説明

通行規制システム、遮断機制御装置、遮断機制御方法、及びプログラム

【課題】料金所における車両の通行を規制する通行規制システムにおいて、車両通行遮断機の復帰動作を行う際に、所定領域内への車両の進入を阻止できるようにする。
【解決手段】阻止位置及び許可位置へ移動可能に設けられた阻止棒171を備え、車両通行遮断機11より車両進行方向後方に設置される遠隔遮断機17を備え、遠隔遮断機17は、車両通行遮断機11の阻止棒111がリリース状態(衝撃を逃がす方向)にある場合にのみ、阻止棒171を阻止位置に移動させることで車両の進入を阻止できるように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料金所における車両の通行を規制する通行規制システム、遮断機制御装置、遮断機制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高速道路等の有料道路や駐車場などの料金所において、料金の収受を無人化・自動化するシステムとして車種に応じて通行券を発券し、出口にて清算処理するシステムや、ETC(Electronic Toll Collection)システムなどが導入されている。有料道路料金収受においては、通行券の発券により料金収受を行う場合、入り口車線にて車種に応じた通行券が発券され、出口車線にては、車両の進入を車両検知器が検知すると共に車種判別装置が車種判別を行い、自動料金収受機にて正常な料金収受が行われた後、車両通行遮断機の阻止棒が阻止位置から許可位置に移動し、車両の通行を許可する。またETCにおいては、料金所ゲートへの車両の進入を車両検知器が検知すると、車線サーバは、路側アンテナを介して車両に搭載された車載器との通信を行う。車載器との通信の結果、車両が正常であると判定した場合、車線サーバは、車両通行遮断機の阻止棒を阻止位置から許可位置に移動させる。他方、車載器との通信の結果、車両が異常であると判定した場合、車線サーバは、車両通行遮断機の阻止棒を阻止位置で維持させる。これにより、正常な車両のみを通行させている。
【0003】
従来の車両通行遮断機は、阻止棒が阻止位置にあるときに車両が阻止棒に衝突したとき、その衝撃が逃がされないため、損傷してしまうことが多かった。そこで、近年は、車両が衝突したときにその衝撃を逃がす方向へ阻止棒を移動させることが提案されている(例えば、特許文献1、2を参照)。
【0004】
図8は、阻止棒への衝撃を逃がす発進制御システムの構成を示す概略図である。
しかし、特許文献1や特許文献2に開示された車両通行遮断機91において、阻止棒911が衝撃を逃がす方向(リリース位置)へ移動した後、その阻止棒911を阻止位置に戻す場合、収受員が手作業によって阻止棒911を阻止位置に戻す必要があった。そのため、阻止棒911をリリース位置へ移動させた後に阻止棒911の位置を阻止位置へ速やかに戻すことができないという問題がある。
【0005】
これを解決する方法として、監視盤93に設けられた復帰ボタンの押下によって、車両通行遮断機91に備えられたモータを駆動させることで、自動的に阻止棒911を阻止位置に戻す機構を車両通行遮断機91に備えることが考えられる。この場合、収受員が監視カメラ96が撮像した映像を監視し、安全が確認できたときに復帰ボタンを押下することで、車両通行遮断機91は阻止棒911を阻止位置に移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−235764号公報
【特許文献2】特開2010−196367号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、車線監視カメラの映像を監視していたとしても、車線監視カメラの監視範囲が狭いため、収受員が後続進入車両の存在を見落としてしまう惧れがある。このときに阻止棒を閉位置に戻してしまうと、後続進入車両と阻止棒とが衝突してしまう惧れがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、料金所における車両の通行を規制する通行規制システムであって、車両の通行を阻止する阻止位置、車両の通行を許可する許可位置、及び車両の衝突による衝撃を解放するリリース位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第1の遮断機と、阻止位置及び許可位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備え、前記第1の遮断機より車両進行方向後方に設置される第2の遮断機とを備え、前記第2の遮断機は、前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にある場合にのみ、自機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明においては、前記第2の遮断機は、自機の設置位置から前記第1の遮断機の設置位置までの間に車両が存在しない場合にのみ、遠隔通行遮断機の阻止棒を阻止位置に移動させることが好ましい。
【0010】
また、本発明においては、前記第2の遮断機の設置位置より車両進行方向後方の所定位置における車両の存在を検知するセンサを備え、前記第2の遮断機は、前記センサが車両の存在を検知していない場合にのみ、遠隔通行遮断機の阻止棒を阻止位置に移動させることが好ましい。
【0011】
また、本発明においては、前記第1の遮断機は、前記第2の遮断機の阻止棒が阻止位置にある場合にのみ、自機の阻止棒をリリース位置から阻止位置へ移動させることが好ましい。
【0012】
また、本発明においては、前記第2の遮断機の設置位置より車両進行方向前方へ進入しようとする車両に進行の可否を通知をする通知器を備え、前記第2の遮断機は、前記通知器が車両に対して進行不可を通知している場合にのみ、自機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させることが好ましい。
【0013】
また、本発明においては、少なくとも前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置に移動した場合に、前記第2の遮断機の設置位置を撮像する撮像装置を備えることが好ましい。
【0014】
また、本発明においては、少なくとも前記第2の遮断機の阻止棒が阻止位置にあるときに、前記第1の遮断機の設置位置を撮像する撮像装置を備えることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、料金所において、車両の通行を阻止する阻止位置、車両の通行を許可する許可位置、及び車両の衝突による衝撃を解放するリリース位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第1の遮断機より車両進行方向後方に設置され、阻止位置及び許可位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第2の遮断機を制御する遮断機制御装置であって、前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあるか否かを判定する判定部と、前記判定部によって前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあると判定された場合にのみ、前記第2の遮断機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させる阻止動作の実行を前記第2の遮断機に指示する阻止指示出力部とを備えることを特徴とする。
【0016】
また、本発明においては、前記第2の遮断機の設置位置より車両進行方向前方へ進入しようとする車両に進行の可否を通知をする通知器に、進行不可の通知を指示する進行不可通知指示部を備え、前記阻止指示出力部は、前記進行不可通知指示部が前記通知器に指示を出力した後に、前記阻止動作の実行を前記第2の遮断機に指示することが好ましい。
【0017】
また、本発明においては、管理者からの操作を受け付ける操作受け付け部を備え、前記阻止指示出力部は、前記操作受け付け部が操作を受け付けたときに、阻止動作の実行を前記第2の遮断機に指示することが好ましい。
【0018】
また、本発明においては、少なくとも前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置に移動した場合に、前記第2の遮断機の設置位置を撮像する撮像装置が撮像した画像を表示する表示部を備え、前記操作受け付け部は、前記表示部が前記画像を表示した後に、管理者からの操作を受け付けることが好ましい。
【0019】
また、本発明においては、少なくとも前記第2の遮断機の阻止棒が阻止位置にあるときに、前記第1の遮断機の設置位置を撮像する撮像装置が撮像した画像を表示する表示部を備え、前記操作受け付け部は、前記表示部が前記画像を表示した後に、管理者からの操作を受け付けることが好ましい。
【0020】
また、本発明は、料金所において、車両の通行を阻止する阻止位置、車両の通行を許可する許可位置、及び車両の衝突による衝撃を解放するリリース位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第1の遮断機より車両進行方向後方に設置され、阻止位置及び許可位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第2の遮断機を制御する遮断機制御装置を用いた遮断機制御方法であって、前記遮断機制御装置の判定部は、前記第1の遮断機の阻止棒が阻止位置または許可位置にあるか否かを判定し、前記遮断機制御装置の阻止指示出力部は、前記判定部によって前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあると判定された場合にのみ、前記第2の遮断機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させる阻止動作の実行を前記第2の遮断機に指示することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、料金所において、車両の通行を阻止する阻止位置、車両の通行を許可する許可位置、及び車両の衝突による衝撃を解放するリリース位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第1の遮断機より車両進行方向後方に設置され、阻止位置及び許可位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第2の遮断機を制御する遮断機制御装置を、前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあるか否かを判定する判定部、前記判定部によって前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあると判定された場合にのみ、前記第2の遮断機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させる阻止動作の実行を前記第2の遮断機に指示する阻止指示出力部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあるときに、第1の遮断機より車両進行方向後方に設置される第2の遮断機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させることができる。これにより、第1の遮断機より車両進行方向後方において後続進入車両の進入を防ぐことで、後続進入車両と第1の遮断機の阻止棒とが衝突することを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態による発進制御システムの構成を示す概略図である。
【図2】監視盤の外観を示す図である。
【図3】料金自動収受機の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】本実施形態による入口センサにおける車両検知動作を示すフローチャートである。
【図5】本実施形態による出口センサにおける車両検知動作を示すフローチャートである。
【図6】本実施形態による料金自動収受機の動作を示す第1のフローチャートである。
【図7】本実施形態による料金自動収受機の動作を示す第2のフローチャートである。
【図8】阻止棒への衝撃を逃がす発進制御システムの構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。なお、本実施形態では、発券による料金自動収受の場合を例示して記載する。
図1は、本発明の一実施形態による発進制御システムの構成を示す概略図である。
発進制御システムは、通路を通行する車両20のうち、正常に料金の収受が行われた車両20の通行を許可し、正常に料金の収受が行われていない車両20の通行を阻止するシステムである。発進制御システムは、車両通行遮断機11(第1の遮断機)、料金自動収受機12(遮断機制御装置)、監視盤13(遮断機制御装置)、入口センサ14、出口センサ15、監視カメラ16A、16B(撮像装置)、遠隔遮断機17(第2の遮断機)、通知器18を備える。
【0025】
車両通行遮断機11は、阻止棒111を備え、阻止棒111を所定の阻止位置に移動させることで車両20の通行を阻止し、阻止棒111を所定の許可位置に移動させることで車両20の通行を許可する。また、車両通行遮断機11は、車両20と阻止棒111とが衝突した際、阻止棒111を所定のリリース位置に移動させることで車両20の衝突による衝撃を解放する。車両通行遮断機11は、入口センサ14と出口センサ15の間に設置される。
【0026】
なお、許可位置とリリース位置は同一であっても良いし、異なっていても良い。許可位置とリリース位置が同一である場合の例としては、例えば車両の進入を許可または阻止するための阻止棒駆動軸(駆動源)である開閉軸と、車両の衝突により阻止棒をリリースまたはリリース復帰させるための阻止棒駆動軸(駆動源)であるリリース軸とが同一の場合などが挙げられる。また、許可位置とリリース位置が異なる場合の例としては、開閉軸にアームが軸支され、該アームにリリース軸を介して阻止棒が軸支されている場合などが挙げられる。
なお、本実施形態では、許可位置とリリース位置とが異なる場合について説明する。
【0027】
車両通行遮断機11は、開閉制御モータ(図示せず)、リリース検知センサ(図示せず)、及びリリース復帰制御モータ(図示せず)を備える。
開閉制御モータは、駆動により阻止棒111を開閉軸回りに回動させることで、阻止棒111を許可位置と阻止位置との間で移動させる。
リリース検知センサは、阻止棒111のリリース軸回りの回転の有無を検知することで、阻止棒111が阻止位置からリリース位置に移動したことを検知する。
リリース復帰制御モータは、駆動により阻止棒111をリリース軸回りに回動させることで、阻止棒111をリリース位置から復帰させる。なお、開閉制御モータとリリース復帰制御モータは、同一であっても良いし、異なっていても良い。
【0028】
料金自動収受機12は、車両の乗員により正常に料金収受が行われたか否かに基づいて車両通行遮断機11を制御する。また、車両通行遮断機11の阻止棒111がリリース位置に移動した場合に、監視盤13からの指示に従い、車両通行遮断機11、遠隔遮断機17、通知機18を制御する。
監視盤13は、料金所事務所内に設置され、収受員による監視のために、監視カメラ16A、16Bが撮像する映像を出力する。また、複数の制御ボタンを備え、収受員によって制御ボタンが押下されると、車両通行遮断機11の阻止棒111を安全に復帰させるための制御指示を料金自動収受機12に発する。
【0029】
入口センサ14は、通路の所定領域内の車両進行方向後方の端に設けられ、車両20が所定領域内に進入したか否かを検知する。入口センサ14は、車両20の存在を検知する車両検知センサ14Aと、車両20が所定領域に侵入したか退出したかを判定する進退検知センサ14Bを備える。車両検知センサ14Aの例としては、路側に設置された1対の光センサであって、一方の光センサが通路横断方向に設置された他方の光センサに向けて光を発し、他方の光センサにおける遮光状態から受光状態への遷移を検知することで、車両20の存在を検知するものが挙げられる。また、進退検知センサ14Bの例としては、複数の接点を備えた踏板を備え、各接点がいずれの順番で導電されたかにより、いずれの方向から車両20が到来し、所定領域に侵入したか退出したかを判定するものや、進行方向に複数の光センサを備えることで、いずれの方向から車両20が到来し、所定領域に侵入したか退出したかを判定するものが挙げられる。光センサにより前後進検知を行う場合には、車両検知センサ14Aと進退検知センサ14Bとが当該光センサにより一体として構成されてもよい。なお、本実施形態では、車両検知センサ14Aが光センサによって構成され、進退出検知センサ14Bが4つの接点を有する踏板によって構成される場合を用いて説明する。また、有料道路などでの車両検知センサ14A及び進退検知センサ14Bの設置位置は通常、車両検知センサ14Aの検知領域を通過したタイミングとほぼ等しいタイミングで進退検知センサ14Bの判定領域を通過するような位置関係にあり、車両20毎に各々の検知・判定情報が紐付くように設計されている。
【0030】
出口センサ15は、通路の所定領域内の車両進行方向前方の端に設けられ、車両20が所定領域内から退出したか否かを検知する。出口センサ15は、入口センサ14の車両検知センサ14Aと同様の構成を有する、車両検知センサ15Aを備える。
監視カメラ16Aは、通常時には、通路の所定領域内の映像を撮像する。他方、車両通行遮断機11の阻止棒111がリリース位置に移動した場合、監視盤13の指示に従って遠隔遮断機17の設置位置より車両進行方向後方の映像を撮像する。
監視カメラ16Bは、車両通行遮断機11の阻止棒111がリリース位置に移動した場合、監視盤13の指示に従って車両通行遮断機11の映像を撮像する。
【0031】
遠隔遮断機17は、阻止棒171を備え、阻止棒171を所定の阻止位置に移動させることで車両20の通行を阻止し、阻止棒171を所定の許可位置に移動させることで車両20の通行を許可する。遠隔遮断機17は、通路の所定領域内の車両進行方向後方の端に設置される。遠隔遮断機17は、開閉制御モータ(図示せず)を備える。
開閉制御モータは、駆動により阻止棒171を開閉軸回りに回動させることで、阻止棒171を許可位置と阻止位置との間で移動させる。
通知器18は、遠隔遮断機17の設置位置付近に設置され、通路の所定領域内への進行の可否を車両に通知する。なお、通知器18は、赤のライトを点灯させることで車両に通路の所定領域内への進行不可を通知し、緑のライトを点灯させることで車両に通路の所定領域内への進行可を通知する。
【0032】
図2は、監視盤13の外観を示す図である。
監視盤13は、図2(a)に示すように、ビデオモニタ131(表示部)、制御ボタン132、手順ディスプレイ133、受話器134を備える。
ビデオモニタ131は、監視カメラ16A、16Bが撮像した映像を表示する。
制御ボタン132は、車両通行遮断機11をリリースする際に、押下されることで収受員からの指示を受け付け、当該指示を料金自動収受機12または監視カメラ16A、16Bに出力する。
手順ディスプレイ133は、車両通行遮断機11をリリースする際に、収受員に次に実行すべき動作(例えば、制御ボタン132の押下など)を表示する。
受話器134は、料金自動収受機12に設けられたマイク及びスピーカ(図示せず)を介して音声情報のやりとりを行う。これにより収受員は、車両20の利用者に対して、会話による指示を送ることができる。
【0033】
図2(b)は、制御ボタン132の具体的な例を示す図である。図2(b)によれば、監視盤13は、制御ボタン132として、復帰開始ボタン132A、異常発生ボタン132B、通知器赤ボタン132C、通知器緑ボタン132D、監視カメラ復帰モードボタン132E、監視カメラ通常モードボタン132F、遠隔遮断機開ボタン132G、遠隔遮断機閉ボタン132H、車両通行遮断機復帰ボタン132I、再施行ボタン132J、中止ボタン132Kを備える。
【0034】
復帰開始ボタン132Aが押下されると、監視盤13は、料金自動収受機12に車両通行遮断機11の阻止棒をリリース位置から阻止位置に移動させる復帰動作の開始指示を出力する。
通知器赤ボタン132Cが押下されると、監視盤13は、料金自動収受機12に、所定領域内への進入不可の通知指示を出力する。
通知器緑ボタン132Dが押下されると、監視盤13は、料金自動収受機12に、所定領域内への進入可の通知指示を出力する。
監視カメラ復帰モードボタン132Eが押下されると、監視盤13は、監視カメラ16Aの撮像範囲が遠隔遮断機17の車両進行方向後方となるように監視カメラ16Aを移動させる。また、車両通行遮断機11の映像を撮像する監視カメラ16Bを起動させる。
監視カメラ通常モードボタン132Fが押下されると、監視盤13は、監視カメラ16Aの撮像範囲が所定範囲内となるように監視カメラ16Aを移動させる。また、監視カメラ16Bを停止させる。
遠隔遮断機開ボタン132Gが押下されると、監視盤13は、料金自動収受機12に遠隔遮断機17の阻止棒171の阻止位置への移動を指示する遠隔遮断指示を出力する。
遠隔遮断機閉ボタン132Hが押下されると、監視盤13は、料金自動収受機12に遠隔遮断機17の阻止棒171の許可位置への移動を指示する遠隔開放指示を出力する。
車両通行遮断機復帰ボタン132Iが押下されている間、監視盤13は、車両通行遮断機11の阻止棒111をリリース位置から阻止位置の方向への移動を指示する復帰指示を料金自動収受機12に出力する。
再施行ボタン132Jが押下されると、監視盤13は、料金自動収受機12に復帰動作の再施行指示を出力する。
中止ボタン132Kが押下されると、監視盤13は、料金自動収受機12に復帰動作の中止指示を出力する。
【0035】
図3は、料金自動収受機12の構成を示す概略ブロック図である。
料金自動収受機12は、収受部204、開放制御部205、閉鎖制御部206、車両数算出部207、車両数記憶部208、監視盤インタフェース部209(操作受け付け部)、復帰制御部210(判定部)、進行可否通知指示部211(進行不可通知指示部)、遠隔遮断機制御部212(阻止指示出力部)を備える。
【0036】
収受部204は、入口センサ14が車両20の進入を検知すると、車両20の乗員から通行券を受け付け、車種判別装置(図示せず)が判別した車両20の車種情報に基づいて、車両20の乗員からの料金収受を行う。
開放制御部205は、料金自動収受機12で正常に料金収受が行われたときに、阻止棒111を阻止位置から許可位置へと移動させる開放動作の実行を車両通行遮断機11に指示する。
閉鎖制御部206は、出口センサ15が車両20の退出を検知したときに、阻止棒111を許可位置から阻止位置へと移動させる閉鎖動作の実行を車両通行遮断機11に指示する。
【0037】
車両数算出部207は、入口センサ14から入力した検知信号、及び出口センサ15から入力した検知信号を用いて、所定領域内の車両20の数を算出する。車両数算出部207は、算出した車両数を車両数記憶部208に記録する。
車両数記憶部208は、現在所定領域内に存在する車両20の数を記憶する。
監視盤インタフェース部209は、監視盤13から復帰動作に関する指示を受け付ける。
復帰制御部210は、車両数記憶部208が記憶する車両数が0であり、かつ車両検知センサ14Aが車両の存在を検知していない場合において、監視盤インタフェース部209が復帰開始指示を受け付けたとき、車両通行遮断機11の阻止棒111をリリース位置から復帰させる復帰動作の実行を開始する。また、以降、監視盤インタフェース部209から受け付ける指示に基づいて進行可否通知制御部211、遠隔遮断機制御部212への指示の出力、及び車両通行遮断機の制御を行う。
【0038】
進行可否通知指示部211は、復帰制御部210からの指示に従い、通知器18のライトを制御する。
遠隔遮断機制御部212は、復帰制御部210からの指示に従い、遠隔遮断機17の阻止棒171の移動を制御する。
【0039】
次に、料金自動収受機12の動作を説明する。
図4は、本実施形態による入口センサ14における車両検知動作を示すフローチャートである。
まず、図4を用いて、入口センサ14による、所定領域内の車両数の監視動作について説明する。
入口センサ14は、車両検知センサ14Aが、車両20が存在することを検知したか否かを判定する(ステップS1)。車両検知センサ14Aは、一対の光センサのうち他方の光センサの状態が遮光状態であるか受光状態であるかによって、車両20の存在の有無を検知する。具体的には、車両20が車両検知部14Aの検知領域を通過する際、通過前は光センサが受光状態となるため車両20が存在しないことを検知する。また、車両20の通過途中は、車両20の車体により光が遮られるため、光センサが遮光状態となるため車両20が存在することを検知する。また、車両20の通過が完了すると、光センサが再び遮光状態から受光状態に遷移するため、車両20が存在しないことを検知する。通常、1度の遮光状態が続く限りにおいては、車両検知センサ14Aの検知領域を通過している車両20は1台であると判定する。
【0040】
ステップS1において、車両検知センサ14Aが、遮光状態から受光状態に遷移した場合(ステップS1:YES)、すなわち車両検知センサ14Aの検知領域に存在していた車両が不存在となった場合、入口センサ14は、進退検知センサ14Bが車両20の進入または退出を検知する(ステップS2、S3)。進退検知センサ14Bが車両20の進入を検知した場合(ステップS2:YES)、車両数算出部207は、車両数記憶部208が記憶する車両数に1を加算する(ステップS4)。他方、進退検知センサ14Bが車両20の退出を検知した場合(ステップS3:YES)、車両数算出部207は、車両数記憶部208が記憶する車両数から1を減算する(ステップS5)。
【0041】
ここで、車両20が所定領域へ進入も退出もしていない場合(ステップS2:NO、ステップS3:NO)とは、例えば車両進行方向後方側から車両検知センサ14Aの検知領域に入った車両20が、車両検知センサ14Aが遮光状態のままバックして車両進行方向後方側に戻った場合や、例えば既に所定領域内に進入していた車両が車両進行方向前方側からバックで車両検知センサ14Aの検知領域に入り、車両検知センサ14Aが遮光状態のまま前進して再び所定領域内に戻ったときなどである。つまり、車両20が車両検知センサ14Aの検知領域上にて方向転換をした場合等であるが、これらは、料金所レーンの選択を誤った利用者などによく見られる行動である。このような場合、車両算出部は車両数記憶部への加算も減算も行わない(ステップS6)。
【0042】
ステップS1において、車両検知センサ14Aが、車両20が存在しないことを検知した場合(ステップS1:NO)、ステップS4、ステップS5で車両数の加減算を行った場合、またはステップS6で車両数の加減算を行わなかった場合、ステップS1に戻り、車両の有無の判定を継続する。
【0043】
図5は、本実施形態による出口センサ15における車両検知動作を示すフローチャートである。
次に、図5を用いて、出口センサ15による、所定領域内の車両数の監視動作について説明する。
出口センサ15は、車両検知センサ15Aが、車両20が存在することを検知したか否かを判定する(ステップS5)。車両検知センサ15Aは、車両検知センサ14Aと同様の処理により車両20の有無を検知する。
【0044】
車両検知センサ15Aが、車両20が所定領域からの退出を検知した場合(ステップS7:YES)、車両数算出部207は、車両数記憶部208が記憶する車両数から1を減算する(ステップS8)。他方、車両検知センサ15Aにより車両20の所定領域からの退出を検知していない場合(ステップS7:NO)、またはステップS8で車両数の減算を行った場合、ステップS5に戻り、車両20の所定領域からの退出の判定を継続する。
【0045】
上記、入口センサ14及び出口センサ15の処理により、料金自動収受機12は、車両数記憶部208に現在所定領域内に存在する車両数を記憶させておくことができる。
なお、本実施形態では出口センサ15に進退出検知センサを含まない態様を例示したが、有料道路などの通行においては、稀に車両通行遮断機11を通過後、又は通過途中などで、出口側においても車両20が後退する場合がある。そのため、このような場合に備えて、出口センサ15にも入口センサ14と同様に、進退検知センサを備えるようにしてもよい。この際、進退検知センサが車両20の後退を検知した場合に、車両20が所定領域に進入したと判定し、車両数算出部207は、車両数記憶部208が記憶する車両数に1を加算することとなる。同様に、進退検知センサが車両20の前進を検知した場合に、車両20が所定領域から退出したと判定し、車両数算出部207は、車両数記憶部208が記憶する車両数から1を減算することとなる。
【0046】
図6は、本実施形態による料金自動収受機12の動作を示す第1のフローチャートである。
次に、図6を用いて、所定領域内に車両20が進入した際の料金自動収受機12の動作について説明する。
まず、収受部204は、入口センサ14の他方の光センサの状態が遮光状態から受光状態に変化し、かつ前後進検知部が車両20の前進を検知したか否かを判定する(ステップS11)。収受部204は、入口センサ14の他方の光センサの状態が遮光状態から受光状態に変化したと判定しなかった場合、または前後進検知部が車両20の後進を検知した場合(ステップS11:NO)、ステップS11の処理を繰り返す。他方、収受部204は、入口センサ14の他方の光センサの状態が遮光状態から受光状態に変化し、かつ前後進検知部が車両20の前進を検知したと判定した場合(ステップS11:YES)、車両20の乗員から通行券を受け付け、車種判別装置(図示せず)が判別した車両20の車種情報に基づいて、車両20の乗員からの料金収受を行う(ステップS12)。
【0047】
次に、収受部204は、車両20の乗員により料金収受が正常に行われたか否かを判定する(ステップS13)。収受部204は、ステップS13で車両20の乗員により料金収受が正常に行われなかったと判定した場合(ステップS13:NO)、料金収受が正常に行われるまでステップS13の処理を繰り返す。
他方、収受部204が、車両20の乗員により料金収受が正常に行われたと判定した場合(ステップS13:YES)、開放制御部205は、開放動作の指示を車両通行遮断機11に発する(ステップS15)。車両通行遮断機11は、開放動作の指示を受けると、開閉制御モータを駆動させ、阻止棒111を阻止位置から許可位置に移動させる。
【0048】
次に、閉鎖制御部206は、出口センサ15の他方の光センサの状態が遮光状態から受光状態に変化したか否かを判定する(ステップS16)。閉鎖制御部206は、出口センサ15の他方の光センサの状態が遮光状態から受光状態に変化したと判定しなかった場合(ステップS16:NO)、ステップS16の処理を繰り返す。他方、閉鎖制御部206は、出口センサ15の他方の光センサの状態が遮光状態から受光状態に変化したと判定した場合(ステップS16:YES)、閉鎖動作の指示を車両通行遮断機11に発する(ステップS18)。車両通行遮断機11は、閉鎖動作の指示を受けると、開閉制御モータを駆動させ、阻止棒111を許可位置から阻止位置に移動させる。そして、閉鎖制御部206が閉鎖動作の指示を発すると、料金自動収受機12は、処理を終了する。
【0049】
図7は、本実施形態による料金自動収受機12の動作を示す第2のフローチャートである。
次に、図7を用いて、阻止棒111のリリースに対する料金自動収受機12の動作について説明する。
図6に示すステップS13において正常に料金収受が行われた場合、発進制御機は阻止棒を許可位置へと移動させるが、正常に料金収受が行われずに車両20が阻止棒へ衝突した場合、車両通行遮断機11の阻止棒111は、リリース位置へ開放される。阻止棒111がリリース位置に開放されている場合に、以下に示す復帰動作を実行する。
【0050】
まず、復帰制御部210は、車両進行遮断機11のリリース検知センサからセンサ情報を取得し、阻止棒111がリリース位置にあるか否かを判定する(ステップS21)。復帰制御部210は、阻止棒111がリリース位置にないと判定した場合(ステップS21:NO)、ステップS21の判定を繰り返す。
【0051】
他方、復帰制御部210は、阻止棒111がリリース位置にあると判定した場合(ステップS21:YES)、監視盤インタフェース部209は、監視盤13から、車両20に対して所定領域内への進行不可の通知を指示する進行不可通知指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS22)。なお、通行不可通知指示は、監視盤13の通知器赤ボタン132Cの押下により監視盤13から出力される。監視盤インタフェース部209は、監視盤13から進行不可通知指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS22:NO)、ステップS22の判定を繰り返す。
【0052】
他方、監視盤インタフェース部209が、監視盤13から進行不可通知指示を受け付けたと判定した場合(ステップS22:YES)、進行可否通知指示部211は、進行不可通知指示を通知器18に出力する。これにより、通知器18の緑ライトが消灯し、赤ライトが点灯することとなり、車両に所定領域の進入不可を通知することができる。次に、車両数記憶部208が記憶する車両数を読み出し、当該車両数が0であるか否かを判定する(ステップS23)。
【0053】
車両数記憶部208が記憶する車両数が1以上である場合(ステップS23:NO)、復帰制御部210は、車両20が復帰動作中の阻止棒111と衝突するおそれがあるため、復帰開始指示の受け付けを行わずにステップS23の判定を繰り返す。
他方、車両数記憶部208が記憶する車両数が0である場合(ステップS23:YES)、復帰制御部210は、入口センサ14の他方の光センサが受光状態であるか否かを判定する(ステップS24)。
【0054】
入口センサ14が遮光状態であると判定した場合(ステップS24:NO)、車両20が所定領域内に進入したため、復帰動作中の阻止棒111と衝突するおそれがあるため、復帰開始指示の受け付けを行わずにステップS23に戻る。
他方、入口センサ14が受光状態であると判定した場合(ステップS24:YES)、監視盤インタフェース部209は、監視盤13から復帰開始指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS25)。なお、復帰開始指示は、監視盤13の復帰開始ボタン132Aの押下により監視盤13から出力される。監視盤インタフェース部209は、復帰開始指示を受け付けるまで(ステップS25:NO)、ステップS23に戻り、所定領域内の車両の有無の判定を行う。他方、監視盤インタフェース部209が監視盤13から復帰開始指示を受け付けた場合(ステップS26:YES)、復帰制御部210は、監視盤インタフェース部209を介して監視盤13に復帰開始指示を受け付けたことを通知する。これにより、監視盤13は、復帰動作を実行するための次の動作として監視カメラ復帰モードボタン132Eを押下する旨を、手順ディスプレイ133に表示する。
【0055】
次に、監視盤インタフェース部209は、監視盤13から、監視カメラ復帰モードボタン132Eの押下を示す情報を受け付けたか、所定の時間(例えば、20秒)の間、監視カメラ復帰モードボタン132Eの押下を示す情報を受け付けなかったかを判定する(ステップS26)。なお、監視盤13の監視カメラ復帰モードボタン132Eが押下されると、監視盤13は、監視カメラ16Aの撮像範囲が遠隔遮断機17の車両進行方向後方となるように監視カメラ16Aを移動させ、監視カメラ16Bを起動させる。これにより、監視盤13のビデオモニタ131には、監視カメラ16Aが撮像する遠隔遮断機17の車両進行方向後方の画像と、監視カメラ16Bが撮像する車両通行遮断機11付近の画像が表示されることとなる。また、監視盤インタフェース部209が、監視盤13から、監視カメラ復帰モードボタン132Eの押下を示す情報を受け付けた場合(ステップS26:YES)、復帰制御部210は、監視盤インタフェース部209を介して監視盤13に監視カメラ復帰モードボタンの押下を確認したことを通知する。これにより、監視盤13は、復帰動作を実行するための次の動作として、ビデオモニタ131に車両20が写っていないことを確認した後に遠隔遮断機閉ボタン132Hを押下する旨を、手順ディスプレイ133に表示する。
【0056】
次に、監視盤インタフェース部209は、監視盤13から、遠隔遮断機17の阻止棒171の阻止位置への移動指示を示す遠隔遮断指示を受け付けたか、所定の時間の間に遠隔遮断指示を受け付けなかったかを判定する(ステップS27)。なお、遠隔遮断指示は、監視盤13の遠隔遮断機閉ボタン132Hの押下により出力される。監視盤インタフェース部209が、監視盤13から遠隔遮断指示を受け付けたと判定した場合(ステップS27:YES)、遠隔遮断機制御部212は、遮断指示を遠隔遮断機に出力する。これにより、遠隔遮断機17の阻止棒171が許可位置から阻止位置に移動し、車両の所定領域への進入を阻止することができる。また、復帰制御部210は、監視盤インタフェース部209を介して監視盤13に遠隔遮断指示を受け付けたことを通知する。これにより、監視盤13は、復帰動作を実行するための次の動作として、車両通行遮断機復帰ボタン132Iをリリースからの復帰が完了するまで押下し続ける旨を、手順ディスプレイ133に表示する。
【0057】
次に、監視盤インタフェース部209は、監視盤13から復帰指示を受け付けたか、所定の時間の間に復帰指示を受け付けなかったかを判定する(ステップS28)。なお、復帰指示は、監視盤13の車両通行遮断機復帰ボタン132Iの押下により出力される。監視盤インタフェース部209が、監視盤13から復帰指示を受け付けたと判定した場合(ステップS28:YES)、復帰動作の指示を車両通行遮断機11に発する。車両通行遮断機11は、復帰動作の指示を受けると、リリース復帰制御モータを駆動させ、阻止棒111のリリース位置から阻止位置への移動を開始する。
【0058】
次に、復帰制御部210は、車両通行遮断機11が復帰動作を完了したか否かを判定する(ステップS29)。車両通行遮断機11が復帰動作中である場合(ステップS29:NO)、復帰制御部210は、以下に示す4つの中止条件の何れかに合致するか否かを判定する(ステップS30)。復帰動作の中止条件は、1.車両通行遮断機復帰ボタン132Iの押下が解放されたこと、2.入口センサ14の他方の光センサが遮光状態であること、3.車両通行遮断機11における車両検知が発生したこと、4.車両通行遮断機11に設けられた緊急停止ボタンが押下されたこと、の4つである。
復帰制御部210は、中止条件の何れにも合致しないと判定した場合(ステップS30:NO)、ステップS29に戻り、復帰が完了したか否かの判定を繰り返す。
【0059】
他方、ステップS26〜ステップS28において所定の時間の間信号の受け付けがなかった場合(ステップS26:NO、ステップS27:NO、ステップS28:NO)、またはステップS30で中止条件の何れかに合致すると判定した場合(ステップS30:YES)、復帰制御部210は、作業中に異常が発生したことを認識し、処理を中断するか、再施行するかの指示を待機する(ステップS31)。また、復帰制御部210は、監視盤インタフェース部209を介して異常発生を認識したことを通知する。これにより、監視盤13は、異常発生事態の対処方法として、再施行ボタン132Jを押下するか中止ボタン132Kを押下するかを選択する旨を、手順ディスプレイ133に表示する。
【0060】
復帰制御部210は、監視盤インタフェース部209を介して制御盤13から復帰動作の再施行指示を受け付けたと判定した場合(ステップS31:NO)、ステップS21に戻り、最初から復帰動作をやり直す。なお、再施行指示は、監視盤13の再施行ボタン132Jの押下により出力される。
【0061】
他方、復帰制御部210は、ステップS29で車両通行遮断機11の復帰動作が完了したと判定した場合(ステップS29:YES)、または監視盤インタフェース部209を介して制御盤13から復帰動作の中止指示を受け付けたと判定した場合(ステップS31:YES)、監視盤インタフェース部209は、監視盤13から、遠隔遮断機17の阻止棒171の許可位置への移動指示を示す遠隔開放指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS32)。なお、中止指示は、監視盤13の中止ボタン132Kの押下により出力される。また、遠隔開放指示は、監視盤13の遠隔遮断機開ボタン132Gの押下により出力される。
監視盤インタフェース部209は、監視盤13から遠隔開放指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS32:NO)、ステップS32の判定を繰り返す。他方、監視盤インタフェース部209が、監視盤13から遠隔開放指示を受け付けたと判定した場合(ステップS27:YES)、遠隔遮断機制御部212は、開放指示を遠隔遮断機に出力する。これにより、遠隔遮断機17の阻止棒171が阻止位置から許可位置に移動し、車両20が所定領域へ進入することができるようになる。また、復帰制御部210は、監視盤インタフェース部209を介して監視盤13に遠隔開放指示を受け付けたことを通知する。これにより、監視盤13は、復帰動作を完了するための次の動作として、監視カメラ通常モードボタン132Fを押下する旨を、手順ディスプレイ133に表示する。
【0062】
次に、監視盤インタフェース部209は、監視盤13から、監視カメラ通常モードボタン132Fの押下を示す情報を受け付けたか否かを判定する(ステップS33)。なお、監視盤13の監視カメラ通常モードボタン132Fが押下されると、監視盤13は、監視カメラ16Aの撮像範囲が所定領域内となるように監視カメラ16Aを移動させ、監視カメラ16Bを停止させる。これにより、監視盤13のビデオモニタ131には、監視カメラ16Aが撮像する所定領域内の画像のみが表示されることとなる。監視盤インタフェース部209は、監視盤13から、監視カメラ通常モードボタン132Fの押下を示す情報を受け付けていないと判定した場合(ステップS33:NO)、ステップS33の判定を繰り返す。他方、監視盤インタフェース部209が、監視盤13から、監視カメラ通常モードボタン132Fの押下を示す情報を受け付けたと判定した場合(ステップS33:YES)、復帰制御部210は、監視盤インタフェース部209を介して監視盤13に監視カメラ復帰モードボタンの押下を確認したことを通知する。これにより、監視盤13は、復帰動作を完了するための次の動作として、通知器緑ボタン132Dを押下する旨を、手順ディスプレイ133に表示する。
【0063】
次に、監視盤インタフェース部209は、監視盤13から、車両20に対して所定領域内への進行可の通知を指示する進行可通知指示を受け付けたか否かを判定する(ステップS34)。なお、進行可通知指示は、監視盤13の通知器緑ボタン132Dの押下により監視盤13から出力される。監視盤インタフェース部209は、監視盤13から進行可通知指示を受け付けていないと判定した場合(ステップS34:NO)、ステップS25の判定を繰り返す。
他方、監視盤インタフェース部209が、監視盤13から進行不可通知指示を受け付けたと判定した場合(ステップS34:YES)、進行可否通知指示部211は、進行可通知指示を通知器18に出力する。これにより、通知器18の赤ライトが消灯し、緑ライトが点灯することとなり、車両に所定領域の進入可を通知することができる。
【0064】
このように、本実施形態によれば、遠隔遮断機17は、車両通行遮断機11の阻止棒111がリリース状態にある場合にのみ、阻止棒171を阻止位置に移動させる。これにより、車両通行遮断機11の復帰動作を行う際に、所定領域内への車両20の進入を防ぐことができ、また通常時に誤って遠隔遮断機17の阻止棒171を阻止位置に移動させてしまうことを防ぐことができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、遠隔遮断機17は、所定領域内に車両20が存在しない場合にのみ、阻止棒171を阻止位置に移動させる。これにより、所定領域内に車両20が存在することを見落として収受員が復帰開始ボタン132Aを押下したとしても、復帰動作が始まらないため、車両20と復帰動作中の車両通行遮断機11の阻止棒111との衝突を防ぐことができる。
【0066】
また、本実施形態によれば、車両通行遮断機11は、遠隔遮断機17の阻止棒171が阻止位置にある場合にのみ、阻止棒111をリリース位置から阻止位置へ移動させる。これにより、所定領域内への車両20の進入を防ぐことができるため、車両20と復帰動作中の車両通行遮断機11の阻止棒111との衝突を防ぐことができる。
【0067】
また、本実施形態によれば、遠隔遮断機17は、通知器18が車両に対して進行不可を通知している場合にのみ、阻止棒171を許可位置から阻止位置へ移動させる。これにより、所定領域より車両進行方向後方に存在する車両20が車両進行方向手前で停止している状態で、遠隔遮断機17の阻止棒171を阻止位置へ移動させることができ、車両20と遠隔遮断機17の阻止棒171との衝突を防ぐことができる。
【0068】
また、本実施形態によれば、監視カメラ復帰モードボタン132Eが押下されることで、監視カメラ16Aは、少なくとも遠隔遮断機17の設置位置を撮像する。また、監視盤13は、監視カメラ16Aが撮像した画像を表示するビデオモニタ131を備える。そして、料金自動収受機12の復帰制御部210は、監視カメラ復帰モードボタン132Eが押下されない限り、遠隔遮断機閉ボタン132Hの押下による遠隔遮断指示を受け付けない。つまり、収受員がビデオモニタ131で遠隔遮断機17の後方に車両20が存在するか否かを確認できるようになった後にのみ、遠隔遮断機17の阻止棒171を阻止位置へ移動させることができる。これにより、遠隔遮断機17の阻止棒171を阻止位置へ移動させる前に、収受員に遠隔遮断機17の後方に車両20が存在するか否かを確認させることができる。
【0069】
同様に、本実施形態によれば、監視カメラ復帰モードボタン132Eが押下されることで、監視カメラ16Bは、少なくとも車両通行遮断機11の設置位置を撮像する。また、監視盤13は、監視カメラ16Bが撮像した画像を表示するビデオモニタ131を備える。そして、料金自動収受機12の復帰制御部210は、監視カメラ復帰モードボタン132Eが押下されない限り、車両通行遮断機復帰ボタン132Iの押下による復帰指示を受け付けない。つまり、収受員がビデオモニタ131で車両通行遮断機11の状態を確認できるようになった後にのみ、車両通行遮断機11の阻止棒111を阻止位置へ移動させることができる。これにより、車両通行遮断機11の阻止棒111を阻止位置へ移動させている間、収受員に車両通行遮断機11の状態を確認させることができ、異常の有無を乗じ確認させることができる。
【0070】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
例えば、本実施形態では、車両通行遮断機11の動作を制御する遮断機制御装置を料金自動収受機12に実装する場合を説明したが、これに限られない。例えば、遮断機制御装置を料金自動収受機12と別個に備えるようにしても良いし、車両通行遮断機11に遮断機制御装置を実装しても良い。また、ETCシステムにおいては、車線サーバなどが同様の機能を有することとなる。
【0071】
また、本実施形態では、撮像装置として監視カメラ16A、16Bの2台を備える場合を説明したが、これに限られず、少なくとも車両通行遮断機11の阻止棒111がリリース位置に移動した場合に、遠隔遮断機17の設置位置を撮像し、かつ少なくとも遠隔遮断機17の阻止棒171が阻止位置にあるときに、車両通行遮断機11の設置位置を撮像することができれば良い。そのため、例えば復帰開始指示を受け付けたときに、遠隔遮断機17の設置位置を撮像するように監視カメラを移動し、遠隔遮断機17の阻止棒171が阻止位置に移動したときに、車両通行遮断機11の設置位置を撮像するように監視カメラを移動させれば、1台の監視カメラのみを備える構成であっても良い。
【0072】
また、本実施形態では、ステップS21〜ステップS34において、収受員によって制御ボタン132が押下されたことをトリガに復帰動作を実行する場合を説明したが、これに限られず、制御ボタン132の操作を要さずに全てオートメーションで制御するようにしても良い。この場合、遠隔遮断機17の阻止棒171を阻止位置に移動させる際には、監視カメラ16Aが撮像する画像に対して画像処理を行い、通行する車両が無い場合にのみ阻止棒171を阻止位置に移動させることが好ましい。
【0073】
また、本実施形態では、料金自動収受機12と監視盤13とを連携させることで、本発明の遮断機制御装置として動作させる場合を説明したが、これに限られず、料金自動収受機12や監視盤13が単体で遮断機制御装置の全ての機能を備えるようにしても良いし、遮断機制御装置を別途備えるようにしても良い。
【0074】
また、本実施形態では、監視盤13が図2(b)に示すような物理的な制御ボタン132を備え、当該制御ボタン132の押下に基づいて料金自動収受機12が処理を行う場合を説明したが、これに限られない。例えば、監視盤13の手順ディスプレイ133にタッチパネルが重畳されている場合、当該手順ディスプレイ133が、次に実行すべき手順に対応したポップアップ画面と共に制御ボタン132を表示し、手順ディスプレイ133に表示された制御ボタン132の押下に基づいて料金自動収受機12が処理を行うように構成されても良い。
【0075】
上述の料金自動収受機12は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0076】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0077】
11…車両通行遮断機 12…料金自動収受機 13…監視盤 14…入口センサ 15…出口センサ 16A、16B…監視カメラ 17…遠隔遮断機 18…通知器 20…車両 131…ビデオモニタ 132…制御ボタン 133…手順ディスプレイ 134…受話器 204…収受部 205…開放制御部 206…閉鎖制御部 207…車両数算出部 208…車両数記憶部 209…監視盤インタフェース部 210…復帰制御部 211…進行可否通知指示部 212…遠隔遮断機制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
料金所における車両の通行を規制する通行規制システムであって、
車両の通行を阻止する阻止位置、車両の通行を許可する許可位置、及び車両の衝突による衝撃を解放するリリース位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第1の遮断機と、
阻止位置及び許可位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備え、前記第1の遮断機より車両進行方向後方に設置される第2の遮断機と
を備え、
前記第2の遮断機は、前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にある場合にのみ、自機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させる
ことを特徴とする通行規制システム。
【請求項2】
前記第2の遮断機は、自機の設置位置から前記第1の遮断機の設置位置までの間に車両が存在しない場合にのみ、遠隔通行遮断機の阻止棒を阻止位置に移動させる
ことを特徴とする請求項1に記載の通行規制システム。
【請求項3】
前記第2の遮断機の設置位置より車両進行方向後方の所定位置における車両の存在を検知するセンサを備え、
前記第2の遮断機は、前記センサが車両の存在を検知していない場合にのみ、遠隔通行遮断機の阻止棒を阻止位置に移動させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の通行規制システム。
【請求項4】
前記第1の遮断機は、前記第2の遮断機の阻止棒が阻止位置にある場合にのみ、自機の阻止棒をリリース位置から阻止位置へ移動させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の通行規制システム。
【請求項5】
前記第2の遮断機の設置位置より車両進行方向前方へ進入しようとする車両に進行の可否を通知をする通知器を備え、
前記第2の遮断機は、前記通知器が車両に対して進行不可を通知している場合にのみ、自機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させる
ことを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の通行規制システム。
【請求項6】
少なくとも前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置に移動した場合に、前記第2の遮断機の設置位置を撮像する撮像装置を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の通行規制システム。
【請求項7】
少なくとも前記第2の遮断機の阻止棒が阻止位置にあるときに、前記第1の遮断機の設置位置を撮像する撮像装置を備える
ことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の通行規制システム。
【請求項8】
料金所において、車両の通行を阻止する阻止位置、車両の通行を許可する許可位置、及び車両の衝突による衝撃を解放するリリース位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第1の遮断機より車両進行方向後方に設置され、阻止位置及び許可位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第2の遮断機を制御する遮断機制御装置であって、
前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあるか否かを判定する判定部と、
前記判定部によって前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあると判定された場合にのみ、前記第2の遮断機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させる阻止動作の実行を前記第2の遮断機に指示する阻止指示出力部と
を備えることを特徴とする遮断機制御装置。
【請求項9】
前記第2の遮断機の設置位置より車両進行方向前方へ進入しようとする車両に進行の可否を通知をする通知器に、進行不可の通知を指示する進行不可通知指示部を備え、
前記阻止指示出力部は、前記進行不可通知指示部が前記通知器に指示を出力した後に、前記阻止動作の実行を前記第2の遮断機に指示する
ことを特徴とする請求項8に記載の遮断機制御装置。
【請求項10】
管理者からの操作を受け付ける操作受け付け部を備え、
前記阻止指示出力部は、前記操作受け付け部が操作を受け付けたときに、阻止動作の実行を前記第2の遮断機に指示する
ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の遮断機制御装置。
【請求項11】
少なくとも前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置に移動した場合に、前記第2の遮断機の設置位置を撮像する撮像装置が撮像した画像を表示する表示部を備え、
前記操作受け付け部は、前記表示部が前記画像を表示した後に、管理者からの操作を受け付ける
ことを特徴とする請求項10に記載の遮断機制御装置。
【請求項12】
少なくとも前記第2の遮断機の阻止棒が阻止位置にあるときに、前記第1の遮断機の設置位置を撮像する撮像装置が撮像した画像を表示する表示部を備え、
前記操作受け付け部は、前記表示部が前記画像を表示した後に、管理者からの操作を受け付ける
ことを特徴とする請求項10または請求項11に記載の遮断機制御装置。
【請求項13】
料金所において、車両の通行を阻止する阻止位置、車両の通行を許可する許可位置、及び車両の衝突による衝撃を解放するリリース位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第1の遮断機より車両進行方向後方に設置され、阻止位置及び許可位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第2の遮断機を制御する遮断機制御装置を用いた遮断機制御方法であって、
前記遮断機制御装置の判定部は、前記第1の遮断機の阻止棒が阻止位置または許可位置にあるか否かを判定し、
前記遮断機制御装置の阻止指示出力部は、前記判定部によって前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあると判定された場合にのみ、前記第2の遮断機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させる阻止動作の実行を前記第2の遮断機に指示する
ことを特徴とする遮断機制御方法。
【請求項14】
料金所において、車両の通行を阻止する阻止位置、車両の通行を許可する許可位置、及び車両の衝突による衝撃を解放するリリース位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第1の遮断機より車両進行方向後方に設置され、阻止位置及び許可位置へ移動可能に設けられた阻止棒を備える第2の遮断機を制御する遮断機制御装置を、
前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあるか否かを判定する判定部、
前記判定部によって前記第1の遮断機の阻止棒がリリース位置にあると判定された場合にのみ、前記第2の遮断機の阻止棒を許可位置から阻止位置へ移動させる阻止動作の実行を前記第2の遮断機に指示する阻止指示出力部
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−44152(P2013−44152A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182409(P2011−182409)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】