説明

連携システム、携帯情報装置、連携方法および連携プログラム

【課題】 データ中の処理対象部分を特定する操作を容易にすること。
【解決手段】 画像形成装置と、携帯情報装置とを含む連携システムは、画像形成装置は、元データを記憶する記憶手段と、記憶された元データの画像を用紙に形成する画像形成手段と、を備え、携帯情報装置は、撮像手段と、撮像手段が画像形成装置によって用紙に形成された画像を撮像し、出力する撮像画像を取得する撮像制御手段(S02)と、撮像画像に対応する元データを画像形成装置から取得する元データ取得手段(S04)と、撮像画像に基づいて、取得された元データ中で処理対象となる処理対象部分を決定する処理対象決定手段(S09)と、元データのうち決定された処理対象部分を処理する処理実行手段(S10)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、連携システム、携帯情報装置、連携方法および連携プログラムに関し、特に、画像形成装置と、その画像形成装置と通信可能な携帯情報装置とを含む連携システム、その連携システムに含まれる形態情報装置、その携帯情報装置により実行される連携方法および連携プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2008−077655号公報(特許文献1)には、機器本体の所定の位置に表示部を有する携帯型の電子機器であって、前記表示部の表示画面に表示する情報を記憶する記憶手段と、前記機器本体を持って前記表示部をその表示画面に対して垂直方向へ移動させたときの移動量を検出する移動量検出手段と、前記記憶手段に記憶された情報を前記表示部の表示画面に表示すると共に、前記移動量検出手段によって検出された前記表示部の垂直方向への移動量に応じて当該情報の表示サイズを動的に変更する表示制御手段と、を具備したことを特徴とする電子機器が記載されている。この電子機器によれば、「虫めがね」を動かしているような自然な感覚で、表示画面に表示された情報の表示サイズを変更することができる。例えば、従来の電子機器で、複合機で代表される画像形成装置によって画像が形成された用紙を撮像すれば、用紙に形成された画像を拡大して表示することができる。
【0003】
しかしながら、画像形成装置によって用紙に形成される画像は、画像形成装置によって縮小処理が実行された画像の場合がある。この場合、用紙に形成された画像を電子機器で撮影し、撮影して得られる画像を拡大したとしても、画像形成装置によって実行される縮小処理により元データの画像から削除された部分を表示することはできないといった問題があった。
【特許文献1】特開2008−077655号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の一つは、データ中の処理対象部分を特定する操作を容易にした連携システムを提供することである。
【0005】
この発明の他の目的は、画像形成装置に記憶されたデータ中の処理対象部分を特定する操作を容易にした携帯情報装置を提供することである。
【0006】
この発明のさらに他の目的は、画像形成装置に記憶されたデータ中の処理対象部分を特定する操作を容易にした携帯処理方法を提供することである。
【0007】
この発明のさらに他の目的は、画像形成装置に記憶されたデータ中の処理対象部分を特定する操作を容易にした携帯処理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、連携システムは、画像形成装置と、画像形成装置と通信可能な携帯情報装置とを含む連携システムであって、画像形成装置は、元データを記憶する記憶手段と、記憶された元データの画像を用紙に形成する画像形成手段と、を備え、携帯情報装置は、撮像手段と、撮像手段が画像形成装置によって用紙に形成された画像を撮像し、出力する撮像画像を取得する撮像制御手段と、撮像画像に対応する元データを画像形成装置から取得する元データ取得手段と、撮像画像に基づいて、取得された元データ中で処理対象となる処理対象部分を決定する処理対象決定手段と、元データのうち決定された処理対象部分を処理する処理実行手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、画像形成装置によって用紙に形成された画像が撮像され、取得される撮像画像に対応する元データが画像形成装置から取得される。そして、撮像画像に基づいて、元データ中で処理対象となる処理対象部分が決定され、元データのうち処理対象部分が処理される。このため、ユーザーは、用紙に形成された画像を見ながら元データの処理対象部分を特定することができる。また、用紙に形成された元データの画像が元データよりも情報量が少ない場合、元データの処理対象部分が処理されるので、撮像画像よりも多くの情報を処理することができる。その結果、データ中の処理対象部分を特定する操作を容易にした連携システムを提供することができる。
【0010】
好ましくは、処理対象決定手段は、撮像制御手段により取得された撮像画像と元データの画像とを比較する比較手段と、元データの画像中で比較手段により撮像画像と同一または類似すると判断された領域に対応する、元データ中の部分を処理対象部分として抽出する比較抽出手段と、を含む。
【0011】
この局面に従えば、撮像画像と元データの画像とが比較され、元データの画像中で撮像画像と同一または類似すると判断された領域に対応する、元データ中の部分が処理対象部分として抽出される。このため、画像を比較することにより元データ中の処理対象部分が決定されるので、処理対象部分を正確に特定することができる。
【0012】
好ましくは、携帯情報装置は、互いに交わる3方向の加速度を検出する加速度検出手段をさらに備え、元データ取得手段は、記憶手段に記憶されたデータのうちから元データを選択するユーザによる指示を受け付ける選択指示受付手段を含み、処理対象決定手段は、撮像手段の第1の撮影範囲に用紙に形成された画像が納まる状態となる第1基準時刻において、用紙に対する相対的な位置である第1基準位置を設定する第1基準設定手段と、加速度検出手段が第1基準時刻以降に出力する3方向各々の加速度に基づいて、基準時刻以降の参照時刻における位置を、第1基準位置に相対する参照位置として検出する参照位置検出手段と、第1基準時刻以降であって、撮像手段の第1の撮影範囲とサイズおよび位置が異なる第2の撮影範囲に用紙に形成された画像が納まる状態となる第2基準時刻における参照位置を第2基準位置に設定する第2基準設定手段と、第1の撮影範囲および第2の撮影範囲それぞれの撮像手段の全撮像範囲中における相対的位置関係と、第1基準位置と第2基準位置との3次元空間における相対的位置関係と、に基づいて、参照位置を元データ中の範囲に変換する変換規則を決定する変換規則決定手段と、参照位置検出手段により参照位置が検出されることに応じて、検出された参照位置を決定された変換規則にしたがって変換した元データ中の範囲を処理対象部分として抽出する変換抽出手段と、を含む。
【0013】
この局面に従えば、互いに交わる3方向の加速度が検出され、第1の撮影範囲に用紙に形成された画像が納まる状態となる第1基準時刻において第1基準位置が設定され、第1基準時刻以降に検出される3方向各々の加速度に基づいて参照位置が検出され、第2の撮影範囲に用紙に形成された画像が納まる状態となる第2基準時刻における参照位置が第2基準位置に設定され、第1の撮影範囲および第2の撮影範囲それぞれの相対的位置関係と、第1基準位置と第2基準位置との3次元空間における相対的位置関係と、に基づいて、参照位置を元データ中の範囲に変換する変換規則が決定され、参照位置を変換規則にしたがって変換することによって、処理対象部分が抽出される。このため、3方向の加速度を検出することによって元データ中の処理対象部分を決定することができ、処理対象部分を正確に特定することができる。
【0014】
好ましくは、参照位置検出手段は、撮像手段が備えるレンズの光軸と平行でレンズが向く方向を正とする第1の方向の第1の距離、第1の方向と垂直に交わる第2の方向の第2の距離、および第1および第2の方向それぞれと垂直に交わる第3の方向の第3の距離を、含む参照位置を検出し、変換規則決定手段は、変換後の範囲のサイズを、第1の方向の第1の距離に反比例するサイズに決定するサイズ決定手段を含む。
【0015】
この局面に従えば、携帯情報装置を用紙に近づけたり遠ざけたりする操作で、処理対象部分のサイズを変更することができる。
【0016】
好ましくは、携帯情報装置は、画像を表示する表示手段を、さらに備え、処理実行手段は、元データのうち決定された処理対象部分の画像を表示手段に表示する表示制御手段を含む。
【0017】
この局面に従えば、処理対象部分の画像が表示されるので、処理対象部分を画像で確認することができる。また、撮像画像よりも元データの情報量が多い場合には、撮像画像よりも多くの情報を表示することができる。
【0018】
好ましくは、表示手段は、撮像手段が配置される面とは反対側の面に設けられ、撮像手段が備えるレンズの光軸を法線とする表示面を有する。
【0019】
この局面に従えば、用紙に形成された画像と、表示面とが同じ方向を向くので、用紙に形成された画像と、処理対象部分の画像とを同時に見ながら処理対象部分を特定することができる。
【0020】
好ましくは、記憶手段は、元データと関連する関連データをさらに記憶しており、携帯情報装置は、元データに関連する関連データを取得する関連データ取得手段を、さらに備え、処理実行手段は、取得された関連データのうちから、元データのうち決定された処理対象部分に関連する部分に対応する関連部分を抽出する関連部分抽出手段と、を含み、表示制御手段は、元データのうち決定された処理対象部分の画像に重畳して、抽出された関連部分の画像を表示する。
【0021】
この局面に従えば、元データに関連する関連データが表示されるので、用紙に形成された画像に関連する情報を表示することができる。
【0022】
好ましくは、処理実行手段は、元データのうち決定された処理対象部分から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、抽出された文字情報に基づいてデータベースを検索する検索手段と、を備え、表示制御手段は、データベースを検索した検索結果を表示手段に表示する。
【0023】
この局面に従えば、元データの処理対象部分に含まれる文字情報をキーワードにしてデータベースを検索し、検索結果を表示するので、用紙に形成された画像に関連する情報をデータベースから抽出することができる。
【0024】
好ましくは、処理実行手段は、元データのうち決定された処理対象部分を送信する送信制御手段を含む。
【0025】
この局面に従えば、元データの処理対象部分が送信されるので、送信するデータを特定する操作を容易にすることができる。
【0026】
好ましくは、処理実行手段は、元データのうち決定された処理対象部分を所定の記憶先に記憶する記憶制御手段を含む。
【0027】
この局面に従えば、元データの処理対象部分が記憶されるので、記憶するデータを特定する操作を容易にすることができる。
【0028】
好ましくは、処理実行手段は、元データのうち決定された処理対象部分を画像形成装置に送信し、処理対象部分の画像を形成させるプリント制御手段を含む。
【0029】
この局面に従えば、元データの処理対象部分の画像が用紙に形成されるので、画像を形成する部分を特定する操作を容易にすることができる。
【0030】
この発明のさらに他の局面によれば、携帯情報装置は、元データの画像を用紙に形成し、該元データを記憶する画像形成装置と通信可能な携帯情報装置であって、撮像手段と、撮像手段が画像形成装置によって用紙に形成された画像を撮像し、出力する撮像画像を取得する撮像制御手段と、撮像画像に対応する元データを画像形成装置から取得する元データ取得手段と、撮像画像に基づいて、取得された元データ中で、処理対象とする処理対象部分を決定する処理対象決定手段と、元データのうち決定された処理対象部分を処理する処理実行手段と、を備える。
【0031】
この局面に従えば、ユーザーは、画像形成装置によって用紙に形成された画像を見ながら画像形成装置に記憶された元データの処理対象部分を特定することができる。また、用紙に形成された元データの画像が元データよりも情報量が少ない場合、元データの処理対象部分が処理されるので、撮像画像よりも多くの情報を処理することができる。その結果、画像形成装置に記憶されたデータ中の処理対象部分を特定する操作を容易にした携帯情報装置を提供することができる。
【0032】
好ましくは、処理対象決定手段は、撮像制御手段により取得された撮像画像と元データの画像とを比較する比較手段と、元データの画像中で比較手段により撮像画像に類似すると判断された領域に対応する、元データ中の部分を処理対象部分として抽出する比較抽出手段と、を含む。
【0033】
好ましくは、互いに交わる3方向の加速度を検出する加速度検出手段をさらに備え、元データ取得手段は、記憶手段に記憶されたデータのうちから元データを選択するユーザによる指示を受け付ける選択指示受付手段を含み、処理対象決定手段は、第1基準時刻において撮像手段が用紙に形成された画像を第1の撮影範囲に納めて撮像し、用紙に対する相対的な位置である第1基準位置を設定する第1基準設定手段と、加速度検出手段が基準時刻以降に出力する3方向各々の加速度に基づいて、基準時刻以降の参照時刻における位置を、第1基準位置に相対する参照位置として検出する参照位置検出手段と、第1基準時刻以降の第2基準時刻において撮像手段が用紙に形成された画像を第1の撮影範囲とサイズおよび位置が異なる第2の撮影範囲に納めて撮像し、第2基準時刻における参照位置を第2基準位置に設定する第2基準設定手段と、第1の撮影範囲および第2の撮影範囲それぞれの撮像手段の全撮像範囲中における相対的位置関係と、第1基準位置と第2基準位置との3次元空間における相対的位置関係と、に基づいて、参照位置を元データ中の範囲に変換する変換規則を決定する変換規則決定手段と、参照位置検出手段により参照位置が検出されることに応じて、検出された参照位置を決定された変換規則にしたがって変換した元データ中の範囲を処理対象部分として抽出する変換抽出手段と、を含む。
【0034】
好ましくは、参照位置検出手段は、撮像手段が備えるレンズの光軸と平行でレンズが向く方向を正とする第1の方向の第1の距離、第1の方向と垂直に交わる第2の方向の第2の距離、および第1および第2の方向それぞれと垂直に交わる第3の方向の第3の距離を、含む参照位置を検出し、変換規則決定手段は、変換後の範囲のサイズを、第1の方向の第1の距離に反比例するサイズに決定するサイズ決定手段を含む。
【0035】
この発明のさらに他の局面によれば、連携処理方法は、元データの画像を用紙に形成し、該元データを記憶する画像形成装置と通信可能な携帯情報装置で実行される連携処理方法あって、撮像手段が画像形成装置によって用紙に形成された画像を撮像し、出力する撮像画像を取得する撮像制御ステップと、画像形成装置から撮像画像に対応する元データを取得する元データ取得ステップと、撮像画像に基づいて、取得された元データ中で、処理対象とする処理対象部分を決定する処理対象決定ステップと、元データのうち決定された処理対象部分を処理する処理実行ステップと、を含む。
【0036】
この局面に従えば、画像形成装置に記憶されたデータ中の処理対象部分を特定する操作を容易にした携帯処理方法を提供することができる。
【0037】
この発明のさらに他の局面によれば、連携処理プログラムは、元データの画像を用紙に形成し、該元データを記憶する画像形成装置と通信可能な携帯情報装置を制御するコンピューターで実行される連携処理プログラムあって、撮像手段が画像形成装置によって用紙に形成された画像を撮像し、出力する撮像画像を取得する撮像制御ステップと、画像形成装置から撮像画像に対応する元データを取得する元データ取得ステップと、撮像画像に基づいて、取得された元データ中で、処理対象とする処理対象部分を決定する処理対象決定ステップと、元データのうち決定された処理対象部分を処理する処理実行ステップと、をコンピューターに実行させる。
【0038】
この局面に従えば、画像形成装置に記憶されたデータ中の処理対象部分を特定する操作を容易にした携帯処理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態における画像処理システムの全体概要を示す図である。
【図2】MFPの外観を示す斜視図である。
【図3】MFPのハードウエア構成の概要を示すブロック図である。
【図4】携帯情報装置のハードウエア構成の概要を示す機能ブロック図である。
【図5】MFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
【図6】携帯情報装置が備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
【図7】MFPにより画像が形成された用紙の一例を示す図である。
【図8】携帯情報装置に表示される画面の一例を示す図である。
【図9】メニュー画面の一例を示す図である。
【図10】関連データが表示された状態の画面の一例を示す図である。
【図11】印刷設定画面の一例を示す図である。
【図12】送信設定画面の一例を示す図である。
【図13】記憶設定画面の一例を示す図である。
【図14】検索設定画面の一例を示す図である。
【図15】MFP側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図16】撮像連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図17】処理実行処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
【図18】処理実行処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【図19】第2の実施の形態における携帯情報装置のハードウエア構成の概要を示す機能ブロック図である。
【図20】第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
【図21】第2の実施の形態における携帯情報装置が備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。
【図22】一覧画面の一例を示す図である。
【図23】第1アシスト画面の一例を示す図である。
【図24】第2アシスト画面の一例を示す図である。
【図25】第2の実施の形態におけるMFP側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図26】第2の実施の形態における撮像連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0041】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の実施の形態における画像処理システムの全体概要を示す図である。図1を参照して、画像処理システム1は、それぞれがネットワーク3に接続された画像形成装置としての複合機(以下、「MFP」という)100,101,102と、パーソナルコンピューター(以下、「PC」という)105と、携帯情報装置200と、無線局11を含む。
【0042】
なお、図ではネットワーク3に3台のMFP(Multi Function Peripheral)100,101,102が接続される例を示しているが、MFPの数はこれに限定されるものではなく、1台以上であればよい。また、MFP100,101,102に代えて、画像を形成する機能を備えた装置であれば、例えば、ファクシミリ、プリンタ等であってもよい。
【0043】
ネットワーク3は、ローカルエリアネットワーク(LAN)であり、接続形態は有線または無線を問わない。またネットワーク3は、LANに限らず、公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)を用いたネットワーク等であってもよい。さらに、ネットワーク3は、インターネットなどのワイドエリアネットワーク(WAN)に接続されている。このため、MFP100,101,102各々は、ネットワーク3を介して互いに通信可能である。
【0044】
携帯情報装置200は、スマートホン等の一般的なPDA(Personal Digital Assistants)である。携帯情報装置200は、携帯電話用基地局と無線で通信することにより携帯電話網に接続し、通話が可能である。また、携帯情報装置200は、無線LAN機能を備えている。
【0045】
ネットワーク3には無線局11がさらに接続される。無線局11は、ネットワーク3の中継装置であり、無線LAN通信機能を備えた携帯情報装置200と通信して、携帯情報装置200をネットワーク3に接続する。このため、携帯情報装置200は、ネットワーク3に接続された、MFP100,101,102,PC105とデータの送受信が可能である。
【0046】
PC105は、一般的なコンピューターである。PC105は、ユーザーにより使用され、アプリケーションプログラムを実行することにより、種々の処理を実行する。種々の処理は、データをMFP100,101,102のいずれかに記憶する処理、MFP100,101,102にデータの画像をプリントさせるプリント処理を含む。データは、インターネットに接続されたサーバーからダウンロードしたWebページ、地図などのデータ、アプリケーションプログラムを実行して生成したデータ等を含む。
【0047】
MFP100,101,102は、ハードウエア構成は同じであってもよく異なっていてもよいが、少なくともデータに基づいて、データの画像を紙などの用紙に形成する画像形成機能を備えている。MFP100,101,102各々が有するハードウエア構成は同じではない場合があるが、ここではMFP100が、他のMFP101,102の少なくとも1つが有する構成を有している場合を例に説明する。
【0048】
図2は、MFPの外観を示す斜視図である。図3は、MFPのハードウエア構成の概要を示すブロック図である。図2および図3を参照して、MFP100は、メイン回路110と、原稿を読み取るための原稿読取部130と、原稿を原稿読取部130に搬送するための自動原稿搬送装置120と、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データに基づいて用紙等に画像を形成するための画像形成部140と、画像形成部140に用紙を供給するための給紙部150と、ユーザーインターフェースとしての操作パネル160とを含む。
【0049】
メイン回路110は、CPU111と、通信インターフェース(I/F)部112と、ROM113と、RAM114と、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)115と、大容量記憶装置としてのハードディスクドライブ(HDD)116と、ファクシミリ部117と、CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)118Aが装着される外部記憶装置118と、を含む。CPU111は、自動原稿搬送装置120、原稿読取部130、画像形成部140、給紙部150および操作パネル160と接続され、MFP100の全体を制御する。
【0050】
ROM113は、CPU111が実行するプログラム、またはそのプログラムを実行するために必要なデータを記憶する。RAM114は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として用いられる。また、RAM114は、原稿読取部130から連続的に送られてくる読取データ(画像データ)を一時的に記憶する。
【0051】
操作パネル160は、MFP100の上面に設けられ、表示部160Aと操作部160Bとを含む。表示部160Aは、液晶表示装置(LCD)、有機ELD(Electro−Luminescence Display)等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部160Bは、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。操作部160Bは、表示部160A上に設けられたタッチパネルをさらに含む。
【0052】
通信I/F部112は、MFP100をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。CPU111は、通信I/F部112を介してMFP101,102、PC105または携帯情報装置200との間で通信し、データを送受信する。また、通信I/F部112は、ネットワーク3を介してインターネットに接続されたコンピューターと通信が可能である。
【0053】
ファクシミリ部117は、公衆交換電話網(PSTN)に接続され、ファクシミリデータを送受信する。ファクシミリ部117は、原稿読取部130により読み取られた画像データまたはHDD116に記憶されたデータをファクシミリデータに変換して、PSTNに接続されたファクシミリ装置に送信する。また、ファクシミリ部117は、受信されたファクシミリデータをHDD116に記憶するか、画像形成部140にファクシミリデータの画像を用紙に形成させる。
【0054】
外部記憶装置118は、プログラムを記憶したCD−ROM118Aが装着される。CPU111は、外部記憶装置118を介してCD−ROM118Aに記憶されたプログラムをRAM114にロードし、実行する。なお、プログラムを記憶する記録媒体としては、CD−ROM118Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの半導体メモリ等でもよい。また、HDD116に記憶されたプログラムをRAM114にロードして実行するようにしてもよい。この場合、MFP100が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをHDD116に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU111が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0055】
図4は、携帯情報装置のハードウエア構成の概要を示す機能ブロック図である。図4を参照して、携帯情報装置200は、携帯情報装置200の全体を制御するためのCPU201と、CPU201の作業領域として用いられるRAM202と、データを不揮発的に記憶するフラッシュメモリ203と、カメラ204と、通話部206と接続された無線通信部205と、情報を表示する表示部207と、ユーザーの操作の入力を受け付ける操作部208と、無線LANインターフェース(I/F)209と、カードI/F210と、を含む。
【0056】
無線通信部205は、電話通信網に接続された携帯電話用基地局と無線通信する。無線通信部205は、携帯情報装置200を電話通信網に接続し、通話部206を用いた通話を可能とする。無線通信部205は、携帯電話用基地局から受信した無線信号を復調した音声信号を復号して通話部206に出力する。また、無線通信部205は、通話部206から入力される音声を符号化し、携帯電話用基地局に送信する。通話部206は、マイクおよびスピーカを備え、無線通信部205から入力される音声をスピーカから出力し、マイクから入力される音声を無線通信部205に出力する。さらに、無線通信部205は、CPU201により制御され、携帯情報装置200を電子メールサーバーに接続し、電子メールを送受信する。
【0057】
カメラ204は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサに結像し、CMOSセンサは受光した光を光電変換して画像データをCPU201に出力する。
【0058】
表示部207は、液晶表示装置(LCD)、有機ELD等の表示装置であり、ユーザーに対する指示メニューや取得した画像データに関する情報等を表示する。操作部208は、複数のキーを備え、キーに対応するユーザーの操作による各種の指示、文字、数字などのデータの入力を受け付ける。
【0059】
表示部207は、カメラ204が配置される面とは反対側の面に設けられ、カメラ204が備えるレンズの光軸を法線とする表示面を有する。このため、カメラ204の被写体と、表示面とがユーザーの方向を向くので、ユーザーは、被写体となる用紙に形成された画像と、表示面に表示された画像とを見ることができる。例えば、カメラ204で撮像して得られる撮像画像を、そのまま表示部207に表示する場合には、携帯情報装置200を、虫眼鏡のように使用することができる。
【0060】
無線LANI/F209は、無線局11と通信し、携帯情報装置200をネットワーク3に接続するためのインターフェースである。携帯情報装置200に予めMFP100,101,102それぞれのIP(Internet Protocol)アドレスを登録しておくことにより、携帯情報装置200は、MFP100,101,102と通信することができ、データの送受信が可能となる。
【0061】
カードI/F210は、フラッシュメモリ210Aが装着される。CPU201は、カードI/F210を介してフラッシュメモリ210Aにアクセス可能である。CPU201は、カードI/F210に装着されたフラッシュメモリ210Aに記録されたプログラムをRAM202にロードして実行する。なお、CPU201が実行するプログラムは、フラッシュメモリ210Aに記録されたプログラムに限られず、フラッシュメモリ203に記憶されたプログラムをRAM202にロードして実行するようにしてもよい。
【0062】
この場合、携帯情報装置200が、ネットワーク3に接続された他のコンピューターからプログラムをダウンロードして、そのプログラムをフラッシュメモリ203に記憶するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、CPU201が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0063】
本実施の形態における画像処理システム1において、MFP100,101,102および携帯情報装置200間で、データが送受信される。データを送受信するプロトコルは、任意のプロトコルを用いることが可能である。データを送受信するプロトコルは、例えばHTTP(HyperText Transfer Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)およびSMPT(Simple Mail Transfer Protocol)、POP(Post Office Protocol)等が用いられる。また、携帯情報装置200は、MFP100,101,102のいずれとデータの送受信をしてもよいが、ここでは、説明のために、MFP100とデータの送受信をする場合を例に説明する。
【0064】
図5は、MFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図5に示すMFP100が備えるCPU111の機能は、CPU111がROM113、HDD116、EEPROM115またはCD−ROM118Aに記憶されたMFP側連携プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。MFP側連携プログラムは、連携処理プログラムの一部である。
【0065】
図5を参照して、MFP100が備えるCPU111は、データを取得するデータ取得部51と、データの画像を形成する画像形成制御部53と、検索依頼受信部55と、元データ抽出部57と、元データ送信部61と、関連データ送信部63と、関連データ抽出部65と、を含む。
【0066】
データ取得部51は、通信I/F112を制御し、外部からデータを受信する。データ取得部51は、データを受信すると、受信されたデータをHDD116に記憶する。これによりHDD116に、データ91が記憶される。また、データ取得部51は、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データを取得し、取得された画像データを、HDD116に記憶する。
【0067】
データ取得部51が外部から受信するデータは、PC105から送信されるデータを含み、PCから送信されるデータは、アプリケーションデータおよびプリントデータを含む。アプリケーションデータは、PC105がアプリケーションプログラムを実行することにより生成されるデータであり、例えば、文書編集プログラムを実行する場合に生成される文書データ、表計算プログラムを実行する場合に生成される表計算データ、画像編集プログラムを実効することにより生成される画像データ等を含む。また、データ取得部51が外部から受信するデータは、インターネットに接続されたサーバーからダウンロードされるマークアップ言語で記述されたWebページを含む。
【0068】
データ取得部51は、データとともに、そのデータに関連する関連データを受信する場合、受信された関連データを、データと関連付けてHDD116に記憶する。これにより、関連データ93がHDD116に記憶される。関連データは、データ91に関連する情報、またはデータ91を補足する情報を含む。データ91に関連する情報の一例としては、データ91が商品を説明する資料の場合に、その商品と類似する商品を説明する資料である。また、データ91を補足する情報の一例としては、データ91が地図を示す画像データの場合に、当該地図中の店舗に関する情報である。また、データ91が会議資料の場合に、会議資料を説明するための資料である。関連データは、データのフォーマットは特定されず、テキストであってもよいし、画像であってもよい。
【0069】
画像形成制御部53は、画像形成部140を制御して、HDD116に記憶されたデータの画像を用紙に形成する。画像形成制御部53は、データ取得部51が、PC105からプリントデータを受信する場合、受信されたプリントデータの画像を画像形成部140に形成させる。また、ユーザーが操作部160Bを操作して、HDD116に記憶されたデータ91のうちから1以上を指定すると、指定されたデータ91の画像を画像形成部140に形成させる。換言すれば、画像形成制御部53は、PC105のユーザー、またはMFP100のユーザーにより指定されたデータの画像を画像形成部140に形成させる。
【0070】
検索依頼受信部55は、通信I/F部112を制御して、後述する携帯情報装置200が送信する検索依頼を受信する。検索依頼は、携帯情報装置200により撮像して得られる撮像画像を含む。検索依頼受信部55は、受信された検索依頼に含まれる撮像画像を、元データ抽出部57に出力するとともに、検索依頼を送信してきた装置、ここでは携帯情報装置200の装置識別情報を元データ送信部61に出力する。
【0071】
元データ抽出部57は、類似画像抽出部59を含む。類似画像抽出部59は、検索依頼受信部55から入力される撮像画像を、HDD116に記憶されているデータ91の画像と比較し、データ91のうちから、それの画像が撮像画像と同一または類似する領域を含むデータ91を抽出する。2つの画像が類似しているか否かを判定する処理は、周知の画像認識処理技術を用いることができる。例えば、画像を微分した微分画像中のエッジの形状が同一または相似するか否かにより類比を判断することができる。類似画像抽出部59は、撮像画像と同一または類似する領域を含む画像のデータ91を抽出すると、抽出されたデータ91を、元データ送信部61に出力する。
【0072】
元データ送信部61は、元データ抽出部57から入力されるデータ91を、検索依頼受信部55から入力される装置識別情報で特定される携帯情報装置200に、通信I/F部112を介して送信する。
【0073】
関連データ送信部63は、通信I/F部112を制御して、後述する携帯情報装置200が送信する関連データ送信依頼を受信する。関連データ送信依頼は、HDD116に記憶されているデータ91のうちから1つを識別するためのデータ識別情報を含む。関連データ送信部63は、関連データ送信依頼を受信すると、受信された関連データ送信依頼に含まれるデータ識別情報を、関連データ抽出部65に出力する。
【0074】
関連データ抽出部65は、関連データ送信部63からデータ識別情報が入力されると、HDD116に記憶された関連データ93のうちから、関連データ送信部63から入力されたデータ識別情報で特定されるデータ91に関連付けられた関連データ93を抽出する。そして、関連データ抽出部65は、抽出された関連データ93を、関連データ送信部63に出力する。関連データ送信部63は、関連データ抽出部65から入力される関連データ93を、関連データ送信依頼を送信してきた携帯情報装置200に、通信I/F部112を介して送信する。
【0075】
図6は、携帯情報装置が備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図6に示す携帯情報装置200が備えるCPU201の機能は、CPU201がフラッシュメモリ203,210Aに記憶された撮像連携プログラムを実行することにより、CPU111に形成される機能である。撮像連携プログラムは、連携処理プログラムの一部である。
【0076】
図6を参照して、携帯情報装置200が備えるCPU201は、カメラ204を制御する撮像制御部241と、元データを取得する元データ取得部243と、元データ中の処理対象範囲を決定する処理対象部分決定部245と、処理対象範囲で特定される元データ中の処理対象部分を処理する処理実行部247と、を含む。
【0077】
撮像制御部241は、カメラ204を制御し、ユーザーによる撮像指示が操作部208に入力されることに応じて、カメラ204に被写体を撮像させる。撮像制御部241は、カメラ204が被写体を撮像し、出力する撮像画像を取得する。撮像制御部241は、カメラ204が出力する撮像画像を元データ取得部243および処理対象部分決定部245に出力する。ここでは、カメラ204が撮像対象とする被写体は、MFP100により画像が形成された用紙である。
【0078】
元データ取得部243は、撮像制御部241から入力される撮像画像を含む検索依頼を、無線LANI/F209を介してMFP100に送信する。上述したように、MFP100は、検索依頼を受信すると、撮像画像と少なくとも一部が同一または類似する元データを返信するので、無線LANI/F209がMFP100から元データ91を受信すると、受信された元データ91を取得する。元データ取得部243は、取得された元データ91を処理対象部分決定部245に出力するとともに、元データ91のデータ識別情報を処理実行部247に出力する。
【0079】
処理対象部分決定部245は、比較部251と、比較抽出部253と、を含む。比較部251は、撮像制御部241から撮像画像が入力され、元データ取得部243から元データが入力される。比較部251は、撮像画像を元データの画像と比較する。撮像画像と、元データの画像の少なくとも一部の領域とを比較し、元データの画像中から撮像画像と同一または類似する領域を抽出する。元データの画像中から撮像画像と同一または類似する領域を抽出する処理は、周知の画像認識処理技術を用いることができる。比較部251は、元データの画像から抽出された領域の元データの画像中の位置を示す位置情報を比較抽出部253に出力する。
【0080】
比較抽出部253は、元データ取得部243から元データが入力され、比較部251から位置情報が入力される、比較抽出部253は、元データ中で位置情報で示される位置に相当する部分を、処理対象部分として元データから抽出し、抽出された処理対象部分を処理実行部247に出力する。
【0081】
処理実行部247は、処理対象部分決定部245から入力される処理対象部分を処理対象として、予め定められた処理を実行する。処理実行部247は、関連データ取得部261と、関連部分抽出部263と、表示制御部265と、データベース検索部267と、文字情報抽出部269と、プリント制御部271と、記憶制御部273と、送信制御部275と、を含む。
【0082】
表示制御部265は、処理対象部分決定部245から処理対象部分が入力されることに応じて、処理対象部分の画像を表示部207に表示する。処理対象部分は、データ91の少なくとも一部であって、その画像中で、カメラ204により撮影されて出力される撮像画像と同一または類似すると判定された領域に対応する部分である。このため、撮像画像とは別のオリジナルのデータ91の画像が表示されるので、撮像画像より情報量の多い画像を表示することができる。例えば、撮像画像は、MFP100によりデータ91の画像を用紙に形成した画像を撮像した画像なので、MFP100により用紙に形成される際に、縮小処理が実行されるなどして削除された部分が存在する場合がある。一方、撮像画像に対応するデータ91の処理対象部分は、MFP100により削除された部分を含むので、撮像画像よりも情報量の多お画像、例えば解像度の高い画像を表示することができる。特に、カメラ204によって、用紙に形成された画像の一部を撮像する場合には、用紙に形成された画像を拡大して表示することになるが、MFP100により削除された部分を拡大して表示しても削除された部分を再現することはできない。例えば、MFP100により文字が削除された場合には、撮像画像に文字は含まれないので、削除された文字を表示することはできない。一方、データ91の処理対象部分には、文字が含まれるので、文字を表示することができる。
【0083】
関連データ取得部261は、元データ取得部243から元データ91のデータ識別情報が入力され、ユーザーによる関連データ取得指示が操作部208に入力されることに応じて、元データ91のデータ識別情報を含む関連データ送信依頼を無線LANI/F209を介してMFP100に送信する。上述したように、MFP100は、関連データ送信依頼を受信すると、関連データ93を返信するので、関連データ取得部261は、無線LANI/F209がMFP100から関連データ93を受信すると、受信された関連データ93を取得する。関連データ取得部261は、取得された関連データを、関連部分抽出部263に出力する。
【0084】
関連部分抽出部263は、関連データ取得部261から入力される関連データのうちから、比較抽出部253から入力される処理対象部分に対応する部分を関連部分として抽出する。関連部分抽出部263は、抽出された関連部分を表示制御部265に出力する。表示制御部265は、関連部分抽出部263から関連部分が入力される場合、表示部207に表示している処理対象部分に重畳して関連部分を表示する。関連データは、データ91に関連する情報、またはデータ91を補足する情報を含む。関連部分抽出部263は、関連データ93のうちから、データ91の処理対象部分に関連する情報を含む部分、または、処理対象部分を補足する情報を含む部分を関連部分として抽出する。データ91の複数の部分と、関連データ93の複数の部分とを、予め関連付ける場合には、関連データ93の複数の部分のうちから処理対象部分に関連付けられた部分を関連部分として抽出する。また、関連データ93のうち、処理対象部分に含まれる文字と同一の文字を含む部分、およびその文字から所定の範囲内に配置される部分を、関連部分として抽出してもよい。
【0085】
文字情報抽出部269は、比較抽出部253から処理対象部分が入力され、ユーザーによる検索指示が操作部208に入力されることに応じて、処理対象部分から文字情報を抽出し、抽出された文字情報をデータベース検索部267に出力する。好ましくは、文字情報抽出部269は、処理対象部分が複数の文字情報を含む場合には、処理対象部分の最も中央よりに配置された文字情報を抽出する。文字情報は、例えば、文字列である。文字情報抽出部269は、データ91が画像の場合には、文字認識処理を実行し、文字情報を抽出する。また、後述するデータベース検索部267が画像をキーにした検索を実行可能な場合には、文字情報は画像であってもよい。
【0086】
データベース検索部267は、文字情報抽出部269から文字情報が入力されることに応じて、データベース検索設定画面を、表示部207に表示する。ユーザーによるデータベース検索指示を受け付けると、無線LANI/F209を介して、文字情報を検索キーに含むデータベース検索要求を、予め定められた検索エンジンに送信する。検索エンジンは、例えば、インターネットに接続された検索サイトである。データベース検索部267は、無線LANI/F209が検索エンジンから返信される検索結果を受信すると、受信された検索結果を表示制御部265に出力する。
【0087】
表示制御部265は、データベース検索部267から検索結果が入力されると、検索結果を表示部207に表示する。表示制御部265は、表示部207に表示されているデータ91の処理対象部分の画像に代えて、検索結果を表示してもよいし、処理対象部分の画像に重畳して検索結果を表示してもよい。
【0088】
プリント制御部271は、比較抽出部253から処理対象部分が入力され、ユーザーによる印刷指示が操作部208に入力されることに応じて、処理対象部分と印刷依頼を無線LANI/F209を介して、MFP100に送信し、MFPに処理対象部分の画像を用紙に形成させる。MFP100は、携帯情報装置200から処理対象部分と印刷依頼を受信すると、処理対象部分の画像を用紙に形成する。プリント制御部271は、印刷設定画面を表示部207に表示し、ユーザーが操作部208に入力する印刷設定を受け付け、印刷設定を含む印刷依頼を、MFP100に送信する。印刷設定は、MFP100が画像を形成するための条件を定める情報であり、例えば、画像形成枚数、用紙のサイズ等を含む。
【0089】
記憶制御部273は、比較抽出部253から処理対象部分が入力され、ユーザーによる記憶指示が操作部208に入力されることに応じて、処理対象部分と記憶依頼を無線LANI/F209を介して、MFP100に送信し、MFPに処理対象部分をHDD116に記憶させる。MFP100は、携帯情報装置200から処理対象部分と記憶依頼を受信すると、処理対象部分を記憶依頼で特定されるHDD116の領域に記憶する。記憶制御部273は、記憶設定画面を表示部207に表示し、ユーザーが操作部208に入力する記憶設定を受け付け、記憶設定を含む記憶依頼を、MFP100に送信する。記憶設定は、MFP100が処理対象部分を記憶するための条件を定める情報であり、例えば、HDD116が有する記憶領域であるフォルダを識別する情報、データフォーマット等を含む。
【0090】
送信制御部275は、比較抽出部253から処理対象部分が入力され、ユーザーによる送信指示が操作部208に入力されることに応じて、処理対象部分を無線LANI/F209を介して送信する。送信制御部275は、送信設定画面を表示部207に表示し、ユーザーが操作部208に入力する送信設定を受け付け、受け付けられた送信設定にしたがって、処理対象部分を送信する。送信設定は、処理対象部分を送信する条件を定める情報であり、例えば、送信先の電子メールアドレス、電子メールアドレスに記載されるコメントを等を含む。
【0091】
図7は、MFPにより画像が形成された用紙の一例を示す図である。図7を参照して、用紙300には、道路地図の画像301が形成されている。領域303は、携帯情報装置200が備えるカメラ204の撮影範囲を示している。
【0092】
図8は、携帯情報装置に表示される画面の一例を示す図である。図8を参照して、画面305は、図7に示した画像301中の領域303に対応するデータ91の処理対象部分の画像を含む。画面305は、図7に示した領域303よりも詳細な情報を含む。
【0093】
図9は、メニュー画面の一例を示す図である。図9を参照して、図8に示した画面に、メニュー画面310が重畳して表示される。メニュー画面310は、関連データ取得指示が割り当てられたボタン311と、印刷指示が割り当てられたボタン312と、記憶指示が割り当てられたボタン313と、送信指示が割り当てられたボタン314と、データベース検索指示が割り当てられたボタン315と、を含む。
【0094】
図10は、関連データが表示された状態の画面の一例を示す図である。図10を参照して、図9に示した画面305に、メニュー画面310と、関連データ321,322と、が重畳して表示される。メニュー画面310の関連データ取得指示が割り当てられたボタン311が反転表示されており、ユーザーによりボタン311が指示されたことが示される。図では、ボタン311にハッチングを付すことにより反転表示されていることを示している。関連データ321は、画面305中の特定の店の位置に配置され、「バーゲン」の文字を含み、特定の店でバーゲンが開催されていることを示す情報を含む。関連データ322は、画面305中の別の特定の店の位置に配置され、「フランス料理」の文字を含み、その店でフランス料理が提供されることを示す情報を含む。
【0095】
図11は、印刷設定画面の一例を示す図である。図11を参照して、図9に示した画面305に、メニュー画面310と、印刷設定画面331と、が重畳して表示される。メニュー画面310の印刷指示が割り当てられたボタン312が反転表示されており、ユーザーによりボタン312が指示されたことが示される。図では、ボタン312にハッチングを付すことにより反転表示されていることを示している。印刷設定画面331は、プリンタを指定する領域と、印刷範囲を指定する領域と、「OK」の文字が表されたボタンと、「キャンセル」の文字が表されたボタンと、を含む。「OK」の文字が表されたボタンが指示されると、プリンタを指定する領域および印刷範囲を指定する領域それぞれに設定された印刷設定に基づいて、処理対象部分と印刷設定とが送信される。
【0096】
図12は、送信設定画面の一例を示す図である。図12を参照して、図9に示した画面305に、メニュー画面310と、送信設定画面341と、が重畳して表示される。メニュー画面310の送信指示が割り当てられたボタン313が反転表示されており、ユーザーによりボタン313が指示されたことが示される。図では、ボタン313にハッチングを付すことにより反転表示されていることを示している。送信設定画面341は、送信先となる宛先の電子メールアドレスを指定する領域と、差出人としてユーザーの電子メールアドレスを指定する領域と、件名を入力する領域と、メッセージを入力する領域と、「送信」の文字が表されたボタンと、「キャンセル」の文字が表されたボタンと、処理対象部分の画像を電子メールに添付するか否かを設定するラジオボタンと、を含む。「送信」の文字が表されたボタンが指示されると、電子メールが生成されて、電子メールサーバーに送信される。
【0097】
図13は、記憶設定画面の一例を示す図である。図13を参照して、図9に示した画面305に、メニュー画面310と、記憶設定画面351と、が重畳して表示される。メニュー画面310の記憶指示が割り当てられたボタン314が反転表示されており、ユーザーによりボタン314が指示されたことが示される。図では、ボタン314にハッチングを付すことにより反転表示されていることを示している。記憶設定画面351は、MFP100のHDD116が有する複数の記憶領域を選択可能に表示する領域353と、選択された記憶領域に記憶されているデータのファイル名を表示する領域355と、ファイル名を指定する領域357と、ファイルのフォーマットを指定する領域358と、「OK」の文字が表されたボタンと、「キャンセル」の文字が表されたボタンと、を含む。領域353には、HDD116が有する複数の記憶領域それぞれに付されたフォルダ名「ABCD」、「HIJK」、「PUBLC」、「US」が選択可能に表示される。ここでは、フォルダ名「HIJK」が選択され、反転表示されている。図では反転表示を、ハッチングで示している。また、領域355は、領域353において選択されたフォルダに記憶されているデータのデータ識別情報の一覧と、「開く」の文字が表されたボタンと、「保存」の文字が表されたボタンと、「削除」の文字が表されたボタンと、を含む。データ識別情報を選択し、「開く」の文字が表されたボタン、「削除」の文字が表されたボタンのいずれかを指示すれば、選択されたデータ識別情報のデータに対して、データを表示する処理およびデータを削除する処理のうち指示されたボタンに対応する処理が実行される。
【0098】
領域357は、処理対象部分のデータのデータ識別情報が入力される。ここではデータ識別情報を「伊丹駅」としている。領域358は、処理対象部分のデータのフォーマットが入力される。ここでは、データのフォーマットが「pdf」に設定されている例を示している。「OK」の文字が表されたボタンが指示されると、元データ91の処理対象部分と記憶指示とがMFP100に送信され、MFP100において、元データ91の処理対象部分がフォーマット「pdf」に変換され、ファイル名「伊丹駅」として、HDD116のフォルダ名「HIJK」に記憶される。
【0099】
図14は、データベース検索設定画面の一例を示す図である。図14を参照して、図9に示した画面305に、メニュー画面310と、データベース検索設定画面361と、が重畳して表示される。メニュー画面310のデータベース検索指示が割り当てられたボタン315が反転表示されており、ユーザーによりボタン315が指示されたことが示される。図では、ボタン315にハッチングを付すことにより反転表示されていることを示している。データベース検索設定画面361は、検索エンジンから受信された画面であり、検索キーを入力する領域に、画面305の中央付近に配置された「伊丹駅」の文字が設定される。「OK」の文字が表されたボタンが指示されると、「伊丹駅」を検索キーにしたデータベース検索依頼が、検索エンジンに送信される。
【0100】
図15は、MFP側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。MFP側連携処理は、MFP100が備えるCPU111が、ROM113、HDD116、EEPROM115またはCD−ROM118Aに記憶されたMFP側連携プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。図15を参照して、CPU111は、原稿読取指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS101)。ユーザーが、操作部160Bに、原稿読み取りモードに設定する操作を入力し、スタートキーを押下すれば、原稿読取指示を受け付ける。原稿読取指示を受け付けたならば処理をステップS102に進めるが、そうでなければステップS102をスキップして処理をステップS103に進める。ステップS102においては、原稿読取部130を制御し、原稿読取部130に原稿を読み取らせ、原稿読取部130が出力する画像データを取得する。そして、取得された画像データを、HDD116にデータ91として記憶し、処理をステップS103に進める。ステップS103においては、通信I/F部112がデータを受信したか否かを判断する。データを受信したならば処理をステップS104に進めるが、そうでなければステップS104をスキップして処理をステップS105に進める。ステップS104においては、受信された受信データを、HDD116にデータ91として記憶し、処理をステップS105に進める。通信I/F部112が受信するデータは、PC105から受信されるアプリケーションデータ、プリントデータを含み、さらに、インターネットに接続されたサーバーからダウンロードされるWebページを含む。
【0101】
ステップS105においては、データの指定を受け付けたか否かを判断する。ユーザーが操作部160Bを操作して、HDD116に記憶されたデータ91のうちから処理対象を指定する操作を入力すると、データの指定を受け付ける。データの指定を受け付けたならば処理をステップS106に進めるが、そうでなければ処理をステップS108に進める。ステップS106においては、画像形成指示を受け付けるまで待機状態となる。ユーザーが操作部160Bに、画像形成能動に設定する操作を入力し、スタートキーを押下すれば、画像形成指示を受け付ける。画像形成指示は、画像形成する条件、例えば倍率、用紙サイズなどを含む。画像形成指示を受け付けるまで待機状態となり、画像形成指示を受け付けたならば処理をステップS107に進める。ステップS107においては、画像形成部140を制御し、ステップS105において指定されたデータの画像を、画像形成部140に形成させ、処理をステップS108に進める。
【0102】
なお、原稿読取指示と画像形成指示とを組み合わせたコピー指示が受け付けられる場合がある。この場合には、ステップS102と、ステップS107の処理とが実行される。換言すれば、原稿読取部130が原稿を読み取って出力する画像データが、HDD115にデータ91として記憶されるとともに、原稿読取部130が出力する画像データの画像が画像形成部140によって形成される。
【0103】
ステップS108においては、検索依頼を受信したか否かを判断する。通信I/F部112は、携帯情報装置200から検索依頼を受信したか否かを判断する。検索依頼を受信したならば、処理をステップS109に進めるが、そうでなければ処理をステップS101に戻す。ステップS109においては、HDD116に記憶されたデータ91のうちから1つを処理対象に選択し、選択されたデータ91の画像と検索依頼に含まれる撮像画像とを比較する。撮像画像の全体と、データ91の画像の少なくとも一部とを比較する。
【0104】
そして、比較の結果により処理を分岐させる(ステップS110)。データ91の画像中に、撮像画像と同一または類似する部分が存在するか否かを判断する。データ91の画像中に、撮像画像と同一または類似する部分が存在するならば処理をステップS112に進めるが、そうでなければ処理をステップS111に進める。ステップS111においては、HDD116に記憶されたデータ91のうちから別の1つを処理対象に選択し、処理をステップS109に戻す。なお、HDD116に記憶されているすべてのデータ91を処理対象に選択した場合には、元データが存在しないことを示す信号を、検索依頼を送信してきた携帯情報装置に通信I/F部112を介して送信し、処理をステップS101に戻すようにすればよい。
【0105】
ステップS112においては、ステップS110において処理対象に選択されたデータを元データに決定し、処理をステップS113に進める。ステップS113においては、元データを、検索依頼を送信してきた携帯情報装置200に通信I/F部112を介して送信し、処理をステップS101に戻す。
【0106】
図16は、撮像連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。撮像連携処理は、携帯情報装置200が備えるCPU201が、フラッシュメモリ203,210Aに記憶された撮像連携プログラムを実行することにより、CPU111により実行される処理である。
【0107】
図16を参照して、CPU201は、撮像指示を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。ユーザーが、操作部208に撮像を指示するために予め設けられたシャッターボタンを押下する操作を検出したならば、撮像指示を受け付ける。撮像指示を受け付けるまで待機状態となり、撮像指示を受け付けたならば処理をステップS02に進める。ステップS02においては、カメラ204を制御し、カメラ204が被写体を撮像し、出力する撮像画像を取得する。ここで、携帯情報装置200のユーザーは、MFP100により画像が形成された用紙を被写体としてシャッターボタンを押下すれば、用紙に形成された画像を撮像した撮像画像を取得することになる。
【0108】
ステップS03においては、検索依頼を送信する。具体的には、ステップS02において取得された撮像画像を含む検索依頼を、MFP100に無線LANI/F209を介して送信する。検索依頼を受信するMFP100は、撮像画像と少なくとも一部が同一または類似する元データを返信するので、次のステップS04においては、無線LANI/F209がMFP100から元データ91を受信するまで待機状態となる。元データを受信したならば(ステップS04でYES)、処理をステップS05に進める。ステップS05においては、受信された元データをフラッシュメモリ203に記憶し、処理をステップS06に進める。
【0109】
ステップS06においては、撮像画像を取得する。カメラ204は、ステップS01において撮像指示が受け付けられてから被写体を撮像した動画像を出力する。動画像は、所定の時間間隔で静止画像を配列した画像である。ここでは、動画像のうちから1つの静止画像を撮像画像として取得する。次のステップS07においては、ステップS04においてMFP100から受信された元データの画像と撮像画像とを比較する。撮像画像の全体と、元データの画像の少なくとも一部とを比較する。
【0110】
そして、比較の結果により処理を分岐させる(ステップS08)。元データの画像中に、撮像画像と同一または類似する領域が存在するか否かを判断する。元データの画像中に、撮像画像と同一または類似する領域が存在するならば処理をステップS09に進めるが、そうでなければ処理をステップS06に戻す。
【0111】
ステップS08においては、元データ中の処理対象部分を決定する。ステップS08において元データの画像中から抽出された、撮像画像と同一または類似する領域に対応する元データの部分を、処理対象部分に決定する。
【0112】
次のステップS10においては、処理実行処理を実行する。処理実行処理の詳細は後述するが、ステップS09において決定された元データの処理対象部分を処理対象として所定の処理を実行する処理である。次のステップS11においては、終了指示を受け付けたか否かを判断する。操作部208に撮像連携処理の終了を指示するために予め設けられた停止ボタンを押下する操作を検出したならば、終了指示を受け付ける。終了指示を受け付けたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS06に戻す。ステップS06においては、ステップS06が実行される時点でカメラ204が出力する静止画像を撮像画像として取得し、ステップS07以降の処理を繰り返す。
【0113】
図17および図18は、処理実行処理の流れの一例を示すフローチャートである。処理実行処理は、図16のステップS10において実行される処理である。図16のステップS10が実行される前のステップS09において、元データの処理対象部分が決定されており、処理実行処理は、処理対象部分を処理対象とする。
【0114】
図17および図18を参照して、CPU201は、処理対象部分を表示部207に表示する(ステップS21)。処理対象部分は、データ91の少なくとも一部であって、データ91の画像のうちカメラ204から出力される撮像画像と同一または類似すると判定された領域に対応する部分である。このため、撮像画像とは別の元データの画像が表示されるので、撮像画像より情報量の多い詳細な画像を表示することができる。
【0115】
次のステップS22においては、メニュー表示指示を受信したか否かを判断する。操作部208にメニュー表示を指示するために予め設けられたメニュー表示指示ボタンを押下する操作を検出したならば、メニュー表示指示を受け付ける。メニュー表示指示を受け付けたならば処理をステップS23に進めるが、そうでなければ処理を撮像連携処理に戻す。
【0116】
ステップS23においては、表示部207に表示されている処理対象部分の画像に重畳してメニュー画面を表示部207に表示する。メニュー画面は、複数の処理のいずれかを選択するための複数のボタンを含む。ここでは、メニュー画面に含まれる複数のボタンは、関連情報表示処理を選択するためのボタンと、印刷処理を選択するためのボタンと、保存処理を選択するためのボタンと、送信処理を選択するためのボタンと、データベース検索処理を選択するためのボタンとを含む。
【0117】
次のステップS24においては、複数の処理のいずれかを選択する指示を受け付けたか否かを判断する。メニュー画面に含まれる複数のボタンのいずれかを押下する操作を検出したならば、選択指示を受け付ける。選択指示を受け付ける場合、複数のボタンのいずれが押下されたかによって処理を分岐させる。関連情報表示処理を選択するためのボタンが押下される場合には処理をステップS25に進め、印刷処理を選択するためのボタンが押下される場合には処理をステップS30に進め、保存処理を選択するためのボタンが押下される場合には処理をステップS34に進め、送信処理を選択するためのボタンが押下される場合には処理をステップS38に進め、データベース検索処理を選択するためのボタンが押下される場合には処理をステップS42に進める。
【0118】
ステップS25においては、関連データ送信依頼を送信する。具体的には、元データ91のデータ識別情報を含む関連データ送信依頼を、MFP100に無線LANI/F209を介して送信する。関連データ送信依頼を受信するMFP100は、関連データ送信依頼に含まれるデータ識別情報で特定されるデータ91に関連する関連データ93を返信するので、次のステップS26においては、MFP100が送信する関連データを受信するまで待機状態となる。無線LANI/F209がMFP100から関連データ93を受信すると、処理をステップS27に進める。
【0119】
ステップS27においては、受信された関連データのうちから、処理対象部分に対応する部分を関連部分として抽出する。関連データは、元データに関連する情報、または元データを補足する情報を含む。関連データのうちから、処理対象部分に関連する情報を含む部分、または、処理対象部分を補足する情報を含む部分を関連部分として抽出する。元データの複数の部分と、関連データの複数の部分とを、予め関連付ける場合には、関連データの複数の部分のうちから処理対象部分に関連付けられた部分を関連部分として抽出する。また、関連データのうち、処理対象部分に含まれる文字と同一の文字を含む部分、およびその文字から所定の範囲内に配置される部分を、関連部分として抽出してもよい。
【0120】
次のステップS28においては、ステップS27において抽出された関連部分を表示部207に表示する。ここでは、表示部207に表示されている処理対象部分の画像に重畳して関連部分の画像を表示する。
【0121】
次のステップS29においては、表示終了指示を受け付けたか否かを判断する。操作部208に関連部分の表示の終了を指示するために予め設けられた表示終了指示ボタンを押下する操作を検出したならば、表示終了指示を受け付ける。表示終了指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS29でNO)、表示終了指示を受け付けたならば(ステップS29でYES)、処理を撮像連携処理に戻す。
【0122】
ステップS30においては、印刷設定画面を表示部207に表示する。印刷設定画面は、MFP100が画像を形成するための条件を受け付けるための画面である。次のステップS31においては、印刷設定を受け付ける。ユーザーが印刷設定画面にしたがって、MFP100が画像を形成するための条件を定める情報を、操作部208に入力すると、操作部208に入力された情報を印刷設定として受け付ける。次のステップS32においては、印刷指示を受け付けたか否かを判断する。操作部208に印刷を指示するために予め設けられた印刷了指示ボタンを押下する操作を検出したならば、印刷指示を受け付ける。印刷指示を受け付けたならば処理をステップS33に進めるが、そうでなければ処理をステップS31に戻す。
【0123】
ステップS33においては、処理対象部分と印刷依頼とを送信し、処理を撮像連携処理に戻す。具体的には、処理対象部分と印刷依頼とを、MFP100に無線LANI/F209を介して送信する。印刷依頼は、ステップS31において受け付けられた印刷設定を含む。処理対象部分と印刷依頼を受信するMFP100は、印刷依頼に含まれる印刷設定にしたがって、処理対象部分の画像を用紙に形成する。
【0124】
ステップS34においては、記憶設定画面を表示部207に表示する。記憶設定画面は、MFP100がデータを記憶するめの条件である記憶設定を受け付けるための画面である。記憶設定は、MFP100がデータを記憶するための条件を定める情報であり、例えば、HDD116のフォルダの情報、データフォーマット等を含む。
【0125】
次のステップS35においては、記憶設定を受け付ける。ユーザーが記憶設定画面にしたがって、MFP100がデータを記憶するための条件を定める情報を、操作部208に入力すると、操作部208に入力された情報を記憶設定として受け付ける。次のステップS36においては、記憶指示を受け付けたか否かを判断する。操作部208に記憶を指示するために予め設けられた記憶指示ボタンを押下する操作を検出したならば、記憶指示を受け付ける。記憶指示を受け付けたならば処理をステップS37に進めるが、そうでなければ処理をステップS35に戻す。
【0126】
ステップS37においては、処理対象部分と記憶依頼とを送信し、処理を撮像連携処理に戻す。具体的には、処理対象部分と記憶依頼とを、MFP100に無線LANI/F209を介して送信する。記憶依頼は、ステップS35において受け付けられた記憶設定を含む。処理対象部分と記憶依頼を受信するMFP100は、記憶依頼に含まれる記憶設定にしたがって、処理対象部分をHDD116に記憶する。
【0127】
ステップS38においては、送信設定画面を表示部207に表示する。送信設定画面は、データを送信するめの条件である送信設定を受け付けるための画面である。送信設定は、データ送信する条件を定める情報であり、例えば、送信先の電子メールアドレス、電子メールアドレスに記載されるコメントを等を含む。
【0128】
次のステップS39においては、送信設定を受け付ける。ユーザーが送信設定画面にしたがって、データを送信するための条件を定める情報を、操作部208に入力すると、操作部208に入力された情報を送信設定として受け付ける。次のステップS40においては、送信指示を受け付けたか否かを判断する。操作部208に送信を指示するために予め設けられた送信指示ボタンを押下する操作を検出したならば、送信指示を受け付ける。送信指示を受け付けたならば処理をステップS41に進めるが、そうでなければ処理をステップS39に戻す。
【0129】
ステップS41においては、処理対象部分を送信し、処理を撮像連携処理に戻す。具体的には、送信設定に含まれる電子メールアドレスを宛先に設定し、処理対象部分を添付した電子メールを生成し、生成した電子メールを電子メールサーバーに無線LANI/F209を介して送信する。
【0130】
ステップS42においては、処理対象部分の中央部分の文字を抽出する。元データが画像の場合には、処理対象部分を文字認識することにより文字を抽出する。次のステップS43においては、検索エンジンにデータベース検索要求を送信する。データベース検索要求は、ステップS42において抽出された文字を検索キーとして含む。具体的には、無線LANI/F209を介して、ステップS42において抽出された文字を検索キーに含むデータベース検索要求を、予め定められた検索エンジンに送信する。検索エンジンは、例えば、インターネットに接続された検索サイトである。
【0131】
次のステップS44においては、検索エンジンから返信される検索結果を受信する。そして、無線LANI/F209により検索エンジンから受信された検索結果を表示部207に表示する(ステップS45)。表示部207に表示されている処理対象部分の画像に代えて、検索結果を表示してもよいし、処理対象部分の画像に重畳して検索結果を表示してもよい。
【0132】
次のステップS46においては、表示終了指示を受け付けたか否かを判断する。操作部208に検索結果の表示の終了を指示するために予め設けられた表示終了指示ボタンを押下する操作を検出したならば、表示終了指示を受け付ける。表示終了指示を受け付けるまで待機状態となり(ステップS46でNO)、表示終了指示を受け付けたならば(ステップS46でYES)、処理を撮像連携処理に戻す。
【0133】
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態においては、MFP100において撮像画像とデータの画像とを画像認識処理を用いて比較することによって、撮像画像に対応するデータを特定し、携帯情報装置200において撮像画像と元データの画像とを画像認識処理を用いて比較することによって元データ中の処理対象部分を決定するようにした。第2の実施の形態における画像処理システムにおいては、画像認識処理を用いない点で第1の実施の形態における画像処理システムと異なる。
【0134】
第2の実施の形態における画像処理システム1Aにおいては、MFP100により画像が形成された用紙を、携帯情報装置200のカメラ204で撮影する点は、第1の実施の形態におけるが画像処理システムと同じである。第2の実施の形態における画像処理システムにおいては、MFP100により画像が形成された用紙を携帯情報装置200で撮像中に、用紙が3次元空間中で固定されることが条件となる点で、第1の実施の形態における画像処理システムと異なる。以下、第2の実施の形態における画像処理システム1Aについて、第1の実施の形態における画像処理システム1と異なる点を主に説明する。
【0135】
第2の実施の形態における画像処理システム1Aの全体概要は、図1に示した全体概要と同じである。第2の実施の形態にMFP100〜102それぞれの外観およびハードウエア構成は、図2および図3にそれぞれ示したのと同じである。したがって、ここでは説明を繰り返さない。
【0136】
図19は、第2の実施の形態における携帯情報装置のハードウエア構成の概要を示す機能ブロック図である。図19を参照して、第2の実施の形態における携帯情報装置200Aは、図4に示したハードウエア構成と異なる点は、3軸加速度センサ211が追加された点である。
【0137】
3軸加速度センサ211は、携帯情報装置200Aの本体に固定され、3方向の加速度を検出し、検出された3方向の加速度をCPU201に出力する。3方向は、カメラ204が有するレンズの光軸方向と平行なZ軸方向と、Z軸方向と交わるX軸方向と、Z軸およびX軸と交わるY方向である。ここでは、X軸、Y軸およびZ軸は、互いに直角に交わるようにしている。
【0138】
図20は、第2の実施の形態におけるMFPが備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図20を参照して、第2の実施の形態におけるMFP100Aが備えるCPU111Aの機能は、図5に示した機能と異なる点は、検索依頼受信部55、元データ抽出部57が削除され、指定受付部71が追加された点である。その他の機能は同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0139】
指定受付部71は、通信I/F部112を制御して、後述する携帯情報装置200Aが送信する一覧画面送信依頼を受信する。一覧画面送信依頼は、HDD116に記憶されたデータ91を識別するためのデータ識別情報を列挙した一覧画面の送信を要求する信号である。指定受付部71は、一覧画面送信依頼を受信すると、HDD116を検索することによって一覧画面を生成し、生成した一覧画面を携帯情報装置200Aに通信I/F部112を介して送信する。
【0140】
指定受付部71は、一覧画面を送信した後に、携帯情報装置200Aから元データ送信依頼が受信されると、受信された元データ送信依頼に含まれるデータ識別情報で特定されるデータ91を、HDD116から読出し、読み出されたデータ91と携帯情報装置200のA装置識別情報とを、元データ送信部61に出力する。
【0141】
元データ送信部61は、指定受付部71から入力されるデータ91を、指定受付部71から入力される装置識別情報で特定される携帯情報装置200Aに、通信I/F部112を介して送信する。
【0142】
図21は、第2の実施の形態における携帯情報装置が備えるCPUの機能の一例を示すブロック図である。図21を参照して、図21に示す第2の実施の形態における携帯情報装置200Aが備えるCPU201Aの機能は、CPU201Aがフラッシュメモリ203,210Aに記憶された撮像連携プログラムを実行することにより、CPU111Aに形成される機能である。撮像連携プログラムは、連携処理プログラムの一部である。
【0143】
図21を参照して、第2の実施の形態における携帯情報装置200Aが備えるCPU201Aが有する機能は、図6に示した機能と異なる点は、元データ取得部243および処理対象部分決定部245が、元データ取得部243Aおよび処理対象部分決定部245Aにそれぞれ変更された点、および加速度検出部281が追加された点である。その他の機能は、図6に示した機能と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0144】
元データ取得部243Aは、一覧画面送信依頼を、無線LANI/F209を介してMFP100に送信する。上述したように、MFP100は、一覧画面送信依頼を受信すると、HDD116に記憶されたデータ91を識別するためのデータ識別情報を列挙した一覧画面を返信するので、無線LANI/F209がMFP100から一覧画面を受信すると、受信された一覧画面を、表示部207に表示する。元データ取得部243Aは、表示部207に一覧画面を表示した後、ユーザーが操作部208に一覧画面に含まれるデータ識別情報を選択する操作を入力すると、選択されたデータ識別情報を含む元データ送信依頼を無線LANI/F209を介してMFP100に送信する。上述したように、MFP100は、元データ送信依頼を受信すると、HDD116に記憶されたデータ91のうちから元データ送信依頼に含まれるデータ識別情報で特定されるデータ91を返信するので、無線LANI/F209がMFP100からデータ91を受信すると、受信されたデータ91を元データとして取得する。元データ取得部243は、取得された元データを処理対象部分決定部245Aに出力するとともに、元データのデータ識別情報を処理実行部247に出力する。
【0145】
図22は、一覧画面の一例を示す図である。図22を参照して、一覧画面401は、データ識別情報「大阪市」、「伊丹駅周辺」を選択可能に表示する。図では、データ識別情報「伊丹駅周辺」が、ユーザーにより選択され、反転表示されている。図では、反転表示をハッチングで示している。
【0146】
図21に戻って、加速度検出部281は、3軸加速度センサ211から3方向の加速度が入力される。加速度検出部281は、3方向の加速度を、処理対象部分決定部245Aに出力する。
【0147】
処理対象部分決定部245Aは、第1基準設定部291と、参照位置検出部293と、第2基準設定部295と、変換規則決定部297と、変換抽出部299と、を含む。
【0148】
第1基準設定部291は、撮像制御部241から撮像画像が入力される。第1基準設定部291は、表示部207に第1アシスト画面を表示する。第1アシスト画面は、MFP100Aにより画像が形成された用紙を、カメラ204の被写体とする場合に、用紙に形成された画像が納まる第1の撮影範囲を明示する画面であり、撮像画像に重畳して表示される。第1基準設定部291は、撮像画像を第1アシスト画面に重ねて表示する。これにより、ユーザーは、第1アシスト画面を見ながら撮像範囲を定めることができる。具体的には、ユーザーは、第1アシスト画面によって明示された第1の撮影範囲内に、用紙に形成された画像が納まるように携帯情報装置を3次元空間内で移動させる操作が容易となる。第1アシスト画面によって明示された第1の撮影範囲内に、用紙に形成された画像が納まるときの携帯情報装置200Aの3次元空間における位置が、第1基準位置である。第1基準設定部295は、操作部208が備えるシャッターボタンを押下するユーザーによる操作を検出すると、第1基準設定信号を、参照位置検出部293に出力する。
【0149】
参照位置検出部293は、第1基準設定部291から第1基準設定信号が入力され、加速度検出部281から3方向の加速度が入力される。参照位置検出部293は、第1基準設定部291から第1基準設定信号が入力された時点の携帯情報装置200の3次元空間中の位置を、第1基準位置(原点)に設定する。参照位置検出部293は、第1基準設定部291から第1基準設定信号が入力された後に、加速度検出部281から入力される3方向の加速度を3方向ごとに積分し、携帯情報装置200の第1基準位置からの相対位置を算出し、算出した位置を参照位置として第2基準設定部295および変換抽出部299に出力する。
【0150】
第2基準設定部295は、参照位置検出部293から参照位置が入力され、撮像制御部241から撮像画像が入力される。第2基準設定部295は、表示部207に第2アシスト画面を表示する。第2アシスト画面は、MFP100Aにより画像が形成された用紙を、カメラ204の被写体とする場合に、用紙に形成された画像が納まる第2の撮影範囲を明示する画面であり、撮像画像に重畳して表示される。第1の撮影範囲と、第2の撮影範囲とは、カメラ204の撮影範囲全体における位置と、サイズとが異なる。第2基準設定部295は、撮像画像を第2アシスト画面に重ねて表示する。これにより、ユーザーは、第2アシスト画面を見ながら撮像範囲を定めることができる。具体的には、ユーザーは、第2アシスト画面によって明示された第2の撮影範囲内に、用紙に形成された画像が納まるように携帯情報装置を3次元空間内で移動させる操作が容易となる。第2アシスト画面によって明示された第2の撮影範囲内に、用紙に形成された画像が納まるときの携帯情報装置200Aの3次元空間における位置が、第2基準位置である。ここでは、第2基準位置は、第1基準位置に対する相対位置である参照位置で表される。第2基準設定部295は、操作部208が備えるシャッターボタンを押下するユーザーによる操作を検出すると、その時点で参照位置検出部293から入力される参照位置を第2基準位置に設定する。第2基準設定部295は、第2基準位置を変換規則決定部297に出力する。
【0151】
図23は、第1アシスト画面の一例を示す図である。図23を参照して、第1アシスト画面411は、第1の撮影範囲を示す枠413を含む。第1アシスト画面411の全体がカメラ204の撮影範囲の全体と一致する。また、第1アシスト画面411において、カメラ204の光軸411Aと、第1の撮像範囲の中心413Aと、を示す。
【0152】
図24は、第2アシスト画面の一例を示す図である。図24を参照して、第2アシスト画面421は、第2の撮影範囲を示す枠423を示す。第2アシスト画面421の全体がカメラ204の撮影範囲の全体と一致する。また、第1アシスト画面411において、カメラ204の光軸421Aと、第2の撮像範囲の中心423Aと、を示す。
【0153】
図23および図24を参照して、第1アシスト画面411および第2アシスト画面421は、サイズは同じであり、ともに表示部207の表示面全体と同じサイズである。第1アシスト画面411および第2アシスト画面421が、カメラ204の撮像範囲に一致するとすれば、第1の撮影範囲を示す枠413と、第2の撮影範囲を示す枠423とは、カメラ204の撮像範囲内の位置が異なる。具体的には、第1の撮影範囲を示す枠413の中心413Aと、第2の撮影範囲を示す枠423の中心423Aは、カメラ204の撮像範囲内で位置が異なる。また、第1の撮影範囲を示す枠413の第1アシスト画面411に対するサイズの比率は、第2の撮影範囲を示す枠423と第2アシスト画面421に対するサイズの比率と異なり、第1の撮像範囲を示す枠413は、第2の撮影範囲を示す枠423よりも大きい。
【0154】
図21に戻って、変換規則決定部297は、第2基準設定部295から入力される第2基準位置、第1の撮影範囲および第2の撮影範囲に基づいて、参照位置を元データ中の範囲に変換する変換規則を決定し、決定した変換規則を変換抽出部299に出力する。例えば、変換規則は、第1の撮影範囲と第2の撮影範囲との相対的な位置関係と、第2基準位置のX軸方向の値およびY軸方向の値と対応付けることにより決定されるX軸方向の係数およびY軸方向の係数と、第1の撮影範囲のサイズと第2の撮影範囲のサイズと差を、第2基準位置のZ軸方向の値と対応付けることにより決定されるZ軸方向の係数と、を含む。
【0155】
より具体的には、第1の撮影範囲413の中心413Aの位置と第2の撮影範囲423の中心423Aの位置との間の距離であって、カメラ204の撮影範囲全体における横方向の成分を第2基準位置のX軸方向の値で除算した値をX軸方向の係数とし、第1の撮影範囲413の中心413Aの位置と第2の撮影範囲423の中心423Aの位置と間の距離であって、カメラ204の撮影範囲全体における縦方向の成分を第2基準位置のY軸方向の値で除算した値をY軸方向の係数とする。これにより、参照位置のX軸方向の値をX軸方向の係数と乗算した値と、参照位置のY軸方向の値にY軸方向の係数と乗算した値とで、携帯情報装置200と用紙との相対位置が参照位置の場合における、カメラ204の撮影範囲中における用紙の中心の位置を定めることができる。
【0156】
また、第1の撮影範囲の縦または横方向の長さと第2の撮影範囲の縦または横方向の長さを第2基準位置のZ軸方向の値で除算した値をZ軸方向の係数とする。これにより、参照位置のZ軸方向の値をZ軸方向の係数と乗算した値で、携帯情報装置200と用紙との相対位置が参照位置の場合における、カメラ204の撮影範囲中における用紙のサイズを定めることができる。
【0157】
カメラ204の撮影範囲中における用紙に形成された画像の中心の位置と、カメラ204の撮影範囲中における画像のサイズとから、用紙に形成された画像(元データの画像)全体のうちでカメラ204の撮影範囲に含まれる範囲が定まる。
【0158】
変換抽出部299は、元データ取得部243Aから元データが入力され、参照位置検出部293から参照位置が入力され、変換規則決定部297から変換規則が入力される。変換抽出部299は、参照位置を変換規則にしたがって変換することにより、元データの画像中でカメラ204の撮影範囲に含まれる範囲を決定する。そして、決定された範囲に対応する元データの部分を、処理対象部分に決定する。変換抽出部299は、元データの処理対象部分を、元データから抽出し、抽出された処理対象部分を処理実行部247に出力する。
【0159】
図25は、第2の実施の形態におけるMFP側連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。MFP側連携処理は、MFP100が備えるCPU111Aが、ROM113、HDD116、EEPROM115またはCD−ROM118Aに記憶されたMFP側連携プログラムを実行することにより、CPU111Aにより実行される処理である。図25を参照して、図15に示したMFP側連携処理と異なる点は、ステップS108〜ステップS113に代えて、ステップS121〜ステップS124が実行される点である。その他の処理は、図15に示した処理と同じなので、ここでは説明を繰り返さない。
【0160】
CPU111Aは、ステップS121において、通信I/F部112が携帯情報装置200から一覧画面送信依頼を受信したか否かを判断する、一覧画面送信依頼を受信したならば処理をステップS122に進めるが、そうでなければ処理をステップS101に戻す。ステップS122においては、HDD116を検索することによって一覧画面を生成し、生成した一覧画面を携帯情報装置200に通信I/F部112を介して送信する。
【0161】
次のステップS123においては、通信I/F部112が携帯情報装置200から元データ送信依頼を受信したか否かを判断する、一覧画面送信依頼を受信するまで待機状態となり(ステップS123でNO)、一覧画面送信依頼を受信したならば処理をステップS124に進める。ステップS124においては、受信された元データ送信依頼に含まれるデータ識別情報で特定されるデータ91を、HDD116から読出し、読み出されたデータ91を携帯情報装置200に通信I/F部112を介して送信する。そして、処理をステップS101に戻す。
【0162】
図26は、第2の実施の形態における撮像連携処理の流れの一例を示すフローチャートである。第2の実施の形態における撮像連携処理は、携帯情報装置200Aが備えるCPU201Aが、フラッシュメモリ203,210Aに記憶された撮像連携プログラムを実行することにより、CPU111Aにより実行される処理である。
【0163】
図26を参照して、CPU201は、一覧画面送信依頼を、無線LANI/F209を介してMFP100に送信する(ステップS51)。一覧画面送信依頼を受信するMFP100は、HDD116に記憶されたデータ91のデータ識別情報を列挙した一覧画面を返信するので、ステップS52においては、無線LANI/F209がMFP100から一覧画面を受信したか否かを判断する。一覧画面を受信したならば処理をステップS53に進めるが、そうでなければ処理をステップS51に戻す。
【0164】
ステップS53においては、ステップS52において受信された一覧画面を、表示部207に表示する。そして、選択指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザーが操作部208に一覧画面に含まれるデータ識別情報を選択する操作を入力すると、選択指示を受け付ける。選択指示を受け付けたならば処理をステップS55に進めるが、そうでなければ処理をステップS53に戻す。
【0165】
ステップS55においては、ステップS54において選択されたデータ識別情報を含む元データ送信依頼を無線LANI/F209を介してMFP100に送信する。次のステップS56においては、無線LANI/F209がMFP100から元データを受信したか否かを判断する。元データを受信したならば処理をステップS57に進めるが、そうでなければ処理をステップS55に戻す。ステップS57においては、受信された元データをフラッシュメモリ203に記憶し、処理をステップS58に進める。
【0166】
ステップS58においては、第1アシスト画面を表示部207に表示し、処理をステップS59に進める。ステップS59においては、撮像指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザーが、操作部208に設けられたシャッターボタンを押下する操作を検出したならば、撮像指示を受け付ける。撮像指示を受け付けると処理をステップS60に進めるが、そうでなければ処理をステップS58に戻す。ユーザーが、第1アシスト画面に明示される第1の撮影範囲に、被写体となる画像が納まるように、携帯情報装置200の位置を定める操作をするための時間を確保するためである。ステップS60においては、第1基準位置を設定する。具体的には、携帯情報装置200の3次元空間中の位置を、第1基準位置(原点)に設定する。
【0167】
次のステップS61においては、第2アシスト画面を表示部207に表示し、処理をステップS62に進める。ステップS62においては、撮像指示を受け付けたか否かを判断する。撮像指示を受け付けると処理をステップS63に進めるが、そうでなければ処理をステップS61に戻す。ユーザーが、第2アシスト画面に明示される第2の撮影範囲に、被写体となる画像が納まるように、携帯情報装置200の位置を定める操作をするための時間を確保するためである。ステップS63においては、参照位置を算出する。ステップS59において撮像指示が受け付けられた後に、3軸加速度センサ211が出力する3方向の加速度を積分することによって、参照位置を算出する。次のステップS64においては、算出された参照位置を第2基準位置に設定する。
【0168】
次のステップS65においては、変換規則を決定する。ステップS64において設定された第2基準位置、第1アシスト画面に含まれる第1の撮影範囲および第2アシスト画面に含まれる第2の撮影範囲に基づいて、参照位置を元データ中の範囲に変換するための変換規則を決定する。
【0169】
次のステップS66においては、参照位置を算出する。ステップS59において撮像指示が受け付けられた後に、3軸加速度センサ211が出力する3方向の加速度を積分することによって、参照位置を算出する。そして、ステップS66において算出された参照位置とステップS65において決定された変換規則とから元データの画像中の処理対象範囲を決定する。次のステップS68においては、ステップS57において記憶された元データ中で、ステップS67において決定された処理対象範囲に対応する部分を、処理対象部分に決定する。次のステップS69においては、処理実行処理を実行し、処理をステップS70に進める。処理実行処理は、図17および図18に示した処理である。次のステップS70においては、終了指示を受け付けたか否かを判断する。操作部208に撮像連携処理の終了を指示するために予め設けられた停止ボタンを押下する操作を検出したならば、終了指示を受け付ける。終了指示を受け付けたならば処理を終了するが、そうでなければ処理をステップS66に戻す。ステップS66においては、ステップS66が実行される時点の参照位置が算出され、ステップS67以降の処理を繰り返す。
【0170】
以上説明したように、第1の実施の形態における連携システム1は、MFP100,101,102それぞれが、HDD116に元データを記憶しており、元データの画像を用紙に形成し、携帯情報装置200は、カメラ204で用紙に形成された画像を撮像し、出力する撮像画像を取得し、撮像画像に対応する元データをMFP100,101,102のいずれかから取得する。そして、撮像画像に基づいて、元データ中で処理対象となる処理対象部分を決定し、元データのうち処理対象部分を処理する。このため、ユーザーは、MFP100,101,102のいずれかにより用紙に形成された画像を見ながら元データの処理対象部分を特定することができる。また、例えば、MFP100において元データの画像を縮小して画像形成した場合等は、用紙に形成された元データの画像が元データよりも情報量が少なくなるので、元データの処理対象部分が処理することにより、撮像画像よりも多くの情報を処理することができる。
【0171】
また、携帯情報装置200は、撮像画像と元データの画像とを比較し、元データの画像中で撮像画像と同一または類似すると判断された領域に対応する、元データ中の部分を処理対象部分として抽出する。このため、画像を比較することにより元データ中の処理対象部分を決定されるので、処理対象部分を正確に特定することができる。
【0172】
また、カメラ204が備えるレンズの光軸と平行でレンズが向く方向を正とするZ軸方向(第1の方向)の第1の距離、Z軸と垂直に交わるX軸方向(第2の方向)の第2の距離、およびZ軸およびX軸と垂直に交わるY軸方向(第3の方向)の第3の距離を、含む参照位置を検出し、変換後の範囲のサイズを、Z軸方向(第1の方向)の第1の距離に反比例するサイズに決定する変換規則を、を生成する。このため、携帯情報装置200を用紙に近づけたり遠ざけたりする操作で、処理対象部分のサイズを変更することができる。
【0173】
また、携帯情報装置200は、元データの処理対象部分の画像を表示部207に表示するので、ユーザーは、処理対象部分を画像で確認することができる。また、撮像画像よりも元データの情報量が多い場合には、撮像画像よりも多くの情報を表示することができる。
【0174】
さらに、表示部207は、カメラ204が配置される面とは反対側の面に設けられ、カメラ204が備えるレンズの光軸を法線とする表示面を有するので、用紙に形成された画像と、表示面とが同じ方向を向く。このため、ユーザーは、用紙に形成された画像と、処理対象部分の画像とを同時に見ながら処理対象部分を特定することができる。
【0175】
さらに、表示部207に、元データに関連する関連データを表示するので、用紙に形成された画像に関連する情報を表示することができる。
【0176】
また、元データの処理対象部分に含まれる文字情報をキーワードにしてデータベースを検索し、結果検索を表示するので、用紙に形成された画像に関連する情報をデータベースから抽出することができる。
【0177】
さらに、元データの処理対象部分を電子メールで送信するので、送信するデータを特定する操作を容易にすることができる。
【0178】
さらに、元データの処理対象部分をMFP100,101,102いずれかのHDD116に記憶するので、記憶するデータを特定する操作を容易にすることができる。
【0179】
さらに、元データの処理対象部分の画像を、MFP100,101,102のいずれかに用紙に形成させるので、画像を形成する部分を特定する操作を容易にすることができる。
【0180】
さらに、第2の実施の形態における連携システム1Aにおいては、携帯情報装置200Aは、3軸加速度センサー212を備え、互いに交わる3方向の加速度を検出し、第1アシスト画面を表示部207に表示して、第1の撮影範囲に用紙に形成された画像が納まる状態となる第1基準時刻において第1基準位置を設定し、第1基準時刻以降に検出される3方向各々の加速度に基づいて参照位置を検出し、第2アシスト画面を表示部207に表示して、第2の撮影範囲に用紙に形成された画像が納まる状態となる第2基準時刻における参照位置が第2基準位置に設定し、第1の撮影範囲および第2の撮影範囲それぞれの相対的位置関係と、第1基準位置と第2基準位置との3次元空間における相対的位置関係と、に基づいて、参照位置を元データ中の範囲に変換する変換規則を決定し、参照位置を変換規則にしたがって変換することによって、処理対象部分を抽出する。このため、3方向の加速度を検出することによって元データ中の処理対象部分を決定するので、処理対象部分を正確に特定することができる。また、2つの画像を比較する必要がないので、CPU201の負荷を低減することができる。
【0181】
なお、上述した実施の形態においては、画像処理システム1,1Aについて説明したが、図15〜図18、図25および図26に示した処理をMFP100、100Aおよび携帯情報装置200,200Aに実行させる連携処理方法、およびその連携処理方法をMFP100,100Aおよび形態情報装置200,200Aをそれぞれ制御するコンピューターに実行させるための連携処理プログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0182】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0183】
1 画像処理システム、3 ネットワーク、11 無線局、51 データ取得部、53 画像形成制御部、55 検索依頼受信部、57 元データ抽出部、59 類似画像抽出部、61 元データ送信部、63 関連データ送信部、65 関連データ抽出部、71 指定受付部、91 データ、93 関連データ、100〜102 MFP、110 メイン回路、111 CPU、112 通信I/F部、113 ROM、114 RAM、115 EEPROM、116 HDD、117 ファクシミリ部、118 外部記憶装置、118A CD−ROM、120 自動原稿搬送装置、130 原稿読取部、140 画像形成部、150 給紙部、160 操作パネル、160A 表示部、160B 操作部、200 携帯情報装置、201 CPU、202 RAM、203,210A フラッシュメモリ、204 カメラ、205 無線通信部、206 通話部、207 表示部、208 操作部、209 無線LANI/F、210 カードI/F、211 3軸加速度センサ、241 撮像制御部、243,243A 元データ取得部、245,245A 処理対象部分決定部、247 処理実行部、251 比較部、253 比較抽出部、261 関連データ取得部、263 関連部分抽出部、265 表示制御部、267 検索部、269 文字情報抽出部、271 プリント制御部、273 記憶制御部、275 送信制御部、281 加速度検出部、291 第1基準設定部、293 参照位置検出部、295 第2基準設定部、297 変換規則決定部、299 変換抽出部、310 メニュー画面、321,322 関連データ、331 印刷設定画面、341 送信設定画面、351 記憶設定画面、361 検索設定画面、401 一覧画面、411 第1アシスト画面、413 第1の撮像範囲、421 第2アシスト画面、423 第2の撮像範囲。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能な携帯情報装置とを含む連携システムであって、
前記画像形成装置は、元データを記憶する記憶手段と、
前記記憶された元データの画像を用紙に形成する画像形成手段と、を備え、
前記携帯情報装置は、
撮像手段と、
前記撮像手段が前記画像形成装置によって用紙に形成された画像を撮像し、出力する撮像画像を取得する撮像制御手段と、
前記撮像画像に対応する元データを前記画像形成装置から取得する元データ取得手段と、
前記撮像画像に基づいて、前記取得された元データ中で処理対象となる処理対象部分を決定する処理対象決定手段と、
前記元データのうち前記決定された処理対象部分を処理する処理実行手段と、を備えた連携システム。
【請求項2】
前記処理対象決定手段は、前記撮像制御手段により取得された撮像画像と前記元データの画像とを比較する比較手段と、
前記元データの画像中で前記比較手段により前記撮像画像と同一または類似すると判断された領域に対応する、前記元データ中の部分を前記処理対象部分として抽出する比較抽出手段と、を含む請求項1に記載の連携システム。
【請求項3】
前記携帯情報装置は、互いに交わる3方向の加速度を検出する加速度検出手段をさらに備え、
前記元データ取得手段は、前記記憶手段に記憶されたデータのうちから前記元データを選択するユーザによる指示を受け付ける選択指示受付手段を含み、
前記処理対象決定手段は、
前記撮像手段の第1の撮影範囲に用紙に形成された画像が納まる状態となる第1基準時刻において、前記用紙に対する相対的な位置である第1基準位置を設定する第1基準設定手段と、
前記加速度検出手段が前記第1基準時刻以降に出力する3方向各々の加速度に基づいて、前記第1基準時刻以降の参照時刻における位置を、前記第1基準位置に相対する参照位置として検出する参照位置検出手段と、
前記第1基準時刻以降であって、前記撮像手段の前記第1の撮影範囲とサイズおよび位置が異なる第2の撮影範囲に用紙に形成された画像が納まる状態となる第2基準時刻における前記参照位置を第2基準位置に設定する第2基準設定手段と、
前記第1の撮影範囲および第2の撮影範囲それぞれの前記撮像手段の全撮像範囲中における相対的位置関係と、前記第1基準位置と前記第2基準位置との3次元空間における相対的位置関係と、に基づいて、前記参照位置を前記元データ中の範囲に変換する変換規則を決定する変換規則決定手段と、
前記参照位置検出手段により前記参照位置が検出されることに応じて、前記検出された参照位置を前記決定された変換規則にしたがって変換した前記元データ中の範囲を処理対象部分として抽出する変換抽出手段と、を含む請求項1に記載の連携システム。
【請求項4】
前記参照位置検出手段は、前記撮像手段が備えるレンズの光軸と平行で前記レンズが向く方向を正とする第1の方向の第1の距離、前記第1の方向と垂直に交わる第2の方向の第2の距離、および前記第1および第2の方向それぞれと垂直に交わる第3の方向の第3の距離を、含む参照位置を検出し、
前記変換規則決定手段は、前記変換後の範囲のサイズを、前記第1の方向の第1の距離に反比例するサイズに決定するサイズ決定手段を含む、請求項3に記載の連携システム。
【請求項5】
前記携帯情報装置は、画像を表示する表示手段を、さらに備え、
前記処理実行手段は、前記元データのうち前記決定された処理対象部分の画像を前記表示手段に表示する表示制御手段を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の連携システム。
【請求項6】

前記表示手段は、前記撮像手段が配置される面とは反対側の面に設けられ、前記撮像手段が備えるレンズの光軸を法線とする表示面を有する、請求項5に記載の連携システム。
【請求項7】
前記記憶手段は、前記元データと関連する関連データをさらに記憶しており、
前記携帯情報装置は、前記元データに関連する関連データを取得する関連データ取得手段を、さらに備え、
前記処理実行手段は、前記取得された関連データのうちから、前記元データのうち前記決定された処理対象部分に関連する部分に対応する関連部分を抽出する関連部分抽出手段と、を含み、
前記表示制御手段は、前記元データのうち前記決定された処理対象部分の画像に重畳して、前記抽出された関連部分の画像を表示する、請求項5または6に記載の連携システム。
【請求項8】
前記処理実行手段は、前記元データのうち前記決定された処理対象部分から文字情報を抽出する文字情報抽出手段と、
前記抽出された文字情報に基づいてデータベースを検索する検索手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記データベースを検索した検索結果を前記表示手段に表示する、請求項5〜7のいずれかに記載の連携システム。
【請求項9】
前記処理実行手段は、前記元データのうち前記決定された処理対象部分を送信する送信制御手段を含む、請求項1〜8のいずれかに記載の連携システム。
【請求項10】
前記処理実行手段は、前記元データのうち前記決定された処理対象部分を所定の記憶先に記憶する記憶制御手段を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の連携システム。
【請求項11】
前記処理実行手段は、前記元データのうち前記決定された処理対象部分を前記画像形成装置に送信し、前記処理対象部分の画像を形成させるプリント制御手段を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の連携システム。
【請求項12】
元データの画像を用紙に形成し、該元データを記憶する画像形成装置と通信可能な携帯情報装置であって、
撮像手段と、
前記撮像手段が前記画像形成装置によって用紙に形成された画像を撮像し、出力する撮像画像を取得する撮像制御手段と、
前記撮像画像に対応する元データを前記画像形成装置から取得する元データ取得手段と、
前記撮像画像に基づいて、前記取得された元データ中で、処理対象とする処理対象部分を決定する処理対象決定手段と、
前記元データのうち前記決定された処理対象部分を処理する処理実行手段と、を備えた携帯情報装置。
【請求項13】
前記処理対象決定手段は、前記撮像制御手段により取得された撮像画像と前記元データの画像とを比較する比較手段と、
前記元データの画像中で前記比較手段により前記撮像画像に類似すると判断された領域に対応する、前記元データ中の部分を前記処理対象部分として抽出する比較抽出手段と、を含む請求項12に記載の携帯情報装置。
【請求項14】
互いに交わる3方向の加速度を検出する加速度検出手段をさらに備え、
前記元データ取得手段は、前記記憶手段に記憶されたデータのうちから前記元データを選択するユーザによる指示を受け付ける選択指示受付手段を含み、
前記処理対象決定手段は、
第1基準時刻において前記撮像手段が用紙に形成された画像を第1の撮影範囲に納めて撮像し、前記用紙に対する相対的な位置である第1基準位置を設定する第1基準設定手段と、
前記加速度検出手段が前記基準時刻以降に出力する3方向各々の加速度に基づいて、前記基準時刻以降の参照時刻における位置を、前記第1基準位置に相対する参照位置として検出する参照位置検出手段と、
前記第1基準時刻以降の第2基準時刻において前記撮像手段が用紙に形成された画像を前記第1の撮影範囲とサイズおよび位置が異なる第2の撮影範囲に納めて撮像し、前記第2基準時刻における前記参照位置を第2基準位置に設定する第2基準設定手段と、
前記第1の撮影範囲および第2の撮影範囲それぞれの前記撮像手段の全撮像範囲中における相対的位置関係と、前記第1基準位置と前記第2基準位置との3次元空間における相対的位置関係と、に基づいて、前記参照位置を前記元データ中の範囲に変換する変換規則を決定する変換規則決定手段と、
前記参照位置検出手段により前記参照位置が検出されることに応じて、前記検出された参照位置を前記決定された変換規則にしたがって変換した前記元データ中の範囲を処理対象部分として抽出する変換抽出手段と、を含む請求項12に記載の携帯情報装置。
【請求項15】
前記参照位置検出手段は、前記撮像手段が備えるレンズの光軸と平行で前記レンズが向く方向を正とする第1の方向の第1の距離、前記第1の方向と垂直に交わる第2の方向の第2の距離、および前記第1および第2の方向それぞれと垂直に交わる第3の方向の第3の距離を、含む参照位置を検出し、
前記変換規則決定手段は、前記変換後の範囲のサイズを、前記第1の方向の第1の距離に反比例するサイズに決定するサイズ決定手段を含む、請求項14に記載の携帯情報装置。
【請求項16】
元データの画像を用紙に形成し、該元データを記憶する画像形成装置と通信可能な携帯情報装置で実行される連携処理方法あって、
撮像手段が前記画像形成装置によって用紙に形成された画像を撮像し、出力する撮像画像を取得する撮像制御ステップと、
前記画像形成装置から前記撮像画像に対応する元データを取得する元データ取得ステップと、
前記撮像画像に基づいて、前記取得された元データ中で、処理対象とする処理対象部分を決定する処理対象決定ステップと、
前記元データのうち前記決定された処理対象部分を処理する処理実行ステップと、を含む連携処理方法。
【請求項17】
元データの画像を用紙に形成し、該元データを記憶する画像形成装置と通信可能な携帯情報装置を制御するコンピューターで実行される連携処理プログラムあって、
撮像手段が前記画像形成装置によって用紙に形成された画像を撮像し、出力する撮像画像を取得する撮像制御ステップと、
前記画像形成装置から前記撮像画像に対応する元データを取得する元データ取得ステップと、
前記撮像画像に基づいて、前記取得された元データ中で、処理対象とする処理対象部分を決定する処理対象決定ステップと、
前記元データのうち前記決定された処理対象部分を処理する処理実行ステップと、を前記コンピューターに実行させる連携処理プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate


【公開番号】特開2013−77213(P2013−77213A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217416(P2011−217416)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】