説明

通信方法及び接続制御装置

【課題】複数の端末を有するユーザ間で、通信セッションの確立を伴う端末間の連携を実現することを目的とする。
【解決手段】接続制御装置は、第1のユーザ及び第2のユーザにより使用される端末の情報を保持する端末情報記憶部と、第1のユーザにより使用される第1の端末から第2のユーザにより使用される第2の端末への第1の接続要求を受信する第1接続要求受信部と、第1の接続要求を前記第2の端末に送信すると共に、前記端末情報記憶部を参照して、第1の接続要求を第2のユーザにより使用される第4の端末に送信する第1接続要求送信部と、前記第4の端末から、第1のユーザにより使用される第3の端末と前記第4の端末との間で通信するための第2の接続要求を受信する第2接続要求受信部と、前記端末情報記憶部を参照して、第2の接続要求を前記第3の端末に送信する第2接続要求送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信方法及び接続制御装置に関する。特に、本発明は、複数の端末間の接続制御を行う接続制御装置を有する通信システムにおける通信方法及び接続制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末と固定端末とが異なるアプリケーションを利用しながら、携帯端末と固定端末とを連携させる方法が提案されている。例えば、携帯端末への着信にあわせて固定端末に情報を通知する方法(非特許文献1参照)や、着信した携帯端末から固定端末に情報を転送する方法(非特許文献2参照)が提案されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】清水他,「着信を契機とした発信者のURL通知方式の検討」,B-19-27,2009年信学全大,2009年3月
【非特許文献2】大槻他,「複数画面を用いたサービスにおける端末連携の実現方式についての検討」,B-6-48,2009年信学ソ大,2009年9月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1では、携帯端末と固定端末が異なるアプリケーションを利用しながら連携させることを目的として、携帯端末への着信にあわせて固定端末にも通知を行うことにより端末間の連携を実現している。また、非特許文献2では、着信後に携帯端末から固定端末に情報を通知することにより端末連携を実現している。
【0005】
これらの方式は携帯端末から固定端末に情報を通知することのみを行うため、通知を受けた発着信ユーザの固定端末が個別にサービス提供を受けるようなアプリケーションには適用可能である。例えば、発着信ユーザの固定端末が、着信にあわせてWebページの閲覧を行うことは可能である。
【0006】
しかしながら、発着信ユーザの固定端末の間で通信セッションの確立が必要なアプリケーションには適用できない。例えば、発着信ユーザの固定端末の間で画像転送を行うことはできない。
【0007】
このため、本発明は、複数の端末を有するユーザ間で、通信セッションの確立を伴う端末間の連携を実現することを目的とする。例えば、ユーザ間で携帯端末を用いて通話を開始する場合、又はユーザ間で携帯端末を用いて通話中である場合、固定端末間で通信セッションを確立してアプリケーションを利用することができる端末間の連携を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信方法は、
第1のユーザにより使用される複数の端末と、第2のユーザにより使用される複数の端末と、端末間の接続制御を行う接続制御装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記接続制御装置が、第1のユーザ及び第2のユーザにより使用される端末の情報を端末情報記憶部に保持する保持ステップと、
第1のユーザにより使用される第1の端末が、第2のユーザにより使用される第2の端末と通信するための第1の接続要求を前記接続制御装置に送信する第1送信ステップと、
前記接続制御装置が、第1の接続要求を前記第2の端末に送信する第2送信ステップと、
前記接続制御装置が、前記端末情報記憶部を参照して、第1の接続要求を第2のユーザにより使用される第4の端末に送信する第3送信ステップと、
前記第4の端末が、第1のユーザにより使用される第3の端末と前記第4の端末との間で通信するための第2の接続要求を前記接続制御装置に送信する第4送信ステップと、
前記接続制御装置が、前記端末情報記憶部を参照して、第2の接続要求を前記第3の端末に送信する第5送信ステップと、
を有することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の通信方法は、
第1のユーザにより使用される複数の端末と、第2のユーザにより使用される複数の端末と、端末間の接続制御を行う接続制御装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記接続制御装置が、第1のユーザ及び第2のユーザにより使用される端末の情報を端末情報記憶部に保持する第1保持ステップと、
前記接続制御装置が、通信中の端末の情報を通信状況情報記憶部に保持する第2保持ステップと、
第1のユーザにより使用される第1の端末が、第1のユーザにより使用される第3の端末と第2のユーザにより使用される第4の端末との間での通信を要求する信号を前記接続制御装置に送信する第1送信ステップと、
前記接続制御装置が、前記通信状況情報記憶部を参照して、前記第1の端末と通信中である第2のユーザの第2の端末が存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記接続制御装置が、前記第1の端末と通信中である前記第2の端末が存在する場合、前記端末情報記憶部を参照して、前記第4の端末を特定し、前記第4の端末の情報を前記第3の端末に通知する通知ステップと、
前記第3の端末が、前記第3の端末と前記第4の端末との間で通信するための接続要求を前記接続制御装置に送信する第2送信ステップと、
前記接続制御装置が、接続要求を前記第4の端末に送信する第3送信ステップと、
を有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の接続制御装置は、
第1のユーザにより使用される複数の端末と、第2のユーザにより使用される複数の端末との間の接続制御を行う接続制御装置であって、
第1のユーザ及び第2のユーザにより使用される端末の情報を保持する端末情報記憶部と、
第1のユーザにより使用される第1の端末から第2のユーザにより使用される第2の端末への第1の接続要求を受信する第1接続要求受信部と、
第1の接続要求を前記第2の端末に送信すると共に、前記端末情報記憶部を参照して、第1の接続要求を第2のユーザにより使用される第4の端末に送信する第1接続要求送信部と、
前記第4の端末から、第1のユーザにより使用される第3の端末と前記第4の端末との間で通信するための第2の接続要求を受信する第2接続要求受信部と、
前記端末情報記憶部を参照して、第2の接続要求を前記第3の端末に送信する第2接続要求送信部と、
を有することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の接続制御装置は、
第1のユーザにより使用される複数の端末と、第2のユーザにより使用される複数の端末との間の接続制御を行う接続制御装置であって、
第1のユーザ及び第2のユーザにより使用される端末の情報を保持する端末情報記憶部と、
通信中の端末の情報を保持する通信状況情報記憶部と、
第1のユーザにより使用される第1の端末から、第1のユーザにより使用される第3の端末と第2のユーザにより使用される第4の端末との間での通信を要求する信号を受信する要求信号受信部と、
前記通信状況情報記憶部を参照して、前記第1の端末と通信中である第2のユーザの第2の端末が存在するか否かを判定し、前記第1の端末と通信中である前記第2の端末が存在する場合、前記端末情報記憶部を参照して、前記第4の端末を特定し、前記第4の端末の情報を前記第3の端末に通知する接続先通知部と、
前記第3の端末から、前記第3の端末と前記第4の端末との間で通信するための接続要求を受信する接続要求受信部と、
接続要求を前記第4の端末に送信する接続要求送信部と、
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の実施例によれば、複数の端末を有するユーザ間で、通信セッションの確立を伴う端末間の連携を実現することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施例に係る通信システム及び通信方法の概略図
【図2】本発明の第1実施例に係る制御装置の機能ブロック図
【図3】ユーザ情報DB内に保持される情報の例
【図4】本発明の第2実施例に係る通信システム及び通信方法の概略図
【図5】本発明の第2実施例に係る制御装置の機能ブロック図
【図6】通話状況情報DB内に保持される情報の例
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について詳細に説明する。
【0015】
本発明の実施例では、ユーザAが携帯端末及び固定端末を所持しており、ユーザBが携帯端末及び固定端末を所持している場合について説明する。なお、ユーザA及びBが3つ以上の端末を所持してもよく、ユーザA及びBが携帯端末及び固定端末の如何なる組み合わせを所持してもよく、また、3人以上のユーザが存在してもよい。
【0016】
<第1実施例>
図1は、本発明の第1実施例に係る通信システム及び通信方法の概略図である。通信システムには、端末間の接続制御を行う制御装置10と、ユーザAにより使用される携帯端末20A及び固定端末30Aと、ユーザBにより使用される携帯端末20B及び固定端末30Bとが含まれる。
【0017】
制御装置10は、ネットワーク内の端末間の接続制御を行う装置であり、例えば、IMS(IP multimedia subsystem)アーキテクチャにおけるセッション管理機能(CSCF:call session control function)、電話網における交換機等に相当する。図1ではネットワークは1つの通信網として示されているが、携帯端末と固定端末とで異なるネットワークが用いられてもよい。また、ネットワークは、パケット交換網でもよく、回線交換網でもよい。
【0018】
第1実施例では、ユーザAが携帯端末20Aを利用してユーザBの携帯端末20Bと音声通話を開始する際に、ユーザAの固定端末30AからユーザBの固定端末30Bに画像等のファイルを転送する場合について説明する。
【0019】
まず、ユーザAの携帯端末20AからユーザBの携帯端末20Bに対して発信を行う。具体的には、携帯端末20Aは、携帯端末20Bと通信するための接続要求1を制御装置10に送信する(S11)。制御装置10は、接続要求1を携帯端末20Bに送信すると共に、固定端末30Bに対しても接続要求1を送信する(S12)。例えば、制御装置10は、接続要求1を複製し、接続要求1を携帯端末20Bに送信すると共に、複製した接続要求1の宛先を固定端末30Bに設定して固定端末30Bに送信する。携帯端末20Bは、接続要求1に応答することにより、例えば音声通話のための通信セッションを確立し、ユーザAとユーザBとの間で音声通話を実施する(S13)。なお、ユーザBが3つ以上の端末を有する場合には、制御装置10は、それぞれの端末に対して接続要求を送信してもよい。
【0020】
接続要求1を受信した固定端末30Bは、ユーザAの所持する固定端末30Aに対して、例えば画像転送を行うためのセッション確立を行う。具体的には、固定端末30Bは、固定端末30Aと通信するための接続要求2を制御装置10に送信する(S14)。この接続要求2の宛先は、携帯端末20Aに設定される。制御装置10は、受信した接続要求2の宛先を固定端末30Aに設定して固定端末30Aに送信する(S15)。固定端末30Aは、接続要求2に応答することにより、例えばファイル転送のための通信セッションを確立し、ユーザAとユーザBとの間でファイル転送を実施する(S16)。
【0021】
なお、音声通話のための通信セッションの確立(S12〜S13)と、ファイル転送のための通信セッションの確立(S12、S14〜S16)とは、並列に動作してもよい。
【0022】
このように、ユーザAとユーザBは、携帯端末と固定端末とで連携しながら、異なるアプリケーション(携帯端末では音声通話、固定端末ではファイル転送)を利用することが可能となる。
【0023】
図2及び3を参照して、制御装置10について、より詳細に説明する。図2は、本発明の第1実施例に係る制御装置10の機能ブロック図である。制御装置10は、接続要求1受信部101と、接続要求1処理部103と、接続要求1送信部104と、接続要求2受信部105と、ユーザ情報データベース(DB)107と、接続要求2送信部109と、接続要求2処理部111とを有する。
【0024】
接続要求1受信部101は、ユーザAの携帯端末20AからユーザBにより使用される携帯端末20Bへの接続要求1を受信する。接続要求1には、発信元番号である携帯端末20Aの識別番号と着信先番号である携帯端末20Bの識別番号とが含まれる。接続要求1には、接続要求毎に端末間の連携を行うか否かを示すサービス利用要否が含まれてもよい。
【0025】
接続要求1送信部104は、接続要求1を携帯端末20Bに送信する。また、接続要求1送信部104は、接続要求1の宛先を固定端末30Bに設定して固定端末30Bに送信する。
【0026】
ユーザ情報DB107は、図3に示すように、各ユーザが所持する端末の識別番号を保持する。例えば、ユーザAが携帯端末20Aと固定端末30Aとを所持しており、ユーザBが携帯端末20Bと固定端末30Bとを所持しているという情報を保持する。また、ユーザ情報DB107は、ユーザ毎に端末間の連携を行うか否かを示すサービス利用要否を保持してもよい。ユーザ情報DB107内の情報は、サービス利用契約の際等にサービス提供者により設定されてもよく、ユーザにより設定されてもよく、また、サービス提供者及びユーザの双方により設定されてもよい。
【0027】
ユーザ情報DB107に保持されている情報を用いて、接続要求1送信部104は、接続要求1に含まれる携帯端末20Bの識別番号から、固定端末30Bの識別番号を取得できる。その結果、接続要求1送信部104は、接続要求1の宛先を固定端末30Bに設定して固定端末30Bに送信する。
【0028】
ユーザ情報DB107内に保持されているサービス利用要否と、接続要求1に含まれるサービス利用要否とを用いて、接続要求1送信部104は、接続要求1を固定端末30Bに送信するか否かを判断してもよい。例えば、ユーザ情報DB107内に保持されているユーザAのサービス利用要否が「要」である場合、且つ、接続要求1に含まれるサービス利用要否が「要」である場合の場合にのみ、接続要求1送信部104は、接続要求1を固定端末30Bに送信してもよい。また、例えば、ユーザ情報DB107内に保持されているユーザAのサービス利用要否が「要」である場合、且つ、ユーザ情報DB107内に保持されているユーザBのサービス利用要否が「要」である場合、且つ、接続要求1に含まれるサービス利用要否が「要」である場合の場合にのみ、接続要求1送信部104は、接続要求1を固定端末30Bに送信してもよい。
【0029】
接続要求1処理部103は、携帯端末20Aと携帯端末20Bとの間でセッションを確立するための処理を行う。具体的には、応答要求を受信した携帯端末20Aにおいて、携帯端末20Bとの音声トラヒックを送受信するためのRTP(Real-time Transport Protocol)セッション等の設定を行う。また、応答要求を送信した携帯端末20Bにおいて、携帯端末20Aとの音声トラヒックを送受信するためのRTPセッション等の設定を行う。そして、接続要求1処理部103は、携帯端末20Bからの応答要求を受信した時点で、携帯端末20Aと携帯端末20Bとの間で音声トラヒックが通信できるように設定する。
【0030】
接続要求2受信部105は、固定端末30Bから、固定端末30Aと固定端末30Bとの間で通信するための接続要求2を受信する。なお、固定端末30Bは固定端末30Aの識別番号を保持していないため、この接続要求2の宛先は、携帯端末20Aに設定される。接続要求2にも、接続要求毎に端末間の連携を行うか否かを示すサービス利用要否が含まれてもよい。なお、接続要求2のサービス利用要否は、原則として、端末間の連携を行うことを示す「要」になる。
【0031】
接続要求2送信部109は、接続要求2の宛先を固定端末30Aに設定して固定端末30Aに送信する。
【0032】
ユーザ情報DB107に保持されている情報を用いて、接続要求2送信部109は、接続要求2の宛先である携帯端末20Aの識別番号から、固定端末30Aの識別番号を取得できる。その結果、接続要求2送信部109は、接続要求2の宛先を固定端末30Aに設定して固定端末30Aに送信する。
【0033】
接続要求2処理部111は、固定端末30Aと固定端末30Bとの間でセッションを確立するための処理を行う。具体的には、応答要求を受信した固定端末30Bにおいて、固定端末30Aとのデータトラヒックを送受信するためのRTP(Real-time Transport Protocol)セッション又はMSRP(Media Session Relay Protocol)セッション等の設定を行う。また、応答要求を送信した固定端末30Aにおいて、固定端末30Bとのデータトラヒックを送受信するためのRTPセッション又はMSRPセッション等の設定を行う。そして、接続要求2処理部111は、固定端末30Aからの応答要求を受信した時点で、固定端末30Aと固定端末30Bとの間でデータトラヒックが通信できるように設定する。
【0034】
<第2実施例>
図4は、本発明の第2実施例に係る通信システム及び通信方法の概略図である。通信システムには、端末間の接続制御を行う制御装置15と、ユーザAにより使用される携帯端末20A及び固定端末30Aと、ユーザBにより使用される携帯端末20B及び固定端末30Bとが含まれる。
【0035】
制御装置15は、ネットワーク内の端末間の接続制御を行う装置である。図4ではネットワークは1つの通信網として示されているが、携帯端末と固定端末とで異なるネットワークが用いられてもよい。また、ネットワークは、パケット交換網でもよく、回線交換網でもよい。
【0036】
第2実施例では、ユーザAが携帯端末20Aを利用してユーザBの携帯端末20Bと音声通話中である場合に、ユーザAの固定端末30AからユーザBの固定端末30Bに画像等のファイルを転送する場合について説明する。
【0037】
まず、ユーザAの携帯端末20Aから制御装置15に対してファイル転送を要求する。具体的には、携帯端末20Aは、固定端末30Aと固定端末30Bとの間での通信を要求する信号を送信する(S21)。制御装置15は、携帯端末20Aと携帯端末20Bとが通話中であることから、固定端末30Aと固定端末30Bとを割り出し、固定端末30Aに対して通信セッションを確立させるための通知を行う(S22)。例えば、制御装置15は、固定端末30Bの識別番号を固定端末30Aに通知する。通知を受けた固定端末30Aは、ユーザBの所持する固定端末30Bに対して、例えば画像転送を行うためのセッション確立を行う。具体的には、固定端末30Aは、固定端末30Bと通信するための接続要求を制御装置15に送信する(S23)。制御装置15は、受信した接続要求を固定端末30Bに送信する(S24)。固定端末30Bは、接続要求に応答することにより、例えばファイル転送のための通信セッションを確立し、ユーザAとユーザBとの間でファイル転送を実施する(S25)。
【0038】
なお、ユーザAが3つ以上の端末を有する場合には、制御装置15は、それぞれの端末に対して接続要求を送信してもよい。また、図4では、制御装置15が固定端末30Bの識別番号を固定端末30Aに対して送信しているが、制御装置15は、固定端末30Aの識別番号を固定端末30Bに対して送信することで、固定端末30Bから固定端末30Aに対して接続要求を送信させてもよい。
【0039】
このように、携帯端末で通話中であっても、ユーザAとユーザBは、携帯端末と固定端末とで連携しながら、異なるアプリケーション(携帯端末では音声通話、固定端末ではファイル転送)を利用することが可能となる。
【0040】
図5及び6を参照して、制御装置15について、より詳細に説明する。図5は、本発明の第2実施例に係る制御装置15の機能ブロック図である。制御装置15は、サービス要求受信部151と、通話状況情報データベース(DB)153と、接続先通知部154と、接続要求受信部155と、ユーザ情報データベース(DB)157と、接続要求送信部159と、接続要求処理部161とを有する。
【0041】
サービス要求受信部151は、ユーザAの携帯端末20Aから、固定端末30Aと固定端末30Bとの間での通信を要求する信号を受信する。この信号には、発信元番号である携帯端末20Aの識別番号と、着信先番号である携帯端末20Bの識別番号とが含まれる。この信号には、端末間の連携を行うか否かを示すサービス利用要否が含まれてもよい。
【0042】
通話状況情報DB153は、図6に示すように、通話中の端末の情報を保持する。例えば、携帯端末20Aと携帯端末20Bが通信中であり、固定端末30Cと携帯端末20Dが通信中であるという情報を保持する。通話状況情報DB153の情報は、通話状況が変更される毎に更新される(通話が開始した際及び通話が終了した際に更新される)。
【0043】
接続先通知部154は、携帯端末20Aと携帯端末20Bとが通信中のときに、携帯端末20Aから、固定端末30Aと固定端末30Bとの間での通信を要求する信号を受信した場合、固定端末30Aに固定端末30Bの識別番号を通知する。なお、この場合、接続先通知部は、固定端末30Bに固定端末30Aの識別番号を通知してもよい。
【0044】
ユーザ情報DB157は、図3に示すように、各ユーザが所持する端末の識別番号を保持する。
【0045】
通話状況情報DB153に保持されている情報を用いて、接続先通知部154は、携帯端末20Aと携帯端末20Bとが通信中であることが判定できる。ユーザ情報DB157に保持されている情報を用いて、接続先通知部154は、通信中である携帯端末20A及び携帯端末20Bの識別番号から、固定端末30A及び固定端末30Bの識別番号を取得できる。その結果、接続先通知部154は、固定端末30Aに固定端末30Bの識別番号を通知する。
【0046】
ユーザ情報DB157内に保持されているサービス利用要否と、サービス要求受信部151で受信した通信を要求する信号に含まれるサービス利用要否とを用いて、接続先通知部154は、固定端末30Aに固定端末30Bの識別番号を通知するか否かを判断してもよい。例えば、ユーザ情報DB157内に保持されているユーザAのサービス利用要否が「要」である場合、且つ、通信を要求する信号に含まれるサービス利用要否が「要」である場合の場合にのみ、接続先通知部154は、固定端末30Aに固定端末30Bの識別番号を通知してもよい。また、例えば、ユーザ情報DB157内に保持されているユーザAのサービス利用要否が「要」である場合、且つ、ユーザ情報DB157内に保持されているユーザBのサービス利用要否が「要」である場合、且つ、通信を要求する信号に含まれるサービス利用要否が「要」である場合の場合にのみ、接続先通知部154は、固定端末30Aに固定端末30Bの識別情報を通知してもよい。
【0047】
接続要求受信部155は、固定端末30Aから、固定端末30Aと固定端末30Bとの間で通信するための接続要求を受信する。この接続要求には、発信元番号である固定端末30Aの識別番号と着信先番号である固定端末30Bの識別番号とが含まれる。この接続要求にも、端末間の連携を行うか否かを示すサービス利用要否が含まれてもよい。なお、接続要求のサービス利用要否は、原則として、端末間の連携を行うことを示す「要」になる。
【0048】
接続要求送信部159は、固定端末30Aから受信した接続要求を固定端末30Bに送信する。
【0049】
接続要求処理部161は、固定端末30Aと固定端末30Bとの間でセッションを確立するための処理を行う。具体的には、応答要求を受信した固定端末30Aにおいて、固定端末30Bとのデータトラヒックを送受信するためのRTP(Real-time Transport Protocol)セッション又はMSRP(Media Session Relay Protocol)セッション等の設定を行う。また、応答要求を送信した固定端末30Bにおいて、固定端末30Aとのデータトラヒックを送受信するためのRTPセッション又はMSRPセッション等の設定を行う。そして、接続要求処理部161は、固定端末30Bからの応答要求を受信した時点で、固定端末30Aと固定端末30Bとの間でデータトラヒックが通信できるように設定する。
【0050】
なお、第1実施例では携帯端末間での通話開始時の場合について説明し、第2実施例では携帯端末間での通話中の場合について説明したが、第1実施例と第2実施例とを組み合わせることも可能である。
【0051】
<実施例の効果>
以上説明したように、本発明の実施例によれば、ユーザAとユーザBは、携帯端末と固定端末とで連携しながら、異なるアプリケーションを利用することが可能となる。このときに、固定端末間でセッション確立が必要となるアプリケーションも利用可能となる。
【0052】
端末間の連携は、通話開始時に実現することもでき、また、通話開始後の任意の時点で実現することもできる。
【0053】
説明の便宜上、本発明の実施例に係る制御装置は機能的なブロック図を用いて説明しているが、本発明の制御装置は、ハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。例えば、制御装置の各機能部がソフトウェアで実現され、プログラムとして制御装置内に実現されてもよい。また、2以上の実施例及び実施例の各構成要素が必要に応じて組み合わせて使用されてもよい。
【0054】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記の実施例に限定されることなく、特許請求の範囲内において、種々の変更・応用が可能である。
【符号の説明】
【0055】
10、15 制御装置
20A、20B 携帯端末
30A、30B 固定端末
101 接続要求1受信部
103 接続要求1処理部
105 接続要求2生成部
107 ユーザ情報データベース(DB)
109 接続要求2送信部
111 接続要求2処理部
151 サービス要求受信部
153 通話状況情報データベース(DB)
155 接続要求生成部
157 ユーザ情報データベース
159 接続要求送信部
161 接続要求処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のユーザにより使用される複数の端末と、第2のユーザにより使用される複数の端末と、端末間の接続制御を行う接続制御装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記接続制御装置が、第1のユーザ及び第2のユーザにより使用される端末の情報を端末情報記憶部に保持する保持ステップと、
第1のユーザにより使用される第1の端末が、第2のユーザにより使用される第2の端末と通信するための第1の接続要求を前記接続制御装置に送信する第1送信ステップと、
前記接続制御装置が、第1の接続要求を前記第2の端末に送信する第2送信ステップと、
前記接続制御装置が、前記端末情報記憶部を参照して、第1の接続要求を第2のユーザにより使用される第4の端末に送信する第3送信ステップと、
前記第4の端末が、第1のユーザにより使用される第3の端末と前記第4の端末との間で通信するための第2の接続要求を前記接続制御装置に送信する第4送信ステップと、
前記接続制御装置が、前記端末情報記憶部を参照して、第2の接続要求を前記第3の端末に送信する第5送信ステップと、
を有する通信方法。
【請求項2】
前記第3送信ステップにおいて、前記接続制御装置が、第1の接続要求の宛先を前記第4の端末に設定して送信し、
前記第4送信ステップにおいて、前記第4の端末が、第2の接続要求の宛先を前記第1の端末に設定して送信し、
前記第5送信ステップにおいて、前記接続制御装置が、第2の接続要求の宛先を前記第3の端末に設定して送信する、請求項1に記載の通信方法。
【請求項3】
前記保持ステップにおいて、前記接続制御装置が、端末間の連携を行うか否かを示す第1のフラグを前記端末情報記憶部に更に保持し、
前記第1送信ステップにおいて、前記第1の端末が、端末間の連携を行うか否かを示す第2のフラグを第1の接続要求に含めて送信し、
前記第3送信ステップにおいて、第1のフラグが連携を行うことを示す場合、且つ、第2のフラグが連携を行うことを示す場合に、前記接続制御装置が、第1の接続要求を前記第4の端末に送信する、請求項1又は2に記載の通信方法。
【請求項4】
第1のユーザにより使用される複数の端末と、第2のユーザにより使用される複数の端末と、端末間の接続制御を行う接続制御装置とを有する通信システムにおける通信方法であって、
前記接続制御装置が、第1のユーザ及び第2のユーザにより使用される端末の情報を端末情報記憶部に保持する第1保持ステップと、
前記接続制御装置が、通信中の端末の情報を通信状況情報記憶部に保持する第2保持ステップと、
第1のユーザにより使用される第1の端末が、第1のユーザにより使用される第3の端末と第2のユーザにより使用される第4の端末との間での通信を要求する信号を前記接続制御装置に送信する第1送信ステップと、
前記接続制御装置が、前記通信状況情報記憶部を参照して、前記第1の端末と通信中である第2のユーザの第2の端末が存在するか否かを判定する判定ステップと、
前記接続制御装置が、前記第1の端末と通信中である前記第2の端末が存在する場合、前記端末情報記憶部を参照して、前記第4の端末を特定し、前記第4の端末の情報を前記第3の端末に通知する通知ステップと、
前記第3の端末が、前記第3の端末と前記第4の端末との間で通信するための接続要求を前記接続制御装置に送信する第2送信ステップと、
前記接続制御装置が、接続要求を前記第4の端末に送信する第3送信ステップと、
を有する通信方法。
【請求項5】
前記第1保持ステップにおいて、前記接続制御装置が、端末間の連携を行うか否かを示す第1のフラグを前記端末情報記憶部に更に保持し、
前記第1送信ステップにおいて、前記第1の端末が、端末間の連携を行うか否かを示す第2のフラグを信号に含めて送信し、
前記通知ステップにおいて、第1のフラグが連携を行うことを示す場合、且つ、第2のフラグが連携を行うことを示す場合に、前記接続制御装置が、前記第4の端末の情報を前記第3の端末に通知する、請求項4に記載の通信方法。
【請求項6】
第1のユーザにより使用される複数の端末と、第2のユーザにより使用される複数の端末との間の接続制御を行う接続制御装置であって、
第1のユーザ及び第2のユーザにより使用される端末の情報を保持する端末情報記憶部と、
第1のユーザにより使用される第1の端末から第2のユーザにより使用される第2の端末への第1の接続要求を受信する第1接続要求受信部と、
第1の接続要求を前記第2の端末に送信すると共に、前記端末情報記憶部を参照して、第1の接続要求を第2のユーザにより使用される第4の端末に送信する第1接続要求送信部と、
前記第4の端末から、第1のユーザにより使用される第3の端末と前記第4の端末との間で通信するための第2の接続要求を受信する第2接続要求受信部と、
前記端末情報記憶部を参照して、第2の接続要求を前記第3の端末に送信する第2接続要求送信部と、
を有する接続制御装置。
【請求項7】
第1のユーザにより使用される複数の端末と、第2のユーザにより使用される複数の端末との間の接続制御を行う接続制御装置であって、
第1のユーザ及び第2のユーザにより使用される端末の情報を保持する端末情報記憶部と、
通信中の端末の情報を保持する通信状況情報記憶部と、
第1のユーザにより使用される第1の端末から、第1のユーザにより使用される第3の端末と第2のユーザにより使用される第4の端末との間での通信を要求する信号を受信する要求信号受信部と、
前記通信状況情報記憶部を参照して、前記第1の端末と通信中である第2のユーザの第2の端末が存在するか否かを判定し、前記第1の端末と通信中である前記第2の端末が存在する場合、前記端末情報記憶部を参照して、前記第4の端末を特定し、前記第4の端末の情報を前記第3の端末に通知する接続先通知部と、
前記第3の端末から、前記第3の端末と前記第4の端末との間で通信するための接続要求を受信する接続要求受信部と、
接続要求を前記第4の端末に送信する接続要求送信部と、
を有する接続制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−170012(P2012−170012A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31203(P2011−31203)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】