通信端末
【課題】リーダライタの読み取り面に対して成す角度に依存する通信性能の劣化を抑えた通信端末を提供する。
【解決手段】巻回中心部を導体開口部CAとする渦巻き状のコイル導体がフレキシブル基板40に形成されている。フレキシブル基板40と磁性体シート1とで構成されるアンテナコイル21は回路基板20の一辺付近に配置されている。また、アンテナコイル21は、磁性体シート1側が回路基板20に近接する向きに配置され、回路基板20の一辺に近接する側が、より回路基板20に近接する方向に屈曲されている。リーダライターアンテナとの成す角度θが0°〜90°の範囲で変化しても、リーダライターアンテナの磁束の一部MFは、フレキシブル基板40の導体開口部CAから第1の導体部分41方向又は第2の導体部分42方向へ磁性体シート1を透過し、コイルと鎖交する。
【解決手段】巻回中心部を導体開口部CAとする渦巻き状のコイル導体がフレキシブル基板40に形成されている。フレキシブル基板40と磁性体シート1とで構成されるアンテナコイル21は回路基板20の一辺付近に配置されている。また、アンテナコイル21は、磁性体シート1側が回路基板20に近接する向きに配置され、回路基板20の一辺に近接する側が、より回路基板20に近接する方向に屈曲されている。リーダライターアンテナとの成す角度θが0°〜90°の範囲で変化しても、リーダライターアンテナの磁束の一部MFは、フレキシブル基板40の導体開口部CAから第1の導体部分41方向又は第2の導体部分42方向へ磁性体シート1を透過し、コイルと鎖交する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電磁界信号を介して外部機器と通信するRFID(Radio Frequency Identification)システム等に用いられる通信端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
RFIDシステムで用いられる携帯電子機器に搭載されるアンテナが特許文献1に開示されている。図1は特許文献1に開示されているアンテナの断面図である。図1において、アンテナコイル10はコイル本体11と磁芯部材13とを備える。コイル本体11は、絶縁フィルム12の一方の面に渦巻き状に巻回された導体からなる。磁芯部材13は絶縁フィルム12の他方の主面に積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−108966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図2は、アンテナを筐体内に納めた携帯端末200をリーダライタ側アンテナ30にかざす角度θについて示す斜視図である。
【0005】
通信を行う場合には、巻回しているコイルと磁束が鎖交する必要がある。そのため、平面コイルに対して垂直方向から磁束が到来する場合には、鎖交する磁束が多くなるが、平面コイルと平行な方向からの磁束に対しては、鎖交する磁束は極端に少なくなり、通信が行えないこととなる。
【0006】
特許文献1に示されているアンテナでは、それを備えた電子機器をリーダライタにかざす際に、電子機器とリーダライタのアンテナとの成す角度θが増すほど、通信可能距離が短くなる。
【0007】
図3は、特許文献1に示されているアンテナを備えた電子機器とリーダライタのアンテナとの成す角度θと通信可能距離との関係を示す図である。この例では、θが60°に達すると、通信可能距離は殆ど0となって、通信不能となる。
【0008】
そこで、この発明の目的は、リーダライタのアンテナとの成す角度に依存する通信性能の劣化を抑えた通信端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、この発明の通信端末は、
コイル導体、及び前記コイル導体の形成面に沿って配置される磁性体シートを備えたアンテナコイルと、このアンテナコイルの近傍に配置された平面導体と、筺体とを備え、
前記コイル導体は巻回中心部を導体開口部とする渦巻き状に形成され、
前記アンテナコイルは前記平面導体の端部付近に配置され、
前記磁性体シートは前記アンテナコイルのコイル導体と前記平面導体との間に配置され、
前記コイル導体のうちの前記平面導体の中央寄りに位置する第1の導体部分から前記コイル導体のうちの前記平面導体の端部寄りに位置する第2の導体部分への方向が、前記平面導体に近づく方向に傾斜している、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、リーダライタのアンテナに対して前記アンテナの成す角度が広い範囲で、磁束がコイル導体を有効に鎖交するので、広い角度範囲で安定した通信を行える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】特許文献1に開示されているアンテナの断面図である。
【図2】アンテナを筐体内に納めた携帯端末200をリーダライタ側アンテナ30にかざす角度θについて示す斜視図である。
【図3】特許文献1に示されているアンテナを備えた電子機器とリーダライタのアンテナとの成す角度θと通信可能距離との関係を示す図である。
【図4】図4(A)は第1の実施形態に係るアンテナコイル21の平面図、図4(B)はアンテナコイル21の正面図である。
【図5】図5(A)は、図4に示したアンテナコイルを設ける回路基板側の構成を示す斜視図である。図5(B)は第1の実施形態に係るアンテナ101の一部断面正面図である。
【図6】第1の実施形態に係るアンテナを筐体内に納めた携帯端末をリーダライタ側アンテナにかざす角度θを変化させたときの、アンテナコイルを通る磁束の様子を模式的に表した図である。
【図7】支持台43に貼付された磁性体シート1の作用について示す図である。
【図8】リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θと最大通信距離との関係を示す図である。
【図9】第2の実施形態に係るアンテナの磁性体シートの配置範囲と、そこを透過する磁束との関係を示す図である。
【図10】第3の実施形態に係るアンテナコイル23A,23B,23C,24Dの斜視図である。
【図11】第4の実施形態に係るアンテナ104の断面図である。
【図12】リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θと最大通信距離との関係を示す図である。
【図13】図13(A)は第5の実施形態に係るアンテナコイルに備えるフレキシブル基板40の平面図、図13(B)は第5の実施形態に係るアンテナコイルに備える磁性体シート1の平面図である。
【図14】第6の実施形態に係るアンテナの主要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係るアンテナ及び携帯端末の構成を、各図を参照して説明する。
【0013】
図4(A)はアンテナコイル21の平面図、図4(B)はアンテナコイル21の正面図である。アンテナコイル21は、コイル導体CWが形成されたフレキシブル基板40と磁性体シート1とを備えている。
【0014】
磁性体シート1は、フェライト粉などの磁性体粉と樹脂材との混成体を矩形板状のシートに成形したものである。
【0015】
図4(A)に示されているように、フレキシブル基板40に、巻回中心部を導体開口部CAとする渦巻き状のコイル導体CWが形成されている。
【0016】
コイル導体CWは、導体開口部CAを通るライン(図中、破線で示すライン)を挟んで第1の導体部分41と第2の導体部分42が対向するように配置されている。
【0017】
図5(A)は、図4に示したアンテナコイルを設ける回路基板側の構成を示す斜視図である。図5(B)はアンテナ101の一部断面正面図である。
【0018】
アンテナ101は携帯端末の筐体内に収納されるが、図5(A),図5(B)では筐体を除いた状態で表している。
【0019】
アンテナ101は、アンテナコイル21、それを支持する支持台43、及び矩形板状の回路基板20を備える。図5(A)に示す支持台43にアンテナコイル21が貼付される。
【0020】
前記回路基板20には面状に広がるグランド電極が形成されている。このグランド電極がこの発明に係る平面導体に相当する。
【0021】
アンテナコイル21は、その磁性体シート1が、フレキシブル基板40より回路基板20側に近接する向きに配置される。すなわち、磁性体シート1側が支持台43に貼付される。
【0022】
図5(A),図5(B)に示すように、アンテナコイル21及び支持台43は回路基板20の一辺付近に配置される。そして、回路基板20の一辺に近接する側が回路基板に、より近接する方向に屈曲している。図5の例では、第2の導体部分42が第1の導体部分41に比べて回路基板20の一辺寄りに配置されている。
【0023】
なお、支持台43にアンテナコイル21を貼付したユニットを回路基板20に実装するようにしてもよい。アンテナコイル21のコイル導体の両端は回路基板上の所定の端子電極に接続される。この接続構造については図示を省略している。回路基板20にはアンテナコイル21のコイル導体と接続される通信回路が構成されている。
【0024】
図6(A),図6(B),図6(C)は、第1の実施形態に係るアンテナを筐体内に納めた携帯端末をリーダライタ側アンテナにかざす角度θを変化させたときの、アンテナコイルを通る磁束の様子を模式的に表した図である。図6(A),図6(B),図6(C)中の破線の矢印線は磁束の経路を模式的に表している。
【0025】
図6(A)はθ=0°での磁束の経路、図6(B)はθ=45°での磁束の経路、図6(C)はθ=90°での磁束の経路である。
【0026】
θ=0°のとき、リーダライターアンテナの磁束MFの一部は、フレキシブル基板40の導体開口部CAから第2の導体部分42方向へ磁性体シート1を透過してコイル(第1の導体部分41及び第2の導体部分42を含むコイル導体によるコイル)と鎖交する。前記磁束MFの大部分は磁性体シート1の第2の導体部分42が近接する側へ抜ける。
【0027】
θ=45°のとき、リーダライターアンテナの磁束MFの一部は、フレキシブル基板40の導体開口部CAから第1の導体部分41方向へ磁性体シート1を透過してコイルと鎖交する。前記磁束MFは磁性体シート1の第1の導体部分41及び第2の導体部分42が近接する側の両方へ抜ける。
【0028】
θ=90°のとき、リーダライターアンテナの磁束MFの一部は、フレキシブル基板40の導体開口部CAから第1の導体部分41方向へ及び第2の導体部分42方向へ磁性体シート1を透過してコイルと鎖交する。前記磁束MFの大部分は磁性体シート1の第1の導体部分41が近接する側へ抜ける。
【0029】
図7は、支持台43に貼付された磁性体シート1の作用について示す図である。図7(A)は、前記θ=90°付近の状態で、回路基板の一辺側から磁束MFが入る場合の磁束の経路を示している。図7(B)は、前記θ=0°付近の状態で、回路基板の法線方向に磁束MFが入る場合の磁束の経路を示している。いずれの場合でも、磁界の向きに沿って磁性体シート内を磁束が透過するので、図6(A)、図6(B)、図6(C)に示したとおり、磁性体シートを透過する磁束はコイルと鎖交する。
【0030】
図8は、リーダライタのアンテナに対する携帯端末のかざす角度θと最大通信距離との関係を示す図である。ここで、特性ラインAは、第1の実施形態に係るアンテナコイル21を備えたアンテナの特性、特性ラインBは、比較対照のアンテナの特性である。比較対照のアンテナは、支持台を設けずに、アンテナコイル21全体を回路基板に平行に配置したものである。第1の実施形態に係るアンテナコイル21の平面投影寸法は25mm×15mm、支持台の高さは5mmである。比較対照のアンテナコイルの平面寸法は25mm×15mmである。
【0031】
比較対照のアンテナコイルを備えたアンテナでは、リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θが60°〜90°付近では、通信距離が低下し、通信不能となる。これに対し、第1の実施形態に係るアンテナでは、リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θが0°から90°の範囲内に谷が生じることはない。そのため、広い角度範囲で最大通信距離を大きく確保できる。
【0032】
このように、リーダライタ側アンテナに対して携帯端末をかざす角度θが0°〜90°のいずれの角度であっても、起電力が0になるような状況は生じない。
【0033】
《第2の実施形態》
図9は、第2の実施形態に係るアンテナの磁性体シートの配置範囲と、そこを透過する磁束との関係を示す図である。
【0034】
図9(A)は第1の実施形態に係るアンテナ101に対する、θ=0°での磁束の経路を示している。図9(B)は第2の実施形態に係るアンテナ102Aに対する、θ=0°での磁束の経路を示している。図9(C)は第1の実施形態に係るアンテナ101に対する、θ=90°での磁束の経路を示している。図9(D)は第2の実施形態に係る別のアンテナ102Bに対する、θ=90°での磁束の経路を示している。
【0035】
第1の実施形態に係るアンテナ101では、磁性体シート1がフレキシブル基板40の全面に亘って配置されている。そのため、図9(A)に示すように、θ=0°付近で、磁性体シート1を透過するがコイルと鎖交しない磁束MFbが生じる。第2の実施形態に係るアンテナ102Aは、磁性体シート1の一方の辺を第1の導体部分41に掛からない(避ける)位置にとどめている。そのため、図9(B)に示すように、前記磁束MFbの透過が抑制され、その分、結合に寄与する磁束MFaの強度が増す。
【0036】
また、第1の実施形態に係るアンテナ101では、図9(C)に示すように、θ=90°付近で、磁性体シート1を透過するがコイルと鎖交しない磁束MFbが生じる。第2の実施形態に係るアンテナ102Bは、磁性体シート1の一方の辺を第2の導体部分42に掛からない(避ける)位置にとどめている。そのため、図9(D)に示すように、前記磁束MFbの透過が抑制され、その分、結合に寄与する磁束MFaの強度が増す。
【0037】
図9(B)に示したアンテナ102Aはθが0°に近い角度範囲(0°〜45°)で最大通信可能距離が大きくなり、図9(D)に示したアンテナ102Bはθが90°に近い角度範囲(90°〜45°)で最大通信可能距離が大きくなる。このようにして、重視する角度範囲に応じて磁性体シートのサイズと配置位置を定めればよい。
【0038】
《第3の実施形態》
図10(A),図10(B),図10(C),図10(D)は第3の実施形態に係るアンテナコイル23A,23B,23C,23Dの斜視図である。
【0039】
第1の実施形態では磁性体シート1をフレキシブル基板と同サイズにし、第2の実施形態では磁性体シート1を第1の導体部分41又は第2の導体部分42に掛からない位置に配置した。これに対し、第3の実施形態では、磁性体シート1の短辺に沿った位置に配置されている導体部分に磁性体シート1が掛からないように、磁性体シート1を配置している。
【0040】
図10(A)に示すアンテナコイル23Aの磁性体シート1は、第1の導体部分41から第2の導体部分42にかけて一定幅に配置している。図10(B)に示すアンテナコイル23Bの磁性体シート1は、第1の導体部分41と第2の導体部分42の形成領域についてフレキシブル基板40の全幅に亘って幅広に設けている。図10(C)に示すアンテナコイル23Cの磁性体シート1は、第1の導体部分41の形成領域についてフレキシブル基板40の全幅に亘って幅広に設けている。図10(D)に示すアンテナコイル23Dの磁性体シート1は、第2の導体部分42の形成領域についてフレキシブル基板40の全幅に亘って幅広に設けている。
【0041】
図10(C)に示したアンテナコイル23Cを備えたアンテナによれば、第1の導体部分41付近の磁性体シート1を磁束が透過する状態での磁気抵抗が小さくなる(集磁効果が高まる)。そのため、図6(C)に示したとおり、特にθ=90°付近でのアンテナ利得の向上に寄与する。
【0042】
図10(D)に示したアンテナコイル23Dを備えたアンテナによれば、第2の導体部分42付近の磁性体シート1を磁束が透過する状態での磁気抵抗が小さくなる(集磁効果が高まる)。そのため、図6(A)に示したとおり、特にθ=0°付近でのアンテナ利得の向上に寄与する。
【0043】
図10(B)に示したアンテナコイル23Bを備えたアンテナによれば、第1の導体部分41付近及び第2の導体部分42付近の磁性体シート1を磁束が透過する状態での磁気抵抗が小さくなる。そのため、図6(A),図6(B),図6(C)に示したとおり、θ=0°〜90°の広範囲に亘ってアンテナ利得の向上に寄与する。
【0044】
《第4の実施形態》
図11は第4の実施形態に係るアンテナ104の断面図である。アンテナ104は携帯端末の筐体内に収納されるが、図11では筐体を除いた状態で表している。
【0045】
アンテナ104は、アンテナコイル21、それを支持する支持台43、及び矩形板状の回路基板20を備える。この例では、直方体形状の支持台43を用いている。そのため、アンテナコイル21は直角に屈折される。
【0046】
図12は、リーダライタのアンテナに対する携帯端末のかざす角度θと最大通信距離との関係を示す図である。ここで、特性ラインAは、第4の実施形態に係るアンテナ104の特性、特性ラインBは、比較対照のアンテナの特性である。比較対照のアンテナは支持台を設けずに、アンテナコイル21全体を回路基板に平行に配置したものである。第4の実施形態に係るアンテナコイル21の平面投影寸法は25mm×15mm、支持台43の高さは5mmである。比較対照のアンテナコイルの平面寸法は25mm×15mmである。
【0047】
比較対照のアンテナコイルを備えたアンテナでは、リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θが60°〜90°付近では、通信距離が低下し、通信不能となる。これに対し、第4の実施形態に係るアンテナ104では、リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θが0°から90°の範囲内に谷が生じることはない。そのため、広い角度範囲で最大通信距離を大きく確保できる。
【0048】
このように、アンテナコイルを直角に屈折させても、リーダライタ側アンテナに対して携帯端末をかざす角度θが0°〜90°のいずれの角度であっても、起電力が0になるような状況は生じない。
【0049】
《第5の実施形態》
図13(A)は第5の実施形態に係るアンテナコイルに備えるフレキシブル基板40の平面図、図13(B)は第5の実施形態に係るアンテナコイルに備える磁性体シート1の平面図である。
【0050】
図13(B)に示されている磁性体シート1は、予め、碁盤目状に切り込みを入れた平板状のフェライトの両面をフィルムでラミネートしたものを複数に小片化したものである。図13(B)中の破線で区切られた部分は、焼結磁性体の小片を表している。このような構成により、磁性体シート1全体は柔軟性をもつことになる。そのため、この磁性体シート1を備えたアンテナコイルは支持台の面に沿って容易に配置できる。また、例えば携帯端末の筐体の内面に沿って設けることができる。したがって種々の形状の筐体内に容易に組み込める。
【0051】
《第6の実施形態》
図14は第6の実施形態に係るアンテナの主要部の断面図である。この例では、支持台を用いることなく、携帯端末の筐体50の内面にアンテナコイル21を貼付している。このような構造によれば、部品点数が削減できるだけでなく、筐体の曲面付近に生じる空間を有効に利用できる。
【0052】
《他の実施形態》
以上に示した各実施形態では、基板のグランド電極を平面導体の例として示したが、液晶表示パネルの背面に配置されるシールド板、筐体の内面に形成されている導体膜や導体箔、さらには電池パックを平面導体として扱い、アンテナを構成することもできる。
【0053】
また、以上に示した各実施形態では、アンテナを筐体の内部または内面に配置したが、筐体の外面に沿ってアンテナを配置してもよい。この場合、アンテナのフレキシブル基板の一部を筐体内に引き込み、筐体内の回路基板に電気的に接続すればよい。
【符号の説明】
【0054】
CA…導体開口部
CW…コイル導体
MF…磁束
MFa…磁束
MFb…磁束
1…磁性体シート
20…回路基板
21…アンテナコイル
23A,23B,23C,24D…アンテナコイル
30…リーダライタ側アンテナ
40…フレキシブル基板
41…第1の導体部分
42…第2の導体部分
43…支持台
50…筐体
101…アンテナ
102A…アンテナ
102B…アンテナ
104…アンテナ
【技術分野】
【0001】
この発明は、電磁界信号を介して外部機器と通信するRFID(Radio Frequency Identification)システム等に用いられる通信端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
RFIDシステムで用いられる携帯電子機器に搭載されるアンテナが特許文献1に開示されている。図1は特許文献1に開示されているアンテナの断面図である。図1において、アンテナコイル10はコイル本体11と磁芯部材13とを備える。コイル本体11は、絶縁フィルム12の一方の面に渦巻き状に巻回された導体からなる。磁芯部材13は絶縁フィルム12の他方の主面に積層されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−108966号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
図2は、アンテナを筐体内に納めた携帯端末200をリーダライタ側アンテナ30にかざす角度θについて示す斜視図である。
【0005】
通信を行う場合には、巻回しているコイルと磁束が鎖交する必要がある。そのため、平面コイルに対して垂直方向から磁束が到来する場合には、鎖交する磁束が多くなるが、平面コイルと平行な方向からの磁束に対しては、鎖交する磁束は極端に少なくなり、通信が行えないこととなる。
【0006】
特許文献1に示されているアンテナでは、それを備えた電子機器をリーダライタにかざす際に、電子機器とリーダライタのアンテナとの成す角度θが増すほど、通信可能距離が短くなる。
【0007】
図3は、特許文献1に示されているアンテナを備えた電子機器とリーダライタのアンテナとの成す角度θと通信可能距離との関係を示す図である。この例では、θが60°に達すると、通信可能距離は殆ど0となって、通信不能となる。
【0008】
そこで、この発明の目的は、リーダライタのアンテナとの成す角度に依存する通信性能の劣化を抑えた通信端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するために、この発明の通信端末は、
コイル導体、及び前記コイル導体の形成面に沿って配置される磁性体シートを備えたアンテナコイルと、このアンテナコイルの近傍に配置された平面導体と、筺体とを備え、
前記コイル導体は巻回中心部を導体開口部とする渦巻き状に形成され、
前記アンテナコイルは前記平面導体の端部付近に配置され、
前記磁性体シートは前記アンテナコイルのコイル導体と前記平面導体との間に配置され、
前記コイル導体のうちの前記平面導体の中央寄りに位置する第1の導体部分から前記コイル導体のうちの前記平面導体の端部寄りに位置する第2の導体部分への方向が、前記平面導体に近づく方向に傾斜している、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、リーダライタのアンテナに対して前記アンテナの成す角度が広い範囲で、磁束がコイル導体を有効に鎖交するので、広い角度範囲で安定した通信を行える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】特許文献1に開示されているアンテナの断面図である。
【図2】アンテナを筐体内に納めた携帯端末200をリーダライタ側アンテナ30にかざす角度θについて示す斜視図である。
【図3】特許文献1に示されているアンテナを備えた電子機器とリーダライタのアンテナとの成す角度θと通信可能距離との関係を示す図である。
【図4】図4(A)は第1の実施形態に係るアンテナコイル21の平面図、図4(B)はアンテナコイル21の正面図である。
【図5】図5(A)は、図4に示したアンテナコイルを設ける回路基板側の構成を示す斜視図である。図5(B)は第1の実施形態に係るアンテナ101の一部断面正面図である。
【図6】第1の実施形態に係るアンテナを筐体内に納めた携帯端末をリーダライタ側アンテナにかざす角度θを変化させたときの、アンテナコイルを通る磁束の様子を模式的に表した図である。
【図7】支持台43に貼付された磁性体シート1の作用について示す図である。
【図8】リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θと最大通信距離との関係を示す図である。
【図9】第2の実施形態に係るアンテナの磁性体シートの配置範囲と、そこを透過する磁束との関係を示す図である。
【図10】第3の実施形態に係るアンテナコイル23A,23B,23C,24Dの斜視図である。
【図11】第4の実施形態に係るアンテナ104の断面図である。
【図12】リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θと最大通信距離との関係を示す図である。
【図13】図13(A)は第5の実施形態に係るアンテナコイルに備えるフレキシブル基板40の平面図、図13(B)は第5の実施形態に係るアンテナコイルに備える磁性体シート1の平面図である。
【図14】第6の実施形態に係るアンテナの主要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係るアンテナ及び携帯端末の構成を、各図を参照して説明する。
【0013】
図4(A)はアンテナコイル21の平面図、図4(B)はアンテナコイル21の正面図である。アンテナコイル21は、コイル導体CWが形成されたフレキシブル基板40と磁性体シート1とを備えている。
【0014】
磁性体シート1は、フェライト粉などの磁性体粉と樹脂材との混成体を矩形板状のシートに成形したものである。
【0015】
図4(A)に示されているように、フレキシブル基板40に、巻回中心部を導体開口部CAとする渦巻き状のコイル導体CWが形成されている。
【0016】
コイル導体CWは、導体開口部CAを通るライン(図中、破線で示すライン)を挟んで第1の導体部分41と第2の導体部分42が対向するように配置されている。
【0017】
図5(A)は、図4に示したアンテナコイルを設ける回路基板側の構成を示す斜視図である。図5(B)はアンテナ101の一部断面正面図である。
【0018】
アンテナ101は携帯端末の筐体内に収納されるが、図5(A),図5(B)では筐体を除いた状態で表している。
【0019】
アンテナ101は、アンテナコイル21、それを支持する支持台43、及び矩形板状の回路基板20を備える。図5(A)に示す支持台43にアンテナコイル21が貼付される。
【0020】
前記回路基板20には面状に広がるグランド電極が形成されている。このグランド電極がこの発明に係る平面導体に相当する。
【0021】
アンテナコイル21は、その磁性体シート1が、フレキシブル基板40より回路基板20側に近接する向きに配置される。すなわち、磁性体シート1側が支持台43に貼付される。
【0022】
図5(A),図5(B)に示すように、アンテナコイル21及び支持台43は回路基板20の一辺付近に配置される。そして、回路基板20の一辺に近接する側が回路基板に、より近接する方向に屈曲している。図5の例では、第2の導体部分42が第1の導体部分41に比べて回路基板20の一辺寄りに配置されている。
【0023】
なお、支持台43にアンテナコイル21を貼付したユニットを回路基板20に実装するようにしてもよい。アンテナコイル21のコイル導体の両端は回路基板上の所定の端子電極に接続される。この接続構造については図示を省略している。回路基板20にはアンテナコイル21のコイル導体と接続される通信回路が構成されている。
【0024】
図6(A),図6(B),図6(C)は、第1の実施形態に係るアンテナを筐体内に納めた携帯端末をリーダライタ側アンテナにかざす角度θを変化させたときの、アンテナコイルを通る磁束の様子を模式的に表した図である。図6(A),図6(B),図6(C)中の破線の矢印線は磁束の経路を模式的に表している。
【0025】
図6(A)はθ=0°での磁束の経路、図6(B)はθ=45°での磁束の経路、図6(C)はθ=90°での磁束の経路である。
【0026】
θ=0°のとき、リーダライターアンテナの磁束MFの一部は、フレキシブル基板40の導体開口部CAから第2の導体部分42方向へ磁性体シート1を透過してコイル(第1の導体部分41及び第2の導体部分42を含むコイル導体によるコイル)と鎖交する。前記磁束MFの大部分は磁性体シート1の第2の導体部分42が近接する側へ抜ける。
【0027】
θ=45°のとき、リーダライターアンテナの磁束MFの一部は、フレキシブル基板40の導体開口部CAから第1の導体部分41方向へ磁性体シート1を透過してコイルと鎖交する。前記磁束MFは磁性体シート1の第1の導体部分41及び第2の導体部分42が近接する側の両方へ抜ける。
【0028】
θ=90°のとき、リーダライターアンテナの磁束MFの一部は、フレキシブル基板40の導体開口部CAから第1の導体部分41方向へ及び第2の導体部分42方向へ磁性体シート1を透過してコイルと鎖交する。前記磁束MFの大部分は磁性体シート1の第1の導体部分41が近接する側へ抜ける。
【0029】
図7は、支持台43に貼付された磁性体シート1の作用について示す図である。図7(A)は、前記θ=90°付近の状態で、回路基板の一辺側から磁束MFが入る場合の磁束の経路を示している。図7(B)は、前記θ=0°付近の状態で、回路基板の法線方向に磁束MFが入る場合の磁束の経路を示している。いずれの場合でも、磁界の向きに沿って磁性体シート内を磁束が透過するので、図6(A)、図6(B)、図6(C)に示したとおり、磁性体シートを透過する磁束はコイルと鎖交する。
【0030】
図8は、リーダライタのアンテナに対する携帯端末のかざす角度θと最大通信距離との関係を示す図である。ここで、特性ラインAは、第1の実施形態に係るアンテナコイル21を備えたアンテナの特性、特性ラインBは、比較対照のアンテナの特性である。比較対照のアンテナは、支持台を設けずに、アンテナコイル21全体を回路基板に平行に配置したものである。第1の実施形態に係るアンテナコイル21の平面投影寸法は25mm×15mm、支持台の高さは5mmである。比較対照のアンテナコイルの平面寸法は25mm×15mmである。
【0031】
比較対照のアンテナコイルを備えたアンテナでは、リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θが60°〜90°付近では、通信距離が低下し、通信不能となる。これに対し、第1の実施形態に係るアンテナでは、リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θが0°から90°の範囲内に谷が生じることはない。そのため、広い角度範囲で最大通信距離を大きく確保できる。
【0032】
このように、リーダライタ側アンテナに対して携帯端末をかざす角度θが0°〜90°のいずれの角度であっても、起電力が0になるような状況は生じない。
【0033】
《第2の実施形態》
図9は、第2の実施形態に係るアンテナの磁性体シートの配置範囲と、そこを透過する磁束との関係を示す図である。
【0034】
図9(A)は第1の実施形態に係るアンテナ101に対する、θ=0°での磁束の経路を示している。図9(B)は第2の実施形態に係るアンテナ102Aに対する、θ=0°での磁束の経路を示している。図9(C)は第1の実施形態に係るアンテナ101に対する、θ=90°での磁束の経路を示している。図9(D)は第2の実施形態に係る別のアンテナ102Bに対する、θ=90°での磁束の経路を示している。
【0035】
第1の実施形態に係るアンテナ101では、磁性体シート1がフレキシブル基板40の全面に亘って配置されている。そのため、図9(A)に示すように、θ=0°付近で、磁性体シート1を透過するがコイルと鎖交しない磁束MFbが生じる。第2の実施形態に係るアンテナ102Aは、磁性体シート1の一方の辺を第1の導体部分41に掛からない(避ける)位置にとどめている。そのため、図9(B)に示すように、前記磁束MFbの透過が抑制され、その分、結合に寄与する磁束MFaの強度が増す。
【0036】
また、第1の実施形態に係るアンテナ101では、図9(C)に示すように、θ=90°付近で、磁性体シート1を透過するがコイルと鎖交しない磁束MFbが生じる。第2の実施形態に係るアンテナ102Bは、磁性体シート1の一方の辺を第2の導体部分42に掛からない(避ける)位置にとどめている。そのため、図9(D)に示すように、前記磁束MFbの透過が抑制され、その分、結合に寄与する磁束MFaの強度が増す。
【0037】
図9(B)に示したアンテナ102Aはθが0°に近い角度範囲(0°〜45°)で最大通信可能距離が大きくなり、図9(D)に示したアンテナ102Bはθが90°に近い角度範囲(90°〜45°)で最大通信可能距離が大きくなる。このようにして、重視する角度範囲に応じて磁性体シートのサイズと配置位置を定めればよい。
【0038】
《第3の実施形態》
図10(A),図10(B),図10(C),図10(D)は第3の実施形態に係るアンテナコイル23A,23B,23C,23Dの斜視図である。
【0039】
第1の実施形態では磁性体シート1をフレキシブル基板と同サイズにし、第2の実施形態では磁性体シート1を第1の導体部分41又は第2の導体部分42に掛からない位置に配置した。これに対し、第3の実施形態では、磁性体シート1の短辺に沿った位置に配置されている導体部分に磁性体シート1が掛からないように、磁性体シート1を配置している。
【0040】
図10(A)に示すアンテナコイル23Aの磁性体シート1は、第1の導体部分41から第2の導体部分42にかけて一定幅に配置している。図10(B)に示すアンテナコイル23Bの磁性体シート1は、第1の導体部分41と第2の導体部分42の形成領域についてフレキシブル基板40の全幅に亘って幅広に設けている。図10(C)に示すアンテナコイル23Cの磁性体シート1は、第1の導体部分41の形成領域についてフレキシブル基板40の全幅に亘って幅広に設けている。図10(D)に示すアンテナコイル23Dの磁性体シート1は、第2の導体部分42の形成領域についてフレキシブル基板40の全幅に亘って幅広に設けている。
【0041】
図10(C)に示したアンテナコイル23Cを備えたアンテナによれば、第1の導体部分41付近の磁性体シート1を磁束が透過する状態での磁気抵抗が小さくなる(集磁効果が高まる)。そのため、図6(C)に示したとおり、特にθ=90°付近でのアンテナ利得の向上に寄与する。
【0042】
図10(D)に示したアンテナコイル23Dを備えたアンテナによれば、第2の導体部分42付近の磁性体シート1を磁束が透過する状態での磁気抵抗が小さくなる(集磁効果が高まる)。そのため、図6(A)に示したとおり、特にθ=0°付近でのアンテナ利得の向上に寄与する。
【0043】
図10(B)に示したアンテナコイル23Bを備えたアンテナによれば、第1の導体部分41付近及び第2の導体部分42付近の磁性体シート1を磁束が透過する状態での磁気抵抗が小さくなる。そのため、図6(A),図6(B),図6(C)に示したとおり、θ=0°〜90°の広範囲に亘ってアンテナ利得の向上に寄与する。
【0044】
《第4の実施形態》
図11は第4の実施形態に係るアンテナ104の断面図である。アンテナ104は携帯端末の筐体内に収納されるが、図11では筐体を除いた状態で表している。
【0045】
アンテナ104は、アンテナコイル21、それを支持する支持台43、及び矩形板状の回路基板20を備える。この例では、直方体形状の支持台43を用いている。そのため、アンテナコイル21は直角に屈折される。
【0046】
図12は、リーダライタのアンテナに対する携帯端末のかざす角度θと最大通信距離との関係を示す図である。ここで、特性ラインAは、第4の実施形態に係るアンテナ104の特性、特性ラインBは、比較対照のアンテナの特性である。比較対照のアンテナは支持台を設けずに、アンテナコイル21全体を回路基板に平行に配置したものである。第4の実施形態に係るアンテナコイル21の平面投影寸法は25mm×15mm、支持台43の高さは5mmである。比較対照のアンテナコイルの平面寸法は25mm×15mmである。
【0047】
比較対照のアンテナコイルを備えたアンテナでは、リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θが60°〜90°付近では、通信距離が低下し、通信不能となる。これに対し、第4の実施形態に係るアンテナ104では、リーダライタに対する携帯端末のかざす角度θが0°から90°の範囲内に谷が生じることはない。そのため、広い角度範囲で最大通信距離を大きく確保できる。
【0048】
このように、アンテナコイルを直角に屈折させても、リーダライタ側アンテナに対して携帯端末をかざす角度θが0°〜90°のいずれの角度であっても、起電力が0になるような状況は生じない。
【0049】
《第5の実施形態》
図13(A)は第5の実施形態に係るアンテナコイルに備えるフレキシブル基板40の平面図、図13(B)は第5の実施形態に係るアンテナコイルに備える磁性体シート1の平面図である。
【0050】
図13(B)に示されている磁性体シート1は、予め、碁盤目状に切り込みを入れた平板状のフェライトの両面をフィルムでラミネートしたものを複数に小片化したものである。図13(B)中の破線で区切られた部分は、焼結磁性体の小片を表している。このような構成により、磁性体シート1全体は柔軟性をもつことになる。そのため、この磁性体シート1を備えたアンテナコイルは支持台の面に沿って容易に配置できる。また、例えば携帯端末の筐体の内面に沿って設けることができる。したがって種々の形状の筐体内に容易に組み込める。
【0051】
《第6の実施形態》
図14は第6の実施形態に係るアンテナの主要部の断面図である。この例では、支持台を用いることなく、携帯端末の筐体50の内面にアンテナコイル21を貼付している。このような構造によれば、部品点数が削減できるだけでなく、筐体の曲面付近に生じる空間を有効に利用できる。
【0052】
《他の実施形態》
以上に示した各実施形態では、基板のグランド電極を平面導体の例として示したが、液晶表示パネルの背面に配置されるシールド板、筐体の内面に形成されている導体膜や導体箔、さらには電池パックを平面導体として扱い、アンテナを構成することもできる。
【0053】
また、以上に示した各実施形態では、アンテナを筐体の内部または内面に配置したが、筐体の外面に沿ってアンテナを配置してもよい。この場合、アンテナのフレキシブル基板の一部を筐体内に引き込み、筐体内の回路基板に電気的に接続すればよい。
【符号の説明】
【0054】
CA…導体開口部
CW…コイル導体
MF…磁束
MFa…磁束
MFb…磁束
1…磁性体シート
20…回路基板
21…アンテナコイル
23A,23B,23C,24D…アンテナコイル
30…リーダライタ側アンテナ
40…フレキシブル基板
41…第1の導体部分
42…第2の導体部分
43…支持台
50…筐体
101…アンテナ
102A…アンテナ
102B…アンテナ
104…アンテナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コイル導体、及び前記コイル導体の形成面に沿って配置される磁性体シートを備えたアンテナコイルと、このアンテナコイルの近傍に配置された平面導体と、筺体とを備え、
前記コイル導体は巻回中心部を導体開口部とする渦巻き状に形成され、
前記アンテナコイルは前記平面導体の端部付近に配置され、
前記磁性体シートは前記アンテナコイルのコイル導体と前記平面導体との間に配置され、
前記コイル導体のうちの前記平面導体の中央寄りに位置する第1の導体部分から前記コイル導体のうちの前記平面導体の端部寄りに位置する第2の導体部分への方向が、前記平面導体に近づく方向に傾斜している、ことを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記磁性体シートは、シート状に成形された、磁性体粉と樹脂材との混成体、又は複数に小片化された焼結磁性体である、請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記筐体は、前記アンテナコイルの前記平面導体側とは反対側の面を覆う、請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記平面導体は前記筐体内に設けられた回路基板である、請求項3に記載の通信端末。
【請求項5】
前記アンテナコイルは、前記磁性体シートの形状を保つ支持台に配置された、請求項1乃至4の何れかに記載の通信端末。
【請求項6】
前記アンテナコイルは、前記筐体の面に沿って配置された、請求項1乃至4の何れかに記載の通信端末。
【請求項7】
前記アンテナコイルと接続される通信回路を前記筐体内に備えた、請求項1乃至6の何れかに記載の通信端末。
【請求項1】
コイル導体、及び前記コイル導体の形成面に沿って配置される磁性体シートを備えたアンテナコイルと、このアンテナコイルの近傍に配置された平面導体と、筺体とを備え、
前記コイル導体は巻回中心部を導体開口部とする渦巻き状に形成され、
前記アンテナコイルは前記平面導体の端部付近に配置され、
前記磁性体シートは前記アンテナコイルのコイル導体と前記平面導体との間に配置され、
前記コイル導体のうちの前記平面導体の中央寄りに位置する第1の導体部分から前記コイル導体のうちの前記平面導体の端部寄りに位置する第2の導体部分への方向が、前記平面導体に近づく方向に傾斜している、ことを特徴とする通信端末。
【請求項2】
前記磁性体シートは、シート状に成形された、磁性体粉と樹脂材との混成体、又は複数に小片化された焼結磁性体である、請求項1に記載の通信端末。
【請求項3】
前記筐体は、前記アンテナコイルの前記平面導体側とは反対側の面を覆う、請求項1又は2に記載の通信端末。
【請求項4】
前記平面導体は前記筐体内に設けられた回路基板である、請求項3に記載の通信端末。
【請求項5】
前記アンテナコイルは、前記磁性体シートの形状を保つ支持台に配置された、請求項1乃至4の何れかに記載の通信端末。
【請求項6】
前記アンテナコイルは、前記筐体の面に沿って配置された、請求項1乃至4の何れかに記載の通信端末。
【請求項7】
前記アンテナコイルと接続される通信回路を前記筐体内に備えた、請求項1乃至6の何れかに記載の通信端末。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−130056(P2012−130056A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−30837(P2012−30837)
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【分割の表示】特願2011−545975(P2011−545975)の分割
【原出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年2月15日(2012.2.15)
【分割の表示】特願2011−545975(P2011−545975)の分割
【原出願日】平成22年11月22日(2010.11.22)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]