設けた方法を開示した。
【0099】
本実施の形態では、Ack/Nack情報量の変動による無線リソースの使用効率の低下を無くすため、Ack/Nackに対応するCCEグループと他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとを設け、各グループの先頭のCCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法を開示する。図28は、実施の形態4における各グループの先頭のCCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法の一例を示す説明図である。図に示すように、全CCEはAck/Nack対応CCEグループ1(図28のA1)と、Ack/Nack対応グループ2(図28のA2)、そして他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図28のB)に分割される。ここで、Ack/Nack対応CCEグループ数はサブフレーム単位でダイナミックに増減する。Ack/Nackやその他のL1/L2制御情報が割り当てられた各CCEグループの先頭のCCEに、スクランブリングコードが乗じられる。Ack/Nack対応のCCEグループ1と2の先頭のCCEのデータCCE_A1とCCE_A2には、スクランブリングコードSaが乗じられ、それぞれCCE_B1とCCE_B2になり、それぞれもとのCCEグループの先頭のCCEに再度割り当てられる。一方、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループの先頭のCCE_A3にはSbが乗じられ、CCE_B3になり、CCE_B3はCCEグループの先頭のCCEに再度割り当てられる。SaとSbは直交させておく。以上のような構成とすることで、移動端末でL1/L2制御信号を受信時、Ack/Nackとその他のL1/L2制御信号のCCEグループを分別可能となる。
【0100】
各CCEグループ毎の固有のスクランブリングコードや、各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0101】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。システム帯域内の全てのCCEはAck/Nack対応のCCEグループとその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ、そして共用のCCEグループにわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。なお、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0102】
本発明にかかる基地局と移動端末との動作の一例について説明する。本実施の形態は図21に示す、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報の情報種別毎にグルーピングした場合のシーケンスの一部を図29のように変更することで可能となる。図29は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図29において、図21と同一の符号は同一又は相当する処理であるので説明は省略する。移動端末は、基地局よりL1/L2制御信号を受信する。図29の符号Aに示すように、移動端末はそれに先だち、あらかじめ基地局から「各CCEグループの数に応じた候補セットの情報」や、「拡散コード」、「スクランブリングコードSa、Sb」、「閾値Ta、Tb」が、例えばBCCHやL3シグナリングによって通知される。本例では通知されるとしたが、あらかじめ決められていても良い(ST2901)。
【0103】
移動端末は、ST2107〜ST2109までの処理を行った後、CCE毎にSaを乗じて相関計算を行い(ST2903)、相関計算結果が閾値Taより大きいか判定する(ST2904)。大きい場合(ST2904でYes)、そのCCEをAck/Nack対応のCCEグループの先頭のCCEと判定する(ST2905)。相関計算結果が閾値Taより小さい場合(ST2904でNo)、そのまま次のCCEの相関計算に移行する。全CCE相関計算を行ったかどうか判定し(ST2906)、相関計算および閾値との比較を全CCEに対して行うまで繰り返す。全CCEに対してSaを乗じる相関計算および閾値との比較、CCEグループの先頭の判定を終えたら、次にCCE毎にSbを乗じて相関計算を行う(ST2907)。そして、相関計算結果が閾値Tbより大きいかどうか判定する(ST2908)。大きい場合、そのCCEをその他L1/L2制御信号対応応のCCEグループの先頭のCCEと判定する(ST2909)。相関計算結果が閾値Tbより大きくない場合、そのまま次のCCEの相関計算に移行する。全CCE相関計算を行ったかどうか判定し(ST2910)、相関計算および閾値との比較を全CCEに対して行うまで繰り返す。全CCEに対してSbを乗じる相関計算および閾値との比較、CCEグループの先頭の判定を終えたら、次に、判定した各CCEグループの先頭のCCEから、各CCEグループの数、範囲を特定し、その数に応じた候補セットを導出する(ST2911)。このように、各CCEグループの先頭のCCEが判明することで、Ack/Nack対応のCCEグループが増減したとしても、各CCEグループのCCEの数、範囲が特定できることになる。
【0104】
以上のように本発明では、Ack/Nackに対応するCCEグループと他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとを設け、各グループの先頭のCCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法とした。このため、実施の形態2の第二の変形例と同様の効果が得られるのに加え、さらに、Ack/Nack情報量がサブフレーム毎にダイナミックに変動する場合にも、Ack/Nack割り当て用に無駄なCCEを確保する必要がなく、無線リソースの使用効率の低下を無くすことが可能となる。
また、本実施の形態4では、各CCEグループの先頭のCCEが判明することで、Ack/Nack対応のCCEグループが増減したとしても、各CCEグループのCCEの数、範囲が特定できることになることを説明したが、CCEグループの増減のみならず、CCEグループ内のCCE数の増減にも適用できる。その場合、CCEグループ内のCCE数と該CCEグループの候補セットを予め関連付けてく。関連付けに必要な関数は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。こうすることで、さらに、CCEグループ内のCCE数をサブフレーム単位で柔軟に増減できるので、さらに無線リソースの使用効率を向上することが可能となる。さらに、移動端末は数多くのCCEグループを逆拡散処理やブラインドディテクションする必要(例えば、実施の形態3のおける図27で示したST2711〜ST2718)がなくなるため、移動端末の復調処理を削減でき、低消費電力化、処理遅延時間の削減が可能となる。
【0105】
本実施の形態では、Ack/Nack情報量の変動による無線リソースの使用効率の低下を無くすため、Ack/Nackに対応するCCEグループと他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとを設け、各グループの先頭のCCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法を開示したが、各グループ先頭のCCEのみならず、各グループ内全CCEにそれぞれ各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法としても良い。各グループ内全CCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードが乗じられるため、移動端末においてCCE毎に相関計算を行う場合に相関の有無がより確実に判定できるという効果が生じる。
【0106】
また、本実施の形態では、各CCEグループの先頭のCCEに、各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗じる方法を開示したが、全てのCCEグループの先頭のCCEとそれ以外のCCEとで直交性のあるスクランブリングコードを乗じるようにしてもよい。これにより、必要とするスクランブリングコードは、CCEグループがいくつあったとしても、各CCEグループの先頭のCCEに乗じるスクランブリングコードは1つだけですむ。従って、残りのCCEに乗じるスクランブリングコードとあわせて、必要とするスクランブリングコードは2つですむ、という効果がある。さらに、先頭のCCEとそれ以外にCCEには直交するスクランブリングコードをそれぞれ乗じるので、移動端末において、CCE毎に相関計算を行う場合に相関の有無がより確実に判定できる、という効果が生じる。
【0107】
また、本実施の形態では、各CCEグループの先頭のCCEを相関計算により相関の有無を判定していたが、先頭のCCEではなく、各CCEグループの最後尾のCCEとしてもよい。CCEグループの数、範囲が特定できれば良い。
【0108】
なお、本実施の形態では、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報について説明したが、コーディング方法が異なる制御情報に対して本発明は適用可能であり、同様の効果が得られる。
【0109】
実施の形態5.
実施の形態4では、Ack/Nack情報量の変動による無線リソースの使用効率の低下をなくすため、Ack/Nackに対応するCCEグループと他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとを設け、各グループの先頭のCCEもしくは全CCEに各グループ固有の直交するスクランブリングコードを乗ずる方法を説明した。本実施の形態では、グルーピングされたCCE間に、L1/L2制御情報が割り当てられないダミーCCEを設け、該ダミーCCEにあらかじめきめられたデータ(例えばAll0やAll1等)を入れておく方法を開示する。図30は、実施の形態5におけるグルーピングされたCCE間に、L1/L2制御情報が割当てられないダミーCCEを設ける方法の一例を示す説明図である。図に示すように、全CCEはAck/Nack対応CCEグループ1(図30のA1)と、Ack/Nack対応グループ2(図30のA2)、他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ(図30のB)に分割され、そして各グループ間にダミーのCCE(図30のd)を設ける。ダミーのCCEには、あらかじめきめられたデータ(例えばAll0やAll1等)を入れておく。以上のような構成とすることで、Ack/Nack対応CCEグループ数がサブフレーム単位でダイナミックに増減した場合でも、移動端末でL1/L2制御信号を受信時、Ack/Nackとその他のL1/L2制御信号のCCEグループを分別可能となる。また、Ack/Nack対応CCEグループ数だけでなく、各グループのCCE数がサブフレーム単位でダイナミックに増減した場合にも適用できる。
【0110】
各CCEグループ間に挿入するダミーCCEのデータや、各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0111】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。システム帯域内の全てのCCE はAck/Nack対応のCCEグループとその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ、そして共用のCCEグループにわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。なお、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0112】
本発明にかかる基地局と移動端末との動作の一例について説明する。本実施の形態は図21に示す、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報の情報種別毎にグルーピングした場合のシーケンスの一部を次のように変更することで可能となる。図21のST2101で、あらかじめ基地局から移動端末に通知する情報に、拡散符号や、各CCEグループの数に応じた候補セットの情報や、ダミーCCEにどのようなデータが入るかの情報をいれておけばよい。さらに、ST2103と2104の間で、基地局はまず各グループ間のCCEにあらかじめ決められたデータを入力してダミーCCEを設けておく。基地局でのそれ以降の処理は図21と同じでよい。次に、移動端末での処理について説明する。図21ST2107で、Cat0とともにL1/L2制御情報を受信し、Cat0よりL1/L2制御情報に使用されるOFDMシンボル数を判定する。該判定結果にもとづいた値のOFDMシンボル数をデインタリーブ、デスクランブリング等の処理を行いCCEを導出する。ここで、ST2109とST2110との間で、ダミーCCEを検索する処理を行う。ダミーCCEにはあらかじめ決められたデータが入力されているため、そのデータで検索すればよい。実施の形態4のように、全CCEにスクランブリングコードを乗じて相関計算を行う必要がないので、移動端末での処理量は大幅に削減される。移動端末は、ダミーCCEを検索した後、ダミーCCEにもとづいて各CCEグループのCCE数や範囲を導出、それに対応した候補セットを導出する。各CCEグループのCCE数や範囲を導出、それに対応した候補セットの導出は、あらかじめ基地局から通知される各CCEグループの数に応じた候補セットの情報に入れておいてもよいし、あらかじめ決められていても良い。各CCEグループに対応する候補セットを導出した移動端末は、その後、移動端末は、図21のST2110以降の処理を行えばよい。
【0113】
以上のように、本発明では、グルーピングされたCCE間に、L1/L2制御情報が割り当てられないダミーCCEを設け、該ダミーCCEにあらかじめきめられたデータ(例えばAll0やAll1等)を入れておく方法とした。このため、実施の形態2の第二の変形例と同様の効果が得られるのに加え、さらに、Ack/Nack情報量がサブフレーム毎にダイナミックに変動する場合にも、Ack/Nack割り当て用に無駄なCCEを確保する必要がなく、無線リソースの使用効率の低下を無くすことが可能となる。さらに、たとえAck/Nack対応のCCEグループが増減したとしても、各CCEグループのCCEの数、範囲が特定できることになるため、CCEグループの増減のみならず、CCEグループ内のCCE数の増減にも適用できる。その場合、CCEグループ内のCCE数と該CCEグループの候補セットを予め関連付けてく。関連付けに必要な関数は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。こうすることで、さらに、CCEグループ内のCCE数をサブフレーム単位で柔軟に増減できるので、さらに無線リソースの使用効率を向上することが可能となる。さらに、移動端末は数多くのCCEグループの全てのCCEを逆拡散処理やブラインドディテクションする必要(図27で示したST2711〜ST2718)がなくなり、しかも、全てのCCEをスクランブリング処理による相関計算を行う必要(例えば、実施の形態4における図29で示したST2903〜ST2910)がなくなる。したがって、移動端末の復調処理を削減でき、低消費電力化、処理遅延時間の削減が可能となる。
【0114】
本実施の形態では、Ack/Nack情報量の変動による無線リソースの使用効率の低下を無くすため、グルーピングされたCCE間に、L1/L2制御情報が割り当てられないダミーCCEを設け、該ダミーCCEにあらかじめきめられたデータ(例えばAll0やAll1等)を入れておく方法を開示したが、ダミーCCEに実施の形態4と同様な方法を適用し、ある特定のスクランブリングコードを乗ずる方法としてもよい。この場合、コード数がダミーCCE用のひとつだけですむため最小ですむという効果がある。
【0115】
なお、本実施の形態では、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報について説明したが、コーディング方法が異なる制御情報に対して本発明は適用可能であり、同様の効果が得られる。
【0116】
実施の形態6.
上記の実施の形態および変形例では、システム帯域内の全てのCCEが各CCEグループにわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調、インタリーバ処理等を行い、周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う方法について開示した。また、2OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様に、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされることを説明した。上記のような方法の場合、全CCE一体にインタリーバ処理を行い物理リソースへマッピングするので、各CCEグループ毎にマッピングしたい物理領域がある場合に対応できない、という課題があった。そこで、本実施の形態では、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行い物理リソースへマッピングする方法を開示する。本方法を用いることによって、各CCEグループ毎に所望の物理リソースへマッピングすることが可能となる。
【0117】
本発明にかかる一例として、図19で示した、Ack/Nackとその他のL1/L2制御信号をグルーピングする場合について説明する。図に示すように、Ack/NackはCDMにより移動端末間の多重化が行われMCS等の処理の後CCE単位に分割される。一方、その他のL1/L2制御信号は移動端末毎にCRC付加、エンコード、レートマッチング等の処理が行われ、CCE単位に分割される。物理マッピングされるOFDMシンボル数に対応した全CCEは、Ack/Nack対応のCCEグループとその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループに分割される。基地局によって、移動端末間がCDMされたAck/NackはAck/Nack対応のCCEグループに割り当てられ、その他のL1/L2制御信号はその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループに割り当てられる。移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、それぞれのCCEグループ内で予め決めておく。これにより、Ack/Nackが送信される各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、Ack/Nack対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い。また、その他のL1/L2制御情報に関しても、各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い。
【0118】
各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバ)はOFDMシンボル数に対応しており、それにともない、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0119】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。図31は、実施の形態6における各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。ここでは、CCEグループ1はAck/Nack対応のCCEグループとし、CCEグループ2は他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとする。図31に示すように、物理マッピングされるOFDMシンボル数に対応した全CCEはAck/Nack対応のCCEグループ1とその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ2にわけられているが、これら全てのCCEを一体としてセル固有のスクランブリング処理、変調を行う。この後、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行い、各CCEグループ毎に割り当てられた周波数-時間軸上の物理リソースへのマッピングを行う。このように、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行うことで、所望の物理リソースへマッピングすることが可能となる。具体的には、例えば、Ack/Nackは誤り率等の要求から1番目のOFDMシンボル上にマッピングさせたい場合、図のように、CCEグループ毎にインタリーバ処理を行うことで、Ack/Nack対応のCCEグループ1をあらかじめ割り当てた1番目のOFDMシンボルに割り当て、マッピングすることが可能となる。各CCEグループと各グループ毎に割り当てれらる周波数―時間軸上の物理リソースの対応関係の情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0120】
図では、2OFDMシンボルへのマッピングの場合を示している。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。1OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様にでき、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0121】
本発明にかかる基地局と移動端末との動作の一例について説明する。本実施の形態は図21に示す、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報の情報種別毎にグルーピングした場合のシーケンスの一部を次のように変更することで可能となる。
図32は、図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。図33は図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。図32において、図21ST2103の処理を行ったあと、基地局は、全CCE一体でスクランブリング、変調処理を行う(ST3201)。そして、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行い(ST3202)、各グループ毎にnOFDMシンボル内の各CCEグループに割り当てられた領域にマッピングする(ST3203)。その後、基地局は図21ST2106以降の処理を行う。また、図33において、移動端末は、図21のST2108の処理を行った後、nOFDMシンボル内の各CCEグループに割り当てられた領域をそれぞれデインタリーバ処理する(ST3304)。そして、各CCEグループのデータを連結し(ST3305)、復調、デスクランブリング処理を行う(ST3306)。その後、移動端末は、図21のST2110以降の処理を行う。
【0122】
また、上記実施の形態においては、全CCE一体でスクランブリング、変調処理を行っている(ST3301)が、各CCEグループ毎にスクランブリング、変調処理を行っても良い。この場合、移動端末においては、ST3305、ST3306のかわりに、復調、デスクランブリングを各CCEグループ毎に行い、その後各CCEグループのデータを連結すればよい。これにより、基地局ではスクランブリング処理から物理リソースへのマッピング、移動端末では物理リソースのデインタリーバ処理からデでスクランブリング処理を各CCEグループ毎に一連に処理することが可能となり、処理の複雑さを軽減することができる。
【0123】
以上のように、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行い物理リソースへマッピングする方法とすることによって、実施の形態1の第二の変形例で述べたような効果に加えて、さらに、各CCEグループ毎に所望の物理リソースへマッピングすることが可能となる。これにより、各情報種別毎に要求される所望の受信品質に応じた物理マッピングが可能となる。また、時間的に早期に復調をしたい情報等を1番目のOFDMシンボルに割り当てることで、移動端末での早期復調が可能となり、遅延が少なく次の処理を行える。
特に、Ack/Nackは、要求される誤り率や移動端末におけるAck/Nack受信後の再送処理を行うため復調時間の短縮等がもとめられるため、1番目のOFDMシンボルに割り当てられることが要求される場合がある。このような場合に本発明を適用することによって、受信品質の向上、復調時間の短縮がはかれる。
【0124】
また、上記実施の形態においては、全CCE一体でスクランブリング、変調処理を行っている(ST3301)が、各CCEグループ毎にスクランブリング、変調処理を行っても良い。この場合、移動端末においては、ST3305、ST3306のかわりに、復調、デスクランブリングを各CCEグループ毎に行い、その後各CCEグループのデータを連結すればよい。これにより、基地局ではスクランブリング処理から物理リソースへのマッピング、移動端末では物理リソースのデインタリーバ処理からデでスクランブリング処理を各CCEグループ毎に一連に処理することが可能となり、処理の複雑さを軽減することができる。
【0125】
上記の実施の形態では、各CCEグループ毎に所望の物理リソースへマッピングすることが可能とするため、各CCEグループ毎にインタリーバ処理を行い物理リソースへマッピングする方法を開示した。本実施の形態では、各CCEグループ毎に所望の物理リソースへマッピングすることが可能とするため、OFDMシンボル数に対応した全CCE を、OFDMシンボル毎にインタリーバ処理を行い該OFDMシンボルへマッピングする方法を開示する。
【0126】
本発明にかかる一例として、図19で示した、Ack/Nackとその他のL1/L2制御信号をグルーピングする場合について説明する。図に示すように、Ack/NackはCDMにより移動端末間の多重化が行われMCS等の処理の後CCE単位に分割される。一方、その他のL1/L2制御信号は移動端末毎にCRC付加、エンコード、レートマッチング等の処理が行われ、CCE単位に分割される。基地局によって、移動端末間がCDMされたAck/NackはAck/Nack対応のCCEグループに割り当てられ、その他のL1/L2制御信号はその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループに割り当てられる。
【0127】
移動端末がブラインドディテクションしなくてはならないCCEの組合せ候補を、それぞれのCCEグループ内で予め決めておく。これにより、Ack/Nackが送信される各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、Ack/Nack対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い。また、その他のL1/L2制御情報に関しても、各移動端末は、システム帯域全体のCCEの組合せから決められた候補ではなく、その他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ内の候補をブラインドディテクションすれば良い。
【0128】
各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバ)はOFDMシンボル数に対応しており、それにともない、各CCEグループの候補セットが決められる。各CCEグループの候補セット情報は、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。また、各CCEグループ内のCCEの数や範囲の情報についても、基地局から移動端末に明確に通知(例えばBCCHやL3メッセージなどによりあらかじめ移動端末に通知する等)されても良いし、あらかじめ決められていても良い。
【0129】
次に、CCEを物理リソースへマッピングする方法について説明する。図34は、実施の形態6の変形例1における各CCEグループの物理リソースへのマッピング方法の一例を示す説明図である。ここでは、CCEグループ1はAck/Nack対応のCCEグループとし、CCEグループ2は他のL1/L2制御情報に対応するCCEグループとする。図34に示すように、物理マッピングされるOFDMシンボル数に対応した全CCEを、OFDMシンボル数毎に分割しておく。例えば2OFDMシンボルのときは、1番目のOFDMシンボル用(図34のA)と2番目のOFDMシンボル用(図34のB)に分割しておく。各CCEグループはそれぞれ所望のOFDMシンボルにマッピングされるように、分割された各OFDMシンボル用のCCEに割り当てられる。ここでは、Ack/Nack対応のCCEグループ1は1番目のOFDMシンボル用のCCEに割り当てられる。残りのCCEにその他のL1/L2制御情報対応のCCEグループ2が割り当てられる。
【0130】
各CCEグループは、所望のOFDMシンボルに割り当てられるようにする。前述したように、各CCEグループ内のCCEの数や範囲(ナンバリングされている場合はナンバー)はOFDMシンボル数に対応しているが、各CCEグループの数や範囲は、どのOFDMシンボルに割り当てられるかを考慮して決めておけば良い。
【0131】
各OFDMシンボル用CCE毎、例えば、1番目のOFDMシンボル用CCEと2番目のOFDMシンボル用に、セル固有のスクランブリング処理、変調処理を行い、さらにインタリーバ処理を行う。その後各OFDMシンボル用CCEはそれぞれ各OFDMシンボルにマッピングされる。1番目のOFDMシンボル用CCEは1番目のOFDMシンボルに、2番目のOFDMシンボル用CCEは2番目のOFDMシンボルにマッピングされる。上記のように、各OFDMシンボル毎にインタリーバを行い該OFDMシンボルへマッピングすることで、例えば、Ack/Nack対応のCCEグループ1は1番目のOFDMシンボルにマッピングすることが可能となる。
【0132】
図では、2OFDMシンボルへのマッピングの場合を示している。物理リソースへマッピングを行う場合、リファレンスシンボル、Cat0の情報がマッピングされる領域を除いた領域にマッピングする。1OFDMシンボルへマッピングする場合、3OFDMシンボルへマッピングする場合についても同様にでき、OFDMシンボル数に対応して全CCEの数が決められているので、OFDMシンボル数に対応した全CCEは所定のOFDMシンボル内の周波数-時間軸上の物理リソースへマッピングされる。
【0133】
本発明にかかる基地局と移動端末との動作の一例について説明する。本変形例は図21に示す、Ack/Nackと他のL1/L2制御情報の情報種別毎にグルーピングした場合のシーケンスの一部を次のように変更することで可能となる。図35は、図21に示す基地局の処理の詳細を示すフローチャートである。図36は、図21に示す移動端末の処理の詳細を示すフローチャートである。図35に示すように、図21ST2103の処理を行ったあと、基地局は、各OFDMシンボル用のCCE毎に、セル固有のスクランブリング処理、変調処理を行う(ST3501)。次に、各OFDMシンボル用のCCE毎にインタリーバ処理を行う(ST3502)。そして、n番目のOFDMシンボル用CCEから導出された処理後のデータをn番目のOFDMシンボルにマッピングする(ST3503)。その後、基地局は図21ST2106以降の処理を行う。図36に移動端末での処理の変更部分を示す。移動端末は、図21ST2108の処理を行った後、nOFDMシンボル内で各OFDMシンボル毎にデインタリーバ処理を行う(ST3604)。次に各OFDMシンボル毎に復調、デスクランブリング処理を行う(ST3605)。その後、移動端末は、図21ST2110以降の処理を行う。
【0134】
なお、上記実施の形態においては、OFDMシンボル毎にスクランブリング処理、変調処理、インタリーバ処理を行ったが、全CCE一体でスクランブリング、変調処理を行った後に、各OFDMシンボル毎にインタリーバ処理を行っても良い。この場合、移動端末においては、デスクランブリングを各OFDMシンボル毎に行い、その後、復調、デスクランブリング処理を全CCE一体でおこなう。
【0135】
以上のように、物理マッピングされるOFDMシンボル毎にインタリーバ処理を行い該OFDMシンボルへマッピングする方法とすることによって、実施の形態1の変形例2で述べたような効果に加えて、さらに、各CCEグループ毎に所望の物理リソースへマッピングすることが可能となる。これにより、各情報種別毎に要求される所望の受信品質に応じた物理マッピングが可能となる。また、時間的に早期に復調をしたい情報等を1番目のOFDMシンボルに割り当てることで、移動端末での早期復調が可能となり、遅延が少なく次の処理を行える。特に、Ack/Nackは、要求される誤り率や移動端末におけるAck/Nack受信後の再送処理を行うため復調時間の短縮等がもとめられるため、1番目のOFDMシンボルに割り当てられることが要求される場合がある。このような場合に本発明を適用することによって、受信品質の向上、復調時間の短縮がはかれる。さらに、OFDMシンボル毎にインタリーバ処理を行うため、基地局、移動端末ともに、インタリーバ、デインタリーバの大きさが一種類ですむ。従って回路規模を大きく削減でき、処理の簡単化もはかれることが可能となる。さらに、OFDMシンボル毎にセル固有のスクランブリングを行うため、必要となるセル固有のスクランブリングコードが1種類ですみ、コード資源の効率の良い使用が可能となる。また、各OFDMシンボル毎に、セル間で同じ長さのスクランブリングを用いることになるので、セル間の干渉抑圧性能を向上させることが可能となる。
【0136】
実施の形態7.
本実施の形態7においては、上記第四の課題を解決しつつAck/Nackと他のL1/L2制御情報を同じL1/L2制御情報領域へマッピングする方法を確立することを目的とする。実施の形態2で示すようにマッピングする場合、Ack/Nack以外のL1/L2制御情報(他のL1/L2制御情報)のマッピング可能領域は、L1/L2制御情報領域からAck/Nackマッピング領域を差し引いた領域に限定される。他のL1/L2制御情報の具体例としては(1)上り通信制御のためのL1/L2制御情報(具体例としては上りグラント(UL GRANT))(2)下り通信制御のためのL1/L2制御情報(具体例としては下り割り当て(DL Allocation))などがある。よって、基地局においてスケジューリング対象の移動端末が同時に多く存在するような場合には、他のL1/L2制御情報のマッピング可能領域を大きくしておきたいという課題が存在する。また、移動端末が他のL1/L2制御情報を受信した際に受信エラーを発生すると移動体通信システムとして処理遅延が増大する。よって周波数選択性フェージングに強い方法、具体的にはMCSに応じた他のL1/L2制御情報の送信が必要となる。この理由からも他のL1/L2制御情報のマッピング可能領域を大きくしたいという課題が存在する。
【0137】
図37は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図37において、図8と同一番号のステップは同一又は相当する処理を実施するものであるため、説明は省略する。ST3701にて、基地局は下りリンクにてAck/Nackを送信する必要がある移動端末に対して、Ack/Nack割り当てを通知する。ST3702にて、移動端末はAck/Nack割り当てを受信する。ST3703にて、基地局は他のL1/L2制御情報の候補に関わる情報を通知する。ST3704にて、基地局は各々の移動端末に対する他のL1/L2制御情報の候補セットを求める。他のL1/L2制御情報の候補セットを求める際、ST3701にてAck/Nackをどこに割り当てたか無関係に求める。この他のL1/L2制御情報の候補セットは、L1/L2制御情報領域全てを用いて求める。ただし、この限りではなく例えばAck/Nack領域に必ず用いる領域は確保しておき、他のL1/L2制御情報の領域としてAck/Nackにて確保した領域(上りデータを送信しAck/Nackを必要としている移動端末の数に変動に関わらず最低限必要な領域)以外のL1/L2制御情報全てを用いて他のL1/L2制御情報の候補セットを求めても良い。これにより、他のL1/L2制御情報の候補セット内に含まれる候補を削減することが出来る。よって、移動端末における処理負荷の軽減が図れる。これにより、移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。また、移動端末にてブラインド検出回数を削減することが可能であるため、処理遅延が短くなる。これにより移動体通信システムとしての上り且つ/または下りデータのスループット向上という効果を得ることができる。ST3705にて、移動端末は他のL1/L2制御情報の候補に関わる情報を受信する。ST3706にて、移動端末は他のL1/L2制御情報の候補セットを求める。候補セットの求め方は、基地局による他のL1/L2制御情報の候補セットの求め方と同じである。
【0138】
ST3707にて、基地局は該当移動端末宛てのAck/NackをST3701での割り当てに従ってマッピングする。ST3708にて、基地局はL1/L2制御情報用の領域にてST3701での割り当てを行わなかった領域内、言い換えればL1/L2制御情報用の領域にてST3705にてAck/Nackのマッピングを行わなかった領域内であって、各々の移動端末の他のL1/L2制御情報の候補セット内に含まれるように他のL1/L2制御情報をマッピングする。ST808にて、基地局は傘下の移動端末に対してL1/L2制御情報を送信する。ST809にて、移動端末は基地局からのL1/L2制御情報を受信する。
【0139】
ST3709にて、移動端末はAck/Nackの割り当てがあったか否かを判断する。割り当てが有った場合、ステップST3710へ進む。ST3710にて、移動端末はAck/Nackの受信処理を行う。その後、ステップST3711へ進む。ST3711にて、移動端末は他のL1/L2制御情報の候補セット内から候補を選択する。ST811からST813により他のL1/L2制御情報のブラインド検出を行う。この移動端末のブラインド検出時には、選択している候補内に自移動端末宛のAck/Nackあるいは他移動端末宛のAck/Nackの部分が含まれている場合には、デコード結果がNG(CRC NG)となるため、自移動端末かつ/または他移動端末宛のAck/Nack割当位置を気にすることなくブラインド検出することで、自分宛の他のL1/L2制御情報が存在するか否かブラインド検出することが可能である。
【0140】
実施の形態7を用いることにより、以下の効果を得ることができる。Ack/Nackのマッピングについては候補セットなどの制約がないので、L1/L2制御情報領域内に自由にマッピング可能であるという効果を得ることができる。さらに言えば、実施の形態7の方法を用いることで、Ack/NackのマッピングについてはL1/L2制御情報領域外にも自由にマッピング可能となる。また、図37のST3704にて他のL1/L2制御情報の候補セットを求める際に、ST3701にてAck/Nackをどこに割り当てたか無関係に求めることができる。この点において、他のL1/L2制御情報のマッピング可能領域をL1/L2制御情報領域全体に拡大可能とした点において、実施の形態7は第四の課題を解決している点において効果的である。更には、上りデータを送信しAck/Nackを必要としている移動端末の数に変動があっても、実施の形態7を用いれば、Ack/Nackは自由にマッピングすることが可能であるために、その変動に対応可能である。さらには、実施の形態7を用いれば、Ack/Nackを必要としている移動端末の数に変動があっても、他のL1/L2制御情報においてAck/Nackの割り当てを気にすることなく、ブラインド検出行うことが可能となる。このように、実施の形態7を用いることによって移動体通信システムとして新たな信号、基地局及び移動端末にて新たな処理を付加することなくAck/Nackの必要数の変動に対応することが可能であるという効果を得ることが出来る。この点において、実施の形態7は第五の課題を解決している点において効果的である。また、Ack/Nackは基地局から移動端末に対して割当が行われるために、移動端末にてブラインド検出を行う必要がない。よって、移動端末における処理負荷の軽減が図れる。これにより、移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。また、Ack/Nackを移動端末にてブラインド検出する必要がないため、処理遅延が短くなる。これにより移動体通信システムとしての上りデータのスループット向上という効果を得ることができる。
【0141】
変形例1では実施の形態7の方法において、特にAck/NackをCCE単位で割り当てる方法について説明する。シーケンス図は図37に類似しているため変更ステップ部分についてのみ説明する。変形例1では、ST3701の処理を、基地局は該当移動端末のAck/NackをCCE単位で割り当てて通知するようにする。また、ST3707の処理を、該当移動端末宛てのAck/NackをST3701でCCE単位に割り当てた割り当てに従ってマッピングするようにする。さらに、ST3711の処理を、ST3709にてAck/Nackの割り当てがあったと判断した場合と、割り当てがなかったと判断した場合とで処理を分けることとした。具体的には、Ack/Nackの割り当てがあったと判断した場合においては、他のL1/L2制御情報の候補セット中のAck/Nackが割り当てられたCCEが含まれる候補においては選択をしない、つまりブラインド検出を行わない。一方、Ack/Nackの割り当てがなかったと判断した場合においては、実施の形態7と同様の処理を行う。なお、このST3711に追加した処理は行わなくても良い。
【0142】
実施の形態7の変形例1を用いることにより実施の形態7の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。ST3701にて基地局から移動端末に対してAck/Nackの割当を行う際に、CCE単位で行うことが出来るので、周波数情報及び時間情報を用いた割当を行う必要がなく、割当に必要な情報量(ビット数)の削減が可能となる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また、移動端末にて自分宛ての他のL1/L2制御情報が存在するか否か判断するためにブラインド検出する際に、ステップST3711にて他のL1/L2制御情報の候補セット内から候補を選択する際に、自移動端末に対してAck/Nackの割当が行われたCCEを含む候補については選択を行わないように処理することが可能となる。言い換えれば、自移動端末に対してAck/Nackの割当が行われたCCEを含む候補についてはブラインド検出を行わなくても良い。このことはブラインド検出の回数を減らすことになり、移動端末の処理負荷の軽減が図れる。これにより、移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。また、ブラインド検出の回数を減らすことが可能であるので、移動体通信システムとしての処理遅延を削減することが出来るという効果を獲ることが出来る。
【0143】
また、第二の変形例として。Ack/Nackと他のL1/L2制御情報は周波数分割多重(Frequency Division Multiplexing:FDM)を用いて多重し、Ack/Nack内の移動端末間は符号分割多重(Code Division Multiplexing:CDM)を用いて多重を行う。この実施の形態7の第二の変形例は実施の形態7及び実施の形態7の第一の変形例に対して適応することが可能である。したがって、FDMだけでなく、CDMも併用することにより同じ周波数にてAck/Nackを割り当てることが可能な移動端末の数が増加する。よってAck/Nackが割り当てられる領域を減らすことができ、他のL1/L2制御情報を割り当て可能な領域を増やすことが出来る。よって無線リソースの有効活用という意味において効果を得ることができる。
【0144】
実施の形態8.
本実施の形態8において、解決しようとする課題について以下説明する。非特許文献5には、CCEから物理的なリソースへのマッピング方法について記載されているが、CCE単位に分割されたL1/L2制御情報をどのようにCCEへマッピングすればよいかの記載はない。さらに非特許文献3においては、下り制御チャネルはCCEの集合として構成されることが記載されている。よってCCE単位に分割されたL1/L2制御情報のマッピング方法はCCEのアグリゲーション(Aggregation)数の順列組み合わせ分存在することになる。現在アグリゲーション数は「1」「2」「4」「8」にて考えられている。具体的には、そのアグリゲーションの種類は、順列組み合わせにより計算できるので、アグリゲーション数が1のときは1種類、アグリゲーション数が2のときは2種類、アグリゲーション数が4のときは24種類、アグリゲーション数が8のときは40320種類とアグリゲーション数の増加に伴い膨大が数になる。
【0145】
次に下り制御情報へのCRC付加方法の一例について図38に示す。図38は、実施の形態8における下り制御情報へのCRC付加方法の一例を示す説明図である。図38において、網掛け部分はL1/L2制御情報、符号xは1CCEを示す。L1/L2制御情報にCRCを付加し、その後CCE単位に分割を行い、CCEへマッピングする。1つの移動端末宛のL1/L2制御情報は1つであっても複数あっても構わない。また、図38ではCRC付加後のデータ量にてCCEへマッピングを行っているが、これは簡易的に記載したためであり、この間に例えばエンコード処理、レートマッチング処理、MCS反映処理などが含まれても良い。
【0146】
非特許文献3において、移動端末が下り制御チャネルの候補セット(Candidate Set)をモニターすることが記載されている。実施の形態1に示すように移動端末は候補セットに含まれる候補につてブラインド検出を行う。よって候補セットに含まれる候補が増えるにつれて、ブラインド検出を行う回数が増える。これにより、移動端末の処理増加に伴う、消費電力の増加という問題が生じる。また候補数の増加は、自分宛てのL1/L2制御情報を検出するまでの平均時間が長くなることを意味し、移動体通信システムとしての処理遅延が増加するという問題が生じる。さらに自分宛てのL1/L2制御情報がないと判断するには、全ての候補にてデコード結果がNGであることを検出しなければならない。よって自分宛てのL1/L2制御情報がないと判断するまでの時間は、候補数の増加にともなって長くなる。このことは、アクティブ中のDRX動作を行っている移動端末にとっては、自分宛ての下り割り当てが存在しないとしてDRX動作へ移行するまでの時間が長くなり、移動端末のDRX動作期間が短くなる。よって移動端末の低消費電力化に悪影響を及ぼすという問題が生じる。例えば、移動端末において候補セットからアグリゲーション数「8」の候補を1つ選択した場合を考える。アグリゲーションの種類はアグリゲーション数が8のときは40320種類存在する。よって、移動端末は40320回の検出処理を行う必要が生じる。このように、アグリゲーションの種類の増加は移動端末の検出処理の増加につながり、候補セットに含まれる候補の増加と同様に、移動端末の処理増加に伴う、消費電力の増加という問題、移動体通信システムとしての処理遅延が増加するという問題等を生じさせる。実施の形態8は、前記課題を解決する方法を開示することを目的とする。
【0147】
図39は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図39において、図8と同一番号のステップは同一又は相当処理を実行しているため説明は省略する。ST3901にて、基地局はCCE単位に分割されたL1/L2制御情報を当該移動端末の候補内のCCEへマッピングする。ST3902にて、基地局は候補単位でCCEに番号付けを行い、その情報を埋め込む。現在アグリゲーション数は「1」「2」「4」「8」にて考えられている。よって番号は1〜8まで必要である。よって番号情報は3ビット必要となる。ST808にて、基地局は傘下の移動端末に対してL1/L2制御情報を送信する。ST809にて、移動端末は基地局からのL1/L2制御情報を受信する。ST810にて、移動端末はL1/L2制御情報の候補セット内から候補を1つ選択する。ステップST3903にて、移動端末は選択した候補のCCEを埋め込まれた番号に従ってCCEを並べ替える。ST811からST813によりブラインド検出を行う。
【0148】
実施の形態8を用いることにより、以下の効果を得ることができる。実施の形態8を用いてCCEをアグリゲーションする際に番号付けを行うことにより、移動端末において実際にデコード処理を行うアグリゲーションの種類を1種類とすることができる。これにより、アグリゲーション数の増加にともなう、移動端末のブラインド検出回数の増加が発生しなくなり、消費電力の増加を抑制することが出来るという効果を得ることができる。また自分宛てのL1/L2制御情報を検出するまでの移動体通信システムとしての処理遅延の増加も抑制することが出来るという効果を得ることが出来る。さらに自分宛てのL1/L2制御情報がないと判断するまでの時間が、候補数の増加にともなって長くなることは発生しないので、アクティブ(Active)中のDRX動作を行っている移動端末が、自分宛ての下り割り当てが存在しないとしてDRX動作へ移行するまでの時間が長くなり、移動端末のDRX動作期間が短くなり、よって移動端末の低消費電力化に悪影響を及ぼすことを抑制できるという効果を得ることができる。
【0149】
ここでさらに、移動端末のST3903において選択した候補のCCEを埋め込まれた番号に従って並べ替える際、並べ換えがうまく出来ない場合が考えられる。具体例としては、実際は他の移動端末4台宛のアグリゲーション数「2」のL1/L2制御情報が含まれているCCEを当該移動端末がアグリゲーション数「8」の候補として選択した場合が考えられる。前記具体例の場合は、番号付け「1」とされたCCEが3個、番号付け「2」とされたCCEが3個選択されたことになる、つまり番号付け「3」「4」「5」「6」「7」「8」が存在しないことになる。このようにST3903において選択した候補のCCEを埋め込まれた番号に従って並べ替えが行えない場合は、デコードを行うことなく、次の候補を選択すべくST813へ進むことが出来る。これにより、候補セットに含まれる候補中であってもデコード処理を行うことなく、次の候補を選択することが可能となる。これにより、候補数は維持しつつ移動端末のデコード処理回数を削減することが可能となり、移動端末の消費電力の削減という効果を得ることができる。また、自分宛てのL1/L2制御情報を検出するまでの移動体通信システムとしての処理遅延の削減も出来るという効果を得ることが出来る。さらに自分宛てのL1/L2制御情報がないと判断するまでの時間が、候補数を維持するにも関わらず、削減可能となることから、Active中のDRX動作を行っている移動端末が、自分宛ての下り割り当てが存在しないとしてDRX動作へ移行するまでの時間が短くなり、移動端末のDRX動作期間が長くなり、よって移動端末の低消費電力化という効果を得ることができる。
【0150】
図40は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図40は実施の形態8の第一の変形例にかかる処理の一例を示す。図40において、図39と同一番号のステップは同一又は相当する処理を実行しているので、説明は省略する。ST4001にて、基地局はCCE単位に分割されたL1/L2制御情報を当該移動端末の候補内のCCEへ移動体通信システムとして静的に決定された順序に従ってマッピングする。移動体通信システムとして静的に決定された順序の具体例としては、CCE単位に分割されたL1/L2制御情報を先頭から順番に周波数的に降順あるいは昇順にマッピングすることなどが考えられる。さらに、移動体通信システムとして準静的であってもよい。具体例としては基地局(セル)ごとに順序が変わってもよい。その際の変更のタイミングは位置登録時、ハンドオーバー時(サービングセル変更時)などが考えられる。また、その順序の通知方法は報知情報による通知や、L3制御信号により基地局から移動端末に対して通知されることなどが考えられる。ST808にて、基地局は傘下の移動端末に対してL1/L2制御情報を送信する。ST809にて、移動端末は基地局からのL1/L2制御情報を受信する。ST810にて、移動端末はL1/L2制御情報の候補セット内から候補を1つ選択する。ST4002にて、移動端末は移動体通信システムとして静的にあるいは、準静的に決定された順序に従ってCCEを並べ替える。ST811からST813によりブラインド検出を行う。
【0151】
実施の形態8の変形例1を用いることにより実施の形態8の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。CCEに番号情報を埋め込む必要がなくなるため、実施の形態1と比較して無線リソースを有効に活用することが可能となる。
【0152】
次に第二の変形例を説明する。図41は、基地局から移動端末にL1/L2制御情報を送信する処理と、移動端末においてL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を示すフローチャートである。図41は実施の形態8の第二の変形例にかかる処理の一例を示す。図41において、図40と同一番号のステップは同一又は相当する処理を実行しているので、説明は省略する。移動体通信システムとしてL1/L2制御情報の情報量、エンコード方法、レートマッチング方法などを調整して、CCEのアグリゲーションが行われるのは、CCE単位の繰り返し(Repetition)のみとする。つまりアグリゲーションはMCSに従って行われるものと考えることができる。具体例としては、無線環境が悪い場合は繰り返し回数を増やし、反対に無線環境が良い場合は繰り返し回数を減らす。よって、ステップST4101にて基地局はCCE単位に分割されたL1/L2制御情報の順序を気にすることなくアグリゲーションすることができる。ST4102にて、移動端末はそれぞれのCCEの順序を気にすることなく足し合わせる。具体例としては電力的に足し合わせる。
【0153】
実施の形態8の変形例2を用いることにより、実施の形態8及び実施の形態8の変形例1の効果に加えて、CCEの順序を気にする必要がなくなるため、基地局及び移動端末における処理負荷が軽くなるという効果を得ることが出来る。
【0154】
次に第三の変形例を説明する。図42に図38とは別の下り制御情報へのCRC付加方法の一例について示す。L1/L2制御情報(図42網掛け部分)をCCE単位(図42の符号x)に分割し、その後CRCを付加してCCEへマッピングする方法である。1つの移動端末宛のL1/L2制御情報は1つであっても複数であっても構わない。CRCがCCE単位で付加されているので、ブラインド検出をCCE単位で行う、言い換えれば自分宛てのL1/L2制御情報か否かの判断をCCE単位で行うとすれば、L1/L2制御情報のマッピング方法の種類の増加によってブラインド検出回数は増加しない。しかし、ブラインド検出後のCCEをどのように組み合わせれば、自分宛てのL1/L2制御情報とできるか不明となるという問題が生じる。
【0155】
解決策としては上記実施の形態8、実施の形態8の変形例1、実施の形態8の変形例2に示した方法を用いることができる。これにより、ブラインド検出後のCCEをどのように組み合わせれば自分宛てのL1/L2制御情報となるか不明となるような問題は解決される。
【0156】
実施の形態8、実施の形態8の変形例1、実施の形態8の変形例2、実施の形態8の変形例3は、上記実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6について適応可能である。実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5、実施の形態6に示した各々のグループにて実施の形態8、実施の形態8の変形例1、実施の形態8の変形例2、実施の形態8の変形例3の別々の方法を用いてCCE単位に分割されたL1/L2制御情報をCCEへマッピングすることが可能である。
【0157】
実施の形態9.
非特許文献3には、移動端末が下り制御チャネルの候補セット(Candidate Set)をモニターすることが記載されている。しかし、基地局から傘下の移動端末に対して、それぞれの移動端末がモニターする候補セットをシグナリングすることは、多くの無線リソースを消費するので、基地局から移動端末に対して候補セットをシグナリングせず、基地局及び移動端末が候補セットを求めることが好ましい。なお、3GPPでは、候補セットはサーチスペース(Search space)とも称される。非特許文献4には、シグナリングを用いない方法の一つが開示されている。具体的には、移動端末の識別子(UE-ID)、Cat.0値を変数とし、ランダム関数を用いて移動端末及び基地局にて下り制御チャネルの候補セットを求めることが開示されている。しかし、非特許文献4は、例えばパーシステントスケジューリングのように、ある周期毎に無線リソースの割当てが行われる場合について考慮されていない。ある周期毎に候補セットに含まれる候補が割当てられる無線リソースが同じとなってしまう場合の課題についてもまったく開示されていない。
【0158】
LTEで導入が予定されているパーシステントスケジューリングの周期性のパラメータは、ミリ秒単位での指定が考えられる。これは、パーシステントスケジューリングが用いられる音声通信において、例えばAMRを圧縮符号化に用いた音声通信では、通話状態時20ミリ秒毎にデータが更新され、送受信されるためである。一方、3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msと決められている。現在の3GPPにおけるフレーム構成の決定事項が、非特許文献10(5章)に記載されている。図43はLTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図43において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10ミリ秒である。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Sub-frame)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(Slot)に分割される。従って、例えば音声通信など20ミリ秒毎のデータの更新のため、パーシステント周期の一つとして無線フレームでの指定が考えられ、当該周期毎に候補セットに含まれる候補が割当てられる無線リソースが同じとなる場合、上述したような問題が生じてしまう。
【0159】
本実施の形態9においては、上記第六の課題を解決することを目的とし、基地局及び移動端末において、下り制御チャネルの候補セットを求める際に、無線フレームを用いる方法を開示する。
【0160】
図44は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。図44に示される機能ブロックは、移動端末には図4の制御部15、基地局には図5の制御部26に実装されているものとする。図44において、無線フレーム入力部4401から候補セット算出部1103へ無線フレームが入力される。入力される無線フレームのパラメータの具体例としては、無線フレーム番号(SFN(System Frame Number))などが考えられる。また、パーシステント周期が無線フレーム単位で規定される場合、無線フレームのパラメータの具体例としては、(SFN div パーシステント周期)が考えられる。これにより、無線フレームのパラメータの最大値が抑制されるという効果を得ることが出来る。
【0161】
また、その他の変数入力部1102から候補セット算出に関わる無線フレーム以外の変数が候補セット算出部1103へ入力される。その他の変数入力部1102より候補セット算出部1103に入力される変数は、例えば、移動端末の識別子(UE-ID)やCat.0値、「CCEグループ」を指定するパラメータがある。
【0162】
候補セット算出部1103は、入力された無線フレームとその他の変数を用いてL1/L2制御情報候補セットを算出する。算出方法の具体例としてはランダム関数を用いることも可能であるが、その他の方法であっても良い。候補セット算出部1103により算出された候補セットは、L1/L2制御情報候補セット保存部1104に保存され、候補内においてL1/L2制御信号のデコード処理が行われる。
【0163】
図45は、実施の形態9で用いるL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を説明するフローチャートである。図45は図8と類似しているため変更ステップ部分についてのみ説明する。図45において、基地局から移動端末に対して無線フレーム番号が報知され(ST4501)、移動端末は基地局から無線フレーム番号を受信する(ST4502)。具体例としては、無線フレーム番号は、報知情報としてBCCH(Broadcast Control Channel)上にのせられ、BCH(Broadcast Channel)にマッピングされることが考えられる。また無線フレーム番号は、SFNとして通知されることが考えられる。さらに、基地局から移動端末に対して無線フレーム以外の「その他の変数」が通知され(ST803)、移動端末は基地局から通知された「その他の変数」を受信する(ST804)。基地局及び移動端末は、ST4501およびST4502で送受信された無線フレーム番号を用いて、L1/L2制御情報の送受信が行われる無線フレーム番号を求め、当該無線フレーム番号と候補セット算出に関わる無線フレーム以外の変数からL1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をそれぞれ求める(ST4503、ST4504)。基地局と移動端末でそれぞれ実行されるL1/L2制御情報の候補セット算出方法は同じである。
【0164】
ST4501において無線フレーム番号とパーシステント周期のいずれか一方、または両方が報知され、ST4502で受信されても良い。基地局および移動端末において、当該パーシステント周期を用いることによって無線フレーム番号が導出されるようにしておけば良い。
【0165】
候補セットは、無線フレーム番号など、候補セットを算出するための変数が変化するタイミングで求めればよい。無線フレーム番号が変化するタイミングとは、無線フレーム毎となるので、候補セットを算出するタイミングは無線フレーム毎となる。候補セットを求めるタイミングとしては、上記説明のように、無線フレーム番号など候補セットを算出するための変数に変化があったときではなく、一定の時間間隔ごとに候補セットを求めるようにしても良い。また、基地局と移動端末間で候補セットを求めるための「トリガ」がやり取りされた際に候補セットを求めても良い。また、ある周期毎に無線リソースの割当て(例えばパーシステントスケジューリング)が行われている場合には、実際に移動端末がL1/L2制御信号を受信する必要があるタイミング毎、具体例としてはパーシステント周期毎に候補セットを求めても良い。パーシステントスケジューリングが行われている場合に、パーシステント周期毎に候補セットを求めることにより基地局及び移動端末における、L1/L2制御情報を実際には送信及び受信する必要のないタイミングにおける候補セットを求める処理が不要となり、基地局及び移動端末における処理負荷軽減という効果を得ることが出来る。前記パーシステントスケジューリングが行われている場合の具体例としては以下が考えられる。(1)基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されている場合。(2)当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが活性となっている場合。
【0166】
ST814にて、移動端末は次のL1/L2制御情報受信タイミングまで待機し、その後ST4502へ戻る。具体例としては、ダイナミックスケジューリングされている移動端末においては、次のサブフレームの最初のスロットの最初の1OFDMシンボルあるいは、2OFDMシンボルあるいは、3OFDMシンボルの受信まで待機する。あるいは、アクティブ(Active)中のDRX動作をしている移動端末においては、次のDRX周期後のL1/L2制御情報の受信動作時間(オン持続時間:on-duration)まで待機する。アクティブ中のDRX動作(DRX in RRC_CONNECTED)とは、LTE(E-UTRAN)にて移動端末の低消費電力をサポートするために新しく設けられた状態である。移動端末の動作としては、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末宛の割当が無いと判断したなら、アクティブ中のDRX動作へ再び移行する。一方、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末あての割当有りと判断したなら、移動端末はアクティブ中のDRX動作を行わず、L1/L2制御情報の指示に従う。あるいは、パーシステントスケジューリングが活性化されている移動端末においては、パーシステント周期後のL1/L2制御情報の受信動作タイミングまで待機する。
【0167】
また、ある周期毎に無線リソースの割当てが行われている場合、当該周期がサブフレーム単位で規定されている場合も本実施の形態は適用可能である。当該周期が、例えば10*aサブフレーム(aは正の整数)の場合、a無線フレーム毎に同じサブフレームに割当てが行われることとなり、無線フレーム単位の規定と実質的に同じとなる。このような場合は、上述したのと同じ問題、課題を生じる。このような場合にも、本実施の形態は適用可能であり、同等の効果を得ることが可能となる。具体例として、図45のST4501、ST4502で無線フレーム番号の報知および受信が行われた後に、RRCによって基地局から移動局へ報知されたサブフレーム単位のパーシステント周期を用いてL1/L2制御情報の送受信が行われる無線フレーム番号を導出する。基地局および移動端末において、当該サブフレーム単位のパーシステント周期を無線フレームに換算し(上記例では、10*aサブフレーム/10=a無線フレーム)、当該無線フレームから無線フレーム番号が導出されるようにしておけば良い。また、当該無線フレームから無線フレーム番号の導出の具体例として、前記に開示した(SFN div パーシステント周期)=(SFN div a)としても良い。導出された無線フレーム番号を、図44に示した無線フレーム入力部4401に入力すれば良い。ST4501において無線フレーム番号かつ/またはサブフレーム単位のパーシステント周期が報知され、ST4502で受信されても良い。基地局および移動端末において、当該サブフレーム単位のパーシステント周期を用いることによって無線フレーム番号が導出されるようにしておけば良い。
【0168】
実施の形態9により、無線フレームが候補セット算出に関して変数となる。このため、無線フレーム(10ms)毎に異なる候補セットが算出可能となる。よって、また、ある周期毎に無線リソースの割当て(例えばパーシステントスケジューリング)が行われている移動端末の無線環境が悪くなった場合であっても、次の当該周期(例えばパーシステント周期(数十ミリ後と考えられる))後の割当てにおいて候補セットを変更できる。そのため、無線環境の良い候補により当該移動端末宛てのL1/L2制御信号が基地局から移動端末へ通知可能な移動体通信システムを構築することができる効果を得る。
【0169】
次に、実施の形態9の変形例1について説明する。本変形例1においては、無線フレームを候補セット算出部の単独の変数とするのではなく、他の変数とあわせて候補セット算出部へ入力する方法を開示する。図46は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。図46は図44と類似しているため、変更部分についてのみ説明する。図46に示される機能ブロックは、移動端末には図4の制御部15、基地局には図5の制御部26に実装されているものとする。図46においては、無線フレーム入力部は単独で持たず、他の変数とあわせて候補セット算出部へ入力される。具体例としては、サブフレームがその他の変数として定義されている場合を考える。その他の変数入力部より、SFNの関数となったサブフレーム番号を入力する。具体例としては(サブフレーム+SFN mod K)を入力する(Kは正の整数)。また別の具体例としては(サブフレーム+SFN div パーシステント周期)を入力する。変形例1の処理を説明するフローチャートは図45と同様であるので、説明を省略する。本変形例1においても、実施の形態9と同様の効果を得ることが可能となる。
【0170】
実施の形態9及び実施の形態9の変形例1については実施の形態1と合わせて用いることが出来る。
【0171】
実施の形態10.
本実施の形態10においては、上記第六の課題を解決することを目的とし、基地局及び移動端末において、下り制御チャネルの候補セットを求める際に、パーシステントスケジューリングの有無を用いる方法を開示する。
【0172】
図47は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。図47は図44と類似するため、変更部分のみ説明する。図47において、パーシステントスケジューリングの有無入力部4701から候補セット算出部1103へパーシステントスケジューリングの有無が入力される。パーシステントスケジューリングの有無のパラメータの具体例としては、パーシステントスケジューリング有りの場合は「1」、パーシステントスケジューリング無しの場合は「0」などが考えられる。パーシステントスケジューリングの有無のパラメータ設定のため、基地局および移動端末においてパーシステントスケジューリングの有無の判断を行う。パーシステントスケジューリングの有無の判断の具体例としては以下が考えられる。(1)基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されている場合、パーシステントスケジューリング有り。パーシステント周期が未設定の場合、パーシステントスケジューリング無し。(2)当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが活性となっている場合、パーシステントスケジューリング有り。パーシステントスケジューリングが非活性となっている場合、パーシステントスケジューリング無し。
【0173】
図48は、実施の形態10で用いるL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を説明するフローチャートである。図48は図8と類似しているため変更ステップ部分についてのみ説明する。図48において、基地局から移動端末に対してパーシステントスケジューリングの有無が通知され(ST4801)、移動端末は基地局からパーシステントスケジューリングの有無を受信する(ST4802)。具体例としては、パーシステントスケジューリングの有無がパーシステント周期が設定されているか否かで判断される場合(前記(1))、パーシステント周期は、基地局から移動端末に対してRRCプロトコルを用いて通知されることが考えられている。当該パーシステント周期の通知をもって、パーシステントスケジューリングの有無の通知としても良い。また、パーシステントスケジューリングの有無がパーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性にて判断される場合(前記(2))、パーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性は、基地局から移動端末に対してL1/L2制御情報を用いて通知されることが考えられている。当該パーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性の通知をもって、パーシステントスケジューリングの有無の通知としても良い。基地局から移動端末に対してパーシステントスケジューリングの有無以外の「その他の変数」が通知され(ST803)、移動端末は基地局から通知された「その他の変数」を受信する(ST804)。基地局及び移動端末は、パーシステントスケジューリングの有無と候補セット算出に関わるその他の変数からL1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をそれぞれ求める(ST4803、ST4804)。基地局と移動端末でそれぞれ実行されるL1/L2制御情報の候補セット算出方法は同じである。
【0174】
候補セットは、パーシステントスケジューリングの有無など、候補セットを算出するための変数が変化するタイミングで求めればよい。候補セットを求めるタイミングとしては、上記説明のように、パーシステントスケジューリングの有無など候補セットを算出するための変数に変化があったときではなく、一定の時間間隔ごとに候補セットを求めるようにしても良い。また、基地局と移動端末間で候補セットを求めるための「トリガ」がやり取りされた際に候補セットを求めても良い。パーシステントスケジューリングが行われている場合には、実際に移動端末がL1/L2制御信号を受信する必要があるタイミング毎、具体例としてはパーシステント周期毎に候補セットを求めても良い。パーシステントスケジューリングが行われている場合に、パーシステント周期毎に候補セットを求めることにより基地局及び移動端末における、L1/L2制御情報を実際には送信及び受信する必要のないタイミングにおける候補セットを求める処理が不要となり、基地局及び移動端末における処理負荷軽減という効果を得ることが出来る。前記パーシステントスケジューリングが行われている場合の具体例としては以下が考えられる。(1)基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されている場合。(2)当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが活性となっている場合。
【0175】
ST814にて、移動端末は次のL1/L2制御情報受信タイミングまで待機し、その後ST4802へ戻る。具体例としては、ダイナミックスケジューリングされている移動端末においては、次のサブフレームの最初のスロットの最初の1OFDMシンボルあるいは、2OFDMシンボルあるいは、3OFDMシンボルの受信まで待機する。あるいは、アクティブ(Active)中のDRX動作をしている移動端末においては、次のDRX周期後のL1/L2制御情報の受信動作時間(オン持続時間:on-duration)まで待機する。アクティブ中のDRX動作(DRX in RRC_CONNECTED)とは、LTE(E-UTRAN)にて移動端末の低消費電力をサポートするために新しく設けられた状態である。移動端末の動作としては、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末宛の割当が無いと判断したなら、アクティブ中のDRX動作へ再び移行する。一方、L1/L2制御情報の受信動作時間にて移動端末が自移動端末あての割当有りと判断したなら、移動端末はアクティブ中のDRX動作を行わず、L1/L2制御情報の指示に従う。あるいは、パーシステントスケジューリングが活性化されている移動端末においては、パーシステント周期後のL1/L2制御情報の受信動作タイミングまで待機する。
【0176】
実施の形態10により、パーシステントスケジューリングの有無が候補セット算出に関して変数となる。このため、パーシステントスケジューリング有りの場合は、パーシステントスケジューリングに適した候補セットが算出可能となる。よってパーシステントスケジューリングが行われている移動端末に対して、次のパーシステント周期後の割当てにおいて候補セットを変更する等が可能となり、当該移動端末の無線環境が悪くなった場合にも無線環境の良い候補により当該移動端末宛てのL1/L2制御信号が基地局から移動端末へ通知可能な移動体通信システムを構築することができる効果を得る。
【0177】
次に実施の形態10の変形例1について説明する。本変形例1においては、パーシステントスケジューリングの有無を変数とし、当該変数を用いて候補セットの算出を行う方法を開示する。図47において、パーシステントスケジューリングの有無入力部4701から候補セット算出部1103へパーシステントスケジューリングの有無が入力される方法を開示した。また、パーシステントスケジューリングの有無のパラメータの具体例として、パーシステントスケジューリング有りの場合は「1」、パーシステントスケジューリング無しの場合は「0」とする方法を開示した。当該パーシステントスケジューリングの有無のパラメータをPSとし、変数PSを用いて候補セットの算出を行う。具体例として、サブフレームがその他の変数として定義されている場合を考える。候補セット算出部1103において、当該サブフレームの変数を、パーシステントスケジューリング有無の変数を用いて算出しなおす。具体例としては、サブフレーム=(サブフレーム+(n−1)*PS)とする。ただし、nは正の整数で、パーシステントスケジューリングの際に、パーシステント周期で連続して割当てが行われる際の連続回数とする。すなわち、最初のパーシステントの割当が行われたときはn=1、パーシステント周期後の2番目の割当てが行われたときはn=2、さらにパーシステント周期後の3番目の割当てが行われたときはn=3、・・・、さらにパーシステント周期後のn番目の割当てが行われたときはn=nとする。nは連続して割当てられた回数に応じて1ずつ増加する。パーシステントスケジューリング無しの場合は、PS=0なので、サブフレーム=サブフレームとなり、その他の変数として入力されたサブフレームのままとなる。算出方法を上記のようにすることで、パーシステントスケジューリング有りの場合に、変数サブフレームの値をパーシステント周期毎に連続して同じ値にならないようにでき、従って、パーシステント周期毎に連続して同じ候補セットにならないようにすることが可能となる。変形例1の処理を説明するフローチャートは図45と同様であるので、説明を省略する。
【0178】
上記具体例では、nはパーシステント周期で連続して割当てが行われる際の連続回数としたが、パーシステント周期で連続して割当が行われる際のではなく、パーシステントスケジューリングが開始されてからの割当が行われる回数であっても良い。また、上記具体例では、サブフレームの変数をパーシステントスケジューリング有無の変数を用いて算出しなおす方法としたが、この限りではなく、その他の変数をパーシステントスケジューリングの有無の変数を用いて算出しなおす方法としてもよい。さらに具体的に、その他の変数を、パーシステント周期毎で連続して割当てられる回数あるいはパーシステントスケジューリングが開始されてからの割当が行われる回数を用いて算出しなおす方法としても良い。また、本変形例ではパーシステントスケジューリングの有無を変数としたが、パーシステントスケジューリングに限らず、ある周期毎に無線リソースの割当てが行われている場合であっても本方法は適用可能である。ある周期毎に無線リソースの割当が行われているかどうかを変数とすれば良い。本変形例1の方法によって、実施の形態10と同様の効果を得ることが可能となり、さらに、パーシステントスケジューリングの有無で同じ算出方法を利用可能なため、候補セット算出部の処理量を削減可能となり、移動端末の消費電力の削減、処理時間の遅延の削減が可能となる。さらに、パーシステントスケジューリング有り時に、割当回数に応じて1(1に限らずk(整数)であれば良い)ずつ増加させるという単純な処理で行えるため、候補セット算出部の処理量を削減可能となる。実施の形態10については実施の形態9および実施の形態1と合わせて用いることが出来る。
【0179】
実施の形態11.
本実施の形態11においては、上記第六の課題を解決することを目的とし、パーシステントスケジューリングの有無を用いて、下り制御チャネルの候補セットの算出方法の切り替えを行う方法を開示する。
【0180】
図49は、L1/L2制御情報を含む候補セットを求めるための機能を説明する機能ブロック図である。図49は図44と類似するため、変更部分のみ説明する。実施の形態11においては、パーシステントスケジューリングの有無を用いて、下り制御チャネルの候補セットの算出方法を切り替える。当該切り替えの具体例について図49ではパターン(a)、パターン(b)の2例について説明する。パターン(a)について説明する。パーシステントスケジューリング有りの場合は、パーシステントスケジューリングに適した候補セットの算出方法を用いる。具体例としては、パーシステント周期毎に同じ無線リソースを用いる候補セットとならないような、候補セット算出方法を用いる。更に具体例としては、パーシステント周期毎に同じ無線リソースを用いる候補セットとならないようにするための変数を、候補セット算出部へ入力する算出方法を用いる。更に具体例としては、無線フレームを候補セット算出部へ入力する算出方法を用いる(図49 (a)−(1)参照)。また、パーシステントスケジューリングの有無を変数として、無線フレームまたは/かつパーシステントスケジューリングの有無の変数を候補セット算出部へ入力する算出方法を用いても良い。
【0181】
パーシステントスケジューリング無しの場合は、パーシステントスケジューリングのことを考慮しない(ダイナミックスケジューリングに適したとも言える)、候補セットの算出方法を用いる。具体例としては、パーシステント周期毎に同じ無線リソースを用いる候補セットとならないようにするための変数を、候補セット算出部へ入力しない算出方法を用いる。更に具体例としては、無線フレームを候補セット算出部へ入力しない算出方法を用いる(図49 (a)−(2)参照)。また、パーシステントスケジューリングの有無を変数として、無線フレームまたは/かつパーシステントスケジューリングの有無の変数を候補セット算出部へ入力しない算出方法を用いても良い。前記パーシステントスケジューリングの有無の判断基準の具体例としては、以下が考えられる。(1)基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されている場合、パーシステントスケジューリング有り。基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されていない場合は、パーシステントスケジューリング無し。(2)当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが活性となっている場合は、パーシステントスケジューリング有り。当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが非活性となっている場合は、パーシステントスケジューリング無し。
【0182】
パターン(b)について説明する。スイッチ4901は、パーシステントスケジューリング有りの場合は、1側に倒れる。一方パーシステントスケジューリング無しの場合は、2側に倒れる。切り替え判断に用いる、パーシステントスケジューリングの有無の判断基準の具体例としては、以下が考えられる。(1)基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されている場合、パーシステントスケジューリング有り。基地局から当該移動端末に対してパーシステント周期が設定されていない場合は、パーシステントスケジューリング無し。(2)当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが活性となっている場合は、パーシステントスケジューリング有り。当該移動端末に対するパーシステントスケジューリングが非活性となっている場合は、パーシステントスケジューリング無し。パーシステントスケジューリング有りの場合について説明する。スイッチ4901は、1側に倒れる。よって無線フレーム入力部4401から候補セット算出部1103へ無線フレームが入力される。ここで、無線フレーム入力部4401は、パーシステント周期毎に同じ無線リソースを用いる候補セットとならないようにするための変数入力部であれば、この限りではない。代替の変数の具体例としては、パーシステント周期などが考えられる。スイッチ4901が1側に倒れ、無線フレーム入力部4401から候補セット算出部1103へ無線フレームが入力されることで、パーシステント周期毎に同じ無線リソースを用いる候補セットとならないような、候補セット算出方法とすることが可能となる。これにより、パーシステントスケジューリングに適した候補セットの算出方法を用いることが出来る。
【0183】
パーシステントスケジューリング無しの場合について説明する。スイッチ4902は、2側に倒れる。よって固定値入力部4902から候補セット算出部1103へ固定値が入力される。当該固定値はあらかじめ決められていても良いし、報知情報として基地局から移動端末へ報知されても良いし、RRCプロトコルを用いて基地局から移動端末へ通知されていても良い。
【0184】
図50は、実施の形態11で用いるL1/L2制御情報を含む候補セットを求める処理を説明するフローチャートである。図50は図8と類似しているため変更ステップ部分についてのみ説明する。基地局から移動端末に対してパーシステントスケジューリングの有無が通知され(ST5001)、移動端末は基地局からパーシステントスケジューリングの有無を受信する(ST5002)。具体例としては、パーシステントスケジューリングの有無がパーシステント周期が設定されているか否かで判断される場合(前記(1))、パーシステント周期は、基地局から移動端末に対してRRCプロトコルを用いて通知されることが考えられている。当該パーシステント周期の通知をもって、パーシステントスケジューリングの有無の通知としても良い。また、パーシステントスケジューリングの有無がパーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性にて判断される場合(前記(2))、パーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性は、基地局から移動端末に対してL1/L2制御情報を用いて通知されることが考えられている。当該パーシステントスケジューリングの活性あるいは非活性の通知をもって、パーシステントスケジューリングの有無の通知としても良い。基地局から移動端末に対して無線フレーム番号が報知され(ST4501)、移動端末は基地局から無線フレーム番号を受信する(ST4502)。具体例としては、無線フレーム番号は、報知情報としてBCCH(Broadcast Control Channel)上にのせられ、BCH(Broadcast Channel)にマッピングされることが考えられる。また無線フレーム番号は、SFNとして通知されることが考えられる。さらに、基地局から移動端末に対して無線フレーム以外の「その他の変数」が通知され(ST803)、移動端末は基地局から通知された「その他の変数」を受信する(ST804)。
【0185】
移動端末は、ステップST5002にて受信したパーシステントスケジューリングの有無情報を用いて、パーシステントスケジューリングがONされているか否かを判断する(ST5003)。判断基準は上述の通り。パーシステントスケジューリングがONされている場合は、ステップST5004へ移行する。ステップST5004にて移動端末は、スイッチ4901を1側へ倒し、無線フレーム番号と候補セット算出に関わる無線フレーム以外の変数からL1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をそれぞれ求める。ステップST5003にてパーシステントスケジューリングがONされていないと判断した場合は、ステップST5005へ移行する。ステップST5005にて移動端末は、スイッチ4901を2側へ倒し、固定値と候補セット算出に関わる無線フレーム以外の変数からL1/L2制御情報の候補セット(Candidate Set)をそれぞれ求める。基地局側でも同様に処理を行う(ST5006、ST5007、ST5008)。
【0186】
実施の形態11により、実施の形態9及び実施の形態10の効果に加えて、以下の更なる効果を得ることが出来る。パーシステントスケジューリングに適した候補セットの算出を実現しつつ、パーシステントスケジューリングを行っていない場合においては、候補セット算出時に算出に用いる変数を削減することが可能となる。これにより、基地局及び移動端末における処理負荷軽減という効果を得ることが出来る。
【0187】
実施の形態11については実施の形態9、実施の形態10および実施の形態1と合わせて用いることが出来る。
【符号の説明】
【0188】
1 aGW、2 基地局、3 移動端末、4 PDN、5 サービスセンタ、6 プロトコル処理部、7 アプリケーション部、8 送信データバッファ部、9 エンコーダ部、10 送信データバッファ部、10 変調部、11 周波数変換部、12 アンテナ、13 復調部、14 デコーダ部、15 制御部、16 aGW通信部、17 他基地局通信部、18 プロトコル処理部、19 送信データバッファ部、20 エンコーダ部、21 変調部、22 周波数変換部、23 アンテナ、24 復調部、25 デコーダ部、26 制御部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の周波数帯域を用いて通信を行う基地局と、前記基地局からL1/L2制御信号を送信するのに用いられる、前記周波数帯域が分割されて構成された領域である制御チャネル要素が含まれる候補セットを検出して前記L1/L2制御信号を受信する移動端末とを含む通信システムにおいて実行される通信方法において、
前記移動端末の属性情報に基づいて、前記L1/L2制御信号の送信先となる前記移動端末がグルーピングされる処理と、
前記移動端末の属するグループに対応した前記候補セットの検出処理を行い、前記候補セットに含まれる制御チャネル要素より前記L1/L2制御信号を読み出す処理とを含むことを特徴とする通信方法。
【請求項2】
複数の周波数帯域を用いて、L1/L2制御信号を移動端末に送信する基地局において、
前記基地局は、前記L1/L2制御信号の送信先となる前記移動端末の属性情報に基づいて、前記移動端末をグルーピングする処理を実行することを特徴とする基地局。
【請求項3】
複数の周波数帯域を用いて基地局より送信されたL1/L2制御信号を受信する移動端末において、
前記移動端末は、前記基地局において前記L1/L2制御信号の送信先となる前記移動端末の属性情報に基づいてグルーピングされ、前記移動端末の属するグループに対応した前記候補セットの検出処理を行い、前記候補セットに含まれる制御チャネル要素より前記L1/L2制御信号を読み出すことを特徴とする移動端末。
【請求項1】
複数の周波数帯域を用いて通信を行う基地局と、前記基地局からL1/L2制御信号を送信するのに用いられる、前記周波数帯域が分割されて構成された領域である制御チャネル要素が含まれる候補セットを検出して前記L1/L2制御信号を受信する移動端末とを含む通信システムにおいて実行される通信方法において、
前記移動端末の属性情報に基づいて、前記L1/L2制御信号の送信先となる前記移動端末がグルーピングされる処理と、
前記移動端末の属するグループに対応した前記候補セットの検出処理を行い、前記候補セットに含まれる制御チャネル要素より前記L1/L2制御信号を読み出す処理とを含むことを特徴とする通信方法。
【請求項2】
複数の周波数帯域を用いて、L1/L2制御信号を移動端末に送信する基地局において、
前記基地局は、前記L1/L2制御信号の送信先となる前記移動端末の属性情報に基づいて、前記移動端末をグルーピングする処理を実行することを特徴とする基地局。
【請求項3】
複数の周波数帯域を用いて基地局より送信されたL1/L2制御信号を受信する移動端末において、
前記移動端末は、前記基地局において前記L1/L2制御信号の送信先となる前記移動端末の属性情報に基づいてグルーピングされ、前記移動端末の属するグループに対応した前記候補セットの検出処理を行い、前記候補セットに含まれる制御チャネル要素より前記L1/L2制御信号を読み出すことを特徴とする移動端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【公開番号】特開2012−157014(P2012−157014A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−41717(P2012−41717)
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【分割の表示】特願2009−520379(P2009−520379)の分割
【原出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【分割の表示】特願2009−520379(P2009−520379)の分割
【原出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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