説明

通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システム

【課題】測位を行うための設備を基地局に設置するために要する手間と費用を低減するとともに基地局と通信を行うことができない状況においても端末において測位を行うために要する時間を短縮することが可能な、新規かつ改良された技術を提供する。
【解決手段】第2通信装置200Aは、所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と第1通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報を第1通信装置から無線信号によって受信する測位情報受信部233と、測位情報受信部233によって受信された測位情報をもとに所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行う初期化処理部251と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、通信方法、プログラムおよび通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、衛星から送信される衛星信号を使用した測位技術としてGPS(Global Positioning System)が知られている。このGPSによる測位技術によれば、衛星からの衛星信号を受信した端末において自端末の測位を行うことが可能である。
【0003】
ここで、例えば、衛星の数が全体として30程度あったとしても、端末が測位を行う際に使用する衛星信号は、30程度ある衛星のうち3つあるいは4つの衛星から受信したものであることが一般的である。そのために、端末は、どの衛星からの衛星信号を使用して測位するかを特定するために時間を要することになる。したがって、端末が測位を行う際には、衛星の軌道を示す軌道情報(例えば、アルマナック)、自端末の大まかな位置を示す位置情報などを事前に把握していると、どの衛星からの衛星信号を使用して測位するかを特定するために要する時間を短縮することができる。
【0004】
また、端末が測位を行うに際して、正確な衛星の軌道情報(例えば、エフェメリス)を事前に把握していれば、測位に使用するための正確な衛星の軌道情報を衛星からダウンロードする必要がなくなる。したがって、端末が正確な衛星の軌道情報を事前に把握していれば測位に要する時間を短縮することができる。例えば、衛星信号を受信して自身を測位することが可能な装置を基地局に設置し、基地局が受信した衛星信号に含まれる正確な衛星の軌道情報を端末が取得して端末の測位に使用する技術について開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−74826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したような技術によれば、測位を行うための設備を基地局に設置するために手間と費用がかかるという問題があった。また、端末が基地局と通信を行うことができない状況においては端末において測位を行うために要する時間を短縮できないという問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、測位を行うための設備を基地局に設置するために要する手間と費用を低減するとともに基地局と通信を行うことができない状況においても端末において測位を行うために要する時間を短縮することが可能な、新規かつ改良された技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と他の通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報を他の通信装置から無線信号によって受信する測位情報受信部と、測位情報受信部によって受信された測位情報をもとに所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行う初期化処理部と、所定数の衛星のそれぞれから衛星信号を受信する衛星信号受信部と、衛星信号受信部によって受信された衛星信号のうち初期化処理部によって特定された複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した衛星信号から衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、衛星時刻情報と現在時刻情報とに基づいて自装置と複数の衛星のそれぞれとの距離を算出し、算出した距離と第1衛星軌道情報よりも精度が高い複数の衛星のそれぞれの軌道を示す複数の第2衛星軌道情報とに基づいて自装置の測位を行う測位処理部と、を備える、通信装置が提供される。
【0009】
測位処理部は、同期した衛星信号のそれぞれから複数の第2衛星軌道情報をさらに取得し、取得した複数の第2衛星軌道情報と距離とに基づいて測位を行うこととしてもよい。
【0010】
閾値を記憶する記憶部と、測位処理部によって複数の第2衛星軌道情報が取得された時刻を示す取得時刻情報を内部時計から取得し、取得した取得時刻情報と複数の第2衛星軌道情報とを対応付けて記憶部に登録する測位情報登録部と、をさらに備え、測位処理部は、内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、記憶部に登録されている取得時刻情報と現在時刻情報との差分値が記憶部によって記憶されている閾値を超えているか否かを判断し、閾値を超えていないと判断した場合には、同期した衛星信号のそれぞれから複数の第2衛星軌道情報を取得する処理を省略するとともに取得時刻情報に対応付けられて記憶部に登録されている複数の第2衛星軌道情報と距離とに基づいて測位を行うこととしてもよい。
【0011】
測位情報受信部は、他の通信装置から無線信号によって複数の第2衛星軌道情報をさらに受信し、測位処理部は、測位情報受信部によって受信された複数の第2衛星軌道情報と距離とに基づいて測位を行うこととしてもよい。
【0012】
閾値を記憶する記憶部と、測位情報受信部によって複数の第2衛星軌道情報が受信された時刻を示す取得時刻情報を内部時計から取得し、取得した取得時刻情報と複数の第2衛星軌道情報とを対応付けて記憶部に登録する測位情報登録部と、をさらに備え、測位処理部は、内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、記憶部に登録されている取得時刻情報と現在時刻情報との差分値が記憶部によって記憶されている閾値を超えているか否かを判断し、閾値を超えていないと判断した場合には、測位情報受信部によって受信された複数の第2衛星軌道情報と距離とに基づいて測位を行う処理を省略するとともに同期した衛星信号のそれぞれから複数の第2衛星軌道情報をさらに取得し、取得した複数の第2衛星軌道情報と距離とに基づいて測位を行うこととしてもよい。
【0013】
測位処理部は、測位情報受信部が複数の他の通信装置のそれぞれから無線信号によって複数の第2衛星軌道情報を受信した場合には、測位情報受信部によって複数の他の通信装置のそれぞれから受信された複数の第2衛星軌道情報のうち複数の第2衛星軌道情報の取得時刻が新しい時刻を示す取得時刻情報が付加されている複数の第2衛星軌道情報と距離とに基づいて測位を行うこととしてもよい。
【0014】
測位処理部は、測位情報受信部が複数の他の通信装置のそれぞれから無線信号によって複数の第2衛星軌道情報を受信した場合には、測位情報受信部によって複数の他の通信装置のそれぞれから受信された複数の第2衛星軌道情報のうち電波強度の大きい無線信号によって受信された複数の第2衛星軌道情報と距離とに基づいて測位を行うこととしてもよい。
【0015】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、他の通信装置から無線信号によって他の通信装置を識別するための装置識別情報を受信する装置識別情報受信部と、装置識別情報受信部によって受信された装置識別情報を含む測位情報送信要求を、ネットワークを介して管理装置に送信する測位情報送信要求送信部と、測位情報送信要求に対する応答として装置識別情報に対応付けられて管理装置によって管理されている所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と他の通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報を管理装置からネットワークを介して受信する測位情報受信部と、測位情報受信部によって受信された測位情報をもとに所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行う初期化処理部と、所定数の衛星のそれぞれから衛星信号を受信する衛星信号受信部と、衛星信号受信部によって受信された衛星信号のうち初期化処理部によって特定された複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した衛星信号から衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、衛星時刻情報と現在時刻情報とに基づいて自装置と複数の衛星のそれぞれとの距離を算出し、算出した距離と第1衛星軌道情報よりも精度が高い複数の衛星のそれぞれの軌道を示す複数の第2衛星軌道情報とに基づいて自装置の測位を行う測位処理部と、を備える、通信装置が提供される。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように本発明によれば、測位を行うための設備を基地局に設置するために要する手間と費用を低減するとともに基地局と通信を行うことができない状況においても端末において測位を行うために要する時間を短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】第1実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【図2】第1実施形態に係る第1通信装置の構成を示す図である。
【図3】第1実施形態に係る第2通信装置の構成を示す図である。
【図4】第1実施形態に係る通信システムによって実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
【図5】第1実施形態に係る第2通信装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第2実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る第1通信装置の構成を示す図である。
【図8】第2実施形態に係る第2通信装置の構成を示す図である。
【図9】第2実施形態に係る管理装置の構成を示す図である。
【図10】第2実施形態に係る通信システムによって実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
【図11】第2実施形態に係る第2通信装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。なお、説明は以下の順序で行う。
【0019】
1. 第1実施形態
1−1. 通信システムの構成
1−2. 第1通信装置の構成
1−3. 第2通信装置の構成
1−4. 通信システムによって実行される処理
1−5. 第2通信装置によって実行される処理
2. 第2実施形態
2−1. 通信システムの構成
2−2. 第1通信装置の構成
2−3. 第2通信装置の構成
2−4. 管理装置の構成
2−5. 通信システムによって実行される処理
2−6. 第2通信装置によって実行される処理
3. 変形例
4. まとめ
【0020】
<1.第1実施形態>
本発明の第1実施形態について説明する。括弧で括られた符号と括弧で括られていない符号とが並べられて記述されている場合、括弧で括られていない符号は実施形態によって区別しないものに対して付されたものであり、括弧で括られた符号は実施形態によって区別するものに対して付されたものである。本発明の他の実施形態についても同様とする。
【0021】
[1−1.通信システムの構成]
図1は、第1実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。図1に示すように、第1実施形態に係る通信システム10Aは、第1通信装置100Aと、第2通信装置200Aとを備えるものである。第1通信装置100Aと第2通信装置200Aとの間においては、無線LAN(Local Area Network)等を介してアドホック通信を行うことが可能である。アドホック通信は、第1通信装置100Aと第2通信装置200Aとが所定の距離以内に近づいた場合に一方の通信装置から送信された電波がもう一方の通信装置に到達することによって可能となる。ここでいう所定の距離は、天候の影響等によって変動することも想定されるが、例えば、最長で100m程度であることが想定される。第1通信装置100Aと第2通信装置200Aとは、ユーザが持ち運ぶことが可能な端末等であることしてもよいし、設置型のコンピュータ等であることとしてもよい。
【0022】
[1−2.第1通信装置の構成]
図2は、第1実施形態に係る第1通信装置の構成を示す図である。図2に示すように、第1通信装置100Aは、記憶部110Aと、制御部120Aと、通信部130と、GPSアンテナ140と、測位部150とを備えるものである。
【0023】
記憶部110Aは、測位情報119を記憶するものである。記憶部110Aは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置によって構成される。測位情報119は、後述する測位情報登録部153によって記憶部110Aに登録されるものである。測位情報119としては、例えば、第1通信装置100Aの位置を示す位置情報111や、エフェメリス112、アルマナック113等を使用することが可能である。記憶部110Aは、その他にプログラムやプログラムが実行される際に使用されるデータ等を記憶することも可能である。
【0024】
アルマナック113は、所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報の一例である。ここでいう所定数は、特に限定されることはないが、例えば、30程度であることが想定される。エフェメリス112は、第1衛星軌道情報の一例としてのアルマナック113よりも精度が高い第2衛星軌道情報の一例として使用される。アルマナック113は、全衛星の軌道を示す情報であるが、エフェメリス112は、衛星ごとの軌道を示す情報である。
【0025】
制御部120Aは、測位情報送信制御部121Aを有するものである。制御部120Aは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等によって構成される。制御部120Aは、例えば、記憶部110Aに記憶されたプログラムがCPUによってRAMに展開され、RAMに展開されたプログラムがCPUによって実行されることによってその機能が実現される。
【0026】
測位情報送信制御部121Aは、測位情報を送信する処理を制御するものである。測位情報送信制御部121Aは、まず、探索信号送信部131がアドホック通信を使用した無線信号によって探索信号を送信する処理を制御する。続いて、測位情報送信制御部121Aは、測位情報送信要求受信部132が探索信号を受信した第2通信装置200Aから測位情報送信要求を受信する処理を制御する。その後、測位情報送信制御部121Aは、記憶部110Aから測位情報119を取得して、取得した測位情報119を測位情報送信部133が第2通信装置200Aに送信する処理を制御する。
【0027】
通信部130は、探索信号送信部131と、測位情報送信要求受信部132と、測位情報送信部133とを有するものである。通信部130は、通信インタフェース等によって構成されるものであり、無線信号によって第2通信装置200Aとアドホック通信を行うことが可能である。
【0028】
探索信号送信部131は、第2通信装置200Aに対して無線信号によって探索信号を送信するものである。探索信号に含まれる情報は特に限定されるものではないが、例えば、第1通信装置100Aを識別するための装置識別情報が含まれることとすることができる。装置識別情報としては、例えば、第1通信装置100Aを識別するためのMAC(Media Access Control)アドレスを使用することができる。
【0029】
測位情報送信要求受信部132は、探索信号を受信した第2通信装置200Aから無線信号によって送信された測位情報送信要求を受信するものである。測位情報送信要求受信部132は、受信した測位情報送信要求を測位情報送信制御部121Aに出力する。
【0030】
測位情報送信部133は、測位情報送信制御部121Aによって記憶部110Aから取得された測位情報119を、無線信号によって第2通信装置200Aに送信するものである。ここで、測位情報送信部133が送信する測位情報119は、少なくとも位置情報111とアルマナック113とを含むものであり、エフェメリス112をさらに含むものとしてもよい。
【0031】
GPSアンテナ140は、衛星から衛星信号を受信するものである。GPSアンテナ140は、衛星から受信した衛星信号を測位部150に出力する。
【0032】
測位部150は、初期化処理部151と、測位処理部152と、測位情報登録部153とを有するものである。測位部150は、例えば、記憶部110Aに記憶されたプログラムがCPUによってRAMに展開され、RAMに展開されたプログラムがCPUによって実行されることによってその機能が実現される。
【0033】
初期化処理部151は、所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行うものである。ここで、特定される衛星の数は複数であれば特に限定されるものではないが、実際には3つあるいは4つであることが想定される。初期化処理部151は、記憶部110Aが測位情報119として位置情報111とアルマナック113とを記憶している場合には、記憶部110Aが記憶する位置情報111とアルマナック113とをもとに初期化処理を行う。初期化処理部151は、記憶部110Aが測位情報119を記憶していない場合には、初期化処理部151によって特定された複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した衛星信号から取得したアルマナック113をもとに初期化処理を行う。
【0034】
測位処理部152は、初期化処理部151によって特定された複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期する。その後、測位処理部152は、同期した衛星信号から衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得する。続いて、測位処理部152は、衛星時刻情報と現在時刻情報とに基づいて自装置と複数の衛星のそれぞれとの距離を算出する。その後、測位処理部152は、算出した距離と複数のエフェメリス112とに基づいて自装置の測位を行う。
【0035】
ここで、測位処理部152は、記憶部110Aによってエフェメリス112が記憶されている場合には、記憶部110Aによって記憶されているエフェメリス112を使用することが可能である。また、測位処理部152は、記憶部110Aによってエフェメリス112が記憶されていない場合には、同期した衛星信号のそれぞれから複数のエフェメリス112をさらに取得し、取得した複数のエフェメリス112を使用することが可能である。測位処理部152は、衛星時刻情報と現在時刻情報とに基づいて自装置と複数の衛星のそれぞれとの距離を算出するに際して、例えば、衛星時刻情報と現在時刻情報との差分値と光速とを乗じることによって距離を算出することが可能である。
【0036】
測位処理部152は、自装置の測位を行うに際して、例えば、エフェメリス112によって示される衛星の位置を基点として、算出した距離だけ離れた位置の集合を複数の衛星について求め、求めた各集合による共有点を自装置の位置として測位することが可能である。
【0037】
測位情報登録部153は、測位処理部152によって測位された自装置の位置を示す位置情報111を記憶部110Aに登録するものである。また、測位情報登録部153は、初期化処理部151によって取得されたアルマナック113や、測位処理部152によって取得されたエフェメリス112を記憶部110Aに登録することも可能である。測位情報登録部153は、位置情報111や、エフェメリス112、アルマナック113を記憶部110Aに登録するに際して、各情報を取得した時刻を示す時刻情報を対応付けて記憶することも可能である。そして、測位情報登録部153は、所定の期間経過した時刻情報に対応付けられて記憶部110Aによって記憶されている各情報については、有効な情報ではないとして削除することとしてもよい。
【0038】
[1−3.第2通信装置の構成]
図3は、第1実施形態に係る第2通信装置の構成を示す図である。図3に示すように、第2通信装置200Aは、記憶部210と、制御部220Aと、通信部230と、GPSアンテナ240と、測位部250とを備えるものである。
【0039】
記憶部210は、例えば、HDD等の記憶装置によって構成される。記憶部210は、プログラムやプログラムが実行される際に使用されるデータ等を記憶することが可能である。
【0040】
制御部220Aは、装置検出制御部221と測位情報受信制御部222とを有するものである。制御部220Aは、例えば、CPU、RAM等によって構成される。制御部220Aは、例えば、記憶部210に記憶されたプログラムがCPUによってRAMに展開され、RAMに展開されたプログラムがCPUによって実行されることによってその機能が実現される。
【0041】
装置検出制御部221は、探索信号受信部231がアドホック通信を使用した無線信号によって第1通信装置100Aから探索信号を受信する処理を制御する。装置検出制御部221は、第1通信装置100Aから探索信号を受信すると、受信した探索信号を測位情報受信制御部222に出力する。
【0042】
測位情報受信制御部222は、測位情報を受信する処理を制御するものである。測位情報受信制御部222は、まず、装置検出制御部221から探索信号の入力を受け付ける。測位情報受信制御部222は、装置検出制御部221から探索信号の入力を受け付けると、測位情報送信要求送信部232がアドホック通信を使用した無線信号によって測位情報送信要求を送信する処理を制御する。続いて、測位情報受信制御部222は、測位情報受信部233がアドホック通信を使用した無線信号によって第1通信装置100Aから測位情報を受信する処理を制御する。
【0043】
通信部230は、探索信号受信部231と、測位情報送信要求送信部232と、測位情報受信部233とを有するものである。通信部230は、通信インタフェース等によって構成されるものであり、無線信号によって第1通信装置100Aとアドホック通信を行うことが可能である。
【0044】
探索信号受信部231は、第1通信装置100Aから無線信号によって探索信号を受信するものである。探索信号に含まれる情報は特に限定されるものではないが、例えば、第1通信装置100Aを識別するための装置識別情報が含まれることとすることができる。装置識別情報としては、例えば、第1通信装置100Aを識別するためのMACアドレスを使用することができる。
【0045】
測位情報送信要求送信部232は、探索信号の送信元である第1通信装置100Aに対して無線信号によって測位情報送信要求を送信するものである。
【0046】
測位情報受信部233は、測位情報を、無線信号によって第1通信装置100Aから受信するものである。ここで、測位情報受信部233が受信する測位情報は、少なくとも位置情報とアルマナックとを含むものであり、エフェメリスをさらに含むものとしてもよい。
【0047】
GPSアンテナ240は、衛星から衛星信号を受信するものである。GPSアンテナ240は、衛星から受信した衛星信号を測位部250に出力する。
【0048】
測位部250は、初期化処理部251と、測位処理部252と、測位情報登録部253とを有するものである。測位部250は、例えば、記憶部210に記憶されたプログラムがCPUによってRAMに展開され、RAMに展開されたプログラムがCPUによって実行されることによってその機能が実現される。
【0049】
初期化処理部251は、測位情報受信部233によって受信された測位情報をもとに所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行うものである。ここで、特定される衛星の数は複数であれば特に限定されるものではないが、実際には3つあるいは4つであることが想定される。初期化処理部251は、記憶部210が測位情報として自装置の位置情報とアルマナックとを記憶している場合には、記憶部210が記憶する位置情報とアルマナックとをもとに初期化処理を行うこととしてもよい。
【0050】
このように、測位情報受信部233によって受信された測位情報をもとに所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定することとすれば、初期化処理に要する時間を短縮することが可能である。衛星信号はスペクトラム変調されていることが一般的であり、初期化処理部251は、初期化処理に使用する測位情報を、衛星信号ごとに同期し、復調して取得する必要がなくなるからである。
【0051】
初期化処理部251は、第1通信装置100Aから受信した測位情報に含まれる第1通信装置100Aの位置情報を自装置の位置情報であると推定する。そして、初期化処理部251は、推定した位置情報と第1通信装置100Aから受信した測位情報に含まれるアルマナックとを使用して自装置が受信可能な衛星信号を送信する衛星を絞り込むことができる。自装置の位置情報とアルマナックとを使用して自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定することを一般にウォームスタートという。ウォームスタートによって初期化した場合には、自装置が受信可能な衛星信号を送信する衛星を全衛星から総当たりで特定するコールドスタートによって初期化した場合に比べて、初期化に要する時間を低減できる。
【0052】
測位処理部252は、初期化処理部251によって特定された複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期する。その後、測位処理部252は、同期した衛星信号から衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得する。続いて、測位処理部252は、衛星時刻情報と現在時刻情報とに基づいて自装置と複数の衛星のそれぞれとの距離を算出する。その後、測位処理部252は、算出した距離と複数のエフェメリスとに基づいて自装置の測位を行う。
【0053】
ここで、測位処理部252は、記憶部210によってエフェメリスが記憶されている場合には、記憶部210によって記憶されているエフェメリスを使用することが可能である。
【0054】
測位処理部252は、同期した衛星信号のそれぞれから取得した複数のエフェメリスが、取得後に所定時間が経過した場合には、そのエフェメリスを使用しないこととしてもよい。また、記憶部210が閾値を記憶している場合には、測位処理部252は、内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、記憶部210に登録されている取得時刻情報と現在時刻情報との差分値が記憶部210によって記憶されている閾値を超えているか否かを判断することとしてもよい。測位処理部252は、閾値を超えていないと判断した場合には、同期した衛星信号のそれぞれから複数のエフェメリスを取得する処理を省略するとともに取得時刻情報に対応付けられて記憶部210に登録されている複数のエフェメリスと距離とに基づいて測位を行う。
【0055】
また、測位処理部252は、記憶部210によってエフェメリスが記憶されていない場合には、同期した衛星信号のそれぞれから複数のエフェメリスをさらに取得し、取得した複数のエフェメリスを使用することが可能である。しかしながら、同期した衛星信号のそれぞれから複数のエフェメリスをさらに取得するためには、30秒から5分程度の時間を要するのが一般的である。
【0056】
そこで、測位処理部252は、測位情報受信部233によって受信された測位情報に含まれるエフェメリスを使用することも可能である。そのような構成にすれば、測位処理部252が、同期した衛星信号のそれぞれから複数のエフェメリスをさらに取得するために要する時間を省略することが可能である。測位処理部252が、既に自装置内に保持しているエフェメリスを使用して測位を開始することを一般的にホットスタートと称し、ウォームスタートによって測位を行った場合に比べて、ホットスタートによって測位を行った場合には、さらに測位のために要する時間を軽減することが可能である。
【0057】
測位処理部252は、内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、記憶部210に登録されている取得時刻情報と現在時刻情報との差分値が記憶部210によって記憶されている閾値を超えているか否かを判断することとしてもよい。測位処理部252は、閾値を超えていないと判断した場合には、測位情報受信部233によって受信された複数のエフェメリスと距離とに基づいて測位を行う処理を省略するとともに同期した衛星信号のそれぞれから複数のエフェメリスをさらに取得し、取得したエフェメリスと距離とに基づいて測位を行うこととしてもよい。
【0058】
測位処理部252は、衛星時刻情報と現在時刻情報とに基づいて自装置と複数の衛星のそれぞれとの距離を算出するに際して、例えば、衛星時刻情報と現在時刻情報との差分値と、光速とを乗じることによって距離を算出することが可能である。
【0059】
測位処理部252は、自装置の測位を行うに際して、例えば、エフェメリスによって示される衛星の位置を基点として、算出した距離だけ離れた位置の集合を複数の衛星について求め、求めた各集合による共有点を自装置の位置として測位することが可能である。
【0060】
測位処理部252は、測位情報受信部233が複数の他の通信装置のそれぞれから無線信号によって複数のエフェメリスを受信した場合も想定される。そのような場合には、測位情報受信部233によって複数の他の通信装置のそれぞれから受信された複数のエフェメリスのうち複数のエフェメリスの取得時刻が新しい時刻を示す取得時刻情報が付加されている複数のエフェメリスと距離とに基づいて測位を行うこととしてもよい。また、測位処理部252は、測位情報受信部233によって複数の他の通信装置のそれぞれから受信された複数のエフェメリスのうち電波強度の大きい無線信号によって受信された複数のエフェメリスと距離とに基づいて測位を行うこととしてもよい。
【0061】
測位情報登録部253は、測位処理部252によって測位された自装置の位置を示す位置情報211を記憶部210に登録するものである。また、測位情報登録部253は、測位情報受信部233によって受信された位置情報や、アルマナック、エフェメリス、測位処理部252によって取得されたエフェメリスを記憶部210に登録することも可能である。測位情報登録部253は、位置情報や、エフェメリス、アルマナックを記憶部210に登録するに際して、各情報を取得した時刻を示す時刻情報を対応付けて記憶することも可能である。そして、測位情報登録部253は、所定の期間経過した時刻情報に対応付けられて記憶部210によって記憶されている各情報については、有効な情報ではないとして削除することとしてもよい。
【0062】
測位情報登録部253は、測位処理部252によって複数のエフェメリスが取得された時刻を示す取得時刻情報を内部時計から取得し、取得した取得時刻情報と複数のエフェメリスとを対応付けて記憶部210に登録することとしてもよい。また、測位情報登録部253は、測位情報受信部233によって複数のエフェメリスが受信された時刻を示す取得時刻情報を内部時計から取得し、取得した取得時刻情報と複数のエフェメリスとを対応付けて記憶部210に登録することとしてもよい。
【0063】
[1−4.通信システムによって実行される処理]
図4は、第1実施形態に係る通信システムによって実行される処理の流れを示すシーケンス図である。図4を参照して(適宜他の図も参照)、通信システムによって実行される処理について説明する。なお、図4に示した処理の流れにおいては、第1通信装置100Aから第2通信装置200Aに送信される測位情報には、第1通信装置100Aの位置情報とエフェメリスとアルマナックとが含まれているものとするが、上記したようにこれに限定されるものではない。
【0064】
図4に示すように、まず、第1通信装置100Aは、無線信号によって探索信号を第2通信装置200Aに送信する(ステップS101)。第2通信装置200Aは、無線信号によって探索信号を第1通信装置100Aから受信すると(ステップS102)、無線信号によって測位情報送信要求を第1通信装置100Aに送信する(ステップS103)。
【0065】
第1通信装置100Aは、無線信号によって測位情報送信要求を第2通信装置200Aから受信すると(ステップS104)、測位情報(位置情報、エフェメリスおよびアルマナック)を無線信号によって第2通信装置200Aに送信する(ステップS105)。第2通信装置200Aは、無線信号によって測位情報を第1通信装置100Aから受信すると(ステップS106)、受信した測位情報をもとにGPS測位を開始する(ステップS107)。
【0066】
[1−5.第2通信装置によって実行される処理]
図5は、第1実施形態に係る第2通信装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。図5を参照して(適宜他の図も参照)、第2通信装置によって実行される処理について説明する。
【0067】
図5に示すように、まず、第2通信装置200Aは、無線信号によって周辺の第1通信装置100Aを探索する(ステップS201)。第2通信装置200Aは、周辺の第1通信装置100Aを検出しない場合には(ステップS202で「No」)、ステップS206に進む。
【0068】
第2通信装置200Aは、周辺の第1通信装置100Aを検出した場合には(ステップS202で「Yes」)、検出した第1通信装置100Aに測位情報送信要求を送信する(ステップS203)。第2通信装置200Aは、測位情報送信要求に対する応答として測位情報を受信し(ステップS204)、受信した測位情報を使用して初期化を行う(ステップS205)。続いて、第2通信装置200Aは、GPSアンテナ240を介して受信した衛星信号を使用して測位を行い(ステップS206)、処理を終了する。
【0069】
<2.第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。
【0070】
[2−1.通信システムの構成]
図6は、第2実施形態に係る通信システムの構成を示す図である。図6に示すように、第2実施形態に係る通信システム10Bは、第1通信装置100Bと、第2通信装置200Bと、管理装置300とを備えるものである。第1通信装置100Bと第2通信装置200Bとの間においては、無線LAN等を介してアドホック通信を行うことが可能である。アドホック通信については、第1実施形態において説明したものと同様である。第1通信装置100Bと第2通信装置200Bとは、ユーザが持ち運ぶことが可能な端末等であることしてもよいし、設置型のコンピュータ等であることとしてもよい。
【0071】
第1通信装置100Bと第2通信装置200Bと管理装置300とは、インターネット等のネットワーク400に接続され、ネットワーク400を介して相互に通信を行うことが可能である。管理装置300は、設置型のコンピュータ等であることが想定される。
【0072】
[2−2.第1通信装置の構成]
図7は、第2実施形態に係る第1通信装置の構成を示す図である。図7に示すように、第1通信装置100Bは、記憶部110Aの代わりに記憶部110Bを備え、制御部120Aの代わりに制御部120Bを備え、通信部130の代わりに第1通信部160と第2通信部170とを備える点において第1実施形態に係る第1通信装置100Aと異なる。これらの構成について説明する。
【0073】
記憶部110Bは、装置識別情報118をさらに記憶する。装置識別情報118は、第1通信装置100Bを識別するための情報であれば特に限定されるものではないが、装置識別情報118としては、例えば、第1通信装置100Bを識別するためのMACアドレス等を使用することが可能である。
【0074】
制御部120Bは、測位情報送信制御部121Aの代わりに測位情報送信制御部121Bを有し、装置識別情報送信制御部122をさらに有する点において、第1実施形態に係る制御部120Aと異なる。
【0075】
測位情報送信制御部121Bは、測位情報を送信する処理を制御するものである。測位情報送信制御部121Bは、記憶部110Bから装置識別情報118と測位情報119とを取得して、取得した装置識別情報118と測位情報119とを測位情報送信部171が管理装置300に送信する処理を制御する。測位情報送信部171が測位情報119を送信するタイミングは特に限定されるものではないが、例えば、測位部150による自装置の位置に対する測位が完了し、記憶部110Bに登録された直後とすることができる。また、測位情報送信部171が測位情報119を定期的に送信することとしてもよい。また、測位情報送信制御部121Bは、装置識別情報送信部161がアドホック通信を使用した無線信号によって自装置を識別するための装置識別情報を送信する処理を制御する。
【0076】
第1通信部160は、装置識別情報送信部161を有するものである。第1通信部160は、通信インタフェース等によって構成されるものであり、無線信号によって第2通信装置200Bとアドホック通信を行うことが可能である。
【0077】
装置識別情報送信部161は、第2通信装置200Bに対して無線信号によって自装置を識別するための装置識別情報118を送信するものである。
【0078】
第2通信部170は、測位情報送信部171を有するものである。測位情報送信部171は、通信インタフェース等によって構成されるものであり、ネットワーク400を介して管理装置300と通信を行うことが可能である。
【0079】
測位情報送信部171は、ネットワーク400を介して管理装置300に測位情報119を送信するものである。
【0080】
[2−3.第2通信装置の構成]
図8は、第2実施形態に係る第2通信装置の構成を示す図である。図8に示すように、第2通信装置200Bは、制御部220Aの代わりに制御部220Bを備え、通信部230の代わりに第1通信部260と第2通信部270とを備える点において第1実施形態に係る第2通信装置200Aと異なる。これらの構成について説明する。
【0081】
制御部220Bは、装置識別情報受信制御部223をさらに有する点において第1実施形態に係る制御部220Aと異なる。制御部220Bは、例えば、CPU、RAM等によって構成される。制御部220Bは、例えば、記憶部210に記憶されたプログラムがCPUによってRAMに展開され、RAMに展開されたプログラムがCPUによって実行されることによってその機能が実現される。
【0082】
装置識別情報受信制御部223は、装置識別情報受信部261がアドホック通信を使用した無線信号によって第1通信装置100Bから装置識別情報を受信する処理を制御する。装置識別情報受信制御部223は、第1通信装置100Bから装置識別情報を受信すると、受信した装置識別情報を測位情報受信制御部222に出力する。
【0083】
測位情報送信要求送信部271は、装置識別情報受信部261によって受信された装置識別情報を含む測位情報送信要求を、ネットワーク400を介して管理装置300に送信するものである。測位情報送信要求送信部271が測位情報送信要求を送信するタイミングについては特に限定されるものではなく、測位情報が必要になった所定のタイミングであるとすることができる。
【0084】
測位情報受信部272は、測位情報送信要求に対する応答として装置識別情報に対応付けられて管理装置300によって管理されている測位情報を管理装置300からネットワーク400を介して受信するものである。
【0085】
[2−4.管理装置の構成]
図9は、第2実施形態に係る管理装置の構成を示す図である。図9に示すように、管理装置300は、記憶部310と制御部320と通信部330とを備えるものである。
【0086】
記憶部310は、測位情報リスト311を記憶するものである。記憶部310は、例えば、HDD等の記憶装置によって構成される。測位情報リスト311は、後述する制御部320によって記憶部310に登録されるものである。測位情報リスト311としては、例えば、第1通信装置100Bを識別するための装置識別情報と第1通信装置100Bによって取得された測位情報とが対応付けられた情報の一覧データである。記憶部310は、その他にプログラムやプログラムが実行される際に使用されるデータ等を記憶することも可能である。
【0087】
制御部320は、測位情報受信制御部321と測位情報送信制御部322とを有するものである。制御部320は、例えば、CPU、RAM等によって構成される。制御部320は、例えば、記憶部310に記憶されたプログラムがCPUによってRAMに展開され、RAMに展開されたプログラムがCPUによって実行されることによってその機能が実現される。
【0088】
測位情報受信制御部321は、測位情報を受信する処理を制御するものである。測位情報受信制御部321は、まず、測位情報受信部331がネットワーク400を介して受信した測位情報と装置識別情報とを対応付けて測位情報リスト311に登録する処理を制御する。続いて、測位情報送信制御部322は、測位情報送信要求受信部332が第2通信装置200Bから第2通信装置200Bを識別するための装置識別情報を含んだ測位情報送信要求を受信する処理を制御する。その後、測位情報送信制御部322は、測位情報送信要求に含まれる装置識別情報に対応付けられて管理されている測位情報を記憶部110Aから取得して、取得した測位情報119を測位情報送信部133が第2通信装置200Aに送信する処理を制御する。
【0089】
通信部330は、測位情報受信部331と、測位情報送信要求受信部332と、測位情報送信部333とを有するものである。通信部330は、通信インタフェース等によって構成されるものであり、ネットワーク400を介して第1通信装置100Bおよび第2通信装置200Bとの間において通信を行うことが可能である。
【0090】
測位情報受信部331は、第1通信装置100Bから第1通信装置100Bによって取得された測位情報と第1通信装置100Bを識別するための装置識別情報とを受信するものである。
【0091】
測位情報送信要求受信部332は、第2通信装置200Bからネットワーク400を介して第1通信装置100Bを識別するための装置識別情報を含んだ測位情報送信要求を受信するものである。
【0092】
測位情報送信部333は、測位情報送信要求に対する応答として測位情報を第2通信装置200Bに送信するものである。
【0093】
[2−5.通信システムによって実行される処理]
図10は、第2実施形態に係る通信システムによって実行される処理の流れを示すシーケンス図である。図10を参照して(適宜他の図も参照)、通信システムによって実行される処理について説明する。
【0094】
図10に示すように、まず、第1通信装置100Aは、自装置によって取得された測位情報と自装置を識別するための装置識別情報とを、ネットワーク400を介して管理装置300に送信する(ステップS301)。管理装置300は、ネットワーク400を介して装置識別情報を第1通信装置100Bから受信すると(ステップS302)、受信した測位情報と装置識別情報とを対応付けて測位情報リスト311に登録する(ステップS303)。
【0095】
第1通信装置100Bは、無線信号によって第1通信装置100Bを識別するための装置識別情報を第2通信装置200Bに送信する(ステップS304)。第2通信装置200Bは、無線信号によって第1通信装置100Bから装置識別情報を受信すると(ステップS305)、受信した装置識別情報を、ネットワーク400を介して管理装置300に送信する(ステップS306)。管理装置300は、ネットワーク400を介して装置識別情報を受信すると(ステップS307)、受信した装置識別情報に対応付けられた測位情報を第2通信装置200Bに送信する(ステップS308)。
【0096】
第2通信装置200Bは、ネットワーク400を介して測位情報を受信すると(ステップS309)、受信した測位情報をもとにGPS測位を開始する(ステップS310)。
【0097】
[2−6.第2通信装置によって実行される処理]
図11は、第2実施形態に係る第2通信装置によって実行される処理の流れを示すフローチャートである。図11を参照して(適宜他の図も参照)、第2通信装置によって実行される処理について説明する。
【0098】
図11に示すように、まず、第2通信装置200Bは、無線信号によって周辺の第1通信装置100Bを探索する(ステップS401)。第2通信装置200Bは、周辺の第1通信装置100Bを検出しない場合には(ステップS402で「No」)、ステップS408に進む。
【0099】
第2通信装置200Bは、周辺の第1通信装置100Bを検出した場合には(ステップS402で「Yes」)、検出した第1通信装置100Bから第1通信装置100Bの装置識別情報を受信する(ステップS403)。第2通信装置200Bは、受信した装置識別情報を、ネットワーク400を介して管理装置300に送信する(ステップS404)。第2通信装置200Bは、管理装置300に該当する測位情報が存在しない場合には(ステップS405で「No」)、ステップS408に進む。
【0100】
第2通信装置200Bは、管理装置300に該当する測位情報が存在する場合には(ステップS405で「Yes」)、測位情報送信要求に対する応答として測位情報を受信し(ステップS406)、受信した測位情報を使用して初期化を行う(ステップS407)。続いて、第2通信装置200Bは、GPSアンテナ240を介して受信した衛星信号を使用して測位を行い(ステップS408)、処理を終了する。
【0101】
<3.変形例>
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0102】
例えば、第2通信装置200がGPSによる測位を行う機能を有していない場合も想定される。このような場合には、第2通信装置200は、第1通信装置100から受信した測位情報をそのまま使用することも可能である。より具体的には、第2通信装置200は、例えば、第1通信装置100から受信した第1通信装置100の位置情報を第2通信装置200の位置としてそのまま使用することも可能である。
【0103】
<4.まとめ>
本実施形態によれば、測位を行うための設備を基地局に設置するために要する手間と費用を低減するとともに基地局と通信を行うことができない状況においても端末において測位を行うために要する時間を短縮することが可能である。具体的には、第2通信装置200は、第1通信装置100が取得した測位情報(アルマナック、第2通信装置200の位置情報等)を使用して初期化を行うことができるので、測位に使用する衛星信号を送信する衛星を特定するための時間を短縮することができる。また、第2通信装置200は、第1通信装置100が取得した測位情報(エフェメリス等)を使用して測位を行うことができるので、衛星信号から測位情報(エフェメリス等)をダウンロードするための時間を省略することができる。
【符号の説明】
【0104】
10,10A,10B 通信システム
100,100A,100B 第1通信装置
110A,110B 記憶部
111 位置情報
112 エフェメリス
113 アルマナック
118 装置識別情報
119 測位情報
120A,120B 制御部
121A,121B 測位情報送信制御部
122 装置識別情報送信制御部
130 通信部
131 探索信号送信部
132 測位情報送信要求受信部
133 測位情報送信部
140 GPSアンテナ
150 測位部
151 初期化処理部
152 測位処理部
153 測位情報登録部
160 第1通信部
161 装置識別情報送信部
170 第2通信部
171 測位情報送信部
200,200A,200B 第2通信装置
210 記憶部
211 位置情報
220A,220B 制御部
221 装置検出制御部
222 測位情報受信制御部
223 装置識別情報受信制御部
230 通信部
231 探索信号受信部
232 測位情報送信要求送信部
233 測位情報受信部
240 GPSアンテナ
250 測位部
251 初期化処理部
252 測位処理部
253 測位情報登録部
260 第1通信部
261 装置識別情報受信部
270 第2通信部
271 測位情報送信要求送信部
272 測位情報受信部
300 管理装置
310 記憶部
311 測位情報リスト
320 制御部
321 測位情報受信制御部
322 測位情報送信制御部
330 通信部
331 測位情報受信部
332 測位情報送信要求受信部
333 測位情報送信部
400 ネットワーク


【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と他の通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報を前記他の通信装置から無線信号によって受信する測位情報受信部と、
前記測位情報受信部によって受信された前記測位情報をもとに前記所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行う初期化処理部と、
前記所定数の衛星のそれぞれから衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
前記衛星信号受信部によって受信された前記衛星信号のうち前記初期化処理部によって特定された前記複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した前記衛星信号から前記衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、前記衛星時刻情報と前記現在時刻情報とに基づいて自装置と前記複数の衛星のそれぞれとの距離を算出し、算出した前記距離と前記第1衛星軌道情報よりも精度が高い前記複数の衛星のそれぞれの軌道を示す複数の第2衛星軌道情報とに基づいて自装置の測位を行う測位処理部と、
を備える、通信装置。
【請求項2】
前記測位処理部は、
同期した前記衛星信号のそれぞれから前記複数の第2衛星軌道情報をさらに取得し、取得した前記複数の第2衛星軌道情報と前記距離とに基づいて前記測位を行う、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
閾値を記憶する記憶部と、
前記測位処理部によって前記複数の第2衛星軌道情報が取得された時刻を示す取得時刻情報を前記内部時計から取得し、取得した前記取得時刻情報と前記複数の第2衛星軌道情報とを対応付けて前記記憶部に登録する測位情報登録部と、
をさらに備え、
前記測位処理部は、
前記内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、前記記憶部に登録されている前記取得時刻情報と前記現在時刻情報との差分値が前記記憶部によって記憶されている前記閾値を超えているか否かを判断し、前記閾値を超えていないと判断した場合には、同期した前記衛星信号のそれぞれから前記複数の第2衛星軌道情報を取得する処理を省略するとともに前記取得時刻情報に対応付けられて前記記憶部に登録されている前記複数の第2衛星軌道情報と前記距離とに基づいて前記測位を行う、
請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記測位情報受信部は、
前記他の通信装置から前記無線信号によって前記複数の第2衛星軌道情報をさらに受信し、
前記測位処理部は、
前記測位情報受信部によって受信された前記複数の第2衛星軌道情報と前記距離とに基づいて前記測位を行う、
請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
閾値を記憶する記憶部と、
前記測位情報受信部によって前記複数の第2衛星軌道情報が受信された時刻を示す取得時刻情報を前記内部時計から取得し、取得した前記取得時刻情報と前記複数の第2衛星軌道情報とを対応付けて前記記憶部に登録する測位情報登録部と、
をさらに備え、
前記測位処理部は、
前記内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、前記記憶部に登録されている前記取得時刻情報と前記現在時刻情報との差分値が前記記憶部によって記憶されている前記閾値を超えているか否かを判断し、前記閾値を超えていないと判断した場合には、前記測位情報受信部によって受信された前記複数の第2衛星軌道情報と前記距離とに基づいて前記測位を行う処理を省略するとともに同期した前記衛星信号のそれぞれから前記複数の第2衛星軌道情報をさらに取得し、取得した前記複数の第2衛星軌道情報と前記距離とに基づいて前記測位を行う、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記測位処理部は、
前記測位情報受信部が複数の前記他の通信装置のそれぞれから前記無線信号によって前記複数の第2衛星軌道情報を受信した場合には、前記測位情報受信部によって前記複数の他の通信装置のそれぞれから受信された前記複数の第2衛星軌道情報のうち前記複数の第2衛星軌道情報の取得時刻が新しい時刻を示す取得時刻情報が付加されている前記複数の第2衛星軌道情報と前記距離とに基づいて前記測位を行う、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項7】
前記測位処理部は、
前記測位情報受信部が複数の前記他の通信装置のそれぞれから前記無線信号によって前記複数の第2衛星軌道情報を受信した場合には、前記測位情報受信部によって前記複数の他の通信装置のそれぞれから受信された前記複数の第2衛星軌道情報のうち電波強度の大きい前記無線信号によって受信された前記複数の第2衛星軌道情報と前記距離とに基づいて前記測位を行う、
請求項4に記載の通信装置。
【請求項8】
他の通信装置から無線信号によって前記他の通信装置を識別するための装置識別情報を受信する装置識別情報受信部と、
前記装置識別情報受信部によって受信された前記装置識別情報を含む測位情報送信要求を、ネットワークを介して管理装置に送信する測位情報送信要求送信部と、
前記測位情報送信要求に対する応答として前記装置識別情報に対応付けられて前記管理装置によって管理されている所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と前記他の通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報を前記管理装置から前記ネットワークを介して受信する測位情報受信部と、
前記測位情報受信部によって受信された前記測位情報をもとに前記所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行う初期化処理部と、
前記所定数の衛星のそれぞれから衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
前記衛星信号受信部によって受信された前記衛星信号のうち前記初期化処理部によって特定された前記複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した前記衛星信号から前記衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、前記衛星時刻情報と前記現在時刻情報とに基づいて自装置と前記複数の衛星のそれぞれとの距離を算出し、算出した前記距離と前記第1衛星軌道情報よりも精度が高い前記複数の衛星のそれぞれの軌道を示す複数の第2衛星軌道情報とに基づいて自装置の測位を行う測位処理部と、
を備える、通信装置。
【請求項9】
測位情報受信部と、初期化処理部と、衛星信号受信部と、測位処理部とを備える通信装置の前記測位情報受信部により、所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と他の通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報を前記他の通信装置から無線信号によって受信するステップと、
前記初期化処理部により、前記測位情報受信部によって受信された前記測位情報をもとに前記所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行うステップと、
前記衛星信号受信部により、前記所定数の衛星のそれぞれから衛星信号を受信するステップと、
前記測位処理部により、前記衛星信号受信部によって受信された前記衛星信号のうち前記初期化処理部によって特定された前記複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した前記衛星信号から前記衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、前記衛星時刻情報と前記現在時刻情報とに基づいて自装置と前記複数の衛星のそれぞれとの距離を算出し、算出した前記距離と前記第1衛星軌道情報よりも精度が高い前記複数の衛星のそれぞれの軌道を示す複数の第2衛星軌道情報とに基づいて自装置の測位を行うステップと、
を含む、通信方法。
【請求項10】
装置識別情報受信部と、測位情報送信要求送信部と、測位情報受信部と、初期化処理部と、衛星信号受信部と、測位処理部とを備える通信装置の前記装置識別情報受信部により、他の通信装置から無線信号によって前記他の通信装置を識別するための装置識別情報を受信するステップと、
前記測位情報送信要求送信部により、前記装置識別情報受信部によって受信された前記装置識別情報を含む測位情報送信要求を、ネットワークを介して管理装置に送信するステップと、
前記測位情報受信部により、前記測位情報送信要求に対する応答として前記装置識別情報に対応付けられて前記管理装置によって管理されている所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と前記他の通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報を前記管理装置から前記ネットワークを介して受信するステップと、
前記初期化処理部により、前記測位情報受信部によって受信された前記測位情報をもとに前記所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行うステップと、
前記衛星信号受信部により、前記所定数の衛星のそれぞれから衛星信号を受信するステップと、
前記測位処理部により、前記衛星信号受信部によって受信された前記衛星信号のうち前記初期化処理部によって特定された前記複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した前記衛星信号から前記衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、前記衛星時刻情報と前記現在時刻情報とに基づいて自装置と前記複数の衛星のそれぞれとの距離を算出し、算出した前記距離と前記第1衛星軌道情報よりも精度が高い前記複数の衛星のそれぞれの軌道を示す複数の第2衛星軌道情報とに基づいて自装置の測位を行うステップと、
を含む、通信方法。
【請求項11】
コンピュータを、
所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と他の通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報を前記他の通信装置から無線信号によって受信する測位情報受信部と、
前記測位情報受信部によって受信された前記測位情報をもとに前記所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行う初期化処理部と、
前記所定数の衛星のそれぞれから衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
前記衛星信号受信部によって受信された前記衛星信号のうち前記初期化処理部によって特定された前記複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した前記衛星信号から前記衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、前記衛星時刻情報と前記現在時刻情報とに基づいて自装置と前記複数の衛星のそれぞれとの距離を算出し、算出した前記距離と前記第1衛星軌道情報よりも精度が高い前記複数の衛星のそれぞれの軌道を示す複数の第2衛星軌道情報とに基づいて自装置の測位を行う測位処理部と、
を備える、通信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項12】
コンピュータを、
他の通信装置から無線信号によって前記他の通信装置を識別するための装置識別情報を受信する装置識別情報受信部と、
前記装置識別情報受信部によって受信された前記装置識別情報を含む測位情報送信要求を、ネットワークを介して管理装置に送信する測位情報送信要求送信部と、
前記測位情報送信要求に対する応答として前記装置識別情報に対応付けられて前記管理装置によって管理されている所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と前記他の通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報を前記管理装置から前記ネットワークを介して受信する測位情報受信部と、
前記測位情報受信部によって受信された前記測位情報をもとに前記所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行う初期化処理部と、
前記所定数の衛星のそれぞれから衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
前記衛星信号受信部によって受信された前記衛星信号のうち前記初期化処理部によって特定された前記複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した前記衛星信号から前記衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、前記衛星時刻情報と前記現在時刻情報とに基づいて自装置と前記複数の衛星のそれぞれとの距離を算出し、算出した前記距離と前記第1衛星軌道情報よりも精度が高い前記複数の衛星のそれぞれの軌道を示す複数の第2衛星軌道情報とに基づいて自装置の測位を行う測位処理部と、
を備える、通信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項13】
第1通信装置と第2通信装置とを備える通信システムであって、
前記第1通信装置は、
所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と前記第1通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報を無線信号によって前記第2通信装置に送信する測位情報送信部、
を有し、
前記第2通信装置は、
前記測位情報を前記第1通信装置から前記無線信号によって受信する測位情報受信部と、
前記測位情報受信部によって受信された前記測位情報をもとに前記所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行う初期化処理部と、
前記所定数の衛星のそれぞれから衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
前記衛星信号受信部によって受信された前記衛星信号のうち前記初期化処理部によって特定された前記複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した前記衛星信号から前記衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、前記衛星時刻情報と前記現在時刻情報とに基づいて自装置と前記複数の衛星のそれぞれとの距離を算出し、算出した前記距離と前記第1衛星軌道情報よりも精度が高い前記複数の衛星のそれぞれの軌道を示す複数の第2衛星軌道情報とに基づいて自装置の測位を行う測位処理部と、
を有する、通信システム。
【請求項14】
第1通信装置と管理装置と第2通信装置とを備える通信システムであって、
前記第1通信装置は、
所定数の衛星のそれぞれの軌道を示す第1衛星軌道情報と前記第1通信装置の位置を示す位置情報とを含む測位情報と自装置を識別するための装置識別情報とをネットワークを介して前記管理装置に送信する測位情報送信部、
を有し、
前記管理装置は、
記憶部と、
前記第1通信装置から前記ネットワークを介して前記測位情報と前記装置識別情報とを受信する測位情報受信部と、
前記測位情報受信部によって受信された前記測位情報と前記装置識別情報とを対応付けて前記記憶部に登録する測位情報受信制御部と、
前記ネットワークを介して前記第2通信装置から前記装置識別情報を含む測位情報送信要求を受信する測位情報送信要求受信部と、
前記測位情報送信要求に含まれる前記装置識別情報に対応付けられて前記記憶部に登録されている前記測位情報を取得する測位情報送信制御部と、
前記測位情報送信制御部によって取得された前記測位情報を、前記ネットワークを介して前記第2通信装置に送信する測位情報送信部と、
を有し、
前記第2通信装置は、
前記第1通信装置から前記無線信号によって前記第1通信装置を識別するための装置識別情報を受信する装置識別情報受信部と、
前記装置識別情報受信部によって受信された前記装置識別情報を含む測位情報送信要求を、前記ネットワークを介して前記管理装置に送信する測位情報送信要求送信部と、
前記測位情報送信要求に対する応答として前記装置識別情報に対応付けられて前記管理装置によって管理されている前記測位情報を前記管理装置から前記ネットワークを介して受信する測位情報受信部と、
前記測位情報受信部によって受信された前記測位情報をもとに前記所定数の衛星のうち自装置が受信することが可能な衛星信号を送信する複数の衛星を特定する初期化処理を行う初期化処理部と、
前記所定数の衛星のそれぞれから衛星信号を受信する衛星信号受信部と、
前記衛星信号受信部によって受信された前記衛星信号のうち前記初期化処理部によって特定された前記複数の衛星のそれぞれから送信された衛星信号に同期し、同期した前記衛星信号から前記衛星信号の送信時刻を示す衛星時刻情報を取得するとともに自装置の内部に設置された内部時計から現在の時刻を示す現在時刻情報を取得し、前記衛星時刻情報と前記現在時刻情報とに基づいて自装置と前記複数の衛星のそれぞれとの距離を算出し、算出した前記距離と前記第1衛星軌道情報よりも精度が高い前記複数の衛星のそれぞれの軌道を示す複数の第2衛星軌道情報とに基づいて自装置の測位を行う測位処理部と、
を有する、通信システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−17555(P2011−17555A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160800(P2009−160800)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】