通信装置
【課題】ユーザの意思を正確に反映したデータ通信を実行することと、通信装置の操作性を確保することを両立することが可能な通信装置を提供すること。
【解決手段】MFP10は、転送キューに保持されている送信データおよび設定データを無線通信202によりBOX31に転送する。BOX31は、MFP10から受信した送信データを、BOX側送信データ情報キューに保持する。またBOX31は、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データを、電話回線47に送出する。MFP10は、BOX側送信データ情報キューに送信データが保持されていないと判断される場合には、入力される設定データを転送キューに保持する。一方、保持されていると判断される場合には、無線通信202を行うことができるか否かを検出し、無線通信202を行うことができない旨が検出される場合には設定データの入力を拒否する。
【解決手段】MFP10は、転送キューに保持されている送信データおよび設定データを無線通信202によりBOX31に転送する。BOX31は、MFP10から受信した送信データを、BOX側送信データ情報キューに保持する。またBOX31は、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データを、電話回線47に送出する。MFP10は、BOX側送信データ情報キューに送信データが保持されていないと判断される場合には、入力される設定データを転送キューに保持する。一方、保持されていると判断される場合には、無線通信202を行うことができるか否かを検出し、無線通信202を行うことができない旨が検出される場合には設定データの入力を拒否する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、通信装置の操作性を損なわずに、ユーザの意思を正確に反映したデータ通信を実行することが可能な通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載の無線ファクシミリ装置は、ファクシミリ代行受信機能を備えている。ファクシミリ代行受信機能では、子機が親機から離れており無線通信を行うことができない場合には、受信したファクシミリデータを親機に記憶する。そして、子機が親機に近づき無線通信を行うことができるようになると、記憶していたファクシミリデータを子機に送信する動作が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−136320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の無線ファクシミリ装置において、子機の様々な設定を行うための設定データを親機から子機へ無線通信で送信することで子機の設定を変更する場合には、無線通信を行うことができる状態の時にしか設定を変更することができない。すると、子機の設定内容がどのタイミングで変更されたかをユーザが明確に認識することができないため、実際にはまだ設定データが親機から子機へ無線送信されていないにも関わらず、設定データの内容が子機の設定に反映済みであるとユーザが誤認識してしまう状況が発生しうる。これにより、ユーザが所望していない設定内容で、子機が動作してしまう事態が発生するおそれがある。本明細書では、このような不便性を解消することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の通信装置は多機能周辺装置と回線制御装置とを備える。
多機能周辺装置は、送信データを取得する送信データ取得手段と、回線制御装置の各種の設定を定める設定データの入力受付動作を行う入力受付手段と、送信データおよび設定データを保持する第1の送信データキュー手段と、第1の送信データキュー手段に保持されている送信データおよび設定データを無線通信により回線制御装置に転送するデータ転送手段と、を備える。回線制御装置は、多機能周辺装置から無線通信によって転送されてくる送信データおよび設定データを受信するデータ受信手段と、受信した設定データに応じて各種の設定を実行する設定実行手段と、受信した送信データを保持する第2の送信データキュー手段と、第2の送信データキュー手段に保持されている送信データを通信回線に送出する通信手段とを備える。多機能周辺装置は、第2の送信データキュー手段に送信データが保持されているか否かを判断する保持判断手段と、保持判断手段で保持されていないと判断される場合に、入力される設定データを第1の送信データキュー手段に保持する保持実行手段と、保持判断手段で保持されていると判断される場合に無線通信を行うことができるか否かを検出し、無線通信を行うことができない旨が検出される場合には設定データの入力を拒否する入力拒否手段とをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
送信データの例としては、画像データや音声データなどの各種のデータが挙げられる。送信データは、例えば画像データであれば、スキャナ等によって取得してもよい。またメモリカード等の外部記憶装置からデータを読み込むことで、送信データを取得してもよい。回線制御装置の各種の設定の例としては、通信に関連する設定(通信回線種別、送信モードなど)や、通信に関連しない設定(着信モード、リモコン暗証番号など)が挙げられる。設定データの入力を拒否する方法の例としては、拒否された旨を表示部に表示する形態や、拒否音を鳴動させる形態などが挙げられる。
【0007】
本願では、回線制御装置の設定データが多機能周辺装置に入力された際に、送信データが回線制御装置の第2の送信データキュー手段に保持されていない場合には、ユーザが所望していない設定内容で送信データが通信回線へ送出される可能性がない場合と判断される。よって、設定データの入力が受け付けられ、入力された設定データが多機能周辺装置の第1の送信データキュー手段に保持される。そして、無線通信が確立できるようになった時点で、設定データを回線制御装置へ転送する。これにより、多機能周辺装置において設定データの入力が受け付けられるため、ユーザが後ほど設定データを再入力するなどの不便性を無くすことが出来る。よって、通信装置の操作性を高めることができる。
【0008】
また本願では、回線制御装置の設定データが多機能周辺装置に入力された際に、送信データが第2の送信データキュー手段に保持されている場合には、無線通信を行うことができるか否かを検出する。そして、無線通信を行うことができない旨が検出される場合には、ユーザが所望していない設定内容で送信データが通信回線へ送出される可能性がある場合と判断される。よって、多機能周辺装置での設定データの入力が拒否される。これにより、ユーザは、設定データの内容が回線制御装置の設定に反映されていないことを明確に認識することができる。よって、ユーザが所望していない設定内容で、回線制御装置から通信回線へ送信データが送出されてしまう事態を防止することができる。
【0009】
以上より、設定データの多機能周辺装置への入力を拒否する必要がある場合のみに拒否を行うことで、ユーザの意思を正確に反映したデータ通信を実行することと、通信装置の操作性を確保することを両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】分散構成多機能周辺装置のブロック図である。
【図2】MFPの動作フロー図(その1)である。
【図3】装置設定の編集動作の動作フロー図(その2)である。
【図4】BOXへの転送の動作フロー図(その1)である。
【図5】BOXへの転送の動作フロー図(その2)である。
【図6】BOXの動作フロー図である。
【図7】転送キューのデータ構造を示す図である。
【図8】送信データ情報キューおよび送信画像データエリアのデータ構造を示す図である。
【図9】分散構成多機能周辺装置のシーケンス図(その1)である。
【図10】分散構成多機能周辺装置のシーケンス図(その2)である。
【図11】分散構成多機能周辺装置のシーケンス図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に、本願に係る実施例として例示される分散構成多機能周辺装置1のブロック図を示す。分散構成多機能周辺装置1は、多機能周辺装置(以下「MFP」と称す)10と、回線制御装置(以下「BOX」と称す)31とを備える。BOX31は、電話回線47を使用した通信の制御を行う通信装置である。MFP10は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備える。また、MFP10とBOX31とは、アドホックモードの無線LAN接続方式により、直接に無線通信202を行うことが可能とされる。
【0012】
MFP10の構成について説明する。MFP10は、CPU11、ROM12、RAM13、EEPROM14、無線LAN送受信部15、無線LANアンテナ部16、ボタン入力部17、パネル18、プリンタ19、スキャナ20、スロット部21を主に備えている。これらの構成要素は、入出力ポート22を介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
CPU11は、ROM12等に記憶されるプログラムや、無線LAN送受信部15を介して送受信される各種信号などに従って、各機能の制御を行う。ROM12は、MFP10で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、各種のプログラムが格納されている。
【0014】
また、ROM12には、装置設定一覧テーブルが格納されている。装置設定一覧テーブルは、各種の設定データを登録したテーブルである。設定データは、MFP10やBOX31などの装置の様々な設定を行うためのデータである。MFP10の設定データの内容例としては、記録紙サイズ、送信レポート、メモリ受信などの設定が挙げられる。また、BOX31の設定データは、通信設定に関連するデータと、通信設定に関連しないデータに大別される。通信設定に関連する設定データの一例としては、回線種別、海外送信モード、回線設定、解像度などが挙げられる。また、通信設定に関連しない設定データの一例としては、着信モード、着信鳴動時間、リモコン暗証番号などが挙げられる。
【0015】
装置設定一覧テーブルには、設定データの名称と設定データの内容とが、対応付けられて記憶されている。よって、設定データの名称を用いることにより、装置設定一覧テーブルを参照することで、当該設定データがBOX31とMFP10の何れの設定を行うデータであるかや、当該設定データが通信設定に関連するデータであるか否かを判断することができる。なお、装置設定一覧テーブルへの設定データの登録は、予めユーザ等によって行われるとしてもよい。
【0016】
RAM13は、書換可能な揮発性のメモリである。RAM13には、転送キュー、MFP側送信データ情報キュー、MFP側送信画像データエリアが記憶されている。転送キューは、MFP10からBOX31へ転送するデータを保存する際のデータ構造であり、先入れ先出し(FIFO)方式のデータ構造を有する。
【0017】
図7(A)に、転送キューのデータ構造の一例を示す。転送キューは、複数のデータ領域を備えている。図7(A)の例では、データ領域A0ないしA7が備えられている。データ領域A1、A2、A4には、送信データ情報D01、D02、D03が記憶されている。データ領域A3には設定データ(回線種別)が記憶されており、データ領域A5には設定データ(海外送信モード)が記憶されている。データ領域A6には、終了コードが記憶されている。また、図7(A)の例では、データ領域A1に記憶されている送信データ情報D01が、転送キューに一番最初に保存されたデータである。また、データ領域A6に記憶されている終了コードが、転送キューに一番最後に保存されたデータである。送信データ情報は、送信データに関する各種の情報である。送信データ情報に含まれる情報の一例としては、送信時刻、発呼番号、解像度、圧縮方式、画像データを読み出すための画像データポインタ、BOX31へ転送済みか否かを示す転送フラグ、などが挙げられる。
【0018】
MFP側送信データ情報キューは、送信データ情報を保存するためのデータ構造である。図8(A)に、MFP側送信データ情報キューのデータ構造の一例を示す。MFP側送信データ情報キューは、複数のデータ領域を備えている。図8(A)の例では、データ領域B0ないしB5が備えられている。そして、データ領域B1ないしB3に送信データ情報D01ないしD03の各々が記憶されており、データ領域B4に終了コードが記憶されている。
【0019】
また、MFP側送信画像データエリアは、スキャナ20で生成された画像データが記憶される領域である。MFP側送信画像データエリアとMFP側送信データ情報キューとは、送信データ情報に含まれる画像データポインタによって、互いに関連付けられている。図8(B)に、MFP側送信画像データエリアのデータ構造の一例を示す。MFP側送信画像データエリアは、複数のデータ領域を備えている。図8(B)の例では、MFP側送信画像データエリアは、データ領域C1ないしC3を備えている。そして、データ領域C1ないしC3の各々には、画像データP1ないしP3が記憶されている。画像データP1は、送信データ情報D01に含まれる画像データポインタによって送信データ情報D01に関連付けられている(図8、矢印Y1)。同様にして、画像データP2は送信データ情報D02に関連付けられ(矢印Y2)、画像データP3は送信データ情報D03に関連付けられている(矢印Y3)。
【0020】
EEPROM14は、書換可能な不揮発性のメモリであり、MFP側設定データ記憶領域を備える。MFP側設定データ記憶領域に記憶されたMFP10の設定データは、MFP10の各種の設定に反映される。また、MFP側設定データ記憶領域には、BOX31の設定データも記憶される。
【0021】
無線LAN送受信部15は、無線LANアンテナ部16を介して、アドホックモードの無線通信202を行う。そして、無線LAN送受信部15により、各種のデータを構成するデジタル信号が送受信される。ボタン入力部17は、MFP10の各機能を実行するためのキーである。パネル18は、MFP10の各種機能情報を表示する。プリンタ19は、印刷を実行する部位である。スキャナ20は、読み取りを実行する部位である。スロット部21は、メモリカードなどの外部記憶装置が接続される部位である。
【0022】
BOX31の構成について説明する。BOX31は、CPU32、ROM33、RAM34、EEPROM35、無線LAN送受信部36、無線LANアンテナ部37、操作キー38、パネル39、モデム40、電話回線接続部41、DCL送受信部45、DCLアンテナ部46を主に備えている。
【0023】
モデム40は、電話回線接続部41および電話回線47を介して、電話回線網100に接続されている。モデム40は、ファクシミリ機能によって送信する原稿データを、電話回線47に伝送可能な信号に変調して電話回線接続部41を介して送信したり、電話回線47から電話回線接続部41を介して入力された信号を受信し、原稿データへ復調するものである。無線LAN送受信部36は、無線LANアンテナ部37を介して、アドホックモードの無線通信202を行う。そして、無線LAN送受信部36により、各種のデータを構成するデジタル信号が送受信される。また、DCL送受信部45は、DCLアンテナ部46を介して、子機60と無線通信203を行う。そして、DCL送受信部45により、音声通話信号が送受信される。
【0024】
RAM34には、BOX側送信データ情報キュー、およびBOX側送信画像データエリアが記憶されている。なお、BOX側送信データ情報キューの構成は、前述したMFP側送信データ情報キューと同様である。また、BOX側送信画像データエリアの構成は、前述したMFP側送信画像データエリアと同様である。
よって、ここでは詳細な説明を省略する。
【0025】
MFP10のRAM13に設けられているMFP側送信データ情報キューと、BOX31のRAM34に設けられているBOX側送信データ情報キューとは、保持内容が同一とされる。これにより、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データの内容を、MFP側送信データ情報キューにミラーリングすることができる。よって、BOX側送信データ情報キューに送信データが保持されているか否かをMFP10側で判断する際には、MFP側送信データ情報キューを参照すればよく、無線通信202を用いてBOX側送信データ情報キューを参照する必要を無くすことができる。これにより、分散構成多機能周辺装置1の処理速度をより高めることが可能となる。
【0026】
EEPROM35は、書換可能な不揮発性のメモリであり、BOX側設定データ記憶領域を備える。BOX側設定データ記憶領域に記憶されたBOX31の設定データは、BOX31の各種の設定に反映される。また、ROM33には、後述するBOX転送タイマ処理を実行するプログラムなどが格納される。なお、BOX31のその他の構成は、上述したMFP10の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0027】
分散構成多機能周辺装置1について説明する。分散構成多機能周辺装置1は、BOX31およびMFP10を備えることによって、物理的に分離した構成とされる。これにより、電話回線47のコネクタ部にMFP10を直接に接続する必要がないため、MFP10のレイアウト性を高めることができ、ユーザの利便性を高めることができる。また例えば、分散構成多機能周辺装置1でファクシミリ機能を実行する場合には、MFP10のスキャナ20で生成された送信データが、BOX31を介して電話回線47へ送信される。また、BOX31が電話回線47から受信したデータが、MFP10で受信され、プリンタ19で印刷される。また、分散構成多機能周辺装置1で電話機能を実行する場合には、子機60と電話回線網100との間の音声データの送受信が、BOX31を介して行なわれる。
【0028】
本実施形態に係る分散構成多機能周辺装置1の動作の具体例を、図2ないし図7のフローを用いて説明する。図2を用いて、MFP10での操作フローを説明する。S111において、CPU11は、装置設定の編集操作が行われたか否かを判断する。具体的には、設定データが変更されたか否かが判断される。また、設定データの変更操作は、ユーザによってMFP10のボタン入力部17が操作されることで行われる。
【0029】
編集操作が行われたと判断される場合(S111:YES)にはS201へ進み、装置設定の編集動作が行われる。一方、編集操作が行われていないと判断される場合(S111:NO)にはS113へ進む。S113において、CPU11は、FAX送信操作がユーザによって行われたか否かを判断する。FAX送信操作とは、原稿をスキャナ20にセットし、ボタン入力部17によってFAX送信開始命令を入力する操作である。FAX送信操作が行われたと判断される場合(S113:YES)にはS303へ進む。
【0030】
S303において、CPU11は、スキャナ20を用いて原稿読取を行い、画像データを生成する。そして、画像データをRAM13のMFP側送信画像データエリアに記憶する。また、画像データに関する送信データ情報を生成し、MFP側送信データ情報キューに記憶する。またS305において、CPU11は、送信データ情報を転送キューに記憶する。S307において、CPU11は、BOX転送タイマの値を0にする。そして、フローを終了する。
【0031】
BOX転送タイマについて説明する。BOX転送タイマは、転送キューに記憶されているデータを、時間を指定してBOX31に転送することができる機能である。例えば、間隔時間を5分にセットした場合には、5分経過してBOX転送タイマの値が0になることに応じて、転送キューに記憶されているデータをBOX31に転送する動作を行う。なお、BOX転送タイマは一般的な機能であり、MFP10に予め備えられている。よって本願では、BOX転送タイマを用いることで、新たな機能を追加する必要がない。
【0032】
一方、FAX送信操作が行われていないと判断される場合(S113:NO)にはS115へ進む。S115において、CPU11は、BOX転送タイマの値が0であるか否かを判断する。0であると判断される場合(S115:YES)にはS401へ進み、転送キューに記憶されているデータをBOX31へ転送する動作が行われる。一方、0ではないと判断される場合(S115:NO)には、S117へ進む。
【0033】
S117において、CPU11は、FAX送信終了コマンドをBOX31から受信したか否かを判断する。FAX送信終了コマンドを受信していないと判断される場合(S117:NO)にはS111へ戻り、受信したと判断される場合(S117:YES)にはS119へ進む。S119において、CPU11は、MFP側送信データ情報キューとMFP側送信画像データエリアの該当するデータを消去する。そしてS121に進み、CPU11は、FAX送信終了応答コマンドをBOX31へ送信する。そして、S111へ戻る。以上説明した通り、S111、S113、S115、S117の動作が繰り返されることで、MFP10では待機動作が行われる。
【0034】
図3を用いて、S201における装置設定の編集動作の動作フローを説明する。S203において、CPU11は、編集された設定データが、BOX31に関連しない設定データであるか否かを判断する。当該判断は、装置設定一覧テーブルにおけるBOX31の設定データの一覧の中に、今回編集された設定データの名称(回線種別など)が存在するか否かを、CPU11が検索することで行われる。存在しない場合には、BOX31に関連しない設定データであると判断される(S203:YES)。よってS223へ進み、CPU11は、編集された設定データをMFP側設定データ記憶領域に保存する。これにより、設定データの内容がMFP10の動作に反映される。そしてフローを終了する。一方、BOX31に関連すると判断される場合(S203:NO)には、S205へ進む。
【0035】
S205において、CPU11は、設定データの内容が、FAX送信に関連する内容であるか否かを判断する。当該判断は、装置設定一覧テーブルにおけるFAX送信に関連する設定データの一覧の中に、今回入力された設定データの名称が存在するか否かを、CPU11が検索することで行われる。存在しない場合には、設定データがFAX送信に関連しないと判断され(S205:NO)、S213へ進む。一方、存在する場合には、設定データがFAX送信に関連すると判断され(S205:YES)、S207へ進む。
【0036】
S207において、CPU11は、MFP側送信データ情報キューに送信データ情報が保存されているか否かを判断する。MFP側送信データ情報キューに送信データ情報が保存されていると判断される場合(S207:YES)には、BOX側送信データ情報キューにも送信データが保持されている状態であると判断される。よってS213へ進み、即時に設定データをBOX31へ送信する動作を開始する。
【0037】
一方、MFP側送信データ情報キューに送信データ情報が保存されていないと判断される場合(S207:NO)には、S209へ進む。S209において、CPU11は、編集した設定データを、転送キューに記憶させる。なお、設定データを転送キューに記憶した旨がパネル18に表示される形態としても良い。S211において、CPU11は、BOX転送タイマの値を0にセットする。そしてフローを終了する。
【0038】
S213以降の動作を説明する。S213において、CPU11は、設定データ転送リクエストを無線通信202によってBOX31へ送信する。設定データ転送リクエストは、無線通信202が正常に接続されているか否かをBOX31に問い合わせるための情報である。そして、設定データ転送リクエストに応答して、設定データ転送リクエスト応答がBOX31から返信されてくる場合には、無線通信202が正常に接続されていると判断される。
【0039】
S215において、CPU11は、設定データ転送リクエスト応答をBOXから受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S215:NO)には、無線通信202が正常に接続されていないと判断され、S221へ進む。S221において、CPU11は、設定データをEEPROM14に保存することなく、拒否音を鳴動する。また、「設定できませんでした」「BOXとの接続を確認してください」の旨をパネル18に表示する。これにより、ユーザは、設定データの内容がBOX31の設定に反映されていないことを明確に認識することができる。
【0040】
一方、S215において、設定データ転送リクエスト応答をBOX31から受信したと判断される場合(S215:YES)には、無線通信202が正常に接続されていると判断され、S217へ進む。S217において、CPU11は、編集した設定データをBOX31へ転送する。
【0041】
S219において、CPU11は、設定データ転送応答をBOX31から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S219:NO)には、設定データが正常にBOX31で受信されなかったと判断される。よって、S221へ進み、設定データの内容がBOX31の設定に反映されていないことがユーザに報知される。一方、設定データ転送応答を受信したと判断される場合(S219:YES)には、設定データが正常にBOX31で受信されたと判断され、S223へ進む。S223において、CPU11は、編集した設定データをMFP側設定データ記憶領域に保存する。
【0042】
これにより、BOX側設定データ記憶領域に保持されている設定データの内容を、MFP側設定データ記憶領域にミラーリングすることができる。よって、BOX側設定データ記憶領域に保持されている設定データの内容をMFP10側で判断する際には、MFP側設定データ記憶領域を参照すればよく、無線通信202を用いてBOX側設定データ記憶領域を参照する必要を無くすことができる。
【0043】
図4および図5を用いて、S401におけるBOX31への転送の動作フローを説明する。S405からS421によって、転送キューから設定データのみを抽出してBOX31へ転送する動作が行われる。また、S423からS439によって、転送キューから送信データのみを抽出してBOX31へ転送する動作が行われる。以下、詳細に説明する。
【0044】
S403において、CPU11は、BOX転送タイマの値を「5分」にセットする。なお、BOX転送タイマの値は任意でよく、5分は一例である。 S405において、CPU11は、転送キューのリードポインタが指示するデータを読み出した上で、リードポインタを更新する。例えば、図7(A)の転送キューにおいて、リードポインタがデータ領域A1を指している場合には、CPU11はデータ領域A1に記憶されている送信データ情報D01を読み出す。そして、リードポインタの指示先をデータ領域A1からデータ領域A2に更新する。
【0045】
S407において、CPU11は、転送キューから読み出した情報が終了コードであるか否かを判断する。終了コードであると判断される場合(S407:YES)には、S423(図5)へ進む。一方、終了コードではないと判断される場合(S407:NO)には、S409へ進む。S409において、CPU11は、転送キューから読み出した設定データが、FAX送信に関連するか否かを判断する。FAX送信に関連しないと判断される場合(S409:NO)には、S405へ戻り、次のデータ領域が読み出される。一方、FAX送信に関連すると判断される場合(S409:YES)には、S411へ進む。
【0046】
S411において、CPU11は、設定データ転送リクエストを無線通信202によってBOX31へ送信する。S413において、CPU11は、設定データ転送リクエスト応答をBOX31から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S413:NO)には、無線通信202が正常に接続されていないと判断され、フローを終了する。一方、設定データ転送リクエスト応答を受信したと判断される場合(S413:YES)には、無線通信202が正常に接続されていると判断され、S415へ進む。
【0047】
S415において、CPU11は、設定データをBOX31へ転送する。S417において、CPU11は、設定データ転送応答をBOX31から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S417:NO)には、設定データが正常にBOX31で受信されなかったと判断され、フローを終了する。一方、設定データ転送応答を受信したと判断される場合(S417:YES)には、設定データが正常にBOX31で受信されたと判断され、S419へ進む。S419においてCPU11は、読み出した設定データを、EEPROM14のMFP側設定データ記憶領域に保存する。S421において、CPU11は、BOX31へ転送した設定データを、転送キューから消去する。そしてS405へ戻る。
【0048】
これにより、S405ないしS421が繰り返されることで、リードポインタの指示先を順番に更新していく。そして、設定データのみを転送キューから読み出した上で、BOX31へ転送する動作が行われる。図7(A)に示す転送キューの例では、図7(B)に示すように、データ領域A3の設定データ(回線種別)が1番目に転送され、データ領域A5の設定データ(海外送信モード)が2番目に転送される。
【0049】
S423(図5)に進むと、CPU11は、転送キューのリードポインタを先頭に戻す。例えば、図7(A)の転送キューにおいて、リードポインタがデータ領域A6を指示している場合には、指示先がデータ領域A1に戻される。S425において、CPU11は、転送キューのリードポインタが指示するデータを読み出した上で、リードポインタを更新する。S427において、CPU11は、転送キューから読み出した情報が終了コードであるか否かを判断する。終了コードであると判断される場合(S427:YES)にはフローを終了し、終了コードではないと判断される場合(S427:NO)にはS429へ進む。S429において、CPU11は、送信データ転送リクエストをBOX31へ送信する。送信データ転送リクエストは、無線通信202が正常に接続されているか否かをBOX31に問い合わせるための情報である。
【0050】
S431において、CPU11は、送信データ転送リクエスト応答をBOX31から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S431:NO)には、無線通信202が正常に接続されていないと判断され、フローを終了する。一方、設定データ転送リクエスト応答を受信したと判断される場合(S431:YES)には、無線通信202が正常に接続されていると判断され、S433へ進む。S433において、CPU11は、送信データ情報および画像データをBOX31へ転送する。
【0051】
S435において、CPU11は、送信データ応答をBOX31から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S435:NO)には、送信データが正常にBOX31で受信されなかったと判断され、フローを終了する。一方、送信データ応答を受信したと判断される場合(S435:YES)には、送信データが正常にBOX31で受信されたと判断され、S437へ進む。S437において、CPU11は、転送キューに記憶されている転送済みの送信データ情報を消去する。S439において、CPU11は、MFP側送信データ情報キューに記憶されている転送済みの送信データ情報の転送フラグを転送済みに変更する。そしてS425へ戻る。
【0052】
これにより、S425ないしS439が繰り返されることで、リードポインタの指示先を順番に更新していく。そして、送信データ情報のみを転送キューから読み出した上で、BOX31へ転送する動作が行われる。図7(A)に示す転送キューの例では、図7(B)に示すように、データ領域A1の送信データ情報D01が3番目に転送され、データ領域A2の送信データ情報D02が4番目に転送され、データ領域A4の送信データ情報D03が5番目に転送される。
【0053】
以上説明したように、S401のフローでは、転送キューに送信データ情報および設定データの両方が保持されている場合には、送信データ情報および設定データが転送キューに保存された順番に依らず、設定データを優先してBOX31へ転送することが可能となる。
【0054】
図6を用いて、BOX31での動作フローを説明する。S511において、CPU32は、BOX側送信データ情報キューに送信時刻を過ぎたデータが記憶されているか否かを判断する。送信時刻を過ぎたデータがないと判断される場合(S511:NO)にはS525へ進み、あると判断される場合(S511:YES)にはS513へ進む。
【0055】
S513において、CPU32は、データ送信先に発呼する。S515において、CPU32は、データ送信先が話中であるか、または応答なしであるかを判断する。話中または応答なしと判断される場合(S515:YES)には、S517へ進む。S517において、CPU32は、BOX側送信データ情報キューの送信時刻を、次のリダイヤル発呼時刻に変更する。そしてS525へ進む。
【0056】
一方、データ送信先から応答ありと判断される場合(S515:NO)にはS519へ進む。S519において、CPU32は、FAX送信を実行する。S521において、CPU32は、FAX送信が正常終了したか否かを判断する。正常終了していないと判断される場合(S521:NO)にはS517へ進み、正常終了していると判断される場合(S521:YES)にはS522へ進む。
【0057】
S522において、CPU32は、FAX送信終了コマンドをMFP10へ送信する。S524において、CPU32は、BOX側送信データ情報キューとBOX側送信画像データエリアにおいて、送信済みのデータを消去する。S525において、CPU32は、設定データ転送リクエストをMFP10から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S525:NO)には、無線通信202が正常に接続されていないと判断され、フローを終了する。一方、設定データ転送リクエスト応答を受信したと判断される場合(S525:YES)には、無線通信202が正常に接続されていると判断され、S527へ進む。S527において、CPU32は、設定データ転送リクエスト応答をMFP10へ送信する。
【0058】
S529において、CPU32は、設定データをMFP10から受信したか否かを判断する。受信していないと判断される場合(S529:NO)にはフローを終了し、受信したと判断される場合(S529:YES)にはS531へ進む。S531において、CPU32は、設定データ応答をMFP10へ送信する。S533において、CPU32は、編集した設定データをEEPROM35のBOX側設定データ記憶領域に保存する。これにより、設定データの内容がBOX31の設定に反映される。
【0059】
S535において、CPU32は、送信データ転送リクエストをMFP10から受信したか否かを判断する。受信していないと判断された場合(S535:NO)にはフローを終了し、受信したと判断される場合(S535:YES)にはS537へ進む。S537において、CPU32は、送信データ転送リクエスト応答をMFP10へ送信する。
【0060】
S539において、CPU32は、送信データ情報および画像データをMFP10から受信したか否かを判断する。受信していないと判断された場合(S539:NO)にはフローを終了し、受信したと判断される場合(S539:YES)にはS541へ進む。S541において、CPU32は、送信データ応答をMFP10へ送信する。S543において、CPU32は、MFP10から受信した送信データ情報をBOX側送信データ情報キューへセットし、MFP10から受信した画像データをBOX側送信画像データエリアへセットする。そしてフローを終了する。
【0061】
本実施例に係る分散構成多機能周辺装置1の動作の具体例を、図9ないし図11のシーケンス図を用いて説明する。図9を用いて、無線通信202に障害が発生していない場合における、分散構成多機能周辺装置1の動作例を説明する。また、FAX送信に関連する設定データについて、編集が行われる場合を説明する。また、設定データの編集時(S205:YES)において、BOX側送信データ情報キューに送信待ちのデータが保持されている場合(S207:YES)を説明する。
【0062】
ユーザによって、設定データの編集操作が行われる(S111:YES)と、設定データの内容がFAX送信に関連する内容であると判断される(S205:YES)。また、MFP側送信データ情報キューに送信データ情報が保存されていると判断される(S207:YES)。よってMFP10は、設定データをBOX31へ即時に送信開始する(S213)。
【0063】
MFP10が送信した設定データ転送リクエスト(S213)が、BOX31で受信される(S525:YES)。BOX31が送信した設定データ転送リクエスト応答(S527)が、MFP10で受信される(S215:YES)。MFP10が送信した設定データ(S217)が、BOX31で受信され(S529:YES)、BOX側設定データ記憶領域に記憶される(S533)ことで、設定データがBOX31の通信設定に反映される。そして、設定データの反映後の通信設定を用いて、第2の送信データキューに保存されている送信データが電話回線47に送出される(S519)。また、BOX31が送信した設定データ応答(S531)がMFP10で受信されることに応じて(S219:YES)、設定データがMFP側設定データ記憶領域にも記憶される(S223)。これにより、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データを、設定データの反映後の通信設定で送信することが可能とされる。
【0064】
図10を用いて、無線通信202に障害が発生している場合における、分散構成多機能周辺装置1の動作例を説明する。その他の前提条件は、図9のシーケンス図の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。ユーザによって、設定データの編集操作が行われることに応じて、設定データがBOX31へ送信開始される(S213)。MFP10は、設定データ転送リクエストをBOX31へ送信開始する(S213)。しかし、無線通信202に障害が発生しているため、BOX31は所定の時間内に設定データ転送リクエストを受信できず、タイムアウトとなる(S525:NO)。よってBOX31でのフローが終了する。またMFP10では、所定の時間内に設定データ転送リクエスト応答をBOX31から受信できず、タイムアウトとなる(S215:NO)。よってMFP10は、設定データの内容がBOX31の設定に反映されていないことをユーザに報知し(S221)、フローを終了する。
【0065】
これにより、ユーザは、編集した設定データの内容が、BOX31の通信設定に反映されていないことを明確に認識することができる。よって、ユーザが所望していない通信設定で、BOX31から電話回線47へ送信データが送出されてしまう事態を防止することができる。
【0066】
図11を用いて、1回目のFAX送信操作、設定変更操作、2回目のFAX送信操作を順にユーザが行う場合の分散構成多機能周辺装置1の動作例を説明する。また、これらの操作を行っている際には無線通信202に障害が発生しており、操作終了後の時刻t1において無線通信202が復旧する場合の動作例を説明する。また、FAX送信に関連する設定データについて編集が行われる場合を説明する。また、BOX転送タイマの値が「5分」にセットされている場合を説明する。
【0067】
ユーザによって、1回目のFAX送信操作が行われると(S113:YES)、送信データが転送キューに保存された上で、BOX転送タイマの値が0とされる(S115:YES)。よって、MFP10は、送信データ転送リクエストをBOX31へ送信する(S429)。しかし、無線通信202に障害が発生しているため、BOX31は所定の時間内に送信データ転送リクエストを受信できず、タイムアウトとなる(S535:NO)。またMFP10では、所定の時間内に送信データ転送リクエスト応答をBOX31から受信できず、タイムアウトとなるため(S431:NO)、フローが終了する。そして、MFP10は、5分ごとに送信データ転送リクエストをBOX31へ送信する動作を繰り返す(S429)。
【0068】
次に、ユーザによって設定変更操作が行われると(S111:YES)、MFP10のMFP側送信データ情報キューには転送済みのデータが記憶されていないため、(S207:NO)、設定データが転送キューに記憶される(S209)。そしてMFP10は、設定データ転送リクエストをBOX31へ送信開始する(S411)。しかし、無線通信202に障害が発生しているため、BOX31は所定の時間内に送信データ転送リクエストを受信できず、タイムアウトとなり(S525:NO)、フローが終了する。またMFP10では、所定の時間内に設定データ転送リクエスト応答をBOX31から受信できず、タイムアウトとなり(S413:NO)、フローが終了する。そして、MFP10は、5分ごとに設定データ転送リクエストをBOX31へ送信する動作を繰り返す(S411)。
【0069】
次に、ユーザによって、2回目のFAX送信操作が行われると(S113:YES)、送信データが転送キューに保存された上で、BOX転送タイマの値が0とされる(S115:YES)。このとき、転送キューには設定データが記憶されているため、送信データの転送よりも設定データの転送の方が優先される(S409:YES)。よって、MFP10は、設定データ転送リクエストをBOX31へ送信する(S411)。しかし、無線通信202に障害が発生しているため、BOX31は所定の時間内に設定データ転送リクエストを受信できず、タイムアウトとなり(S525:NO)、フローが終了する。またMFP10では、所定の時間内に設定データ転送リクエスト応答をBOX31から受信できず、タイムアウトとなり(S413:NO)、フローが終了する。そして、MFP10は、5分ごとに設定データ転送リクエストをBOX31へ送信する動作を繰り返す(S411)。
【0070】
そして、時刻t1において無線通信202が復旧すると、MFP10が送信した設定データ転送リクエスト(S213)が、BOX31で受信される(S525:YES)。BOX31が送信した設定データ転送リクエスト応答(S527)が、MFP10で受信される(S413:YES)。MFP10が送信した設定データ(S415)が、BOX31で受信され(S529:YES)、BOX側設定データ記憶領域に記憶される(S533)。BOX31が送信した設定データ応答(S531)がMFP10で受信され(S417:YES)、設定データがMFP側設定データ記憶領域に記憶される(S419)。
【0071】
設定データの送信が終了すると、次に、1回目のFAX送信操作で生成された送信データの送信が開始される。MFP10が送信した送信データ転送リクエスト(S429)が、BOX31で受信される(S535:YES)。BOX31が送信した設定データ転送リクエスト応答(S537)が、MFP10で受信される(S431:YES)。MFP10が送信した送信データ(S433)がBOX31で受信され(S539:YES)、BOX側送信データ情報キューおよびBOX側送信画像データエリアに記憶される(S543)。BOX31が送信した送信データ応答(S541)が、MFP10で受信され(S435:YES)、転送キューから送信した送信データが消去される(S427)。そしてBOX側送信データ情報キューおよびBOX側送信画像データエリアに記憶された送信データが、電話回線47を介して送信先に送出される(S513)。
【0072】
FAX送信が正常終了すると、BOX31はFAX送信終了コマンドを送信する(S522)。MFP10がFAX送信終了コマンドを受信すると(S117:YES)、MFP側送信データ情報キューとMFP側送信画像データエリアの該当するデータを消去し(S119)、FAX送信終了応答コマンドをBOX31へ送信する(S121)。BOX31は、FAX送信終了応答コマンドに応じて、BOX側送信データ情報キューとBOX側送信画像データエリアの該当するデータを消去する(S524)。これにより、1回目のFAX送信操作により生成された送信データの送信動作が完了する。
【0073】
次に、2回目のFAX送信操作で生成された送信データの送信が開始される。ここで、1回目のFAX送信操作で生成された送信データの送信動作を、説明の便宜上、図11においてT1と定義する。同様に、2回目のFAX送信操作で生成された送信データの送信動作を、説明の便宜上、図11においてT2と定義する。T2における詳細な動作内容は、前述したT1における動作内容と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0074】
これにより、転送待ちの転送データおよび設定データが転送キューに記憶されている場合には、転送キューに記憶された順番に関わらず、設定データが優先してBOX31へ転送される。そして、先に転送された設定データの内容をBOX31の設定に反映し、設定反映後の状態で送信データを通信回線に送出することができる。すると例えば、FAX送信操作をした後に、送信データの通信設定(解像度など)を後から変更したいとユーザが考える場合がある。この場合においても、設定データの入力をMFP10で受け付け、設定データを送信データよりも優先してBOX31へ転送し、通信設定変更後の状態で送信データを電話回線47に送出することができる。またユーザが、設定データと送信データをMFP10に入力する際の順番を意識する必要がないため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0075】
以上説明した、本実施例の説明例に係る分散構成多機能周辺装置1の効果を説明する。本願では、BOX31の送信設定を行う設定データがMFP10に入力された際(S205:YES)に、送信データがBOX31のBOX側送信データ情報キューに保持されていない場合(S207:NO)には、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データが、ユーザが所望していない通信設定で送信データが電話回線47へ送出される可能性がない場合と判断される。よって、設定データの入力が受け付けられ、入力された設定データがMFP10の転送キューに保持される(S209)。そして、無線通信202が確立できるようになった時点で、設定データをBOX31へ転送する。これにより、無線通信202に障害がある場合でも、MFP10において設定データの入力が一旦受け付けられるため、ユーザが後ほど設定データを再入力するなどの不便性を無くすことが出来る。よって、分散構成多機能周辺装置1の操作性を高めることができる。
【0076】
また本願では、BOX31の送信設定を行う設定データがMFP10に入力された際(S205:Y)に、送信データがBOX31のBOX側送信データ情報キューに保持されている場合(S207:Y)には、無線通信202を行うことができるか否かを検出する。そして、無線通信202を行うことができない旨が検出される場合(S215:NO)には、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データを、設定データの反映後の通信設定で送信したいとユーザが所望しているにも関わらず、反映前の通信設定で送信される可能性がある場合であると判断される。すなわち、ユーザが所望していない通信設定で、BOX31に保持されている送信データが電話回線47へ送出される可能性がある場合と判断される。よって、MFP10での設定データの入力が拒否される(S221)。
【0077】
これにより、MFP10に入力されたBOX31の送信設定をBOX31に転送することができないにも関わらず、設定データの変更がMFP10で受け付けられたために、送信設定の変更がBOX31に反映されたとユーザが誤認識してしまう事態を無くすことができる。よって、ユーザが所望していない設定内容で、BOX31から電話回線47へ送信データが送出されてしまう事態を防止することができる。
【0078】
また、BOX31の送信設定を行う設定データがMFP10に入力された際(S205:Y)に、送信データがBOX側送信データ情報キューに保持されている場合(S207:Y)において、無線通信202を行うことができる旨が検出される場合(S215:Y)には、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データを、設定データの反映後の通信設定で送信できる場合であると判断される。すなわち、ユーザが所望していない通信設定で送信データが電話回線47へ送出される可能性がない場合と判断される。よって、設定データがBOX31へ転送され(S217)、設定データの内容がBOX31の送信設定に反映される。そして、設定データの反映後の通信設定を用いて、BOX側送信データ情報キューに保存されている送信データが電話回線47に送出される。
【0079】
以上より、設定データのMFP10への入力を拒否する必要がある場合のみに拒否を行うことで、ユーザの意思を正確に反映したデータ通信を実行することと、分散構成多機能周辺装置1の操作性を確保することを両立することが可能となる。
【0080】
また、本願の分散構成多機能周辺装置1では、入力される設定データの内容がBOX31の通信設定に関連しないと判断される場合(S205:NO)には、通信設定が変更されることがないため、ユーザが所望していない設定内容で送信データが電話回線47へ送出される可能性がない場合と判断される。よって、MFP10において設定データの入力が受け付けられる。そして、入力された設定データがMFP10の転送キューに保持される。これにより、ユーザが所望していない設定内容で送信データが通信回線へ送出される可能性がない場合を、より正確に識別できる。よって、通信装置の操作性をさらに高めることができる。
【0081】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0082】
転送キューにおいて、設定データが先に転送されるようにデータの順列をソートする形態としてもよい。例えば図7(A)の転送キューの例では、データ領域の並び順が、データ領域A0、A3、A5、A1、A2、A4、A6、A7の順番にソートされる。そして、ソート後の転送キューの順番に従って設定データおよび送信データが読み出されるとしてもよい。
【0083】
また、画像データが記憶されているメモリカード等の外部記憶装置がスロット部21に接続され、CPU11が外部記憶装置から画像データを読み出して送信データを生成する形態であってもよい。また本願の技術は、FAXの画像データを送信する場合に限られず、各種のデータを送信する場合においても適用可能である。
【0084】
なお、MFP10は多機能周辺装置の一例、BOX31は回線制御装置の一例、転送キューは第1の送信データキュー手段の一例、BOX側送信データ情報キューは第2の送信データキュー手段の一例、MFP側送信データ情報キューは第3の送信データキュー手段の一例、パネル18は表示部の一例、設定データの名称は識別子の一例、装置設定一覧テーブルは識別テーブルの一例、無線LAN送受信部15はデータ転送手段の一例、無線LAN送受信部36はデータ受信手段の一例、モデム40は通信手段の一例、である。
【0085】
また、S303を実行する制御部は送信データ取得手段の一例である。S111を実行する制御部は入力受付手段の一例である。S209、S305を実行する制御部は第1の送信データキュー手段の一例である。S415、S433を実行する制御部はデータ転送手段の一例である。S529を実行する制御部はデータ受信手段の一例である。S533を実行する制御部は設定実行手段の一例である。S543を実行する制御部は第2の送信データキュー手段の一例である。S519を実行する制御部は通信手段の一例である。S207を実行する制御部は保持判断手段の一例である。S209を実行する制御部は保持実行手段の一例である。S221を実行する制御部は入力拒否手段の一例である。S205を実行する制御部はデータ内容判断手段の一例である。
【符号の説明】
【0086】
1 分散構成多機能周辺装置
10 MFP
31 BOX
202、203 無線通信
【技術分野】
【0001】
本願は、通信装置の操作性を損なわずに、ユーザの意思を正確に反映したデータ通信を実行することが可能な通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載の無線ファクシミリ装置は、ファクシミリ代行受信機能を備えている。ファクシミリ代行受信機能では、子機が親機から離れており無線通信を行うことができない場合には、受信したファクシミリデータを親機に記憶する。そして、子機が親機に近づき無線通信を行うことができるようになると、記憶していたファクシミリデータを子機に送信する動作が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−136320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の無線ファクシミリ装置において、子機の様々な設定を行うための設定データを親機から子機へ無線通信で送信することで子機の設定を変更する場合には、無線通信を行うことができる状態の時にしか設定を変更することができない。すると、子機の設定内容がどのタイミングで変更されたかをユーザが明確に認識することができないため、実際にはまだ設定データが親機から子機へ無線送信されていないにも関わらず、設定データの内容が子機の設定に反映済みであるとユーザが誤認識してしまう状況が発生しうる。これにより、ユーザが所望していない設定内容で、子機が動作してしまう事態が発生するおそれがある。本明細書では、このような不便性を解消することができる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願の通信装置は多機能周辺装置と回線制御装置とを備える。
多機能周辺装置は、送信データを取得する送信データ取得手段と、回線制御装置の各種の設定を定める設定データの入力受付動作を行う入力受付手段と、送信データおよび設定データを保持する第1の送信データキュー手段と、第1の送信データキュー手段に保持されている送信データおよび設定データを無線通信により回線制御装置に転送するデータ転送手段と、を備える。回線制御装置は、多機能周辺装置から無線通信によって転送されてくる送信データおよび設定データを受信するデータ受信手段と、受信した設定データに応じて各種の設定を実行する設定実行手段と、受信した送信データを保持する第2の送信データキュー手段と、第2の送信データキュー手段に保持されている送信データを通信回線に送出する通信手段とを備える。多機能周辺装置は、第2の送信データキュー手段に送信データが保持されているか否かを判断する保持判断手段と、保持判断手段で保持されていないと判断される場合に、入力される設定データを第1の送信データキュー手段に保持する保持実行手段と、保持判断手段で保持されていると判断される場合に無線通信を行うことができるか否かを検出し、無線通信を行うことができない旨が検出される場合には設定データの入力を拒否する入力拒否手段とをさらに備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
送信データの例としては、画像データや音声データなどの各種のデータが挙げられる。送信データは、例えば画像データであれば、スキャナ等によって取得してもよい。またメモリカード等の外部記憶装置からデータを読み込むことで、送信データを取得してもよい。回線制御装置の各種の設定の例としては、通信に関連する設定(通信回線種別、送信モードなど)や、通信に関連しない設定(着信モード、リモコン暗証番号など)が挙げられる。設定データの入力を拒否する方法の例としては、拒否された旨を表示部に表示する形態や、拒否音を鳴動させる形態などが挙げられる。
【0007】
本願では、回線制御装置の設定データが多機能周辺装置に入力された際に、送信データが回線制御装置の第2の送信データキュー手段に保持されていない場合には、ユーザが所望していない設定内容で送信データが通信回線へ送出される可能性がない場合と判断される。よって、設定データの入力が受け付けられ、入力された設定データが多機能周辺装置の第1の送信データキュー手段に保持される。そして、無線通信が確立できるようになった時点で、設定データを回線制御装置へ転送する。これにより、多機能周辺装置において設定データの入力が受け付けられるため、ユーザが後ほど設定データを再入力するなどの不便性を無くすことが出来る。よって、通信装置の操作性を高めることができる。
【0008】
また本願では、回線制御装置の設定データが多機能周辺装置に入力された際に、送信データが第2の送信データキュー手段に保持されている場合には、無線通信を行うことができるか否かを検出する。そして、無線通信を行うことができない旨が検出される場合には、ユーザが所望していない設定内容で送信データが通信回線へ送出される可能性がある場合と判断される。よって、多機能周辺装置での設定データの入力が拒否される。これにより、ユーザは、設定データの内容が回線制御装置の設定に反映されていないことを明確に認識することができる。よって、ユーザが所望していない設定内容で、回線制御装置から通信回線へ送信データが送出されてしまう事態を防止することができる。
【0009】
以上より、設定データの多機能周辺装置への入力を拒否する必要がある場合のみに拒否を行うことで、ユーザの意思を正確に反映したデータ通信を実行することと、通信装置の操作性を確保することを両立することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】分散構成多機能周辺装置のブロック図である。
【図2】MFPの動作フロー図(その1)である。
【図3】装置設定の編集動作の動作フロー図(その2)である。
【図4】BOXへの転送の動作フロー図(その1)である。
【図5】BOXへの転送の動作フロー図(その2)である。
【図6】BOXの動作フロー図である。
【図7】転送キューのデータ構造を示す図である。
【図8】送信データ情報キューおよび送信画像データエリアのデータ構造を示す図である。
【図9】分散構成多機能周辺装置のシーケンス図(その1)である。
【図10】分散構成多機能周辺装置のシーケンス図(その2)である。
【図11】分散構成多機能周辺装置のシーケンス図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に、本願に係る実施例として例示される分散構成多機能周辺装置1のブロック図を示す。分散構成多機能周辺装置1は、多機能周辺装置(以下「MFP」と称す)10と、回線制御装置(以下「BOX」と称す)31とを備える。BOX31は、電話回線47を使用した通信の制御を行う通信装置である。MFP10は、プリンタ機能、スキャナ機能、コピー機能、ファクシミリ機能などを備える。また、MFP10とBOX31とは、アドホックモードの無線LAN接続方式により、直接に無線通信202を行うことが可能とされる。
【0012】
MFP10の構成について説明する。MFP10は、CPU11、ROM12、RAM13、EEPROM14、無線LAN送受信部15、無線LANアンテナ部16、ボタン入力部17、パネル18、プリンタ19、スキャナ20、スロット部21を主に備えている。これらの構成要素は、入出力ポート22を介して互いに通信可能に接続されている。
【0013】
CPU11は、ROM12等に記憶されるプログラムや、無線LAN送受信部15を介して送受信される各種信号などに従って、各機能の制御を行う。ROM12は、MFP10で実行される制御プログラムなどを格納した書換不能なメモリであり、各種のプログラムが格納されている。
【0014】
また、ROM12には、装置設定一覧テーブルが格納されている。装置設定一覧テーブルは、各種の設定データを登録したテーブルである。設定データは、MFP10やBOX31などの装置の様々な設定を行うためのデータである。MFP10の設定データの内容例としては、記録紙サイズ、送信レポート、メモリ受信などの設定が挙げられる。また、BOX31の設定データは、通信設定に関連するデータと、通信設定に関連しないデータに大別される。通信設定に関連する設定データの一例としては、回線種別、海外送信モード、回線設定、解像度などが挙げられる。また、通信設定に関連しない設定データの一例としては、着信モード、着信鳴動時間、リモコン暗証番号などが挙げられる。
【0015】
装置設定一覧テーブルには、設定データの名称と設定データの内容とが、対応付けられて記憶されている。よって、設定データの名称を用いることにより、装置設定一覧テーブルを参照することで、当該設定データがBOX31とMFP10の何れの設定を行うデータであるかや、当該設定データが通信設定に関連するデータであるか否かを判断することができる。なお、装置設定一覧テーブルへの設定データの登録は、予めユーザ等によって行われるとしてもよい。
【0016】
RAM13は、書換可能な揮発性のメモリである。RAM13には、転送キュー、MFP側送信データ情報キュー、MFP側送信画像データエリアが記憶されている。転送キューは、MFP10からBOX31へ転送するデータを保存する際のデータ構造であり、先入れ先出し(FIFO)方式のデータ構造を有する。
【0017】
図7(A)に、転送キューのデータ構造の一例を示す。転送キューは、複数のデータ領域を備えている。図7(A)の例では、データ領域A0ないしA7が備えられている。データ領域A1、A2、A4には、送信データ情報D01、D02、D03が記憶されている。データ領域A3には設定データ(回線種別)が記憶されており、データ領域A5には設定データ(海外送信モード)が記憶されている。データ領域A6には、終了コードが記憶されている。また、図7(A)の例では、データ領域A1に記憶されている送信データ情報D01が、転送キューに一番最初に保存されたデータである。また、データ領域A6に記憶されている終了コードが、転送キューに一番最後に保存されたデータである。送信データ情報は、送信データに関する各種の情報である。送信データ情報に含まれる情報の一例としては、送信時刻、発呼番号、解像度、圧縮方式、画像データを読み出すための画像データポインタ、BOX31へ転送済みか否かを示す転送フラグ、などが挙げられる。
【0018】
MFP側送信データ情報キューは、送信データ情報を保存するためのデータ構造である。図8(A)に、MFP側送信データ情報キューのデータ構造の一例を示す。MFP側送信データ情報キューは、複数のデータ領域を備えている。図8(A)の例では、データ領域B0ないしB5が備えられている。そして、データ領域B1ないしB3に送信データ情報D01ないしD03の各々が記憶されており、データ領域B4に終了コードが記憶されている。
【0019】
また、MFP側送信画像データエリアは、スキャナ20で生成された画像データが記憶される領域である。MFP側送信画像データエリアとMFP側送信データ情報キューとは、送信データ情報に含まれる画像データポインタによって、互いに関連付けられている。図8(B)に、MFP側送信画像データエリアのデータ構造の一例を示す。MFP側送信画像データエリアは、複数のデータ領域を備えている。図8(B)の例では、MFP側送信画像データエリアは、データ領域C1ないしC3を備えている。そして、データ領域C1ないしC3の各々には、画像データP1ないしP3が記憶されている。画像データP1は、送信データ情報D01に含まれる画像データポインタによって送信データ情報D01に関連付けられている(図8、矢印Y1)。同様にして、画像データP2は送信データ情報D02に関連付けられ(矢印Y2)、画像データP3は送信データ情報D03に関連付けられている(矢印Y3)。
【0020】
EEPROM14は、書換可能な不揮発性のメモリであり、MFP側設定データ記憶領域を備える。MFP側設定データ記憶領域に記憶されたMFP10の設定データは、MFP10の各種の設定に反映される。また、MFP側設定データ記憶領域には、BOX31の設定データも記憶される。
【0021】
無線LAN送受信部15は、無線LANアンテナ部16を介して、アドホックモードの無線通信202を行う。そして、無線LAN送受信部15により、各種のデータを構成するデジタル信号が送受信される。ボタン入力部17は、MFP10の各機能を実行するためのキーである。パネル18は、MFP10の各種機能情報を表示する。プリンタ19は、印刷を実行する部位である。スキャナ20は、読み取りを実行する部位である。スロット部21は、メモリカードなどの外部記憶装置が接続される部位である。
【0022】
BOX31の構成について説明する。BOX31は、CPU32、ROM33、RAM34、EEPROM35、無線LAN送受信部36、無線LANアンテナ部37、操作キー38、パネル39、モデム40、電話回線接続部41、DCL送受信部45、DCLアンテナ部46を主に備えている。
【0023】
モデム40は、電話回線接続部41および電話回線47を介して、電話回線網100に接続されている。モデム40は、ファクシミリ機能によって送信する原稿データを、電話回線47に伝送可能な信号に変調して電話回線接続部41を介して送信したり、電話回線47から電話回線接続部41を介して入力された信号を受信し、原稿データへ復調するものである。無線LAN送受信部36は、無線LANアンテナ部37を介して、アドホックモードの無線通信202を行う。そして、無線LAN送受信部36により、各種のデータを構成するデジタル信号が送受信される。また、DCL送受信部45は、DCLアンテナ部46を介して、子機60と無線通信203を行う。そして、DCL送受信部45により、音声通話信号が送受信される。
【0024】
RAM34には、BOX側送信データ情報キュー、およびBOX側送信画像データエリアが記憶されている。なお、BOX側送信データ情報キューの構成は、前述したMFP側送信データ情報キューと同様である。また、BOX側送信画像データエリアの構成は、前述したMFP側送信画像データエリアと同様である。
よって、ここでは詳細な説明を省略する。
【0025】
MFP10のRAM13に設けられているMFP側送信データ情報キューと、BOX31のRAM34に設けられているBOX側送信データ情報キューとは、保持内容が同一とされる。これにより、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データの内容を、MFP側送信データ情報キューにミラーリングすることができる。よって、BOX側送信データ情報キューに送信データが保持されているか否かをMFP10側で判断する際には、MFP側送信データ情報キューを参照すればよく、無線通信202を用いてBOX側送信データ情報キューを参照する必要を無くすことができる。これにより、分散構成多機能周辺装置1の処理速度をより高めることが可能となる。
【0026】
EEPROM35は、書換可能な不揮発性のメモリであり、BOX側設定データ記憶領域を備える。BOX側設定データ記憶領域に記憶されたBOX31の設定データは、BOX31の各種の設定に反映される。また、ROM33には、後述するBOX転送タイマ処理を実行するプログラムなどが格納される。なお、BOX31のその他の構成は、上述したMFP10の構成と同様であるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0027】
分散構成多機能周辺装置1について説明する。分散構成多機能周辺装置1は、BOX31およびMFP10を備えることによって、物理的に分離した構成とされる。これにより、電話回線47のコネクタ部にMFP10を直接に接続する必要がないため、MFP10のレイアウト性を高めることができ、ユーザの利便性を高めることができる。また例えば、分散構成多機能周辺装置1でファクシミリ機能を実行する場合には、MFP10のスキャナ20で生成された送信データが、BOX31を介して電話回線47へ送信される。また、BOX31が電話回線47から受信したデータが、MFP10で受信され、プリンタ19で印刷される。また、分散構成多機能周辺装置1で電話機能を実行する場合には、子機60と電話回線網100との間の音声データの送受信が、BOX31を介して行なわれる。
【0028】
本実施形態に係る分散構成多機能周辺装置1の動作の具体例を、図2ないし図7のフローを用いて説明する。図2を用いて、MFP10での操作フローを説明する。S111において、CPU11は、装置設定の編集操作が行われたか否かを判断する。具体的には、設定データが変更されたか否かが判断される。また、設定データの変更操作は、ユーザによってMFP10のボタン入力部17が操作されることで行われる。
【0029】
編集操作が行われたと判断される場合(S111:YES)にはS201へ進み、装置設定の編集動作が行われる。一方、編集操作が行われていないと判断される場合(S111:NO)にはS113へ進む。S113において、CPU11は、FAX送信操作がユーザによって行われたか否かを判断する。FAX送信操作とは、原稿をスキャナ20にセットし、ボタン入力部17によってFAX送信開始命令を入力する操作である。FAX送信操作が行われたと判断される場合(S113:YES)にはS303へ進む。
【0030】
S303において、CPU11は、スキャナ20を用いて原稿読取を行い、画像データを生成する。そして、画像データをRAM13のMFP側送信画像データエリアに記憶する。また、画像データに関する送信データ情報を生成し、MFP側送信データ情報キューに記憶する。またS305において、CPU11は、送信データ情報を転送キューに記憶する。S307において、CPU11は、BOX転送タイマの値を0にする。そして、フローを終了する。
【0031】
BOX転送タイマについて説明する。BOX転送タイマは、転送キューに記憶されているデータを、時間を指定してBOX31に転送することができる機能である。例えば、間隔時間を5分にセットした場合には、5分経過してBOX転送タイマの値が0になることに応じて、転送キューに記憶されているデータをBOX31に転送する動作を行う。なお、BOX転送タイマは一般的な機能であり、MFP10に予め備えられている。よって本願では、BOX転送タイマを用いることで、新たな機能を追加する必要がない。
【0032】
一方、FAX送信操作が行われていないと判断される場合(S113:NO)にはS115へ進む。S115において、CPU11は、BOX転送タイマの値が0であるか否かを判断する。0であると判断される場合(S115:YES)にはS401へ進み、転送キューに記憶されているデータをBOX31へ転送する動作が行われる。一方、0ではないと判断される場合(S115:NO)には、S117へ進む。
【0033】
S117において、CPU11は、FAX送信終了コマンドをBOX31から受信したか否かを判断する。FAX送信終了コマンドを受信していないと判断される場合(S117:NO)にはS111へ戻り、受信したと判断される場合(S117:YES)にはS119へ進む。S119において、CPU11は、MFP側送信データ情報キューとMFP側送信画像データエリアの該当するデータを消去する。そしてS121に進み、CPU11は、FAX送信終了応答コマンドをBOX31へ送信する。そして、S111へ戻る。以上説明した通り、S111、S113、S115、S117の動作が繰り返されることで、MFP10では待機動作が行われる。
【0034】
図3を用いて、S201における装置設定の編集動作の動作フローを説明する。S203において、CPU11は、編集された設定データが、BOX31に関連しない設定データであるか否かを判断する。当該判断は、装置設定一覧テーブルにおけるBOX31の設定データの一覧の中に、今回編集された設定データの名称(回線種別など)が存在するか否かを、CPU11が検索することで行われる。存在しない場合には、BOX31に関連しない設定データであると判断される(S203:YES)。よってS223へ進み、CPU11は、編集された設定データをMFP側設定データ記憶領域に保存する。これにより、設定データの内容がMFP10の動作に反映される。そしてフローを終了する。一方、BOX31に関連すると判断される場合(S203:NO)には、S205へ進む。
【0035】
S205において、CPU11は、設定データの内容が、FAX送信に関連する内容であるか否かを判断する。当該判断は、装置設定一覧テーブルにおけるFAX送信に関連する設定データの一覧の中に、今回入力された設定データの名称が存在するか否かを、CPU11が検索することで行われる。存在しない場合には、設定データがFAX送信に関連しないと判断され(S205:NO)、S213へ進む。一方、存在する場合には、設定データがFAX送信に関連すると判断され(S205:YES)、S207へ進む。
【0036】
S207において、CPU11は、MFP側送信データ情報キューに送信データ情報が保存されているか否かを判断する。MFP側送信データ情報キューに送信データ情報が保存されていると判断される場合(S207:YES)には、BOX側送信データ情報キューにも送信データが保持されている状態であると判断される。よってS213へ進み、即時に設定データをBOX31へ送信する動作を開始する。
【0037】
一方、MFP側送信データ情報キューに送信データ情報が保存されていないと判断される場合(S207:NO)には、S209へ進む。S209において、CPU11は、編集した設定データを、転送キューに記憶させる。なお、設定データを転送キューに記憶した旨がパネル18に表示される形態としても良い。S211において、CPU11は、BOX転送タイマの値を0にセットする。そしてフローを終了する。
【0038】
S213以降の動作を説明する。S213において、CPU11は、設定データ転送リクエストを無線通信202によってBOX31へ送信する。設定データ転送リクエストは、無線通信202が正常に接続されているか否かをBOX31に問い合わせるための情報である。そして、設定データ転送リクエストに応答して、設定データ転送リクエスト応答がBOX31から返信されてくる場合には、無線通信202が正常に接続されていると判断される。
【0039】
S215において、CPU11は、設定データ転送リクエスト応答をBOXから受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S215:NO)には、無線通信202が正常に接続されていないと判断され、S221へ進む。S221において、CPU11は、設定データをEEPROM14に保存することなく、拒否音を鳴動する。また、「設定できませんでした」「BOXとの接続を確認してください」の旨をパネル18に表示する。これにより、ユーザは、設定データの内容がBOX31の設定に反映されていないことを明確に認識することができる。
【0040】
一方、S215において、設定データ転送リクエスト応答をBOX31から受信したと判断される場合(S215:YES)には、無線通信202が正常に接続されていると判断され、S217へ進む。S217において、CPU11は、編集した設定データをBOX31へ転送する。
【0041】
S219において、CPU11は、設定データ転送応答をBOX31から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S219:NO)には、設定データが正常にBOX31で受信されなかったと判断される。よって、S221へ進み、設定データの内容がBOX31の設定に反映されていないことがユーザに報知される。一方、設定データ転送応答を受信したと判断される場合(S219:YES)には、設定データが正常にBOX31で受信されたと判断され、S223へ進む。S223において、CPU11は、編集した設定データをMFP側設定データ記憶領域に保存する。
【0042】
これにより、BOX側設定データ記憶領域に保持されている設定データの内容を、MFP側設定データ記憶領域にミラーリングすることができる。よって、BOX側設定データ記憶領域に保持されている設定データの内容をMFP10側で判断する際には、MFP側設定データ記憶領域を参照すればよく、無線通信202を用いてBOX側設定データ記憶領域を参照する必要を無くすことができる。
【0043】
図4および図5を用いて、S401におけるBOX31への転送の動作フローを説明する。S405からS421によって、転送キューから設定データのみを抽出してBOX31へ転送する動作が行われる。また、S423からS439によって、転送キューから送信データのみを抽出してBOX31へ転送する動作が行われる。以下、詳細に説明する。
【0044】
S403において、CPU11は、BOX転送タイマの値を「5分」にセットする。なお、BOX転送タイマの値は任意でよく、5分は一例である。 S405において、CPU11は、転送キューのリードポインタが指示するデータを読み出した上で、リードポインタを更新する。例えば、図7(A)の転送キューにおいて、リードポインタがデータ領域A1を指している場合には、CPU11はデータ領域A1に記憶されている送信データ情報D01を読み出す。そして、リードポインタの指示先をデータ領域A1からデータ領域A2に更新する。
【0045】
S407において、CPU11は、転送キューから読み出した情報が終了コードであるか否かを判断する。終了コードであると判断される場合(S407:YES)には、S423(図5)へ進む。一方、終了コードではないと判断される場合(S407:NO)には、S409へ進む。S409において、CPU11は、転送キューから読み出した設定データが、FAX送信に関連するか否かを判断する。FAX送信に関連しないと判断される場合(S409:NO)には、S405へ戻り、次のデータ領域が読み出される。一方、FAX送信に関連すると判断される場合(S409:YES)には、S411へ進む。
【0046】
S411において、CPU11は、設定データ転送リクエストを無線通信202によってBOX31へ送信する。S413において、CPU11は、設定データ転送リクエスト応答をBOX31から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S413:NO)には、無線通信202が正常に接続されていないと判断され、フローを終了する。一方、設定データ転送リクエスト応答を受信したと判断される場合(S413:YES)には、無線通信202が正常に接続されていると判断され、S415へ進む。
【0047】
S415において、CPU11は、設定データをBOX31へ転送する。S417において、CPU11は、設定データ転送応答をBOX31から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S417:NO)には、設定データが正常にBOX31で受信されなかったと判断され、フローを終了する。一方、設定データ転送応答を受信したと判断される場合(S417:YES)には、設定データが正常にBOX31で受信されたと判断され、S419へ進む。S419においてCPU11は、読み出した設定データを、EEPROM14のMFP側設定データ記憶領域に保存する。S421において、CPU11は、BOX31へ転送した設定データを、転送キューから消去する。そしてS405へ戻る。
【0048】
これにより、S405ないしS421が繰り返されることで、リードポインタの指示先を順番に更新していく。そして、設定データのみを転送キューから読み出した上で、BOX31へ転送する動作が行われる。図7(A)に示す転送キューの例では、図7(B)に示すように、データ領域A3の設定データ(回線種別)が1番目に転送され、データ領域A5の設定データ(海外送信モード)が2番目に転送される。
【0049】
S423(図5)に進むと、CPU11は、転送キューのリードポインタを先頭に戻す。例えば、図7(A)の転送キューにおいて、リードポインタがデータ領域A6を指示している場合には、指示先がデータ領域A1に戻される。S425において、CPU11は、転送キューのリードポインタが指示するデータを読み出した上で、リードポインタを更新する。S427において、CPU11は、転送キューから読み出した情報が終了コードであるか否かを判断する。終了コードであると判断される場合(S427:YES)にはフローを終了し、終了コードではないと判断される場合(S427:NO)にはS429へ進む。S429において、CPU11は、送信データ転送リクエストをBOX31へ送信する。送信データ転送リクエストは、無線通信202が正常に接続されているか否かをBOX31に問い合わせるための情報である。
【0050】
S431において、CPU11は、送信データ転送リクエスト応答をBOX31から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S431:NO)には、無線通信202が正常に接続されていないと判断され、フローを終了する。一方、設定データ転送リクエスト応答を受信したと判断される場合(S431:YES)には、無線通信202が正常に接続されていると判断され、S433へ進む。S433において、CPU11は、送信データ情報および画像データをBOX31へ転送する。
【0051】
S435において、CPU11は、送信データ応答をBOX31から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S435:NO)には、送信データが正常にBOX31で受信されなかったと判断され、フローを終了する。一方、送信データ応答を受信したと判断される場合(S435:YES)には、送信データが正常にBOX31で受信されたと判断され、S437へ進む。S437において、CPU11は、転送キューに記憶されている転送済みの送信データ情報を消去する。S439において、CPU11は、MFP側送信データ情報キューに記憶されている転送済みの送信データ情報の転送フラグを転送済みに変更する。そしてS425へ戻る。
【0052】
これにより、S425ないしS439が繰り返されることで、リードポインタの指示先を順番に更新していく。そして、送信データ情報のみを転送キューから読み出した上で、BOX31へ転送する動作が行われる。図7(A)に示す転送キューの例では、図7(B)に示すように、データ領域A1の送信データ情報D01が3番目に転送され、データ領域A2の送信データ情報D02が4番目に転送され、データ領域A4の送信データ情報D03が5番目に転送される。
【0053】
以上説明したように、S401のフローでは、転送キューに送信データ情報および設定データの両方が保持されている場合には、送信データ情報および設定データが転送キューに保存された順番に依らず、設定データを優先してBOX31へ転送することが可能となる。
【0054】
図6を用いて、BOX31での動作フローを説明する。S511において、CPU32は、BOX側送信データ情報キューに送信時刻を過ぎたデータが記憶されているか否かを判断する。送信時刻を過ぎたデータがないと判断される場合(S511:NO)にはS525へ進み、あると判断される場合(S511:YES)にはS513へ進む。
【0055】
S513において、CPU32は、データ送信先に発呼する。S515において、CPU32は、データ送信先が話中であるか、または応答なしであるかを判断する。話中または応答なしと判断される場合(S515:YES)には、S517へ進む。S517において、CPU32は、BOX側送信データ情報キューの送信時刻を、次のリダイヤル発呼時刻に変更する。そしてS525へ進む。
【0056】
一方、データ送信先から応答ありと判断される場合(S515:NO)にはS519へ進む。S519において、CPU32は、FAX送信を実行する。S521において、CPU32は、FAX送信が正常終了したか否かを判断する。正常終了していないと判断される場合(S521:NO)にはS517へ進み、正常終了していると判断される場合(S521:YES)にはS522へ進む。
【0057】
S522において、CPU32は、FAX送信終了コマンドをMFP10へ送信する。S524において、CPU32は、BOX側送信データ情報キューとBOX側送信画像データエリアにおいて、送信済みのデータを消去する。S525において、CPU32は、設定データ転送リクエストをMFP10から受信したか否かを判断する。所定の時間内に受信せず、タイムアウトとなった場合(S525:NO)には、無線通信202が正常に接続されていないと判断され、フローを終了する。一方、設定データ転送リクエスト応答を受信したと判断される場合(S525:YES)には、無線通信202が正常に接続されていると判断され、S527へ進む。S527において、CPU32は、設定データ転送リクエスト応答をMFP10へ送信する。
【0058】
S529において、CPU32は、設定データをMFP10から受信したか否かを判断する。受信していないと判断される場合(S529:NO)にはフローを終了し、受信したと判断される場合(S529:YES)にはS531へ進む。S531において、CPU32は、設定データ応答をMFP10へ送信する。S533において、CPU32は、編集した設定データをEEPROM35のBOX側設定データ記憶領域に保存する。これにより、設定データの内容がBOX31の設定に反映される。
【0059】
S535において、CPU32は、送信データ転送リクエストをMFP10から受信したか否かを判断する。受信していないと判断された場合(S535:NO)にはフローを終了し、受信したと判断される場合(S535:YES)にはS537へ進む。S537において、CPU32は、送信データ転送リクエスト応答をMFP10へ送信する。
【0060】
S539において、CPU32は、送信データ情報および画像データをMFP10から受信したか否かを判断する。受信していないと判断された場合(S539:NO)にはフローを終了し、受信したと判断される場合(S539:YES)にはS541へ進む。S541において、CPU32は、送信データ応答をMFP10へ送信する。S543において、CPU32は、MFP10から受信した送信データ情報をBOX側送信データ情報キューへセットし、MFP10から受信した画像データをBOX側送信画像データエリアへセットする。そしてフローを終了する。
【0061】
本実施例に係る分散構成多機能周辺装置1の動作の具体例を、図9ないし図11のシーケンス図を用いて説明する。図9を用いて、無線通信202に障害が発生していない場合における、分散構成多機能周辺装置1の動作例を説明する。また、FAX送信に関連する設定データについて、編集が行われる場合を説明する。また、設定データの編集時(S205:YES)において、BOX側送信データ情報キューに送信待ちのデータが保持されている場合(S207:YES)を説明する。
【0062】
ユーザによって、設定データの編集操作が行われる(S111:YES)と、設定データの内容がFAX送信に関連する内容であると判断される(S205:YES)。また、MFP側送信データ情報キューに送信データ情報が保存されていると判断される(S207:YES)。よってMFP10は、設定データをBOX31へ即時に送信開始する(S213)。
【0063】
MFP10が送信した設定データ転送リクエスト(S213)が、BOX31で受信される(S525:YES)。BOX31が送信した設定データ転送リクエスト応答(S527)が、MFP10で受信される(S215:YES)。MFP10が送信した設定データ(S217)が、BOX31で受信され(S529:YES)、BOX側設定データ記憶領域に記憶される(S533)ことで、設定データがBOX31の通信設定に反映される。そして、設定データの反映後の通信設定を用いて、第2の送信データキューに保存されている送信データが電話回線47に送出される(S519)。また、BOX31が送信した設定データ応答(S531)がMFP10で受信されることに応じて(S219:YES)、設定データがMFP側設定データ記憶領域にも記憶される(S223)。これにより、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データを、設定データの反映後の通信設定で送信することが可能とされる。
【0064】
図10を用いて、無線通信202に障害が発生している場合における、分散構成多機能周辺装置1の動作例を説明する。その他の前提条件は、図9のシーケンス図の場合と同様であるため、詳細な説明を省略する。ユーザによって、設定データの編集操作が行われることに応じて、設定データがBOX31へ送信開始される(S213)。MFP10は、設定データ転送リクエストをBOX31へ送信開始する(S213)。しかし、無線通信202に障害が発生しているため、BOX31は所定の時間内に設定データ転送リクエストを受信できず、タイムアウトとなる(S525:NO)。よってBOX31でのフローが終了する。またMFP10では、所定の時間内に設定データ転送リクエスト応答をBOX31から受信できず、タイムアウトとなる(S215:NO)。よってMFP10は、設定データの内容がBOX31の設定に反映されていないことをユーザに報知し(S221)、フローを終了する。
【0065】
これにより、ユーザは、編集した設定データの内容が、BOX31の通信設定に反映されていないことを明確に認識することができる。よって、ユーザが所望していない通信設定で、BOX31から電話回線47へ送信データが送出されてしまう事態を防止することができる。
【0066】
図11を用いて、1回目のFAX送信操作、設定変更操作、2回目のFAX送信操作を順にユーザが行う場合の分散構成多機能周辺装置1の動作例を説明する。また、これらの操作を行っている際には無線通信202に障害が発生しており、操作終了後の時刻t1において無線通信202が復旧する場合の動作例を説明する。また、FAX送信に関連する設定データについて編集が行われる場合を説明する。また、BOX転送タイマの値が「5分」にセットされている場合を説明する。
【0067】
ユーザによって、1回目のFAX送信操作が行われると(S113:YES)、送信データが転送キューに保存された上で、BOX転送タイマの値が0とされる(S115:YES)。よって、MFP10は、送信データ転送リクエストをBOX31へ送信する(S429)。しかし、無線通信202に障害が発生しているため、BOX31は所定の時間内に送信データ転送リクエストを受信できず、タイムアウトとなる(S535:NO)。またMFP10では、所定の時間内に送信データ転送リクエスト応答をBOX31から受信できず、タイムアウトとなるため(S431:NO)、フローが終了する。そして、MFP10は、5分ごとに送信データ転送リクエストをBOX31へ送信する動作を繰り返す(S429)。
【0068】
次に、ユーザによって設定変更操作が行われると(S111:YES)、MFP10のMFP側送信データ情報キューには転送済みのデータが記憶されていないため、(S207:NO)、設定データが転送キューに記憶される(S209)。そしてMFP10は、設定データ転送リクエストをBOX31へ送信開始する(S411)。しかし、無線通信202に障害が発生しているため、BOX31は所定の時間内に送信データ転送リクエストを受信できず、タイムアウトとなり(S525:NO)、フローが終了する。またMFP10では、所定の時間内に設定データ転送リクエスト応答をBOX31から受信できず、タイムアウトとなり(S413:NO)、フローが終了する。そして、MFP10は、5分ごとに設定データ転送リクエストをBOX31へ送信する動作を繰り返す(S411)。
【0069】
次に、ユーザによって、2回目のFAX送信操作が行われると(S113:YES)、送信データが転送キューに保存された上で、BOX転送タイマの値が0とされる(S115:YES)。このとき、転送キューには設定データが記憶されているため、送信データの転送よりも設定データの転送の方が優先される(S409:YES)。よって、MFP10は、設定データ転送リクエストをBOX31へ送信する(S411)。しかし、無線通信202に障害が発生しているため、BOX31は所定の時間内に設定データ転送リクエストを受信できず、タイムアウトとなり(S525:NO)、フローが終了する。またMFP10では、所定の時間内に設定データ転送リクエスト応答をBOX31から受信できず、タイムアウトとなり(S413:NO)、フローが終了する。そして、MFP10は、5分ごとに設定データ転送リクエストをBOX31へ送信する動作を繰り返す(S411)。
【0070】
そして、時刻t1において無線通信202が復旧すると、MFP10が送信した設定データ転送リクエスト(S213)が、BOX31で受信される(S525:YES)。BOX31が送信した設定データ転送リクエスト応答(S527)が、MFP10で受信される(S413:YES)。MFP10が送信した設定データ(S415)が、BOX31で受信され(S529:YES)、BOX側設定データ記憶領域に記憶される(S533)。BOX31が送信した設定データ応答(S531)がMFP10で受信され(S417:YES)、設定データがMFP側設定データ記憶領域に記憶される(S419)。
【0071】
設定データの送信が終了すると、次に、1回目のFAX送信操作で生成された送信データの送信が開始される。MFP10が送信した送信データ転送リクエスト(S429)が、BOX31で受信される(S535:YES)。BOX31が送信した設定データ転送リクエスト応答(S537)が、MFP10で受信される(S431:YES)。MFP10が送信した送信データ(S433)がBOX31で受信され(S539:YES)、BOX側送信データ情報キューおよびBOX側送信画像データエリアに記憶される(S543)。BOX31が送信した送信データ応答(S541)が、MFP10で受信され(S435:YES)、転送キューから送信した送信データが消去される(S427)。そしてBOX側送信データ情報キューおよびBOX側送信画像データエリアに記憶された送信データが、電話回線47を介して送信先に送出される(S513)。
【0072】
FAX送信が正常終了すると、BOX31はFAX送信終了コマンドを送信する(S522)。MFP10がFAX送信終了コマンドを受信すると(S117:YES)、MFP側送信データ情報キューとMFP側送信画像データエリアの該当するデータを消去し(S119)、FAX送信終了応答コマンドをBOX31へ送信する(S121)。BOX31は、FAX送信終了応答コマンドに応じて、BOX側送信データ情報キューとBOX側送信画像データエリアの該当するデータを消去する(S524)。これにより、1回目のFAX送信操作により生成された送信データの送信動作が完了する。
【0073】
次に、2回目のFAX送信操作で生成された送信データの送信が開始される。ここで、1回目のFAX送信操作で生成された送信データの送信動作を、説明の便宜上、図11においてT1と定義する。同様に、2回目のFAX送信操作で生成された送信データの送信動作を、説明の便宜上、図11においてT2と定義する。T2における詳細な動作内容は、前述したT1における動作内容と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
【0074】
これにより、転送待ちの転送データおよび設定データが転送キューに記憶されている場合には、転送キューに記憶された順番に関わらず、設定データが優先してBOX31へ転送される。そして、先に転送された設定データの内容をBOX31の設定に反映し、設定反映後の状態で送信データを通信回線に送出することができる。すると例えば、FAX送信操作をした後に、送信データの通信設定(解像度など)を後から変更したいとユーザが考える場合がある。この場合においても、設定データの入力をMFP10で受け付け、設定データを送信データよりも優先してBOX31へ転送し、通信設定変更後の状態で送信データを電話回線47に送出することができる。またユーザが、設定データと送信データをMFP10に入力する際の順番を意識する必要がないため、ユーザの利便性を高めることができる。
【0075】
以上説明した、本実施例の説明例に係る分散構成多機能周辺装置1の効果を説明する。本願では、BOX31の送信設定を行う設定データがMFP10に入力された際(S205:YES)に、送信データがBOX31のBOX側送信データ情報キューに保持されていない場合(S207:NO)には、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データが、ユーザが所望していない通信設定で送信データが電話回線47へ送出される可能性がない場合と判断される。よって、設定データの入力が受け付けられ、入力された設定データがMFP10の転送キューに保持される(S209)。そして、無線通信202が確立できるようになった時点で、設定データをBOX31へ転送する。これにより、無線通信202に障害がある場合でも、MFP10において設定データの入力が一旦受け付けられるため、ユーザが後ほど設定データを再入力するなどの不便性を無くすことが出来る。よって、分散構成多機能周辺装置1の操作性を高めることができる。
【0076】
また本願では、BOX31の送信設定を行う設定データがMFP10に入力された際(S205:Y)に、送信データがBOX31のBOX側送信データ情報キューに保持されている場合(S207:Y)には、無線通信202を行うことができるか否かを検出する。そして、無線通信202を行うことができない旨が検出される場合(S215:NO)には、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データを、設定データの反映後の通信設定で送信したいとユーザが所望しているにも関わらず、反映前の通信設定で送信される可能性がある場合であると判断される。すなわち、ユーザが所望していない通信設定で、BOX31に保持されている送信データが電話回線47へ送出される可能性がある場合と判断される。よって、MFP10での設定データの入力が拒否される(S221)。
【0077】
これにより、MFP10に入力されたBOX31の送信設定をBOX31に転送することができないにも関わらず、設定データの変更がMFP10で受け付けられたために、送信設定の変更がBOX31に反映されたとユーザが誤認識してしまう事態を無くすことができる。よって、ユーザが所望していない設定内容で、BOX31から電話回線47へ送信データが送出されてしまう事態を防止することができる。
【0078】
また、BOX31の送信設定を行う設定データがMFP10に入力された際(S205:Y)に、送信データがBOX側送信データ情報キューに保持されている場合(S207:Y)において、無線通信202を行うことができる旨が検出される場合(S215:Y)には、BOX側送信データ情報キューに保持されている送信データを、設定データの反映後の通信設定で送信できる場合であると判断される。すなわち、ユーザが所望していない通信設定で送信データが電話回線47へ送出される可能性がない場合と判断される。よって、設定データがBOX31へ転送され(S217)、設定データの内容がBOX31の送信設定に反映される。そして、設定データの反映後の通信設定を用いて、BOX側送信データ情報キューに保存されている送信データが電話回線47に送出される。
【0079】
以上より、設定データのMFP10への入力を拒否する必要がある場合のみに拒否を行うことで、ユーザの意思を正確に反映したデータ通信を実行することと、分散構成多機能周辺装置1の操作性を確保することを両立することが可能となる。
【0080】
また、本願の分散構成多機能周辺装置1では、入力される設定データの内容がBOX31の通信設定に関連しないと判断される場合(S205:NO)には、通信設定が変更されることがないため、ユーザが所望していない設定内容で送信データが電話回線47へ送出される可能性がない場合と判断される。よって、MFP10において設定データの入力が受け付けられる。そして、入力された設定データがMFP10の転送キューに保持される。これにより、ユーザが所望していない設定内容で送信データが通信回線へ送出される可能性がない場合を、より正確に識別できる。よって、通信装置の操作性をさらに高めることができる。
【0081】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0082】
転送キューにおいて、設定データが先に転送されるようにデータの順列をソートする形態としてもよい。例えば図7(A)の転送キューの例では、データ領域の並び順が、データ領域A0、A3、A5、A1、A2、A4、A6、A7の順番にソートされる。そして、ソート後の転送キューの順番に従って設定データおよび送信データが読み出されるとしてもよい。
【0083】
また、画像データが記憶されているメモリカード等の外部記憶装置がスロット部21に接続され、CPU11が外部記憶装置から画像データを読み出して送信データを生成する形態であってもよい。また本願の技術は、FAXの画像データを送信する場合に限られず、各種のデータを送信する場合においても適用可能である。
【0084】
なお、MFP10は多機能周辺装置の一例、BOX31は回線制御装置の一例、転送キューは第1の送信データキュー手段の一例、BOX側送信データ情報キューは第2の送信データキュー手段の一例、MFP側送信データ情報キューは第3の送信データキュー手段の一例、パネル18は表示部の一例、設定データの名称は識別子の一例、装置設定一覧テーブルは識別テーブルの一例、無線LAN送受信部15はデータ転送手段の一例、無線LAN送受信部36はデータ受信手段の一例、モデム40は通信手段の一例、である。
【0085】
また、S303を実行する制御部は送信データ取得手段の一例である。S111を実行する制御部は入力受付手段の一例である。S209、S305を実行する制御部は第1の送信データキュー手段の一例である。S415、S433を実行する制御部はデータ転送手段の一例である。S529を実行する制御部はデータ受信手段の一例である。S533を実行する制御部は設定実行手段の一例である。S543を実行する制御部は第2の送信データキュー手段の一例である。S519を実行する制御部は通信手段の一例である。S207を実行する制御部は保持判断手段の一例である。S209を実行する制御部は保持実行手段の一例である。S221を実行する制御部は入力拒否手段の一例である。S205を実行する制御部はデータ内容判断手段の一例である。
【符号の説明】
【0086】
1 分散構成多機能周辺装置
10 MFP
31 BOX
202、203 無線通信
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多機能周辺装置と回線制御装置とを備える通信装置において、
前記多機能周辺装置は、
送信データを取得する送信データ取得手段と、
前記回線制御装置の各種の設定を定める設定データの入力受付動作を行う入力受付手段と、
前記送信データおよび前記設定データを保持する第1の送信データキュー手段と、
前記第1の送信データキュー手段に保持されている前記送信データおよび前記設定データを無線通信により前記回線制御装置に転送するデータ転送手段と
を備え、
前記回線制御装置は、
前記多機能周辺装置から前記無線通信によって転送されてくる前記送信データおよび前記設定データを受信するデータ受信手段と、
受信した前記設定データに応じて各種の設定を実行する設定実行手段と、
受信した前記送信データを保持する第2の送信データキュー手段と、
前記第2の送信データキュー手段に保持されている前記送信データを前記通信回線に送出する通信手段と
を備え、
前記多機能周辺装置は、
前記第2の送信データキュー手段に前記送信データが保持されているか否かを判断する保持判断手段と、
前記保持判断手段で保持されていないと判断される場合に、入力される前記設定データを前記第1の送信データキュー手段に保持する保持実行手段と、
前記保持判断手段で保持されていると判断される場合に前記無線通信を行うことができるか否かを検出し、前記無線通信を行うことができない旨が検出される場合には前記設定データの入力を拒否する入力拒否手段と
をさらに備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記多機能周辺装置は、
入力される前記設定データの内容が前記回線制御装置の通信設定に関連するか否かを判断し、
関連すると判断される場合には、前記保持判断手段、前記保持実行手段、前記入力拒否手段を実行し、
関連しないと判断される場合には、前記設定データを前記第1の送信データキュー手段に保持するデータ内容判断手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1の送信データキュー手段は、
前記送信データおよび前記設定データの両方を保持している場合には、前記送信データおよび前記設定データが保持された順番に依らず、前記設定データを優先して前記回線制御装置へ転送する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記多機能周辺装置は、前記データ転送手段により前記回線制御装置に転送された前記送信データを保持するとともに、前記通信手段により前記第2の送信データキュー手段から前記通信回線に送出された前記通信データを消去する第3の送信データキュー手段を備え、
前記保持判断手段は、前記第3の送信データキュー手段に前記送信データが保持されているか否かを検出することによって、前記第2の送信データキュー手段に前記送信データが保持されているか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記多機能周辺装置は、各種の情報を表示する表示部をさらに備え、
前記入力拒否手段は、前記表示部に前記設定データの入力が受け付けられない旨を表示する
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記多機能周辺装置は、前記回線制御装置の通信設定に関連する前記設定データの識別子を登録した識別テーブルを備え、
前記データ内容判断手段は、入力される前記設定データの識別子と一致する識別子が前記識別テーブルに登録されているか否かを検出することにより、入力される前記設定データの内容が前記回線制御装置の通信設定に関連するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項1】
多機能周辺装置と回線制御装置とを備える通信装置において、
前記多機能周辺装置は、
送信データを取得する送信データ取得手段と、
前記回線制御装置の各種の設定を定める設定データの入力受付動作を行う入力受付手段と、
前記送信データおよび前記設定データを保持する第1の送信データキュー手段と、
前記第1の送信データキュー手段に保持されている前記送信データおよび前記設定データを無線通信により前記回線制御装置に転送するデータ転送手段と
を備え、
前記回線制御装置は、
前記多機能周辺装置から前記無線通信によって転送されてくる前記送信データおよび前記設定データを受信するデータ受信手段と、
受信した前記設定データに応じて各種の設定を実行する設定実行手段と、
受信した前記送信データを保持する第2の送信データキュー手段と、
前記第2の送信データキュー手段に保持されている前記送信データを前記通信回線に送出する通信手段と
を備え、
前記多機能周辺装置は、
前記第2の送信データキュー手段に前記送信データが保持されているか否かを判断する保持判断手段と、
前記保持判断手段で保持されていないと判断される場合に、入力される前記設定データを前記第1の送信データキュー手段に保持する保持実行手段と、
前記保持判断手段で保持されていると判断される場合に前記無線通信を行うことができるか否かを検出し、前記無線通信を行うことができない旨が検出される場合には前記設定データの入力を拒否する入力拒否手段と
をさらに備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記多機能周辺装置は、
入力される前記設定データの内容が前記回線制御装置の通信設定に関連するか否かを判断し、
関連すると判断される場合には、前記保持判断手段、前記保持実行手段、前記入力拒否手段を実行し、
関連しないと判断される場合には、前記設定データを前記第1の送信データキュー手段に保持するデータ内容判断手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記第1の送信データキュー手段は、
前記送信データおよび前記設定データの両方を保持している場合には、前記送信データおよび前記設定データが保持された順番に依らず、前記設定データを優先して前記回線制御装置へ転送する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記多機能周辺装置は、前記データ転送手段により前記回線制御装置に転送された前記送信データを保持するとともに、前記通信手段により前記第2の送信データキュー手段から前記通信回線に送出された前記通信データを消去する第3の送信データキュー手段を備え、
前記保持判断手段は、前記第3の送信データキュー手段に前記送信データが保持されているか否かを検出することによって、前記第2の送信データキュー手段に前記送信データが保持されているか否かを判断する
ことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項5】
前記多機能周辺装置は、各種の情報を表示する表示部をさらに備え、
前記入力拒否手段は、前記表示部に前記設定データの入力が受け付けられない旨を表示する
ことを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記多機能周辺装置は、前記回線制御装置の通信設定に関連する前記設定データの識別子を登録した識別テーブルを備え、
前記データ内容判断手段は、入力される前記設定データの識別子と一致する識別子が前記識別テーブルに登録されているか否かを検出することにより、入力される前記設定データの内容が前記回線制御装置の通信設定に関連するか否かを判断する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−139318(P2011−139318A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−298208(P2009−298208)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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