説明

通信装置と通信システムとプログラム

【課題】 他の通信装置で管理対象になっている被管理装置を自通信装置でも管理できるようにする。
【解決手段】 仲介装置4は、制御装置40の機器選択登録部46が、通信装置44を利用して、機器情報取得部16にアクセスし、機器リストを要求する。その機器リストを受信すると、表示装置43に上記機器リストを表示する。入力装置42からの選択入力に基いて遠隔管理装置への登録装置である画像形成装置を選択する。その後、通信装置44を利用して、遠隔管理装置へ上記機器リストの中から選択された画像形成装置の機器管理情報と共に追加登録要求を送信する。遠隔管理装置には、画像形成装置が新たな管理対象として登録される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、通信網に接続し、前記通信網上の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置と、被管理装置と通信装置とからなる通信システムと、通信装置を制御するコンピュータに実行させるプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ローカルエリアネットワーク(LAN)又はインターネットを含むネットワーク(「通信網」ともいう)内に存在する複数台の被管理装置を管理する場合、例えば、被管理装置としてファクシミリ装置、プリンタ、複写機、それらの機器の機能を併せ持った複合機を含む画像形成装置を管理する場合、部署毎に画像形成装置のグループを作成し、各グループにそれぞれ管理者を決定し、各管理者がそれぞれ担当するグループ内の画像形成装置をオンサイトで管理する運用方法がある。上述の運用方法に関して、LAN内の複数の画像形成装置がグループ分けされている場合、その各グループをツリー階層構造で表示して一覧できるようにした機器管理システム(例えば、特許文献1参照)があった。
【0003】
また、顧客環境のネットワーク上にある画像形成装置にインターネットを介してアクセスし、その画像形成装置の状態を遠隔で管理する技術が利用されている。
従来、画像形成装置が接続されているLAN内において、インターネットを介してLAN内の画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理装置とコネクションし、遠隔管理装置からLANに設けられたファイアーウォールを経由した管理コマンドを受信すると、画像形成装置から状態情報を収集して遠隔管理装置へ送信する装置(例えば、特許文献2参照)があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、機器管理装置が管理している画像形成装置が仲介装置を介して遠隔管理装置によっても管理することが容易にできないという問題があった。
この発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、他の通信装置で管理対象になっている被管理装置を自通信装置でも管理できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は上記の目的を達成するため、通信網に接続し、通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置であって、通信網内の他の通信装置からその通信装置の管理対象の被管理装置に関する管理情報を取得する取得手段と、その取得手段によって取得した管理情報に基いて上記他の通信装置の被管理装置をさらに他の通信装置に管理対象として登録させる登録手段を備えた通信装置を提供する。
【0006】
また、通信網に被管理装置と通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置とが接続された通信システムであって、通信装置は、通信網内の他の通信装置からその通信装置の管理対象の被管理装置に関する管理情報を取得する取得手段と、その取得手段によって取得した管理情報に基いて他の通信装置の被管理装置をさらに他の通信装置に管理対象として登録させる登録手段を備えた管理システムを提供する。
【0007】
さらに、通信網に接続し、通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置を制御するコンピュータに、通信網内の他の通信装置からその通信装置の管理対象の被管理装置に関する管理情報を取得する取得機能と、その取得機能によって取得した管理情報に基いて他の通信装置の被管理装置をさらに他の通信装置に管理対象として登録させる登録機能とを実現させるためのプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
この発明による通信装置と通信システムは、他の通信装置で管理対象になっている被管理装置を自通信装置でも管理することができる。
また、この発明によるプログラムは、通信装置を制御するコンピュータに、他の通信装置で管理対象になっている被管理装置を自通信装置でも管理するための機能を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図2に示す機器管理装置の構成と共に主要な機能構成を示すブロック図である。
【図2】発明の一実施形態である管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】図2に示す画像形成装置の主要な構成を示す構成図である。
【図4】図2に示す仲介装置の主要な構成を示す構成図である。
【図5】図1に示す管理対象機器情報のデータ内容の一例を示す図である。
【図6】図4に示す仲介装置が記憶している管理対象機器情報のデータ内容の一例を示す図である。
【図7】図2に示す機器管理装置から仲介装置を検索する処理のシーケンス図である。
【図8】図2に示す機器管理装置から仲介装置を検索する他の処理例の処理のシーケンス図である。
【図9】図2に示す仲介装置が機器管理装置で管理対象の画像形成装置を遠隔管理装置に管理対象として登録する処理のシーケンス図である。
【図10】図2に示す機器管理装置が作成した機器リストの一例を示す図である。
【図11】図10に示す機器リストからアクセスが許可された画像形成装置についての機器リストの一例を示す図である。
【図12】図2に示す機器管理装置が画像形成装置から障害通知があったときにその画像形成装置が遠隔管理装置の管理対象であるか否かを表示する処理のシーケンス図である。
【図13】図2に示す機器管理装置における管理対象可否情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図2は、この発明の一実施形態である管理システムの構成を示すブロック図である。
実施形態の管理システムは、ローカルエリアネットワーク(LAN)5内に、機器管理装置1、画像形成装置2、情報処理装置3、及び仲介装置4がそれぞれ複数台通信可能に接続されている。また、各仲介装置4はインターネット6を介して遠隔管理装置7と通信可能に接続されている。
【0011】
この管理システムでは、LAN5内の1〜3の各装置が顧客側のネットワーク環境であり、情報処理装置3が画像形成装置2を利用し、機器管理装置1が画像形成装置2の状態などの情報を取得して管理する。
また、仲介装置4は画像形成装置2の状態などの情報を取得して管理し、インターネット6を介して遠隔管理装置7に通知する。
その遠隔管理装置7は、サービス提供側であり、仲介装置4を介して顧客側の画像形成装置2の状態などの情報を取得して管理し、画像形成装置2における障害発生時にメンテナンスサービス等のサービスを提供する。
【0012】
この実施形態のように機器管理装置1が複数台設置されるのは、例えば、顧客側の部署毎に部署内の画像形成装置2を管理するためのものと、IT管理部署によって全画像形成装置2を一括管理するためのものを分けるためである。
各部署毎には管理者がおり、各管理者はそれぞれの機器管理装置1に管理されている情報を参照することによって部署内の画像形成装置2を管理することができる。この機器管理装置1が管理する情報としては、顧客側のみが利用する独自の情報、例えば、画像形成装置2の設置場所の情報なども含まれる。
【0013】
一方、仲介装置4が複数台設置されるのは、1台の仲介装置4が搭載している記憶装置の記憶容量上の制約により、1台の仲介装置4が管理できる画像形成装置2の数に限りがある場合や、ユーザ環境において1台の仲介装置4の記憶装置の記憶容量以上のデータ量になる多数の画像形成装置2を管理する場合などがある。
上記LAN5は、有線又は無線の通信で1〜4の各装置同士が通信する通信網である。
また、上記インターネット6における通信でも有線又は無線が可能である。
【0014】
この実施形態において、上記画像形成装置2が、LAN5内の被管理装置に相当する。
このLAN5は、顧客側のネットワーク環境であり、イントラネットとも呼ばれる。
また、上記機器管理装置1及び上記仲介装置4が、LAN5内の管理対象として設定された画像形成装置2(被管理装置)の状態情報を取得して管理する通信装置に相当する。
そして、この管理システムは、被管理装置である画像形成装置2と管理する通信装置である機器管理装置1及び仲介装置4とが接続された通信システムに相当する。
なお、この実施形態では、LAN5とインターネット6を用いた場合を説明するが、その他の通信網を用いても同様に実施できる。
【0015】
図1は、図2に示した機器管理装置1の構成と共に主要な機能構成を示すブロック図である。
機器管理装置1は、サーバ機能を備えた通信装置であり、制御装置10、記憶装置11、入力装置12、表示装置13、及び通信装置14を有し、10〜14の各装置はバス15を介して互いにデータをやり取り可能に接続されている。
制御装置10は、CPU、ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、機器管理装置1の全体の制御を司り、機器情報取得部16、機器リスト作成部17、機器リスト通知部18の機能部を備えている。また、図示を省略するが、日時を計測するタイマも備えている。
【0016】
16〜18の各部は、CPUがRAMを作業領域として、記憶装置11に記憶されたプログラムを実行することによって実現される機能部である。
機器情報取得部16は、通信装置14を使用してLAN5に接続し、LAN5内の管理対象として設定された被管理装置である画像形成装置2の状態情報を含む管理対象機器情報を取得して管理する機能を果たす。
【0017】
機器管理装置1、画像形成装置2、情報処理装置3及び仲介装置4には、それぞれ予め特定情報が割り当てられている。
その特定情報は、LAN5内で(あるいはインターネット6上でも含む)各機器管理装置1と、各画像形成装置2と、各情報処理装置3と、各仲介装置4とをそれぞれ識別するための固有情報であり、識別番号(ID)、MACアドレス、IPアドレスを含む識別情報である。
また、LAN5内であれば、顧客側により、画像形成装置2又は仲介装置4にそれぞれ固有に割り当てられた名称を用いても良い。
【0018】
機器リスト作成部17は、機器情報取得部16によって取得した管理対象機器情報に基づいて、自装置の管理対象の画像形成装置2について管理情報に相当する機器リストを作成する。
機器リスト通知部18は、仲介装置4から要求があった場合、機器リスト作成部17によって作成した機器リストを通知する。
さらに、制御装置10は、記憶装置11に記憶している対応付情報に基づいて、自装置と対応付けられた他の機器管理装置1又は仲介装置4から画像形成装置2の状態情報を含む管理対象機器情報を取得し、その取得した管理対象機器情報に基づいて自装置が管理している管理対象機器情報の内容を更新する手段の機能も果たす。
【0019】
また、上記制御装置10は、LAN5内の管理対象の画像形成装置2から状態情報の通知があった場合、LAN5内の仲介装置4からその仲介装置4で管理対象の画像形成装置2を示す識別情報を取得し、その識別情報に基づいて状態情報の通知があった画像形成装置2が上記識別情報を取得した仲介装置4で管理対象となっているか否かを示す情報を出力する出力手段の機能を果たす。
【0020】
記憶装置11は、ハードディスク装置(HDD)を含む記憶装置であり、制御装置10のCPUが実行するプログラム(図示を省略)、管理対象機器情報20及び機器リスト21を記憶する。
すなわち、記憶装置11は、機器リスト作成部17によって作成した機器リストを記憶装置11に記憶する記憶手段に相当する。
【0021】
図5は、図1の管理対象機器情報20のデータ内容の一例を示す図である。
管理対象機器情報20は、LAN5内から検索された各画像形成装置2の各種の情報からなる機器情報マップである。
この実施形態では、この管理対象機器情報20に含まれる項目は、他の機器管理装置1においても共通の場合を説明するが、一部の項目についてはそれぞれ異なっていても良い。
【0022】
図5に示すように、管理対象機器情報20には、画像形成装置2に関する各種の情報として、画像形成装置ID、モデル名、MACアドレス、IPアドレス、システム状態、更新日時、及び設置場所の各情報が含まれている。
画像形成装置IDは、画像形成装置2を識別するために付与された固有の識別情報であり、例えば、GA00−150001である。
【0023】
また、モデル名は画像形成装置2の製品名称であり、例えば、プリンタ11である。
さらに、MACアドレスは、画像形成装置2の通信制御を行う装置(例えば、ネットワークボード)に割り当てられたネットワーク上の固有のアドレスであり、例えば、11−11−11−11−XX−11である。
また、IPアドレスは、画像形成装置2に割り当てられたネットワーク上の固有のアドレスであり、例えば、192.168.X.1である。
【0024】
さらに、システム状態は、画像形成装置2の動作状況(障害が生じた場合の障害状況も含む)の情報であり、例えば、画像形成装置2の内部の各部が正常に動作している場合、正常を示す情報が記憶される。
また、そのシステム状態の更新日時は、例えば、20xx.xx.xx yy:yyである。このxとyは変数であり、1以上の整数である。
【0025】
上記システム状態と更新日時の情報は、機器管理装置1からの動作によって画像形成装置2から定期的に収集する場合や、画像形成装置2で障害が発生したときにその都度通知される場合に内容が更新される。
さらに、設置場所は、画像形成装置2が設置された場所を示す情報であり、例えば、入口横(部署の出入り口の横)である。
また、図示を省略するが、管理対象機器情報20には、上記情報の他にも、顧客環境特有の情報として、機器管理者情報、フロア情報及び事業所情報を含む。
【0026】
さらに、画像形成装置2の使用状況として、ジョブログ、アクセスログ、クライアントログ、キーカードログ、ユーザ別カウンタログも含む。
この管理対象機器情報20を参照することにより、LAN5の各画像形成装置2に関する情報を特定することができ、その画像形成装置2におけるシステム状態を知ることができる。例えば、障害が発生していれば、その障害を解消するための対応策をとることができる。
そして、この管理対象機器情報20には、図示を省略するが、各画像形成装置2が管理対象として登録されている仲介装置4の特定情報も対応させて記憶している。
【0027】
図1に戻り、入力装置12は、キーボード、ポインティングデバイスを含む入力装置であり、ユーザが様々な操作情報を入力するための装置である。
表示装置13は、CRT、LCDを含む表示装置であり、ユーザに各種の情報と作業画面などを表示する装置である。
通信装置14は、他の機器管理装置1、画像形成装置2、情報処理装置3、及び仲介装置4とのLAN5を介した通信を制御する装置である。
【0028】
次に、画像形成装置2の構成を簡単に説明する。
図3は、図2に示した画像形成装置2の主要な構成を示す構成図である。
画像形成装置2は、制御装置30、操作表示装置31、記憶装置32、通信装置33、及びエンジン装置34を有し、30〜34の各装置はバス35を介して互いにデータをやり取り可能に接続されている。
制御装置30は、CPU、ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、画像形成装置2の全体の制御を司り、画像読み取り、画像形成、搬送、エンジン装置34からのセンサの検知の通知に基いて自装置内の各部について各種の状態と障害を検出し、その状態情報と障害情報を機器管理装置1又は仲介装置4へ通知する処理も行う。
【0029】
この状態情報と障害情報の通知の処理については公知なので、詳しい説明を省略する。
操作表示装置31は、ユーザが様々な操作情報を入力するための入力部と、ユーザに各種の情報と作業画面などを表示する表示部とからなるオペレーションパネルである。
記憶装置32は、ハードディスク装置(HDD)を含む記憶装置であり、画像データ、機器管理装置1又は仲介装置4を介した遠隔管理装置7で管理されるための管理対象機器情報を含む各種のデータを記憶する記憶装置である。
【0030】
通信装置33は、機器管理装置1、他の画像形成装置2、情報処理装置3、及び仲介装置4とのLAN5を介した通信を制御する装置である。
エンジン装置34は、画像読み取りのスキャナエンジン、画像印刷のプリントエンジンを含み、画像読み取り、画像印刷時の画像形成、用紙の搬送を含む動作を行う。
また、エンジン装置34は、各所にセンサを備えており、その各センサにより画像読み取り、画像形成、及び搬送を含む各種の状態を検知して制御装置30に通知する。
【0031】
次に、仲介装置4の構成について説明する。
図4は、図2に示した仲介装置4の主要な構成を示す構成図である。
仲介装置4は、制御装置40、記憶装置41、入力装置42、表示装置43、及び通信装置44を有し、40〜44の各装置はバス45を介して互いにデータをやり取り可能に接続されている。
【0032】
制御装置40は、CPU、ROM及びRAMを含むマイクロコンピュータによって実現され、仲介装置4の全体の制御を司り、機器選択登録部46の機能部を備えている。
この機器選択登録部46は、LAN5の機器管理装置1からその機器管理装置1の管理対象の画像形成装置2に関する機器リスト(管理情報に相当する)を取得する取得手段と、その取得した機器リストに基いてさらに遠隔管理装置7に管理対象として登録させる登録手段の機能を果たす。
【0033】
この制御装置40は、LAN5の機器管理装置1からの要求に基いて自装置が管理している管理対象の画像形成装置2の特定情報を返信する手段の機能も果たす。
記憶装置41は、ハードディスク装置(HDD)を含む記憶装置であり、画像形成装置2の管理のための管理対象機器情報、自仲介装置の情報を含む各種のデータを記憶する記憶装置である。
【0034】
管理対象機器情報47は、この仲介装置4が管理対象とし、この仲介装置4によって遠隔管理装置7に管理対象として登録されている複数の画像形成装置2に関する各種の情報として、画像形成装置ID、MACアドレス、IPアドレス、機器接続方式の各情報を対応させて記憶している機器情報マップである。
【0035】
図6は、図4の仲介装置4が記憶している管理対象機器情報47のデータ内容の一例を示す図である。
管理対象機器情報47は、この仲介装置4が管理対象とし、この仲介装置4によって遠隔管理装置7に管理対象として登録されている複数の画像形成装置2に関する各種の情報として、画像形成装置ID、MACアドレス、IPアドレス、通信接続方式である機器接続方式の各情報を対応させて記憶している機器情報マップである。
【0036】
例えば、管理対象の画像形成装置2の画像形成装置IDであるGA00−150001と、その画像形成装置2のMACアドレスの11−11−11−11−XX−11と、IPアドレスの192.168.X.2と、その画像形成装置2との機器接続方式であるHTTPの各情報を対応させて記憶している。
この管理対象機器情報47については、機器管理装置1が保持する管理対象機器情報20よりも項目数が少ない。
【0037】
これは、仲介装置4は、顧客側の管理者が扱うものではなく、サービス提供側のカスタマーエンジニア(CE)が操作するため、顧客側の個人情報は仲介装置4には送らないというポリシーに基づいている。
一方で、機器管理装置1は顧客側の管理者が操作することから、顧客側の情報を入力しても問題ない。
機器リスト48は、機器管理装置1から取得した機器リストである。
【0038】
図4に戻り、入力装置42は、キーボード、ポインティングデバイスを含む入力装置であり、ユーザが様々な操作情報を入力するための装置である。
表示装置43は、CRT、LCDを含む表示装置であり、ユーザに各種の情報と作業画面などを表示する装置である。
通信装置44は、機器管理装置1、画像形成装置2、及び情報処理装置3とのLAN5を介した通信と、遠隔管理装置7とのインターネット6を介した通信を制御する装置である。
制御装置40は、タイマによってコネクション開始間隔を測定し、コネクション開始の時間になると、遠隔管理装置7へコネクションを開始し、遠隔管理装置7から送信される管理コマンドを受信する。
【0039】
一方、取得起動に伴って、LAN5上を検索し、管理対象の画像形成装置2の管理対象機器情報、または、全ての画像形成装置2の管理対象機器情報を取得して管理する。
そして、遠隔管理装置7からの管理コマンドを解析し、その解析結果に応じた管理対象機器情報を遠隔管理装置7に送信する。
このようにして、LAN5の管理対象の画像形成装置2から、その画像形成装置2の管理のための管理対象機器情報を収集して遠隔管理装置7へ通知する処理を行う。
【0040】
次に、上記機器管理装置1から仲介装置4を検索する処理について説明する。
図7は、図2に示す機器管理装置1から仲介装置4を検索する処理のシーケンス図である。
仲介装置4の検索時、図1の機器管理装置1の制御装置10は、表示装置13に検索先の仲介装置4のIPアドレスを入力する画面を表示する。
利用者が上記画面に対して入力装置12から検索先の仲介装置4のIPアドレスを入力する。
【0041】
図1の制御装置10は、入力装置12から検索先の仲介装置4のIPアドレスが入力されると(図7中のa)、通信装置14を利用して上記IPアドレスにリクエストを送信する(図7中のb)。
一方、図4の仲介装置4の制御装置40は、通信装置44によって上記リクエストを受信すると、上記機器管理装置1にレスポンスを送信する(図7中のc)。
このようにして、機器管理装置1は、IPアドレスが入力された仲介装置4との間で通信を行うことができる。
【0042】
なお、上述の処理では、IPアドレスによって検索する場合を示したが、その他にMACアドレスを用いても良い。また、利用者が仲介装置IDを入力すると、その仲介装置IDに対応して記憶しているIPアドレス又はMACアドレスに基いて検索するようにすることもできる。
【0043】
次に、上記機器管理装置1から仲介装置4を検索する処理の他の処理例について説明する。
図8は、図2に示す機器管理装置1から仲介装置4を検索する他の処理例の処理のシーケンス図である。
上述の処理では、機器管理装置1の利用者が検索先の仲介装置4のIPアドレスを入力する場合を示したが、ブロードキャストを用いてLAN5内の仲介装置4を検索することもできる。
【0044】
仲介装置4の検索時、図8に示すように、図1の制御装置10は、LAN5内にブロードキャストでリクエストを送信する(図8中のa)。このリクエストには仲介装置4を指定する特定のコマンドを含んでいる。
一方、図4の仲介装置4の制御装置40は、通信装置44によって上記リクエストを受信すると、特定のコマンドを参照して、上記機器管理装置1にレスポンスを送信する(図8中のb)。
【0045】
しかし、上記リクエストを受信した画像形成装置2は、上記特定のコマンドを参照して応答を返さない。
そして、図1の制御装置10は、記憶装置11に仲介装置4のIPアドレスを保存する(図8中のc)。
このようにして、機器管理装置1は、LAN5内の仲介装置4との間で通信を行うことができる。
【0046】
次に、上記仲介装置4が上記機器管理装置1で管理対象の画像形成装置2を遠隔管理装置7に管理対象として登録する処理について説明する。
図9は、図2に示す仲介装置4が機器管理装置1で管理対象の画像形成装置2を遠隔管理装置7に管理対象として登録する処理のシーケンス図である。
機器管理装置1は、図1に示した機器情報取得部16が、通信装置14を利用して、LAN5内の自装置が管理対象とする各画像形成装置2に対して管理対象機器情報取得のための通信を実行する(図9中のa)。
この通信により、各画像形成装置2から管理対象機器情報を収集する。
【0047】
機器情報取得部16は、記憶装置11に各画像形成装置2から収集した管理対象機器情報20を蓄積する(図9中のb)。その際、管理対象機器情報20にLAN5内の仲介装置4について各画像形成装置2毎にアクセスを許可するか否かを示す識別情報を付与した機器リストを作成する。
この識別情報については、機器管理装置1の利用者がそれぞれ設定してもよいし、予め各仲介装置4毎のアクセスの可否を示す一覧情報を保持して自動的に付与するようにしてもよい。
【0048】
一方、図4の仲介装置4は、制御装置40の機器選択登録部46が、通信装置44を利用して、機器情報取得部16にアクセスし、機器リストを要求する(図9中のc)。
機器管理装置1は、通信装置14によって仲介装置4からの機器リスト要求を受信すると、図1に示した機器情報取得部16が、上記管理対象機器情報20から要求元の仲介装置4について、アクセスが許可されている画像形成装置2のデータを抜き出した機器リスト21を作成する(図9中のd)。
【0049】
そして、図1に示した機器情報取得部16は、通信装置14を利用して上記作成した機器リスト21を仲介装置4へ通知する(図9中のe)。
仲介装置4では、図4の通信装置44によって機器リスト21を受信すると、記憶装置41に機器リスト48として記憶し、制御装置40の機器選択登録部46が、表示装置43に上記機器リスト48を表示する(図9中のf)。
仲介装置4の利用者が機器リスト48を参照し、入力装置42によって機器リスト48中から遠隔管理装置7に管理対象として登録する画像形成装置2を選択入力する。
【0050】
仲介装置4の機器選択登録部46は、入力装置42からの選択入力に基いて遠隔管理装置7への登録装置(画像形成装置2)を選択する(図9中のg)。
その後、仲介装置4の機器選択登録部46は、通信装置44を利用して、遠隔管理装置7へ上記機器リスト48の中から選択された画像形成装置2の機器管理情報と共に追加登録要求を送信する(図9中のh)。
【0051】
遠隔管理装置7では、仲介装置4から受信した画像形成装置2の機器管理情報と追加登録要求に基いて、その画像形成装置2の機器管理情報を登録すると共に管理対象として登録し、それらの登録が完了したら仲介装置4に応答を返す(図9中のi)。
仲介装置4では、通信装置44によって遠隔管理装置7の応答を受信すると、機器選択登録部46が、同じく通信装置44によって遠隔管理装置7への登録が完了した画像形成装置2へ登録完了を示す通知を送る(図9中のj)。
【0052】
また、画像形成装置2では、仲介装置4から遠隔管理装置7への登録完了の通知を受信すると仲介装置4へ応答を返す(図9中のk)。
このようにして、仲介装置4はLAN5内の機器管理装置1から自装置がアクセスを許可された画像形成装置2の管理対象機器情報を取得し、その画像形成装置2を遠隔管理装置7に管理対象として登録させることができる。
したがって、LAN5内の各画像形成装置2について機器管理装置1を介して情報を取得して遠隔管理装置7に管理させることが容易にできる。
【0053】
例えば、上記処理dで作成された機器リストの内容が図10に示すような内容の場合、仲介装置4から機器リストの要求があると、機器リスト中の仲介装置への通知対象の項目を参照し、対象となっているデータのみを抜き出す。
この場合、画像形成装置名称「機械A」、IPアドレス「192.168.Z.1」、設置場所「1階」、機器状態「ブラックトナーエンド」の管理対象機器情報と、画像形成装置名称「機械C」、IPアドレス「192.168.Z.3」、設置場所「3階」、機器状態「正常」の管理対象機器情報とを抜き出す。
【0054】
そして、図11に示すような機器リストを作成する。
したがって、遠隔管理装置7は図11に示すような機器リストに基いて、この画像形成装置名称「機械A」と「機械C」の2台の画像形成装置2を自装置の新たな管理対象として登録し、それらの情報を保持することができる。
こうして、仲介装置4により、機器管理装置1で管理対象になっているが遠隔管理装置7では管理対象になっていない画像形成装置2を遠隔管理装置7でも管理できるように登録することができる。
【0055】
次に、上記機器管理装置1が画像形成装置2から障害通知があったときにその画像形成装置2が遠隔管理装置7の管理対象であるか否かを表示する処理について説明する。
図12は、図2の機器管理装置1が画像形成装置2から障害通知があったときにその画像形成装置2が遠隔管理装置7の管理対象であるか否かを表示する処理を示すシーケンス図である。
LAN5内で機器管理装置1と仲介装置4を介した遠隔管理装置7の両方に管理されている画像形成装置2においてトナーエンドが発生した場合、画像形成装置2は機器管理装置1と仲介装置4に障害通知としてトナーエンドを知らせる情報を通知する。
【0056】
この場合、機器管理装置1の制御装置10は、通信装置14を利用して仲介装置4から仲介装置4が保持している「遠隔管理装置での管理」の情報を取得し、表示装置13の画面に画像形成装置2の状態と一緒に上記情報を表示する。
このように、仲介装置4を介して遠隔管理装置7に管理されている場合、遠隔管理装置7にトナーエンドが通知されるので、画像形成装置2のトナーの発注が自動で行われる。
したがって、機器管理装置1の利用者は、この画面の表示により、トナーエンドを通知してきた画像形成装置2は仲介装置4を介して遠隔管理装置7でも管理されていることを知り、自らのトナーの発注は不要であることが判断できる。
【0057】
一方、画像形成装置2は機器管理装置1には管理されているが仲介装置4を介して遠隔管理装置7には管理されていない場合、図12に示すように、画像形成装置2においてトナーエンドが発生した場合、画像形成装置2は機器管理装置1にトナーエンドを知らせる情報を通知するが(図12中のa)、仲介装置4には通知しない。
この場合、機器管理装置1の制御装置10は、通信装置14を利用して仲介装置4から仲介装置4が保持している管理対象機器情報を要求する(図12中のb)。
仲介装置4は、上記要求に基いて自装置で保持している管理対象機器情報を機器管理装置1へ通知する(図12中のc)。
【0058】
機器管理装置1は、仲介装置4から取得した管理対象機器情報と自装置が保持している管理対象機器情報を比較し、上記トナーエンドの通知をした画像形成装置が仲介装置4を介して遠隔管理装置7でも管理されているか否かの管理対象可否を判断し、その判断処理結果に基いて管理対象可否情報を表示装置13に表示する(図12中のd)。
そして、機器管理装置1の利用者は、この画面の表示により、トナーエンドを通知してきた画像形成装置2は仲介装置4を介して遠隔管理装置7で管理されていないことを知った場合、サービス会社に自ら画像形成装置2のトナーの発注を行わなければならないと判断することができる。
【0059】
図13は、図2の機器管理装置1における管理対象可否情報の表示例を示す図である。
この管理対象可否情報の場合、機械Dの遠隔管理装置での管理は有効であるから、この画像形成装置2は仲介装置4を介して遠隔管理装置7でも管理されていることを知り、トナーの発注は行わない。
一方、機械Eの遠隔管理装置での管理は無効であるから、この画像形成装置2は仲介装置4を介して遠隔管理装置7で管理されていないことを知り、トナーの発注を行う。
【0060】
このようにして、機器管理装置1により、自装置が管理対象としている画像形成装置2から障害通知があった場合、その画像形成装置2は仲介装置4を介して遠隔管理装置7でも管理されているか否かを容易に知ることができる。
そして、機器管理装置1によって管理者は、遠隔管理装置7で管理されていないことを知った場合、画像形成装置2の障害を解消するための対処を素早くとることができる。
【符号の説明】
【0061】
1:機器管理装置 2:画像形成装置 3:情報処理装置 4:仲介装置 5:LAN 6:インターネット 7:遠隔管理装置 10、30、40:制御装置 11、32、41:記憶装置 12、42:入力装置 13、43:表示装置 14、33、44:通信装置 15、35、45:バス 16:機器情報取得部 17:機器リスト作成部 18:機器リスト通知部 20、47:管理対象機器情報 21、48:機器リスト 31:操作表示装置 34:エンジン装置
【先行技術文献】
【特許文献】
【0062】
【特許文献1】特開2006−11668号公報
【特許文献2】特開2009−32277号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信網に接続し、前記通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置であって、
前記通信網内の他の通信装置から該通信装置の管理対象の被管理装置に関する管理情報を取得する取得手段と、
該取得手段によって取得した管理情報に基いて前記他の通信装置の被管理装置をさらに他の通信装置に管理対象として登録させる登録手段とを備えたことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信網内の被管理装置から状態情報の通知があった場合、前記通信網内の他の通信装置から該通信装置で管理対象の被管理装置を示す識別情報を取得し、該識別情報に基づいて前記状態情報の通知があった被管理装置が前記識別情報を取得した通信装置で管理対象となっているか否かを示す情報を出力する出力手段を有することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
通信網に被管理装置と前記通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置とが接続された通信システムであって、
前記通信装置は、
前記通信網内の他の通信装置から該通信装置の管理対象の被管理装置に関する管理情報を取得する取得手段と、
該取得手段によって取得した管理情報に基いて前記他の通信装置の被管理装置をさらに他の通信装置に管理対象として登録させる登録手段とを備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項4】
通信網に接続し、前記通信網内の管理対象として設定された被管理装置の状態情報を取得して管理する通信装置を制御するコンピュータに、
前記通信網内の他の通信装置から該通信装置の管理対象の被管理装置に関する管理情報を取得する取得機能と、該取得機能によって取得した管理情報に基いて前記他の通信装置の被管理装置をさらに他の通信装置に管理対象として登録させる登録機能とを実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−25693(P2013−25693A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−162217(P2011−162217)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】