説明

通気性の弾性的なウェブ

本発明の実施形態は、おむつ、その他の衛生用物品及び包帯等の特定の用途において生じるであろう引張力を与えることによって通気性にされることができる弾性的なウェブに関する。通気性は、ウェブへのスリットの挿入によって達成され、スリットの開放領域は、前記スリットの長軸に沿って作用するウェブにおける力を加えることによって、増大する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な実施態様は、ある用途において生ぜしめられるような引張力を提供することによって通気性にされることができる弾性的なウェブに関する。特に、弾性的なウェブは、一般的にウェブに引張力の提供を生ぜしめる、例えばおむつ、及びその他の個人用衛生物品、及び包帯において使用された場合に通気性にされることができる。
【背景技術】
【0002】
おむつ、トレーニングパンツ又は失禁用ガーメント等の吸収性物品は、装着者に密着し、皮膚の健康を維持しながら身体浸出液を閉じ込める必要がある。多くの慣用の吸収性物品は一般的に、装着者の周囲に物品のウエスト区分を取り付けるファスナ、様々な構成のウェスト弾性体、脚部弾性体、弾性化されたライナ、及び弾性化された外カバーを採用してきた。ファスナ及び弾性部材は、装着者の体形への物品の密着を提供及び維持するのを助けるために採用されており、このことは、閉込め及び快適性を改良することができる。
【0003】
皮膚の健康は、皮膚と接触する空気の湿度を低く保つことによって促進されると考えられている。このような吸収性物品内の湿度レベルを減じるために、通気性ポリマフィルムが外カバーとして採用されてきた。通気性フィルムは一般的に、所望のレベルの液体不透過性及び空気透過性を提供するためにポアが設けられている。その他の吸収性物品デザインは、物品を換気するのを助けるために、さもなければ蒸気不透過性の外カバーに、通気性パネル又はパーフォレーション付き領域の形式の通気性領域を提供するように配置されている。
【0004】
おむつ及びその他の使い捨て物品において使用するための弾性材料は、空気を通過させる穴又は三次元円錐部を提供することによって通気性にされることができる。例えば、Pelkieに発行された米国特許第6303208号及び第5733628号明細書(それぞれ’208特許及び’628特許)は、透過性の、真空成形された三次元弾性ウェブを開示しており、これらの米国特許明細書は引用により全体が本明細書に記載されたものとする。これらの特許に開示されたフィルムは比較的厚く、フィルムを貫通するように形成された穴は、フィルムの構造的一体性に影響する。
【0005】
Curro他に発行された米国特許第6452063号明細書(以下では’063特許と呼ぶ)、細長いアパーチャを有する三次元アパーチャ付き弾性ウェブを開示しており、この明細書の開示内容は引用により全体が本明細書に記載されたものとする。ウェブは、細長いアパーチャの長軸に対して垂直な方向に延伸可能である。’063特許は、良好な延伸特性を備えた多孔質のエラストマウェブを開示しているが、三次元ウェブは不十分な復元を有する。
【0006】
ウェブの延伸の後にポリマウェブにアパーチャを提供するためにスリットを使用することは、Lepoutre及びPieniakに発行された米国特許第3985599号明細書(以下では’599特許と呼ぶ)に開示されており、その開示内容は引用により全体が本明細書に記載されたものとする。しかしながら、’599特許は特に、延伸されていないウェブに亘って増大した引張特性を有する永久に延伸された帯を生ぜしめる形式でウェブに延伸を永久に提供するための手段を提供する。’599特許は、この延伸の結果としてのアパーチャの存在は望ましくないことを開示している。
【0007】
公知の方法及び材料に関連した欠点のここでは記述は、本発明の実施態様の範囲を制限しようとするものではない。事実上、本発明の実施態様は、これらの欠点を有することなく、1つ又は2つ以上の公知の方法、材料及び/又は装置を組み込むことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
改良された吸収性物品のための材料を開発する試みにもかかわらず、使い捨て物品又はそれらの製造において適用するために必要な物理的特性を犠牲にすることなしに、弾性及び通気性を提供することができる材料の必要性が残っている。
【0009】
本発明の様々な実施態様は、材料が、実質的に材料が概して意図された用途において受けるであろう方向に作用する引張力に曝された場合に空隙率を有する弾性的なウェブを提供することによって、既存の弾性的な通気性のウェブの前記限界を克服する。発明者は、スリットを含む領域を含むウェブを製造することが可能であること、及びこのようなスリットの存在が、実質的に材料が意図された用途において受けるであろう方向で引張力が作用している場合にウェブの引張特性にほとんど又は全く影響しないこと、を発見した。さらに、これらのスリットは、引張力がウェブに提供された場合にウェブに空隙率、ひいては通気性を提供するための機構を提供する。本発明の実施態様の製品は、弛緩された状態においてアパーチャを有していないが、可逆性の形式で通気性にされるスリットフィルムである。アパーチャは、通気性が達成されるための、延伸されたウェブの所望の特徴である。
【0010】
本発明の1つの実施態様によれば、ウェブは弾性的なウェブを含み、このウェブにはスリッティング機構によって複数のスリットが挿入されており、スリットの大部分は長軸を有しており、これらの長軸は、共通方向の45゜以内にあるような方向に向けられている。本発明の好適な実施態様において、スリットは、約5よりも大きな、より好適には約25よりも大きなアスペクト比(すなわち短軸に対する長軸の比)を有しており、全ての長軸は実質的に同じ方向に向けられている。長軸が向けられている方向でウェブに引張力が提供された場合、スリットの間の帯が延伸しかつネックをも形成し、スリットをアパーチャになるように拡大させる。従って、アパーチャはウェブに通気性を提供する。従って、通気性のレベルはウェブの延伸が大きくなるに従って増大する。
【0011】
幾つかの用途においてより有効な又は魅力的な柔軟なテクスチャを提供するために、本発明の実施態様の弾性ウェブは1つ又は2つ以上のウェブと組み合わされることができる。このようなウェブは繊維質であることができ、例えば不織布材料又は織布材料であることができる。本発明のこの実施態様は、前記弾性的なウェブと付加的なウェブとを含む複合材料を含む。複合材料は、ウェブの積層、同時押出、又は複合材料を形成するためのあらゆるその他の適切な方法によって製造されることができる。
【0012】
プリフォームされた穴を有する従来公知の弾性ウェブは欠点を有する。この欠点は、このような構造における穴の存在がウェブの物理的強度を低減することである。この物理的強度とは、例えば強度及び破断点伸び等の引張特性によって測定される。その結果、公知のアパーチャ付き材料は、さもなければ不透過性の弾性ウェブのために十分であろうよりも、より厚い、ひいてはより高価な構造を必要とする。プリフォームされた穴を備えたこのようなウェブは、引張力を受けた場合に穴が閉鎖してしまう傾向があり、したがってウェブの空隙率、ひいては通気性を低減するという欠点も有する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の実施態様は、それ自体で、複合体として又は好適には、1つ又は2つ以上の支持ウェブを備えた積層構造として使用されることができる通気性のエラストマウェブに関する。“弾性的”及び“エラストマ”という用語はこの記述において互いに置き換えて使用されることができる。
【0014】
本発明の実施態様のエラストマウェブは、公知の通気性エラストマ製品よりも利点を有する。なぜならば、ウェブを約10%よりも多く延伸させるのに十分な引張力がウェブに提供されると本発明のウェブに通気性が付与されるからである。“通気性”及び“空隙率”という用語はこの記述を通じて互いに置き換えて使用されてよいことが理解されるであろう。ウェブの通気性は、ウェブが延伸するにつれて増大し、ある用途において有効な所望の通気性レベルを付与するために必要とされる延伸の量は、通常、これらの用途においてウェブが受ける延伸の量である。
【0015】
本発明の実施態様のウェブは、使い捨ておむつのウエストバンド、固定部材及びサイドパネル等の用途において有効であり、これらの用途において、ウェブは、おむつが装着者(例えば乳幼児又は大人)のウェストの形状に合わせて変形するときにフープ応力を受ける。本発明のウェブは包帯において使用されることもでき、包帯においては、包帯が巻かれた身体部分に包帯を固定させるために包帯に応力が付与される。これらの例は本発明のウェブのための排他的な用途として取られるべきではなく、本発明は、応力の影響下の通気性が望ましいあらゆる分野において用途を見つけるであろう。
【0016】
本発明の実施態様は、アパーチャを有しており、延伸された場合、特に最終用途条件において材料が受ける力の方向に作用する引張力によって延伸された場合に通気性である弾性的材料を提供する(例えば通常、装着者のウェストを掴むおむつのウエストバンドのフープ応力を受けるおむつのサイドタブにおいて)。最終用途条件において材料が受ける力の方向での応力の別の例は、身体部分に巻き付けられた又は延伸されてから接着された包帯によって受けられる応力を含む。
【0017】
本発明の実施態様は、延伸された場合に通気性であるが、アパーチャなしのウェブの実質的に全ての物理的特性を保持する弾性材料をも提供する。このような材料は、通常はアパーチャが設けられている、ひいては高温ニードルパンチ又は真空成形等の処理によって通気性にされているウェブに関連した物理的特性の著しい損失という欠点を有さない。
【0018】
本発明の実施態様は、以下で参照されるように、以下の定義及び図1〜10を参照することによって理解されることができる。
【0019】
“ウェブ”という用語は、ロールとして巻成されることができる材料を指す。ウェブは、フィルムウェブ、不織布ウェブ、積層ウェブ、アパーチャ付き積層ウェブ等であることができる。
【0020】
本発明の特性を説明するために使用された場合の“実質的に”という用語は、特性が、述べられた値の±10%だけ逸脱することができることを意味するものと取られる。2つの方向の間の角度の場合、“実質的に”という用語は、述べられた角度の±10゜の範囲であることを意味する。
【0021】
この記述を通じて、“アパーチャなしフィルム”又は“アパーチャなしウェブ”は、引張力が加えられていない時の、空気又は水蒸気に対して通気性にするためにフィルム又はウェブに挿入された穴、アパーチャ、ポア又はスリットを有さないフィルム又はウェブを指す。この開示の文脈における“通気性”という用語は、“Test Method”という表題の区分に明示された条件の下で試験された場合に少なくとも約1.0(m/m/min)の空隙率を有することを意味する。
【0022】
ここで使用される場合、“弾性的”という用語は、引張力を提供することによって、延伸された長さ、好適にはその初期の延伸されていない長さの少なくとも100%にまで延伸可能であり、以下に従って25%以上の復元を生じる材料を記述するために使用される:
復元(%)=100×(Ls−Lf)/(Ls−Lo)
ここで
Lo=初期長さ
Ls=延伸したときの長さ
Lf=最終的な長さ。
【0023】
ここで使用される場合、“スリット”は、長軸及び短軸を有する細長い穴として定義される。短軸に対する長軸の長さの比はスリットのアスペクト比であり、本発明の様々な実施態様においてはこのアスペクト比は好適には5.0よりも大きく、より好適には10.0よりも大きく、さらに一層好適には20.0よりも大きく、最も好適には100.0よりも大きい。
【0024】
ここで使用される場合、スリットは線形又は非線形の側部を有しており、これらの側部は互いに平行又は非平行であってよい。非平行の側部の例は、曲線又は波線である。択一的に、スリットは、鋭角又は鈍角でぶつかる2つ又は3つ以上の線形又は湾曲セグメントを含む側部を有していてよい。
【0025】
ここで使用される場合、“数密度”という用語は、ウェブ表面の領域におけるスリット数毎平方インチを指す。
【0026】
本発明の実施態様によれば、ウェブは、複数のスリットを有する1つ又は2つ以上の領域を備えた上面及び下面を含む。ウェブは、延伸可能なウェブを含み、このウェブにはスリッティング機構によって複数のスリットが挿入されており、スリットの大部分は長軸を有しており、これらの長軸は、ウェブ表面における共通方向の45゜以内であるような方向に向けられている。ウェブの別の好適な実施態様において、スリットは、スリットの長軸がウェブ表面における共通方向の30゜以内の角度に向けられながら、それぞれ配置されている。さらに、別の好適な実施態様において、スリットは、スリットの長軸がウェブ表面における共通方向の15゜以内の角度に向けられながら、それぞれ配置されている。ウェブの好適な実施態様において、スリットの長軸の長さは約0.25〜約25mmの範囲である。別の好適な実施態様において、前記スリットの長軸の長さは、約1.25〜約12.5mmであり、約2.5〜約6.25mmである。
【0027】
ウェブの1つの好適な実施態様によれば、スリットは約25よりも大きなアスペクト比(例えば短軸に対する長軸の比)を有しており、スリットの長軸の全ては、実質的に同じ方向に向けられている。好適な実施態様において、スリットは、長軸及び短軸によって特徴づけられており、短軸に対する長軸の比(アスペクト比)は約5よりも大きい。長軸が向けられている方向でウェブに引張力が提供されると、スリットの間の帯が延伸しかつネックを形成し、スリットをアパーチャに拡大させる。引張力が共通方向に沿ってウェブに提供された場合にもスリットは開放する。次いで、アパーチャはウェブに通気性を提供する。通気性のレベルは、ウェブの延伸が増大するにつれて増大する。
【0028】
ウェブのより好適な実施態様において、スリットは、ウェブ表面上において領域を形成するように組織化されている。これらの領域は境界を有しており、境界の外側において、スリットは、別の領域の内側を除いてはウェブ表面上に見られない。前記領域内ではスリットは規則的に配列されており、この規則的な配列は、4つのパラメータによって特徴づけられることができ、これらのパラメータは、スリットの寸法を規定し、配列における他のスリットに対するスリットの位置を規定する。ウェブの実施形態において、いずれか1つ又は2つ以上の前記領域におけるスリットの配列はアレイに組織化されており、前記アレイは、長軸が実質的に平行なスリットの列を含み、前記列は、スリット長さSLと、相対スリット分離SSと、相対列分離RSと、相対列オフセットROとによって特徴づけられている。最も好適な実施態様は、ウェブが使用される用途に適したスリットの密度及び寸法を有する。例えば、おむつのウエストバンドの用途のためには、スリット長さ(SL)は0.25〜25mmの範囲、より好適には1.25〜12.5、最も好適には2.5〜6.25mmである。ウェブの好適な実施態様において、アレイは六角形対称を有しており、列オフセット値RO=SS/2である。別の好適な実施態様において、アレイは矩形対称を有しており、列オフセット値RO=0である。さらに別の好適な実施態様において、アレイは、互い違いの構成を有しており、列オフセット値RO=SS/2に等しくない。ウェブの別の好適な実施態様において、アレイの相対列分離RSの値は−0.9と10.0との間である。別の好適な実施態様において、アレイの相対列分離は−0.25と2.0との間である。好適な実施態様において、相対列オフセット値は0.5未満である。別の好適な実施態様において、相対列オフセット値ROは0.25未満である。
【0029】
ウェブの別の実施態様において、スリットは、ウェブにおけるいずれか1つ又は2つ以上の前記領域内にランダムに位置決めされている。スリットの長軸はウェブの平面においてランダムに向けられている。本発明のこの実施態様の有効性は、領域におけるスリットの配列の規則性に完全に依存するわけではなく、ランダムなアレイは、ここに記述された利益を提供するのに十分であろう。
【0030】
ウェブの別の好適な実施態様によれば、いずれか1つ又は2つ以上の前記領域内の、スリットの数密度毎平方インチは5〜1000である。ウェブの別の好適な実施態様において、いずれか1つ又は2つ以上の前記領域内の、スリットの数密度毎平方インチは10〜500である。ウェブの別の好適な実施態様において、いずれか1つ又は2つ以上の前記領域内の、スリットの数密度毎平方インチは20〜100である。
【0031】
ウェブの別の好適な実施態様において、いずれか1つ又は2つ以上の前記領域内の、スリットの全長毎平方インチは0.5〜50インチ/平方インチである。別の好適な実施態様において、いずれか1つ又は2つ以上の前記領域内の、スリットの全長毎平方インチは1〜25インチ/平方インチ。さらに別の好適な実施態様において、いずれか1つ又は2つ以上の前記領域内の、スリットの全長毎平方インチは2.0〜10インチ/平方インチである。
【0032】
本発明の実施態様において弾性的ウェブの構成の材料として有効なエラストマ材料は、ポリエチレンエラストマ及びポリウレタンウェブ等のポリオレフィンタイプ材料を含む。好適な実施態様において、好適なエラストマウェブ材料は、その元の長さの少なくとも約300〜400%延伸された後に実質的に完全な復元を達成することができる。適切な延伸可能なエラストマ材料は、天然ポリマ材料及び合成ポリマ材料を含み、合成ポリマ材料は、イソプレン、ブタジエン−スチレン材料及びその他のエラストマを含む。その他の適切なエラストマは、スチレンブロック共重合体、例えばスチレン/イソプレン/スチレン(SIS)、スチレン/ブタジエン/スチレン(SBS)又はスチレン/エチレン−ブテン/スチレン(SEBS)ブロック共重合体を含む。これらのポリマのブレンド自体、又はその他の改質弾性又はエラストマ材料を備えたこれらのポリマのブレンドも、本発明の実施態様において有効であると考えられる。好適な実施態様において、エラストマ材料は、エラストマブロックコポリマであるKraton PolymersのKraton(R)エラストマ樹脂等のこのような高性能エラストマ材料を含むことができる。
【0033】
幾つかの用途においてより有効な又は魅力的な柔軟なテクスチャを提供するために、本発明の実施態様の弾性的なウェブは1つ又は2つ以上のウェブと組み合わされることができる。このようなウェブは、性質において繊維質であることができかつ、好適には不織布及び織布材料である。本発明のこの実施態様は、前記のような、スリットを有する弾性的なウェブと付加的なウェブとを含む複合材料を含む。複合材料は、ウェブの積層、同時押出、又は複合材料を形成するためのあらゆるその他の適切な方法によって製造されることができる。
【0034】
エラストマ材料及びその他のウェブの積層体を製造する方法の例は米国特許第6475600号明細書、第5156793号明細書、第5422172号明細書に開示されており、これらのそれぞれの米国特許明細書の開示内容は引用により全体が本明細書に記載されたものとする。米国特許第6475600号明細書は、弾性材料の少なくとも1つの層と、シート層のネック付き積層体とから形成された通気性複合材料を開示している。通気性積層体は、まず充填された非弾性フィルム層を部分的に延伸し、積層体を形成するように非弾性ネック形成可能な層を取り付け、次いで、積層体をネック形成するように積層体を延伸し、フィルムを所望の完全に延伸された状態に延長させる。米国特許第5156793号明細書は、弾性化の方向に対して実質的に垂直に向けられた軸線に沿った様々な点において弾性化の方向に測定された、弾性の不均一な程度を有する“ゼロ応力”延伸積層体を開示している。“ゼロ応力”延伸積層体材料は、実質的に緊張させられていない条件においてそれらの同一延在面の少なくとも一部に沿って互いに断続的に又は実質的に連続的に固定された少なくとも2層の材料から形成されている。米国特許第5422172号明細書は、増分で延伸された不織布繊維質ウェブの弾性的な積層されたシートと、延伸性及び復元性の特性を有するエラストマフィルムとを開示している。積層体は、エラストマフィルムへの不織布繊維質ウェブの押出し又は接着の方法によって形成される。当業者は、ここに提供されたガイドラインを使用して、スリット付き弾性ウェブ及び別のウェブから複合材料を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
ここで図面を参照すると、ウェブの表面のスリット領域は、多数のスリットが見られる領域であると取られる。スリット領域は、離散的であることができ、さもなければ連続的なウェブ表面における1つ又は複数の島の外見を提供する。スリットのこのような配列の例は図1に示されており、図1は例として理解されるべきであり、本発明の様々な実施態様を表すスリット又は領域の可能な配列を制限しようとするものではない。図1において、ウェブ(102)は領域(103)を含み、それぞれの領域は複数のスリット(101)を含む。領域(103)は、前記領域の境界を示すために、点線によって境界を定められて示されている。点線は、ウェブ上の構成として解釈されるべきではない。図1の例において、ウェブ(102)のアパーチャなし領域は連続的な表面を形成しており、ここでは領域は“島”のように見える。
【0036】
図1に示された領域におけるスリットは、規則的アレイに配置されて見られることができ、ここでスリットの列は六角形アレイを形成している。本発明のこの実施態様の有効性は領域におけるスリットの配列の規則性に依存せず、ランダムなアレイは、ここに記述された利益を提供するのに十分である。
【0037】
図2は、与えられた試料においてどのようにスリット領域が連続的であることができるかの例を示しており、スリット(202)の連続的な領域における島の外見を提供するスリット無し領域(201)を備えている。再び、図2は、例として理解されるべきであり、本発明の実施態様を表すスリット又は領域の可能な配列を制限しようとするものではない。
【0038】
択一的に、スリット領域は、図3に概略的に表されたように、ウェブの長さに沿った又は幅を横切った1つ又は2つ以上の連続的なストライプとして見られることができる。図3において、連続的なストライプ状のスリット領域(302)は、さもなければスリットが設けられていないウェブ(301)に示されている。
【0039】
“スリットの列”が図4に規定されており、この場合、領域は、ウェブの1つの方向に列を成して配置されている。図4に示されたスリット(401)は、長軸が共通の方向(402)を向くように配置されている。
【0040】
“ストライプ状のパターン”が図5に示されており、この場合、スリットの領域は、平行(501及び503)、又は非平行(502及び504)、線形(501又は502)又は非線形(503又は504)の列で配置されており、ウェブの平面における共通の方向(505)を供給している。図5に示された4つのパターン例のそれぞれにおいて、スリットの長軸は共通の方向(505)を共有している。
【0041】
“スリット長さ”(SL)及び“相対的なスリット分離”(SS)は、本発明のウェブのスリット領域の寸法的パラメータを意味しており、図6を参照することによってより完全に理解されることができる。これらの定義はスリットのあらゆる列に適用可能であると理解され、この場合、SLはインチで表したスリットの長さであり、Dはインチで表した絶対的なスリット分離であり、SSはD/SLに等しい。
【0042】
“絶対的な列分離”及び“絶対的な列オフセット”という表現は、本発明のウェブのスリット領域の寸法的パラメータを意味し、この場合、スリットは、隣接する列に位置決めされていると見なされる。これらの表現は、図7を参照することによってよりよく理解されることができ、図7では、これらの表現が、図7に示されたスリット(701)のセットに関して定義されている。
【0043】
“絶対的な列分離”及び“絶対的な列オフセット”という表現は、隣接する列に配置されたスリットのあらゆるセットにさらに適用されることができるパラメータを規定するために使用されることができる。このようなスリットのセットを特徴づけるために、相対的な列分離(RS)は、SL(スリット長さ)によって分割された測定された絶対的な列分離として定義される。“相対的な列オフセット”(RO)は、スリット(SL)の間の測定された分離によって分割された列の間の“絶対的な列オフセット”に等しい。
【0044】
したがって、ウェブにおけるスリットの領域は4つの数値、すなわちSL/SS/RS/ROによって特徴づけられることができ、後者の3つの数値は無次元である。この用語は、本発明の例を説明する場合に使用される。例えば、1.5インチ/1.0/0.33/0.5という用語は図8に示されたスリットパターンを表している:
SL=1.5インチ;
SS=1.0(=1.5インチ/1.5インチ);
RS=0.33(=0.5インチ/1.5インチ);及び
RO=0/5(=0.75インチ/1.5インチ)。
【0045】
図8は、縮尺通りに描かれていないが、スリット分離、絶対的な列分離及び絶対的な列オフセットが例におけるスリット長さに対して規定された比であるような、スリット領域の概略的な表示である。
【0046】
この説明を通じて使用されるような“共通方向”という表現は、ウェブの平面におけるあらゆる方向を意味し、この方向に対してそれぞれのスリットの長軸との角度が測定されることができる。例えば全てのスリットの長軸の向きが共通方向から±5゜であるならば、その領域における全てのスリットの長軸の方向から5゜以下を指した共通方向がウェブの平面において見られる。図9は、スリットの領域の共通方向(904)の例を示している。スリット(901)は方向(902)に対して角度(903)を有する。方向(902)は、領域におけるスリットの全ての他の長軸に対しても角度を形成しており、この方向が全てのスリットに関して形成した全ての角度のセットの最大角度によって規定されることができる。共通方向は、スリットの長軸の角度(902)が5゜だけ変化する方向である。
【0047】
ウェブの平面におけるスリットの位置を説明するために使用される場合の“ランダムに”という用語は、スリットがウェブの表面に配置される形式において認識可能な規則的なパターン、例えば矩形、六角形等が見られないことを意味する。
【0048】
スリットの領域の“開放領域”という表現は、パーセンテージ(%)として報告されかつ、図10を参照することによってよりよく理解され、図10において、ウェブの平面において開放したウェブの領域が写真において黒い空間として見られる。したがって、“開放領域”は、ウェブの写真における黒(1002)として見られる空間の領域を、スリット領域におけるウェブの合計面積によって割ったものである。本発明者は、開放領域をフィルム又はウェブの空隙率と相関させることは困難であると考える。なぜならば、部分的に、空隙率はポアの寸法及び形状と、ウェブの厚さに依存するからである。本発明の好適な実施態様が意図される意図された使用のために、約1%の開放領域は、“通気性”であると考えられる構造における通気性のレベルよりも高い空隙率を誘発するのに十分である。したがって、約0.5%、好適には約1%の最大開放領域は、好適な構造における有効な実用的な下限である。本発明の好適な実施態様において、前記ウェブは、100%延伸まで延伸された場合に1%よりも大きな開放領域を有する。
【0049】
本発明の実施態様の文脈における“可逆的に”という用語は、引張力を提供することによってウェブの空隙率が増大し、引張力を除去することによってウェブの空隙率が減少することを意味する。空隙率のこのような増減が、少なくとも20サイクル、より好適には少なくとも50サイクルに亘って、ウェブの対応する延伸及び弛緩に応答して繰り返し生じることは好適である。
【0050】
本発明の実施態様の文脈における“不織布”という用語は、好適には、多数の繊維から成るウェブを意味する。繊維は、互いに接着されることができるか、接着されていないことができる。繊維は、ステープル繊維又は連続糸であることができる。繊維は、単一材料を含むことができるか又は、種々異なる繊維の組み合わせとして又は、それぞれが異なる材料から成る同じ繊維の組み合わせとしての多数の材料を含むことができる。
【0051】
本発明の1つの実施態様において有効な不織布ウェブは、ウェブを形成するためのあらゆるプロセスの製品であることができる。不織布ウェブを製造するための公知の方法の例は、スパンボンド及びメルトブロー不織布ウェブを製造するプロセスを含む。本発明の様々な実施態様において有効な不織布ウェブは、公知の不織布ウェブのいずれであってもよいか又は、スパンボンド又はメルトブローウェブ等のウェブの複合体又は組み合わせであってよい。本発明の好適な実施態様において、ウェブは、ポリプロピレン繊維から成るスパンボンド材料である。当業者は、不織布ウェブが、繊維が製造されることができるあらゆるポリマ材料であってよいことを認めるであろう。
【0052】
不織布ウェブがあらゆる与えられた方向で延伸可能であるとは、その方向でウェブに引張力が提供された場合にウェブがその方向で膨張し、好適には、必ずしも繊維の破壊又はウェブ構造の過度の歪みなしに応力がウェブに誘発されることを意味する。
【0053】
本発明の様々な実施態様において有効な複合材料は、スリット付き材料に接着された繊維質ウェブ(例えば不織布ウェブ)を含む。接着は、接着のための複数の公知の機構のいずれかによって達成されることができる。この機構は、接着剤積層、熱積層及び真空積層を含むがこれらに限定されない。
【0054】
“接着剤積層”という表現は、2つのウェブ表面が、ウェブの一方又は両方に規則的又はランダムなパターンで接着剤及び選択的に熱を提供することによって互いに接着されるプロセスを意味する。十分な圧力が、互いに接触した表面に提供され、圧力が排除されたときにこれらの面は互いに固定されたままである。
【0055】
“熱積層”という表現は、2つのウェブ表面が熱及び圧力を提供することによって互いに接着されるプロセスを意味し、圧力が排除された時にこれらの表面が固定されたままである。
【0056】
“真空積層”という表現は、2つのウェブ表面が熱及び真空を提供することによって互いに接着されるプロセスを意味し、真空は表面のうちの一方に対して提供される。ウェブのうちの一方は、ポリマの溶融したカーテンであってよく、このカーテンから、他のウェブとの積層が進行しながらスクリーン又はロールによって熱が除去される。
【0057】
ここで使用される場合“吸収性物品”という表現は、液体又は半固体材料を吸収しかつ閉じ込める物品を意味する。より具体的には、この表現は、身体から排出される様々な浸出液を吸収しかつ閉じ込めるために装着者の身体に対して又は近接して配置される物品を意味する。“吸収性物品”という表現は、おむつ、失禁用物品、衛生用ナプキン、パンティライナ、及び身体浸出液を吸収するために使用されるその他の物品を含むことが意図されている。“使い捨て”という用語は、一回の使用後に廃棄され、好適にはリサイクル、堆肥化、又はさもなければ環境的に両立可能な形式で廃棄されることが意図された物品であり、この物品は、洗濯又はさもなければ吸収性物品として復元又は再利用されることは意図されていない。
【0058】
“おむつ”という用語は、足の間に引き上げられかつ装着者のウエストの周囲に固定される、概して乳幼児及び失禁者によって装着されるガーメントを意味する。おむつの例は、米国再発行特許第26152号明細書、米国特許第3860003号明細書、米国特許第4610678号明細書、米国特許第4673402号明細書、米国特許第4695278号明細書、米国特許第4704115号明細書、米国特許第4834735号明細書、米国特許第4888231号明細書、米国特許第4909803号明細書に開示されている。これらの特許の開示内容は引用により全体が本明細書に記載されたものとする。
【0059】
“失禁用物品”という表現は、大人又はその他の失禁者によって装着されるかどうかにかかわらず、パッド、下着(ベルト等の同じタイプの懸吊システムによって所定の位置に保持されるパッド)、吸収性物品のための挿入体、吸収性物品のためのキャパシティブースタ、ブリーフ、ベッドパッド等を意味する。失禁物品の例は、米国特許第4253461号明細書、米国特許第4597760号明細書、米国特許第4704115号明細書、米国特許第4909802号明細書及び米国特許第4964860号明細書に開示されている。これらの特許の開示内容は引用により全体が本明細書に記載されたものとする。
【0060】
“衛生用ナプキン”という表現は、身体から排出される様々な浸出液(例えば血液、月経分泌物、尿)を吸収しかつ閉じ込めることが意図された、外陰部に隣接して女性によって装着される物品を意味する。衛生用ナプキンの例は、米国特許第4285343号明細書、米国特許第4589876号明細書、米国特許第4687478号明細書、米国特許第4917697号明細書、米国特許第5007906号明細書、米国特許第4950264号明細書、米国特許第5009653号明細書に開示されている。これらの特許の開示内容は引用により全体が本明細書に記載されたものとする。
【0061】
本発明の好適な実施態様において、上に引用された吸収性物品、使い捨ておむつ、弾性包帯、失禁用物品、衛生用物品はそれぞれ本発明のウェブを含むことができる。
【0062】
試料製造及び引張測定
エンボス加工された弾性フィルムの試料は、金属スクリーンに対して溶融ウェブをキャスティングすることによって製造された。次いで、試料は、交換可能な刃を備えたホビーナイフを使用して3つの構成にスリットされた。アパーチャなしフィルムは3.13milの合計ゲージ厚を有していた。スリット領域は、引張り試験装置のグリップの間のフィルム領域全体を取り囲んでいた(ミネソタ州エデンプレーリーのMTSのmodel Synergie 200)。
【0063】
表1のデータを理解するために、“200%ひずみサイクル1における負荷”は、317.5mm/分で200%ひずみまで延伸された後に31.75mmのゲージ長を備えた試料50.8mm幅によって被られた負荷である。
【0064】
“復元サイクル2による30%ひずみにおける負荷”は、317.5で200%ひずみまで延伸された後に31.75mmのゲージ長を備えた試料50.8mm幅によって被られた負荷であり、200%延伸において試料は30秒間保持され、次いで、317.5mm/分で0%延伸まで弛緩させられ、0%延伸において試料は60秒間保持され、次いで317.5mm/分で200%ひずみまで延伸させられ、200%延伸において試料は30秒間保持され、次いで317.5mm/分で弛緩させられ、30%ひずみにおける負荷が記述された。
【0065】
“サイクル2保持の間の力弛緩”は、317.5mm/分で200%ひずみまで31.75mmのゲージ長を備えた50.8mm幅である試料を延伸した後に得られ、200%延伸において試料は30秒間保持される。次いで、試料は317.5mm/分で0%延伸まで弛緩させられ、0%延伸において試料は60秒間保持され、次いで、317.5mm/分で200%ひずみまで延伸させられ、200%延伸において試料は30秒間保持される。測定された力弛緩は、保持期間の開始時に測定された負荷に対する30秒間の保持の最後における負荷における降下である。
【0066】
“セットサイクル2”は、試料の延伸後に得られ、この試料は317.5mm/分で200%延伸まで31.75mmのゲージ長さを備えた50.8mm幅であり、200%延伸において試料は30秒間保持され、次いで、317.5mm/分で0%延伸まで弛緩させられ、0%延伸において試料は60秒間保持され、次いで317.5mm/分で延伸させられる。永久ひずみは、試料の延伸であり、この延伸においてロードセルは第2の延伸における測定可能な負荷を検出する。
【0067】
空隙率試験
空隙率試験は、125Paの試験圧力で20cmオリフィスを備えたTextest FX 3300(サウスカロライナ州Advanced Testing Instruments Corp.)において行われた。
【0068】
空隙率は、表に記載されたようなスリットパターンを有する、スリット弾性フィルムの例のために0%、50%、100%、150%及び200%の試料延伸で試験された。基本フィルムは、低密度ポリエチレン、線形低密度ポリエチレン及びアイソタクチックポリプロピレンを含むスキン0.165milを備えたスチレンブロック共重合体を含む2.4mil厚さコアを備えた3層同時押出フィルムから成る。
【実施例】
【0069】
本発明の実施態様の多くの利点の1つは、アパーチャなしフィルムのほとんど又は実質的に全ての物理的特性を維持するための能力である。以下の表1はフィルムヒステリシス特性に対するスリット形成の効果を示している。
【0070】
【表1】

【0071】
スリットフィルムは全て、200%まで、スリットなしフィルムの負荷取扱い能力を保持しており、15.0%のスリット無しフィルムのための基本セットでの、せいぜい9.9%の第2サイクルにおけるセットの増大があった。
【0072】
表2に示された様々なアレイの引張特性は表3〜5に提供されている。スリット領域はこれらの例におけるフィルム領域全体を取り囲んでいた。先行フィルムは、その結果が表1に提供された実施態様において使用された先行フィルムと同一であった。
【0073】
【表2】

【0074】
引張特性(ピーク負荷、破断点ひずみ、及び5%〜500%までの様々なひずみにおける負荷)は、50.8mm幅で、初期ゲージ長毎分の1000%に等しい延伸率で25.4mm又は31.75mmのゲージ長を備えた標本を延伸するためのライングリップを使用することによって決定された。
【0075】
【表3】

【0076】
【表4】

【0077】
【表5】

【0078】
表3〜5から、先行フィルムと比較した場合、スリットフィルムにおける耐荷力における、あるとしても極めて僅かな損失があるということが分かる。
【0079】
表6は、“Test Methods”の下で規定された試験プロトコルに従って、3つの代表的なスリットパターンから空隙率データを提供している。
【0080】
比較のために、真空アパーチャ形成された弾性フィルムも、同一条件下で試験され、その結果は表7に示されている。真空アパーチャ形成された弾性フィルムは、低密度ポリエチレン及び線形低密度ポリエチレンを含むスキン0.165mil厚さを備えたスチレンブロック共重合体を含む2.8mil厚さコアを備えた3層同時押出フィルムであった。
【0081】
【表6】

【0082】
【表7】

【0083】
表6及び表7から、フィルムに張力が加えられた場合スリットアレイの空隙率は増大するのに対し、真空アパーチャ形成フィルムの空隙率は、実際には、もはや通気性ではないと考えられる点にまで減少する。スリットパターン2.5mm/1.0/0.0/0.5は、それが構造のために利用可能な空隙率を最大化するという点において、本発明の好適な実施態様を代表する。
【0084】
他のウェブ、特に柔軟性及びロフトを与えることができる不織布材料に弾性ウェブを積層することによって複合材料を形成するために、本発明の有用性は拡大されることができる。ウェブの積層は複数の方法によって達せられることができる。適切な方法は、真空積層、接着剤積層及び熱積層を含むがこれらに限定されない。本発明のスリットウェブに接着されたウェブは“二次的なウェブ”と呼ばれることができるが、この表現は実際には、1つの二次的なウェブのみが本発明の弾性ウェブに接着されている場合を含む。
【0085】
好適な実施態様において、複合材料はウェブを含み、ウェブは、片面又は両面に、接着機構によって、1つ又は2つ以上の二次的なウェブに接着されている。好適な実施態様において、複合材料は、二次的なウェブに接着されたウェブを含み、二次的なウェブは不織布を含む。好適には、二次的なウェブは、延伸可能なウェブの共通方向に延伸可能な不織布である。別の好適な実施態様において、複合材料は、真空積層及び接着剤積層を含む接着手段によって接着されている。
【0086】
上記の本発明の実施態様の例は、スリット及びスリットの領域の特定の寸法及び構成に限定されているが、スリット及びスリットの領域のそれ以外の寸法及び構成によって同様の利点が得られることが認識されるであろう。本発明の精神及び範囲から逸脱することなく本発明の様々な実施態様に様々な変更及び修正がなされることができることを当業者は認識するであろう。全てのこのような変更は本発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】連続的なウェブ表面におけるスリットの領域を示している。
【図2】スリットの連続的な領域を示しており、この領域にウェブの不連続な領域が設けられている。
【図3】連続的なストライプであるスリットの領域の例を示している。
【図4】ウェブの平面において一方向に一列に配置された一列のスリットの例を示している。
【図5】共通の方向の例を示しており、この方向でスリットの領域が平行な、非平行な、線形の及び非線形の列で配置されているがウェブの平面において共通の方向を共有している。
【図6】“スリット長さ”、“絶対スリット分離”及び相対スリット分離という用語を定義するために使用されたスリットのセットを示している。
【図7】列を成して位置決めされたスリットのための“絶対列分離”及び“絶対列オフセット”という用語を定義するスリットを示している。
【図8】(1.5in/1.0/0.33/0.5)という表現によって定義されたスリットの領域を示している。
【図9】長軸が共通の方向の所定の角度範囲内であるように向けられたスリットのセットの例を示している。
【図10】引張力を受けたスリットの領域を示しており、提供された力によって開放された領域を示している。次いで、領域の面積は、ウェブのための開放領域を規定するために使用されることができる。
【符号の説明】
【0088】
101 スリット、 102 ウェブ、 103 領域、 201 スリットなし領域、 202 スリット、 301 ウェブ、 302 ストライプ状のスリット領域、 401 スリット、 402 共通方向、 501,502,503,504 領域、 505 共通方向、 701,801,901 スリット、 902 方向、 903 角度、 1002 開放領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
延伸可能なウェブにおいて、
該ウェブが上面及び下面を有しておりかつ、複数のスリットを有する1つ又は2つ以上の領域を含んでおり、
i.各スリットが上面と下面とを結合しており、
ii.スリットの長軸がウェブ表面上における共通方向の45゜以内の角度に向けられており、
iii.引張力がウェブに共通方向に沿って提供された時にスリットが開放し、
iv.スリットが長軸及び短軸によって特徴づけられており、短軸に対する長軸の比(アスペクト比)が5よりも大きく、
v.延伸可能なウェブが、50%まで延伸された場合に約1.0(m/m/分)よりも大きな空隙率を有することを特徴とする、延伸可能なウェブ。
【請求項2】
スリットの長軸が、ウェブ表面における共通方向の30゜以内の角度に向けられている、請求項1記載のウェブ。
【請求項3】
スリットの長軸が、ウェブ表面における共通方向15゜以内の角度に向けられている、請求項1記載のウェブ。
【請求項4】
スリットの長軸が、ウェブ表面における共通方向に対して実質的に平行である、請求項1記載のウェブ。
【請求項5】
複数のスリットのうちの少なくとも1つのスリットの短軸に対する長軸の比が、約25よりも大きい、請求項1記載のウェブ。
【請求項6】
スリットが、ウェブにおける前記領域のうちのいずれか1つ又は2つ以上の内側にランダムに位置決めされている、請求項1記載のウェブ。
【請求項7】
前記領域のうちのいずれか1つ又は2つ以上の内側におけるスリットの配列が、アレイを形成するように組織化されており、該アレイが、スリットの長軸が実質的に互いに平行になるようなスリットの列を含む、請求項1記載のウェブ。
【請求項8】
アレイが六角形対称を有しており、列オフセット値RO=SS/2であり、SSは相対スリット分離である、請求項7記載のウェブ。
【請求項9】
アレイが矩形対称を有しており、列オフセット値RO=0(ゼロ)である、請求項7記載のウェブ。
【請求項10】
アレイが互い違い構成を有しており、列オフセット値ROがSS/2に等しくなく、SSが相対スリット分離である、請求項7記載のウェブ。
【請求項11】
アレイの相対列分離の値RSが約−0.9と約10.0との間である、請求項7記載のウェブ。
【請求項12】
ROの相対列オフセット値が約0.5未満である、請求項7記載のウェブ。
【請求項13】
領域のうちのいずれか1つ又は2つ以上の内側におけるスリットの数密度毎平方インチが、約5〜約1000である、請求項1記載のウェブ。
【請求項14】
領域のうちのいずれか1つ又は2つ以上の内側におけるスリットの合計長さ毎平方インチが、約0.5〜約50インチ/平方インチである、請求項1記載のウェブ。
【請求項15】
請求項1のウェブを含む吸収性物品。
【請求項16】
請求項1記載のウェブを含む使い捨ておむつ。
【請求項17】
請求項1記載のウェブを含む弾性包帯。
【請求項18】
請求項1記載のウェブを含む失禁用物品。
【請求項19】
請求項1記載のウェブを含む衛生用物品。
【請求項20】
二次的なウェブに接着された請求項1記載のウェブを含む複合材料。
【請求項21】
二次的なウェブが不織布を含む、請求項20記載の複合材料。
【請求項22】
ウェブが真空積層又は接着剤積層によって接着されている、請求項20記載の複合材料。
【請求項23】
二次的なウェブが、延伸可能なウェブの共通方向に延伸可能な不織布である、請求項20記載の複合材料。
【請求項24】
弾性的なウェブにおいて、
該ウェブが、上面及び下面を有しておりかつ、多数のスリットを有する1つ又は2つ以上の領域を含んでおり、
i.各スリットが上面を下面に結合しており、
ii.スリットの長軸が、ウェブ表面における共通方向の45゜以内の角度に向けられており、
iii.引張力がウェブに共通方向に沿って提供された時にスリットが開放し、
iv.スリットが長軸及び短軸によって特徴づけられており、短軸に対する長軸の比(アスペクト比)が約5よりも大きく、
v.100%延伸まで延伸された時に領域が1%よりも大きな開放領域を有することを特徴とする、弾性的なウェブ。
【請求項25】
各スリットの長軸が、ウェブ表面における共通方向の30゜以内の角度に向けられている、請求項24記載のウェブ。
【請求項26】
各スリットの長軸が、ウェブ表面における共通方向の15゜以内の角度に向けられている、請求項24記載のウェブ。
【請求項27】
各スリットの長軸が、ウェブ表面における共通方向に対して実質的に平行である、請求項24記載のウェブ。
【請求項28】
複数のスリットのうちの少なくとも1つのスリットの短軸に対する長軸の比(アスペクト比)が、約25よりも大きい、請求項24記載のウェブ。
【請求項29】
スリットが、ウェブにおける前記領域のうちのいずれか1つ又は2つ以上の内側にランダムに位置決めされている、請求項24記載のウェブ。
【請求項30】
領域のいずれか1つ又は2つ以上の内側のスリットの配列が、アレイを形成するように組織化されており、該アレイが、長軸が実質的に互いに平行なスリットの列を含む、請求項24記載のウェブ。
【請求項31】
アレイが六角形対称を有しており、列オフセット値RO=SS/2であり、SSが相対スリット分離である、請求項30記載のウェブ。
【請求項32】
アレイが矩形対称を有しており、列オフセット値RO=0(ゼロ)である、請求項30記載のウェブ。
【請求項33】
アレイが互い違い構成を有しており、列オフセット値RO=がSS/2に等しくなく、SSが相対スリット分離である、請求項30記載のウェブ。
【請求項34】
アレイの相対列分離の値RSが、約−0.9〜約10.0である、請求項30記載のウェブ。
【請求項35】
ROの相対列オフセット値が0.5未満である、請求項24記載のウェブ。
【請求項36】
領域のうちのいずれか1つ又は2つ以上の内側のスリットの数密度毎平方インチが、約5〜約1000である、請求項24記載のウェブ。
【請求項37】
領域のうちのいずれか1つ又は2つ以上の内側のスリットの合計長さ毎平方インチが、約0.5〜約50インチ/平方インチである、請求項24記載のウェブ。
【請求項38】
請求項24記載のウェブを含む吸収性物品。
【請求項39】
請求項24記載のウェブを含む使い捨ておむつ。
【請求項40】
請求項24記載のウェブを含む弾性包帯。
【請求項41】
請求項24記載のウェブを含む失禁用物品。
【請求項42】
請求項24記載のウェブを含む衛生用物品。
【請求項43】
二次的なウェブに接着された請求項24記載のウェブを含む複合材料。
【請求項44】
二次的なウェブが不織布を含む、請求項43記載の複合材料。
【請求項45】
ウェブが、真空積層又は接着剤積層によって接着されている、請求項43記載の複合材料。
【請求項46】
二次的なウェブが、延伸可能なウェブの共通方向で延伸可能な不織布である、請求項43記載の複合材料。
【請求項47】
スリット長さが、約0.25〜約25mmである、請求項1記載のウェブ。
【請求項48】
スリット長さが、約2.5〜約6.25mmである、請求項47記載のウェブ。
【請求項49】
スリット長さが、約0.25〜約25mmである、請求項24記載のウェブ。
【請求項50】
スリット長さが、約2.5〜約6.25mmである、請求項49記載のウェブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2006−524757(P2006−524757A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510038(P2006−510038)
【出願日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/011521
【国際公開番号】WO2004/091437
【国際公開日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(505135564)トレデガー フィルム プロダクツ コーポレイション (11)
【氏名又は名称原語表記】TREDEGAR FILM PRODUCTS CORPORATION
【住所又は居所原語表記】1100 Boulders Parkway, Richmond, VA 23225, USA
【Fターム(参考)】