説明

連携サービス見本提示装置、サービス連携方法およびサービス連携プログラム

【課題】ユーザの状況に応じて変わる連携サービスの見本を容易に提示可能とする。
【解決手段】サービス連携エンジン2bは、ユーザ端末装置8から連携サービス見本の提示要求を受信すると、サービスシナリオに基づいて、選択の候補となるサービスコンポーネント群を検出し、検出した候補の中から利用するサービスコンポーネントを選択するとともに、見本用サービスコンポーネント群を検出し、検出した候補の中から利用する見本用サービスコンポーネントを選択する。そして、選択したサービスコンポーネントのオペレーションの実行・連携を行うとともに、連携サービス見本と連携サービスとの類似度を算出し、連携サービス見本の実行結果とともにユーザ端末装置8に提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Webサービスを連携した連携サービス提供技術に係り、具体的には、連携サービスの提供に先立ち連携サービスの見本である連携サービス見本を実行し実行結果を提示する連携サービス見本提示装置、サービス連携方法およびサービス連携プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の連携サービス提供技術としては、サービスフローであるサービスシナリオに基づいて、ネットワーク上のサービス機能要素であるサービスコンポーネントをユーザの状況に応じて選択して連携する技術がある。サービスコンポーネントをユーザの状況に応じて選択する方法としては、サービスコンポーネントの機能動作(オペレーション)を、メタデータ情報を用いて抽象的に記述する(オペレーションメタデータ)ことにより、選択の候補となるサービスコンポーネントのオペレーションメタデータを幅広く検出できるようにし、検出したサービスコンポーネントのオペレーションメタデータの中からユーザの状況に応じて、実際に利用するサービスコンポーネントのオペレーションメタデータを選択し、選択したサービスコンポーネントのオペレーションメタデータとオペレーションのインタフェース情報との間のマッピング情報を取得することにより、オペレーションのインタフェース情報を取得する。
【0003】
図5は、従来技術による連携サービスの提供システムを説明するためのブロック図である。図5において、サービス連携エンジン2aは、ユーザ端末装置8から送出されるサービス提供依頼の中に含まれるサービスシナリオを受信する等によりサービスシナリオをサービスシナリオ設定部21aに設定する。サービスシナリオが設定されたことにより、サービスコンポーネント検出部22aは、選択の候補となるサービスコンポーネントのオペレーションメタデータ群を検出する。サービスコンポーネント選択部23aは、検出されたサービスコンポーネントのオペレーションメタデータ群についてユーザの状況に応じて点数付けを行い、高い点数のサービスコンポーネントのオペレーションメタデータを選択する。サービスコンポーネント実行・連携部24aは、選択されたサービスコンポーネントのオペレーションのインタフェース情報を取得し、取得したインタフェース情報に基づきサービスコンポーネントのオペレーションの実行要求をサービスシナリオの記述に従って順番に実行し連携し、該実行結果を、依頼された連携サービスの実行結果としてユーザ端末装置8に送出する。
【0004】
これにより、ユーザがサービスシナリオをサービス連携エンジン2aに送出する等により、数多くのサービスコンポーネントのオペレーションメタデータの中からユーザの状況に応じてサービスコンポーネントのオペレーションメタデータを選択し、選択したサービスコンポーネントのオペレーションを実行して連携することにより、連携サービスを提供することが可能になる(例えば、非特許文献1参照)。
【0005】
また、従来のサービス見本提示技術としては、ユーザに対してサンプルの情報を提示し、それに対するユーザの適否の判定情報を入力してもらい、入力された判定情報から検索キー情報を作成し情報を検索するものがある(例えば、特許文献1参照)。該従来技術によれば、ユーザは、簡単な操作で、大量の情報の中から自分の意図する情報を検索できるようになる。
【特許文献1】特開2003−076717号公報
【非特許文献1】Y. Yamato, Y. Tanaka, and H. Sunaga, “Context-aware Ubiquitous Service Composition Technology”, The IFIP International Conference on Research and Practical Issues of Enterprise Information Systems (CONFENIS2006), pp.51-61, Apr. 2006.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来の連携サービス提供技術(特許文献1)では、サービスコンポーネントをユーザの状況に応じて選択して連携することにより、連携サービスを提供することができるが、連携サービスの見本の提示については言及されていない。また、従来のサービス見本提示技術(非特許文献1)では、サンプルの情報は、予め用意されているものであり、連携サービスのようにユーザの状況に応じて変わる場合には適用することができないという問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、ユーザの状況に応じて変わる連携サービスの見本を容易に提示することができる連携サービス見本提示装置、サービス連携方法およびサービス連携プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は、Webサービスを連携した連携サービスを提供する連携サービス見本提示装置であって、前記連携サービスに対応するサービスシナリオを設定するサービスシナリオ設定手段と、前記サービスシナリオ設定手段によって設定されるサービスシナリオに基づいて、サービスコンポーネントを検出するサービスコンポーネント検出手段と、前記連携サービスに対応する見本用のサービスシナリオを設定する見本用サービスシナリオ設定手段と、前記見本用サービスシナリオ設定手段によって設定される見本用のサービスシナリオに基づいて、見本用サービスコンポーネントを検出する見本用サービスコンポーネント検出手段と、前記見本用サービスコンポーネント検出手段によって検出された前記見本のサービスコンポーネントと前記サービスコンポーネント検出手段によって検出された前記連携サービスのサービスコンポーネントとを比較し、類似度を算出する類似度算出手段と、前記見本用サービスコンポーネント検出手段によって検出された前記見本のサービスコンポーネントを実行するサービスコンポーネント実行手段と、前記類似度算出手段によって算出された類似度を提示する類似度提示手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明は、上記の発明において、前記サービスシナリオ設定手段は、前記見本用サービスシナリオ設定手段によって見本用のサービスシナリオが設定されたことを契機に、前記類似度算出手段で比較対象として用いることを示す比較情報を、設定したサービスシナリオに付与する比較情報付与手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明は、上記の発明において、前記見本用サービスコンポーネント検出手段は、無料のサービスコンポーネントを検出することを特徴とする。
【0011】
本発明は、上記の発明において、前記類似度算出手段は、前記見本サービスコンポーネントおよび前記サービスコンポーネントに対して、ユーザの状況に応じて点数を付与し、該点数を比較することで類似度を算出することを特徴とする。
【0012】
本発明は、上記の発明において、前記サービスコンポーネント実行手段による前記見本のサービスコンポーネントの実行において条件付きである場合には、該条件をユーザに問い合わせる条件問い合わせ手段をさらに備えることを特徴とする。
【0013】
本発明は、上記の発明において、前記サービスシナリオ設定手段は、前記見本用サービスシナリオ設定手段によって前記見本用のサービスシナリオが設定できなかった場合に、前記連携サービスに対応するサービスシナリオに見本用であることを示す見本情報を付与する見本情報付与手段を更に具備することを特徴とする。
【0014】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、Webサービスを連携した連携サービスを提供するサービス連携方法であって、前記連携サービスに対応するサービスシナリオを設定するサービスシナリオ設定ステップと、前記設定されたサービスシナリオに基づいて、サービスコンポーネントを検出するサービスコンポーネント検出ステップと、前記連携サービスに対応する見本用のサービスシナリオを設定する見本用サービスシナリオ設定ステップと、前記設定される見本用のサービスシナリオに基づいて、見本用サービスコンポーネントを検出する見本用サービスコンポーネント検出ステップと、前記見本のサービスコンポーネントと前記連携サービスのサービスコンポーネントとを比較し、類似度を算出する類似度算出ステップと、前記見本のサービスコンポーネントを実行するサービスコンポーネント実行ステップと、前記類似度を提示する類似度提示ステップとを含むことを特徴とするサービス連携方法である。
【0015】
また、上述した課題を解決するために、本発明は、Webサービスを連携した連携サービスを提供する連携サービス見本提示装置のコンピュータに、前記連携サービスに対応するサービスシナリオを設定するサービスシナリオ設定ステップと、前記設定されたサービスシナリオに基づいて、サービスコンポーネントを検出するサービスコンポーネント検出ステップと、前記連携サービスに対応する見本用のサービスシナリオを設定する見本用サービスシナリオ設定ステップと、前記設定される見本用のサービスシナリオに基づいて、見本用サービスコンポーネントを検出する見本用サービスコンポーネント検出ステップと、前記見本のサービスコンポーネントと前記連携サービスのサービスコンポーネントとを比較し、類似度を算出する類似度算出ステップと、前記見本のサービスコンポーネントを実行するサービスコンポーネント実行ステップと、前記類似度を提示する類似度提示ステップとを実行させることを特徴とするサービス連携プログラムである。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、連携サービスに対応するサービスシナリオを設定し、該サービスシナリオに基づいて、サービスコンポーネントを検出する一方、連携サービスに対応する見本用のサービスシナリオを設定し、該見本用のサービスシナリオに基づいて、見本用サービスコンポーネントを検出し、見本のサービスコンポーネントと連携サービスのサービスコンポーネントとを比較し、類似度を算出し、見本のサービスコンポーネントを実行するとともに、類似度を提示する。したがって、ユーザが利用しようとする際に、連携サービス見本を容易に提示することができ、ユーザが連携サービスを利用するか否かを、容易に判断させることができるという利点が得られる。
【0017】
また、本発明によれば、見本用のサービスシナリオが設定されたことを契機に、類似度の比較対象として用いることを示す比較情報を、設定したサービスシナリオに付与する。したがって、見本用のサービスシナリオと通常のサービスシナリオとを容易に対応付けることができる。
【0018】
また、本発明によれば、見本用のサービスシナリオのサービスコンポーネントとして、無料のサービスコンポーネントを検出する。したがって、無料で、連携サービス見本を容易に提示することができ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0019】
また、本発明によれば、見本サービスコンポーネントおよびサービスコンポーネントに対して、ユーザの状況に応じて点数を付与し、該点数を比較する。したがって、既存の技術で容易に双方の類似度を算出することができる。
【0020】
また、本発明によれば、見本のサービスコンポーネントの実行において条件付きである場合には、該条件をユーザに問い合わせる。したがって、ユーザの状況に応じて柔軟に、かつ容易に対応することができる。
【0021】
また、本発明によれば、見本用のサービスシナリオが設定できなかった場合に、連携サービスに対応するサービスシナリオに見本用であることを示す見本情報を付与する。したがって、予め連携サービスの見本が用意されていなくても連携サービスの見本の提示要求に応えられることから、エンドユーザおよびサービス作成者の両者にとって有益となり、利用者の囲い込みができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
(システム構成)
図1は、本発明の実施形態による、システムの構成を示すブロック図である。図において、該システムは、ネットワーク1と、サービス連携エンジン2bと、サービスシナリオDB3と、オントロジDB4と、サービスコンポーネント情報DB5と、ユーザコンテキスト・ポリシDB6と、サービスコンポーネント提供装置7と、ユーザ端末装置8とから構成されている。サービス連携エンジン2b、サービスシナリオDB3、オントロジDB4、サービスコンポーネント情報DB5、ユーザコンテキスト・ポリシDB6、サービスコンポーネント提供装置7およびユーザ端末装置8は、ネットワーク1に接続されている。
【0023】
ネットワーク1は、電話交換等の通信ネットワーク、あるいは、インターネット等の情報ネットワーク、あるいは、移動体ネットワーク等のネットワークである。サービス連携エンジン2bは、サービスシナリオに基づいて、選択の候補となるサービスコンポーネントのオペレーションメタデータを検出し、検出した候補の中から利用するサービスコンポーネントのオペレーションメタデータを選択し、選択したサービスコンポーネントのオペレーションの実行・連携を行う。さらに、サービス連携エンジン2bは、本発明の特徴である連携サービス見本と連携サービスとの類似度の提示等を行う機能を有する。この詳細については後述する。
【0024】
サービスシナリオDB3は、連携サービスのサービスシナリオおよび連携サービス見本を蓄積するデータベースであり、サービスシナリオおよび連携サービス見本を検索して設定する場合にアクセスされる。オントロジDB4は、カテゴリおよびそれに登録されたサービスコンポーネントのオペレーションメタデータを蓄積し、またカテゴリ間の関係(継承関係あるいは同値関係)を蓄積するデータベースであり、サービスコンポーネントのオペレーションメタデータを検出する場合にアクセスされる。
【0025】
サービスコンポーネント情報DB5は、サービスコンポーネントのオペレーションメタデータ等を蓄積し、サービスコンポーネントのオペレーションメタデータを検索キーとしてサービスコンポーネントのオペレーションのインタフェース情報を取得するためのデータベースである。該サービスコンポーネント情報DB5は、サービスコンポーネントのオペレーションメタデータを検出する場合、およびサービスコンポーネントのオペレーションのインタフェース情報を取得する場合にアクセスされる。ユーザコンテキスト・ポリシDB6は、ユーザのコンテキスト情報およびポリシ情報を蓄積するデータベースであり、ユーザに適応したサービスコンポーネントのオペレーションメタデータを選択するときにアクセスされる。
【0026】
サービスコンポーネント提供装置7は、サービスコンポーネントのオペレーションメタデータをオントロジDB4に登録するとともに、またサービスコンポーネントのオペレーションメタデータ等をサービスコンポーネント情報DB5に登録し、さらにサービス連携エンジン2bからサービスコンポーネントのオペレーションの実行要求を受信し、オペレーションを実行し結果をサービス連携エンジン2bに返送する。ユーザ端末装置8は、ユーザが操作する端末装置であり、サービス連携エンジン2bにサービス提供依頼情報を送出するともに、サービス連携エンジン2bから返送される依頼サービスの実行結果を受信する。
【0027】
なお、図面の都合上サービスコンポーネント提供装置7およびユーザ端末装置8は1つずつ示しているが、それぞれ複数存在していてもよい。また、図1に示した各機能要素は、独立して存在することも、併合して存在することもできるものとする。
【0028】
(システム機能)
上述したシステムの機能は、以下の通りである。サービス連携エンジン2bは、ユーザ端末装置8から接続され、連携サービス見本の提示要求を受信すると、連携サービス見本を設定し、連携サービス見本と連携サービスとの類似度を算出し、連携サービス見本の実行結果とともにユーザ端末装置8に提示する。また、予め連携サービス見本が用意されていなくても、提示要求を受信してから作成することができるようになっている。
【0029】
ここで、連携サービス見本と非見本である連携サービスとについて説明する。非見本の連携サービスは、有料のサービスコンポーネントからなり、見本用では、無料の試用版サービスコンポーネントや、別のサービス連携エンジンで代替する。例えば、連携サービスを構成する有料の路線情報コンポーネントを、機能が限定された同一コンポーネントや、別のサービス連携エンジンが提供する無線路線情報コンポーネントで代替する。あるいは、火災報知機がアラームを発したときのみ実行される連携サービスを、見本では、実際にアラームが発せられていない場合にも、アラームを発したかのように動作させ、動作確認を行うことができる。
【0030】
(サービス連携エンジン構成)
次に、上述したシステム機能を実現する構成について説明する。
図2は、本実施形態による、サービス連携エンジン2bの構成例を示すブロック図である。なお、図2には、サービス連携エンジン2bの機能のうち、本発明に関る部分のみを概念的に示している。また、図5に対応する部分には同一の符号を付けている。
【0031】
図2において、サービス連携エンジン2bは、サービスシナリオ設定部21bと、サービスコンポーネント検出部22bと、サービスコンポーネント選択部23bと、サービスコンポーネント実行・連携部24bと、見本用サービスシナリオ設定部25と、類似度結果提示部26とを備えている。
【0032】
サービスシナリオ設定部21bは、本発明の特徴である比較情報付与部211と、本発明の特徴である見本情報付与部212とを備えている。比較情報付与部211は、見本用サービスシナリオ設定部25が設定動作に入ったことで設定される連携サービスのサービスシナリオを、後述する類似度算出部231で類似度の比較に用いることを示す比較情報を、当該サービスシナリオに付与する。見本情報付与部212は、見本用サービスシナリオ設定部25において連携サービス見本のサービスシナリオが設定できなかった場合に、設定した連携サービスのサービスシナリオを見本用として用いることを示す見本情報をサービスシナリオに付与する。
【0033】
サービスコンポーネント検出部22bは、本発明の特徴である見本用サービスコンポーネント検出部221を備えている。見本用サービスコンポーネント検出部221は、見本情報が付与されたサービスシナリオが入力されると、見本用のサービスコンポーネント群の検出を行う。サービスコンポーネント選択部23bは、本発明の特徴である類似度算出部231を備えている。類似度算出部231は、連携サービス見本のサービスコンポーネントと連携サービスのサービスコンポーネントとを比較して類似度を算出する。このとき、サービスコンポーネント選択部23bは、類似度の算出が終わると、見本情報が付与された連携サービス見本のサービスシナリオをサービスコンポーネント実行・連携部24bに供給するが、比較情報が付与された連携サービスのサービスシナリオをサービスコンポーネント実行・連携部24bに供給しない。
【0034】
サービスコンポーネント実行・連携部24bは、本発明の特徴である条件問い合わせ部241を有している。条件問い合わせ部241は、見本情報が付与された連携サービス見本の実行において条件付きである場合には、ユーザ端末装置8に問い合わせる。これによりサービスコンポーネント実行・連携部24bは、連携サービス見本のサービスコンポーネントのオペレーションの実行要求を順番に行い、連携し、提供要求された連携サービス見本の実行結果としてユーザ端末装置8に送出する。
【0035】
見本用サービスシナリオ設定部25は、本発明の特徴として、連携サービス見本のサービスシナリオを設定し、見本用であることを示す見本情報を付与する。また、見本用サービスシナリオ設定部25は、連携サービス見本のサービスシナリオの設定動作に入ったことをサービスシナリオ設定部21bに通知するとともに、設定動作に入ったものの、連携サービス見本が設定できなかった場合には、設定できなかったことをサービスシナリオ設定部21bに通知する。類似度提示部26は、本発明の特徴として、類似度算出部231で算出された類似度の算出結果を提示する。
【0036】
また、見本用サービスコンポーネント検出部221にあっては、無料のサービスコンポーネントを検出することを含む。また、類似度算出部231にあっては、連携サービス見本のサービスコンポーネントおよび連携サービスのサービスコンポーネントに得点を付与して比較する。例えば、連携サービスの総得点に対する連携サービス見本の総得点の比で示すことがある。
【0037】
(サービス連携エンジン動作)
次に、本実施形態によるサービス連携エンジン2bの動作について説明する。
図3は、本実施形態によるサービス連携エンジン2bの動作を説明するためのフローチャートである。図において、まず、見本用サービスシナリオ設定部25は、連携サービス見本の提示要求を受信し(ステップS1)、連携サービス見本の設定動作に入り(ステップS2)、連携サービス見本が設定できたか否かを判定し(ステップS3)、連携サービス見本が設定できた場合には(ステップS3のYES)、見本情報を付与してサービスコンポーネント検出部22bに供給する。
【0038】
サービスコンポーネント検出部22bは、見本情報が付与されたサービスシナリオが入力されると、見本用のサービスコンポーネント群を検出し(ステップS4)、サービスコンポーネント選択部23bは、検出された見本用のサービスコンポーネントのオペレーションメタデータ群についてユーザの状況に応じて点数付けを行い、高い点数のサービスコンポーネントのオペレーションメタデータを選択する(ステップS5)。
【0039】
サービスシナリオ設定部21bは、見本用サービスシナリオ設定部25が設定動作に入ったことを契機に、連携サービスのサービスシナリオを設定し(ステップS6)、比較情報を付与し(ステップS7)、サービスコンポーネント群を検出し(ステップS8)、サービスコンポーネント群の中から対応するサービスコンポーネントを選択する(ステップS9)。類似度算出部231は、ステップA5で選択された連携サービス見本のサービスコンポーネントと、ステップS9で選択された連携サービスのサービスコンポーネントとの類似度を算出する(ステップS10)。
【0040】
一方、サービスコンポーネント実行・連携部24bは、ステップS5で選択された連携サービス見本を実行し(ステップS11)、実行において条件付きであるか否かを判定し(ステップS12)、条件付きである場合には(ステップS12のYES)、その都度、ユーザ端末装置8に条件の問い合わせを行う(ステップS13)。一方、条件付きでない場合には、(ステップS12のNO)、連携サービス見本の実行結果を提示するとともに(ステップS14)、ステップS10で算出した類似度の提示を行う(ステップS15)。
【0041】
また、ステップS3において、連携サービス見本のサービスシナリオが設定できなかったと判定された場合には、連携サービスのサービスシナリオに見本情報を付与し、ステップS4に進み、上述した処理を実行する(ステップS16)。
【0042】
(システム動作)
次に、本システムの動作について説明する。合わせて本発明の方法について説明する。
図4は、本実施形態によるシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。図4では、ユーザ端末装置8、サービス連携エンジン2b、サービスシナリオDB3、オントロジDB4、サービスコンポーネント情報DB5、ユーザコンテキスト・ポリシDB6およびサービスコンポーネント提供装置7間のシーケンスを示している。
【0043】
まず、ユーザ端末装置8が連携サービス見本の提示要求を送出すると(ステップB1)、サービス連携エンジン2bは、該連携サービス見本の提示要求を受信し(ステップB2)、連携サービス見本のシナリオ設定動作に入る(ステップB3)。次に、サービス連携エンジン2bは、サービスシナリオDB3にアクセスして連携サービス見本のサービスシナリオを設定する(ステップB4)。また、サービス連携エンジン2bは、サービスシナリオDB3にアクセスして連携サービスのサービスシナリオを設定し(ステップB5)、連携サービスのサービスシナリオに比較情報を付与する(ステップB6)。
【0044】
次に、サービス連携エンジン2bは、オントロジDB4およびサービスコンポーネント情報DB5にアクセスし、サービスコンポーネント群を検出し(ステップB7)、ユーザコンテキスト・ポリシDB6にアクセスしてサービスコンポーネントを選択し(ステップB8)、類似度を算出する(ステップB9)。次に、サービス連携エンジン2bは、連携サービス見本のサービスコンポーネントを実行し(ステップB10)、条件付きである場合には、ユーザ端末装置8に問い合わせる(ステップB11)。次に、サービス連携エンジン2bは、連携サービス見本の実行結果を提示し(ステップB12)、類似度を提示する(ステップB13)。
【0045】
また、ステップB4において連携サービス見本のサービスシナリオが設定できなかった場合は、ステップB5において設定した連携サービスのサービスシナリオに見本情報を付与してステップB7に進む(ステップB14)。
【0046】
なお、上述したシーケンスにおいて、ステップB7にあっては、無料のサービスコンポーネントを検出することを含む。また、ステップB9にあっては、連携サービス見本のサービスコンポーネントおよび連携サービスのサービスコンポーネントに得点を付与して比較すること含む。
【0047】
上述した実施形態によれば、ユーザが利用しようとする際に、連携サービス見本を容易に提示することができ、ユーザが連携サービスを利用するか否かを、容易に判断させることが可能となる。
【0048】
また、本発明によれば、更に下記に述べる効果ないし利点がある。
(1)エンドユーザにとっては、全ての連携サービスの見本が見られることから、安心してサービスを選ぶことができるようになる。
(2)サービス提供者にとっては、予め連携サービスの見本が用意されていなくても連携サービスの見本の提示要求に応えられることから、エンドユーザおよびサービス作成者の両者にとって有益となり、利用者の囲い込みができるようになる。
【0049】
なお、本発明は、図1〜図4を用いて説明した形態に限定されるものではなく、その主旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【0050】
また、上述したサービス連携エンジン2bにおける各処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、各処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0051】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0052】
上述したように、本発明が産業上の利用が可能であることは明らかである。即ちエンドユーザにとっては、全ての連携サービスの見本が見られることから、安心してサービスを選ぶことができるようになり、サービス提供者にとっては、予め連携サービスの見本が用意されていなくても連携サービスの見本の提示要求に応えられることから、エンドユーザおよびサービス作成者の両方にとって有益となり、利用者の囲い込みができるようになることから、サービスの利用拡大、システムおよび関連装置の需要が一層高まることが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施形態による、システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による、サービス連携エンジン2bの構成例を示すブロック図である。
【図3】本実施形態によるサービス連携エンジン2bの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本実施形態によるシステムの動作を説明するためのシーケンス図である。
【図5】従来技術による連携サービスの提供システムを説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0054】
1 ネットワーク
2b サービス連携エンジン
21b サービスシナリオ設定部
211 比較情報付与部
212 見本情報付与部
22b サービスコンポーネント検出部
221 見本用サービスコンポーネント検出部
23b サービスコンポーネント選択部
231 類似度算出部
24b サービスコンポーネント実行・連携部
241 条件問い合わせ部
25 見本用サービスシナリオ設定部
26 類似度提示部
3 サービスシナリオDB
4 オントロジDB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webサービスを連携した連携サービスを提供する連携サービス見本提示装置であって、
前記連携サービスに対応するサービスシナリオを設定するサービスシナリオ設定手段と、
前記サービスシナリオ設定手段によって設定されるサービスシナリオに基づいて、サービスコンポーネントを検出するサービスコンポーネント検出手段と、
前記連携サービスに対応する見本用のサービスシナリオを設定する見本用サービスシナリオ設定手段と、
前記見本用サービスシナリオ設定手段によって設定される見本用のサービスシナリオに基づいて、見本用サービスコンポーネントを検出する見本用サービスコンポーネント検出手段と、
前記見本用サービスコンポーネント検出手段によって検出された前記見本のサービスコンポーネントと前記サービスコンポーネント検出手段によって検出された前記連携サービスのサービスコンポーネントとを比較し、類似度を算出する類似度算出手段と、
前記見本用サービスコンポーネント検出手段によって検出された前記見本のサービスコンポーネントを実行するサービスコンポーネント実行手段と、
前記類似度算出手段によって算出された類似度を提示する類似度提示手段と
を備えることを特徴とする連携サービス見本提示装置。
【請求項2】
前記サービスシナリオ設定手段は、
前記見本用サービスシナリオ設定手段によって見本用のサービスシナリオが設定されたことを契機に、前記類似度算出手段で比較対象として用いることを示す比較情報を、設定したサービスシナリオに付与する比較情報付与手段を備える
ことを特徴とする請求項1記載の連携サービス見本提示装置。
【請求項3】
前記見本用サービスコンポーネント検出手段は、無料のサービスコンポーネントを検出する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の連携サービス見本提示装置。
【請求項4】
前記類似度算出手段は、前記見本サービスコンポーネントおよび前記サービスコンポーネントに対して、ユーザの状況に応じて点数を付与し、該点数を比較することで類似度を算出する
ことを特徴とする請求項1から請求項3に記載の連携サービス見本提示装置。
【請求項5】
前記サービスコンポーネント実行手段による前記見本のサービスコンポーネントの実行において条件付きである場合には、該条件をユーザに問い合わせる条件問い合わせ手段
をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4に記載の連携サービス見本提示装置。
【請求項6】
前記サービスシナリオ設定手段は、
前記見本用サービスシナリオ設定手段によって前記見本用のサービスシナリオが設定できなかった場合に、前記連携サービスに対応するサービスシナリオに見本用であることを示す見本情報を付与する見本情報付与手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から請求項5に記載の連携サービス見本提示装置。
【請求項7】
Webサービスを連携した連携サービスを提供するサービス連携方法であって、
前記連携サービスに対応するサービスシナリオを設定するサービスシナリオ設定ステップと、
前記設定されたサービスシナリオに基づいて、サービスコンポーネントを検出するサービスコンポーネント検出ステップと、
前記連携サービスに対応する見本用のサービスシナリオを設定する見本用サービスシナリオ設定ステップと、
前記設定される見本用のサービスシナリオに基づいて、見本用サービスコンポーネントを検出する見本用サービスコンポーネント検出ステップと、
前記見本のサービスコンポーネントと前記連携サービスのサービスコンポーネントとを比較し、類似度を算出する類似度算出ステップと、
前記見本のサービスコンポーネントを実行するサービスコンポーネント実行ステップと、
前記類似度を提示する類似度提示ステップと
を含むことを特徴とするサービス連携方法。
【請求項8】
Webサービスを連携した連携サービスを提供する連携サービス見本提示装置のコンピュータに、
前記連携サービスに対応するサービスシナリオを設定するサービスシナリオ設定ステップと、
前記設定されたサービスシナリオに基づいて、サービスコンポーネントを検出するサービスコンポーネント検出ステップと、
前記連携サービスに対応する見本用のサービスシナリオを設定する見本用サービスシナリオ設定ステップと、
前記設定される見本用のサービスシナリオに基づいて、見本用サービスコンポーネントを検出する見本用サービスコンポーネント検出ステップと、
前記見本のサービスコンポーネントと前記連携サービスのサービスコンポーネントとを比較し、類似度を算出する類似度算出ステップと、
前記見本のサービスコンポーネントを実行するサービスコンポーネント実行ステップと、
前記類似度を提示する類似度提示ステップと
を実行させることを特徴とするサービス連携プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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