説明

通電プラグ、接続構造体およびこれを搭載する車載用音響再生装置

【課題】 配線部にノイズが伝送されることを阻止し、かつ電磁波として放射されるノイズの伝播を遮断することのできる通電プラグ、接続構造体およびこれを搭載する車載用音響再生装置を提供する。
【解決手段】 通電プラグ21は、プラグ支持構造体31と、シールド部26と、雄側信号端子33と、貫通コンデンサ43とを含んで構成される。貫通コンデンサ43は、外部電極42がシールド部26に接続され、内部電極41が雄側信号端子33と配線部25との間に接続される。シールド部26は、プラグ支持構造体31の外表面の一部を覆って形成され、かつプラグ支持構造体31の内部において挿入方向Xに垂直に形成される。通電プラグ21が雌側コネクタ22に連結された状態において、シールド部26は、雌側コネクタ22の基準電位部28と電気的に接続する。したがって、外部電極42とシールド部26とは、基準電位に保たれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気信号が伝送される配線部を接続するための通電プラグ、接続構造体、およびこれを搭載する車載用音響再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車載用音響再生装置は、小形化が求められるので、アナログ回路とデジタル回路とが近い距離に設置されることがある。アナログ回路は、音声信号などの電気信号を増幅して、配線部を介して外部の機器に出力する。デジタル回路内で発生した高周波のノイズの一部が、アナログ回路内で増幅されて、車載用音響再生装置の雌側コネクタを介して配線部に出力されることがある。また、ノイズが配線部に伝送されることによって、配線部から電磁波としてノイズを放射することがある。
【0003】
車載用音響再生装置から出力されるノイズが原因で、車両に搭載される他の機器、とくに電磁波を利用する機器に動作不良などの悪影響がある場合には、ノイズ対策を行う必要がある。ノイズ対策は、車載用音響再生装置にノイズ除去機能を有するノイズ除去部を取り付けることによって行われる。ノイズ除去部を取り付ける際には、車載用音響再生装置を車両から取り外し、車載用音響再生装置の筐体を開放しなければならないので、作業が煩雑になる。そこで、従来では車載用音響再生装置の外部にノイズ除去部を装着することによって、車載用音響再生装置に接続される配線部から出力されるノイズをノイズ除去部が遮断しており、そのような従来技術が特許文献1および2に記載されている。
【0004】
図1は、従来の技術によるフィルタコネクタ1の断面図である。特許文献1に記載されるフィルタコネクタ1は、貫通コンデンサ2がコンデンサ保持板3によって係止され、金属製のシールドケース4が貫通コンデンサ2の外部電極と電気的に接続され、シールドケース4がコネクタハウジング5を覆設し、導電性の金属からなる棒状端子6が貫通コンデンサ2に挿通される。したがって、貫通コンデンサ2は、棒状端子6に伝わる高周波のノイズを含む高周波帯域の電気信号の伝送を遮断する。
【0005】
図2は、従来の技術による貫通コンデンサ付きコネクタ7の断面図である。特許文献2に記載される貫通コンデンサ付きコネクタ7は、端子8が貫通コンデンサ2に挿通され、貫通コンデンサ2の外部電極がシールド板9に電気的に接続され、シールド板9が端子装着部10を覆うように形成される。したがって、貫通コンデンサ2は、端子8に伝わる高周波のノイズを含む高周波帯域の電気信号の伝送を遮断する。
【0006】
このように、フィルタコネクタ1または貫通コンデンサ付きコネクタ7を介して、車載用音響再生装置に配線部を接続することによって、車載用音響再生装置から出力される高周波のノイズを遮断することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−326073号公報
【特許文献2】特開2006−127871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
金属などの材料で形成される車載用音響再生装置の筐体は、車載用音響再生装置内部で電磁波として発生したノイズの透過を阻止することができる。しかし、配線部が接続されるコネクタ部は、筐体が存在しない領域に配置される。コネクタ部は、電気絶縁性を有すること、および加工が容易なことなどの理由によって、プラスチックなどの樹脂によって形成されている部分が多い。コネクタ部の樹脂部分は、電磁的な開口となって電磁波を透過させる。したがって、車載用音響再生装置の内部で電磁波として発生したノイズの一部は、コネクタ部を介して外部に伝播されることがある。
【0009】
一般に車載用音響再生装置のコネクタ部は、ユーザが車載用音響再生装置を操作する操作パネルなどが配置される筐体前面部と反対側に位置する筐体背面部に配置されている。車両に搭載される他の電子機器は、車載用音響再生装置の背面部付近に配置されることが多い。また、高周波数帯域である電磁波のノイズは、指向性が強い。したがって、車載用音響再生装置のコネクタ部から電磁波としてノイズが放射されると、車両に搭載される他の電子機器が動作不良を起こすことなどがある。また外部で発生した電磁波としてのノイズが、コネクタ部から車載用音響再生装置内に侵入することによって、車載用音響再生装置が動作不良を起こすなどの悪影響を受けることもある。
【0010】
しかし、フィルタコネクタ1および貫通コンデンサ付きコネクタ7は、電磁波としてのノイズがコネクタ部を介して内部から外部に、または外部から内部に伝播されることを遮断することができない。
【0011】
本発明の目的は、配線部にノイズが伝送されることを阻止し、かつ電磁波として放射されるノイズの伝播を遮断することのできる通電プラグ、接続構造体およびこれを搭載する車載用音響再生装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明(1)に従えば、通電プラグは、ノイズ除去部とシールド部とを含んで構成される。ノイズ除去部は、雌側コネクタに接続され、雌側コネクタは、電子機器の外方に向けて開口する開口部を含む。ノイズ除去部は、前記雌側コネクタに接続されることによって、信号伝送路の少なくとも一部を形成する。信号伝送路は、電子機器への入力信号および電子機器からの出力信号の少なくともいずれか一方を伝送する。ノイズ除去部は、予め定める周波数を越える周波数の伝導ノイズの伝送を阻止する。伝導ノイズは、前記信号伝送路を経由して伝送される。シールド部は、電磁波の透過を阻止する材料で形成される。シールド部は、前記ノイズ除去部が前記雌側コネクタに接続された状態において、前記開口部を電磁的に閉鎖する。また、シールド部は、基準電位に保たれる基準電位部に接続される。
【0013】
また本発明(2)に従えば、接続構造体は、前記通電プラグと、雌側コネクタとを含む。雌側コネクタは、電子機器本体に設けられ、通電プラグに連結可能に形成される。また、雌側コネクタは、開口する開口部と、雌側信号端子と、基準電位部とを含む。雌側信号端子は、ノイズ除去部に接続されることによって、信号伝送路の一部を形成する。信号伝送路は、電子機器本体への入力信号および電子機器本体からの出力信号の少なくともいずれか一方が伝送される。基準電位部は、基準電位に保たれ、ノイズ除去部が雌側信号端子に接続された状態において、シールド部に接続される。
また本発明(5)に従えば、車載用音響再生装置は、前記接続構造体を含む。
【発明の効果】
【0014】
本発明(1)によれば、通電プラグは、予め定める周波数を越える周波数の伝導ノイズの伝送を阻止するノイズ除去部と、電磁波の透過を阻止する材料で形成されるシールド部とを含んで構成される。これによって、信号伝送路を経由して伝送される電子機器由来の高周波の伝導ノイズが、雌側コネクタを介して電子機器から出力されることを阻止することができる。したがって、信号伝送路に伝導ノイズが伝送されることで発生する放射ノイズが、他の機器に対して放射されることを抑制することができる。これによって、電子機器由来の高周波の伝導ノイズが、信号伝送路に接続される他の機器または信号伝送路近傍に配置される他の機器に対して影響することを防止することができる。
【0015】
また、雌側コネクタの開口部を形成する部材は、樹脂などによって形成されるので電磁波の伝播を阻止することができない。これに対し、シールド部は、電磁波が伝播されることを阻止することができる。シールド部は、雌側コネクタの開口部に規定される空間付近を覆う。したがって、電子機器由来の放射ノイズが開口部を介して漏洩することを阻止することができる。これによって、電子機器由来の放射ノイズが、電子機器の近傍に配置される他の機器に影響することを防止することができる。
【0016】
また、通電プラグと雌側コネクタとが接続された状態においてシールド部は基準電位に保たれるので、シールド部が基準電位に保たれない場合に比べて、シールド部による放射ノイズの遮蔽効果を高くすることができる。また、シールド部とノイズ除去部とによって、信号伝送路を経由して伝送される外来の高周波の伝導ノイズと外来の放射ノイズとが、雌側コネクタを介して電子機器に進入することを阻止することができる。これによって、接続構造体は、外来ノイズによる電子機器の動作不良を防止することができる。
【0017】
また本発明(2)によれば、接続構造体は、前記通電プラグと、通電プラグに連結可能な雌側コネクタとを含む。雌側コネクタは、雌側信号端子と、シールド部に接続される基準電位部とを含む。これによって、ノイズ除去部と雌側信号端子とが電気的に接続されて、電子機器は信号伝送路を介して電気信号を伝送することができる。また、信号伝送路を経由して伝送される電子機器由来の高周波の伝導ノイズが、雌側コネクタを介して電子機器から出力されることを阻止することができる。したがって、信号伝送路に伝導ノイズが伝送されることで発生する放射ノイズが、他の機器に対して放射されることを抑制することができる。これによって、電子機器由来の高周波の伝導ノイズが、信号伝送路に接続される他の機器または信号伝送路近傍に配置される他の機器に対して影響することを防止することができる。
【0018】
また、雌側コネクタの開口部を形成する部材は、樹脂などによって形成されるので電磁波の伝播を阻止することができない。これに対し、シールド部は、電磁波が伝播されることを阻止することができる。シールド部は、雌側コネクタの開口部に規定される空間付近を覆う。したがって、電子機器由来の放射ノイズが開口部を介して漏洩することを阻止することができる。これによって、電子機器由来の放射ノイズが電子機器の近傍に配置される他の機器に影響することを防止することができる。
【0019】
また、通電プラグと雌側コネクタとが接続された状態においてシールド部は基準電位に保たれるので、シールド部が基準電位に保たれない場合に比べて、シールド部による放射ノイズの遮蔽効果を高くすることができる。また、シールド部とノイズ除去部とによって、信号伝送路を経由して伝送される外来の高周波の伝導ノイズと外来の放射ノイズとが、雌側コネクタを介して電子機器に進入することを阻止することができる。これによって、外来ノイズによる電子機器の動作不良を防止することができる。
【0020】
また本発明(5)によれば、車載用音響再生装置は、前記接続構造体を含む。これによって、信号伝送路を経由して伝送される車載用音響再生装置由来の高周波の伝導ノイズが、雌側コネクタを介して車載用音響再生装置から出力されることを阻止することができる。したがって、信号伝送路に伝導ノイズが伝送されることで発生する放射ノイズが、他の機器に対して放射されることを抑制することができる。これによって、車載用音響再生装置由来の高周波の伝導ノイズが、信号伝送路に接続される他の機器または信号伝送路近傍に配置される他の機器に対して影響することを防止することができる。
【0021】
また、雌側コネクタの開口部を形成する部材は、樹脂などによって形成されるので電磁波の伝播を阻止することができない。これに対し、シールド部は、電磁波が伝播されることを阻止することができる。シールド部は、雌側コネクタの開口部に規定される空間付近を覆う。したがって、車載用音響再生装置由来の放射ノイズが開口部を介して漏洩することを阻止することができる。これによって、車載用音響再生装置由来の放射ノイズが車載用音響再生装置の近傍に配置される他の機器に影響することを防止することができる。
【0022】
また、車両には、電磁波を利用する機器、たとえばGPS(Global Positioning
System)装置、ETC(Electronic Toll Collection System)装置およびキーレスエントリ装置などが搭載されていることがある。したがって、電子機器由来のノイズによって、電磁波を利用する機器が動作不良を起こすことを防止して、利便性が低下することを防止することができる。
【0023】
また、通電プラグと雌側コネクタとが接続された状態においてシールド部は基準電位に保たれるので、シールド部が基準電位に保たれない場合に比べて、シールド部による放射ノイズの遮蔽効果を高くすることができる。また、シールド部とノイズ除去部とによって、信号伝送路を経由して伝送される外来の高周波の伝導ノイズと外来の放射ノイズとが、雌側コネクタを介して車載用音響再生装置に進入することを阻止することができる。これによって、接続構造体は、外来のノイズによる車載用音響再生装置の動作不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】従来の技術によるフィルタコネクタ1の断面図である。
【図2】従来の技術による貫通コンデンサ付きコネクタ7の断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態における通電プラグ21の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態における通電プラグ21を示す斜視図である。
【図5】本発明の第1実施形態における貫通コンデンサ43と内部シールド部38との接続状態を説明するための斜視図である。
【図6】本発明の第1実施形態における通電プラグ21の内部に含まれる各部材を分解して示す平面図である。
【図7】本発明の第1実施形態における通電プラグ21を模式的に示す側面図である。
【図8】本発明の第1実施形態における通電プラグ21と雌側コネクタ22とが互いに連結された状態を模式的に示す側面図である。
【図9】本発明の第2実施形態における通電プラグ21を示す断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態における通電プラグ21を示す斜視図である。
【図11】本発明の第3実施形態における通電プラグ21を模式的に示す側面図である。
【図12】本発明の第3実施形態における通電プラグ21が雌側コネクタ22に連結された状態を模式的に示す側面図である。
【図13】本発明の第4実施形態における接続構造体23を分解して示す底面図である。
【図14】本発明の第4実施形態におけるシールド部26および雄側係止部51を形成する金属板の外観を示す斜視図である。
【図15】本発明の第4実施形態における通電プラグ21の一部を分解して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための形態を、複数の形態について説明する。以下の説明においては、各形態に先行する形態ですでに説明している事項に対応している部分には同一の参照符を付し、重複する説明を略す場合がある。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、先行して説明している形態と同様とする。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。またそれぞれの実施形態は、本発明における技術を具体化するために例示するものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明における技術内容は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。以下の説明は、通電プラグ21、雌側コネクタ22、通電プラグ21と雌側コネクタ22とを含む接続構造体23、および接続構造体23を搭載する車載用音響再生装置についての説明をも含む。
【0026】
(第1実施形態)
図3は、本発明の第1実施形態における通電プラグ21の断面図である。図4は、本発明の第1実施形態における通電プラグ21を示す斜視図である。本実施形態において、通電プラグ21、雌側コネクタ22およびこれらを含む接続構造体23は、電気信号が伝送される配線部25、いわゆるケーブルを車載用音響再生装置に接続するためのものである。通電プラグ21は、配線部25の先端に設けられ、雌側コネクタ22は、車載用音響再生装置本体24に配置される。雌側コネクタ22については、後に図8を参照して詳述する。接続構造体23は、通電プラグ21と雌側コネクタ22とを含んで構成される。
【0027】
車載用音響再生装置は、車載用音響再生装置本体24と接続構造体23とを含んで構成される。通電プラグ21と雌側コネクタ22とが接続された状態で、車載用音響再生装置本体24は、配線部25と電気的に接続される。車載用音響再生装置本体24は、接続構造体23および配線部25を介して外部に音声信号を出力する。車載用音響再生装置は、電子部品を含んで構成される電子機器である。車載用音響再生装置は、記録媒体に対して音声情報を含む情報の記録、消去または書換えを行う機能をさらに備えていてもよい。本実施形態において車載用音響再生装置は、車両に搭載される。
【0028】
車載用音響再生装置は、アナログ回路とデジタル回路とが搭載される基板を含む。車載用音響再生装置は小形化が求められるので、車載用音響再生装置内の基板において、アナログ回路とデジタル回路とが近い距離に設置される。基板にはデジタルアナログ変換器が設けられ、デジタルアナログ変換器は、音声情報を表すデジタル信号をアナログの音声信号に変換する。アナログ回路は、アナログの音声信号をアンプによって増幅して、配線部25を介してスピーカに出力する。デジタル回路は、たとえばハードディスクへの記録再生、インプット・アウトプット処理、またはデータの圧縮などを行うことによって、高周波帯域のノイズを発生する。高周波帯域のノイズを、以後「高周波ノイズ」とも称する。
【0029】
デジタル回路内で発生した高周波ノイズの一部は、アナログ回路内で増幅されて、配線部25から出力されることがある。配線部25によって伝わるノイズを、以後「伝導ノイズ」と称する。高周波の伝導ノイズが配線部25に伝送されることによって、配線部25から電磁波としてノイズを放射することがある。配線部25から電磁波として放射されるノイズを、以後「伝導放射ノイズ」と称する。また、車載用音響再生装置内の電子部品および外部の他の機器から、電磁波としてノイズが発生することがあり、このようなノイズを以後「放射ノイズ」と称する。放射ノイズは、車載用音響再生装置に含まれる雌側コネクタ22を介して、車載用音響再生装置の内部から外部に、または外部から内部に伝播される。
【0030】
通電プラグ21は、ノイズ除去部30とシールド部26とを含んで構成される。ノイズ除去部30は、雌側コネクタ22に接続され、雌側コネクタ22は、電子機器の外方に向けて開口する開口部27を含む。ノイズ除去部30は、前記雌側コネクタ22に接続されることによって、信号伝送路の少なくとも一部を形成する。信号伝送路は、電子機器への入力信号および電子機器からの出力信号の少なくともいずれか一方を伝送する。ノイズ除去部30は、予め定める周波数を越える周波数の伝導ノイズの伝送を阻止する。伝導ノイズは、前記信号伝送路を経由して伝送される。シールド部26は、電磁波の透過を阻止する材料で形成される。シールド部26は、前記ノイズ除去部30が前記雌側コネクタ22に接続された状態において、前記開口部27を電磁的に閉鎖する。また、シールド部26は、基準電位に保たれる基準電位部28に接続される。
【0031】
車載用音響再生装置本体24が車両に搭載されている状態において、通電プラグ21が予め定める姿勢で雌側コネクタ22に挿入されて、通電プラグ21と雌側コネクタ22とが互いに接続される。通電プラグ21を雌側コネクタ22に接続するときに、雌側コネクタ22に挿入される通電プラグ21の移動の方向を「挿入方向」(X)と称する。このときの通電プラグ21の移動の向き、すなわち挿入方向Xのうち通電プラグ21から車載用音響再生装置本体24に向かう向きを「挿入方向一方」(X1)と称し、挿入方向一方X1と反対側の向きを「挿入方向他方」(X2)と称する。車載用音響再生装置本体24における上方に向かう向きを通電プラグ21においても「上向き」(Z1)と称し、車載用音響再生装置本体24における下方に向かう向きを通電プラグ21においても「下向き」(Z2)と称する。挿入方向Xおよび上下方向Zに垂直な方向を「左右方向」(Y)と称する。
【0032】
図4に示すように、通電プラグ21は、さらにプラグ支持構造体31と、2つの雄側信号端子33とを含んで構成される。プラグ支持構造体31は、電気絶縁性の樹脂によって形成され、外形は大略的に直方体に形成される。プラグ支持構造体31は、通電プラグ21のおよそ外形を成す部材であって、通電プラグ21の骨格となる。プラグ支持構造体31の挿入方向一方X1の端面部には、プラグ支持構造体開口部34が雄側信号端子33の数と同じ数で形成され、本実施形態では、2つ形成される。プラグ支持構造体開口部34は、挿入方向Xに見て矩形に形成される。プラグ支持構造体開口部34は、左右方向Yに間隔をあけて形成される。プラグ支持構造体開口部34は、プラグ支持構造体31の内部に空間を規定する。プラグ支持構造体31の内部に形成される空間は、直方体である。直方体は、挿入方向Xに長く形成される。
【0033】
雄側信号端子33は、金属の材料によって形成される。雄側信号端子33は、円柱状に形成される。雄側信号端子33は、挿入方向Xに長く形成される。雄側信号端子33の直径は、プラグ支持構造体開口部34の一辺よりも短く設定される。雄側信号端子33は、プラグ支持構造体開口部34に規定される空間内にそれぞれ配置される。雄側信号端子33は、長手方向が挿入方向Xに一致して配置される。雄側信号端子33の外周部は、プラグ支持構造体開口部34から離れて配置され、プラグ支持構造体31とは接触しない。プラグ支持構造体開口部34が形成されることによって、雄側信号端子33の挿入方向一端は、通電プラグ21よりも挿入方向一方X1の外部空間に対して露出する。
【0034】
シールド部26は、上部シールド部36と、2つの側部シールド部37と、内部シールド部38とを含んで構成され、いずれも平板状の金属の材料によって形成される。上部シールド部36は、プラグ支持構造体31の上向きZ1の端面部の一部を覆う。上部シールド部36は、長方形に形成される。長方形の長手方向は、挿入方向Xに一致する。側部シールド部37は、プラグ支持構造体31の左右方向Yの各端面部の一部を覆う。側部シールド部37は、長方形に形成される。側部シールド部37は、挿入方向Xに長く形成される。側部シールド部37の長手方向の寸法は、プラグ支持構造体31の挿入方向Xの寸法よりも短い。上部シールド部36と側部シールド部37とは、プラグ支持構造体31の一部の外表面上で互いに電気的に接続される。内部シールド部38についての詳細は、後述する。
【0035】
通電プラグ21には、配線部25が接続される。配線部25は、導線と被覆材とを含んで構成される。導線は、金属の材料によって形成される。被覆材は、導線を電気絶縁性の樹脂によって形成され、導線を被覆する。配線部25は、プラグ支持構造体31の挿入方向他方X2の端面部に接続される。配線部25は、車載用音響再生装置が電気信号を伝送する信号伝送路の一部を形成する。
【0036】
図3は、図4に示した切断面線A−Aで通電プラグ21を切断した断面図であり、上下方向Zに垂直な平面で通電プラグ21を上下方向Zに2等分に切断した状態を示す。ノイズ除去部30は、内部電極41と外部電極42とを含む貫通コンデンサ43を含む。内部電極41は、信号伝送路の一部を形成する。外部電極42は、シールド部26に電気的に接続される。
【0037】
ノイズ除去部30は、雄側信号端子33と、貫通コンデンサ43と、接続部44とを含んで構成される。雄側信号通電プラグは、貫通コンデンサ43を2つ含む。貫通コンデンサ43の内部電極41および外部電極42は、金属の部材によって形成される。内部電極41は、円柱状に形成され、挿入方向Xに長く形成される。外部電極42は、内部電極41の長手方向の一部を外方から覆う。内部電極41と外部電極42とは、電気絶縁性の材料を介して配置され、互いに電気的には接続されない。内部電極41の挿入方向一端63は、雄側信号端子33と電気的に接続される。内部電極41の挿入方向他端64は、接続部44を介して配線部25内の導線と電気的に接続される。接続部44の詳細については、後述する。配線部25は、プラグ支持構造体31の挿入方向他方X2の端面部から挿入方向他方X2に延びて配置される。雄側信号端子33、貫通コンデンサ43、接続部44および配線部25は、車載用音響再生装置本体24が電気信号を伝送する信号伝送路の一部を形成する。
【0038】
側部シールド部37は、前述のようにプラグ支持構造体31の左右方向Yの端面部の一部を覆う。内部シールド部38は、プラグ支持構造体31の内部に形成される。内部シールド部38は、平板状に形成され、プラグ支持構造体31の挿入方向Xに垂直に配置される。内部シールド部38の左右方向Yの両端は、側部シールド部37の挿入方向Xの中央付近に電気的に接続される。内部シールド部38の上下方向Zの寸法は、プラグ支持構造体31の上下方向Zの寸法とおよそ同じに形成される。内部シールド部38と側部シールド部37とは、上方から見て大略的にH形に形成される。内部シールド部38は、貫通コンデンサ43の外部電極42と接する。内部シールド部38の厚み方向は、貫通コンデンサ43の内部電極41の長手方向と一致する。
【0039】
内部シールド部38は、通電プラグ21内において挿入方向Xに垂直に設置されることによって、プラグ支持構造体31が雌側コネクタ22のコネクタ側内部空間50内で占める空間的領域を、挿入方向Xに2つの領域に仕切る。換言すれば、後に詳述する雌側コネクタ22のコネクタ支持構造体45の内部に形成されるコネクタ側内部空間50内において、そのほとんどを挿入方向Xに2つの領域に仕切る。これによって、内部シールド部38は、雌側コネクタ22のコネクタ支持構造体45のコネクタ側内部空間50において、内部シールド部38よりも挿入方向一方X1の空間と挿入方向他方X2の空間とに、電磁的に、ほぼ完全に遮断する。
【0040】
プラグ支持構造体31は、内部に空間を形成する。プラグ支持構造体31の内部に形成される空間を、以後「プラグ側内部空間」(46)と称する。プラグ側内部空間46は、プラグ支持構造体31の内部において、プラグ支持構造体開口部34に規定される空間と繋がっている。雄側信号端子33、貫通コンデンサ43、接続部44、内部シールド部38および配線部25の一部は、プラグ側内部空間46内に配置される。貫通コンデンサ43は、左右方向Yに間隔をあけて配置される。
【0041】
図5は、本発明の第1実施形態における貫通コンデンサ43と内部シールド部38との接続状態を説明するための斜視図である。内部シールド部38には、シールド開口部47が形成される。シールド開口部47は、内部シールドがU字形に切欠かれて形成される。シールド開口部47は、上向きZ1に開口するU字形の空間を規定する。シールド開口部47に規定される空間は、上下方向Zに長く形成される。シールド開口部47の短手方向の内寸は、外部電極42の直径とおよそ同じ寸法に形成される。シールド開口部47には、突起部49が2つ形成される。突起部49は、シールド開口部47の長手方向のおよそ中央にそれぞれ形成される。突起部49は、シールド開口部47から左右方向Yに内方に向けて突出して形成される。
【0042】
貫通コンデンサ43をシールド開口部47に挿入した状態で、貫通コンデンサ43は、突起部49によってシールド開口部47に係止される。貫通コンデンサ43の外部電極42は、内部シールド部38によって支持される。したがって、貫通コンデンサ43の外部電極42は、シールド部26と電気的に接続される。シールド開口部47がU字形に切欠かれて形成されていることによって、貫通コンデンサ43をシールド部26に容易に設置することができる。他の実施形態においては、外部電極をシールド開口部に半田付けして、外部電極とシールド部との間の電気的接続を確実に行ってもよい。
【0043】
図6は、本発明の第1実施形態における通電プラグ21の内部に含まれる各部材を分解して示す平面図である。内部電極41の挿入方向一端63は、雄側信号端子33と接続される。雄側信号端子33の挿入方向他端には、凹部が形成される。雄側信号端子33の凹部によって規定される凹空間は、円柱状に形成される。凹部の内径は、内部電極41の直径とおよそ同じ、かつ僅かに大きい寸法に設定される。内部電極41の挿入方向一端63を雄側信号端子33に形成される凹部に挿入することによって、内部電極41が凹部の内壁に接触する。これによって、内部電極41は、雄側信号端子33と電気的に接続される。
【0044】
貫通コンデンサ43の内部電極41の挿入方向他端64は、接続部44の挿入方向一端と接続される。接続部44は、金属の材料によって形成される。接続部44は、挿入方向Xに長く形成される。接続部44の挿入方向一端には、凹部が形成される。接続部44の凹部によって規定される凹空間は、円柱状に形成される。凹部の内径は、内部電極41の直径とおよそ同じ、かつ僅かに大きい寸法に設定される。内部電極41の挿入方向他端64を接続部44に形成される凹部に挿入することによって、内部電極41が凹部の内壁に接触する。これによって、内部電極41は、接続部44と電気的に接続される。
【0045】
接続部44の挿入方向他端は、部分的に変形可能に形成される。接続部44の挿入方向他端に配線部25内の導線を接触させた状態で、挟持する部分に圧力を加えて変形させることによって、接続部44の挿入方向他端は、導線を挟持した状態となる。これによって、配線部25は、接続部44と電気的に接続される。他の実施形態においては、雄側信号端子と内部電極との接続、接続部と内部電極との接続、および接続部と配線部との接続は、各部材を半田付けすることによって確実に行ってもよい。
【0046】
図7は、本発明の第1実施形態における通電プラグ21を模式的に示す側面図である。図8は、本発明の第1実施形態における通電プラグ21と雌側コネクタ22とが互いに連結した状態を模式的に示す側面図である。図8に示す断面図は、左右方向Yに垂直かつ通電プラグ21の左右方向Yの一端面で、雌側コネクタ22を切断した状態を示す。接続構造体23は、前記通電プラグ21と、雌側コネクタ22とを含む。雌側コネクタ22は、電子機器本体に設けられ、通電プラグ21に連結可能に形成される。また、雌側コネクタ22は、開口する開口部27と、雌側信号端子48と、基準電位部28とを含む。雌側信号端子48は、ノイズ除去部30に接続されることによって、信号伝送路の一部を形成する。信号伝送路は、電子機器本体への入力信号および電子機器本体からの出力信号の少なくともいずれか一方が伝送される。基準電位部28は、基準電位に保たれ、ノイズ除去部30が雌側信号端子48に接続された状態において、シールド部26に接続される。
【0047】
雌側コネクタ22は、コネクタ支持構造体45と、雌側信号端子48と、基準電位部28とを含んで構成される。コネクタ支持構造体45は、電気絶縁性の樹脂によって形成される。コネクタ支持構造体45は、雌側コネクタ22のおよそ外形を成す部材であって、雌側コネクタ22の骨格となる。コネクタ支持構造体45は、外形が大略的に直方体に形成される。コネクタ支持構造体45には、開口部27が形成される。
【0048】
開口部27は、コネクタ支持構造体45の挿入方向他方X2の端面部に形成される。開口部27が規定する空間は、矩形である。開口部27の上下方向Zの内寸L1は、通電プラグ21の上下方向Zの外寸L2とおよそ同じ、かつ僅かに大きい。開口部27の左右方向Yの内寸は、通電プラグ21の左右方向Yの外寸とおよそ同じ、かつ僅かに大きい。
【0049】
雌側コネクタ22は、コネクタ支持構造体45の内部に空間が形成される。コネクタ支持構造体45の内部に形成される空間を、以後「コネクタ側内部空間」(50)と称する。コネクタ側内部空間50には、通電プラグ21が挿入可能である。コネクタ側内部空間50の左右方向Yの寸法は、図3に示した通電プラグ21の左右方向Yの外寸L3とおよそ同じ、かつ僅かに大きい。コネクタ側内部空間50の上下方向Zの寸法L1は、通電プラグ21の上下方向Zの外寸L2とおよそ同じ、かつ僅かに大きい。コネクタ側内部空間50の上下方向Zの寸法L1は、開口部27の上下方向Zの内寸L1と等しい。コネクタ側内部空間50の挿入方向Xの寸法は、通電プラグ21の挿入方向Xの外寸よりも短い。コネクタ側内部空間50は、開口部27に規定される空間に接続される。開口部27に規定される空間は、コネクタ側内部空間50に通電プラグ21を挿入する際の入り口となる。
【0050】
雌側信号端子48は、金属の材料によって形成される。雌側信号端子48は、雄側信号端子33の数と同じ数で構成され、本実施形態では2つで構成される。雌側信号端子48は、円柱状に形成される。円柱の直径は、プラグ支持構造体開口部34の一辺よりも短い。雌側信号端子48の一部は、コネクタ側内部空間50内に配置される。雌側信号端子48は、コネクタ支持構造体45よりも挿入方向一方X1の位置から挿入方向他方X2に延びて形成され、コネクタ側内部空間50内にまで延びて形成される。雌側信号端子48は、コネクタ側内部空間50を規定する表面部のうち挿入方向一方X1からコネクタ側内部空間50を規定する表面部60に配置される。
【0051】
雌側信号端子48の挿入方向他端の一部は、コネクタ側内部空間50を規定する表面部のうち挿入方向一方X1からコネクタ側内部空間50を規定する表面部60から挿入方向他方X2に向かって突出した状態で固定される。雌側信号端子48の挿入方向他端は、コネクタ側内部空間50内において、左右方向Yに間隔をあけて配置される。雌側信号端子48の挿入方向一端は、コネクタ支持構造体45によって外囲され、支持される。円柱状に形成される雌側信号端子48の挿入方向他方X2の端面部には、凹部が形成される。凹部が規定する空間は、円柱状である。凹部の内寸は、雄側信号端子33の外寸とおよそ同じ、かつ僅かに大きく形成される。
【0052】
基準電位部28は、金属の平板状の材料によって形成される。基準電位部28は、矩形に形成される。基準電位部28は、挿入方向Xに長く形成される。基準電位部28の挿入方向他端は、コネクタ側内部空間50を規定する表面部のうち上方からコネクタ側内部空間50を規定する表面部58に配置される。基準電位部28の挿入方向他端は、長手方向が挿入方向Xに一致して配置され、短手方向が左右方向Yに一致して配置される。基準電位部28の挿入方向一端は、コネクタ支持構造体45によって外囲され、支持される。
【0053】
車載用音響再生装置本体24は、車載用音響再生装置本体24の外枠を形成する筐体29を含む。筐体29は、金属板によって形成される。基準電位部28は、筐体29に電気的に接続される。基準電位部28は、いわゆる筐体接地されることによって、基準電位に保たれる。
【0054】
通電プラグ21を雌側コネクタ22の開口部27に挿入して、通電プラグ21の挿入方向Xの端面部が、雌側コネクタ22のコネクタ側内部空間50を規定する表面部のうち挿入方向一方X1からコネクタ側内部空間50を規定する表面部60に接触すると、通電プラグ21と雌側コネクタ22とが互いに連結された連結状態になる。
【0055】
通電プラグ21と雌側コネクタ22とが連結状態のとき、雄側信号端子33が雌側信号端子48に形成される凹部に挿入されることによって、雄側信号端子33が凹部に形成される円柱状の空間を規定する内壁に接触する。したがって、雄側信号端子33と雌側信号端子48とが、互いに一対一で電気的に接続される。これによって、車載用音響再生装置本体24は、接続構造体23を介して、配線部25に電気信号を出力または配線部25から電気信号を入力することが可能となる。
【0056】
シールド部26は、プラグ支持構造体31の左右方向Yおよび上向きZ1に露出している。通電プラグ21と雌側コネクタ22とが連結状態のとき、上部シールド部36は、基準電位部28と電気的に接続される。これによって、貫通コンデンサ43の外部電極42は、シールド部26を介して基準電位部28と電気的に接続される。したがって、貫通コンデンサ43の外部電極42およびシールド部26は、基準電位に保たれる。
【0057】
また、本実施形態の通電プラグ21は、雄側信号端子33を2つ含むけれども、雄側信号端子33の数については規定しない。貫通コンデンサ43および接続部44は、雄側信号端子33と同じ数で構成される。雌側信号端子48は、雄側信号端子33に一対一で電気的に接続可能に配置される。また、配線部25には、車両のエンジンが作動していることを示す信号が伝送される配線、12Vの電圧が印加される配線、またはグラウンド配線などを設けることも可能である。
【0058】
車載用音響再生装置本体24に含まれる筐体29は、金属などの材料で形成されるので、車載用音響再生装置内部で発生した放射ノイズの透過を阻止することができる。しかし、通電プラグ21が接続される雌側コネクタ22は、筐体29が存在しない領域、すなわち電磁的に開口している位置に配置される。コネクタ支持構造体45は、電気絶縁性を有すること、および加工が容易なことなどの理由によって、プラスチックなどの樹脂によって形成される。したがって、コネクタ支持構造体45は、電磁的な開口となって電磁波を透過させる。また、車載用音響再生装置本体24において、雌側コネクタ22は、パネルなどが配置される前面部の反対側に位置する背面部に配置される。
【0059】
一般に電磁的な開口が形成される場合に、放射ノイズの一部は、電磁的な開口を介して外部に伝播される。電磁的な開口のうち長手方向の最大の内寸をLとし、放射ノイズの波長をλとすると、開口から伝播される電磁波の波長は「λ=2L」の式で表される。開口よりも内部から外部に、または外部から内部に伝播される放射ノイズの周波数は、電磁的な開口の形状および大きさに応じて定まる。
【0060】
また、一般に車両に搭載される他の電子機器は、車載用音響再生装置の背面部付近に配置されることが多い。また、放射ノイズが電磁的な開口から伝播される場合、放射ノイズは、開口の軸線に対して45度以内の角度をなす範囲に伝播される。高周波数帯域の放射ノイズは指向性が強いので、45度よりも狭い角度で伝播される。
【0061】
本実施形態において、雌側信号端子48は、音声信号が出力される信号伝送路の一部を形成する。ノイズ除去部30は、20kHzを超え10GHz以下の周波数帯域のうち少なくとも一部の周波数帯域である電気信号の伝送を阻止する。接続構造体23は、1GHz以上10GHz以下の周波数帯域のうち少なくとも一部の周波数帯域である電磁波の伝播を阻止する。
【0062】
車載用音響再生装置本体24から出力されるノイズが原因で、車両に搭載される他の機器、とくに電磁波を利用する機器が動作不良を起こす場合などに、ノイズ対策が行われる。ノイズ対策は、配線部25の先端に通電プラグ21を設けて、通電プラグ21を雌側コネクタ22に連結することによって行われる。通電プラグ21が伝送を阻止する伝導ノイズの周波数は、貫通コンデンサ43の静電容量によって定まる。異なる静電容量の貫通コンデンサ43を有する様々な通電プラグ21を予め用意しておき、動作不良を起こした機器に応じて、最適な通電プラグ21を選択する。
【0063】
20kHzを超え10GHz以下の周波数帯域のうち少なくとも一部の周波数帯域である電気信号の伝送を阻止する貫通コンデンサ43が、通電プラグ21に用いられる。1GHz以上10GHz以下の周波数帯域のうち少なくとも一部の周波数帯域である電磁波の伝播を阻止する接続構造体23が、車載用音響再生装置に用いられる。
【0064】
ノイズ除去部30は、2GHzを超え6GHz以下の周波数帯域である電気信号の伝送を阻止する。接続構造体23は、2GHzを超え6GHz以下の周波数帯域である電磁波の伝播を阻止する。
【0065】
少なくとも2GHzを超え6GHz以下の周波数帯域である電気信号の伝送を阻止する貫通コンデンサ43が、通電プラグ21に用いられる。少なくとも2GHzを超え6GHz以下の周波数帯域である電磁波の伝播を阻止する接続構造体23が、車載用音響再生装置に用いられる。
【0066】
第1実施形態によれば、通電プラグ21は、予め定める周波数を越える周波数の伝導ノイズの伝送を阻止するノイズ除去部30と、電磁波の透過を阻止する材料で形成されるシールド部26とを含んで構成される。これによって、信号伝送路を経由して伝送される電子機器すなわち車載用音響再生装置由来の高周波の伝導ノイズが、雌側コネクタ22を介して車載用音響再生装置から出力されることを阻止することができる。したがって、信号伝送路に伝導ノイズが伝送されることで発生する伝導放射ノイズが、他の機器に対して放射されることを抑制することができる。これによって、車載用音響再生装置由来の高周波の伝導ノイズが、信号伝送路に接続される他の機器または信号伝送路近傍に配置される他の機器に対して影響することを防止することができる。
【0067】
また、雌側コネクタ22の開口部27を形成するコネクタ支持構造体45は、樹脂などによって形成されるので電磁波の伝播を阻止することができない。これに対し、シールド部26は、電磁波が伝播されることを阻止することができる。シールド部26は、雌側コネクタ22の開口部27に規定される空間付近を覆う。したがって、車載用音響再生装置由来の放射ノイズが開口部27を介して漏洩することを阻止することができる。これによって、車載用音響再生装置由来の放射ノイズが、車載用音響再生装置の近傍に配置される他の機器に影響することを防止することができる。
【0068】
また、通電プラグ21が雌側コネクタ22に接続された状態においてシールド部26は基準電位に保たれるので、シールド部26が基準電位に保たれない場合に比べて、シールド部26による放射ノイズの遮蔽効果を高くすることができる。また、シールド部26とノイズ除去部30とによって、信号伝送路を経由して伝送される外来の高周波の伝導ノイズと外来の放射ノイズとが、雌側コネクタ22を介して車載用音響再生装置に進入することを阻止することができる。これによって、接続構造体23は、外来のノイズによる車載用音響再生装置の動作不良を防止することができる。
【0069】
また第1実施形態によれば、接続構造体23は、前記通電プラグ21と、雌側コネクタ22とを含む。これによって、ノイズ除去部30と雌側信号端子48とが互いに電気的に接続されて、電子機器すなわち車載用音響再生装置は、信号伝送路を介して電気信号を伝送することができる。また、信号伝送路を経由して伝送される車載用音響再生装置由来の高周波の伝導ノイズが、雌側コネクタ22を介して車載用音響再生装置から出力されることを阻止することができる。したがって、信号伝送路に伝導ノイズが伝送されることで発生する伝導放射ノイズが、他の機器に対して放射されることを抑制することができる。これによって、車載用音響再生装置由来の高周波の伝導ノイズが、信号伝送路に接続される他の機器または信号伝送路近傍に配置される他の機器に対して影響することを防止することができる。
【0070】
また、雌側コネクタ22の開口部27を形成するコネクタ支持構造体45は、樹脂などによって形成されるので電磁波の伝播を阻止することができない。これに対し、シールド部26は、電磁波が伝播されることを阻止することができる。シールド部26は、雌側コネクタ22の開口部27に規定される空間付近を覆う。したがって、車載用音響再生装置由来の放射ノイズが開口部27を介して漏洩することを阻止することができる。これによって、車載用音響再生装置由来の放射ノイズが車載用音響再生装置の近傍に配置される他の機器に影響することを防止することができる。
【0071】
また、通電プラグ21が雌側コネクタ22に接続された状態においてシールド部26は基準電位に保たれるので、シールド部26が基準電位に保たれない場合に比べて、シールド部26による放射ノイズの遮蔽効果を高くすることができる。また、シールド部26とノイズ除去部30とによって、信号伝送路を経由して伝送される外来の高周波の伝導ノイズと外来の放射ノイズとが、雌側コネクタ22を介して車載用音響再生装置に進入することを阻止することができる。これによって、外来のノイズによる車載用音響再生装置の動作不良を防止することができる。
【0072】
また第1実施形態によれば、ノイズ除去部30は、20kHzを超え10GHz以下の周波数帯域のうち少なくとも一部の周波数帯域である電気信号の伝送を阻止する。接続構造体23は、1GHz以上10GHz以下の周波数帯域のうち少なくとも一部の周波数帯域である電磁波の伝播を阻止する。人間の可聴帯域の上限は、20kHz近傍である。したがって、車載用音響再生装置本体24から出力される電気信号のうち、音声信号として利用されない周波数帯域の電気信号が伝導ノイズとして雌側コネクタ22を介して出力されることを阻止することができる。また、音響再生装置は、ノイズとしても周波数が10GHz以上の電気信号を出力することは少ない。したがって、車載用音響再生装置内で発生する高周波の伝導ノイズおよび放射ノイズが、雌側コネクタ22を介して外部に出力されることを阻止することができる。また、車載用の機器は、周波数が1GHz以下の電磁波を利用することは少ないので、車載用音響再生装置から雌側コネクタ22を介して漏洩する放射ノイズが、車載用の他の機器に影響することを防止することができる。したがって、接続構造体23は、車載用音響再生装置由来の伝導ノイズおよび放射ノイズによって車載用の他の機器が動作不良を起こすことを防止することができる。
【0073】
また第1実施形態によれば、車載用音響再生装置は、前記接続構造体23を含む。これによって、信号伝送路を経由して伝送される車載用音響再生装置由来の高周波の伝導ノイズが、雌側コネクタ22を介して車載用音響再生装置から出力されることを阻止することができる。したがって、信号伝送路に伝導ノイズが伝送されることで発生する伝導放射ノイズが、他の機器に対して放射されることを抑制することができる。これによって、車載用音響再生装置由来の高周波の伝導ノイズが、信号伝送路に接続される他の機器または信号伝送路近傍に配置される他の機器に対して影響することを防止することができる。
【0074】
また、雌側コネクタ22の開口部27を形成するコネクタ支持構造体45は、樹脂などによって形成されるので電磁波の伝播を阻止することができない。これに対し、シールド部26は、電磁波が伝播されることを阻止することができる。シールド部26は、雌側コネクタ22の開口部27に規定される空間付近を覆う。したがって、車載用音響再生装置由来の放射ノイズが雌側コネクタ22を介して漏洩することを阻止することができる。これによって、車載用音響再生装置由来の放射ノイズが車載用音響再生装置の近傍に配置される他の機器に影響することを防止することができる。
【0075】
また、車両には、電磁波を利用する機器、たとえばGPS(Global Positioning
System)装置、ETC(Electronic Toll Collection System)装置およびキーレスエントリ装置などが搭載されていることがある。したがって、車載用音響再生装置由来のノイズによって、電磁波を利用する機器が動作不良を起こすことを防止して、利便性が低下することを防止することができる。
【0076】
また、通電プラグ21が雌側コネクタ22に接続された状態においてシールド部26は基準電位に保たれるので、シールド部26が基準電位に保たれない場合に比べて、シールド部26による放射ノイズの遮蔽効果を高くすることができる。また、シールド部26とノイズ除去部30とによって、信号伝送路を経由して伝送される外来の高周波の伝導ノイズと外来の放射ノイズとが、雌側コネクタ22を介して車載用音響再生装置に進入することを阻止することができる。これによって、接続構造体23は、外来のノイズによる車載用音響再生装置の動作不良を防止することができる。
【0077】
第1実施形態では、ノイズ除去部30は、貫通コンデンサ43を含み、貫通コンデンサ43の外部電極42は、シールド部26に電気的に接続される。これによって、シールド部26を設けることによって、外部電極42を基準電位に保つことと、開口部27から外部に伝播される放射ノイズを遮断することとの両方を、実現することができる。また、貫通コンデンサ43の静電容量を設定することによって、信号伝送路が伝送する電気信号の周波数帯域のうち、伝送を遮断する周波数帯域を決定することができる。
【0078】
また第1実施形態では、雌側コネクタ22は、車載用音響再生装置本体24に設けられる。これによって、雌側コネクタ22と通電プラグ21とが連結状態のとき、ノイズ除去部30によって、信号伝送路を経由して伝送される車載用音響再生装置由来の高周波の伝導ノイズが、雌側コネクタ22を介して車載用音響再生装置から出力されることを阻止することができる。したがって、信号伝送路に伝導ノイズが伝送されることで発生する伝導放射ノイズが、他の機器に対して放射されることを抑制することができる。これによって、車載用音響再生装置由来の高周波の伝導ノイズが、信号伝送路に接続される他の機器または信号伝送路近傍に配置される他の機器に対して影響することを防止することができる。
【0079】
また、基準電位部28がシールド部26と電気的に接続されるので、シールド部26を基準電位に保つことができる。これによって、シールド部26が、電磁波が伝播されることを確実に阻止することができる。したがって、車載用音響再生装置由来の放射ノイズが雌側コネクタ22を介して漏洩することを阻止することができる。これによって、車載用音響再生装置由来の放射ノイズが車載用音響再生装置の近傍に配置される他の機器に影響することを防止することができる。
【0080】
また、通電プラグ21が雌側コネクタ22に接続された状態においてシールド部26は基準電位に保たれるので、シールド部26が基準電位に保たれない場合に比べて、シールド部26による放射ノイズの遮蔽効果を高くすることができる。また、シールド部26とノイズ除去部30とによって、信号伝送路を経由して伝送される外来の高周波の伝導ノイズと外来の放射ノイズとが、雌側コネクタ22を介して車載用音響再生装置に進入することを阻止することができる。これによって、接続構造体23は、外来のノイズによる車載用音響再生装置の動作不良を防止することができる。
【0081】
また第1実施形態では、ノイズ除去部30は、2GHzを超え6GHz以下の周波数帯域である電気信号の伝送を阻止する。接続構造体23は、2GHzを超え6GHz以下の周波数帯域である電磁波の伝播を阻止する。ETC(Electronic Toll Collection
System)装置は、5.8GHz近傍の周波数の電磁波を使用する。これによって、ETC装置の動作に影響を与える可能性がある周波数帯域のノイズが、車載用音響再生装置から出力されることを阻止することができる。したがって、車両にETC装置が搭載されている場合、接続構造体23は、車載用音響再生装置由来のノイズによってETC装置が動作不良を起こすことを防止することができる。
【0082】
(第2実施形態)
図9は、本発明の第2実施形態における通電プラグ21を示す断面図である。第2実施形態における通電プラグ21は、第1実施形態における通電プラグ21に類似しており、以下、第1実施形態に対する第2実施形態の相違点を中心に説明する。第1実施形態の通電プラグ21に含まれる側部シールド部37は、プラグ支持構造体31の左右方向Yの端面部に露出するけれども、本実施形態の通電プラグ21に含まれる側部シールド部37は、プラグ支持構造体31の外表面よりも内部に隠蔽された状態で形成される。
【0083】
プラグ支持構造体31の左右方向Yの端面部は、側部シールド部37の外方表面を全て覆う。プラグ支持構造体31の左右方向Yの端面部は、左右方向Yに垂直な平面状に形成される。プラグ支持構造体31の左右方向Yの外寸L3は、雌側コネクタ22に形成される開口部27の左右方向Yの内寸とおよそ同じ、かつ僅かに小さい。
【0084】
上部シールド部36は、通電プラグ21の上向きZ1の端面部のみに露出する。したがって、通電プラグ21と雌側コネクタ22とが連結状態のとき、上部シールド部36と基準電位部28とは、前述のように互いに電気的に接続する。
【0085】
電子機器は、車載用である。ノイズ除去部30は、1550MHz以上1600MHz以下の周波数帯域である電気信号の伝送を阻止する。接続構造体23は、1550MHz以上1600MHz以下の周波数帯域である電磁波の伝播を阻止する。
【0086】
第2実施形態によれば、GPS装置の動作に影響を与える可能性がある周波数帯域のノイズが、車載用音響再生装置から出力されることを阻止することができる。GPS装置は、1565.42MHz以上1585.42MHz以下の周波数の電磁波を使用する。したがって、車両にGPS装置が搭載されている場合、接続構造体23は、車載用音響再生装置由来のノイズによってGPS装置が動作不良を起こすことを防止することができる。
【0087】
第2実施形態では、通電プラグ21と雌側コネクタ22とを含んで構成される接続構造体23を、車載用音響再生装置に用いることによって、前述した第1実施形態の接続構造体23を車載用音響再生装置に用いることと同様の効果を奏する。
【0088】
(第3実施形態)
図10は、本発明の第3実施形態における通電プラグ21を示す斜視図である。図11は、本発明の第3実施形態における通電プラグ21を模式的に示す側面図である。第3実施形態における通電プラグ21および雌側コネクタ22は、第1実施形態における通電プラグ21および雌側コネクタ22に類似しており、以下、第1実施形態に対する第3実施形態の相違点を中心に説明する。本実施形態における通電プラグ21は、第1実施形態における通電プラグ21に雄側係止部51が追加されて構成される。本実施形態における雌側コネクタ22は、第1実施形態における雌側コネクタ22に雌側係合部52が追加されて構成される。
【0089】
通電プラグ21は、雄側係止部51をさらに含む。雄側係止部51は、弾性変形可能に形成され、かつシールド部26から弾発的に突出して形成される。雌側コネクタ22は、雌側係合部52をさらに含む。通電プラグ21が開口部27から挿入されて、通電プラグ21と雌側コネクタ22とが互いに接続された状態で、雌側係合部52が雄側係止部51に接触して係合する。また、雌側係合部52は、基準電位に保たれる基準電位部28に接続される。
【0090】
雄側係止部51は、平板状の金属の材料によって形成される。雄側係止部51は、プラグ支持構造体31の上向きZ1の端面部に形成される。雄側係止部51は、上部シールド部36の挿入方向他方X2の位置に形成される。雄側係止部51に外力が付与されない状態において、雄側係止部51は、雌側コネクタ22の開口部27を挿入方向Xに通る軸線に関して、プラグ支持構造体31よりも半径方向外方に弾発的に突出する。具体的には、雄側係止部51は、通電プラグ21の上向きZ1の端面部から上向きZ1に突出して形成される。雄側係止部51は、矩形に形成される。矩形の雄側係止部51は、挿入方向Xに平行に配置される。雄側係止部51の挿入方向一方X1は、上部シールド部36と接続される。雄側係止部51の挿入方向他方X2は、プラグ支持構造体31の上向きZ1の端面部から離れて配置される。雄側係止部51は、シールド部26と接続される付近を左右方向Yに通る軸線まわりに、上下方向Zに弾性的に変形可能である。
【0091】
プラグ支持構造体31の上向きZ1の端面部には、雄側係止部51を支持する基部53が形成される。基部53は、プラグ支持構造体31と同じ材料である電気絶縁性の樹脂によって、プラグ支持構造体31と一体に形成される。基部53は、雄側係止部51を下方から支持する。基部53は、通電プラグ21の上向きZ1の端面部から上向きZ1に突出して形成される。基部53は、雄側係止部51と同様に弾性変形可能に形成される。基部53は、挿入方向一方X1でプラグ支持構造体31に接続されて形成される。基部53は、挿入方向他方X2でプラグ支持構造体31から離れて形成される。基部53は、プラグ支持構造体31と接続される付近を左右方向Yに通る軸線まわりに、上下方向Zに弾性的に変形可能である。
【0092】
図12は、本発明の第3実施形態における通電プラグ21が雌側コネクタ22に連結された状態を模式的に示す側面図である。雌側係合部52は、金属の平板状の材料によって形成される。雌側係合部52は、雄側係止部51と係合可能に形成される。雌側係合部52は、矩形に形成される。雌側係合部52は、挿入方向Xに長く形成される。雌側係合部52は、コネクタ側内部空間50を規定する表面部のうち上方からコネクタ側内部空間50を規定する表面部58に配置される。雌側係合部52は、厚み方向が上下方向Zに一致して配置され、長手方向が挿入方向Xに一致して配置される。雌側係合部52は、挿入方向一方X1が基準電位部28に接続される。
【0093】
基準電位部28は、金属の平板状の材料によって形成される。基準電位部28は、挿入方向他方X2が雌側係止部に接続される。基準電位部28は、コネクタ支持構造体45によって外囲され、支持される。
【0094】
通電プラグ21の挿入方向一方X1の端面部における上下方向Zの外寸L2は、開口部27の上下方向Zの内寸L1と、およそ同じ、かつ僅かに小さい。通電プラグ21が雌側コネクタ22に挿入されると、雄側係止部51は、雌側係合部52によって下向きZ2に押圧されて変形する。雄側係止部51の上向きZ1の端面部は、雌側係合部52の下向きZ2の端面部と平行になる。通電プラグ21と雌側コネクタ22とが連結状態のとき、雄側係止部51は、プラグ支持構造体31から上向きZ1に付勢されて雌側係合部52と係合する。したがって、雄側係止部51と雌側係合部52とは、互いに電気的に接続される。これによって、シールド部26および貫通コンデンサ43の外部電極42は、基準電位に保たれる。
【0095】
第3実施形態によれば、雄側係止部51と雌側係合部52とが互いに係合するので、通電プラグ21が雌側コネクタ22から脱落することを防止することができる。また、雄側係止部51が、弾性変形可能に、かつ弾発的に突出して形成されるので、通電プラグ21と雌側コネクタ22との係合および係合の解除を繰返すことが可能となる。また、雄側係止部51と雌側係合部52とが互いに係合して電気的に接続されるので、雄側係止部51は基準電位部28に確実に接続することができる。したがって、雄側係止部51と接続されるシールド部26は、確実に基準電位に保たれることが可能となる。
【0096】
ノイズ除去部30は、312MHz以上316MHz以下の周波数帯域である電気信号の伝送を阻止する。接続構造体23は、312MHz以上316MHz以下の周波数帯域である電磁波の伝播を阻止する。キーレスエントリ装置は、312MHz以上315.05MHz以下の周波数の電磁波を使用する。したがって、キーレスエントリ装置の動作に影響を与える可能性がある周波数帯域のノイズが、車載用音響再生装置から出力されることを阻止する。これによって、車両にキーレスエントリ装置が搭載されている場合、接続構造体23は、車載用音響再生装置由来のノイズによってキーレスエントリ装置が動作不良を起こすことを防止することができる。
【0097】
(第4実施形態)
図13は、本発明の第4実施形態における接続構造体23を分解して示す底面図である。第4実施形態における通電プラグ21および雌側コネクタ22は、第3実施形態における通電プラグ21および雌側コネクタ22に類似しており、以下、第3実施形態に対する第4実施形態の相違点を中心に説明する。
【0098】
通電プラグ21は、プラグ支持構造体前部54と、プラグ支持構造体後部55と、シールド部26と、ノイズ除去部30と、雄側係止部51とを含んで構成される。プラグ支持構造体前部54とプラグ支持構造体後部55とを含んで、プラグ支持構造体31が構成される。ノイズ除去部30は、雄側信号端子33と、貫通コンデンサ43と、接続部44とを含む。シールド部26は、側部シールド部37と、内部シールド部38とを含んで構成される。
【0099】
プラグ支持構造体前部54には、前部嵌合部56が形成される。前部嵌合部56は、プラグ支持構造体前部54の挿入方向他方X2の端面部において、それぞれの角に形成される。前部嵌合部56は、プラグ支持構造体前部54の挿入方向他方X2の端面部から、挿入方向他方X2に向けて突出して形成される。
【0100】
プラグ支持構造体後部55には、後部嵌合部57が形成される。後部嵌合部57は、前部嵌合部56と嵌合可能に形成される。後部嵌合部57は、プラグ支持構造体後部55の挿入方向一方X1の端面部において、それぞれの角に形成される。後部嵌合部57は、プラグ支持構造体後部55の挿入方向他方X2の端面部から、挿入方向他方X2に向けて形成される。
【0101】
プラグ支持構造体前部54には、プラグ支持構造体開口部34が形成される。プラグ支持構造体後部55は、内部に空間が形成される。プラグ支持構造体開口部34に規定される空間、およびプラグ支持構造体後部55の内部に形成されるプラグ側内部空間46には、第3実施形態における通電プラグ21と同様に、雄側信号端子33、貫通コンデンサ43および接続部44が配置される。
【0102】
プラグ支持構造体31は、プラグ支持構造体前部54とプラグ支持構造体後部55との間に内部シールド部38を挟んで形成される。シールド部26は、内部シールド部38の厚み方向が挿入方向Xに一致して、配置される。プラグ支持構造体前部54がプラグ支持構造体後部55に接続された状態で、前部嵌合部56と後部嵌合部57とが互いに嵌合する。これによって、プラグ支持構造体前部54とプラグ支持構造体後部55とが、互いに機械的に接続された状態となる。
【0103】
図14は、本発明の第4実施形態におけるシールド部26および雄側係止部51を形成する金属板の外観を示す斜視図である。シールド部26および雄側係止部51は、一定の形状に切断された金属板を曲げて形成される。シールド部26は、内部シールド部38と側部シールド部37とを含んで構成される。内部シールド部38は、プラグ支持構造体31の挿入方向一方X1の端面部とおよそ同じ形の長方形に形成される。内部シールド部38は、それぞれの角付近が切欠かれて形成される。内部シールド部38は、前述したU字形のシールド開口部47が形成される。
【0104】
側部シールド部37は、帯状の長方形に形成される。側部シールド部37は、短手方向の寸法が内部シールド部38の短手方向の寸法よりも小さく形成される。側部シールド部37は、短辺が内部シールド部38に接続される。外部シールドは、内部シールドの短辺の中央付近に接続される。雄側係止部51は、長方形に形成される。雄側係止部51は、挿入方向他方X2の辺が内部シールド部38に接続される。雄側係止部51は、内部シールド部38の長辺の中央付近に接続される。
【0105】
側部シールド部37は、内部シールド部38と一体に形成される。側部シールド部37と内部シールド部38とが接続される境界線を成す部分で折り曲げられて、側部シールド部37は形成される。折り曲げられる角度は、およそ90度である。さらに側部シールド部37は、2つの短辺の間で折り返される。側部シールド部37は、短辺に平行な線で折り返される。側部シールド部37は、左右方向Yにシールド部26から外向きに折り返される。
【0106】
雄側係止部51は、内部シールド部38と一体に形成される。雄側係止部51と内部シールド部38とが接続される境界線を成す部分で折り曲げられて、雄側係止部51は形成される。折り曲げられる角度は、およそ90度である。さらに雄側係止部51は、内部シールド部38との境界線から、およそ半分の位置で折り曲げられる。雄側係止部51は、左右方向Yに見て大略的にV字形に折り折り曲げられる。雄側係止部51は、折り曲げられた付近を左右方法に通る軸線まわりに、上下方向Zに弾性的に変形可能である。
【0107】
図15は、本発明の第4実施形態における通電プラグ21の一部を分解して示す斜視図である。プラグ支持構造体前部54の上向きZ1の端面部には、雄側係止部51を支える基部53が形成される。基部53は、前述のように弾性変形可能に形成される。プラグ支持構造体前部54とプラグ支持構造体後部55とは、内部シールド部38を挟んで互いに接続される。プラグ支持構造体前部54がプラグ支持構造体後部55に接続されると、前部嵌合部56と後部嵌合部57とが互いに嵌合して、プラグ支持構造体前部54とプラグ支持構造体後部55とが、互いに機械的に接続される。プラグ支持構造体前部54とプラグ支持構造体後部55とが互いに接続された状態において、雄側係止部51は、基部53の上向きZ1の端面部を覆う。雄側係止部51は、プラグ支持構造体31の上向きZ1の端面部から上向きZ1に突出して配置される。雄側係止部51は、前述のように弾性変形可能に形成される。
【0108】
図13に示した雌側コネクタ22は、プラグ支持構造体31と、雌側信号端子48と、雌側シールド部59と、雌側係合部52と、基準電位部28とを含んで構成される。雌側係合部52は、前述のように、コネクタ側内部空間50を規定する表面部のうち上方からコネクタ側内部空間50を規定する表面部58に配置される。雌側係合部52は、挿入方向一方X1が基準電位部28に接続される。雌側信号端子48は、雄側信号端子33と一対一で電気的に接続可能に配置される。
【0109】
雌側シールド部59は、金属の材料で形成される。雌側シールド部59は、2つ形成される。雌側シールド部59は、帯状の長方形に形成される。雌側シールド部59は、長手方向が挿入方向Xに一致して配置される。雌側シールド部59は、短手方向が上下方向Zに一致して配置される。雌側シールド部59の一部は、コネクタ側内部空間50内に配置される。雌側シールド部59は、コネクタ支持構造体45よりも挿入方向一方X1の位置から挿入方向他方X2に延びて形成され、コネクタ側内部空間50内にまで延びて形成される。雌側シールド部59は、コネクタ側内部空間50を規定する表面部のうち挿入方向一方X1からコネクタ側内部空間50を規定する表面部60に配置される。雌側シールド部59の挿入方向他端の一部は、コネクタ側内部空間50を規定する表面部のうち挿入方向一方X1からコネクタ側内部空間50を規定する表面部60から挿入方向他方X2に向かって突出した状態で固定される。雌側シールド部59は、コネクタ側内部空間50を規定する表面部のうち、左右方向Yからコネクタ側内部空間50を規定する表面部に沿って配置される。雌側シールド部59の挿入方向他端は、コネクタ側内部空間50内において、左右方向Yに間隔をあけて配置される。
【0110】
雌側シールド部59の挿入方向他端には、突起が形成される。各突起は、雌側シールド部59から左右方向Yに内向きに形成される。2つの雌側シールド部59の左右方向Yの内寸L4は、雄側シールド部の左右方向Yの外寸L5とおよそ同じ、かつ僅かに大きい寸法に形成される。雌側シールド部59の挿入方向一端は、コネクタ支持構造体45によって外囲され、支持される。雌側シールド部59は、基準電位部28に電気的に接続される。したがって、雌側シールド部59は、基準電位に保たれる。他の実施形態においては、雌側シールド部は、基準電位部を介さずに導線などを用いて、筐体に電気的に接続されてもよい。雌側シールド部と筐体とが互いに電気的に接続されることによって、雌側シールド部が基準電位に保たれる。
【0111】
第4実施形態において、通電プラグ21を雌側コネクタ22に挿入して通電プラグ21と雌側コネクタ22とが連結状態になると、前述のように、雄側係止部51と雌側係合部52とが互いに係合し、かつ雄側信号端子33と雌側信号端子48とが互いに電気的に接続される。また、通電プラグ21と雌側コネクタ22とが連結状態のとき、雌側シールド部59の突起が側部シールド部37に接触する。したがって、雌側シールド部59と側部シールド部37とは、互いに電気的に接続される。
【0112】
第4実施形態では、通電プラグ21と雌側コネクタ22とを含んで構成される接続構造体23を、車載用音響再生装置に用いることによって、前述した第3実施形態の接続構造体23を車載用音響再生装置に用いることと同様の効果を奏する。また、雌側シールド部59によって、放射ノイズの伝播を遮断する効果を高めることができる。さらに、コネクタ側内部空間を規定する表面部のうち、上下方向Zおよび左右方向Yからコネクタ側内部空間を規定する表面部の全体を、雌側シールド部によって覆う構成とすることによって、放射ノイズの伝播を遮断する効果をさらに高めることができる。
【0113】
(第5実施形態)
第5実施形態における通電プラグ21は、第1〜第4実施形態における通電プラグ21に類似しており、以下、第1〜第4実施形態に対する第5実施形態の相違点を中心に説明する。本実施形態の通電プラグ21は、第1〜第4実施形態の通電プラグ21に含まれる貫通コンデンサ43に換えて、バリスタを用いる構成である。
【0114】
ノイズ除去部30はバリスタを含み、バリスタはシールド部26に接続される。接続部44の挿入方向一端は、雄側信号端子33の挿入方向他端に電気的に接続される。接続部44の挿入方向他端は、前述のように配線部25と電気的に接続される。バリスタの一端は、通電プラグ21内において雄側信号端子33または接続部44に電気的に接続される。バリスタの一端と、雄側信号端子33または接続部44との間の接続は、半田付けによって行われる。バリスタの他端は、内部シールド部38に電気的に接続される。バリスタの他端と、内部シールド部38との間の接続は、半田付けによって行われる。通電プラグ21では、雄側信号端子33および接続部44によって、信号伝送路の一部が形成される。
【0115】
通電プラグ21と雌側コネクタ22との間が連結状態になると、前述のように、雄側信号端子33と雌側信号端子48とが互いに電気的に接続される。これによって、車載用音響再生装置本体24は、接続構造体23を介して配線部25に電気信号を出力または配線部25から電気信号を入力することが可能となる。
【0116】
第5実施形態では、バリスタは、信号伝送路を伝送される電気信号の電圧がバリスタ電圧以上であるとき、信号伝送路とシールド部26との間で、電流が流れることを許容することができる。したがって、高周波の伝導ノイズにサージノイズが含まれる場合、信号伝送路にサージノイズが伝送されることを阻止することができる。これによって、通電プラグ21と雌側コネクタ22とを含んで構成される接続構造体23を、車載用音響再生装置に用いることによって、前述した第1〜第4実施形態の接続構造体23を車載用音響再生装置に用いることと同様の効果を奏する。
【0117】
(第6実施形態)
第6実施形態における通電プラグ21は、第1〜第5実施形態における通電プラグ21に類似しており、以下、第1〜第5実施形態に対する第6実施形態の相違点を中心に説明する。信号伝送路の少なくとも1つは、グラウンドに用いられる。グラウンドに用いられる雄側信号端子33は、通電プラグ21内において、シールド部26と電気的に接続される。グラウンドに用いられる雌側信号端子48は、車載用音響再生装置の筐体29に電気的に接続される。
【0118】
通電プラグ21と雌側コネクタ22とが連結状態になると、前述のように、雄側信号端子33と雌側信号端子48とが互いに電気的に接続される。これによって、車載用音響再生装置本体24は、接続構造体23を介して配線部25に電気信号を出力または配線部25から電気信号を入力することが可能となる。
【0119】
第6実施形態では、通電プラグ21と雌側コネクタ22とを含んで構成される接続構造体23を、車載用音響再生装置に用いることによって、前述した第1〜第5実施形態の接続構造体23を車載用音響再生装置に用いることと同様の効果を奏する。シールド部26は、前述のように、基準電位部28に電気的に接続されることによって基準電位に保たれる。またシールド部26は、グラウンドに用いられる雄側信号端子33および雌側信号端子48を介しても、基準電位に保たれる。したがって、シールド部26を確実に基準電位に保つことができる。
【0120】
(第7実施形態)
第1〜第6実施形態における接続構造体23は、電子機器に用いられる。電子機器は、電子部品を含む機器であればよく、車載用に限らない。電子機器は、車両に搭載されない音響再生装置であってもよく、また音響再生装置ではない、たとえば家庭用の電子機器であってもよい。電子機器は、電子機器本体と接続構造体23とを含んで構成される。雌側コネクタ22は、電子機器本体に配置される。通電プラグ21は、配線部25の先端に設けられる。通電プラグ21と雌側コネクタ22とが互いに連結されることによって、電子機器本体は、接続構造体23を介して配線部25に電気信号を出力または配線部25から電気信号を入力することが可能となる。
【0121】
第7実施形態では、電子機器は、前記接続構造体23を含む。これによって、信号伝送路を経由して伝送される電子機器由来の高周波の伝導ノイズが、雌側コネクタ22を介して電子機器から出力されることを阻止することができる。したがって、信号伝送路に伝導ノイズが伝送されることで発生する伝導放射ノイズが、他の機器に対して放射されることを抑制することができる。これによって、電子機器由来の高周波の伝導ノイズが、信号伝送路に接続される他の機器または信号伝送路近傍に配置される他の機器に対して影響することを防止することができる。
【0122】
また、雌側コネクタ22の開口部27を形成するコネクタ支持構造体45は、樹脂などによって形成されるので電磁波の伝播を阻止することができない。これに対し、シールド部26は、電磁波が伝播されることを阻止することができる。シールド部26は、雌側コネクタ22の開口部27に規定される空間付近を覆う。したがって、電子機器由来の放射ノイズが雌側コネクタ22を介して漏洩することを阻止することができる。これによって、電子機器由来の放射ノイズが電子機器の近傍に配置される他の機器に影響することを防止することができる。
【0123】
また、通電プラグ21が雌側コネクタ22に接続された状態においてシールド部26は基準電位に保たれるので、シールド部26が基準電位に保たれない場合に比べて、シールド部26による放射ノイズの遮蔽効果を高くすることができる。また、一般に電子機器は、ノイズの影響によって動作不良を起こすことがある。第7実施形態では、シールド部26とノイズ除去部30とによって、信号伝送路を経由して伝送される外来の高周波の伝導ノイズと外来の放射ノイズとが、雌側コネクタ22を介して電子機器に進入することを阻止することができる。したがって、接続構造体23は、外来の伝導ノイズおよび放射ノイズによって、電子機器が動作不良を起こすことを防止することができる。
【符号の説明】
【0124】
1 フィルタコネクタ
2 貫通コンデンサ
3 コンデンサ保持板
4 シールドケース
5 コネクタハウジング
6 棒状端子
7 貫通コンデンサ付きコネクタ
8 端子
9 シールド板
10 端子装着部
21 通電プラグ
22 雌側コネクタ
23 接続構造体
24 車載用音響再生装置本体
25 配線部
26 シールド部
27 開口部
28 基準電位部
29 筐体
30 ノイズ除去部
31 プラグ支持構造体
33 雄側信号端子
36 上部シールド部
37 側部シールド部
38 内部シールド部
41 内部電極
42 外部電極
43 貫通コンデンサ
45 コネクタ支持構造体
48 雌側信号端子
50 コネクタ側内部空間
51 雄側係止部
52 雌側係合部
59 雌側シールド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子機器の外方に向けて開口する開口部を含む雌側コネクタに接続されるノイズ除去部であって、
前記雌側コネクタに接続されることによって、前記電子機器への入力信号および前記電子機器からの出力信号の少なくともいずれか一方が伝送される信号伝送路の少なくとも一部を形成し、
前記信号伝送路を経由して伝送される、予め定める周波数を越える周波数の伝導ノイズの伝送を阻止するノイズ除去部と、
電磁波の透過を阻止する材料で形成され、前記ノイズ除去部が前記雌側コネクタに接続された状態において、前記開口部を電磁的に閉鎖し、かつ基準電位に保たれる基準電位部に接続されるシールド部とを含むことを特徴とする通電プラグ。
【請求項2】
請求項1に記載の通電プラグと、
電子機器本体に設けられ、前記通電プラグに連結可能に形成される雌側コネクタであって、
開口する開口部と、
前記ノイズ除去部に接続されることによって、前記電子機器本体への入力信号および前記電子機器本体からの出力信号の少なくともいずれか一方が伝送される信号伝送路の少なくとも一部を形成する雌側信号端子と、
基準電位に保たれ、前記ノイズ除去部が前記雌側信号端子に接続された状態において、前記シールド部に接続される基準電位部とを含む雌側コネクタとを含むことを特徴とする接続構造体。
【請求項3】
前記通電プラグは、
弾性変形可能に、かつ前記シールド部から弾発的に突出して形成される雄側係止部をさらに含み、
前記雌側コネクタは、
前記通電プラグが前記開口部から挿入されて接続された状態で、前記雄側係止部が接触して係合し、基準電位を有する基準電位部に接続される雌側係合部をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の接続構造体。
【請求項4】
前記電子機器は、音響再生装置の少なくとも一部であり、
前記雌側信号端子は、音声信号が出力される信号伝送路の一部を形成し、
前記ノイズ除去部は、20kHzを超え10GHz以下の周波数帯域のうち少なくとも一部の周波数帯域である電気信号の伝送を阻止し、
1GHz以上10GHz以下の周波数帯域のうち少なくとも一部の周波数帯域である電磁波の伝播を阻止することを特徴とする請求項2または3に記載の接続構造体。
【請求項5】
請求項2〜4のいずれか1つに記載の接続構造体を含むことを特徴とする車載用音響再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2010−244734(P2010−244734A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−89608(P2009−89608)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】