説明

通信端末装置および方法、基地局装置、並びに、通信システム

【課題】干渉を回避して、効率的に通信できるようにする。
【解決手段】通信端末装置は、第1の通信部と第2の通信部を備え、第1の他の装置と第1の通信をする第1の通信部は、第1の通信が、第2の他の装置との第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表すディセンスヘッドルームの情報を算出し、第1の他の装置に送信する。通信端末装置は、ディセンスヘッドルームを閾値と比較した結果により、第1の通信の周波数を第2の通信の周波数と離れるように、または、第1の通信のタイミングを第2の通信のタイミングと重ならないように変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は通信端末装置および方法、基地局装置、並びに、通信システムに関し、特に、効率的に通信するように改良した通信端末装置および方法、基地局装置、並びに、通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、3GPP(Third Generation Partnership Project)においてLTE(Long Term Evolution)システムの高度化をはかるための規格化作業が進められている。当該規格化作業においては、最大通信速度の向上、セルエッジでの品質向上をはじめ、通信の高度化に関する多岐に渡る無線技術が検討されている。
【0003】
無線通信の最重要課題の一つとして、干渉の問題が挙げられる。特に、セルラー無線システムにおいては、干渉によって、通信の切断がサービスの低下を招いたり、あるいは、システム全体の容量に大きな影響を及ぼすため、干渉問題は、産業応用上、常に極めて重要な技術課題であった。
【0004】
従来、たとえば、セルラー無線システムにおける干渉に関する技術として、特許文献1では、バースト性トラフィックがもたらす干渉に対する改善を行っている。
【0005】
また、3GPPにおいても、たとえば、セル間干渉を軽減するICIC(Inter-cell Interference Coordination)技術や、端末内干渉を軽減するICO(In-device Coexistence)技術などの検討が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−271322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、通信技術の多様化により、LTEを用いた通信と、他の信号を用いた通信(例えば、WLAN(Wireless Local Area Network)通信)が同時実行されることがある。
【0008】
かかる状況においては、ユーザ端末装置は、LTE信号と他の信号が同時に受信される場合、LTE信号とWLANなどの他の信号周波数が互いに近接すると、ユーザ端末装置内のRFフィルタの妨害信号除去能力の限界から、LTE信号はWLANから干渉を受け、正確なLTE信号が受信できないおそれがあった。
【0009】
また、LTE基地局は、従来、WLANなどの他の通信から受ける、ユーザ端末装置内における干渉に関する情報を有していないため、LTE信号を、ユーザ端末装置内から受ける他のシステムからの干渉を回避することができなかった。
【0010】
本技術は、このような状況に鑑みてなされたものであり、効率的に通信できるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本技術の一側面の通信端末装置は、第1の他の装置と第1の通信をする第1の通信部と、第2の他の装置と第2の通信をする第2の通信部とを備え、前記第1の通信部は、前記第1の通信が、前記第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報を前記第1の他の装置に送信する。
【0012】
前記通信端末装置は、余裕を表わす前記情報としてのディセンスヘッドルームを算出するディセンスヘッドルーム算出部をさらに備え、前記ディセンスヘッドルーム算出部は、前記第2の通信による前記第1の通信の妨害の程度を表す予め記憶されているパラメータと、所定の時点で算出された前記パラメータとの差に基づいて、前記ディセンスヘッドルームを算出することができる。
【0013】
前記ディセンスヘッドルーム算出部は、前記第1の通信による信号と、前記第2の通信による信号の混合信号の信号強度を増加させた場合の前記パラメータの変化が所定値以上であるときの前記信号強度を最大信号強度とし、前記最大信号強度と、入力を受け付けた前記混合信号の信号強度との差を前記ディセンスヘッドルームとして算出することができる。
【0014】
前記ディセンスヘッドルーム算出部により算出された前記ディセンスヘッドルームが閾値より小さいとき、前記第1の通信部による前記第1の通信の周波数が、前記第2の通信部による前記第2の通信の周波数と離れるように変更されるようにすることができる。
【0015】
前記ディセンスヘッドルーム算出部により算出された前記ディセンスヘッドルームが閾値より小さいとき、前記第1の通信部による前記第1の通信のタイミングが、前記第2の通信と重ならないタイミングに変更されるようにすることができる。
【0016】
前記パラメータは、前記第1の通信の信号の周波数および信号強度、並びに前記第1の通信の信号と、前記第2の通信の信号の前記混合信号の信号強度に対応付けて記憶されているようにすることができる。
【0017】
前記パラメータは一定の時間間隔で算出され、算出された前記ディセンスヘッドルームと前記閾値との差が所定の値より小さくなったとき、前記間隔を狭くすることができる。
【0018】
前記パラメータは、RSRQであるようにすることができる。
【0019】
本技術の一側面の通信方法は、第1の他の装置と第1の通信をし、第2の他の装置と第2の通信をし、前記第1の通信が、前記第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報を前記第1の他の装置に送信する。
【0020】
本技術の第1の側面においては、第1の他の装置と第1の通信がされ、第2の他の装置と第2の通信がされ、第1の通信が、第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報が第1の他の装置に送信される。
【0021】
本技術の一側面の基地局装置は、通信端末装置と第1の通信をするとともに、前記通信端末装置から前記第1の通信が、他の装置との第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表わす情報を受信する通信部と、前記通信部により受信された余裕を表わす前記情報に基づいて、前記通信端末装置に対する前記第1の通信への干渉を回避するように前記第1の通信を制御する制御部とを備える。
【0022】
本技術の第2の側面においては、通信端末装置と第1の通信がされるとともに、通信端末装置から第1の通信が、他の装置との第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表わす情報が受信され、受信された余裕を表わす情報に基づいて、通信端末装置に対する第1の通信への干渉を回避するように第1の通信が制御される。
【0023】
本技術の一側面の通信システムは、通信端末装置と基地局装置から構成され、前記通信端末装置は、前記基地局装置との第1の通信が、他の装置との第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報を前記基地局装置に送信する第1の通信部を備え、前記基地局装置は、前記通信端末装置と前記第1の通信をするとともに、前記通信端末装置から余裕を表わす前記情報を受信する第2の通信部と、前記第2の通信部により受信された余裕を表わす前記情報に基づいて、前記通信端末装置に対する前記第1の通信への干渉を回避するように前記第1の通信を制御する制御部とを備える。
【0024】
本技術の第3の側面においては、通信端末装置により、基地局装置との第1の通信が、他の装置との第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報が基地局装置に送信され、基地局装置により、通信端末装置と第1の通信がされるとともに、通信端末装置から余裕を表わす情報が受信され、受信された余裕を表わす情報に基づいて、通信端末装置に対する第1の通信への干渉を回避するように第1の通信が制御される。
【発明の効果】
【0025】
本技術の側面によれば、効率的に通信することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本技術が適用される通信システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】周波数帯域を説明する図である。
【図3】ISM信号を説明する図である。
【図4】本技術が適用される通信システムの他の実施の形態の構成を示す図である。
【図5】本技術が適用される通信システムの他の実施の形態の構成を示す図である。
【図6】本技術が適用される通信システムの他の実施の形態の構成を示す図である。
【図7】情報端末装置と信号発生装置の構成を示す図である。
【図8】受信回路部の構成を示す図である。
【図9】信号発生装置の信号出力処理を説明するフローチャートである。
【図10】情報端末装置の対応表作成処理を説明するフローチャートである。
【図11】対応表の例を示す図である。
【図12】基地局装置の通信の概要を説明する図である。
【図13】基地局装置の構成を示すブロック図である。
【図14】基地局装置の送信処理を説明するフローチャートである。
【図15】情報端末装置のDHR送信処理を説明するフローチャートである。
【図16】干渉波信号からLTE信号領域を抽出する例を説明する図である。
【図17】干渉波信号からLTE信号領域を抽出する例を説明する図である。
【図18】基地局装置の送信処理を説明するフローチャートである。
【図19】情報端末装置のDHR送信処理を説明するフローチャートである。
【図20】本技術を適用したパーソナルコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本技術を実施するための形態(以下、実施の形態という)について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
<1>第1の実施の形態
1.通信システムの構成
2.情報端末装置の構成
3.対応表作成処理
<2>第2の実施の形態
4.基地局装置の構成
5.DHR送信処理1
6.DHR送信処理2
7.パーソナルコンピュータの構成
8.その他
【0028】
<第1の実施の形態>
【0029】
[通信システムの構成]
【0030】
図1は、本技術が適用される通信システムの一実施の形態の構成を示す図である。
【0031】
図1の通信システム1は、基地局装置21、情報端末装置22、およびWLANアクセスポイント(AP)23から構成されている。
【0032】
基地局装置21は、LTE信号24を用いて情報端末装置22と相互に無線で通信する。
【0033】
通信端末装置としての情報端末装置22は、LTE信号24を用いたセルラー無線システムと、WLAN信号25を用いたISM(Industry-Science-Medical)無線通信技術を利用することができる。
【0034】
WLANアクセスポイント23は、WLAN信号25を用いて情報端末装置22と相互に無線で通信する。
【0035】
情報端末装置22は、広域性に優れるが、比較的にビット当たりの通信単価の高いセルラー通信システムと、通信距離は短いが、ビット当たりの通信単価の低いISM無線通信技術を組み合せることで、より安価で自由度の高い通信を実現することができる。
【0036】
しかし、LTE信号24とWLAN信号25等のISM信号は干渉することがある。図2と図3を参照して、LTEの周波数帯域とISMの周波数帯域について説明する。
【0037】
図2は、周波数帯域を説明する図である。図2に示されるように、LTE信号24のBand40(2300−2400MHz,TDD(Time Division Duplex))、およびBand7(2500−2570MHz,FDD(Frequency Division Duplex))は、ISM Band(2400−2500MHz)に隣接している。
【0038】
このように周波数帯域が隣接している場合、十分に帯域を選択、分離することは困難である。
【0039】
図3は、ISM信号を説明する図である。図3の例では、水平方向に周波数が示され、垂直方向に信号強度が示されている。WLAN等の無線通信では、多大な電力を消費する送信時のパワーアンプの電力効率を改善するため、出力パワーアンプにおける一定のひずみの発生を許容している。
【0040】
図3Aには、3次ひずみが生じたISM信号41−1が示されている。ISM信号41−1は、増幅器の非線形性によって3次ひずみ61−1,61−2が生じている。
【0041】
図3Bには、3次ひずみと5次ひずみが生じたISM信号41−11が示されている。ISM信号41−11は、3次ひずみ61−11,61−12と、5次ひずみ62−1,62−2が生じている。
【0042】
このような場合、干渉領域81−1,81−11内の干渉エネルギーは、ISM信号がLTE帯域に隣接しLTE帯域にひずみ成分が漏洩している時は、隣接するLTEのBand40に対して干渉するノイズになる。図4乃至図6を参照して、このような干渉ノイズが発生する他の例を説明する。
【0043】
図4は、本技術が適用される通信システムの他の実施の形態の構成を示す図である。
【0044】
図4の通信システム101は、情報端末装置22、および無線アクセスポイント111から構成されている。図4の通信システム101のうち、図1の通信システム1と対応する要素には同じ符号が付されている。
【0045】
無線アクセスポイント111は、例えば、フェムトセルとしての機能も備えている。無線アクセスポイント111は、LTE信号24を用いて情報端末装置22と相互に通信するとともに、WLAN信号25を用いて情報端末装置22と相互に通信する。
【0046】
図5は、本技術が適用される通信システムの他の実施の形態の構成を示す図である。
【0047】
図5の通信システム121は、基地局装置21、スマートフォン131、およびイヤフォン132から構成されている。図5の通信システム121のうち、図1の通信システム1と対応する要素には同じ符号が付されている。
【0048】
通信端末装置としてのスマートフォン131は、LTE信号24のようなセルラー無線システムと、Bluetooth(商標)信号133などのISM無線通信技術を利用することができる。
【0049】
イヤフォン132は、Bluetoothの通信機能を有しており、Bluetooth信号133を用いてスマートフォン131と相互に通信する。
【0050】
図6は、本技術が適用される通信システムの他の実施の形態の構成を示す図である。
【0051】
図6の通信システム141は、基地局装置21、情報端末装置22、無線ゲートウェイ151、およびISM通信装置152から構成されている。図6の通信システム141のうち、図1の通信システム1と対応する要素には同じ符号が付されている。
【0052】
無線ゲートウェイ151は、LTE信号24を用いて基地局装置21と通信し、ISM信号153−1を用いて情報端末装置22と通信し、ISM信号153−2を用いてISM通信装置152と通信する。
【0053】
なお、ここに示したシステム構成例は一例であって、その他の構成例の可能性に対してなにがしかの限定をするものではない。
【0054】
[情報端末装置の構成]
【0055】
図7は、情報端末装置22、および信号発生装置241の構成を示すブロック図である。
【0056】
情報端末装置22は、アンテナ201、アンテナ共用器202、受信回路部203、受信ローカル信号発生器204、A/D変換部205、信号処理部206、メモリ207、D/A変換部208、送信ローカル信号発生器209、および送信回路部210から構成されている。
【0057】
また、情報端末装置22は、アンテナ211、Tx(Transmitter)/Rx(Receiver)切替スイッチ212、受信部213、A/D変換部214、信号処理部215、D/A変換部216、および送信部217から構成されているISM通信部218を有している。
【0058】
アンテナ201は、通信相手と電波で信号を送受信する。アンテナ共用器202は、アンテナ201を介して受信した信号を受信回路部203に出力するとともに、送信回路部210から出力された信号をアンテナ201に供給する。
【0059】
受信回路部203は、受信した信号から所定のチャンネルの信号を抽出する。図8を参照して、受信回路部203の詳細について説明する。
【0060】
図8は、受信回路部203の詳細を説明する図である。受信回路部203は、バンド選択フィルタ部281、低雑音増幅器282、混合器283、AGC(Automatic Gain Control)回路284、およびチャンネルフィルタ部285を有している。
【0061】
バンド選択フィルタ部281は、所定のバンド選択RFフィルタを用いて特定の周波数成分を取出し、低雑音増幅器282に供給する。
【0062】
低雑音増幅器282は、バンド選択フィルタ部281より供給されたRF信号を増幅し、混合器283に供給する。
【0063】
受信ローカル信号発生器204は、低雑音増幅器282から混合器283に供給されるRF信号から、所定の周波数の信号を抽出するために、その信号に応じた周波数の信号を発振し、混合器283に供給する。
【0064】
混合器283は、低雑音増幅器282から供給された信号、および受信ローカル信号発生器204から供給された信号を混合することにより、低雑音増幅器282から供給されたRF信号からベースバンド信号の周波数成分を抽出し、AGC回路284に供給する。
【0065】
AGC回路284は、混合器283から供給された信号を適切な信号強度に調整し、チャンネルフィルタ部285に供給する。チャンネルフィルタ部285は、チャンネルフィルタを用いて、チャンネル外の不要な信号成分を除去する。
【0066】
図7に戻り、A/D変換部205は、受信回路部203から供給されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、信号処理部206に供給する。
【0067】
信号処理部206は、所定の信号処理を実行する。信号処理部206は、受信データ処理部221、チャンネル周波数制御部222、ディセンスヘッドルーム(desense headroom)算出部223、および送信データ処理部224から構成されている。
【0068】
受信データ処理部221は、A/D変換部205から供給されたデジタル信号に基づいて、RSRQ(Reference Signal Received Quality)を算出し、ディセンスヘッドルーム算出部223に供給する。
【0069】
なお、RSRQは、LTEシステムで用いられる、信号対雑音に関わる品質を示すひとつのパラメータであり、以下の式(1)で示される。
【0070】
RSRQ=N・RSRP/RSSI ・・・(1)
【0071】
RSRP(Reference Signal Received Power)は、LTEのリソースブロックあたりのLTE信号強度である。RSSI(Received Signal Strength Indicator)は、チャンネル帯域で観測した時のノイズを含むすべてのエネルギーの値である。Nは、LTEの測定に用いたリソースブロック数である。
【0072】
RSRQに関しては、たとえば、非特許文献1 LTE仕様書:3GPP TS36.214 Physical Layer Measurementsに詳細な定義が示されている。なお、RSRQに限らず、新規に定義された同等の概念を利用してもよい。
【0073】
メモリ207は、受信データ処理部221から供給された対応表を記憶する。この対応表には、RSRQと、受信した信号に対応する周波数および信号強度の情報が対応付けられている。
【0074】
チャンネル周波数制御部222は、信号発生装置241からの指示に対応して受信ローカル信号発生器204と送信ローカル信号発生器209を制御し、それぞれに所定の周波数の信号を発生させる。
【0075】
チャンネル周波数制御部222はまた、受信ローカル信号発生器204に発生させる周波数に対応する信号を受信データ処理部221およびディセンスヘッドルーム算出部223に供給する。この信号は、信号発生装置241から直接供給することもできる。
【0076】
ディセンスヘッドルーム算出部223は、基地局装置21と通信しているとき受信データ処理部221により算出されたRSRQと、メモリ207に予め記憶されている対応表からディセンスヘッドルームを算出し、それを基地局装置21に通知するためのディセンスヘッドルームリポート(DHR:Desense Headroom Report)を作成し、送信データ処理部224に供給する。
【0077】
DHRは、LTE信号がISM信号等による妨害を受け、通信不能に至るまでの妨害波レベルに関する余裕を表わす情報である。
【0078】
送信データ処理部224は、DHRを送信するための処理、例えば、データの符号化などのデジタル信号処理全般を実行する。
【0079】
D/A変換部208は、送信データ処理部224から供給されたデジタルデータをアナログ信号に変換する。送信回路部210は、送信ローカル信号発生器209により供給された所定の周波数の信号を用いて、アナログ信号を変調し、変調信号をアンテナ共用器202に供給する。
【0080】
ISM通信部218の受信部213は、アンテナ211およびTx/Rx切替スイッチ212を介して、WLANアクセスポイント23、無線アクセスポイント111、イヤフォン132、およびISM通信装置152等の無線通信装置から、WLAN信号25を受信する。また受信部213は、Bluetooth信号133、ISM信号153等の無線信号を受信する。
【0081】
A/D変換部214は、受信部213から供給されたアナログ信号をデジタル信号に変換し、信号処理部215の受信データ処理部231に供給する。受信データ処理部231は、供給されたデジタル信号に対して各種の処理を実行する。
【0082】
信号処理部215の送信データ処理部232は、データの符号化などのデジタル信号処理全般を実行する。
【0083】
D/A変換部216は、送信データ処理部232から供給されたデジタルデータをアナログ信号に変換する。送信部217は、D/A変換部216から供給されたアナログ信号を、Tx/Rx切替スイッチ212およびアンテナ211を介して、無線通信装置に出力する。
【0084】
信号発生装置241は、ディセンスヘッドルーム測定制御部261、妨害波信号生成部262、LTE信号生成部263、および通信部264を有している。
【0085】
ディセンスヘッドルーム測定制御部261は、情報端末装置22にDHRを算出させるために、LTE信号、および妨害波信号の周波数および信号強度を設定する。
【0086】
妨害波信号生成部262は、妨害波信号を生成する。妨害波信号は、ISM信号等、LTE信号と干渉する信号である。LTE信号生成部263は、LTE信号を生成する。
【0087】
通信部264は、LTE信号生成部263により生成されたLTE信号、および妨害波信号生成部262により生成された妨害波信号を情報端末装置22に送信する信号を生成する。
【0088】
生成されたLTE信号と妨害波信号は、アンテナ201を介して情報端末装置22に送信される。あるいは、生成されたLTE信号と妨害波信号をアンテナ共用器202に直接供給するようにすることもできる。
【0089】
[対応表作成処理]
【0090】
図9乃至図13を参照して、対応表作成処理について説明する。この対応表作成処理は、例えば、情報処理端末22の製造時において行われる。
【0091】
あるいは、信号発生装置241と同等の機能を有する装置を情報端末装置22内に具備し、LTEシステム内でユーザが情報端末装置22を利用する傍ら、たとえば通信を行っていない時間などに適宜行ってもよい。
【0092】
図9は、信号発生装置241の信号出力処理を説明するフローチャートである。図10は、情報端末装置22の対応表作成処理を説明するフローチャートである。
【0093】
図9の信号発生装置241の信号出力処理は、例えば製造業者等の指示により開始される。
【0094】
ステップS1において、信号発生装置241のディセンスヘッドルーム測定制御部261は、LTE信号の周波数fをf1_1に設定する。ステップS2において、ディセンスヘッドルーム測定制御部261は、LTE信号の信号強度Pとして初期値P1_1を設定する。
【0095】
ステップS3において、LTE信号生成部263は、LTE信号を生成する。すなわち、ステップS1,S2の処理でディセンスヘッドルーム測定制御部261により設定された周波数f1_1および信号強度P1_1のLTE信号が生成される。
【0096】
ステップS4において、通信部264は、周波数f1_1および信号強度P1_1のLTE信号を出力する。すなわち、周波数f1_1および信号強度P1_1のLTE信号が情報端末装置22に出力される。
【0097】
図10のステップS31において、情報端末装置22の受信回路部203は、アンテナ201およびアンテナ共用器202を介して、LTE信号の入力を受け付ける。すなわち、図9のステップS3の処理により出力された、周波数f1_1および信号強度P1_1のLTE信号が入力される。
【0098】
受信回路部203においては、バンド選択フィルタ部281によりLTE信号の周波数成分が抽出され、低雑音増幅器282により増幅される。
【0099】
このときディセンスヘッドルーム測定制御部261は、チャンネル周波数制御部222を制御し、受信ローカル信号発生器204に、LTE信号を復調するのに必要な周波数の信号を発生させる。
【0100】
混合器283は、受信ローカル信号発生器204により発生された信号を低雑音増幅器282より出力された信号に乗算して、LTE信号のベースバンド成分を抽出する。
【0101】
AGC回路284は、抽出された信号のレベルを調整し、チャンネルフィルタ部285に出力する。チャンネルフィルタ部285は、入力された信号から不要な周波数帯域の成分を除去し、A/D変換部205を介して、受信データ処理部221に出力する。
【0102】
ステップS32において、受信データ処理部221は、LTE信号の周波数fおよび信号強度Pを取得する。
【0103】
例えば、ディセンスヘッドルーム測定制御部261により設定された周波数fの値が、チャンネル周波数制御部222を介して受信データ処理部221に供給される。
【0104】
また、信号強度Pは、周波数fとともにディセンスヘッドルーム測定制御部261より供給される。
【0105】
あるいはまた、例えば、信号発生装置241からLTE信号を発生させ、アンテナ201、アンテナ共用器202、受信回路部203、およびA/D変換部205を介して取得する場合、受信データ処理部221に供給し、そのときの受信レベルを信号強度Pとしてもよい。勿論この場合、妨害波信号の信号成分はオフにされる。
【0106】
図9のステップS5において、信号発生装置241のディセンスヘッドルーム測定制御部261は、妨害波信号の信号強度Pとして初期値P2_1を設定する。
【0107】
ひとつの例として、妨害波信号の周波数fの値は、例えば、LTE信号に一番近い周波数に固定される。すなわち、LTE信号にとって最も厳しい妨害波信号の周波数が周波数fとして設定される。
【0108】
ステップS6において、妨害波信号生成部262は、妨害波信号を生成する。すなわち、ステップS5の処理によりディセンスヘッドルーム測定制御部261により設定された信号強度P2_1の妨害波信号が生成される。
【0109】
ステップS7において、通信部264は、妨害波信号を出力する。すなわち、信号強度P2_1の妨害波信号が情報端末装置22に出力される。
【0110】
ステップS33において、情報端末装置22の受信回路部203は、アンテナ201およびアンテナ共用器202を介して、干渉波信号の入力を受け付ける。
【0111】
すなわち、図9のステップS4の処理により出力された周波数f1_1および信号強度P1_1のLTE信号と、ステップS7の処理により出力された信号強度P2_1の妨害波信号の混合信号である干渉波信号が入力される。
【0112】
ステップS34において、受信データ処理部221は、干渉波信号の信号強度Pを取得する。この場合において、信号強度Pは、A/D変換部205より出力された信号のレベルとされ、その値が取得される。
【0113】
すなわち、図9のステップS4の処理により送信されたLTE信号と、ステップS7の処理により送信された妨害波信号の混合信号の信号強度Pが、入力された干渉波信号のレベルP3_1として取得される。
【0114】
ステップS35において、受信データ処理部221は、RSRQを算出する。
【0115】
RSRPは、特定のセル、例えば基地局装置21からの信号強度(リファレンス信号の平均値)を示している。リファレンス信号は、基地局装置21から常時、極めて密に送信されている。RSSIは、チャンネル帯域で観測した全てのエネルギーの値を示している。
【0116】
ただし、この対応表を作成する処理においては、式(1)の分母のRSSIとして、ステップS34で取得された干渉波信号の信号強度Pが代用される。
【0117】
また、分子のRSRPは、ステップS32でディセンスヘッドルーム測定制御部261から取得されたLTE信号の信号強度Pと、アンテナ201、アンテナ共用器202、受信回路部203、およびA/D変換部205により構成される受信系の利得とを用いて演算される。
【0118】
演算されたRSRQは、純粋に実運用におけるRSRPとRSSIから求められたRSRQに近似した値となるよう、必要があればオフセット値を加算するなど測定値の調整を行うことにより精度の高い測定が可能となる。
【0119】
このため、既知の入力レベルの信号を情報端末装置22の受信系に入力し、利得のばらつきを較正することができる。
【0120】
さらに、分子のRSRPは、例えば、図10のステップS32の処理で、アンテナ201、アンテナ共用器202、受信回路部203、およびA/D変換部205を介して信号強度Pが取得された場合、取得された信号強度Pに対して適切なオフセット値を加算するなど測定値の調整を行うことにより精度の高い測定が可能となる。
【0121】
このように、RSRPは、信号強度Pに対して適切な較正が行なわれればよく、信号強度Pを取得する方法は、上述した信号発生装置241からチャンネル周波数制御部222を介して取得する方法、並びにアンテナ201、アンテナ共用器202、受信回路部203、およびA/D変換部205を介して取得する方法に限られない。
【0122】
この実施の形態においては、WLAN通信によるLTE通信の妨害の程度を表すパラメータとして、RSRQが用いられるが、他のパラメータを用いることも可能である。
【0123】
非特許文献1によれば、Nは、RSRQ測定に用いるLTE信号のリソースブロック数を示している。対応表作成処理では、処理を簡単にするためNは便宜上1として測定しておけば良く、実際のRSRQ測定時におけるNの値によって生じる誤差は上記オフセット値の算入の過程で簡単に排除できる。
【0124】
ステップS36において、受信データ処理部221は、周波数f1_1、信号強度P1_1,P3_1に対応付けてRSRQを対応表に記憶する。図11を参照して、メモリ207に記憶されている対応表について説明する。
【0125】
図11は、対応表の例を示す図である。例えば、LTE信号の周波数f1_1に対応する信号強度Pが−40dB、干渉波信号の信号強度Pが−9dB、ステップS36の処理により算出されたRSRQが−1の場合、周波数がf1_1で、信号強度Pが−40dBである場合の対応表441−1−1の一番下の段の、干渉波信号の信号強度Pが−9dBである欄にRSRQとして−1が記憶される。
【0126】
図10に戻り、ステップS37において、受信データ処理部221は、所定数の干渉波信号の入力を受け付けたかを判定する。ステップS37において、まだ所定数の干渉波信号の入力を受け付けていないと判定された場合、処理はステップS33に戻る。
【0127】
図9のステップS8において、信号発生装置241のディセンスヘッドルーム測定制御部261は、全ての妨害波信号を出力したかを判定する。
【0128】
ステップS8において、まだ全ての妨害波信号が出力されていないと判定された場合、処理はステップS9に進む。
【0129】
ステップS9において、ディセンスヘッドルーム測定制御部261は、妨害波信号の信号強度Pを1ステップ(例えば1dB)だけインクリメントして、P2_2とする。なお、妨害波信号の信号強度Pをインクリメントする量は1dBに限られない。
【0130】
ステップS9の処理の後、処理はステップS6に戻り、それ以降の処理が繰り返される。例えば、信号強度Pが1dBだけインクリメントされた妨害波信号が情報端末装置22に送信される。
【0131】
そして、図10のステップS33乃至ステップS37の処理が繰り返されて、入力された干渉波信号に基づくRSRQが対応表に記憶される。
【0132】
以上の処理により、周波数がf1_1で、信号強度Pが−40dBである場合の対応表441−1−1の、干渉波信号の信号強度Pが−8dB,・・・,−5dB,−4dB,−3dB,−2dB,−1dB,0dBの各欄に、対応するRSRQとして−2,・・・,−5,−6,−8,−11,−16,−23が順次記憶される。
【0133】
図9のステップS8において、全ての妨害波信号が出力されたと判定された場合、ステップS10において、ディセンスヘッドルーム測定制御部261は、全ての信号強度のLTE信号を出力したかを判定する。
【0134】
ステップS10において、まだ全ての信号強度のLTE信号が出力されていないと判定された場合、処理はステップS11に進む。
【0135】
ステップS11において、ディセンスヘッドルーム測定制御部261は、LTE信号の信号強度Pを1ステップ(例えば1dB)だけインクリメントして、P1_2とする。なお、LTE信号の信号強度Pをインクリメントする量は1dBに限られない。
【0136】
ステップS11の処理の後、処理はステップS3に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0137】
またこれに対応して、図10のステップS37で所定数の干渉波信号の入力を受け付けたと判定された場合、ステップS38において、情報端末装置22の受信データ処理部221は、所定数の信号強度のLTE信号の入力を受け付けたかを判定する。
【0138】
ステップS38において、まだ所定数の信号強度のLTE信号の入力が受け付けられていないと判定された場合、処理はステップS31に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0139】
例えば、信号強度Pが1dBだけインクリメントされたLTE信号が情報端末装置22に出力され、出力されたLTE信号に基づいて、干渉波信号の信号強度PごとのRSRQが対応表に記憶される。
【0140】
この処理が繰り返されて、周波数fがf1_1で、信号強度Pが−39dB,・・・,−10dBである場合の対応表441−2−1,・・・,441−30−1が作成される。
【0141】
図9に戻り、ステップS10において、全ての信号強度のLTE信号が出力されたと判定された場合、ステップS12において、信号発生装置241のディセンスヘッドルーム測定制御部261は、全ての周波数のLTE信号を出力したかを判定する。
【0142】
ステップS12において、まだ全ての周波数のLTE信号が出力されていないと判定された場合、ステップS13において、ディセンスヘッドルーム測定制御部261は、周波数fが次の周波数f1_2のLTE信号を設定する。
【0143】
ステップS13の処理の後、処理はステップS2に戻り、それ以降の処理が繰り返される。
【0144】
またこれに対応して、図10のステップS38で所定数の信号強度のLTE信号の入力を受け付けたと判定された場合、ステップS39において、情報端末装置22の受信データ処理部221は、所定数の周波数のLTE信号の入力を受け付けたかを判定する。
【0145】
ステップS39において、まだ所定数の周波数のLTE信号の入力が受け付けられていない場合、処理はステップS31に戻り、それ以降の処理が実行される。
【0146】
この処理が繰り返されて、周波数がf1_2で、信号強度Pが−39dB,・・・,−10dBである場合の対応表441−2−2,・・・,441−30−2が作成される。
【0147】
同様に、周波数がf1_3乃至f1_Nの対応表441−1−3,・・・,441−30−3乃至441−1−N,・・・,441−30−Nが作成される。
【0148】
このように、情報端末装置22毎に妨害波信号によるLTE信号の妨害の程度を表すRSRQの対応表が記憶されるので、より正確に情報端末装置22の受信状況を基地局装置21に通知することができる。
【0149】
なお、本実施の形態においては、LTE信号と妨害波信号(例えばWLAN信号)を用いてRSRQの対応表を作成したが、LTE信号と妨害波信号は正弦波で代用することもできる。
【0150】
<第2の実施の形態>
【0151】
図12は、基地局装置21の通信の概要を説明する図である。
【0152】
図12に示されるように、基地局装置21の通信範囲501には、複数の情報端末装置22−1,22−2、および複数のLTE信号受信装置521−1乃至521−4が存在する。勿論、情報端末装置22およびLTE信号受信装置521の数は、これに限られない。
【0153】
LTE信号受信装置521−1乃至521−4は、LTE信号のみを受信し、ISM信号などは受信しない、すなわち、干渉は発生しない。
【0154】
[基地局装置の構成]
【0155】
図13は、基地局装置21の機能的構成を示すブロック図である。基地局装置21は、通信部541、LTE信号制御部542、およびLTE信号生成部543から構成されている。
【0156】
通信部541は、情報端末装置22−1,22−2、およびLTE信号受信装置521−乃至521−4と通信する。
【0157】
LTE信号制御部542は、LTE信号の周波数、信号強度等を設定する。LTE信号生成部543は、LTE信号制御部542により設定された周波数、信号強度等に基づくLTE信号を生成する。
【0158】
[DHR送信処理1]
【0159】
図14と図15を参照して、DHR送信処理1について説明する。
【0160】
図14は、基地局装置21の送信処理1を説明するフローチャートである。図15は、情報端末装置22のDHR送信処理1を説明するフローチャートである。
【0161】
図14の送信処理1および図15のDHR送信処理1は、周波数多重(FDM)処理、すなわち、ISM帯から干渉が生じた場合、LTEの周波数を変更することによって干渉を回避する場合の処理である。送信処理1は、基地局装置21が情報端末装置22に所定の信号を送信するときに開始される。
【0162】
図14のステップS101において、基地局装置21の通信部541は、情報端末装置22に下りLTE信号を送信する。
【0163】
図15のステップS121において、情報端末装置22の受信回路部203は、アンテナ201、およびアンテナ共用器202を介して、無線で下りLTE信号を受信する。下りLTE信号は、WLAN信号等により妨害を受けることがある。
【0164】
図16を参照して、WLAN信号による妨害を受けた状態で受信した信号である干渉波信号からLTE信号を受信する処理について説明する。
【0165】
図16Aは、干渉波信号の例を示している。干渉波信号は、妨害波信号301とLTE信号302−1から構成されている。
【0166】
干渉波信号が受信回路部203のバンド選択フィルタ部281に供給されると、バンド選択RFフィルタの通過特性303に従った周波数成分が抽出される。
【0167】
バンド選択フィルタ部281により特定の周波数が抽出されると、干渉波信号は、図16Bに示されるようになる。すなわち通過特性303外の周波数成分が除去される。図16Bの状態から低雑音増幅器282により干渉波信号が増幅されると、図16Cに示されるようになる。
【0168】
なお、低雑音増幅器282には、許容入力レベル321が設定されており、干渉波信号(例えば、図16Bの妨害波信号311)は、許容入力レベル321を超えた分はクリップされる。
【0169】
従って、低雑音増幅器282により干渉波信号が増幅された場合、干渉波信号(例えば、図16Cの妨害波信号341)は、飽和出力レベル361以下になる。
【0170】
そして、図16Cの干渉波信号に対して、混合器283によりLTE信号342−1を含む周波数の領域が抽出され、AGC回路284によりLTE信号342−1を含む干渉波信号は、所定の信号強度に調整される。
【0171】
信号強度が調整された干渉波信号がチャンネルフィルタ部285に供給されると、図16Dに示されるように、チャンネルフィルタ特性381外の周波数成分が除去される。これにより、LTE信号401−1と残存する妨害波信号421−1から構成される干渉波信号が出力される。
【0172】
一方、WLAN信号を出力させない状態で、すなわちWLAN信号による妨害を受けない状態で受信した信号からLTE信号領域を抽出すると、図16Aの妨害波信号301が存在しないので、図16DのLTE信号401−1だけが抽出される。
【0173】
図15に戻り、ステップS122において、情報端末装置22の受信データ制御部221は、RSRQを算出する。すなわち、WLAN信号による妨害を受けた状態で受信した信号から抽出された信号のレベルが式(1)の分母のRSSIとされる。
【0174】
一方、式(1)の分子のRSRPは、信号発生装置241からアンテナ201を介して入力されるLTEの信号レベルから容易に求められる。
【0175】
なお、式(1)のNは、システム情報として報知されてもよいし、適宜基地局装置21から所望の値を指定されてもよく、また、情報端末装置22内で適切な値を生成するようにしてもよい。
【0176】
ステップS123において、ディセンスヘッドルーム算出部223は、ステップS124の処理で算出されたRSRQをメモリ207に記憶されている対応表から抽出する。
【0177】
すなわち、ディセンスヘッドルーム算出部223は、いま受信しているLTE信号の周波数fをチャンネル周波数制御部222の出力から検知している。また、WLAN信号による妨害を受けない状態で受信した信号から抽出された信号のレベルが信号強度Pに対応する。
【0178】
そこで、検知されている周波数fで、信号強度Pが検出された値の対応表が選択され、その対応表のRSRQの値の中から、算出されたRSRQに対応する値が検索され、検索されたRSRQに対応する信号強度Pが抽出される。
【0179】
ステップS124において、ディセンスヘッドルーム算出部223は、DHRを算出する。すなわち、周波数fと信号強度Pに対応する最大信号強度Pmaxと、抽出された信号強度Pの差がDHRとして算出される。
【0180】
最大信号強度Pmaxは、信号強度Pの値を増加させた時のRSRQが所定値以上増加した場合の信号強度Pの値とされる。すなわち、例えばある信号強度Pの値に対して、信号強度Pを増加させたとき、通常であれば、その増加分に従ってRSRQの値も変化する。
【0181】
しかし、信号強度Pのレベルが過大になると、受信回路部203が飽和し、RSRQの劣化量が、信号強度Pの増加分から予測される値よりも大きく劣化する。
【0182】
そこで、この飽和によるRSRQの追加劣化分が、例えば、3dBに達したとき、受信回路部203は飽和していると定義する。つまり、最大信号強度P3maxは、妨害を受けずにLTE通信が可能な信号強度Pの限度を表している。
【0183】
なお、飽和となるRSRQの劣化レベルは、3dBに限らず、適切に設定される。また、飽和レベルの設定は、基地局装置21から指示されてもよい。
【0184】
例えば、RSRQが3dB以上増加した場合の信号強度Pの値を最大信号強度P3maxとすると、図11の対応表441−1−1からは、RSRQが−8から−11に3dB劣化する信号強度Pである−2が、最大信号強度P3maxとして取得される。
【0185】
なお、最大信号強度P3max、または最大信号強度P3maxを用いて算出されるDHRを、RSRQとともに予め対応表に記憶し、対応表に記憶された最大信号強度P3max、またはDHRが取得されるようにしてもよい。
【0186】
ステップS125において、送信データ処理部224は、D/A変換部208、送信回路部210、アンテナ共用器202、およびアンテナ201を介して、基地局装置21にDHRを送信する。
【0187】
図14のステップS102において、基地局装置21の通信部541は、DHRを取得する。すなわち、図15のステップS125の処理で送信されたDHRが取得される。
【0188】
ステップS103において、LTE信号制御部542は、DHRを基に下りリソースのリスケジューリングを行う。例えば、基地局21と通信する情報端末装置22を含む複数の端末装置に対するリソースが適切に分配され、基地局21と複数の端末装置の通信に用いられる全体のリソースが最適にされる。
【0189】
ステップS104において、LTE信号制御部542は、LTE信号を変更する必要があるかを判定する。例えば、DHRが閾値未満である場合、LTE信号を変更する必要があると判断される。
【0190】
ステップS104において、LTE信号を変更する必要があると判定された場合、例えば、DHRが閾値未満となり、情報端末装置22に送信するLTE信号が回避すべき程度に干渉されている場合、ステップS105において、LTE信号制御部542は、LTE信号の周波数を妨害波信号の周波数と離れるように変更する。
【0191】
ステップS106において、通信部541は、情報端末装置22に変更された周波数を通知する。
【0192】
図15のステップS126において、情報端末装置22の受信データ処理部221は、アンテナ201、アンテナ共用器202、受信回路部203、およびA/D変換部205を介して、基地局装置21から取得された周波数が変更されたかを判定する。
【0193】
ステップS126において、基地局装置21から取得された周波数が変更されたと判定された場合、ステップS127において、受信データ処理部221は、LTE信号を受信する周波数を取得された周波数に変更する。
【0194】
図14に戻り、ステップS107において、基地局装置21の通信部541は、LTE信号生成部543により生成された、変更された周波数のLTE信号を情報端末装置22に送信する。従って、LTE信号の情報端末装置22に対する干渉を回避することができる。
【0195】
ステップS107の処理の後、およびステップS104においてLTE信号を変更する必要がない(例えばDHRが閾値以上である)と判定され、ステップS105乃至S107の処理はスキップされた場合、送信処理1は終了する。
【0196】
また図15のステップS128において、情報端末装置22の受信データ処理部221は、アンテナ201、アンテナ共用器202、受信回路部203、およびA/D変換部205を介して、基地局装置21から周波数が変更されたLTE信号を受信する。
【0197】
ステップS128の処理の後、およびステップS126において変更する周波数が取得されないと判定され、ステップS127,S128の処理がスキップされた場合、DHR送信処理1は終了する。
【0198】
基地局装置21は、例えば一定の時間間隔毎に情報端末装置22にDHRの送信を要求する。その場合、その間隔を閾値までの余裕が大きいときは広くしておき(つまり粗く測定し)、小さくなってきたら、狭くする(つまり細かく測定する)こともできる。
【0199】
図17を参照して、LTE信号の周波数が変更された場合について説明する。
【0200】
図17は、LTE信号の周波数が変更された場合の干渉波信号の例を示している。図17Aに示されるように、妨害波信号301に対するLTE信号302−11の位置は、図16AのLTE信号302−1に較べて離れている。
【0201】
図17Aの干渉波信号は、バンド選択フィルタ部281により特定の周波数が抽出されると、図17Bに示されるようになる。図17Bの状態から低雑音増幅器282により干渉波信号が増幅されると、図17Cに示されるようになる。
【0202】
そして、図17Cの干渉波信号に対して、混合器283によりLTE信号342−11を含む周波数の領域が抽出され、AGC回路284によりLTE信号342−11を含む干渉波信号は、所定の信号強度に調整される。
【0203】
信号強度が調整された干渉波信号がチャンネルフィルタ部285に供給されると、図17Dに示されるように、チャンネルフィルタ特性381に基づいて、LTE信号401−11と妨害波信号421−11から構成される干渉波信号が出力される。
【0204】
図17Dを図16Dと比較して明らかなように、図17DのLTE信号401−11に対する妨害波信号421−11の影響は、図16DのLTE信号401−1に対する妨害波信号421−1による影響に較べて少なくなっている。
【0205】
[DHR送信処理2]
【0206】
次に、図18と図19を参照して、DHR送信処理2について説明する。
【0207】
図18は、基地局装置21の送信処理2を説明するフローチャートである。図19は、情報端末装置22のDHR送信処理2を説明するフローチャートである。
【0208】
図18においてステップS141乃至S144の処理は、図14のステップS101乃至S104の処理に対応する処理である。また、図19においてステップS161乃至S165の処理は、図15のステップS121乃至S125の処理に対応する処理である。従って、これらの処理は繰り返しになるので簡単に説明する。
【0209】
図18の送信処理2および図19のDHR送信処理2は、時間分割(TDD)処理により、LTE信号とISM信号が互いに干渉するのを回避する場合の処理である。送信処理2は、基地局装置21が情報端末装置22に所定の信号を送信するときに開始される。
【0210】
ステップS141において、基地局装置21の通信部541は、情報端末装置22に下りLTE信号を送信する。
【0211】
ステップS161において、受信回路部203は、アンテナ201、およびアンテナ共用器202を介して、下りLTE信号を受信する。
【0212】
ステップS162において、受信データ制御部221は、RSRQを算出する。すなわち、WLAN信号による妨害を受けた状態で受信した信号から抽出された信号のレベルが式(1)の分母のRSSIとされ、基地局装置21から入力されるLTEの信号レベルから式(1)の分子のRSRPが算出される。
【0213】
ステップS163において、ディセンスヘッドルーム算出部223は、ステップS162の処理で算出されたRSRQをメモリ207に記憶された対応表から抽出する。
【0214】
すなわち、検知されている周波数fで、信号強度Pが検出された値の対応表が選択され、その対応表のRSRQの値の中から、算出されたRSRQに対応する値が検索され、検索されたRSRQに対応する信号強度Pが抽出される。
【0215】
ステップS164において、ディセンスヘッドルーム算出部223は、DHRを算出する。すなわち、周波数fと信号強度Pに対応する最大信号強度Pmaxと、抽出された信号強度Pの差がDHRとして算出される。
【0216】
ステップS165において、送信データ処理部224は、D/A変換部208、送信回路部210、アンテナ共用器202、およびアンテナ201を介して、基地局装置21にDHRを送信する。
【0217】
図18のステップS142において、基地局装置21の通信部541は、DHRを取得する。すなわち、図19のステップS165の処理で送信されたDHRが取得される。
【0218】
ステップS143において、LTE信号制御部542は、DHRを基に下りリソースのリスケジューリングを行う。
【0219】
ステップS144において、LTE信号制御部542は、LTE信号を変更する必要があるかを判定する。例えば、DHRが閾値未満である場合、LTE信号を変更する必要があると判断される。
【0220】
ステップS144において、LTE信号を変更する必要があると判定された場合、例えば、DHRが閾値未満となり、情報端末装置22に送信するLTE信号が回避すべき程度に干渉されている場合、ステップS145において、LTE信号制御部542は、無線通信装置との通信タイミングの調整要求を情報端末装置22に通知する。
【0221】
図19のステップS166において、情報端末装置22の受信データ処理部221は、アンテナ201、アンテナ共用器202、受信回路部203、およびA/D変換部205を介して、基地局装置21から通信タイミングの調整要求を取得したかを判定する。
【0222】
ステップS166において、基地局装置21から通信タイミングの調整要求を取得したと判定された場合、ステップS167において、受信データ処理部221は、無線通信装置との通信タイミングを設定する。
【0223】
ステップS168において、送信データ処理部224は、D/A変換部208、送信回路部210、アンテナ共用器202、およびアンテナ201を介して、基地局装置21に通信タイミングの候補を送信する。
【0224】
すなわち、受信データ処理部221は、ステップS169で設定されたWLAN信号の送信タイミングと重ならないタイミングを、LTE信号の通信タイミングの候補として送信する。
【0225】
図18のステップS146において、基地局装置21の通信部541は、通信タイミングの候補を取得する。すなわち、図19のステップS168の処理により送信された通信タイミングの候補が取得される。
【0226】
ステップS147において、LTE信号制御部542は、ステップS145の処理により取得された通信タイミングの候補から通信可能な通信タイミングを選択する。
【0227】
ステップS148において、通信部541は、情報端末装置22に通信可能な通信タイミングを送信する。すなわち、ステップS147において、選択された通信タイミングが情報端末装置22に送信される。
【0228】
図19のステップS169において、情報端末装置22の受信データ処理部221は、アンテナ201、アンテナ共用器202、受信回路部203、およびA/D変換部205を介して、基地局装置21から通信可能な通信タイミングを取得する。
【0229】
ステップS170において、受信データ処理部221は、基地局装置21との通信タイミングを設定する。すなわち、ステップS169の処理により設定された通信タイミングが設定される。
【0230】
図18に戻り、ステップS149において、基地局装置21の通信部541は、通信可能な通信タイミングでLTE信号を情報端末装置22に送信する。従って、LTE信号の情報端末装置22に対する干渉を回避することができる。
【0231】
ステップS149の処理の後、およびステップS144においてLTE信号を変更する必要がない(例えばDHRが閾値以上である)と判定され、ステップS145乃至S149の処理はスキップされた場合、DHR送信処理2は終了する。
【0232】
図19のステップS171において、情報端末装置22の受信データ処理部221は、アンテナ201、アンテナ共用器202、受信回路部203、およびA/D変換部205を介して、基地局装置21から設定された通信タイミングでLTE信号を受信する。以後、基地局装置21との通信は、このタイミングで実行される。
【0233】
ステップS171の処理の後、およびステップS166において通信タイミングの調整要求が受信されていないと判定され、ステップS167乃至S171の処理がスキップされた場合、DHR送信処理2は終了する。
【0234】
一般に、情報端末装置22のバンド選択フィルタ部281のRFフィルタの特性のばらつきの管理は難しく、接続されるアンテナ201の特性の変化、グランド条件、インピーダンスマッチングなどの条件の変化によってもRFフィルタの特性は大きく影響を受ける。
【0235】
また、情報端末装置22の低雑音増幅器282では、回路の線形性が、トランジスタ素子のばらつき、トランジスタ素子を流れる電流のばらつき、電源電圧のばらつき、温度などに依存しやすく、許容入力レベル321は、情報端末装置22ごとにばらつきやすい。
【0236】
さらに、図16と図17を参照して説明したように、LTE信号の周波数fが妨害波信号の周波数fに対して比較的近い場合、3次ひずみ61の影響が大きくなり、LTE信号の周波数fが妨害波信号の周波数fに対して比較的遠い場合、5次ひずみ62の影響が大きくなる。
【0237】
このように、様々なばらつき要因や、チャンネル位置に依存するひずみの影響の相違により、情報端末装置22の受信データ処理部221で算出されるRSRQは、情報端末装置22の受信系を介して入力される干渉波信号の信号強度と必ずしも1対1に対応しない。
【0238】
本技術においては、RSRQではなく、情報端末装置22毎に異なる干渉の状態である妨害を受けるまでの余裕を表す情報としてのDHRにより干渉状態が管理される。従って、LTE信号と妨害波信号との干渉を確実に回避することができる。
【0239】
また、基地局装置21に送信する情報は、DHRだけなので、より少ないビット数で粒度の細かい情報を通知することができる。
【0240】
[パーソナルコンピュータの構成]
【0241】
図20は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するパーソナルコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0242】
パーソナルコンピュータ601において、CPU(Central Processing Unit)621,ROM(Read Only Memory)622,RAM(Random Access Memory)623は、バス624により相互に接続されている。
【0243】
バス624には、さらに、入出力インタフェース5が接続されている。入出力インタフェース625には、入力部626、出力部627、記憶部628、通信部629、およびドライブ630が接続されている。
【0244】
入力部626は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどにより構成される。出力部627は、ディスプレイ、スピーカなどにより構成される。記憶部628は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどにより構成される。
【0245】
通信部629は、ネットワークインタフェースなどにより構成される。ドライブ630は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア631を駆動する。
【0246】
以上のように構成されるパーソナルコンピュータ601においては、CPU621が、例えば、記憶部628に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース625及びバス624を介して、RAM623にロードして実行することにより、各種の処理が行われる。
【0247】
CPU621が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア631に記録して提供される。
【0248】
なお、パッケージメディアとしては、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどが用いられる。
【0249】
また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供することができる。
【0250】
パーソナルコンピュータ601においては、プログラムは、リムーバブルメディア631をドライブ630に装着することにより、入出力インタフェース625を介して、記憶部628にインストールすることができる。
【0251】
また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部629で受信し、記憶部628にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM622や記憶部628に、あらかじめインストールしておくことができる。
【0252】
なお、パーソナルコンピュータ601が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われる処理であっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0253】
[その他]
【0254】
本明細書において、システムの用語は、複数の装置、手段などより構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0255】
本技術の実施の形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、本技術の実施の形態は、一部の機能を他の装置が有していても良い。
【0256】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)第1の他の装置と第1の通信をする第1の通信部と、第2の他の装置と第2の通信をする第2の通信部とを備え、前記第1の通信部は、前記第1の通信が、前記第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報を前記第1の他の装置に送信する通信端末装置。
(2)前記通信端末装置は、余裕を表わす前記情報としてのディセンスヘッドルームを算出するディセンスヘッドルーム算出部をさらに備え、前記ディセンスヘッドルーム算出部は、前記第2の通信による前記第1の通信の妨害の程度を表す予め記憶されているパラメータと、所定の時点で算出された前記パラメータとの差に基づいて、前記ディセンスヘッドルームを算出する前記(1)に記載の通信端末装置。
(3)前記ディセンスヘッドルーム算出部は、前記第1の通信による信号と、前記第2の通信による信号の混合信号の信号強度を増加させた場合の前記パラメータの変化が所定値以上であるときの前記信号強度を最大信号強度とし、前記最大信号強度と、入力を受け付けた前記混合信号の信号強度との差を前記ディセンスヘッドルームとして算出する前記(2)に記載の通信端末装置。
(4)前記ディセンスヘッドルーム算出部により算出された前記ディセンスヘッドルームが閾値より小さいとき、前記第1の通信部による前記第1の通信の周波数が、前記第2の通信部による前記第2の通信の周波数と離れるように変更される前記(3)に記載の通信端末装置。
(5)前記ディセンスヘッドルーム算出部により算出された前記ディセンスヘッドルームが閾値より小さいとき、前記第1の通信部による前記第1の通信のタイミングが、前記第2の通信と重ならないタイミングに変更される前記(3)に記載の通信端末装置。
(6)前記パラメータは、前記第1の通信の信号の周波数および信号強度、並びに前記第1の通信の信号と、前記第2の通信の信号の前記混合信号の信号強度に対応付けて記憶されている前記(2)乃至(5)のいずれかに記載の通信端末装置。
(7)前記パラメータは一定の時間間隔で算出され、算出された前記ディセンスヘッドルームと前記閾値との差が所定の値より小さくなったとき、前記間隔を狭くする前記(2)乃至(6)のいずれかに記載の通信端末装置。
(8)前記パラメータは、RSRQである前記(2)乃至(7)のいずれかに記載の通信端末装置。
(9)第1の他の装置と第1の通信をし、第2の他の装置と第2の通信をし、前記第1の通信が、前記第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報を前記第1の他の装置に送信する通信方法。
(10)通信端末装置と第1の通信をするとともに、前記通信端末装置から前記第1の通信が、他の装置との第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表わす情報を受信する通信部と、前記通信部により受信された余裕を表わす前記情報に基づいて、前記通信端末装置に対する前記第1の通信への干渉を回避するように前記第1の通信を制御する制御部とを備える基地局装置。
(11)通信端末装置と基地局装置から構成される通信システムにおいて、前記通信端末装置は、前記基地局装置との第1の通信が、他の装置との第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報を前記基地局装置に送信する第1の通信部を備え、前記基地局装置は、前記通信端末装置と前記第1の通信をするとともに、前記通信端末装置から余裕を表わす前記情報を受信する第2の通信部と、前記第2の通信部により受信された余裕を表わす前記情報に基づいて、前記通信端末装置に対する前記第1の通信への干渉を回避するように前記第1の通信を制御する制御部とを備える通信システム。
【符号の説明】
【0257】
21 基地局装置, 22 情報端末装置, 203 受信回路部, 207 メモリ, 221 受信データ処理部, 223 ディセンスヘッドルーム算出部, 224 送信データ処理部, 241 信号発生装置, 541 通信部, 542 LTE信号制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の他の装置と第1の通信をする第1の通信部と、
第2の他の装置と第2の通信をする第2の通信部と
を備え、
前記第1の通信部は、前記第1の通信が、前記第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報を前記第1の他の装置に送信する
通信端末装置。
【請求項2】
前記通信端末装置は、余裕を表わす前記情報としてのディセンスヘッドルームを算出するディセンスヘッドルーム算出部をさらに備え、
前記ディセンスヘッドルーム算出部は、前記第2の通信による前記第1の通信の妨害の程度を表す予め記憶されているパラメータと、所定の時点で算出された前記パラメータとの差に基づいて、前記ディセンスヘッドルームを算出する
請求項1に記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記ディセンスヘッドルーム算出部は、前記第1の通信による信号と、前記第2の通信による信号の混合信号の信号強度を増加させた場合の前記パラメータの変化が所定値以上であるときの前記信号強度を最大信号強度とし、前記最大信号強度と、入力を受け付けた前記混合信号の信号強度との差を前記ディセンスヘッドルームとして算出する
請求項2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記ディセンスヘッドルーム算出部により算出された前記ディセンスヘッドルームが閾値より小さいとき、前記第1の通信部による前記第1の通信の周波数が、前記第2の通信部による前記第2の通信の周波数と離れるように変更される
請求項3に記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記ディセンスヘッドルーム算出部により算出された前記ディセンスヘッドルームが閾値より小さいとき、前記第1の通信部による前記第1の通信のタイミングが、前記第2の通信と重ならないタイミングに変更される
請求項3に記載の通信端末装置。
【請求項6】
前記パラメータは、前記第1の通信の信号の周波数および信号強度、並びに前記第1の通信の信号と、前記第2の通信の信号の前記混合信号の信号強度に対応付けて記憶されている
請求項4に記載の通信端末装置。
【請求項7】
前記パラメータは一定の時間間隔で算出され、算出された前記ディセンスヘッドルームと前記閾値との差が所定の値より小さくなったとき、前記間隔を狭くする
請求項6に記載の通信端末装置。
【請求項8】
前記パラメータは、RSRQである
請求項7に記載の通信端末装置。
【請求項9】
第1の他の装置と第1の通信をし、
第2の他の装置と第2の通信をし、
前記第1の通信が、前記第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報を前記第1の他の装置に送信する
通信方法。
【請求項10】
通信端末装置と第1の通信をするとともに、前記通信端末装置から前記第1の通信が、他の装置との第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表わす情報を受信する通信部と、
前記通信部により受信された余裕を表わす前記情報に基づいて、前記通信端末装置に対する前記第1の通信への干渉を回避するように前記第1の通信を制御する制御部と
を備える基地局装置。
【請求項11】
通信端末装置と基地局装置から構成される通信システムにおいて、
前記通信端末装置は、
前記基地局装置との第1の通信が、他の装置との第2の通信による妨害を受けるまでの余裕を表す情報を前記基地局装置に送信する第1の通信部
を備え、
前記基地局装置は、
前記通信端末装置と前記第1の通信をするとともに、前記通信端末装置から余裕を表わす前記情報を受信する第2の通信部と、
前記第2の通信部により受信された余裕を表わす前記情報に基づいて、前記通信端末装置に対する前記第1の通信への干渉を回避するように前記第1の通信を制御する制御部と
を備える通信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2013−5288(P2013−5288A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−135621(P2011−135621)
【出願日】平成23年6月17日(2011.6.17)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】