説明

通信装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体

【課題】 信頼性を優先した通信と転送速度を優先した通信とを、通信状況に応じて適切に切り替えることを可能にする技術を提供する。
【解決手段】 通信装置は、伝送速度が優先された第1の通信方式と、通信の信頼性が優先された第2の通信方式とを切り替えて外部装置と無線通信可能な通信装置であって、当該通信装置の位置姿勢の変化を検出する検出手段と、前記第1の通信方式を使用して通信を行っているときに前記検出手段が当該通信装置の位置姿勢の変化を検出した場合、使用する通信方式を前記第1の通信方式から前記第2の通信方式へ切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置及びその制御方法、プログラム、記憶媒体に関し、特に、MIMO伝送方式で無線伝送を行う通信装置において、当該装置の利用状態に適した通信方式を自動的に選択する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
データ転送の伝送路として無線伝送路があるが、一般的な無線伝送路としては無線LANが広く知られている。そして、大容量の伝送を実現するための技術としてMIMO(Multi−Input Multi−Output、多入力・多出力)伝送方式を採用した広帯域な無線伝送方式が検討されている。このMIMO伝送方式は、無線LANの規格であるIEEE802.11nにも採用されている。このMIMO伝送方式は、送信側と受信側で複数のアンテナ素子を装備し、空間分割多重によって複数の論理的な空間ストリームを形成することによって、使用する周波数帯域を増やすことなく、伝送容量の拡大を実現する技術である。
【0003】
また、無線伝送方式に伝送の信頼性を向上させるための技術としてSTBC(Space Time Block Coding、時空間ブロック符号)伝送方式が知られており、上記のIEEE802.11nにも採用されている。このSTBC伝送方式について、送信側の2つのアンテナ素子を使用して無線伝送する場合について以下にその原理を示す。
【0004】
送信側から時刻tにおいて各アンテナ素子からs0,s1のデータを送信したとする。その後、時刻t+Tにおいて、送信側が、−s1*,s0**は複素共役)のデータを送信したとする。この場合、受信側は上記データ(s0,s1,−s1*,s0*)を受信して線形計算で検波することによって、最大比合成と同等のダイバーシチ利得を得ることが可能となる。STBC伝送方式は、このような原理を利用して伝送の信頼性を向上させた技術である。
【0005】
上述のSTBC伝送方式を利用した技術として、特許文献1に記載の無線送受信機が知られている。このMIMO無線送受信機は、送信データの優先度を判定する優先制御と送信モードテーブルを設けている。そして、送信時に送信データの優先度と伝送路の状態によって定まる送信先に対する送信モードに基づき、伝送方式にSTBCを使用するかどうかの選択や、符号化率、変調方式を制御するものである。
【0006】
特許文献1の構成においては、『送信データの優先度』は、送信データの種別に応じて送信データを4つのカテゴリに分類してカテゴリ毎に設定される。また、『伝送路の状態』の判断は、受信側から送信されるACKフレームやNACKフレームの受信状態によって行われる。
【0007】
特許文献1の構成は、送信データの優先度が高いと判断した場合に、STBC伝送方式を使用して無線伝送を行うように制御する。これによって、再送回数を低減させて伝送遅延時間の短縮を実現し、その結果、スループットの向上を図っている。
【特許文献1】特開2006−333283号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1記載の構成では、送信データの優先度に基づいて使用する伝送方式の選択を行い、その後、伝送路の状態が変化すれば伝送方式を再度選択していた。そして、上記『伝送路の状態』は、受信側から送信されるのACKフレームやNACKフレームの受信状態によって判断されていた。
【0009】
しかしながら、このような方法で『伝送路の状態』の変化を判断すると、受信側からのACKフレームやNACKフレームの受信状態を分析するために時間を要してしまう。また、『伝送路の状態』の変化が発生してから伝送方式を変更するまでに送信された送信データに対して、再送するなどの手順が発生することになる。このため、『伝送路の状態』の変化に対して効率的に伝送方式を変更制御しているとは言えない。
【0010】
さらに、MIMO伝送方式によって無線伝送路を形成した場合は、無線伝送路の変化による伝送レートに与える影響が大きい。これは、無線通信を行っている装置自身の向きの変化や移動等が発生した場合には、無線伝送路のマルチパス環境などの伝播特性が変化することに起因する。つまり、伝播特性が変化すると、MIMO伝送方式において無線伝送路に形成された複数の空間ストリームを維持することが困難になり、そのため、転送エラーや該転送エラーによる再送が発生して伝送レートが極端に低下してしまうのである。
【0011】
したがって、このようなMIMO伝送方式を用いた無線伝送においては、『伝送路の状態』の変化が発生してから伝送方式を変更するまでに送信された送信データは、データそのものが消滅してしまう可能性もある。また、STBC伝送方式は、伝送の信頼性を向上できるが、データを複数回送信するので、伝送レートが低くなってしまう。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、信頼性を優先した通信と転送速度を優先した通信とを、通信状況に応じて適切に切り替えることを可能にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明による通信装置は以下の構成を備える。即ち、
伝送速度が優先された第1の通信方式と、通信の信頼性が優先された第2の通信方式とを切り替えて外部装置と無線通信可能な通信装置であって、
当該通信装置の位置姿勢の変化を検出する検出手段と、
前記第1の通信方式を使用して通信を行っているときに前記検出手段が当該通信装置の位置姿勢の変化を検出した場合、使用する通信方式を前記第1の通信方式から前記第2の通信方式へ切り替える切替手段と、
を備える。
【0014】
また、本発明による通信装置の制御方法は以下の構成を有する。即ち、
伝送速度が優先された第1の通信方式と、通信の信頼性が優先された第2の通信方式とを切り替えて外部装置と無線通信可能な通信装置の制御方法であって、
前記通信装置の位置姿勢の変化を検出する検出工程と、
前記第1の通信方式を使用して通信を行っているときに前記検出工程において前記通信装置の位置姿勢の変化が検出された場合、使用する通信方式を前記第1の通信方式から前記第2の通信方式へ切り替える切替工程と、
を有する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、信頼性を優先した通信と転送速度を優先した通信とを、通信状況に応じて適切に切り替えることを可能にする技術を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。また、本実施の形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須のものとは限らない。
【0017】
<<実施形態1>>
図面を参照しながら本発明の一実施形態(実施形態1)の説明を行う。本実施形態では、無線通信においては、IEEE802.11規格およびこの規格の拡張となるIEEE802.11nを含む各種関連規格を使用する。ただし、本発明は、IEEE802.11規格やIEEE802.11n等の通信規格を使用する場合だけでなく、別の通信規格に従った通信方式を使用する場合にも適用することができる。
【0018】
(システム構成)
図1は、本実施形態に係る無線伝送の伝送制御を行う無線通信システムの代表例となる構成を示す図である。この無線通信システムは、無線端末としてのSTA(Station)と基地局としてのAP(Access Point)を備えている。ここでは、理解を容易にするために、STAとAPとを1つずつ備えるシステムを具体例に挙げているが、STAまたはAPが複数存在するなど、STAとAPとを備えたその他のシステム構成としてもよい。
【0019】
10は、映像データの送信機能を持つSTAである。ここでは、STA10は、無線LAN通信機能を使用して画像データを送信するデジタルカメラにより実現される。
【0020】
20は、映像データの受信機能を持つAPであり、無線LANにおけるアクセスポイントの機能を有する。また、AP20は、無線LAN通信機能を使用して画像データを受信してストレージするサーバ装置としての機能も有する。
【0021】
STA10がAP20と論理的な接続関係(Association)を樹立すると、AP20とその配下にあるSTA10とで構成されるネットワーク(BSS:Basic Service Set、基本サービスセット)が形成される。そして、STA10は、デジタルカメラで取得した画像データをストレージ(記憶)するサーバ装置(ここではAP20)に対して送信する。
【0022】
このサーバ装置(AP20)には、この画像データを蓄積する一連の動作が基本動作として定義されている。以下にこの基本動作を具体的に示して、本実施形態に係る無線伝送の制御を説明する。
【0023】
(無線通信部の構成)
次に、MIMO伝送方式およびSTBC伝送方式(時空間ブロック符号伝送方式)による無線伝送を行うための無線通信部の構成について概要を説明する。なお、STBC伝送方式を使用しないときは、データの送信回数が少ないので、転送速度を優先した通信を行うことができる。図2は、図1に示した無線通信システムに収容されるSTA10とAP20がそれぞれ有する無線通信部の構成を示すブロック図である。ただし、後述するように、本実施形態では、操作入力部205と傾き検出部206はSTA10(デジタルカメラ)が備える。
【0024】
201は制御部であり、当該無線通信部全体を制御する機能を有する。MIMO伝送方式を使用するために、キャリブレーション処理を行う制御信号の生成や複数の固有パスを設定するための固有ベクトル算出なども制御部201で行う。制御部201の内部にはタイマー機能も装備されており、タイマーの値は任意に設定可能な構造となっている。制御部201は、任意のタイミングでタイマーをリセット、スタート、ストップさせる制御も行う。
【0025】
202はMAC処理部であり、無線LANの規格(IEEE802.11)で示すMAC(Medium Access Control)レイヤの処理を行う機能ブロックである。MAC処理部202の内部でMACフレームを構成し、符号/復号化処理部203との間で送受信する。このMACフレームには、映像ストリーム等のデータ部分をフレームボディに格納している。また、無線伝送路における各種の情報(キャリブレーション情報、設定情報、アドレス情報、認証情報、シーケンス制御情報等)も、このMACフレームの内部に格納している。
【0026】
MAC処理部202は、IEEE802.11関連規格で使用される種別のMACフレームに対する処理を行う。MAC処理部202は、特に、IEEE802.11nで規定されるレガシーモード、ミックスモード、グリーンフィールドモードの各MACフレームにも対応している。
【0027】
203は符号/復号化処理部である。符号/復号化処理部203は、送信するMACフレームを複数に分割して複数のストリームを生成し、または、受信した複数のストリームからMACフレームを再生する機能を有している。
【0028】
送信の場合はMAC処理部202から入力されるMACフレームを複数のストリームに分割して各アンテナウエイト処理部(204a,204b)へ送信する。MIMO伝送方式を使用して送信する場合は、予めキャリブレーション処理等の実行によって無線伝送路の固有パス数は決定している。したがって、この決定している固有パスの数だけMACフレームを分割するように制御部201から符号/復号化処理部203へ指示されることになる。
【0029】
一方、受信の場合は各アンテナウエイト処理部(204a,204b)から送られてくる複数のストリームからMACフレームを再生してMAC処理部202へ送信する。この場合も予めキャリブレーション処理等を実行することで無線伝送路の固有パスの数は決定している。このため、符号/復号化処理部203は、各アンテナウエイト処理部(204a,204b)の中から既に決定している固有パスの数だけストリームを受信し、MACフレームを再生して、MAC処理部202へ送信する。
【0030】
STBC伝送方式を使用して送信する場合は、符号/復号化処理部203は、生成された上述複数のストリーム(s0,s1)から−s1*,s0**は複素共役)のデータを生成する。そして、符号/復号化処理部203は、時刻tと時刻t+Tのように時間的に分割してs0,s1と−s1*,s0*のデータを各アンテナウエイト処理部(204a,204b)へ送信する。
【0031】
一方、受信の場合は、符号/復号化処理部203は、時分割されて受信した上記データ(s0,s1,−s1*,s0*)を線形計算で検波してMACフレームを再生し、MAC処理部202へ送信する。
【0032】
204a,204bはアンテナウエイト処理部であり、次の機能を有する。
・複数のストリームの夫々に重み付け処理を施して各アンテナへ送信する。
・各アンテナが受信した各受信信号に所定の重み付け処理を施して複数のストリームを生成して符号/復号化処理部203へ送信する。
上記の重み付け処理は、時間情報と大きさ(振幅)を変化させる処理である。重み付け処理は、キャリブレーション処理等を実行することで算出された固有ベクトルに基づいて実行される。
【0033】
また、アンテナウエイト処理部204a,204bは、各アンテナで受信した受信信号の強度を検出する機能も装備している。アンテナウエイト処理部204a,204bは、制御部201からの指示に従って任意のタイミングで受信信号の強度を制御部201に通知する。
【0034】
205は操作入力部であり、画像データを送信するデジタルカメラ(STA10)に装備された機能ブロックである。操作入力部205は、オペレータによるデジタルカメラへの入力操作を検出し、この検出結果を制御部(201)へ通知する機能を有する。図1に示す無線通信システムのSTA10のようなデジタルカメラであれば操作ボタンで構成される。そして、所定のボタンがオペレータによって押下されたことを検出する機能と、この検出結果を制御部(201)へ通知する機能を有する。
【0035】
206は傾き検出部であり、画像データを送信するデジタルカメラ(STA10)に装備された機能ブロックである。傾き検出部206は、デジタルカメラ(STA10)が移動等の要因によって装置の向きが変化したことを検出する機能を有している。また、傾き検出部206は、装置の向きの変化(装置の移動)を検出したことに応じて、制御部(201)へ通知を行う機能も装備している。
【0036】
例えば、机上にあるデジタルカメラ(STA10)をオペレータが手にとって持ち上げた場合、傾き検出部206は、デジタルカメラ(STA10)の向きの変化(装置の移動)があったと検知して制御部201へ通知する。あるいは、机上に縦方向においてあるデジタルカメラ(STA10)が、オペレータの操作によって、横方向へある一定の角度を超えて向きが変化した場合などは、傾き検出部206はそれを検知して制御部201へ通知する。このように、傾き検出部206は、デジタルカメラ(STA10)がある一定の角度で向きを変えた場合や、ある一定の加速度を持って移動した場合などを検出する機能を有している。
【0037】
(伝送制御)
次に、図1に示すような無線通信システムにおいて、高速転送を実現するMIMO伝送方式を採用した無線通信を行う際に、伝送の信頼性を向上させるSTBC伝送方式を起動するかどうかの伝送制御について、以下に動作フローを示して説明する。なお、STBC伝送方式を起動していないときは、高速なデータ転送を行うことができる。
【0038】
図3は、デジタルカメラ(STA10)がサーバ装置(AP20)の無線エリア内にて起動したときの、デジタルカメラが実行する伝送制御処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、デジタルカメラから画像データをサーバ装置(AP20)へ送信する場合に高速モードでの無線伝送設定がなされている場合を想定している。以下、各ステップを説明する。
【0039】
●S301(端子ステップ)
この端子ステップは、このフローチャートのスタートを示している。この状態は、デジタルカメラの電源がOFFしている状態を示しており、デジタルカメラとサーバ装置との間でのAssociation処理を実行する以前の状態に該当する。
【0040】
●S302(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラの電源がONとなったかどうかを条件として経路選択を行う。デジタルカメラの電源ONとなれば(ステップS302でYES)条件判断ステップS303へ移行し、そうでなければ(ステップS302でNO)現在の状態を維持する。
【0041】
●S303(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データの送信を行う処理を起動させる操作が行われたかどうかを条件として経路選択を行う。デジタルカメラに対するオペレータの操作によって画像データの送信するための処理が開始されれば(ステップS303でYES)処理ステップS304へ移行し、そうでなければ(ステップS303でNO)現在の状態を維持する。
【0042】
●S304(処理ステップ)
この処理ステップでは、デジタルカメラがサーバ装置と無線接続を行うための手順を実行する。IEEE802.11関連規格に規定される所定の手順、あるいはその他の通信プロトコルに規定の所定の手順に従って行われる。詳細には、アソシエーション要求/応答フレームの交換が行われ、パラメータの交換等が実行される。
【0043】
●S305(処理ステップ)
この処理ステップでは、MIMO伝送方式による無線通信を実行するためのキャリブレーションを実行する。このキャリブレーション処理は、MIMO伝送方式における複数のストリームを形成するためのパラメータを算出するために実行される。このとき、使用される手順はIEEE802.11n規定の所定の手順に従って行われる。
【0044】
●S306(処理ステップ)
この処理ステップでは、STBC伝送方式を使用せずにMIMO伝送方式のみを使用した無線伝送路を設定する。処理ステップS305の結果に従って、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データを送信するときにMIMO伝送方式で無線通信を行う設定処理は行うが、STBC伝送方式で無線通信を行う設定処理は行わない。このとき制御部201に装備しているタイマーは、初期値(リセット状態、例えば0)に設定されており、タイマーそのものは起動(動作)していない状態となっている。
【0045】
なお、このタイマーは、デジタルカメラとサーバ装置との間でSTBC伝送方式を使用した通信を開始してからの経過時間を計測するものである。後述するように、本実施形態に係る構成では、デジタルカメラの向き変化や加速度を検出したことに応じてSTBC転送設定を行い、STBC転送設定がなされてから一定時間が経過するとSTBC転送設定を解除する。
【0046】
●S307(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データの転送を開始する操作が行われたかどうかを条件として経路選択を行う。オペレータによって画像データの転送を開始する操作がデジタルカメラに対して行われると、操作入力部205によってこの操作を検出し制御部201へ通知される。この通知を制御部201が受信すれば(ステップS307でYES)条件判断ステップS308へ移行し、そうでなければ(ステップS307でNO)現在の状態を維持する。
【0047】
●S308(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、制御部201に装備しているタイマーが所定の値以下になっているかどうかを条件として経路選択を行う。タイマーが初期値(リセット状態)か、あるいは所定の値以下であれば(ステップS308でYES)条件判断ステップS309へ移行し、そうでなければ(ステップS308でNO)処理ステップS313へ移行する。つまりSTBC転送設定がなされてからの経過時間が所定の値を超えていない場合(ステップS308でYES)はステップS309へ進み、超えた場合(ステップS308でNO)はステップS313へ進む。
【0048】
●S309(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラの向きの変化(装置の移動)等、位置姿勢の変化があったかどうかを条件として経路選択を行う。具体的には、傾き検出部206が、ある一定の角度でデジタルカメラが向きを変えたことを検出した場合、または、ある一定の加速度を持ってデジタルカメラが移動したことを検出した場合は、位置姿勢の変化があったと判定する。位置姿勢の変化があったと判定した場合(ステップS309でYES)は条件判断ステップS310へ移行し、そうでなければ(ステップS309でNO)処理ステップS316へ移行する。
【0049】
●S310(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラとサーバ装置との間の無線伝送路においてSTBC伝送方式を使用しているかどうかを条件として経路選択を行う。STBC伝送方式を使用した無線伝送路が形成されていれば(ステップS310でYES)処理ステップS312へ移行し、そうでなければ(ステップS310でNO)処理ステップS311へ移行する。
【0050】
●S311(処理ステップ)
この処理ステップでは、デジタルカメラとサーバ装置との間でSTBC伝送方式を使用した無線伝送路を設定する。符号/復号化処理部203内で、複数のストリームを生成した後に該ストリーム(s0,s1)から−s1*,s0**は複素共役)のデータを生成する。そして、時刻tと時刻t+Tのように時間的に分割してs0,s1と−s1*,s0*のデータを各アンテナウエイト処理部(204a,204b)へ送信するように設定する。
【0051】
●S312(処理ステップ)
この処理ステップでは、デジタルカメラのタイマーを起動する(スタート)処理を行う。所定時間の経過を計測するために制御部201内のタイマーを起動させる処理となる。なお、タイマーが起動中(動作中)に再び向き変化または加速度を検出して(ステップS309でYES)ステップS312を実行する場合は、いったんタイマーを初期値にリセットしてから再度タイマーを起動させる。これにより、向き変化または加速度を検出してSTBC転送設定を行ってから、デジタルカメラの位置姿勢が一定時間変化しない場合に、STBC転送設定が解除されることになる。
【0052】
●S313(処理ステップ)
この処理ステップでは、MIMO伝送方式による無線通信を実行するためのキャリブレーションを実行する。このキャリブレーション処理は、MIMO伝送方式における複数のストリームを形成するためのパラメータを算出するために実行される。このとき、使用される手順はIEEE802.11n規定の所定の手順に従って行われる。
【0053】
●S314(処理ステップ)
この処理ステップでは、STBC伝送方式を使用せずにMIMO伝送方式のみを使用した無線伝送路を設定する。処理ステップS313の結果に従って、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データを送信するときにMIMO伝送方式で無線通信を行うが、このステップではSTBC伝送方式の設定は行わないで無線伝送路を形成する処理を行う。
【0054】
●S315(処理ステップ)
この処理ステップでは、タイマーを初期値にリセットする。このとき制御部201に装備しているタイマーは、初期値(リセット状態、例えば0)に再設定され、タイマーそのものは起動(動作)していない状態となっている。
【0055】
●S316(処理ステップ)
この処理ステップでは、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データを転送する。各処理ステップ(S306、S311、S314のいずれか)によって設定された伝送方式を使用した無線伝送路を使用して画像データを転送する処理となる。
【0056】
●S317(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データを転送する処理の終了を検出したかどうかを条件として経路選択を行う。画像データの転送を終了するようにオペレータの操作が行われた場合、あるいは、予定の画像データの転送が全て終了した場合(ステップS317でYES)には処理ステップS318へ移行する。そうでない場合(ステップS317でNO)は条件判断ステップS308へ移行する。上述のオペレータによる転送終了の操作は、デジタルカメラの操作入力部205の所定のボタン等が押下されたことを検出することで判断される。
【0057】
●S318(処理ステップ)
この処理ステップでは、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データの転送を終了する。デジタルカメラとサーバ装置との間で形成されていた無線伝送路を所定の規格(IEEE802.11関連規格等)に規定された手順に従って切断処理する。
【0058】
●S319(処理ステップ)
この処理ステップでは、タイマーを初期値にリセットする。このとき制御部201に装備しているタイマーは、初期値(リセット状態、例えば0)に再設定され、タイマーそのものは起動(動作)していない状態となっている。
【0059】
●S320(端子ステップ)
この端子ステップは、このフローチャートのストップを示している。この状態はデジタルカメラのスタンバイ状態となる。
【0060】
上記のように、本実施形態に係る通信装置としてのデジタルカメラ(STA10)は、伝送速度が優先された第1の通信方式と、通信の信頼性が優先された第2の通信方式とを切り替えて外部装置と無線通信可能である。そして、デジタルカメラの位置姿勢の変化を検出し、第1の通信方式を使用して通信を行っているときに当該デジタルカメラの位置姿勢の変化を検出した場合、使用する通信方式を第1の通信方式から第2の通信方式へ切り替える切替処理を行う。このため、本実施形態の構成によれば、デジタルカメラの位置姿勢の変化に応じて適切に通信方式を切り替えることが可能である。
【0061】
ここで、本実施形態では、この第2の通信方式としてSTBC伝送方式が適用されたMIMO通信を使用し、第2の通信方式としてSTBC伝送方式が適用されていないMIMO通信を使用しているが、通信方式はこれらに限られない。
【0062】
また、本実施形態では、第2の通信方式を使用して通信を行っているときに、予め定められた時間、デジタルカメラの位置姿勢の変化を検出しなかった場合は、使用する通信方式を第2の通信方式から第1の通信方式へ切り替える。このため、デジタルカメラの位置姿勢が変化せず、通信環境が安定していることが想定される場合は、第1の通信方式に自動的に切り替えて、高速なデータ転送が可能である。
【0063】
<<実施形態2>>
本実施形態では、実施形態1の構成に加え、STBC伝送方式を適用しないで通信を行っているときに、通信相手の外部装置から受信した受信信号の強度が予め定められた値以下になった場合は、STBC伝送方式を適用した通信に切り替える構成を説明する。
【0064】
(伝送制御)
図4は、デジタルカメラ(STA10)がサーバ装置(AP20)の無線エリア内にて起動したときの、デジタルカメラが実行するフローチャートである。デジタルカメラから画像データをサーバ装置(AP20)へ送信する場合に高信頼性転送モードでの無線伝送設定がなされている場合のフローチャートとなっている。以下、各ステップの処理内容を説明する。
【0065】
●S401(端子ステップ)
この端子ステップは、このフローチャートのスタートを示している。この状態は、デジタルカメラの電源がOFFしている状態を示しており、デジタルカメラとサーバ装置との間でのAssociation処理を実行する以前の状態となっている。
【0066】
●S402(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラの電源がONとなったかどうかを条件として経路選択を行う。デジタルカメラの電源ONとなれば(ステップS402でYES)条件判断ステップS403へ移行し、そうでなければ(ステップS402でNO)現在の状態を維持する。
【0067】
●S403(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データの送信を行う処理を起動させる操作が行われたかどうかを条件として経路選択を行う。オペレータの操作によって画像データの送信するための処理が開始されれば(ステップS403でYES)処理ステップS404へ移行し、そうでなければ(ステップS403でNO)現在の状態を維持する。
【0068】
●S404(処理ステップ)
この処理ステップでは、デジタルカメラがサーバ装置と無線接続を行うための手順を実行する。IEEE802.11関連規格に規定される所定の手順、あるいはその他の通信プロトコルに規定の所定の手順に従って行われる。詳細には、アソシエーション要求/応答フレームの交換が行われ、パラメータの交換等を実行する処理である。
【0069】
●S405(処理ステップ)
この処理ステップでは、MIMO伝送方式による無線通信を実行するためのキャリブレーションを実行する。このキャリブレーション処理は、MIMO伝送方式における複数のストリームを形成するためのパラメータを算出するために実行される。このとき、使用される手順はIEEE802.11n規定の所定の手順に従って行われる。
【0070】
●S406(処理ステップ)
この処理ステップでは、STBC伝送方式を使用してMIMO伝送方式を使用した無線伝送路を設定する。処理ステップS405の結果に従って、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データを送信するときにMIMO伝送方式で無線通信を行う設定処理と、STBC伝送方式で無線通信を行う設定処理となる。
【0071】
STBC伝送方式で無線通信を行うには、符号/復号化処理部203内で複数のストリームを生成した後に該ストリーム(s0,s1)から−s1*,s0**は複素共役)のデータを生成する。そして、時刻tと時刻t+Tのように時間的に分割してs0,s1と−s1*,s0*のデータを各アンテナウエイト処理部(204a,204b)へ送信するように設定する。
【0072】
また、制御部201に装備しているタイマーは、初期値(リセット状態)に設定されており、タイマーそのものは起動(動作)していない状態となっている。なお、このタイマーも、デジタルカメラとサーバ装置との間でSTBC伝送方式を使用した通信を開始してからの経過時間を計測するものである。
【0073】
●S407(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データの転送を開始する操作が行われたかどうかを条件として経路選択を行う。オペレータによって画像データの転送を開始する操作が行われ、操作入力部205によってこの操作を検出し制御部201へ通知される。この通知を制御部201が受信すれば(ステップS407でYES)条件判断ステップS408へ移行し、そうでなければ(ステップS407でNO)現在の状態を維持する。
【0074】
●S408(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、制御部201に装備しているタイマーが所定の値以下になっているかどうかを条件として経路選択を行う。タイマーが初期値(リセット状態)か、あるいは所定の値以下であれば(ステップS408でYES)条件判断ステップS409へ移行し、そうでなければ(ステップS408でNO)処理ステップS413へ移行する。
【0075】
●S409(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラの向きの変化(装置の移動)等、位置姿勢の変化があったかどうかを条件として経路選択を行う。具体的には、傾き検出部206が、ある一定の角度でデジタルカメラが向きを変えたことを検出した場合、または、ある一定の加速度を持ってデジタルカメラが移動したことを検出した場合は、位置姿勢の変化があったと判定する。位置姿勢の変化があったと判定した場合(ステップS409でYES)は条件判断ステップS410へ移行し、そうでなければ(ステップS409でNO)処理ステップS417へ移行する。
【0076】
●S410(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラとサーバ装置との間の無線伝送路においてSTBC伝送方式を使用しているかどうかを条件として経路選択を行う。STBC伝送方式を使用した無線伝送路が形成されていれば(ステップS410でYES)処理ステップS412へ移行し、そうでなければ(ステップS410でNO)処理ステップS411へ移行する。
【0077】
●S411(処理ステップ)
この処理ステップでは、デジタルカメラとサーバ装置との間でSTBC伝送方式を使用した無線伝送路を設定する。STBC伝送方式で無線通信を行うには、符号/復号化処理部203内で複数のストリームを生成した後に該ストリーム(s0,s1)から−s1*,s0**は複素共役)のデータを生成する。そして、時刻tと時刻t+Tのように時間的に分割してs0,s1と−s1*,s0*のデータを各アンテナウエイト処理部(204a,204b)へ送信するように設定する。
【0078】
●S412(処理ステップ)
この処理ステップでは、デジタルカメラのタイマーを起動する(スタート)処理を行う。所定時間の経過を計測するために制御部201内のタイマーを起動させる処理となる。なお、実施形態1と同様に、タイマーが起動中(動作中)に再び向き変化または加速度を検出して(ステップS409でYES)ステップS412を実行する場合は、いったんタイマーを初期値にリセットしてから再度タイマーを起動させる。
【0079】
●S413(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、受信した受信信号の強度が所定値より小さいかどうかを条件として経路選択を行う。制御部201の指示によって、アンテナウエイト処理部204a,204bから通知される各アンテナで受信した受信信号の強度を検出結果が所定値より小さい場合(ステップS413でYES)は条件判断ステップS409へ移行する。そうでなければ(ステップS413でNO)処理ステップS414へ移行する。
【0080】
●S414(処理ステップ)
この処理ステップでは、MIMO伝送方式による無線通信を実行するためのキャリブレーションを実行する。このキャリブレーション処理は、MIMO伝送方式における複数のストリームを形成するためのパラメータを算出するために実行される。このとき、使用される手順はIEEE802.11n規定の所定の手順に従って行われる。
【0081】
●S415(処理ステップ)
この処理ステップでは、STBC伝送方式を使用せずにMIMO伝送方式のみを使用した無線伝送路を設定する。処理ステップS414の結果に従って、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データを送信するときにMIMO伝送方式で無線通信を行うが、この時点ではSTBC伝送方式の設定は行わないで無線伝送路を形成する処理となる。
【0082】
●S416(処理ステップ)
この処理ステップでは、タイマーを初期値にリセットする。このとき制御部201に装備しているタイマーは、初期値(リセット状態、例えば0)に再設定され、タイマーそのものは起動(動作)していない状態となっている。
【0083】
●S417(処理ステップ)
この処理ステップでは、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データを転送する。各処理ステップ(S406、あるいはS411、あるいはS415)によって設定された伝送方式を使用した無線伝送路を使用して画像データを転送する処理となる。
【0084】
●S418(条件判断ステップ)
この条件判断ステップでは、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データを転送する処理の終了を検出したかどうかを条件として経路選択を行う。画像データの転送を終了するようにオペレータの操作が行われた場合、或は、予定の画像データの転送が全て終了した場合(ステップS418でYES)には処理ステップS419へ移行する。そうでない場合(ステップS418でNO)は条件判断ステップS408へ移行する。上述のオペレータによる転送終了の操作は、操作入力部205の所定のボタン等を押下されたことを検出することで判断される。
【0085】
●S419(処理ステップ)
この処理ステップでは、デジタルカメラからサーバ装置へ画像データの転送を終了する。デジタルカメラとサーバ装置との間で形成されていた無線伝送路を所定の規格(IEEE802.11関連規格等)に規定された手順に従って切断処理する。
【0086】
●S420(処理ステップ)
この処理ステップでは、タイマーを初期値にリセットする。このとき制御部201に装備しているタイマーは、初期値(リセット状態、例えば0)に再設定され、タイマーそのものは起動(動作)していない状態となっている。
【0087】
●S421(端子ステップ)
この端子ステップは、このフローチャートのストップを示している。この状態はデジタルカメラのスタンバイ状態となる。
【0088】
上記のように、本実施形態では、デジタルカメラは、外部装置からの受信信号の強度を判定する手段を備えている。そして、第1の通信方式を使用して通信を行っているときに、通信相手の外部装置から受信した受信信号について判定した強度が予め定められた値以下だった場合、使用する通信方式を第1の通信方式から第2の通信方式へ切り替える。このため、本実施形態に係る構成によれば、電波強度が劣化すると自動的に通信の信頼性が優先された通信方式へ自動的に切り替えて、品質の高い通信を継続することが可能である。
【0089】
<<その他の実施形態>>
本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードをシステムあるいは装置で実行することによっても達成されることは言うまでもない。この場合、プログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することとなり、そのプログラムコードは本発明の技術的範囲に含まれる。
【0090】
プログラムコードは、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録してシステムあるいは装置に供給することができる。そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUまたはMPU)は、記録媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによっても、本発明の目的を達成することができる。従って、そのプログラムコードを記憶した記録媒体も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0091】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0092】
なお、プログラムコードは、コンピュータが当該プログラムコードを読み出し実行することにより前述した実施形態の機能を実現するための、全ての要素を備えたものに限られない。即ち、プログラムコードには、コンピュータに組み込まれたソフトウェア及びハードウェアの少なくともいずれかと協働することにより目的を達成するプログラムコードも含まれる。
【0093】
例えば、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も、そのプログラムコードは本発明の技術的範囲に含まれる。ただし、OSはオペレーティングシステム(Operating System)の略称である。
【0094】
あるいは、例えば、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータに挿入又は接続された機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合がある。このような場合も、そのプログラムコードは本発明の技術的範囲に含まれる。なお、機能拡張ボードや機能拡張ユニットは、それらが備えるメモリにプログラムコードを読み込み、実行することでこのような処理を行うことができる。
【0095】
上記のように、上記実施形態に係る構成によれば、MIMO伝送方式における『伝送路の状態』の変化を装置自身の向きの変化や移動等が発生したタイミングで信頼性の高い伝送方式へ切り換えることが可能となる。これにより、『伝送路の状態』の悪化が発生することを予測し、無駄に送信データが送信されてしまうことを防ぐことで再送によるスループットの低下や転送エラーによる伝送データの喪失などを防ぐことができる。
【0096】
また、一旦信頼性の高い伝送方式に変更してデータの転送を行っている場合でも、所定の期間内で装置自身の向きの変化や移動等が発生せずに、所定の無線伝送路の条件を満たした場合には、高速な伝送方式へ自動で切り換えることが可能となる。これにより、『伝送路の状態』が悪化したとして信頼性の高い伝送方式に変更した後でも、『伝送路の状態』に応じて高速な伝送方式へ切り換えて適応的にスループットを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】無線通信システムの構成を示す図である。
【図2】無線通信部の構成を示すブロック図である。
【図3】デジタルカメラが実行する伝送制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】デジタルカメラが実行する伝送制御処理の流れを示すフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝送速度が優先された第1の通信方式と、通信の信頼性が優先された第2の通信方式とを切り替えて外部装置と無線通信可能な通信装置であって、
当該通信装置の位置姿勢の変化を検出する検出手段と、
前記第1の通信方式を使用して通信を行っているときに前記検出手段が当該通信装置の位置姿勢の変化を検出した場合、使用する通信方式を前記第1の通信方式から前記第2の通信方式へ切り替える切替手段と、
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記切替手段は、
前記第2の通信方式を使用して通信を行っているときに、予め定められた時間、前記検出手段が当該通信装置の位置姿勢の変化を検出しなかった場合は、使用する通信方式を前記第2の通信方式から前記第1の通信方式へ切り替える
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
外部装置からの受信信号の強度を判定する判定手段をさらに備え、
前記切替手段は、
前記第1の通信方式を使用して通信を行っているときに、通信相手の外部装置から受信した受信信号について前記判定手段が判定した前記強度が予め定められた値以下だった場合、使用する通信方式を前記第1の通信方式から前記第2の通信方式へ切り替える
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の通信装置。
【請求項4】
当該通信装置はMIMO通信を行う通信装置であって、
前記第2の通信方式においては、時空間ブロック符号伝送方式が適用され、
前記第1の通信方式においては、時空間ブロック符号伝送方式が適用されない
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
伝送速度が優先された第1の通信方式と、通信の信頼性が優先された第2の通信方式とを切り替えて外部装置と無線通信可能な通信装置の制御方法であって、
前記通信装置の位置姿勢の変化を検出する検出工程と、
前記第1の通信方式を使用して通信を行っているときに前記検出工程において前記通信装置の位置姿勢の変化が検出された場合、使用する通信方式を前記第1の通信方式から前記第2の通信方式へ切り替える切替工程と、
を有することを特徴とする通信装置の制御方法。
【請求項6】
前記切替工程においては、
前記第2の通信方式を使用して通信を行っているときに、予め定められた時間、前記検出工程において前記通信装置の位置姿勢の変化が検出されなかった場合は、使用する通信方式が前記第2の通信方式から前記第1の通信方式へ切り替えられる
ことを特徴とする請求項5に記載の通信装置の制御方法。
【請求項7】
外部装置からの受信信号の強度を判定する判定工程をさらに有し、
前記切替工程においては、
前記第1の通信方式を使用して通信を行っているときに、通信相手の外部装置から受信した受信信号について前記判定工程において判定した前記強度が予め定められた値以下だった場合、使用する通信方式が前記第1の通信方式から前記第2の通信方式へ切り替えられる
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の通信装置の制御方法。
【請求項8】
前記通信装置はMIMO通信を行う通信装置であって、
前記第2の通信方式においては、時空間ブロック符号伝送方式が適用され、
前記第1の通信方式においては、時空間ブロック符号伝送方式が適用されない
ことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の通信装置の制御方法。
【請求項9】
コンピュータを請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置として機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2009−272704(P2009−272704A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−119056(P2008−119056)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】